◆−過激な体育祭−ねんねこ(9/10-02:12)No.4244
 ┣素敵v−雫石彼方(9/10-04:49)No.4246
 ┃┗そう言って頂けると……嬉しい限りですvv−ねんねこ(9/11-00:11)No.4253
 ┣短編久しぶりですね。−桜井  ゆかり(9/10-10:25)No.4248
 ┃┗久しぶりですね……でもやっぱり少し長い短編ですね−ねんねこ(9/11-00:10)No.4252
 ┃ ┗でも、面白いからOK−桜井  ゆかり(9/11-18:43)No.4257
 ┣Re:過激な体育祭−笹森 明日香(9/13-19:19)NEWNo.4264
 ┃┗遅くないですよ〜。大丈夫です^^−ねんねこ(9/13-21:29)NEWNo.4270
 ┗ゼルすごかったです!!−緑原実華(9/15-17:17)NEWNo.4303
  ┗Re:ゼルすごかったです!!−ねんねこ(9/15-18:08)NEWNo.4309


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4244過激な体育祭ねんねこ E-mail 9/10-02:12


ねんねこです。実はこのお話、とある方の投稿BBSに投稿したんですが、あまりにも、ねんねこが『禁断の宝石』の番外編に詰まっているので、問答無用にこちらにも投稿しました(死)。あああ、すみません。石投げないで……
久しぶりに学園ものです。
考えていたものとは違うものになりましたが……何も言わずに読んでください。
では。

『過激な体育祭』

 ディルス王国領シグムーン・シティ。
 街の郊外には、巨大な敷地と建物があった。
 私立あぜりあ学園。
 現代の五賢者が一人、赤法師レゾが理事長を務める、中等部から大学部、果ては大学院まである超巨大学園である。
 この話は、入学すれば性格が変わるとまで謳われたこの学園の生活を赤裸々に描いたものである。


 九月。
 一年の学校行事の中、唯一運動部が盛り上がる行事――体育祭。毎年、文化祭が十一月に行われるため、あぜりあ学園では体育祭を十月ではなく、九月に行っていた。
 その体育祭が行われる二日前。
 すべてはその日が始まりだった。


「チーム対抗リレーの代役?」
 高等部二年B組の教室にそんな声が響き渡った。あからさまに嫌そうな顔をする男に向かって、頼んできた一つ年上の生徒はぱん、と手を叩いて頭を下げた。
「今更こんなこと頼めんの、あんただけなんだ、頼むっ!」
 言われて、ゼルガディス=グレイワーズは嘆息して天井を見上げた。黒い髪に白い肌、藍青色の瞳を持つ青年である。
「そう言われてもな。こっちも色々忙しいし……生徒会とか」
 あぜりあ学園の中等部と高等部の数名の生徒で構成された生徒会。ゼルガディスはその生徒会の会長だった。とはいっても、別になりたくてなったわけではない。頭脳明晰、スポーツ万能(ただし水泳以外)ルックスもいいし、人気もある(あまり関係はないが)。その上、理事長の孫であり、次期あぜりあ学園理事長(本人にその気はない)ということで、高等部に進学したと同時に『生徒会長はお前しかいないっ!』と生徒の大半に推薦されて、問答無用で祭り上げられたのだ。
「生徒会? 仕事なんかあんのか?」
「いや、まあ、いろいろとな」
 お茶を濁すように答える。本当は別に仕事という仕事はないのだが、単にめんどくさいのである。
 チーム対抗リレーといえば、体育祭の取り。大逆転を狙える最後のチャンス。一番の盛り上がりの部分である。生徒全員の視線を浴びて、自分に当てられた距離を走るなんて嫌だった。
 頼んできた生徒が、顔を顰めた。
「……でも青チームはゼロスが出るって聞いたぞ? 副は良いのか?」
「絶対出ない。以上。さっさと帰ってくれ」
 即答し、しかも一気に台詞を言って、ゼルガディスはそのまま教室の入り口を指差す。
 と。
「嫌だなぁ、ゼルガディスさん。もしかして僕と勝負して負けるのが怖いんですかぁ?」
 ぺしいっ!
 こめかみを思いっきり引きつらせて、ゼルガディスは近くの席に座って読書をしている生徒を見た。
 おかっぱの黒い髪、普段はあまり見せることのない紫色の瞳。生徒会副会長。ゼルガディスにとっては、中等部からの腐れ縁、死んでもトモダチになりたくない奴ベストワンの男。ゼロスである。
 嫌味ったらしくゼロスは言って鼻を鳴らした。
「そうですよねぇ。僕に負けるところを皆さんに、特にアメリアさんに見られるの嫌ですものねぇ」
 その言葉にゼルガディスは笑った。ただし、声のみ。目は全く笑っていない。
「はっはっはっはっ、面白いこと言うな、ゼロス。誰が誰に負けるって? 俺がお前に負けるわけないだろ?」
 その言葉にただ1人反応した者がいた。
 ゼロスではない。ゼルガディスに代役を頼んできた生徒だった。
 ぽん、と手を叩き、嬉しそうな顔をする。
「をを! そーか、引き受けてくれるんだな? つーか、そういう感じの台詞だったな、今の。というわけで決定だ。頼んだぞ」
「へ? あ、いや、ちょっと!?」
 慌てて否定しようとしたゼルガディスの肩をぽんぽん叩き、生徒はしきりに頷いた。
「ちなみに言い忘れていたが、君はアンカーだ。ゼロスとの直接対決。やったな、よかったな。
 つーわけで頼んだ。じゃあこれで」
「をいコラちょっと待てよおい」
 生徒はあっさりとゼルガディスを無視し、軽快なステップさえ踏んで教室を出て行く。
 呆然と佇むゼルガディスの肩をやはり中等部からの腐れ縁であり、幼なじみの1人のアルフレッドがぽん、と叩いた。
「ちなみに赤チームのアンカー、僕なんだ。よろしくね、ゼル」
「な・に・が・よ・ろ・し・く・な・ん・だぁぁぁぁ!?」
 青筋を立てて、ゼルガディスが絶叫した。


 学園裏の自宅の屋敷に戻って、事のあらましを説明したところ、返ってきたのは少女の爆笑だった。
「そんなに笑うこたぁねーだろ、アメリア」
 半眼で、腹を抱えて、ソファーをばしばし叩きながらなおも笑いつづける少女を見る。
「だって、ゼルガディスさんらしいって言うかなんというか……」
 蒼い瞳ににじんだ涙を擦りつつ、少女は言った。
 アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。中等部に通うゼルガディスのもう1人の幼なじみであり、アルフレッドの従妹である。
 中等部に入学するに当たって、アメリアの祖父エルドランの旧友である赤法師レゾが、彼女を引き取ったため、ゼルガディスは彼女と一つ屋根の下で生活していた。
 そこまでは、アメリアを密かに(?)想っているゼルガディスにとっては、最高の環境であったのだが――
「ゼルガディスさんって、自分でめんどくさい仕事作るの得意なんですよね」
「やかましい、ゼロス。だいたい元はお前のせいだろうが」
 私服に着替えて、2人がいるリビングに入ってきたゼロスをゼルガディスは睨みつけた。
 そう。何故かゼロスまでこの屋敷に住んでいた。赤法師レゾ――というより、彼の中で彼と共存をしている魔王シャブラニグドゥの命令で、ゼロスは魔族のくせにあぜりあ学園に入学させられた。(噂では、誰でもよかったので、魔王の腹心たちがゲームをして、負けた腹心が部下を一人生贄にした、とある)それ故、クラス場所をレゾが提供したのだ。
 ただでさえ、犬猿の仲のゼルガディスとゼロス。二年前、アメリアがこちらに着てからそれが更に酷くなった。どうやら、アメリアが関わっているらしいのだが。
 余談だが、アルフレッドはアメリアとは違い、屋敷には住んでいない。『一人暮らしがしてみたい』というたっての希望があったのだ。
 ゼルガディスとゼロスの睨み合い。室内に広まった険悪な雰囲気を紛らわすためにアメリアが言った。
「でもでもっ! これでリレーが混戦になりましたね! アンカー三人ともとっても足が速いですし」
「……とは言ってもなぁ」
 ぼやくように言ったのはゼルガディス。
「200メートルだろ? 結構長いぞ、短距離派としては」
 ちょっと辛いんだよな、とぼやくゼルガディスにゼロスが笑って言う。
「ゼルガディスさん、逃げ足が速いだけですもんね」
「瞬発力がある、と言ってもらいたいな」
 更に睨み合い。さっきにも増して、険悪なムードになってアメリアは額に一筋の汗を流した。
「と……とにかく頑張ってくださいね。わたし、応援してますから」
 何気なく言ったアメリアの言葉を聞いて、睨み合いをしていたゼルガディスとゼロスが同時にアメリアを見た。やはり、同時に尋ねる。
『どっちを応援するんだ(ですか)?』
「あうあ」
 その場の状況で『両方とも』とは言えず、アメリアはただうめくのみだった。


