◆−薔薇の咲き乱れる森で・・・ 8−ザズルア (2001/9/1 17:04:46) No.7239
 ┗薔薇の咲き乱れる森で・・・ 9−ザズルア (2001/9/2 14:29:09) No.7247
  ┗薔薇の咲き乱れる森で・・・ 10−ザズルア (2001/9/5 17:42:58) No.7260
   ┗薔薇の咲き乱れる森で・・・ 11−ザズルア (2001/9/6 17:01:58) No.7269
    ┗薔薇の咲き乱れる森で・・・ 12−ザズルア (2001/9/9 11:59:44) No.7297
     ┗薔薇の咲き乱れる森で・・・ 13−ザズルア (2001/9/9 12:00:44) No.7298
      ┗薔薇の咲き乱れる森で・・・ 14−ザズルア (2001/9/9 13:53:31) No.7299
       ┗Re:こんにちわ♪−かお (2001/9/9 20:46:05) No.7303
        ┗初めましてv−ザズルア (2001/9/12 17:40:35) No.7329


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7239薔薇の咲き乱れる森で・・・ 8ザズルア 2001/9/1 17:04:46


「おはよー。悪いわね、二晩もお世話になっている上に食事まで。」
「いいえ、そんな感謝されるほどでもありませんわ。」
朝食の準備をしているスプルに朝の挨拶と一緒に謝礼の言葉を言うリナ。
「あれ?そーいえばゼルは?」
「そーいえばまだだな。まだ寝てるんじゃないのか?」
きょろきょろと周りを見るリナに相槌を打つガウリイ。
「アメリアさん、起こしに行ってくれませんか?
 朝食が冷めたら美味しくありませんし・・・。」
「分かりました。」
了解してアメリアはゼルガディスに割り当てられた部屋に行く。
「じゃあ、リナさんとガウリイさんはお先に食べてください。」
「冷めたらおいしくないもんなv」
「いっただきまーす!」
リナたちが食事に手をつけようとした、その時だった。
「ゼルガディスさん!!」
ゼルガディスの寝室からアメリアの叫び声が聞こえてきたのは。
『アメリア(さん)!?』
慌てて三人はゼルガディスの寝室に行く。
「どうしたのアメリア!?」
「リナさん!!ゼルガディスさんが・・・。」
気が動転していつつもアメリアが指差した先にあったのはベッドに横たわるゼルガディスの姿だった。
「ゼルがどーしたのよ・・・。」
一体何なんだという感じにリナがゼルガディスに近づく。
「ほら、起きな・・・って何!?この熱!?」
ゼルガディスの顔を見てみると青い顔を真っ赤にして荒い息をついている。
「熱!?ちょっとリナさん退いて下さい!!」
言ってスプルがゼルガディスの頬に触れた。
「やっぱり・・・。」
つぶやいてスプルは部屋を出て行き、複数の氷嚢を持って戻ってきた。
持ってきた氷嚢をゼルガディスの額や腕に当てた。
「リナさん、ガウリイさん、アメリアさん。大変なことになりました。
 ゼルガディスさんは、かなり厄介な病気にかかりました。」

つづく

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
どーもこんにちは。
最初はここからの話と前までの話はそれぞれ独立していたんですけど、なんとなくでつないでみました。

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7247薔薇の咲き乱れる森で・・・ 9ザズルア 2001/9/2 14:29:09
記事番号7239へのコメント

