◆−時の旋律(北欧神話スレイヤーズ) 第18章―千年後・現在―−桐生あきや(12/8-00:38)No.5111
 ┣頑張れ〜(><)−雫石彼方(12/8-10:16)No.5115
 ┃┗負け〜るな〜(笑)−桐生あきや(12/8-17:22)No.5120
 ┣時の旋律 第19章―救い手―−桐生あきや(12/8-17:18)No.5119
 ┃┣力のか〜ぎ〜り〜(←しつこい)−水晶さな(12/9-00:33)No.5123
 ┃┃┗生〜きてやれ〜(←さらにしつこい)−桐生あきや(12/9-01:27)No.5124
 ┃┗部長おぉぉーーーーっ!!(爆)−雫石彼方(12/9-09:22)No.5125
 ┃ ┗アイアム・ジャパニーズ・サ〜ラリ〜マン(誘爆)−桐生あきや(12/10-03:25)No.5136
 ┣時の旋律 第20章―ありがとう―−桐生あきや(12/9-20:56)No.5129
 ┣時の旋律 第21章または終章―時の旋律―−桐生あきや(12/11-02:13)No.5140
 ┗時の旋律 終章または余章―新しい現在―−桐生あきや(12/11-02:17)No.5141
  ┣ええ話や−−−!!−なゆた(12/11-04:06)No.5142
  ┃┗ありがとうございます!!−桐生あきや(12/11-07:16)No.5144
  ┣感動です!!−ゆっちぃ(12/11-06:50)No.5143
  ┃┗嬉しいです!!−桐生あきや(12/11-07:31)No.5145
  ┣えぇー話っすぅぅぅぅぅぅっっっ(号泣)−早坂未森(12/11-14:23)No.5148
  ┃┗嬉しいですぅぅぅぅぅぅっっっ(感涙)−桐生あきや(12/11-23:15)No.5159
  ┣がーん!終わっとるがなー!!(><)−雫石彼方(12/11-18:49)No.5152
  ┃┗ああっ、すいませんすいませんっ(汗)−桐生あきや(12/11-23:23)No.5160
  ┣ありがとうございます!−あごん(12/11-18:52)No.5153
  ┃┗こちらこそ、ありがとうございます−桐生あきや(12/11-23:36)No.5161
  ┣うにょうわぁぁぁぁぁっ!(絶叫)−ねんねこ(12/11-22:27)No.5157
  ┃┗おにょおわぁぁぁぁぁっ!(さらに意味不明)−桐生あきや(12/11-23:46)No.5162
  ┣おつかれさまでしたーっ♪−ゆえ(12/11-23:59)No.5163
  ┃┗いえいえどうもですー♪−桐生あきや(12/12-00:17)No.5165
  ┣お疲れ様ですっ!!!!−水晶さな(12/12-00:18)No.5166
  ┃┗感謝感激です!−桐生あきや(12/12-00:44)No.5167
  ┣格好いいです。−穂波(12/12-01:48)No.5172
  ┃┗ありがとうございます−桐生あきや(12/12-08:50)No.5176
  ┣涙ぼろぼろモノでしたッ!!−愛璃(12/14-16:40)No.5190
  ┃┗そこまで言っていただけるなんて……(感涙)−桐生あきや(12/14-23:55)No.5191
  ┗ほんとに久々なので、忘れられてたりして(汗)−あんでぃ(12/17-15:13)No.5211
   ┗いえいえ、そんなことありえないですって(^^)−桐生あきや(12/17-23:53)No.5218


トップに戻る
5111時の旋律(北欧神話スレイヤーズ) 第18章―千年後・現在―桐生あきや 12/8-00:38



 戻ってきました、現在へ(笑)。
 やはりというべきか、過去篇では阿鼻叫喚な思いをさせてしまったようです(^^;
 よかった、3と4まとめてアップしておいて………。一個ずつアップするのは話の展開的に鬼のすることだよな〜とか思い、二つまとめてアップしてみました(笑)。
 前の展開忘れちゃったっていう方はすいません。17章をもう一度読んでみて下さい。もうすぐツリー落ちちゃいますが(笑)。

=======================================


「手順は覚えたわね?」
 ルナの確認に、リナはうなずいた。その横ではすでにフィリアとガウリイが、リナを待っている。ルナの傍らには、見送りのシルフィールもいた。
「だいじょうぶ。ありがとう、姉ちゃん」
 リナが満面の笑顔でそう言った。
 青ざめた顔のフィリア(多分ウルドだろう)が何やら文句を言いたげにルナを見ているが、ルナはあっさりとそれを無視した。
「じゃ、行ってらっしゃい」
 その言葉にうなずきかけて、リナはぐらりとよろめいた。
 水晶の床に倒れこもうとするリナの体を、ガウリイの腕が抱きとめる。
「リナ!?」
 支えてくれるその腕を強くつかんで、リナが叫んだ。
「封印が解けた………! アメリアが記憶を取り戻したわ!」
 施行者であるリナには、封印の状態が手に取るようにわかる。
 ルナが水鏡を喚び出した。ルナにしかわからないように、その映像にはフィルターがかかっている。
 ルナの表情が厳しくなった。
「まずいわ………。シルフィールも連れて、早くお行きなさい」
「姉ちゃん!?」
「いいからさっさと行くっ!」
「はいいいいいっ!!」
 リナがシルフィールの手をひっつかむ。
 陽炎のような揺らめきを残して、リナたちの姿は消えた。
 虚空をひと撫でして、水鏡を消し去ると、ルナはひとり〈主神の間〉で首を傾げた。
「まあどうにか間に合うでしょ………。間に合わなかったら………ゼロスは滅殺ね、とりあえず」



 アメリアの体がシグルドに抱きとめられた瞬間、再び全ての時間が流れ出した。
「アメリア、どうして………?」
 呆然と呟くシグルドの言葉にかぶさるように、ゼロスの声がした。
「おや、これはこれは。戦乙女のアメリアさんじゃありませんか。だいぶ長い間お見かけしませんでしたけど、お元気でしたか?
 ―――というか生きていたんですねえ。てっきり千年前に他の方々と一緒に死んでしまったと思っていたんですが」
「戦乙女だと………?」
 シグルドも戦乙女のことは知っている。死者の魂を神界へ誘うという女神。
 この腕の中の存在が………?
「そうですよ。彼女は僕たちヴァン神族の宿敵、アース神族の戦乙女。おおかた僕がセイルーンで何かやってることに気づいて、現れたんじゃないでしょうかね」
 シグルドの腕の中で、アメリアが何か言おうとして、喘いだ。 
 ぎゅっとその手が、シグルドの服の袖をにぎりしめる。
「アメリア………」
 アメリアは痛みに顔を歪めながらも微笑んだ。
「………ごめんなさい。ずっと嘘ついてて」
「…………」
「戦乙女だなんて、言えなかったんです。………いいえ、言いたくなかったんです」
 アメリアは、ふらつきながらも自分の力で立ち上がった。抱きしめてくれていたシグルドの腕から離れる。
「鎧の具現化も忘れていたなんて、私ってかなり間抜けですね………」
 自嘲気味にそう呟くと、灼けた背中にかまうことなく、アメリアは鎧を体にまとわせた。
 姿の変わるアメリアに、シグルドが息を呑む。
 その、氷蒼の瞳。
 封印が解けて、戻ってきた記憶のなかと全く変わらない、その色。
 間違いなく目の前にいるのはゼルガディス。
 髪の色が変わっても、肌の色が変わっても、見失ったりなんかしない。できない。
 また逢えた。
 生きている。
 鼓動を感じた。その温もりも、すべて。
 泣きたいほど嬉しかった。
 千年前、彼の死を受け入れたくなくて心を壊れるままにした。そうでなくとも、あの死のヴィジョンは、世界の全てを拒むには充分な凄惨さだった。
 あの、明けてゆく美しい空の下。
 菫色の空と大気は、泣きたいほどに透明に澄んで美しかった。
 目覚めていく世界に取り囲まれて、ただ独りだけ。
 血と腐臭。濁った黒と澱(よど)んだ赤。
 自分の知らない間に冷たくなってしまった体。
 何の予告もなく訪れた死。
 千年過ぎたいまでも、体にふるえがはしる。
 記憶を封印して眠らせてくれたリナたちの優しさと胸の痛みに、泣きそうになる。
 どんなに辛い選択だっただろう。
 どれほど自分は愛されているのだろう。
 シグルドを後ろに庇って、アメリアはゼロスを睨みつけた。
「下界に混乱をもたらすことは、許しません………! セイルーンから手をおひきなさい!」
「あなたに命令されるいわれは、この僕にはありませんよ。アメリアさんも、僕がハイそうですかと言うとは思っていないんでしょう? ましてその傷で何ができます?」
 アメリアは激しく首をふった。
 たしかにゼロスは強い。リナでも勝てるかどうかわからない。ましてや、自分ではどうにもならない。
 だけど、ここで退けるわけがなかった。
 守りたいものが、あるのだ。
「もう誰も殺させません!」
「どうしてです?」
 ゼロスは明らかにアメリアとの会話を楽しんでいるようだった。
「死んだ方が、戦乙女たるあなたにとっても都合がいいでしょう? 貴女は死者の魂を神界へと誘う女神なのですから」
 アメリアの体がびくりとふるえた。背を向けているシグルドの、その表情が気になった。
 だが、同時に見たくないと思った。
 もし、裏切られたという目をしていたら、傷ついた光を浮かべていたら。
 どうしていいかわからない。
「………………いやです」
 吐息のように、アメリアが囁いた。
「私はもう、誰の魂も採魂したくありません。死んでいくのも見たくありません」
「戦乙女とは言いがたいお言葉ですね」
「本心です。それに、ふざけないで。あなたが冥府へと連れていってしまうのに、どうやって神界にいざなうというんです」
「バレましたか」
 ゼロスの視線がアメリアの背後へと注がれ、フッとその目が笑った。
 アメリアの心に戦慄がはしる。
「ま、いいでしょう」
 ゼロスがあっさりとそう言った。
「冥府に逝く者に、戦乙女が一人追加されたからといって何か困るわけでもありません。むしろ、うちの女王さまは喜ぶでしょうねぇ。アメリアさんのことをずいぶん気に入ってるようですから」
「な………!?」
 アメリアが絶句する。
「おや、知らなかったんですか?」
「し、知るわけないじゃないですか!」
 思わずアメリアは叫んでいた。
 ゼロスがくすりと笑みを浮かべる。淡い紫のその瞳は、アメリアやシグルドたちとは異質の冷たい光を宿していた。
 アメリアは思わず息を呑む。
 そして、何かが壁に叩きつけられる鈍い音とシグルドのうめきに、慌てて後ろをふり返った。
「ゼ―――じゃないああもう何でもいいですっ。シグルドさん!?」
 ふり返ったその瞬間に、不可視の圧力によってアメリアの体も壁に向かって叩きつけられる。
「かはっ!」
 衝撃に息がつまる。
 背中の火傷に激痛がはしった。強打した頭が軽い脳震盪をおこして、視界が一定しない。
 採魂の大鎌を呼び出そうとして神界宮殿に捨ててきたことに気がつく。
 ケホッと咳きこんで、壁に手をつきながらアメリアは立ち上がった。
「………はるか、なる……無限の……彼方、より………」
「何の呪文を唱えようとしているのか、まるわかりですよ」
 嘲(あざけ)るゼロスの声がして、アメリアは再び壁に叩きつけられた。
 左肩が砕ける鈍い音が聞こえた。
 痛みと衝撃に気が遠くなる。
 不意にその視界が暗くかげった。
 くずおれるアメリアとの間に割って入ったシグルドに、ゼロスが軽く眉を動かす。
「何のつもりです?」
「………見ての通りだ。こいつが殺されるのを黙って見ているほど悪趣味でもないし、次に殺されるのを黙って待っているような性分でもないんでね」
「無駄だってことがわからないほど、あなた頭が悪いわけではないでしょう?」
「だからといっておとなしく順番待ちをするほど、あきらめがいいわけではないな」
 床に投げ出されたアメリアの手が、ぴくりと動いた。
「………ダメです……、どいてくだ……さい………」
 シグルドは後ろをふり返らなかった。
 ゼロスが錫杖で床を叩いた。
「なら、お二人一緒と言うことでどうです?」
 衝撃がはしった。今度は、上から下に。
 のしかかってくる重圧に、高く澄んだ音とともにシグルドの剣が砕け散った。膝が崩れ落ち、立っていられなくなる。
 新たに加えられる負荷に、折れた肩に激痛がはしる。
 アメリアの喉から苦痛の悲鳴が漏れた。
「やめろ!」
 それまでただ傍観するしかなかったフィリオネルが叫んだ。その声を受けて、アルフレッドが剣を抜いてゼロスに斬りかかる。
「邪魔ですよ」
 冷たくゼロスがそう言ってアルフレッドを殺すために力を放つ。
 だが、その攻撃は当たる直前に不可視の盾によって弾かれた。
「何です!?」
 ゼロスが慌てて錫杖をかまえると、不意に声が流れた。
 静かで落ち着いた女性の声音。だが、とんでもなく早い口調で言葉を紡いでいく。
「遙かなる無限の彼方より、我呼び覚ます精霊の咆哮。蒼き炎たるその力、召喚するは癒しの光の女主人。願いはかない、巡りはそろう。この場にすべての力は満ちたり。いざや来たらん久遠の光!」
 気づいたゼロスが対処するひまもなく、空間に声が響き渡った。
「ラ・ティルト!!」
 蒼い光の柱が、ゼロスを包みこんで立ちのぼる。
「!?」
 ゼロスが苦痛の声をあげた。
 横薙ぎに払った錫杖が、蒼い光の柱を打ち壊す。
 複数の気配が空間を割って、ゼロスの前に現れた。
 凛とした声が、いたずらっぽく告げた。
「そろそろ、うちのアメリアとゼルをいじめるの、やめてもらえる?」


