◆−前書かれ?(笑)−桐生あきや(5/30-21:15)No.6623
 ┣蛍姫(フローライト・ソング)前編−桐生あきや(5/30-21:19)No.6624
 ┃┣蛍姫(フローライト・ソング)中編−桐生あきや(5/30-21:21)No.6625
 ┃┗蛍姫(フローライト・ソング)後編−桐生あきや(5/30-21:27)No.6626
 ┃ ┣感想をのべるでござるぞ♪(蛍姫のマネ/違うから)−あんでぃ(5/30-22:41)No.6629
 ┃ ┃┗ハッ○リくんを思い出した私は………(死)−桐生あきや(6/1-18:47)No.6649
 ┃ ┣・・・(うっとり)。−水晶さな(5/31-23:46)No.6640
 ┃ ┃┗嬉しいですv−桐生あきや(6/1-18:57)No.6650
 ┃ ┗穀物の雨が振る。−ゆえ(6/1-09:20)No.6642
 ┃  ┗すいません稲とか麦が降ってくる光景を想像してしまいました(抹殺決定)−桐生あきや(6/1-19:07)No.6651
 ┣みていさんへ。−桐生あきや(5/30-21:39)No.6627
 ┃┗桐生さんへ。−みてい(5/31-01:20)No.6630
 ┗MIGUさんへ−桐生あきや(5/30-21:48)No.6628


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6623前書かれ?(笑)桐生あきや URL5/30-21:15




 全然ごぶさたしてません。しつこく登場の桐生です。『翼の舞姫』が終わったばかりだとういうのに………(^^;)。いえ、季節が過ぎるのが怖くてそうそうに投稿したかっただけなんですが。梅雨に入って雨が鬱陶しくしなる前に(笑)

 漢字+(カタカナ)タイトルとなっておりますが、柚葉シリーズなのか微妙なところです(笑)。アメリアとゼルガディスが二人で旅をしているという設定は柚葉シリーズなのですが、困ったことに季節が二人で旅をしている時期と合うか合わないかギリギリなんですよねー(爆)。年表なぞ作るんじゃなかった………ああ自縄自縛(馬鹿)。
 一応、『瑠璃飾り』直後ということで(汗)。季節はちょうど今頃で、肝心のユズハがいないので(笑)前の話を読んでいない方でも、普通に読めるはずです。しかしタイトルが姫続きだなぁ(苦笑)

 雨の降っている夜に窓を開けたまま読むのもいいかと♪ 本当は月曜日には投稿している予定だったのですが、現実世界で雨が降るまでしつこく待ってみたり(笑)

 『翼の舞姫』でレスをくださったMIGUさんとみていさん、レスを返す前にツリーが落ちてしまいました。すいません(汗)。いまここでレス返しをさせていただきます。
 ではでは。

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6624蛍姫(フローライト・ソング)前編桐生あきや URL5/30-21:19
記事番号6623へのコメント



 左右に広がる山裾の間に抱かれるように存在する村がある。
 大きくもなく小さくもない、ごく普通の村。麦を育て、背後の山からはわずかばかりの鉄とそれに付随する半貴石などの鉱石がとれる。
 街道から二、三時間も寄り道すればたどりつくことができるため、宿を取るために立ち寄る者も多い。しかし、再び街道に出戻る手間を惜しんで、先を急いで素通りしていく者もいる。
 そんな村。

 山が鮮やかな萌え色に包まれて、音もなく雨が降る季節。


 娘がひとり、立っていた―――



 *****************

   蛍姫(フローライト・ソング)

 *****************



「この村に参られるか」
 細い街道を行くアメリアとゼルガディスに、少女の声がかかった。
 雨滴で煙る視界に目を細めて、ゼルガディスが声のしたほうを見る。
 街道の脇、緑の下草を踏んで、小柄な娘が立っていた。
 視界は悪く、周囲の気配にそれほど神経を尖らせていなかったため、彼女がいつからいたのか見当もつかない。
 濡れるのを嫌がって(何せ白の巫女服では透けてしまう)風の結界をはっていたアメリアは娘が何を言ったのか聞き取れず、きょとんとして結界を解いた。
「この先の村に、今日は泊まられるのか?」
 娘は小首を傾げてそう尋ねてきた。
 ぎょっとするほど鮮緑色の目をした娘だった。
 どこまでも明るいのに、底の見えないクリアな目。自ら蛍光を放ちそうなライトグリーンのその瞳がアメリアをゼルガディスを交互に見ている。
「そのつもりだが………?」
 ゼルガディスが警戒心からわずかに眉をひそめてそう答えると、娘はしばし沈黙して、やがて納得したようにうなずいた。
「そうか」
 言って娘は身をひるがえした。萌黄色の裾が同色の草のうえにふわりと広がって、二人は一瞬それに目を奪われる。
「おい、待て―――」
 慌てて娘を呼び止めようとして、ゼルガディスは絶句した。傍らのアメリアが目をしばたたく。
「え………? いまの娘さん、どこへ行ったんですか………?」
 霧雨のなかに溶けるように、彼女はアメリアたちの前からその姿を消していた。



 細い街道を目的の村に向かって歩きながら、アメリアが尋ねた。
「………ねえ、ゼルガディスさん。さっきの子、濡れてるように見えました?」
「………いや」
 ゼルガディスは小さくかぶりをふる。
 濡れてなかった。それどころか。髪は湿気さえまとわりつかせてはいなかった。
 そこまで考えて、ゼルガディスは気づいた。
「おい、髪は長かったか?」
「は? え………言われてみると………長かったような短かったような………」
 だんだんとアメリアの言葉尻が消え入るように小さくなっていく。
「目は緑だったよな」
「はい。それは確かです………何なんでしょう」
「さあな」
 素っ気なく答えて、ゼルガディスは前方の白くかすむ村の影を見た。
「どっちにしろあそこで一泊はしなきゃならん。それとも魔力が尽きるまで風の結界を唱えているつもりか?」
 また何やら唱えているアメリアに視線をやると呪文を途中で中断した少女がぷうっとふくれた。
「当たり前じゃないですか。それとも濡れてろっていうんですか?」
「んなことは一言も言ってないだろうが。尽きると結局濡れるからマズイだろうと言ってるんだ」
(俺がな)
 内心そう付け足して、ゼルガディスはふくれっ面のアメリアの背を押して先を急がせた。



 たどりついた村の一件しかない宿の女将(おかみ)は身も蓋もなかった。
「泊まる部屋はないよ」
 服の袖から水が滴りそうなゼルガディスが気色ばむ。
「そんなわけないだろうが」
「そうです。あの娘さん、泊まれないなんて一言も言いませんでした」
「娘………?」
 アメリアのセリフに、女将が眉をひそめる。
「この雨のなか、だれに会ったっていうんだい」
 ゼルガディスとアメリアは顔を見合わせた。
 確かにこの雨の中、人に会うのはおかしい。土砂降りではないが、体にまといつくような雨が昨日からずっと降っているのだ。
 アメリアがしどろもどろに答えた。
「あの、その………娘さんです。多分、この村の………。目が明るい緑色をした………」
 女将が目を丸くして、アメリアとゼルガディスは何を馬鹿なと言われるのを覚悟して身構えた。
 そうして言葉が落とされる。
「なら部屋はあるよ」
『………は?』
 思わず間の抜けた声をあげたアメリアとゼルガディスには委細かまわず、女将は奥へと入り、戻ってきたときには山のようなタオルを抱えていた。
「なんだい、あんたたちも。蛍姫に会ったんなら素直にそう言えば、こっちも嘘をつかずにすんだのに」
「蛍姫………?」
 タオルを押しつけられながら、ゼルガディスが呟いた。
 この小さな村で、『姫』とはまた大層な呼び名である。しかもあくまで自然にそう口にされ、娘の名前すら出てこない。
 抱えたタオルがどんどん水気を吸っていくのがわかった。
「ゼルガディスさん」
 アメリアがゼルガディスの濡れた服の袖を引っ張った。
 彼女の視線の先、雨にもかかわらず涼を求めて無造作に開かれた窓の外に目をやって、ゼルガディスも目を見張った。
 濡れた黒土の道をはさんだ向こう側に、あの娘がいた。ふうっと、二人の見ている先で窓を左から右に横切っていく。やはりどこか現実離れした様子だった。
「見ました?」
「ああ、見えた。やっぱり村の娘のようだな」
 呆然と呟いていると、宿の女将がひょいと窓をのぞいた。
「おや、蛍姫かい? ああ、もういないね」
「何だと?」
 ゼルガディスとアメリアは慌てて窓から首をつきだして外を見た。見通しがいいにもかかわらず、ついさっき横切っていたはずの娘の姿は影も形もない。
「いったいどういうことなんですか?」
 アメリアの問いに女将は笑って答えた。
「どうもなにも、祭りがもうすぐだからね」
「祭り? じゃあ、あの娘は巫女か何かか」
 聖職にある女性が神聖視されて姫と呼ばれるのは珍しくない。しかし『蛍』とはまたどういうことだろう。蛍の季節はもう少し先だ。
 いまはただ、雨ばかり。
 訊ねたゼルガディスを、呆れたように女将は眺め回した。
「質問ばっかりしてないで、さっさとまともな恰好におなりよ。いつまでも床を濡らされていたんじゃたまらない。部屋に行って着替えとくれ」
 二人は早々に部屋へと追いやられた。



