◆−The song of a dragon. The requiem to darkness.−キツネノテブクロ (2003/4/15 08:19:12) No.13992
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第3章−キツネノテブクロ (2003/4/15 08:22:22) No.13993
 ┃┗Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第3章−エモーション (2003/4/15 22:13:45) No.13997
 ┃ ┗Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第3章−キツネノテブクロ (2003/4/18 19:47:41) No.14014
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第4章−キツネノテブクロ (2003/4/18 17:49:42) No.14012
 ┃┗Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第4章−エモーション (2003/4/19 00:54:09) No.14019
 ┃ ┗Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第4章−キツネノテブクロ (2003/4/19 17:22:45) No.14027
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第5章−キツネノテブクロ (2003/4/19 16:40:26) No.14022
 ┃┗Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第5章−エモーション (2003/4/20 22:57:39) No.14036
 ┃ ┗Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第5章−キツネノテブクロ (2003/4/21 15:28:40) No.14040
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第6章−キツネノテブクロ (2003/4/21 14:51:30) No.14039
 ┃┣Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第6章−エモーション (2003/4/21 22:06:34) No.14047
 ┃┃┗Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第6章−キツネノテブクロ (2003/4/22 15:32:30) No.14056
 ┃┣遅くなりました(汗)−猫楽者 (2003/4/22 00:01:54) No.14050
 ┃┃┗Re:遅くなりました(汗)−キツネノテブクロ (2003/4/22 16:16:06) No.14057
 ┃┗Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第6章−颪月夜ハイドラント (2003/4/22 21:31:59) No.14064
 ┃ ┗Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第6章−キツネノテブクロ (2003/4/23 09:55:22) No.14072
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第7章−キツネノテブクロ (2003/4/23 12:00:26) No.14073
 ┃┗ルースくん、可愛い〜!!−エモーション (2003/4/23 21:41:29) No.14080
 ┃ ┗Re:ルースくん、可愛い〜!!−キツネノテブクロ (2003/4/24 10:18:31) No.14086
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第8章−キツネノテブクロ (2003/4/24 11:31:08) No.14087
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第9章−キツネノテブクロ (2003/4/24 13:40:40) No.14088
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第10章−キツネノテブクロ (2003/4/25 07:10:48) No.14093
 ┃┗竜王様達に何が……?−エモーション (2003/4/25 23:14:56) No.14096
 ┃ ┗Re:竜王様達に何が……?−キツネノテブクロ (2003/4/26 12:33:28) No.14102
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第11章−キツネノテブクロ (2003/4/28 10:52:29) No.14113
 ┃┗迷子の迷子の……仔猫ではないですね(汗)−エモーション (2003/4/28 22:07:17) No.14120
 ┃ ┗子猫だったら可愛いんでしょうが・・・(汗)−キツネノテブクロ (2003/4/30 12:20:14) No.14132
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第12章−キツネノテブクロ (2003/4/30 11:35:12) No.14131
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第13章−キツネノテブクロ (2003/4/30 15:01:29) No.14133
 ┃┣……すいません、真っ先に女性としか思えませんでした。−エモーション (2003/5/1 00:03:28) No.14136
 ┃┃┗Re:……すいません、真っ先に女性としか思えませんでした。−キツネノテブクロ (2003/5/1 20:55:44) No.14140
 ┃┗でましたね。ルドウィヒ(汗)−猫楽者 (2003/5/1 12:36:45) No.14137
 ┃ ┗Re:でましたね。ルドウィヒ(汗)−キツネノテブクロ (2003/5/1 23:16:58) No.14141
 ┣The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第14章−キツネノテブクロ (2003/5/1 20:12:58) No.14139
 ┃┗ゼル……容赦ない……(汗)−エモーション (2003/5/3 00:19:58) No.14146
 ┃ ┗レスが遅くなりました−キツネノテブクロ (2003/5/6 08:20:01) No.14161
 ┗The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第15章−キツネノテブクロ (2003/5/6 08:39:08) No.14162
  ┣キャ○ルヌさんがほしいところですね♪−エモーション (2003/5/6 23:30:54) No.14171
  ┃┗Re:キャ○ルヌさんがほしいところですね♪−キツネノテブクロ (2003/5/7 13:32:13) No.14177
  ┗カノンさん♪ご登場ですね♪−猫楽者 (2003/5/7 00:15:26) No.14172
   ┗Re:カノンさん♪ご登場ですね♪−キツネノテブクロ (2003/5/7 13:50:34) No.14178


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13992The song of a dragon. The requiem to darkness.キツネノテブクロ 2003/4/15 08:19:12


こんにちは、キツネノテブクロです。
『The song of a dragon. The requiem to darkness.』のツリーが落ちたので新規ツリーを。

前回までは「著者別」と「カテゴリー別検索」に登録してあります。


おまけ。
登場人物(オリキャラ)の紹介

■アダマス帝
[本名]
アダマス=ディス=グランド=ヴァリシア=ゼクス
[種族]
人間
[性別]

[年齢]
50(推定)
[容姿]
金髪碧眼
琥珀の肌
[武器]

[備考]
帝国皇帝。
かつては名君と呼ばれたが、今は野心をむき出しにし、他国に侵略している。
詳しくは『不自由な絶対者』参照。

■アレク
[本名]
アレクセル=フレイム
[種族]
人間
[性別]

[年齢]
35
[容姿]
金髪
碧眼
[武器]

[備考]
帝国軍人。
帝国軍の元帥、優秀で良識に富む。
皇帝に出兵を反対した際、一族を人質として扱われ、やむなく出兵命令に従う。

■シェイル
[本名]
シェイル=コバルト
[種族]
人間
[性別]

[年齢]
30
[容姿]
黒髪
碧眼
琥珀の肌
[武器]

[備考]
帝国軍人。
軍大将の地位にある、なかなか優秀な人物で、アレクの信頼も厚い。

■ゼクス
[本名]
ラウル=アダマス=マーキーズ
[種族]
人間
[性別]

[年齢]
22(推定)
[容姿]
金髪
碧眼
琥珀の肌
[武器]

[備考]
元皇子、第二皇位継承者。
詳しくは『不自由な絶対者』参照。


以上が前回までのオリキャラさんたちです。(多分)

ゼクスに関してはネタばれに近いな・・・・・では気が向いたら読んでみてくださいませ。










今思ったけど、ゼクスって斑鳩(byファイブスター物語)みたいな子だな、サリオンって死んだことになってるし・・・・
仮面をつけてるからハインド=キル(byファイブスター物語)のほうが近いか?
ハインドも偽名みたいだし・・・・

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13993The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第3章キツネノテブクロ 2003/4/15 08:22:22
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















北の魔王の下に、艶やかな黒髪と光の加減で黒に見える銀の瞳の持った、妖艶な美女が訪れていた。
「久しぶりね、ルビーアイ。
それぞれの世界が創られる前だから、どの位会って無かったかしら?」
そう言って、口元に笑みを浮かべる。
「で、何でお前がここにいる?」
何処か呆れたような声で、北の魔王は氷の奥から訊いてくる。
「せっかちね・・・・それを言いにここへ来たのよ。
それより、周りで殺気を放ってる子達を何とかして貰えるかしら?
滅(ころ)すと貴方機嫌が悪くなるでしょ」
くすりと嘲笑って女は周りを見る、その視線にさらされた者達は背筋に冷たいものを感じる。
「あまり脅すな、白霧(デスフォッグ)」

・・・・ざわっ・・・

ルビーアイが女を白霧(デスフォッグ)と呼んだ時、その場の空気が蠢く。
そして、その場にいたのは魔王の腹心たち。
「あら、数が減ってない?」
「・・・色々あってな・・・用件を言え」
「ホントに気が短いんだから・・・・・・あたしをこの世界に召喚したバカが居るのよ。
何のために召喚したのか知らないけど、どうもあたし以外にも召喚されたのが居るみたい、それもお母様が創った世界じゃなくて、別の混沌世界から召喚したみたいなのよ」
妖艶な笑みを浮かべ、白霧はルビーアイの方を見ながら言う。
「・・・・・・・・・何か今・・・・・いっそこのままさっさと滅びたくなったぞ・・・・・・」
氷の奥で器用に遠い目しながら、ルビーアイは呟き、腹心達の方も、主の言葉に頷いている。
「何どしたの?
ルビーアイ、何遠い目してんのよ、そこの三人、何泣いて頷いてんの?(汗)」
ちょっと引きつつ、デスフォッグは一応聞いてみる・・・・で、ふと思い出す。

――そう言えばこの世界って、不幸続きだったわよね(汗)

そう、この世界はとにかく不幸だった。
金色の魔王は降臨するは、異界の魔王は暴れるは、挙句の果ては神や魔の高位の存在は襲われるは・・・・
それがここ数年のこと。
「・・・・あ、えーと・・・・ねえ、ルビーアイ、白っぽい銀髪に銀の目の男の子、知らない?」
何処か哀しげな表情を浮かべて、白霧はルビーアイに問いかける。
「いや・・・・その様な者には会った事が無いと思うが・・・・」
ルビーアイは腹心達の方に視線を向けるが、腹心達も心当たりが無いらしく首を横に振る。
それを見た白霧はただ「そう・・・」とだけ呟き、しゅんとなる。
「ここにも居ないのね・・・・・玻璃・・・・」
白霧の呟きは、誰にも聞こえてはいなかった。






「で、ゼルこれを布告状だと決めた何かが起きたんでしょ?
でなきゃこんな緊張は生まれないわ」
まだ突っ伏したままのガウリイはほっといて、リナはゼルガディスに話しかける。
「ああ、最初はただの悪戯だと思っていたんだが・・・・一週間ほど前、沿岸の一国で暗殺があった。
犯人は不明、その国自体は政治的に安定していたし、他国に対してトラブルも抱えていなかった。
もちろん、外部には情報規制によりもれてはいないが、いずればれるだろうな。
そしてその国には、やはりこれと同じ物が置かれていた」
そこまでを淡々と語り、ゼルガディスはリナの表情を伺う。
リナは何かを考え込む・・・・・。
「ねえ、それホントに国≠ネのかしら?何処と無く宗教っぽく感じるんだけど。
さっき見せてもらった写しの文面とかから見ると、いかにも神の名の下にって感じじゃない?」
「ほう・・・流石だな、その線でも調べさせている」
唇の片方だけを軽く上げ、ゼルガディスは満足そうに言う。
「ゼルガディス殿、見ての通りアメリアは連日この件で疲れきっておる。
儂から貴殿に依頼したい、この怪文書に関する指揮を頼みたい」
フィリオネルはそう言うと、頭を下げる。
「それはこちらから頼みたかった事だ、フィルさん頭を上げてくれ」

「あ〜星がいっぱいまわってる(@▽@)」
何とか復活したガウリイが、間の抜けたことを言いながら、起き上がる。
「旦那;;;」
「う〜ん;;
更にクラゲ化が進んだらどうしよう(滝汗)」
「どの道リナが面倒見るんだろ」
「なっ、何言ってるかなあ!!!(赤面)」
しれっと言ったゼルガディスのセリフに、リナは顔を赤くする。
「ま、ガウリイのことは置いといて・・・・・・クルス、居るな」

『はい、若』

「ええええ?????
何処に居るのおおおおお???????????」
ゼルガディスの普通な呼びかけに、声だけが聞こえる。
ガウリイも気配が感じ取れないのか、きょろきょろと見回している。
「クルス、今わかっていることは?」
『暗殺者が人間でない事程度しか・・・・それと海の向こうの大陸では、政治に神官達が口出しするようです』
「そうか、よしオニキスを使え。
俺が許可する」
『承知しました』
「ちょっと、ゼル今の・・・」
淡々としているゼルガディスに、リナは問いかける、声に聞き覚えがあるのだが。
「何だ、忘れたのか?
俺の実家でも、ここでもあっただろ、クロイセルだ」
「・・・あ」
言われて思い出す、黒髪に褐色の肌の青年。
ゼルガディスの実家に遊びに行った際に紹介されている。
「ガウリイ、気配感じ取れた?」
「全然、相当な使い手だな」
ガウリイは表情を引き締める、彼に気配を感じさせない程の腕の持ち主、それが敵でなかった事にホッとしながらも・・・
「あいつは親父にすら気配を読み取らせない、ガウリイの旦那でも難しいだろ」
苦笑しながら、ゼルガディスは言う、それを聞いたリナは一筋の汗を浮かべる。

――ラダさんって、ガウリイとゼルの2人がかりでも、圧勝しちゃう人よね(滝汗)

そんな人物にさえ気配を感じさせずに居るとは・・・・どのような修練を積めば可能なのか?
「ねえ、気になったんだけど、オニキスって?」
「悪いがそれには答える訳には行かない・・・・と言いたい所だが、一つだけならいいだろう。
オニキスってのはクルスが指揮する部隊、だと思ってもらえればいい」
「・・・・ふーん」
何処か納得しきれていない表情で、リナはゼルガディスを見るが、当のゼルガディスはしれっとしている。







オニキス(黒い宝石)――ゼルガディスはクロイセルが指揮する部隊と言った。
それは正しいくもあり、違ってもいる、オニキスとは、イモータル家が抱える特殊部隊――それを束ねる者がクロイセル。
オニキスを動かせるのは、イモータル家の当主であるメティスと夫のラダマンティス、そしてゼルガディスの三名のみ。
通常は、各地に散って情報収集を主にしているが、命が下れば暗殺から情報操作まで、何でもこなす者達。
イモータル家が恐れられている要因の一つは、このオニキスの存在がある。

「若の許可がでた、解っているな」
クロイセルはセイルーンの王宮を抜けながら、オニキスの間で使われる特殊な言語で話をする。
『承知、既に数名の者が海を渡りました。
第一報もまもなくかと』
「うむ、エルメキアやディルスの動きは?」
『ディルスはここ数年の王家の不幸により、戦力が低下、布告状に関しても動きが取れていないようです。
エルメキアは独自に、布告状を出した国を探っているようですが・・・成果は上がっていないようです』
「その情報は若の下へ、俺はラダマンティス様の下に」
『承知』
「忙しくなる、若も俺も・・・・」







「ところで、フィルさん。
ゼフィーリアとヴィジョンを繋いで貰えるか?」
ゼルガディスは持ってきた荷物の中から、書類らしきものを出して、何かを書き込んでいる。
「うむ、直ぐに用意させよう」
ゼフィーリアの王宮とヴィジョンで繋いでもらうと、ゼルガディスはラダマンティスを呼び出し、報告を兼ねて打ち合わせをする。
「・・・とまあ、一応ここまでが報告だ。
で、何人かこっちに寄越してくれ・・・・そうだな、ラフィと・・・アイゼリナル=ミーズもついでだ」
『ま、それはいいが。
それから、この布告状に関することで、お前に特別権限が下りる、俺が女王と掛け合った。
騎士団員の中から何人か選んでそっちに行かせるが、そいつらは今度おこす部隊に配属予定の連中だ、お前の直属として使え』
「そうか・・・。
ああオニキスを動かした、近いうちにクルスが親父のとこに行くと思う。
俺から正式に依頼してもいいのか?」
『協力の事か?
お前に任せる、メティが近いうちにセイルーン入りする、お前の補佐として。
この件に関してはお前が陣頭指揮を執れ、各国の状況は俺よりお前の方が詳しい、頭空っぽなバカ貴族どもに任せられん』
「口が悪いな・・・」
ゼルガディスはラダマンティスの言葉に、ふっと笑みを見せる。
『ホントの事だ、あいつら俺を馬鹿にして見下してる癖して、何かあると頼ろうとする・・・・特にメティの縁者達は・・・』
最後の部分をぽつっと呟いた時のラダマンティスの表情は、苦いものを飲み込むような、不愉快気に歪んでいた。
その表情を見て、ゼルガディスは親族たちに自分とラフィリアス、ラダマンティスが陰で悪し様に言われているのを思い出す。
曰く、どこぞの馬の骨・・・粗暴な野蛮人・・・・曰く、公爵家の汚点・・・・
無能ゆえに公爵家を継ぐ事が出来なかった、能無しどもの陰口、未だに未練があるのか、事あるごとに母であり公爵家当主のメティスに、難癖つける愚か者達。
イモータル家は世襲制なく、その時の当主が本家分家含めて、時期当主にふさわしいと認めた者を、指名する、そうすることで、千年以上もの間力ある貴族としてあり続けてこられたのだ。
因みに、現当主であるメティスは本家のひとつ、ジュノー家の出である。
「何か言ってきたのか?」
『ああ、こう言った政治的なことはあの若造には無理だ。
とな・・・・無能者がぎゃんぎゃん吠えついてな』
「言わせとけ、能無し連中にどうにかできるモノでもないだろ」
ラダマンティスのセリフに鼻で嘲笑って、ゼルガディスは言葉を返す。
その言葉にラダマンティスも意地の悪い笑みを浮かべる。
『じゃあ、何かあれば連絡しろ。
軍事関係は俺の許可が居る場合があるからな』
「ああ、わかってるさ」






通信を終え、部屋に戻ったゼルガディスに、オニキスの一人が報告に来ていた。
その者は、クロイセルに報告したのと同じ内容を告げると、直ぐに姿を消す。
「エルメキア、ディルス、ライゼール・・・大国が動き出している、これが互いの不信感に繋がらなければいいが・・・」










「獣王様、ただいま戻りました」
ゼロスが戻ってくると、獣王は白霧と海王と一緒に優雅にティータイム中だった。
「買出しご苦労」
「はい、一応言われ物は買ってきましたよ」
ゼロスはそう言いながら、色々なお茶菓子を並べていく。
「ゼロスと言ったな、お前にも聞こう。
白っぽい銀髪で銀の目の男の子を知らぬか?
名は玻璃というのだが」
「針?」
白霧の問いに、ゼロスはちょっと考える・・・何気に字が違っているが・・・・
「いえ、そういう方は記憶に無いです。
あの、失礼ですがどういう方なんですか?」
「あたしの息子のようなものだ。
白の竜神リュシフィードとの間に創ったな」

ぴしっ!

白霧の言葉に固まる三名。
「どこで何をしているのか・・・・」
寂しげな笑みを浮かべ、ポツリと呟く。






「はっくしょん!」
「あら、ラダ風邪でもひいたの?」
「いや、誰か噂でもしてるかな」






<続>


【あとがき】

ようやく第三話。

ラダ:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

どしたんです?黙り込んじゃって。

ラダ:白霧が来てるのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

来ない方が良かった?

ラダ:来てほしいと思うか?
俺が結婚してると知ったら、絶対孫の顔見せろって言うぞ、あの女(呆)

まあ、そのうち旦那に迎えに来てもらうから。
だいたい顔をあわせなけりゃいいだけだしね。

ラダ:・・・

じゃこの辺で。

ラダ:次もよろしくな。

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13997Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第3章エモーション E-mail 2003/4/15 22:13:45
記事番号13993へのコメント

こんばんは。

続きをお待ちしていました。
人間の方は謎の布告状とその内容への対応で忙しくなっていますが、
魔族側の方も何やら動きが出始めたんですね。
いきなり白霧様のお出まし……腹心の方々も驚いたでしょうね。(汗)
それにしても異界とは言え、仮にも魔王を召還するなんて……凄いですね。

>「・・・・・・・・・何か今・・・・・いっそこのままさっさと滅びたくなったぞ・・・・・・」
>氷の奥で器用に遠い目しながら、ルビーアイは呟き、腹心達の方も、主の言葉に頷いている。

……と言うS様と腹心の方々と同じく、思わず私も同意してしまいます。
手段選んでないですね、その人達……(汗)
でも、布告状を置いた方々の正体は召還された異界のものだと見て良いんですね。

>「ねえ、それホントに?国?なのかしら?何処と無く宗教っぽく感じるんだけど。
>さっき見せてもらった写しの文面とかから見ると、いかにも神の名の下にって感じじゃない?」

ふと、勝手に名前使われて、神様は迷惑だろうなーと思いました。
神(と呼ばれるもの)が人間のために何もしなくなるの、当然のような気が……。
私なら腹立つから放っておきますね(苦笑)どちらに味方しても、自分たちの
都合のいいようにだけ脳内変換されて、やっぱり変な形で利用されるだけですし。
何より何で人間の個人的なワガママに手を貸さなきゃならないのかと思いますから。
ただ名前を勝手に使ったペナルティだけは、しっかり与えます(笑)

そういえばスレ世界って、別に神が人間を作ったわけじゃないですから、
人間だけを特別扱いする必要なんてないですよね。
今回はちょっと異界のものなんて存在が混じっていますから、それなりに
動くかなと思いますが、これが単なる人間同士の争いだった場合でも、
見ていて苦々しいでしょうね……。

>「ガウリイ、気配感じ取れた?」
>「全然、相当な使い手だな」
>ガウリイは表情を引き締める、彼に気配を感じさせない程の腕の持ち主、それが敵でなかった事にホッとしながらも・・・
>「あいつは親父にすら気配を読み取らせない、ガウリイの旦那でも難しいだろ」
>苦笑しながら、ゼルガディスは言う、それを聞いたリナは一筋の汗を浮かべる。
>
>――ラダさんって、ガウリイとゼルの2人がかりでも、圧勝しちゃう人よね(滝汗)

……クロイセルさんって……(汗)人間なんですか?本当に……。
ああ、でもゼフィーリアの人間ですし……。

>無能ゆえに公爵家を継ぐ事が出来なかった、能無しどもの陰口、未だに未練があるのか、事あるごとに母であり公爵家当主のメティスに、難癖つける愚か者達。
>イモータル家は世襲制なく、その時の当主が本家分家含めて、時期当主にふさわしいと認めた者を、指名する、そうすることで、千年以上もの間力ある貴族としてあり続けてこられたのだ。

ノリとしては「星界」シリーズのアブリアル王家みたいな感じですね。
……そういう形態が出来ている一族なのに、能力主義の発想ができない人間って、
どういう神経しているんだろう……(汗)誰か後の世代の教育を思いっきり
間違えたんでしょうか……?(汗)

