◆−一陣の疾風(かぜ) プロローグ−雫石彼方(7/12-20:27)No.6880
 ┣一陣の疾風(かぜ) 前編−雫石彼方(7/12-20:40)No.6882
 ┃┗続きが気になりますっ!!−たつき(7/13-12:03)No.6886
 ┃ ┗・・・・・・てへv(滝汗)−雫石彼方(7/13-23:45)No.6891
 ┣一陣の疾風(かぜ) 中編−雫石彼方(7/14-00:28)No.6892
 ┃┗そうきましたかっ!!−駒谷まや(7/15-15:07)No.6898
 ┃ ┗こうきましたっ!!−雫石彼方(7/15-22:39)No.6902
 ┣一陣の疾風(かぜ) 後編−雫石彼方(7/15-23:12)No.6903
 ┃┗感動の嵐でした。−たつき(7/17-11:54)No.6909
 ┃ ┗こちらこそ感激ですぅv−雫石彼方(7/17-19:41)No.6916
 ┃  ┗お聞きしたい事が、、、。−たつき(7/23-10:26)No.6949
 ┃   ┗うをっ!?−雫石彼方(7/25-22:19)No.6961
 ┃    ┗お優しいお言葉を、、、(感涙)−たつき(7/27-14:17)No.6968
 ┗一陣の疾風(かぜ) エピローグ−雫石彼方(7/17-19:55)No.6917
  ┣あああ・・・また遅く参上(泣)−水晶さな(7/22-01:11)No.6943
  ┃┗こちらこそお返事遅くなってしまって;−雫石彼方(7/25-22:30)No.6962
  ┗爽やかですねぇ−穂波(7/22-23:50)No.6948
   ┗3組〜♪−雫石彼方(7/25-23:16)No.6963


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6880一陣の疾風(かぜ) プロローグ雫石彼方 E-mail 7/12-20:27


 こんにちは、雫石です。お約束(?)の連載話、持ってきました☆
 連載宣言してから、結構間が空いちゃいましたね;でも実はこれ、とっくの昔にできてたんです。どうしても『樹の上のお星様』とは別にツリーを作りたくて、それが落ちるのを今か今かと待っていたんですが・・・・・全く落ちる気配すらないので、待ちきれずにもう1個ツリー作っちゃいました。ごめんなさいm(_ _)m
 で、今回の話、びみょ〜にパラレルです。ほんとにびみょ〜〜〜〜に(笑)魔法も剣もあるしゼルも合成獣で(この話では人間に戻ってますが)ファンタジーな世界なんですが、世界の在り方みたいのがちょこっとだけ違います。あんまり深く考えて書いてないので、おかしなとことかあってもツッコまないでいただけると助かります(^^;)
 ではでは、久々の連載、楽しんでいただけると幸いです♪


+++++++++++++++++++++++++++++++++


 この物語が一体何時のことなのか。それは誰にも分かりません。
 遠い遠い昔のことかもしれないし、極々最近のことかもしれません。
 人々は、一続きの大きな大きな大陸に住んでいました。その大陸は周りを海で囲まれていましたが、誰も海の先に何があるのかを知りませんでした。
 彼らにとって、その大陸のみが世界の全て。
 なぜならその大陸は強大な結界に包まれ、それより先に行くことができなかったからです。
 けれど昔から、大陸の東には魔王が、西には神が棲んでいると信じられていました。というのも、東から疾風(かぜ)が吹けば空は荒れ狂い、飢饉が訪れ、疫病が流行り、西から疾風(かぜ)が吹けば空は穏やかになり、穀物は豊かに実り、疫病はたちまち鎮まっていったからです。

 そしてこれは、その大陸の中でも一、二を争うほど大きな、セイルーンという国で起きた物語です。



■一陣の疾風(かぜ)■ プロローグ



 妙に目が冴えて、少女はベッドを抜け出した。
 テラスに出て、ひんやりとした夜気を胸一杯に吸い込む。夜の涼しげな匂いが心地良くて、少女はうっとりと息を吐いた。
 少女の名前を、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンという。聖王国と謳われる、大国セイルーンの第二王女である。
 アメリアは白い手すりに頬杖を突いて、真上に浮かぶ細い月を見上げた。
「早く、来ないかなぁ・・・・・・」
 ここ最近、何度となく繰り返している呟きを漏らす。
 あと一ヶ月。
 彼女はその日が待ち遠しくて仕方がなかった。けれどそんな時に限って、時間の流れというものは遅く感じるものである。一日一日がまるで一年のように感じられて、彼女は毎日もどかしい日々を送っていた。
 ――――それでも。やっとここまで辿り着くことができたのだ。それは奇跡と言っても過言ではないくらい幸運なことである。贅沢は言っていられない。
「あと一ヶ月くらい、我慢しなくちゃですよね」
 自分に言い聞かせるようにそう言うと、アメリアは西の空に向かって祈りを捧げた。
 
 神様、ありがとうございます。
 私の願いを叶えてくれて。
 私に幸せをくれて。
 これからも正義の道を邁進しますから、見守っていてくださいね。

 彼女の祈りは届いただろうか。それとも・・・・・・?
「さってと、そろそろ寝なきゃ」
 祈りを終えるとくるりと軽やかに身を翻して、彼女は部屋の中へと足早に戻っていった。


 だから、気付かなかった。
 疾風(かぜ)が吹いたことに。


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6882一陣の疾風(かぜ) 前編雫石彼方 E-mail 7/12-20:40
記事番号6880へのコメント


 朝、目が覚めると。
 いつもアメリアの身の回りの世話をしている侍女が、にこやかに微笑んでベッドの脇に立っていた。
「さあさ、姫様。早く身支度をなさってくださいな。今日はとっておきのドレスを作る為の採寸をする日なんですからね」
(とっておきのドレス・・・・・?近々何か特別なことでもあったかしら・・・・・・?)
 不思議に思いながらも、侍女が余りに急き立てるものだからとりあえず寝巻きから簡単な平服に着替えて、アメリアは朝食を取るべく食堂に向かった。


