◆−The song of a dragon. The requiem to darkness.−紫清 月季花 (2003/6/12 18:57:37) No.14449
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. 第28章−紫清 月季花 (2003/6/12 19:00:43) No.14450
 ┃┗周囲に恵まれてなかったんですね−エモーション (2003/6/13 23:37:49) No.14457
 ┃ ┗Re:周囲に恵まれてなかったんですね−紫清 月季花 (2003/6/15 07:09:17) No.14467
 ┗The song of a dragon. The requiem to darkness. 第29章−紫清 月季花 (2003/7/2 10:50:49) No.14563
  ┗カロン運送……もしかして最強の宅配屋さんかも……。−エモーション (2003/7/2 22:15:22) No.14574
   ┗レス返しが大変遅くなりました。m(__)m−紫清 月季花 (2003/7/18 14:24:41) No.14679


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14449The song of a dragon. The requiem to darkness.紫清 月季花 2003/6/12 18:57:37


こんにちは、改名しました、キツネノテブクロ改め『紫清 月季花(しせい げっきか)』です。
紫清は天空と言う意味で、月季花はとある花の名前だったりします。
改名ついでに新規ツリーにします。

ゼル:相変わらず植物から離れん奴だな(呆)

ほっとけ、名前の候補に「曼珠沙華」も考えてたんだぞ。
あと「彼岸花」とか。

ゼル:呼び方が違うだけで同じ花;;
いっそどくだみとか、ラフレシアとかの方が良かったんじゃないか?

失敬な(怒)
どくだみは一種の薬草だぞ、一応。

ゼル:んなことたらたら言ってないで、さっさと続きを書け。

へいへい。
では続きです。

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14450The song of a dragon. The requiem to darkness. 第28章紫清 月季花 2003/6/12 19:00:43
記事番号14449へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】





















明かりをつけない薄暗い部屋で、ルドウィヒは一人、水晶球をのぞいていた。
水晶球には、テラスで寛ぐアメリア達が映っている。
それを興味も無く無表情に見ていたが、すっと手をかざして場面を変える。
そこに映されているのは、長い回廊を歩くゼルガディス。
ルドウィヒの表情が、唇がゆっくりを歪むように笑みの形を作る。
「イモータル、君がかつての僕をバカにしていた気持ちが、今なら解るよ。
僕は確かに無知だった・・・・そして愚かだった」
そう呟く声は、甘い囁きのようであった。
ルドウィヒは、暫く水晶球に映るゼルガディスを見ていたが、ゆったりと立ち上がると、その薄暗い部屋から出て行った。






ゼルガディスは、エルメキアの代表が使っている離れに来ていた。
それぞれの国から来ている者の為に、セイルーン政府はそれぞれの国の代表者たちが使う、離れを用意していた。
もちろんゼルガディス達ゼフィーリアの代表者達(グレイワーズ親子や騎士達)の為の、離れもある。
コニカルコは、訊ねてきたゼルガディスを中へと通す。
「コニカルコ卿、エルメキアはどの程度出せそうですか?」
椅子に座るなり、ゼルガディスはそう切り出す。
「今準備させているが、6艦隊はすぐにでも動かせる。
この短期間でかなりの人事異動をしたので、今はその部署に慣れさせておる。
ゼフィーリアは北から回り込んで、参戦するのであろうか?」
「私ならば北と西、両方から攻めますから。
西の魔海の守りは、エルメキアとライゼールが中心になるでしょう。
北の護りは、我がゼフィーリアが中心となる・・・・」
「イモータル公は、相手が二手に分かれて、攻めてくると思っておられるか」
「戦力に自信があるなら、そうするでしょう。
そして、それができるだけの戦力が相手国にはある」
「うむ・・・」
コニカルコは頷くと、そのまま何やら考え込んでしまった。

「ノゼアン、席をはずしてくれないか」

不意に声をかけられ、コニカルコが慌てて声の方を向く。
「で・・・殿下・・・」
「イモータル公爵と話がしたいんだ。
ノゼアン、僕が呼ぶまで誰もこの部屋に入れないように」
コニカルコは一瞬、石になったように固まったが、すぐに我に帰ると騎士の礼をとって退室する。
「ルドウィヒ殿下、私に話とは?」
ゼルガディスは警戒しながらも、さり気無さを装い話し掛ける。
「そう警戒しないで欲しい、別に何かをしようと言うのでは無いのだから」
ルドウィヒはそう言って、穏やかな笑みを浮かべる。






「僕はね、如何に今までの自分が無知だったかを知ったよ。
君のとこの諜報員が、僕のことを調べてたのは、わかってた」
ゼルガディスは静かにルドウィヒを見ている。
「僕のことを少し話そうか、君にはどうでも良いことかもしれないけど。
僕はね、小さい頃は聡明な子だと言われてた、周りの期待も大きかった。
誰もが言ってた、第四皇位継承者ではなく第一皇位継承者に生まれてこなかったのかと・・・・」
ルドウィヒの視線がすっと下がる、その目にわずかに涙が浮かんでいる。
「だけど、そう言う期待をかけられ事が、許せなかったんだろうね。
だんだん第一皇位継承者である僕の従兄弟から疎まれ、ある日僕は毒を飲まされた。
その時は量が少なくて死ななかったけど、数日間高熱にうなされ目がさめた時には、僕の心に障害が残った。
僕の中で何かが歪んだ、そして歪んだまま僕は大人になった」
再び視線を上げる、その眼差しは穏やかな光をたたえている。
「僕は、死にたくなかった。
生きるためにバカを演じることを選んだ、最初はバカを演じてた・・・・そう、演じてただけだった・・・・だけどね・・・・」






