◆−本編すっぽかして何やらやらかします。(^^;−紫清 月季花 (2004/1/30 12:54:50) No.15931
 ┣神魔戦争I ―序章 時は夢幻の如く過ぎ去りて神話となる―−紫清 月季花 (2004/1/30 12:56:09) No.15932
 ┣神魔戦争II ― 一章 剣聖 一幕 ―−紫清 月季花 (2004/1/31 09:13:54) No.15935
 ┣神魔戦争III ― 一章 剣聖 二幕 ―−紫清 月季花 (2004/2/3 10:38:55) No.15945
 ┃┗かなり壮大なお話になりそうですね−エモーション (2004/2/5 00:24:46) No.15953
 ┃ ┗Re:かなり壮大なお話になりそうですね−紫清 月季花 (2004/2/8 11:30:03) No.15969
 ┣神魔戦争IV ― 一章 剣聖 三幕 ―−紫清 月季花 (2004/2/8 11:02:23) No.15968
 ┃┗Re:神魔戦争IV ― 一章 剣聖 三幕 ―−エモーション (2004/2/8 22:27:17) No.15974
 ┃ ┗Re:神魔戦争IV ― 一章 剣聖 三幕 ―−紫清 月季花 (2004/2/20 10:18:38) No.16021
 ┗神魔戦争V ― 一章 剣聖 四幕 ―−紫清 月季花 (2004/2/20 10:21:28) No.16022
  ┗Re:神魔戦争V ― 一章 剣聖 四幕 ―−エモーション (2004/2/22 23:44:34) No.16041


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15931本編すっぽかして何やらやらかします。(^^;紫清 月季花 2004/1/30 12:54:50


こんにちは、もしくはこんばんは。
それともおはようございますだろうか?
紫清 月季花です。
えー・・・・タイトル通り、本編そっちのけで、長編確定な話を始めます。
ちなみに、神魔戦争です。
既に何名かの方が、書かれてるような気もしますが・・・・・・

ラダ:まったくだ、何考えてるんだ。

おや、お久しぶりな気がするねえ、ラダ氏に会うのも。
一応、私が出してるオリキャラ連中の設定やら、スレキャラの先祖の捏造やら、そう言った説明するのに、どうも時代的に神魔戦争辺りに集中してるんで、どうせなら書いてしまった方が、本編での説明が省けそうだと思ってな。

ラダ:・・・お前なあ・・・(呆)

まあ、そう呆れなさんな。
書く事は結構あるよ、イモータルの初代とか、ルクセル神官やクロイセルにグアヴァの謎とか、シオンやカノンの一族とか。
うちのオリキャラの設定は、殆どこの話で説明できるだろうから。

ラダ:ほほう・・・・それで?

ま、長さ自体はどのくらいになるか解らんけど・・・これ書いてる間は、暫く本編は進まないだろうね(遠い目)

ラダ:おい(怒)

それと話数の表記はローマ数字で行くけど、一応調べた。

ラダ:?

基本的にアルファベットで表記するらしい、1ならI、5ならVと言うふうにな。
一応表にすると・・・大文字だけで表記しますが、小文字でも同じ表記になるそうです。

I(1)IV(4)V(5)VI(6)IX(9)X(10)
XI(11)XIV(14)XV(15)XVI(16)XIX(19)XX(20)
XXI(21)XXIV(24)XXV(25)XXVI(26)XXIX(29)XXX(30)
XXXI(31)XXXIV(34)XXXV(35)XXXVI(36)XXXIX(39)XL(40)
XLI(41)XLIV(44)XLV(45)XLVI(46)XLIX or IL(49)L(50)
LI(51)LIV(54)LV(55)LVI(56)LIX(59)LX(60)
LXX(70)LXXX(80)XC(90)C(100)CD(400)D(500)CM(900)M(1000)

てな感じで。

ラダ:一応訊くが・・・・千話まで書く気はないだろ?

書けるわけ無いだろ(呆)
千話まである話ってどんな話やねん;;
ま、とりあえず書きあがり次第アップしていくけどね。
多分、ドシリアスな話になるかと・・・・

ラダ:ギャグなしか?

