◆−薔薇に魅せられし怪盗・1−ザズルア=ジャズルフィードゥ (2002/2/10 12:13:15) No.8072
 ┣うう・・時間的にレスができませんでした(汗)−かお (2002/2/10 19:24:36) No.8079
 ┃┗あたしのせいかと思った・・・。(泣)by歌娘−ザズルア=ジャズルフィードゥ (2002/2/13 16:59:08) No.8092
 ┗薔薇に魅せられし怪盗・2−ザズルア=ジャズルフィードゥ (2002/2/14 18:13:42) No.8101
  ┣話ってもしかしてリナを紹介しろとか?(爆!)−かお (2002/2/15 10:32:28) No.8105
  ┃┗脳内で黒い狐抹殺警報発生中。(爆)−ザズルア=ジャズルフィードゥ (2002/2/15 17:30:19) No.8106
  ┗薔薇に魅せられし怪盗・3−ザズルア=ジャズルフィードゥ (2002/2/19 16:47:56) No.8129
   ┗薔薇に魅せられし怪盗・4−ザズルア=ジャズルフィードゥ (2002/2/24 15:17:07) No.8157
    ┗どうやっても出ないのでこっちに(爆!)−かお (2002/3/12 17:23:32) NEW No.8197


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8072薔薇に魅せられし怪盗・1ザズルア=ジャズルフィードゥ E-mail 2002/2/10 12:13:15

前回の「薔薇の棘の歌姫」でまったくレスが来ず、あとがきで代理を務めた歌娘がグレぎみの今日この頃、皆さんいかがおすごしで?ザズルア=ジャズルフィードゥです。
今回は最初の予定ではやまなし、おちなし、いみなしな話の予定でしたが、さすがにそれはつまらんだろうと思い、一年程前に書いた話をリニューアルしたのを混ぜ込みました。
それではみなさん、どーぞお楽しみください☆

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

薔薇に魅せられし怪盗・1

「アメリア様、お邪魔致します。・・・あら?」
とある宿屋の一室――アメリアに割り当てられた部屋にスプルが入ってきた。
部屋ではアメリアが――棒編み、しかも縄編みで――セーターを編んでいた。
「アメリア様、編物ですか。」
「はい。もうすぐバレンタインでしょ?だからゼルガディスさんにと思って・・・。」
アメリアが頬を赤らめつつも嬉しそうに言った。
「そうですか。あ、でも・・・。」
スプルはアメリアの編んでいるセーターを指差し、
「縄編みが一目づつずれてますわよ。」
「あ゛・・・。」
「お教えしましょうか?」
スプルがクスクス笑いながら言った。
「お願いしますぅ・・・。」
アメリアが毛糸を解きながら答えた。
「でもおかしいですねぇ・・・。昔はよく姉さんと編物していたはずなのに・・・。」
「アメリア様のお姉様ですか・・・。一度お会いしたいものですわ。」
いや実はアンタ一度会ってるよと言う声も無きにはあらずなのだが、それはいいとして。
「わたくしもレイナードにいたころはこの時期になるとブロッサム様と、よくシェイン様に編物をして差し上げたものですわ。」
笑顔で言ったスプルの言葉にアメリアの編物をする手が止まる。
アメリアは知っている。スプルはその頃、シェインに恋心を抱いていたことを。
「辛かったんだろうな、という顔ですね。」
アメリアの心を見透かすかのようにスプルは言った。
「確かに辛かったです。でも、それ以上に幸せでした。
 幸せだった・・・はずですのに・・・。」
スプルの顔が曇る。
スプルがレイナードを去った理由、それはスプルがシェインに化けた魔族にだまされ、ブロッサム王女を暗殺しようとしたからだ。
スプルの心変わりなどもあって暗殺は失敗となったが、彼女は責任と己の未熟さを感じ、生まれ育った国に別れを告げた。
部屋の空気が重くなる。
「ま、そんな暗いことは置いておいて、続けましょう、アメリア様!」
急にスプルが明るい声で言う。それが無理矢理なのかどうかはわからない。
「そ・・・、そうですね・・・。」
それから十数分後、
「おっ邪魔しま〜す!あら?スプルちゃんもいたんだ。」
ハールが部屋に訪れた。
彼女はアメリア達と旅を共にしてから5人を親しく呼び捨てで呼ぶようになった。
「あ、編物してるんだ。いいね〜♪」
「そうなんです。もうすぐバレンタインでしょ。」
「そっか〜、それでゼルに編んであげてるんだね。
 あれ、スプルは編まないの?」
「わたくしは別に差し上げる人がいませんから・・・。」
「・・・質問。あなたにとってセイドとはどんな人?」
ハールがスプルに聞いた。
「優しくて強い、良い旅の仲間ですわ。」
さらりというスプルの言葉にハールは沈黙した。
セイド、絶望的なんだねと思いつつ。
「あ・・・、でもさ。」
ハールはアメリアが編んでいる縄編みを指差し、
「これ、間違ってるよ。」




そして、
「縄編みの両端は裏編みにしなきゃいけないんだよ。」
結局、アメリアはハールからも編み方を教わることになった。
「手馴れてますね・・・。」
「ま、あたしこう見えても編物暦10年だからね。冬になると毎年編んでいたものだわ。」
言いながらハールも編物をやりだす。アメリアが編物をしているのを見ていて一緒にやりたくなったようだ。
「さぁ、残り日にちも少ないし、張り切っていこう!!」

つづく

=========================================
あぁっ!話の内容がタイトルと関係ないって言わないで!!
これからからんできますからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
それでは書き逃げっ!