 ぱんっ! ぽぽぽんっ!
 シグムーン・シティの空にそんな音が響き渡る。
 体育祭当日。
「アメリア、おはよー!」
 後ろから声を掛けられて、アメリアは後ろを振り返った。そこにいたのは、ジャージ姿の栗色の髪の少女。アメリアとは学年が一つ違う、リナ=インバースである。アメリアはにっこりと笑った。
「おはようございます、リナさん」
「聞いたわよ、アメリア。大変ねぇ、あんたも」
 まるで、世間話をするようなリナの言葉にアメリアはきょとんとした顔をした。
 首を傾げ、尋ねる。
「何がですか?」
 アメリアの問いに今度はリナが怪訝な顔をする。
「……もしかして知んないの? チーム対抗リレーのこと」
 その言葉にアメリアはああという風に手を打った。
「ゼルガディスさんとゼロスさんのことですね。そうそう大変だったんですよ。特に昨日の夜から。
 いがみ合いはいつものことなんですけど、昨日はいつもの倍以上に酷くって」
 今朝も別々に登校してったんですよ、と言うアメリアにリナは沈黙した。その様子にアメリアが再び首をかしげる。
「どうしたんですか? リナさん」
「……あー、なんでもないのよ。知らないわけね、要するに」
 手をぱたぱた振るリナにアメリアは眉をひそめた。
『何をですか?』
 と問い詰めようとして――
「アメリア」
 突然呼ばれてアメリアは首だけ後ろに向ける。やはりジャージ姿のゼルガディスが呆れた顔をして腰に手を当て、立っていた。
 制服姿のアメリアに嘆息する。
「お前、まだ制服着て……さっさと着替えて来い。記録班が待ちくたびれてるぞ」
「うにゃっ!? まずいですっ!」
 アメリアが慌てて女子更衣室の方に向かって駆けて行った。生徒会書記担当の彼女は体育祭記録班の責任者なのだ。
 途中で何度か転びそうになるアメリアを見送って、リナが、やはり彼女を心配そうに見送るゼルガディスに向かって声をかけた。
「聞いたわよ、ゼル」
 ゼルガディスはその言葉だけですべて分かったようだった。
「さすがに情報が早いな。昨日の今日だぞ」
 言われてリナがふふんと鼻を鳴らした。
「ったり前でしょ!? 一応中等部新聞部部長よ、あたしは」
 さして大きくもない胸に手を当て、得意げに言う。
「でもさー、あんたも思い切ったことしたわねー」
「……絶対あいつにだけは負けるわけにゃいかんからな」
 苦虫を噛み潰したような表情でゼルガディスは呟いた。


 体育祭は順調に進んでいった。
 途中、パン食い競争で、リナが狙っていたチョココロネを他の生徒に取られ、激怒して魔術でぶっ飛ばした、とか、借り人競争で『恋人にしたい異性』という命令でアメリアを連れて行った二人の男子生徒が、ゴールした後に生徒会長及び副会長にぼこぼこにのされたなどという微笑ましいエピソードもあったが。
 なんだかんだ言って、赤、青、白、3チームとも団子状態で種目はどんどん進んでいき――
 ついに最後の種目がやってくる。
 記録班の席に座っていたアメリアを見つけて、リナは彼女を呼びつけた。リナには色々と思惑があったのだが、アメリアはそれも知らずにとことこと寄って行く。
「どうしたんですか? これからみんなの応援しなくちゃならないんですけど」
「みんなって、あの3バカトリオのことでしょ?」
 ゼルガディス、ゼロス、そしてアルフレッド。中等部からずっと同じクラスで、いつも学園内では3人でつるんでいるため、リナは彼らを『3バカトリオ』と命名していた。
 リナがぱたぱた手を振った。
「なら、特等席があんのよ。すっごくイイ感じの席なの」
 その言葉にアメリアが嬉しそうな顔をする。
 アメリアが応援しようとしていた席では、あまり走っているところが良く見えないのだ。
「どこですか!?」
「行きたい? 連れてってあげようか?」
「はいっ!」
 アメリアの答えにリナが満足げに頷いた。そして、指をぴっ、と立てる。
「スリーピング♪」
 リナの突然の呪文に、アメリアはあっさりと眠りに落ちた。


「賭けをしませんか?」
「賭け?」
 ゼロスの提案にゼルガディスは訝しげな表情を浮かべた。ゼロスが頷く。
「明日のリレー、勝った方が一ヶ月間アメリアさんを独り占めというのはどうです」
「却下」
 即答してゼルガディスはゼロスを見る。
「……あのなぁ、お前、リレーがどういうものか、わかって言ってるのか?」
 呆れたように呟く。頭を掻きながら、続ける。
「いいか。リレーって言うのは団体戦だぞ? 前の奴らが遅かったら思いっきり不利じゃないか」
「特にゼルガディスさんの方はね」
 言われて、ゼルガディスはぐっ、と詰まった。
 昼間、バトンの受け渡しの練習に行って、そこで聞いたのは代役の理由だった。
 何でも、チームの要である2人の選手が、どちらがアンカーをやるかで大喧嘩。そのままつかみ合いの乱闘にまで発展し――
 その結果。
 二人の生徒は両方とも病院送り。どうやらどちらとも相手を蹴落とそうとしたらしく、怪我は全治3ヶ月で、2人とも仲良く足を骨折していたらしい。
『まあ、優勝しようと思ってないしね』
 などと自分を勧誘しに来た生徒に言われた時は、『勝つ気がないなら俺に頼むなよ』と、ため息が出るよりも前に足が出ていた。のた打ち回って全身で床掃除をしてくれていたが、顔面を蹴り上げただけなので、走るのに支障は出ないだろう。
「で、どうするんですか?」
 再度のゼロスの問いにゼルガディスは呟いた。
「ヤだって」
 その答えにゼロスは頷いた。
「わかりました。じゃあ、不戦敗ということで、アメリアさんは一ヶ月僕のものです。むやみやたらとべたべた触らないで下さいね」
 ゼロスの言葉を聞いて、ゼルガディスは即座に彼の頭を拳骨で思いっきり殴りつけた。魔族なので、さしたるダメージはないだろうが。
 そのままゼルガディスが真っ赤な顔をして叫んだ。
「変な誤解を招くような言い方をするなっ! だいたいっ! 受けてもいない賭けに不戦敗もくそもあるかっ!!」
 拳骨で殴られたところを押さえながらゼロスが尋ねる。
「受けないんですか? 賭け」
「受けないって言ってるだろ、何度も。誰がするか、そんな賭け」
 即答する。それを聞いてゼロスが口の端に笑みを浮かべた。
「……やっぱりなんだかんだ言っても、僕に負けてアメリアさんを取られるのが嫌なんでしょう? そーですよね。ゼルガディスさんは所詮人間。魔族である僕に勝てるわけないですものね」
 閉じていた目を薄く開けて、ゼルガディスを盗み見る。思いっきりこめかみを引きつらせて、こちらを睨みつけている。
 後もう少しで、彼は賭けに乗る。
 そう判断して、ゼロスは更に言った。
「いやあ、僕も浅はかでしたね。人間ごときに張り合うだなんて。だいたい、明日僕が優勝したらアメリアさんもさぞかし喜んでくれるでしょうし……」
「ゼロス」
 呼ばれて、ゼロスは心の中で小躍りをした。
 内心の喜びを押さえつつ、ゼロスは白々しくゼルガディスを見る。
「何ですか? ゼルガディスさん」
「賭けに勝ったら、一ヶ月間アメリアを独り占め、だったな」
 確認を取るようにゼルガディス。
「ええ」
 笑みを浮かべて、ゼロスが頷く。
「……本当だな?」
「もちろんです」
 少しの沈黙の後、ゼルガディスが肯定した。
「ならいいだろう。ちゃんと守れよ」
「そっちこそ」
 念を押すゼルガディスにゼロスも頷いて答えた。
 俊足の生徒を一気に2人も失ったゼルガディスのチームと、ずば抜けて速いという人間はいないが、それでも並より速いという人間の集まるゼロスのチーム。
 どう見てもゼロスの有利だった。
 一ヶ月もアメリアを独り占めできたなら、少しは彼女との関係――大切な友人という微妙な関係から少しは進展できるだろう。
 リビングから出て行くゼルガディスを見送って、ゼロスは不敵な笑みを浮かべた。


「なんなんですかっ!? 一体っ!」
 目が覚めて、開口一番にアメリアがそう叫んだ。頭には、巨大なピンク色のリボンが可愛くつけられている。まるで、プレゼントの上についているラッピングのリボンのように。
 校庭正面の表彰台の上にアメリアはいた。すぐ近くにはマイクを持ったリナがいる。
 彼女の叫びに答えたのも彼女だった。
「何……って賞品」
「わたしは物ですか!?」
 反論するアメリアにリナが髪をかきあげた。
「しょーがないでしょ。ゼルとゼロスがあんたを賭けに使ったんだから。賞品は賞品らしく大人しくしてなさいな」
「賭け……?」
 首を傾げるアメリア。リナはまっすぐある一点を指差す。そこにいたのは、それぞれチームの色のハチマキとたすきをつけて、スタンバイしているアンカーたちの姿。
「詳しいことはあいつらに聞きなさい。特にゼルよ、ゼル。あいつ、職権濫用しまくってるから」
「……職権濫用って?」
 アメリアの問いにリナは答えた。
「昨日の夜、いきなりルール変更したのよ」

「聞いてませんっ! ずるいですよっ、ゼルガディスさん」
 つい先程ルール変更をリナから聞かされたゼロスがゼルガディスに詰め寄っていた。が、それに対するゼルガディスは涼しい顔をして答える。
「何だ、ゼロス? 人間ごときにゃ負けないんじゃなかったのか?」
「だからって、いきなりルール変更しますかっ!? 普通!?」
「ゼロスゼロス。ゼルは普通じゃないって」
「やかましいぞ、アル」
 ゼロスにぱたぱた手を振り、小声で囁くもう一人のアンカーをゼルガディスは半眼で睨んだ。


 広い屋敷の廊下を歩きながら、ゼルガディスは思い切り後悔していた。
 先程、ゼロスが賭けに無理にでも乗せようとしていたのはすぐにわかった。無論、こちらとしてもあんなに不利な賭けに乗るつもりはさらさらなかったのだが、考えとは逆のことを口走っていた。
 マズい。非常にマズい。
 状況はかなりこちらが不利。
 だが、負けられなかった。負けたら一ヶ月もアメリアをゼロスに貸してやらなければならない。魔族のくせにアメリアだけには妙に優しいあの男のことだ。ここぞとばかりに、顔見知り以上の関係になろうと躍起になるだろう。まあ、一度死んで来いと言いたくなるくらい鈍感なアメリアのことだ。ゼロスがよっぽどの事をしない限り、気付きもしないだろうが……彼女との関係が、幼なじみでストップしたままのこちらとしては当然面白くない。
(さて、どーしたもんか……)
 頭の中で色々と思考をめぐらす。もちろん、いかに上手くゼロスを出し抜けるか、と言う作戦を練るのだ。
 いくつもの案が浮かんでは、沈んでいき――
「……このテで行くか」
 ぽつりと呟き、にやりと笑うと、きびすを返す。
 向かうは屋敷の中の祖父の執務室。