おそらく・・・・ネタがネタだけに。

ラダ:ほう・・・

では始まりです。

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15932神魔戦争I ―序章 時は夢幻の如く過ぎ去りて神話となる―紫清 月季花 2004/1/30 12:56:09
記事番号15931へのコメント

『神魔戦争I ―序章 時は夢幻の如く過ぎ去りて神話となる―』















それは数年だったのか・・・それとも数百、数千の年月だったのか。

あまりに長く、そして苦しい戦いの年月だった。

そう、それは後の世にこう呼ばれる時代・・・・









     【神魔戦争】と――――









始まりが何時であったのか定かでない。

神と魔の戦いは未だ終わる気配を見せず、泥沼の様相をていしていた。

そして、それは既に何度目になるかわからない、竜神と魔王の直接的なぶつかり合い。

この時も決着をつける事ができず、互いに余力を残しつつも、引き下がると言う結果に終わっていた。

それは偶然だったのか、それとも必然だったのか、このときは誰にも・・・神や魔ですら解らなかった。

この時の力のぶつかり合いによって生じた場の歪みが、一人の男をこの世界に引き込んだことに・・・・





その男が、この長く続く不毛な戦いに終焉をもたらす要となる事に・・・・・誰も気付く事が無く、時は流れ行く。





始まりの時は誰も知らず、終わりへと確実にそして静かに進む・・・・





<続>

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15935神魔戦争II ― 一章 剣聖 一幕 ―紫清 月季花 2004/1/31 09:13:54
記事番号15931へのコメント

『神魔戦争II ― 一章 剣聖 一幕 ―』















赤の世界。
金色の魔王、全てを生み出せし混沌が作り上げた世界。
その世界には、赤の竜神スィ―フィードと赤眼の魔王シャブラニグドゥ、神と魔王が互いの覇権をめぐり、終わりの見えぬ戦いを繰り広げていた。


神々は世界の東に陣を構え、命生まれ輝き昇る朝日を背負い。
魔族は西に陣を構え、命終わり滅びの黄昏を望み、それぞれの有り様を示すかの様であった。
互いに疲弊しながらも、膠着した状態が既に数年に及び、その間にも小競り合いだけは続く、不毛な時代へと移っていた。
そんな中で、既に何の為の戦いか互いに見失いかけた頃、もはや惰性と化した竜神と魔王の力のぶつかり合いに、空間には何時裂けるともわからぬ、不安定な場が出来つつあった。
そして、その時が来た。










その日も変わらず、神と魔が力をぶつけ合うだけぶつけ、結局けりが着かぬまま互いに引いた時だった。
世界の中心、幾度となくぶつかり合った為か、不安定な場はとうとう破綻し、空間が裂け凄まじい嵐となって世界を駆け巡った。
そしてその嵐の中心に、一振りの黒い大太刀を手にした、異装の偉丈夫が天を睨むかのように立ち尽くしていた。

「ここはどこだ?
何故こんな場所に・・・」
男は困惑の色を滲ませ、見慣れぬ風景に目を向ける。
そんな男に、神と共に生きる為に戦う者が近づいた。
「そこな方、いかなる世界より来られたか?」
男は声に振り向き、相手の姿に息を呑む。
「Angel?」
声をかけてきたのは、淡いブロンドに明るい青の瞳、柔和な顔立ちの中世的な人物。
だがその背には薄い光の膜のような翼がある。
その傍らには、青い鱗が光をキラキラとはねかえす飛竜が控えている。
「えんじぇる、と言う者ではありませんよ。
わたくしは赤の竜神に仕える神人、人間は我等を天使と呼ぶ者もありますが」
そう言って、ふんわりと微笑む。
「いや・・・Angelとは天使と言う意味だ。
そんな事より、ここはどこだ?
俺はどうしてしまったんだ?」
困惑する男に、神人は自分たちの所へ来るように告げた。
「行ってどうなる」
「ここに居て、己の立場を嘆くより、我等の主の下へ行き、道を探される方がよろしかろう」
男は暫し迷ったが、今は自分に何も選択する事が出来ないと悟り、神人の後を着いて行く事に決めた。
「この世に生きる者に、運命(さだめ)があるのなら、貴方がこの赤き世界に現れたのも、また運命と言うものなのでしょうね」
神人の言葉に男は僅かに眉をしかめる。
男は運命というものを信じていないのだ。
「ところで、貴方の名前をお聞きしてもよろしいか?」
飛竜の背に男を乗せながら、神人は問い掛ける。
「俺は魔道を誇る超帝国、炎の皇帝に仕える騎士。
剣聖の号を持つゼルガディス=フォルテ」
男――フォルテは明るい金の瞳を神人に向け、静かだがどこか威厳すら感じさせる声で答える。
「わたくしも名乗りをあげるべきでしょうね。
わたくしの名はマルクト、神に仕えし武官の一人です。
さあ、我等の神の下へ案内いたしましょう」










<続>

【あとがき】

ども、月季花です。
始まりました。

L:短いわね。

まあ、気にしないで(^^;
いつもの事なんで・・・・

L:まあ、それよりも・・・
ゼルガディスって・・・

気にしちゃ駄目です!(汗)
じゃこの辺で(逃)

L:あ、逃げた!?