トップに戻る
5115頑張れ〜(><)雫石彼方 E-mail 12/8-10:16
記事番号5111へのコメント


戻ってきましたね、現在に(^^)

ルナさんがやっぱりかっこいいですv特に

>「まあどうにか間に合うでしょ………。間に合わなかったら………ゼロスは滅殺ね、とりあえず」

のセリフがv私は強いのよって感じで。
彼女が一体何を企んでいるのかが非常に気になるところですね;

アメリアの方は、やっぱりゼロスにいじめられまくってますねぇ;でも、心強い味方が来てくれたし!みんなで頑張って欲しいです。あと、「うちのアメリアとゼル」っていうのが、何か嬉しかったです(^^)仲間っていいな〜。
ところで、なんでアメリア、『うちの女王様』(笑)に気に入られてるんですか?アメリアとしては迷惑極まりないでしょうけど(^^;)

それでは、シグルドがゼルの記憶を取り戻してくれるといいな〜、と願いつつ、また・・・。



トップに戻る
5120負け〜るな〜(笑)桐生あきや 12/8-17:22
記事番号5115へのコメント



>戻ってきましたね、現在に(^^)
 ただいまでございます(笑)

>ルナさんがやっぱりかっこいいですv特に
>>「まあどうにか間に合うでしょ………。間に合わなかったら………ゼロスは滅殺ね、とりあえず」
>のセリフがv私は強いのよって感じで。
>彼女が一体何を企んでいるのかが非常に気になるところですね;
 このおねーちゃんがすべての元凶ですね。元凶というか、転生させたのも起こしたのもこの人だし………。

>アメリアの方は、やっぱりゼロスにいじめられまくってますねぇ;でも、心強い味方が来てくれたし!みんなで頑張って欲しいです。あと、「うちのアメリアとゼル」っていうのが、何か嬉しかったです(^^)仲間っていいな〜。
>ところで、なんでアメリア、『うちの女王様』(笑)に気に入られてるんですか?アメリアとしては迷惑極まりないでしょうけど(^^;)
 特に深い意味はないです。色々なゼルアメ読んでいるとけっこうそういう設定が多いので、なんとなく使ってみました。
 ほら、アメリアかわいいし(オイ)

 レス毎回どうもありがとうございます〜。
 もう少しで終わってしまいますが、どうかおつきあいくださいませ。

 桐生あきや 拝



トップに戻る
5119時の旋律 第19章―救い手―桐生あきや 12/8-17:18
記事番号5111へのコメント



 苦い口調でゼロスが呟いた。
「女神リナ・フレイア、直々のお出ましですか………」
 部屋に視線を巡らして、ゼロスは苦笑する。
「ガウリイ・トールに、シルフィール・エイル、おまけに運命の三女神のフィリア=ノルンですか。すごい顔ぶれですね。何事です?」
「あんたがロクでもないことしてくれるからでしょう?」
 リナがゼロスを睨みつけた。その横では、ガウリイが彼の武器である光の剣を油断無くゼロスに向けている。
 シルフィールがアメリアとシグルドの傷を癒して、フィリアがこの場にいる人間に守護の結界を張っていた。
「シルフィールさん………?」
 微かなアメリアの声に、シルフィールはそっと囁く。
「もうだいじょうぶです。いま、怪我を治していますから」
「ゼルガディスさん……ううん、シグルドさんは………?」
「無事ですよ」
 アメリアは微笑んだ。
 リナとゼロスの会話は続いている。
「セイルーンから手をひきなさい。今回は失敗したって、あんたの女王さまに報告すんのね」
「手をひいたらそのブリーシングのタリスマン、返してくれます?」
「やぁよ」
 ゼロスの言葉にリナは即答した。
「これはあたしがあんたから正当に巻きあげたものでしょーが。それとこれとは別!」
「巻きあげのどこに正当性があるんですっ!?」
 思わず声をあげるゼロスに、リナが言い返す。
「やかましい。なんでヴァン神族のあんたに正当性を力説されなきゃなんないのよ。とにかくこれは返さない! あんたが手をひかないって言うんなら、この場の全員で力ずくで叩き出すまでよ!」
「とにかく死者を連れ帰らないことには戻れません! 怒られるじゃないですか!」
「あんたねえ………怒られるって、お遣い忘れた子供じゃないんだからさあ………」
 リナが呆れた顔をする。
 その手が、スッと掲げられた。
「ま、いいわ。やる気なら相手するまでよ。知らないからね。今回は特別バージョンなんだから。アメリアとゼルに怪我させた分は、きっちり返させていただくわ」
 ゼロスがきょとんと首を傾げた。
「さっきからゼルガディスさんの名前を連呼してますね………。まあアメリアさんが飛びこんできたあたりから、そんな気はしてましたけ、ど!」
 言い終わると同時にゼロスが力を放った。
 リナとガウリイは左右に飛んで避ける。
 ゼロスの攻撃はフィリアの結界にぶつかって中和された。
 ガウリイがゼロスに打ちかかる。力をまとわせた錫杖でその光の刃を受け止めて、ゼロスは片手に魔力光を出現させた。
 顔を灼こうとするそれをガウリイは交わして、横薙ぎに剣を一閃させる。ゼロスは後ろに飛んでそれを避けた。
 その耳に、微かに呟かれるリナの呪が届く。
「アナク・ソ・ナム ナタク・サ・クリム――――」
「なっ……神聖(ルーン)魔法!?」
 リナが不敵な表情で、クスッと笑った。
 まきこまれまいとガウリイがゼロスから飛び離れた、瞬間。
「―――カオティックディスティングレイトっ!!」
 部屋が純白の閃光に包まれた。続いて蒼い光がふくれあがり、爆発する。
 アメリアたちがいる壁とは反対側の壁に、ゼロスが吹き飛ばされて、打ちつけられた。
「言ったでしょ。特別バージョンだって!」
 リナの言葉に呼応するように、ゼロスがゆっくりと立ち上がる。
「なるほど………。確かにそのようですね。ルナさんから力の信託を受けてきましたか」
「そゆこと♪」
 光の剣から撃ち出された光刃をゼロスの錫杖が弾き飛ばす。光の刃の後を追うようにして斬りこんできたガウリイが、ゼロスに攻撃の余裕を与えない。
 その間を縫って、リナの呪文が響く。
「遙かなる暁暗(ぎょうあん)の海のなか。ユグドラシルの細き根のみが触れ降りる、すべての世界の御奥つ城(みおくつき)。かの御姫君(おんひめぎみ)の隠し名に、我乞い願うは始源の力―――」
 どんなに微かな声でも聞き逃すことのできない、力に溢れたその韻律(いんりつ)に、ゼロスの目元がぴくりと動いた。
 錫杖がガウリイの光の剣の柄の部分を真下から跳ねあげる。わずかに空いた空間に、ゼロスは膝蹴りを叩きこんだ。
 ガウリイが後ろによろめく。そこに衝撃波が襲いかかった。飛ばされたその体がフィリアの結界に叩きつけられる。
「ガウリイさまっ」
 シルフィールの声。
 リナは詠唱を止めない。
「悪夢を統べしその力。我が神気と意志をもて、召喚の徴(しるし)と成り代わさん」
 殺気のこもったゼロスの瞳が、リナをとらえた。
 その目を真っ向からリナは睨み返す。唇が最後の呪を紡いだ。
「喚び奉(たてまつ)るは汝が愛子(まなご)。そは混沌、そは始源! この場にすべての力は満ちたり。いざや来たらん漆黒の剣!」
「させません!」
 力を生み出しながら、ゼロスが叫ぶ。
 そこに予想外の声が重なった
「ぉぉおおおおおおおっディフラッシャー!」
『な―――!?』
 ゼロス以外に、シルフィールたちの声もハモった。リナも目を見張る。
 黄金色の光球が一直線にゼロスに向かう。
 その予想外の一撃を、かろうじてゼロスは避けた。
 そこに隙が生まれる。リナはそれを見逃さなかった。
 手の中で呪文が発動する。
「ラグナ・ブレェェェド!!」
「―――っ!」
 黒い刃が、手応えもなくゼロスの右腕を斬り落とした。落ちた腕は、床に届く前に虚空で塵と消えていく。
 返す刀で再び斬りかかるリナから、ゼロスは後ろに飛び離れた。
「よくもやってくれましたね………」 
 がっくりと床に膝をついて、ゼロスが苦痛に顔を歪める。
「あんたやっぱ強いわ。すんでのところで腕だけにとどめるんだもの」
 リナが虚無の刃を消しながら、おもしろくなさそうに言った。
「まだ、戦(や)る?」
 リナの問いに、ゼロスは首をふった。その姿がまたたく間に消え失せる。
 部屋のなかに声がだけが響いた。
「僕の負けです。セイルーンからは手をひきましょう」
 そう言うと、残っていた気配も部屋からフッとかき消えた。
 リナはふん、と鼻を鳴らした。
「セイルーンからは、ね。どっか別んとこ行ったわね………あいつ」
 よそで起きるだろう騒動を止めるのは、また別の問題だ。とりあえずセイルーンは無事を確保できた。
 ガウリイが剣の光を消す。フィリアが結界を解いた。
 リナはアメリアに駆け寄った。
「アメリア、平気!?」
 戦乙女の少女が黙ってうなずいたの見てホッと息をつくと、リナはフィリアに詰め寄った。
「フィリア、あんた戦闘能力ないんじゃなかったの? 何なのあれ!?」
 フィリアは困ったように笑った。
「あれって………何です?」
「へ?」
 そう声を上げたのち、しばらくリナは沈思黙考して呟いた。
「スクルドね」
「………私が覚えていないんなら、そうなんでしょうね」
「で、ウルドでもスクルドでもいーんだけど、あのあんたが生み出した光球は何?」
「リナさんが言っているのは多分、旧・神族全員が持っている護身能力のことじゃないかと思うんですけど………」
 リナが嫌なことを思い出したように顔をしかめた。
「あー、そういやそんなんあったっけ。喰らったことあるわ、昔」
「ウルドがやたら利用するのは知ってるんですけど、私は使ったことありません」
 そう言って、フィリアは視線をアメリアとシグルドに向けた。
「さてっ、生ゴミ神族も追い払ったことですし!」
 リナが思わずよろめいた。
「お、お願いだから、いきなしウルドに代わらないで………ついてけないから」
「そんなこと言われても困りますっ。大部分は私の仕事なんですよ!? だいたい私以外の私は、聞けば最高級茶葉やら古代レティディウスの壺やらに目がくらんで、このことを承知したって言うじゃないですかっ。そりゃ私だってお二人の幸せを願ってやみませんけど、何もこんな方法をとることないじゃないですか!」
「わかってる。わかってるからそんな大声出さないで」
 ウルドに代わった途端、何やらわめき出したフィリアを軽くあしらって、リナはガウリイとシルフィールを見た。
 二人とも、黙ってリナにうなずき返した。