>「はっくしょん!」
>「あら、ラダ風邪でもひいたの?」
>「いや、誰か噂でもしてるかな」

噂をされるとくしゃみをする……基本ですね(笑)

楽しく読ませていただきました。
布告状について各国が動き出して……これからどうなっていくのかなと
続きがとても楽しみです。
やはり結界内の国同士で連合するのでしょうけれど……連合は出来ても
実働その他の方ですんなりといくかどうか微妙ですしね。

それでは、つたないコメントで申し訳ありませんが、この辺で失礼いたします。

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14014Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第3章キツネノテブクロ 2003/4/18 19:47:41
記事番号13997へのコメント


>こんばんは。
>
>続きをお待ちしていました。
>人間の方は謎の布告状とその内容への対応で忙しくなっていますが、
>魔族側の方も何やら動きが出始めたんですね。
>いきなり白霧様のお出まし……腹心の方々も驚いたでしょうね。(汗)
>それにしても異界とは言え、仮にも魔王を召還するなんて……凄いですね。

こんにちは、キツネノテブクロです。

人間側も大変なら、魔続側もとんでもない方が来てます。
白霧、何をやらかして帰るのか・・・・召喚されて迷惑そうです、彼女。
早く旦那に迎えに来てもらいましょう。

>>「・・・・・・・・・何か今・・・・・いっそこのままさっさと滅びたくなったぞ・・・・・・」
>>氷の奥で器用に遠い目しながら、ルビーアイは呟き、腹心達の方も、主の言葉に頷いている。
>
>……と言うS様と腹心の方々と同じく、思わず私も同意してしまいます。
>手段選んでないですね、その人達……(汗)

選んでません、マジで。
とんでもない方たちも召喚されてますから・・・・

>でも、布告状を置いた方々の正体は召還された異界のものだと見て良いんですね。

布告状をおいたのは、異界の方々じゃあないです。
ただ、異界の方も混じってる可能性はありますが。

>>「ねえ、それホントに?国?なのかしら?何処と無く宗教っぽく感じるんだけど。
>>さっき見せてもらった写しの文面とかから見ると、いかにも神の名の下にって感じじゃない?」
>
>ふと、勝手に名前使われて、神様は迷惑だろうなーと思いました。
>神(と呼ばれるもの)が人間のために何もしなくなるの、当然のような気が……。

神も迷惑でしょう。
ただ、スレの世界に限らず神というのは、人間に何かしてくれるというのは無いように感じます。

>私なら腹立つから放っておきますね(苦笑)どちらに味方しても、自分たちの
>都合のいいようにだけ脳内変換されて、やっぱり変な形で利用されるだけですし。
>何より何で人間の個人的なワガママに手を貸さなきゃならないのかと思いますから。

少なくともこの話の神は、人間はおろかこの世の命あるモノの味方をしてくれるとは限りません。
私自身が結構意地が悪いので(^^;

>ただ名前を勝手に使ったペナルティだけは、しっかり与えます(笑)

与えられちゃうんですね(笑)

>そういえばスレ世界って、別に神が人間を作ったわけじゃないですから、
>人間だけを特別扱いする必要なんてないですよね。

人間だけを特別扱いするようなことは無いです。

>今回はちょっと異界のものなんて存在が混じっていますから、それなりに
>動くかなと思いますが、これが単なる人間同士の争いだった場合でも、
>見ていて苦々しいでしょうね……。

人間同士の争いは、どこか突き放した目で見ているのでは。
異界のモノに関しては何か行動は起こすと思われます。

>>「ガウリイ、気配感じ取れた?」
>>「全然、相当な使い手だな」
>>ガウリイは表情を引き締める、彼に気配を感じさせない程の腕の持ち主、それが敵でなかった事にホッとしながらも・・・
>>「あいつは親父にすら気配を読み取らせない、ガウリイの旦那でも難しいだろ」
>>苦笑しながら、ゼルガディスは言う、それを聞いたリナは一筋の汗を浮かべる。
>>
>>――ラダさんって、ガウリイとゼルの2人がかりでも、圧勝しちゃう人よね(滝汗)
>
>……クロイセルさんって……(汗)人間なんですか?本当に……。
>ああ、でもゼフィーリアの人間ですし……。

あうぅ(汗)ネタバレになるんで、いえません(汗)
ただ、クルスは普通じゃ無いことだけは確かです。

>>無能ゆえに公爵家を継ぐ事が出来なかった、能無しどもの陰口、未だに未練があるのか、事あるごとに母であり公爵家当主のメティスに、難癖つける愚か者達。
>>イモータル家は世襲制なく、その時の当主が本家分家含めて、時期当主にふさわしいと認めた者を、指名する、そうすることで、千年以上もの間力ある貴族としてあり続けてこられたのだ。
>
>ノリとしては「星界」シリーズのアブリアル王家みたいな感じですね。

「星界」シリーズというのは知らないのですが、アブリアル王家というのはこんな感じなのですか?

>……そういう形態が出来ている一族なのに、能力主義の発想ができない人間って、
>どういう神経しているんだろう……(汗)誰か後の世代の教育を思いっきり
>間違えたんでしょうか……?(汗)

間違えたんでしょう、結構古い家ですから、血筋に囚われているのかもしれません。
もしくは、当主になれなかった先祖の誰かが教育を間違えたとか(汗)

>>「はっくしょん!」
>>「あら、ラダ風邪でもひいたの?」
>>「いや、誰か噂でもしてるかな」
>
>噂をされるとくしゃみをする……基本ですね(笑)

基本ですね(笑)

>楽しく読ませていただきました。
>布告状について各国が動き出して……これからどうなっていくのかなと
>続きがとても楽しみです。
>やはり結界内の国同士で連合するのでしょうけれど……連合は出来ても
>実働その他の方ですんなりといくかどうか微妙ですしね。

国同士での連携は難しいでしょうね、今までこれといって、結界内で大きな戦争はなさそうな感じですから。
小さな小競り合いとかはありそうですが・・・・リナたちのほうは、結界内の国々がどう動いていくかで、話ができてくると思います。

>それでは、つたないコメントで申し訳ありませんが、この辺で失礼いたします。

感想ありがとうございました。

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14012The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第4章キツネノテブクロ 2003/4/18 17:49:42
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















黒いローブの男は、かつて異界を繋ぐゲートのあった場所にいた。
「必ず・・・・・我等の神を滅ぼし・・・・あの方を滅(ころ)したこの世界に・・・・必ず・・・・」
黒い執念にとり憑かれたかの様な、その暗い声の響きに本人は気づいていない。

・・・・・ぼたっ・・・・

ローブの裾に、黒い塊が落ちる。
「・・・・この体・・・腐り始めたか・・・・」
ローブの男の左腕があったはずの場所・・・・左の肩口からは、黒い膿の様なものが滲んでいる。
落ちた黒い塊は、膿が固まったものだった。
「まあ、いい・・・・・・・・・」
歪んだ笑みを浮かべる口元だけが、フードからわずかに覗いていた。

――絶望しろ・・・・この世界に生きるものよ・・・・






世界の中心近くの小さな島、人はおろか生き物の気配のない、死の匂いのする島の奥に、小さな洞窟がある。
その洞窟の中に、人影が動いていた。
血の様に赤い髪に赤い瞳の男、もし見るものが居たならその人形めいた容姿に、背筋が寒くなる事だろう・・・・
何処から持ち込んだのか、赤い男は豪奢な家具を揃え、優雅に椅子に腰掛け、水鏡に映るモノを静かに見ている。
水鏡を覗き込み、赤い男は薄く笑う。
彼が振りまいた幾つもの欠片・・・・それが様々な形となって現れている。
時にはそれが狂気と呼ばれ、時には野心となる・・・・・・・。
「Show, and your truth ・・・ . (見せてもらうよ、君たちの真実を・・・・)」
薄い笑みを浮かべて見る、その赤い瞳には冷たい光が浮かんでいる。

「・・・・何をのんびりしている・・・・」

誰もいない筈のこの洞窟に、声が響く。
男はゆっくりと振り返る、視線の先には闇に溶け込む様に、黒いローブをすっぽりと被った人影。
「・・・・お前をこの地に呼ぶために、我がどれだけの代償を払ったと思っている・・・・」
「・・・」
黒いローブの人物の声はしゃがれ、酷く耳障りだがそこに込められた深い憎しみが強く感じられる。
「我はお前たちをこの地に呼ぶために、わが身と我が弟を・・・・・・・」
そう呟くと、黒いローブの人物は姿を消した。

「No withering thought to be able to make me free. (我を自由に出来ると思う無かれ)」

赤い男の呟きを聞く者は無い・・・・・
水鏡には様々なものが写っていた、竜王たちや魔族の行動、リナ達四人の動きにあらゆる国々の動き。
それをただ、じっと見ていた・・・・






赤い男が居る島の直ぐ側の海の底に、暗い闇が沈んでいる。
ゆっくりと緩やかに蠢く闇は、意思があるかのように、空に向かってその闇を伸ばしていく。

――闇こそ真の自由なり・・・






リナたちが、セイルーンで合流して一夜が明けた後、ゼルガディスはアメリアの下を訪れていた。
「・・・で、ミーティング用に使えないかと思ってな」
「うーん、多分できると思います。
魔道士の方たちに作ってもらいます」
「すまんな。
本当はゼフィーリアから、現物を持ち込めれば良いんだが・・・・なにせかなりでかいから・・・」
「気にしないでください。
でも、ゼルガディスさんのお母様って凄い人なんですね。
こんなもの作ってしまうなんて・・・・」
「正確に言えば、元はレゾのアイデアだ。
親父が使えると思って母さんに作ってもらったらしい」
そう言いながら、ゼフィーリアから持ち込んだ魔道書をアメリアに手渡す。
「細かい設定なんかは俺がするから、基礎だけをそっちで頼む」
「じゃあ、魔道士たちを招集しますね」
そう言うとアメリアは魔道書を持って行った。
「まあ、ゼフィーリアのは本気ででかいし、設定が細かすぎて他の奴らじゃ使えないしな・・・」
アメリアが出て行った方を見ながら、ゼルガディスはぽつっと呟いた。






ヴァリシア帝国の首都、ヴァーシアには天竜王を祭る神殿がある。
国内最大の規模を誇る神殿で、参拝者も多い。
そして、この国では貴族よりも神官たちのほうが、力を持っていた・・・・・
見習いの神官、トロナはいつもの様に、朝の礼拝をしていた。
トロナはいまどき珍しいぐらい、信仰が深く、神官の地位を利用するような事は無く、毎日を無事に過ごせることを、神に感謝するような子だった。
「トロナ、今日は司祭様について宮廷に上がる日だろう。
さっさと着替えて、司祭様の仕度を手伝いなさい」
朝の祈りが終る頃、トロナは先輩の神官に言われ、慌てて私室に戻って着替えると、司祭の下に向かう。
本当は気が進まなかったが・・・・






トロナはいつものごとく、控えの間で静かに司祭が戻るのを待っていた。
神官見習いのトロナはいつもこの控えの間で待ち、司祭のみが皇帝に謁見していた。

――ボクはこんなことしていて良いのかな・・・・

トロナはただ純粋に人々の役に立ちたくて、神官の道を選んだのだが、この国の司祭や神官たちはまるで貴族たちのように、権力争いをしている。
神の言葉を伝えるものとして、もともと神官たちの地位は高かったが、ここ数年は更にそれが酷くなっている。

――この国を出たって、行くあてなんて無いもんな・・・・

トロナは既に両親はいない。
幼いトロナを引き取り育ててくれたのは、ただ一人の肉親だった年老いた神官の祖父。
トロナが神官の道を選んだのは、この祖父の影響も大きかった、けして地位の高い神官ではなかったが、司祭にすら使えない神聖魔法を使いこなし。
その力を権力者のためでなく、力の弱い一般の人々の為に使っていた。
そして、いつか祖父のような神官になりたいと思うようになっていた。

――おじいちゃんの様な神官って居ないんだよな・・・・

神官修行を始めて直ぐに、トロナは失望したのだ、この国の神官や司祭たちに・・・・
彼はまだ少年でありながら、司祭にすら使えぬ神聖魔法を使えていたが、それを誰にも言ってはいなかった。
知られれば、彼は道具として使われるのを何処かで解っていたから。






アレクセルは軍の編成で頭を悩ませていた、何処の国でも一緒だが貴族のバカが、艦隊を任せろと言ってきていた。
権威を振りかざして無茶な命令をするくせに、自身は安全な場所に引っ込んで上手くいかなければ、それを自身の責任ではなく、実行した者達のせいにする。
アレクセルは一瞬、最前線の一般兵にしてやろうかとも思ったが、どの道上官命令も聞きはしないだろう。
「これだから、貴族って奴は・・・・」
苦い表情を浮かべ、アレクセルはぼやく。
前衛の指揮はシェイル他信頼の置けるものに任せ、自身は貴族のバカの押さえに回らねばならなくなるだろう・・・・貴族の中には軍籍に身をおく者もいる。
元帥である自分に表立っては何も言わないだろうが、命令無視ぐらいはやりかねない。
その上、血の気の多い連中は功を早って戦列を崩しかねない。
「問題児だけ一個にまとめてぶつけてやろうか、忌々しい(怒)」
この国に騎士団と呼ぶようなモノが無くてよかったと、アレクセルは思う。
いるのだ、勘違いの騎士道精神掲げるバカが・・・・・一騎打ちこそ騎士の、貴族の誉れと・・・・・
「・・・・・あー・・・・マジで頭痛がする・・・」

「大丈夫ですか?閣下」

シェイルが将官の名簿手に、アレクセルの執務室に入ってくる。
「其々の艦隊司令官の名簿です。
なかにはぼんぼんの名前もありますが、そういう者は外すよう意見いたします」
名簿を手渡しながら、シェイルは苦笑する。
急激に膨れ上がった帝国は、軍の規模もまた急激に膨れ上がった、古参の軍人と新規に登用された軍人(主に敗戦国の騎士や軍人、兵士)との摩擦は絶えない。
更に言うなら古参の者でも一般階級からの軍人と、貴族階級とで摩擦が起きており、帝国軍はおよそ三派に分かれていた。
ただ、アレクセルをはじめとする、数名の将官は一般階級の古参兵と新参兵とに信頼されており、軍事行動中は揉め事を起こさぬようにしていた。
「そうできれば楽だけどな・・・・相手は国一つではなく、複数だ。
腐れ神官どもが布告状を水竜王の地に送ったらしい、バカな事をしてくれた」
「全くです・・・そう言えば、今回は神官をどうしますか?」
「ただ、喚くだけでろくすっぽ呪文の使えん司祭や神官は邪魔だ、かといって乗せない訳にもいかん・・・」
「いっそ、見習いでも連れて行きますか?
なるべく素直そうな奴を探して」
「それで戦争の無意味さと非情さを教えるのか?
艦隊の総旗艦および、艦隊旗艦には神官を乗せる、政治的交渉をする場合の補佐役として(実際神官どもに任せられん)・・・・この下らん規約に従えと?」
「気持ちは解ります、しかし陛下の決めた軍の規定です。
小官も下らないとは思います」
「・・・・・すまん、貴官に愚痴を言って仕方なかったな」
苦い笑みを浮かべ、アレクセルは謝罪する、それをシェイルは辛そうに見る。
軍人としての優秀で、30代で元帥号を得たほどの逸材だ、ここ数年の軍のあり方を危機的に捕らえている、数少ない人物でもある。
「閣下・・・・我らをもっと頼ってください」
「・・・そうか、ありがとう・・・・」

――今回の出兵、最低でも十から十五艦隊は必要だろうな・・・・

「そういえば、今謁見している司祭についてきてる、神官の見習いは今時珍しい位、権威に興味を持たない奴だそうです。
あってみますか?」
「そうだな・・・・少しは神官らしい神官に会ってみたいしな」

――昔、一人だけ居たな・・・随分高齢だったから、もう生きてはおられんかも知れんが・・・






トロナは控えの間で静かに待っていた、手には祖父から譲り受けた掌にのるほどの大きさの、木で出来た竜王像を持って。
朝の礼拝も中途半端なところで終ったため、その竜王像に静かに祈りを捧げていた。
「熱心だな」
不意にかけられた言葉に驚くトロナ・・・・視線の先には軍服を着た二人の男。
「あの?」
「ああ、すまない。
驚かせてしまったな、私はアレクセル=フレイム、彼はシェイル=コバルト」
トロナは名前を聞いて、この二人が帝国の軍のトップにいる二人だと直ぐに気づく。

――優しそうな人だな・・・

アレクセルのほうは金髪碧眼で、この国の者にしては珍しく色白だが、背の高い偉丈夫。
シェイルは染めてでもいるのか、黒髪碧眼に琥珀の肌のなかなかのハンサム。
「あ・・・ボクはトロナ=コランダムです」

――コランダム?まさかな・・・・

「よろしくトロナ」
「今旗艦に乗る神官を探していてね、君ならどうかと思ってね」
「え!?」
驚いた様子のトロナに、二人は苦笑して三日後に返事を聞きに来るといって、その場を辞した。







<続>


【あとがき】

トロナ君登場。
因みに、トロナの爺ちゃんの名前は、パパラチャ=コランダム。
本編には登場予定はないです、今のとこ。

ゼル:俺がアメリアに頼んだものって?

いずれ出るよ。

ヴィシュヌ:ねえ、私の出番まだ?

まて、もうすぐだから;;

ゼル:誰だ?

そのうち出るよ。
まあ、当分はゼルガディス達とは顔をあわせる事のないキャラだけどさ。

ヴィシュヌ:早く出してねv

わかってるよ。

ゼル:・・・(じーっとヴィシュヌを観察中)

じゃあこの辺で。

ヴィシュヌ:次もよろしくねvv

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14019Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第4章エモーション E-mail 2003/4/19 00:54:09
記事番号14012へのコメント

こんばんは。

今回は主に帝国側と召還者&召還されたものがメインですね。
黒ローブの人……ここまでするか、と言う感じです。
憎しみだけに囚われて、どうしようもない状態で、ひたすら哀れですね。

>「・・・・お前をこの地に呼ぶために、我がどれだけの代償を払ったと思っている・・・・」
>「・・・」
>黒いローブの人物の声はしゃがれ、酷く耳障りだがそこに込められた深い憎しみが強く感じられる。
>「我はお前たちをこの地に呼ぶために、わが身と我が弟を・・・・・・・」
>そう呟くと、黒いローブの人物は姿を消した。

でも、この言い分は勝手だなあと思いました。……まあ、そうでなければ
妙なもの召還しようなんて思うわけないですが。

>赤い男が居る島の直ぐ側の海の底に、暗い闇が沈んでいる。
>ゆっくりと緩やかに蠢く闇は、意思があるかのように、空に向かってその闇を伸ばしていく。
>
>――闇こそ真の自由なり・・・

この赤い男……正体は分からなくても、不気味で怖いですね。

>「まあ、ゼフィーリアのは本気ででかいし、設定が細かすぎて他の奴らじゃ使えないしな・・・」
>アメリアが出て行った方を見ながら、ゼルガディスはぽつっと呟いた。

ミーティング用に使えるもの……何でしょうね。
単純に集団で会話できる立体映像みたいなものかなと思いました。

>トロナは既に両親はいない。
>幼いトロナを引き取り育ててくれたのは、ただ一人の肉親だった年老いた神官の祖父。
>トロナが神官の道を選んだのは、この祖父の影響も大きかった、けして地位の高い神官ではなかったが、司祭にすら使えない神聖魔法を使いこなし。
>その力を権力者のためでなく、力の弱い一般の人々の為に使っていた。
>そして、いつか祖父のような神官になりたいと思うようになっていた。
>
>――おじいちゃんの様な神官って居ないんだよな・・・・
>
>神官修行を始めて直ぐに、トロナは失望したのだ、この国の神官や司祭たちに・・・・
>彼はまだ少年でありながら、司祭にすら使えぬ神聖魔法を使えていたが、それを誰にも言ってはいなかった。
>知られれば、彼は道具として使われるのを何処かで解っていたから。

いい子ですね、トロナ君。また、賢い子でもあるんですね。
確かに知られたら、実権はないけれどまあ、ある程度の地位になるでしょう。
でも、いいように利用されるだけですからね。
それにしても……どんなものでも、ある程度規模が大きくなると、それなりの
実行力、行動力、政治力みたいなスキルを持つ人が、要所を束ねなきゃ
やっていけない部分があるものですけど、度が過ぎるとひたすら駄目に
なるだけなんですよね。
こういう人が不信と失望しか感じられない状況って……もう末期ですね。
個人的に政治と宗教は結びついてはいけないものだと思ってます。
ろくな結果にならないから。

>「・・・・・すまん、貴官に愚痴を言って仕方なかったな」
>苦い笑みを浮かべ、アレクセルは謝罪する、それをシェイルは辛そうに見る。
>軍人としての優秀で、30代で元帥号を得たほどの逸材だ、ここ数年の軍のあり方を危機的に捕らえている、数少ない人物でもある。
>「閣下・・・・我らをもっと頼ってください」
>「・・・そうか、ありがとう・・・・」
>
>――今回の出兵、最低でも十から十五艦隊は必要だろうな・・・・

ああ、ここにも苦労人が。
軍隊も内部はかなりキツイ状態で、まるっきり相手の情報がなく、
地の利もない場所への遠征。しかも大艦隊で……。
複数の、しかも国力その他は未知の国々を相手にした作戦行動と軍の編成、
地の利がない故に、どの場所でどんな自然現象が起きるかも分からず、
いくら軍事行動中は対立しないように、とがんばっていても綻びは必ずあるから、
全く未知の場所という不安とイライラが内部対立を引き起こす可能性はかなり高いし、
運良くそうならなくても、全く知らない場所という状況は兵士の志気を
下げること請け合い。そして食料その他の調達及び補給の計画と、ひとつひとつ
どれをとっても、まともに考えれば成功するより、失敗する要素の方が多いですね。
……ため息でますよね、それは。