―――――人の心は変わる・・・






「僕はだんだん、考えることが嫌になった。
どんなに考えても、人の心は解らない・・・・人の心は変わるよ・・・・期待から哀れみ、そして蔑み・・・・裏切られたと言う憎しみ・・・・それらを僕に向ける・・・・」






―――――それが身を護るすべの無い僕を追い詰めた・・・






「まだ十歳にもならない子供が選んだ生き方、君はバカだと笑うかい?
今の僕ならバカだと・・・そして哀れだと思うよ・・・・・」
「誰も助けにはなってくれなかったのか?」
ゼルガディスは穏やかに、優しい声で問い掛ける。
「そうだね、僕を助けてくれる人は、何時の間に遠ざけられてた・・・・僕を育てた乳母も、教育係だったノゼアンも・・・・そして、母上も・・・・みんな・・・・・・・・・・・」
ルドウィヒは言いながら視線を下げる、そしてその目から涙が溢れ出し、頬をぬらす。
「僕の周りには、僕をわかってくれる人が居なくなった・・・・」






―――――玉座の意味さえ知らないものに現実を突きつけた・・・・






「僕はやがて僕を殺した、誰の声も届かなくなった」
そう言って浮かべた笑みは、今にも壊れそうだった。






―――――無邪気な子供はいつしか老人の心になった・・・・






「君のところには、僕が正体不明の奴と接触してるって情報は、来てるんだろ?」
ゆったりと立ち上がり、二人分の香茶を入れながら、ルドウィヒはゼルガディスに問い掛ける。
「そいつの名はね、ステフ。
この世界(ここ)ではそう名乗ってるよ、本当は異界の神らしいけど。
手盆でごめんね」
ゼルガディスの前に香茶を置きながら、無表情に淡々と話す。
「あいつが僕に力と知識をくれた、そして知ったのは、僕が愚かだったって事だけ。
そして、無力だったって事・・・・」
「・・・」
「君は良いね、イモータル。
強いから・・・・力も心も・・・・・」
ゼルガディスはただ、ルドウィヒを凝視していた。
先ほどからこの男の考えが見え無かった。
「あいつはね、僕が知らなかった世界を見せてくれたよ・・・・」
すっと立ち上がると、ゼルガディスの方に体を倒し、唇が触れそうなほど顔を近づける。
「・・・綺麗だね・・・・君は・・・・むかつくほど・・・・僕は君が大嫌いだよ・・・・」
甘く囁くような声、だがどうしようも無く甘い毒を含んだ声音。
「奇遇だな、俺もお前が嫌いだよ」
冷たい氷を思わせるようなゼルガディスの声に、ルドウィヒはにやりと唇を歪める。
すっと身を起こし、ゼルガディスから離れると、椅子に座りなおす。
「シオン殿は来てるんだろ?」
「ああ」
「そう、それは良かった。
味方は一人でも多い方が良いよ、イモータル」
今度は穏やかな笑みをうかべ、立ち上がるとそっとドアを開ける。
「今日の話はここまでだよ。
いずれまた、時間をとって話をしよう・・・・僕はまだ君と話すことがあると思うんだ」
ゼルガディスは暫くルドウィヒを探るように見ていたが、小さく溜息をつくと席を立つ。
「お前は何を抱えている?
俺はお前を救うことなど出来んぞ」
「解ってるよ、きっと僕は君と殺し合いをすることになるだろうね。
その時はきっと今の僕じゃない・・・・・」
「お前のこと、コニカルコ卿に話そうかと思ったが・・・・今は止めておこう」
それだけ言うと、ゼルガディスは扉をくぐる。
そして振り返り一言だけ告げる。
「己を失うなよ」






「何を考えているのかな?皇子様」
いつの間に来たのか、ステフが静かに立っている。
「さあ?
あいつが僕の話をどう受け取るか、ちょっとしたゲームだよ」
そう言って振り向いたルドウィヒに表情は、美しいほど禍々しい笑みを浮かべていた。
「ふーん・・・・
まあ、君の好きにすれば良い。
あの綺麗なボウヤが君の話を何処まで信じるかは、解らないけどね」
ステフは静かな表情を浮かべ、そう言うと霞むように消えた。
「そうさ・・・・ゲームだよ。
僕と、貴様とのね」
ルドウィヒはステフが消えた虚空に向かって呟く。

「セト、僕は貴様の自由にはならない」





<続>


【あとがき】

何でこんなキャラになったんだろう?
ルドウィヒは(汗)

ゼル:ルドウィヒ一体どうした?

