◆−その瞳(め)の色(フォスフォフィライト)−桐生あきや(3/4-06:37)No.5862
 ┣ハチミツと手配書(ハニー・デイズ)−桐生あきや(3/4-06:49)No.5863
 ┃┣今日のお言葉 『うにょーん』−ゆえ(3/4-11:56)No.5865
 ┃┃┗うにょにょーん(やめい−桐生あきや(3/4-12:48)No.5866
 ┃┣在りえざる可能性(ハイパー・トリオ)−桐生ゆごんねこ(もうメチャメチャやん)(3/4-21:08)No.5868
 ┃┃┣うりょょーん?!−ゆえ(3/4-23:05)No.5871
 ┃┃┣それはまるでパパりんのごとく。−ねんねこ(3/5-09:59)No.5874
 ┃┃┣うにょおおっ!?−桐生あきや(3/5-10:43)No.5877
 ┃┃┗在りえざる可能性(ハイパー・トリオ)2−桐生ゆごんねこ(3/5-13:31)No.5879
 ┃┃ ┣わいぱー・三匹(ハリセン用意)−ゆえ(3/6-22:26)No.5892
 ┃┃ ┗在りえざる可能性(ハイパー・トリオ)3−桐生ゆごんねこ(3/7-00:13)No.5897
 ┃┃  ┣見えざる絆?−ねんねこ(3/7-19:37)No.5904
 ┃┃  ┃┗ありがとうございました(歓喜)!−あごん(3/8-04:29)No.5917
 ┃┃  ┣発展するうにょーん(笑)−桐生あきや(3/7-20:53)No.5908
 ┃┃  ┃┗うにょーんとうにょろ〜ん。−桐生あきや(3/8-04:29)No.5916
 ┃┃  ┃ ┣Re:うにょーんとうにょろ〜ん。−あごん(3/8-04:41)No.5918
 ┃┃  ┃ ┗ひょろり〜ん−ゆえ(3/8-22:34)No.5935
 ┃┃  ┣『追伸。』−−−彼女の場合−ゆえ(3/8-01:00)No.5911
 ┃┃  ┃┗三国一の幸せ者(涙)!−あごん(3/8-04:51)No.5920
 ┃┃  ┗ゴメンナサイ(T_T)−水晶さな(3/8-16:33)No.5926
 ┃┃   ┗こちらこそ!!−あごん(3/9-23:03)No.5951
 ┃┗のーん(しつこい)−みてい(3/4-22:51)No.5869
 ┃ ┗みょーん(さらにしつこい)−桐生あきや(3/5-10:56)No.5878
 ┣直行便。−ゆえ(3/4-11:30)No.5864
 ┗帰ってきたのん。−雫石彼方(3/8-03:52)No.5915
  ┗ああああっ、やっぱり親戚なの!?−桐生あきや(3/8-04:49)No.5919
   ┣おのれか(笑)−ねんねこ(3/8-15:40)No.5925
   ┃┗あああっ、ごめんなさいごめんなさいっ−桐生あきや(3/8-21:41)No.5933
   ┗ああんやっぱりぃVv−雫石彼方(3/9-02:32)No.5938


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5862その瞳(め)の色(フォスフォフィライト)桐生あきや E-mail 3/4-06:37




 夏のある日、リナから小さな荷物がとどいた。
 もちろん、アメリアが王家の人間である以上、事前に開封されて中味を確認されてしまうのであるが、それは仕方がない。
 内容を知られたくない手紙などは、城下にいるシルフィールを介してやり取りをしている。ゼルガディスからの手紙もシルフィールの手を介してとどいていた。
 もっとも、彼の手紙など数えるほどしか来たことがないのだが。
 おまけに、たいてい「無事」だの「何とかなっている」だの一言だけ記されているか、よほど書く事に困ったらしいときは白紙のまんま、代わりに今いるところの綺麗に乾燥した花だの落ち葉だのが入っていたりするだけで、一体何をどう過ごしているのかさっぱりわからなかったりする。まあ、くれないよりは何倍もマシだろう。便箋を前に苦悶している姿が容易に想像できて、何だか笑える。
 閑話休題。
 今回のリナの荷物は、きちんと王宮のアメリアあてに出されたものだった。
 荷はほどかれて、箱とカードが自室のテーブルの上に置かれている。
 夜、執務を終えて戻ってきたアメリアが目にした光景は、テーブルのそれに二年ほど前から手元に置いている火の精霊と邪妖精の合成精神体―――ユズハが一生懸命に手を伸ばしているところだった。
「………ユズハ。何をしているんです」
 思わず軽い眩暈をこらえながら、アメリアは幼い少女の姿をとっているユズハの元へと歩み寄る。
 ゼルガディスと二人で旅をしていたときに立ち寄った街で、人やエルフの精神を人形に封じて操っていた邪教集団から逃げてきたユズハを拾った。
 拾った当初は人形だったのだが色々あるなかで人形は壊れてしまい、中味の精神体が具現化したのがいまのユズハである。
 火の精霊であるユズハを邪妖精と合成し、そのうえで人形に封じこめて操っていた邪教集団は、ゼルガディスとアメリアの手によってあっさり潰されたのだが、かなり特異な存在であるユズハを路頭に放り出すわけにもいかないので、二人の旅に同行させ、アメリアがセイルーンに戻る際にそのまま一緒に連れてきた。
 本来の精霊に戻るのなら、ゼルガディスと一緒に行ったほうがよかったのだが、邪妖精と合成されたことで初めて肉体と感情を手にしたユズハは、元に戻ることを拒んだ。
 現在は、邪妖精との合成のせいで、具現化したユズハの耳が尖っているのをいいことに、捨てられたハーフエルフの子供だとか何とか、かなりいいかげんな嘘をついて、アメリアと共に王宮で暮らしている。
 そのユズハは丈の高いテーブルの上へ手を伸ばして、箱を取ろうと必死である。魔族のように重力を無視することもできるのだが、アメリアがさんざん浮くなと言っているので、最近は無難に重力と格闘している。
「………ユズハ」
「取ろうとしてるノ」
 うんうん唸りながら、ユズハがアメリアにそう答える。
 溜め息をついて、アメリアは箱をテーブルから取り上げた。
「ダメです。これは私に来たものなんですから」
「知ってル。でも、中見たいの」
 ユズハがそのクリームブロンドを揺らして、アメリアのドレスの裾にまとわりつく。
 見上げてくるその瞳は、人間なら珍しい朱橙色。
 精神体だからと言って、魔族のように自由に外観が変えられるのかというと、そうでもない。
 本職(?)とは違って、かなり具現化がヘタなようで、自分の本質である炎とこの幼女の姿の二種類にしかなれないようだった。おまけに馴れていないぶん、一度精神界に引っこむと二度と出て来れなくなる恐れがあるので、空間を渡ったりもしない。ここ二年はアメリアのお達しもあって、炎に変じたこともなかった。
 ドレスの裾を引っ張っりながら、ユズハが床にべてっと寝っ転がる。
「見・るううぅぅぅ」
 二年経っても好奇心の強さは治っていない。
 ドレスを引っ張り返しながら、アメリアは声をはりあげた。
「見せます。見せますから、裾引っ張らないでくださいユズハ!」
 ユズハからドレスの裾を取り戻すと、アメリアはベッドに腰掛けた。
 箱は膝の上に置いて、まずはカードを開く。

『アメリアへ
 あんた誕生日いつだったっけ? まあいいや。これ送るから適当に飾っといて。そのうちまた遊びにくるから、それまで元気でいなさいよ。
 追伸:これかなり壊れやすいから、絶対落としたりすんじゃないわよ。
 ――――――――――――――――――――――リナより』

「………なんとなく贈りたかったから贈っておこうってヤツですね」
 逆にリナらしい。
 苦笑して、アメリアは箱を開いた。
 中には細く裂かれた紙が詰まっている。
 それを取り除いていくうちに、アメリアの手が止まった。
 かたわらのユズハがアメリアの手元を覗きこんで、ぽつんと言った。
「キレイな、石」
 紙のなかから現れたのは、青緑色の半透明の石だった。
 拳大の結晶が台座の岩にくっついていて、置物として置けるようになっている。
 その台座の石に小さく文字が彫られてあった。

【Phosphophyllite】

「フォスフォフィライト………?」
 彫られた文字をそっとなぞって、アメリアは呟いた。



 *** その瞳(め)の色(フォスフォフィライト) ***



【フォスフォフィライト】

 稀少鉱物のひとつで、収集家垂涎の的。
 結晶は柱状から厚みのある卓状で、色は無色から深みのある帯青緑色を示す。
 最高品質のものは非常にデリケートな淡青緑色を呈するものとされている。
 結晶のうちはわずかに霞がかっているが、カットすると透明になる。
 しかし、脆く欠けやすいため稀にしかカットされず、大きなものは高価すぎ
 て割るわけにもいかないのである。
 唯一の産地である竜の峰の山麓では、その危険性もあいまって、すでに絶産
 状態となっていて、市場では非常に高値がついている。
 別名、燐葉石。


 侍女に持ってきてもらった百科辞典にはそう書かれてあった。
 自分で書庫に向かえばよかったのだが、ユズハと箱を置いていくとイタズラされて割れるのは目に見えていたし、かといって持っていっても割れそうだった。
 ユズハを連れて書庫に―――というのも考えたのだが、箱を無造作に部屋に置いておくのも何となくイヤだった。
 ので、重くて迷惑なのを承知で、侍女に頭文字だと思われる〈F〉と〈P〉の巻を部屋まで持ってきてもらったのだ。
 当のユズハは、中味を確認したので好奇心が満たされたらしく、アメリアのベッドのうえでクッションに顎をのせて眠そうにしている。
 アメリアは箱からそっとフォスフォフィライトを取り出して、テーブルの上へ置いた。
 何とも言えない色をしている。
 アクアマリンと、翡翠の中間色とでも言えばいいのだろうか。
 百科事典にあったとおり、本当にデリケートな色だった。
 珊瑚礁の海の浅瀬の色。
 もしくは、氷が氷に落とす緑の影―――アイスグリーン。
「………よく私に贈る気になったもんですね」
 笑いながらアメリアはそう呟いた。
 本に書いてある通りに稀少鉱物で高価ならば、リナなら即刻売り飛ばしていそうなのだが。
 やはりリナもこの石を見て、アメリアと同じことを思って売らなかったのだろうか。
 リナとアメリアの共通の仲間の、その瞳の色を思い出して。
 だから売らずにアメリアに贈ってくれたのだろうか。
 これを贈ってくれたのも、カードに彼のことが何も書かれていないのも、全部リナなりの励ましと気遣いなのだろう。
 冷たい色のはずなのに、不思議とそんな印象も質感も受けない。
 淡い、淡いブルーグリーン。
 フォスフォフィライトの繊細な色彩を見つめているうちに、不意に視界がぼやけた。
「あ、あれ………?」
 ぱたり、とテーブルの上に雫が落ちる。
 慌てて手で拭った。
 だが、止まらない。
「りあ?」
 いつの間にか、ユズハが隣りに来てアメリアを見上げていた。
「りあ、泣いてル」
 ユズハが首を傾げた。
 ぱたり、とテーブルの上にまた雫がこぼれる。
「りあ、哀しいの?」
 アメリアは首をふった。
「それじゃあ、痛いの?」
 ふたたび首をふる。
 それほど情緒が発達していないユズハには、アメリアの泣く理由がわからない。
「どうして、泣いてるの?」
「ちょっとだけ………」
 アメリアは涙を拭って笑った。
「ちょっとだけ、逢いたくなっただけです」
「逢いタイ?」
 吐息のようにアメリアは囁いた。
「ええ……逢いたいです………」
 涙を拭うと、アメリアは椅子からずり落ちて、ユズハの目線に合わせて床の上に座りこんだ。ドレスが空気をはらんで、ふわりと丸く広がる。
「元気かなって、今頃なにしてるんだろうって、そう思ったら、ちょっと泣けてきただけです」
「りあ、りあ」
「ワガママ言っちゃダメですね。待ってるって約束したんですから」
 必ず帰ってくるって約束してくれたのだから。
 こんなふうに弱音を吐いてはいけない。
「リナさん………ちょっとこれはツライです………」
 送ってくれたことは嬉しかったが、ちょっとだけつらい。
 ユズハは律儀にアメリアの傍で、アメリアが泣くのにつきあっている。
 この精霊は、大事なことをちゃんとわかってくれている。
 アメリアは少しの間だけ、子どもみたいに泣いた。


 ……………………


「ねえ、ユズハ」
「ン、なに?」
 眠たそうに、ユズハがアメリアの声に答える。
 枕を抱えこみながら、まだちょっと赤い目でアメリアは笑った。
「私、ゼルガディスさんのこと大好きなんですよ」
「ン、知ってる」
 少しばかりぶーたれながら、ユズハがそう言った。
 アメリアはその白金の髪を指にからめた。クリーム色としか形容できない艶やかな髪は、癖もなく、するすると指からこぼれていく。
「ユズハはゼルガディスさんのこと好きですか?」
 珍しくユズハの返答が遅れた。
「………りあのほうが、ずっとスキ」
「好きなんですね?」
 さらに返答が遅れた。
「………………りあのほうが、ずっとイイ」
 クスクス笑って、アメリアはユズハを抱きしめた。
「一緒に待ちましょうね」
「ン、待つ」
 ソファの上のオルハが薄く目を開けて二人を見やると、また閉じて眠りに入った。


 それから一日遅れてリナからの手紙が、今度は検閲されないシルフィール経由でアメリアのもとに届いた。

『泣きたいときは、ちゃんと泣くように』

「見透かされてますね………」
 自分のことはよくわからなくても、他人のことはよく見えるとは、いったい誰の言だったか。
 いまここで泣いておけば、もう二年は平気だろうか。
 泣けばその分だけ、がんばれる。
 嘆息混じりにその手紙を眺めるアメリアの視界の端に、テーブルの上の鉱石がちらりと映った。
 こちらから何の便りもできないことが、もどかしい。
 対の欠けた瑠璃と護符が、自分たちを繋ぐものと信じて、祈りと願いを視線と共に空に投げる。
 伝えられない分だけ、伝えたいことは増えていく。

 待ってますから。
 ユズハと一緒に。
 あなたの目の色をした綺麗な石を見つめながら。
 待ってますから。

 だから、早く逢いに来てください。

 ゼルガディスさん――――









 *** たわごと ***

 さっさと落ちろ私のツリー、というわけで自力で排除にかかります。あれさえ落ちれば著者別リストに登録できるのよぅ(笑)。

 ちょっとだけ弱気なアメリアのお話でした(ちょっとか?・汗)
 ストレス負けしている時期かもしんないです。たまにはこういうこともあるんじゃないかな、と思って書いてみました。
 フォスフォフィライトは、実際に現実にある鉱物です。産地が龍の峰ってところ以外は(笑)全部事実です。ゼルの目の色のイメージとしてはややグリーンが強い感じがしますが、でも本当にキレイな色してるんですよ!
 対というのも何ですが、明るい話も一緒にアップしてみました。王宮での日常のひとコマといった感じのどうしようもないやつですが(笑)
 よろしければそっちもどうぞ。

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5863ハチミツと手配書(ハニー・デイズ)桐生あきや 3/4-06:49
記事番号5862へのコメント
 しょうもない短いエピソードを並べた、もはやユズハのためだけの話。いいのか自分(汗)
 しかも季節感というものを全く無視しておりますな。



 *** ハチミツと手配書(ハニー・デイズ) ***


 涼しく過ごしやすい、秋の日の午後だった。
 古来から、秋は何かと物事の原因を押しつけられる。慣れない運動に励んで体中を痛めるのも、急に読書をしだして近眼を悪化させるのも、食べ過ぎて太るのも、全部秋という季節のせいらしい。
 だが、現在王宮で暮らしているこの幼い少女にとって食欲は別に秋のせいではない。そんなことを言っていたら、夏には夏のせいで、冬には冬のせいで食べていることになる。
 元々、魔族と似たような精神生命体なので、食べるなどという非効率的なエネルギー摂取は行わないはずなのだが、美味しいものは美味しいらしい。
 好物は、パン全般。
 具現化して初めて食べたものがアメリアが買ってきたパンで、それ以来インプリンティングされたかのごとく、いちばん好きなのはパンだった。
 ちなみに次に好きなのは冷菓(アイスクリーム)。冷たいのがお気に召したらしい。
 その日の午後のお茶の時間、アメリアは首を傾げていた。
 執務の間を縫ってとられるお茶の時間には、いつもその食べるのが大好きなユズハが一緒なのだが、今日に限ってあのちょこまかした姿がない。
 今日はクロフェル侯のところには字を習いに行ってはいないはずだし、いつも従えているネコのオルハはここにいる。もしかして、いつぞやのように庭師と泥まみれになって花の植えかえでもやっているのだろうか。でも、何をやるにしても午後のお茶の時間を忘れたことはなかったはずだ。
「オルハ、ユズハ知りませんか………って、知ってても答えられませんよね」
 白ネコのオルハが、いつになったらおこぼれをもらえるのかと言う表情でアメリアを見返してくる。
 アメリアは困ったようにテーブルの上の今日の茶菓子を見た。デザート専門の料理人が久々に作った新作である。
「溶けちゃいますよ、ユズハ」
 冷気呪文をかけるにしても限界があるし、これは冷気呪文をかければいいという菓子ではない。
 先に食べてても罰は当たらないだろうと思い、ユズハの分に冷気呪文をちょこちょこっとかけると、アメリアはフォークとナイフを手に取った。