========================================

 カオティックディスティングレイトの呪文は聞き書きなので、正しいかどうかわかりません。正しい詠唱を知っている人はぜひ教えてください。
 ちなみにこの世界での神聖魔法は、ルナの専売特許となっています(笑)。
 奥つ城=一言で言うと、『墓』(笑)。そこから発展して、神霊の宿る所という意味にもなるそうです。御を付けてよかったのかどうかはわかりません(笑)。
 この話も、あともう少しです。
 もうしばらくおつきあいいただけると嬉しいです。


トップに戻る
5123力のか〜ぎ〜り〜(←しつこい)水晶さな E-mail 12/9-00:33
記事番号5119へのコメント


 ふざけたタイトルですみません(汗)、こんばんわ水晶さなです〜(^_^)
 いやもう、お互いに庇い合う姫と魔剣士さんに涙・・・&詠唱呪文の素敵さに画面の前でヤラれておりました。描写が美麗ですよね〜vv 特にラグナ・ブレードの呪文!!(握り拳)
 フィリアの一撃が来るとは思いもしませんでした(汗)。ゼロスも撃退できましたしほっと一息(^^ゞ
 あともうちょっとだそうですが頑張って下さいvv 私も次の小説の構想練って頑張ってます(又書く気か)
 それでは〜。


 水晶さな拝

トップに戻る
5124生〜きてやれ〜(←さらにしつこい)桐生あきや 12/9-01:27
記事番号5123へのコメント


> ふざけたタイトルですみません(汗)、こんばんわ水晶さなです〜(^_^)
 さらにふざけています(滝汗)。レスどうもありがとうございます〜!

> いやもう、お互いに庇い合う姫と魔剣士さんに涙・・・&詠唱呪文の素敵さに画面の前でヤラれておりました。描写が美麗ですよね〜vv 特にラグナ・ブレードの呪文!!(握り拳)
 ありがとうございますv。ビジュアル命なので(^^;)そう言っていただけると感激です。
 さなさんの「LITTLE MERMAID」の呪文ほど完成されてないです(笑)。
 マーメイドドラゴンのリナが唱えるドラグスレイブにパソの前でクラクラしておりました(^^)
 呪文気に入っていただけて嬉しいです♪

> フィリアの一撃が来るとは思いもしませんでした(汗)。ゼロスも撃退できましたしほっと一息(^^ゞ
 ラグナ・ブレードを唱え終わるまで、桐生にも予想していませんでした(オイ)。
 ほんとに突発的に出てきてしまったのです(笑)。

> あともうちょっとだそうですが頑張って下さいvv 私も次の小説の構想練って頑張ってます(又書く気か)
 わーい、ほんとですかっ。ぜひ楽しみにしていますvv
 それでは。

 桐生あきや 拝


トップに戻る
5125部長おぉぉーーーーっ!!(爆)雫石彼方 E-mail 12/9-09:22
記事番号5119へのコメント


・・・・・・ごめんなさい(汗)私の何気なくつけたタイトルに皆さんが続けてくださったので、嬉しかったんです(^^;)

で、ゼロスを無事撃退できてよかったです(^^)リナってば強いわ〜vフィリアのいきなりの参戦も「くぅぅっ、やってくれるぜ!!(><)」って感じでしたし(笑)

それにしても、呪文が素晴らしいですね!もうただただ感心するのみです。私のおつむでは考えつかないので、ああいうオリジナルの呪文を作れる方って凄いと思います。

このお話もあと少しなんですね。寂しいです・・・;でもゼルとアメリアが幸せになるのも見たいし・・・。ジレンマですよ。うぅ。

では、また。





トップに戻る
5136アイアム・ジャパニーズ・サ〜ラリ〜マン(誘爆)桐生あきや 12/10-03:25
記事番号5125へのコメント


 もはやレスの中味とは何の関係もないタイトルになってしまいました(^^:
 
>・・・・・・ごめんなさい(汗)私の何気なくつけたタイトルに皆さんが続けてくださったので、嬉しかったんです(^^;)
 私も嬉しいです。このツリー見るのが楽しかったりします(笑)

>で、ゼロスを無事撃退できてよかったです(^^)リナってば強いわ〜vフィリアのいきなりの参戦も「くぅぅっ、やってくれるぜ!!(><)」って感じでしたし(笑)
 あれはホントに突発です。フィリアは突発的にエピソードが浮かぶことが多いです。さすが運命の女神………(違うだろ)

>それにしても、呪文が素晴らしいですね!もうただただ感心するのみです。私のおつむでは考えつかないので、ああいうオリジナルの呪文を作れる方って凄いと思います。
 ありがとうございます〜! そう言っていただけると、うんうん唸って考えたかいがあります。

>このお話もあと少しなんですね。寂しいです・・・;でもゼルとアメリアが幸せになるのも見たいし・・・。ジレンマですよ。うぅ。
 そうなんですよね、読み手にまわると終わるのって淋しいんですよね。
 残りもあと2章です。
 どうかおつきあいくださいませv。

 桐生あきや 拝


トップに戻る
5129時の旋律 第20章―ありがとう―桐生あきや 12/9-20:56
記事番号5111へのコメント


 ああ、ついにこれをアップする日が来てしまいました(−−;
 サブタイトルからしてダメダメです。
 ダメダメですこの章(笑)。すいませんです。

========================================


「シグルドさん………!」
 抱きついてくるアメリアをシグルドは呆然と受け止めた。
 展開が目まぐるしすぎて、頭の方が置かれた状況を処理しきれていない。
 わかっているのは、ゼロスがセイルーンから手をひいたということ。まあ、それさえわかっていれば、途中の経過はどうでもいいことなのかもしれないが。
 抱きついてきたのは、まぎれもなく自分に朝食を作ってくれた少女で、顔が埋もれるほどのラベンダーを両腕に抱えて家を訪れたアメリアだった。
「アメリア………」
「はい!」
「怪我は?」
 間の抜けた問いだと自分でも思った。
「シルフィールさんが治してくれました。ゼ……じゃない、シグルドさんも、怪我しているところとかないですよね?」
 濃紺の瞳が、じっと覗きこんでくる。
 慌ててシグルドはうなずいた。
 そこにリナの声が割って入る。
「アメリアー、抱きつくのはかまわないんだけどさ、一応こっちにも注意を払ってくれると嬉しいなあ」
 そこで二人は我に返り、真っ赤になってお互いから離れた。
 シグルドの視線がリナたちに向けられる。
「あんたたちは………?」
「この子の知り合い。あたしはリナ。こっちがガウリイとシルフィールとフィリアよ。下界ではフレイア、トール、エイル、ノルンの方が通りがいいみたいね」
「…………」
 シグルドは思わず眩暈を覚えた。
 どれも聞いたことがある名前だった。セイルーンの神殿では多分、全員がスィーフィード・オーディンと共に祀られているはずだ。
 シグルドはアメリアをふり向いた。
 人の手では為しえない壮麗な細工の羽根兜と鎧に包まれた、その姿。
 アメリアの濃紺の瞳に、怯えのような表情がはしる。
 それが本当はいったい何なのか、シグルドにはわからなかった。
「本当に、戦乙女なんだな………」
 アメリアの唇が何か言いかけようと動いて、結局何も言えずに終わる。
 シグルドの胸の奥でいくつもの想いが渦をまいた。

 ―――どうして、自分の前に現れたのだろう。

 笑顔。
 あの、涙。

 ―――どうして、何度も家に来たりしたのだろう。

 抱きしめた、ぬくもり。
 交わした言葉。
 何かを言わなければと思ったが、うまく言葉にできそうになかった。
 そして、ようやく。
「オレを神界に連れていくのか………?」
 意を決してそう言った瞬間、ごぅん、と後頭部から鈍い音がしてシグルドは前につんのめった。
 涙目で後ろをふり返ると、リナが立っている。
 手には何やら堅そうなハリセンを持っていた。
 相手が神殿に祀られるほどの女神だということも忘れて、シグルドは怒鳴る。
「………何しやがるっ!? って言うか、どこから出したそんなもんっ」
「生み出したに決まってんでしょ。あたしは女神よ!
 ―――そいで、いまのセリフもっぺん言ったら今度は呪文唱えるわよ」
 地を這うような低いリナの声音に、シグルドは思わずたじろぐ。
「あんた生まれ変わろーが何だろーが、鈍感なのは全然変わんないのね。いままでどこをどうアメリアと過ごしてきたら、そんなふうに言えるのよ? だいたいアメリアが素直にあんたを神界に連れてくることを承諾してれば、こんなクソややこしい事態にはなってないっつーの!」
 まくしたてられた言葉は全然わけがわからなかったが、アメリアが自分を神界に連れていくことを承諾しなかったというくだりだけは、しっかりと聞こえた。
 自分の前で幾度か見せた、泣き出しそうな表情を思い出す。
 死なないでくださいと囁かれた言葉。
 大事な人を傷つけてしまったと泣いた。
「…………!」
 庇われていたことにシグルドは気づいた。
 あの雨も。あの涙も。
 全部、自分のせいで。
 シグルドはアメリアを再びふり返った。
「どうして、承諾しなかった………?」
 さらにリナに張り倒された。
 さすがに今度はキレかけた。
 人が大真面目に尋ねているというのに!
 殺気立った表情でふり返ると、リナもキレていた。
「ああもうっ。イライラするこの朴念仁っ!! ちょっと考えればわかるでしょう!?」
「落ち着けリナっ」
「リナさん、短気はいけません!」
 ガウリイとシルフィールが、暴れ出したリナを取り押さえる。
 フィリアが呆れ返って(ヴェルダンディに戻ったらしい)、リナたち三人を新たに作りだした結界内に取りこんだ。
 いまは邪魔をするべきではないだろう。
 シグルドはアメリアに再び同じ問いを繰り返した。
 戦乙女の少女はそっと目を伏せて、苦く笑った。
「あなたが死ぬところなんか見たくありませんでした。あなたが息をしなくなって、どんどん冷たくなっていくところを黙って看取ることなんて、私にはできません」
「アメリア………?」
 泣きそうな顔で、アメリアは微笑んだ。
「私はアース神族の戦乙女です。これまでに何人も、人が死ぬのを見てきました。そうして肉体が死んで魂だけになった存在を神界へと連れていくのが、私の役目です………」
 でも、とアメリアは続ける。
「本当の死でなくても、死は死なんです。もう、あなたが死ぬのはイヤでした」
「…………」
「それに私、シグルドさんにずっと嘘ついてました。どんな顔で、死んだあなたに会えばいいのか、わからなかった………」