さあ、答えようの無いことを訊かんでくれ。

ゼル:・・・(胡散臭そうに見てる)

じゃ、この辺で。

ゼル:次もよろしくな。

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14457周囲に恵まれてなかったんですねエモーション E-mail 2003/6/13 23:37:49
記事番号14450へのコメント

こんばんは。

改名なさったのですか。
月季花……何の花でしょう? 何かの別名でしょうか。

おバカ皇子、ルドウィヒさんの不幸な過去語り……ですね。
何故でしょう、この人の最大の不幸は、「幼い頃、彼の周囲には、基本的な意味で、
頭の悪い人間しかいなかった」の一点に尽きるような気がします(汗)

>僕はね、小さい頃は聡明な子だと言われてた、周りの期待も大きかった。
>誰もが言ってた、第四皇位継承者ではなく第一皇位継承者に生まれてこなかったのかと・・・・

ちゃんと正当な皇位継承者がいるのに、あからさまに「王位を狙ってます」と
取られても当然な事を言っていた、または周囲がそう言うのを放置していた
訳ですからね。
それでは疎まれて、生命を狙われるのは当たり前じゃないですか。
期待するのは仕方がないにしても、大っぴらに言ってはいけないことを、
平然と言わせるがまま、放置して(いたも同然ですよ。これでは)、
当てこすりされている方のリアクションも考えない……。
きっぱり、当時の彼の周囲は頭悪すぎ&浮かれすぎだったようですね。
慎重で頭の良い方が一人か二人でもいれば、「聡明な子」はともかく、
「第一皇位継承者に生まれて……」なんて言葉が囁かれるようになったら、
危険性に気づいて「第一皇位継承者を蔑ろにする気はありません」な態度を
明確に示しつつ、身辺警護の強化くらいしたでしょうに……。(ため息)
こんなケースは「特別な人間の特別な事情」ではあっても、ちょっと歴史を
辿ればいくらでも例があるんですから。
本当に、当時の彼は周囲に恵まれていなかったとしか思えないですし、これは
本人の責任ではないだけに、素直に同情しちゃいます。
それ以外はあんまり同情する気にはなりませんが。
理由はどうあれ、自分で考え、選んだ行動の結果ですからね。
他人に「どーだ、僕はこんなに不幸なんだ。だから同情して、考えと態度を
改めろ」なんて言う資格ありません。……我ながら冷たいなあ、と思うけれど(汗)

それにしても、やっぱりゼルは彼にとって「ほんとは僕は君みたいに、いや、
もっと凄い人間になるはずだったのに! 何の不幸も苦労もなくそうなってるなんて、
ずるいずるい! ムカツクムカツク!!」な相手なんですね、よーするに……(^_^;)

ゼルの歩んできた過去、そして背負っているものを知っても、それが言えるかな、と
ちょっと思いました。

さて、ステフさんにも水面下で微妙に牙向き始めたような、ルドウィヒさん。
この先、どんなキャラになるのかな、とそう言う意味でも楽しみです。

それではこの辺りで失礼いたします。
続きを楽しみにしています。

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14467Re:周囲に恵まれてなかったんですね紫清 月季花 2003/6/15 07:09:17
記事番号14457へのコメント


>こんばんは。
>
>改名なさったのですか。
>月季花……何の花でしょう? 何かの別名でしょうか。

おはようございます。

月季花は誰もが知ってる花の別名だったりします。

>おバカ皇子、ルドウィヒさんの不幸な過去語り……ですね。
>何故でしょう、この人の最大の不幸は、「幼い頃、彼の周囲には、基本的な意味で、
>頭の悪い人間しかいなかった」の一点に尽きるような気がします(汗)

確かに彼の最大の不幸は、状況をちゃんと見ない人たちしか居なかった、というところでしょうか。

>>僕はね、小さい頃は聡明な子だと言われてた、周りの期待も大きかった。
>>誰もが言ってた、第四皇位継承者ではなく第一皇位継承者に生まれてこなかったのかと・・・・
>
>ちゃんと正当な皇位継承者がいるのに、あからさまに「王位を狙ってます」と
>取られても当然な事を言っていた、または周囲がそう言うのを放置していた
>訳ですからね。
>それでは疎まれて、生命を狙われるのは当たり前じゃないですか。
>期待するのは仕方がないにしても、大っぴらに言ってはいけないことを、
>平然と言わせるがまま、放置して(いたも同然ですよ。これでは)、
>当てこすりされている方のリアクションも考えない……。
>きっぱり、当時の彼の周囲は頭悪すぎ&浮かれすぎだったようですね。
>慎重で頭の良い方が一人か二人でもいれば、「聡明な子」はともかく、
>「第一皇位継承者に生まれて……」なんて言葉が囁かれるようになったら、
>危険性に気づいて「第一皇位継承者を蔑ろにする気はありません」な態度を
>明確に示しつつ、身辺警護の強化くらいしたでしょうに……。(ため息)
>こんなケースは「特別な人間の特別な事情」ではあっても、ちょっと歴史を
>辿ればいくらでも例があるんですから。
>本当に、当時の彼は周囲に恵まれていなかったとしか思えないですし、これは
>本人の責任ではないだけに、素直に同情しちゃいます。