 アメリアが食べ始めた直後に扉の向こうの方が、ぱたぱた、びったん『うきゃッ』と騒がしくなる。
「ああ、来ましたか………って、何で埃まみれなんですかユーズーハっ!?」
「書庫、いタ。いま、転んだノダ」
 リナに手紙を書くために覚え始めた読み書きだったが、当然の成り行きとでも言うべき副産物がついてきた。ユズハが本を読み始めたのだ。世界が広がるのは大変結構なのだが、それにともなって妙な言葉を使うようになったのが困りものである。
 手に何やら本と紙束を抱えているユズハを見て、アメリアは溜め息混じりに言った。
「転んだのは知ってます。とりあえず、ドアの外で埃払ってきてください。アイスクリームが溶ける前にね」
 アイスクリームと聞いたユズハの反応は早かった。
 数秒後には、とりあえず無難な程度には埃を落としたユズハが椅子の上に座る。
 アメリアは冷気呪文を解いた。
「すぐ来ましたから、まだトーストの方もそんなに冷たくないと思いますよ」
「りあ、何コレ」
「ユズハのための新作だそうです」
 厨房関係者には抜群の人気を誇るユズハだが、なかでもデザート担当の料理人は目の中に入れても痛くないほどユズハを可愛がっている。余談だが、可愛がられていないワースト・ワンはユズハに何度も見合いをぶち壊された、縁談推進派の宮廷大臣たちの派閥だ。
「ハニートースト・アイスだそうです」
 サイコロの形をしたケーキほどの大きさの四角いトーストに、バターをたっぷり塗りつけて焼いた後、これまたたっぷり蜂蜜をかけて、その上にアイスクリームを乗せてある。ユズハやアメリアは平気だが、ゼルガディスが見たらそれだけで胸焼けを起こすに違いないだろう代物だ。
 さっきわざわざやってきて説明していった料理人の話では、トーストと蜂蜜とアイスをからめながら、冷たいのと熱いのを同時に楽しむものらしい。
 ユズハのアイスクリームは木苺の果肉入りで、アメリアの方はラム酒漬けのレーズン入りだった。
「おいしそう」
 横を見れば、珍しくユズハの表情が面に出ていた。よっぽどこのデザートが気に入ったようだ。
 ふと横を見ると、重いだろうに、自分用の陶器の小皿をくわえて運んできたオルハが、アメリアを見上げていた。
「…………オルハ。そんな目で私を見ないでくれますか」
 ユズハがお裾分けしてくれないことを身をもって知っているので、もっぱらオルハのおねだり攻撃はアメリアに対してのみ使用されている。
 鳴こうとして、オルハがくわえていた小皿を落とした。顎がそこはかとなく痛そうである。
 に、にゃーお。
 遅ればせながら(しかも痛そうに)愛想鳴きされて、アメリアは嘆息して一切れ小皿に乗せてやった。
(そう言えば、ラムレーズンが好きでしたっけ)
 アメリアは食べながら、ぼんやりとそんなことを思い出した。
 四人で旅をしていたときも、普段はリナたちが何を食べていようと頓着しないくせに、ラムレーズンを食べているのを見たときだけは、ムッとした表情で自分も買いに黙って宿の階段を降りていくのである。
 気づいたリナが面白がって二、三回やっていたが、さすがにそれ以降はアメリアが二つ買って帰るようになった。
「りあ」
「甘い物はあんまし食べないけど、お酒入ってるのは別格みたいでしたね………」
 酒を使用している菓子には、アルコールの苦みが加わっているので、あまり甘さを感じないらしい。
「りあ、りあ」
「………って、はい?」
 すでに食べ終わったらしいユズハが、神妙な面もちでアメリアの皿を指差した。
「どろどろ」
「あ………」
 ぼんやりしている間にトーストの余熱で完全に溶解してしまったアイスクリームが、パンの器の中に溜まっている。
「い、いけない。食べ終わらないと午後の執務が………」
 さっさと片づけないと、また執務を終えるのが夕食後になってしまう。
 横で愛想鳴きするオルハにも手伝ってもらいながら、アメリアはハニートーストを片づけた。先に食べ終わっているユズハの皿を見て深々と溜め息をつく。
「ユズハ………、ナイフとフォークの使い方を覚えなさいと言ってるじゃないですか」
「覚えタ。でも転がっタ」
「………今度からは、もうちょっと食べやすい形にしてもらいましょうね」
 菓子が激甘だったため、今回ばかりは無糖の香茶を飲んでいると、椅子から降りたユズハが部屋の隅の埃を―――もとい、書庫から持ってきた本と紙束をあさりはじめた。
「いったいどこの書庫に行って来たから、そんなに埃まみれなんです?」
 利用頻度が高い書庫は定期的に掃除されているはずだし、重要書類や貴重な魔道書が保管されている書庫にはユズハはもとよりアメリアも、そう簡単には入れない。
 紙束のなかから一枚を抜き取って、そのちまい手で埃を払いながら、ユズハがのほほんと答えた。
「りあの」
 ぶっ。
 アメリアは思わず香茶を吹き出し、そうして思い出していた。
 アメリアの私室は私用の応接室と寝室の他、その続き部屋である手紙などを書いたりする小さな書斎と、さらにその書斎から続いている小さな書庫とで構成されている。小さい頃に読んでいた絵本や物語や、眺めていた画集などのアメリアの私物のみを収めた書庫だ。
 そう言えば、王宮に戻ってきた際に定期的に女官たちが掃除していたところを、自分でやるからと言って追い出した記憶がある。
 帰ってくるなりデーモン騒ぎで、それが終わったら求婚騒ぎで、昔読んだ本をわざわざ読みかえす暇があるはずもなく、いまのいままですっかり忘れていた。
「そ、そおですか………」
 アメリアとしては、間抜けな返事を返すしかなかった。
 広げた羊皮紙をびらびらさせて、埃を綺麗に払い落とすと、ユズハがそれを持ってアメリアの元までやってきた。
「りあ、コレ何?」
「へ? 何が―――」
 ぶふうッ。
 口元を拭って、再び香茶を飲み直していたアメリアはそちらに目をやった瞬間、再び香茶を吹き出してしまった。
「………りあ」
「ご、ごめんなさい。ユズハ、それどこから見つけたんです!?」
 香茶をひっかぶったユズハの顔を拭いてやりながらも、アメリアの視線はユズハがぴらりと掲げた羊皮紙に釘付けだった。
「りあの、書庫」
「ああ、えっとそうでしたそうでした」
 ユズハの手から羊皮紙を取り上げながら、アメリアは思わず笑い出していた。
「懐かしすぎますねえ、これ」
「どして、りなの名前、書いてある?」
 クスクス笑い続いながら、アメリアはそれの表をユズハに向けた。
「似てません?」
 ユズハがうーんと唸る。
「ダレに? 変なカオ」
「ああ、やっぱり似てないんですねぇ。この似せ絵。凶悪そうな顔してますもんねぇ」
 それはいつかの手配書だった。


 夜、執務を終えて寝室に引き上げたアメリアはベッドの上に寝そべりながら、ユズハが発掘してきた手配書を眺めていた。
 リナとガウリイに出逢った直後の頃だ。赤法師レゾの弟子エリシエルが私怨により広範囲に流布させた手配書。
 出逢った直後だったとはいえ、あのリナを捕まえようとしただなんて、いまとなっては笑い話にしかならない。
 あの後すぐに侍従が執務の再開をうながしにきたので、落ち着いて見ている暇がなかったアメリアは、ここにきてようやく手配書が一枚足りないことに気がついた。
「ユズハ」
「何、りあ」
 嫌がるオルハの肉球をふにふにしていたユズハが顔をあげる。
「ゼルガディスさんのは?」
 たしか、手配がかけられていたのはリナとガウリイとゼルガディスの三人だったはずだ。
 いまアメリアの手元にはリナとガウリイの物しかない。
「ぜる?」
「そうです。ゼルガディスさんのもあるはずなんですけど」
「知らナイ」
 オルハの肉球を解放してアメリアのところまで寝転がってきたユズハは、おもむろに起きあがった。
「ぜるのも、変な顔?」
「いや………そこらへんはよく覚えてませんけど………まだ出逢ってなかったですし………」
 ユズハの顔を見たアメリアは、思わず言葉尻を途切れさせた。
 朱橙の瞳が何かへの期待にきらきらと輝いている。
 ユズハがベッドの上でくるりと向きを変えた。
「さがス」
「ちょっと待ちなさいッ」
 書庫のほうに駆け出そうとするその服の裾をアメリアはかろうじてつかまえた。当然のごとくユズハがこけるが、幸運なことにベッドの上だったので、顔が布団に埋まっただけですんだ。
「さがす。見タイ」
「何を考えているか手を取るようにわかりますよ、ユズハ」
「見・るうぅぅぅ」
「明日っ。明日、私もお休みですから、一緒に探してあげますっ。だからまた埃まみれにならないでください!」
 暴れるのをやめたユズハが、アメリアの手をとらえて首を傾げた。
「落書きしても、イイ?」
 アメリアはしばらくの間、どう答えていいのかわからず本気で悩んだ。

 結局、アメリアの休日は書庫の掃除に費やされることとなった。
 めでたく三枚全部が揃ったいつぞやの手配書は目を離した隙に落書きをほどこされ、それを見たアメリアの手によって人目にさらされる前にと、火葬に付された。
 ユズハがひっくり返したインク壺でオルハが牛模様になったことだけは追記しておく。



 *** 歌唄ウ秋(ハニー・デイズ) ***


「いい天気だなあ」
 ぼんやりと衛兵の一人が、持ち場から光の降り注ぐ中庭を眺めて呟いた。
 秋の陽射しには何となく薄い琥珀の色がついているような気がする。
「お前、最近たるみすぎだぞ」
 隣りの相棒の衛兵が、いまにも欠伸をしそうな彼をたしなめた。理由はわからないが、衛兵は必ず二人一組と決まっている。この二人はもう三年越しの付き合いだった。
「だってさぁ、ニーナが最近ちっともかまってくれないんだよ〜」
 友人の恋人である厨房で下働きをしている少女の顔が、同僚の衛兵の記憶からぽんっと引きずり出された。
「お前なあ、俺に彼女がいないこといいことにノロけるのは、いいかげんやめろ」
「違うんだよ。本当に相手にしてくれないんだよー。俺よりユズハ嬢のほうが可愛いっていってさー」
「…………お前は可愛い男を目指しているのか?」
 それは初めて知ったと同僚は呻いた。果てしなくイヤな感じである。
「いや、そういうわけじゃないけどさあ。前は余ったお菓子とかよく差し入れにきてくれたのに、最近そーいうの全部ユズハ嬢のほうに回されるんだよなぁ」
 呆れて何もコメントする気が起きず、同僚の衛兵は愚痴る彼を無視して中庭のほうに視線を戻した。
 緑の芝生を横切る、綺麗なクリームブロンドが目に飛びこんでくる。
「おい、その恋敵のユズハ嬢が中庭を横切っているが」
「本当だ。あ、こけた」
 遠目からではよくわからないが、立ち上がってまた歩き出すのがわかった。白ネコが嫌そうにその後に従っている。
 しばらくそれを見守ったあと、同僚はぼんやりと相棒の彼女持ちに話しかけた。
「何というかその………」
「やっぱり可愛いよな………」
 この二人が見た目に騙されていることに気づく日が果たして訪れるのだろうか。
「何か歌が聞こえないか?」
「聞こえるな。何を歌ってるんだ?」
 涼しい風にのって、多少どころか、かなり音程を外した歌が二人の耳に届いた。

『あ〜かつきに〜激情を〜照〜らしだす乙女〜、あ〜くを蹴散らし〜て正義をしめすの〜だ〜〜〜』

「…………………教えたのはアメリア様だな」
「そうだな………」
 二人は顔を見合わせて、うなずきあった。
 セイルーンは今日も平和だった。



 *** 勉強ノ秋(ハニー・デイズ) ***


 執務中のアメリアが手水(ちょうず)の帰りに自室に立ち寄ると、テーブルの上にユズハの石版と白墨(はくぼく)がおいてあった。
 字の練習に彼女が使用しているものである。
 旅の途中、何度かアメリアはユズハに字を教えたていたのだが、そのときは興味がないようで長続きしなかった。なにせ肉体を持ったばっかりで、ユズハにとっては文字よりも面白いことが世界中に溢れかえっていた。
 最近になって、再び読み書きを試みているのは、ひとえにリナに手紙を書くように言われたせいだ。
 セイルーンの中心部で暮らしているユズハの魔力は、六紡星の結界の力によってわずかずつではあるが削られ続けている。
 存在維持が難しくなったら知らせるようにとは言われたものの、リナとの連絡手段は城下にいるシルフィールを中継点としての手紙のみ。ユズハ自身が読めて書けなければ意味がない。
 そのため、クロフェル侯の好意で再挑戦中なのである。
 教わりはじめてからだいぶ経つので、読み書きのうちの『読み』のほうはもう完璧に近かったが、『書き』のほうは未だに難有りで、アメリアは一度ならずユズハが書いた字を見たことがあったが、非常に前衛芸術的な代物だった。
 テーブルのところまで来て石版を手に取ったアメリアは眉間にしわを寄せた。

 うは、たの、きょ、でオ、した、いいて、ルハと、んきだっ、

 いきま、ょにおさ、いっし、んぽに、うにょーん。

「…………………うにょーん?」
 ますます眉間にしわを寄せて、アメリアは白墨を手に取った。
「えっと………これとこれで『で、オルハと』ですよね。それから…………」
 文字と格闘しだしてからいくらも経たないうちに、アメリアは白墨をテーブルに戻した。
 あとで本人に直接聞いたほうが早い。
 部屋から出ていきながら、アメリアは呟いた。
「うにょーん………って、いったい何………?」

 結局、当のユズハ本人にも読めなかった。



 *** 物の怪評価(ハニー・デイズ) ***


 厨房を訪れた小柄な人影に、その場にいた全員の目尻がだらしなくさがった。
 皿洗いをしていたニーナは、思わず濡れた手で自分の両頬を押さえそうになって、慌てて手ぬぐいで拭く。
(いやーん、可愛いッ)
 時折ぴこぴこ上下に動く尖り耳が何とも言えずラブリーである。
 厨房のアイドルと化しているハーフエルフの少女は、今は厨房のデザート担当の料理人に何やらお礼を述べていた。きっとこの間のデザートのことだわ、とニーナは思う。
 ニーナに負けず劣らず少女を可愛がっている料理人は、ユズハにお礼を言われて、もはやどうしようもないくらいに相好をくずしている。
(前のご主人様が持ってらしたお人形に似てる)
 ここに来る前、ロードの館で働いていたニーナは漠然とそんなことを思った。
 似てるも何も、外見のモデルは以前の器だったアンティークドールのものだから印象は似ていて当然だ。
 だが、そんなことをニーナが知るはずもない。
 艶々したクリームブロンド、朱橙色のぱっちりした目元、小さな唇に、白い肌。そして、大きめの服の袖からほんの少しだけ覗くこぢんまりとした指先。
 まさに凶悪な可愛らしさを誇っている。
 無表情がコワイなどという風評もたっていたが、
(いやああああん。きっときっとアメリアさまに見つけられるまで悪い人たちにコワイ目にあわされて、そのせいでにっこり笑えないんだわ。絶対そうだわ。そうよこんなに可愛いんだもの売り飛ばされそうになって当たり前だわ。何て可哀想)
 アメリアがユズハを連れてきたときの触れこみは、親から疎まれて売られたハーフエルフの子供というものであった。
「ニーナ」
(彼ったら俺よりユズハ嬢のほうが可愛いのかなんて、そんなの当たり前じゃないの。彼ってばこのコを見て可愛いって思わないのかしら。だとしたら目がおかしいわよ。でもそれって、その彼に可愛いって言われてる私もおかしいことになるのかしら)
「ニーナっ!」
「は、はいいいぃっ!?」
「さっさと皿を洗え!」
「は、はいっ」
(ふええええん、ユズハちゃんはどこいっちゃったの〜?)
 ニーナの思考が暴走している間に、ユズハは厨房から姿を消していた。


 次の日、料理につかう香草を王宮のだだっ広い庭から摘んでこいとカゴを持たされたニーナは、ぶつぶつ不平を言いながら、いわれた香草をちぎっていた。
(なんだって私一人でカゴいっぱいに摘んでこいって言われなくちゃいけないの。そりゃ昨日お皿一枚落として割っちゃったけど)
 目的の香草以外の雑草がぶっちんぶっちん引きちぎられて脇へ投げ捨てられる。
「何、してるの」
 ブツ切れの言葉にハッとして顔をあげると、これ以上はないくらい愛くるしい顔が目の前にあった。
「き、きゃあああぁッ!?」
 ニーナは思わず声をあげた。嬌声か驚声かは自分でも判断できなかった。
 悲鳴をあげられたユズハは、きょとんとまばたきをすると同じ言葉をくりかえした。
「何、してるの」
「こ、香草を摘んでるの」
「ふうン」
(って、それだけ?)
 あっさりした反応にニーナが落胆していたときだった。