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8079うう・・時間的にレスができませんでした(汗)かお E-mail 2002/2/10 19:24:36
記事番号8072へのコメント

ザズルア=ジャズルフィードゥさんは No.8072「薔薇に魅せられし怪盗・1」で書きました。
>
こんにちわ。ザズルアさん。
>前回の「薔薇の棘の歌姫」でまったくレスが来ず、あとがきで代理を務めた歌娘がグレぎみの今日この頃、皆さんいかがおすごしで?ザズルア=ジャズルフィードゥです。
すいませぇん(涙)
レスをしよーと思ってて、ついつい、後回しにしてたら・・・。
落ちてたし・・・。
うう・・・。
なかなかいいレス内容が思いつかなかったんですよぉ・・・。
エル:といって、レスしよーと思ってノートにレスコメントまで、
かいといて・・・・。
かお:ぎく!!
   まあ、気がついたら、一時や二時前・・(汗)
    で、寝ましたので・・・。その繰り返し・・・です(汗)はい・・。
>今回は最初の予定ではやまなし、おちなし、いみなしな話の予定でしたが、さすがにそれはつまらんだろうと思い、一年程前に書いた話をリニューアルしたのを混ぜ込みました。
>それではみなさん、どーぞお楽しみください☆
はいです(はあと)
>
>―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>
>薔薇に魅入られし怪盗・1
>
>「アメリア様、お邪魔致します。・・・あら?」
>とある宿屋の一室――アメリアに割り当てられた部屋にスプルが入ってきた。
>部屋ではアメリアが――棒編み、しかも縄編みで――セーターを編んでいた。
>「アメリア様、編物ですか。」
>「はい。もうすぐバレンタインでしょ?だからゼルガディスさんにと思って・・・。」
>アメリアが頬を赤らめつつも嬉しそうに言った。
>「そうですか。あ、でも・・・。」
>スプルはアメリアの編んでいるセーターを指差し、
>「縄編みが一目づつずれてますわよ。」
>「あ゛・・・。」
>「お教えしましょうか?」
>スプルがクスクス笑いながら言った。
>「お願いしますぅ・・・。」
>アメリアが毛糸を解きながら答えた。
一回編んだ毛糸は編みにくいです・・・。
癖がついてるんですよねぇ・・・。
>「でもおかしいですねぇ・・・。昔はよく姉さんと編物していたはずなのに・・・。」
>「アメリア様のお姉様ですか・・・。一度お会いしたいものですわ。」
>いや実はアンタ一度会ってるよと言う声も無きにはあらずなのだが、それはいいとして。
まあ、ナーガですしね(笑)
>「わたくしもレイナードにいたころはこの時期になるとブロッサム様と、よくシェイン様に編物をして差し上げたものですわ。」
>笑顔で言ったスプルの言葉にアメリアの編物をする手が止まる。
>アメリアは知っている。スプルはその頃、シェインに恋心を抱いていたことを。
>「辛かったんだろうな、という顔ですね。」
>アメリアの心を見透かすかのようにスプルは言った。
>「確かに辛かったです。でも、それ以上に幸せでした。
> 幸せだった・・・はずですのに・・・。」
>スプルの顔が曇る。
>スプルがレイナードを去った理由、それはスプルがシェインに化けた魔族にだまされ、ブロッサム王女を暗殺しようとしたからだ。
>スプルの心変わりなどもあって暗殺は失敗となったが、彼女は責任と己の未熟さを感じ、生まれ育った国に別れを告げた。
悪いのは魔族です!!スプルさんのせいじゃあないです!!
>部屋の空気が重くなる。
>「ま、そんな暗いことは置いておいて、続けましょう、アメリア様!」
>急にスプルが明るい声で言う。それが無理矢理なのかどうかはわからない。
>「そ・・・、そうですね・・・。」
>それから十数分後、
>「おっ邪魔しま〜す!あら?スプルちゃんもいたんだ。」
>ハールが部屋に訪れた。
>彼女はアメリア達と旅を共にしてから5人を親しく呼び捨てで呼ぶようになった。
>「あ、編物してるんだ。いいね〜♪」
>「そうなんです。もうすぐバレンタインでしょ。」
>「そっか〜、それでゼルに編んであげてるんだね。
> あれ、スプルは編まないの?」
>「わたくしは別に差し上げる人がいませんから・・・。」
>「・・・質問。あなたにとってセイドとはどんな人?」
>ハールがスプルに聞いた。
>「優しくて強い、良い旅の仲間ですわ。」
>さらりというスプルの言葉にハールは沈黙した。
>セイド、絶望的なんだねと思いつつ。
まあ道はとおいぞ果てしなく(爆!)
>「あ・・・、でもさ。」
>ハールはアメリアが編んでいる縄編みを指差し、
>「これ、間違ってるよ。」
そーいえば、結局ハールの歌の力って??

>「縄編みの両端は裏編みにしなきゃいけないんだよ。」
>結局、アメリアはハールからも編み方を教わることになった。
>「手馴れてますね・・・。」
>「ま、あたしこう見えても編物暦10年だからね。冬になると毎年編んでいたものだわ。」
>言いながらハールも編物をやりだす。アメリアが編物をしているのを見ていて一緒にやりたくなったようだ。
>「さぁ、残り日にちも少ないし、張り切っていこう!!」
ですね・・。
私もバレンタイン企画の小説・・・打ち上げねば(汗)
>
>つづく
>
>=========================================
>あぁっ!話の内容がタイトルと関係ないって言わないで!!
>これからからんできますからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
>それでは書き逃げっ!
楽しみです(はあと)
しかし、どんどんメンバーが増えますね(はあと)
リナ達が入ったら楽しいかも(爆!)
ではでは、最近ずっとレスサボっているかおでした(汗)
あ゛あ゛・・・。感想になつてない・・・。
それでは・・・。
(さて・・いい加減に四日ぶりに小説を打ち込まねば・・・・汗)

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8092あたしのせいかと思った・・・。(泣)by歌娘ザズルア=ジャズルフィードゥ 2002/2/13 16:59:08
記事番号8079へのコメント