周囲の人たちも、あからさまに彼が第一皇位継承者に生まれていればと、言ってたわけでは無いのでしょうが、やはりそう言った事には、こういう方たちは敏感なんでしょう。
もしかすると、彼をほんとに皇位に就けようとした人たちも、居たのかも知れません。
もしくは第一皇位継承者につく誰かが、わざとこういった「第一皇位継承者に生まれて……」の発言を、耳に入れたのかもしれません。
小さい頃のルドウィヒは、本人の意思とは関係なく政治闘争に巻き込まれた被害者だったんでしょう。

>それ以外はあんまり同情する気にはなりませんが。
>理由はどうあれ、自分で考え、選んだ行動の結果ですからね。
>他人に「どーだ、僕はこんなに不幸なんだ。だから同情して、考えと態度を
>改めろ」なんて言う資格ありません。……我ながら冷たいなあ、と思うけれど(汗)

まあ、その後の彼は困ったちゃんですが(苦笑)
頭が良いから性格も良いかというと、そうでもないと言う見本ですから、この方は(汗)

>それにしても、やっぱりゼルは彼にとって「ほんとは僕は君みたいに、いや、
>もっと凄い人間になるはずだったのに! 何の不幸も苦労もなくそうなってるなんて、
>ずるいずるい! ムカツクムカツク!!」な相手なんですね、よーするに……(^_^;)
>
>ゼルの歩んできた過去、そして背負っているものを知っても、それが言えるかな、と
>ちょっと思いました。

ルドウィヒ本人は全く気付いてないのでしょうが、ゼルは彼にとっての理想なんでしょうね。
知らないから、彼は憧れるんでしょうか・・・・

>さて、ステフさんにも水面下で微妙に牙向き始めたような、ルドウィヒさん。
>この先、どんなキャラになるのかな、とそう言う意味でも楽しみです。

ルドウィヒのようなキャラ、書き手としては面白いキャラです。
この後どう化けるか・・・・私が今まで出したキャラとは、かなり毛色が違うので、自分でもどうなるか楽しみだったりします。
当初は、単なる一発キャラの困った皇子様と言うだけの筈だったのに(汗)

>それではこの辺りで失礼いたします。
>続きを楽しみにしています。

感想ありがとうございました。

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14563The song of a dragon. The requiem to darkness. 第29章紫清 月季花 2003/7/2 10:50:49
記事番号14449へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】





















「さてどう動く?
ゼルガディス=グレイワーズ」
ルドウィヒは窓から外を見、遠ざかるゼルガディスに視線を向ける。

――半分は嘘なんだよ・・・イモータル・・・・






アイゼリナルが通りすがりの青年を捕まえて、一緒に行く発言をしてから約一時間近く、両者共に固まっていた(笑)。
「・・・・えーと;;
いきなりですね、道にでも迷ったんですか?」
内心汗をかきつつ青年は、目の前の少女に当り障りが無さそうな事を、聞いてみる。
「え?
え、ええ、そうです(汗)」
アイゼリナルは内心助かったと思いながら、調子をあわせることにする。
「この大陸来たばかりで、よく解らないんです。
それに貴方は親切な方のようですから、つい・・・・ご迷惑でしたら、無理なことは申しません」
「・・・いえ、途中までならご一緒してもかまいませんよ。
あ、名前、教えてもらえますか?」
「アイゼ・・・アイズです。
アイズ=ルミーです」
一応警戒して、本名はふせる。
それに、アイズと言うのは彼女の愛称なので、嘘にはならないだろう、恐らく。
「僕は・・・」






群狼の島。
腹心たちは、相変わらず避難したままだった。
「いい加減、誰か北の様子を見に行かせるか・・・・」
覇王は目にも鮮やかな、熱帯植物をぼうっと眺めながら放心したように呟いていた。

―数分後。

「で、僕が呼ばれたんですか(涙)」
「・・・(涙)」
るーるーと涙を流しながら、ゼロスは呟き、その隣には十四・五歳位の少年が無言で涙を流している。
「ゼロス、そしてノースト。
両名は北の魔王様の様子を見に行ってくること。
もし、魔王様がやばそうだったら、白の竜神と白霧を北から引き離して、どっか他所に移ってもらえ」
「わかりましたぁ〜(涙)」
「では逝ってきます(遠い目&放心)」
背中にどす黒いオーラを纏って、二人が姿を消すと腹心たちはとりあえず、無事を一応願ってやる。
内心ではこっそりお墓の用意を考えていたりするが・・・・






フィリアは酷くイラついていた。
あまりの不機嫌っぷりに、触らぬ神に何とやらと言わんばかりに、誰も近づかない。
「決めました!
ヴァルのとこに行きます!」
そう宣言するや否や、勢いよく宿の部屋から出て行く。
「・・・・ヴァル・・・大丈夫かな?」
額に一筋の汗を浮かべ、のんびりお茶を飲みながらヴィシュヌが言えば、フレイとガーヴは乾いた笑みを浮かべるのみだった。
「それより、場所を解っているのだろうか?
巫女は」
フレイの言葉に、沈黙が落ちる・・・・・・
「なんか、根性で見つけそうだよな・・・・・」
頑張れ、ヴァル(笑)