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15945神魔戦争III ― 一章 剣聖 二幕 ―紫清 月季花 2004/2/3 10:38:55
記事番号15931へのコメント

『神魔戦争III ― 一章 剣聖 二幕 ―』















それは勇壮とも言える光景だろう。
飛竜の背よりの眺めは、フォルテの知る世界とは違っていた。
金属とコンクリートで出来た、天をつく様な高層建築群とはまるで無縁な光景。
緑が濃く残り、赤茶けた大地が存在を主張する。
彼の世界では失われて久しい、自然の姿がそこにはあった。
「これは夢か?
俺は夢を見ているのか?」
「夢の方がよろしいか?
けれどこれは現実、今その目に映るものが全てありましょう」
マルクトと名のった神人は、フォルテの呟きに何処か寂しげに答える。
「この世界は今、幸福とは言えぬ状態。
我等の神は、この世界を滅ぼそうとする魔王と、長きにわたり終わりの見えぬ戦いを、続けておるのです。
こうしている今も、何処かで多くの命が失われ、国や大地が消えている事でしょう」
マルクトの声に言いようの無い悲しみがあるのが解り、フォルテは眉をしかめる。
フォルテの世界も戦乱が絶える事が無く、その為に多くの命が失われた。
そして長きに渡る戦乱を収める為に、後に炎の皇帝と呼ばれる者と共に『彼等』が生まれた、フォルテもその一人だった。


『彼等』は『騎士』と呼ばれ、受精卵の段階でその遺伝情報を操作された、戦闘用の人型生物兵器だった。
そこに人権など無く、ただの戦闘用の道具としてしか存在していなかった。
ただ、騎士は遺伝情報を操作された為か、その精神は酷く不安定なものが多く、更に筋力を上げる為に打たれる薬の副作用により、その血は酷い毒性を持つようになっていた。
普通の人間に騎士の血が触れれば、その部位は正常な蛋白質を壊す、つまり壊死をおこし、更に神経を麻痺させ、脳を破壊するとまで言われていた。
それ故、騎士は戦乱を収めた英雄達でありながら、恐れ疎まれてきたのだ。
その『血』を持つが故に・・・・


「戦争か・・・・・何時の世でも、どこの世界でも・・・・嫌なものだ」
フォルテの言葉は重く、マルクトの頷いていた。










フォルテとマルクとを乗せた飛竜は、世界の東へと順調に飛行を続けていた。
「ああ、やっと見えてきましたね。
あれが我等の神がおわす所、そして神の砦」
地平の彼方に陽炎の如く浮かび上がる、その巨大な建造物にフォルテは息を呑む。
高い城壁は両端が見えず、何を使っているのか材質は解らないが、太陽の光をはねかえす様は金色の炎のようでもある。
「なんと・・・・・見事と言うしかないな」
やがて、飛竜は城壁を超え、更に奥の方へと向かって飛んでいく。
外からは窺い知る事が出来なかったが、城壁の中には街が広がっていた。
「これは、城砦都市か?」
「そうとも言えるかもしれません。
ここは、この戦争で行き場を失った者たちが、最後にたどり着く場所でもあるのです。
神の結界に守られ、ここには魔族の力も届かない」
「魔族?」
「魔王に従う者達です。
神の下に着きましたら、改めて説明いたします」











<続>

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15953かなり壮大なお話になりそうですねエモーション E-mail 2004/2/5 00:24:46
記事番号15945へのコメント

こんばんは。

神魔戦争編ですか……。これは内容が内容だけに、かなり壮大なお話になりそうですね。
さらにイモータル家の初代や、クロイセルさんたち、カノンさんやシオンさんたちの
一族のお話も加わる訳ですから……。
ともあれ、楽しみにいたしております。がんばってください。

さて神と魔のぶつかり合いの歪みで、運が良いのか悪いのか、この世界に
引き込まれてしまったゼルガディス=フォルテさん。
この方がイモータル家の初代ですね♪
ゼルは初代の名前をいただいて、名付けられたのでしょうか。
また、自分で望んだわけではないけれど、この世界へ来てしまった、と言う点では
イモータル家の初代のフォルテさんと、ラダマンティスさんは同じなのですね。
数千年の時を経ているとはいえ、似た境遇の者の血をゼルは引いていると思うと、
何か不思議な縁のようなものがあるのかと、思ってしまいますね。

>『彼等』は『騎士』と呼ばれ、受精卵の段階でその遺伝情報を操作された、戦闘用の人型生物兵器だった。
>そこに人権など無く、ただの戦闘用の道具としてしか存在していなかった。
>ただ、騎士は遺伝情報を操作された為か、その精神は酷く不安定なものが多く、更に筋力を上げる為に打たれる薬の副作用により、その血は酷い毒性を持つようになっていた。
>普通の人間に騎士の血が触れれば、その部位は正常な蛋白質を壊す、つまり壊死をおこし、更に神経を麻痺させ、脳を破壊するとまで言われていた。
>それ故、騎士は戦乱を収めた英雄達でありながら、恐れ疎まれてきたのだ。
>その『血』を持つが故に・・・・