>こんにちわ。ザズルアさん。
こんにちは〜!!お久しぶりです!(自爆)
>>前回の「薔薇の棘の歌姫」でまったくレスが来ず、あとがきで代理を務めた歌娘がグレぎみの今日この頃、皆さんいかがおすごしで?ザズルア=ジャズルフィードゥです。
>すいませぇん(涙)
>レスをしよーと思ってて、ついつい、後回しにしてたら・・・。
>落ちてたし・・・。
>うう・・・。
>なかなかいいレス内容が思いつかなかったんですよぉ・・・。
>エル:といって、レスしよーと思ってノートにレスコメントまで、
>かいといて・・・・。
>かお:ぎく!!
>   まあ、気がついたら、一時や二時前・・(汗)
>    で、寝ましたので・・・。その繰り返し・・・です(汗)はい・・。
ノートにレスコメントを描いていらしたとは!感謝です。(^^)
>>―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>>
>>薔薇に魅入られし怪盗・1
>>
>>「アメリア様、お邪魔致します。・・・あら?」
>>とある宿屋の一室――アメリアに割り当てられた部屋にスプルが入ってきた。
>>部屋ではアメリアが――棒編み、しかも縄編みで――セーターを編んでいた。
>>「アメリア様、編物ですか。」
>>「はい。もうすぐバレンタインでしょ?だからゼルガディスさんにと思って・・・。」
>>アメリアが頬を赤らめつつも嬉しそうに言った。
>>「そうですか。あ、でも・・・。」
>>スプルはアメリアの編んでいるセーターを指差し、
>>「縄編みが一目づつずれてますわよ。」
>>「あ゛・・・。」
>>「お教えしましょうか?」
>>スプルがクスクス笑いながら言った。
>>「お願いしますぅ・・・。」
>>アメリアが毛糸を解きながら答えた。
>一回編んだ毛糸は編みにくいです・・・。
>癖がついてるんですよねぇ・・・。
ん〜、あたしとしてはそんなに気にはなりませんよ。ちょっと太目の毛糸だからかな?
>>「でもおかしいですねぇ・・・。昔はよく姉さんと編物していたはずなのに・・・。」
>>「アメリア様のお姉様ですか・・・。一度お会いしたいものですわ。」
>>いや実はアンタ一度会ってるよと言う声も無きにはあらずなのだが、それはいいとして。
>まあ、ナーガですしね(笑)
うん、ナーガだしね。(笑)
>>「わたくしもレイナードにいたころはこの時期になるとブロッサム様と、よくシェイン様に編物をして差し上げたものですわ。」
>>笑顔で言ったスプルの言葉にアメリアの編物をする手が止まる。
>>アメリアは知っている。スプルはその頃、シェインに恋心を抱いていたことを。
>>「辛かったんだろうな、という顔ですね。」
>>アメリアの心を見透かすかのようにスプルは言った。
>>「確かに辛かったです。でも、それ以上に幸せでした。
>> 幸せだった・・・はずですのに・・・。」
>>スプルの顔が曇る。
>>スプルがレイナードを去った理由、それはスプルがシェインに化けた魔族にだまされ、ブロッサム王女を暗殺しようとしたからだ。
>>スプルの心変わりなどもあって暗殺は失敗となったが、彼女は責任と己の未熟さを感じ、生まれ育った国に別れを告げた。
>悪いのは魔族です!!スプルさんのせいじゃあないです!!
うちのお嬢をかばっていただき、ありがとうございます。(ぺこり)
>>部屋の空気が重くなる。
>>「ま、そんな暗いことは置いておいて、続けましょう、アメリア様!」
>>急にスプルが明るい声で言う。それが無理矢理なのかどうかはわからない。
>>「そ・・・、そうですね・・・。」
>>それから十数分後、
>>「おっ邪魔しま〜す!あら?スプルちゃんもいたんだ。」
>>ハールが部屋に訪れた。
>>彼女はアメリア達と旅を共にしてから5人を親しく呼び捨てで呼ぶようになった。
>>「あ、編物してるんだ。いいね〜♪」
>>「そうなんです。もうすぐバレンタインでしょ。」
>>「そっか〜、それでゼルに編んであげてるんだね。
>> あれ、スプルは編まないの?」
>>「わたくしは別に差し上げる人がいませんから・・・。」
>>「・・・質問。あなたにとってセイドとはどんな人?」
>>ハールがスプルに聞いた。
>>「優しくて強い、良い旅の仲間ですわ。」
>>さらりというスプルの言葉にハールは沈黙した。
>>セイド、絶望的なんだねと思いつつ。
>まあ道はとおいぞ果てしなく(爆!)
そうね。近いと見せかけてエベレストの頂上より遠いわ・・・。(爆)
>>「あ・・・、でもさ。」
>>ハールはアメリアが編んでいる縄編みを指差し、
>>「これ、間違ってるよ。」
>そーいえば、結局ハールの歌の力って??
あははvそれはこの話の続きに披露されます♪
>
>>「縄編みの両端は裏編みにしなきゃいけないんだよ。」
>>結局、アメリアはハールからも編み方を教わることになった。
>>「手馴れてますね・・・。」
>>「ま、あたしこう見えても編物暦10年だからね。冬になると毎年編んでいたものだわ。」
>>言いながらハールも編物をやりだす。アメリアが編物をしているのを見ていて一緒にやりたくなったようだ。
>>「さぁ、残り日にちも少ないし、張り切っていこう!!」
>ですね・・。
>私もバレンタイン企画の小説・・・打ち上げねば(汗)
>>
>>つづく
>>
>>=========================================
>>あぁっ!話の内容がタイトルと関係ないって言わないで!!
>>これからからんできますからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
>>それでは書き逃げっ!
>楽しみです(はあと)
>しかし、どんどんメンバーが増えますね(はあと)
今回また増える予定。(爆・名前はまだ出さないと思うけど。)
>リナ達が入ったら楽しいかも(爆!)
秋頃にリナたちも出てくる話を書こうと目論見中です♪(もう!?)
>ではでは、最近ずっとレスサボっているかおでした(汗)
>あ゛あ゛・・・。感想になつてない・・・。
レスサボっているのはあたしも同じ・・・。(←一度もかおさんの小説にレスしてないヤツ)
>それでは・・・。
>(さて・・いい加減に四日ぶりに小説を打ち込まねば・・・・汗)
それではまた!!

