◆−仲良し四人組のお話−じょぜ (2004/3/6 14:31:50) No.16093
 ┣−じょぜ (2004/3/6 14:37:23) No.16094
 ┃┣す....すてき!!−ねこめぐ (2004/3/6 22:16:37) No.16098
 ┃┃┗すてき!? ありがとう!−じょぜ (2004/3/7 19:36:15) No.16103
 ┃┗はじめまして−惣流 まい (2004/4/17 15:49:03) No.16277
 ┃ ┗よかった間に合った!−じょぜ (2004/4/20 22:20:16) No.16287
 ┗歌(ヴァルフィリ&ルクミリ)−じょぜ (2004/3/14 08:55:15) No.16136
  ┣あとがき−じょぜ (2004/3/14 09:04:23) No.16137
  ┗はじめまして!!−ミキ (2004/3/16 00:24:33) No.16142
   ┗ありがとうございます!−じょぜ (2004/3/16 02:31:06) No.16143


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16093仲良し四人組のお話じょぜ 2004/3/6 14:31:50


「軛」の続きで、今度は四人組それぞれの視点から書いてみました。
 そこそこシリアスです。
 ガウリナでゼルアメでヴァルフィリで、名前は出てきませんがルクミリです。
 ルクミリへの鎮魂歌、でもあります(そんな大層なもんじゃありませんが)。
 楽しんでいただけると幸いです。

 では、読んでくださる方に感謝をこめて。m(__)m

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16094じょぜ 2004/3/6 14:37:23
記事番号16093へのコメント

【声】






 何しに来たのかって?
 ───ただ会いたかっただけよ、あんたたちに。




 side Lina───紅茶を飲んだら

 あたしとガウリイが、フィリアとヴァルガーヴの家にやって来て、ちょうど一週間経った。
 たまたまこっちに情報を求めてやって来たゼルガディスとアメリアにも久々に会えたし。
 嬉しい知らせも聞けて、馬鹿騒ぎにもそろそろ飽きてきたし。
 出発の時が来たようだった。


 お昼が過ぎて、満腹になったところで。
 フィリアの店のすみっこに、ちょっとお茶を飲めるコーナーがあって、あたしとガウリイとヴァルガーヴは、昼食後のだらけた雰囲気を漂わせつつ、ただぼーっとしていた。
 前に来たときより、店の様子が変わったなあと思って口にしたら、
「ヴァルが協力してくれたんです」
 とフィリアが言うので、話半分かと思ってたら、
「だいたい鈍器と紅茶のとりあわせでどうやって売れるってんだよ」
 とすげーめんどくせーといった調子で呟くので、思わず吹き出してしまった。
 そりゃそうだ、と前々からあたしも思ってたし。
 フィリアお気に入りの、モーニングスターその他鈍器のたぐいは大分数が減って、そのかわり、ティーセットとか銀食器とかお香とか、なんかかわいい感じのこまごましたもんが増えてるのはなかなかいいと思うんだけど、 それがフィリアじゃなくて、この妙に態度がえらそーなにーちゃんの助言のせいだというのが、らしいのか妙なのか、よくわからんもんがある。
 まあ午前中、ヒマにまかせて店の手伝いらしきことをやってたら、けっこう客は来ていたけど。
「鈍器や壷ばっかりじゃ店も殺伐としてたけどさ」
 フィリアがいれてくれたお茶に、今度はミルクを注いでみる。
「こーゆー店のほうがフィリアの見てくれともあってていい感じよね」
「どーせ俺の趣味だとは誰も思わねーよ」
「その顔じゃね」
「なあなあ、このビスケットだかクッキーだかすっげーうまいぞリナ」
 見ると白いお皿に上品に盛られていたお菓子があらかたなくなってやんの。
「ちょっとは残しときなさいよっあんたっ」
 ささっ三枚ほどつまんで口の中に放りこむ。
 ……あ、ほんとだ、おいし。くやしーけど。
「ねえねえ、こんなにうまいんだからさ、いっそ喫茶店みたいなことやってもいいんじゃないの?
 昨日食べたケーキだってめっちゃおいしかったし」
「………やだよ」
「オレもいいと思うけどなー」
「ねー?」
「……誰がつくると思ってんだ」
「誰ってフィ」
 言いかけて、おそろしー想像に思わず喉をつまらせた。
「げほげほ……ちょ、ちょっと待ってよ……」
 あわててミルクティをごくごく流しこむあたしの背中を、ガウリイがおいおいあわてんなよと軽く叩く。これをあわてずして何をあわてろと。
「───ね、ねえ、まさかこれってさ」
 おそるおそる聞いてる間にも、ガウリイが最後の一枚をかじっている。
「……わりーかよ。
 別に毒なんか入ってねーし」
 ぶあいそに答えると、空のお皿を取り上げて立ち上がった。
「………そ、そお。けっこー器用なのね……」
「こないだたまたまつくったら喜んじゃってよ。またお願いねなんて気楽に言いやがって。
 ……まだ食うなら持ってくるぞ、余ってるし」
「食う食う! な、リナ」
 う、うんとつられてあたしは思わずうなずいてしまった。
 ………なんか、意外なんだか似合ってるんだか。



 side Ameria───そこにいたいのは私

 カウンターの中と外で、フィリアさんとゼルガディスさんが、地図や分厚い本を広げて熱心に話し込んでいる。
 とりあえず今日、あたしとゼルガディスさんは出発することにした。これから回るルートについて、フィリアさんの知識はとても頼りになるんだけど。
 専門用語のオンパレードになってくると、正直あたしの出番はないので、お店の商品を手に取って眺めながらぶらついていた。
 視線を転じると、いろんな棚に隠れて見えなかったリナさんとガウリイさんが、手をあげてあたしを呼んでるので、そっちに行こうとすると、
「───リナ、ちょっと来てくれ」
 ゼルガディスさんの声がして、あたしと入れ違いになった。
 カウンターに三人、頬杖をついたリナさんと、地図にペンで印をつけるゼルガディスさん、フィリアさんは忙しそうに本に眼を通しながら何かを説明している。
「まだかかるみたいだしさ、飲んでろよ」
 リナさんが座っていた椅子に腰を降ろして、あたしはガウリイさんがポットからお茶を注いでくれるのを眺めていた。
 ゼルガディスさんとフィリアさんだけだと、低い静かな声でぼそぼそと聞こえてきただけなのに、リナさんの「そーじゃなくてさ」とか「こう読むんじゃないの」とか元気な声が響いて、知らず知らずのうちに白熱した議論になっていく。
「ん? どーした、ため息ついて」
「……まだ当分ここにいるんですか?」
「んーリナ次第だけどな」
「……一緒に行きませんか?
 リナさんやガウリイさんがいたほうが───いいみたいだし」
 なんか卑屈でヤな感じ。
「そっかなー?
 オレたちがいるとかえってゼルの目的からどんどん外れてくよーな気がするぞ?」
 う……ガウリイさんにしては鋭い……。
「まあ、一応オレたちも予定があるしな。すごく急ぐってわけじゃないけど」
 本当は知ってた。
 リナさんがうっかり口をすべらさなければ、ぎりぎりまで知らなかっただろうけど。
 ゼフィーリアに、リナさんの実家に行くんだって。
 聞いたとき、とっても嬉しいはずなのに、ちくっと何か刺すような痛みが走ったのも確かだった。
 うらやましい、よりも、ねたましい、に近いかもしれない。
 やだやだ、こーゆー自分がほんとイヤ。
「冷めちゃうぞ?
 どした? シワ寄ってるぞ」
「あーあ」
 と思わず吐き出した声は、自分でもびっくりするほどヤケみたいなため息だった。
「いーなーいーなーリナさんもガウリイさんもフィリアさんもヴァルガーヴさんも!」
「ど、どうしたんだ急に……?」
「なあんにもないあたしから見たらすっごくうらやましいってことです。
 わかんないでしょーけど」
 約束らしい約束も、あかしも何もないけど、でも確かにどこかでつながっていると信じていたのに、ここに来て急に自信がなくなっていく。
 ほら、こうやって他人を際限なくうらやましがっているから。
 じわっと滲みでてくるものを見られたくなくて、下を向いてお茶をすすった。
「……一緒にいられるだけでほんとは満足すべきなんですよね。ほんと、前はそれだけでよかったはずなんです。なーんでこんなに欲張りになったのかなーって。
 ガウリイさんはそーゆーことないんですか?」
「あるよ」
 あっさりと答えて椅子の背にもたれる。 
「うっそお」
「嘘じゃないってばさ。そんなもんだよ。わかるよ」
 ガウリイさんの声はとてものんびりしていて、優しい。でもどこか有無を言わせない強さもある。
「役に立ってるんでしょーかねー……───あたし……」
 口にすればするだけ落ち込むとわかっていても、やっぱりつい考えてしまう。
 リナさんほどの魔術の知識も腕もないし。
 竜族のフィリアさんにも太刀打ちできないし。
 ガウリイさんみたいに、魔法以外のことに秀でてるわけじゃない。
「立ってない───って自分で思うのか?」
「ええ、まあ……だって」
「そう思うんなら、セイルーンに帰ったほうがいいと思うぞ」
「───え……?」
「役に立たないって自分で自覚してるんならさ。オレならそうする。
 でもそばにいたいなら、とりあえずやれることやって努力する」
「───………」
「だろ?」
 いつもみたいにさらっと言ってくれてるけど。
「ゼルがさ、ああやって頑張ってるのは誰のためか、ほんとにわかんないか? アメリア」
 軽く頬をひっぱたかれたって感じた。