「ゼルが・・・病気!?」
「えぇ、それも厄介な・・・。
 この病気、薬さえあれば後遺症も残らず一日で治るのですが・・・、
 もし、発病から一日以内に薬を飲ませないと大変なことになってしまうのです。」
「大変なことって?」
心配そうにアメリアが問う。
「・・・お亡くなりになられます。」
『!?』
スプルの言葉に絶句する三人。
「ゼルが・・・、」
「死ぬ・・・?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
スプルの言葉に荒れるアメリア。
「ゼルガディスさんが・・・、ゼルガディスさんが死んじゃうなんて・・・。」
「ちょっとアメリア落ち着いて!!ゼルが死ぬのが嫌なのはあたしたちも一緒よ!」
「そうだぞ!ここで泣き喚いてもゼルの病気は治らないんだから!!」
「アメリアさん!薬さえあれば大丈夫です!!ゼルガディスさんは助かります!!
 だから落ち着いてください!!」
必死でアメリアをなだめる三人。
「ちょっと待って。
 『薬さえあれば』ってことは、ここにはその病気を治す薬は無いってことね。」
「はい・・・。」
リナの言葉に素直に肯くスプル。
「でも、この森の真ん中にある婆様の屋敷になら薬があったはずですわ。
 リナさん、ガウリイさん、私と一緒に婆様の屋敷に来て下さいませ。
 婆様は人嫌いで屋敷の周りにレッサーデーモンを放しているのです。」
「わかったわ。いいわねガウリイ。」
「あぁ。」
「スプルさん、わたしは・・・?」
「アメリアさんはゼルガディスさんの看病をお願いします。
 看病の方法は・・・。」
言ってスプルは近くにあった羊皮紙になにやら書き付けてそれをアメリアに渡す。
「これに書いておきました。
 すぐに薬を分けてもらいに行きますので、ご安心下さい。」
「はい・・・。」
「それでは参りましょう、リナさん、ガウリイさん。
 アメリアさん、看病お願いします。」

つづく

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7260薔薇の咲き乱れる森で・・・ 10ザズルア 2001/9/5 17:42:58
記事番号7247へのコメント

(ん・・・。)
ゼルガディスは目覚めたと同時に息苦しさを感じた。
(何だ・・・?頭が痛い・・・、息をするのも辛い・・・。苦しい・・・。)
「ゼルガディスさん、目が覚めたんですね。」
ゼルガディスの耳に入ってきたのはアメリアの声だった。
部屋全体を見たわけではないが、気配からして部屋に居るのはアメリアだけのようだ。
「ゼルガディスさん病気なんだってスプルさんが言ってました。」
(病気・・・か、久しぶりだな。しかもこんなに辛いのは・・・。)
「でも大丈夫です。リナさん達が薬をもらいに行ってます。
 その薬さえ飲めばすぐに治るんだって言ってました。」
(アメリア・・・?)
ゼルガディスは何か違和感を感じた。
「薬さえ・・・飲めば・・・、治るんです・・・。」
(アメリア・・・、なぜ俺の方を見ない?)
「アメ・・・リア・・・。
 お・・・れの、方を・・・向け・・・。」
「嫌です・・・。」
「こっちを・・・見ろ・・・。
 どうした・・・?」
アメリアがゼルガディスの方を向いた。ゼルガディスは彼女の表情に驚きを隠せなかった。
「どう・・・して、泣いている・・・。」
「ごめんなさい・・・。
 実は、もしも一日以内にゼルガディスさんが薬を飲めなかったら、ゼルガディスさんが死んじゃうって言われてたから・・・。
 もし、薬を持ってくるのが間に合わなかったらと思うと・・・、わたし・・・。」
「・・・・・・。」
ゼルガディスは言葉を失った。
アメリアらしくない、後ろ向きな考え方だ。
ゼルガディスはじっとアメリアを見つめ、こいこいと片手を上下に振る。
アメリアはそれに応じてゼルガディスに近寄る。すると、
ガバッ!
「!?」
ゼルガディスは近寄ってきたアメリアを両腕で力いっぱい抱きしめた。
「ゼルガディスさん・・・?」
「俺は・・・死なない。
 だから・・・泣くな・・・。」
ゼルガディスが辛そうに荒く息をするのを頬で感じ、
「はい・・・。」
アメリアはそう返事した。

つづく

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
あれれ!?コメディー風にしようと思ったのになんなんだこのシリアスさは!?

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7269薔薇の咲き乱れる森で・・・ 11ザズルア 2001/9/6 17:01:58
記事番号7260へのコメント