何だか……凄く重いですね……(汗)
何と言いますか、いくら最もらしい理由をつけたところで、こういったことを
躊躇いもなく行える、そして行わせる人間なんて、ろくなもんじゃないですよ。
いくら「物事は綺麗事だけじゃ出来ない」と言っても、これは「そういう問題じゃねえだろ」
という種類の事ですから。
本当に……むしろこうなると、それこそ「感情」だの「人格」を、遺伝子操作の段階で、
持てないようにしてしまう方が、親切に思えてしまいます。
これが「イモータル家の血筋の秘密」なのですね。難儀ですね(汗)

マルクトさんに連れられて、神の砦へとやってきたフォルテさん。
彼はこの後、どんな形でこの戦いに関わり、そして何を見て、何を感じ、
何を思うのでしょうか。
この先、少しでも彼がこの世界に来て良かったと思える事があれば良いのですが……。


それでは、今日はこの辺で失礼いたします。
続きを楽しみにしていますね。

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15969Re:かなり壮大なお話になりそうですね紫清 月季花 2004/2/8 11:30:03
記事番号15953へのコメント


>こんばんは。

こんにちは、月季花です。

>神魔戦争編ですか……。これは内容が内容だけに、かなり壮大なお話になりそうですね。
>さらにイモータル家の初代や、クロイセルさんたち、カノンさんやシオンさんたちの
>一族のお話も加わる訳ですから……。

神魔戦争編に突入してます・・・・色々この話で謎が解けるキャラも居ると思います。
そして、本編が暫くとまる事になるでしょう(遠い目)

>ともあれ、楽しみにいたしております。がんばってください。

何とか楽しんで読んで頂ける様がんばります。

>さて神と魔のぶつかり合いの歪みで、運が良いのか悪いのか、この世界に
>引き込まれてしまったゼルガディス=フォルテさん。

あまり運がいいとは思えませんが(^^;
こんな戦争真っ只中の世界に来てしまってますから。

>この方がイモータル家の初代ですね♪

正解です。

>ゼルは初代の名前をいただいて、名付けられたのでしょうか。
>また、自分で望んだわけではないけれど、この世界へ来てしまった、と言う点では
>イモータル家の初代のフォルテさんと、ラダマンティスさんは同じなのですね。
>数千年の時を経ているとはいえ、似た境遇の者の血をゼルは引いていると思うと、
>何か不思議な縁のようなものがあるのかと、思ってしまいますね。

今はまだ出しませんが、他にもフォルテとラダ氏には、不思議な縁というものがあります。

>>『彼等』は『騎士』と呼ばれ、受精卵の段階でその遺伝情報を操作された、戦闘用の人型生物兵器だった。
>>そこに人権など無く、ただの戦闘用の道具としてしか存在していなかった。
>>ただ、騎士は遺伝情報を操作された為か、その精神は酷く不安定なものが多く、更に筋力を上げる為に打たれる薬の副作用により、その血は酷い毒性を持つようになっていた。
>>普通の人間に騎士の血が触れれば、その部位は正常な蛋白質を壊す、つまり壊死をおこし、更に神経を麻痺させ、脳を破壊するとまで言われていた。
>>それ故、騎士は戦乱を収めた英雄達でありながら、恐れ疎まれてきたのだ。
>>その『血』を持つが故に・・・・
>
>何だか……凄く重いですね……(汗)
>何と言いますか、いくら最もらしい理由をつけたところで、こういったことを
>躊躇いもなく行える、そして行わせる人間なんて、ろくなもんじゃないですよ。
>いくら「物事は綺麗事だけじゃ出来ない」と言っても、これは「そういう問題じゃねえだろ」
>という種類の事ですから。
>本当に……むしろこうなると、それこそ「感情」だの「人格」を、遺伝子操作の段階で、
>持てないようにしてしまう方が、親切に思えてしまいます。

自分でも、これはちょっとどうかなとか思ったんですが・・・『騎士』はこの他にも色々あって、今からその部分を書くのが気が重かったりします。
道具として作られただけあって、制約も多かったりしますので・・・・
私はこの話で人間の嫌な部分や、目を背けてしまいたい様な行動とかを、書きたいと思ってるんで、精神的にはきつい物が出てくるかもしれません。
まだこの辺(遺伝子操作等)は、今の私たちが居るような世界でも、やりかねない事だと思ってますから・・・・