「レッディィィィス、エンド、ジェントルメェェェェェンっ!」
 リナの声に歓声が響き渡った。隣では、大人しくアメリアがぽて、と座っていた。あまり状況を理解していなかったが、ここから逃げてリナの怒りを買うのも嫌だし、はじめに観戦しようとしていた席よりはるかに走る姿が見えそうなので、とりあえずとどまることにしたのだ。
 どうやら実況役のようだ。リナが、続けて言う。
「えー、ついに最後の種目となりましたっ! みんなが楽しむチーム対抗リレー! がっ!
 今年のリレーはいつもとちょっぴり違います! 知っている方も多いかとは存じますが、ここでルールの説明をさせて頂きますっ!」
 走るのはアンカーを含めて、全員で五人。
 スタートから第四走者まではいつもと一緒。200メートル、それぞれのコースを全力で疾走。
 そこまでは良かった。
 何故か興奮したようにリナが言う。
「が、アンカーのみルール変更っ! どんな手を使ってもオーケイ。何でもありですっ!」
『……なんでもあり……?』
 アメリアと、どうせ自分にはあまり関係のないことだとあまりルール変更を理解していなかったアルフレッドが、別々の場所でそれぞれ呟く。
「得点はアンカーにバトンを手渡した順番にそれぞれ入ります。そしてっ! アンカーが無事ゴールできた暁には、ボーナス得点が入りますっ!」
 あんまり理解できなかったアルフレッドが、ゼルガディスの体育着の端をちょいちょいと掴む。
「……どー言うこと?」
 アルフレッドの問いにゼルガディスはゼロスと顔を見合わせた。同時に答える。
『ゴールに無事たどり着ければ勝ちってこと』

 一方のアメリアは複雑な表情をしていた。
 先程の話からして、ゼルガディスとゼロスが何らかの賭けをしていることは確か。それに自分が何故か絡んでいるのもわかった。が、何でこんなルールなのかがわからない。さらに、もっとわからないのは回りの生徒の反応。
 体育祭には直接関係のない大学部の人間達まで、異様な盛り上がりを見せている。いくらなんでもおかしい。
 無意味に笑顔を浮かべているリナにアメリアは尋ねた。
「リナさん、何か隠してませんか?」
 アメリアの問いにリナは黙って苦笑いしただけだった。


 ぱぁんっ!
 スタートの合図と共にリレーとリナの実況が始まった。
 一気に駆け出していく3人の生徒。団子状態で誰が一番なのかわからないまま第二走者に代わり、青、赤、白の順で第三走者に代わった。赤と白の距離はそんなになかったものの、青が、50メートルの差を開いて独走していた。
 その様子に青チームのゼロスがにやりと笑った。
 バトンを受け取らなければ、手は出せない。2人(アルフレッドは自分には関係ないと思っているらしいので、特にゼルガディス)が、バトンを受け取る前にさっさとゴールしてしまえば、さして面倒にならずに勝てるのだ。
 しかし、思わぬことが起こった。
 最後20メートルのところで青チームの走者が派手に転げたのだ。
 結局、白チームには追い抜かされなかったものの赤チームにはあっさり追い抜かされ、最後、アンカー手前の第四走者にバトンが渡った。
 順位は相も変わらず赤、青、白の順。バトンを持った第四走者たちが残り50メートルを切った時点でゼルガディスがまず行動を起こした。
 口の中で何かをごにょごにょと呟きながら、後方に目をやる。まず、一番最初にバトンを渡す赤チームの走者。
 バトンを受け取ってアルフレッドが言った。
「お先にっ! 二人とも頑張れよ」
 本気で他人事のように言い去っていくアルフレッドにゼルガディスとゼロスは一瞬顔を見合わせる。それぞれの瞳に映る思惑。どうやら考えていることは同じのようだった。すぐにバトンを同時に受け取って、駆け出しながら、ゼロスは言った。
「まずは、部外者の始末からっ! ゼルガディスさんっ!」
 こういうときだけやけに協力的になる。
 ゼルガディスはぴっ、とアルフレッドを指差すと、そのまま指をぱちんと鳴らした。同時にあらかじめ唱えてあった呪文を解き放つ。
「よっしゃっ! メガ・ブランドっ!!」
 ぼごべぇぇぇぇんっ!
『をををををををっ!』
 地面がえぐれる。爆音と共に歓声が響く。少し興奮気味にリナが叫んだ。
「おおっと! ここでいきなりアルフレッド選手はリタイヤかぁぁぁぁっ!?」
 次第に土埃が晴れ、見えてきたのは、盛大に巻き込まれ、クレーターの真ん中で目を回しているアルフレッドの姿。
「アルフレッド選手、リタイヤの模様ですっ! 悲惨ですっ! ゼル選手、友より愛をとったぁぁぁぁっ!」
 その間にもゼルガディスとゼロスはアルフレッドを避けて、駆けていた。アルフレッドが再起不能ということを確かめると、今度はお互いに攻撃を仕掛ける。
「というわけで、ラ・ティルトっ!」
「なんのっ! そんなもので僕は倒せませんよっ!」
 ゼロスがあっさりと蒼い炎をかわす。そのまま、赤い宝石がついた木の杖を虚空から取り出すと、そのままゼルガディスの足に向かって投げつけた。足にそれが絡まり、バランスを崩しかけるが、ゼルガディスは何とか耐えて、杖の先を思い切り踏む。てこの原理を利用して、ゼルガディスは杖を掴むと、
「よくもやりやがったなのアストラル・ヴァインっ!」
 杖に魔力を込めて、振り被る。ゼロスは辛うじてそれを避ける。
 そんなこんなで、何度か攻防していくうちに、辺りは爆発音が鳴り響き、出来たクレーターも数知れず、観戦していた生徒も慌てて安全な場所に避難していった。
 いつの間にか、二人は足を止めて、意味のない戦いに全力を注いでいた。
 まるで、派手な子供のけんか。
 それが、変化したのは、ゼルガディスが何度目かのラ・ティルトをゼロスに放った時だった。
 今まで、得体の知れない魔族らしい攻撃を繰り返していたゼロスが、呪文の詠唱をした。
「そっちこそやりましたねというわけでグレイボムっ!」
 魔族が呪文を使うことは自らの存在を否定することと同値なため、決して使うことはないのだが、この程度の呪文だったら、ゼロスにとっては平気だった。先程の爆音よりも派手な音が鳴り響き、今までにないほどの土埃があがった。
 思わず、見入ってたリナが我に返って実況し始める。
「凄い爆発でしたっ! ゼル選手もリタイヤかぁっ!?」
 隣でアメリアが泣きそうな顔をしていた。
 土埃が晴れてきて、ゼルガディスが姿を見せた。地面に転がってはいない。無傷で立っていた。どうやらとっさに風の結界を張ったのだろう。この辺の機転の良さはさすがというべきだろう。
 かなり大きなクレーターが、今の爆発の凄さを物語っていた。その真ん中で、ゼルガディスが少しかかる髪の毛を汗でうなじに張り付かせ、凄絶な笑みを浮かべながら結界を解除した。
 その姿にさすがのゼロスも苦笑いを張り付かせた。
(目が据わってるんですけど……)
 周りをちらりと見回す。いくらなんでもやりすぎだった。夢中になってて気がつかなかったが。トラックに出来たいくつものクレーター。観客も自分達からだいぶ離れていた――巻き込まれることを恐れて。
 ゼロスはゼルガディスに目を向けて、恐る恐る声をかけた。
「あの……えと……ゼルガディスさん?」
「ふ、ふ、ふふふふふふふふふふ」
 ゼロスの呼びかけにゼルガディスは笑っただけだった。笑っただけだったのだが、ゼロスは全身に鳥肌がたつのを感じた。
(こ……こわひっ!)
 ゼルガディスは額に浮かんだ汗をぬぐって、ぼそりと言う。
「そうだな……勝てりゃいいとか思ってたが……やっぱり一度きっちりと決着つけにゃならんなぁ、ゼロス」
「うあ」
 ゼロスがうめく。ゼルガディスはゆっくりとゼロスに近づいていく。
「考えてみりゃあ、お前が消えりゃ、邪魔する奴はいなくなるしなぁ」
 ぽう、とゼルガディスの手の中に光が浮かぶ。
 それを遠くから見て、リナがぽつりと呟いた。
「……ゼル、キレたわねー」
 さりげなく、リナの頬に一筋の汗が流れていく。
「……何とかなんないの? 一応、あんたあれの幼なじみでしょ……?」
 ゼルガディスを指差し、尋ねてくるリナにアメリアは頭を振って、どこか遠くに視線を泳がせた。
「完全にキレたら無理。後は気が納まるまで暴走するのみです」
「うあ。賭けが」
 頭を抱えて、リナが言った。
その直後、ひときわ大きい爆発と閃光があぜりあ学園を包んだ。


「全く……なんてことしたんですか!? あなた達は」
 刺々しい口調のレゾの執務机をはさんだ向こうで、制服に着替えたゼルガディスとゼロスは、それぞれ違う方向に視線を泳がせた。
「『最後の盛り上がりが欠けるから』とか言って、ルール変更したのは良いとして、ちょっと盛り上がりすぎなんじゃないですか? ゼルガディス?」
 言って、窓の外――さっきまで体育祭をしていた校庭の方に顔を向ける。目は見えないはずだったが、誰かに話は聞いているのだろう。
 校庭には人だかりが出来ていた。窓を開けていないにも関わらず、外からブーイングらしき声が聞こえてくる。人だかりの中心にはリナがいて、何故か困ったような顔をしていたが、それがもつのもあと数分というところだろう。きっとまた爆音が響くだろう。
 ゼルガディスは視線をずらし、先程アメリアに後頭部飛び蹴りを食らうまで(ちなみにその場で即ノックアウトだった)暴走していた場所に向ける。あんなに酷かったクレーターは綺麗に消えていた。埋めたわけでも魔術で直したわけでもない。単にクレーターがわからなくなる程度に地面をえぐっただけだ。
 ゼルガディスは嘆息して答えた。
「確かにやりすぎだな。いかんぞ、ゼロス」
「どーして僕に言うんですかっ!?」
 ゼロスが素っ頓狂な声をあげた。こちらも先程アメリアにヴィスファランクのおまけ付きで顔面に鉄拳を食らって精神的にずたぼろなせいで、いつもの嫌味が出てこないらしい。
 それでもとりあえずゼルガディスに突っかかってみる。
「ゼルガディスさんが状況もわきまえずに暴走したのがいけないんでしょう!?」
「元はお前が賭けをしようなんて言い出さなけりゃこんなことにはならなかったんだ!」
「だからってルールまで変えることないでしょう!」
「そーでもしなきゃ思いっきりこっちが不利だったろーが!」
「あーこほん」
 白熱しかけた低レベルな子供の言い合いにレゾはわざとらしく咳払いをしてみせた。びくんっ、と身体を震わせ、ゼルガディスとゼロスがそちらに恐る恐る目をやる。
 レゾが微笑を浮かべて言った。
「いい加減にしないと、瞳を開けちゃいますよ(はぁと)」
 レゾが瞳を開けることは自分達の破滅を意味する。
 ゼルガディスとゼロスは即答した。
『俺(僕)が悪かったです』
 ちょうどその時だった。
 校庭で、この日最後の爆音が響き渡ったのは。