(アメリアさん達、今ごろどうしているのでしょう?
 今ごろラブラブv・・・何ていうのは期待できませんわね。ゼルガディスさんの病気は重病ですし。
 でもでも!今回のアメリアさんの看病のことがきっかけでゼルガディスさんはアメリアさんに惹かれていくってことは・・・v)
「何百面相してるのよスプル!」
喜んだり残念そうな顔をするスプルにリナが怒鳴りつける。
「はぅ!!ごめんなさい、ちょっと考え事を・・・。」
「ったくもう・・・。
 で、次はどっちに行けば・・・。」
リナが視線を前にあるY路地に向けた。
その時、奇怪な高笑いとともに一人の女が出てきた。
「ほーっほっほっほっほ。見つけたわよリナ=インバース!!」
「ナ・・・ナーガ・・・。」
そう、皆さんはご存知でしょう。
季節感など全く無視した悪の女魔道士然たる格好をしたこの高笑い女こそ、白蛇のナーガである。
「リナさん・・・、お知り合いで?」
「ま・・・、まぁ一応・・・。
 念のために言うけど、友達じゃないから。」
「ふっ、そんなことより何でこんなところにいるのかしら?」
「それはこっちのセリフよ!!」
ナーガの問いに問い返すリナ。
「何言ってるのよ、リナ。
 道に迷ったに決まってるじゃない!!」
「胸張っていうなぁぁぁぁぁぁぁ!!」
バゴシッ!
リナが懐から取り出したスリッパがナーガのどたまを直撃する。
「あら?あなた、もしかしてレイナード王国の巫女じゃなかった?」
体勢を直したナーガがスプルを見て言った。
「えっ!?
 い、いえ、違いますけど・・・。」
「そう・・・。」
「そういえば、私もあなたをどこかで見かけたことがあった気が・・・。」
「(ギクッ!)き・・・、気のせいよ・・・。」
妙に慌てた感じに答えるナーガ。
「・・・ってこんなことで時間を使っている余裕は無かったんだった!!
 ガウリイ、スプル、行くわよ!!」
「ちょっと待ちなさいリナ!一体何があったの!?」
「あたしの旅の連れが病気になっちゃって、一日以内に薬を飲ませないと大変なの!!だから急いでいるのよ!!」
「なるほどね。だったら私も行くわ。」
「え゛!?」
「リナさん、断っている時間ももったいないですわ。
 ナーガさんもついて行ってもらいましょう。」
「あんたねぇ、ナーガの恐ろしさを知らないからそんなことがいえるのよ。」
「でも、早くしないとゼルガディスさんの命が・・・。」
涙目になって訴えるスプル。
「・・・あーーーーーーーーーっ!!もういい!!
 ナーガ、ついて来ていいわよ!!」
こうして、リナ達はナーガもつれて薬を分けてもらいに行くことになった。

つづく

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
注:レイナード王国とは、PSのゲーム「スレイヤーズろいやる2」の舞台となった国です。なんとなくで出しました。(←待て。)

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7297薔薇の咲き乱れる森で・・・ 12ザズルア 2001/9/9 11:59:44
記事番号7269へのコメント


――黒い薔薇は美しさと気品と

  そして 私の愚かさを物語ってくれる――



「ここですわ。婆様の屋敷は。」
「・・・・・・。」
言ってスプルが指差したのはちょっとした城より大きい建物だった。
これにはリナたちも絶句する。
「どうかなさいましたか?」
「いや・・・、予想よりちょっと大きかったから・・・。」
「私も最初は少々驚きましたが、すぐに慣れますよ。
 さぁ、参りましょう。」
「・・・・・・。」
言われるがままスプルの後についてくるリナたち。
「婆様、スプルです。」
「おぉ、譲ちゃんか。入りなされ。」
言われてスプルはリナたちを案内する形で屋敷に入っていった。
スプルが案内した応接間らしき場所に一人の老婆が腰を下ろしていた。
「久しぶりじゃのう、 スプル。
 ――後ろのものたちはなんじゃい?」
「大丈夫ですわ。悪い人たちではありません。
 リナさんにガウリイさんにナーガさんです。」
スプルは一人づつ軽く紹介する。
「それから、これは私が育てた薔薇です。」
「おぉ、いつもすまないねぇ。
 して、用件はなんじゃ?」
「はい、実は薬を少し分けてもらいたいのです。」
「薬、かね?
 良いぞ。小一時間ほどだけそこで待っておれ。」
「ありがとうございます。」
老婆は部屋から出て行った。
「さて、皆様しばらくここでゆっくりしていて下さい。」

つづく

=========================================
しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
リナたちのセリフがほとんどないぃぃぃぃぃぃぃ!!(自爆)