 ―――どうして泣いている。
 ―――言えません………。

「昨日はオレのせいで、泣いていたんだな」
 その言葉に、アメリアが弾かれたように顔をあげてシグルドを見上げた。
「すまな…………」
「謝らないでくださいっ」
 アメリアが突然悲鳴のような声を上げたため、シグルドは思わずのけぞった。
 その頬を紅潮させながら、アメリアがシグルドの袖をとらえる。
「どうしてそういうとこでいっつも謝るんですかっ。これは私が勝手に決めて勝手にやったことなんです! ゼル………シグルドさんが謝ることじゃありません!」
「おい、ちょっと待てアメリア………」
「何ですっ」
 勢いにまかせて噛みつくように言うアメリアに、シグルドはふっと笑った。
 用意していた言葉を唇からすべらせる。
「助けてくれてありがとう」
 濃紺の瞳が、声もなく見開かれた。
 その強さも、弱さも。
 全部。
 心から愛しいと、思えた。

 たとえ、女神でも。

========================================

 この章、出来がかなり不満なのですが、何度書き直してもダメでした(溜息)。ゼル視点がダメなのかと思いアメリア視点も書いてみるもののやはりダメ。煮え切らないこの二人、もう少しラブラブでも罰は当たらないと思うのですが(苦笑)。
 以前何人かの方のレス返しに書いたどん詰まり状態というのは全てこの章を指してます(^^; 
 思わずヤケになって別のゼルアメを一本書いてしまいました。これが終わったら載せようと思ってます。とほほ。
 残すところあと2章です。もうしばらく、おつきあいくださいませv

トップに戻る
5140時の旋律 第21章または終章―時の旋律―桐生あきや 12/11-02:13
記事番号5111へのコメント



「話はすんだ?」
 声にふりむくと、イタズラっぽい表情でリナが二人を見ていた。
「リナさん。どうして、助けに来てくれたんですか。リナさん以外に他のみなさんも。フィリアさんまで」
 シグルドを庇うように、アメリアは両手を広げた。
「言っておきますけど、シグルドさんと神界に連れていくのはダメですよ」
「わかってるわよ。あんたそんなにあたしが信用できないの?」
 リナがちょっと拗ねたような表情でアメリアを見た。
「ねえ、ゼル。じゃないシグルドか、いまは」
 呼ばれたシグルドが顔をしかめる。
「さっきから何なんだ。人を別の名前で呼んで」
「驚くだろうけどさらっと聞き流しなさい。あんたの前世はあたしたちとワケ有りでね。よく知ってんのよ。そのときの名前がゼルガディス」
 微妙に表情が揺らいだシグルドを見て、リナがクスッと笑った。
 シグルドの近くまで来ると、アメリアから遠ざけて、その耳元で囁く。
「いま変なこと考えたでしょ」
 リナをすごい勢いでふり返ったシグルドを軽く手をふってあしらうと、リナは再びその耳を引き寄せた。
「確かにそれも事実よ。だけどね、だからって変な勘違い起こすんじゃないの。アメリアはあんたを愛してるわ。あんたの前世をじゃなくて、あんたの存在そのものをね。魂の存在は前世だろうと現世だろうと永遠に変わらないのよ。そこんとこ忘れないで」
 シグルドの表情を見て、リナはさらに意地悪く笑った。
「だってあんたと逢ったとき、アメリアは、あたしに記憶を封印されていてあんたの前世のことなんか覚えていなかったんだもの。それでも、あんたを選んだのよ」
 シグルドから一歩離れて、リナはさっきとはうって変わって穏やかな微笑みを見せた。
 そして一言、大きな声で。
「でなきゃ、戦乙女やめるなんて言わないわよ!」
「リナさん!?」
 真っ赤になったアメリアが叫ぶ。
「いったい何を吹きこんでるんですかッ」
「内緒。
 だから改めて――――シグルド!」
 リナの表情がスッと変わる。真面目な、それでいてどこか確信めいた表情に。
 その真紅の瞳には、あたたかな光。
「あんたは、この子と一緒にいたい?」
 唐突な質問に真っ赤になったアメリアがリナに食ってかかろうとするが、シルフィールがやんわりとそれを止める。
「これからすることへの、大事な確認ですから」
「え………?」
 アメリアは思わず声を漏らした。
 透き通った沈黙が、しずかに空間に降り積もる。
「ああ………」
 吐息のように静かな声がした。
 氷蒼の瞳に宿る、澄んだ光。
 迷いのない口調。
「こいつじゃなきゃダメだ」
「だよね………」
 リナが心から嬉しそうに笑った。
 その栗色の髪が軽やかに宙を舞って、その瞳が今度はアメリアに向けられる。
「戦乙女アメリア・ヴァルキリー」
 喜びに少し泣き出しそうな声が、アメリアを呼んだ。
「リナさん………?」
「アメリア・ヴァルキリー」
「は、い………」
「今更だけど、もっかい訊くわ」
 リナの白い指が、アメリアの頬に触れた。
 そんな二人を、ガウリイたちが、シグルドが見守っている。
 アメリアはそっと息を吐いて、目を伏せた。
「なら、訊かれる前にもっかい答えます」
 リナたちが何をしようとしているのかは、わからない。
 ただ、わかることは。
「世界も未来も、何にだって換えることなんかできません」
 自分とシグルドのために降りてきてくれたということ。
 不安と、それよりも期待と希望で胸が爆発しそうに苦しい。
 アメリアはシグルドを見た。
 何よりも誰よりも、一緒にいたい人。
 羽根飾りのついた兜を脱ぎ捨てる。
 乾いた音をたてた後、溶けるように消え去るそれは戦乙女の象徴。
「要りません」
 アメリアの頬を涙が伝う。
「あなたと共にいられるのなら、ヴァルキリーなんか止めます」
 リナの腕に息が詰まるほど強く抱きしめられる。
「よく言ったわ。それが、信託を実行する合図よ」
 それが何なのかと問うより前に、リナがアメリアから離れてフィリアのところへと戻っていった。
「ウルド?」
「いま、代わりました」
「すべての条件は整ったわ。始めて。今更ぐだぐだ言わないでよ?」
「わかっています。少しはウルド(私)も信用して下さい。ここまで来たら精一杯やるだけです」
 珍しく落ち着いた表情でフィリア・ウルドがオーブを取り出した。
 その顔から表情が抜け落ちていく。
 オーブを凝視したままで、フィリアは事務的な声を紡ぎだした。
 フィリアの意識はいまここにはない。
 遠く離れた神界宮殿の〈綾の間〉のなかにある。
『定めの糸巻きより、アメリア=エヴ=エデンルージェ及び、ガウリイ=ガブリエフの糸の解凍を開始します』
 アメリアが目を見張った。
 千年以上も聞くことのなかった、人間であった頃の名前だ。
 いったい何が始まるというのか。
「リナさん?」
「アメリア。姉ちゃんから、運命を書き換えるよう命令が出たわ。あたしはそのための力の信託を受けてる。伝言よ。こっちのことはほっといて、いーから幸せになんなさい、だって」
「どういうことですか!?」
 リナがアメリアに向かって、軽く片目を閉じた。
「いくら禁忌だろうと、その気になれば運命だって都合良く変更するってことよ。要はシグルドが死ぬ運命じゃなけりゃいいんだから」
 そこまで言うとリナはクスクスと笑いだした。
「それにねえ、あの糸玉あるでしょう? あんたがシグルドの運命を狂わせてできたやつ。バカでっかくなっちゃってさあ、治す方法がこれしかないのよ。都合がいいことに」
「嬉しそうに言わないでくださいいいいっ!」
 思わず正気に戻ったフィリアが叫ぶ。
「いいからさっさと作業を続ける!」
「ああ、私のカワイイ糸たちが………あやとりするのが唯一の楽しみだったのに……」
「………あんた、余りの糸でンなことしてたんか………」
 ヴェルダンディやスクルドと違い、どうも趣味を持っていないと思ったら。
 リナが汗ジトと共にフィリアを睨んだ。
「余りの、糸………?」
 アメリアの洩らした呟きに、そっちをふり返ったリナは苦笑する。
「あたしもついさっき説明されて知ったばっかりなんだけどね。運命の糸のなかには、四本だけ余分な糸があるのよ。それはね、転生できるのにしないで神界にとどまってる、あんたとミリーナとガウリイとルークの糸」
『解凍終了しました。続いてガウリイ=ガブリエフの糸への上書きを開始します』
 作業に戻ったフィリアの声が、先ほどとはうってかわって静かに響き渡った。
 その手の中のオーブが目まぐるしく明滅する。
「もちろん、神族や魔族に殺されたあたしやシルフィールなんかの糸はないけどさ、あんたやガウリイやルークは真っ当な死に方してるから、いまから人間に転生することだってできる。ミリーナは来たばっかりだから転生なんて当分しないだろうけどね」
『上書き終了。ガウリイ=ガブリエフからシグルド=ルーディングへの変更、無事成功しました』
「ガウリイさん!?」
 アメリアは思わず声をあげる。
 リナのかたわらのガウリイが笑った。
「俺の糸は余り物さ。自由に使ってくれよ」
 アメリアが何か言う前に、フィリアが口を開いた。
『これより過去の糸の修正に入ります。リナさん、いいですか』
「オッケー。しっかり食い止めとくから、さっさとやってちょうだい」
 リナがフィリアと背中合わせに立って、その両手を軽く広げる。
 フィリアがオーブから手を離した。宙に浮いているオーブはそのままに、フィリアの両手が何もない空中へと伸ばされる。
 すぐにその手が何かを手繰るように動いた。
 そのまま指は細やかに動き続ける。
 遙か遠く神界の〈綾の間〉にあるはずの定めの糸と、その糸車へと。
 フィリアの指が動き始めた瞬間、リナの髪が風に煽られたように舞い上がった。
 見えない重圧がかかっているのだと、すぐに理解する。
「リナさん。ホントにどういうことなんですか!?」
「セイルーンの王位継承者に拾われたのは、シグルドの他にもう一人いたのよ。シグルドは殺されたけれど、その人はまだ生きている。そういうふうに過去を変える。シグルドの糸を抜き取って、シグルドの情報を書き込んだガウリイのとすり替える。シグルドは拾われたもう一人になればいい。そうすれば死なない」
 アメリアは大きく目を見張って、次いで激しく首をふった。
「ガウリイさんの未来はどうなるんですか!? そんなのダメです!」
 自分のために何かしてくれるのは嬉しい。
 嬉しいが、そんなのは絶対にダメだ。
 フィリアを止めようとするアメリアの頭に、ガウリイの大きな手がぽんと置かれた。
「いいんだよ」
「ガウリイさん!」
 非難をこめて見上げたその先で、アメリアはガウリイの青い瞳とぶつかった。
「いいんだ。下界に俺の幸せはないから」
 そう答える。その青い瞳の先には、栗色の髪の少女の姿。
 ガウリイの言葉の答えを、アメリアは手にする。
「リナさんは………転生できないから………です、か………?」
 その力が神族の目にとまったリナは、姉と共に定めの糸を断ち切られた。
 女神として在り続けることしか、彼女が存在していくすべはない。
 ガウリイの目が優しく笑った。
「ま、そんなもんだ。いらないものなんだから遠慮なく使え。お前さんも幸せになるべきなんだ」
「ば…………」
 アメリアが子供のように顔を歪めた。
「バカッ。みなさんバカです! 嬉しいけど、すごく嬉しいですけどっ。何だってそこまで……ッ!」
「バカねえ」
 リナがあっさりとアメリアをけなした。
 過去を改変しているフィリアへと向かう、運命の糸の自動的な修復作用と抵抗を防いでいるわりには、わりと平気な顔だった。
 何せ、かなり絶対的な力を有するこれを防ぐためだけに、わざわざルナが力を借し与えたのだ。自分でやらず妹にやらせるあたりが実にイイ性格をしているが。
 栗色の髪を遊ばせたまま、リナが力強く言い切った。
「あたし結構幸せなの。多分シルフィールとかフィリアとか姉ちゃんとか、神界にいる他のやつらもね。特にルークはあんたのおかげで今かなり幸せでしょーよ。だから、あんただけ不幸なのはヤじゃないの。あんた、もう少し自分にうぬぼれてもバチはあたらないわよ。その倍以上は愛されてるから、確実に」
「…………!」
 もう涙で前が見えなかった。
 泣き崩れる寸前に、シグルドが引き寄せて抱きしめてくれたのがわかる。
 温かい胸。焦がれて、求め続けた鼓動。
 ずっと、共に在りたい。
 フィリアの静かな声。
『シグルド=ルーディングの紡ぐ運命にガウリイ=ガブリエフの糸の挿入、終了しました。続いてガウリイ=ガブリエフの名称から、シグルド=ルーディングへと糸の最終変更を行います』
「ねえ、シグルド」
 ふと、リナがシグルドを呼んだ。
「………なんだ」
「ごめんね。先に謝っとくわ。変更の都合上、シグルド=ルーディングの存在は宮廷争いに巻き込まれて死んだことにしないといけないから、どうしてもあんたの名前を変えなきゃいけないのよ。シグルドと一緒に拾われた、もう一人として」
 リナが何を言いたいのかすぐにわかった。
 また、ここからは見えないその表情がイタズラっぽく笑っていることも。
 アメリアを抱きしめたまま、シグルドは憮然として言った。
「どうせ変える名前は決まってるんだろう?」
「ご名答。いいじゃない、変な名前を最初っから考えるよりは。ま、これぐらいはあたしのワガママ聞いてよ。だいじょうぶ、名前以外何も変えないわ………ううん、名前以外、千年前とあんたは何も変わってない」
 フィリアの声がそれを告げる。
『シグルド=ルーディングの糸、ゼルガディス=グレイワーズへの名称変更開始………終了しました。新たな運命を紡ぎ始めます』
「アメリア。最後のプレゼントをあげる。あんたからは千年前にたくさんの大事なものをもらったわ。これはお礼よ」
 リナが背中合わせに立つフィリアをちらりと肩越しにふり返った。
 フィリアの右手が大きく動く。
 まるで、脇に置いてあった新しい糸を手に取ったかのように。
『ゼルガディス=グレイワーズの糸、すべて紡ぎを終了しました。続いてアメリア=エヴ=エデンルージェの転生を行います。接続先の糸はフィリオネル=エル=ディ=セイルーン………終了しました。アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンに名称変更。紡ぎ始めます―――』
 思わずアメリアは叫んでいた。
「リナさん、やりすぎです! 私どうお返ししていいかわからないじゃないですか!」
「お礼だって言ってんじゃないの。お礼にさらにお返ししてどうすんのよ!? いいから黙って受け取んなさい。自分で提案しといてなんだけど、王女と騎士よ? 最強の組み合わせだと思わない?」
 オーブがひときわ強く明滅した。
『過去の変更全て終了しました。続いて現在の調整に入ります。
 ああ、やっと終わりましたあっ! それじゃ後はヴェルダンディにまかせますからね!』
 いままで、まばたきひとつせず虚空を手繰っていたフィリアが、ゆるりと目を伏せてすぐに上げた。
『わかりました。ミスが無いか走査(スキャン)します………だいじょうぶです。他の糸との調整を開始します』
 凄まじい勢いでフィリアの手が動き出す。
 シルフィールがそっとアメリアの傍に歩み寄った。
「ヴェルダンディのフィリアさんの調整が終われば、この現在は崩れ、新たな過去から全てが再構成されます。アメリアさん………どうか幸せになってくださいね」
「シルフィールさん………」
 アメリアは首をふった。
「私、どうしよう。こんなにまでしてもらって………忘れたくないです。リナさんたちのこと、忘れたくない!」
「転生に記憶は持っていけません。まして、これから無かったことになるもう一つの現在の記憶なんか持っていてはいけません」
「わかってます。わかってますけど………!」
 アメリアの迷いを断ち切るように、凛としたフィリアの声が響いた。
『調整完了しました。異常ありません。スクルドに後はまかせます。アメリアさん、どうかお元気で………』
 リナがフィリアの背中から離れた。
 完全に変更が済んでしまった以上、運命の修復作用は働かない。
 リナの白い手のひらがアメリアの頬をなぜ、シグルドの背中を叩いて遠ざかっていく。
 リナの元に、ガウリイとシルフィールが集まった。
 フィリアの手が、再びオーブを包みこんだ。
『………はい、まかされました。シュミレーションを開始します………………終了。異常なし。ウルドが珍しく静かでしたね。まあ、あのテンションで仕事されても困りますけど』
 フィリアがアメリアとシグルドをふり返って、微笑んだ。
『虹の橋(ビフレスト)ではごめんなさい。これは私たち三人からの言葉です―――幸福な未来があらんことを。運命が紡ぐ糸のままに、時の旋律が奏でられんことを』
 その言葉が終わるか終わらないかのうちに、周りの世界が白く融け始めた。
 リナたちの姿がすぐに霞(かす)んで見えなくなる。
 もっと目に灼きつけていたいのに。
 届けられるのは、リナの声だけ。
「じゃ、あたしたちは巻きこまれる前に帰るわ。
 ………さよなら、アメリア」
「リナさん………みんな!!」
 シグルドの腕の中からアメリアは身を乗り出した。
 リナの栗色の髪も、強い真紅の瞳も。
 ガウリイの優しく笑う青い目も。シルフィールの穏やかな笑顔も。
 フィリアが淹れてくれたお茶の味も。
 ルークもルナもアリアもベルもミリーナもみんな。
 ラベンダーの丘の記憶も。千年前の仲間の顔も。
 戦乙女の光の翼も。想いも。
 いままで抱きしめてきた記憶すべてを。
 アメリアは手放した。
「ありがとう。大好きです………!!」