 食堂には、既にフィリオネルが席に着いていた。
「父さん、おはよう」
「おおアメリア、おはよう」
 いつも通りの挨拶を交わして、席に着く。
 焼きたてのパンをちぎって口に頬張り、温かなポタージュをスプーンで掻き回していると、徐にフィリオネルが口を開いた。
「そうじゃアメリア。今日の午前中には、リナ殿とガウリイ殿が到着するそうじゃぞ」
 リナとガウリイ。それは、アメリアがかつて生死を共にして旅した大切な仲間たちの名前である。
 懐かしい名前に、アメリアは食事の手を止めて立ち上がった。
「リナさんとガウリイさんが!?本当ですか!?」
「ああ、本当じゃとも。二人とも、お前たちを祝福する為に駆けつけてくれたのだ」
「――――お前“たち”・・・・・?それに祝福って・・・・・・?」
 再び感じる、周りと自分との奇妙なズレ。
 “たち”とは、自分と誰のことを言っているのだろうか。
 そもそも、何を祝うというのか。誕生日は半年以上先。祝ってもらうようなことは何もなかったはずである。
 だがアメリアの問いを、フィリオネルは照れ隠しの為にとぼけているのだと解したらしい。ひとしきり豪快に笑うと、
「今更照れんでもいいではないか、アメリア。それとも、会えない寂しさを紛らわせる為か?・・・・まあ、無理もない。それが王家のしきたりとはいえ二ヶ月間も会えないのは辛いじゃろうが、あと一ヶ月もすればそれからはずっと一緒にいられるんじゃ。それまでは我慢してくれ」
 アメリアを諭すように語り出し、果ては『人生とは・・・・・』などという話にまで発展している。
 一方アメリアは、ますます混乱するばかりであった。
 自分の父親の言っていることが、まるで分からない。寝ている間に、違う世界に迷い込んでしまったのではないかとさえ思えてくる。
「父さん、一体・・・・・」
 困惑顔でそう言いかけた時。
 ドア越しに聞こえる侍女の声で、その言葉は遮られた。
「お食事中失礼いたします。ドレスの仕立て屋が到着いたしましたが如何いたしましょう」
 食事はまだ残っていたけれど、食欲など全くなくなっていた。
 未だに滔々(とうとう)と語り続けているフィリオネルをちらりと見やり、このままでは埒が明かないと思ったアメリアは、そっとその部屋を後にした。




「姫様は、本当にスタイルが良ろしくていらっしゃいますわね。羨ましいですわ」
 そんなことを口にしながら、仕立て屋はてきぱきと採寸作業を進めていく。
 “これは一体、何の為のドレスなんですか?”
 何度もその疑問を口にしようとした。―――が、周りの雰囲気があまりに和やかで、それに水を差すようでなかなか口にできなかった。
 自分のことなのだから周りの雰囲気を気にしている場合ではないとは思うのだが、どこか現実離れしているようなふわふわとした浮遊感に、まるで夢を見ているような気がして、アメリアはこの状況に流されてしまっていた。
 と、そこへドアを叩く音が。
「姫様、お客様が――――」
 その言葉が終わらないうちにドアが勢いよく開いて、懐かしい顔が二つ、中へ飛び込んできた。
「アメリア、おっひさし〜♪」
「リナさんっ!!」
「よっ、アメリア。元気そうだな」
「ガウリイさんも!!」
 嬉しさに、採寸途中なのも忘れて二人に駆け寄る。(ちなみにちゃんと服は着ている)
「お二人とも、ようこそ!!でも、急にどうしたんですか?」
 アメリアからしてみれば、極々普通の素朴な疑問のつもりだった。ところがリナもガウリイも、アメリアの問いに戸惑ったような表情を浮かべて顔を見合わせる。
「どうしたって・・・・・そりゃ、駆けつけるでしょうよ。あんた達の結婚式が一ヶ月後にあるんだから」
 リナの答えは、アメリアに想像以上の衝撃を与えた。
 一瞬パニックに陥る頭を必死に動かして、アメリアは掠れる声をなんとか絞り出した。
「――――え・・・・・?ちょ、ちょっと待って下さい、結婚って・・・・・私が!?」
「当たり前でしょ?他に誰がいるってのよ。まったくアメリアってば、幸せボケしちゃったんじゃないの〜!?」
 からかうようにアメリアの顔を覗き込んだリナだったが、アメリアの呆然とした表情に続く言葉を失った。
「アメリア、どうしたんだ?ゼルガディスと何かあったのか?」
 いつもと違うアメリアの様子に気付き、リナ同様心配そうに彼女の様子を窺うガウリイだったが、突然勢いよく顔を上げたアメリアに大きく仰け反った。
「な、なんだ、どうしたんだ?」
「誰ですか!?」
「・・・・・・・は?誰、って・・・・・・?」
「だから、そのゼル・・・・なんとかさんって、誰なんですか!?」

 アメリアの発した一言に。
 その場は時が止まったかのように凍りついた。



■一陣の疾風(かぜ)■ 前編



 城内は大騒ぎだった。
『花婿を忘れた花嫁』。
 前代未聞のこの事件に、誰もが困惑していた。
 だが、一番困惑していたのは当の本人達である。
 花嫁からすれば、朝起きたら訳も分からぬままウェディングドレスの採寸に連れて行かれ、一ヵ月後には全く記憶にない男と『ご結婚、おめでとうございます』ときたもんだ。
 一方花婿からすれば、愛し合い将来を誓ったはずの花嫁に、『結婚の約束をした覚えはありません。その人誰ですか?』の辛辣な言葉。
 両者、まさに堪ったものではないだろう。
 “一体どうしたものか。”
 皆、この異様な事態に頭を悩ませていた。
 大国セイルーンの王女の結婚式だけあって、来賓も国家レベルである。国の体裁を保つという上でも、多忙な彼らの予定を考えた上でも、今更式を取りやめるわけにも延期するわけにもいかない。
 そして結局辿り着いたのが、“まだ式まで一ヶ月ある。王家のしきたりで、本来なら式まで2ヶ月間は離ればなれのはずだった二人を引き合わせて様子を見よう”という、ありきたりと言えばありきたりな結論だった。




 リナとガウリイに連れられて部屋に入ってきたアメリアを見て、ゼルガディスは噂が本当のものであったことを確信した。
 今までは、自分を驚かせる為に周りが(特にリナあたりが中心になって)グルになっているのではないか、などという淡い期待も抱いていたのだが。
 どこか警戒しているような、緊張した面持ちで自分を見つめる彼女の表情が全てを物語っている。
『ゼル・・・・なんとかさんって、誰なんですか?』
 人づてに聞いた彼女の言葉がずきりと胸を刺す。
 合成獣(キメラ)の体を抱えて、こんな身ではアメリアと結ばれることなど絶対に不可能だと思っていた。それでも彼女を諦めることができず、待っていると言ってくれた彼女の優しさに甘えて、必死に人間に戻る方法を探した。
 そしてやっと。
 悲願でもあった“人間に戻る”という目的を達成し、彼女を迎えにきたのだ。元犯罪者である自分との結婚を渋る周囲を彼女と共に根気強く説得し続け、やっと手に入れた幸福のはずだった。
 もう何も障害などないはずだった。
 なのに今度は、今まで心の支えにしてきた彼女が自分のことなど『知らない』と言う。
 もし運命の神様とやらがいるのなら、自分は随分と嫌われたものだ、と。
 彼はひっそりと、心の中で自嘲気味に笑った。


 ゼルガディスのことを思い出させる為に、まずは四人で旅した時のことを話して聞かせることになった。
 リナが一つ一つ、懐かしくも鮮やかな思い出の数々を話していく。
 それを真剣な面持ちで聞いているアメリアの反応を見て、分かったことは。
 どうやらゼルガディスに関する記憶だけがすっぽりと抜け落ちているらしい、ということだった。
 それがどういうことかというと、例えば四人で訪れたアトラス・シティ。そこへ行ったことは確かに覚えている。けれどリナが「あんたはそこで、ゼルと一緒ににゃらにゃらの鍋を食べに行ったわよね?」と問うと、アメリアは首を横に振るのだ。
 一人ではなかった気はする。けれど、一緒に食べに行ったのが誰だったのか聞かれると分からない。答えられない。
 彼女自身、自分の中の矛盾には充分すぎるほど気付いていた。だから、話が進むに連れて、リナ達が言っていることと自分が言っていることとの相違点が多くなるに連れて、彼女は苦しげな表情を見せるようになっていった。
 そんな彼女を見ているのは誰もがいたたまれなくなって。
 結局彼女の記憶を取り戻すその日の試みは、早々に中断された。