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7298薔薇の咲き乱れる森で・・・ 13ザズルア 2001/9/9 12:00:44
記事番号7297へのコメント
「あれ?誰だろ、この肖像画の人。」
そう言ってリナが指差した絵には漆黒の髪に紫の光を瞳に称えた一人の美女が描かれていた。
不気味な屋敷かなんかに飾れば絶対何か出てきそうな恐ろしさも持ち合わせている。
「あぁ、彼女はレイナード王国の第一王女、ブロッサム=ダルス=ルセイ=レイナードよ。」
「良くご存知ですのね。」
「ふっ、この私に知らないことなどないわ。」
無意味に胸を張って答えるナーガ。
「でも、何でこんなところにレイナードの王女の肖像画が?」
「あら?言いませんでしたっけ。
 婆様は前レイナード王国の女王なのですよ。」
「え・・・?」
「ですから、婆様は前レイナード王国の女王ですって・・・。」
『えぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!』
リナの絶叫に耳をふさぐ三人。
「どうしたんだリナ、そんな大声で叫んで。」
「何いってんのよ!!さっきのばあさん、元女王よ、元女王!!」
「何もその程度で驚くことはないだろ。
 お前について来て旅に出ている王族がいるんだ、こんな辺境で暮らしている元女王がいたっておかしくないだろ?」
「う・・・、そういわれると・・・。」
「ちょっと、あなたについて来て旅に出ている王族ってのは誰なのリナ?」
「あー、ちょっとセイルーンのお姫様が今あたしと旅しててね、今病気の奴の看病してるの。」
「ふ、ふぅん・・・。」


――私は彼女に憧れた

  憧れすぎて――


ギィィィイ
立て付けが悪いのか、応接間のドアが音を立てて開いた。
「おまちどうさん、さぁ、薬だよ。」
「ありがとうございます。」
老婆――もとい、元レイナード国の女王から薬を受け取るスプル。
「さぁ、早く戻りましょう。」
「それじゃあ、私はこれで失礼するわ。」
「あっそ、じゃあね。」
「ちょ、ちょっと待って下さい!!」
リナとナーガの会話に割り込むスプル。
「そんな薔薇も持たずに・・・ってそういえばナーガさんって最初から薔薇もっていなかったのにどうして幻に惑わされなかったのですか?」
「ふっ、この私がたかが幻に惑わされるわけがないでしょ!!」
「効かなかったんじゃない?ナーガだから。」
横でスプルに言うリナ。
「効かなかったんじゃない、って・・・。
 ナーガさんって一体・・・。」

つづく

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7299薔薇の咲き乱れる森で・・・ 14ザズルア 2001/9/9 13:53:31
記事番号7298へのコメント

「ゼルガディスさん・・・。」
長い沈黙を破ったのはアメリアだった。
「あの・・・、いい加減離れません?
 さすがに恥ずかしいです・・・。」
「あっ・・・!す・・・、すまん・・・。」
あれからしばらくずっと、アメリアとゼルガディスは抱き合ったままだった。
ふと我に返って離れるふたり。
(ままままさかゼルガディスさんからいきなり抱きついてくるなんて・・・。
 ど・・・、どうしよう。なんか・・・、ゼルガディスさんの気持ちに期待しちゃう・・・。)
(どどどどうしたんだ俺!?
 アメリアを慰めようとは思ったけどどうしてそれでアメリアを抱きしめようと思うんだ!?
 俺はいったいどうしたんだ!?)
二人とも混乱のご様子。
「あ・・・、えっと、ゼルガディスさん、おかゆかなんかを作ってきましょうか?」
「あ、あぁ、そうしてくれ。」
今、二人が考えていることは同じ。
すなわち、
恥ずかしくて相手の顔を見られないということ。
アメリアは逃げるように部屋から出て行った。
(やれやれ・・・、やっと出て行ってくれたか・・・。)
ゼルガディスは安心したようにベッドに横たわった。