 side Gourry───そのままの笑顔で

「───ほら」
 オレとアメリアの間から、突然手がにゅっとのびてきた。
 おお、さっきのクッキーだかビスケットじゃないか。
「おーサンキュー」
「あ、ありがとうございます」
 アメリアの声はちょっと弱く、眼が少し赤かった。
 ………少しきつい言い方だったかも知れなかったけどなあ。
 ゼルの隣にはアメリアがいてほしいってのも本音だしなあ。
 うーん、こういうときリナならどう言うんだろう?
 オレが遠慮なく手をのばしても、アメリアはじっと動かないまま、お茶だけ飲んでいる。
 ええっと………リナを呼んでこようか……な。
「食えよ」
 そしたら、ヴァルが何枚かのクッキーだかビスケットだかを取って、強引にアメリアに渡そうとする。アメリアはうろたえたようにお茶を置くと、ぎこちなく両手で受け取った。
「ど、どうも……です」
「───うまいか?」
「はい、とっても………あれ、すっごくおいしーですこれ」
 大きく眼をあけてオレのほうを見るアメリアの顔は、いつもどおりに戻っていた。
 やっぱり笑ってるのが一番だよな。
 泣いてもどうしようもないときがあるなら、笑っちまったほうがいいとオレは思う。
 だってどうしたって笑えないときのほうが多いんだからさ。
 笑えるときに笑ってたほうが、きっといい。  
 オレが「ありがとな」と言うとヴァルは黙ってオレのカップにお茶を注いでくれた。



 side Zelgadiss───願い続けると決めた

「なんかいい雰囲気じゃないあそこ」
 フィリアから竜族ゆかりの遺跡や神殿について、どうしても読めない古代文字で書かれた地図を解読してもらい、大食いで意地汚いドラまた娘とはいえ、魔道士としての腕と知識「だけ」は認めるにやぶさかでないリナの意見も聞き終わると、地図を丸めて腰に下げた袋にしまいこんだ。
 竜族の言葉で書かれた分厚い本を、読めはしないが興味あるので眺めていると、リナが面白そうに俺にささやいた。
 顔を上げると、ガウリイとアメリアとヴァルガーヴが、なごやかに茶を飲んでいる。
 平和でいいことだ、と、ここ数日間の乱痴気騒ぎの元凶を横目に思った。
 だからどうした、とも思ったのでそのまま口にすると、
「こんの朴念仁が」
「元からだ」
「はいはい、で、急ぐんじゃないの? そろそろ出発するんでしょ」
 反射的に窓の外に眼をやると、すっかり午後の陽射しになっていた。だいぶ雲が出ている。
 確かにここで茶を飲んでいては予定が狂うだけだ。
 一日の滞在のはずが、いつのまにか一週間になっているし。
 誰のせいかは言うまでもない。言っても「あらそーお?」と涼しい顔をしやがるだろうが。
 俺が本を閉じると、リナが手をひらひらさせ合図する。
 アメリアは、ぱっと顔を輝かせて立ち上がる。
 ガウリイもやって来て、別れの挨拶を口にする。
 じゃあまた、とフィリアが言い、ヴァルガーヴが小さな包みをアメリアに渡す。
 気をつけんのよ、とリナが俺の背を叩く。リナさんたちも、とアメリアが笑みを浮かべた。
 ドアを開けるとカランカランと音がして───ゆっくりと閉まった。

 空が碧く、遠くまでよく見通せるように空気も澄んでいた。

 少しずつ歩を進め、振り返るとフィリアの店は遠く見えなくなっていく。
 ゆるやかな坂をのぼって行くうち、アメリアが内緒ですよと前置きして教えてくれたことを思い出した。

 ───ゼフィーリアに行くんだそうですよ、リナさんたち!

 だからどうした、と言いかけて、そのときは言葉をのみこんだ。
 
 ───そうか、そりゃあよかった。
 ───リナさんすっごく照れてましたよー。
 ───だろうな。
 ───なんかおめでたいニュースばっかりですね。

 はしゃぎながらも、眼をあわせないのはなぜなのか、とっくにわかっていた。
 その期待を満足させる言葉だけでも言ってやれたら、と思う。

 はい、とアメリアが俺の口もとに何かを突きつけてきたので、我に返る。
「───なんだ?」
「甘いもの、疲れがとれますよ。なんとですね、ヴァルガーヴさんのお手製なんだそうです」
 すごいですね! とにこにこしながらアメリアも口に放り込む。
「さっき渡してたのはこれか」
「持ってけって言ってくれたんです。いっぱいつくったからって。
 ゼルガディスさん、地図に夢中で食べる暇なかったし」
「ああ……悪かったな」
「ほら、急ぎましょう。野宿しなきゃならなくなりますよ」
 アメリアが手を伸ばして俺の腕をつかむ。
「一緒に来るんだよな?」
 ふいに口をついて出た言葉に、一瞬びっくりした顔を見せる。
 一番驚いたのは俺だが。
 真面目な顔を俺に向けてはっきりと言い放った。
「行きますよ。当たり前じゃないですか」
 ありがとう、と、きっとこれから先何年も口にしないだろう言葉を告げると、らしくない、とアメリアは笑った。そうか、と俺はうなずき、ついでだと開き直って、さらにらしくないことをしてやった。

 不意打ちなんて卑怯です! とアメリアはこれ以上はないくらい真っ赤になった。



 side Lina───葡萄を食べに

 ゼルとアメリアを見送って、翌朝。
 あたしたちも出発することにした。天気もそこそこよかったし。
 なんか急じゃないですか、とがっかりした顔のフィリアに、ヴァルガーヴはどこが、と呟いて横を向く。悪かったわね。
 そりゃあ最初は一泊か二泊の予定だったけどさ。予定は未定って言葉があるのよ、うん。
「お昼過ぎたら雨降りますよ、たぶん」
「んーどしゃぶりじゃなけりゃ強行突破で行くわよ」
「なんとかなるさ」
「そーそ、なんとかなるって」
「なんとかなる、じゃなくて、むりやりしてるんだろが」
「そーよ悪い?
 まあ安心しなさいって、今日からまた二人っきりのあまぁぁぁい新婚生活が始まるんだから。
 ねーよかったわねーお邪魔虫がいなくなってうれしーでしょおとーさん」
 赤面して黙り込むかと思いきや───あれ?
  ヴァルガーヴはふん、と鼻でせせら笑う。うわすっごいムカつく。
「………てめーらだって同様じゃねーのかよ。
 おめーの実家とやらに行くんだろ、これから」
 ぎぎくぅっ!
 やばい、顔が赤くなっていくのがわかるっ! 
「ま───まあ、そうだったのリナさん!」
 フィリアが眼をきらきらさせて、身を乗り出してくる。あーもー。
 おーかたアメリアがしゃべったんだろーけど………後でシメとかなきゃ。
「………そーよ悪い?」
「結局何しに来たんだ?
 わざわざ結界の外まで来ないで、さっさと行ったらいいだろうが」