 かなり夜も更け、周りが寝静まった頃。
 アメリアは自然と体の向くままにテラスに出た。
 いつの間にか、夜にこうやってテラスで月を見上げることが習慣になっていた。
(――――なぜ?)
 そう心の中で自分に問いかけて、アメリアは思い出すように一つ一つ確認しながら、いつもの自分の行動を再現してみた。
 窓を開けて、テラスに出る。
 白い手すりに頬杖を突いて、真上に浮かぶ月を見上げる。
 月に何かを重ね合わせて。
 何かを、待っていたような気がする・・・・・・。
(何を?)
 それさえ分かれば、きっと楽になれるのに。
 けれどそれより先は白い靄がかかったようにぼんやりとしていて、それ以上先に思考を進めることはできなかった。無理に思い出そうとすれば、途端に激しい眩暈が彼女を襲う。   
 アメリアはゆっくりと頭を振った。
(もう、今日は寝よう)
 なんだかとても疲れていた。
 重い体を引きずるように部屋に戻りかけて。ふと、視界の隅に何かを捕えて、彼女は立ち止まった。
 彼女のいるテラスから左斜めの方向に、庭園をゆっくりと歩く一つの影。
 僅かに灯る灯りを頼りに目を凝らす。
「あれは・・・・・・」
 周りの者たちが言うには、自分と恋仲であり一ヵ月後には結婚を控えているという、ゼルガディスであった。
 一瞬、どうしようかと迷って。
 アメリアは浮遊(レビテーション)を唱えて、昼間、太陽の下では青々と茂る緑が今は暗い闇に包まれている庭園へと舞い降りた。



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6886続きが気になりますっ!!たつき 7/13-12:03
記事番号6882へのコメント

 彼方さんの作品があって早速拝見しました。連載予告をされた時から、とても楽しみにしていたので、、、。
 ものすごく、ものすごーく続きが気になります!!あのアメリアがゼルガディスを忘れてしまうなんて!!
 そこの部分を読んで、「えっ!?」と絶句してしまいました。今回はリナやガウリィもいて騒動(笑)の予感が、、、。
 
 続きを楽しみにしています。がんばってください。又、暑い日が続きますので、お体に気をつけて下さい。

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6891・・・・・・てへv(滝汗)雫石彼方 E-mail 7/13-23:45
記事番号6886へのコメント

前回に引き続き、レスありがとうございますっ!(><)

> 彼方さんの作品があって早速拝見しました。連載予告をされた時から、とても楽しみにしていたので、、、。
> ものすごく、ものすごーく続きが気になります!!あのアメリアがゼルガディスを忘れてしまうなんて!!

私なんぞの話を楽しみにしていただけるとは、ありがたいことです・・・・・なむなむ。(←たつきさんを拝んでみる・笑)

> 今回はリナやガウリィもいて騒動(笑)の予感が、、、。

ぐはぁっ!!
あう、この部分を読んで、私は心臓をえぐられる思いでした(笑)そうですよねー、普通一回出てきたら、その後も当然出番あるものと思いますよねー・・・・。(遠い目)
いや実はですね、リナとガウリイ、出番があるのは前編だけであとはエピローグにすら出てこない始末だったりするんです(汗)名前だけならちょろっと出てきますが;
気にしてはいたんですよ、一旦出したからには前編しか出てこないってのはちょっとまずいんじゃないかなー、と。私的にも4人全員いるお話が好きなので、そういうのを最初は目指していたのですが。が。全体的にシリアスな話にしたかったので、必然的にリナとガウリイの出番が減り、気付けばゼルとアメリアの二人のみに。でも『ま、いっか』と自分を誤魔化しておりました(^^;)
それでもやっぱり良心が痛む、というわけで、ちょこっと二人の出番増やしてみました(^^)ほんのちょこっとだけですが。しかもガウリイなんかほとんど出番なしと言ってもいいぐらいですが(汗)それでもまあ、最初よりはましだと思うので、それでご勘弁願います〜;

> 続きを楽しみにしています。がんばってください。又、暑い日が続きますので、お体に気をつけて下さい。

は〜い、頑張りま〜す!
・・・・と言ってももう書き終わってるので、あとはアップするだけなんですけどね(^^)
たつきさんもお体気を付けて下さいね。
ではでは、ありがとうございましたv

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6892一陣の疾風(かぜ) 中編雫石彼方 E-mail 7/14-00:28
記事番号6880へのコメント


 地面に降りる直前で術を解いて、アメリアはふわりと降り立った。そのまま前を行く影を追いかけ、そっと声を掛ける。
「ゼルガディスさん・・・・・・」
 アメリアは気配を消してなどいなかった。
 しかも、つい先ほどまで浮遊の呪文を唱えていた。魔法を使う気配に彼が気付かないわけはなかった。
 ――――いつもの彼なら。
 けれど後ろから掛けられた声に、ゼルガディスは心底驚いた様子でこちらを振り返った。
「ア・・・・アメリア・・・・・!?」
 アメリアが彼の記憶を失くしたことに、よほど精神的にまいっているのだろう。
 しかし、ゼルガディスのことを全く覚えていないアメリアが普段の彼と今の彼との違いに気付くはずもなく。
 ただ、そんなに驚かれたことに対して驚いて、彼に歩み寄りかけていた歩をぎくりと止めた。
「あ、すみません・・・・・お邪魔でしたか?」
「え、あ。いや・・・・・別に・・・・・・・」
 ぎこちない会話。
 そして訪れる重い沈黙。
 一体どこで歯車は噛み合わなくなったのだろう。
 やんわりと、けれど確実に押し寄せる絶望が。
 ゼルガディスの心にまた一つ、影を落とした。
「・・・・・こんな夜中に何をしている?」
 自虐的な笑みを浮かべて、彼は尋ねる。その瞳はかつて『レゾの狂戦士』と呼ばれていた頃を彷彿とさせる、光を見出せずに迷っているような色を含んでいた。
 アメリアは彼の問いに答えようと、口を開いて。
 庭園内にぽつりぽつりと点在している灯りがふと揺らいだ為に一瞬だけ、けれどはっきりと見えた彼の表情に、言葉を失った。
 もともと人の心の機微に敏感な彼女である。
 例え彼に関する記憶はなくとも、彼がひどく傷付いていることを直感で感じ取って、アメリアは何を言っていいのかわからなくなったのだった。
「・・・・・・おい?」
「・・・・・・あ、えっと・・・・・テラスにいたらあなたの姿が見えて、それでなんとなく・・・・・・」
 アメリアの様子を訝しげに思ったゼルガディスに促されて、慌ててここに来るに至った経緯を述べる。
 それに“そうか”と短い答えを返して、ゼルガディスは顔を背けた。
 別に嫌われているわけではない。彼女はただ、戸惑っているだけだ。それは分かる。
 けれど今までとは明らかに違う、どこかよそよそしいアメリアの態度に、これ以上ここにいることに耐えられそうもなかった。
「今日は疲れただろう。もう寝ろ」
 端的に言い置いて、ゼルガディスは片手でアメリアの背中を軽く押した。
 押されるままに数歩進んで、躊躇うように振り返る。先ほど見た彼の表情が、瞳が、忘れられなかった。
 しかし、有無を言わせぬゼルガディスの強い眼差しに逆らうことができず。
 アメリアは王宮へ続く庭園の道を一人、振り返り振り返り戻っていった。