>「今旗艦に乗る神官を探していてね、君ならどうかと思ってね」
>「え!?」
>驚いた様子のトロナに、二人は苦笑して三日後に返事を聞きに来るといって、その場を辞した。

さて、この人選がこの戦いでどう影響を与えるのでしょうか。
できればほとんどの者たちにとって、プラスになると良いのですが……。

>ヴィシュヌ:早く出してねv
>
>わかってるよ。
>
>ゼル:・・・(じーっとヴィシュヌを観察中)
……観察……、何か気づくくようなものがあるのでしょうか。(笑)

楽しませていただきました。
結界の外の世界、そうとうごちゃごちゃですが、どうなっていくのかなと
思いました。

「星界」シリーズの皇族……アブリアルは本当にあんな感じです。
「皇帝は家業で、皇位を目指すのは〃アブリアル〃の義務だ」という方々ですから。
あまり詳しく書くと長くなるのでかなり端折りますが、「アブリアル」の姓を
持つ八王家の中から、最も優秀な者が皇帝になります。
基本は軍人になること。それも前線勤務の下士官クラスから始まって、最終的に
帝国艦隊司令長官になったものが次期皇帝(皇太子)。皇太子が決まると
同世代は予備役になるので、継承レースは次世代へ移ります。
また、皇族の階級昇格の審査は、皇位を退いた元皇帝や皇位を争った王家の者たち
なので、皇族という甘えを一切認められない、むしろ一般よりも厳しい審査
になります。

つたないコメントの上に、妙な説明まで書いてしまいまして……すみません。
続きを楽しみにしています。
ではこの辺で失礼いたします。

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14027Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第4章キツネノテブクロ 2003/4/19 17:22:45
記事番号14019へのコメント


>こんばんは。
>
>今回は主に帝国側と召還者&召還されたものがメインですね。
>黒ローブの人……ここまでするか、と言う感じです。
>憎しみだけに囚われて、どうしようもない状態で、ひたすら哀れですね。

こんにちは、キツネノテブクロです。

帝国の苦労人と狂った召喚者がメインです。
黒いローブの男、憎しみが深すぎて周りが見えてませんね。

>>「・・・・お前をこの地に呼ぶために、我がどれだけの代償を払ったと思っている・・・・」
>>「・・・」
>>黒いローブの人物の声はしゃがれ、酷く耳障りだがそこに込められた深い憎しみが強く感じられる。
>>「我はお前たちをこの地に呼ぶために、わが身と我が弟を・・・・・・・」
>>そう呟くと、黒いローブの人物は姿を消した。
>
>でも、この言い分は勝手だなあと思いました。……まあ、そうでなければ
>妙なもの召還しようなんて思うわけないですが。

黒いローブの男が呼んだのは、結構とんでもない方達なんですが、よく呼び出せたなと言いたくなるような者たちです。
ここで相手をしている赤い男も結構な大物です。多分。

>>赤い男が居る島の直ぐ側の海の底に、暗い闇が沈んでいる。
>>ゆっくりと緩やかに蠢く闇は、意思があるかのように、空に向かってその闇を伸ばしていく。
>>
>>――闇こそ真の自由なり・・・
>
>この赤い男……正体は分からなくても、不気味で怖いですね。

おいおい正体がわかりますが・・・・結構えぐい事を平然とやれちゃう方でもあります。

>>「まあ、ゼフィーリアのは本気ででかいし、設定が細かすぎて他の奴らじゃ使えないしな・・・」
>>アメリアが出て行った方を見ながら、ゼルガディスはぽつっと呟いた。
>
>ミーティング用に使えるもの……何でしょうね。
>単純に集団で会話できる立体映像みたいなものかなと思いました。

集団で会話できる立体映像じゃあないんです。
いずれ登場しますので、気長に待っていてくださいませ。

>>トロナは既に両親はいない。
>>幼いトロナを引き取り育ててくれたのは、ただ一人の肉親だった年老いた神官の祖父。
>>トロナが神官の道を選んだのは、この祖父の影響も大きかった、けして地位の高い神官ではなかったが、司祭にすら使えない神聖魔法を使いこなし。
>>その力を権力者のためでなく、力の弱い一般の人々の為に使っていた。
>>そして、いつか祖父のような神官になりたいと思うようになっていた。
>>
>>――おじいちゃんの様な神官って居ないんだよな・・・・
>>
>>神官修行を始めて直ぐに、トロナは失望したのだ、この国の神官や司祭たちに・・・・
>>彼はまだ少年でありながら、司祭にすら使えぬ神聖魔法を使えていたが、それを誰にも言ってはいなかった。
>>知られれば、彼は道具として使われるのを何処かで解っていたから。
>
>いい子ですね、トロナ君。また、賢い子でもあるんですね。
>確かに知られたら、実権はないけれどまあ、ある程度の地位になるでしょう。
>でも、いいように利用されるだけですからね。

トロナは素直な良い子ですよ。
パパラチャ老人が物事を、真っ直ぐな目で見られるように育てているので、神殿の堕落がわかってしまうんです。

>それにしても……どんなものでも、ある程度規模が大きくなると、それなりの
>実行力、行動力、政治力みたいなスキルを持つ人が、要所を束ねなきゃ
>やっていけない部分があるものですけど、度が過ぎるとひたすら駄目に
>なるだけなんですよね。
>こういう人が不信と失望しか感じられない状況って……もう末期ですね。

宗教団体とはいえ、組織ですから。
帝国ではかなりの規模をもつ宗派ですから、国に対する影響力が強いのも問題の一つなんでしょう。
『不自由な絶対者』以前の帝国では、きちんと政教分離がなされていたんですが、皇帝アダマスが暴走をはじめたころから、歪んだ状態になっています。

>個人的に政治と宗教は結びついてはいけないものだと思ってます。
>ろくな結果にならないから。

私個人も政治と宗教は切り離して存在すべきだと思ってます。

>>「・・・・・すまん、貴官に愚痴を言って仕方なかったな」
>>苦い笑みを浮かべ、アレクセルは謝罪する、それをシェイルは辛そうに見る。
>>軍人としての優秀で、30代で元帥号を得たほどの逸材だ、ここ数年の軍のあり方を危機的に捕らえている、数少ない人物でもある。
>>「閣下・・・・我らをもっと頼ってください」
>>「・・・そうか、ありがとう・・・・」
>>
>>――今回の出兵、最低でも十から十五艦隊は必要だろうな・・・・
>
>ああ、ここにも苦労人が。
>軍隊も内部はかなりキツイ状態で、まるっきり相手の情報がなく、
>地の利もない場所への遠征。しかも大艦隊で……。
>複数の、しかも国力その他は未知の国々を相手にした作戦行動と軍の編成、
>地の利がない故に、どの場所でどんな自然現象が起きるかも分からず、
>いくら軍事行動中は対立しないように、とがんばっていても綻びは必ずあるから、
>全く未知の場所という不安とイライラが内部対立を引き起こす可能性はかなり高いし、
>運良くそうならなくても、全く知らない場所という状況は兵士の志気を
>下げること請け合い。そして食料その他の調達及び補給の計画と、ひとつひとつ
>どれをとっても、まともに考えれば成功するより、失敗する要素の方が多いですね。
>……ため息でますよね、それは。

フレイム元帥苦労人決定。
コバルト将軍も苦労人・・・
この二人は少しでも被害を少なくしようと、四苦八苦しているのでしょうが、それを理解しているものたちがどれだけ居ることか・・・。
皮肉ですが、元帥たちの苦労を一番理解してるのは、アダマス帝とゼクスくらいでしょう。

>>「今旗艦に乗る神官を探していてね、君ならどうかと思ってね」
>>「え!?」
>>驚いた様子のトロナに、二人は苦笑して三日後に返事を聞きに来るといって、その場を辞した。
>
>さて、この人選がこの戦いでどう影響を与えるのでしょうか。
>できればほとんどの者たちにとって、プラスになると良いのですが……。

これが良い出会いであれば良いのですが・・・・・何せ、フレイム元帥は死相が濃いですから。

>>ヴィシュヌ:早く出してねv
>>
>>わかってるよ。
>>
>>ゼル:・・・(じーっとヴィシュヌを観察中)
>……観察……、何か気づくくようなものがあるのでしょうか。(笑)

あるんです(笑)

>楽しませていただきました。
>結界の外の世界、そうとうごちゃごちゃですが、どうなっていくのかなと
>思いました。

対人関係どろどろなところも結構あります。
収拾がつくのか、ちょっと自信が・・・・

>「星界」シリーズの皇族……アブリアルは本当にあんな感じです。
>「皇帝は家業で、皇位を目指すのは〃アブリアル〃の義務だ」という方々ですから。
>あまり詳しく書くと長くなるのでかなり端折りますが、「アブリアル」の姓を
>持つ八王家の中から、最も優秀な者が皇帝になります。
>基本は軍人になること。それも前線勤務の下士官クラスから始まって、最終的に
>帝国艦隊司令長官になったものが次期皇帝(皇太子)。皇太子が決まると
>同世代は予備役になるので、継承レースは次世代へ移ります。
>また、皇族の階級昇格の審査は、皇位を退いた元皇帝や皇位を争った王家の者たち
>なので、皇族という甘えを一切認められない、むしろ一般よりも厳しい審査
>になります。

なかなかシビアですね・・・・下士官からと言うと、伍長から?
それとも准士官の准尉からでしょうか?

>つたないコメントの上に、妙な説明まで書いてしまいまして……すみません。
>続きを楽しみにしています。
>ではこの辺で失礼いたします。

感想ありがとうございました。

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14022The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第5章キツネノテブクロ 2003/4/19 16:40:26
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















空が黒く覆われる夢を見た。






フレイはこの夢が何か嫌なことに繋がるのではと思い、友でもある天竜王の下を訪れていた。
天竜王バールウィンの神殿は、空に浮かぶ島に建てられ、その名も『蒼穹の宮殿(スカイパレス)』と呼ばれている。
通された部屋は広いが、けして華美ではなく、シンプルな家財しか置いてない部屋だった。
「よく来たな、ヴラバザード」
バールウィンは、フレイたちに席を勧めつつ、言葉をかける。
「急に訪ねてすまぬ、夢を見てな・・・」
「もしかして空が黒くなる夢か?」
天竜王の表情が僅かに曇る、それを見たフィリアがそっと、隣に居るにヴァルに問いかけるが、それをフレイが聞き咎めて答える。
「我ら竜王は夢など見ぬ、我らの見る夢には力が宿るゆえに・・・」
「聞いたことねえか?竜の見る夢は不思議な力があるって。
実際には普通の竜族とかにはそんな力ねえけど、さすがに神でもある竜王にはその不思議な力があるんだろうさ」
フレイの説明に、ヴァルが付け足すように答えている。
「では、何かの暗示なのでしょうか?」
「神託を降ろそうにも、ただ空が黒くなるだけでは、解り難いしな・・・どうしたものか・・・」
悩みこんでしまった竜王二人に、フィリアはおろおろと他に二人を見るが、ヴァルもガーヴも出されたお茶を呑気に飲んでるだけで、別段慌てた様子は無かった。
「何でそんなに落ち着いてられるんですか?」
「今の段階でどうこう言ってもしょうがねえし」
「離反してても一応魔族だぜ、俺は」
とまあ、投げやりな答えが返ってくるだけだった。
「・・・」






結局何が起きているのか、解らないまま夜になり、それぞれに用意された部屋へと落ち着くと、フィリアは疲れが出たのか、そのまま眠りに落ちていた。
一方、フレイはガーヴとヴァルの二人と共に、改めて天竜王と話をしていた。
「昼間はあの巫女が居たから言わなかったが・・・あの夢もしかすると、この世界ではない神か魔か・・・もしくは狂気か・・・」
「もし狂気なら・・・あの巫女は知らぬ方が良いのか悪いのか、判断がつかぬ」
天竜王の言葉に、フレイも表情を曇らせたまま、呟く。
「おい、狂気ってのは?」
ガーヴがいかぶしげに二人に聞いてくるが、フレイも天竜王も困ったように顔を見合わせる。
「あんた達の言ってるのは、神の狂気≠フことか?」
横から言葉を挟むのはヴァル。
ヴァルには例の神と魔の力以外にも、知識なども受継いでいるため、二人の会話が何と無くだが読めていた。
「なんだ、その神の狂気ってのは?」
ガーヴも聞きなれない言葉に、ヴァルに向かって問いかける。
「説明してもいいか?」
二人に確認するように問いかけると、二人は暫く黙ったままだったが、渋々と言った感じで頷く。
「違う所があったら訂正してくれよ。
神の狂気ってのは・・・そこの二人にも地竜王にある破壊の衝動の事だ。
世間一般的には、神ってのは慈悲と慈愛をもったものと思われがちだが、実際は違う事をガーヴ様も知ってるだろ?」
その言葉に頷くガーヴ、確かに慈悲だの慈愛だのだけでは、神は魔と戦う事はできないだろう。
「神魔戦争にしたって、神のそういった破壊衝動を昇華させるために、行われたようなとこもあるからな。
そうだな、神の持つ二面性のようなものか・・・・それに神をただ、慈愛だとかで導くだけの存在とか思ってる奴が多すぎなんだよ、あくまで『神』と言う属性なだけで本質的なところは魔と大差無いから」
「そうだな、本来は一つのもから生まれた存在。
ただ、あり続けるよう望むように創られただけで、本質はなんら変わりは無い」
ヴァルの言葉に頷きながら、天竜王が続ける、神=守るものと言う考え方をしている者には、きつい内容だろう。
神と魔が本質的には同じ、たまたま生きる者と同じ側に居ただけ・・・考えようによってはこれ程きつい現実も無いだろう、特に何も知らずに神に仕えるものには。
「で、神の狂気は、この破壊衝動が昇華せず残り続けるとやがてそれらは、近くに居るものに伝播する事を言う」
「私に仕えるゴールドドラゴンの、エンシェントドラゴンへの暴挙も、私の中の狂気があの者たちに移った為でもあろう。
特にあの頃はアクアを失い、まともな状態ではなかったから、余計周りへの影響は酷かったのだろう」
微かに哀しそうな色を声に滲ませ、フレイは話す。
命あるものを守りたいと言う思いはある、だが血を見たい、目に映るものを破壊したいと言う暗い衝動もある・・・特に火の勢いを持つ火竜王の自分には、他の竜王たちよりも強い衝動を抱えている。
それが、特に強い狂気となってゴールドドラゴンに伝わっている可能性もある。
「まあ、何と無くは解ったが、それだと空が黒くなるとは思えん。
何か別の要因だろうな・・・」
ガーヴのセリフに、その場に居るものは頷いてはいるが、何か納得できてない表情を浮かべていた。

「また、何時ぞやの様に異界の魔王とかが、来るんじゃねえだろうな」

ヴァルの呟きに、みな遠い目をしてしまった・・・
それにしても呪われてるのでは思うほど、トラブルの多い世界である・・・もっとも、既に異界の魔王の白霧が来ていたりするが・・・・






翌朝、清々しい朝のはずだが・・・

「ヴァルちゃんおっはよ〜ん♪(^▽^)」

昨日は会わなかったが、この神殿にはヴァルの叔父が神官修行に来ていた。
で、朝一番に顔を会わせた時にこの挨拶をされ、ヴァルは思わずその場でひっくりこけてしまった。
「ちゃん付けはやめろ(怒)」
怒気もあらわに睨みつけてくるのを、飄々とかわしながら・・・
「いやん怖い顔、怒っちゃやーよ(涙)」

ずべええええっ!

口元に握りこぶしを寄せていやいやしながら、潤んだ目でヴァルを見るその姿に違和感はゼロ。
そのせいか、周りで見ていたガーヴとフィリアが盛大にすべる。
「気色悪い真似すんな!!(怒)」
「あ〜・・・ヴァル、そいつ誰?」
何とか身を起こしながらガーヴが問いかけてくる。
「・・・・・親父の弟、あれでも妻帯者。
名前はヴィシュヌ、奥さんのラクシュミは美人さんだ」
棒読みするように答えるヴァル、そのセリフに改めてヴィシュヌの方を見る。
碧にも見える黒髪に、琥珀色の目で綺麗な女性的な顔だち、黙っていればまず間違いなく女性と間違われるだろう。
しかし声は低い(汗)
「あれでもとは何よ〜、失礼しちゃうわね!ぷんっ!」
「・・・・ニュー●ーフ・・・」
ガーヴはつい、ぽつっと呟く。

「で、冗談はそのぐらいにしろよ」

いい加減呆れたようにヴァルが言うと、ヴィシュヌはすっと背筋を伸ばし、優雅な礼をする。
「改めて、自己紹介いたします。
古代竜族長家、アガレスの名を抱く者にてヴィシュヌと申します。
以後お見知りおきを願いたく・・・」
「え?族長家・・・」
フィリアはそう呟くとヴァルの方を見るが、別段表情を変えている様子は無い。
「ま、今は神官修行のためこちらの天竜王様の下におりますが、いずれ神官として戻る事になります(本来なら火竜王様のとこで修行する筈なんだが・・・火竜王様が神殿に居ないから修行にならないんだよな)」
そう言ってふっと笑う。
「朝食の用意は出来ております、案内いたします」






「意外そうですね、巫女殿」
ヴィシュヌは微笑みながらフィリアに話しかける。
「いえ・・・・」
フィリアは食後のお茶を飲みながら、返事を返す。
「ところで・・・ヴァルちゃ〜ん♪
この可愛い巫女さんは彼女かなあ〜?」

ぶぴっ!

その言葉に思わず口に含んでいたお茶を噴出す。
「げほげほっ・・・ったく(怒)親父たちみたいなこと言うな(怒)」
「おぉぉぉ違ったのか、俺はてっきりあの姉ちゃんは、お前の恋人かと思ったのに(笑)」

ごんっ!

ガーヴのセリフに今度はテーブルに突っ伏すヴァル、フィリアの方は顔を真っ赤にして何か言ってるが、言葉になっていない。
「・・・からかわれとるのお・・・」
それを見ていたフレイはぽつっと呟いていた。






食事の後、別室に移ってヴァルはヴィシュヌと話をしていた。
「親父たちとは連絡とってるのか?」
「いや・・・私がここに居るのさえも、気に入らぬと思ってる奴らもいるしな」
苦笑しながらヴィシュヌは言う、実際ここに来る際に嫌がらせを言われたり、されたりしたものだった。
それは殆どやっかみから来るものではあったが・・・
「気を使ってるな、今の俺の置かれてる状況も知らないんだろ?」
「・・・何かあったのか?」
「まあな、けど知らないなら知らない方がいい」
そう言葉にするヴァルの表情は寂しげでさえある、その様子にヴィシュヌは一瞬眉を寄せたが、すぐに表情を緩め柔らかい笑みを浮かべる。
小さい頃のヴァルしか知らない自分が、今の事で何かを言えるわけではない、それでも・・・
「ヴァル、何時でも頼っていいぞ・・・私はお前の味方だからな・・・」
一瞬きょとんとした表情を見せたが、すぐに嬉しそうにヴァルは頷いた。

――何時までも子供のままでいるわけがないか・・・

記憶の中のヴァルはまだ小さく、親の庇護を必要とするような弱い存在だった。
それがいつの間にか大きくなり、最早大人達の手を必要としなくなっている、それが妙に淋しいと感じてしまう。

――お前の背負うものが何であれ、私たちはお前の支えになってやりたいんだよ・・・

言葉にはしない、言葉にする事も無い・・・・しなくても伝わっていると信じているから、とヴィシュヌは思う。
自分達は最後まで彼を守れなかった、一緒にいてやれなかった、だからこそ、そこに居てやる事しか出来ないだろうし、見守る事しか出来ないだろうことを自覚していた。

――ヴァル、お前は希望か・・・それとも・・・






天竜王は地竜王と連絡を取り、蒼穹の宮殿へと呼び寄せた。
「竜王が全てここに来るとはな・・・」
「うむ・・・本当は地竜王と話してると疲れるのだがな・・・・」
フレイと天竜王の二人は、何故か既に疲れた表情を浮かべている、それをみて不思議そうな顔をしているのは、ヴァルとフィリア。
ガーヴとヴィシュヌの二人は苦笑している、この二人は地竜王の事を知っているため、竜王たちの疲れた表情の意味を知ったいた。

「天ちゃん、火ぃちゃん、ひさしぶりん♪♪」

無意味に明るい声がして入ってきたのは、ブロンドに近いライトブラウンの髪にグレーの瞳の少女。
「ランゴート・・・」
「もう、天ちゃんってば、ランちゃんて呼んでv」

ずるる・・・

その場の何人かがソファーからずり落ちる。
「地竜王久しいな;;」
何とかずり落ちずにいたフレイが声をかける。
「火ぃちゃん、お久しぶりね。
アクア見つかった?」
「いや・・・なかなか見つからないものだ、それに最近は色々と有ったしな」
そういうとため息をつくフレイ。
ヴァルはと言えば、金色の魔王が何も言っていない事に気がつく。

――水竜王のことは黙ったままか・・・今はそれが良いかも知れねえな・・・

それで無くとも不安定な神に、これ以上暴走するかもしれないような要因を、増やす必要は無いだろう。
「本題に入るぞ、地竜王。
連絡を取るときに聞いたが、お前も夢を見たのだな?」
「そーよ。
そのことで神託降ろそうかとも思ったけど、意味不明になりそうだから止めたの」
竜王たちは同じ判断を下したらしい。
異界の魔王が来るならまだ解りやすい方だろう、だが今回の事は魔の気配が感じられないのだ。
「おい、ヴァル。
まだダークスターの欠片とかはねえだろうな?」
ガーヴがヴァルに訊くがヴァルは首を振って否定する、この世界にだけでなく、ダークスターが本来いた世界にも気配は無く、あるとすれば残留思念ぐらいだろう。
「そうか」

沈黙が落ちたまま暫しの時が流れる。
「外行って気分転換してくる」
そう言って席を立ったのはヴァル、それを見送って何か思うことでもあったのか、天竜王が後に続く。
「・・・ヴァルちゃん、下に落ちなきゃいいけど・・・心配ね」
頬に軽く手をやって、ため息なんぞ突いて見せるのはヴィシュヌ、妙に色っぽいその仕草に固まるもの数名(笑)(一応他にも何人か神官達がいる)
とにかく声さえ覗けば、まるで女性のような容姿をしているので、全く違和感が無い。

――結構反応が面白いなこいつら・・・

等とヴィシュヌが思ってることなど、その場の者には解らなかったりするが。






蒼穹の宮殿は島一つ浮かべたようなもので、神殿の外に出れば普通に大地がある。
何よりこの浮遊島には天竜王の張った結界があるため、簡単には中に入れないようになっている、一応は。
「雲が下に見えるな」
「そうだな」
いつの間にか後ろに来ていた天竜王を軽く一瞥し、ヴァルは雲の海を眺める。
雲の切れ間から覗くのは、緑の大地と青い海。
「ここに来てから思ったんだけどよ、フレイのオッサンの神殿は部屋なんて殆ど無いけど・・・」
「ああ、それな、あいつが方向音痴なのは知ってるな」
「ああ」
答えたヴァルの顔がひくついている、今までそれのせいでとんでもない所に出たこともあったため、今では絶対にフレイに地図を持たせる事はしていないし、一人で歩かせもしない。
下手に迷われては大変でしょうがない。
「あいつな、最初はここと似たような造りの神殿に住んでたんだけどな・・・・自分の神殿なのに迷子になってな・・・」
天竜王が遠い目していると、見ていなくても何と無く解ってしまう。
「それで、とことんシンプルな造りに建替えたんだ。
流石にあれは水竜王も呆れていたらしい・・・」
「神が方向音痴・・・・良いのかそれで」
呆れたように呟く。

「ま、こんなことを話しに来たのではない」

表情の変わった天竜王に、訝しげにヴァルは見る。
「・・・」
「大体のことは火竜王から聞いているが、いまいち納得できない事がある。
異界のもが集めた魂の中に、水竜王のものは無かったのか?」
一番無防備な神の魂を見逃すはずが無い、天竜王の表情はそう言っている様でもある。
「・・・」
ヴァルはただ、静かな表情のまま天竜王を見ていたが、すっと視線をそらす。
「それは知るのは金色の王だけだ・・・」
それだけ言うと踵を返し、ヴァルは神殿へと戻った。
天竜王は暫くその後姿を見送っていたが、何か釈然としないまでも、触れてはならない事なのだと、無理に納得する事にした。

――ヴァル=アガレス、黒き神と魔の狭間に在りしもの・・・・汝は希望・・・絶望・・・どちらだろう?