    どうしても、確かめたかった、この眼で。
    
「人を厄介払いみたいに……突然押しかけて悪かったわよっ」
「おう、とっとと行け行け」
 そんな言い方ないでしょう、とフィリアがヴァルガーヴを軽く睨む。
 見かけは全然似てないのに、そんなふうに彼女が彼をたしなめる様子は、どこかあの二人を思い出させた。
「───ゼフィーリアに行くんなら引きとめられませんね、残念ですけど」
 ルナさんによろしく、とフィリアは微笑んだ。とても優しく、嬉しそうに。
 あたしも、生まれたらちゃんと知らせんのよ、と笑った。
 だからね、ヴァルガーヴ。
 何しに来たのかなんて迷惑そうに言われても、全然腹も立たないのよ。


    どうしても、故郷(くに)に帰る途中、会いたかったのだ。
    あの男をヴァルガーヴに。
    銀の髪のはかなげな女性の面影を、フィリアに重ねて。
    どうか、幸せでありますように。
    もう誰も、泣くことがありませんように。
    そうしなければ───帰ろうとする足は鈍るばかりだったから。


「もう当分来んなよ、うるせーから」
「ヴァルガーヴっ!」
「えーえーこっちだって願い下げよっ!
 だいたいフィリアに会いに来ただけなんだからねっ!
 フィリアの紅茶が飲みたかっただけなのよあたしはっ!」
「あーほらほら、あんまり興奮すんなってリナ」
「でもって故郷(くに)にはぶどう食べに行くだけなのっ! 悪いっ!?」
「あーそーかそーか食い意地張った相棒を持つと大変だなあんたも。同情するぜ」
「なにいいい──────っ!!!」
「やれやれ……」「まったくもう……」

 






 声が、聞こえる。



 
 あたしを呼ぶ仲間たちの。
 逝ってしまった友人たちの。
 それに混じってかすかにこだまする、あれは産声かも知れない。

 
 この世界のどこかで。
 同じ空の下で。
 生きてることがわかれば。

 
 今はとりあえず、それでいい。

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16098す....すてき!!ねこめぐ E-mail 2004/3/6 22:16:37
記事番号16094へのコメント

 こんばんは、じょぜさんっ!いいですいいです!こんな長いヤツ読んだの、ひさしぶりぃ!ひきこまれて、ぜんぶ、読んじゃいました!すんごくいいやつでした!すてき!!じょぜさんを見習わなくては!!それでは、明日は寝坊しそうな、ねこめぐでした!!さよなら〜!!

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16103すてき!? ありがとう!じょぜ 2004/3/7 19:36:15
記事番号16098へのコメント
どうも〜、ねこめぐさん初めまして!
うーんリアルな感想うれしいです! ひきこまれた、というのが特に。
見習いたい!? あ、ありがたい……でも、ここには創作意欲を刺激される、すばらしい作品がいっぱいありますよ〜。過去ログは宝の山です、ほんとに。
ではでは、夜遅いのに感想ありがとうございました!!!!!

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16277はじめまして惣流 まい E-mail 2004/4/17 15:49:03
記事番号16094へのコメント


 どうもはじめまして、惣流 まいと申します。
 滅〜茶〜苦〜茶〜時間がたっているのにレスをするという卑怯者です。
 投稿二にはあまり顔を出さなくなっているんですが、今日ちょっと覗いたら作品の下にレスがあって、『素敵ですv』と。書いてあるじゃあないですか。

 コレを読まずして大魔王が語れるか★というわけで(語るな、ンなもん)

 視点がどんどん変わっていって、それぞれの思いがすんなり入ってきました。

 アメリアは自分のもどかしい思いを胸に一杯保管していて。

 ガウリイはそんなアメリアに自分なら、といい。

 ゼルガディスはアメリアを大切に、と思い。

 リナは彼等をみて自分の心との踏ん切りをつける。

 惣流には到底真似できないな、と思いました。
 なんだかガッツがでてきました。
 最近話がうまくいかなくて困っていたんです。
 でも、このお話を見ると闘争心がふつふつと★
 ではでは。
 短いですが、この辺で。
 唐突なレスで本当済みませんでした。


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16287よかった間に合った!じょぜ 2004/4/20 22:20:16
記事番号16277へのコメント

 どうも、初めまして、惣流 まいさん!
 いやーまさか、もうレスいただけないと思ってたんで、今日、投稿しようとちょっと下をスクロールしてみたら……びっくりしましたけど、嬉しいです! 時間経ってると余計にです。
 
> 投稿二にはあまり顔を出さなくなっているんですが、今日ちょっと覗いたら作品の下にレスがあって、『素敵ですv』と。書いてあるじゃあないですか。
> コレを読まずして大魔王が語れるか★というわけで(語るな、ンなもん)
 「素敵」という言葉がお好きですか? 私も好きです。いいなあと思うとだいたい感想には必ずこの言葉をいれるんですね(笑)。

> 視点がどんどん変わっていって、それぞれの思いがすんなり入ってきました。
> アメリアは自分のもどかしい思いを胸に一杯保管していて。
> ガウリイはそんなアメリアに自分なら、といい。
> ゼルガディスはアメリアを大切に、と思い。
> リナは彼等をみて自分の心との踏ん切りをつける。
 ……なんかこうやって簡潔にきりっと表現していただくと、自分の作品じゃないみたいです。
 そーかこういう話だったのか、と無責任に思いつつもすごく新鮮です。ありがとうございます。

 アメリアは今回ちょっとかわいそうだな、と思いつつもね、でもみんな内心ではいろいろ葛藤があるんだよ、甘えちゃだめだよ、というのを言いたくて。
 ガウリイは「刃の先に見えるもの」の話が頭にあったので、アメリアを叱咤する役は彼にまかせました。彼は一番呑気そうに見えてふところの広い男だというのを表現したかったです。
 ゼルガディスの生真面目なとこ、好きですね。アメリアのために頑張ってるんだよ、というガウリイのセリフか出て来た時には、ほっとしました。
 で、リナ。
 ルクミリとヴァルフィリを繋げるのは無理があるかな、と思いつつも(笑)、書きながら、やっぱリナはもう、ルークとミリーナみたいな結末を見るのはごめんだろうし、仲間たちには幸せになって欲しいと願ってると思います。んで、ラストのモノローグが出て来ました。
 
> 惣流には到底真似できないな、と思いました。
 うんにゃ、もがいてるうちになんか見えて来ますよ絶対。書き続けてればきっと。

> なんだかガッツがでてきました。
> 最近話がうまくいかなくて困っていたんです。
> でも、このお話を見ると闘争心がふつふつと★
 ををうっ! 宣戦布告ですね。私も過去ログやいろんなサイトさんのパロディを読みながら、ああこーゆーの書きたい! 書いてやるぜ! と思うことしばしばです。頑張りましょう。