 フギャアアアアアァオッ

「はい!?」
 ニーナが思わず謎の鳴き声がした方向―――上を見ると、白ネコが目の前のユズハに落ちかかってくる瞬間だった。
「何、何なの!?」
 あっという間に目の前でユズハと白ネコの華々しい戦いが始まり、慌ててニーナはカゴを抱えて後ずさった。
「な、なん………」
 呆気にとられて見ているうちに、勝敗は決した。
「勝っタ」
 無表情にユズハが白ネコを抱えこんで勝利宣言をする。あれだけ暴れていたにもかかわらず傷ひとつない。
「では。騒がせタ」
 これまた平坦な声音でそう言うと、ネコを抱えてユズハはすたすたとどこかに行ってしまった。
(も、物の怪だわッ)
 カゴの持ち手を握りしめてニーナは確信した。
(猫と喧嘩してひっかき傷ひとつないなんて、きっと超常の動きをする物の怪なんだわ! きっとアメリアさまに取り憑いたのよ。夜な夜な寝ている人の首から生気を吸い取っていくんだわ! どうしよう、何てことかしら。ああ、でも可愛いわ。とっても可愛い。やっぱり可愛い。あんなに可愛いんだから、そんなに悪い物の怪じゃないかもしれないわ。ああそうだ、とりあえず香草を摘んで帰らなきゃ)

 翌日からニーナの、衛兵をしている彼に対する扱いは少しばかり向上した。










 *** 実はうわごと ***

 ………って、いいのかこんな中味のないのアップして………。
 もはやゼルどころかアメリアすらでてこない話が………(滝汗)。エピソードを思いついたものの、本編にいれることのできないものをまとめてみたんですけど………おまけだとでも思ってどうか見逃してください。
 一緒にアップした話がちょっとアメリアがへこんでるやつだったので、明るい話も一緒に、とか画策してみたのですが、フタを開ければ明るいのには疑問の余地はないものの肝心のアメリアがいない………(汗)

 ハニートースト・アイスは実際にあります。テレビで紹介されていたのですが、これを見た瞬間、真っ先に思い浮かべたのは、うちの不肖の偽エルフではなく、「1」のほうで連載をなさっているゆえ様の、本物のハーフエルフで激甘党の愛くるしいセフィル嬢でした。
 見た瞬間に「ああ絶対こーいうの好きそうだわッ」って思ったんですが、ゆえ様いかがなものでしょう?(笑)
 まさか勝手にゆえ様のセフィル嬢に食べさせるわけにもいかないので、うちのに食べさせてみました(笑)。これが話のモトネタなんだもんなぁ、いかに中味がないかがわかろうというものです。
 しかもアニメ版の手配書が思い出せず、あろうことか人様にメールで聞きました(爆)
 そのせつはどうもありがとう。ごめんね、こんなしょうもない話に使われてて。以上、内部連絡です(笑)

 クロフェルさんは、アニメ版にいても支障はないだろうと判断して勝手に出しました。画面に出てこなかっただけで、彼もグレイさんもいたんです。きっと(笑)
 次あたりから、そろそろ王宮編も長いのが顔を出しそうです。アメリア元気でがんばってくれると思います。
 というわけで、今回はダッシュで逃げますっ。以上、桐生でした。

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5865今日のお言葉 『うにょーん』ゆえ E-mail 3/4-11:56
記事番号5863へのコメント

引き続き、しつこく出てきます。どもっユズハファンクラブ会員No.10番、ゆえですっ!(会長は誰だ?)

おおおお、ユズハ話がこぉんなにたくさん♪ああ、今日はいい日曜だなぁ♪


>*** ハチミツと手配書(ハニー・デイズ) ***

あの手配書。アメリアまだ持ってたんですか。本人も忘れてたそれを引っぱり出してくる辺り、ユズハ、ナイス♪

縁談話はことごとくぶち壊しているようで、大臣には嫌われてるんですな、ユズハ。
いいんです。管理職なんぞにしっぽ振って気に入られなくても。うんうん(何故成っとくする)
厨房には絶大に可愛がられてりゃ、ユズハも困らんでしょう(本人はどーでもいいかも)
しかし、ユズハが落書きしまくったゼルの手配書。アメリアが見て火葬するぐらいですから、そーぜつな落書きされてたんでしょうか?うう、見たかった。


>*** 歌唄ウ秋(ハニー・デイズ) ***

唄うかそれを(笑)
衛兵達でも聞いただけで、元歌がわかるとゆーことは、アメリアは王宮でもあの歌を歌いまくってたんですかねぇ(笑)
見た目にだまされてますか。いいんです。人間どーせ見た目から入っていくんですから。しくしくしく・・・・・・・・(←何かあったらしい)


>*** 勉強ノ秋(ハニー・デイズ) ***

今回一番笑いました。『うにょーん』(爆笑)
前衛芸術的な文字ってのが、どんな形なのか、なんとなく想像でます。別名解読不可能暗号文字。
先日似たような感じの手紙をもらい、感想をわくほくしながらまってるその子にどう応えていいのやら、完全に硬直しまくった事をおもいだしました。
ちなみにその時はてきとーにごまかしました。ああっ大人って小ずるいなぁ・・・・・


>*** 物の怪評価(ハニー・デイズ) ***

ニーナさん。みちゃったんですねぇ。対オルハ戦。
これで彼氏もちったぁ浮かばれるでしょう(笑)少しの待遇アップみたいですが。
ちょいと想像暴走ぎみの、このニーナさんがまた気に入ってたりします。私。
あきや様のオリキャラはどの人もいい味だしてます♪


と、長々とえらそーに書いてますが、最後のここ↓が一番よろこんでたりします。

>ハニートースト・アイスは実際にあります。テレビで紹介されていたのですが、これを見た瞬間、真っ先に思い浮かべたのは、うちの不肖の偽エルフではなく、「1」のほうで連載をなさっているゆえ様の、本物のハーフエルフで激甘党の愛くるしいセフィル嬢でした。
>見た瞬間に「ああ絶対こーいうの好きそうだわッ」って思ったんですが、ゆえ様いかがなものでしょう?(笑)

あああああああ。好きです好きです絶対に(笑)セフィルならそれ上に、さらに生クリームとか砂糖とかぶちかけて、料理人の存在など無視しまくってるかも知れませんが。
・・・・・・・・そうなると、ユズハみたいには好かれないかもセフィルの場合は・・・・・・


>まさか勝手にゆえ様のセフィル嬢に食べさせるわけにもいかないので、うちのに食べさせてみました(笑)。これが話のモトネタなんだもんなぁ、いかに中味がないかがわかろうというものです。

実は勝手になんですが、うちのセフィルとユズハが一緒になったら、どーなるのかなぁと想像してたりします。
時間的には会わないですが、そこは、ほれ、身勝手という切り札で♪
・・・・・・・・・・なんか結構面白い組み合わせだと思ったのは、私の気のせいでしょうか?
はっきりいって周りの者には迷惑このうえないコンビになるでしょうが。甘味争奪というより、連れだって食いまくりそうですから(笑)

ほのぼのとしたアメリアとユズハの日々。ああ、いいです〜〜♪まさに『うにょーん♪』
と、いうことで、あきや様。シリーズ続き、楽しみにしております♪






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5866うにょにょーん(やめい桐生あきや 3/4-12:48
記事番号5865へのコメント


>さっきまで暴風雨の空からいきなり青空になり、再び曇って今度は雪がふるという、なんともフルコース的な天気の日曜日。ああ、静かだ。
 こっちは朝からずっと雨です。天気予報を聞くと、最高気温15℃、雨または雪………っていったいどんな天気だよ(笑)
 どうも桐生です♪
 二つまとめてレスを返すという無礼かつ無謀な試みをどうかゆるしてください(汗)

>アメリアとユズハのコンビもますます磨きが掛かってマス。
>ゼルは2年もかえっとらんのですか。いかんなぁ(何様だあんたは)
 いけませんねぇ(私こそ何様だ)
 そう簡単に見つかる方法ではないだろうと思っているのですが、………あんまり待たせないようにしたいです。

>送られたフォスフォライトを見て、涙をこぼすアメリアはほんと可愛いです。
>このシーン。どこぞの放蕩魔剣士に見せてやりてー。
>そしたら速攻どころか、光速ワープしてでも帰ってくるでしょうな(笑)
 光速ワープにとりあえず大受けしてしまったのですが(笑) 
 帰ってきたら魔剣士殿ますますユズハに頭があがらなくなってそうですな。
 可愛いと言っていただけてほんと嬉しいです♪
 こんな弱気なのはアメリアらしくないと言われるかしら、とちょっと首を傾げていたものですから。

>>【フォスフォフィライト】別名、燐葉石。
>実際にある石なのですね。結構鉱物とか、パワーストーンとか好きなのですがこれは知りませんでした。ああ気になる。
>ということで、今から図書館で調べてきます。(実は借りていた本が延滞してたりする・・・・・ユズハ、一緒にいかない?)
 えらいマニアックな石です(^^;)名前からして舌を噛みそうな。
 私の場合は、「完璧版 宝石の写真図鑑」という本で見て、一目惚れでした。
 実はヤ○ーで検索するとヒットしますが、あまり綺麗な写真じゃないです。
 図書館は私もよく利用します。実は昨日が返却日の本が………(汗)


>引き続き、しつこく出てきます。どもっユズハファンクラブ会員No.10番、ゆえですっ!(会長は誰だ?)
 わざわざ二つにわけてレスしてくださってどうもありがとうございますう(感涙)

>>*** ハチミツと手配書(ハニー・デイズ) ***
>
>あの手配書。アメリアまだ持ってたんですか。本人も忘れてたそれを引っぱり出してくる辺り、ユズハ、ナイス♪
 たぶん、何かの拍子に捨てずにいたのを本なんかに挟んでそのまんま……というパターンでは。いや、私が本の帯とかをよくそうやってしまうのですが(^^;

>縁談話はことごとくぶち壊しているようで、大臣には嫌われてるんですな、ユズハ。
>いいんです。管理職なんぞにしっぽ振って気に入られなくても。うんうん(何故成っとくする)
 ぶち壊しさえしなきゃ、あの容姿でノックアウトなのでしょうが(笑)

>>*** 歌唄ウ秋(ハニー・デイズ) ***
>
>唄うかそれを(笑)
>衛兵達でも聞いただけで、元歌がわかるとゆーことは、アメリアは王宮でもあの歌を歌いまくってたんですかねぇ(笑)
 とりあえず、スレにあわない歌詞を慎重に避けてあの部分になりました。さすがに○国華○団とは唄わせられません(笑)

>見た目にだまされてますか。いいんです。人間どーせ見た目から入っていくんですから。しくしくしく・・・・・・・・(←何かあったらしい)
 何があったんですかあっ(笑)
 そんな、たとえ最初は見た目からだろうと、そのうち本質が見えてくるものです……って何私もわけのわからんことを(−−;

>>*** 勉強ノ秋(ハニー・デイズ) ***
>
>今回一番笑いました。『うにょーん』(爆笑)
 実はかなりの突発ネタです(^^;
 書き終わったあとに物足りなくて付け足したという……しかも最初は『にょーん』でした(爆)

>前衛芸術的な文字ってのが、どんな形なのか、なんとなく想像でます。別名解読不可能暗号文字。
>先日似たような感じの手紙をもらい、感想をわくほくしながらまってるその子にどう応えていいのやら、完全に硬直しまくった事をおもいだしました。
 しますします。幼稚園児の妹の絵を見せられて、コメントをもとめられたときも硬直しました。
 リナは頭痛をこらえて解読するか、暴れ出すかのどちらかなんでしょうね(笑)

>>*** 物の怪評価(ハニー・デイズ) ***
>
>ニーナさん。みちゃったんですねぇ。対オルハ戦。
>これで彼氏もちったぁ浮かばれるでしょう(笑)少しの待遇アップみたいですが。
>ちょいと想像暴走ぎみの、このニーナさんがまた気に入ってたりします。私。
>あきや様のオリキャラはどの人もいい味だしてます♪
 ありがとうございます。なんか小躍りして喜んでます、いま(←馬鹿)

>と、長々とえらそーに書いてますが、最後のここ↓が一番よろこんでたりします。
>>テレビで紹介されていたのですが、これを見た瞬間、真っ先に思い浮かべたのは、「1」のほうで連載をなさっているゆえ様の、本物のハーフエルフで激甘党の愛くるしいセフィル嬢でした。
>>見た瞬間に「ああ絶対こーいうの好きそうだわッ」って思ったんですが、ゆえ様いかがなものでしょう?(笑)
>あああああああ。好きです好きです絶対に(笑)セフィルならそれ上に、さらに生クリームとか砂糖とかぶちかけて、料理人の存在など無視しまくってるかも知れませんが。
 見た瞬間の感想が「おいしそう」はともかく「セフィルちゃん好きそう」だったあたり、ゆえ様の作品に頭の芯まで浸っております。

>>まさか勝手にゆえ様のセフィル嬢に食べさせるわけにもいかないので、うちのに食べさせてみました(笑)。
>実は勝手になんですが、うちのセフィルとユズハが一緒になったら、どーなるのかなぁと想像してたりします。
>時間的には会わないですが、そこは、ほれ、身勝手という切り札で♪
>・・・・・・・・・・なんか結構面白い組み合わせだと思ったのは、私の気のせいでしょうか?
>はっきりいって周りの者には迷惑このうえないコンビになるでしょうが。甘味争奪というより、連れだって食いまくりそうですから(笑)
 うあ、すごいっ。
 きっと入った甘味処の人が泣いて止めるんだろうなあ(笑)
 色彩的にも似ているので甘党姉妹で通せそうなあたりがまた……

>と、いうことで、あきや様。シリーズ続き、楽しみにしております♪
 ありがとうございます。がんばります♪
 ゆえ様のほうの「遙かなる絆」も楽しみにしてます♪
 「遙かなる絆」って新作アルバムのタイトルだったのですね。過去のアルバムをひっくり返して「ない」とか思っていた大馬鹿者がここにおります。
 いまから買いに行ってもだいじょうぶかな……
 ということで、ではでは。桐生でした。

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5868在りえざる可能性(ハイパー・トリオ)桐生ゆごんねこ(もうメチャメチャやん) E-mail 3/4-21:08
記事番号5863へのコメント

こんばんは、桐生ゆごんねこ(おい)と云う物です。
え〜と、初めまして(笑)vv桐生様、ゆえ様!
・・・・・もう言葉はいりませんよね(笑)?
ネタはありません(笑)。
筆の進むままに書いてみようかと思ってます♪
まぁ、「遥か〜」も「ユズハシリーズ」もまだまだこれからのお話ですので、この時点でパロもどうかと思いますが。
ゲストも登場です!まだ許可を頂いてませんが!
事後許可になりますが!後で伺います〜!(バレバレですかね?)
取り敢えず、見て殺って下さい(笑)。
でも仕事が一時間後に控えてるのでどうなるかはわかりません(笑)。
続き物になるかも、です(無責任)。

###在りえざる可能性(ハイパー・トリオ)###

 風には通り道があるという。
 人生には分かれ道があるときく。
 分かれ道は迷い道になるだろうか?
 迷い道に入ると、どうなるんだろうか?