 ちなみに。
 変更されたルールに従って、リレーの順位は決定され、総合優勝は赤チームということで、今年の体育祭は幕を閉じた。

 さらに。
 途中、ゼルガディスとゼロスによってリタイヤに追い込まれたアルフレッドは当たり所が良かったらしく、全治一週間という短さで回復できるそうだった。

 そして。
「あんた達、どっちもゴールにたどり着けなかったんだから、一ヶ月間はアメリアに近づいちゃダメよっ!」
 少々(というかかなり)ご機嫌斜めなリナの台詞にゼルガディスが反論した。

「ふざけんなっ! あーなったら賭けは無効だっ!」
「そうですよっ! リナさんっ!」
 珍しくゼルガディスに同意するゼロスの向かい側で、お茶をすすりながらアメリアがぼそりと呟く。
「リナさんったら、どっちが勝つかって裏で賭けやってて、さっきまで『話が違う』って責められまくってたんですよ」
 どうやら校庭での一件らしい。リナのめちゃくちゃな腹いせが二人に降りかかる。
「あんた達のせーで、儲かるどころか損したのよっ! せいぜいその身で償うことねっ!」
『なんでっ!?』
 ゼルガディスとゼロスは同時に声をあげるが――
 校内でも『ドラまた』として恐れられているリナに敵うはずもなく、結局一ヶ月間、アメリアと最低限の時間しかいられず――
 一ヵ月後。
 アメリアが怒り出すまで、ゼルガディスとゼロスが彼女にびったりとくっついていたというのは、言うまでもないことである。
                            ≪終わり≫

もう何も言うまい……ねんねこはこー言うオチしか書けません。
次回は、今度こそ番外編で、新シリーズ行きたいです。
では、ねんねこでした。

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4246素敵v雫石彼方 E-mail 9/10-04:49
記事番号4244へのコメント

こんにちは、雫石です。
メールでは近々番外編アップということだったので、ねんねこさんの名前を見たときにそっちかと思ったんですが、学園物の方だったんですね。

すごく面白かったです!
体育祭・・・う〜ん、学園物には欠かせないイベントですよねvそして賞品アメリア!!これはもうゼル君が我を忘れてぶちキレるくらい頑張っちゃうのも納得ですね(笑)結局ゼルもゼロスも負け、二人そろって1ヶ月アメリアに近づくの駄目〜ってのも笑えました。禁止が解けた後、アメリアが怒るくらい二人ともべったりだったなんて、なんとも微笑ましい・・・(^^)でも、大の男二人がちっこい女の子にくっついてるのってなんか変な光景ですね・・・(笑)

体育祭の次は文化祭!!是非とも劇でお姫様をするアメリアの相手役をめぐってまたバトルしてもらいたいです。・・・あ、でもこの前、シンデレラでそういうのやってましたね・・・(^^;)う〜ん、じゃあクイズ大会とかで賞品がペアの旅行招待券で、それを争う、とか・・・ああん妄想大爆発です、ごめんなさい・・・;

では、何か思いっきり支離滅裂な感じのレスですが(汗)、この辺で〜。

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4253そう言って頂けると……嬉しい限りですvvねんねこ E-mail 9/11-00:11
記事番号4246へのコメント

雫石彼方さんは No.4246「素敵v」で書きました。
>
>こんにちは、雫石です。
こんにちはー、ねんねこだす(笑)

>メールでは近々番外編アップということだったので、ねんねこさんの名前を見たときにそっちかと思ったんですが、学園物の方だったんですね。
うあ。すみません。学園物の方です。『番外編出すー』とか言っておきながら……うう、ごめんなさい。鋭意製作中です(なんか便利な表現だ)

>すごく面白かったです!
ありがとうございます^^

>体育祭・・・う〜ん、学園物には欠かせないイベントですよねvそして賞品アメリア!!これはもうゼル君が我を忘れてぶちキレるくらい頑張っちゃうのも納得ですね(笑)結局ゼルもゼロスも負け、二人そろって1ヶ月アメリアに近づくの駄目〜ってのも笑えました。禁止が解けた後、アメリアが怒るくらい二人ともべったりだったなんて、なんとも微笑ましい・・・(^^)でも、大の男二人がちっこい女の子にくっついてるのってなんか変な光景ですね・・・(笑)
…………(←想像している)
…………………(←想像している)
…………………………嫌かもしんなひ。
で、でも影からべったりくっついて、ストーカーまがいのことするよかなんぼかマシかと……

>体育祭の次は文化祭!!是非とも劇でお姫様をするアメリアの相手役をめぐってまたバトルしてもらいたいです。・・・あ、でもこの前、シンデレラでそういうのやってましたね・・・(^^;)う〜ん、じゃあクイズ大会とかで賞品がペアの旅行招待券で、それを争う、とか・・・ああん妄想大爆発です、ごめんなさい・・・;
妄想大爆発、大いにオッケーです(笑)
でも、文化祭ネタもいろいろありますよね。あぜりあ学園の文化祭は11月、と書いたので、その辺りになったら書いてみましょう……それまでに文化祭ネタを考えておかなきゃなー(汗)

>では、何か思いっきり支離滅裂な感じのレスですが(汗)、この辺で〜。
感想ありがとうございます!

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4248短編久しぶりですね。桜井 ゆかり 9/10-10:25
記事番号4244へのコメント


>ねんねこです。実はこのお話、とある方の投稿BBSに投稿したんですが、あまりにも、ねんねこが『禁断の宝石』の番外編に詰まっているので、問答無用にこちらにも投稿しました(死)。あああ、すみません。石投げないで……
どこの、HPですか?
どこどこ?(わくわく)
それも、あぜりあ学園ってどっかのHPで見たことがあったような・・・・



> おかっぱの黒い髪、普段はあまり見せることのない紫色の瞳。生徒会副会長。ゼルガディスにとっては、中等部からの腐れ縁、死んでもトモダチになりたくない奴ベストワンの男。ゼロスである。
それって、只単に『ゼルガディスさんから見た』じゃないですか・・・


>「と……とにかく頑張ってくださいね。わたし、応援してますから」
> 何気なく言ったアメリアの言葉を聞いて、睨み合いをしていたゼルガディスとゼロスが同時にアメリアを見た。やはり、同時に尋ねる。
>『どっちを応援するんだ(ですか)?』
>「あうあ」
> その場の状況で『両方とも』とは言えず、アメリアはただうめくのみだった。
あらら・・・・可哀相にアメちゃん。



> 体育祭は順調に進んでいった。
> 途中、パン食い競争で、リナが狙っていたチョココロネを他の生徒に取られ、激怒して魔術でぶっ飛ばした、とか、借り人競争で『恋人にしたい異性』という命令でアメリアを連れて行った二人の男子生徒が、ゴールした後に生徒会長及び副会長にぼこぼこにのされたなどという微笑ましいエピソードもあったが。
絶対に微笑ましいでかたずけられない。



>「何……って賞品」
>「わたしは物ですか!?」
> 反論するアメリアにリナが髪をかきあげた。
なんだか、ぽん太郎さんの絵にぴったりな小説ですね・・・・


> あんまり理解できなかったアルフレッドが、ゼルガディスの体育着の端をちょいちょいと掴む。
>「……どー言うこと?」
> アルフレッドの問いにゼルガディスはゼロスと顔を見合わせた。同時に答える。
>『ゴールに無事たどり着ければ勝ちってこと』
ちょっと表現を変えると『生き残った者が勝ち』ですね・・・・・




>「まずは、部外者の始末からっ! ゼルガディスさんっ!」
> こういうときだけやけに協力的になる。
> ゼルガディスはぴっ、とアルフレッドを指差すと、そのまま指をぱちんと鳴らした。同時にあらかじめ唱えてあった呪文を解き放つ。
>「よっしゃっ! メガ・ブランドっ!!」
よ、よっしゃって貴方・・・・
アルが可哀相だと思わないんですか・・・・?