ゼルガディスは当てられた部屋に戻ると、深く椅子に身を沈める。
深く息を吐き出し、眉間を揉み解す。
「ルドウィヒの話をどう取るかだな・・・・・」
普通に考えれば、嘘か本当かどちらかと言うことになるだろう。
だが、あの何処か不透明な男のことだ、半分は嘘だろう。
嘘だとして、何処までが嘘で、何が嘘かはわからない。
「・・・オニキスいるか?」
『はっ』
声と共にわずかに気配が揺れる。
「ルドウィヒに関してできるだけ情報を集めておけ。
奴には何かある」
『承知』
その返事と同時に、揺れた気配は消えた。
その後暫く、ゼルガディスは何かを考えていたが、一つ小さく溜息をつくと、途中にしていた仕事を再開する。
少ない情報からは何も得られないことを、経験から知っているから。






「団長、なんか宅配便が来てますよ〜」
騎士の一人が、そう言いながらラダマンティスの執務室に入ってくる。
「ん、代わりに受け取っとけよ」
「いやそれが、なんか無茶苦茶重くって」
言われた騎士は、困ったような表情を浮かべ、言葉を返す。
「・・・で、何処にある?」
「あ、エントランスです」
「しゃあねえ、取りに行くか」
そう言いながら、立ち上がると騎士を連れ立ってエントランスへと降りる。
そこには、びん底メガネの謎の人物。
「まいどー。
お届け物でーす、ハンコお願いします」
「ほれ」
ひらがなで、“はくていはり”と書かれたハンコを渡す。
「はい・・・っと、じゃあ確かに」
そう言って、やたらと細長い包みを手渡す。
「?」
その荷物を持った時、ラダマンティスはおやっ言う風な表情を見せる。
「差出人は・・・・あの方か!」
その場でがさがさと包みを解けば、中からはかなりの重量の一振りの大太刀。
「・・・わざわざ白の世界から送ってくれたのか・・・・」
「うわー・・・凄いでかい剣ですね・・・」
一緒についてきていた騎士は、その太刀を見て呟く。
「剣じゃなくて、“太刀”。
“人”を斬る武器の中では最高ランクの切れ味を有する、“刀”と言う武器の一種だ」
太刀を手にとり、すっと抜きながら騎士の言葉を訂正する。
「刀と言うのは、それなりの腕があれば、一撃で人を真っ二つに出来る代物だ。
切れ味も凄いが三・四人斬ると、並の刀だと刃こぼれして、使い物にならなくなると言うがな」
刀身を見ながら言葉を続ける。
「で、今団長が持ってるのも人をぶった切る為のものですか?」
少しだけ顔を青くしながら、騎士が問う。
「そうだな、本来はな・・・・」

――必要と思ったのか・・・これが・・・・

ラダマンティスが本気を出して、唯一絶えられる武器。
それがこの大太刀、無名の名刀だがその破壊力は凄まじく、ラダマンティス自身も今まで数えるほどしか使っていない。
それも、白の世界にまだいた頃で、この赤の世界に来る際は、この大太刀を白の世界においてきたのだ。
「それにしても、なんつーか・・・凄く綺麗っすね・・・・」
騎士はラダマンティスが手にしている太刀を見ながら、ぼうっと呟いている。
「剣には無い、刀の魔性・・・・間違っても魅入られるなよ」
鞘に収めながら、きつい声音で言えば騎士は慌てて頷いている。

――解ってんのかね・・・(−ー;







「あっちこっちで動いてるねえ・・・・まあそれはそれで楽しみがあると言う所か」
草一本生えていない赤茶けた荒野に、佇む人影が虚空を見ながら淡々と言葉を紡ぐ。



―――――終わらない破壊の螺旋をめぐる世界よ・・・・・








<続>


【あとがき】

激しくお久しぶりです。
話が上手く纏まんなくて、冬眠してました(爆)

ラダ:お前は熊か!この怪奇植物!!
ってか、いまは夏だろ!!暦の上じゃ。

まあ、それは置いといて。

ラダ:置いとくのか。

アイズがゼクスと出会った24章から、この29章まではとある一日の出来事だったりするんですよね(汗)

ラダ:・・・・

あと、刀とかの突っ込みはなしで(^^;
そんなに知識があるほうじゃないんで・・・・

ラダ:ふーん・・・

じゃあ、この辺で。

ラダ:次もよろしく。
って、次はいつだ?

さあ・・・・?

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14574カロン運送……もしかして最強の宅配屋さんかも……。エモーション E-mail 2003/7/2 22:15:22
記事番号14563へのコメント

こんばんは。

続きをお待ちしていました。
今回は、とりあえずヴァルくん以外の方々の状況、なんですね。
何やら察知した(笑)のか、ヴァル君の元へ行きたがるフィリアさんと、
とうとう本編にも現れた最強の宅配屋・カロン運送、そしてラダマンティスさんの
ハンコが個人的なツボでした。


>アイゼリナルが通りすがりの青年を捕まえて、一緒に行く発言をしてから約一時間近く、両者共に固まっていた(笑)。

……一時間……ですか(笑)
周囲の人間には「互いに一目惚れして、二人の世界を作っている」ように
見えているのかもしれませんね。

>「・・・・えーと;;
>いきなりですね、道にでも迷ったんですか?」
>内心汗をかきつつ青年は、目の前の少女に当り障りが無さそうな事を、聞いてみる。

無難なお言葉です、王子さま(この場合は比喩表現)!
お姫様のフォローはやはり王子さまですよね。
……うちの姫のフォローは近衛の執務官や、巻き込まれた(笑)ゼルがしてますが。