> ではでは。
> 短いですが、この辺で。
> 唐突なレスで本当済みませんでした。
 とんでもない、大歓迎です。ありがとうございました。m(__)m

 ええと、ここで感想書いちゃうのは失礼なんですけど。
 まいさんの「Going my way」を読ませていただいて、感想つけようと思ってるうちにツリーが沈んでしまって……。
 ルークとリナの夢の中の会話が、明るければ明るいほど、どこか切なかったです。
 ルークらしいし、天国ではミリーナと幸せでいてくれ、と私も思うんですが、すべてが終わったあとの、もう魔王じゃなくなったルークの陽気さが、もうなんちゅーか、物悲しかったです。
 リナの「もうあたしの夢の中に出てくじゃないわよ」ってのも、すごく、らしいです。ベッドから落っこちて頭に笑い声が響く、というラストも、本当に絵と音が浮かんできました。

 では、こちらこそ、ここで感想を述べてしまってすみません。
 本当にありがとうございました。

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16136歌(ヴァルフィリ&ルクミリ)じょぜ 2004/3/14 08:55:15
記事番号16093へのコメント

 じょぜです。ホワイトデーとは全然関係ない話ですが、ひとつ書けたので投稿させていただきます。
 ヴァルフィリでルクミリです。
 「軛」と「声」の続きです。読まなくてもたぶん支障はないと思いますが、これ読んで興味持たれた方は、この二つも読んでやって下さるとありがたいです。
 ヴァルとフィリアが夫婦で、お腹に赤ちゃんがいるっていう設定なんで(笑)、お嫌な方はスルーしてください。
 では、どうぞ〜。ちょっと長いんですが……。m(__)m



【歌】



 行け、我が想いよ、金色の翼に乗って、
 行け、我が想いは輝け、あのオリーブの上に、あの丘の上に、
 かの地に寄せる我が想いは、香りかぐわしく触(てざわ)りおだやかにして、
 われらが故郷にそよぐ、そよ風のごとし。  
                             ───ヴェルディ「ナブッコ」 



 三日間、しとしと降り続いた雨がやんだ朝。
 今日はピクニックに行きましょうあの丘まで、とフィリアが提案した。
「行きましょうもなにも」
 髪をぐしゃぐしゃに乱したまま、まだ完全に目が覚めてない顔のヴァルガーヴが眼にしたものは、ダイニングのテーブルにでんと置かれた大きなバスケット。
「やだっつっても行くんだろ」
「あらすごい、どうしてわかったの?」
「───」
 にっこりと笑ってフィリアは、はい、とコーヒーを差しだした。
「ほら、ここのところリナさんたちの滞在であわただしかったし」
 確かに、と眠気覚ましのためブラックのまま口をつけながら納得する。
 あの四人がいた間の大騒ぎを思うにつけ、今の静けさはしみじみありがたい。
 嵐のようにやってきて───疫病のように去って行った一週間だった。
 元凶は約一名だったが。
 だから、ね、とフィリアの言葉が続く。
「ばたばたしてたから、そろそろゆっくりしたかったし」
「店は?」
「今日は定休日ですもの」
 まあどうせ開店休業みたいな店だしな、とこれは心の中で呟く。
 品ぞろえを変え始めたここ最近は、それでも訪れる客は増えつつあったにしても。
「いいお天気だし。早起きして準備してたんです」
 ずずず、と音をたててヴァルガーヴはコーヒーをすすった。
 なにかっちゃ「いいお天気だから」を理由にすることの圧倒的に多いフィリアではあったので、いつもなら「いい天気で店が休みなら俺は寝てる。一人で行ってこい」とそっけなく言い捨てて悔いはないのだが、今はそうもいかない事情がある。
 別にリナからねちねちねちねち「おとーさん」だの「パパ」だの言われつけたからでは決してないのだが、まあ、一人で遠出をさせるわけにもいかないだろうぐらいの責任感は、彼にもある。
 加えて、駄目押しにこんなふうに言われた日には。
「ヴァルと一日、のんびり『ふたりっきりで』過ごしたいなあって」
 無駄な抵抗だと思いつつも。
「……なら別に出かけなくてもいいと思うんだが……」
 フィリアは聞こえなかったかのように、にこにこにこにこ無言で微笑み続けるので、ヴァルガーヴはいささか乱暴にカップを置くと、行きゃいいんだろ行きゃ、と椅子から立ち上がった。 



 上着をはおる必要もないくらいの爽やかな陽気だったが、ヴァルガーヴは念のためにとマントを身につけて出た。フィリアが肘ぐらいまでの袖のワンピースで出てきたので、
「冷えるかもしれねーから、なんか掛けてこいよ」
 と注意したが、大丈夫と言ってすっかりうきうきした調子なので、まあいいかとそのまま出かけることにした。
「詰めすぎじゃないのか」
 フィリアの手からひょいとバスケットを取り上げる。二人分なのでそこそこ大きいし、めいっぱい入れるだけ入れたらしく、ずっしりと肩に重みがくる。
「帰りは軽くなりますから」
「水筒もよこせ」
「これぐらい平気ですって。あなた敷物も持ってるし」
「転ぶなよ、足取られないように注意しろ」
 はあい、とフィリアはくすりと笑った。確かに道はぬかるんで、ところどころに水たまりを作っていた。普段ならひょいっと飛び越えたりするのだが、今そんなことをやったら、たちまちヴァルガーヴの眉がつり上がるのは明白なので自粛する。
 数日前もついうっかりして、重い壷──といってもフィリアには別にたいしたことない重さだったが──を移動させようと、せーのと持ち上げたとたん、おいこら、とすごい勢いで怒鳴られたのだ。
『───え? 何ですか?』
『何ですかじゃねーだろ! そーゆーのは俺がやるから置いとけっ!』
 なんのことか理解するのに、やや時間がかかり。
 腑に落ちた瞬間、ああ、と深くうなずいたのだった。
 で、ついぽろっと口にしてしまった。
『あらいやだ、すっかり忘れてたわ』
『…………おーまーえーな──────っ!』
 すみません、という言葉とは反対にけたけたと笑いころげるフィリアに、彼の怒りは倍増し、その日一日機嫌が直らなかった。悪い悪いと思いながらも、フィリアは見えないところで笑いをかみ殺すのに苦労した。
 間抜けな自分も自分だが、あわてふためくヴァルガーヴの様子が、思い出すたび笑えてしょうがなかったので。
「………何にやにやしてんだよ」
 人家を通り抜け、行く途中、何人かの店の客や知り合いと挨拶を交わしながら、二人はてくてくと歩き続ける。
 店や食堂はちょうど開店前後の時間帯なので準備や掃除に忙しそうだし、商人や魔道士、傭兵という、往路を急ぐ者たちとすれちがったりした。
 ふと我に返ると、ヴァルガーヴが白い眼を向けている。
「ちょっと思い出し笑いしてただけです」
「なんの」
「さあ? 当ててみて」
「なんでもいーけどよ、ふらふらよそ見すん」
「まあきれいな花。すみません、これおいくらですか?」
「なよ……って人の話聞けよおい」
 花屋の店員とにこやかに話し始めたフィリアに、その言葉は届くはずもなく、二十分ばかしヴァルガーヴはぼーっと立ち尽くすはめになったのだった。 


 
 小一時間ほど歩くうち、目の前に原っぱが広がっていた。
 ふくらはぎぐらいまで伸びた草が風をはらんで、うねるようにざわざわと揺れていた。
 めざす丘には、昼なお暗い森というほどではなく、見上げれば雲が流れていく様子はわかるくらいの樹々が点在している。
 丘は丘でもそれほど小高くもなく、ゆるやかなだらだら坂の頂点といったほうが正確で、本当に見わたす限り、いちめんの野原。
 ここのロードの私有地ではあるのだが、特に肥えた土地というわけでもないし、オリハルコンその他、国が潤うような産物が出るわけでもないからと数十年放っとかれ、そのうち「あそこには何か『出る』らしい、だから領主様も手を出さないのだ」といわくつきの土地としての噂が立ってしまい、付近の住民たちも丘には近づかず、村にほど近いあたりで親が子どもを遊ばせに来るか、占い師が薬草を採りに来るかするぐらいの打ち捨てられた場所になってしまった。

「出る」という噂を信じたわけではないが、フィリアはときどき、夜中にこっそり抜け出してこのへんを散策するのが、ちょっとした楽しみになっていた。
 満月がこうこうと照り映える夜、ふっと目が覚めてしまい、ヴァルガーヴを起こさないように窓を開け、そっとすべり出た。
 なんの気なしにここまで飛んで来て、月あかりの下、風もなくしんと静まり返った光景は、まるで凪の海のように幻想的だったことをよく覚えている。
 結局のところ、周りが言うほど危ない場所でもないし、幽霊も魔族も出やしないとわかったので、それ以来、月夜の散歩を楽しむようになったのだが(闇夜はさすがに不気味だった)、なんとなく、ここに来るたび、何かに呼ばれているような気がしてならなかった。

(───なに? 誰なの───?)
(私を呼んだ?)