 たったひとつの恋と、引きかえに。



    右手をつないで優しくつないで まっすぐ前を見て
    どんな困難だって たいしたことないって言えるように


『逢ってから私、好きだって言いました?』
『まだ聞いてない』
『じゃあ、千年前に言いっぱなしのまんまなんですね』
『らしいな。覚えちゃいないが』
『もうすぐ私も忘れます』


    ゆっくりゆっくり時間をかけて また違う


『でもその前に、千年前のゼルガディスさんと目の前のシグルドさんと、そしてこれからも永遠に変わらないあなたに、言います』


    幸せなキスをするのがあなたであるように


『―――あなたが好きです』


    幸せなキスをするのが、あなたであるように
  幸せなキスをするのは、あなたとでなければ………


                                   Fin.

トップに戻る
5141時の旋律 終章または余章―新しい現在―桐生あきや 12/11-02:17
記事番号5111へのコメント


 どうして終章又は余章かと言うと、桐生自身がこの話で終わるべきか、前の話で終わるべきかわかんなかったからです。蛇足かなとも思ったんですけれど、何だか物足りないような気もしたものですから。読んでくれている方はお好きなほうをエピローグとしてくださいv

========================================


 セイルーンの街の門をくぐろうとして、リナは少女から小さなブーケを渡された。
「………これは?」
 めいっぱい着飾った少女が、笑う。
「今日のお祝いに、セイルーンに来た人みんなに配ってまわってるんです。遠慮せずにどうぞ」
 その言葉に嘘はなく、一緒に門をくぐってきた旅人はみんな街の少女から花のブーケを受け取っている。
 街中が磨かれ、飾り付けられていて、それは陽気で賑やかな光景だった。
 手渡された花束から漂う香りが、街中に溢れかえっている。
「この花は王女さまの花なんですよ」
 無邪気に少女がそう教えてくれた。
 リナもそれに笑い返す。
「知ってるわ」
 少女は、驚いた顔をしたもののすぐににっこりと微笑みかえす。
「そうですか、それは何よりです。あ、お連れさまもどうぞ」
「ありがとう」
 傍らのガウリイも、ラベンダーのブーケを受け取った。
 会釈して街へと入っていく二人の背中に、少女の声がかかった。
「昼になればパレードが始まります。どうぞ、私たちの王女さまの花嫁姿を御覧になっていってくださいね!」



 石造りの広い大聖堂はそのいちばん奥に主神スィーフィード・オーディンの神像が祀られ、その周囲の壁に他の神々の肖像画が飾られている。
 その大聖堂全体を見下ろす高い天井近くに、神気をまとって姿を消したリナとガウリイの姿があった。
 いままさに大聖堂の重い扉が開いて、参列者のつくる人の壁の間を父親と腕を組んだ花嫁が壇上で待つ花婿のもとへと歩んでいく。
 雪の結晶のような白いヴェールに白いドレス。淡い紫の花のブーケ。
 恋に落ちた王女と騎士。
 吟遊詩人が唄うにふさわしい物語の結末が、いまここにある。
 リナとガウリイの耳には、行儀の悪い参列者の囁きが聞こえてくる。
(さっきから殿下は滂沱の涙を流しっぱなしですな)
(それはもう。花嫁はもとより花婿も実の息子のような存在でいらっしゃいますから。何より殿下の命の恩人でもありますし………)
(殿下を暗殺者より助けもうしたのは、彼ですからな。残念ながらもう一人の騎士シグルドは名誉の死を遂げましたが………)
(これによってアルフレッド殿下にも恩赦がかかります。誰の血も流れずに結構なことです)
(しっ、いささか不吉な話題はこの席では控えるべきでしょう)
「………っさいな。だったら黙って見てりゃいいのに」
 ぼそっとリナが呟いた。ガウリイが苦笑する。
「ま、いいじゃないか。それよりほら、式が始まるぞ」
 父親から花婿へと、花嫁の手が渡される。
 父親からしてみれば色んな意味でかなりたまんない瞬間ではないかとリナは思い、ちょっと笑った。
 花嫁と花婿が視線を合わせて、ヴェール越しに少し微笑んだ。
 壇上の神官が二人の前で祝福の祈りを捧げ始める。
 それを見て、リナは傍らのガウリイを見上げた。
「悪いわね。わざわざあんたの未来犠牲にしちゃったみたいでさ」
 その言い様にガウリイは苦笑して、リナの頭に手のひらを乗せた。
「あんまし悪いと思ってないだろ?」
「わかる?」
「まあ、いいかげん長い付き合いだしな」
「まだ続くわよ?」
「そのつもりで俺はいらないと言ったんだが?」
 リナがそっと目を伏せて、微笑んだ。
「わかってる………ありがとう」
 祭壇での儀式は宣誓の言葉へと移動していく。
 幼さの残る優しい声と少し低めの柔らかな声が交互に紡ぐ、永遠の誓い。

『ゼルガディス=グレイワーズと』
『アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンは』

『たずさえたその手を生涯違(たが)えないことを』
『共に未来へと歩み続けることを』

『お互いに誓いあいます』

   (幸せに幸せになりなさい)

『時の果て、無限の輪廻が巡ろうとも』
『いつしか再び巡り会い』
『幸福なくちづけをこの場で交わさんことを』

『ここに宣誓します』

   (もうとっくの昔に誓われているから)
   (だいじょうぶ。だから―――)

 神官が聖水を二人にふりかけ、祝福の文句を述べる。
『死が二人を分かとうとも、果てのない輪廻の先までも、この祝福されし一対、共に在ることを神に誓わん』

   (幸せに幸せになりなさい)

『この一対の糸の織りなすさまを、どうか見守りたまえ』

 ブーケが、空高く投げ上げられた――――



                                   Fin.