>「アイゼ・・・アイズです。
>アイズ=ルミーです」
>一応警戒して、本名はふせる。
>それに、アイズと言うのは彼女の愛称なので、嘘にはならないだろう、恐らく。

この場合は妥当なところですよね。不意に呼ばれたときに、返事が
出来なかったら問題ですし。

>「僕は・・・」

さて、彼はどう名のるのでしょう。

>群狼の島。
>腹心たちは、相変わらず避難したままだった。

ひたすら魔王様救出(?)が、先延ばしになっていますね……(汗)

>「で、僕が呼ばれたんですか(涙)」
>「・・・(涙)」
>るーるーと涙を流しながら、ゼロスは呟き、その隣には十四・五歳位の少年が無言で涙を流している。

……本当に……格好の生け贄……もとい、尊い犠牲……いえ、適切な人選、
なんですね……。今回はノーストさんもですか……本当に不幸。
でも、これが彼らの生きる道♪

>背中にどす黒いオーラを纏って、二人が姿を消すと腹心たちはとりあえず、無事を一応願ってやる。
>内心ではこっそりお墓の用意を考えていたりするが・・・・

気分的には滅びなきゃいいや、という感じでしょうか。
彼らは自らの負の感情で、何とか生きのびそうな気がします……。

>フィリアは酷くイラついていた。
>あまりの不機嫌っぷりに、触らぬ神に何とやらと言わんばかりに、誰も近づかない。

……やはり何かを察知したのでしょうか。愛の力(笑)で。
それとも酸素不足のごとく「ヴァル不足(笑)」にでも陥ったのでしょうか。
何にせよ、このフィリアさん、とても可愛いです。

>「なんか、根性で見つけそうだよな・・・・・」
>頑張れ、ヴァル(笑)

ヴァルくん、泣かれるくらいは覚悟しましょう。

>ゼルガディスは当てられた部屋に戻ると、深く椅子に身を沈める。
>深く息を吐き出し、眉間を揉み解す。

何だか疲れ切ってますね、ゼル……。

>普通に考えれば、嘘か本当かどちらかと言うことになるだろう。
>だが、あの何処か不透明な男のことだ、半分は嘘だろう。
>嘘だとして、何処までが嘘で、何が嘘かはわからない。

何気にそういう面は見抜いているんですね。
この辺りはもう、出来るだけ正確な情報を集めて、比較検討しないと
判らないですよね。
そしてルドウィヒさん。何を始める気なのでしょう。

>そう言いながら、立ち上がると騎士を連れ立ってエントランスへと降りる。
>そこには、びん底メガネの謎の人物。
>「まいどー。
>お届け物でーす、ハンコお願いします」

「重くて持てない」ものをしっかりと届けに来る……やはり凄いです。カロン運送……。

>ひらがなで、“はくていはり”と書かれたハンコを渡す。

平仮名……何故L様といい、ラダマンティスさんといい、平仮名のハンコを……。
かわいいですが。

>その場でがさがさと包みを解けば、中からはかなりの重量の一振りの大太刀。
>「・・・わざわざ白の世界から送ってくれたのか・・・・」

これは、ラダマンティスさん専用の武器ですか。……これが必要になる、と
L様は判断したのですね。

>「剣じゃなくて、“太刀”。
>“人”を斬る武器の中では最高ランクの切れ味を有する、“刀”と言う武器の一種だ」
>太刀を手にとり、すっと抜きながら騎士の言葉を訂正する。
>「刀と言うのは、それなりの腕があれば、一撃で人を真っ二つに出来る代物だ。
>切れ味も凄いが三・四人斬ると、並の刀だと刃こぼれして、使い物にならなくなると言うがな」

刀は本当に斬るためのような代物ですしね。戦国時代の日本の武士の剣術レベルは、
世界最高だったそうですし。(宣教師が最強の神の兵士にしようと思ったくらい)

>「それにしても、なんつーか・・・凄く綺麗っすね・・・・」
>騎士はラダマンティスが手にしている太刀を見ながら、ぼうっと呟いている。
>「剣には無い、刀の魔性・・・・間違っても魅入られるなよ」
>鞘に収めながら、きつい声音で言えば騎士は慌てて頷いている。
>
>――解ってんのかね・・・(−ー;

実際、見ているだけなら、よく手入れされた刀は、綺麗だと思いますからね。
騎士さんの気持ちは分かります。
ただ、この太刀に限って言えば、魅入られても持ち上げられない……。


>激しくお久しぶりです。
>話が上手く纏まんなくて、冬眠してました(爆)

話が進まないときや、纏まらないときって、本当にどうがんばっても進みませんよね(汗)
逆に進むときは異様にハイペースで進む……。無理せず気楽に書いてください。

>アイズがゼクスと出会った24章から、この29章まではとある一日の出来事だったりするんですよね(汗)
>
>ラダ:・・・・

それぞれの場所で話が展開していますから、それくらいにはなると思います。
……午前中+αな時間が長々と続きそうな、私のに比べれば……(遠い目)

>あと、刀とかの突っ込みはなしで(^^;
>そんなに知識があるほうじゃないんで・・・・
>
>ラダ:ふーん・・・

……そういえば、ここの結界の外の世界には、「刀」はあるのでしょうか。
リナ達のいる結界内はないみたいですが。

>じゃあ、この辺で。
>
>ラダ:次もよろしく。
>って、次はいつだ?
>
>さあ・・・・?