 月光に照らされて、フィリアは何度も何度も周囲を見わたす。その声は、違う、とでもいうようにふいに気配を消し、また思い出したように現れるのだった。
 すべてを諦めきったような、乾いた呼び声には、覚えがあった。



 雨があがったばかりで当然土はやわらかい。スカートの裾が濡れないようを少し持ち上げてそろそろと歩き出すフィリアに、ヴァルガーヴは手を突き出した。
 つかまれ、という言葉に素直にうなずいてフィリアはその手を取る。
 水をふくんだ草をブーツで踏みしだきながら進むうち、たまにふわっと風が吹いて、雨の匂いが立ちのぼった。
 つとヴァルガーヴが立ち止まったので、フィリアも半歩遅れて歩みを止めた。
「どうしました?」
「いや……なんか、気持ちいいなと思って」
「え?」
「風が」
 雲間から陽射しが照らし出す空を眺めて、ヴァルガーヴは深呼吸した。
 またのんびりと歩き始めていくと、やがて丘の斜面にさしかかりつつあった。
「で、どのへんにする」
「もうちょっと奥に行きましょう。眺めがいいですよ」
「どうせどっから見たって同じ景色だろ」
「そうでもないんですってば」
 フィリアが指ししめす方に向かって、二人の足は少しずつ早くなった。



 場所を見つけた時にはすでにお昼近くになっていた。
 濡れてない所というと、なるべく大きく枝葉を広げた樹の下がいいのだが、それでも多少は湿っているし、もうちょっと陽のあたるところがいいですとフィリアがこだわったりで、ちょうどいい場所に落ち着くのに時間がかかった。
 使い古したチェックの毛布を広げて、すぐそばの切り株にバスケットを置いた。
 朝からコーヒー一杯だけのヴァルガーヴは腹減ったを連呼していたのと、つまみ食いしながらお弁当を作っていたフィリアも同様だったので───あっという間にバスケットの中身が空になった。

 ぽかぽかとひなたぼっこにちょうどいい暖かさだったが、
「掛けとけ」
 彼は引っかけてきた青いマントを彼女に寄こすと、背を向けてごろりと横になった。
「大丈夫ですよ、あなたのほうが───」
「なあ」
「………はい?」
「アレ、歌ってくれよ」
「あれって?」
「アレはアレだろ……子守歌」
 あら、とフィリアはとまどった顔でヴァルガーヴの背中を見つめた。
 料理をしながら、お茶を入れながら、店番をしながら、フィリアは何かを口ずさむくせがあって、だいたいが神殿にいたとき覚えた聖歌、賛美歌のたぐいだった。
 あとは亡き母や一族から教わった童謡や、ここのところよく口をついて出る歌は、子守歌が多かった。といってもひとつしか知らないのだが。
 ただなんとなく気恥ずかしかったので、なるべくヴァルガーヴに聞こえないようにこっそり歌っていたつもりだったのだが、知らず知らずのうちに聞こえるような声で歌っていたのかもしれない。
「聞いてたんですか?」
「……耳に入ってきた、勝手に」
「下手ですよ私」
「巫女のくせに音痴だったってのか?」
「そうですよ。そういうのもいるんです」
「下手でいいから歌えよ」
 フィリアは一瞬苦笑を浮かべ、ためらいながら口を開いた。


    私のいとしい子よ。
    あなたが眠るとき、一度も聞いたことのない言葉を教えましょう。
    その日、初めて聞く言葉をあなたの耳に落としましょう。
    その次の日も次の日も、新しい言葉をささやいてあげる。
    大空を足もとに置く方法を知らないあなたに。
    海の水を空中へとどめるやり方を。
    木の葉を雪に変え、星々を網に集めるためにはどうすればいいか。
    大きくなったらわかるでしょう。
    そのときまでお眠りなさい、私のいとしい子よ。


 低くゆったりした旋律に眼を閉じてヴァルガーヴは聞き入っていた。
 知らない歌ではあったが、どこか聞いたことがあるようでもあった。
 まあ子守歌とはそんなものだろうと黙っていると、
「起きてます?」
「……寝てる」
 さっき渡したマントをフィリアがそっと掛けてきた。
「もう一回歌いますから覚えてくださいね」
「できるか、んなもん」
「絶対必要になりますって」
「なんで」
「私がたまたま留守のとき泣きだすかもしれないでしょう?」
「───だから?」
「すごいんですから赤ちゃんの泣き方って。知らないと思いますけど」
(知るわきゃねーだろ)
「どれほどすごいかって言うと、お腹が空いたときのリナさんの……そうね、百倍ぐらいのわめき方で」
「……マジかよ……」
 あれより上なのか!? と出産・育児経験ゼロ(そりゃそうだ)の彼は一瞬青ざめた。
「いえ冗談です」
「───」
 なぜか彼の天敵があかんべをしてる図が脳裏に浮かび、今度会ったら必ず(しっぽで)首絞めてやるとひそかに決意した。
「とにかくそうなったら、なだめるのに困るでしょう。だから覚えておいたほうがいいんです」
「別に俺は困らん」
「じゃあ私とあなたが喧嘩して、私が出てっちゃったときのために」
「…………」
「一応三日ぐらいで戻る予定ですけど」
「………俺が出てったらどうすんだよ」
「どうもしませんよ。
 帰るの待ってるだけのことです」
 心配ですのひとこともないのか、とツッこみたいのはやまやまだが……やっぱり黙っていた。
「備えあれば憂いなしって言いますから」
 ね? と顔をのぞきこんでくるので、わかったわかったと降参した。
「他になんか歌えよ。好きなやつでいいから」
 じゃあ、と次々にフィリアは小さな声で歌い続けた。
 長いこと歌わなかった曲を口ずさむうち、まだ神殿にいたころ、さまざまな歌を教わり、耳で覚えては歌い続けたのを懐かしく思い出した。
 当然ながら聖歌や賛美歌が多かったが、ときどき眼を盗むようにして、古びた書物の中にある詩をこっそりと歌うこともあった。ほんの幼い頃に亡くなった祖母から、口伝えのように教わった伝承歌の一節は今でもちゃんと歌えることに驚いた。
 それはたぶん、恋歌だったからだろうと思う。
 聖歌や祈りの言葉の中に、まるで恋愛を彷彿とさせるような歌詞があると、どきどきする胸を抑えて「あなた」とか「御身」、つまり神を指す部分を、想像の中の恋人に置き換えて歌っていることに、気づく者がどれだけいたか。
 少し冒涜だと思わなくもなかったが、そんな想像をめぐらせては楽しんでいたのだった。いつか出会う誰かとはどんな人なのだろうと。

 
   潮が満ちても引いても、ここで待っているから。
   いくつもの波に、いくど洗われても、
   あなたが私を見つけることができるように、
   ここに立ち尽くしているから、岩になるまで。