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8101薔薇に魅せられし怪盗・2ザズルア=ジャズルフィードゥ 2002/2/14 18:13:42
記事番号8072へのコメント

薔薇に魅せられし怪盗・2

そして、事件の発端はバレンタイン前日の2月13日の昼食時のことだった。
「た・・・、旅の方!あなた方に頼みたい事があるのですが・・・。」
6人に声をかけてきたのは40代ほどの商人風の男だった。
「何でしょう?頼みたいことと言うのは。」
「あまり大きな声ではいえませんが・・・、実は、私の持つ宝石があのブラック・フォックスに狙われているのです!」
グサッ!
普段は何があっても温厚なハールがフォークをエビフライに思いっきり突き刺しながら何やらすごいオーラを放っている。
「つまり・・・、そのクソ泥棒を捕まえてほしい・・・と?」
「いえ、捕まえるとまではいかなくても、宝石さえ守っていただければ・・・。」
「わかりました。」
皆の意見も聞かずにハールは返事する。
「必ず!必ずこのあたしがあの忌々しいクソ泥棒狐をひっ捕らえて見せましょう!!」
「いえ、だから別に捕まえなくても・・・。」
名乗る事すら忘れている依頼人の言葉は妥当ブラック・フォックスに燃えるハールには全く聞こえなかった。



「でも・・・、どうしてハールさんはそんなにブラック・フォックスを捕まえたがるんですか?」
依頼人――コーズアと名乗ったが――が去った後、アメリアはハールにそう尋ねた。
「あいつは・・・、あたしから幸せな家庭を奪い去ったのよ!!」
ハールはバックに炎を燃やしながら答えた。
「あの泥棒はあくどい金持ちにしか盗みを働かないっていう話でしょ?
 2年程前、あいつはあたしの家に泥棒に入って、それ以来父さんと母さんはお前が悪事を働いたんじゃないのかってケンカばっかりしてて・・・。そんな親を見たくないって言うのもあたしが旅に出た理由の一つでもあるのよ・・・。」
落ち込み顔でハールは言った。
「だから・・・、あたしから幸せを奪ったあのクソ泥棒狐をとっ捕まえてやるのよ!!」
と、思ったらあさっての方向に中指おっ立てて燃え出した。
「だが・・・、お前に泥棒を捕らえる方法なんて・・・。」
じゃん♪
ハールは背負っていたギターを鳴らした。
「今日のお昼はゼロスのおごりで〜♪」
「わかりました。」
『あった。』
ハールが歌い、ゼロスがその通りに昼食代を払う姿を見て四人は声をそろえて言った。
歌によって不思議な現象を起こす力。
ハールはこの力を分かりやすく「歌術」と名付けた。
この力を使えば、あるいはブラック・フォックスを捕まえることが出来るかもしれない。ハールはそう考えていた。


そして、予告の時間まであと数分となった。
「しかし・・・、よほどの派手好きのようですわね。そのブラック・フォックスとやらは。」
己の瞳と同じ色のドレスを着たスプルが言った。
現在彼らはコーズア氏主催のパーティ会場にいた。外で見張りをしているゼルガディスとアメリア、そしてゼロス以外は皆正装して客人に扮している。
狙われている宝石は今、スプルの目の前にある。
それは宝石というよりは工芸品と呼べるようなもので、ルビーを薄く削って薔薇の形にした物だった。この宝石は『真紅の乙女(レッド・レディ)』と呼ばれているそうだ。
「すごい高級品ですよね・・・、これ。」
スプルのそばに居るセイドが言った。
「えぇ、宝石そのものの価値もさることながら、これだけのものを作れる技術を持つ名工が作ったのでしょうから捨て値で売りさばいても金貨数万枚はくだらないでしょうね。」
「どう?そっちは。」
ハールが二人に近づいてきた。
「異常はありませんわ。」
「そう。でも、異常は今から起きるわよ。」
「何っ!?」
言ってハールは宝石を手にしてその場をすごいスピードで駆け出す。
「貴様、ブラック・フォックスだな!!」
「ははははは、その通り!『レッド・レディ』は頂いた!!」
セイドのそのまんまな発言にブラック・フォックスもそのまんまに返した。ブラック・フォックスはそのまま外に逃げていく。
「お待ち!!」
二人も奴のあとを追った。



その頃、本物のハールは・・・。
「くー、すー。」
ブラック・フォックスに薬で眠らされていた。
「起きろ、起きるんだ。」
「うきーぃ・・・。」
ハールは誰かに体をゆすぶられて目を覚ました。
目を開き、ハールは自分を起こしてくれた人物を見た。
年のころなら30代前半、ハールと同じ黒目黒髪、違うのは乾燥地帯の人間特有の褐色の肌だろう。長い髪を後ろで束ね、異国の軽装に身を包んでいて腰には一本の曲刀をさしているなかなか美形の男だった。
「・・・・・・。」
「おい、お前本物だな?」
ハールにじっと見られているにもかかわらず、男は冷静に彼女に尋ねた。
「・・・はっ!そういえばあいつ、あたしを眠らせて・・・!!
 ――こっちへ!!」
ハールが駆け出す。つられて男もそのあとを追う。
ドレスになれていないせいか、ハールは何度もドレスのすそに躓きつつも目的の場所についた。
「・・・こんなところに何の用がある?」
男はぼやいた。彼らが今いるのは屋敷の屋根の上。しかし、ハールは不敵な笑みを浮かべていた。
「後で分かりますよ、きっと。」
そして、彼女は歌いだした。

――人を惑わす黒き獣よ お前に真紅の乙女は奪えぬ
  金色の太陽 蒼き空が 鋭き棘を持つ茨が お前を陥れるだろう

歌い終わり、ハールは賞賛の笑みを浮かべるが、男はまだ理解できない。
「何がしたいんだ?お前。」
「それは明日になったらきっと分かりますよ。恐らくその頃にはあの泥棒は捕まっているでしょう。」
ハールはふふふと笑った。だが、その笑いは段々高笑いに変化していく。
「あっはははははははは!歌詞がイマイチなのはちょっと気になるけど、これであんたも年貢の納め時ね黒狐!!あははははははは・・・。」
ふっと高笑いが途切れたかと思うと、ハールは糸が切れた操り人形のように倒れた。
「おいっ!!」
間一髪で男がハールの腕をつかんでくれたおかげで、彼女はそのまま地面へまっさかさまに落ちることは無かった。
「一体何が・・・?」
「すぴー。」
「・・・寝てるし。」
まだ、睡眠薬が完全には切れていなかったようだ。



その頃、スプルは――
「追いつきましたわよブラック・フォックス!!」
ドレスだというのにハールとは逆に優雅な身のこなしでスプルはブラック・フォックスを路地裏に追い詰めた。
「さすがですね、お嬢さん。でも、貴方は私を追いついたといいましたが、私が貴方をわざと追いつかせたのです。」
「!?」
ブラック・フォックスはスプルの顎に手をやる。
「二人きりでお話がありましてね。」

つづくっ!