楽しく読ませていただきました。
もうとにかく、カロン運送がツボで。気が付くと、L様の世界だけじゃない、
どの世界にも出てきそうな気がしています。
……ひらがなのハンコ用意しようかな(笑)

もう夏ですよね。梅雨明け際の極端な気温の変化と、夏ばてにお気を付け下さいませ。
それでは、この辺で失礼いたします。
続きを楽しみにしています。

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14679レス返しが大変遅くなりました。m(__)m紫清 月季花 2003/7/18 14:24:41
記事番号14574へのコメント


>こんばんは。
>
>続きをお待ちしていました。
>今回は、とりあえずヴァルくん以外の方々の状況、なんですね。
>何やら察知した(笑)のか、ヴァル君の元へ行きたがるフィリアさんと、
>とうとう本編にも現れた最強の宅配屋・カロン運送、そしてラダマンティスさんの
>ハンコが個人的なツボでした。

こんにちは、紫清 月季花です。
激しくレス返しが遅くなりました(汗)

とうとう本編に出してしまったカロン運送、この先何処にでも出てきそうです(笑)

>>アイゼリナルが通りすがりの青年を捕まえて、一緒に行く発言をしてから約一時間近く、両者共に固まっていた(笑)。
>
>……一時間……ですか(笑)
>周囲の人間には「互いに一目惚れして、二人の世界を作っている」ように
>見えているのかもしれませんね。

二人の世界ですね、ある意味(笑)
街道の途中なんで、通行人も特に気にしてないかも。

>>「・・・・えーと;;
>>いきなりですね、道にでも迷ったんですか?」
>>内心汗をかきつつ青年は、目の前の少女に当り障りが無さそうな事を、聞いてみる。
>
>無難なお言葉です、王子さま(この場合は比喩表現)!
>お姫様のフォローはやはり王子さまですよね。
>……うちの姫のフォローは近衛の執務官や、巻き込まれた(笑)ゼルがしてますが。

お姫様のフォロー大変そうですね、ゼル頑張ってね(笑)
アイズは貴族じゃないけど、良いとこのお嬢さんではあるんですよね、裏設定で(笑)

>>「アイゼ・・・アイズです。
>>アイズ=ルミーです」
>>一応警戒して、本名はふせる。
>>それに、アイズと言うのは彼女の愛称なので、嘘にはならないだろう、恐らく。
>
>この場合は妥当なところですよね。不意に呼ばれたときに、返事が
>出来なかったら問題ですし。

一応任務のことも考えて、本名を伏せるだけの機転はきくようです。

>>「僕は・・・」
>
>さて、彼はどう名のるのでしょう。

幾つか考えてますよ。

>>群狼の島。
>>腹心たちは、相変わらず避難したままだった。
>
>ひたすら魔王様救出(?)が、先延ばしになっていますね……(汗)

そうですね・・・・(遠い目&汗)

>>「で、僕が呼ばれたんですか(涙)」
>>「・・・(涙)」
>>るーるーと涙を流しながら、ゼロスは呟き、その隣には十四・五歳位の少年が無言で涙を流している。
>
>……本当に……格好の生け贄……もとい、尊い犠牲……いえ、適切な人選、
>なんですね……。今回はノーストさんもですか……本当に不幸。
>でも、これが彼らの生きる道♪

頑張れ少年!ってなとこでしょうか。

>>背中にどす黒いオーラを纏って、二人が姿を消すと腹心たちはとりあえず、無事を一応願ってやる。
>>内心ではこっそりお墓の用意を考えていたりするが・・・・
>
>気分的には滅びなきゃいいや、という感じでしょうか。
>彼らは自らの負の感情で、何とか生きのびそうな気がします……。

多分、一番図太く生き延びそうな二人だから、選ばれてそうですが・・・・・

>>フィリアは酷くイラついていた。
>>あまりの不機嫌っぷりに、触らぬ神に何とやらと言わんばかりに、誰も近づかない。
>
>……やはり何かを察知したのでしょうか。愛の力(笑)で。
>それとも酸素不足のごとく「ヴァル不足(笑)」にでも陥ったのでしょうか。
>何にせよ、このフィリアさん、とても可愛いです。

本人は何でイラついてるのかわかってません(笑)。

>>「なんか、根性で見つけそうだよな・・・・・」
>>頑張れ、ヴァル(笑)
>
>ヴァルくん、泣かれるくらいは覚悟しましょう。

泣かれたらどうやって慰めて良いか、わからないでしょうね、うちのヴァルは結構不器用なんで(笑)