>これが「イモータル家の血筋の秘密」なのですね。難儀ですね(汗)

本気で難儀な一族です(ため息)

>マルクトさんに連れられて、神の砦へとやってきたフォルテさん。
>彼はこの後、どんな形でこの戦いに関わり、そして何を見て、何を感じ、
>何を思うのでしょうか。
>この先、少しでも彼がこの世界に来て良かったと思える事があれば良いのですが……。

一章はフォルテが中心で話が進んでいきます。
彼が何を見て、この世界とどんな関わり方をするか、それはこの時点ではまだ言えません。
ただこの世界に居る限り、フォルテは『騎士』でなく一人の『人間』でいられると言う事です。

>それでは、今日はこの辺で失礼いたします。
>続きを楽しみにしていますね。

感想ありがとうございました。

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15968神魔戦争IV ― 一章 剣聖 三幕 ―紫清 月季花 2004/2/8 11:02:23
記事番号15931へのコメント

『神魔戦争IV ― 一章 剣聖 三幕 ―』















そこはあまりにも広大だった。
巨大な街、その中心に天を突くほどの巨大な神殿。
「神がおわす社、あの奥に我等の神がおります。
参りましょう、フォルテ殿」










巨大な神殿の中は想像以上に広く、明らかに人で無い種族の者の姿に、フォルテはただ驚くだけだった。
「あれはいったい・・・」
「異界の方、フォルテ殿はエルフやドワーフが珍しいのですか?」
マルクトの問に、フォルテは頷く。
彼の世界では、自分達の様に創られた人間は居ても、人間以外の人に似た種族は存在しては居なかった。
「あの者たちは、妖精族。
あの細長い耳と華奢な外見を持つのが、エルフ族。
背が低く、がっしりとした体躯をしているのがドワーフ族」
「人に、人間に似ているようだが?」
フォルテのその言葉に、マルクトは僅かに笑みを浮かべ、「また後で」とだけ告げると、先に立って歩みを進める。
フォルテも気にはなりつつも、纏めて説明すると言っていた事を思い出し、後で説明してもらえるものと気を取り直し後に続く。
そうやって奥へ進めば様々な種族を見る事が出来た。
一瞬、彼の世界で遥か昔に滅んだ恐竜と見間違うような竜族の集団や、獣相を持つ人に似た種族――後に獣人族だと知るが――や、マルクトと同じ薄い光の翼を持つ者にも数名ほどであった。
その度ごとに、マルクトは立ち止まり、フォルテに種族の名前だけを教えていく。
それは一切の先入観を与えない為だと知ったのは、彼らと行動を共にする様になってからだった。
「さあ、あの扉を抜ければ神の御前(おんまえ)に出ます。
フォルテ殿、貴方にとって良い知恵を得られればよろしいが・・・」










「入れ違いになったか」
数刻前までフォルテが居た場所に、数名の人影があった。
黒髪を後ろに流した無精ひげの男が、眉をしかめ地面に右の掌を当て、そこに残った残留思念を読み取りながら言う。
「どう思いますか?」
「何がだ?
ゼロス」
黒髪の男が身を起こしながら、ゼロスに顔だけ向ける。
「ここに居た方は、ボクたち魔族の力になると思いますか?」
「さあな、会ってみなければ解らん」
そっけなく言う男に、ゼロスは苦笑する。
「グランさんは興味が湧かないんですか?
これだけの強い気を発し、遠く離れたボクたち魔族の陣にまで、その存在を知らしめた人物に」
「・・・」
黒髪の男――グランは何も答えない。
「やれやれ・・・それじゃ一度戻りましょうか」
ゼロスは肩をすくめ、不安定な空を見上げた。










それは何と形容してよいか解らなかった。
その姿を見れば、ドラゴンかもしれない・・・鱗の代わりに炎を纏い、比翼の代わり赤い風をはらみ、鋭い爪は紅水晶を思わせる。

――――よくぞ来た、異界より来たし者よ・・・・

大気を震わせるように声が響いた。







<続>

【あとがき】

ゼロス:どうも皆さんこんにちは。

グラン:おい。

ゼロス:はい?

グラン:あいつはどこに行った?

ゼロス:あいつ?
・・・・ああ、月季花ですか。
逃亡しましたよ。

グラン:・・・・

ゼロス:どうしました?

グラン:で、何故俺があとがきに?