 フィリアが急に口をつぐんでも、ヴァルガーヴは起き上がらなかった。きっと本当に寝入ってしまったのだろう。
 彼女が歌うのをやめたのは、なだらかな斜面の向こうに立ち尽くす、誰かの姿を見たからだった。
 それが幻影だというのはすぐにわかった。人の形を取っていても身体は透けているので、誰が見てもまともな人間でないのはわかる。
 ヴァルガーヴと同じくらいの年齢の若い男で、最初に眼に入ったのは赤い髪。
 バンダナで髪を抑え、ガウリイほど大げさでない鎧をまとった彼は、じっとフィリアを見つめていた。
(───誰………───?)
 思わず立ち上がろうとしたフィリアの耳に、さざなみのように意識が押し寄せてきた。
 ───ミリーナ、と。



 吸い寄せられるように、フィリアはその幻のもとへと歩いて行った。
 さわさわさわ、と風が草を揺らしたが、眼の前の男の髪もバンダナも、そこだけ結界が張ってあるかのように少しも乱れなかった。

 ───あんたはミリーナじゃないな。

 口が動いていたが、声は頭の中に直接響いてきた。

 ───ミリーナを探してるんだ。知らないか。

 その名前を聞いたとたん、彼だ、とわかった。
 初めて聞くようで、どこかで聞いたことのあるような気がしていたけれど。
(あのとき、その名前を呼んでいたのは)
 そして、月夜にさまよっていたあの声の主は。

 リナたちが来る少し前に感じた、まがまがしい黒い瘴気。
 並の魔族などでは決して出せない、くろぐろと世界の空気を塗り替える激しい憎悪の塊、そのよどんだ力の流れを感じ取りながら、ただひたすら祈っていた。
 悲鳴のように「それ」が誰かの名を呼ぶのを感じていた。途方に暮れてただひとりの人を探し求めるその声に、フィリアは心臓をわしづかみされるような感覚にいても立ってもいられなくて、空の向こうに大声で呼びかけたい衝動に襲われた。
 どうかその怒りを鎮めて。泣かないで、と
 その嘆きはあまりにも、彼女が愛した彼によく似ていたから。

 ───ずっとミリーナを呼んでたんだ。あのときからずっと。
 ───………はい。
 ───見つからないんだ、どうしても。
 ───…………。
 ───約束を守れなかった俺が悪いんだけどな。

 虚ろに微笑む男に、フィリアは震える声で呼びかけた。

 ───会えますとも、必ず。
 ───本当か?
 ───ええ、本当に。

 彼は疲れたようなしぐさで空を振り仰いだ。

 ───鳥みたいな奴だったからなあ。手に入るなんて思ってたわけじゃねえんだ。俺が触れたらあいつを汚しちまう。
 ───どうして?
 ───見えないか? 俺の浴びた返り血がよ。

 フィリアは微笑んだ。いいえ、私の手も血で汚れているから気づきません、と。
 不思議なものを見るようなまなざしを、男はフィリアに送った。

 ───きっと待っていますよ、その人。
 ───いや、もう忘れてるさ。どっか遠いところへ飛んでったんだよ。
 ───それなら、あなたも鳥になればいいのに。

 そうなのか? と聞き返してくるのに、フィリアはうなずいてみせた。
 ああそうか、初めっからそうすればよかったんだな、と彼は笑った。

 そう、ただそれだけのこと。

 ───あいつは俺を許してくれるかな。
 ───もちろんですとも。
 ───会ってくれると思うか?
 ───ええ、ええ。
 ───どうして断言できる?
 ───私もそうだったからです。私も好きな人に会えたから、もう一度。

 いいな、と彼は呟いた。

 ───頼みがあるんだけどよ。
 ───なんですか?
 ───俺の代わりに、ミリーナのために祈ってやってくれねえか。

 眼を閉じて、その言葉を反芻する。
 たとえ巫女でなくなっても、祈ることはできる。
 今までに出会った人たちのために。
 名前も知らない、誰かのために。
 
 ───祈ります、あなたのためにも。
 ───いいよ。俺にそんな価値はねえから。 

 それには答えず、私もうすぐ子どもが生まれるんですと、少しずつおぼろになっていく男に向かって言うと、彼は、へえ、とかすかに笑った。

 ───もし女の子だったら………ミリーナってつけますね。
 ───そうか。じゃあミリーナはいるんだな、この世界に。

 よかったんだな、滅ぼさなくて、と赤毛の男の虚ろな眼に、初めて表情があらわれた。ふたたび、彼は空を仰いだ。もうほとんど陽射しに同化しつつあるその姿に、フィリアは静かに別れを告げた。

 ───………さようなら。
 ───ああ…………ありがとう。

 風にとけるように彼は消えていき。
 彼女は彼のところへ歩き出す、続きを歌うために。



 歌声が途絶えたと気づいて、ヴァルガーヴは身体を起こした。
 フィリアがこちらに背を向けたままじっと何かを見つめ、たたずんでいるのが遠くに見えた。
 名前を呼ぼうとしたとたん、彼女がくるりと振り向いたので、無意識のうちにほっと息をついて髪をかきあげる。
 フィリアはうつむいたまま歩き続け───敷物やバスケットが眼に入ったところでようやく顔をあげると、切り株にもたれたヴァルガーヴと眼があった。
 じっと見上げてくる切れ長の眼は、たった今消えていった「彼」と、少しだけ似ていると彼女は思った。
「───どうした」
 あまり内心を表に出さなくても。
 いつもいつも自分を気にかけていてくれることをフィリアは知っていた。
「彼」の愛した人もまた、こんなふうに彼のことを見つめていたのだろうか。
(では私は───)
 ヴァルガーヴが帰ってこなかったら、幽霊になって探し続けたのだろうか。
 そっと腹部に手を当てて、金色の瞳に微笑みかけ、
「歌っていいですか?」
 ヴァルガーヴの背中に、フィリアは膝を抱えて寄りかかった。
(巫女でなくなっても、歌うことはできる)
 この子のために、この人のために。
 彼のために。彼女のために。

 低い声で、ああ、と彼がうなずくと、背中から細くやわらかな歌声が響いてきた。



    潮が満ちても引いても、ここで待っているから。
    いくつもの波に、いくど洗われても、
    あなたが私を見つけることができるように、
    ここに立ち尽くしているから、岩になるまで。


    月が満ちても欠けても、ここで待っているから。
    いくつもの炎に、いくど焼き払われても、
    あなたが私を見つけることができるように、
    ここに立ち尽くしているから、大樹になるまで。


    天地(あめつち)が崩れ去っても、私のもとへ戻って来て。
    たとえ身体は朽ち果てても、風に乗って。翼を駆って。
    誰もが「もうお前の待ち人は帰ってこない」と言っても、
    私だけは必ず見つけだすから。


    重い身体をぬぎすてて、そのときこそ。


    一緒に遊びましょう。
    終わらない海の中で。
    果てのない空の上で。
    待っているから、ただそのときを。

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16137あとがきじょぜ 2004/3/14 09:04:23
記事番号16136へのコメント

どうも、お読みいただきありがとうございました。m(__)m

冒頭のヴェルディのオペラは、実はまったく聞いたことありません。すいません(汗)。
前々から「行け、我が想いよ、金色の翼に乗って」というフレーズがいいなあと、いつか使いたいと思っていて、今回引用してみました。

前半はエンヤの「Wild Child」、後半、ルークとフィリアの会話のあたりは「On Your Shore」をイメージして書きました。On Your〜はもう泣けるほどいい曲です。心に染みます。
歌うたうフィリアさんは、ちょっと「ぼく球」の木蓮が入ってるかもしれません(笑)。

作中の歌は、私のでっちあげたものです。ファンタジーぽさをめざしてみたんですが……どうかな。
それでは。

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16142はじめまして!!ミキ 2004/3/16 00:24:33
記事番号16136へのコメント

はじめまして!ミキといいます。じょぜ様の作品は全部読まさせて頂いてます。ヴァルフィリ好きとしては堪らんです。といっても、今年にはいってスレイヤーズにはまってます。(遅)
テレビでしか見ていなっかったので、ルークとミリーナのことは、よく分からないのですが、なんとなーくは、色々な作品で書かれているのを読んで一人合点しているぐあいです。

軛」と「声」の続きです。読まなくてもたぶん支障はないと思いますが、これ読んで興味持たれた方は、この二つも読んでやって下さるとありがたいです。

ばっちり両方とも何回も読みました!(笑)

> にっこりと笑ってフィリアは、はい、とコーヒーを差しだした。
>「ほら、ここのところリナさんたちの滞在であわただしかったし」
> 確かに、と眠気覚ましのためブラックのまま口をつけながら納得する。
> あの四人がいた間の大騒ぎを思うにつけ、今の静けさはしみじみありがたい。

あー確かに騒ぎの後の静けさって落ち着きますよね〜(しみじみ)
あっ、でもなんか物悲しいっていうか、寂しい気もするのはわたしだけ?
> 嵐のようにやってきて───疫病のように去って行った一週間だった。
> 元凶は約一名だったが。

疫病って・・・。サーズ並みの疫病ですね。(あれ、サーズって疫病??)