「ゼルガディスさん。入ってもいいですか?」
 ノックと共にアメリアの声がした。
 ゼルガディスが返事をすると、髪にわずかばかりの湿り気を残したアメリアがひょこっと顔を出した。
「どうしたんだ、その服は」
「宿の女将さんに貸してもらいました。えへへへ、似合います?」
 アメリアが笑って、大きく開いた袖口を手でひっぱった。
 季節柄、少し暑そうにも見えたが、雨が降って気温が下がっているのと、肘のあたりまで大きく切れこみが入っているため、見た目ほどではなさそうだった。切れこみのせいで袖が垂れ下がらないように、紐が飾りのように渡されている。
 あとは腰のところをリボンで締めた、ごく普通のワンピースだった。ただ、このあたりの伝統模様なのか裾にぐるっと刺繍がしてある。
 色は、あの不思議な娘と同じ萌黄色。
「やっぱり私もちょこっと濡れちゃいましたから。ゼルガディスさんのほうこそ平気ですか?」
「ああ」
 ゼルガディスも、荷物の中の予備の服を出して着替え終えていた。
 開け放された窓の向こうの雨を見て、アメリアは首を傾げる。
「雨、当分はやみませんね」
「そういう季節だからな。やむのを待っていたらいつまでたっても動けん」
 吹きこんだりするような類の雨ではなく、季節もまだ降り始めの時期だから、嫌な感じはなく、むしろ好ましいものなのだろう。割と平気で家々の窓は開け放たれ、涼を呼びこんでいた。
 水の大気に溶けた花と緑の匂いが涼しい空気と共に、二階にあるこの部屋までも届いてくる。
「そのことなんですけど、ゼルガディスさん」
 アメリアが困ったように言った。
「女将さんが、祭りが終わるまでは人の出入りは一切禁止だというんです」
「………何だと?」
「何でもそういうしきたりだとかで………」
 地方には地方の風習と閉鎖性がある。
 ゼルガディスは眉間を押さえて頭痛をこらえた。
「じゃ、俺たちは何なんだ」
「私たちは、蛍姫に会ったから祭りの客人なんだそうです」
「だから何なんだ、その蛍姫とやらは」
「それがさっぱり………。はぐらかされるばかりで………。私たちがお祭りの客なら、教えてくれたっていいと思うんですけどね?」
 ゼルガディスは嘆息した。
「で、祭りはいつだ。その蛍姫とやらの祭りなんだろう?」
「一週間後だそうです」
「一週間!?」
 いくらなんでも長すぎる。一週間も人の出入りを禁じるというのか。街道近くにある村だという事実が信じられないくらいである。
「冗談じゃないぞ。いくらなんでもそんな悠長にしてられるか」
 別に監禁までされることはないだろう。祭りに水を差すのは気が引けるが、さっさと出て行くべきだとゼルガディスは判断した。
「ですよね………」
 アメリアも溜め息混じりにそう言った。
 そのとき、扉からが控え目にノックの音がした。
「どなたです?」
 おそらく宿の女将だろう。というか、それしか考えられない。
 しかし、聞こえてきたのは少女の声だった。
「私は蛍姫という。ここを開けてはくれぬだろうか」
 ゼルガディスとアメリアは顔を見合わせた。
「開いている。勝手に入ってこい」
「ならば失礼するぞ」
 果たして入ってきたのは、村に入る手前で二人に声をかけ、さらに先ほど雨のなか村をさまよっていた娘だった。
 艶のある緑の瞳が、何よりもまず先に目にとまる。
「あんたが蛍姫なのか」
「たったいまそう名乗ったではないか。聞いてはおらなんだか?」
 娘が尊大な口調でそう言って、小首を傾げた。左右の髪を編んで前にたらして肩までのベールをかぶり、それよりも遙かに長い、大量のうねる髪を背中に流している。
 アメリアの来ている服に大量の装飾と刺繍を施したような、現実離れした服装だった。
「何の御用ですか?」
 戸惑った表情でアメリアが訊ねると、蛍姫はアメリアを見てまばたきした。
 やはりというか、目の前で相対しているにもかかわらず、実体感の感じられない不思議な雰囲気を持っている。
「祭りの前に出て行かれるか」
「立ち聞きとは感心できない趣味だな」
 ゼルガディスの皮肉に、蛍姫は紅い唇を持ちあげて笑った。
「しかたないのだ。祭りの直前まで私には壁がない。どうか許されよ」
「…………? どういうことだ?」
「言葉通りの意味だ。もしかしてそなたには言葉が通じぬか」
 まじめな顔で問いかけられて、ゼルガディスのこめかみがヒクリとひきつった。
「話を戻してもいいだろうか。そなたたちは、祭りの前に出て行かれるか?」
「そのつもりだ」
「それは困る」
 即座に蛍姫がそう言った。
「どうしてだ。もともとよそ者抜きでやる祭りなんだろう? 俺たちはさっさと出ていく。勝手にやってくれ」
「おかしな話だ」
「何がです?」
 蛍姫は無表情に首を傾げた。
「そなたたちには送る星がある。なのに祭りには参加せぬというのか?」
「は?」
 アメリアがまばたきした。
「星………ですか?」
 蛍姫がうなずく。
「星があるから、私はそなたたちが村に入るのを止めなかったのだぞ?」
「そんな得体の知れないものを持った覚えはない」
 にべもなくゼルガディスが言い切った。
 蛍姫が可愛らしいその顔をしかめた。
「そうか。ならば仕方がない。人の行き来は星を騒がすから禁止されているのだが………ときにそなた」
 やけにあっさり納得すると、蛍姫はアメリアを手招いた。
「アメリアです」
「アメリアか。少しばかり耳を貸してもらえぬか」
「はい………?」
 自分からつつっとアメリアのほうに近寄っていくと、蛍姫は何やら耳元で囁いた。もちろんゼルガディスには聞こえない。
 見る見るうちにアメリアの顔が真っ赤になって、蛍姫を見た。
「だろう?」
「どうしてわかったんです?」
「私にはわかるからな」
「アメリア?」
 ゼルガディスが問いかけると、アメリアは真っ赤な顔のまま小さな声で言った。
「………お祭りまで泊まっていきませんか?」
「いきなり何を………」
 ゼルガディスは蛍姫を睨みつけた。
「おい。お前、アメリアに何を言った」
「何もまずいことは言ってないぞ。ただ指摘しただけだ」
 しれっとした顔で蛍姫はそう答え、かろうじて袖口から覗いている指先を持ち上げた。
「しばらく雨は降り止まぬ。しかたなかろう」
「だから、何がだ!? おい、アメリア?」
 アメリアは何か言いかけてはやめるばかりである。
 蛍姫がくすくす笑った。
「あまり困ることを聞くでない。そなたたちにこれを」
 袖の大きさに比べてあまりにも小さな手のひらが両方とも差し出された。
 左右の手のひらに、同じぐらいの大きさの石が握られていた。八面体―――二つの四角錐(ピラミッド)の底同士をくっつけた形をした、淡い緑の石だった。
 アメリアが不思議そうに石を見て、蛍姫を見た。
「これは?」
「蛍星だ」
「蛍星? 蛍石の一種か?」
 ゼルガディスが怪訝な顔で石を見た。どこをどう見ても普通の蛍石にしか見えなかった。脆いため細工には適さない、鉄重石が伴う半貴石。
「そうだな。この村でしか採れぬ石だ。祭りにはこれが要る。私にはまだ壁がない。石が逃げる前に受け取ってくれ」
 やはり理解しがたいことを言って、蛍姫は石を取るよう促した。
「だから、祭りに参加する気はないと俺たちは―――」
「ゼルガディスさん!」
 アメリアが両手を合わせてゼルガディスを拝んだ。
「お願いしますッ」
「理由を言え。さっきまで俺と同じ意見だったくせに急にひるがえしやがって」
「妬いておるのか」
 二つの蛍星をアメリアの手に握らせながら蛍姫が笑った。
「なんだと?」
「さて。私は邪魔をせぬ。うまく説明してやるがよかろう、アメリア」
 笑いながら蛍姫は、扉のほうへを身をひるがえし数歩あるいて―――そして扉まで行かずに消えた。
 思わず扉を見直したが、やはり何も変わらない。
 自分が幻覚を見たのかと思ったが、アメリアの手には石がある。
 アメリアが、何とも言えない変な顔で自分の手の中の石を眺めていた。
 不意にその手を開く。
 ふわり、と石が浮いた。
 二人は呆気にとられて、部屋をふよふよ漂う石を目で追った。
「………………なんだこの石は?」
「もしかして、浮く蛍石だから蛍星って言うんでしょうか………」
 アメリアが慌てて石を手でつかまえる。萌黄の袖がふわりとひらめいた。
 ゼルガディスは腕組みしてアメリアをじとりと睨む。
「で、どうして急に意見をひるがえしたんだ?」
「そのぅ………」
 アメリアが両手に石を包んだまま視線を泳がせる。
「雨、当分はやみそうにないじゃないですか」
「それがどうした」
「………濡れるんです」
 ゼルガディスは眉をひそめた。
「いまさら何を言ってるんだ? 第一、俺はともかくお前は結界をはるから、たいして濡れないだろうが」
「………だから」
 アメリアが赤い顔でキッとゼルガディスを睨んだ。石を片手にもちなおすと、傍らのベッドから枕をひっつかんでふりかぶる。
「魔法が使えなくて濡れるんですってばッッ!」
 ゼルガディスはおとなしく枕の直撃を受けることにした。