>>ゼルガディスは当てられた部屋に戻ると、深く椅子に身を沈める。
>>深く息を吐き出し、眉間を揉み解す。
>
>何だか疲れ切ってますね、ゼル……。

現在のセイルーンにおける、実戦部隊の責任者状態ですし・・・・

>>普通に考えれば、嘘か本当かどちらかと言うことになるだろう。
>>だが、あの何処か不透明な男のことだ、半分は嘘だろう。
>>嘘だとして、何処までが嘘で、何が嘘かはわからない。
>
>何気にそういう面は見抜いているんですね。
>この辺りはもう、出来るだけ正確な情報を集めて、比較検討しないと
>判らないですよね。
>そしてルドウィヒさん。何を始める気なのでしょう。

ゼルガディスは裏世界にいたせいで、割とこういった嘘を多く見てきたんじゃないでしょうか。
ルドウィヒも何考えているのか、かなり謎なキャラと化してきてます。

>>そう言いながら、立ち上がると騎士を連れ立ってエントランスへと降りる。
>>そこには、びん底メガネの謎の人物。
>>「まいどー。
>>お届け物でーす、ハンコお願いします」
>
>「重くて持てない」ものをしっかりと届けに来る……やはり凄いです。カロン運送……。

運べないものは無いのが自慢の、運送業者ですから。

>>ひらがなで、“はくていはり”と書かれたハンコを渡す。
>
>平仮名……何故L様といい、ラダマンティスさんといい、平仮名のハンコを……。
>かわいいですが。

カロン運送用でしょう(笑)

>>その場でがさがさと包みを解けば、中からはかなりの重量の一振りの大太刀。
>>「・・・わざわざ白の世界から送ってくれたのか・・・・」
>
>これは、ラダマンティスさん専用の武器ですか。……これが必要になる、と
>L様は判断したのですね。

多分、現在話の中で存在してる武器の中で、最強の破壊力でしょう。
んな武器平然と使えるラダ氏って・・・・・

>>「剣じゃなくて、“太刀”。
>>“人”を斬る武器の中では最高ランクの切れ味を有する、“刀”と言う武器の一種だ」
>>太刀を手にとり、すっと抜きながら騎士の言葉を訂正する。
>>「刀と言うのは、それなりの腕があれば、一撃で人を真っ二つに出来る代物だ。
>>切れ味も凄いが三・四人斬ると、並の刀だと刃こぼれして、使い物にならなくなると言うがな」
>
>刀は本当に斬るためのような代物ですしね。戦国時代の日本の武士の剣術レベルは、
>世界最高だったそうですし。(宣教師が最強の神の兵士にしようと思ったくらい)

本当に優れた剣術は、盾を必要としないと言いますから。

>>「それにしても、なんつーか・・・凄く綺麗っすね・・・・」
>>騎士はラダマンティスが手にしている太刀を見ながら、ぼうっと呟いている。
>>「剣には無い、刀の魔性・・・・間違っても魅入られるなよ」
>>鞘に収めながら、きつい声音で言えば騎士は慌てて頷いている。
>>
>>――解ってんのかね・・・(−ー;
>
>実際、見ているだけなら、よく手入れされた刀は、綺麗だと思いますからね。
>騎士さんの気持ちは分かります。
>ただ、この太刀に限って言えば、魅入られても持ち上げられない……。

本当に日本刀というのは、独特の美しさと言うのがありますよね。

>>激しくお久しぶりです。
>>話が上手く纏まんなくて、冬眠してました(爆)
>
>話が進まないときや、纏まらないときって、本当にどうがんばっても進みませんよね(汗)
>逆に進むときは異様にハイペースで進む……。無理せず気楽に書いてください。

ありがとうございます、話が纏まらない時ってほんと進みませんよね(汗)

>>アイズがゼクスと出会った24章から、この29章まではとある一日の出来事だったりするんですよね(汗)
>>
>>ラダ:・・・・
>
>それぞれの場所で話が展開していますから、それくらいにはなると思います。
>……午前中+αな時間が長々と続きそうな、私のに比べれば……(遠い目)

全体の流れとか話の展開とかで、結構話数をくうこともあると思うので、ペースは人それぞれなのでしょう。

>>あと、刀とかの突っ込みはなしで(^^;
>>そんなに知識があるほうじゃないんで・・・・
>>
>>ラダ:ふーん・・・
>
>……そういえば、ここの結界の外の世界には、「刀」はあるのでしょうか。
>リナ達のいる結界内はないみたいですが。

九竜皇国にはあるでしょう。
思いっきり和風な国なんで。

>>じゃあ、この辺で。
>>
>>ラダ:次もよろしく。
>>って、次はいつだ?
>>
>>さあ・・・・?
>
>楽しく読ませていただきました。
>もうとにかく、カロン運送がツボで。気が付くと、L様の世界だけじゃない、
>どの世界にも出てきそうな気がしています。
>……ひらがなのハンコ用意しようかな(笑)

カロン運送・・・・もう一つの連載『沙』の方にも出てきそうだ・・・・・そのうち・・・・

>もう夏ですよね。梅雨明け際の極端な気温の変化と、夏ばてにお気を付け下さいませ。
>それでは、この辺で失礼いたします。
>続きを楽しみにしています。

感想ありがとうございました。

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