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8105話ってもしかしてリナを紹介しろとか?(爆!)かお E-mail 2002/2/15 10:32:28
記事番号8101へのコメント

ザズルア=ジャズルフィードゥさんは No.8101「薔薇に魅せられし怪盗・2」で書きました。
>
こんにちわ♪ザズルアさん♪
>薔薇に魅せられし怪盗・2
>
>そして、事件の発端はバレンタイン前日の2月13日の昼食時のことだった。
>「た・・・、旅の方!あなた方に頼みたい事があるのですが・・・。」
>6人に声をかけてきたのは40代ほどの商人風の男だった。
>「何でしょう?頼みたいことと言うのは。」
>「あまり大きな声ではいえませんが・・・、実は、私の持つ宝石があのブラック・フォックスに狙われているのです!」
ふふふ♪例のリナに一目ぼれしてるフォックスですね(はあと)
>名乗る事すら忘れている依頼人の言葉は妥当ブラック・フォックスに燃えるハールには全く聞こえなかった。

>「あいつは・・・、あたしから幸せな家庭を奪い去ったのよ!!」
>ハールはバックに炎を燃やしながら答えた。
>「あの泥棒はあくどい金持ちにしか盗みを働かないっていう話でしょ?
> 2年程前、あいつはあたしの家に泥棒に入って、それ以来父さんと母さんはお前が悪事を働いたんじゃないのかってケンカばっかりしてて・・・。そんな親を見たくないって言うのもあたしが旅に出た理由の一つでもあるのよ・・・。」
>落ち込み顔でハールは言った。
・・・・ハールの両親って・・?
もしかしてそれってフォックスの偽者じゃぁ・・・???

>「今日のお昼はゼロスのおごりで〜♪」
>「わかりました。」
>『あった。』
>ハールが歌い、ゼロスがその通りに昼食代を払う姿を見て四人は声をそろえて言った。
>歌によって不思議な現象を起こす力。
>ハールはこの力を分かりやすく「歌術」と名付けた。
>この力を使えば、あるいはブラック・フォックスを捕まえることが出来るかもしれない。ハールはそう考えていた。
ゼロス・・・・・このメンバーでどうやってお金をかせいでいる???(爆!)

>――人を惑わす黒き獣よ お前に真紅の乙女は奪えぬ
>  金色の太陽 蒼き空が 鋭き棘を持つ茨が お前を陥れるだろう
>
でもこの歌ではフォックスとは限らないんじゃぁ?(笑)
>歌い終わり、ハールは賞賛の笑みを浮かべるが、男はまだ理解できない。

>その頃、スプルは――
>「追いつきましたわよブラック・フォックス!!」
>ドレスだというのにハールとは逆に優雅な身のこなしでスプルはブラック・フォックスを路地裏に追い詰めた。
>「さすがですね、お嬢さん。でも、貴方は私を追いついたといいましたが、私が貴方をわざと追いつかせたのです。」
>「!?」
>ブラック・フォックスはスプルの顎に手をやる。
>「二人きりでお話がありましてね。」
もしかして話ってリナを知っているか?
とかもし知ってたら紹介しろ・・とか?(爆!)
フォックスまだリナを好きなのだろーか?(笑)
>
>つづくっ!
続きが気になりますぅ・・。
それでは、短いですが。
感想になってない感想でした。
・・・そろそろ業者がパソ修理に出すので引き取りにくるころ・・・・。
しくしくしくしく・・・。
どーしていきなりCDドライブが読み込み不可能になるのよぉぉ!!(涙)
しくしくしくしく・・・。
では・・・・・。(くすん・・・・)

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8106脳内で黒い狐抹殺警報発生中。(爆)ザズルア=ジャズルフィードゥ E-mail 2002/2/15 17:30:19
記事番号8105へのコメント

かおさんは No.8105「話ってもしかしてリナを紹介しろとか?(爆!)」で書きました。
>
>ザズルア=ジャズルフィードゥさんは No.8101「薔薇に魅せられし怪盗・2」で書きました。
>>
>こんにちわ♪ザズルアさん♪
ちはっす♪かおさん♪
>>薔薇に魅せられし怪盗・2
>>
>>そして、事件の発端はバレンタイン前日の2月13日の昼食時のことだった。
>>「た・・・、旅の方!あなた方に頼みたい事があるのですが・・・。」
>>6人に声をかけてきたのは40代ほどの商人風の男だった。
>>「何でしょう?頼みたいことと言うのは。」
>>「あまり大きな声ではいえませんが・・・、実は、私の持つ宝石があのブラック・フォックスに狙われているのです!」
>ふふふ♪例のリナに一目ぼれしてるフォックスですね(はあと)
はいvあたしがスレイヤーズでもっとも嫌いなあの黒狐です♪(バックには負のオーラ。←待て)
>>名乗る事すら忘れている依頼人の言葉は妥当ブラック・フォックスに燃えるハールには全く聞こえなかった。
>
>>「あいつは・・・、あたしから幸せな家庭を奪い去ったのよ!!」
>>ハールはバックに炎を燃やしながら答えた。
>>「あの泥棒はあくどい金持ちにしか盗みを働かないっていう話でしょ?
>> 2年程前、あいつはあたしの家に泥棒に入って、それ以来父さんと母さんはお前が悪事を働いたんじゃないのかってケンカばっかりしてて・・・。そんな親を見たくないって言うのもあたしが旅に出た理由の一つでもあるのよ・・・。」
>>落ち込み顔でハールは言った。
>・・・・ハールの両親って・・?
>もしかしてそれってフォックスの偽者じゃぁ・・・???
うあ、やだなそれ。(自分に正直)彼女の両親は一応商人です。(^^;)
>>「今日のお昼はゼロスのおごりで〜♪」
>>「わかりました。」
>>『あった。』
>>ハールが歌い、ゼロスがその通りに昼食代を払う姿を見て四人は声をそろえて言った。
>>歌によって不思議な現象を起こす力。
>>ハールはこの力を分かりやすく「歌術」と名付けた。
>>この力を使えば、あるいはブラック・フォックスを捕まえることが出来るかもしれない。ハールはそう考えていた。
>ゼロス・・・・・このメンバーでどうやってお金をかせいでいる???(爆!)
一応何らかの依頼を受けて旅の資金稼いでるんでしょう。
と、言うかそのツッコミは他の作家さんにも言えるのでは・・・?
>>――人を惑わす黒き獣よ お前に真紅の乙女は奪えぬ
>>  金色の太陽 蒼き空が 鋭き棘を持つ茨が お前を陥れるだろう
>>
>でもこの歌ではフォックスとは限らないんじゃぁ?(笑)
十分じゃない?
人を惑わす黒き獣→黒狐→ブラック・フォックスになるし♪
>>歌い終わり、ハールは賞賛の笑みを浮かべるが、男はまだ理解できない。
>
>>その頃、スプルは――
>>「追いつきましたわよブラック・フォックス!!」
>>ドレスだというのにハールとは逆に優雅な身のこなしでスプルはブラック・フォックスを路地裏に追い詰めた。
>>「さすがですね、お嬢さん。でも、貴方は私を追いついたといいましたが、私が貴方をわざと追いつかせたのです。」
>>「!?」
>>ブラック・フォックスはスプルの顎に手をやる。
>>「二人きりでお話がありましてね。」
>もしかして話ってリナを知っているか?
>とかもし知ってたら紹介しろ・・とか?(爆!)
>フォックスまだリナを好きなのだろーか?(笑)
そうくるか・・・!っていうか成る程!!(待て)
でもスプルよりアメリアのほうがリナと面識があるのでは?