「ゼルガディスさん、おかゆができましたよ。」
しばらくしてアメリアが部屋に戻ってきた。しかし、視線はそむけたままである。
「ど・・・どうぞ・・・。」
顔を下に向けたままおかゆの入った器をゼルガディスに渡した。
「あ・・・、ありがとう・・・。」
ゼルガディスはそれを受け取り、一口食べてみる。
「・・・おいしい。」
「と・・・、当然です!料理は姉さんに仕込まれていましたから。」
「姉さんか・・・、お前の姉さんはどんな奴なんだ?」
「わたしの姉さんですか?
 姉さんはゼルガディスさん位の歳で、身長はガウリイさんくらいあって、優しくて、小さい頃よく遊んでくれて、方向音痴で、それで・・・。」
アメリアはさっきの恥ずかしさはどこへいったかと思うほど嬉しそうに自分の姉の事をゼルガディスに話した。
「それでもって何でもできる、そんな人です!」
その様子を見ていたゼルガディスは小さく笑う。
「ちょっと、何で笑うんですか!?」
「いや、凄く嬉しそうに自分の姉さんのことを話すからよっぽどその姉さんが好きなんだなって思って・・・。」
「はい!大好きです!!」
「・・・実はな、俺にも姉がいるんだ。」
「へぇ〜、どんな人ですか!?」
「聞きたいのか?」
「もちろんです!!気になりますもの、ゼルガディスさんのお姉さん。」
「わかった。
 俺の姉さんは、小さい頃から天文学者になりたがっていた。
 いつか自分で新しい星を見つけるんだって。
 ある日、姉さんは新しい星を見つけたんだ。
 しかも、その星に見つけたとき偶然そばにいた俺の名前を付けたんだ。
 俺は反対したさ。覚えにくいからやめろって。」
その言葉に今度はアメリアが苦笑する。
「確かに。」
「だろ?
 それでも姉さんはその星に俺の名前をつける気でいた。
 だが・・・。
 ねえさんがその星を発表するより早く、その星を天体観測の仲間に見せたらその仲間の内の一人が自分の星と言って姉さんより先に発表したんだ。」
「えぇ!なんてひどいことを!!」
「もちろん姉さんはそいつに抗議に行った。
 あれは私の星なんだ、返して欲しいと。
 でも、そんなことに耳を貸す奴なら姉さんの星を奪うわけがない。
 しかも、それだけではなく、あいつは姉さんの目を潰したんだ・・・!
 たまたま近くにいた俺はその場にでしゃばってきたが、俺もボコボコにされて・・・。
 それ以来、俺は力を求めるようになった。
 そして・・・、こんな体になった。」
「・・・聞いちゃいけないことですたか?」
「いや、別にいい。
 聞かせたくなかったら最初からいわん。」
「・・・ゼルガディスさんもお姉さんが大好きなんですね。
 悔しそうに言ってましたから・・・。」
「まぁ、嫌いではないな・・・。」
「ゼルガディスさんの意地っ張り。」
「黙れ。」
お互い笑顔で言う。しかし、
「ぐわっ!!」
「ゼルガディスさん!?」
発作的に苦しみだしたゼルガディスを見て慌てるアメリア。
「ゼルガディスさん!大丈夫ですか!?」
「だい・・・、じょうぶ・・・だ・・・。」
しかし、その様子は全然大丈夫ではないことを物語っている。
「アメ・・・リ・・・ア・・・。」
ゼルガディスは苦しそうにそばにいる少女の名を呼ぶ。
「何ですか!?何ですかゼルガディスさん!?」
「アメリア・・・、俺は・・・。」
必死で何かを伝えようとするゼルガディス。
「俺は・・・。」
「薬を持ってきて参りました!!アメリアさん、ゼルガディスさんの容体は!?」
ゼルガディスが何かを言いかけたところにまるで図ってきたかのように――いや、もしかしたら本当に図っていたのかもしれないが――スプルたちが部屋に入ってきた。
「リナさん!ガウリイさん!スプルさん!!
 ゼルガディスさんが大変なんです!!」
「何ですって!?
 ・・・本当ですわ・・・。」
冷静で真剣な表情で、――内心あせっているのだろうが――スプルは持ってきた薬をアメリアに渡す。
「アメリアさん、この薬をゼルガディスさんに口移しで飲ませて下さい。」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
アメリアもさすがにこれは驚いた。
「・・・わかりました!これもゼルガディスさんの命のためです!!」
言ってアメリアは決心して薬を口に含み、ゼルガディスに顔を近づける。
(これもゼルガディスさんのため!ゼルガディスさんのためなんだから!!)
アメリアは自分の唇をゼルガディスのそれに重ね、口に含んだ薬を飲ませる。そして、唇を離した。
「・・・・・・これで大丈夫です。ゼルガディスさんは明日には元気になるはずです。」
皆に安堵の吐息が漏れる。