■一陣の疾風(かぜ)■ 中編



 一向に戻る兆しの見えないアメリアの記憶とは裏腹に、結婚式の準備は着々と進んでいった。
 新郎新婦の衣装、膨大な量の料理を作る超一流のシェフの手配、訪れる来賓達の宿泊する部屋の用意等、その他諸々。
 それらの準備に追われ走り回る人々の中、まるで彼らとは異なった時間の流れを纏っているかのように、重厚な絨毯が敷き詰められた廊下をゆっくりと歩く小柄な人影があった。
 ――――アメリアである。
 しかしゆっくりと歩いていたからといって、何も悠長に構えているわけではない。
 それどころか絶えず言いようのない不安と焦りに駆られ、彼女はもはや精神の限界ぎりぎりのところで常にそれらと闘っていた。
 自然と漏れ出る溜息。
 徐々に緩む歩調。
 廊下の途中でついに立ち止まり、そのままなんとなく開け放たれた窓の外に目を向けると、そこにはあまりにも穏やかな景色が広がっていた。
 どこまでも高く、どこまでも青く澄み渡った空と、木々の間を抜けて降り注ぐ柔らかな木漏れ日、そして豊かな大地の匂い。
 なんて美しくて。

 ――――ナンテ残酷ナンダロウ。

 何の光源もない暗闇の中に置き去りにされたかの如く、行き場のない私の心を嘲笑うかのように。
 こんなにも世界は生の輝きに満ち溢れている。
 逃げ場所なんて、何処にもない。
 いっそ雨が降っていたならば、思い切り泣くこともできたのに。そうして、心に溜まったこのもやもやした想いを全て吐き出して、雨と一緒に流してしまえたらいいのに・・・・・・。

 遠くで自分の名を呼ぶリナの声に、アメリアは重い足を引きずるように一歩踏み出し、再び歩き出した。





 リナに充てられた部屋にノックをして入ると、中にはガウリイもいて、二人でお菓子の争奪戦を繰り広げながらお茶をしているところだった。
 ――――アメリアにはそれが果たして一般的に『お茶』と呼ばれるものに該当するのかどうか、甚だ疑問ではあったが。
 食べ物を食べている時に話し掛けたところで返答が帰ってこないのはあまりに分かりきっていることだったので、アメリアは二人が落ち着くのを静かに待った。
 そしてやっと部屋に静けさが戻り、アメリアが溜息と共に呟く。
「相変わらずですね、お二人とも・・・・・・」
「当ったり前でしょ?そんなに簡単に変わってたまるかっての。
―――それとも。変わっていて欲しかった?」
 さらりと吐いたリナの言葉が、なぜかアメリアの心にずんと響いた。

『変わっていて欲しかった?』

 変わっていて欲しいわけがない。
 いつまでもリナはリナで、ガウリイはガウリイのままでいて欲しい。
 ―――そう、自分だって。
 変わりたいわけがなかった。
 いい意味での、年相応の変化は必要だろう。けれど、その人その人を形成する根本的なものは変わりたくない、失くしたくない。
 それなのに彼女は、『アメリア』という人物を形成する上で最も奥にまで入り込んでいたはずの人物を、その心から失くしてしまった。
 傍目から見れば『彼』と出逢う前と何ら変わりないように見える彼女は、実際には世界がひっくり返ったのと同じくらい、変わってしまったのだ。
 それを頭では分かってはいなくても、巫女ゆえの能力か、感覚的に感じて心の奥深くで不安に怯えていたアメリアは、リナの言葉にひどく動揺した。
 身体を強張らせて立ち尽くす彼女の様子に見かねて、ガウリイが座るように促す。けれど彼女は「仕事が残っているから」とだけ口早に告げると、逃げるように部屋を出て行った。
 生死を共にし、堅い絆で結ばれたはずの仲間の顔を、直視することができなかった。

 ――――限界が、近いのかもしれない。





 セイルーンには、周りの建物の中でも群を抜いて高い時計塔があった。
 ただし時計塔と言っても、時計自体は随分昔に壊れて動かなくなってしまった為に今はその役割を果たしておらず、よほどのことでもなければ誰もここに来ることはない。
 そんな古びた時計のちょうど真下に位置し、展望台さながらに街全体を見渡せる機械部にアメリアは立っていた。
 穏やかな風が吹き込み、夕日に反射して微妙な輝きを放つ黒髪をさらさらと揺らす。
 頬にかかる髪をそっと手で押さえて、アメリアは傍らに立つ青年を見上げた。


 そもそもなぜアメリアがそんなところにいるかと言うと、時間は少し遡(さかのぼ)る。
 それはリナの部屋から自分の部屋に戻り、一時間ほど経った頃だった。
“仕事が残っている”など真っ赤な嘘。
 読みすぎて薄汚れた英雄伝承歌(ヒロイック・サーガ)を気まぐれに自室の書庫から引っ張り出して何とはなしに眺めていたアメリアは、控えめに叩かれるノックの音に顔を上げた。
 そしてのろのろと開けたドアの向こうに所在なさげに佇んでいたのは。
「ゼルガディスさん・・・・・・」
 彼は“少し出ないか?”とだけ言うと、アメリアの返事も聞かずにすたすたと歩き出した。
 突飛な彼の行動に少々戸惑いながらも、特にこれと言ってすることもなかったことと、どうにもならない今の状況を何とか打開したいという切実な願い、そして何よりもう一度彼ときちんと話してみたいという思いから、アメリアは後を追って歩き出した。


 そして彼に従うままに連れてこられたのがこの時計塔だった、というわけだが。
「――――ここ・・・・・・」
「お前の好きな場所、なんだろう?」
 返ってきた答えに、アメリアは元々大きな瞳を更に見開いた。
 確かに、見晴らしの良いこの場所は幼い頃からのアメリアのお気に入りの場所だった。しかしそれだけに、この秘密の場所は今まで誰にも教えたことなどなかったのだ。
 ――――大好きな家族達にすら。
 それなのに、この青年は誰にも言わなかったはずのアメリアだけの秘密を知っている。
 それはつまり、他ならぬアメリア自身が教えたと言うことで・・・・・。
(私、この人のことを本当に大好きだったんだ・・・・・・)
 湧き上がる何とも言えない感情に、なんだかとても胸が苦しくなった。
「ねえ、ゼルガディスさん・・・・・」
「なんだ?」
「一つ、聞いてもいいですか?」
「ああ」
 返される返答は素っ気ないけれど。
 一つ一つの言葉に含まれている響きはとても温かい気がして、アメリアは不思議な安らぎを感じていた。
「――――ゼルガディスさんにとって、私はどんな存在でした?」


 心まで通り抜けるような涼しい風が、二人の髪を揺らした。
 いつしか太陽は山の向こうにその身を隠し。
 オレンジ色の世界から蒼い世界へと、空は徐々にその姿を変えようとしていた。


++++++++++++++++++++++++++++++

てなわけで、中編をお送りしました♪
二次小説ではもうお約束〜な記憶喪失ネタなわけですが、どうしても書いてみたくてこの話を書きました。
記憶喪失ネタにおいて、忘れられた方が主体のものが多いような気がするので、この話では忘れてしまった方の心情を中心に書いてみたんですが・・・・・どうなんでしょうね?ちゃんと書けてるかしら・・・・?
そうそう、実はこの話、テーマ曲があるのです♪
次回の後編で歌詞の一部を使ってるので、そこらへんも見てみてくださいね〜v
では。




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6898そうきましたかっ!!駒谷まや 7/15-15:07
記事番号6892へのコメント

 雫石さん、こんにちは。駒谷まやです。


 これがあの連載ものなんですね!!
 王宮にいるアメリアという時点で、てっきりラブラブものかと思ったら・・・
 記憶喪失ネタとは!!