>>つづくっ!
>続きが気になりますぅ・・。
>それでは、短いですが。
>感想になってない感想でした。
>・・・そろそろ業者がパソ修理に出すので引き取りにくるころ・・・・。
>しくしくしくしく・・・。
>どーしていきなりCDドライブが読み込み不可能になるのよぉぉ!!(涙)
>しくしくしくしく・・・。
>では・・・・・。(くすん・・・・)
いえいえ。(何故か引きつった笑顔・爆)
・・・そーいや何も考えていなかったけど、やっぱりこの話書くのやめた方が良かったかも。(何をいまさら)
だって名前を見ることすら嫌な、くそ野郎の名前がレスにずらずらずらずら〜〜〜〜〜!!(自爆)
下書きでも「ブラック・フォックス」のところを「B・F」とか「黒狐」とか「くそ狐」とか書いてるし。
でも半端で終わらせるのもなんだし、根性入れて続き書きます。
では。(冷や汗タラタラ)

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8129薔薇に魅せられし怪盗・3ザズルア=ジャズルフィードゥ 2002/2/19 16:47:56
記事番号8101へのコメント

(ぴんぽんぱんぽん♪)
歌娘:緊急ニュースです。
   作者の黒狐嫌い病の重症化のため、当初の予定とは違う話になります。
   そのため、話が噛み合わなくなったりする恐れもあるので「ここ矛盾しとるぞボケェ!」とか「安着すぎるわぃ!」などの苦情が出た場合、責任を負いかねます。
   作者代理ハール・ターンでした。
(ぴんぽんぱんぽん♪)

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

薔薇に見せられし怪盗・3

「知るかボケぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
すかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!
いつもとはえらく違う口調で放ったスプルの問答無用なフライパン攻撃にブラック・フォックスはそのままふっとばられた。
「も・・・、問答無用な・・・。」
「貴様のようなやつの問答など聞いていられるか!!ジャズル・フィラード!!」
再びいつもと違う口調のスプルの問答無用な攻撃。またもやブラック・フォックスはふっとばされる。今度は完全にのびた。
そこへ、タイミングよく『真紅の乙女』が怪盗の懐から転がり落ちた。
「ふっ・・・、所詮はこの程度・・・。」
完璧にキャラが変わっているスプルは『真紅の乙女』を拾い上げ――ようとしたその時!
ビューーーーーーーーーーーーーーーー!!
「えぇっ!?」
風に流され、『真紅の乙女』はころころころと転がっていく。
「嘘っ!?ちょっとお待ちなさい!!」
慌ててスプルが転がっていく宝石を追いかけていった。



その頃、アメリアは――
「おい。」
「はい?」
アメリアは後ろから声をかけられ、振り向いて驚いた。
そこには自分の父親ほどの長身の男が爆睡しているハールを抱えて立っていたのだから。
「ハ・・・、ハールさん!?」
「やはり知り合いのようだな。
 こいつ、薬で眠らされていたようで、一度は起こしたんだが完全には薬が切れていなくてまた眠り出したんだ。また起こそうとしたんだが今度は全く目覚めねぇときた。
 すまないが、こいつを頼む。」
男はハールをアメリアに渡し、そのまま去っていこうとする。
「あ・・・、ちょっと待ってください!」
アメリアが男を呼び止めようとする。だが、アメリアの声が聞こえなかったか男はそのまま去っていった。
「あの人・・・、どこかで見たことがあるような気が・・・?」




一方、セイドは――
「ぜぇ・・・、一体どこにいったんだあの泥棒・・・?
 スプルさん、ドレスだというのにすごいスピードで追いかけていったな・・・。」
静まり返る夜の町の中、セイドはブラック・フォックスを見失っていた。
コロコロコロ。
「ん?」
足元に何かが転がってきて、セイドは足元を見た。見て驚いた。
それは、間違いなく先ほどブラック・フォックスが盗んだ『真紅の乙女』だったのだから。
「なんでこんなところに・・・?」
その直後、宝石が転がってきた方向から聞き覚えのある――セイドが聞き間違える事のない声が聞こえてきた。
「お待ちーーーーーぃ・・・。
 ・・・あら、セイドさん。」
「スプルさん・・・?なんで・・・?」
「それは・・・、ですね。」



「・・・と、いうことです。」
スプルは先ほどブラック・フォックスと対峙した路地裏へ向かいながらセイドに説明した。
「そんな間抜けな話って・・・。」
「間抜けでも、真実なのは仕方ありませんわ。
 とにかく、あとはあの泥棒を役所に突き出せば万時解決――」
スプルの笑顔が固まった。先ほどのびきっていたはずのブラック・フォックスが影も形も無くいなくなっているのだから。
「嘘っ!?」
「逃げられちゃった・・・んですか?」
「・・・・・・そのようですわね。」
額に青筋立てながらスプルはただ一つ残ったカードを上目遣いで見た。