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6625蛍姫(フローライト・ソング)中編桐生あきや URL5/30-21:21
記事番号6624へのコメント



 夕食をとるために階下に降りてきた二人は、宿の記帳台のうえに、小さな針金細工のカゴと、その中でふよふよ浮いている蛍星を見つけた。
「………これって」
 何とも言い難いアメリアの表情を見て、女将がああ、と笑う。
「珍しいかい? 蛍星というのさ」
「はい。さっき習いました。このあたりでしか採れないんですよね?」
 アメリアの言葉に、女将が無言で眉を動かした。二人ともさっき二階に上がっていったきり、どこにも行っていない。
「だれから習ったんだい?」
「さっき蛍姫が部屋に来て………」
「あの子がわざわざ来て喋ったのかい!?」
 女将の剣幕にアメリアとゼルガディスは絶句した。
「え、ええ………」
「喋ったとはどういうことだ」
「そうか………。あんたたちはお客人だものね。喋っても別に困らないんだろうね。きっとそうなんだろうねぇ」
 勝手に一人で納得すると、女将は二人にテーブルにつくようすすめた。
「だから、どういうことなんですか? どうして彼女に話しかけちゃいけないんです?」
 料理の皿を持ってきた女将にアメリアがたずねると、女将は困ったように笑った。
 その背後の記帳台には、カゴに入れられた蛍星。
「村の者は祭りまで蛍姫に話しかけちゃいけない決まりなんだよ」
「どうしてだ? そもそもあれはなんだ? ずっとこの村にいるのか?」
「あれとは聞き捨てならないね」
 ゼルガディスの言葉に、女将はトン、と空のカップ二つをテーブルに置いた。
「あんたは年頃の娘をアレ呼ばわりするのかい? 嬢ちゃん、こんな男にひっついていかないほうがいいとあたしゃ思うよ」
 ごふっ。
 アメリアが食べ始めたばかりの料理を喉に詰まらせた。
 ゼルガディスは女将のセリフそのものを黙殺することにした。
「なら聞くが、あいつは人間なのか? 目の前で消えたぞ。そもそも雨の中歩いていたにもかからわず滴ひとつなかった」
「アメリア。そなたの連れ合いは失礼な男だな」
 突然声が戸口のほうから降って湧いた。
 ゼルガディスがふりむいて、嫌そうに顔をしかめる。
「直接本人に聞いた方が早かったな」
「聞いても答えぬぞ。それで良ければ聞かせてもらおう」
 しれっと答えると、蛍姫は記帳台の蛍石を見た。
「ああ、そなたたちにもカゴが必要だな。放っておくとどこか漂っていってしまうからな」
 女将は一言も口をはさまない。
 それどころか蛍姫がまるでその場にいないかのようにふるまっている。
 蛍姫は開け放たれた窓を見た。
「まだ降りやまぬな」
「そういう季節だろうが」
「祭りには晴れる。そういうものだ」
 フッと笑んで次の瞬間、蛍姫はさっきと同じように消えてしまった。まるでそこには誰もいなかったことのほうが正しいかのように。
「………何しにきたんだ。あいつは」
「さあ………」
 奥の方に姿を消していた女将が、テーブルまで戻ってきて、そこにトンと再び物を置いた。
 針金細工のカゴだった。記帳台に置かれてあるのとそう変わらない造りをしている。
「あんたたちも蛍星を持ってるんだね。ならこれに入れておおきよ。おそらくあの子はそれを言いに来たんだろう」
「どうして直接女将さんに言わないんですか?」
「言ったろう。そういう決まりなのさ」
「だから、どうしてだ」
 辛抱強くゼルガディスが問い直す。
 女将は苦笑した。
「ひきとめたくなるからね。しかし今年の蛍姫はやっぱり…………」
「やっぱり何です?」
「偉そうだねぇ。どっちのせいかねぇ」
 二人は沈黙した。



 それからも蛍姫はちょくちょく二人の前に姿を現した。
 どうやら会話そのものを楽しみにきているようで、二人の質問をはぐらかし、主にゼルガディスをからかってどこかに消えてゆく。
 それ以外にも二人は、やはり雨の降り続く外を、蛍姫がふらふらとさまよっているのを何度か見かけることがあった。
 相変わらず、目を離しても離さなくても唐突に消えたり現れたりする。
 祭りを翌日に控えたその日、ゼルガディスの部屋に来ていたアメリアが窓際で彼を呼んだ。
 二つの蛍星はカゴに入れられてベッドサイドに置かれている。
「どうした」
 ゼルガディスが近づくと、アメリアはそっと窓の外を指さした。
 小降りになってきた雨の中、蛍姫が立っていた。
 そうして、その前に村人とおぼしき青年も立っていた。
 必死に蛍姫に話しかけている。どうやら反応を引き出そうとしているようだった。
「話しかけちゃいけない決まりなんだろう?」
「そのはずですけどね」
 小声でアメリアとゼルガディスが会話しているあいだにも、眼下で青年は必死に蛍姫に話しかけている。その顔が悲痛に歪んでいた。
 黙って彼を見ていた蛍姫がフイとその横を通り過ぎた。
 青年がふりかえる。
「イレーネ!」
 背中にかかる声にもふりかえらず、やがて蛍姫はフッと消えた。
 呆然と突っ立っていた青年は、しばらく経ってからようやく糸の切れた人形のようにふらふらと一軒の家に姿を消した。
 どうしようもなく悲しそうだった。
 蛍姫のベールが水を吸っていたことに、ゼルガディスはそのときようやく気がついた。