> だから、ね、とフィリアの言葉が続く。
>「ばたばたしてたから、そろそろゆっくりしたかったし」
>「店は?」
>「今日は定休日ですもの」
> まあどうせ開店休業みたいな店だしな、とこれは心の中で呟く。

口に出したらモーニングスターですね・・。

> 品ぞろえを変え始めたここ最近は、それでも訪れる客は増えつつあったにしても。
>「いいお天気だし。早起きして準備してたんです」
> ずずず、と音をたててヴァルガーヴはコーヒーをすすった。
> なにかっちゃ「いいお天気だから」を理由にすることの圧倒的に多いフィリアではあったので、いつもなら「いい天気で店が休みなら俺は寝てる。一人で行ってこい」とそっけなく言い捨てて悔いはないのだが、今はそうもいかない事情がある。
> 別にリナからねちねちねちねち「おとーさん」だの「パパ」だの言われつけたからでは決してないのだが、まあ、一人で遠出をさせるわけにもいかないだろうぐらいの責任感は、彼にもある。

父親の自覚あったんだ。(ヒド!)

> 加えて、駄目押しにこんなふうに言われた日には。
>「ヴァルと一日、のんびり『ふたりっきりで』過ごしたいなあって」

はう!!それは、かなりな駄目押しです!!私がノックダウンです。(アホだ)
つっこむと正確には三人ですよー。

> 無駄な抵抗だと思いつつも。
>「……なら別に出かけなくてもいいと思うんだが……」
> フィリアは聞こえなかったかのように、にこにこにこにこ無言で微笑み続けるので、ヴァルガーヴはいささか乱暴にカップを置くと、行きゃいいんだろ行きゃ、と椅子から立ち上がった。 

ヴァルは、はにかみやさんだ〜。(クスッ)

> 上着をはおる必要もないくらいの爽やかな陽気だったが、ヴァルガーヴは念のためにとマントを身につけて出た。フィリアが肘ぐらいまでの袖のワンピースで出てきたので、
>「冷えるかもしれねーから、なんか掛けてこいよ」
> と注意したが、大丈夫と言ってすっかりうきうきした調子なので、まあいいかとそのまま出かけることにした。
>「詰めすぎじゃないのか」
> フィリアの手からひょいとバスケットを取り上げる。二人分なのでそこそこ大きいし、めいっぱい入れるだけ入れたらしく、ずっしりと肩に重みがくる。
この二人ってどれくらい食べるんでしょ?まぁリナ達ほどじゃないと思うけど。
>「帰りは軽くなりますから」
>「水筒もよこせ」
>「これぐらい平気ですって。あなた敷物も持ってるし」
>「転ぶなよ、足取られないように注意しろ」
> はあい、とフィリアはくすりと笑った。確かに道はぬかるんで、ところどころに水たまりを作っていた。普段ならひょいっと飛び越えたりするのだが、今そんなことをやったら、たちまちヴァルガーヴの眉がつり上がるのは明白なので自粛する。

フィリアって水溜り飛び越えるだけで滑ってこけそう・・・。

> 数日前もついうっかりして、重い壷──といってもフィリアには別にたいしたことない重さだったが──を移動させようと、せーのと持ち上げたとたん、おいこら、とすごい勢いで怒鳴られたのだ。

そりゃそうだろー。妊婦さんが重い?物持っちゃいけんいけん(訳だめだめ)

>『───え? 何ですか?』
>『何ですかじゃねーだろ! そーゆーのは俺がやるから置いとけっ!』
> なんのことか理解するのに、やや時間がかかり。
> 腑に落ちた瞬間、ああ、と深くうなずいたのだった。
> で、ついぽろっと口にしてしまった。
>『あらいやだ、すっかり忘れてたわ』
>『…………おーまーえーな──────っ!』
> すみません、という言葉とは反対にけたけたと笑いころげるフィリアに、彼の怒りは倍増し、その日一日機嫌が直らなかった。悪い悪いと思いながらも、フィリアは見えないところで笑いをかみ殺すのに苦労した。
> 間抜けな自分も自分だが、あわてふためくヴァルガーヴの様子が、思い出すたび笑えてしょうがなかったので。

ヴァルが産むわけでもないのに、産むフィリアよりもあたふたしてますね。でも、父親と母親ってそんな感じかも。案外女性の方が大きく構えて、男性の方がおろおろしてるって言う私の中での想像図です。


>「ちょっと思い出し笑いしてただけです」
>「なんの」
>「さあ? 当ててみて」
>「なんでもいーけどよ、ふらふらよそ見すん」
>「まあきれいな花。すみません、これおいくらですか?」
>「なよ……って人の話聞けよおい」
> 花屋の店員とにこやかに話し始めたフィリアに、その言葉は届くはずもなく、二十分ばかしヴァルガーヴはぼーっと立ち尽くすはめになったのだった。

 それでも待っているヴァルはえらい!

低くゆったりした旋律に眼を閉じてヴァルガーヴは聞き入っていた。
> 知らない歌ではあったが、どこか聞いたことがあるようでもあった。
> まあ子守歌とはそんなものだろうと黙っていると、
>「起きてます?」
>「……寝てる」
> さっき渡したマントをフィリアがそっと掛けてきた。
>「もう一回歌いますから覚えてくださいね」
>「できるか、んなもん」
>「絶対必要になりますって」
>「なんで」
>「私がたまたま留守のとき泣きだすかもしれないでしょう?」
>「───だから?」
>「すごいんですから赤ちゃんの泣き方って。知らないと思いますけど」
>(知るわきゃねーだろ)
>「どれほどすごいかって言うと、お腹が空いたときのリナさんの……そうね、百倍ぐらいのわめき方で」
うわぁ〜すごそう。唯一の救いはドラグ・スレイブをぶっ放さない事ですね。
でも、レーザブレスとかはできるのかな?
>「……マジかよ……」
> あれより上なのか!? と出産・育児経験ゼロ(そりゃそうだ)の彼は一瞬青ざめた。
>「いえ冗談です」
>「───」
> なぜか彼の天敵があかんべをしてる図が脳裏に浮かび、今度会ったら必ず(しっぽで)首絞めてやるとひそかに決意した。

これってゼロスですか?しかし、しっぽで絞めるなんてちょっと見てみたいかも(はーと)

>「とにかくそうなったら、なだめるのに困るでしょう。だから覚えておいたほうがいいんです」
>「別に俺は困らん」
>「じゃあ私とあなたが喧嘩して、私が出てっちゃったときのために」
>「…………」
出ていちゃうんだフィリア。でも実家はヴァルガーブに破壊されたからどこ行くんでしょう。お決まりの「実家に帰らせていただきます!!」が使えない(泣)
>「一応三日ぐらいで戻る予定ですけど」
なんですか!?三日って!?いやにリアル・・・。
>「………俺が出てったらどうすんだよ」
>「どうもしませんよ。
> 帰るの待ってるだけのことです」
> 心配ですのひとこともないのか、とツッこみたいのはやまやまだが……やっぱり黙っていた。