<続>


【あとがき】

ヴィシュヌ登場。

ヴァル:でたなニュー●ーフ;;

あのね、別にヴィシュヌはオカマさんじゃないんだよ;;
あの口調は、他人の反応が楽しいからしてるんであって、本来はもっと男らしい口調なんだよ。

ヴァル:まあ、奥さんが居るから、本気でそう思ってるわけじゃないが・・・・・あの口調何とかならねえのか(汗)

無理(きぱ)

ヴァル:何で?

私が書いてて楽しいから(まて)

ヴァル:・・・・・・・

って、別にそこで黙らなくても(汗)

ヴァル:今回の話は内容的にはシリアスなはずなのに・・・・・

ヴィシュヌが居るからねえ(^^;

ヴァル:お前のオリキャラの中でもかなりのお気に入りらしいな。

さいです。

ヴァル:何であんなのを・・・・

気にするな、じゃあこの辺で。

ヴィシュヌ:次もよろしくねんvv

乱入すんなって;;

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14036Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第5章エモーション E-mail 2003/4/20 22:57:39
記事番号14022へのコメント

こんばんは。

続いた今回は神様サイド(?)ですね。
地竜王さまにもぶっ飛びましたが、ヴィシュヌさん……楽しすぎです。
思いっきり周囲で遊んでますね、この方(汗)
何だか今のところ神様サイドが比較的明るい(?)ような……。


>「急に訪ねてすまぬ、夢を見てな・・・」
>「もしかして空が黒くなる夢か?」
>天竜王の表情が僅かに曇る、それを見たフィリアがそっと、隣に居るにヴァルに問いかけるが、それをフレイが聞き咎めて答える。
>「我ら竜王は夢など見ぬ、我らの見る夢には力が宿るゆえに・・・」
>「聞いたことねえか?竜の見る夢は不思議な力があるって。
>実際には普通の竜族とかにはそんな力ねえけど、さすがに神でもある竜王にはその不思議な力があるんだろうさ」

竜王がそろって同じ夢を見た……となると、さらにただの夢とは思えませんよね。

>そうだな、神の持つ二面性のようなものか・・・・それに神をただ、慈愛だとかで導くだけの存在とか思ってる奴が多すぎなんだよ、あくまで『神』と言う属性なだけで本質的なところは魔と大差無いから」

神道でいえば「和魂」と「荒魂」みたいなものですね。正確には「神」の持つ
二面性というよりは、その時、力がどの方向を向いたかを表すものですが。
もっとも、神に限らず、相手を自分の都合のいいようにだけ見て、考え、
認識する方が間違いだと思います。

>「また、何時ぞやの様に異界の魔王とかが、来るんじゃねえだろうな」
>
>ヴァルの呟きに、みな遠い目をしてしまった・・・
>それにしても呪われてるのでは思うほど、トラブルの多い世界である・・・もっとも、既に異界の魔王の白霧が来ていたりするが・・・・

カタートの氷付け魔王とその腹心たちと同じ気分になっているのでしょうか……。
すでに白霧様がいらしていると知ったら……固まっちゃうでしょうね……(汗)

>「・・・・・親父の弟、あれでも妻帯者。
>名前はヴィシュヌ、奥さんのラクシュミは美人さんだ」
>棒読みするように答えるヴァル、そのセリフに改めてヴィシュヌの方を見る。
>碧にも見える黒髪に、琥珀色の目で綺麗な女性的な顔だち、黙っていればまず間違いなく女性と間違われるだろう。
>しかし声は低い(汗)

お名前はインド神話……ヒンドゥー教ですね。ラーマとか言う偽名使ってたら
笑えるかも。
むしろ奥さんがどんな人か見てみたいです……。

>「ところで・・・ヴァルちゃ〜ん♪
>この可愛い巫女さんは彼女かなあ〜?」
>
>ぶぴっ!
>
>その言葉に思わず口に含んでいたお茶を噴出す。
>「げほげほっ・・・ったく(怒)親父たちみたいなこと言うな(怒)」
>「おぉぉぉ違ったのか、俺はてっきりあの姉ちゃんは、お前の恋人かと思ったのに(笑)」
>
>ごんっ!
>
>ガーヴのセリフに今度はテーブルに突っ伏すヴァル、フィリアの方は顔を真っ赤にして何か言ってるが、言葉になっていない。
>「・・・からかわれとるのお・・・」
>それを見ていたフレイはぽつっと呟いていた。

からかいたくもなりますよね(笑)
ヴィシュヌさん、是非、外堀をどんどん埋めていってください。
最終的には同じ部屋に一晩閉じこめると(笑)

>――お前の背負うものが何であれ、私たちはお前の支えになってやりたいんだよ・・・
>
>言葉にはしない、言葉にする事も無い・・・・しなくても伝わっていると信じているから、とヴィシュヌは思う。
>自分達は最後まで彼を守れなかった、一緒にいてやれなかった、だからこそ、そこに居てやる事しか出来ないだろうし、見守る事しか出来ないだろうことを自覚していた。

いい叔父さんです、ヴィシュヌさん。
たったそれだけのことが、実は一番大切で重要なんですよね……。

>無意味に明るい声がして入ってきたのは、ブロンドに近いライトブラウンの髪にグレーの瞳の少女。
>「ランゴート・・・」
>「もう、天ちゃんってば、ランちゃんて呼んでv」
>
>ずるる・・・
>
>その場の何人かがソファーからずり落ちる。

テ、テンション高いですね……。地竜王様……。こちらは女性体なんですね。
……水竜王様がどんな方だったのか、激しく気になってきました(笑)

>「・・・ヴァルちゃん、下に落ちなきゃいいけど・・・心配ね」
>頬に軽く手をやって、ため息なんぞ突いて見せるのはヴィシュヌ、妙に色っぽいその仕草に固まるもの数名(笑)(一応他にも何人か神官達がいる)
>とにかく声さえ覗けば、まるで女性のような容姿をしているので、全く違和感が無い。
>
>――結構反応が面白いなこいつら・・・
>
>等とヴィシュヌが思ってることなど、その場の者には解らなかったりするが。

本気で遊んでますね……ヴィシュヌさん。
でも、個人的には似合っていて、違和感ないのなら許す!(偉そう)

>「大体のことは火竜王から聞いているが、いまいち納得できない事がある。
>異界のもが集めた魂の中に、水竜王のものは無かったのか?」
>一番無防備な神の魂を見逃すはずが無い、天竜王の表情はそう言っている様でもある。
>「・・・」
>ヴァルはただ、静かな表情のまま天竜王を見ていたが、すっと視線をそらす。
>「それは知るのは金色の王だけだ・・・」
>それだけ言うと踵を返し、ヴァルは神殿へと戻った。
>天竜王は暫くその後姿を見送っていたが、何か釈然としないまでも、触れてはならない事なのだと、無理に納得する事にした。

同胞であり、友人の火竜王と水竜王のことだから、気にしないでいる方が
無理ですよね。
苦しんでいる友人を見守ることしかできない……天竜王様も辛いですね。


>あのね、別にヴィシュヌはオカマさんじゃないんだよ;;
>あの口調は、他人の反応が楽しいからしてるんであって、本来はもっと男らしい口調なんだよ。

最初は驚きますが、慣れれば平気になりますね。TPOは使い分けているのら
無問題ですし(笑)


楽しく読ませていただきました。
内容はシリアスでも、ヴィシュヌさんのおかげで明るくなっていると思います。
水竜王様の魂……今後、どんな状態になっていくのでしょうか。
いつか火竜王様と再会できると良いのですが……。
でも近くにいるのに、方向音痴のせいで「東だ! 東にいるぞ!」と言いながら
〃夕日に向かって〃走っていき、また遠ざかって行きそうな気も……(汗)

一応、原作者様の頭の中(公式には未発表)では、「水竜王の欠片」が誰の中に
眠っているか、決まっているようですが。(ただし、もう何年も前の話なので、
変更されている可能性有ります。また現在の時点でも未登場です)


また、「星界」シリーズの皇族の最初の階級……未来戦記物なので、名称が
特殊ですが「列翼翔士」……これは「少尉」に相当します。
ちゃんと翔士修技館(士官学校のようなもの)を出てないと軍人になれませんし、
修技館を卒業した者が最初につく階級です。
アブリアル、というより、アーヴ種族はその辺り、本当にシビアなので。

それでは、この辺で失礼いたします。
続きを楽しみにしています。

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14040Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第5章キツネノテブクロ 2003/4/21 15:28:40
記事番号14036へのコメント


>こんばんは。
>
>続いた今回は神様サイド(?)ですね。
>地竜王さまにもぶっ飛びましたが、ヴィシュヌさん……楽しすぎです。
>思いっきり周囲で遊んでますね、この方(汗)
>何だか今のところ神様サイドが比較的明るい(?)ような……。

こんにちは、キツネノテブクロです。

地竜王にヴィシュヌ、ぶっ飛び具合が・・・(笑)
ヴィシュヌは書いてて楽しいキャラですよ(笑)

>>「急に訪ねてすまぬ、夢を見てな・・・」
>>「もしかして空が黒くなる夢か?」
>>天竜王の表情が僅かに曇る、それを見たフィリアがそっと、隣に居るにヴァルに問いかけるが、それをフレイが聞き咎めて答える。
>>「我ら竜王は夢など見ぬ、我らの見る夢には力が宿るゆえに・・・」
>>「聞いたことねえか?竜の見る夢は不思議な力があるって。
>>実際には普通の竜族とかにはそんな力ねえけど、さすがに神でもある竜王にはその不思議な力があるんだろうさ」
>
>竜王がそろって同じ夢を見た……となると、さらにただの夢とは思えませんよね。

ただの夢じゃないんです。

>>そうだな、神の持つ二面性のようなものか・・・・それに神をただ、慈愛だとかで導くだけの存在とか思ってる奴が多すぎなんだよ、あくまで『神』と言う属性なだけで本質的なところは魔と大差無いから」
>
>神道でいえば「和魂」と「荒魂」みたいなものですね。正確には「神」の持つ
>二面性というよりは、その時、力がどの方向を向いたかを表すものですが。
>もっとも、神に限らず、相手を自分の都合のいいようにだけ見て、考え、
>認識する方が間違いだと思います。

「和魂」「荒魂」も近いのですが、「和魂」「荒魂」みたいなものと言うより、ヒンドゥーの神のイメージが近いです。
ヒンドゥーの神も、慈愛と残酷さを同時に持ってますよね。

>>「また、何時ぞやの様に異界の魔王とかが、来るんじゃねえだろうな」
>>
>>ヴァルの呟きに、みな遠い目をしてしまった・・・
>>それにしても呪われてるのでは思うほど、トラブルの多い世界である・・・もっとも、既に異界の魔王の白霧が来ていたりするが・・・・
>
>カタートの氷付け魔王とその腹心たちと同じ気分になっているのでしょうか……。
>すでに白霧様がいらしていると知ったら……固まっちゃうでしょうね……(汗)

おそらく、同じ心境でしょう。
白霧が来てると知ったら・・・・もはや投げやりな心境になるのでは;;

>>「・・・・・親父の弟、あれでも妻帯者。
>>名前はヴィシュヌ、奥さんのラクシュミは美人さんだ」
>>棒読みするように答えるヴァル、そのセリフに改めてヴィシュヌの方を見る。
>>碧にも見える黒髪に、琥珀色の目で綺麗な女性的な顔だち、黙っていればまず間違いなく女性と間違われるだろう。
>>しかし声は低い(汗)
>
>お名前はインド神話……ヒンドゥー教ですね。ラーマとか言う偽名使ってたら
>笑えるかも。
>むしろ奥さんがどんな人か見てみたいです……。

名前はインド神話からです。
ヴィシュヌの兄の名はシヴァ≠ナ、その奥さんはカーリー=B
名前で遊んでます(^^)

>>「ところで・・・ヴァルちゃ〜ん♪
>>この可愛い巫女さんは彼女かなあ〜?」
>>
>>ぶぴっ!
>>
>>その言葉に思わず口に含んでいたお茶を噴出す。
>>「げほげほっ・・・ったく(怒)親父たちみたいなこと言うな(怒)」
>>「おぉぉぉ違ったのか、俺はてっきりあの姉ちゃんは、お前の恋人かと思ったのに(笑)」
>>
>>ごんっ!
>>
>>ガーヴのセリフに今度はテーブルに突っ伏すヴァル、フィリアの方は顔を真っ赤にして何か言ってるが、言葉になっていない。
>>「・・・からかわれとるのお・・・」
>>それを見ていたフレイはぽつっと呟いていた。
>
>からかいたくもなりますよね(笑)
>ヴィシュヌさん、是非、外堀をどんどん埋めていってください。
>最終的には同じ部屋に一晩閉じこめると(笑)

ヴァルの家族総出で、この二人をくっつけようとしてます。
同じ部屋に閉じ込めても、何もなさそうな気も(^^;

>>――お前の背負うものが何であれ、私たちはお前の支えになってやりたいんだよ・・・
>>
>>言葉にはしない、言葉にする事も無い・・・・しなくても伝わっていると信じているから、とヴィシュヌは思う。
>>自分達は最後まで彼を守れなかった、一緒にいてやれなかった、だからこそ、そこに居てやる事しか出来ないだろうし、見守る事しか出来ないだろうことを自覚していた。
>
>いい叔父さんです、ヴィシュヌさん。
>たったそれだけのことが、実は一番大切で重要なんですよね……。

良い事言ったりするんですけど・・・・やっぱりあの性格なもので;;

>>無意味に明るい声がして入ってきたのは、ブロンドに近いライトブラウンの髪にグレーの瞳の少女。
>>「ランゴート・・・」
>>「もう、天ちゃんってば、ランちゃんて呼んでv」
>>
>>ずるる・・・
>>
>>その場の何人かがソファーからずり落ちる。
>
>テ、テンション高いですね……。地竜王様……。こちらは女性体なんですね。
>……水竜王様がどんな方だったのか、激しく気になってきました(笑)

地竜王様テンション高すぎですよね・・・やっぱり;;
水竜王様は落着いた女性ですよ。

>>「・・・ヴァルちゃん、下に落ちなきゃいいけど・・・心配ね」
>>頬に軽く手をやって、ため息なんぞ突いて見せるのはヴィシュヌ、妙に色っぽいその仕草に固まるもの数名(笑)(一応他にも何人か神官達がいる)
>>とにかく声さえ覗けば、まるで女性のような容姿をしているので、全く違和感が無い。
>>
>>――結構反応が面白いなこいつら・・・
>>
>>等とヴィシュヌが思ってることなど、その場の者には解らなかったりするが。
>
>本気で遊んでますね……ヴィシュヌさん。
>でも、個人的には似合っていて、違和感ないのなら許す!(偉そう)

本気で遊びます、この方は(^^;
声を無視すれば違和感ゼロです。

>>「大体のことは火竜王から聞いているが、いまいち納得できない事がある。
>>異界のもが集めた魂の中に、水竜王のものは無かったのか?」
>>一番無防備な神の魂を見逃すはずが無い、天竜王の表情はそう言っている様でもある。
>>「・・・」
>>ヴァルはただ、静かな表情のまま天竜王を見ていたが、すっと視線をそらす。
>>「それは知るのは金色の王だけだ・・・」
>>それだけ言うと踵を返し、ヴァルは神殿へと戻った。
>>天竜王は暫くその後姿を見送っていたが、何か釈然としないまでも、触れてはならない事なのだと、無理に納得する事にした。
>
>同胞であり、友人の火竜王と水竜王のことだから、気にしないでいる方が
>無理ですよね。
>苦しんでいる友人を見守ることしかできない……天竜王様も辛いですね。

天竜王様も辛いでしょうね・・・
フレイはめったに弱音とか吐きませんから・・・・

>>あのね、別にヴィシュヌはオカマさんじゃないんだよ;;
>>あの口調は、他人の反応が楽しいからしてるんであって、本来はもっと男らしい口調なんだよ。
>
>最初は驚きますが、慣れれば平気になりますね。TPOは使い分けているのら
>無問題ですし(笑)

男だと思わなければ、大して気になるものじゃないんですが・・・・
あの口調でも、見た目的には違和感無いですから。

>楽しく読ませていただきました。
>内容はシリアスでも、ヴィシュヌさんのおかげで明るくなっていると思います。

どんなにシリアスしてても、ヴィシュヌが出るだけでギャグと化してしまいます。

>水竜王様の魂……今後、どんな状態になっていくのでしょうか。
>いつか火竜王様と再会できると良いのですが……。
>でも近くにいるのに、方向音痴のせいで「東だ! 東にいるぞ!」と言いながら
>〃夕日に向かって〃走っていき、また遠ざかって行きそうな気も……(汗)

水竜王探しの方は、最後のシーンを二パターン考えているんですが、そこまでの話の流れで決めようかなと思ってます。

>一応、原作者様の頭の中(公式には未発表)では、「水竜王の欠片」が誰の中に
>眠っているか、決まっているようですが。(ただし、もう何年も前の話なので、
>変更されている可能性有ります。また現在の時点でも未登場です)
>
>
>また、「星界」シリーズの皇族の最初の階級……未来戦記物なので、名称が
>特殊ですが「列翼翔士」……これは「少尉」に相当します。
>ちゃんと翔士修技館(士官学校のようなもの)を出てないと軍人になれませんし、
>修技館を卒業した者が最初につく階級です。
>アブリアル、というより、アーヴ種族はその辺り、本当にシビアなので。

シビアな一族ですね・・・・・士官学校出は、少尉で任官と言うの現実世界でもありますよね。
日本の自衛隊は防衛大学出が三尉(少尉)からだったような??ちょっとうろ覚えです。

>それでは、この辺で失礼いたします。
>続きを楽しみにしています。
>
感想ありがとうございました。

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14039The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第6章キツネノテブクロ 2003/4/21 14:51:30
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















神殿の中に戻ると、何故かゼロスがいた、しかも半透明になって・・・
「・・・ゼロス、何してるんだ?」
脱力したようにヴァルが問いかけると、うつろな表情でゼロスがゆっくりと向き直る。
「ああ、ヴァルガーヴさん・・・お元気でした?」
声に抑揚がない、と言うより目の焦点が合ってない。
ゼロスのその様子に、ヴァルは半目になってヴィシュヌの方に向くと、何処と無く疲れたような調子で・・・
「ヴィシュヌ・・・・・これで遊んだのか?(疲)」
「魔族って反応が面白くってvv」
両手で握りこぶしつくって、それを口元に持っていきにっこり微笑んで見せる。
そのままゼロスの方に向きウインクをする、それを見たゼロスは顔を引きつらせ、さらにすーと色が薄くなっていく。
一体どんな目に合わされたのか・・・
「・・・ゼロス、何しにきたんだ?」
そのままにしておくと、自然に滅びそうな気がしながらも、実際その方が世界環境のためにはよさそうだが。
用もないのにこの獣神官が姿を見せるわけがない。
ヴァルとしては助け舟を出す気は無いが、一応聞くことだけ聞いてから滅びてもらおうと、そう思って問いかけてみる。
「ああそうでした、皆さんに伝えなきゃいけない事があったんでした」
ゼロスは、白霧が北の魔王の下に来ている事と、白霧以外の何者かがこの世界に召喚されたことを告げた。
「・・・・で、それで俺達にどうしろと?」
ヴァルがいかにも嫌そうな顔をしながら、一応聞いてみる。
「はあ・・・僕に言われましても(汗)、僕はただこちらの方達に伝えるよう言われただけで・・・」
聞かれたゼロスも、困ったように、頬をぽりぽりとかきつつ言う。
「相変わらずお役所仕事だな、ゼロス」
ガーヴもジト目でゼロスを見つつぼやく。
何故か殺気が混じっていたりするが・・・・
「それより僕はもう失礼しますね。
じゃっ!」
そう言うとさっさと空間を渡って行ってしまった。
「逃げたな」
「逃げましたね」
ゼロスが消えた方を見つつ、ヴァルとフィリアが呟く。
ここに居てもヴィシュヌのおもちゃになるか、ガーヴに絞め殺されるかするだけだろう。