 その夜、アメリアが驚いたように声をあげた。
「ゼルガディスさん。見てください!」
「見えている。大声を出すな」
「光ってますよ、この石」
 淡い蛍光をカゴのなかの蛍星が放っていた。
 思いついたように、アメリアがともしていたライティングに布をかける。
 ふわりと闇が降りて、部屋を照らすのはそのほのかな緑の光だけになった。
「綺麗ですねぇ」
 カゴを目線まで持ち上げて、アメリアが笑う。
 熱のない、しかし不思議にあたたかい光だった。カゴを持つアメリアの指先が淡い緑に染まる。黒い髪が緑の艶をはなった。
 その表情と光景に目を奪われる。
「ゼルガディスさん」
 アメリアが不意に気づいたようにゼルガディスを見て、ちょっと驚いたような表情をした。
「髪、すごく綺麗な色になってます。銀と、緑で………」
 触れようとのばされたその手をゼルガディスがとらえた。
 触れる対象をなくして困ったようにのばされた指先に、そっと唇が触れる。
 淡い光のなか、アメリアの頬が染まったような気がした。


 ノックの音がした。


「………………………………………………」
 ゼルガディスがライティングの布をとった。
 慌ててアメリアがドアを開けにいく。
 軽い足音と共に入ってきた蛍姫が、おや、という表情で二人を見た。
「どうした? 二人とも変な表情をしておるぞ」
「………なんでもないです」
「壁がないんだろう? わからないのか?」
 蛍姫は笑って首をふった。
「祭りは明日だ。やっと私にも壁ができた。二人が何を話していたのか、聞き取ることなどできぬ」
「………本当ですか?」
「くどいな。どうしたんだ? 何か聞かれては困ることでも話していたのか?」
「話してませんっ」
 アメリアがぶんぶか首をふった。
「怪しいな」
「何でもないですっ」
 ゼルガディスが嘆息して蛍姫を訊ねる。
「お前、本当の名前はイレーネと言うのか?」
 蛍姫が少し驚いた表情でゼルガディスを見た。
「昼間、聞いていたか」
「こいつもな」
 眉根を寄せて蛍姫が呟く。
「盗み聞きは感心せぬぞ」
「そっくりそのままそのセリフを返してやる。宿の前でやるほうが悪い」
「話しかけてはいけないんじゃないんですか?」
「そうだ」
 あっさり蛍姫がうなずいた。
「彼は禁を犯した。しかし無理もない。私が現れるたび、毎年一人はそういう者が出る」
「………現れるたび?」
 聞きとがめたゼルガディスに、蛍姫は紅い唇で笑んだ。
「困ったな。話す相手がいると、嬉しくてつい喋りすぎてしまう」
「イレーネさん」
 呼びかけたアメリアの唇を、蛍姫の人差し指が押さえた。
「私はイレーネではない。蛍姫だ」
「イレーネがお前の名前なんだろう?」
 長い髪を揺らして、蛍姫は首をふった。
 その髪が湿気を含んで重たそうにしているのがわかる。
「イレーネは確かに私だが、私たちではない」
 言っている意味が二人にはさっぱりわからない。
 形容しがたい表情で見られていることをまったく気にせず、蛍姫は室内を見まわして、テーブルの上の果実酒とグラスを見つけて顔を輝かせた。
「飲んでもよいか?」
「勝手にしろ」
「勝手にする」
 蛍姫は応えて、瓶をつかむとグラスに向かって傾けた。
「よいな」
 一口飲んで、蛍姫はぽつりと呟く。
「雨の匂いも、大地の匂いも、ものの味もひさしぶりに感じた。壁がなくなるのが祭りの前日とは本当によくできていることだ。やっと感じたのに、すぐに祭りだ」
 空になったグラスを置いて、蛍姫は二人に向かって微笑んだ。
「二人と話せて楽しかった。話せる相手がいるなんて、私たちはきっと幸運な蛍姫なのだな―――」
 アメリアとゼルガディスが何か言う前に。
 やはり、蛍姫はふわりとその場から姿を消していた。


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6626蛍姫(フローライト・ソング)後編桐生あきや URL5/30-21:27
記事番号6624へのコメント



 次の日の夕方、ゼルガディスの部屋の扉がノックされた。
 アメリアが開けると、女将が蛍星の入ったカゴを手に立っていた。
「祭りに行くんだろう?」
「いまから始まるのか?」
 女将はうなずいた。
「その蛍星を持っておいで」
 アメリアがカゴを抱えた。
 女将のあとに続いて外に出ると、雨はあがっていた。ところどころに水たまりができて、地面はぬかるんでいる。
 空は曇って灰色だったが、雨が降ってくる様子はなかった。蛍姫の言葉通りに晴れていると言えないことはない。
 アメリアとゼルガディスが連れて行かれたのは村の真ん中にある広場だった。
 円形に広がる広場のその中央に、蛍姫がひとり立っていた。
 思わず声をかけようとしたアメリアを、女将が制する。
「声をかけちゃいけないよ」
「どうしてです?」
 灰色の雲に覆われた西の空が、その向こうにある落日で、まだらな朱と夜の藍に染まっている。
 あたりはもうすでに暗い。
 女将が蛍姫を見て言った。
「祭りはもう始まってるんだよ」
 蛍姫は辺りを見回すでもなく、ただ黙ってたたずんでいる。
 やがて、ぽつぽつと広場に村人が集まり始めた。家族単位で連れ立ってくるその影の塊の中には、ぽうっと光る蛍星を持ってくる者もいる。
 夕日の色が、黒雲と夜の闇に負けて、濃い赤の筋を残して西の端に消え去る頃には、ほぼ全員と思われる人数が広場の周囲に集まっていた。
 しかし、だれも蛍姫のところには近づこうとしない。ぽっかりと、蛍姫とその周囲だけが広く空間が空いていた。
 アメリアが持つ蛍星の緑色の明かりが、淡く二人の姿を照らす。
 ―――やがて、人々が動いた。
 最初の一人が、蛍姫のところに行くと二言、三言言葉を交わし、その前に蛍星を置いてまた戻っていく。
 蛍姫の周囲に、ぽっと光がひとつ、ともった。
 そうして、また別のひとりが同じ事をくり返す。
 次々と蛍姫の周囲に光がともっていった。
 濃藍の闇のなか、浮遊するいくつもの淡い緑の光に照らされて、蛍姫の姿が浮かび上がる。
「綺麗………」
 アメリアが呟いた。
 その肩を、たったいま蛍姫のところに行って石を渡してきた女将が、ぽんと叩いた。
「あんたたちも行っといで」
 アメリアとゼルガディスは顔を見合わせた。
「でも………」
「俺たちは部外者だぞ」
 いったい何の祭りで、いま行っていることにどういう意味があるのか、アメリアとゼルガディスにはさっぱりわからなかったが、それでも邪魔をするべきではないということぐらいはわかっていた。
 しかし女将は首をふる。
「何言ってんだい。あんたたちも立派な祭りの一員なんだよ。蛍星を持ってるだろう?」
「えっ………」
 アメリアは手の中の蛍星に視線を落とした。相変わらず、淡い光を放ってカゴの中を漂っている。
「行っといで。もう村の者はみんな蛍星を預け終わった。あとはあんたたちだけだ。行けば蛍姫が尋ねてくるから、それに従えばいいんだよ」
 背中を強く押されて、二人は前に出た。
 しかたなく、薄闇のなか光を放つ蛍姫のところへと歩いていく。
 同色の光をまとって、より蛍光の艶を帯びた瞳がアメリアとゼルガディスを見た。
「…………」
 アメリアが無言で蛍星を差し出す。
「そなたの星はひとつだ」
 言われて、アメリアはカゴをゼルガディスに渡し、ひとつだけ取り出した蛍星を再び差し出した。
 しばらくそれに視線を落とすと、蛍姫は囁いた。
「だれの魂だ?」
「…………」
「そなたは誰の魂を天に帰す? 誰の御霊(みたま)のやすらかなるを願うのだ?」
 アメリアは声もなく目を見張る。
 祭りの意味がここに来てようやくわかった。
 ひとつ息を吸って、吐き出す。
 急に問われたことだが、それでも答えは決まっていた。
 迷うわけがなかった。
「アル………。私の従兄(いとこ)の、魂を………」
「導こう」
 両手を揃えて、蛍姫がアメリアの手からそっと蛍星を受け取った。
 ふわ………と御霊を宿した石は、その手から漂いだし、宙へとどまる。
「そなたは、誰の死を弔う?」
 ゼルガディスは無言で石を蛍姫に押しつけた。
 嘆息混じりの声。
「………一応、俺の血縁のくそジジイの死でも弔ってくれ。いくら何でも魔王に捕らわれっぱなしだと寝覚めが悪いからな」
 フッと蛍姫の紅い唇が笑んだ。
「導こう」
 女将の元に戻ってから、ゼルガディスが軽く女将を睨んだ。
「死者送りの祭りだったのか」
「そういうことだよ。蛍星は死んだ者の魂。毎年この日に、天へと還す。だから星送りの祭りと呼ぶんだよ」
 死者は現世にとどまっていてはいけない。輪廻の環へ戻さねばならない。
 だから天へと還す。
「蛍姫がその導き手なんですね」
 アメリアの言葉に女将はほろ苦く笑ってうなずいた。
「そうだね。あの子がいない年は迷い星が出ることがある。でも、蛍姫もおんなじなんだよ」
 女将は燐光に包まれて立つ蛍姫に目をやった。
「魂を導く彼女も、天へ還る死者なんだよ」
「え………っ?」
 アメリアとゼルガディスは広場の中央を見た。
 蛍星―――人の魂を従えて立つ、巫女。
 女将は続けた。
「村に未婚の娘の死者が出た年の祭りだけ、蛍姫は現れる。今年は二人死んだ。だから、あそこに立っている石と同じ目の色をした娘は、その二人………イレーネとダーナの化身なんだよ」
 蛍姫はあのとき、首をふって二人に言った。