妻は強しですね〜。家も父親ほったらかしです。

> それはたぶん、恋歌だったからだろうと思う。
> 聖歌や祈りの言葉の中に、まるで恋愛を彷彿とさせるような歌詞があると、どきどきする胸を抑えて「あなた」とか「御身」、つまり神を指す部分を、想像の中の恋人に置き換えて歌っていることに、気づく者がどれだけいたか。
> 少し冒涜だと思わなくもなかったが、そんな想像をめぐらせては楽しんでいたのだった。いつか出会う誰かとはどんな人なのだろうと。

この部分読んだ時「天使にラブソングを」を思い出しました。あれは「あなた」を「神」にしてるのですが。

まだ書き足りないところもあるのですが、コメントを投稿するのも初めてなのでこの辺で辞めておきます。というか、力尽きました・・・。これのあとがきのエンヤの「Wild Child」はとても好きであーなるほどとおもいました、「On Your Shore」はきいてないのですが機会があればききたいと思います。
私的に、赤ちゃんは早く産まれてほしいです。(突然変異とかで)そしてリナ達に遊ばれる赤ん坊・・・。次回の作品も楽しみにしています!!では失礼します。

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16143ありがとうございます!じょぜ 2004/3/16 02:31:06
記事番号16142へのコメント

>はじめまして!ミキといいます。じょぜ様の作品は全部読まさせて頂いてます。ヴァルフィリ好きとしては堪らんです。といっても、今年にはいってスレイヤーズにはまってます。(遅)
初めまして! ぜ、全部読んでるんですか?(汗)。あ、ありがてえ……こないだ著者別リストに登録しながら、昔書いたのを読み返してたんですが、もうなんか転げ回るほど恥ずかしかったんで……。あーでもヴァルフィリ好きがいらっしゃるのというのはうれしーです!

>テレビでしか見ていなっかったので、ルークとミリーナのことは、よく分からないのですが、なんとなーくは、色々な作品で書かれているのを読んで一人合点しているぐあいです。
おーそうなんですか。だいたい見当はつくかと思いますが、結局この二人の最後は悲劇的で……。で、ルークの暴走ぶりがヴァルガーヴと似てるとこあるんですよ。原作もぜひぜひ読んでみてください。

>ばっちり両方とも何回も読みました!(笑)
うひゃぁぁぁぁぁっ! 嬉しいっ! でも照れます(笑)。ありがとです!!!!!

>あー確かに騒ぎの後の静けさって落ち着きますよね〜(しみじみ)
>あっ、でもなんか物悲しいっていうか、寂しい気もするのはわたしだけ?
そうですね、フィリアは寂しがってるかもしれませんがヴァルはせいせいしてるでしょう(笑)。

>疫病って・・・。サーズ並みの疫病ですね。(あれ、サーズって疫病??)
ええもう大食いドラまた破壊の帝王のおかげで……すいませんなんでもないです(後ろに殺気を感じました)。

>口に出したらモーニングスターですね・・。
一応、ヴァルなりに気を使っているようです。たとえ趣味みたいな店でも。

>父親の自覚あったんだ。(ヒド!)
あるみたいです。あんまり実感は湧いてないみたいですが(笑)。

>はう!!それは、かなりな駄目押しです!!私がノックダウンです。(アホだ)
書きながら「てめえらどこまでらぶらぶする気なんだよ」とつっこんでました。

>ヴァルは、はにかみやさんだ〜。(クスッ)
書きながら「照れてんじゃねえよいまさら」と悪態をついてました(笑)。

>フィリアって水溜り飛び越えるだけで滑ってこけそう・・・。
そうそう「だいじょーぶ♪」とか言ってずるっとね……気をつけろよおかーさん。

>そりゃそうだろー。妊婦さんが重い?物持っちゃいけんいけん(訳だめだめ)
そうだぞフィリア! 気をつけろっ!(笑)。たぶん卵で生まれる以上、人間ほどお腹が大きくならないんで、ぽかっと忘れることがある……らしいです(My設定ですので)。

>ヴァルが産むわけでもないのに、産むフィリアよりもあたふたしてますね。でも、父親と母親ってそんな感じかも。案外女性の方が大きく構えて、男性の方がおろおろしてるって言う私の中での想像図です。
そのとーりです! 鋭い! ヴァルのほうが本当はひやひやしてるんですね、いろんな意味で(笑)。フィリアに限らず、リナもアメリアも強そうです。
アメリアは「胎教です!」とか言って高いところで正義の口上をやってゼルガディスが卒倒しかけたり、リナはつわりでイライラして「あたしの怒りのやり場になんなさいっ!」とガウリイにドラグ・スレイブを一日に五回ぐらいぶっ放したりとかしそうです(笑)。

> それでも待っているヴァルはえらい!
だいぶ我慢強くなったようです。

>これってゼロスですか?しかし、しっぽで絞めるなんてちょっと見てみたいかも(はーと)
あ、いやリナのことなんです。個人的にヴァルのライバルというか悪友はリナだと思ってますんで(笑)。喧嘩友達ってやつですね。しっぽで首絞めはひそかなリベンジ。絶対にまたぐものかと決意しているようです(笑)。

>出ていちゃうんだフィリア。でも実家はヴァルガーブに破壊されたからどこ行くんでしょう。お決まりの「実家に帰らせていただきます!!」が使えない(泣)
しまったそーだった(汗)………現代版だったらリナんちに行って「聞いてくださいリナさん、ヴァルったらヒドイんです!」とか愚痴こぼしそう。リナはきっと「はいはい、で、今度はなーに?」ってテレビ見ながらポテチ食べながら聞いてそう。
あっそーだゼロスがいました! きっとゼロス捕まえて愚痴ってそうです。ゼロスにはこの上もない精神攻撃でしょう、なんせのろけと紙一重だろうし(笑)。

>なんですか!?三日って!?いやにリアル・・・。
>妻は強しですね〜。家も父親ほったらかしです。
三日……夫婦喧嘩のタイムリミットとしてはそんなもんかな〜と(笑)。母になったらますますフィリアが強くなりそう。

>この部分読んだ時「天使にラブソングを」を思い出しました。あれは「あなた」を「神」にしてるのですが。
おっ、また鋭い! そう、シスターと神様の関係って夫婦に例えられるんですよ。「キリストの花嫁」って言うし。

>まだ書き足りないところもあるのですが、コメントを投稿するのも初めてなのでこの辺で辞めておきます。というか、力尽きました・・・。これのあとがきのエンヤの「Wild Child」はとても好きであーなるほどとおもいました、「On Your Shore」はきいてないのですが機会があればききたいと思います。
>私的に、赤ちゃんは早く産まれてほしいです。(突然変異とかで)そしてリナ達に遊ばれる赤ん坊・・・。次回の作品も楽しみにしています!!では失礼します。
どうもお疲れさまでした。丁寧な感想ありがとうございました。m(__)m
エンヤはいいですね〜。昔からかなり好きなんです。ぜひ、On Your Shoreも聞いてみてください!
赤ちゃんは……どうしようかな(笑)。リナたちは絶対お祝いしながらも遊ぶでしょうね。

リナ「まーかわいーお母さんに似てよかったわね〜」
アメリア「でも目元のあたりはヴァルガーヴさんに……」
リナ「ぜんっぜんっ!!!! 徹頭徹尾フィリア似よっ! ヴァルガーヴに似ていいのは、あたしのドラグ・スレイブにも耐えた丈夫な身体だけっ! 顔は似なくていいっ!」
ヴァル「………(怒)」

とかね(笑)。どうもありがとうございました!!!! ミキさんもぜひヴァルフィリ書いてみてください!

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