 ふふふ、と誰かが笑う声が、聞こえるような道は気を付けて。
 

「え?呼びました?リナさん」
 ゼフィーリアからセイルーンまでの帰路の事だった。
 一番後ろを歩くセフィルが、小首を傾げ先頭を歩くリナへと視線を送る。
 リナもまた足を止めて、体ごと一一もとい、抱きあげている小さな女児ごと一一振り返った。
 リナの小さな(比喩ではなく、だが)胸の中の女児一一フィリスも母親に倣ってか、不思議そうな顔をセフィルへと向けていた。
「あんたの事を?」
 そう言った顔は、なんであたしが、と告げていた。
 セフィルは尖った耳をぴるぴると動かし、天空へとその赤い瞳をくれる。
「………気のせいかな?誰かに呼ばれたと思ったんだけど」
 そう呟く声は風にさらわれていった。
 その表情には釈然としないものがある、と書いてあったのだが。
 笑い声が、聞こえたのかもしれない。


「じゃあ、ユズハ。行きましょうか」
 アメリアのどこか力強さを秘めた声に、ユズハはぴょくりっと尖った耳を動かした。
 それでも顔は未だに、ゼルガディスの消えた方向を向いていた。もうその姿は見えないというのに。
「………ユズハ」
 その様子にアメリアは胸を打たれるような想いだった。
 感情もろくにない、いや表現できないこの精霊がこんなに寂しそうな瞳をしている。
「………大丈夫です。すぐに会えますよ、きっと。この道を通って、会いにきてくれます」
 アメリアの優しい言葉に、ユズハはようやくその愛くるしい顔を上げた。
「ン。ワカっタ。イク」
 そう言ってから、ユズハは再び耳を上下に揺らす。
 左右に顔を振って、何かを確かめるような仕草をしたかと思うと、ひたりっとアメリアの顔の上で視線を止めた。
「ど……どーしたんです?ユズハ?」
 赤い瞳が、真っ直ぐにアメリアを見つめ、
「誰カ、呼ンだ。ユズハのことヲ」
 それだけ言うと、天空へと目をくれた。

 ふふふ、と誰かが笑う声が聞こえた。


「ちっ、……ったく、冗談の通じねぇバカだぜ、あいつは」
 毒付く声には彼なりの愛情の色が隠れていた。
「寝起きが悪いてめーの為の、この心優しく頭脳明晰。且つ眉目秀麗の看板を背負って歩く俺のスペシャル・目覚ましメニューでちょっと流血沙汰になったからって、すぐ呪文詠唱とは!単細胞の上に短絡思考で短気じゃあ救われないぜ」
 妙に長い独り言を言うと、彼は、すっと視線を空に移した。
 そして怪訝そうに眉を曇らせた。
 一一誰かに呼ばれたような気がしたのだった。

 愉し気な笑い声が、聞こえたのだろうか。



「ねぇねぇ、リナさんvv」
「何よ、その猫撫で声は」
 嬉しそうなその声に、リナは嫌そうに、実に嫌そうに応えた。
 セフィルの赤い、炎のような瞳が妙に輝いている。
 無事に何事もなく一一でもないが、盗賊団の一つや六つを潰したり、ついでに金品強奪したりは彼らにとっては余りにも日常茶飯事なので事件とは言わない一一セイルーンに着き、さて何はなくとも楽しい我が家に帰る途中、セイルーン・シティの中央通りでの事だった。
 セフィルの美しい金色の髪が風になびいている。
 心地よい風に、リナの小さな(しつこいが、比喩ではない)胸に抱かれたフィリスも、ガウリイのたくましい腕の中の男児一一ティリスももう寝入っている。
 セフィルの帽子の下で何かがもぞもぞと蠢いている。
 リナは嘆息した。
 一一一あんたは犬か。
 そう。セフィルは喜怒哀楽を時折耳で表すことがあるのだ。って勝手に決めるな、お前は。
 まるで犬の尻尾のように。
「なによ、言っとくけど。あたしは早く家に帰りたいのよ?」
「疲れましたもんねぇ、ゼフィーリア」
 どこかうんざりとした口調のリナに、セフィルはにこやかに応じる。
「………そうよ。だから……」
 リナには皆まで言わせずに、セフィルは満面の笑顔でこう言った。
「疲労快復にはリポ○タンDか、甘〜〜〜〜〜〜いお菓子と相場が決まってますよぅ〜〜〜〜」
「じゃああたし達はリポビ○ンDを選ぶわ」
 にべもないリナに、セフィルは泣き崩れた。


「いいですか?この街はとっても広いんですからね」
 アメリアがユズハの顔をのぞき込むようにしゃがんだのは、セイルーン・シティを入ってすぐだった。
 中央通りには人が溢れかえっている。その様々な格好をした様々な人たちを見るのにユズハは余念がない。
「こら、ユズハ。ちゃんと聞いてなさい」
「ン。聞イてル」
 もちろんその返事は信用には値しないものだったのだが。
 なんといってもユズハには初めて見る大きな街だ。
 見る物聞く物全てが新鮮で珍しく映る。
「ちゃんと私の手を握っててくださいよ?こんなトコで迷子なんて……っきゃ!」
 言葉半ばで、アメリアは尻餅をついた。
 それは外的要因がもたらした尻餅だった。
 つまり、人にぶつかられたのだ。
 ここは街の入口で中央通りの始まりなのだ。
 これはしゃがみ込んでいた自分が悪い、とアメリアが横を見ると、老年にさしかかった男も同じような状態であった。
「あああっ!ごめんなさい、おじいさん!大丈夫ですか!?」
 慌てて立ち上がり、老人へと走り寄るアメリア。
 老人は好々爺な面で「大丈夫じゃよ、お嬢ちゃん」と言って立ち上がった。
「すみませんでした〜〜」
 謝罪の会釈を送り、ふと振り返り顔面を麻痺させた。
 そこにあるはずのユズハの姿は無かった。
 アメリアはその場に崩れ落ちた。


「はて?こんな店、セイルーンにあったかなぁ?」
 男は長い黒髪をさらりと揺らし、その店をしげしげと見た。
 見たところ甘味処らしい。
 外観もなかなか気を遣い、洒落た感じでいい店だった。
 しかし。
 余りにも、いや、端的に人が少ない。
 そう、店内には一人しかいないのだ。
 もしかしたら、客ではなく店員なのかも知れない。
 丁度今は昼下がりで、女の子たちなら普通はお茶でも飲むような時間帯だ。
「………余程まずいとみた」
 男がそう言い残し。その場を去ろうとした時だった。
「おいしいですよ。あなたもいかが?」
 麗ろう玉のごとし。(うう。「ろう」が変換できない)
 声だけでも十分美人だと解る声が背中にぶつかった。
 男が振り返ると、そこには女が一人いた。
 ひゅう、と男の形の良い唇が短い音を奏でた。
 賛嘆の意味が込められた口笛であった。
 女は、ただただ美しかった。
 それ以外には形容のしようがないのだ。
「君の店かい?」
 男が親友一一本人達は悪友だと評する一一がそうあだ名するように、実に女たらしな瞳を柔らかくしてそう尋ねた。
「ええ。そうよ。いかがかしら?」
「美しいね、本当に」
「私が?それとも店が?」
「自信を持つ女は好きだな」
 女が鈴のような笑い声を立てた。
 ふふふ、と。
「ここは素敵な店なのよ。素敵な出会いを持たらせる店」
 女の声に、男は小さく微笑した。
「それはもう経験したな、君と出会えたんだから、ね」
 女は意味ありげに更に笑った。
「ふふふ。分かれ道は迷い道」
 女の唐突な言葉に男が眉根を寄せた。
「そうだ、あなたの名前。聞いてないわ」
 それに気付かないのか、気付かないふりなのか、女は言葉を紡ぐ。
「イイ男の条件でしょう?名前を名乗るのは」
 女の笑みより更に妖艶な笑いで、男は名乗った。

「クラヴィス=ヴァレンタインだ」


<続く・・・のか、これ>

すみません〜〜〜〜!
石を投げないで下さい〜〜〜(号泣)!!
もぉ仕事行かないとダメなんです!!
あああ!ごめんなさい!!!
では!行ってくるです!
帰ってきたらすぐ書きます!!

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5871うりょょーん?!ゆえ E-mail 3/4-23:05
記事番号5868へのコメント

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わぁお♪

どっ、どどどどどどどどどどどどどーーーーしましょっ♪

ああ、歓喜の小躍りどころかこの暴風雨のまっただ中で、ハワイアンダンス聞きながらパラパラ踊って演歌歌いたい心境ですっ!!!!(どんなや)

こぉんな早くに夢が実現するなんて・・・・・・。
しかも、桐生家のユズハと、ねんねこ様のクラヴィス君と共演なんてっ!
いいんでしょーか、うちのセフィルなんぞだしても。

こうなったら、あの二重人格ハイパーお子様のアリーンとディトも入れましょう。
・・・・収拾がつくかどうかは別といて(おい)

許可承認権なんぞ私はとーの昔に売り飛ばしたので、うちの娘は煮るなり焼くなりお好きに料理してやってください♪

ううう。個人的にはいっちゃんこーゆーのが好きだったりします。
ああ、楽しみです♪

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5874それはまるでパパりんのごとく。ねんねこ E-mail URL3/5-09:59
記事番号5868へのコメント


それはまるでパパりんのごとく。
『クぅぅぅぅラヴィぃぃぃぃスくぅぅぅぅぅぅんっ!!』
……取り乱しました。

というわけでねんねこです。
あああ、なんてこったい!こんな性格くそ悪いうちの馬鹿クーがあっきーのユズハとゆえさんのセフィルちゃんと一緒にひょうひょうと出ているな・ん・てVv
しかも言葉遣い悪いのが素敵過ぎVv

>「寝起きが悪いてめーの為の、この心優しく頭脳明晰。且つ眉目秀麗の看板を背負って歩く俺のスペシャル・目覚ましメニューでちょっと流血沙汰になったからって、すぐ呪文詠唱とは!単細胞の上に短絡思考で短気じゃあ救われないぜ」

クーちゃん……それは怒るよ……(笑)
にしても、看板背負ってるのね、あなた……(爆笑)
いいなぁ、他人様が書いた自分のオリキャラってずいぶんと新鮮ですね。

> 男が振り返ると、そこには女が一人いた。
> ひゅう、と男の形の良い唇が短い音を奏でた。
> 賛嘆の意味が込められた口笛であった。
> 女は、ただただ美しかった。
> それ以外には形容のしようがないのだ。
>「君の店かい?」
> 男が親友一一本人達は悪友だと評する一一がそうあだ名するように、実に女たらしな瞳を柔らかくしてそう尋ねた。
>「ええ。そうよ。いかがかしら?」
>「美しいね、本当に」
>「私が?それとも店が?」
>「自信を持つ女は好きだな」
> 女が鈴のような笑い声を立てた。
> ふふふ、と。
>「ここは素敵な店なのよ。素敵な出会いを持たらせる店」
> 女の声に、男は小さく微笑した。
>「それはもう経験したな、君と出会えたんだから、ね」
> 女は意味ありげに更に笑った。
>「ふふふ。分かれ道は迷い道」
> 女の唐突な言葉に男が眉根を寄せた。
>「そうだ、あなたの名前。聞いてないわ」
> それに気付かないのか、気付かないふりなのか、女は言葉を紡ぐ。
>「イイ男の条件でしょう?名前を名乗るのは」
> 女の笑みより更に妖艶な笑いで、男は名乗った。
>
>「クラヴィス=ヴァレンタインだ」

きゃああああああああっ!?
とりあえず、悩殺されました。なにくどいてるんですかクラヴィスくんっ!(笑)
しかも原型よりかっこいいし!?
ああ、もう続きが楽しみです〜(><)

本当にクラヴィスくん出してもらえて嬉しかったです(><)
もうゆえさんと同じく著作権放棄してますので、スコップで脳天かち割ろうが何しようが全然オッケーですVv
というか、他人様に自分のオリキャラを動かしてもらえるほど嬉しいことはないと思うんですよね。それだけ、認められたということだろうから。
もうじゃんじゃか使ってあげちゃってくださいVv
続き楽しみにしておりまする〜Vv
ではではねんねこでした。

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5877うにょおおっ!?桐生あきや 3/5-10:43
記事番号5868へのコメント


 ………ごめんなさい。しばらくモニタ前で撃沈されておりました。
 うにょおおっ、すばらしいっ。
 考えもしなかった夢の共演がいまここにっ。いや、すごいです。
 セフィル嬢とユズハとクーちゃんがっ。
 うちのユズハに関してはさくさくやっちゃってください。食べ物さえあてがっておけばおとなしいコですので(笑)

 最近他力本願で夢を叶えていただいてばかりいる桐生です。以前もねんねこさんに図々しく『踊る』のスレパロを書いてもらい、いまここでユズハとセフィル嬢の共演をあごんさんがっ。こうして書くとよりいっそう他力本願だな、自分(笑) 
 ハニートーストがここまで発展するとは………紹介していた『プ○ス1』にお礼を言いたくなってきました(笑)

 ご丁寧にメールまで頂いてどうもありがとうございます(><)
 本当にときたま、何かの打ち間違いのようにひょろっとメルアドをのせるので、本当にメールが来たときにはびっくりしました(笑)
 恐らくオリキャラが三人も揃うと、第三者であるあごんさんにしか書けません。(少なくとも私はムリです)

 そういうわけでなんだかヒート気味の桐生でした。

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5879在りえざる可能性(ハイパー・トリオ)2桐生ゆごんねこ E-mail 3/5-13:31
記事番号5868へのコメント

こんにちは、桐生ゆごんねこ(をい)です。
とにかく御三家の方お礼と謝罪を。
桐生様、ゆえ様、ねんねこ様、御許可ありがとうございました!
そして本当にすみませんでした。
ではでは、どーぞ。
本っ気でネタなし、ぶっつけ本番パロです。

###在りえざる可能性(ハイパー・トリオ)###

「え〜〜と………」
 金色の髪がふわりと翻る。
 今日の風はどこか落ち着きがないなぁ、とセフィルは内心で呟きながら、頬を流れる一筋の汗をぬぐった。
 リナ達とは別行動になり、四人は家路へ、セフィルは甘い物への探求心を満たす為だった。
 こてり、と首だけ右に傾ける。
 さらり、と髪がそれに応じる。
 ぴるん、と耳が下へと垂れる。
 真剣な面持ちで前方を見据え、低く声を発した。
「……間違いないわ、ね」
 その声に溢れる感情は自信、だったかもしれない。
「……………………………………迷っちゃった♪てへ☆」
 誰も聞いていない自信たっぷりの告白は、やはり風がさらっていったのだった。


 甘い、匂いがした。
 とても甘くて、まるでアメリアのように優しくて暖かい。
 そんな匂いがユズハの小さな足の進行方向にある。
「ウマそウ」
 おおよそ美味しそうと言っているとは思えない、ユズハの淡々とした口調であった。
 誘導されるようにユズハは進む。
 自分の横に、アメリアがいないことにはまだ気付いていない。
 しかし不意にその歩む足が止まり、尖った耳がぴきょん、と動いた。
 朱燈色の瞳が、前方を見据えていた。
 一件の店舗を認識した。そして、その店舗をユズハの本能は、食べ物屋だと告げている。
 たちまちユズハの食欲中枢神経は刺激され、それ同時にアメリアの言葉も思い出した。
「いいですか、ユズハ。食べ物はお金が無いと食べられません。何か食べたい時は私に必ず言うこと。わかりましたね?」
 そう。アメリアはそう言ったのだった。
 ならばアメリアに言わなければならない。
 くるり、と小さな体を反回転。
 ふぁさ、と白金の髪がおどる。
 ぴょて、と耳が大きく下がる。
「………りあ?」
 迷子の精霊は、まだ事情が飲み込めないようだった。


「ほら、来たわよ。クラヴィス」
「え?」
 女がくいっと顎を動かし、それに誘われるようにクラヴィスは女の示した方向を見た。
 ……これが文字通り「顎で使われる」かねぇ?使われちゃいないが……。でもイイ女の顎で使われるってのはイイ男を形成する必須条件の一つだがね♪
 そんな事を考えながら、彼は目をこらした。
 そこには少々戸惑う感のある少女の姿があった。
 年の頃なら、十歳前後、だろうか。
 遠目にもはっきりと解る金髪が光を弾き、まるでそれ自体が輝きを放っているかのような錯覚を覚える。
「クラヴィス。あちらにも」
 凛とした高音に、クラヴィスはまたしても視線を転じた。
 どこか今日は本調子が出ない。
 女のペースの乗せられている事は、彼を少しばかり苛立たせた。
 そこにはきょろきょろと辺りを見回している少女の姿があった。
 先ほどの少女よりも一回りは小さいシルエットは、だがしかし。白金の髪は極上で、髪そのものに意志があるかのように強烈な存在感があった。
 どちらの少女も、帽子を深く被っていた。
「おや。こっちへ来たぞ」
 クラヴィスの呟きに合わせるように、二人の子供は頷き、歩み始めた。
 ふふふ、女が微笑う。

「迷っちゃったものはしょーがないか。うん。とにかく甘い物でも食べて落ち着こうっと」
 セフィルはそう言って、なんだか妙に目に入ってくる一件の店を見て頷き、歩を進めた。

「りあ、いナい」
 アメリアは側にいないが、美味しそうな店は側にあった。ユズハの優先順位が今決定した。

「ふふふ。仕掛けは上々、あとは仕上げをごろうじろ」
 女のその科白にクラヴィスは眉を跳ね上げた。
「………なんだって?」
「分かれ道は迷い道。ここは世界の迷い道。ようこそ、お客人」
 女は優雅に頭を垂れる。
 女の言っている意味がわからなかった。
 クラヴィスは音も立てずに、女と距離を取った。
「何者だ?」
 クラヴィスの黒く濡れたような髪が風に舞うようだ。
 ふと気付けば、もう側には二人の子供の姿があった。
 そのそれぞれの立つ場所は、四人で正四角形の頂点を描いている。

 ハーフエルフと精霊と色男。
 三人の目が空中にてかち合う。

 女の口に乗る笑みは尚深い。

 そして、高らかに女はこう言った。

「ぱんぱかぱーん♪発表しまーす!スレパロオリキャラINバトルロワイヤーーーーーーーーーール!!いぇいぇい☆」
 クラヴィスは流石は元一流の情報屋だけあって。
 音もホコリも立てずにその場にて見事にコケてみせた。
 セフィルは何がなんだかわからないが、ややこしい事にまた巻き込まれたのか、と自分の不運を呪い。
 ユズハは。
「バトる?」
 と首を傾げた。
 そして始まる悪夢は、早速そのバカげた幕を上げたのだった。

<続いたりして・・・>

すみません〜〜〜〜〜〜!!
急に仕事先から呼出が!!
終わればすぐ書きます〜〜〜〜!!