天竜王は別室にフレイと地竜王を呼び、三者だけで話し合いをもった。
「夢の事は神官たちに調べさせよう、何かの兆候が現れればすぐに知らせるようには言っておいて。
で、ヴラバザードよ・・・あの古代竜のことだが・・・」
「ヴァルがどうかしたか?」
フレイは訝しげな表情を見せ、天竜王のほうを見る。
「お前はあの者の言葉を全て鵜呑みにしているのか?」
「・・・ふっ、アクアの事か?
神と魔の魂を集めていた者たちの所に、水竜王の魂があったかどうか・・・その行方を何も話さないのは何故か。
であろう?」
「うむ・・・」
天竜王は険しい表情を浮かべているが、フレイの方は穏やかな微笑を浮かべている。
その二人の様子を地竜王は黙ってみている、今自分が何かを言うべきではないと知っているため。
「あの者なりの気遣いだ、本当にあったとしても伝えられるものでもなかろう?
もし、あったとしたら、私は自分の手でアクアを殺していた可能性さえある・・・不器用な男だが、優しい男なのだ」
「何故そこまで信じられる?
我には解らぬ、あの者がしてきて事を思えば・・・」
そこまで言って天竜王ははっとする、フレイの浮かべる表情に言葉が続かない。
寂しげで今にも泣き出しそうな・・・・それでも無理に微笑を浮かべているその表情に・・・
「そうさせたのは、私にも責がある・・・」
「・・・すまぬ・・・だがなヴラバザード、あの者の力は危険ではないのか?」
「力に善悪は無い、それをふるう者の心次第。
力におぼれる者は多いが、私は今のヴァルなら大丈夫だと思っている」
「・・・我はそこまで信頼できぬ、だが無理に何かを仕掛けようとも思わぬ。
今はただ、見守るとしよう・・・」
そう言うと、天竜王は軽くため息を吐く。

――どの道、我らの力では抑えられぬしな・・・・






フレイたちが天竜王と話をしている頃、クロイセルはゼフィーリアのラダマンティスの下へと急いでいた。
そしてようやく、国境を越えゼフィーリアの国内に入った所で、ある人物と再開する。
「・・・・グアヴァ・・・・リッキー?」
「久しぶりだな、クロイセル=D。
神魔戦争以来だからけっこうなるな」
「・・・・お前、封印されてたんじゃ・・・」
「四十年程前に目覚めてな、今はマスターのために情報収集をしてるんだ」
「お前のマスター?」
「名前は言えないが、悲しい過去を背負っておられる・・・・そうだ、クルス。
聞きたいことがあるんだ」
「?」





――間――





二人は近くの食堂で遅い昼食をとりつつ、話し込んでいた。
「・・・と言うわけで、その信者どもを探してるんだ」
グアヴァはかいつまんだ説明をしつつ、クロイセルに問う。
「赤い神官服か・・・・・以前聞いたことがあるな、赤の竜神≠熱狂的に信奉する教団があることを。
その教団の教義はちょっと覚えてないが、けっこう過激な連中だったはずだが・・・・」
「その教団の本部がどこにあるか知らないか?」
「すまんそこまでは・・・」
「そうか・・・クルス、お前も気をつけろよ。
そうだ、お前今フリーか?」
「いや、俺にもマスターが居る」
「そうか惜しいな・・・・ルクセル神官の作の中でも傑作と言われたお前に、あの方の味方になって欲しかったんだけどな」
「・・・・」
自分たちのマイスター(創造者)を思い出し、クロイセルは押し黙る。


――――――――こんな化け物にしてしまって、お前たちは私を憎むのだろうな――――――――


辛そうに自分たちを見るマイスターに、クロイセルは何故か悲しくなった覚えがある。
「無理強いはしないよ、お前のマスターが私が追っている神官たちの、標的にならないことを祈るよ」
「誰に祈る?」
「そりゃもちろん」
『金色の王』
グアヴァとクロイセルは同時にいうと、ふっと笑みを浮かべる。
まるで昔を思い出すように・・・・






「ねえ、火ぃちゃんはあの子が怖くないの?」
地竜王はフレイに訊く、先程会った時にプレッシャーを感じ、それに恐怖を抱いた。
それは天竜王も同じだったらしく、問いかけるような視線をフレイに向ける。
「怖い?いや、なぜ怖いなどと・・・」
フレイは不思議そうに二人を見返す、その表情を見て天竜王も地竜王も、ヴァルに対してフレイが何の恐怖も抱いていない事が解る。
「ヴラバザードは普段から一緒の行動している、それゆえ感じないかも知れぬが・・・」
「あの子から物凄いプレッシャーを感じるの、私達より強い力を持つあの子が危険だと感じさせるの」
その二人の言葉に、険しい表情を見せるフレイ。
彼らの言い分から推察すると、次に出てくる言葉は、良くてヴァルの封印か・・・・・・悪ければ死・・・・
「ヴラバザードよ、汝があの者に肩入れしているのは知っている、だがあのままにしておくのは・・・」

「天竜王、地竜王・・・・・・お前たちがかつての、私と同じ罪を犯すのか?」

フレイの悲しげな声に、二人共に言葉に詰まる。
「危険だからという理由で、あの者を殺すなど言うのでは無いだろうな」
哀しさと寂しさと、そして自嘲的な表情を浮かべた顔を、フレイは二人に見えぬようふせる。
誰よりも深き業を持つが故に・・・・・






アレクセルはトロナに返事を聞くために、神殿を訪れていた。
「三日前の返事が聞きたい」
アレクセルは穏やかにトロナに問いかける、断れたとしてもそれをとやかく言う気は無かった。
むしろ、まだ幼ささえ残るこの少年を、戦場に連れて行くことに少し躊躇いがあった。
「お受けします、ただ・・・・」
「ただ、なんだね?」
アレクセルは何処までも穏やかに話しかける。
「ボクの友人も一緒じゃ駄目ですか?」
「友人?」
「はい、サニディン=パイロファンって言います。
ボクと同じ神官見習いなんです」
「ふむ・・・本人に会わせてもらえるかな?」
「はい、こちらです」
トロナはアレクセルを連れ、礼拝堂に向かう。






礼拝堂では数名の神官が、祈りを捧げていた。
「彼です」
礼拝堂の一番前にある長椅子に座り、熱心に祈りを捧げている少年がいる。
トロナよりも年長そうに見えるが、トロナ自身が幼く見えるため、年はそれ程違っていないのだろう。
「サニー、ちょっといいかな」
他の者の祈りの邪魔にならぬように、側によってそっと声をかける。
「トロナ、何か用?」
振り向いた少年は、この国特有の金髪碧眼に琥珀の肌で、ややきつい顔立ちをしている。
「サニー、フレイム元帥だよ。
話したでしょ」
トロナに言われ、サニディンはアレクセルの方に視線を向ける。
「あ・・・初めまして、サニディン=パイロファンです。
トロナから話は伺ってます」
「初めまして、サニディン。
私はアレクセル=フレイム、帝国軍元帥をしている」
「トロナが、私を一緒に連れて行くように言ったのではありませんか?」
「ああ、そうだが・・・・ふむ、下手に位の高い神官を連れて行くよりは良さそうだ。
君さえ良ければ、旗艦に搭乗してもらえるかい?」
アレクセルはサニディンに好印象を抱いていた、トロナとは違う雰囲気をしているが、真っ直ぐで曇りない瞳をしている事が、何より気に入った。
「・・・はい、お受けします」
「ホント!?サニー!」
トロナが嬉しそうに言うのを、サニディンは苦笑しながら頷く。
「では、後日改めて正式に要請書を送る事になると思う。
かなり長い航海になるから、そのつもりで準備しておいてくれるかい」
アレクセルは微笑ましそうに二人を見ながら、それだけを伝え神殿を後にした。

――若い希望の子供達か・・・・

アレクセルは心が温かくなるような気持ちで、元帥府へと戻っていった。






元帥府に戻ったアレクセルは直ぐに、艦隊の配置の最終調整にかかっていた。
補給を確実にするために、途中幾つかの中継地を作る必要を感じ、既に手配をしていた。
それらの進行状況を見ながら、第一陣の出港の日時の調整に入る。
「さてと、帝都に残る陸軍は誰に任せるか・・・・」
この人選を間違うと、内乱が起きた時にかなり困った事になる。
「・・・・どうするかなあ・・・・・」
頭を悩ませつつも、仕事をこなすアレクセルだった。







<続>


【あとがき】

ゼロス不幸(笑)

ダイ・グ:ホントに不幸だな、ゼロス様。

・・・・・・・君の出番当分予定してないんだけど;;
何故にここに居る?

ダイ・グ:紹介してくれないのか?私のこと。

えーと、覇王様の部下の魔族以上。

ダイ・グ:短い;;
まあ、同僚の方が先に出るんだろうけど。

・・・・ダイ・グと聞いてわかる人が何人居るかなあ・・・・・

ダイ・グ:心配性のおぼっちゃま≠ゥ(笑)

まあ、読んで下さってる方には、こいつが何時出るか、気長に待っていてもらいましょう。
ではこの辺で。

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14047Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第6章エモーション E-mail 2003/4/21 22:06:34
記事番号14039へのコメント

こんばんは。

少しずつ、話が動き出し始めましたね。
神、魔族、人間の側と、それぞれの立場による考えや行動があるので、
書くのが本当に大変だと思います。
さらにそれが複雑に絡み合ってくるわけですし。
推理物読むときのように、それぞれのタイムテーブルを作りたくなります。


>「ヴィシュヌ・・・・・これで遊んだのか?(疲)」
>「魔族って反応が面白くってvv」
>両手で握りこぶしつくって、それを口元に持っていきにっこり微笑んで見せる。

おさすがです、ヴィシュヌさん! ゼロスにここまでダメージを与えるなんて……。
本当に、どんな目にあったのでしょう(笑)

>ヴァルとしては助け舟を出す気は無いが、一応聞くことだけ聞いてから滅びてもらおうと、そう思って問いかけてみる。

それはとても正しい判断だと思います。ヴァルくん。
そして、さっさと逃げるゼロスも……。
ヴィシュヌさんと会わなかったら、多少遊んだのかもしれないですね(笑)

>「そうさせたのは、私にも責がある・・・」
>「・・・すまぬ・・・だがなヴラバザード、あの者の力は危険ではないのか?」
>「力に善悪は無い、それをふるう者の心次第。
>力におぼれる者は多いが、私は今のヴァルなら大丈夫だと思っている」
>「・・・我はそこまで信頼できぬ、だが無理に何かを仕掛けようとも思わぬ。
>今はただ、見守るとしよう・・・」
>そう言うと、天竜王は軽くため息を吐く。

火竜王様にとっては本当に悔やむだけの辛い過去の事実。
それをきちんと抱えていくか、いかないかが、すべてを決めるような気がします。
さらに言えば、それはヴァルくんも同じなんですよね。
そういったことを踏まえて、一緒に行動したうえでの火竜王様の判断ですが、
天竜王様からすれば、分かってはいても不安があるのは、仕方がないのだとも
思います。
誰にでも、どんなことにでも言えることですが、「罪を犯す」というのは、
信頼その他のスタートラインがマイナスになることですし、「償い」は
その前提条件から行われていくものを言うのですから。
もっとも、ヴァル君の場合、フィリアが側にいるので絶対大丈夫でしょう。(きっぱり)

>「そうか・・・クルス、お前も気をつけろよ。
>そうだ、お前今フリーか?」
>「いや、俺にもマスターが居る」
>「そうか惜しいな・・・・ルクセル神官の作の中でも傑作と言われたお前に、あの方の味方になって欲しかったんだけどな」

クロイセルさん……人間ではなかったんですね……。
高性能の人間形ロボット……というよりサイボーグみたいなものでしょうか?

>「無理強いはしないよ、お前のマスターが私が追っている神官たちの、標的にならないことを祈るよ」
>「誰に祈る?」
>「そりゃもちろん」
>『金色の王』
>グアヴァとクロイセルは同時にいうと、ふっと笑みを浮かべる。
>まるで昔を思い出すように・・・・

標的にされても、ラダマンティスさんは、あっさりと返り討ちにしたあげく、
その団体を完璧に潰しそうな気がしますが……(汗)
この2人が、戦いで対峙することにならないといいのですが……。

>「天竜王、地竜王・・・・・・お前たちがかつての、私と同じ罪を犯すのか?」
>
>フレイの悲しげな声に、二人共に言葉に詰まる。
>「危険だからという理由で、あの者を殺すなど言うのでは無いだろうな」
>哀しさと寂しさと、そして自嘲的な表情を浮かべた顔を、フレイは二人に見えぬようふせる。
>誰よりも深き業を持つが故に・・・・・

これは本当に火竜王様が仰るから、誰よりも説得力と重みのある忠告ですね。
どちらにとっても不幸にしかならない、冷静になれば分かることが、天竜王様も
地竜王様も、一瞬見えなくなったんですね。

>アレクセルはサニディンに好印象を抱いていた、トロナとは違う雰囲気をしているが、真っ直ぐで曇りない瞳をしている事が、何より気に入った。
>「・・・はい、お受けします」
>「ホント!?サニー!」
>トロナが嬉しそうに言うのを、サニディンは苦笑しながら頷く。
>「では、後日改めて正式に要請書を送る事になると思う。
>かなり長い航海になるから、そのつもりで準備しておいてくれるかい」
>アレクセルは微笑ましそうに二人を見ながら、それだけを伝え神殿を後にした。
>
>――若い希望の子供達か・・・・
>
>アレクセルは心が温かくなるような気持ちで、元帥府へと戻っていった。

良い意味で「類は友を呼ぶ」ですね。
何となく、元帥達にとっての「癒し系」になっているような……。
本当に、彼らの存在が物事をプラスに持っていく要因になってほしいと
思いました。


>ゼロス不幸(笑)

何となく、「不幸」はゼロスの基本オプション機能のような気がします。
ゼロスってどなたが書かれても、ちまちました不幸が、本当に似合いますよね。

>ダイ・グ:紹介してくれないのか?私のこと。
>
>えーと、覇王様の部下の魔族以上。
>
>ダイ・グ:短い;;
>まあ、同僚の方が先に出るんだろうけど。
>
>・・・・ダイ・グと聞いてわかる人が何人居るかなあ・・・・・

ダイさんとグロウさん(それともグラウさん?)でしょうか?
シェーラちゃんと原作のあとがきに出たノーストさんのおかげで、
どうやら4人いるらしいと判明した覇王様の部下の。

楽しく読ませていただきました。
竜王様たちの会話当たりはかなり深刻なものがありましたが、
ゼロスやヴィシュヌさんのおかげで、少し救われますね。
また、ラストのトロナくんとサニディンくんも。
見ていると「ガンバレ、少年! 応援するわっ!」という気分になります。

いよいよ帝国の遠征準備も整い始めて、動いてきたこのお話、
続きがとても楽しみです。
では、この辺で失礼いたします。

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14056Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第6章キツネノテブクロ 2003/4/22 15:32:30
記事番号14047へのコメント


>こんばんは。
>
>少しずつ、話が動き出し始めましたね。
>神、魔族、人間の側と、それぞれの立場による考えや行動があるので、
>書くのが本当に大変だと思います。
>さらにそれが複雑に絡み合ってくるわけですし。
>推理物読むときのように、それぞれのタイムテーブルを作りたくなります。

こんにちは、キツネノテブクロです。

それぞれの立場や、考えの違いなど、書いていくうちにこんがらがりそうになります。
タイムテーブルですが、作ると余計こんがらがりそうな気もします(^^;

>>「ヴィシュヌ・・・・・これで遊んだのか?(疲)」
>>「魔族って反応が面白くってvv」
>>両手で握りこぶしつくって、それを口元に持っていきにっこり微笑んで見せる。
>
>おさすがです、ヴィシュヌさん! ゼロスにここまでダメージを与えるなんて……。
>本当に、どんな目にあったのでしょう(笑)

本当に・・・どんな目にあわせたのか・・・・
ヴィシュヌはゼロスの天敵その一なのでは?

>>ヴァルとしては助け舟を出す気は無いが、一応聞くことだけ聞いてから滅びてもらおうと、そう思って問いかけてみる。
>
>それはとても正しい判断だと思います。ヴァルくん。
>そして、さっさと逃げるゼロスも……。
>ヴィシュヌさんと会わなかったら、多少遊んだのかもしれないですね(笑)

ヴィシュヌがいなかったら、さっさと逃げることは無いにしても、ガーヴに竜王たちがいますから、遊ぶのも無理があるような気も(笑)

>>「そうさせたのは、私にも責がある・・・」
>>「・・・すまぬ・・・だがなヴラバザード、あの者の力は危険ではないのか?」
>>「力に善悪は無い、それをふるう者の心次第。
>>力におぼれる者は多いが、私は今のヴァルなら大丈夫だと思っている」
>>「・・・我はそこまで信頼できぬ、だが無理に何かを仕掛けようとも思わぬ。
>>今はただ、見守るとしよう・・・」
>>そう言うと、天竜王は軽くため息を吐く。
>
>火竜王様にとっては本当に悔やむだけの辛い過去の事実。
>それをきちんと抱えていくか、いかないかが、すべてを決めるような気がします。
>さらに言えば、それはヴァルくんも同じなんですよね。

この二人結構似通ってます。
辛い過去と重いものを背負ってますから。

>そういったことを踏まえて、一緒に行動したうえでの火竜王様の判断ですが、
>天竜王様からすれば、分かってはいても不安があるのは、仕方がないのだとも
>思います。

天竜王の不安は当たり前と言えば、当たり前なんですが・・・・
それでもフレイ(火竜王)の言葉を信じようとはしてます。

>誰にでも、どんなことにでも言えることですが、「罪を犯す」というのは、
>信頼その他のスタートラインがマイナスになることですし、「償い」は
>その前提条件から行われていくものを言うのですから。

彼らはまず生きることから、償いをはじめています。
生きなければどんな償いもできないですから。

>もっとも、ヴァル君の場合、フィリアが側にいるので絶対大丈夫でしょう。(きっぱり)

フィリアはヴァルの精神的な支えになってます。
もっとも、二人ともその自覚はありませんが、ヴァルはなんとなく気付いてるかも?

>>「そうか・・・クルス、お前も気をつけろよ。
>>そうだ、お前今フリーか?」
>>「いや、俺にもマスターが居る」
>>「そうか惜しいな・・・・ルクセル神官の作の中でも傑作と言われたお前に、あの方の味方になって欲しかったんだけどな」
>
>クロイセルさん……人間ではなかったんですね……。
>高性能の人間形ロボット……というよりサイボーグみたいなものでしょうか?