>二次小説ではもうお約束〜な記憶喪失ネタなわけですが、どうしても書いてみたくてこの話を書きました。

 たとえネタがお約束でも、料理の仕方によっていくらでもおいしくなるでしょ?
 私にはおいしそうなにおいがもうただよってます。(…って、どんなたとえだ)

 後編も楽しみにしてます!
 がんばってね〜〜!!

 ……いつにも増して短いレスですいません… 

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6902こうきましたっ!!雫石彼方 E-mail 7/15-22:39
記事番号6898へのコメント

わ〜い、まやちんだ〜♪
来てくれてどうもありがとうv

> これがあの連載ものなんですね!!
> 王宮にいるアメリアという時点で、てっきりラブラブものかと思ったら・・・
> 記憶喪失ネタとは!!

いい意味で期待を裏切れたようでよかったっす(^^)
ラブラブものには違いないけどね;

>>二次小説ではもうお約束〜な記憶喪失ネタなわけですが、どうしても書いてみたくてこの話を書きました。
>
> たとえネタがお約束でも、料理の仕方によっていくらでもおいしくなるでしょ?
> 私にはおいしそうなにおいがもうただよってます。(…って、どんなたとえだ)

う〜む、料理か・・・・・あんまし得意じゃないんだよな〜・・・・一人で食べる分にはいいけど他人に食べさせるような代物ではない、という(^^;)一人暮らししてた時とかは、よく自分の作ったものでお腹壊してたし・・・・(汗)まあ、賞味期限過ぎた油とか醤油とか使ってるから悪いんだろうけど。(←おい)
・・・・・って、そういう話じゃなかったね;
果たしてこの話は美味しく出来上がっているのか!?においだけじゃないことを祈ってます(笑)

> 後編も楽しみにしてます!
> がんばってね〜〜!!

ほいさ〜!!
早速これから後編アップするですよ!

> ……いつにも増して短いレスですいません… 

全然短くなんかないっすよ!!もうレスくれるだけでおいらは大感激っすVv

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6903一陣の疾風(かぜ) 後編雫石彼方 E-mail 7/15-23:12
記事番号6880へのコメント


「――――ゼルガディスさんにとって、私はどんな存在でした?」

 空の色が変わっていくのと時を同じくして、アメリアの心の中でもまた、ある一つの変化が起きようとしていた。
 今までは、この目の前に立つ青年と恋仲だったという自分―――つまり、『自分の知らない自分』という存在を認めるのが怖くて、なかなか彼と向き合うことができなかった。
 ――――そう、怖かったのだ。
 けれど、短いながらも彼と一緒にいるうちに、彼と真剣に向き合い、受け入れようという思いがいつの間にか彼女の中で大きくなっていた。
 そんな彼女の思いを汲み取ったのか。
 ゼルガディスは彼女の問いに少し驚いたような表情をして、そして微笑った。
「そうだな・・・・・何かに例えるなら――――『風』・・・・・かな・・・・・・」
「『風』?」
 それの意味するところを量りかねて、アメリアは物問うような視線を向けた。
 その視線をくすぐったそうに受けて、ゼルガディスが言うには。
「凝り固まった俺の心に予想もしなかった風穴を開けて、いつだって新鮮な空気を送り込んでくれる。嫌なことも全部吹き飛ばしてくれる。そのままどこかへ通り抜けていってしまったようでいて、気が付けばいつも共に在る。俺にとって、お前はそんな存在だった。  
 昔も・・・・・そして今もな」
「・・・・え・・・・・・」
 自分を真っ直ぐ見つめてくるゼルガディスの真摯な瞳に射抜かれ、アメリアは胸が高鳴るのを感じていた。
 忘れていた高揚感が彼女の全身を支配する。
(何だろう、この感じ・・・・・・。前にも感じたことがあるような・・・・・・・)
 思い出せそう。
 なのにあともう一歩のところで思い出せない。
 思うようにならない自分の気持ちを持て余して、気が付けば頬が濡れていた。
「あ・・・・れ・・・・・?」
 ごしごしと涙を拭う。
 泣き出すなんて卑怯だ。
 そう思った。
 けれど、拭っても拭っても涙は止まらなかった。
「すみ・・・ませ・・・・・わたしっ・・・・・・」
 漏れ出る嗚咽の為に切れぎれに話すアメリアの頭を、ゼルガディスは自分の胸に引き寄せた。そして大きな手で髪を撫でる。
 その温かい感触が、“泣いてもいいよ”と言っているようで。
 アメリアはそのまま縋り付いて、思い切り泣いた。



■一陣の疾風(かぜ)■ 後編



 あの日を境に二人は一緒にいることが多くなり、いろいろな話をした。
 ゼルガディスはアメリアが失くした自分との記憶を埋められるようにと、二人で体験したこと、感じたことをなるべく詳しく話して聞かせたし、アメリアはゼルガディスの話から、忘れてしまった思い出を吸収しようと努力した。
 けれどそれは、単なる建前に過ぎなかったのかもしれない。
 本当は。
 ただ、一緒にいるのが楽しかった。
 例え記憶はなくても、彼女は彼を必要と感じ始めていた。
 例え自分のことを覚えていなくても、彼は彼女を愛していた。
 そうしてあっという間に時は過ぎていった。






 すっかり語りの場となった秘密の場所で、今日も二人はセイルーンの景色を見下ろしていた。
「もう、明日なんだな・・・・」
「はい・・・・」
「記憶はまだ、戻らないか?」
「――――はい・・・・ごめんなさい・・・・」
「お前が謝ることじゃない。気にするな」
「はい・・・・」
 彼の言葉に頷いて、けれど彼女は俯いた。

 ゼルガディスさんは優しい。
 いつも私を見守って。
 いつも私を気遣って。
 そしていつも彼は傷付いている。
 それが苦しい。
 本当は守られるばかりじゃなくて、私も彼を護ってあげたい。なのに護ってあげられるだけの力が私にはなくて。
 それがとても歯痒い。
 私が失くしてしまった私も、そう思っていたのかな?