ゼロス:何となくです。

グラン:・・・・・

ゼロス:相変わらず無口ですねえ(苦笑)
じゃ、このへんで。

グラン:次もよろしくとのことだ。

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15974Re:神魔戦争IV ― 一章 剣聖 三幕 ―エモーション E-mail 2004/2/8 22:27:17
記事番号15968へのコメント

こんばんは。

神殿の中を行き、様々な種族と会うフォルテさん。
私たちでも現実に見たら、「ファンタジーっぽい世界」と思うでしょうから、
かなり驚きと興味を感じてしまうでしょうね。
(もっとも私の場合、スタトレが脳にしっかり染みついてますので、ファンタジーよりも、
「スタトレに宇宙人として出てきそうだ」とまず思いそう……(^_^;))

>そうやって奥へ進めば様々な種族を見る事が出来た。
>一瞬、彼の世界で遥か昔に滅んだ恐竜と見間違うような竜族の集団や、獣相を持つ人に似た種族――後に獣人族だと知るが――や、マルクトと同じ薄い光の翼を持つ者にも数名ほどであった。
>その度ごとに、マルクトは立ち止まり、フォルテに種族の名前だけを教えていく。
>それは一切の先入観を与えない為だと知ったのは、彼らと行動を共にする様になってからだった。

マルクトさんや神族側の意図はともかく、確かに先入観なんてものは、
良くも悪くも後々に影響与えてしまいますからね。

>「グランさんは興味が湧かないんですか?
>これだけの強い気を発し、遠く離れたボクたち魔族の陣にまで、その存在を知らしめた人物に」
>「・・・」
>黒髪の男――グランは何も答えない。
>「やれやれ・・・それじゃ一度戻りましょうか」
>ゼロスは肩をすくめ、不安定な空を見上げた。

タッチの差で魔族側とは会えなかったのですね。
ここで先に魔族側と会っていたら、どうなっていたのかなと、ふと思いました。
……そういえばラダマンティスさんも、強烈な気配出してなかっただけで、
もし最初に会ったのが、ゼロスだのといった魔族だったらどうなっていたんでしょうね。

>それは何と形容してよいか解らなかった。
>その姿を見れば、ドラゴンかもしれない・・・鱗の代わりに炎を纏い、比翼の代わり赤い風をはらみ、鋭い爪は紅水晶を思わせる。
>
>――――よくぞ来た、異界より来たし者よ・・・・
>
>大気を震わせるように声が響いた。

さすがに威厳があります、スィーフィード様。
何の意図があって、フォルテさんを招いたのか。そしてどのような会話になるのでしょう。

スィーフィード様と会ったフォルテさん。この会見は彼にどんな影響を
与えることになるのか。また、魔族側はどう動くのか。
ゼロスは興味は持っているけれど、ほんとに利用することが真っ先に頭に
あるようですが、興味なさ気なグランさんが後々彼の子孫に関わってくると思うと、
どんな展開になるのかなと思いました。

暦の上では春ですが、まだまだ寒さがきつそうです。
風邪などひかないよう、お気を付け下さいませ。
それでは、この辺で失礼します。続きを楽しみにしていますね。

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16021Re:神魔戦争IV ― 一章 剣聖 三幕 ―紫清 月季花 2004/2/20 10:18:38
記事番号15974へのコメント


>こんばんは。

こんにちは、月季花です。
レス返しが遅くなりました(汗)

>神殿の中を行き、様々な種族と会うフォルテさん。
>私たちでも現実に見たら、「ファンタジーっぽい世界」と思うでしょうから、
>かなり驚きと興味を感じてしまうでしょうね。
>(もっとも私の場合、スタトレが脳にしっかり染みついてますので、ファンタジーよりも、
>「スタトレに宇宙人として出てきそうだ」とまず思いそう……(^_^;))

実際みたらファンタジーっぽい世界だと思うでしょうね。
と言う以前に、まず自分の目と頭を疑うかもしれませんが、正気かどうか(^^;

>>そうやって奥へ進めば様々な種族を見る事が出来た。
>>一瞬、彼の世界で遥か昔に滅んだ恐竜と見間違うような竜族の集団や、獣相を持つ人に似た種族――後に獣人族だと知るが――や、マルクトと同じ薄い光の翼を持つ者にも数名ほどであった。
>>その度ごとに、マルクトは立ち止まり、フォルテに種族の名前だけを教えていく。
>>それは一切の先入観を与えない為だと知ったのは、彼らと行動を共にする様になってからだった。
>
>マルクトさんや神族側の意図はともかく、確かに先入観なんてものは、
>良くも悪くも後々に影響与えてしまいますからね。

この時点で先入観もへったくれ間無いんですが実際は(汗)
どうしても見た目から来る印象と言うのは、強烈ですから。
既に人種とかいうレベルではないですから;;