(イレーネは確かに私だが、私たちではない)

 アメリアとゼルガディスが見守るなか、祭りは次の段階へと進んでいく。
「あいつは………」
 蛍姫の前に進み出てきた人物を見て、ゼルガディスが呟いた。
 それは昨日、蛍姫に話しかけていた青年だった。
 ゼルガディスの呟きを聞きとがめた女将がちらりと彼を見た。
「知ってるのかい?」
「………昨日、蛍姫に話しかけていた」
 ああ、と女将は悲しそうに笑った。
「やっちまったかい。まあ、無理もないね………」
「あの………彼は?」
「イレーネの恋人だったんだよ。この春には、結婚するはずだったんだ」
 青年が泣く。
 蛍姫―――イレーネが笑って何事かを言う。
 手が伸ばされて、頬に触れて、首をふる。
 頬に口づけを落とされて、青年は他の村人に肩を叩かれて蛍姫のところから、人の環の中へと帰ってゆく。嗚咽を殺しながら。
 そうして、今度前に進み出てきたのは、白い花を胸一杯に抱えた少女だった。
 泣きながら蛍姫に抱きつく。
 もはやアメリアとゼルガディスは何も訊ねようとしなかった。
「ダーナの妹だよ。去年の夏、祭りが終わったばかりの頃、二人で花を摘みに行って土砂崩れに巻きこまれた」
 姉は死に、妹だけ助かった。
 泣きながら謝り続ける少女の体を、蛍姫―――ダーナはそっと引き離した。
 白い花を受け取って、一輪抜き出し、少女の髪に飾る。
 そしてやはり、頬に口づけを。
 少女が声をあげて泣き出した。
 蛍姫に預ける蛍星を、青年と、少女とその家族たちは持たない。その必要がない。
 娘たちの星は凝(こご)って形をとるのだから。
 そうして目の前に確かに現れる。知った姿をとらずとも。知った声音を聞かずとも。死んだ娘は甦る。
 萌える瞳の少女となって。
 祭りが近づくにつれて姿を現す彼女に、話しかけてはいけない。もてなしてはいけない。
 死者は生者と交わってはいけない。ひきとめてはいけない。
 離れがたくなるから。
 未練が残るから。
 けれど誰もが彼女を愛しく思う。祭りの夜を待ちわびて、けれど来なければいいとも思う。
 彼女と言葉を交わすのは、祭りのひとときだけだから。
 けれど、祭りの夜に彼女は逝ってしまうから。
 星を導き、間違いなく天へと還し、そうして娘も還るから。
「哀しい………」
 アメリアがそっと呟いた。
 二人は招かれた。ほんの偶然。だけど迎え入れられた。

 送る星があったから。

 泣きじゃくる少女を家族が引き離して、そうして蛍姫はまたひとりになった。
 蛍星を従えて、蛍姫はすっと片手をあげた。
 袖に隠れた手が天をさす。雲の切れ間に現れた夜の空。
 唄が、流れ出した。空間に声が満ちて行く。
 蛍星たちがさわりと動いた――――


   逝きて還らん この天(そら)に
   往きて帰らん この土地(つち)に

   嘆きの唄は刻(とき)を越へ 送りの唄はゆき交ひて
   愛しき者らの手を離れ 我らと共に還らうか
   天のみなもに沈まぬと 再び彼らに逢へぬゆへ
   我が手をとつて 還らうか


 ひとつ、またひとつと蛍星がのばされた手に添って空へと昇ってゆく。
 アメリアが託した星も。
 ゼルガディスが預けた光も。
 蛍姫の唄はあたりを満たして流れて行く。
 そうして、昇ってゆく星と共に、蛍姫の体から光の粒がほろほろと立ちのぼった。


   迷ひも嘆きもありはせぬ みな此の土に眠らせば
   頬に口づけ手をふりて ただ一筋に還らうか
   金のみなものその縁(ふち)で
   ゆかしひこの地を 愛でやうか
   いまはひとまず 眠らうか
   さうして再び 戻らうか


 蛍姫の体から光の粒子はどんどん立ちのぼる。
 それに反して、その姿は淡くおぼろに溶けていく。
 ふうっと閉じられていたその目が開き、蛍の瞳が二人を見て、たしかに笑んだ。


   逝きて孵らん 愛しき胎(はら)に
   往きて帰らん この土地(つち)に
   再びそなたに逢ふために………


 声が溶けて、そうして最後の光の粒が空へと溶けた。




 数百人を越えるだろう村人がいるのに、しわぶきひとつ起こらなかった。
 もはや広場の中央には何もない。
 さきほどまで淡く輝いていた光も、石も、娘も。
 魂は空へと還っていったのだから。
 アメリアの頬に、ゼルガディスの服の袖が触れた。
(………泣くな)
(泣いてません………)
 ぎゅっと目を閉じたとき、ぽつ、と冷たい滴がアメリアの顔にあたった。
 さあっと涼しい風が吹き抜けて、見上げる間もなく雨が降り出す。
 ひそやかな、優しい雨だった。
 誰も雨宿りの軒(のき)を探そうとしなかった。黙って空を仰いで濡れている。
 そうしていると、いままで蛍姫がいた場所に、人の環の中から何人もの娘が走りこんできた。さっき蛍姫に抱きついて泣いていた少女もいる。
 女将がゼルガディスとアメリアをふり返った。
「さあ、雨が降りだした。あんたたちも歌っておくれ」
「え………」
 女将は神妙な表情で、歌の節のように言った。
「祭りの間は晴れている。祭りのあとは雨が降る。逝った星たちが降らしてくれるのさ。今年の豊穣を約束する恵みの雨を」
 穀雨、という言葉をゼルガディスは思い出していた。
 この季節に降る雨をさす言葉。大地の実りを約して降る雨。
 豊穣の雨。
 おそらく前々から定められていたのだろう。萌黄の服を着けた娘たちは寄り添って、そうして雨のなか歌いだした。