ロボットとは違うんです。
ちゃんと赤い血も流れてますので。

>>「無理強いはしないよ、お前のマスターが私が追っている神官たちの、標的にならないことを祈るよ」
>>「誰に祈る?」
>>「そりゃもちろん」
>>『金色の王』
>>グアヴァとクロイセルは同時にいうと、ふっと笑みを浮かべる。
>>まるで昔を思い出すように・・・・
>
>標的にされても、ラダマンティスさんは、あっさりと返り討ちにしたあげく、
>その団体を完璧に潰しそうな気がしますが……(汗)

確かにラダ氏なら・・・・完膚なきまでに叩きのめして下さることでしょう(^^;

>この2人が、戦いで対峙することにならないといいのですが……。

今の所、この二人が戦うのは考えてませんが、話の流れ次第でしょう・・・・

>>「天竜王、地竜王・・・・・・お前たちがかつての、私と同じ罪を犯すのか?」
>>
>>フレイの悲しげな声に、二人共に言葉に詰まる。
>>「危険だからという理由で、あの者を殺すなど言うのでは無いだろうな」
>>哀しさと寂しさと、そして自嘲的な表情を浮かべた顔を、フレイは二人に見えぬようふせる。
>>誰よりも深き業を持つが故に・・・・・
>
>これは本当に火竜王様が仰るから、誰よりも説得力と重みのある忠告ですね。
>どちらにとっても不幸にしかならない、冷静になれば分かることが、天竜王様も
>地竜王様も、一瞬見えなくなったんですね。

竜王たちにも感情がありますから・・・
人間でもそうですが、一度でも恐怖を感じると、なかなか冷静な目では見るのは難しくなりますから・・・

>>アレクセルはサニディンに好印象を抱いていた、トロナとは違う雰囲気をしているが、真っ直ぐで曇りない瞳をしている事が、何より気に入った。
>>「・・・はい、お受けします」
>>「ホント!?サニー!」
>>トロナが嬉しそうに言うのを、サニディンは苦笑しながら頷く。
>>「では、後日改めて正式に要請書を送る事になると思う。
>>かなり長い航海になるから、そのつもりで準備しておいてくれるかい」
>>アレクセルは微笑ましそうに二人を見ながら、それだけを伝え神殿を後にした。
>>
>>――若い希望の子供達か・・・・
>>
>>アレクセルは心が温かくなるような気持ちで、元帥府へと戻っていった。
>
>良い意味で「類は友を呼ぶ」ですね。
>何となく、元帥達にとっての「癒し系」になっているような……。

癒しになってますね。
それでなくても精神的な疲労が大きいですから、元帥たちは。

>本当に、彼らの存在が物事をプラスに持っていく要因になってほしいと
>思いました。

彼らの出会いが、良い方向に向かうか、それとも・・・・
どうなっていくかは、彼らの行動しだいでしょう。


>>ゼロス不幸(笑)
>
>何となく、「不幸」はゼロスの基本オプション機能のような気がします。
>ゼロスってどなたが書かれても、ちまちました不幸が、本当に似合いますよね。

ゼロスの不幸は、基本オプションだったんですか(笑)

>>ダイ・グ:紹介してくれないのか?私のこと。
>>
>>えーと、覇王様の部下の魔族以上。
>>
>>ダイ・グ:短い;;
>>まあ、同僚の方が先に出るんだろうけど。
>>
>>・・・・ダイ・グと聞いてわかる人が何人居るかなあ・・・・・
>
>ダイさんとグロウさん(それともグラウさん?)でしょうか?
>シェーラちゃんと原作のあとがきに出たノーストさんのおかげで、
>どうやら4人いるらしいと判明した覇王様の部下の。

実はリニューアル前に覇王神官を一人出してたりします。
ダイ・グは一応、覇王神官です。
名前はダイナストのダイ≠ニ、グラウ=シェラーのグ≠くっ付けたものです。

>楽しく読ませていただきました。
>竜王様たちの会話当たりはかなり深刻なものがありましたが、
>ゼロスやヴィシュヌさんのおかげで、少し救われますね。
>また、ラストのトロナくんとサニディンくんも。
>見ていると「ガンバレ、少年! 応援するわっ!」という気分になります。

帝国は着々と計画を進めております。
トロナとサニディンにはがんばって欲しいですね。

>いよいよ帝国の遠征準備も整い始めて、動いてきたこのお話、
>続きがとても楽しみです。
>では、この辺で失礼いたします。

感想ありがとうございました。

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14050遅くなりました(汗)猫楽者 E-mail 2003/4/22 00:01:54
記事番号14039へのコメント

こんばんは、キツネノテブクロさん。
お元気ですか、猫楽者です。
1日に1話ずつ投稿なさっていますね。すごいのです。
すいません・・・・・遅くなってしまいましたが、感想を書かせて頂きました。
第3章〜第6章まで、まとめてということになってしまいました(汗)、ごめんなさい。

>「ホントに気が短いんだから・・・・・・あたしをこの世界に召喚したバカが居るのよ。
>何のために召喚したのか知らないけど、どうもあたし以外にも召喚されたのが居るみたい、それもお母様が創った世界じゃなくて、別の混沌世界から召喚したみたいなのよ」
>妖艶な笑みを浮かべ、白霧はルビーアイの方を見ながら言う。
>「・・・・・・・・・何か今・・・・・いっそこのままさっさと滅びたくなったぞ・・・・・・」
>氷の奥で器用に遠い目しながら、ルビーアイは呟き、腹心達の方も、主の言葉に頷いている。
>「何どしたの?
>ルビーアイ、何遠い目してんのよ、そこの三人、何泣いて頷いてんの?(汗)」
>ちょっと引きつつ、デスフォッグは一応聞いてみる・・・・で、ふと思い出す。

涙する獣王さま、海王さま、覇王さま。そしてSさま・・・・・・思わず現実逃避したくなるお気持ちなのですね(汗)
皆さん方から、ものすごい負の感情が出ていそうですね。

>――そう言えばこの世界って、不幸続きだったわよね(汗)
>
>そう、この世界はとにかく不幸だった。
>金色の魔王は降臨するは、異界の魔王は暴れるは、挙句の果ては神や魔の高位の存在は襲われるは・・・・
>それがここ数年のこと。

赤の世界・・・・・・不幸続き・・・・でしたね(汗)
白霧(デスフォッグ)さま、あなたさまは、この世界で暴れたりは・・・・・・なさらないですよね?
異世界の魔王さまを召喚することが出来るような、すごい力を持った方。
白霧(デスフォッグ)さまは、召喚された、とはいえ召喚者の指示に従わなければならない。
そんな制約はないのでしょうか。

>「獣王様、ただいま戻りました」
>ゼロスが戻ってくると、獣王は白霧と海王と一緒に優雅にティータイム中だった。
>「買出しご苦労」
>「はい、一応言われ物は買ってきましたよ」
>ゼロスはそう言いながら、色々なお茶菓子を並べていく。

買出し・・・・・・この世界で5本の指に入るほどのお力を持ち。
『竜殺し』の別名を御持ちの『獣神官』さんが・・・・・・お菓子を買いに行く役・・・・・・(笑)
なんと言いますか・・・・・お菓子を買っている御姿・・・・・全然・・・・・違和感が無いのが・・・なんとも(笑)

>・・・・・ぼたっ・・・・
>
>ローブの裾に、黒い塊が落ちる。
>「・・・・この体・・・腐り始めたか・・・・」
>ローブの男の左腕があったはずの場所・・・・左の肩口からは、黒い膿の様なものが滲んでいる。
>落ちた黒い塊は、膿が固まったものだった。
>「まあ、いい・・・・・・・・・」
>歪んだ笑みを浮かべる口元だけが、フードからわずかに覗いていた。
>
>――絶望しろ・・・・この世界に生きるものよ・・・・

なにを大切に思うのかは、人それぞれ。
どんな方にも、なによりも大切なもの、というものは有るのかも知れませんけど・・・・・・。
この世界に生きる全ての存在に、絶望を与えようとするほど・・・・・・・この方の悲しみと絶望は深いのでしょうか。

>血の様に赤い髪に赤い瞳の男、もし見るものが居たならその人形めいた容姿に、背筋が寒くなる事だろう・・・・
>何処から持ち込んだのか、赤い男は豪奢な家具を揃え、優雅に椅子に腰掛け、水鏡に映るモノを静かに見ている。
>水鏡を覗き込み、赤い男は薄く笑う。
>彼が振りまいた幾つもの欠片・・・・それが様々な形となって現れている。
>時にはそれが狂気と呼ばれ、時には野心となる・・・・・・・。
>「Show, and your truth ・・・ . (見せてもらうよ、君たちの真実を・・・・)」
>薄い笑みを浮かべて見る、その赤い瞳には冷たい光が浮かんでいる。

この世界へ、様々な影響を与えている『欠片』。
狂気・・・・・野心・・・・・こう言っては失礼かも知れませんが・・・・・・・。
この世界に混乱の火種をバラまき、その火に風を送り込んで煽り・・・・楽しんでいるのでしょうか(汗)

>「No withering thought to be able to make me free. (我を自由に出来ると思う無かれ)」
>
>赤い男の呟きを聞く者は無い・・・・・
>水鏡には様々なものが写っていた、竜王たちや魔族の行動、リナ達四人の動きにあらゆる国々の動き。
>それをただ、じっと見ていた・・・・

この島に居ながらにして、この世界のほとんど全て『みる』ことが出来るのですね。
水鏡に写る方々のお姿を見て、赤い男の方は・・・・・なにを思っているのでしょうか。
『真実』というのが、どんな意味なのか・・・・・考えると・・・・何故か・・・怖いのですが(汗)

>リナたちが、セイルーンで合流して一夜が明けた後、ゼルガディスはアメリアの下を訪れていた。
>「・・・で、ミーティング用に使えないかと思ってな」
>「うーん、多分できると思います。
>魔道士の方たちに作ってもらいます」
>「すまんな。
>本当はゼフィーリアから、現物を持ち込めれば良いんだが・・・・なにせかなりでかいから・・・」
>「気にしないでください。
>でも、ゼルガディスさんのお母様って凄い人なんですね。
>こんなもの作ってしまうなんて・・・・」
>「正確に言えば、元はレゾのアイデアだ。
>親父が使えると思って母さんに作ってもらったらしい」
>そう言いながら、ゼフィーリアから持ち込んだ魔道書をアメリアに手渡す。
>「細かい設定なんかは俺がするから、基礎だけをそっちで頼む」
>「じゃあ、魔道士たちを招集しますね」
>そう言うとアメリアは魔道書を持って行った。
>「まあ、ゼフィーリアのは本気ででかいし、設定が細かすぎて他の奴らじゃ使えないしな・・・」
>アメリアが出て行った方を見ながら、ゼルガディスはぽつっと呟いた。

なるほど、あの装置(でしょうか)は『赤法師』さまのアイディアだったのですね。流石です。
ラダマンティスさんのことは、『親父』。
そしてメティスさんのことは『母さん』と、お呼びしているのですね。

>トロナはただ純粋に人々の役に立ちたくて、神官の道を選んだのだが、この国の司祭や神官たちはまるで貴族たちのように、権力争いをしている。
>神の言葉を伝えるものとして、もともと神官たちの地位は高かったが、ここ数年は更にそれが酷くなっている。

この国には、もはや『本物』の聖職者は・・・・・居ないのでしょうか。
人々を救い、導くハズの司祭や神官の方々が・・・・・権力争い・・・・(汗)
上の方々が・・・・・これでは・・・・寺院内も・・・・いろいろとすごいことになっていそうですね。

>――おじいちゃんの様な神官って居ないんだよな・・・・
>
>神官修行を始めて直ぐに、トロナは失望したのだ、この国の神官や司祭たちに・・・・
>彼はまだ少年でありながら、司祭にすら使えぬ神聖魔法を使えていたが、それを誰にも言ってはいなかった。
>知られれば、彼は道具として使われるのを何処かで解っていたから。

トロナさんの祖父の方、本物の神官さんですね。
こういう方が、寺院の上層部に居てくだされば・・・・・良かったのに・・・・。

こんな状況では、誰にも言わない方が良いのでしょうね。
『力』を利用しょうとする方々の争いに巻き込まれて・・・・・下手したら暗殺されてしまうかも(汗)

>元帥である自分に表立っては何も言わないだろうが、命令無視ぐらいはやりかねない。
>その上、血の気の多い連中は功を早って戦列を崩しかねない。
>「問題児だけ一個にまとめてぶつけてやろうか、忌々しい(怒)」

そうしましょう!
高貴な貴族の方々には、一個にマトマッテ頂いて、『敵』の魔法と
『味方』の大砲の集中砲火で、貴族の方々好みのド派手な舞台で散って頂きましょう!?
そうすれば、『帝国』もどんなにか暮しやすくなることでしょうか。

>この国に騎士団と呼ぶようなモノが無くてよかったと、アレクセルは思う。
>いるのだ、勘違いの騎士道精神掲げるバカが・・・・・一騎打ちこそ騎士の、貴族の誉れと・・・・・
>「・・・・・あー・・・・マジで頭痛がする・・・」

元帥閣下。どうかお体を大切になさってください。
それにしても・・・・・このままでは・・・・元帥閣下・・・・・近いうちに・・・
『だああああああ!?もお、いい加減にせんか〜(怒)』と、ぶち切れてしまいそうですね(汗)

>「全くです・・・そう言えば、今回は神官をどうしますか?」
>「ただ、喚くだけでろくすっぽ呪文の使えん司祭や神官は邪魔だ、かといって乗せない訳にもいかん・・・」
>「いっそ、見習いでも連れて行きますか?
>なるべく素直そうな奴を探して」
>「それで戦争の無意味さと非情さを教えるのか?
>艦隊の総旗艦および、艦隊旗艦には神官を乗せる、政治的交渉をする場合の補佐役として(実際神官どもに任せられん)・・・・この下らん規約に従えと?」

政治的こおしょうの補佐役・・・・・ですか・・・・。
しかも実際のこうしょうの場に出て来もしないで・・・・なにもしないで・・・・ああせい、こおせいと・・・・・
安全な場所から、偉そうに言うだけ・・・・・・。
政治的な交渉をスムーズに行かないようにし・・・・・・。
艦隊内を無用に混乱させ士気を低下させる・・・・ような気がするのですが。

>ヴィシュヌ:ねえ、私の出番まだ?
>
>まて、もうすぐだから;;
>
>ゼル:誰だ?
>
>そのうち出るよ。
>まあ、当分はゼルガディス達とは顔をあわせる事のないキャラだけどさ。
>
>ヴィシュヌ:早く出してねv

ヴィシュヌさん♪、早く出番が来ると良いですね♪
楽しみにお待ちしております♪

>わかってるよ。
>
>ゼル:・・・(じーっとヴィシュヌを観察中)

ゼルガディスさん。いくらヴィシュヌさんが『美人さん』だからといって(笑)
あまり『美人さん』を、じーっと見るのは、どうかと思うのですが、アメリアさんがスネちゃいますよ(笑)

>「我ら竜王は夢など見ぬ、我らの見る夢には力が宿るゆえに・・・」
>「聞いたことねえか?竜の見る夢は不思議な力があるって。
>実際には普通の竜族とかにはそんな力ねえけど、さすがに神でもある竜王にはその不思議な力があるんだろうさ」
>フレイの説明に、ヴァルが付け足すように答えている。

夢を見ない・・・・・のですか。
辛く悲しい夢もありますけど、楽しい夢や現実の世界では、もう2度と会えなくなってしまった人と
夢の中で会うことが出来る・・・・・こともあるのに・・・・。
この世界の神族の頂点である竜王さま方は、夢は見ないのですね。

ガーヴさま。魔族の方々は、夢を見るのでしょうか?

>小さい頃のヴァルしか知らない自分が、今の事で何かを言えるわけではない、それでも・・・
>「ヴァル、何時でも頼っていいぞ・・・私はお前の味方だからな・・・」
>一瞬きょとんとした表情を見せたが、すぐに嬉しそうにヴァルは頷いた。
>
>――何時までも子供のままでいるわけがないか・・・
>
>記憶の中のヴァルはまだ小さく、親の庇護を必要とするような弱い存在だった。
>それがいつの間にか大きくなり、最早大人達の手を必要としなくなっている、それが妙に淋しいと感じてしまう。
>
>――お前の背負うものが何であれ、私たちはお前の支えになってやりたいんだよ・・・
>
>言葉にはしない、言葉にする事も無い・・・・しなくても伝わっていると信じているから、とヴィシュヌは思う。

子供は、やがて大人になります。
そして、どんな道かは分かりませんが、自分で選んだ道を自分自身の足で歩いてゆくのですね。
ヴィシュヌさん。どうかヴァルさんに御力を貸してさしあげてください。
どんどん大きくなる我が子の姿は、とても嬉しく、そして少し寂しいもの・・・・でしょうか(微笑)
どんなに大きくなっても、親であり、子供であることは、ずっと変わらないのでしょうね。

>「それより僕はもう失礼しますね。
>じゃっ!」
>そう言うとさっさと空間を渡って行ってしまった。
>「逃げたな」
>「逃げましたね」
>ゼロスが消えた方を見つつ、ヴァルとフィリアが呟く。
>ここに居てもヴィシュヌのおもちゃになるか、ガーヴに絞め殺されるかするだけだろう。

ゼロスさん(笑)、情報をお伝えに来て・・・・・・予想外の方々と出会って・・・・・。
やはり不幸になねのですね(笑)
どうにか無事(?)に、逃げることが出来て、本当に良かったです〜。

>二人は近くの食堂で遅い昼食をとりつつ、話し込んでいた。
>「・・・と言うわけで、その信者どもを探してるんだ」
>グアヴァはかいつまんだ説明をしつつ、クロイセルに問う。
>「赤い神官服か・・・・・以前聞いたことがあるな、赤の竜神≠熱狂的に信奉する教団があることを。
>その教団の教義はちょっと覚えてないが、けっこう過激な連中だったはずだが・・・・」
>「その教団の本部がどこにあるか知らないか?」

あの教団ですね・・・・・・まあだ生き残り、活動しているのですか。
しかもグアヴアさんの調査でも、本部が分からない。
教団の上の方々は、すごく用心深いのですね。組織内の横、そして上下の繋がりを
ほとんど持たせていないのでしょうか。

>アレクセルはサニディンに好印象を抱いていた、トロナとは違う雰囲気をしているが、真っ直ぐで曇りない瞳をしている事が、何より気に入った。
>「・・・はい、お受けします」
>「ホント!?サニー!」
>トロナが嬉しそうに言うのを、サニディンは苦笑しながら頷く。
>「では、後日改めて正式に要請書を送る事になると思う。
>かなり長い航海になるから、そのつもりで準備しておいてくれるかい」
>アレクセルは微笑ましそうに二人を見ながら、それだけを伝え神殿を後にした。
>
>――若い希望の子供達か・・・・
>
>アレクセルは心が温かくなるような気持ちで、元帥府へと戻っていった。

トロナさん、サニーさん。どうかご無事で。
この国の、そして世界の未来は、やがて・・・・あなた方若い世代の方々に・・・・・・。
戦争の続く時代が終わり、1日も早く平和になると良いですね。

>ゼロス不幸(笑)
>
>ダイ・グ:ホントに不幸だな、ゼロス様。

買出しから戻り、伝令(?)に出て、ヴィシュヌさんの玩具にされてしいましたね(笑)
ゼロスさんの不幸な御姿・・・・面白かったです(待て)

>・・・・・・・君の出番当分予定してないんだけど;;
>何故にここに居る?
>
>ダイ・グ:紹介してくれないのか?私のこと。
>
>えーと、覇王様の部下の魔族以上。
>
>ダイ・グ:短い;;
>まあ、同僚の方が先に出るんだろうけど。
>
>・・・・ダイ・グと聞いてわかる人が何人居るかなあ・・・・・
>
>ダイ・グ:心配性のおぼっちゃま≠ゥ(笑)

ダイ・グさん。
フィルモア5世?さま。でしょうか。

>まあ、読んで下さってる方には、こいつが何時出るか、気長に待っていてもらいましょう。
>ではこの辺で。

すいません。遅くなってしまいました。
グアヴァさんは、あの教団を壊滅させるまで追い続けるのでしょうか。
帝国は着々と侵略戦争の準備を整え、対して結界内では、まだ国々の協力体制が出来ていないのですね。
大規模な戦争へと向かって行く人間。
竜王さま方は、夢のことで何か不安を抱いているようですし。
異世界から召喚された方々と、自らを犠牲にしてまで召喚した男の方。
魔族の方々が、今の所1番平和・・・・・なのかも知れませんね。
続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにしております。

4月も半分以上過ぎてしましましたね。
暖かくなったと油断していましたら、いきなり寒くなったりするようですね。
どうかお体にお気を付けて。
では、失礼します。

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14057Re:遅くなりました(汗)キツネノテブクロ 2003/4/22 16:16:06
記事番号14050へのコメント


>こんばんは、キツネノテブクロさん。
>お元気ですか、猫楽者です。
>1日に1話ずつ投稿なさっていますね。すごいのです。
>すいません・・・・・遅くなってしまいましたが、感想を書かせて頂きました。
>第3章〜第6章まで、まとめてということになってしまいました(汗)、ごめんなさい。

こんにちは、キツネノテブクロです。
まとめての感想ありがとうございます。

>涙する獣王さま、海王さま、覇王さま。そしてSさま・・・・・・思わず現実逃避したくなるお気持ちなのですね(汗)
>皆さん方から、ものすごい負の感情が出ていそうですね。

ものすごい量なのではないかと思います(笑)
自分で出した負の感情を自分で吸収してるんじゃないかと・・・

>赤の世界・・・・・・不幸続き・・・・でしたね(汗)
>白霧(デスフォッグ)さま、あなたさまは、この世界で暴れたりは・・・・・・なさらないですよね?