>>「グランさんは興味が湧かないんですか?
>>これだけの強い気を発し、遠く離れたボクたち魔族の陣にまで、その存在を知らしめた人物に」
>>「・・・」
>>黒髪の男――グランは何も答えない。
>>「やれやれ・・・それじゃ一度戻りましょうか」
>>ゼロスは肩をすくめ、不安定な空を見上げた。
>
>タッチの差で魔族側とは会えなかったのですね。
>ここで先に魔族側と会っていたら、どうなっていたのかなと、ふと思いました。
>……そういえばラダマンティスさんも、強烈な気配出してなかっただけで、
>もし最初に会ったのが、ゼロスだのといった魔族だったらどうなっていたんでしょうね。

世の中は幾つもの選択で成り立っているんでしょう。
もし、最初に出会ったのが魔族だったら、フォルテはどういった行動をとるか、それはその時になってみないと解らないとでしょう。

>>それは何と形容してよいか解らなかった。
>>その姿を見れば、ドラゴンかもしれない・・・鱗の代わりに炎を纏い、比翼の代わり赤い風をはらみ、鋭い爪は紅水晶を思わせる。
>>
>>――――よくぞ来た、異界より来たし者よ・・・・
>>
>>大気を震わせるように声が響いた。
>
>さすがに威厳があります、スィーフィード様。
>何の意図があって、フォルテさんを招いたのか。そしてどのような会話になるのでしょう。
>スィーフィード様と会ったフォルテさん。この会見は彼にどんな影響を
>与えることになるのか。また、魔族側はどう動くのか。

一応何かの考えがあって、フォルテを招いては居ますが、それがフォルテにとってどういった影響を与えるかは、まだ謎です。

>ゼロスは興味は持っているけれど、ほんとに利用することが真っ先に頭に
>あるようですが、興味なさ気なグランさんが後々彼の子孫に関わってくると思うと、
>どんな展開になるのかなと思いました。

この当時のグランは今と性格が違うように設定してます。
フォルテと出会うことによって、グランに変化が出ていくのが、一章のメインになってくるとは思います。

>暦の上では春ですが、まだまだ寒さがきつそうです。
>風邪などひかないよう、お気を付け下さいませ。
>それでは、この辺で失礼します。続きを楽しみにしていますね。
>
昼間はだいぶ暖かくなり始めてますが、朝や晩などは相変わらず冷えております。
エモーション様、体調を崩されないようお気をつけくださいませ。

ではこの辺で、感想ありがとうございました。

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16022神魔戦争V ― 一章 剣聖 四幕 ―紫清 月季花 2004/2/20 10:21:28
記事番号15931へのコメント

『神魔戦争V ― 一章 剣聖 四幕 ―』















「ただいま戻りました」
ゼロスとグランは魔族の陣に戻っていた。
そしてそのまま報告の為に、腹心達が集まるサロンに向かった。
「ご苦労様。
その様子じゃ、会えなかったみたいだね」
一人がけの大きなソファに座る、黒髪の容姿の美しい青年が二人に声をかける。
魔王の腹心、冥王フィブリゾだ。
彼はこの頃までは青年の姿をとっていた、後に人間が幼い子供の方が油断しやすい事を知って、愛らしい少年の姿をとるようになるが。
「一足違いでした。
僅かに残った気の流れから、おそらく『神の十将』の一人が、連れて行ったのではないかと」
ゼロスがそう報告する。
「ふーん、ねえグラン。
君は誰が連れてったと思う?」
フィブリゾはグランに視線を向け、足を組替える。
「あの気配は・・・・『マルクト』だと」
グランは答えながら、フィブリゾ以外に気配が増えたのを感じ、その方へと視線を向ける。
銀の甲冑に身を包んだ、渋い壮年の男がサロンに入ってきていた。
グランの主、覇王グラウ=シェラーだ。
「戻ったか、どうやら空振りのようだな。
とんだ無駄足だったな」
覇王のつまらなそうな声に、フィブリゾは苦笑を浮かべる。
グラウ=シェラーはその表情に僅かに眉を寄せたが、大して気にする風でもなく、空いているソファーにゆったりと腰をおろす。
「部下を返すよ。
あ、ゼロスも獣王のとこに戻っていいよ。
二人ともご苦労様、また何かあったら頼むね」
フィブリゾの言葉に、ゼロスは軽く一礼すると姿を消した。
グランも軽く一礼し、覇王の後ろに控えるように立つ。
「フィブリゾよ、道具ごときに労いの言葉など不要ではないか」
「君らしい言葉だね」
フィブリゾはその言葉に苦笑する。
「まあ、君のとこのシェーラあたりなら、労いの言葉一つで今以上に働くんじゃない?」
魔族にしては珍しいほど、真面目で真っ直ぐな性格を持つ神官を思い浮かべる。
良くも悪くも覇王の真面目な部分だけを、受け継いでいるらしかった。
グランもシェーラならおそらく舞い上がって、いつも以上の働きを見せるだろうと思った。
「下らん。
何故そのように人間のような真似をせねばならん。
道具は道具らしくあればよいのだ」
さも面白く無さそうに答える。
フィブリゾは更に苦笑を深くし、覇王の後ろに静かに控える無表情な男に、僅かに視線を向ける。
グランもその視線に気付き、小さく苦笑するとすぐにもとの無表情に戻る。
「ねえ、グラウ・・・・あんまり部下をないがしろにしちゃ駄目だよ。
僕ら魔族は上には絶対逆らえないとは言っても、感情くらいはあるんだからさ」
フィブリゾのその言葉に、グラウ=シェラーは僅かに眉を寄せただけだった。