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5892わいぱー・三匹(ハリセン用意)ゆえ E-mail 3/6-22:26
記事番号5879へのコメント

>こんにちは、桐生ゆごんねこ(をい)です。

はふ。どもですっ♪ゆえですっ。
1日ネットをおさぼりしてたら(仕事ならいくらでもさぼっちゃるのに)なんと、もう次の話がっ!!
・・・・っう・・・・こーふんのあまり・・・・は○ぢが・・・・


>とにかく御三家の方お礼と謝罪を。
>桐生様、ゆえ様、ねんねこ様、御許可ありがとうございました!
>そして本当にすみませんでした。

いえいえ、特にわたしなんぞにそんな。お二方にもうちの娘との共演を許可していただけて幸せでございます♪




> リナ達とは別行動になり、四人は家路へ、セフィルは甘い物への探求心を満たす為だった。

とうとう自力で探し始めたか。おまいはアリさんか(笑)

>「……………………………………迷っちゃった♪てへ☆」
> 誰も聞いていない自信たっぷりの告白は、やはり風がさらっていったのだった。

おう・・・・・・・・・・・うちの娘よりかわゆい♪のーん♪(←意味不明)


> 誘導されるようにユズハは進む。
> 自分の横に、アメリアがいないことにはまだ気付いていない。
> しかし不意にその歩む足が止まり、尖った耳がぴきょん、と動いた。
> 朱燈色の瞳が、前方を見据えていた。

> くるり、と小さな体を反回転。
> ふぁさ、と白金の髪がおどる。
> ぴょて、と耳が大きく下がる。
>「………りあ?」
> 迷子の精霊は、まだ事情が飲み込めないようだった。

あああああああああああああああ、かわいいぞっユズハっ!
は○たい○さんに一万点だっ!!(←だから訳分からんっちゅーの。それに知ってる年代が狭いぞ・・・・)




> ……これが文字通り「顎で使われる」かねぇ?使われちゃいないが……。でもイイ女の顎で使われるってのはイイ男を形成する必須条件の一つだがね♪
> そんな事を考えながら、彼は目をこらした。

クラヴィスくん・・・・・いいのかその定義で・・・・・でも本当にかっこいいからいいか♪


> そこには少々戸惑う感のある少女の姿があった。
> 年の頃なら、十歳前後、だろうか。
> 遠目にもはっきりと解る金髪が光を弾き、まるでそれ自体が輝きを放っているかのような錯覚を覚える。

・・・・・・・・・ほんとうに、これ、うちのセフィルでしょーか・・・・・。いや、キレイすぎて・・・・・よかったなぁセフィル。おかーさんはこんな晴れ姿観れて嬉しいわよっ(感涙)


> そこにはきょろきょろと辺りを見回している少女の姿があった。
> 先ほどの少女よりも一回りは小さいシルエットは、だがしかし。白金の髪は極上で、髪そのものに意志があるかのように強烈な存在感があった。
> どちらの少女も、帽子を深く被っていた。


ユズハ嬢ですね。ああああ、これまた何ともキレイな形容詞。ユズハにぴったりですね。
そーいやユズハだけじゃなくって、セフィルも帽子かぶってましたね・・・・(忘れてたなお前)



> ハーフエルフと精霊と色男。
> 三人の目が空中にてかち合う。
>
> 女の口に乗る笑みは尚深い。


はっ、なんだか緊迫してますっ!といっても、きっとセフィルとユズハの思考は全て甘味にうめつくれてるでしょうが(笑)
クラディスくん一人孤軍奮闘中です・・・・・・この二人の相手って、実はもの凄く大変な役回りを貰ったのかもしれませんな・・・・・



>「ぱんぱかぱーん♪発表しまーす!スレパロオリキャラINバトルロワイヤーーーーーーーーーール!!いぇいぇい☆」

いぇい♪いぇいっ♪


><続いたりして・・・>

ああっ、面白いですっ!
仕事中にちらっと読んで足りしたら、電卓入れながら「うへへ♪」、ノートPC身ながら「にょほほ♪」・・・・・・と、同僚に不気味がられながら思い出し笑いにいそしむ私でした。(周りの視線はとことん冷たかった)

じつは、1話でセフィルの耳のことがありましたが・・・・・・いゃ、尖ってましたな(笑)あのこ。(本気で忘れてたらしい)
動くんだ♪と一人で感心して、本編でもピコピコと動くようになりました。もはやしっぽつけたら子犬状態かも(笑)


>すみません〜〜〜〜〜〜!!
>急に仕事先から呼出が!!
>終わればすぐ書きます〜〜〜〜!!

聖誕祭もおまちしてますっ。けど、こっちも・・・・ああ、いかんまた顔が緩んでる・・・




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5897在りえざる可能性(ハイパー・トリオ)3桐生ゆごんねこ E-mail 3/7-00:13
記事番号5879へのコメント

「え〜と、ルールを説明します」
「質問」
 嬉々とした表情で司会席に着いたその美しい顔が、奇妙な無表情のクラヴィスへと向けられた。
「まだ何も説明してないのに、もう質問?」
「まだ何も説明されてないからこその、質問なんだけど」
 挙手したままの姿勢で、クラヴィスはやはり奇妙な無表情でそう言った。怒りと呆れと困惑と当惑と苦笑が全てうまく混ざれば人間はこういった表情が作れるだろう。
「私も質問があるんだけど」
「みんなせっかちなのね」
 眉と耳を下げて、セフィルが言うと、女は手の懸かる生徒を見る時の教師のそれで彼女へ振り返った。
「ユズハはない・の」
「アラ、良い子ね、ユズハは」
 淡々とした口調のユズハに、淡々と女は応えた。
「じゃあ、質問ターイム☆」
 言ったその瞳は、クラヴィスへと向けられていた。
 その視線を受けてクラヴィスは苦々しく口を開いた。
「色々あるが、あんたは何者だ?」
「なるほど。ではセフィル」
「おいっ、聞いてるのか!?」
 思わず拳を握り、クラヴィスは声を高くしたが、女は聞く気はないようだ。その視線は依然セフィルへと向けられている。
「え〜と、取り敢えず今の状況を知りたいんですけど」
「なるほど。よくわかったわ」
 女は美しい顔を全員に向けると、ひとつ頷いた。
「これから闘う者同士ですものね。自己紹介タイムへと移りましょう」
「をいっ」
 クラヴィスとセフィルの声が唱和した。
「ンと、ユズハという」
「すんなっ!」
 何の疑念も持たずに自己紹介をするユズハにクラヴィスは突っ込む。
「え、と。セフィルです………けど」
「あんたもかいっ!」
「え〜。だって、こんな小さな子が名乗って私が名乗らないのも嫌だし……」
「一理あるよーな、そうでもないよーな」
 クラヴィスの突っ込みに、セフィルは困った顔でそう言うと、クラヴィスはもっと困った顔で応えたのだった。
「なまえ・なニ?」
「………うっ」
 純真な朱燈色の瞳が真っ直ぐにクラヴィスへと向けられた。
 クラヴィスは小さく呻き、
「……クラヴィス=ヴァレンタインだよ」
 観念したのかそう名乗る。
 彼は老若問わず、女性には優しい。真性のフェミニストなのである。
「くー」
 長い名前を簡略する癖のあるユズハは、クラヴィスを見て短くそう言い、
「せひ」
 セフィルを見てそう呼んだ。
「え〜と、じゃあ言っておこうかしら。セフィルはハーフエルフでぇす♪ そしてユズハは公称ハーフエルフね☆ それでクラヴィスは単なる優男* オーケー? 質問タイムはこれにて終了よ。……っと、セフィル、何故あなたがハーフエルフである事を私が知っているのかは聞かない約束よ」
 驚き口を開きかけたセフィルを女が制する。
「ってゆーか、そんな約束してないんですけど……」
 セフィルの声が空しく響いた。

「………魔族、かな?」
 クラヴィスが低く呟き、それを聞いたセフィルが小さく首を振る。
「いえ、そんな感じはしませんけど」
 独白のつもりだったので、まさか返答があるとは思わず、クラヴィスがその翠の瞳を細めた。
「セフィルちゃん、だよね。わかるのかい?」
「クラヴィスさん、でしたよね。ええ、あの人が言った通り、私は半分だけエルフですから。人間よりはよく感じます」
 その可愛らしい顔には小さな苦笑があった。
 その苦笑には気付かぬふりで、ふぅん、と鼻を鳴らし、彼は辺りを見回した。
「でもこれって。結界ってやつじゃあないのかい?」
「………………そう、でしょうか。やっぱり」
 そうなのだ。
 今や辺りは、先ほどの町並みは消え去り、目の前にあった店を無くなり、四人は妙に白い空間にいた。
 しかも、どういった意味があるのか。ユズハとセフィルとクラヴィスは並んで机に座っており、件の美女は三人と向かい合う形で立っている。そう、まるで学校の教室のようだった。
 ここが教室と仮定すると、その女は教卓にいることになるだろうか。
 その机には、「司会者」と書かれた三角錐が置いてある。
「マぞく・ちがう」
 ユズハがぽつりと呟いた。
 その声に、二人はユズハへ振り向く。
 しばし二人は顔を見合わせ、先にセフィルが肩をすくめた。
「その子、私よりも『純粋』に近いです」
「女の子ってのは勘が強いからな。信じよう」
 ウィンクしつつ、クラヴィスはそうおどけるように言ったのだった。

「では第一問!!」
「ええっ!?」
「一問って、おい!どーゆーこった!?」
「イチモン?」
「早押しクイズです!自分の親しい人に手紙を書く場合、最初の一文は何と書く?」
  ぴよーーん♪
「はいっ、ユズハ!!」
「え・と」
 手紙という単語はつい最近に聞いたことがある。
 ユズハは必死で思い出そうとして、それは成功した。
 確か………。アメリアがゼルガディスと別れる時に言ったはずだった。
(手紙、ちゃんと書いて下さいね。気の向いた時でいいですから)
 そう言ったアメリアの顔は心持ち紅潮していたのだが。
(テガミ?)
 ユズハがそう聞くと、アメリアは笑ってこう言った。
(思っていることを紙に字で書いて、その紙を人に渡す事です)
 そう。たしかそう言っていたはずだ。
 思っている事を書く事。
「おなかヘッタ」
  ぶびーーーーっ。
「残念!ユズハ、一回休み!」
  ぴよーーん♪
「はい、クラヴィス!!」
「前略、お元気でしょ」
  ぶびびーーーっ!!
「親しい人ですよ!親しいってのは親とゆー字ですよ!クラヴィス!あなたの父親に書くつもりでヨロシク!」
  ぴよーーん♪
「おっけー☆当てていこう!はい、セフィル!」
「うみょーん」
  ぶびび。
「っあぁ〜ん!惜しいっ!」 
「惜しいんかい!!?」
「古代エルフ語で、親愛なるって意味なんですよ、クラヴィスさん」
  ぴよーーん♪
「ヤッタね!チャンスよ、ユズハ!!」
「うにょーん」
  ぶびび。
「っかぁっ!もう当たりなのになぁ!残念、ユズハ」
 額に手を当てて苦悶する美女が、すっと視線をクラヴィスへと走らせた。
「さぁ!クラヴィス!当ててちょーだい!貴方が父親に手紙を送るとしたら!?」
 クラヴィスは一瞬悩んだようだが、「父親に」と限定された時に答えは自然と口がら出た。
  ぴよーーん♪
「はいっ!クラヴィス!!」
「……うにょろーん」
  ぴよぴよぴよ〜〜〜ん♪
「正解です!」
 女が満面の笑みでクラヴィスへと拍手を送った。
「あ、そーか。うにょーんは確か信頼する、で。うにょろーんは元気でやってますって意味だっけ」
 納得顔でセフィルは頷いたのだった。

 後日、リナへの手紙を書こうと文字の練習をするユズハは、妙に韻が気に入ったのかこの文字の練習をして、それを見たアメリアが首を傾げたり。
 はたまた後日、たまには父親に手紙を書いたら? という仲間の提案に、前衛的な絵と共にこの文章をクラヴィスがウィルフレッドに送り、ヴァレンタイン家の親子を悩ませたりするが、それはまた別のお話である。

「続いて第二問!!」
「まだやるの!?」
「しまった!いつの間にか完全に乗せられてた!!」
「ニモン?」
「はぁい。こちらのパネルを見て下さい」
「パネルっっ!!?」
「ああッ!いつの間に!!」
「おとこノこ?」
「ユズハ、その通り。さてこの男の子、この写真では笑ってますが、この直ぐ後に大泣きをかまします。さて何故でしょう?」
 思わず凝視する三人。この世界に写真なんかあるかい、という常識はここでは通用しません。
  ぴよーーん♪
「おっ。ユズハ積極的ねー」
「しぬ」
  ぶびーーー。
「シュールな答えありがとー」
  ぴよーーん♪
「はい、いってみよー!セフィル!!」
「階段から落ちる?」
  ぶびーーー。
「残念。でも前半は合ってます。大泣きですよー?」
 クラヴィスは半眼になり、そのパネルをじっくりと見た。
 この顔は………。
 彼の親友であり、唯一の弟の小さな頃の顔ではないだろうか?
 自分がまだ出会う少し前だろうか。四才くらいに見える。
  ぴよーーん♪
「はい!クラヴィっス!君の為の問題だぞぉ?」
「………117段の大階段から転げ落ち、頭を強打してびっくりしてる間に、彼の祖父がその音に驚いて思わず火炎球を唱えてしまい、それが真っ向からぶちあたり、ド○フの爆発コント真っ青のその有様に大笑いしてしまう祖父に怒りの蹴りを放ったが、呆気なく受け止められ、すかさず返り討ちにあったから?」
  ぶぶぶ。
「っあぁぁんっ!もーほんと惜しいっ!!」
 女は地団太を踏み、悔しそうに地を鳴らした。
「もう出そうにもありませんね。正解は、117段の大階段から転げ落ち、後頭部を強打して状況を判断出来ずにいる内に、彼の祖父がその音に驚き思わず暴爆呪を唱え、それを真っ向から受け、全身くまなく真っ黒になり、怒りの余り祖父に地撃衝撃を放ち、それをあっさりかわされて、返り討ちの覇王雷撃陣を食らったからでした!」
「あいつって………殺されても死なないタイプだな」
 クラヴィスは疲れた声でそれだけ言った。
 
「ではでは第三問!!」
「えええええっ!!?」
「まだあるんかい!?」
「サンモン!」
「えーと、では………」
「………もういいでしょう?」
 女の問題を読もうとする声を、セフィルが止めた。
「………どういう意味かしら?」
「そのままの意味だけれど?」
 世にも美しい女性と、まるで童話の中から抜け出たような少女の視線が空中にて絡み合う。
「いい加減に目的を教えてほしいの」
 その挑戦的な赤い瞳を女は受け流し、
「何を言っているの?私は………」
「御託はいいのよ!」
 彼女にしては実に珍しい大声に、ぱちくりと目を瞬かせた。
「そうね。ではゴタクはやめましょう。続いて四択問題っ!」
「そっちかいっ!」
「このセフィルちゃんが最近凝っているモノとは何でしょう?」
「しかも私の問題!!?」
「1・肩(笑)。
 2・ジョジョの○妙な冒険。
 3・カ○ビー関西だししょう○味。
 4・夜中にやってるエロ映画。
 さて、どれでしょー?」
  ぴよーーん♪
「さすが早いね!ユズハ!!」
「ジョ○ョ」
「そうそう。今なお週間少年ジャ○プにて絶賛好評連載中で、現在は第六部の女性主人公なのよねぇ。毎週毎週はらはらドキドキで見逃せないのよねぇ………って、なんで私が68巻もある少年漫画を読まないといけないのよっ!」
「残念、ユズハ。リトライよっ!」
  ぴよーーん♪
「おっけーかもん!れっつごークラヴィス!」
「4・えろ映画」
「そうそうそうそう。筋書がどーよりもとにかく女の裸体出しとけってゆーそのプロ根性!なんで裸で空手の稽古してんねんっ!ってゆーかありえへんわっってゆー内容ばっかなんだけど、はまると止められないのよねぇ………って、なんで私がそんな欲求不満の20代半ばの独身女みたいな事しなきゃダメなんですか!!」
「詳しいなぁ」
「残念。クラヴィス!正解は!!」

「甘〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いお菓子でした!」

「ユズハも・すき」
「たまには突っ込めよぉ、ユズハちゃん………」
 涙声のクラヴィスはその場にて、へちこけていた。

「お詫びの印よ。皆で食べて」
 そこには、山盛りのケーキ。見るからに甘そうな紅茶やコーヒー。はっきり言って筆者は甘い物を食べないので、表現できません。お菓子の種類も知らないですし、勘弁してください、皆様。
 とにかく、途方もないお菓子が文字通り山積みになっていたのだった。
 セフィルとユズハは懐柔された。

「クラヴィスさん、男の人なのに、甘いもの平気なんですか?」
「おかしいかな?」
 お菓子だけに、とはさすがのクラヴィスも言わなかった。
「いえ。そんな事ないです!」
「女の子の心を知る為には、甘いお菓子は不可欠なんだよ♪」

「食べながらでいいわ。聞いていて」
 女が口を開いた。三人は女の言う通り、手は止めなかった。
「この空間は”在りえざる可能性”と云うわ」
「ありふぇはふはほうへぇ?」
「喋らなくてもいーし、別に」
 口にいっぱいケーキを含んだセフィルに、女は優しくそう言った。
「………それって、不可能って意味じゃあないのかい?」
「いいえ。違うわ」
 フォークを置いたクラヴィスの疑問に、女は微笑した。
 ユズハは食べる事に必死だ。フォークもスプーンもまだ上手に扱いきれてはいない。
 たどたどしいその指に、女はやわらかく笑う。
「貴方達は決して出会うことが無いのよ、本当は」
 今度は誰も何も言わなかった。
「でも、この空間だけは、それを可能にしてくれる。たとえかりそめであったとしても」
 女の姿が空気へと融け込もうとしている。
 三人は目をみはった。序々に薄れてゆくその姿は次第に無くなり、やがて消えた。
  私は木と木の間に住む者。
 声だけが空気を震わせる。
  ここは分かれ道で迷い道。
  どこかで分かれて、別の世界の住人となってしまった貴方達。
  でも根底にあるものは同じなの。
  初めに言葉在りき。
  言葉は貴方達を産み。
  文字は貴方達を育て。
  愛情は貴方達を見る。
  愛された貴方達へ。
  これはプレゼント。
  初めに言葉在りき。
  私は在る言葉。
  アゴンというの。
  貴方達と会えて良かった。
  さぁ、もう世界へ帰ってもいいわ。
  私の愛はもう伝えたもの。
  貴方達の『お母様』によろしくね。

 そして。
 町並みは突然甦り。

「あれ?」

 別の世界の同じ場所で三人は異口同音に声を発した。

 この後の彼らの行動?
 それはこれから紡がれる物語に余す事なく書かれること。
 ここで書くのは野暮なだけ。
 だってここは木と木の間の世界なのだから。
 ツリーとツリーの間の世界。

 ふふふ、と誰かが笑う声がした。


「ねぇ、次の公演はどこぉ?」
「うむ。ゼフィーリアと聞いているが」
「あはんv結構いい町よね、あそこv」
「さぁて、じゃあ行きますか!!」

「アイドル発見☆ではでは仕掛けをこさえましょか♪」
 ふふふ、と愉し気な笑い声を四人のアイドルは聞いたかも知れない。

<終・・・・・逃げっ!!>



こここここここここここここんばんは〜〜(狼狽)。
すみません。
もー言い訳なんて言いません!!
ってゆーか勘弁して下さい!!