 顔を俯けたまま、アメリアはそっとゼルガディスの手に触れた。
 ゼルガディスが振り返る。
 ぎゅっ、と。
 握り返された。
 なんだか、泣きそうだった。
「ゼルガディスさん」
「ん?」
「プロポーズ、って。どっちからしたんですか?」
「・・・・・・・・・」
「ゼルガディス、さん?」
「・・・・・・・ああ」
 柄にもなく赤くなる彼がとても可笑しい。
 くすくすと笑うアメリアを、ゼルガディスはちっとも凄味のない顔で睨んだ。けれどまるで堪えてない様子でアメリアは更に言い募る。
「ねえ、恥ずかしついでに教えて下さい。何て言ってくれたんですか?」
「・・・・・・・一度しか言わない、ってことだったんだがな・・・・・・・」
「だって私覚えてないんですもん。教えて下さい」
「・・・・・・・実はもう記憶戻ってるんじゃないだろうな・・・・・・・」
「戻ってないですよぉ!だから、早く!」
「いや、しかし・・・・・・」
 ゼルガディスのささやかな抵抗は、案の定受け入れられなかった。
 ポーカーフェイスも、クールさも。
 所詮彼女には敵わない。
 彼女は無敵の、ヒロインだから。
「ねえねえねえ、ゼルガディスさんってばぁ!!」
「う・・・・・・俺に味噌汁を作ってくれと」
「嘘言わないで下さい!!嘘つきは泥棒の始まりですよ!泥棒の始まりっていうことはイコール泥棒だから、逮捕されちゃうんですよ!中居くんがいい例じゃないですか!!」
「何の話だ何の」
 こうしてぎゃいぎゃい騒いでいる様は昔と何ら変わりはなくて。
 ついつい、忘れそうになる。
 彼女は、自分を忘れてしまったのだということを。
 そして、明日は結婚式だということを。
 楽しそうにプロポーズの言葉をせがむアメリアの瞳の奥に潜む言いようもないほどの不安な光を見て取って、ゼルガディスは黙り込んだ。
「・・・・・ゼルガディスさん?」
 急に押し黙った自分を不思議そうに覗き込んでくる彼女の瞳を、真っ直ぐに捉える。
 彼女の不安を全て取り除いてやりたい。
 自分の手で。
 そう思うのは、贅沢だろうか?
「――――今度こそ、一度しか言わないからな」
「え・・・・・あ、はい・・・・・!!」
 急に真剣な顔で自分を見つめてくるゼルガディスに戸惑いながらも、アメリアはわたわたと姿勢を正した。
 彼女の慌てようが可笑しくて、可愛くて。
 彼は穏やかな笑みを浮かべた。
「一緒に生きていこう。ずっと」


 今までいろいろな話をしてきた。
 その中には、ゼルガディスの生い立ちに関する話も当然あって。
 彼がどうして合成獣にされたのか、その後どういった扱いを受け、どのように感じ、どういった生活を送ってきたのか。
 彼から直接、またはリナ達から間接的に、アメリアはそういったことを聞かされていた。
 それらを総合して、アメリアが思ったことは。
 彼は人と深く関わり、馴れ合い生きることを嫌って―――いや、むしろ恐れている、ということだった。
 その彼が。
『共に生きよう』と言う。
 それがとても嬉しくて。
 ああ、この人となら。
 一生隣を歩いていきたい、と。
 そう、思った。






「アメリア、本当に良かったのか?」
 心配そうにフィリオネルが問い掛ける。
 それに大丈夫よ、と笑って。アメリアは目の前の重厚なドアを見つめた。
 このドアの先には、彼女の夫となる青年が少し緊張した面持ちで花嫁の到着を待っている。
 ドアの先には、彼が。
 ではそのもっと先には、一体何が待っているのだろう。
 楽しいこと、辛いこと、嬉しいこと、悲しいこと。
 いろいろあるだろう。
 けれど、自分がこの選択を後悔することは決してないだろうと、なぜか彼女は確信を持って思った。
「しかし、早いもんじゃな・・・・・ついこの間、お前の母さんが歩いてくるのをこの先で待っていたばかりのように思っとったのに、今度は自分の娘の付き添いとしてこの道を歩くことになるとは・・・・・・」
 感慨深げに呟くフィリオネルに、やはり感慨深げな視線を向けて。
(――――母さん、か・・・・・・)
 記憶の底に眠る、おぼろげな母親の姿に思いを馳せた。


 重い音を立ててドアが開く。
 中から溢れ出す眩しいほどの光の奔流に身を包まれ、目を細めた。
 おびただしい光の中に、何かを見た気がして。
 彼女はそっと、微笑んだ。


   ――――アメリア・・・・・


 どこかで声が聞こえる。
 とても懐かしい声。
 大好きだった声。
 ねえ、母さん。
 あなたはどんな気持ちで、この道を歩いたの?


   辛い時誰が傍にいてくれて
   誰の肩で涙を流した?


 何度、彼の肩で涙を流しただろう。
 何度、彼に救われただろう。
 きっと、それは数え切れないほど。


   喜びは誰と分け合って
   誰と手を取り合ってきた?


 彼がいたから、喜びも大きくなった。
 彼がいたから、幸せも大きくなった。
 私も喜びをあげるから。
 私も幸せをあげるから。
 二人になったら、もっともっと大きくなるよ。


   本当の強さは誰が教えてくれて
   優しさは誰が伝えててくれた?


 魔力とか、剣術とか、体術とか。
 そんなものばかりが強さだと思っていた。
 そう、きっと、合成獣に変えられる前の彼と私は、よく似ていたのかもしれない。
 自分は無力だと、落ち込んだこともたくさんあった。
 そんな私に、彼は強さの意味を教えてくれた。
 信じること、愛することも、立派な人の強さだと。
 少し照れながら、そう言ってくれた。
 ねえ、少しは私も強く、なれたでしょうか?


   誰がいたから歩こうとして
   誰に髪を撫でて欲しかった?


 王宮で待っていられたのは、約束をくれたのが他でもない、彼だったから。
 だから私は耐えられた。
 帰ってきた彼に、よく頑張ったな、って。髪を撫でて欲しかったから。
 帰ってきた彼に、よく頑張ったね、って。髪を撫でてあげたかったから。


   誰が諦めないでいてくれた?