   南の風が谷を 越えてふいたら
   女はまた今年も 種を蒔くだろう
   夏の日 光浴びて そよぐ麦草
   それだけ思いながら 種を蒔くだろう

   harvest rain 音もなく降り注げ
   harvest rain 傷ついたこの土地(つち)に


「お前、そういえばその服………」
 ゼルガディスが気づいたようにアメリアの恰好を見おろした。広場の中央で歌っている少女たちと同じものである。
 女将が雨に濡れた手でアメリアの背を押した。
「それはあたしが昔祭りで着た服だよ。行っといで。あんたも歌える。あんたも巫女だ」
「でも………」
 アメリアが戸惑ったように女将を見た。
「歌っておくれよ。蛍姫の代わりに」
「………行ってくればいい」
 ゼルガディスの言葉に、アメリアは迷ったすえにうなずいた。
 雨は降り続ける。
 アメリアが泣いていたのかどうか、もうわからない。
 走り寄ったアメリアが、歌の環の中に加わった。
 歌声は水の大気に溶けてゆく。


   明日目覚めた いのちにも
   同じ岸辺を つくるように
   緑のなかで さざめいた
   娘の歌が 絶えぬよう


「ああ言ったけど、あの子は巫女だろうね?」
 女将が小声でゼルガディスにそう訊ねた。
「あいつはああ見えてもセイルーンの巫女頭だぞ」
「そういう意味じゃないよ。あんた手を出してないだろうね?」
 ゼルガディスは危うくぬかるみに足をとられるところだった。


   harvest rain この大地(ほし)の者たちへ
   harvest rain 空からの贈りもの

   いつか大地を 駆けめぐり
   同じ谷へと 降りてくる
   季節の吐息を 刻みこむ
   いのちを縁(ふち)を 癒すもの


「………いい祭りだな」
 雨に濡れるまま、ゼルガディスがそう呟いた。
「そうだろう?」
 女将が誇らしそうにうなずいた。
 ゼルガディスのかぶったフードの縁から、雨の滴がしたたった。
 歌はまだ続いている。


   harvest rain この大地(ほし)の者たちへ
   harvest rain 空からの贈りもの

   空から海へ 続く川
   土から種を めぐるもの
   いきづくものへ 続く川
   実りの歌を つくるもの


   We've been living here for a long long time ago
   We come from the earth and we will return to the earth
   Only the rain knows if god will let us live or let us die.........











「晴れたな」
 祭りの翌日、ゼルガディスがまぶしそうに目を細めて空を見上げた。
「珍しいですね」
 アメリアもそう言って空を見上げる。
 見送りに出た女将が笑った。
「この天気だと夕方からまた雨になるよ。さっさとお行き」
「うそ」
 アメリアは目をしばたたいてまた空を見た。
 どう見ても綺麗に晴れている。
 女将はまた笑った。
「農民の勘をおなめでないよ。たしかだよ」
「そういうんならそうなんだろうな」
 ゼルガディスは呟いて、アメリアをうながした。
「またここに来たときには、部屋がなくて追い返されるんだろう?」
「蛍姫に会えなけりゃね。でもそうそう送る星を持ちたいかい?」
 アメリアとゼルガディスは首をふった。
「ありがとうございました」
「別の季節に普通にお寄りよ。そうすれば部屋は空いているさ」
 うなずくとアメリアは女将にぺこりとお辞儀して、先に行ったゼルガディスを追いかけた。
 追いついてからふり返り、手をふる。
 それに手をふり返して、女将は宿の中へと戻っていった。
 今日が、送った亭主の命日だった。








*************************************


 バイト中、視界のはしに本の背表紙がうつりました。タイトルは『蛍姫』。内容は知りません(爆)
 たった2つの字面に妄想は暴走してその後のバイト中はメモとりまくり、そうしてできたのがこの話だったりします。が、しかし………何を言いたいのかさっぱりな話ですな(^^;)
 思いついてから気づいたんですが、私は蛍姫という字は前にも某ゲームでお目にかかってまして。そのときは何もネタ考えつかなかったんのですが(笑)
 実はお盆と豊作祈願のお話でした(笑)。死者を送る祭り、というのは前から気に入ってるテーマのひとつです。四人組にするかゼルとアメリアだけにするか、はたまたユズハもくわえるか………かなり迷ったんですが結局二人だけになりました。でも、これは果たしてゼルアメなのか………?(笑)
 じつは蛍姫にはわりかし裏設定があります(笑)。死んだ娘が多いほど、祭りの前の出没期間が長くなるとか、だからデーモン大量発生のときは長かっただろうとか、その年の蛍姫の容貌と口調は死んだ娘の趣味で決まるとか(笑)

 タイトルは両方とも即、決まりました。フローライトは蛍石の英語名です。
 なお、浮く蛍石=蛍星の設定は長野まゆみさんからで、最後の『harvest rain』はZABADAKというグループの歌からです。しかし………自作のこの旧仮名遣い、あってるんでしょうかね?(爆)。なんだか間違ってそうな予感がひしひしと致しますが(^^;)

 お楽しみいただけたなら幸いです。ではでは♪

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6629感想をのべるでござるぞ♪(蛍姫のマネ/違うから)あんでぃ E-mail 5/30-22:41
記事番号6626へのコメント



どうもこんばんは♪
桐生さんに勧めたはずの本に自分がハマり(買ってしまいました/笑)そのうえ、ビーパラが完全に行き詰まったあんでぃです(汗)
逃げるために番外編執筆中(汗)何やってる。私(汗)



お祭りの目的は弔うためのものだったんですね・・・・・
悲しいけれど、在ってくれて良かった。
そんな祭りですね。
生きている人(こういう言い方は変ですが)が逝ってしまった人々を送り、これからも生きていく人のために逝ってしまう人が豊作祈願。
お互いに想い合ってますね・・・・・・



蛍星、すごいきれいですね(想像中)!!
空飛べちゃうあたりがすごいです(> <)
蛍星は、言うならばフェアリーソウルみたいな感じに光るのでしょうか?籠に入れておけば逃げないところはこっちの方がありがたいですが(^ ^)
私本物の蛍見たこと無いのですが、光るからすごいですよね〜♪(変な感心の仕方だな)



それにしても蛍姫の口調(笑)
もろに私のツボでした☆
敬語でしゃべる女の子っていうのも良いですが、こういった硬い感じのしゃべり方の女の子も何故だか惹かれます♪

これは、桐生さんの裏設定には本人たちの趣味で決まるとありますが、ズバリ桐生さんの趣味でしょう(笑)?


久々に(?)桐生さんのゼルアメが見れてよかったです!!
ゼル、早く帰って〜こいよ〜♪帰って〜こいよ〜♪帰ってこーいーよ〜♪(殴)って感じです☆


よくわからんレスですが(汗)
ゼルが早く帰ってきてくれることを祈って!!
それでは、短くてすみません!!
レス魔あんでぃでした☆




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6649ハッ○リくんを思い出した私は………(死)桐生あきや URL6/1-18:47
記事番号6629へのコメント


 ども、桐生でっす。

>どうもこんばんは♪
>桐生さんに勧めたはずの本に自分がハマり(買ってしまいました/笑)そのうえ、ビーパラが完全に行き詰まったあんでぃです(汗)
>逃げるために番外編執筆中(汗)何やってる。私(汗)
 買っちゃったんですか、あの話(笑)。いい男揃いぶみなお話ですしね。孫も良いですがやはり周も捨てがたい………(待て)
 ビーパラっ、がんばってくださいっ。いつまでもお待ち申し上げておりますので♪

>お祭りの目的は弔うためのものだったんですね・・・・・
>悲しいけれど、在ってくれて良かった。
>そんな祭りですね。
>生きている人(こういう言い方は変ですが)が逝ってしまった人々を送り、これからも生きていく人のために逝ってしまう人が豊作祈願。
>お互いに想い合ってますね・・・・・・
 高校のときの問題集か何かに葬式は死者のためではなく、生者が死者の死を受け入れるための浄化の儀式であるという例文がありまして、それを読んで以来ずっと頭をこびりついて離れません。豊作祈願はかなり付け足しですが(笑)

>蛍星、すごいきれいですね(想像中)!!
>空飛べちゃうあたりがすごいです(> <)
>蛍星は、言うならばフェアリーソウルみたいな感じに光るのでしょうか?籠に入れておけば逃げないところはこっちの方がありがたいですが(^ ^)
>私本物の蛍見たこと無いのですが、光るからすごいですよね〜♪(変な感心の仕方だな)
 この世界にはフェアリーソウルがあるのに、またも余計な代物を出現させてしまった桐生です(爆)。かなり見た目重視の設定ですが(^^;
 蛍星の元ネタである、長野まゆみさんの「少年アリス」ではこれを捕まえてランプ代わりにするシーンがありました。