========================================

 お、終わりました。長かった………。こんな長い話書いたの生まれて二度目だわ(笑)。
 原稿用紙換算400枚ってもはやわけがわからない………(−−;
 読んでくださった方、大変お疲れさまでした! 同時に本当にありがとうございます!
 特に最後の方は、えらい長さになってしまって、とても読みづらかったのではないでしょうか。すいませんです。あの章はかなりトリップしてて(汗)一気に書き上げたんですけど、トリップすると適当な場所で切るのをいつも忘れてしまうのです(^^;
 何とか二つに分けようと試みたのですが、切れそうな場所がどうしても見つからず、結局そのままアップしてしまいました。
 全部書き終わってから初めて知ったのですが、ラベンダーの花言葉は「疑惑」や「不信」(笑)の他に、「あなたを待ってます」(!)というのもあるんだそうです。
 くそう、知ってたらアメリアがラベンダー抱えてシグルドの家来るシーンで絶対書いてたのにぃ(涙)。悔やんでもいまさら遅いです。事前の下調べは大事だよ、という良い教訓に………ならないか(笑)。
 スレイヤーズのキャラを北欧神話に置き換えられないかと思ったのがこの話の全ての始まりでしたが、いざ書いてみるとどこらへんが北欧神話なのか全然わからないあたりが笑えます。
 あんまり長かったので、これでよかったのかなと首を傾げるばかりなのですが、読んでみてゼルとアメリアのハッピーウェディング(笑)に満足していただければ、それがいちばん嬉しいです。
 レスつけてくださった皆さま、読んでくださった皆さま、本当に感謝です。
 予告した通り多分また近いうちに出没すると思いますが、そのときはどうかかまってやってくださいませ。
 それでは、ありがとうございました。

 桐生あきや 拝

トップに戻る
5142ええ話や−−−!!なゆた E-mail URL12/11-04:06
記事番号5141へのコメント

 ども、いきなしのハイテンション、すんまそん。
でも!ああ、でもでも!
めっちゃええお話でした!
 更新のスピードもさる事ながら、その内容にただただ引きこまれまくりです。
ゼルを「死」なせない事にこだわるアメリアと、生きている限り混乱を招く存在になってしまったゼル(シグルド)
 どうやってハッピーエンドになるんだろうと、ドキドキわくわくしながら読ませていただいてました。
 まさか、そんな手があったとわ!
 
 まとめの綺麗さっぷりに、ため息ばかりです。
 はう〜。見習おう。

 感想苦手なので、乱文ですが失礼しました。

なゆた

トップに戻る
5144ありがとうございます!!桐生あきや 12/11-07:16
記事番号5142へのコメント


 レスありがとうございます〜!
 このレスがついてくる瞬間がいちばん幸せです(^^)

> ども、いきなしのハイテンション、すんまそん。
>でも!ああ、でもでも!
>めっちゃええお話でした!
 > 更新のスピードもさる事ながら、その内容にただただ引きこまれまくりです。
 なゆたさんにそう言っていただけるなんて、嬉しくて融けそうです。あう〜。

>ゼルを「死」なせない事にこだわるアメリアと、生きている限り混乱を招く存在になってしまったゼル(シグルド)
> どうやってハッピーエンドになるんだろうと、ドキドキわくわくしながら読ませていただいてました。
> まさか、そんな手があったとわ!
 ラストのほうは、書いててご都合になっていないかちょっと心配でしたが、ハッピーエンドが大前提だったものですから、ああなりました。

> まとめの綺麗さっぷりに、ため息ばかりです。
> はう〜。見習おう。
 なゆたさんのお話もすばらしいですよう。
 HPも持たれているので大変でしょうが「あなたのいない世界で」がんばってください。

> 感想苦手なので、乱文ですが失礼しました。
 いえいえ。ほんとにどうもありがとうございました。

 桐生あきや 拝

トップに戻る
5143感動です!!ゆっちぃ E-mail 12/11-06:50
記事番号5141へのコメント

どうも初めまして!ゆっちぃと申します♪
桐生さんの『時の旋律』、連載当初からばっちりしっかり読んでたくせに感想レスなかなか付けられなかった
大ばか者です(汗)いつもならこぉぉんな素敵なお話、すぐさま飛びついて嫌というほどレスしちゃうんですけど(おい)、
何故だか今回に限り遠慮しちゃいましたι第一話でレス付けないと、それ以後付けにくくなっちゃうとゆー
変なヤツなんですよ、私って。でもまぁ、私の汚れた感想レスで桐生さんに迷惑かからなかったんでいっか(^^;)

ああ、なんか今めっちゃテンション高いです!
ラストすっごく良かったです!素敵でした〜〜〜
もにた前にて思わず涙しちゃいましたよぅ(^^;)最高です!
原稿用紙400枚にものぼる壮大で素敵な作品ですね。もはや“傑作”以外に当てはまる言葉はありません♪

長期連載終了、本当におめでとうございます&ありがとうございました(ぺこり)
ちっとも衰えない投稿スピードの速さにはもう、痛く感激してました。
いろいろ大変な時もあったと思います。本当に、お疲れ様でした。

それでは、拙い文ですがこれにて失礼させて頂きます。
次回作、楽しみにしてますね(はぁと)


では〜

<<追記>>ラベンダーの花言葉、あれいいですよねぇ!ぴったりですもんvvv
    (実は密かにゼルアメでラベンダー絡ませるの、好きだったりします♪)

トップに戻る
5145嬉しいです!!桐生あきや 12/11-07:31
記事番号5143へのコメント


>どうも初めまして!ゆっちぃと申します♪
 初めましてです。レスどうもありがとうございます。
 ああ、私ってば何て幸せ者なんでしょう。

>桐生さんの『時の旋律』、連載当初からばっちりしっかり読んでたくせに感想レスなかなか付けられなかった大ばか者です(汗)
>いつもならこぉぉんな素敵なお話、すぐさま飛びついて嫌というほどレスしちゃうんですけど(おい)、何故だか今回に限り遠慮しちゃいましたι第一話でレス付けないと、それ以後付けにくくなっちゃうとゆー変なヤツなんですよ、私って。でもまぁ、私の汚れた感想レスで桐生さんに迷惑かからなかったんでいっか(^^;)
 そんな! 遠慮なんかしないでください。レスまみれなことほど嬉しいことってないですから、めいっぱい汚してやってください(笑)。

>ああ、なんか今めっちゃテンション高いです!
>ラストすっごく良かったです!素敵でした〜〜〜
 実は余章の方で、ラストに余韻を持たせるために、削ったエピソードがあるんです。リナがイタズラ心でリナ・フレイアの肖像画のなかから現れて、二人に祝福を与えるという(笑)。しっかり神殿の描写で肖像画まで入れて伏線を張ったんですが、結局削ってしまいました。
 
>もにた前にて思わず涙しちゃいましたよぅ(^^;)最高です!
 ありがとうございます。すごく嬉しいです。
>原稿用紙400枚にものぼる壮大で素敵な作品ですね。もはや“傑作”以外に当てはまる言葉はありません♪
 そ、そんな……。そこまで言っていただけるなんて……。あううう(感涙)。
 なんだか畏れ多いです。

>長期連載終了、本当におめでとうございます&ありがとうございました(ぺこり)
>ちっとも衰えない投稿スピードの速さにはもう、痛く感激してました。
 レスついているのを見ると、待ってくれてる早く載せなきゃ(はぁと)って思うんですよね。大抵は完結のメドがたってから投稿を始めますので、アップだけは早いのです。嵐のように現れては去っていくという(笑)。

>いろいろ大変な時もあったと思います。本当に、お疲れ様でした。
 20章でシグルドに言うこときかせるのが一番大変でした(笑)。

>それでは、拙い文ですがこれにて失礼させて頂きます。
>次回作、楽しみにしてますね(はぁと)
 精一杯がんばらせていただきます(^^)

><<追記>>ラベンダーの花言葉、あれいいですよねぇ!ぴったりですもんvvv
>    (実は密かにゼルアメでラベンダー絡ませるの、好きだったりします♪)
 ラベンダーはホントにただの思いつきだったのですが、あの花言葉はかなりツボでした。もっと早く知ってれば〜。
 それでは。

 桐生あきや 拝

トップに戻る
5148えぇー話っすぅぅぅぅぅぅっっっ(号泣)早坂未森 URL12/11-14:23
記事番号5141へのコメント

はじめましてー、ですよねぇっ。
早坂未森ともーします、読まさせていただきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・ええ話っす。
ええ話っすーー(泣
すごいです。
特に最後の結婚式。
アメリアー、ゼルガディスー幸せになるんだぞぉぉぉぉう(泣
さりげなくガウリナ入ってるしーっ
あーもう、師匠と呼ばせてくださいっ!(何人目だおまい
それかお姉様と呼ばせてくださいーーー!!!!!
次回作楽しみにしてますぅっ
でわ!!!

トップに戻る
5159嬉しいですぅぅぅぅぅぅっっっ(感涙)桐生あきや 12/11-23:15
記事番号5148へのコメント


>はじめましてー、ですよねぇっ。
>早坂未森ともーします、読まさせていただきました。
 どうも初めまして〜。桐生と言います。
 こんな長い話読んでいただいてありがとうございます!

>・・・・・・・・・・・・・・・・・ええ話っす。
>ええ話っすーー(泣
>すごいです。
 うあああ(///)
 どうしよう。皆さまからのレスを読んで舞い上がって降りてこれなさそうです。
 嬉しいですぅ(T−T)。

>特に最後の結婚式。
>アメリアー、ゼルガディスー幸せになるんだぞぉぉぉぉう(泣
 あれはほとんど本来のスレではなしえない、桐生の願望の塊ですね(^^;

>さりげなくガウリナ入ってるしーっ
 混ぜちゃうんですよねえ、桐生は。どうしても。
 宿命でしょうかね(苦笑)。

>あーもう、師匠と呼ばせてくださいっ!(何人目だおまい
>それかお姉様と呼ばせてくださいーーー!!!!!
 そ、そんな。もっと他に良い方いますよう(オタオタ)。
 何もこんなん師匠にすることはないですって(笑)。

>次回作楽しみにしてますぅっ
 これからもかまってやってくださいませ。
 節操ナシなんで、突発的にガウリナやゼロリナを書くことがあるかもしれませんが(^^;
 当分はゼルアメの予定です。
 それでは。レスほんとに感謝です。

 桐生あきや 拝

トップに戻る
5152がーん!終わっとるがなー!!(><)雫石彼方 E-mail 12/11-18:49
記事番号5141へのコメント

ちょーっと来ない間に終わってしまっていて、かなりショックでした(泣)しかもレスつけるの、たくさんの方に先を越されてしまった!!あうあう。

でもでも、よかったですよ!!最初から最後まで、本当に綺麗なお話でした!!こんなに素晴らしい作品書けるあきやさんを尊敬しちゃいますよ、マジで!!感動しました〜!!(><)

近いうちにまたお話をアップされるということなので、楽しみにお待ちしていますvほんとにほんとに、素敵なお話をありがとうございました!