グランは適当な頃合を見て静かにサロンを出る。
延々と続く廊下何を思うでも無く、ただぼんやりと歩く。
「何ボーとしてるの」
不意にかけられた声に振り向けば、明るい茶の髪の優しげな青年。
「ダイ・グか」
「外に行ってきたんでしょ?
何か面白い事あった?」
「いや・・・・」
「嘘。
・・・いや、君にとっては面白いとは思わないだけか。
変わった事はあったんでしょ?」
「ああ」
グランのやる気の無い返事に、ダイ・グは苦笑する。
全てにおいて無関心で、感情の起伏らしきものが無いこの青年に、ダイ・グは時々どうしようもなく寂しさを感じる事がある。

――君が興味を持つようなことってなんだろうね?僕はそれが凄く知りたいと思うよ・・・・










<続>

【あとがき】

短いッす・・・・。

L:ほんとよねえ・・・

この調子だととんでもなく長くなるかも;;

L:ま、それは自業自得でしょ。

しくしく・・・(TT)

L:じゃこの辺で。
きりきり書きなさい。

あう(滂沱の涙)

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16041Re:神魔戦争V ― 一章 剣聖 四幕 ―エモーション E-mail 2004/2/22 23:44:34
記事番号16022へのコメント

こんばんは。

今回は魔族サイドですね。

>一人がけの大きなソファに座る、黒髪の容姿の美しい青年が二人に声をかける。
>魔王の腹心、冥王フィブリゾだ。
>彼はこの頃までは青年の姿をとっていた、後に人間が幼い子供の方が油断しやすい事を知って、愛らしい少年の姿をとるようになるが。

美青年なフィブリゾ様……。み、見てみたい……。
この時点では、フィブリゾ様は部下をまだ作っていなかったのでしょうか。
降魔戦争の時は確実にいたましたけれど。(単に別の仕事で手が離せなかったのかな?)

>「フィブリゾよ、道具ごときに労いの言葉など不要ではないか」
>「君らしい言葉だね」
>フィブリゾはその言葉に苦笑する。

確かに……(^_^;)
覇王様だなーと思わせる台詞です。部下が水面下でグレるのも無理ないですね。

>「まあ、君のとこのシェーラあたりなら、労いの言葉一つで今以上に働くんじゃない?」
>魔族にしては珍しいほど、真面目で真っ直ぐな性格を持つ神官を思い浮かべる。
>良くも悪くも覇王の真面目な部分だけを、受け継いでいるらしかった。

真面目な部分を受け継いだ、に、思いっきり納得しました。
ああ、なるほど、と。原作読んでいても珍しいなと思っていたのですが、腑に落ちました。

>「ねえ、グラウ・・・・あんまり部下をないがしろにしちゃ駄目だよ。
>僕ら魔族は上には絶対逆らえないとは言っても、感情くらいはあるんだからさ」
>フィブリゾのその言葉に、グラウ=シェラーは僅かに眉を寄せただけだった。

さすがに、相手の心理を読むのに長けているだけありますね。
人心掌握術(?)はさすがです。

>グランのやる気の無い返事に、ダイ・グは苦笑する。
>全てにおいて無関心で、感情の起伏らしきものが無いこの青年に、ダイ・グは時々どうしようもなく寂しさを感じる事がある。
>
>――君が興味を持つようなことってなんだろうね?僕はそれが凄く知りたいと思うよ・・・・

何やら……「親に完璧に無視されて育ち、すべてに置いて無関心になってしまった子ども」
みたいですね、グランさん……。
ダイ・グさんは主から受け継いだ部分が微妙に違うので、まだどこかで息抜き出来る
精神構造なのかなと思いました。
また、ダイ・グさんなりに「仲間」を心配(?)しているんですね。
グランさんがフォルテさんに関わるのは、まだ先なのだと思いますが、
何がグランさんの興味を引くことになるのか、ダイ・グさんではないですが、
確かに興味津々です。
次は再び神族側が舞台でしょうか。続きを楽しみにしています。

それでは、この辺で失礼します。

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