白霧は暴れる予定は全くありません。

>異世界の魔王さまを召喚することが出来るような、すごい力を持った方。
>白霧(デスフォッグ)さまは、召喚された、とはいえ召喚者の指示に従わなければならない。
>そんな制約はないのでしょうか。

召喚されたなどと言ってますが、玻璃(ラダマンティス)の気配がしたからなんとなく来てみたといったところです。

>買出し・・・・・・この世界で5本の指に入るほどのお力を持ち。
>『竜殺し』の別名を御持ちの『獣神官』さんが・・・・・・お菓子を買いに行く役・・・・・・(笑)
>なんと言いますか・・・・・お菓子を買っている御姿・・・・・全然・・・・・違和感が無いのが・・・なんとも(笑)

いや、他の魔族に買いに行かせると、変なものとか買ってきそうじゃないですか。
その点、ゼロスなら問題ないだろうと判断したんでしょう。

>なにを大切に思うのかは、人それぞれ。
>どんな方にも、なによりも大切なもの、というものは有るのかも知れませんけど・・・・・・。
>この世界に生きる全ての存在に、絶望を与えようとするほど・・・・・・・この方の悲しみと絶望は深いのでしょうか。

深すぎます。
この男が失ったものは、どうあがいても取り戻せないものですし、代わりのきくものも存在しないのです。

>この世界へ、様々な影響を与えている『欠片』。
>狂気・・・・・野心・・・・・こう言っては失礼かも知れませんが・・・・・・・。
>この世界に混乱の火種をバラまき、その火に風を送り込んで煽り・・・・楽しんでいるのでしょうか(汗)

楽しんでいる部分はあるかもしれませんね(汗)

>この島に居ながらにして、この世界のほとんど全て『みる』ことが出来るのですね。
>水鏡に写る方々のお姿を見て、赤い男の方は・・・・・なにを思っているのでしょうか。
>『真実』というのが、どんな意味なのか・・・・・考えると・・・・何故か・・・怖いのですが(汗)

そこが見えないキャラなので、けっこう怖いものがあったりします。
彼が見たいと願う真実・・・・いずれ彼自身が説明するかもしれません。

>なるほど、あの装置(でしょうか)は『赤法師』さまのアイディアだったのですね。流石です。

たぶん想像なさってる装置だと思います。
アニメのレゾの研究所、けっこう変なものがあったので、こういうものも考えたんじゃないかなと思いまして。

>ラダマンティスさんのことは、『親父』。
>そしてメティスさんのことは『母さん』と、お呼びしているのですね。

ゼルが『おふくろ』と呼んだら、メティスが『お母様と呼んで!』とか言って親子喧嘩になった末、今の『母さん』で落着いたんです(笑) 

>この国には、もはや『本物』の聖職者は・・・・・居ないのでしょうか。
>人々を救い、導くハズの司祭や神官の方々が・・・・・権力争い・・・・(汗)
>上の方々が・・・・・これでは・・・・寺院内も・・・・いろいろとすごいことになっていそうですね。

本来の聖職者は神殿や寺院を離れてしまってます。
権力争いに嫌気がさしたのや、寺院にいては何もできないと思った方たちは、野に下ってます。

>トロナさんの祖父の方、本物の神官さんですね。
>こういう方が、寺院の上層部に居てくだされば・・・・・良かったのに・・・・。

こういう人は出世できないんですよ、今の神殿だと。
思うように活動もできないだろうし・・・・困ったものです。

>こんな状況では、誰にも言わない方が良いのでしょうね。
>『力』を利用しょうとする方々の争いに巻き込まれて・・・・・下手したら暗殺されてしまうかも(汗)

トロナは聡明な子ですから。
ちょっと、気の弱い所もありますが(笑)

>そうしましょう!
>高貴な貴族の方々には、一個にマトマッテ頂いて、『敵』の魔法と
>『味方』の大砲の集中砲火で、貴族の方々好みのド派手な舞台で散って頂きましょう!?
>そうすれば、『帝国』もどんなにか暮しやすくなることでしょうか。

ああ、そうできればどんなに楽かあ・・・(TT)

>元帥閣下。どうかお体を大切になさってください。
>それにしても・・・・・このままでは・・・・元帥閣下・・・・・近いうちに・・・
>『だああああああ!?もお、いい加減にせんか〜(怒)』と、ぶち切れてしまいそうですね(汗)

その前に胃に穴があいて病院に担ぎ込まれそうな;;

>政治的こおしょうの補佐役・・・・・ですか・・・・。
>しかも実際のこうしょうの場に出て来もしないで・・・・なにもしないで・・・・ああせい、こおせいと・・・・・
>安全な場所から、偉そうに言うだけ・・・・・・。
>政治的な交渉をスムーズに行かないようにし・・・・・・。
>艦隊内を無用に混乱させ士気を低下させる・・・・ような気がするのですが。

その通りだったりします。
だから、元帥たちは頭が痛いんです。

>ヴィシュヌさん♪、早く出番が来ると良いですね♪
>楽しみにお待ちしております♪

ヴィシュヌ:ありがとう♪

>ゼルガディスさん。いくらヴィシュヌさんが『美人さん』だからといって(笑)
>あまり『美人さん』を、じーっと見るのは、どうかと思うのですが、アメリアさんがスネちゃいますよ(笑)

別に美人だから見てるわけじゃないんですけど(笑)
アメリアは誤解しそうですね(笑)

>夢を見ない・・・・・のですか。
>辛く悲しい夢もありますけど、楽しい夢や現実の世界では、もう2度と会えなくなってしまった人と
>夢の中で会うことが出来る・・・・・こともあるのに・・・・。
>この世界の神族の頂点である竜王さま方は、夢は見ないのですね。

夢には力があると思うんです。
人は悲しいことが起きると、夢を見ることで悲しみを癒すと言われてますし・・・・
神ともなればその力大きいと思うんですよね。

>ガーヴさま。魔族の方々は、夢を見るのでしょうか?

魔族って夢を見る以前に、眠るんでしょうか??

>子供は、やがて大人になります。
>そして、どんな道かは分かりませんが、自分で選んだ道を自分自身の足で歩いてゆくのですね。
>ヴィシュヌさん。どうかヴァルさんに御力を貸してさしあげてください。
>どんどん大きくなる我が子の姿は、とても嬉しく、そして少し寂しいもの・・・・でしょうか(微笑)
>どんなに大きくなっても、親であり、子供であることは、ずっと変わらないのでしょうね。

どんなに時がたっても、変わらない関係もありますしね。
血の繋がりだけは何がどうあっても、変わらないものですし。

>ゼロスさん(笑)、情報をお伝えに来て・・・・・・予想外の方々と出会って・・・・・。
>やはり不幸になねのですね(笑)
>どうにか無事(?)に、逃げることが出来て、本当に良かったです〜。

つくづく不幸なと言うか・・・(笑)
これ以上おもちゃになる前に逃げましたね。

>あの教団ですね・・・・・・まあだ生き残り、活動しているのですか。
>しかもグアヴアさんの調査でも、本部が分からない。
>教団の上の方々は、すごく用心深いのですね。組織内の横、そして上下の繋がりを
>ほとんど持たせていないのでしょうか。

かなり怪しすぎてどういう状態にあるのか不明です。
帝国の腐った神官たちとタメはるぐらい、困った集団です。

>トロナさん、サニーさん。どうかご無事で。
>この国の、そして世界の未来は、やがて・・・・あなた方若い世代の方々に・・・・・・。
>戦争の続く時代が終わり、1日も早く平和になると良いですね。

次の世代の新しい希望になってくれれば良いのですが・・・

>>ゼロス不幸(笑)
>>
>>ダイ・グ:ホントに不幸だな、ゼロス様。
>
>買出しから戻り、伝令(?)に出て、ヴィシュヌさんの玩具にされてしいましたね(笑)
>ゼロスさんの不幸な御姿・・・・面白かったです(待て)

ゼロスは何故か出るたびに、何かしら不幸な目にあってますね(笑)

>>・・・・ダイ・グと聞いてわかる人が何人居るかなあ・・・・・
>>
>>ダイ・グ:心配性のおぼっちゃま≠ゥ(笑)
>
>ダイ・グさん。
>フィルモア5世?さま。でしょうか。

正解です(笑)

>>まあ、読んで下さってる方には、こいつが何時出るか、気長に待っていてもらいましょう。
>>ではこの辺で。
>
>すいません。遅くなってしまいました。
>グアヴァさんは、あの教団を壊滅させるまで追い続けるのでしょうか。
>帝国は着々と侵略戦争の準備を整え、対して結界内では、まだ国々の協力体制が出来ていないのですね。
>大規模な戦争へと向かって行く人間。
>竜王さま方は、夢のことで何か不安を抱いているようですし。
>異世界から召喚された方々と、自らを犠牲にしてまで召喚した男の方。
>魔族の方々が、今の所1番平和・・・・・なのかも知れませんね。
>続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにしております。

色々と謎やら問題やらでまくって、今回も収集がつくのかかなり不安ですが、気長にお付き合いくださるとうれしいです。
それにしても、魔族は平和だなあ・・・

>4月も半分以上過ぎてしましましたね。
>暖かくなったと油断していましたら、いきなり寒くなったりするようですね。
>どうかお体にお気を付けて。
>では、失礼します。
>
感想ありがとうございました。

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14064Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第6章颪月夜ハイドラント 2003/4/22 21:31:59
記事番号14039へのコメント

こんばんはラントです。お久しぶりです。

>神殿の中に戻ると、何故かゼロスがいた、しかも半透明になって・・・
>「・・・ゼロス、何してるんだ?」
>脱力したようにヴァルが問いかけると、うつろな表情でゼロスがゆっくりと向き直る。
>「ああ、ヴァルガーヴさん・・・お元気でした?」
>声に抑揚がない、と言うより目の焦点が合ってない。
>ゼロスのその様子に、ヴァルは半目になってヴィシュヌの方に向くと、何処と無く疲れたような調子で・・・
>「ヴィシュヌ・・・・・これで遊んだのか?(疲)」
>「魔族って反応が面白くってvv」
一体どんな目に・・・。

>「天竜王、地竜王・・・・・・お前たちがかつての、私と同じ罪を犯すのか?」
ううむ重い言葉ですな。
やはり経験者は強い(?)

>「はい、サニディン=パイロファンって言います。
>ボクと同じ神官見習いなんです」
パイロファン・・・石っぽい名前ですがどうなのでしょう。

>この人選を間違うと、内乱が起きた時にかなり困った事になる。
>「・・・・どうするかなあ・・・・・」
>頭を悩ませつつも、仕事をこなすアレクセルだった。
ううむ元帥も楽ではないですね。

神などのサイドと軍事的な場面がともに書けてるのが凄いですね。
いつ関わるのか・・・竜の見る夢読んでいた時も思いましたがどれほどの長編になるのでしょう。
ともあれがんばってください。

それでは・・・

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14072Re:The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第6章キツネノテブクロ 2003/4/23 09:55:22
記事番号14064へのコメント


>こんばんはラントです。お久しぶりです。

今日はキツネノテブクロです。

>>神殿の中に戻ると、何故かゼロスがいた、しかも半透明になって・・・
>>「・・・ゼロス、何してるんだ?」
>>脱力したようにヴァルが問いかけると、うつろな表情でゼロスがゆっくりと向き直る。
>>「ああ、ヴァルガーヴさん・・・お元気でした?」
>>声に抑揚がない、と言うより目の焦点が合ってない。
>>ゼロスのその様子に、ヴァルは半目になってヴィシュヌの方に向くと、何処と無く疲れたような調子で・・・
>>「ヴィシュヌ・・・・・これで遊んだのか?(疲)」
>>「魔族って反応が面白くってvv」
>一体どんな目に・・・。

本当に一体どんな目み合わせたんでしょう・・・・ヴィシュヌは・・・・

>>「天竜王、地竜王・・・・・・お前たちがかつての、私と同じ罪を犯すのか?」
>ううむ重い言葉ですな。
>やはり経験者は強い(?)

重い言葉です。
経験者の言葉と言うのはやはり重みがあるのでしょう。

>>「はい、サニディン=パイロファンって言います。
>>ボクと同じ神官見習いなんです」
>パイロファン・・・石っぽい名前ですがどうなのでしょう。

トロナにコランダム、サニディンにパイロファンも全部鉱石の名前です。

>>この人選を間違うと、内乱が起きた時にかなり困った事になる。
>>「・・・・どうするかなあ・・・・・」
>>頭を悩ませつつも、仕事をこなすアレクセルだった。
>ううむ元帥も楽ではないですね。

まじめに仕事すればするほど、苦労してそうです。

>神などのサイドと軍事的な場面がともに書けてるのが凄いですね。
>いつ関わるのか・・・竜の見る夢読んでいた時も思いましたがどれほどの長編になるのでしょう。

どれほどの長さになるのか、予想がつきません;;

>ともあれがんばってください。
>
>それでは・・・

感想ありがとうございました。

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14073The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第7章キツネノテブクロ 2003/4/23 12:00:26
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















――――平和とはなんだろうか?――――















――――答えは――――















――――ひとつじゃないだろうけど――――















――――どれほどの嘆きを――――















――――繰り返せば――――















――――血を流さずにすむのだろう――――












――――誰か教えてください――――
















――――答えを――――












――――示して――――
















翌日。
フレイたちは天竜王の神殿を離れ、一度火竜王の神殿に戻る事にした。
現在、火竜王の代行をしているザードと話し合うためでもある。
「ディアも呼ばねばならないだろうな・・・・」
「フレイ、俺は一度北に行って来る。
何か解るかも知れないからな」
それだけ言うと、ガーヴは空間を渡って姿を消す。
「ヴァルはどうする?」
フレイはヴァルの方を向いて訊いてくる。
「・・・そうだな・・・・親父たちのとこにでも顔見せてから、そっちに行くさ」
「あの・・・私も行って良いですか?」
フィリアの言葉に、ヴァルは驚いたような表情を見せる。
「止めといた方が良い、あんたはゴールドドラゴン・・・・・何も好き好んで、エンシェントドラゴンの居る場所に来なくても・・・。
未だにゴールドドラゴンを許せない奴らが多いんだ、あんたが殺されかねない・・・・」
何と無く困ったような表情で、フィリアにヴァルは言うが・・・

――連れてったら親父たちが何言い出すか・・・・(ため息)

本心は、孫の顔が見たいと言っている父親や、祖父連中がそのまま結婚しろだの言い出しそうな、そんな気配がひしひししている為。
他のエンシェントドラゴンに関しては、ヴァルがフィリアに言った通り事なのだが。
「わりいけど・・・」
「解りました、私は火竜王様の神殿にお供します」
「ところで巫女よ、店は大丈夫なのか?」
『・・・・(汗)』
フレイに店のことを言われて思わず黙り込む二名・・・・忘れていたらしい・・・・
今ごろ、グラボスやジラスが頑張って留守番していることであろう。






ガーヴは北の魔王の所に居る白霧の下を訪れていた。
「貴方が魔竜王?
ルビーアイから離反したって子ね」
「子ってがらじゃあねえけどな」
「知りたいのは何かしら?」
白霧はくすりと笑うと、ガーヴに問いかける。
「召喚されたって奴らについて、知りうるかぎり」
「・・・そうね・・・あたしも余り解らないから、詳しくは言えないけど。
あたしを含めても3体ぐらいだったと思うわ、ただね・・・魔の感じはしなかったけど・・・」
それだけ言うと小首をかしげる。
「貴方に訊いてみようかしら、白に近い銀髪に銀の目の男の子知らない?」
「うーん・・・・記憶に無えなあ」
「そう・・・」

――あの子に会ってそれでどうしたいのかしら、あたしは・・・・






ててててぽて。

「兄ちゃん♪」
ヴァルが姿を見せるとルースが一番に走り寄ってきて、ひしっと足にしがみつく。
「ルース、少し背が伸びたか?」
ルースを抱き上げそのまま奥に向かう。
「何時の間にこんなに広がってんだ?
この家は・・・・(汗)」
以前、ルースを帰しに来た時より何故か間取りが増えている。

――お嬢さん連れてこなくて正解だったかも知れねえ(滝汗)

「あれ、ヴァル帰ってたの」
ヴァルに気づいてカーリーが声をかけてくる、食事の用意でもしていたのだろう、手には色んな野菜入った籠を持っている。
「なあ、何でこんなに部屋が増えてんだ?」
「ヴァルの部屋増やしただけよ、何の為か聞きたい?」
「聞きたくない」
悪戯っぽい笑みを浮かべて母が言うのをみて、ヴァルは何と無く理由が解ってしまった。

――まだ、若いくせに孫を欲しがる年でもねえだろ・・・・(汗)

この時ほど、フィリアが付いて来なくて良かった、と思ったヴァルだった・・・・






ぱたぱたぱた・・・ぽてん。

「ふみゅぅぅ」
最近飛ぶ事を覚えたルースは、ヴァルの前で飛んでいたのだが、一mほど飛ぶとぽてんと落ちては、泣きそうな顔をしていた。
「兄ちゃん(;x;)」
何度かそうやって飛んでいたが、終いにはヴァルにしがみつく。
ヴァルも苦笑しながらも抱き上げて膝の上に座らせ、泣き出さないようにあやしている。
その様子を見ていたカーリーは一言。
「シヴァより父親みたいに見えるわね」
「・・・カーリー、それじゃ俺の立場は?(−ー;」
シヴァは妻のセリフに情けない声を出して、抗議するが聞いてはもらえなかった。
ヴァルの方はカーリーの言葉に、座っていた椅子からずり落ちそうになるが、ルースを落とすわけにいかず何とか踏みとどまる。
「・・・・マジでいい加減にしてくれ」
「♪(^^)」
ルースの方はとにかく大好きな兄にかまって貰えて上機嫌だった。






赤い男は珍しく海辺まで来ていた。
人形めいた容姿は美しいのだが、何故かそれを素直に頷けない何かが男にはあった。
「まだだよ、―――――。
君はまだ出番じゃない、そこで眠っているといい・・・・・ボクが舞台をととのえてあげるヨ。
君が動きやすくなるように・・・・」
すうっと唇を上げ海の底に蠢くモノへ話しかける。
「ボクも動こうカナ。
・・・・この世界の人間は楽しイネ」

――どうせなら、間近で楽しまないトネ・・・・







ヴァリシア帝国、皇居の奥の皇帝の私室、アダマスはゆったりと椅子に腰掛け、グラスを傾けていた。
「・・・・そこにいるのは誰だ?」
カーテンが揺れ、姿を見せたのは仮面の道化師。
「ゼクス・・・」
「陛下、量を過ぎると体に毒ですよ」
ゼクスと呼ばれた仮面の道化師は、アダマスの手からグラスを取り上げる。
「どうせ飲むのなら、お茶にしてください」
「・・・」

『独裁者って言うからどんな人かと思ったケド・・・』

「何者だ?」
何時の間に現れたのか、赤い髪に赤い瞳の男が立っている。
『ボク?
ステフって言うんダヨ』
「妖(あやかし)か」
『ちょっと違うカナ。
似てるかもしれないケド』
アダマスの静かな声に、ステフは怪しく微笑みながら言葉を返す。
『豪胆な人だね、面白いヨ。
ボクの力を使う気ない?』
ステフの言葉に、アダマスとゼクスは顔を見合わせる。
「ステフとやら、俺は妖の力を借りる気なぞ無い。
立ち去れ」
『そっか、気が向いたら呼んでヨ♪
じゃあね・・・・・・・皇帝陛下、ラウル君』
そう言うと、ステフは解けるように消えた。
「あの者・・・・お前の名を・・・」
「・・・・陛下、ラウルはこの世にはおりません。
そうでしょう?」
ゼクスはそう言うと、ふっと笑った・・・・・・・どこか哀しい笑みだったが・・・・















<続>


【あとがき】

ルース登場♪

L:ルースが登場すると平和な光景ね。
と言うか、冒頭のあれ何?随分暗いけど;;

聞かないでくださいませ(遠い目)

L:・・・・(汗)
なんか、キツネは現実逃避してるみたいだからこの辺で。
次もよろしくねvv

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14080ルースくん、可愛い〜!!エモーション E-mail 2003/4/23 21:41:29
記事番号14073へのコメント

こんばんは。

ルースくんが滅茶苦茶可愛いです〜。
子どもってやっぱり「幸せ」の象徴だと思います。
小さな子どもが、安心して笑っていられるような状況が「平和」なんだと思います。
平和を示すものはたくさんあるけれど、これは絶対の第一条件だと、そう思うので。
平凡でささやかで、ごく当たり前のように存在するのに、気を抜くと簡単に
壊れてしまうもの、壊れたら元に戻すのがとても難しいものだと知っていないと
すぐに失ってしまう。本当に扱いの難しいものですよね。


>――連れてったら親父たちが何言い出すか・・・・(ため息)
>
>本心は、孫の顔が見たいと言っている父親や、祖父連中がそのまま結婚しろだの言い出しそうな、そんな気配がひしひししている為。

……残念(笑)結納だの婚約だの仮祝言だのとなりそうで、楽しみなのに。

>「・・・そうね・・・あたしも余り解らないから、詳しくは言えないけど。\n>あたしを含めても3体ぐらいだったと思うわ、ただね・・・魔の感じはしなかったけど・・・」

まったく馴染みのない相手で、どんなものかも具体的に分からないけれど、
魔ではないくらいのことは分かったんですね。L様以外の異界のもの……
ク○ゥルー系列とかだと厄介です。

>「貴方に訊いてみようかしら、白に近い銀髪に銀の目の男の子知らない?」
>「うーん・・・・記憶に無えなあ」
>「そう・・・」
>
>――あの子に会ってそれでどうしたいのかしら、あたしは・・・・

〃親〃としてはやはり気になる、というところでしょうか。

>ててててぽて。
>
>「兄ちゃん♪」
>ヴァルが姿を見せるとルースが一番に走り寄ってきて、ひしっと足にしがみつく。
>「ルース、少し背が伸びたか?」
>ルースを抱き上げそのまま奥に向かう。

……この時点ですでに父親みたいです、ヴァルくん。これだけ年齢差があれば
仕方がないのかもしれませんが。

>「なあ、何でこんなに部屋が増えてんだ?」
>「ヴァルの部屋増やしただけよ、何の為か聞きたい?」

ご両親グッジョブ!! あとは地道に周囲への根回し運動です!!