『ある令嬢と同じ瞳を持つお嬢さんへ。
 今回はしくじりましたが、次は勝ちを譲りませんよ。
                         ブラック・フォックス』

「ふっふっふっふっふ・・・。――バースト・ロンド。」
スプルは魔術で火の粉を散らしながらカードを灰にした。
「面白い・・・、今度あった時は必ず貴様を捕まえてみせるわブラック・フォックス!!」
バックに炎を燃やしながらスプルは満月に向かってそう言った。彼女の心境はまさに怪盗と戦う名探偵そのものだった。

ちなみにセイドは何も分からないままそんなスプルを呆然と見ていた。



翌日・・・
「・・・ふぇ?」
昼をまわった頃、ハールは寝床で目を覚ました。
「・・・・・・あの方は!?」
「あー、おはようございます。」
まるでタイミングを図っていたかのように――実際には図ってなど居ないだろうが――ゼロスが部屋に入ってきた。
「昨日の夜、どうなったの!?あの泥棒は捕まった!?あたしと一緒にいた方知らない!?」
「宝石は無事でしたが、結局ブラック・フォックスは捕まらなかったそうです。
 それと、ハールさんの言っている人かどうかはわかりませんが、寝ているあなたを肌の黒い、長身の男の人が連れてきたとアメリアさんが言ってましたよ。」
「そのお方よ!!」
「もう旅立ったそうです。」
ゼロスの言葉にがっくりと首を垂らすハール。が、直後あさっての方向に夢見る乙女ポーズで瞳をキラキラさせる。
「嗚呼!名も知らぬ剣士様!あたしは、ハールはまた貴方に会えることを心から祈っています!!」
自分の世界に入りきっているハールに、ゼロスはあきれ返ってかける言葉が無かった。

つづくかもしんない(アバウトだな)

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8157薔薇に魅せられし怪盗・4ザズルア=ジャズルフィードゥ 2002/2/24 15:17:07
記事番号8129へのコメント

薔薇に魅せられし怪盗・4

「はい、ゼルガディスさん。バレンタインのプレゼントです。」
そう言ってアメリアは徹夜までしてやっと完成したセーターと今朝女性陣メンバーと作ったチョコレートをゼルガディスに渡す。
「あぁ、ありがとう・・・。」
しかし、なぜかゼルガディスは元気が無い。――まぁ、こういう風なイベントで張り切る奴ではないのだが。
「どうしたんですか?ゼルガディスさん。」
「いや・・・、こういうのもいいかな・・・って・・・。」
「え?」
「い、いや、なんでもない。」
言ってゼルガディスはアメリアの頭に手を置く。
「ありがとうな、アメリア。」
嬉しそうにアメリアが笑う。
「はい!」



「うふふv」
「だからやめましょーって・・・。悪趣味ですよ・・・。」
そして、そんなゼルガディス達を覗き見しているのは言うまでもなくスプルとまた付き合わされたセイドだった。
「だぁーって、幸せそうなお二人を見ているとわたくしまで幸せな気分になれるんですものv」
「でも悪質なものは悪質ですよぉ・・・。」
「あ、そうですわ。」
スプルはポケットからチョコレートと――いつのまに編んでいたのか――手編みの手袋を取り出す。
「はい。セイドさんに差し上げます。」
「オ・・・、オレに!?」
「えぇ。いつもお世話になっていますから。ほんのお礼です。」
セイドは――もう期待はしていないから後者のスプルの台詞にがっかりはしなかったので――スプルからチョコをもらえて内心大喜びする。
「あ・・・、ありがとうございます!」
「どういたしまして。わたくしにはこのようなことしかできませんが・・・。」
「いいえ!すごく嬉しいです!!」
本当に嬉しそうにセイドはスプルからもらった手袋をしてみる。
「あったかい・・・。」
「まぁ・・・、毛糸ですし。」
セイドの感激の言葉にいつもの笑みで率直なツッコミをいれるスプル。無論、本人は嫌味のつもりでもないし、セイドも嫌味とは受け取ってはいない。



「まーったくいいわね。恋人がいる人たちは。
 あ、でもセイドは片思いか。」
「ハールさん・・・、行動がスプルさんに似てきましたね・・・。」
さらに覗き見をしているのはハールとゼロスの一人身コンビだ。
「いいんじゃない?趣味が似てるってことだろーし。」
「いいのかなぁ・・・。」
「あ、そうだ。これ。」
ハールはゼロスにチョコとマフラーを渡す。
「本当はあの剣士様に差し上げたかったんだけどねぇ・・・。あのお方、今はどこにいるのか分からないし・・・。
 ってことでアンタにプレゼントってわけだ。よかったな!」
「・・・・・・。」
「よくないか。アンタはアメリアから貰いたいんだろうし。
 義理だったらくれるかもよ。」
ハールの言葉を無視してゼロスはマフラーを首に巻く。
「あったかい・・・。」
先ほどのセイドと同じことを言うゼロス。
「当たり前でしょ、毛糸なんだし。」
ハールも先ほどのスプルと同じことを言う。ただし嫌味で。
「ま、でもさ。」
ハールがゼロスの背中をポンと叩く。
「アンタ、もとは魔族なんでしょ。ゼルから聞いたわ。
 でも、今は人間。だったら人間である事を楽しまなきゃダメよ!」
「人間である事を楽しむ・・・?」
「そ。今のうちに人間でなければできないような体験をいーーーーっぱいやっておくの。
 魔族に戻ってからくだらないとか思うかもしれないけど、楽しい事は楽しめる時に楽しんでおかなきゃ絶対損よ!」
力説するハール。直後、自分で吹き出す。
「なぁーんてね。今の話、教訓にしようが忘れようが好きにしな。」



その頃、レイナードでは――
「はい、シェイン。」
レイナードの名物カップルブロッサム王女とシェインは雪の降るテラスにいた。
ブロッサム王女はシェインにウサギ耳付きの帽子を渡す。
「・・・悪いな、毎年。」
シェインはそのウサちゃん帽を嫌な顔一つせず――趣味なのかブロッサム王女の気持ちが嬉しいのかはレイナード城の中で意見が割れているのだが――受け取った。
「・・・あの子は今頃どうしているかしら?」
雪の降る遠い空を見上げ、ブロッサム王女は言った。
「スプリングか・・・。あいつなら元気にやっているんだろうな。」
「あら?まるであの子には悩みなんて無いみたいな言い方ね。」
「あいつが悩んでいるところなんぞ見たことが無いからな。」
「あの子だって女よ。悩みくらいきっとあるわ。
 ・・・案外、セイドといい関係だったりしてね。」
「・・・・・・無理だろそれは。」
「でしょうね。」
クスリとブロッサム王女は笑う。