桐生様、ゆえ様、ねんねこ様。水晶様。
申し訳ありません〜〜〜〜〜〜〜!!
そして皆様のファンの方々!!
本当にごめんなさい!!
もうしません!
 
でも言い訳しますね。
愛から産まれたんですよ〜!
これは本当です!
歪んだ愛ですが(汗)。

あと、あの女。
私でした(笑)。
知らなかった、私やったんかぁって感じです。
美しいって書いてありますが、別に自画自賛ではないです。
だって正直に「仕事にくたびれ恋にも破れた見栄えのしない女」って表現しても面白くないでしょう!?

ではでは!桐生ゆごんねこ(待て)でした!
マジで逃亡します。
さようなら。もう会わない方がいいわ、私たち。
・・・・・・・・・・・・・・ではっっ!!
(ダッシュで逃げっっ!)

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5904見えざる絆?ねんねこ E-mail URL3/7-19:37
記事番号5897へのコメント


えーと……HPでやってる『好きなカップリング・コンビ』の投票集計をせこせこやっている最中に『クラvゼル』なるものを発見して、とりあえず鳥肌たちながらのた打ち回ったねんねこであります。
な、なんちゅうカップリング……『クー&ゼル』と間違えたんだ。きっと間違えたんだよね。間違えたんだと思いたい。間違いだと言ってくれ!
……と、いうわけで。
突然ですが、あごんさ―――じゃなかった、桐生ゆごんねこさん。うちのHPでゲストしてみる気ありませんか?
……いや要するに『これちょーだいVv』とのことなんですが。
あああっ!石投げないでっ!!(汗)
だってだってユズハもセフィルちゃんもかわいいし、クラヴィスくんがものすごくかっこいいんだものぉぉぉぉっ!(絶叫)
それにしても、他人様のツリーで堂々とねだるこの図々しさ。
ううう、ごめんようあっきー(−−;


―――というわけで、クラヴィス=ヴァレンタインの(とりあえずの)生みの親として、後日談なんかをひょろりと書いてみたり。
自分の続き書こうよ……ねんねこさん……
というわけでどうぞVv

――――――――――――――――――――――――――――――

在りえざる可能性(ハイパートリオ) 後日談・クラヴィス=ヴァレンタインの場合。



「ひぃぃぃぃぃぃひっひっひっひっひっひっひっひっ」
 ―――あの奇妙な体験から数ヶ月の後。
 暖かな春風が吹く聖王都セイルーンの王宮に程近いヴァレンタイン邸から妙な笑い声が響いてきた。
「……そんなに笑うこたぁねぇだろ」
 人のベッドに顔をうずめて、思い切りばこばこ叩いている男に向かって、クラヴィスは憮然とした顔をした。が、そんな事は気にもとめずにその男はただひたすら奇妙な笑い声を上げていた。どうやら笑いすぎて息が上手く出来ないらしい。
「い、いや……もーダメ……」
 目に涙さえ溜めて言ってくる悪友だか親友だか弟だか気晴らしの遊び道具だか―――とりあえずその場の状況によって臨機応変に―――コロコロと―――立場を変えるゼルガディス=グレイワーズを見ながら、クラヴィスは深くため息をついた。
「……なんだかねぇ。お前に笑いのネタにされるなんザ、オレも焼きが回ったよな。ていうかもうオレの人生終わりだろ。ああ、さらばだ我が人生。ちーんぽくぽくぽくぽく。合掌」
 顔の辺りで、両手を合わせてくるクラヴィスにゼルガディスは苦笑した。ベッドに寄りかかりながら床に腰掛けて、手をぱたぱた振ってくる。
「いじけんなよ。たまにはいいじゃないか、そーいう立場の逆転も」
「あーあー。117段の大階段から転げ落ちて、レゾに暴爆呪を唱えられた挙句、地撃衝撃を放ってもそれをあっさりかわされて、返り討ちの覇王雷撃陣を食らったこれまた笑える経験をもってらっしゃるゼルガディスくんに言われちゃあな。オレも本気でおしまいかも」
 その言葉にゼルガディスはきょとんとした顔をした。
「……なんでそれ知ってんだ? あの頃はまだ母さんが生きてた頃だったからお前とは会ってなかった気がするんだが」
 ―――ちなみに余談だが。
 不幸と偶然が重なり合ったとはいえ、最終的にこれ以上となくぼろくそにされたゼルガディスは母親―――つまり、レゾの愛娘の元に言って『じいちゃんに117段の階段の上から蹴り落とされた上にいろいろな魔術を叩き込まれて死ぬかと思った』と大泣きしながらのたまったおかげで、その日の夕食時においしそうな夕食の香り漂う家の前で寂しそうに地面に『の』の字を書いていたという姿が拝めたらしい。
 ゼルガディスの言葉にクラヴィスは素っ気無く肩をすくめた。
「お前、オレの情報収集能力をなめるなよ?」
(……単にクイズで出されただけなんだけどな)
 心の中でそう呟いて、クラヴィスは話題を変えた。
「……でもさ。あの体験で1つわかったことがあるんだ」
 小さく微笑みながら言ってくるクラヴィスにゼルガディスは首をかしげる。
「なんだ?」
「無限ともいえるいくつもの可能性の中からオレは自分で選んだ道を歩いてきた。だからこそ今のオレがあるわけで。
 ―――と、いうことはっ!
 もし一本でも違った道歩いてたら、赤い法衣なんぞ着込んで『うふふうふふ』言いながら頭のてっぺんはげを治す究極の毛生え薬を作ってるくそじじいの孫になんてならずっ!
 出会い頭にいきなり抱きついてくるような天然ボケ親父の面倒なんかみずっ!
 全然全くこれっぽっちも可愛くない弟と旅なんかせずに済んだかも知れないんだぞっ!?
 ちちぃっ、もう少し慎重に道を選べばよかった!」
「……………………………………………」
 一人勝手に悔しがるクラヴィスに、ゼルガディスは静かに立ち上がって、自分の荷物をまとめ始める。その様子に気づいたクラヴィスが怪訝な顔をした。
「どしたんだ? いきなり?」
「……別に」
「何でそんなに怒ってんだよ?」
「……怒ってない」
「お前しばらく滞在してアメリアちゃんに会いに行くとか言ってなかったか?」
「行かない」
 急に不機嫌になって無口に戻るゼルガディスに首をかしげる。
「……やっぱ怒ってるだろ」
 もう一度そういうと、ゼルガディスは小さく嘆息して、素っ気無く言った。
「……自分の胸に手を当ててよく考えてみるんだな」
「?」
 きょとんとした顔をしながら素直に胸に手を当てる。自分の台詞を反芻し―――
「ああ、そーいうことね」
 1つの推測にクラヴィスはにんまり笑った。
「お前と旅なんかせずにすんだっていったのが気にくわなかったんだ。寂しがりやのゼルガディスくんとしては」
「…………」
 さらに憮然としたゼルガディスにクラヴィスはケタケタと笑った。ひとしきり笑った後、急に無表情になって一言言う。
「馬鹿かお前」
 それだけ言ってクラヴィスは小さく嘆息した。
「もしお前と旅しないですんだとしたら、裏を返せば、そんな身体にならなくってすんだかもしれないってことだろ?
 そしたらお前はすんなりアメリアちゃんと結婚できただろうし、オレはノエルとらぶらぶ結婚生活送れたかもしれないだろ?」
「……俺がこんな身体にならなかったら、ノエルと会うことなんてなかっただろ?」
「会ったよ」
 ゼルガディスの言葉にクラヴィスはきっぱり言い切った。
「絶対に会ってた。絶対にオレが探し出してた」
「…………………こっぱすがしい台詞、よくそう簡単に吐けるな」
「言うときゃ言うがいい男の条件さ♪
 さて、そろそろ行くか? アメリアちゃん迎えに行ってそのまま街を出るんだろ?」
「……なんでわかった?」
「んっふっふっ。天下のクラヴィスおにーさまをなめたらあかんぜよ―――ああ、そうだ。ゼル。お前にとっておきの言葉を進呈しよう」
「とっておき?」
 怪訝な顔して来るゼルガディスにクラヴィスはいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「うにょーん♪」
「………………も、いい。一人で行く」
「ああっ、そんな結構緊張してたのにっ!」
 すたすたと部屋を出て行くゼルガディスの後を追いかけようとして慌てて荷物をかき集め。
 ふふふ、と笑い声が聞こえたような気がして、クラヴィスは少しだけ振り返る。
「なんかさ。変な経験だったけど、楽しかったよ」
 屈託のない笑みを浮かべて、クラヴィスは言った。
「どっか別の世界(ところ)にいるんだろうけど―――きっとまた会えるよな? 二人にも、君にも」






 ―――今回のテーマ。『見えざる絆』
 いや、別に深い意味はないのですが。言葉から彼らが生まれ、文字で育ち、愛情が彼らを見るのならば。
 もし文字で彼らを生み出した私たちが『スレイヤーズ』という作品に出会わなかったら、きっと生まれてなかったんですよね。
 でも、うちの馬鹿息子にしろ、ユズハちゃんにしろ、セフィルちゃんにしろ、スレイヤーズの世界の中でスレイヤーズのキャラと共に行動しているのだから、それぞれ、スレキャラたちとの『見えざる絆』があるんじゃないかなーと。
 どちらにしてもお目汚しですみません。あまりにひどい文章なので、どっかの誰かに有罪判決出されて監獄の中に放り込まれましたが、とりあえず脱獄(意味不明)
 というわけで、ダッシュで逃げます。後は追わないで下さい。『ねんねこ、お前自分の話はどーした』とかいうツッコミもお願いやめてぷりーずぅぅぅぅぅ(泣き)


……きっと投稿ボタン押したあと、投稿しなけりゃよかったって思う可能性特大。

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5917ありがとうございました(歓喜)!あごん E-mail 3/8-04:29
記事番号5904へのコメント

こんばんは〜桐生ゆごんねこ(しつこい)ですv

ってゆーか!!
後日談がっっ!!ありがとうございます!!
やっぱしクーはかっこええですね!
本家本元様とではその差は歴然で(泣)。
うう。いくらパロとはいえ、ちと恥ずかしい気も。

やはり、パロディの素材になる作品とは、凄いなと感動しております。
ねんねこ様も、桐生様もゆえ様も。
どなたの作品も本当に完成度が高くて、キャラクターに生命がありますよ。
世界観もしっかりなさっているし。
本当に脱帽です。

え〜と、あとこの駄作のことですが。
差し上げたいのは山々なのですが、実は私はパソ子を持ってないのですよ。
え、じゃあどうやってこれを書いたのか?
え〜と、超能力です(笑)。電波ジャックをしました(笑)。
嘘ですが(わかっとるわい)。

ドリームキャストなんですよ、ええ。セガの。
ですから、皆様のように記録なんてしてませんし。
つまりは使い捨て、なのです。
とはいえ、私はパソ子の事なんて知識ありませんし、それでも何か方法があるというのでしたら、ゼヒどうぞ!

『お母様』であるねんねこ様に貰って頂けるなんて光栄の至りですし!

ではでは!素敵な後日談をありがとうございました!
「運命〜」と「審判の日」を楽しみにお待ちしております!

桐生ゆごんねこ(もーいいから)でした!

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5908発展するうにょーん(笑)桐生あきや 3/7-20:53
記事番号5897へのコメント


 バイトに行く前に読んで、あやうく香茶を吹き出したアメリアのごとく愛機のキーボードにウーロン茶を吹き出すところだった桐生です(長い)
 まさかうにょーんがここまで発展したあげく、クーちゃんのうにょろーんに繋がるとは………。
 自分のキャラクターの発言にここまで受けるってもはやヤバイよーな気もしますが、きっとあごんさんがユズハの性格をつかみまくってくれているおかげですねっ。
 バイト中に思い出し笑いをこらえるのが大変でした。静かな静かな図書館のカウンターアルバイト(公僕)なので利用者にぶきみがられてはいけないわっ、とか馬鹿なことを思っとりました。
 そしてバイトから帰ってきてみたらっ。ねんねこさんのレスがついてるしっ。
 いきなり引き抜きにかかってるわ、ねこちゃん(笑)。別にいいのよ。もはやこれは私だけのツリーじゃないから。でも私も前から『旋律・断笑』を著者別リストのツリーに登録したくて悩んでいるんですけど、あごんさん(笑)
 あごんさんの書いたやつだし、うちのに入れるのもマズイよなあとか懊悩しとります。
 オリキャラを出して、ここまで愛していただけるとは夢にも思っていませんでした。夢のような話を書いてくれて本当にどうもありがとうございます。
 ではでは。桐生でした。

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5916うにょーんとうにょろ〜ん。桐生あきや 3/8-04:29
記事番号5908へのコメント


 お二人がかかれている以上、私もユズハを書かねば……っというか人は良い作品を読むと自分も書いてみたくなる模倣の生き物なのです(笑)


================================

「ユズハ! どこいってたんですか。探したんですよ?」
 ふと気がつくと、目の前に息を切らした『りあ』の姿があった。
「いきなり迷子にならないでください。セイルーンは広いんですから」
「ン、わかっタ」
 素直にうなずくユズハを見て、ふとアメリアは首を傾げて精霊の顔に指をのばした。
「何かついてますよ?」
 ぬぐったそれがクリームであることに気がついて、しばし沈黙する。
「………ユズハ」
「何、りあ」
「どこで何を食べてきたんです」
「んとね、お店で、お菓子」
「食い逃げしちゃ駄目だってあれほど言ってるじゃないですかぁぁぁっ!」
「してナイ。逃げてナイ」
 ユズハは小首を傾げた。
「くれタ」
 疑わしげな表情でアメリアがユズハが見るが、嘘がつけるほどこの精霊は器用ではない。
「ならいいですけど、ちゃんと御礼は言いましたか?」
 しばしユズハは目をまたたいて沈黙した。
「…………ア」
「忘れたんですね?」
「えと………、どうすれば、イイ」
 アメリアは嘆息した。
「どんな人だったんですか。私も探してあげますから」
 再びユズハは沈黙した。
「んと、女のヒト」
「それで?」
「女のコ」
「は?」
「で、男のヒト」
「………要するに三人だったんですね」
「ン、そう」
「他に覚えている特徴とかはないんですか?」
「髪長イ。目、あおい」
「それは誰の特徴です?」
「男のヒト」
 他の二人の特徴も一通り聞いたものの、それだけでは探しようがない。
 溜め息をついてから、アメリアは笑った。
「ゼルガディスさんも、元は黒髪に蒼い目だったそうですよ。縁があったらまた逢えるでしょう。そのときにはちゃんと御礼を言うんですよ」
「ン、言う」
 じっと見つめてくるユズハにアメリアは首を傾げた。
「どうしました?」
「ほんとに耳ぴこぴこしてタ」
「はあ?」
「キレイだっタ。みんなキラキラしてたの。好き」
 まだ頬にちょっとだけ残っているクリームをぬぐってやって、アメリアはその言葉に微笑んだ。
「とにかく、王宮に帰る前に宿屋に滞在しますから、そのあいだに探しましょうね。それならなおさら見つけて御礼を言わないといけませんし」
「どして、帰らナイ」
「あなたがローブ以外の服を着てくれないと、怪しさ大爆発だからです」



 秋も終わりにさしかかった頃、自室で書き物をしていたアメリアの横にやってきたユズハが首を傾げた。
「りあ、何してるの」
「リナさんたちに手紙を書いてるんです」
 書き終わって、乾ききってないインクを吸い取り紙に吸わせながら、アメリアはユズハを見た。
「ユズハも手紙を書きますか?」
 その提案がいたく気に入ったらしく、ユズハはアメリアに場所を代わってもらうと何やら羊皮紙にしたためはじめた。
 隣りの私室で、シルフィールに渡す予定に封筒と共にユズハを待っていると、部屋から出てきたのはユズハではなく猫のオルハだった。
「………オルハ、またやられたんですか」
 白黒熊のごとき配色になったオルハが、情けない声でひと鳴きすると窓から外に出ていった。きっと女官の前に自ら出頭するのだろう。去っていく背中が何やら哀愁に満ちている。
「りあ、書けタ」
 嬉々として便箋を持ってきたユズハからそれを受け取って、アメリアは硬直した。
 横ではユズハが期待に満ちたまなざしでアメリアを見上げている。
 たっぷり数呼吸分は眉間にしわを寄せて真剣に悩んだあと、アメリアは言った。
「…………ま、いっか」
 アメリアはユズハの手紙をおりたたんで、封筒のなかに入れた。


『りなへ。 うにょろ〜ん 』


 シルフィールに逢うためにアメリアが部屋を留守にしたあと、ユズハはテーブルの上に封筒がのっているのを見て首を傾げた。
 『りな』に出す封筒はさっき『りあ』が持っていったばかりだ。
 だれもいないのを良いことに、ふわりと浮いてテーブルの上に着地する。
 自分の名前が書いてあった。
 開けてみると、やっぱり自分への手紙で、終わりに見たことのない筆跡でこう書かれてあった。

『追伸。うにょろ〜ん』

 二年ぶりに、ユズハは記憶を甦らせた。
「くーと、せひダ」
 思い出したことに気をよくして、ユズハは手紙を大事に隠した。

 七芒星が浮かんで、消えた。

 『うにょーん』の他に『うにょろ〜ん』のレパートリーが増え、アメリアとクロフェル侯を悩ませたのは、それから後のことだった。

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5918Re:うにょーんとうにょろ〜ん。あごん E-mail 3/8-04:41
記事番号5916へのコメント

こんばんは〜ぐったいみっ(笑)ですねぇ(笑)。
上のねんねこ様への私のレスと桐生様の新作(?)が同時刻に!!
わざわざりがとうございます〜!
本気で嬉しいです(感涙)!!