>「よくもやりやがったなのアストラル・ヴァインっ!」
> 杖に魔力を込めて、振り被る。ゼロスは辛うじてそれを避ける。
> そんなこんなで、何度か攻防していくうちに、辺りは爆発音が鳴り響き、出来たクレーターも数知れず、観戦していた生徒も慌てて安全な場所に避難していった。
> いつの間にか、二人は足を止めて、意味のない戦いに全力を注いでいた。
こらこら、もうゴールすらば勝ちというのを忘れてますね・・・


> ゼロスはゼルガディスに目を向けて、恐る恐る声をかけた。
>「あの……えと……ゼルガディスさん?」
>「ふ、ふ、ふふふふふふふふふふ」
> ゼロスの呼びかけにゼルガディスは笑っただけだった。笑っただけだったのだが、ゼロスは全身に鳥肌がたつのを感じた。
>(こ……こわひっ!)
> ゼルガディスは額に浮かんだ汗をぬぐって、ぼそりと言う。
>「そうだな……勝てりゃいいとか思ってたが……やっぱり一度きっちりと決着つけにゃならんなぁ、ゼロス」
>「うあ」
> ゼロスがうめく。ゼルガディスはゆっくりとゼロスに近づいていく。
>「考えてみりゃあ、お前が消えりゃ、邪魔する奴はいなくなるしなぁ」
ゼルガディスさんがキレました!
なんて、こんな風に言ってる場合じゃないですね。




> 白熱しかけた低レベルな子供の言い合いにレゾはわざとらしく咳払いをしてみせた。びくんっ、と身体を震わせ、ゼルガディスとゼロスがそちらに恐る恐る目をやる。
> レゾが微笑を浮かべて言った。
>「いい加減にしないと、瞳を開けちゃいますよ(はぁと)」
にゃぁぁああ!!
怒ってますよ。レゾ様


>
>もう何も言うまい……ねんねこはこー言うオチしか書けません。
>次回は、今度こそ番外編で、新シリーズ行きたいです。
>では、ねんねこでした。
頑張って下さい。
私は月曜日まで赤の竜神を書く事ができません。
なんだか、変な事になってしまったからです。
できれば、追求しないでプリーズ。
では、ゆかりでした。

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4252久しぶりですね……でもやっぱり少し長い短編ですねねんねこ E-mail 9/11-00:10
記事番号4248へのコメント

桜井 ゆかりさんは No.4248「短編久しぶりですね。」で書きました。
>
>
>>ねんねこです。実はこのお話、とある方の投稿BBSに投稿したんですが、あまりにも、ねんねこが『禁断の宝石』の番外編に詰まっているので、問答無用にこちらにも投稿しました(死)。あああ、すみません。石投げないで……
>どこの、HPですか?
>どこどこ?(わくわく)
……ゆかりさんが見たことのあるHPです(笑)ちなみにそこには、この話を書こうとしたきっかけがあるところで……TOPの画像が……ねぇ(笑)

>>「何……って賞品」
>>「わたしは物ですか!?」
>> 反論するアメリアにリナが髪をかきあげた。
>なんだか、ぽん太郎さんの絵にぴったりな小説ですね・・・・
……そうそう、その方のHPです(笑)
……ごめんなさい、ぽん太郎さん。こっちにも投稿しちゃいました(謝り)

>それも、あぜりあ学園ってどっかのHPで見たことがあったような・・・・
多分、ここのHPです。ねんねこがかなり昔に短編を1話書きましたから。よかったら確認……しない方が良いかもしんない。ほら……えっと……あんなオチだし……(汗)

>> おかっぱの黒い髪、普段はあまり見せることのない紫色の瞳。生徒会副会長。ゼルガディスにとっては、中等部からの腐れ縁、死んでもトモダチになりたくない奴ベストワンの男。ゼロスである。
>それって、只単に『ゼルガディスさんから見た』じゃないですか・・・
思いっきりそうです。一般的にゼロスは人気ありますよ(特に女子に)

>>「と……とにかく頑張ってくださいね。わたし、応援してますから」
>> 何気なく言ったアメリアの言葉を聞いて、睨み合いをしていたゼルガディスとゼロスが同時にアメリアを見た。やはり、同時に尋ねる。
>>『どっちを応援するんだ(ですか)?』
>>「あうあ」
>> その場の状況で『両方とも』とは言えず、アメリアはただうめくのみだった。
>あらら・・・・可哀相にアメちゃん。
可哀相ですねー。でも、この二人と同居しているアメリアにとっては慣れてしまったことなのかもしれません。って、嫌だな。この二人のいがみ合いに慣れちゃうのって。

>> 体育祭は順調に進んでいった。
>> 途中、パン食い競争で、リナが狙っていたチョココロネを他の生徒に取られ、激怒して魔術でぶっ飛ばした、とか、借り人競争で『恋人にしたい異性』という命令でアメリアを連れて行った二人の男子生徒が、ゴールした後に生徒会長及び副会長にぼこぼこにのされたなどという微笑ましいエピソードもあったが。
>絶対に微笑ましいでかたずけられない。
いや、ここの学園なら絶対微笑ましいで済みそうな気がする……だって、リナをはじめとしたキャラの濃い奴らが集まった場所だし……
それ以前に学園長がレゾさんなら……

>> あんまり理解できなかったアルフレッドが、ゼルガディスの体育着の端をちょいちょいと掴む。
>>「……どー言うこと?」
>> アルフレッドの問いにゼルガディスはゼロスと顔を見合わせた。同時に答える。
>>『ゴールに無事たどり着ければ勝ちってこと』
>ちょっと表現を変えると『生き残った者が勝ち』ですね・・・・・
そうです。かなりシビアなチーム対抗リレーですな。

>>「まずは、部外者の始末からっ! ゼルガディスさんっ!」
>> こういうときだけやけに協力的になる。
>> ゼルガディスはぴっ、とアルフレッドを指差すと、そのまま指をぱちんと鳴らした。同時にあらかじめ唱えてあった呪文を解き放つ。
>>「よっしゃっ! メガ・ブランドっ!!」
>よ、よっしゃって貴方・・・・
>アルが可哀相だと思わないんですか・・・・?
アルよりアメリアを取ったんですね、ゼル。いや、別に良いんですけど……自分に正直すぎ。
それ以前にゼロスも容赦無くアルのこと見捨てましたしねー。お前らほんとに友達か……?

>>「よくもやりやがったなのアストラル・ヴァインっ!」
>> 杖に魔力を込めて、振り被る。ゼロスは辛うじてそれを避ける。
>> そんなこんなで、何度か攻防していくうちに、辺りは爆発音が鳴り響き、出来たクレーターも数知れず、観戦していた生徒も慌てて安全な場所に避難していった。
>> いつの間にか、二人は足を止めて、意味のない戦いに全力を注いでいた。
>こらこら、もうゴールすらば勝ちというのを忘れてますね・・・
目的のためには手段を選ばず、でルール変えて、そのまま目的忘れてどーする。

>> ゼロスはゼルガディスに目を向けて、恐る恐る声をかけた。
>>「あの……えと……ゼルガディスさん?」
>>「ふ、ふ、ふふふふふふふふふふ」
>> ゼロスの呼びかけにゼルガディスは笑っただけだった。笑っただけだったのだが、ゼロスは全身に鳥肌がたつのを感じた。
>>(こ……こわひっ!)
>> ゼルガディスは額に浮かんだ汗をぬぐって、ぼそりと言う。
>>「そうだな……勝てりゃいいとか思ってたが……やっぱり一度きっちりと決着つけにゃならんなぁ、ゼロス」
>>「うあ」
>> ゼロスがうめく。ゼルガディスはゆっくりとゼロスに近づいていく。
>>「考えてみりゃあ、お前が消えりゃ、邪魔する奴はいなくなるしなぁ」
>ゼルガディスさんがキレました!
>なんて、こんな風に言ってる場合じゃないですね。
言ってる場合じゃないですねー。リナと同様、この学園ではゼルガディスがキレることは学園の滅亡と同値と考えられていそうです。なんだかんだ言って、リナとゼルってどことなく似てますしねー、性格。
とか言ったらゼル泣きそうだけど。

>> 白熱しかけた低レベルな子供の言い合いにレゾはわざとらしく咳払いをしてみせた。びくんっ、と身体を震わせ、ゼルガディスとゼロスがそちらに恐る恐る目をやる。
>> レゾが微笑を浮かべて言った。
>>「いい加減にしないと、瞳を開けちゃいますよ(はぁと)」
>にゃぁぁああ!!
>怒ってますよ。レゾ様
笑いながら怒る。さすがだレゾ様(笑)レゾ様はこの学園のL様のようだ(笑)とすればゼルとゼロスはさしずめ部下Sか……?

>>もう何も言うまい……ねんねこはこー言うオチしか書けません。
>>次回は、今度こそ番外編で、新シリーズ行きたいです。
>>では、ねんねこでした。
>頑張って下さい。
>私は月曜日まで赤の竜神を書く事ができません。
>なんだか、変な事になってしまったからです。
>できれば、追求しないでプリーズ。
追求しません。オーケイです(笑)お互い頑張りましょう。

>では、ゆかりでした。
ねんねこでした。

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4257でも、面白いからOK桜井 ゆかり 9/11-18:43
記事番号4252へのコメント



>>>ねんねこです。実はこのお話、とある方の投稿BBSに投稿したんですが、あまりにも、ねんねこが『禁断の宝石』の番外編に詰まっているので、問答無用にこちらにも投稿しました(死)。あああ、すみません。石投げないで……
>>どこの、HPですか?
>>どこどこ?(わくわく)
>……ゆかりさんが見たことのあるHPです(笑)ちなみにそこには、この話を書こうとしたきっかけがあるところで……TOPの画像が……ねぇ(笑)
ええ。そうですねぇ、でも、あれ去年にも書いてますからね。

>
>>>「何……って賞品」
>>>「わたしは物ですか!?」
>>> 反論するアメリアにリナが髪をかきあげた。
>>なんだか、ぽん太郎さんの絵にぴったりな小説ですね・・・・
>……そうそう、その方のHPです(笑)
>……ごめんなさい、ぽん太郎さん。こっちにも投稿しちゃいました(謝り)
私のレスのところで謝ってもしょうがないと思いますが・・・・


>
>>>「と……とにかく頑張ってくださいね。わたし、応援してますから」
>>> 何気なく言ったアメリアの言葉を聞いて、睨み合いをしていたゼルガディスとゼロスが同時にアメリアを見た。やはり、同時に尋ねる。
>>>『どっちを応援するんだ(ですか)?』
>>>「あうあ」
>>> その場の状況で『両方とも』とは言えず、アメリアはただうめくのみだった。
>>あらら・・・・可哀相にアメちゃん。
>可哀相ですねー。でも、この二人と同居しているアメリアにとっては慣れてしまったことなのかもしれません。って、嫌だな。この二人のいがみ合いに慣れちゃうのって。
確かに嫌かも知れませんね。あの笑いかたをするナーガの隣で寝るアメリアと同じように・・・・(笑)
(ある、ゼルアメのHP・・・もう表にはありませんせど・・・の中の小説参照)
>
>>> 体育祭は順調に進んでいった。
>>> 途中、パン食い競争で、リナが狙っていたチョココロネを他の生徒に取られ、激怒して魔術でぶっ飛ばした、とか、借り人競争で『恋人にしたい異性』という命令でアメリアを連れて行った二人の男子生徒が、ゴールした後に生徒会長及び副会長にぼこぼこにのされたなどという微笑ましいエピソードもあったが。
>>絶対に微笑ましいでかたずけられない。
>いや、ここの学園なら絶対微笑ましいで済みそうな気がする……だって、リナをはじめとしたキャラの濃い奴らが集まった場所だし……
>それ以前に学園長がレゾさんなら……
レゾ様でしたね・・・学園長・・・・
それなら、微笑ましいでかたずけられるかもしれませんね・・・