トップに戻る
5160ああっ、すいませんすいませんっ(汗)桐生あきや 12/11-23:23
記事番号5152へのコメント


>ちょーっと来ない間に終わってしまっていて、かなりショックでした(泣)しかもレスつけるの、たくさんの方に先を越されてしまった!!あうあう。
 ああっごめんなさい!
 分けてアップすると終わりと勘違いされそうだったので、2章続けてアップしちゃいました。
 お詫びといってはなんですが、次回のゼルアメのラブラブな会話は雫石さんに捧げさせてくださいな。いつ投稿するのかは未定ですが(^^;

>でもでも、よかったですよ!!最初から最後まで、本当に綺麗なお話でした!!こんなに素晴らしい作品書けるあきやさんを尊敬しちゃいますよ、マジで!!感動しました〜!!(><)
 きゃああっ、綺麗って言っていただけるなんて(感激)。
 すっごく嬉しいです〜!
 雫石さんも毎回レスつけてくださって、ほんとにありがとうございました。
 桐生はすごく幸せです。

>近いうちにまたお話をアップされるということなので、楽しみにお待ちしていますvほんとにほんとに、素敵なお話をありがとうございました!
 雫石さんも「光について」がんばってくださいね。
 こちらこそ、ありがとうございました。
 それでは。

 桐生あきや 拝

トップに戻る
5153ありがとうございます!あごん E-mail 12/11-18:52
記事番号5141へのコメント

桐生さま、長期連載大変お疲れ様でした!
今、一番言いたい言葉は、
「ありがとうございます!」
なのです。
 
こんなに素敵で、幸せで美しい小説を読めて、私っ!
本当にうれしいです!
だから、もう一度。
ありがとうございます!

みんな幸せで良かったですぅっ!
ガウリイも最後でオイシイ役目を貰ったし(うふ)。
↑まー、所詮ガウリナ女なので(苦笑)。

アメリアもゼルガディス(シグルド)も、幸せで嬉しいです!
ゼルアメって苦手だったんですけど、これを機に読もうかと思っております。
(とゆーか、私ってば原作アメリアが好きなので・・・。変わってますよねぇ?)

なんか興奮気味なので、マトモな文が書けませんが(とほー)。
とにかく、本当にお疲れ様でした!
ではでは、あごんでした!
↑・・三度目のレスです(苦笑泣)。

トップに戻る
5161こちらこそ、ありがとうございます桐生あきや 12/11-23:36
記事番号5153へのコメント


>桐生さま、長期連載大変お疲れ様でした!
>今、一番言いたい言葉は、
>「ありがとうございます!」
>なのです。
 そんな、こっちのほうこそ「ありがとうございます」って言いたいですよ。
 
>こんなに素敵で、幸せで美しい小説を読めて、私っ!
>本当にうれしいです!
>だから、もう一度。
>ありがとうございます!
 誉めすぎですよう。ああ、でもホントに嬉しいです。
 こちらこそ、もう一度ありがとうございます! 

>みんな幸せで良かったですぅっ!
>ガウリイも最後でオイシイ役目を貰ったし(うふ)。
>↑まー、所詮ガウリナ女なので(苦笑)。
 みんな幸せって大事なことですよね。
 私も最初はガウリナだったはずなんですけど……あれ?(^^;
 桐生の基本は、ガウリナでゼルアメな四人組なんで、そのうちまたガウリナを書き出すかもしんないです。ああ、節操なし……(笑)。

>アメリアもゼルガディス(シグルド)も、幸せで嬉しいです!
>ゼルアメって苦手だったんですけど、これを機に読もうかと思っております。
>(とゆーか、私ってば原作アメリアが好きなので・・・。変わってますよねぇ?)
 どちらかというと、私はアニメよりですかねぇ……。というかアメリアの口調がもはや完全にアニメの方に浸食されてしまっているクチでして……それ以外で喋ってくんないです(苦笑)。
 でも原作のリナに遠慮のないアメリアも好きです。なんか対等の友人って感じがしますよね。アニメでは妹分的なところが多いですけど。

>なんか興奮気味なので、マトモな文が書けませんが(とほー)。
>とにかく、本当にお疲れ様でした!
>ではでは、あごんでした!
>↑・・三度目のレスです(苦笑泣)。
 三度も書き直していただいたなんて……。ますます、ありがとうございます。
 また出没すると思いますので、そのときはどうか温かい目で見てやってください(笑)
 それでは。

 桐生あきや 拝

トップに戻る
5157うにょうわぁぁぁぁぁっ!(絶叫)ねんねこ E-mail URL12/11-22:27
記事番号5141へのコメント


ねんねこです。お久しぶりです(汗)
ちゃんと読んでたんですけれど、なかなかレスが遅れなくて、気がついたらもう終わってました(汗)
すごくよかったです!
構成がしっかりしててすっかり惚れ込んでしまいました(><)
師匠と呼ばせてください(笑)
それにしても早い更新も素晴らしいです(^^;)
のろのろ更新のねんねことは大違い……
とにかく今言える事は『凄い』と『お疲れ様でした』です。
短いですが、このへんで。
今までレスかけなくてごめんなさい(><)
ではではねんねこでした。

トップに戻る
5162おにょおわぁぁぁぁぁっ!(さらに意味不明)桐生あきや 12/11-23:46
記事番号5157へのコメント


>ねんねこです。お久しぶりです(汗)
 おひさしぶりです。お元気でしたか?

>ちゃんと読んでたんですけれど、なかなかレスが遅れなくて、気がついたらもう終わってました(汗)
 読んで下さってありがとうございますv
 何せ更新のスピードだけは速いんで(笑)。

>すごくよかったです!
>構成がしっかりしててすっかり惚れ込んでしまいました(><)
>師匠と呼ばせてください(笑)
 そ、そんな……。私の方こそ、ねんねこさんを師匠と呼ばせていただきたいですよ〜。

>それにしても早い更新も素晴らしいです(^^;)
 ほとんど書き終わってから投稿を始めるもので……(^^;
 でないと途中で止まってアップを止めそうで怖いのです(笑)。

>のろのろ更新のねんねことは大違い……
 人それぞれですよ(笑)。
 それに早く更新されると楽しみが減っちゃうこともあるんですから。……って私が言うセリフじゃないかもしんないですけど(^^;

>とにかく今言える事は『凄い』と『お疲れ様でした』です。
>短いですが、このへんで。
>今までレスかけなくてごめんなさい(><)
 あやまることなんてないです。
 何たって、いまが一番大変な時期ですからね。
 ほんと、ねんねこさんもお疲れさまです。がんばってくださいね。

>ではではねんねこでした。
 ありがとうございます〜!
 よろしければまたお逢いしましょう。
 それでは。

 桐生あきや 拝

トップに戻る
5163おつかれさまでしたーっ♪ゆえ 12/11-23:59
記事番号5141へのコメント

完結おめでとうございますっ。おつかれさまでした。

なかなか続きが読めなかったので、気になって気になって仕方がなかったですぅ。

アメリアもゼルも途中はどうなることかと思いましたが、最後のあの結婚式の場面で泣けてきました。
そしてリナとガウリイの会話。
それぞれがそれそれの思いを胸にこれからも生きていって欲しいと思います。

そしてなにより今回の隠れ主役とかってにおもってるフィリア・ノルン。
いやー大活躍といいますか、かっこいいです。
オリキャラ化してるっておっしゃってましたが、あれっとフィリアの正確そのままだった様な気がします。それを特出させたのが、ウルド、ヴェルダンディ、スクルドだと思います。

北欧神話というテーマで、こんなすてきな話にまとめ上げられたあこんさんに拍手をお送りしたいと思います。

次回作も期待して楽しみにしています。

さぁ、自分のもがんばろっと。

トップに戻る
5165いえいえどうもですー♪桐生あきや 12/12-00:17
記事番号5163へのコメント


 こんばんわ。桐生です。

>完結おめでとうございますっ。おつかれさまでした。
 ありがとうございますっ。

>なかなか続きが読めなかったので、気になって気になって仕方がなかったですぅ。
 パソ禁止令はツライですよね……。
 そんななかどうもありがとうございますv

>アメリアもゼルも途中はどうなることかと思いましたが、最後のあの結婚式の場面で泣けてきました。
>そしてリナとガウリイの会話。
>それぞれがそれそれの思いを胸にこれからも生きていって欲しいと思います。
 みんな幸せって大事ですよね。

>そしてなにより今回の隠れ主役とかってにおもってるフィリア・ノルン。
 彼女とルナは今回の影の主役ですね(^^;

>いやー大活躍といいますか、かっこいいです。
 まさか最後あれほど出ばるとは、桐生自身も全然思ってみませんでした。

>オリキャラ化してるっておっしゃってましたが、あれっとフィリアの正確そのままだった様な気がします。それを特出させたのが、ウルド、ヴェルダンディ、スクルドだと思います。
 そう言っていただけると嬉しいです。
 ウルドはともかく、ヴェルダンディとスクルドにフィリアらしさが出ていたか心配だったので。
 フィリア・ノルンと放浪中のヴァルガーヴで何か書けないかなあ……。でも重くなりそうだなあ(^^ゞ

>さぁ、自分のもがんばろっと。
 ゆえさんのお話もすてきですよう。がんばってくださいね。
 それでは、これから天空歌集のほうにレスしにいってきます(笑)。
 桐生あきやでした。

トップに戻る
5166お疲れ様ですっ!!!!水晶さな E-mail 12/12-00:18
記事番号5141へのコメント


 大長編完結おめでとうございます〜!!
 いやもう最後は泣けるばかりのハッピーエンド!! 感動&堪能させて頂きました_(._.)_
 アメリアの為に皆が頑張る所が素敵です・・・愛されてるんですねやっぱり。
 あと個所個所に挿入されていた歌詞がやっと判明しました(遅っ!!)
 aikoの「桜の時」だったんですねー(^^) 可愛らしくてアメリアにぴったりですっ(握り拳)。
 歌詞挿入すると、不思議とBGMがバックに流れるようで・・・(かなり頭が危険)。
 ワケわからない感想でスミマセン(汗)。
 とにかくお疲れ様でした。そして良い物を読ませて頂いてありがとうございましたっ。
 又書かれるのを楽しみにしております。それでは。

 水晶さな拝

トップに戻る
5167感謝感激です!桐生あきや 12/12-00:44
記事番号5166へのコメント


 レス返しをひとつ終えるたびに、新しいレスがついている状態です。
 わたしってつくづく幸せ者ですね……。
 読んでいただいて、ほんとに感謝です。

> 大長編完結おめでとうございます〜!!
> いやもう最後は泣けるばかりのハッピーエンド!! 感動&堪能させて頂きました_(._.)_
> アメリアの為に皆が頑張る所が素敵です・・・愛されてるんですねやっぱり。
 隠れたサブテーマが「いかに溺愛されてるか」ですから(嘘です)。

> あと個所個所に挿入されていた歌詞がやっと判明しました(遅っ!!)
> aikoの「桜の時」だったんですねー(^^) 可愛らしくてアメリアにぴったりですっ(握り拳)。
 あう、しまった紹介するの忘れてました(汗)。ごめんなさい。
 私的にあれは「どこでもいっしょ」のトロの歌(笑)なんですが(CMがかなり好きなもんで)。一番がガウリナで、二番がゼルアメって感じだわっ。んでもってサビは二人ともねっ、と勝手に盛り上がっております(^^;

> 歌詞挿入すると、不思議とBGMがバックに流れるようで・・・(かなり頭が危険)。
 実は私も、ねんねこさまの「黒い翼を持つ天使たち」を読んでから、「犬夜叉」見るたびに、それしか頭に浮かびません(笑)。犬夜叉はEDも何気にゼルアメなんですよね、個人的に。

> とにかくお疲れ様でした。そして良い物を読ませて頂いてありがとうございましたっ。
 こちらこそですっ。さなさんの小説いつも堪能させていただいてます。

> 又書かれるのを楽しみにしております。それでは。
 うああっ、ありがとうございます!
 どうしよう、舞い上がったまんまで、ほんとに足が地上に戻ってこれるのかしら(笑)。

 桐生あきや 拝

トップに戻る
5172格好いいです。穂波 E-mail 12/12-01:48
記事番号5141へのコメント

初めましてになりますでしょうか?