>それにしても蛍姫の口調(笑)
>もろに私のツボでした☆
>敬語でしゃべる女の子っていうのも良いですが、こういった硬い感じのしゃべり方の女の子も何故だか惹かれます♪
 実は「〜でしてよ」「ではなくて?」口調とどっちにするべきか迷ったんですが、結局こっちに(笑)。このお嬢様口調はアセルスお姉さんの喋り方候補としても一回没になっておりまして、二回連続で没になった由緒正しい(?)言葉です(笑)

>これは、桐生さんの裏設定には本人たちの趣味で決まるとありますが、ズバリ桐生さんの趣味でしょう(笑)?
 わははははははははは(汗)
 あんでぃさんにはもはや何もかもお見通しですな。ええまさにそういうことです(笑)。本人たちの趣味イコール作者の趣味っ、ですから(爆)

>久々に(?)桐生さんのゼルアメが見れてよかったです!!
>ゼル、早く帰って〜こいよ〜♪帰って〜こいよ〜♪帰ってこーいーよ〜♪(殴)って感じです☆
 ですねぇ、ほんとーに久しぶりにゼルがアメリアと会話しておりました。
 さっさと帰らせないと、あんでぃさんに例の話もお送りできませんしね(笑)

>よくわからんレスですが(汗)
>ゼルが早く帰ってきてくれることを祈って!!
>それでは、短くてすみません!!
>レス魔あんでぃでした☆
 レス魔大歓迎でございます♪
 ではでは。桐生でした。
 

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6640・・・(うっとり)。水晶さな E-mail URL5/31-23:46
記事番号6626へのコメント


 ・・・一人モニターの前で浸らせて頂きました(うわウザっ)、水晶さなです。
 なんとゆーかこう・・・現実の雨と物語の情景が合致してかなり雰囲気満点でした。天候まで作品に織り込むとは脱帽ですホント。もう脱ぐ帽子が無い場合はどうすればいいのやら(爆)。 
 「翼の舞姫」にレスしようと思いつつ機会を探していたら消えてしまっていて・・・(汗)。アセルス姫様今度は御子様連れで再登場を期待していたり・・・(爆)。
 
 久しぶりに小説読んでしっとりした雰囲気を味わいました。ZABADAKの歌詞もすごく幻想的でいいですよネ。実際の歌を聞いた事はないんですが、知人がよく引用するのですごい歌詞が素敵だなと思ってました。やはしいいなぁ・・・(浸)。

 ダラダラ書いて感想まとまってないですが、これ以上続けると更に大変な事になりそーなのでこの辺りで切っときます(汗)。
 ではではv

 水晶さな拝.

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6650嬉しいですv桐生あきや URL6/1-18:57
記事番号6640へのコメント


 ども、でかけると必ず雨が降るという雨女の桐生です(爆)

> ・・・一人モニターの前で浸らせて頂きました(うわウザっ)、水晶さなです。
> なんとゆーかこう・・・現実の雨と物語の情景が合致してかなり雰囲気満点でした。天候まで作品に織り込むとは脱帽ですホント。もう脱ぐ帽子が無い場合はどうすればいいのやら(爆)。 
 再び帽子をかぶるとか(爆)。冗談です。すいません。
 もともと雨の雰囲気に自分自身が浸って(ウザい)書いていた話なので、晴れの日に読むと自分自身が面白くないんです(苦笑)
 そういうわけでじりじり雨が降るのをまって投稿してみたりしたのですが(笑)
 雰囲気を味わっていただけたようで何よりです♪

> 「翼の舞姫」にレスしようと思いつつ機会を探していたら消えてしまっていて・・・(汗)。アセルス姫様今度は御子様連れで再登場を期待していたり・・・(爆)。
 アセルスお姉さんの御子様については実は何も設定ができておりません(爆)
 旦那さんもオルという愛称しか判明してませんし。これで某妖魔の王だったら憤死ものですが(笑) 
 
> 久しぶりに小説読んでしっとりした雰囲気を味わいました。ZABADAKの歌詞もすごく幻想的でいいですよネ。実際の歌を聞いた事はないんですが、知人がよく引用するのですごい歌詞が素敵だなと思ってました。やはしいいなぁ・・・(浸)。
 私も高校時代に友人から貸してもらってハマりました。ああいう民族音楽的なものにめったやたら弱かったりする桐生です。

> ダラダラ書いて感想まとまってないですが、これ以上続けると更に大変な事になりそーなのでこの辺りで切っときます(汗)。
> ではではv
 いったいどんなことが起きるんです……?(笑)
 ではでは、こちらこそレスありがとうございました。
 さなさんのほうも新しく連載を始めたようで、しかも美女と野獣! 出だしからもうどきどきです。続き楽しみにしています。
 桐生でした。

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6642穀物の雨が振る。ゆえ E-mail URL6/1-09:20
記事番号6626へのコメント

こんにちは。突入された羽根うさぎはたれ○んだと一緒くたになって、部屋を埋め尽くしているのでしょうか?(笑)ゆえです。

毎度の如く、昼休み印字して音読していたのですが・・・・・・うう、目頭が熱くなりました(ほろりん)
取りあえず、その時は外でご飯食べていたので(しかも一番隅っこで。平日は半額なんだよん♪)ハンカチ押さえつつ。
アメリアが送る蛍星はやはりですしたが。ゼル。送ってあげるのねおじーさま(笑)たしかにずっと漂われていたら嫌かもですな(汗)

蛍姫。口調が妙に好きです♪あのおうような言い方が(笑)
なのに、その姿の意味するものは・・・・切ないですね。蛍星もまたその光景をほのかに照らし出しているようで。さらに蛍姫の唄がまた・・・・・・(号泣)
「harvest rain」聞きながら読むと尚一層泣けてくるという(←涙もろい)
歌詞の英文翻訳して(無論ソフトだす)ああ・・・やっぱZABADAK良すぎだよ、と。
桐生さんから教えていただいて以来、完全にはまりこんで聞いてます(笑)
ちなみに「出張蓄音機」のMDは毎日かかってます♪

死者送りのお祭りは私もちらりと書いてたりするのですが、また書いてみようかなぁなんて思ったりします(待て)『螢火』という言葉を思い出しまして。それで。
桐生さんが以前言われていた「人は良い作品を読むと自分も書いてみたくなる模倣の生き物なのです」の通りだなぁと(笑)
本当に書くかどうか、私のばやいかーなり眉唾だったりもしましが(←駆除希望)

雨の日を待っていたかいがありました♪
それではまた地下にてでも♪


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6651すいません稲とか麦が降ってくる光景を想像してしまいました(抹殺決定)桐生あきや URL6/1-19:07
記事番号6642へのコメント


>こんにちは。突入された羽根うさぎはたれ○んだと一緒くたになって、部屋を埋め尽くしているのでしょうか?(笑)ゆえです。
 ども、羽根うさぎの襲来はベランダのハトに脅されたのかいまだ実現しておりませんが、たれ○んだは相変わらず同心円の目で私をじっと見ております(ちょっと怖い・笑)
 桐生です。

>毎度の如く、昼休み印字して音読していたのですが・・・・・・うう、目頭が熱くなりました(ほろりん)
>取りあえず、その時は外でご飯食べていたので(しかも一番隅っこで。平日は半額なんだよん♪)ハンカチ押さえつつ。
 へ、平日半額………? もしや、某ファーストフードでせうか?