それにしても。
桐生様のツリーを汚したような気が(汗)。
すみませんでした〜〜!

やっぱし本家本元様の作品は良いですねぇ(感動)。
心が洗われるようです。

最初は本気でストーリーなんて考えてなくって。
とにかくセフィルとユズハの競演っておもしろいな、と。
でもこの二人だけでは話が進まない気もするし、でクーの登場となりました(笑)。

御三方の後日談が読めて幸せです〜(><)。

書いてよかった、と思った話はこれが初めてだったり(笑)。
しかもゆえ様の後日談とリンクされてるのが泣かせます!

ではでは!桐生ゆごんねこ(ヤメロ)でした!
ありがとうございました!!

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5935ひょろり〜んゆえ E-mail 3/8-22:34
記事番号5916へのコメント

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でへへ♪

読んだとき、まさに↑の状態でした。不気味なこと請け合いでした。1日中へらへらしてましたから(笑)

と、いう状態でした、こんばんわ、ゆえです。
すみません、しつこくつきまとってます。かなり浮き足だってるものですから。
それほど、今回の話は嬉しかったということで・・・・・ご勘弁下さいませ。

うちのセフィルが出した手紙。無事にユズハにもクラヴィスくんにも届いたようで、本人もさぞかし喜んでいるでしょう。ハニートーストも食べられたし。
のこりの手紙もあの彼女にも近々届くかと(笑)うふふ。お楽しみに♪

で、実はここぞとばかりのお願いごとが私にも・・・・・・・。
すみません。オルハ貸してください(おい)
あれからというもの、浮かぶ話はこの続きばかりだったりしまして・・・・本気で浮き足立ってます。
本編の方がどこかにとびまくってる状態です。

んで、こうなりゃ本能と煩悩と野望の赴くままかいちゃえっ!と開き直りました(なおるな)
ツリーに乗せるかどうかは思案中なのですが、まずは本家飼い主の桐生さまにお伺いをと思いまして・・・・・ホントはユズハも。と言いたいのですが、これはさすがにずうずうしいと思いましたので・・・・。

お返事の方、メールででも頂けたらありがたいです。

なにはともあれ、後日談うれしかったです♪

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5911『追伸。』−−−彼女の場合ゆえ E-mail 3/8-01:00
記事番号5897へのコメント

嬉しさのあまり、こんなものを・・・・・・あ、逃げたいかも・・・・・・


*************在りえざる可能性(ハイパートリオ) 『追伸。』  セフィル=フィラ=ティリスの場合****



「あれ?」

気が付けばそこは街のど真ん中。
「・・・・・・・・・・・・・えーっと・・・・・・・」
セフィルはきょろきょろと周りを見渡し、首を傾ける。
はて?
ふと、何気なくぺろんっと唇をなめた。
・・・・・・・・・ふぅん。と呟くと、暫し考えてもう一度周りを見てセフィルは楽しげに走り出した。


「めずらしいですね、セフィルが一人で来るなんて。それにずいぶんと嬉しそうだし」
王宮内のテラスでアメリアがいう。
「ん。ちょっと楽しいことがあったから」
ぴょこっと彼女の耳が動き、楽しげに笑う。
「へぇ、何ですか?あ、そうそうちょうどおやつタイムですし何か作ってもらいますね」
アメリアは近くの従者にデザートの準備を頼むと、ちょうど持ってきたコーヒーを受け取りカップに注いだ。
同じくしてゼルガディスが二人の姿を見かけてやって来た。
「なんだ来てたのか。妙にニヤニヤしてるが、何かあったのか?」
アメリアに促されてゼルガディスもテーブルにつき、コーヒーを貰う。
「ちょこっとねぇ♪」
そのセリフとは対照的に、どっかんどっかん砂糖とミルクを彼女専用マグカップに放り込みながら、にぱっと笑う。
はっきりいってコーヒーの味も香りもあったものじゃないが、まあ彼等も見慣れているので別に突っ込まない。別名『コーヒー牛乳』の完成だ。
普段は滅多に取らない帽子を横に置き、その特徴的な尖った耳を器用に動かしながコーヒー・・・牛乳を飲みながら、二人にあの不思議な出来事を話した。
「なんだか不思議な話ですねぇ・・・・・・・・と、ゆーか、妙に親近感が湧いたりするんですが・・・・・・」
ちらりっとアメリアがゼルガディスを見る。
「パラレルワールドってやつか。ここではないどこかにも、自分達と同じ奴がいるとかいう話だったな。俺は信じちゃいないが―――――げふっ」
と、言った所でアメリアが、げしぃっ、とテーブルの下からゼルガディスの横腹に一発入れた。
「・・・・・・・・・・が・・・・・・ま、まあ、お前さんがそういうんなら、在るんだろうな(滝汗)  (・・・・・おい・・・・今のは効いたぞ・・・・・・・)」
多少苦しそうな表情を浮かべつつもゼルガディスは話を付け足し、その後小声でアメリアに抗議した。
ゼルガディスの話に一瞬表情を曇らせたセフィルに対しての、アメリアなりの気遣いというやつだ。生身の体に戻った彼にはかなりきついが。
「別にいいですよ。リナさんも信じてくれなかったし」
ひょいっと肩をあげて苦笑するセフィル。
あの後、セフィルは一部始終をリナやガウリイに話して聞かせたのだが「そりゃあんた白昼夢でもみたんじゃないの?」とにべもなく否定された。
ガウリイはただ笑顔で聞くばかりで回答無し。ティリスやフィリスは話したところで、この二人はまだ理解するには幼すぎるので対象外。
「でも、どうして私達に話をしてくれたです?」
はて?
「そーいや、どうしてだっけ?」
かくんっと首を傾げると、セフィルのさらさらの金髪の間から尖った耳がちょこりと顔を覗かせる。
「そいつらの名前は覚えてないのか?」
「これが不思議と覚えてないんですよ。瞳の色とか髪の色とか、その人の姿や特徴なんかははっきりと覚えているんだけども」
―――その時話してていたことかも、と、ゼルガディスへの答えにセフィルは付け足した。
「ほう。どんな話をしたんだ?」
促されセフィルは瞳だけ空に向けると、うーんと暫し考えてから、ぽんっと手をうち、
「あ、そうそう。小さい男の子が問題のクイズがあって『その子が大泣きしている理由はなんでしょう』ってので、答えが『117段の大階段から転げ落ち、後頭部を強打して状況を判断出来ずにいる内に、彼の祖父がその音に驚き思わず暴爆呪を唱え、それを真っ向から受け、全身くまなく真っ黒になり、怒りの余り祖父に地撃衝撃を放ち、それをあっさりかわされて、返り討ちの覇王雷撃陣を食らったからでした』――とかいった話とか・・・・」

ぶうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!

「うわっちゃっ?!ゼルガディスさん、いきなりコーヒー吹かないでくださいよぉっ!」
「どしたんです?顔、白黒させて?」
「・・・・・・・・すまん・・・・・・・・・いや、何でもない・・・・・・・・・・・・・・」
いきなり飲んでいたコーヒーを一気に吹き出したゼルガディスは、妙にジト汗かきまくりながら謝った。
きょとんとした顔をしてゼルガディスの顔をのぞき込むアメリアと、その様子をくすくすと笑ってみているセフィル。
そんな時、テラスへ入る入り口で声がした。侍女が出来立てのデザートをもって来たのだ。
アメリアがそのデザートを入り口で受け取って戻ってきた。中に入れないのはセフィルが今は帽子を取っているから。
「はい。お待ちかねのデザートですよ。セフィルのはスペシャルバージョンになってるそーですから」
そういって甘い香りと共に目の前にデザート皿が置かれた。セフィルはそのデザートがよほど気に入ったらしく、顔はとろけんばかりに緩みっぱなし。
金色の髪の間から見える耳もぴょこんぴょこん動いている。リナ曰く、最高に嬉しい時にはそうなるらしい。
「すっごい美味しい♪♪これって何てデザートなの?」
乗せられたアイスをひとくち食べる度にセフィルの表情が、はにゃーん♪といっているようにも見える。

「ああ、これ『ハニートースト』っていうんですよ。美味しいでしょ♪」
アメリアが微笑んだ。

「あ、そうだ。あの本もちょっと貸しといてほしいんだけど・・・・・67巻まで読んだからあともちょっとだから」
「いいですよ。でも私も読みたいからなるべく全巻そろえて返して下さいね」
「あと、ガウリイが例のメモリーオーブはどうすんだってさ」
ぷひっ。――――――あ、またゼルが吹いた。
「なんでお前がそれを知ってる?!」
「いゃぁ。何でも知りたいお年頃だから♪」


「ごちそーさまでした♪それじゃ・・・・・・・・うにょーん♪」
アメリア達には意味不明な言葉を残し、セフィル本人は満足♪といった様子で真紅の瞳を輝かせ金色の髪を靡かせ、王宮を後にした。

その姿を見送くりながら、その妙なセリフの意味を考えていたアメリアは、ふと誰かに呼ばれた気がして振り向いた。
『りあ』

なんで誰も知らない筈の遠い昔の話を知っているんだと、頭を悩ませていたゼルガディスに、ふと何かが浮かんだ。
『くー』


セフィルはあれから手紙を書いた。
今まで一度も書いたことのなかった手紙をどうして書こうとおもったのか。あの時のクイズのやり取りで、どうやら彼とあの子には手紙を出す宛てがあるようだったからだ。
セフィルは手紙を書いても、その手紙を出す所も受け取る者も誰もいなかったから。一度も出さなかったのだ。
でも今は違う。こうしてハーフエルフの自分にも手紙を出せる場所が出来た。
「へぇ、手紙書いてるのか?」
家のテーブルで熱心にセフィルが何かをしてるので、ガウリイがひょいっとのぞき込んだ。へへへっとセフィルが照れくさそうに笑った。
「宛先はゼフィーリアみたいだな。でも、封筒は4つあるぞ?」
彼女が自分達の暮らすようになってから、知り合いが増えたとはいえ手紙のやり取りをする場所など、リナの実家のあるゼフィーリア以外ガウリイは知らない。
「そうだね。あとの3つはわたしも宛先知らないから」
それでも楽しそうに手紙を書くセフィルにガウリイはぽんぽんと頭に手を乗せてから、正面に座りしばらく眺めていた。
――――が、その一文が目に飛び込むと眉を寄せた。
「・・・・・・・・・・・・・・なんじゃそら」
「ふふん♪じゃ、問題。『自分の親しい人に手紙を書く場合、最初の一文は何と書く?』」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かしこ」
「いきなり終わってどーすんのよっ!」
ガウリイの答えにセフィルが突っ込んだ。


手紙は4つ。ひとつはゼフィーリアの人達に宛てたもの。この前の礼と、あの話もちょこっと書いた。
あとの3つには宛先がない。でも、宛名はちゃんと書かれていたりする。―――――実はちゃんとセフィルは彼等の名前も姿も覚えている。
だって、あの出来事も出会いも全ては真実で、在りえた時と場所なのだから。
街の中にぽんっと立っていた時に、ぺろりとなめた唇からあまい生クリームの味がした。それが証拠。それが真実。

「あの子、ちょっと私に似てたなぁ。あのわたしをレディ扱いしてくれたあの男の人もどうしてるんだろ」
セフィルは朱橙色の瞳をした『純粋』な少女と、翠の瞳をしたフェミニストな彼と。
「もう一度逢ってみたいなぁ」
空に向かい小さく呪文を唱えミニミニ盤の七芒星を描き出し、その上に3つの手紙を置くとやがてすうっと消えた。
「宛先不明だけど。届くよね」
七芒星は異界へと続く扉。ならば彼等の世界にも繋がっているんじゃないかとセフィルは考えた。
「さてと」
魔法陣を消し、くるりと振り向くと真っ直ぐにリナ達の家と彼女は駆けていく。

ふふふ、と誰かが笑う声がした。

その後―――――時折街の中で一件の店を探す金髪の少女をよく見かけるようになった。

ここは分かれ道で迷い道。
ふふふ、と誰かが笑う声がした。

手紙には全て「追伸」がついていた。―――――――『追伸   うにょろーん♪』

*******************************************
長い、レスになってます・・・・・・ども、セフィルのままははこと、ゆえでございます。
おもわず後日談をかいたら・・・・・うにょ。皆さんもそのようでしたね。
まずは、こぉんな素敵な話をありがとうございました。もう、こんな幸せがあっていいのでしょうかっ!!
いや、あの話の中で、セフィルのこってるものにも(とくに肩)(爆笑)うけたのですが、なによりもあの『うにょろーん』((笑)
ぷっ!とバソの前で吹きました(笑)そうか古代エルフ語は、そうなんだ・・・・・あんまし読みたくないかも(笑)。
と、前回の「天空〜」の一件も思い出しつつ、どうにもこの手紙に引っかかってしまいました。
んでもって、セフィルに手紙を書かせてみようかと。・・・・・・にしゃ前振りながいですが。
あ、そうそう。あの手紙の一通だけにはこーんな『追伸』もありました。

P.S 彼女達のサインと生写真貰って置いてください。

しっ、失礼しましたっ!
桐生様、ねんねこ様、そして誰よりも桐生ゆごんねこ様(笑)ありがとうございました♪

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5920三国一の幸せ者(涙)!あごん E-mail 3/8-04:51
記事番号5911へのコメント

こんばんは〜!桐生ゆごんねこ(もういいよ)です!
あああああああああああああ(悶)!!
ありがとうございます!!

皆様がこぉんな風に、後日談を書いてくれるなんてっ!
もー本気で嬉しいです!!

しかし本家本元様方と並んでるのは、ちと心臓に悪いですが。
だって恥ずかしいですよぅ!
生セフィルに生ユズハに生クーちゃん(笑)!!
 
とにかく目標はセフィルにノリツッコミを、でした(笑)。
あと、うにょーん&うにょろーんは絶対に入れないと、でした。

あうあうあうあうあうあうあう(感涙)。
耳をぴこぴこしてるしっ!
嬉しいですぅぅ(><)!
しかし、マジで甘い物苦手なので、その辺の描写が出来ないのは悔しかったです。
ショートケーキひとつ食べきれない(泣)。

本当にわざわざありがとうございました!
書いて良かったです、この話。

アゴン(笑)の元に、いつか必ず届くであろう、次元を越えた手紙を楽しみにしてます♪
ではでは!
ありがとうございました!!
「遥か〜」も人生の醍醐味のひとつとなっております!
桐生ゆごんねこ(しつこいっつーの)でした!

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5926ゴメンナサイ(T_T)水晶さな E-mail 3/8-16:33
記事番号5897へのコメント


 すみませんしばらく旅に出ておりまして・・・あごんサンからのメールをやっと今日見ました(涙)。
 出演の方は全然OKですので・・・って今更遅いですが(T_T)
 でも自分のオリキャラを他の人に書いて貰うのって新鮮ですねぇ(驚)。
 お話もとっても楽しかったです〜(^_^) 
 ていうか次の標的はあの4人ですか(笑)。
 続きを楽しみにしております(爆←無茶言うな)。

 ではではホントお返事遅くなってしまって申し訳なかったです(T_T)
 私の方も新作を何とか書いてますので、御期待に応えられるよう頑張りますネ。

 水晶さな拝

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5951こちらこそ!!あごん E-mail 3/9-23:03
記事番号5926へのコメント


> すみませんしばらく旅に出ておりまして・・・あごんサンからのメールをやっと今日見ました(涙)。
 こちらこそすみませんでした!!
 御許可も得ずに、勝手致しました!
 申し訳ありません〜〜〜〜!!