穂波と申します、まずは一言、素晴らしいおはなしをありがとうございました。

最初はミニスカートのアメリア〜などと浮かれていたのですが、ストーリーが進むにつれ、その深さにうっとりでした。

ゼルも相変わらず朴念仁でゼルらしく、リナは最初(え、シフってえーと髪盗まれてはげになる女神だよね・・・?<何かが違う)などととぼけていたことを考えていたのですが、とても彼女らしく生き生きとした女神様でしたし、運命の糸を操るフィリアも良かったです〜。
最後のアメリアの愛されっぷりは、見ていて幸せでした。
うんうん、いい子ですからね、幸せになって欲しいと私も願ってしまいます。

とにかくいいもの読ませてくださり有難うございました!

(個人的に前世のラヴェンダーの別れのシーンが、綺麗でとても好きです<って悲恋マニアか、私・・・いえ、ちゃんと幸せが待っていると思えばこそです・・・汗)

トップに戻る
5176ありがとうございます桐生あきや 12/12-08:50
記事番号5172へのコメント


>初めましてになりますでしょうか?
 はい、初めましてです。桐生あきやと言います。
 レスもつけていない不心得者ですが、穂波さんのお話読ませて頂いてます。
 少しダークな感じのゼルにうっとりしています(おいおい)。

>最初はミニスカートのアメリア〜などと浮かれていたのですが、ストーリーが進むにつれ、その深さにうっとりでした。
 最後の方はミニスカだと言うことを書いている本人も忘れていたりとか……(汗)。

>ゼルも相変わらず朴念仁でゼルらしく、リナは最初(え、シフってえーと髪盗まれてはげになる女神だよね・・・?<何かが違う)などととぼけていたことを考えていたのですが、とても彼女らしく生き生きとした女神様でしたし、運命の糸を操るフィリアも良かったです〜。
>最後のアメリアの愛されっぷりは、見ていて幸せでした。
>うんうん、いい子ですからね、幸せになって欲しいと私も願ってしまいます。
 良い子ですよね〜。いじらしくて。

>とにかくいいもの読ませてくださり有難うございました!
 こちらこそ、読んでなおかつレスまで下さってありがとうございます。
 すごく、すごく嬉しいです。

>(個人的に前世のラヴェンダーの別れのシーンが、綺麗でとても好きです<って悲恋マニアか、私・・・いえ、ちゃんと幸せが待っていると思えばこそです・・・汗)
 過去篇は書いてて、楽しかったうえに特に苦労もいたしませんでした(鬼か、桐生は……)。ハッピーエンドが大前提でしたので、どこまで悲痛に書けるかと………やっぱり鬼ですね(^^;

 それでは。レスほんとにどうもありがとうございました。

 桐生あきや 拝

トップに戻る
5190涙ぼろぼろモノでしたッ!!愛璃 12/14-16:40
記事番号5141へのコメント

始めましてこんにちは。
愛璃と申すものです。
ぢつは暴露いたしますと
今日始めてこの小説を拝見させていただいたんです・・・・ハイ。
えっと・・・あの私は実はゼルアメはあまり読まないほうだったんですね。
この話は気になってたんですけど今まで読まなかったんです。で今日は時間があるし読んでみよう♪
と軽い気持ちで読んでみたのですが・・・・・・

もぅほんとにすごい感動しました!!!
これはもぅ本当になんて言ったらいいんでしょうか。
壮大と言うのがまぁ一番しっくりとくるんですけど・・・・
本当になんだか胸がいっぱいになるようなそんな感じです。
最後の

>『ゼルガディス=グレイワーズと』
>『アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンは』
>
>『たずさえたその手を生涯違(たが)えないことを』
>『共に未来へと歩み続けることを』
>
>『お互いに誓いあいます』
>
>   (幸せに幸せになりなさい)
>
>『時の果て、無限の輪廻が巡ろうとも』
>『いつしか再び巡り会い』
>『幸福なくちづけをこの場で交わさんことを』
>
>『ここに宣誓します』
>
>   (もうとっくの昔に誓われているから)
>   (だいじょうぶ。だから―――)
>
> 神官が聖水を二人にふりかけ、祝福の文句を述べる。
>『死が二人を分かとうとも、果てのない輪廻の先までも、この祝福されし一対、共に在ることを神に誓わん』
>
>   (幸せに幸せになりなさい)
>
>『この一対の糸の織りなすさまを、どうか見守りたまえ』
>
> ブーケが、空高く投げ上げられた――――


のところが(長くてすみません)もぅほんとに涙ぼろぼろながしてました。
お疲れ様でした。
そして有難うございました!
これからも頑張ってください!!
では。

トップに戻る
5191そこまで言っていただけるなんて……(感涙)桐生あきや 12/14-23:55
記事番号5190へのコメント


>始めましてこんにちは。
>愛璃と申すものです。
 初めましてです。桐生と言います。綺麗なHNですね〜♪

>ぢつは暴露いたしますと
>今日始めてこの小説を拝見させていただいたんです・・・・ハイ。
>えっと・・・あの私は実はゼルアメはあまり読まないほうだったんですね。
>この話は気になってたんですけど今まで読まなかったんです。で今日は時間があるし読んでみよう♪
 わざわざ著者別リストの方まで行ってくださったんですか!
 ありがとうございます! こんなに長い話なのに。さぞかし読むのが大変だったのではないかと……(^^;

>もぅほんとにすごい感動しました!!!
>これはもぅ本当になんて言ったらいいんでしょうか。
>壮大と言うのがまぁ一番しっくりとくるんですけど・・・・
 そ、そんな……壮大って何もそこまですごい話じゃないですよ(汗々)。
 戦乙女なアメリアが見たいという、かなり不純な動機で書き始めた話ですから(笑)。

>本当になんだか胸がいっぱいになるようなそんな感じです。
>最後の
>
>>『ゼルガディス=グレイワーズと』
>>『アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンは』
>>
>>『たずさえたその手を生涯違(たが)えないことを』
>>『共に未来へと歩み続けることを』
>>
>>『お互いに誓いあいます』
>>
>>   (幸せに幸せになりなさい)
>>
>>『時の果て、無限の輪廻が巡ろうとも』
>>『いつしか再び巡り会い』
>>『幸福なくちづけをこの場で交わさんことを』
>>
>>『ここに宣誓します』
>>
>>   (もうとっくの昔に誓われているから)
>>   (だいじょうぶ。だから―――)
>>
>> 神官が聖水を二人にふりかけ、祝福の文句を述べる。
>>『死が二人を分かとうとも、果てのない輪廻の先までも、この祝福されし一対、共に在ることを神に誓わん』
>>
>>   (幸せに幸せになりなさい)
>>
>>『この一対の糸の織りなすさまを、どうか見守りたまえ』
>>
>> ブーケが、空高く投げ上げられた――――
>
>
>のところが(長くてすみません)もぅほんとに涙ぼろぼろながしてました。
 うあ……いまさらながら顔から火が出そうです(赤面)。
 誓いの言葉の元ネタはaikoの「桜の刻」のサビ部分だったりします。
 そう言っていただけると、ほんとに励みになります。嬉しいです。

>お疲れ様でした。
>そして有難うございました!
>これからも頑張ってください!!
 こちらこそありがとうございました。
 レスも頂けて、私はすごく幸せ者です。
 それでは。

 桐生あきや 拝

トップに戻る
5211ほんとに久々なので、忘れられてたりして(汗)あんでぃ 12/17-15:13
記事番号5141へのコメント

  こんにちは。そしてお久しぶりです!最近あまりこちらの方に来ることができなくて、ゆえにこんな最後の最後でレスる事になってしまった事をおわびします・・・(T_T)←言い訳じみてますね・・・
  
  私は根っからのガウリナ派ですが、このお話はすごく読みやすかったです。ゼルアメ派もいいもんですねぇ・・・・
  連載ものは続きが気になるっちゃってもう!授業もそっちのけ♪(とかいって私i-モードじゃない/汗)
  あきやさんの連載はもう煤i>o<)何か呪文でもかかってるんじゃないですか?惹かれるようなものがあるんですが・・・・

  久々に来ておいてこんなしょぼいレスで本当に恐縮です!!そろそろ冬休みですし、これからはたくさんレスりますので、またお話書いてくださいね!
  期待して待ってます!うふふふふふふ・・・・(←怖っ)
  
  それでは!!あんでぃでした・・・・買ニ(^▽^)

トップに戻る
5218いえいえ、そんなことありえないですって(^^)桐生あきや 12/17-23:53
記事番号5211へのコメント


> こんにちは。そしてお久しぶりです!最近あまりこちらの方に来ることができなくて、ゆえにこんな最後の最後でレスる事になってしまった事をおわびします・・・(T_T)←言い訳じみてますね・・・
 お久しぶりです〜! お元気でしたか?
 レスありがとうございます!
 すっごく嬉しいです。お詫びなんて全然いりませんよ♪
 ひとそれぞれです(←もうすぐ私も似たような目に遭いそうなので、保険・笑)

> 私は根っからのガウリナ派ですが、このお話はすごく読みやすかったです。ゼルアメ派もいいもんですねぇ・・・・
 おかしいなあ、最初はガウリナだったのに私……(笑)。
 でも私の場合、どっちだろうと必ずガウリナでゼルアメになるんです(^^;

> あきやさんの連載はもう煤i>o<)何か呪文でもかかってるんじゃないですか?惹かれるようなものがあるんですが・・・・
 入れ食いの呪文の小説バージョン(笑)。あったら世の作家さん大喜びでしょうねえ(笑)。
 きっとあんでぃさんと桐生の波長があったのでしょう(勝手に決めるな)。

> 久々に来ておいてこんなしょぼいレスで本当に恐縮です!!そろそろ冬休みですし、これからはたくさんレスりますので、またお話書いてくださいね!
> 期待して待ってます!うふふふふふふ・・・・(←怖っ)
 ひとそれぞれの意味………そう、冬休みなんです。寮が閉鎖されてしまうので、実家に帰らねばならぬのです(−−;
 実家は離島(笑)。簡単にネットができません、あう。
 そのため、次にアップする予定の話をどうしようか迷ってます。今アップすると確実に帰省期間をはさんでしまうんで……。
  
 レスほんとにどうもありがとうございました♪
 よろしければまた、お逢いしましょう♪
 それでは。

 桐生あきや 拝

inserted by FC2 system