>
>>> あんまり理解できなかったアルフレッドが、ゼルガディスの体育着の端をちょいちょいと掴む。
>>>「……どー言うこと?」
>>> アルフレッドの問いにゼルガディスはゼロスと顔を見合わせた。同時に答える。
>>>『ゴールに無事たどり着ければ勝ちってこと』
>>ちょっと表現を変えると『生き残った者が勝ち』ですね・・・・・
>そうです。かなりシビアなチーム対抗リレーですな。
シビアすぎですって・・・・
>
>>>「まずは、部外者の始末からっ! ゼルガディスさんっ!」
>>> こういうときだけやけに協力的になる。
>>> ゼルガディスはぴっ、とアルフレッドを指差すと、そのまま指をぱちんと鳴らした。同時にあらかじめ唱えてあった呪文を解き放つ。
>>>「よっしゃっ! メガ・ブランドっ!!」
>>よ、よっしゃって貴方・・・・
>>アルが可哀相だと思わないんですか・・・・?
>アルよりアメリアを取ったんですね、ゼル。いや、別に良いんですけど……自分に正直すぎ。
>それ以前にゼロスも容赦無くアルのこと見捨てましたしねー。お前らほんとに友達か……?
ほら、今日の友は明日の敵って言うじゃないですか。きっとそれですよ。(ダブン)
>
>>>「よくもやりやがったなのアストラル・ヴァインっ!」
>>> 杖に魔力を込めて、振り被る。ゼロスは辛うじてそれを避ける。
>>> そんなこんなで、何度か攻防していくうちに、辺りは爆発音が鳴り響き、出来たクレーターも数知れず、観戦していた生徒も慌てて安全な場所に避難していった。
>>> いつの間にか、二人は足を止めて、意味のない戦いに全力を注いでいた。
>>こらこら、もうゴールすらば勝ちというのを忘れてますね・・・
>目的のためには手段を選ばず、でルール変えて、そのまま目的忘れてどーする。
それで、ちょっと思い付いたんです。何でもありならゼロスはアトラル界を通ってもいいんじゃないですか・・・?

>>> ゼロスはゼルガディスに目を向けて、恐る恐る声をかけた。
>>>「あの……えと……ゼルガディスさん?」
>>>「ふ、ふ、ふふふふふふふふふふ」
>>> ゼロスの呼びかけにゼルガディスは笑っただけだった。笑っただけだったのだが、ゼロスは全身に鳥肌がたつのを感じた。
>>>(こ……こわひっ!)
>>> ゼルガディスは額に浮かんだ汗をぬぐって、ぼそりと言う。
>>>「そうだな……勝てりゃいいとか思ってたが……やっぱり一度きっちりと決着つけにゃならんなぁ、ゼロス」
>>>「うあ」
>>> ゼロスがうめく。ゼルガディスはゆっくりとゼロスに近づいていく。
>>>「考えてみりゃあ、お前が消えりゃ、邪魔する奴はいなくなるしなぁ」
>>ゼルガディスさんがキレました!
>>なんて、こんな風に言ってる場合じゃないですね。
>言ってる場合じゃないですねー。リナと同様、この学園ではゼルガディスがキレることは学園の滅亡と同値と考えられていそうです。なんだかんだ言って、リナとゼルってどことなく似てますしねー、性格。
>とか言ったらゼル泣きそうだけど。
確かに泣くかもしれませんけど私も似てると思います。

>
>>> 白熱しかけた低レベルな子供の言い合いにレゾはわざとらしく咳払いをしてみせた。びくんっ、と身体を震わせ、ゼルガディスとゼロスがそちらに恐る恐る目をやる。
>>> レゾが微笑を浮かべて言った。
>>>「いい加減にしないと、瞳を開けちゃいますよ(はぁと)」
>>にゃぁぁああ!!
>>怒ってますよ。レゾ様
>笑いながら怒る。さすがだレゾ様(笑)レゾ様はこの学園のL様のようだ(笑)とすればゼルとゼロスはさしずめ部下Sか……?
さしずめ部下Sですよ。

>>>もう何も言うまい……ねんねこはこー言うオチしか書けません。
>>>次回は、今度こそ番外編で、新シリーズ行きたいです。
>>>では、ねんねこでした。
>>頑張って下さい。
>>私は月曜日まで赤の竜神を書く事ができません。
>>なんだか、変な事になってしまったからです。
>>できれば、追求しないでプリーズ。
>追求しません。オーケイです(笑)お互い頑張りましょう。
サンクス〜。なんだか、アメちゃん魔族に好かれるようになっているんです。何故!?
などと、絶叫しつつ、ゆかりでした。

>

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4264Re:過激な体育祭笹森 明日香 E-mail 9/13-19:19
記事番号4244へのコメント

笹森明日香です。最近いつも遅れてますね。

ねんねこさんは No.4244「過激な体育祭」で書きました。

>「生徒会? 仕事なんかあんのか?」
>「いや、まあ、いろいろとな」
> お茶を濁すように答える。本当は別に仕事という仕事はないのだが、単にめんどくさいのである。
そんなに、いつも、ふらふらしてるんですか。

> チーム対抗リレーといえば、体育祭の取り。大逆転を狙える最後のチャンス。一番の盛り上がりの部分である。生徒全員の視線を浴びて、自分に当てられた距離を走るなんて嫌だった。
女の子の黄色い声援を浴びて一躍人気者に・・・ってもうなってますね。

> おかっぱの黒い髪、普段はあまり見せることのない紫色の瞳。生徒会副会長。ゼルガディスにとっては、中等部からの腐れ縁、死んでもトモダチになりたくない奴ベストワンの男。ゼロスである。
あれ〜?友達じゃなかったんですか?

> 学園裏の自宅の屋敷に戻って、事のあらましを説明したところ、返ってきたのは少女の爆笑だった。
>「そんなに笑うこたぁねーだろ、アメリア」
> 半眼で、腹を抱えて、ソファーをばしばし叩きながらなおも笑いつづける少女を見る。
>「だって、ゼルガディスさんらしいって言うかなんというか……」
> 蒼い瞳ににじんだ涙を擦りつつ、少女は言った。
これは、絶対にアメリアの反応が正しいです。(レゾも同じ反応を返しそうですね)

>「でもでもっ! これでリレーが混戦になりましたね! アンカー三人ともとっても足が速いですし」
別の意味で混戦になりましたよ。

>「聞いたわよ、ゼル」
> ゼルガディスはその言葉だけですべて分かったようだった。
>「さすがに情報が早いな。昨日の今日だぞ」
> 言われてリナがふふんと鼻を鳴らした。
>「ったり前でしょ!? 一応中等部新聞部部長よ、あたしは」
確かに、これはおもしろいネタになりますね。

>『まあ、優勝しようと思ってないしね』
> などと自分を勧誘しに来た生徒に言われた時は、『勝つ気がないなら俺に頼むなよ』と、ため息が出るよりも前に足が出ていた。のた打ち回って全身で床掃除をしてくれていたが、顔面を蹴り上げただけなので、走るのに支障は出ないだろう。
あぁ〜早くも犠牲者が!

> 目が覚めて、開口一番にアメリアがそう叫んだ。頭には、巨大なピンク色のリボンが可愛くつけられている。まるで、プレゼントの上についているラッピングのリボンのように。
かわいい。きっと似合いますよ。そ・れ・に・命を懸けた戦いに勝利した殿方にはそれぐらいの報償があっても罰は当たりませんって

>「詳しいことはあいつらに聞きなさい。特にゼルよ、ゼル。あいつ、職権濫用しまくってるから」
>「……職権濫用って?」
・・・蛙の子は蛙・・・

>「だからって、いきなりルール変更しますかっ!? 普通!?」
>「ゼロスゼロス。ゼルは普通じゃないって」
ごもっっとも。

>まあ、一度死んで来いと言いたくなるくらい鈍感なアメリアのことだ。
だからこそ周りの第三者は楽しめる。

> 走るのはアンカーを含めて、全員で五人。
> スタートから第四走者まではいつもと一緒。200メートル、それぞれのコースを全力で疾走。
> そこまでは良かった。
> 何故か興奮したようにリナが言う。
>「が、アンカーのみルール変更っ! どんな手を使ってもオーケイ。何でもありですっ!」
>『……なんでもあり……?』
> アメリアと、どうせ自分にはあまり関係のないことだとあまりルール変更を理解していなかったアルフレッドが、別々の場所でそれぞれ呟く。
>「得点はアンカーにバトンを手渡した順番にそれぞれ入ります。そしてっ! アンカーが無事ゴールできた暁には、ボーナス得点が入りますっ!」
> あんまり理解できなかったアルフレッドが、ゼルガディスの体育着の端をちょいちょいと掴む。
>「……どー言うこと?」
> アルフレッドの問いにゼルガディスはゼロスと顔を見合わせた。同時に答える。
>『ゴールに無事たどり着ければ勝ちってこと』
いいですね。平和な学園のグランドに魔術が飛び交い、血の雨が降る。学校創立以来最初で最後のビックイベント。

>『……なんでもあり……?』
> アメリアと、どうせ自分にはあまり関係のないことだとあまりルール変更を理解していなかったアルフレッドが、別々の場所でそれぞれ呟く。
あなた達の幼なじみが切れるとこうなるんですよ。

> バトンを受け取ってアルフレッドが言った。
>「お先にっ! 二人とも頑張れよ」
> 本気で他人事のように言い去っていくアルフレッドにゼルガディスとゼロスは一瞬顔を見合わせる。それぞれの瞳に映る思惑。どうやら考えていることは同じのようだった。すぐにバトンを同時に受け取って、駆け出しながら、ゼロスは言った。
>「まずは、部外者の始末からっ! ゼルガディスさんっ!」
世の中そんなに甘くない・・・ですよね?