春(spring)はもうすぐ・・・




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8197どうやっても出ないのでこっちに(爆!)かお E-mail 2002/3/12 17:23:32
記事番号8157へのコメント

こんちにわです。
なんかレス久しぶりのかおなのです(汗)
すいません・・・。
なんかパソがおかしいのぉ・・(涙)
つないでも、新規の小説が表示されないんですよね・・(汗)
なぜに!?
とりあえず、新規登録やったら出てくるけど・・。しくしくしく・・。
では、気を取り直して。
>路上に一人の女が弦楽器片手に座り込んでいた。黒髪黒目の美人だ。
>ろぉん・・・
>女はおもむろに弦楽器を弾き始める。そして、その美声を道行く人に聞かせる。
>女は――
>「誰かコメントちょうだい コメントちょうだい
>コメントちょうだい コメントちょうだい
> コメントちょうだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!」
>――ただの寂しがり屋だった。
コメントしたくても出来ない状況だとどうしたらいいのでしょう・・(涙)
だって番号一覧からではコメント登録できないし・・。しくしくしく・・。

注:これは本編とは何の関係もありません。(爆)
◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎@

薔薇の香は過去への切符・1

>ある朝、俺が目覚めると俺は人間に戻っていた。
>いや、正確には若返っていた。12歳くらいに。
せめて子供にしましょう!!←まて(爆!)



>「・・・一体どうして・・・?」
>ゼルガディスは宿屋の、寝室にある鏡をのぞきながらひとりごちる。
>鏡の中には8年程前の自分の顔が不満そうにこちらを見ている。
>何故こうなったのかは全く想像もつかない。しばらく前だったら知り合いの魔族が>冗談半分でやらかしたと言う可能性が出てきたかもしれないが、彼は今訳あって人間だ。
>「うぅ〜ん・・・。」
> 別のベッドの方から声が聞こえた。
>今、この寝室には昔の部下にして弟分の青年セイドと先ほどの訳あって現在は人間のゼロス、そして自分がいる。
だが、今の声はその三人の中の誰かの声にしては幼い。
>(まさか!?)
> ゼルガディスはあわてて横の二つのベッドの中を見る。
>そこには、予想通り若返っているゼロスとセイドがいた。しかも、彼らはゼルガディスより若返っていて、ゼロスは10歳くらいに、セイドは5歳くらいになっていた。
ゼロスの赤ん坊をみたかったやつ(笑)
>「・・・アメリア達は!?」
> そうだ、自分達が若返っているのだ。アメリア達も若返っている可能性は充分ある。
>「アメリア!」
>ゼルガディスはだぶだぶの寝巻き――成長期前までに若返ったようだ――の姿のま>まアメリアたちのいる部屋に急ぐ。
>「アメリア!アメリア!!」
>力いっぱい女性陣の寝室の戸を叩くゼルガディス。
>「何があったんですかゼルガディスさん・・・。
> どうしたんですかその姿!?」
> 戸をあけたアメリアは昨日と同じ、――元から背が低いため、実年齢より若く見>られるが――17歳の少女だった。
ってことは、女性人は無事・・と(はあと)
やっぱりエル様の関係かなぁ・・(爆!)←まて(笑)
>「わからない。目が覚めたらこんな姿になっていた。セイドとゼロスもだ。
> 他の二人は大丈夫か!?」
>「えぇ、二人とも若返ってはいません。」
>「そうか、俺たちだけか・・・。」
>「何があったんですかゼルガディスさん!?」
> ゼルガディスが先ほどいた寝室から少年ゼロスが出てきた。異変に気がついたようだ。
>「わからん。どうやら俺たちだけが若返ったようだ。
 セイドは?」
>「まだ寝ています。」
>「そうか。」
> 言われてゼルガディスは寝室に戻る。
>「おい、起きろセイド!!」
>「ん・・・?」
>ゼルガディスは幼いセイドを起こしにかかる。
>「・・・どうしたのゼルにぃ!?おおきくなってるよ!!」
>「大きくなっている?若返っているだろ!?何寝ぼけてるんだセイド!」
>そこまで言って、ゼルガディスはふとある可能性に気がついた。
>ゼルガディスがゼロスの首根っこつかんでセイドの前に出す。
>「セイド・・・、こいつ誰だか分かるか?」
>「ううん。ぜんぜんしらない。」
>「お前、今年でいくつだ?」
>「ご。」
>「やっぱり・・・。
> こいつ、記憶まで若返っている・・・。」
記憶の幼児化・・(爆!)

つづく
なんか続きが楽しくなる展開ですね(はあと)
続き、まってまぁす(はあと)
(・・それまでにパソの原因・・突き止めないとなぁ・・・・・。しくしく・・。)

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
>どうも〜、ザズルア=ジャズルフィードゥです!!
>「ハール=ターンです!!」
>何故前書きで歌った歌娘。
>「うきっ!?
> だ・・・、だって・・・。
> あたしが出てくるようになってからレスが減ってきたから・・・。
> だから歌って客寄せ〜♪(冷や汗)」
>レスなら前回いっぱい貰いました。
>「うう・・・。あたしの努力を認めてくれないのね・・・。」
>認めません。
なんかハールってどんどん壊れてません?(笑)
>・・・あー!!こんなくだらない会話をしていたら時間なくなっちゃったじゃないのよ!!どーしてくれんの!?
>「あ・・・、あたしのせい!?」
>とーぜんでしょ!?
>――あー!もうだめ時間無さすぎ!!
>それじゃあみなさん、あとがきになっていませんが、これで!!(ダッシュでどこかへ消える)
>「あーーーっ!!ちょっと待ちなさいよ!!!」

>また次回(あるかなぁ・・・?)
まってまぁす(はあと)
ではでは、なんかコメントができないので、こっちに新規のコメントでした(爆!)
byかお

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