> 出演の方は全然OKですので・・・って今更遅いですが(T_T)
 う。すみません。
 時間に追われているもので、先走ってしまいました!

> でも自分のオリキャラを他の人に書いて貰うのって新鮮ですねぇ(驚)。
> お話もとっても楽しかったです〜(^_^) 
> ていうか次の標的はあの4人ですか(笑)。
> 続きを楽しみにしております(爆←無茶言うな)。
 アイドルの方々も最初はもーちょっと出番があったのですが。
 許可も得てないので、名前は出さずにしよう、と。
 これならば、御怒りを買っても、なんとかなるかな〜と(爆)。

> ではではホントお返事遅くなってしまって申し訳なかったです(T_T)
> 私の方も新作を何とか書いてますので、御期待に応えられるよう頑張りますネ。
>
> 水晶さな拝
 はいぃっ!
 こちらこそすみませんでした!
 新作お待ちしております!
 あごんでした!

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5869のーん(しつこい)みてい 3/4-22:51
記事番号5863へのコメント

こんばんは、桐生さん。
小説1の方でリミットブレイクしてきたみていでございます。

> *** ハチミツと手配書(ハニー・デイズ) ***

> ちなみに次に好きなのは冷菓(アイスクリーム)。冷たいのがお気に召したらしい。
アイスって、ときどき季節構わず無性に食べたくなりませんか?
>「ハニートースト・アイスだそうです」
> サイコロの形をしたケーキほどの大きさの四角いトーストに、バターをたっぷり塗りつけて焼いた後、これまたたっぷり蜂蜜をかけて、その上にアイスクリームを乗せてある。ユズハやアメリアは平気だが、ゼルガディスが見たらそれだけで胸焼けを起こすに違いないだろう代物だ。
みていもTVで見ましたが、みていにはちょおっと甘すぎるかも…
> ふと横を見ると、重いだろうに、自分用の陶器の小皿をくわえて運んできたオルハが、アメリアを見上げていた。
>「…………オルハ。そんな目で私を見ないでくれますか」
我が家にもいます、こーゆーわんこが2匹ほど。器咥えてくる小ネタは持ってませんが。
>「ユズハ………、ナイフとフォークの使い方を覚えなさいと言ってるじゃないですか」
>「覚えタ。でも転がっタ」
はい、ユズハは正しい。
> それはいつかの手配書だった。
取っておいたのかなぁ、記念に(何の)
>「落書きしても、イイ?」
あっはっは。
> めでたく三枚全部が揃ったいつぞやの手配書は目を離した隙に落書きをほどこされ、それを見たアメリアの手によって人目にさらされる前にと、火葬に付された。
火葬っすか。3枚ともでしょうか?素直に燃えたかなぁ。
> ユズハがひっくり返したインク壺でオルハが牛模様になったことだけは追記しておく。
あっはっはっはっはっは(ツボにはまったらしい)

> *** 歌唄ウ秋(ハニー・デイズ) ***

>「…………お前は可愛い男を目指しているのか?」
> それは初めて知ったと同僚は呻いた。果てしなくイヤな感じである。
…いやんな感じス。
>『あ〜かつきに〜激情を〜照〜らしだす乙女〜、あ〜くを蹴散らし〜て正義をしめすの〜だ〜〜〜』
>「…………………教えたのはアメリア様だな」
正義のうたですねぇ。

> *** 勉強ノ秋(ハニー・デイズ) ***

> 教わりはじめてからだいぶ経つので、読み書きのうちの『読み』のほうはもう完璧に近かったが、『書き』のほうは未だに難有りで、アメリアは一度ならずユズハが書いた字を見たことがあったが、非常に前衛芸術的な代物だった。
お子様の書く文字には秘密がいっぱいです。ほーんとに。
> うは、たの、きょ、でオ、した、いいて、ルハと、んきだっ、
>
> いきま、ょにおさ、いっし、んぽに、うにょーん。
うにょーんって、うにょーんって何っ!一番の謎単語です。

> *** 物の怪評価(ハニー・デイズ) ***

>(なんだって私一人でカゴいっぱいに摘んでこいって言われなくちゃいけないの。そりゃ昨日お皿一枚落として割っちゃったけど)
一枚足りなぁい…(季節外れ)
>「何、何なの!?」
> あっという間に目の前でユズハと白ネコの華々しい戦いが始まり、慌ててニーナはカゴを抱えて後ずさった。
華々しいって…
>「では。騒がせタ」
どこで覚えたんでしょう。「りあ」の本棚かなぁ。
>(猫と喧嘩してひっかき傷ひとつないなんて、きっと超常の動きをする物の怪なんだわ! きっとアメリアさまに取り憑いたのよ。夜な夜な寝ている人の首から生気を吸い取っていくんだわ! どうしよう、何てことかしら。ああ、でも可愛いわ。とっても可愛い。やっぱり可愛い。あんなに可愛いんだから、そんなに悪い物の怪じゃないかもしれないわ。ああそうだ、とりあえず香草を摘んで帰らなきゃ)
凄まじい自己完結型なのですねぇ、ニーナって。
> 翌日からニーナの、衛兵をしている彼に対する扱いは少しばかり向上した。
頑張れ衛兵、週1くらいは菓子が届くようになったのだろうか。

> *** 実はうわごと ***

> というわけで、今回はダッシュで逃げますっ。以上、桐生でした。
何処へ逃げられますか〜?
続き待ってます。また寄らせてください。
ではでは、みていでした。

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5878みょーん(さらにしつこい)桐生あきや 3/5-10:56
記事番号5869へのコメント


 どうも〜。
 レスありがとうございます(><)
 逃げたはずなのにまた戻ってきた桐生です。

>こんばんは、桐生さん。
>小説1の方でリミットブレイクしてきたみていでございます。
 リミットブレイクとはまた懐かしい(笑)
 ツリーがすごく大きくなってますよね。すごいです。

>アイスって、ときどき季節構わず無性に食べたくなりませんか?
 なります。特に冬場(笑)

>> ふと横を見ると、重いだろうに、自分用の陶器の小皿をくわえて運んできたオルハが、アメリアを見上げていた。
>我が家にもいます、こーゆーわんこが2匹ほど。器咥えてくる小ネタは持ってませんが。
 オルハ、いつのまにかキャラを確立しつつあります。
 みていさんのお家、二匹もわんこ飼ってるんですね。いいなあ、すごく羨ましいです。高校時代見つめるだけでは飽きたらず、制服のスカートに肉球のあとをつける野良猫がおりました(笑)

>> めでたく三枚全部が揃ったいつぞやの手配書は目を離した隙に落書きをほどこされ、それを見たアメリアの手によって人目にさらされる前にと、火葬に付された。
>火葬っすか。3枚ともでしょうか?素直に燃えたかなぁ。
 恐らくリナのは最後まで燃え残ったのではないかと。ゼルのやつは率先して燃えた気が……きっといちばん落書きがひどかったのは彼でしょうから(笑)

>>『あ〜かつきに〜激情を〜照〜らしだす乙女〜、あ〜くを蹴散らし〜て正義をしめすの〜だ〜〜〜』
>>「…………………教えたのはアメリア様だな」
>正義のうたですねぇ。
 某サ○ラ大戦(爆)

>>(なんだって私一人でカゴいっぱいに摘んでこいって言われなくちゃいけないの。そりゃ昨日お皿一枚落として割っちゃったけど)
>一枚足りなぁい…(季節外れ)
 多分翌日ももう一枚割ることでしょう。そそっかしいから、この娘。

>>「では。騒がせタ」
>どこで覚えたんでしょう。「りあ」の本棚かなぁ。
 色々と変な言葉遣いをさせる予定ですけど、モトネタはどこから来るんでしょうねえ、本棚のほかにきっとフィルさんの言葉使いとか(爆笑)

>> 翌日からニーナの、衛兵をしている彼に対する扱いは少しばかり向上した。
>頑張れ衛兵、週1くらいは菓子が届くようになったのだろうか。
多分そんな感じです。報われるといいんですけど、彼(笑)

>> というわけで、今回はダッシュで逃げますっ。以上、桐生でした。
>何処へ逃げられますか〜?
 遙か遠くの………どこだろう。池袋とかか?(笑)

>続き待ってます。また寄らせてください。
>ではでは、みていでした。
 ありがとうございます!(><)
 本当によろしれければまた寄ってくださいませ。
 ではでは。桐生でした。
 

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5864直行便。ゆえ E-mail 3/4-11:30
記事番号5862へのコメント

さっきまで暴風雨の空からいきなり青空になり、再び曇って今度は雪がふるという、なんともフルコース的な天気の日曜日。ああ、静かだ。

と、いうめったにない日曜日を過ごしてます、どもっゆえです♪

わーい『柚葉シリーズ』だ♪(←漢字の方も好きなんです♪)

アメリアとユズハのコンビもますます磨きが掛かってマス。
ゼルは2年もかえっとらんのですか。いかんなぁ(何様だあんたは)
しかし、これが一人で待っているのではなく、側にユズハが居ることでもアメリアもがんばれるんでしょうが、しかしながら健気です。アメリア♪

そしてリナがさりげに優しいです♪
ほんと自分の事に関しては鈍感なのに、どーしてこうも他人、とくにアメリアに関しては鋭いですかねぇ。きっちりポイント押さえまくってます。

送られたフォスフォライトを見て、涙をこぼすアメリアはほんと可愛いです。
このシーン。どこぞの放蕩魔剣士に見せてやりてー。
そしたら速攻どころか、光速ワープしてでも帰ってくるでしょうな(笑)


>【フォスフォフィライト】別名、燐葉石。

実際にある石なのですね。結構鉱物とか、パワーストーンとか好きなのですがこれは知りませんでした。ああ気になる。
ということで、今から図書館で調べてきます。(実は借りていた本が延滞してたりする・・・・・ユズハ、一緒にいかない?)

さてっ。次のレスにいきまぁす♪

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5915帰ってきたのん。雫石彼方 3/8-03:52
記事番号5862へのコメント


帰ってきてみれば怒涛のような話の多さにちょっと卒倒寸前vな雫石でーす。
桐ちゃん、会いたかったわっ!!(><)
ちなみに免許、無事取れましたっ!!よかったよかった(^^)・・・・仮免は一回落ちたけどな!!(爆)まあ、結果良ければすべてよしっ!!

そいでもってユズハの続きっすね!ちょっと弱気なアメリアもいと可愛いv
アメリアが泣いてる間、ユズハにはぜひ、アメリアの頭をいい子いい子って撫でてあげててほしいですv

短編集の方は、ユズハの超人気ぶりが伺えるお話だったね(^^)相変わらず可愛かったっすv

切ない系のと明るいのとで、一粒で二度おいしいツリーでした☆

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5919ああああっ、やっぱり親戚なの!?桐生あきや 3/8-04:49
記事番号5915へのコメント


>帰ってきてみれば怒涛のような話の多さにちょっと卒倒寸前vな雫石でーす。
>桐ちゃん、会いたかったわっ!!(><)
 私も会いたかったわっ(><)
 お帰りなさいっ、彼方ちゃぁぁぁんっ。

>ちなみに免許、無事取れましたっ!!よかったよかった(^^)・・・・仮免は一回落ちたけどな!!(爆)まあ、結果良ければすべてよしっ!!
 それは何よりだわ。これで晴れてフロントガラスに若葉マークを張れるのね(オイ)。
 免許無事修得おめでとうございます♪
 免許か………私も考えないと(汗)

>そいでもってユズハの続きっすね!ちょっと弱気なアメリアもいと可愛いv
>アメリアが泣いてる間、ユズハにはぜひ、アメリアの頭をいい子いい子って撫でてあげててほしいですv
 あああぁぁぁっ!
 彼方ちゃんっ、やっぱり私たち親戚かもしんないっ。そうわけでボツ原稿だす。
最初の原稿では、「ええ、逢いたいです」のあとにこう続いていたの。

******

「ちょっとだけ、逢いたくなっただけです」
「逢いタイ?」
 吐息のようにアメリアは囁いた。
「ええ、逢いたいです」
 手紙はくれるけど。
 無事だと知っているけれど。
 ワガママを言ってはいけないとわかっているけれど。
 待ってるって約束したから。
 必ず帰ってくるって約束してくれたから。
 だけど。
 時折、無性に不安になる。
 淋しくなる。
 こんなふうに執務に追われて、疲れた夜なんかには。
 とても、逢いたくなる。
 見合いを断り続けるごとに家臣の視線が痛くなる。
 絶対、見合いなんかしない。
 でも辛い。
 逢いたい。
 クイクイとドレスを引っ張られて、アメリアは顔から手を離してユズハを見た。
「泣かないデ。ぜるが来るまで、ゆずはが、りあと一緒にいるカラ」
 この子どもの姿をした精霊は、大事なことをちゃんとわかってくれている。
 アメリアは椅子から床の上に座り込んだ。 
 ドレスが空気をはらんで、ふわりと床に丸く広がる。
「ふええぇん、ユズハぁ………」
「いいコ、いいコ」
 小さなユズハの手のひらに、ぽんぽん頭を撫でられながら、アメリアはちょっとだけ、子供みたいに泣いた。


 …………………………


「ねえ、ユズハ」
「ン、なに?」
 眠たそうに、ユズハがアメリアの声に答える。
 枕を抱えこみながら、まだちょっと赤い目でアメリアは笑った。
「私、ゼルガディスさんのこと大好きなんですよ」
「ン、知ってる」
「ユズハはゼルガディスさんのこと好きですか?」
「………りあのほうが、スキ」
「好きなんですね?」
「………りあのほうが、イイ」
 クスクス笑って、アメリアはユズハを抱きしめた。
「一緒に待ちましょうね」
「ン、待つ」
 ソファの上のオルハが薄く目を開けて二人を見やると、また閉じて眠りに入った。


 待ってますから。
 ユズハと一緒に。
 あなたの目の色をした綺麗な宝石を見つめながら。
 待ってますから。

 だから、早く逢いに来てください。

 ゼルガディスさん。

******

 短いなあと思って書き足したのが、アップした方。実はちゃんとユズハは「いいこいいこ」してました。
 
>短編集の方は、ユズハの超人気ぶりが伺えるお話だったね(^^)相変わらず可愛かったっすv
 まさかあれほどの話に発展するとは思っても見なかったよ。
 でも、夢の共演が見られてすごく嬉しい。っていうかさっそくねこちゃんの『審判』のほうに使われているし。
 自分のツリーにレスをいれたら、新しいのアップしたばかりのねこちゃんのツリーを落としちゃった。どうしよう(滝汗)
 あとでちゃんと謝っておこう(−−;
 ではでは、何はともあれお帰りなさいです。彼方ちゃん。

 桐生あきや

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5925おのれか(笑)ねんねこ E-mail URL3/8-15:40
記事番号5919へのコメント


んふふふふふふふ。ツリー落としてくれたの、あっきーだったのねー(笑)
っていや、別にいいです(^^)
新規投稿にするべきか悩んだ挙句に『めんどくさいからいいや』としたにつけた私が悪いのですのよ♪
だから気にしないでね〜♪


なんかユズハの『いい子いいこ』が可愛かったにょう。
……まずいわ。どこかからパパりんが私を腹話術に使ってるわ……


というわけでではでは〜♪


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5933あああっ、ごめんなさいごめんなさいっ桐生あきや 3/8-21:41
記事番号5925へのコメント


>んふふふふふふふ。ツリー落としてくれたの、あっきーだったのねー(笑)
 ああああっっ、ねこちゃんゆるしてっ。
 謝る前に、新しいのが出ててゼルが大変なことになってるしっ!

>っていや、別にいいです(^^)
>新規投稿にするべきか悩んだ挙句に『めんどくさいからいいや』としたにつけた私が悪いのですのよ♪
>だから気にしないでね〜♪
 っていうか、「あ、ねこちゃんの新しいのある〜。レス書いたら読〜もう」って書き終わった落ちてるんだもん。ほんきでビビった(汗)
 ゆるしてね。

>なんかユズハの『いい子いいこ』が可愛かったにょう。
>……まずいわ。どこかからパパりんが私を腹話術に使ってるわ……
 私は『だす』がとまらない。だって便利なんだもの(笑)

>というわけでではでは〜♪
 というわけで、ごめんにょう(笑)

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5938ああんやっぱりぃVv雫石彼方 3/9-02:32
記事番号5919へのコメント


そうか、私って桐ちゃんとも親戚だったのねっv(笑)
もうあの話見た瞬間から、ユズハがアメリアに「りあ。泣かないデ」って言いながらいいこいいこしてる図が頭の中にあったんだよー(><)
あぁぁ可愛いっVv
ゼル、早く戻ってこーいっ!!でなきゃアメリアとユズハは私が奪ってやるわっ!!(笑)

ってなわけで、希望通りユズハのいいこいいこが見れてご機嫌な雫石さんでしたv

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