>「アルフレッド選手、リタイヤの模様ですっ! 悲惨ですっ! ゼル選手、友より愛をとったぁぁぁぁっ!」
おとなしく勝負を捨てていれば命ぐらいは・・・死んでないって

>「よくもやりやがったなのアストラル・ヴァインっ!」
> 杖に魔力を込めて、振り被る。ゼロスは辛うじてそれを避ける。
“バトン”に・・・じゃないんですか?

> かなり大きなクレーターが、今の爆発の凄さを物語っていた。その真ん中で、ゼルガディスが少しかかる髪の毛を汗でうなじに張り付かせ、凄絶な笑みを浮かべながら結界を解除した。
こういう姿ってきっと絵になるんでしょうね。

> その姿にさすがのゼロスも苦笑いを張り付かせた。
>(目が据わってるんですけど……)
もう誰にも止められならない。すべてを破壊しつくすまで。(笑)

> ゼロスの呼びかけにゼルガディスは笑っただけだった。笑っただけだったのだが、ゼロスは全身に鳥肌がたつのを感じた。
>(こ……こわひっ!)
獣神官にここまで言わせるとは。

> ゼルガディスは額に浮かんだ汗をぬぐって、ぼそりと言う。
>「そうだな……勝てりゃいいとか思ってたが……やっぱり一度きっちりと決着つけにゃならんなぁ、ゼロス」
>「うあ」
> ゼロスがうめく。ゼルガディスはゆっくりとゼロスに近づいていく。
>「考えてみりゃあ、お前が消えりゃ、邪魔する奴はいなくなるしなぁ」
> ぽう、とゼルガディスの手の中に光が浮かぶ。
> それを遠くから見て、リナがぽつりと呟いた。
>「……ゼル、キレたわねー」
> さりげなく、リナの頬に一筋の汗が流れていく。
みんなしておもいっきり煽ってましたけど・・・こうなるとは思わなかったでしょう。

>「……何とかなんないの? 一応、あんたあれの幼なじみでしょ……?」
> ゼルガディスを指差し、尋ねてくるリナにアメリアは頭を振って、どこか遠くに視線を泳がせた。
>「完全にキレたら無理。後は気が納まるまで暴走するのみです」
アメリアが大声で泣き叫べば何とかなるかも・・・ってこれが無理なら本当にどうしようもないですよね。

>「全く……なんてことしたんですか!? あなた達は」
> 刺々しい口調のレゾの執務机をはさんだ向こうで、制服に着替えたゼルガディスとゼロスは、それぞれ違う方向に視線を泳がせた。
>「『最後の盛り上がりが欠けるから』とか言って、ルール変更したのは良いとして、ちょっと盛り上がりすぎなんじゃないですか? ゼルガディス?」
血は争えない。ルール変更を認めた時点で半壊ぐらいは覚悟していたのでは・・・?

> 言って、窓の外――さっきまで体育祭をしていた校庭の方に顔を向ける。目は見えないはずだったが、誰かに話は聞いているのだろう。
> 校庭には人だかりが出来ていた。窓を開けていないにも関わらず、外からブーイングらしき声が聞こえてくる。人だかりの中心にはリナがいて、何故か困ったような顔をしていたが、それがもつのもあと数分というところだろう。きっとまた爆音が響くだろう。
> ゼルガディスは視線をずらし、先程アメリアに後頭部飛び蹴りを食らうまで(ちなみにその場で即ノックアウトだった)暴走していた場所に向ける。あんなに酷かったクレーターは綺麗に消えていた。埋めたわけでも魔術で直したわけでもない。単にクレーターがわからなくなる程度に地面をえぐっただけだ。
> ゼルガディスは嘆息して答えた。

>「確かにやりすぎだな。いかんぞ、ゼロス」
>「どーして僕に言うんですかっ!?」
> ゼロスが素っ頓狂な声をあげた。こちらも先程アメリアにヴィスファランクのおまけ付きで顔面に鉄拳を食らって精神的にずたぼろなせいで、いつもの嫌味が出てこないらしい。
> それでもとりあえずゼルガディスに突っかかってみる。
>「ゼルガディスさんが状況もわきまえずに暴走したのがいけないんでしょう!?」
>「元はお前が賭けをしようなんて言い出さなけりゃこんなことにはならなかったんだ!」
>「だからってルールまで変えることないでしょう!」
>「そーでもしなきゃ思いっきりこっちが不利だったろーが!」
アメリアを書けた勝負となるとただでは絶対に済まない。

>「あーこほん」
> 白熱しかけた低レベルな子供の言い合いにレゾはわざとらしく咳払いをしてみせた。びくんっ、と身体を震わせ、ゼルガディスとゼロスがそちらに恐る恐る目をやる。
> レゾが微笑を浮かべて言った。
微笑みって結構恐いものですよね。


では、これからもがんばってください。

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4270遅くないですよ〜。大丈夫です^^ねんねこ E-mail 9/13-21:29
記事番号4264へのコメント

笹森 明日香さんは No.4264「Re:過激な体育祭」で書きました。
>
>笹森明日香です。最近いつも遅れてますね。
いえいえ、いつもありがとうございますっ!

>>「生徒会? 仕事なんかあんのか?」
>>「いや、まあ、いろいろとな」
>> お茶を濁すように答える。本当は別に仕事という仕事はないのだが、単にめんどくさいのである。
>そんなに、いつも、ふらふらしてるんですか。
いえ、いつも何もせずに生徒会室でぼーっとしてます。

>> チーム対抗リレーといえば、体育祭の取り。大逆転を狙える最後のチャンス。一番の盛り上がりの部分である。生徒全員の視線を浴びて、自分に当てられた距離を走るなんて嫌だった。
>女の子の黄色い声援を浴びて一躍人気者に・・・ってもうなってますね。
さらに人気者に……(笑)
でも、ゼルとしてはアメリアだけ声援を浴びたい……

>> おかっぱの黒い髪、普段はあまり見せることのない紫色の瞳。生徒会副会長。ゼルガディスにとっては、中等部からの腐れ縁、死んでもトモダチになりたくない奴ベストワンの男。ゼロスである。
>あれ〜?友達じゃなかったんですか?
はたから見ると友達。でも本当は仲が悪い。でもいざとなるとタッグを組んで最強になる(笑)
要するに……悪友ですね^^;

>> 学園裏の自宅の屋敷に戻って、事のあらましを説明したところ、返ってきたのは少女の爆笑だった。
>>「そんなに笑うこたぁねーだろ、アメリア」
>> 半眼で、腹を抱えて、ソファーをばしばし叩きながらなおも笑いつづける少女を見る。
>>「だって、ゼルガディスさんらしいって言うかなんというか……」
>> 蒼い瞳ににじんだ涙を擦りつつ、少女は言った。
>これは、絶対にアメリアの反応が正しいです。(レゾも同じ反応を返しそうですね)
レゾさん、腹抱えて笑いそーです。

>>「でもでもっ! これでリレーが混戦になりましたね! アンカー三人ともとっても足が速いですし」
>別の意味で混戦になりましたよ。
確かに別の意味で混戦になりましたね(笑)

>>「聞いたわよ、ゼル」
>> ゼルガディスはその言葉だけですべて分かったようだった。
>>「さすがに情報が早いな。昨日の今日だぞ」
>> 言われてリナがふふんと鼻を鳴らした。
>>「ったり前でしょ!? 一応中等部新聞部部長よ、あたしは」
>確かに、これはおもしろいネタになりますね。
『激突! 生徒会長vs副会長! 勝利の女神が舞い降りるのはどちらかっ!?』とかいう見出しで……

>>『まあ、優勝しようと思ってないしね』
>> などと自分を勧誘しに来た生徒に言われた時は、『勝つ気がないなら俺に頼むなよ』と、ため息が出るよりも前に足が出ていた。のた打ち回って全身で床掃除をしてくれていたが、顔面を蹴り上げただけなので、走るのに支障は出ないだろう。
>あぁ〜早くも犠牲者が!
意味のない犠牲者……この人、アメリアと何にも関わってないのに……合掌。

>> 目が覚めて、開口一番にアメリアがそう叫んだ。頭には、巨大なピンク色のリボンが可愛くつけられている。まるで、プレゼントの上についているラッピングのリボンのように。
>かわいい。きっと似合いますよ。そ・れ・に・命を懸けた戦いに勝利した殿方にはそれぐらいの報償があっても罰は当たりませんって
イメージ画像は……某HPのトップ画像にあります(笑)

>>「詳しいことはあいつらに聞きなさい。特にゼルよ、ゼル。あいつ、職権濫用しまくってるから」
>>「……職権濫用って?」
>・・・蛙の子は蛙・・・
あーいう祖父に育てられるとこーいう孫になりますの例(パート2)
ちなみにパート1は、『禁断の宝石』です(笑)

>>「だからって、いきなりルール変更しますかっ!? 普通!?」
>>「ゼロスゼロス。ゼルは普通じゃないって」
>ごもっっとも。
普通じゃないのか……? というか、幼なじみに言われたらお終いだぞ、ゼル。

>>まあ、一度死んで来いと言いたくなるくらい鈍感なアメリアのことだ。
>だからこそ周りの第三者は楽しめる。
……ゼルたちは楽しめませんって……(汗)
いや、まあ、楽しければ良いんですけどね(笑)

>> 走るのはアンカーを含めて、全員で五人。
>> スタートから第四走者まではいつもと一緒。200メートル、それぞれのコースを全力で疾走。
>> そこまでは良かった。
>> 何故か興奮したようにリナが言う。
>>「が、アンカーのみルール変更っ! どんな手を使ってもオーケイ。何でもありですっ!」
>>『……なんでもあり……?』
>> アメリアと、どうせ自分にはあまり関係のないことだとあまりルール変更を理解していなかったアルフレッドが、別々の場所でそれぞれ呟く。
>>「得点はアンカーにバトンを手渡した順番にそれぞれ入ります。そしてっ! アンカーが無事ゴールできた暁には、ボーナス得点が入りますっ!」
>> あんまり理解できなかったアルフレッドが、ゼルガディスの体育着の端をちょいちょいと掴む。
>>「……どー言うこと?」
>> アルフレッドの問いにゼルガディスはゼロスと顔を見合わせた。同時に答える。
>>『ゴールに無事たどり着ければ勝ちってこと』
>いいですね。平和な学園のグランドに魔術が飛び交い、血の雨が降る。学校創立以来最初で最後のビックイベント。
爆音が響くのはいつものことだけど、今回はレベルが桁外れに違う(笑)
確かに最初ではあるけど……彼らが卒業するまで、最後と断言するのは早いんじゃないかと……なんかまた来年同じこと繰り返しそーだし……