 人間の姿を取り戻すということ。
 それがどれほどの努力を要するものなのか、私にはきっと想像もつかない。それくらい途方もないこと。
 けれど、彼は諦めたりしなかった。
 ちゃんと約束を守って、そして帰ってきてくれた。
 

 そう、忘れるはずがない。
 忘れられるはずもない。
 ねえ、だって私はこんなにも。

「あなたが、大好きです・・・・・」






++++++++++++++++++++++++++++++

・・・・・・・・・・はい。
クサかったですね。わかってます。わかってますよ・・・・・(///)
特にタイトルに行く前の部分、とてつもなく気に入らないのですが、思いつかないのでもういいや、と妥協しました;ゼルが偽物だよぅ・・・・・・皆さんごめんなさい(--;)

で、中編の後書きで言ってたこの話のテーマ曲ですが、浜崎あゆみの『Who・・・』でした♪前からずっと使いたくて、でもこれを使えるいいシチュエーションが思いつかなくて宙ぶらりんだったんですが、ふと記憶喪失ネタで使えるかも♪と思いつき、アメリア’sママに言ってもらいました(^^)
どうやら雫石はアメリア’sママが大好きらしいです(笑)

ではでは、次回のエピローグでお会いしましょう♪

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6909感動の嵐でした。たつき 7/17-11:54
記事番号6903へのコメント


 拝見しました!!!感動しました!!リナの言葉とか、ゼルガディスの元で泣いちゃうアメリアとか、ゼルガディスのプロポーズの言葉とか。まさしく、感動の嵐でした。
 私も浜崎あゆみの歌詞とゼルアメを重ねてしまう事が多く、今回彼方さんの作品を拝見して、思いが一緒の方がいることが分かり、嬉しかったです。
 
 本当に素敵な作品でした。又作品を拝見したいです。(あつかましくてスミマセン。)

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6916こちらこそ感激ですぅv雫石彼方 E-mail 7/17-19:41
記事番号6909へのコメント

たつきさん、こんにちわ〜(^^)
感動ですか!!
ああ、嬉しいです・・・・(><)この話ってとてつもなく『クサい』のでは!?とかなり心配していたので・・・・;

> 拝見しました!!!感動しました!!リナの言葉とか、ゼルガディスの元で泣いちゃうアメリアとか、ゼルガディスのプロポーズの言葉とか。まさしく、感動の嵐でした。

リナの言葉は、たつきさんのレスを受けて急遽付け足した部分だったので、そう言っていただけるとほんと嬉しいですvたつきさん様様ですね(^^)

> 私も浜崎あゆみの歌詞とゼルアメを重ねてしまう事が多く、今回彼方さんの作品を拝見して、思いが一緒の方がいることが分かり、嬉しかったです。

あ、やっぱり浜崎あゆみの歌って、ゼルアメな歌が多いですよね!?(^^)うふ、ここにも同志発見♪

> 本当に素敵な作品でした。又作品を拝見したいです。(あつかましくてスミマセン。)

あぁぁあ、ありがとうございます・・・・!!(><)
全然あつかましくなんかないですよ!!そう言っていただけるから頑張れます!!
頑張ってまた何か書きますので、またお相手してやってくださいねv

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6949お聞きしたい事が、、、。たつき 7/23-10:26
記事番号6916へのコメント


 こんにちは。暑い日が続きますが、元気でお過ごしですか?

 他者様のHPで彼方さんの作品を拝見して、うっとりしていたのですが、現在では閉鎖されたHPにも作品を出されていた、という情報を入手しました。
 その作品を拝見する事はできないのでしょうか?もしそうならとても残念なんですが、、、。

 このコメント欄を使ってお聞きしても良いのか、迷ったのですが、気になってしまし書いてしまいました。すみませんっ!!

 では。お体に気をつけて下さい。

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6961うをっ!?雫石彼方 E-mail 7/25-22:19
記事番号6949へのコメント

> こんにちは。暑い日が続きますが、元気でお過ごしですか?

寝不足でくらくらしてますが、なんとか日々過ごしております(笑)

> 他者様のHPで彼方さんの作品を拝見して、うっとりしていたのですが、現在では閉鎖されたHPにも作品を出されていた、という情報を入手しました。
> その作品を拝見する事はできないのでしょうか?もしそうならとても残念なんですが、、、。

え〜と、どこでそんなレアな情報を入手されたのでしょうか・・・・?(笑)
今現在閉鎖されていて私が投稿していたHPというと、某MLのHPでしょうかね?・・・・ていうか、そこ以外条件に当てはまるページはないんですが(^^)
ん〜、確かにそのHP閉鎖後お蔵入りになっている話は2,3個ありますが、その頃私が書いていた話ってめちゃくちゃ短いものがほとんどだったので、敢えてこちらで公開させていただくような代物ではないんですよねー・・・(^^;)
それでもどうしてもとおっしゃるのであれば、メールで送らせていただく、という
のはどうでしょうか?私としても、仮に自分のHPとかを持っていて、そこにアップするのならいざしらず、初期の頃の話を今更人様のHPに改めて公開するのは恥ずかしいんですよ;
そんなわけですので、私の方にたつきさんのメルアドを書いたメールを送っていただければ添付してお送りいたします(^^)

・・・・とか言ってて、たつきさんがメールできない環境とかだったらどうしましょうね;
う〜ん、その時はまた考えましゅ☆
ではでは。




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6968お優しいお言葉を、、、(感涙)たつき 7/27-14:17
記事番号6961へのコメント



>寝不足でくらくらしてますが、なんとか日々過ごしております(笑)

 毎日、暑いですね。寝不足は大丈夫ですか?
お返事ありがとうございます!!

>ん〜、確かにそのHP閉鎖後お蔵入りになっている話は2,3個ありますが、その頃私が書いていた話ってめちゃくちゃ短いものがほとんどだったので、敢えてこちらで公開させていただくような代物ではないんですよねー・・・(^^;)
>それでもどうしてもとおっしゃるのであれば、メールで送らせていただく、という
>のはどうでしょうか?私としても、仮に自分のHPとかを持っていて、そこにアップするのならいざしらず、初期の頃の話を今更人様のHPに改めて公開するのは恥ずかしいんですよ;
>そんなわけですので、私の方にたつきさんのメルアドを書いたメールを送っていただければ添付してお送りいたします(^^)

 私はてっきり、どちらかのHPでアップされたのかと思っていたのです。何だかわがままなことを言ってしまって、申し訳ありません!!

 私は学校でしかインターネットをできないし、何よりお手数や御迷惑をかけてしまうので、そのお優しいお言葉だけで十分です!!ここまで、考えて下さるなんて、彼方さんって優しい方なんですねぇ(感涙)。ありがとうございました。
 これからも応援しています。暑さに負けず、がんばってください。では。

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6917一陣の疾風(かぜ) エピローグ雫石彼方 E-mail 7/17-19:55
記事番号6880へのコメント


「ん、何か言ったか?」
「いえ、なんでも」
 来賓達の視線を一身に受け、真っ直ぐに伸びる赤い道の上をゆっくりと歩きながら何事かを呟いたアメリアに、フィリオネルが声を掛ける。やはり心配そうな表情を拭いきれない父親に、彼女はにっこりと微笑ってみせた。
 ほどなくして、二人は花婿の下に辿り着く。
「ゼルガディス殿、アメリアを頼んだぞ」
「ああ」
 短く言葉を交わし、花嫁の手は父親から花婿へと渡される。
 そして。
「ゼルガディスさん」
「ああ」
「一つ、忘れてますよ」
「・・・・・・ああ?」
 式の前に、忘れているものはないか念入りにチェックしたはずだ。それでもアメリアの言葉に慌てて自分の姿を見回してみたが、やはりどこにも妙なところは見つからない。
 アメリアは訝しげに眉を顰めるゼルガディスの腕にその手を絡ませ、どこまでも楽しそうに自分の方へと彼の顔を引き寄せた。
「ゼルガディスさんが最初にプロポーズしてくれた時、私“子供は最低でも三人は欲しいですね”って言ったじゃないですか!それもちゃんと教えてくれなくちゃ♪」
「さ、三人ってお前な――――って・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
 まじまじと花嫁の顔を見つめる花婿。
 にこにこと花婿を見つめ返す花嫁。
 一瞬、時が止まったかのような錯覚を覚えるほどその場は静まり返り。