>アメリアが送る蛍星はやはりですしたが。ゼル。送ってあげるのねおじーさま(笑)たしかにずっと漂われていたら嫌かもですな(汗)
 イヤですねぇ(笑)
 結局、この二人だけに落ち着いたのは、リナとガウリイはいったい誰を送るのか?と自問自答して答えがでなかったからでございます(^^;
 第二部終了後ならルークとミリーナという案もあったのですが、それだと四人揃っている説明がつかず、ユズハは雰囲気優先の結果いなくなりました(非道)。蛍姫と喧嘩するのはゼルだけで充分です(笑)

>蛍姫。口調が妙に好きです♪あのおうような言い方が(笑)
>なのに、その姿の意味するものは・・・・切ないですね。蛍星もまたその光景をほのかに照らし出しているようで。さらに蛍姫の唄がまた・・・・・・(号泣)
>「harvest rain」聞きながら読むと尚一層泣けてくるという(←涙もろい)
>歌詞の英文翻訳して(無論ソフトだす)ああ・・・やっぱZABADAK良すぎだよ、と。
 私も聞きながら書いておりました。祭りのシーンを書いている途中で、避難訓練の呼び出しがかかって階段を8階分上り下りしたというような事実もあったりなかったり(爆)

>桐生さんから教えていただいて以来、完全にはまりこんで聞いてます(笑)
>ちなみに「出張蓄音機」のMDは毎日かかってます♪
 毎日!? 気に入っていただけたようでとっても嬉しいです♪
 私も谷山さんを教えて以来、出逢いの再発見をくり返しております。あちらにもこちらにも、気づかなかっただけで谷山さんが(笑)

>死者送りのお祭りは私もちらりと書いてたりするのですが、また書いてみようかなぁなんて思ったりします(待て)『螢火』という言葉を思い出しまして。それで。
>桐生さんが以前言われていた「人は良い作品を読むと自分も書いてみたくなる模倣の生き物なのです」の通りだなぁと(笑)
>本当に書くかどうか、私のばやいかーなり眉唾だったりもしましが(←駆除希望)
 書いたじゃあないですかっvv
 しかも某歌詞つきで(笑)
 これからゆっくり読ませてもらいますぅv

>雨の日を待っていたかいがありました♪
>それではまた地下にてでも♪
 はいです。ではでは、また〜

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6627みていさんへ。桐生あきや URL5/30-21:39
記事番号6623へのコメント


 ども、落ちたツリーに駆け込み寺ならぬレスがついていることに気づかず、地下室でご本人にお知らせさせてしまうていたらくの桐生です(長い)

>やりたいことに向かって動き出したアメリアと、
>すーぱーマイペースのユズハと(律儀に逆賊の問いに答えてるしv)、
>振り回されてるリーデと、
>かっちょええアセルスさんと、
>先の人生決まっちゃった観のあるイルニーフェ。
 まさにその通りです(笑)。
 でもそのうちリーデにふりまわされるイルニーフェの話を書きたいと思います(爆)
 ユズハはいつまでたってもあんな感じでしょう♪


>> 勝手な設定盛りだくさんv(爆)な話でした。広い心で笑って許してもらえると嬉しいです………(^^;)
>とっても読み応えがありました。楽しかったです。
 そういっていただけると嬉しいです(><)

>>「あたしの方は何とかなったわ。いいかげんそろそろ、向こうの恋路にも本腰いれて協力してあげないとね」(リナ)
>なんとかなったの、リナちゃん。…マズイ二つ名(『紅い糸切りのリナ』)発動させちゃダメっすよ☆
 この場合の何とかなったは、賢者の石が手に入って増幅器問題が何とかなったという意味だったりします(笑)。まあ、ガウリイとの恋路も何とかなってますが(笑)
 糸結ぼうとしてブチ切らないことを祈りつつ(をい)

>>「そうね。答えなさい。いったいアメリア王女の待ち人ってどこの馬の骨なの?」
>>「ぜる、馬のホネだったノ?」
>>「あの………そういう意味ではなくて、ユズハちゃん………」(シルフィール)
>>「この、バカ精霊っ。あなたの頭の中は蜂蜜でできているのかしら!?」
>うははははははははっ!(爆笑)
 プロットたてたときに思いついた会話だったんですが、結局どこにも入れられずじまいでした(^^;
 わりと皆さんのウケがいいようで(笑)

>イルニーフェとゼルガディルが出会って、話したらどんなシュールな会話になるんだろうとちょっと気になってみちゃったりしちゃったり。
 シュールかぁ………身も蓋もない会話になりそうな予感がひしひしとしますねぇ(笑)。その前に、イルニーフェ、再会したときちゃんと気づくかしら………(笑)

>ではでは、長編お疲れ様でした。
>このコメント読まれる前にツリーが転落しないことを祈りつつ、また桐生さんの次回作に逢えることを祈りつつ。
>みていでございました。
 転落してしまいましたが(^^;
 ここまでおつきあいくださってありがとうございましたvv
 みていさんの方も、最新作がもうすぐお目見えと言うことで楽しみにしております♪
 ではでは。桐生でした。

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6630桐生さんへ。みてい 5/31-01:20
記事番号6627へのコメント

> ども、落ちたツリーに駆け込み寺ならぬレスがついていることに気づかず、地下室でご本人にお知らせさせてしまうていたらくの桐生です(長い)
どもども、地下帰りのみていです。

> でもそのうちリーデにふりまわされるイルニーフェの話を書きたいと思います(爆)
> ユズハはいつまでたってもあんな感じでしょう♪
リーサルウェポン(最終兵器)はリーデの反抗する気も失せる笑顔でしょう(爆)

>>>「あたしの方は何とかなったわ。いいかげんそろそろ、向こうの恋路にも本腰いれて協力してあげないとね」(リナ)
>>なんとかなったの、リナちゃん。…マズイ二つ名(『紅い糸切りのリナ』)発動させちゃダメっすよ☆
> この場合の何とかなったは、賢者の石が手に入って増幅器問題が何とかなったという意味だったりします(笑)。まあ、ガウリイとの恋路も何とかなってますが(笑)
> 糸結ぼうとしてブチ切らないことを祈りつつ(をい)
あ、増幅器の問題でしたか。
う〜ん…(ちょっとネタが重なりそうなので焦ってる)

> プロットたてたときに思いついた会話だったんですが、結局どこにも入れられずじまいでした(^^;
> わりと皆さんのウケがいいようで(笑)
楽しすぎです。

>>イルニーフェとゼルガディルが出会って、話したらどんなシュールな会話になるんだろうとちょっと気になってみちゃったりしちゃったり。
> シュールかぁ………身も蓋もない会話になりそうな予感がひしひしとしますねぇ(笑)。その前に、イルニーフェ、再会したときちゃんと気づくかしら………(笑)
横から効果音入れるならざくざくどしゅどしゅで何故か笑顔で周りに人を寄せ付けないという…(殴)
……あれ、何処かで出会ってましたっけ…イルとゼル。

> みていさんの方も、最新作がもうすぐお目見えと言うことで楽しみにしております♪
報告済みですがもう前編はあがってます。とっとと続き書こう…。
> ではでは。桐生でした。
では、みていでございました。

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6628MIGUさんへ桐生あきや URL5/30-21:48
記事番号6623へのコメント


 すいません。せっかくレスいただいたのにもかかわらず、ツリーが落ちてしまいました(汗)

>こんにちは。未だ学校内にいるMIGUです。しょーこりもなく、感想をかかせていただいてマス。えーと、まずは完結おめでとうございます!そしてご苦労様でした。
 ありがとうございます。MIGUさんの方も、ここまで桐生の話のおつきあいいただいて、どうもありがとうございます。
 ………学校内って夜の8時ですが?(笑)。

>早くゼルは帰ってこないのでしょうか、ゼルりんの帰還が待ち遠しいです。
>途中でイルニーフェたちが出会ったってことは、セイルーンの近くですよね?
>セイルーンに向かってるんでしょうか?
 鋭いですねぇ。実はゼルの居場所に関しては舞姫の中に伏線というか辻褄合わせのためのコネタが入っておりまして。次の話で判明するかと思います。といってもそう大層なものじゃないですが(笑)

>最後のボツになった会話のゼル、馬の骨〜(略し過ぎ…)面白かったです♪
 笑っていただけたようで、どうやら載っけてよかったです(笑)。

>とりあえずは、完結おめでとうございました♪
>桐生さんの次回のお話も楽しみにしてます。
 ありがとうございます。読んで、こうしてレスをしてくださる方がいらっしゃるというのは、ものすごく嬉しいです。
 時間軸吹っ飛んでますが、新しい話を上に投稿しましたので、よろしければ見てやってくださいませ。
 ではでは。桐生でした。

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