>>『……なんでもあり……?』
>> アメリアと、どうせ自分にはあまり関係のないことだとあまりルール変更を理解していなかったアルフレッドが、別々の場所でそれぞれ呟く。
>あなた達の幼なじみが切れるとこうなるんですよ。
どーでもいいけど、ゼロス出し抜くためにここまでルールをめちゃくちゃに変えるゼルって……やっぱり変かもしんない。

>> バトンを受け取ってアルフレッドが言った。
>>「お先にっ! 二人とも頑張れよ」
>> 本気で他人事のように言い去っていくアルフレッドにゼルガディスとゼロスは一瞬顔を見合わせる。それぞれの瞳に映る思惑。どうやら考えていることは同じのようだった。すぐにバトンを同時に受け取って、駆け出しながら、ゼロスは言った。
>>「まずは、部外者の始末からっ! ゼルガディスさんっ!」
>世の中そんなに甘くない・・・ですよね?
アルフレッドは世の中を甘く見すぎてた、と(笑)
ツメが甘いんですね。最後まで気付け、アル。

>>「アルフレッド選手、リタイヤの模様ですっ! 悲惨ですっ! ゼル選手、友より愛をとったぁぁぁぁっ!」
>おとなしく勝負を捨てていれば命ぐらいは・・・死んでないって
でも死にかけ……(笑)

>>「よくもやりやがったなのアストラル・ヴァインっ!」
>> 杖に魔力を込めて、振り被る。ゼロスは辛うじてそれを避ける。
>“バトン”に・・・じゃないんですか?
…………
そーいえば、バトンがありましたねー……(汗) ま、まあバトンって短いし、殴りつけられないじゃないですか。(言い訳)

>> かなり大きなクレーターが、今の爆発の凄さを物語っていた。その真ん中で、ゼルガディスが少しかかる髪の毛を汗でうなじに張り付かせ、凄絶な笑みを浮かべながら結界を解除した。
>こういう姿ってきっと絵になるんでしょうね。
ならないならない(笑)
絵にすると怖いって。ゼルが『ふふふふふふふふ』とか笑ってるんですよっ!?

>> その姿にさすがのゼロスも苦笑いを張り付かせた。
>>(目が据わってるんですけど……)
>もう誰にも止められならない。すべてを破壊しつくすまで。(笑)
……まるでリナのようだ(笑)

>> ゼロスの呼びかけにゼルガディスは笑っただけだった。笑っただけだったのだが、ゼロスは全身に鳥肌がたつのを感じた。
>>(こ……こわひっ!)
>獣神官にここまで言わせるとは。
それほどまでに怖かった、と(笑)
ぜる、アメリアが関わると死ぬ気で襲いかかってきます。

>> ゼルガディスは額に浮かんだ汗をぬぐって、ぼそりと言う。
>>「そうだな……勝てりゃいいとか思ってたが……やっぱり一度きっちりと決着つけにゃならんなぁ、ゼロス」
>>「うあ」
>> ゼロスがうめく。ゼルガディスはゆっくりとゼロスに近づいていく。
>>「考えてみりゃあ、お前が消えりゃ、邪魔する奴はいなくなるしなぁ」
>> ぽう、とゼルガディスの手の中に光が浮かぶ。
>> それを遠くから見て、リナがぽつりと呟いた。
>>「……ゼル、キレたわねー」
>> さりげなく、リナの頬に一筋の汗が流れていく。
>みんなしておもいっきり煽ってましたけど・・・こうなるとは思わなかったでしょう。
思ってなかった(笑)
リナなんか悠長に賭けなんか開いてましたからねー。

>>「……何とかなんないの? 一応、あんたあれの幼なじみでしょ……?」
>> ゼルガディスを指差し、尋ねてくるリナにアメリアは頭を振って、どこか遠くに視線を泳がせた。
>>「完全にキレたら無理。後は気が納まるまで暴走するのみです」
>アメリアが大声で泣き叫べば何とかなるかも・・・ってこれが無理なら本当にどうしようもないですよね。
でも実際は有無を言わさず殴り倒すことで全てが終わったと言う(笑)

>>「全く……なんてことしたんですか!? あなた達は」
>> 刺々しい口調のレゾの執務机をはさんだ向こうで、制服に着替えたゼルガディスとゼロスは、それぞれ違う方向に視線を泳がせた。
>>「『最後の盛り上がりが欠けるから』とか言って、ルール変更したのは良いとして、ちょっと盛り上がりすぎなんじゃないですか? ゼルガディス?」
>血は争えない。ルール変更を認めた時点で半壊ぐらいは覚悟していたのでは・・・?
……どうなんでしょう(笑)
まあ、半壊程度だったらいつものことですからねー。(いつものことなのか……?)

>> 言って、窓の外――さっきまで体育祭をしていた校庭の方に顔を向ける。目は見えないはずだったが、誰かに話は聞いているのだろう。
>> 校庭には人だかりが出来ていた。窓を開けていないにも関わらず、外からブーイングらしき声が聞こえてくる。人だかりの中心にはリナがいて、何故か困ったような顔をしていたが、それがもつのもあと数分というところだろう。きっとまた爆音が響くだろう。
>> ゼルガディスは視線をずらし、先程アメリアに後頭部飛び蹴りを食らうまで(ちなみにその場で即ノックアウトだった)暴走していた場所に向ける。あんなに酷かったクレーターは綺麗に消えていた。埋めたわけでも魔術で直したわけでもない。単にクレーターがわからなくなる程度に地面をえぐっただけだ。
>> ゼルガディスは嘆息して答えた。
>
>>「確かにやりすぎだな。いかんぞ、ゼロス」
>>「どーして僕に言うんですかっ!?」
>> ゼロスが素っ頓狂な声をあげた。こちらも先程アメリアにヴィスファランクのおまけ付きで顔面に鉄拳を食らって精神的にずたぼろなせいで、いつもの嫌味が出てこないらしい。
>> それでもとりあえずゼルガディスに突っかかってみる。
>>「ゼルガディスさんが状況もわきまえずに暴走したのがいけないんでしょう!?」
>>「元はお前が賭けをしようなんて言い出さなけりゃこんなことにはならなかったんだ!」
>>「だからってルールまで変えることないでしょう!」
>>「そーでもしなきゃ思いっきりこっちが不利だったろーが!」
>アメリアを書けた勝負となるとただでは絶対に済まない。
>
>>「あーこほん」
>> 白熱しかけた低レベルな子供の言い合いにレゾはわざとらしく咳払いをしてみせた。びくんっ、と身体を震わせ、ゼルガディスとゼロスがそちらに恐る恐る目をやる。
>> レゾが微笑を浮かべて言った。
>微笑みって結構恐いものですよね。
特に意味ありげな微笑みは。

>では、これからもがんばってください。
ありがとうございますー! では〜。

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4303ゼルすごかったです!!緑原実華 E-mail 9/15-17:17
記事番号4244へのコメント

こんにちは!!
過激な運動会読ましていただきましたー!!ほんとに過激でした(笑)
とにかくゼルがすごかったです!!
アメリアを他の誰かに渡してたまるかー!!っていうゼルの独占力バリバリの姿がよめてとてもおもしろかったです。

リナもやりますねー・・・・
アメリアを賞品にしゃってリボンまで・・・この文読んで可愛い・・・と密かに思ってしまった・・・そんなアメちゃんをみたら負けるわけにはいかないですよねー!!

あとは・・レゾにうけました(笑)
ゼルもゼロスもさすがにレゾに目をあけられますとびびっちゃうんですねー・・。

いつも楽しく読ましていただいています!これからもがんばってくださいです!!

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4309Re:ゼルすごかったです!!ねんねこ E-mail 9/15-18:08
記事番号4303へのコメント

緑原実華さんは No.4303「ゼルすごかったです!!」で書きました。

ねんねこだす〜。(ああ、本気で語尾に『だす』が口癖になってきたなー)
感想ありがとうございました。
いつも読んで頂いてるそうで……嬉しい限りです^^
基本的には、≪普通の世界編≫はシリアスに、≪あぜりあ学園編≫はギャグにしておりまして……
≪普通の世界編≫のゼルはこんなことしな……いといいです(汗)(なんかこの頃問答無用にゼルの性格変わってきてるけど……)

>こんにちは!!
>過激な運動会読ましていただきましたー!!ほんとに過激でした(笑)
>とにかくゼルがすごかったです!!
>アメリアを他の誰かに渡してたまるかー!!っていうゼルの独占力バリバリの姿がよめてとてもおもしろかったです。
ではではレスの方いきますー。
この話はゼルがキレるとどうなるか、という裏テーマがありまして(笑)
………ロクなことにならんかった………
ゼルの独占力は、結構(と言うかかなり)強いですね^^;
ねんねこはそんなゼルが好きです。

>リナもやりますねー・・・・
>アメリアを賞品にしゃってリボンまで・・・この文読んで可愛い・・・と密かに思ってしまった・・・そんなアメちゃんをみたら負けるわけにはいかないですよねー!!
いろんな意味で負けるわけにはいかない。
特にゼロスにだけは、絶対に。
このイメージ画像は……某HPのTOP画像なんです……
ゆかりさんの感想の方にどの方のHPか書いてあるので(笑)もし良かったら見に行ってみてください。
めちゃくちゃ可愛いです。

>あとは・・レゾにうけました(笑)
>ゼルもゼロスもさすがにレゾに目をあけられますとびびっちゃうんですねー・・。
レゾが瞳を開ければあら不思議、魔王様が出てくるよ(はぁと)ってな感じですね(笑)
いくらなんでも二人じゃ勝てません、魔王にゃ。
しかもゼロスにとっては上司だし。

>いつも楽しく読ましていただいています!これからもがんばってくださいです!!
ありがとうございます! 実華さんも頑張ってくださいね。続き楽しみにしてます。
んでは、ねんねこでした〜。


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