スプルは一人になってから思った。
(口移しで薬のませてって言ったのは冗談でしたのに・・・。まさか本当にやってしまわれますとは・・・。
 まぁ、いいでしょ。別にあの薬は元気な人が多少飲んだって害はありませんし。)


ゼルガディスは意識を取り戻した。もう苦しくない。
ふと横を見れば看病疲れで寝ているアメリアの姿。
ゼルガディスは死にかけたときに言いかけた言葉を眠っているアメリアに言う。
「アメリア、好きだ。」
「わたしもです。」
どがががががっ!
急に起き上がって返事をするアメリアに驚いてベッドから転げ落ちるゼルガディス。
「だ・・・、大丈夫ですかゼルガディスさん!!」
「お・・・、お前なぁ!寝たふりだったのか!!」
「いいえ、ついさっき目が覚めたんです。」
言ってゼルガディスに抱きつくアメリア。
「ゼルガディスさん、大好きです。」
「俺もだ。」
そして、二人は顔を近づけ口付けた。
真なる愛の口付けを・・・。

おしまい。

=========================================
どうしああたしよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
図書館のパソコン利用時間を過ぎても書きつづけているし、つーかなんだよ最後の1行は!?クサッ!!
いやなんかもー、大パニック状態です。
次回もオリキャラのスプルが登場します。
設定としてTRY終了後の話です。(余談ですが、この話はNEXTの間の話です。)
それではお楽しみに!!

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7303Re:こんにちわ♪かお 2001/9/9 20:46:05
記事番号7299へのコメント

こんにちわ♪
・・・?、もしかして、私、ザズルアさんの、レスつけるの始めて?
たぶん、そーだろう。とゆーことで、改めまして。
こんにちわ♪はじめまして♪
一の方で、下手くそな、小説投稿してます、かおといーます。
毎回、楽しく、読ませていただいてました♪
・・でも、おしまいですか♪この話?
ナーガは、どーなったんでしょーか?
まさか、アメリアに見つかったらまずいので、とんずらこいたとか!?
あ、でも、それ、作者公認、公式裏設定の場合ですよね・・・。
ザズルアさんは、ナーガの位置づけ・・・どうだったのでしょーか?
すっごく、気になります。
あと、余談です。私も、ゼルアメ好きです♪
とゆーか、アメリアには、ゼルしか、考えられませんのです♪
(でも、リナは、ゼロスとガウリイ・・両方書いてる私・・・。)
ではでは、短いですが、感想にもなっていない、感想でした♪
次回の作品もまっています♪それでは♪

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7329初めましてvザズルア 2001/9/12 17:40:35
記事番号7303へのコメント

かおさんは No.7303「Re:こんにちわ♪」で書きました。
>
>こんにちわ♪

こんにちはv

>・・・?、もしかして、私、ザズルアさんの、レスつけるの始めて?
>たぶん、そーだろう。とゆーことで、改めまして。
>こんにちわ♪はじめまして♪
>一の方で、下手くそな、小説投稿してます、かおといーます。
>毎回、楽しく、読ませていただいてました♪
>・・でも、おしまいですか♪この話?

いえ、これからTRY終了後の話を書く予定です。

>ナーガは、どーなったんでしょーか?
>まさか、アメリアに見つかったらまずいので、とんずらこいたとか!?
>あ、でも、それ、作者公認、公式裏設定の場合ですよね・・・。
>ザズルアさんは、ナーガの位置づけ・・・どうだったのでしょーか?
>すっごく、気になります。

その通りです。正体がバレたら面白くないし。

>あと、余談です。私も、ゼルアメ好きです♪
>とゆーか、アメリアには、ゼルしか、考えられませんのです♪

うんうん。以前は「ゼルとは(女であれば)誰とでもくっついてよし!!」主義だったのですが、それからゼルのカップリング小説はゼルアメしか読んでなかったり。
そしてゼルアメが固定したということです。(説明になってない?)

>(でも、リナは、ゼロスとガウリイ・・両方書いてる私・・・。)

あたしはどっちかというとガウリナです。

>ではでは、短いですが、感想にもなっていない、感想でした♪
>次回の作品もまっています♪それでは♪

さよ〜なら〜。

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