 ざわり。

 二人を固唾を飲んで見守っていた、リナとガウリイを除く来賓達の間に波紋を描くようにどよめきが広がっていった。




「・・・・・・あーーー、お二方とも・・・・・・・誓いの口づけには、まだ早いのですが・・・・・・・」

 おずおずと口を開いた、神官の控えめな申し出は。
 当然のことながら、虚しく宙に消えた。



■一陣の疾風(かぜ)■ エピローグ



 この物語が一体何時のことなのか。それは誰にも分かりません。
 遠い遠い昔のことかもしれないし、極々最近のことかもしれません。
 人々は、一続きの大きな大きな大陸に住んでいました。その大陸は周りを海で囲まれていましたが、誰も海の先に何があるのかを知りませんでした。
 彼らにとって、その大陸のみが世界の全て。
 なぜならその大陸は強大な結界に包まれ、それより先に行くことができなかったからです。
 けれど昔から、大陸の東には魔王が、西には神が棲んでいると信じられていました。というのも、東から疾風(かぜ)が吹けば空は荒れ狂い、飢饉が訪れ、疫病が流行り、西から疾風(かぜ)が吹けば空は穏やかになり、穀物は豊かに実り、疫病はたちまち鎮まっていったからです。


 けれど、本当は。
 東に魔王など、棲んでいないのかもしれません。
 西に神など、棲んでいないのかもしれません。
 花嫁は、花婿の記憶を取り戻しました。
 その時、疾風(かぜ)は吹きませんでした。
 東からも、西からも。
 魔王だとか、神だとか。そんなものはきっと、人々の臆病な心が生み出した愚かな産物でしかないのでしょう。
 彼らが身をもって教えてくれたのです。
 強い想いこそが未来を切り開く、と――――





 今日も彼らは笑っています。
 明日も、明後日も、その後も。
 彼らはきっと、笑っているでしょう。
 彼らはずっと、笑っているでしょう。
 彼らがその瞳の輝きを失わない限り、ずっと・・・・・・・





END

++++++++++++++++++++++++++++++++

ちうわけで。
これにてこのお話はおしまいでございます☆
今までお付き合いありがとうございました!!

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6943あああ・・・また遅く参上(泣)水晶さな E-mail URL7/22-01:11
記事番号6917へのコメント


 今晩和亀と競歩中の水晶です(爆)。又遅くなってしまいました(泣)。

 ああでも、シアワセな結婚式にこっちまでシアワセのお裾分けを頂いたようです(^_^)
 子供は三人って・・・基本は「一姫二太郎」で、三番目は・・・?
 姫には子沢山が似合いますね(笑)。

 最後のくだりの方がおとぎ話のようでほんわかとしました(^_^)
 また幸せな御話お待ちしてますv

 ではでは〜。

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6962こちらこそお返事遅くなってしまって;雫石彼方 E-mail 7/25-22:30
記事番号6943へのコメント

> 今晩和亀と競歩中の水晶です(爆)。又遅くなってしまいました(泣)。

いえいえ、お気になさらずvレスいただけるだけで幸せですから!!

> ああでも、シアワセな結婚式にこっちまでシアワセのお裾分けを頂いたようです(^_^)
> 子供は三人って・・・基本は「一姫二太郎」で、三番目は・・・?
> 姫には子沢山が似合いますね(笑)。

アメリアはいっぱい子供欲しがりそうだなーと思って、でも下手に5人とかにしちゃうといろんな意味で大変そうなので(笑)、無難に3人にしてみました(^^)
私の勝手な理想としては、一人か二人がいいな〜☆

> 最後のくだりの方がおとぎ話のようでほんわかとしました(^_^)
> また幸せな御話お待ちしてますv

びみょ〜にパラレルな話であることを、おとぎ話調でほのめかしてみました(笑)
また何か書いた際にはお付き合いいただけると嬉しいです。
では、ありがとうございました!

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6948爽やかですねぇ穂波 7/22-23:50
記事番号6917へのコメント

こんばんは、雫石さん。
一陣の疾風、拝読しました。
姫の記憶喪失ということでしたが、姫主観の記憶喪失話というのは、そういえば初めて読んだ気がします……。

印象的だったのか、キレイな景色だから、残酷だと、泣くことも出来ないアメリアでしょうか。
彼女の強さもまた、弱さと表裏一体なのかもしれない、と思いました。
そして忘れてしまってもゼルのことを好きになって、ゼルも忘れられたことから逃げずにアメリアを受け止められて、幸せになれた。
二度目のプロポーズは、ストレートに幸せになってくれ〜と言う感じで、良かったです。

朗々と語っているフィルさんや、所々でツボを抑えているガウリナ、そしてアメリア・ママ含めて爽やかでいいお話だなぁと思います。

では、良いお話読ませてくださり、ありがとうございました。

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69633組〜♪雫石彼方 E-mail 7/25-23:16
記事番号6948へのコメント


タイトル何かって、昔N○Kで『爽やか3組』とかいう子供向け番組をやっていたのですよ・・・。それをちょっと思い出したものでつい;

>一陣の疾風、拝読しました。
>姫の記憶喪失ということでしたが、姫主観の記憶喪失話というのは、そういえば初めて読んだ気がします……。

ありがとうございます!!ありがちなネタなだけに、少しでも今までとは違うものが書きたかったので、そう言っていただけると「してやったり!!」って感じでめちゃ嬉しいです(><)

>印象的だったのか、キレイな景色だから、残酷だと、泣くことも出来ないアメリアでしょうか。
>彼女の強さもまた、弱さと表裏一体なのかもしれない、と思いました。

その辺は、Coccoの『Raining』の歌詞を参考にしました。
確か、『それはとても晴れた日で 泣くことさえできなくて』というような歌詞だったと思いますが・・・・(おぼろげ)
でも本当に、落ち込んでる時の綺麗な景色って、泣くに泣けなくて残酷だと思うんです。自分だけ置いてきぼりにされたみたいで、でも泣こうとしても頭ではその景色を綺麗だなって思ってて、そのどこか冷静な部分が感情のままに泣くことを邪魔してる、みたいな。
雨ならその雰囲気に浸って、泣きたいだけ泣いて少しはすっきりできるのに。映画とかを見て感動して泣いてストレス解消できるのと同じような現象でしょうかね。

>そして忘れてしまってもゼルのことを好きになって、ゼルも忘れられたことから逃げずにアメリアを受け止められて、幸せになれた。
>二度目のプロポーズは、ストレートに幸せになってくれ〜と言う感じで、良かったです。

プロポーズの言葉は特にひねったものではなかったのですが、ゼルが言うと単純なものの方が重みを増すんですよね、きっと(^^)

>朗々と語っているフィルさんや、所々でツボを抑えているガウリナ、そしてアメリア・ママ含めて爽やかでいいお話だなぁと思います。
>では、良いお話読ませてくださり、ありがとうございました。

ガウリナ、ツボ抑えてましたか!!ああ、良かった!!この二人の出番の少なさには、かなり悩みましたから(笑)
こちらこそ読んでくださって、ありがとうございました!!

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