>この時ほど、フィリアが付いて来なくて良かった、と思ったヴァルだった・・・・

問答無用で一晩同じ部屋に閉じこめられて、例え何もなくてもそれを口実に
婚約だの仮祝言だのくらいには、なだれ込みそうですしね。

>ぱたぱたぱた・・・ぽてん。
>
>「ふみゅぅぅ」
>最近飛ぶ事を覚えたルースは、ヴァルの前で飛んでいたのだが、一mほど飛ぶとぽてんと落ちては、泣きそうな顔をしていた。
>「兄ちゃん(;x;)」
>何度かそうやって飛んでいたが、終いにはヴァルにしがみつく。

可愛い……(めろりんきゅ〜)
これだけで私はノックアウトされる光景です。

>「シヴァより父親みたいに見えるわね」
>「・・・カーリー、それじゃ俺の立場は?(−ー;?
>シヴァは妻のセリフに情けない声を出して、抗議するが聞いてはもらえなかった。
>ヴァルの方はカーリーの言葉に、座っていた椅子からずり落ちそうになるが、ルースを落とすわけにいかず何とか踏みとどまる。

でも本当に父親みたいですよね。

>「まだだよ、―――――。
>君はまだ出番じゃない、そこで眠っているといい・・・・・ボクが舞台をととのえてあげるヨ。
>君が動きやすくなるように・・・・」
>すうっと唇を上げ海の底に蠢くモノへ話しかける。

海で寝てる(違う)ものと、赤い男は協力関係にある間柄なのでしょうか。
白霧さまが仰った3体のもの。ひとつが赤い男でもうひとつは海のもの(仮名)
として、もうひとつは……どこにいるのでしょう。

>「妖(あやかし)か」
>『ちょっと違うカナ。
>似てるかもしれないケド』
>アダマスの静かな声に、ステフは怪しく微笑みながら言葉を返す。
>『豪胆な人だね、面白いヨ。
>ボクの力を使う気ない?』
>ステフの言葉に、アダマスとゼクスは顔を見合わせる。
>「ステフとやら、俺は妖の力を借りる気なぞ無い。
>立ち去れ」

アダマスさん、さすがといいますか……。
方法は基本的な部分から完璧に間違えてますが、人の自立を望んでいる方は、
その手のものの力を借りようとは思いませんよね。少なくとも、現時点では。
このまま惑わされずにいることを願います。そこまでいったら本当にもう
「終わり」ですから。

>「・・・・陛下、ラウルはこの世にはおりません。
>そうでしょう?」
>ゼクスはそう言うと、ふっと笑った・・・・・・・どこか哀しい笑みだったが・・・・

ゼクスさんは、本当にもう割り切って物事を見ていますね。
ギリギリのところでストッパーになってくださると良いのですが。
あの手のものの力を借りたら、それこそ望みなんて叶うわけないのですから。

>L:ルースが登場すると平和な光景ね。
>と言うか、冒頭のあれ何?随分暗いけど;;

L様?! 
冒頭の文は後から誰かの言葉としてリンクしてくるのかなと思って
読んでました。
上手く答えは返せませんが。

>聞かないでくださいませ(遠い目)
>
>L:・・・・(汗)
>なんか、キツネは現実逃避してるみたいだからこの辺で。
>次もよろしくねvv

ルースくんの愛らしさで、めろりんきゅ〜な気持ちに浸りました。
ラストで赤い男まで動き始めたようで、さてどうなるのでしょうか。
続きを楽しみにしています。

それでは、この辺で失礼いたします。

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14086Re:ルースくん、可愛い〜!!キツネノテブクロ 2003/4/24 10:18:31
記事番号14080へのコメント


>こんばんは。
>
>ルースくんが滅茶苦茶可愛いです〜。
>子どもってやっぱり「幸せ」の象徴だと思います。
>小さな子どもが、安心して笑っていられるような状況が「平和」なんだと思います。
>平和を示すものはたくさんあるけれど、これは絶対の第一条件だと、そう思うので。
>平凡でささやかで、ごく当たり前のように存在するのに、気を抜くと簡単に
>壊れてしまうもの、壊れたら元に戻すのがとても難しいものだと知っていないと
>すぐに失ってしまう。本当に扱いの難しいものですよね。

おはようございます。
キツネノテブクロです。

ルースが登場するだけで、ほのぼの〜っとなりますよね。
この子は平和や守るべき者の、象徴みたいなところはあります。

>>――連れてったら親父たちが何言い出すか・・・・(ため息)
>>
>>本心は、孫の顔が見たいと言っている父親や、祖父連中がそのまま結婚しろだの言い出しそうな、そんな気配がひしひししている為。
>
>……残念(笑)結納だの婚約だの仮祝言だのとなりそうで、楽しみなのに。

結納だの婚約だの、そんなまどろっこしいことしないで、そのまま強引に結婚させちゃうでしょうね(笑)

>>「・・・そうね・・・あたしも余り解らないから、詳しくは言えないけど。
>あたしを含めても3体ぐらいだったと思うわ、ただね・・・魔の感じはしなかったけど・・・」
>
>まったく馴染みのない相手で、どんなものかも具体的に分からないけれど、
>魔ではないくらいのことは分かったんですね。L様以外の異界のもの……
>ク○ゥルー系列とかだと厄介です。

呼び出されたのは、ク●ゥルーじゃあないです。
が、あまり相手にしたくない類のものかもしれませんが・・・・

>>「貴方に訊いてみようかしら、白に近い銀髪に銀の目の男の子知らない?」
>>「うーん・・・・記憶に無えなあ」
>>「そう・・・」
>>
>>――あの子に会ってそれでどうしたいのかしら、あたしは・・・・
>
>〃親〃としてはやはり気になる、というところでしょうか。

世界最凶(最強?)の親って、どんな気分なんでしょうね・・・・

>>ててててぽて。
>>
>>「兄ちゃん♪」
>>ヴァルが姿を見せるとルースが一番に走り寄ってきて、ひしっと足にしがみつく。
>>「ルース、少し背が伸びたか?」
>>ルースを抱き上げそのまま奥に向かう。
>
>……この時点ですでに父親みたいです、ヴァルくん。これだけ年齢差があれば
>仕方がないのかもしれませんが。

父親にしか見えませんよね・・・・年齢差と考えると。

>>「なあ、何でこんなに部屋が増えてんだ?」
>>「ヴァルの部屋増やしただけよ、何の為か聞きたい?」
>
>ご両親グッジョブ!! あとは地道に周囲への根回し運動です!!

ここの家族総出で、二人をくっつけようとしてます(笑)

>>この時ほど、フィリアが付いて来なくて良かった、と思ったヴァルだった・・・・
>
>問答無用で一晩同じ部屋に閉じこめられて、例え何もなくてもそれを口実に
>婚約だの仮祝言だのくらいには、なだれ込みそうですしね。

ホントにやりそうな家族なんですけど(汗)

>>ぱたぱたぱた・・・ぽてん。
>>
>>「ふみゅぅぅ」
>>最近飛ぶ事を覚えたルースは、ヴァルの前で飛んでいたのだが、一mほど飛ぶとぽてんと落ちては、泣きそうな顔をしていた。
>>「兄ちゃん(;x;)」
>>何度かそうやって飛んでいたが、終いにはヴァルにしがみつく。
>
>可愛い……(めろりんきゅ〜)
>これだけで私はノックアウトされる光景です。

平和な光景ですよね(=▽=)

>>「シヴァより父親みたいに見えるわね」
>>「・・・カーリー、それじゃ俺の立場は?(−ー;?
>>シヴァは妻のセリフに情けない声を出して、抗議するが聞いてはもらえなかった。
>>ヴァルの方はカーリーの言葉に、座っていた椅子からずり落ちそうになるが、ルースを落とすわけにいかず何とか踏みとどまる。
>
>でも本当に父親みたいですよね。

まあ、父親のシヴァはルースのこと、ついうっかり踏んじゃう人ですから;;

>>「まだだよ、―――――。
>>君はまだ出番じゃない、そこで眠っているといい・・・・・ボクが舞台をととのえてあげるヨ。
>>君が動きやすくなるように・・・・」
>>すうっと唇を上げ海の底に蠢くモノへ話しかける。
>
>海で寝てる(違う)ものと、赤い男は協力関係にある間柄なのでしょうか。
>白霧さまが仰った3体のもの。ひとつが赤い男でもうひとつは海のもの(仮名)
>として、もうひとつは……どこにいるのでしょう。

えーと、白霧を含めて三体なので、もう一つは居ません(汗)
リニューアル前には、本当にもう一体居たんですが、出番が無さそうだったんで、削除してます。

>>「妖(あやかし)か」
>>『ちょっと違うカナ。
>>似てるかもしれないケド』
>>アダマスの静かな声に、ステフは怪しく微笑みながら言葉を返す。
>>『豪胆な人だね、面白いヨ。
>>ボクの力を使う気ない?』
>>ステフの言葉に、アダマスとゼクスは顔を見合わせる。
>>「ステフとやら、俺は妖の力を借りる気なぞ無い。
>>立ち去れ」
>
>アダマスさん、さすがといいますか……。
>方法は基本的な部分から完璧に間違えてますが、人の自立を望んでいる方は、
>その手のものの力を借りようとは思いませんよね。少なくとも、現時点では。
>このまま惑わされずにいることを願います。そこまでいったら本当にもう
>「終わり」ですから。

このまま惑わされることは無いと思いますが、ステフがこのまま引き下がるような奴じゃないので・・・
何かしらのちょっかいくらいはかけてきそうです。

>>「・・・・陛下、ラウルはこの世にはおりません。
>>そうでしょう?」
>>ゼクスはそう言うと、ふっと笑った・・・・・・・どこか哀しい笑みだったが・・・・
>
>ゼクスさんは、本当にもう割り切って物事を見ていますね。
>ギリギリのところでストッパーになってくださると良いのですが。
>あの手のものの力を借りたら、それこそ望みなんて叶うわけないのですから。

何故か、帝国側の、それも皇族たちは書いててかなり痛々しいものがあります。
特にゼクスは・・・・存在しないはずの者ですから・・・

>>L:ルースが登場すると平和な光景ね。
>>と言うか、冒頭のあれ何?随分暗いけど;;
>
>L様?! 
>冒頭の文は後から誰かの言葉としてリンクしてくるのかなと思って
>読んでました。
>上手く答えは返せませんが。

冒頭の文は特定の誰かの言葉と言うより、不特定多数の想いみたいなものです。

>>聞かないでくださいませ(遠い目)
>>
>>L:・・・・(汗)
>>なんか、キツネは現実逃避してるみたいだからこの辺で。
>>次もよろしくねvv
>
>ルースくんの愛らしさで、めろりんきゅ〜な気持ちに浸りました。
>ラストで赤い男まで動き始めたようで、さてどうなるのでしょうか。
>続きを楽しみにしています。
>
>それでは、この辺で失礼いたします。

感想ありがとうございました。

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14087The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第8章キツネノテブクロ 2003/4/24 11:31:08
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















エンシェントドラゴンの集落に、見慣れぬ神官服に身を包んだ男たちが現れた。
「ここの長に会いたい」
神官たちの一人がそう告げる、それを聞いた者が族長の下に走り、判断を仰ぐ。
族長は建設中の、神殿の中の既に出来上がった部分の一室に、その者たちを連れてくるように言いつける。






「儂がこのエンシェントドラゴンを束ねておる者だ、おぬし達は何者か?」
「私どもは、天竜王様に仕える神官。
こちらに、ヴァル=アガレスが居ると思うのですが、彼にあわせて頂きたい」
「何故にか?」
ヴァルの名前が出ると、族長はすっと目を細める。
「貴方が理由を知る必要はありません」
神官は表情を変えることなく、言い切る。
その様子は、何処か相手を小ばかにしてる風にさえ見える・・・・
「ほう、何故知る必要がないなどと言われるのか?
ヴァルは我らエンシェントドラゴンの一族であり、儂の血筋の者でもある。
知る権利ぐらいはあろう」
「・・・・では、貴方方に問おう・・・・あの者が何者かご存知か?
あの者が唯のエンシェントドラゴン等ではないのですぞ」
神官は哀れみの色をその目に浮かべ、淡々と問いかける。
「何を言い出すかと思えば・・・・それがどうしたと言うのだ。
あれが何者であろうと、我らの一族に変わりは無い。
・・・それに、その様子ではろくな事を考えてはおらぬのだろう、ここまで来たのはご苦労だが、立ち去るが良い」
「いま、ここでヴァル=アガレスを差し出せば、貴方方に危害は加えません。
ですが、拒むと言うなら・・・」
神官たちがそこまで言って、表情を険しくしていった時。

「滅ぼす・・・てか」

いつの間に来ていたのか、ヴァルが戸口のところで神官たちを見ていた。
「天竜王の命令じゃあねんだろ?
お前らの独断か、居るんだなお前らみたいなバカが・・・・竜王たちも大変だな」
鼻先で笑い飛ばすような、相手を小ばかにした言い様に、神官たちは険悪な表情を浮かべる。
「死にたくなければさっさと帰れ、そして二度と俺に構うな。
次も同じ事や、俺の一族に手を出そうってんなら・・・・・楽な死に方は出来ねえぜ」
口調こそ軽いが、静かに放たれる殺気に神官たちは背筋に、冷たいものを感じる。

「失せろ」

低く発せられた呟きに、神官たちは慌ててそこを出て行く。
その様子を呆れたように、族長は見ていた・・・






ヴァルの足元で、小さな影が動く。
「兄ちゃん?
あれ、わるい?」
神官たちは気づいていなかったが、ヴァルの足元にルースが居た事を。
ルースは小さな手でヴァルにしがみつき、少し震えている。
「怖かったか?」
ヴァルはしゃがんで視線を合わせ、そっと頭を撫る。
「なあ、爺様・・・・俺のせいでまた追われる事になったら、どうする?」
「何を言っておるか、儂らは争いは好まぬが、ただ言われ無き虐殺を受け入れる気は無いぞ。
我らに喧嘩を売る事がどういうことになるか・・・・・・目にもの見せてやるわ!」
「・・・・・いっぺん死んで性格変わったな爺様・・・・(汗)」
自分が知らない間に、随分血の気の多くなった族長に、ヴァルは遠い目をしてしまう・・・・

――いいのか長がそれで・・・・(汗)






フィリアの骨董店。
暫く離れていた間の用事を済ませ、留守番二人にフィリアは色々と指示を出していた。
「じゃあ、クラボスさんジラスさん、後お願いします。
それから、骨董品の買取は暫く断ってください、それと・・・」
「あねさん、大丈夫。
俺たちチャンとやる」
まだ何か言いかけたフィリアを遮るように、ジラスが言う。
実際、このまま喋らせていると何時まで立っても物事がすすまない。
「後のことはお願いしますね」
それでもまだなにか言いたそうにしていたが、フィリアは一つ溜め息をつくと、店から出て行った。
「・・・・ヴァルガーヴ様・・・大変だよな・・・・」
グラボスは遠い空の下に居る主人を思い、引き攣った笑みを浮かべていた。

――絶対振り回されてるだろうな・・・・

とか思いながら・・・・・・






ヴァルはルースを連れて近くの森まで来ていた。
てじかに見つけた、木の根元に座り、ヴァルはルースを目の届く範囲で遊ばせていた。
そのルースは何かを見つけたのか、じっと何かを見ている、不思議に思って、ヴァルはルースが見ているものに視線を向ける。
視線の先には、丸い目丸い顔丸いからだの羽根の生えた生き物。
「ほう、ふくろうの子供か」
ふわふわなボールのようなふくろうの子供が、木の根元で蹲っていた。
「ふくりょん?」
ルースが大きな目をいっぱいに開いて、ふくろうを見ている。
小さな手を伸ばして触ろうとするが、ふくろうの子供は後ろに下がり、それでも触ろうとする、ルースの手を鋭い嘴で突っつく。
「ふみゃああああああ(><)」
痛さに泣き出したルースをあやし、泣き止ませると・・・・

「来るなって言ったのにな」

ついため息が出るが、けして嫌な感じは無い・・・・・・むしろ何処か嬉しく思う自分が居る・・・・
「来ちゃいました、迷惑でした?」
そう言ってにっこりと微笑むのは、金の髪の女性・・・・
「・・・・俺の親には見つからない方が良いぞ・・・・マジで」
ヴァルも笑いながら言葉を返す。
「何故か、お嬢さんは親父たちに気に入られてるからな」
「そうなんですか?」
そう言いつつ、ヴァルの側まで行くフィリア。


むんずっ。


「え?」
「おい?」
ルースが片手でヴァルの髪を、もう片方の手でフィリアの髪を、小さな手で掴む。
で、それを引っ張る・・・・




















ちゅっv




















暫し固まる二人・・・・顔を真っ赤にして・・・・・















<続>


【あとがき】

あっまああああああああ(砂吐き中)

ヴァル:・・・・・

あれ?
どうした?

ヴァル:あのシーン削除するかと思ってたのに・・・・・・・

するわけないっしょ(笑)

ヴァル:・・・・・・

じゃ、この辺で。

ヴァル:・・・・・・

沈黙したまんまかい;;

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14088The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第9章キツネノテブクロ 2003/4/24 13:40:40
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















火竜王の居城、とことんシンプルな造りの神殿。
フレイは久々に戻っていた、フィリアは店の方に顔を出すと言ってはいたが、そのままヴァルの所に行ったのだろうと思っていた。
「親父お帰り」
フレイの息子、火の竜神ザードが入り口のところで待っていた。
「天竜王から連絡あった、親父がこっちに戻ってくるって。
何かあったのか?」
「うむ・・・・」






「夢ね・・・・俺は見てないな、天竜王から聞いてはいたけど。
それで直ぐディアにも聞いたけど、ディアも見てないってさ」
ザードはお茶を飲みつつ、父の言葉に答えている。
「空が黒くなる・・・・闇に食われるって事かな・・・・」
「解らぬが・・・・異界の魔王、白霧がこの世界に来ているらしい。
今回の夢の事と関係有るかも知れん」
「デスフォッグって・・・・(汗)
ダークスターの次はそれかよ(ため息)」
ザードは過去数年の出来事を思い出す、あのお方は降臨する、ダークスターは来る、異界の者の襲撃は受ける・・・・・そして今度は異界の魔王・・・・。
ため息が出るのも当然だった。
フレイも同じことを思って、何も言えなかった、一筋の汗を浮かべて。

「おいおい、辛気くせーな」

呆れたような声がして、ガーヴが姿を現す。
「デスフォッグのとこに行ってきたぜ、何者かに召喚されたとか言ってたな。
で、白霧を含めて三人ほど召喚されたようだって、言ってたぜ」
ずかずかと座り込み、そこにあった茶菓子をつまみつつ、ガーヴは言う。
どっかりと胡坐をかいて、ガーヴは室内を見回す、誰の趣味なのか床は畳で土足厳禁、古めかしい茶箪笥に、目の前にはどっしりとした平台。
極めつけは囲炉裏があることだろう・・・・・・ちなみにガーヴはちゃんと靴脱いで、靴置きの所に置いている。
「いつも思うがよ・・・・・この部屋誰の趣味だ?」
「親父の趣味」
ガーヴの問いに、ザードがスパッと答える。
フレイの方は囲炉裏の火を起こして、鉄瓶などかけつつ、いつの間に用意したのか、徳利とお猪口をがその側に置いてある。
「ガーヴ、お前も飲むか?」
「おう!」
フレイの誘いに、嬉しそうに答えるガーヴだった。






「先にオッサン達のとこに行っててくれ、俺はこいつを家に帰してから行く」
ヴァルはまだ少し赤い顔で、フィリアに言いながら、ルースを指差す。
「あ、はい・・・・あの、ヴァル」
「ん?」
「私、ヴァルのご両親に会いたいのですけど・・・・私たちゴールドドラゴンの犯した罪を、謝罪したいのです」
「いや、マジで来るな;;」
「え、でも・・・」
フィリアは困ったような、不思議そうなそんな表情でヴァルを見るが、ヴァルの方はフィリアから視線をそらし、そっぽを見ているので、フィリアからはヴァルの表情が見えなかった。
見えていたら、どう反応してよいか困ったかもしれない、ヴァルの顔はさっき以上に赤くなっていたから・・・・
「とにかく、親父たちに会わなくて良い!
と言うより会うな、何言われるか分かったもんじゃねえ;;;」
「・・・はあ;;」
何と無く会わない方が良さそうなのは解る、ヴァルが困るような事になるのだろう。
「じゃあ、私は先に火竜王様のとこに行きます」
それだけ言って、フィリアは立ち去った。
ようやく顔から赤みが消えると、ヴァルはルースに言わないように約束させ、家へと戻った。

――どうせその内ばれるんだろうな・・・・(−ー;






ルースをおきに戻るとヴァルはひっくりこけた、何故かヴィシュヌが居たのだ・・・・
「いやん、ヴァルちゃん置いてっちゃv
私も行くからねvvv」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・断る(怒)」
妙に間が空き答えるヴァル。
「いいじゃねえか、ヴァル。
持ってけば、何かの弾除けぐらいにはなるぞ」
からからと笑いながらシヴァが言うのを聞いて、ヴィシュヌはよよよっと泣き崩れながら一言。
「おにいちゃんのいじわるぅ〜(涙)」

ざわわあああああ・・・

ヴァルは鳥肌が立つのを感じ、一瞬意識が遠のきそうになる。
「おーい、ヴァル〜。
大丈夫か?」
「連れて行きたくねえ(遠い目)」
「え〜なんでえ〜私のこと嫌いなのぉ〜?」
目をうるうるさせ、ヴァルを上目遣いで見るヴィシュヌ。

ぴしっ。

「今この場で灰にしても良いか?」
焦点の合わない目をして、手に魔力球を生み出し、ヴァルは呟く。
「その辺にしろ、ヴィシュヌ。
ホントに消し炭にされるぞ(呆)」
流石に長い事兄弟してるだけあって、シヴァは全く動じていない。
「慣れって・・・・・怖い・・・・・(汗)」
そう呟くヴァルだった(笑)






フィリアは神殿に着くと、手鏡を出して顔色を見る。
顔の赤みは引いてはいるが、ふとした事で思い出しては赤面していた。

――・・・・キス・・・・ですよねあれ・・・・

そっと唇に手をやり、またも顔が赤くなっていく。
「意識しないで居られるかしら」

「何がかな?巫女殿」

聞いたような声に振り向けば、柔らかな微笑を浮かべたヴィシュヌと・・・・
「からかうなよ、ヴィシュヌ」
聞き心地の良いハスキーな声の持ち主。
「ひど〜い、ヴァルちゃんのイジワル(><)
私泣いちゃうよぉ〜」
「ああそうか。
出来れば、北の魔王のとこ行って泣いてくれ」
ヴィシュヌがいやいやしながら抗議すれば、ヴァルはただ投げやりに返す。
「・・・・・ヴィシュヌさんも来られたんですか(汗)」
「天竜王様に許可は貰ってますよ。
甥のことが気がかりですし・・・」
すっと真面目な表情に戻り、フィリアに話しかける。
「・・・はあ;;」
何とも気の抜けた返事しか返せないフィリアだった。






「た〜い〜く〜つ〜」
特に何するでもない白霧はかなり退屈していた。
ゼラスとダルフィンの二人を相手に、お茶やおしゃべりで暇をつぶしていたが、いい加減飽きていた。
「ねえルビーアイ、何か面白い事ない?」
「・・・何を期待して聞いてるかは、あえて聞かんが・・・我に聞くだけ無駄だぞ」
氷の奥から呆れたように言葉を返す。
魔族のほうはいたって平和のようだった。






ヴァルとフィリア、ヴィシュヌは火竜王の居城に入ろうとして、入り口に見知らぬ男が立っているのを見る。
銀髪混じりのグレーの髪に、冷たいブルーグレーの瞳の青年。
「誰でしょう?」
「・・・・」
「どうしたんですか、ヴァル?」

――何でここに居る白竜神(汗)

ヴァルたちに気づいたのか、青年が近寄る。
「すまぬが、汝たちはこの神殿のものか?」
低く良く通る声で問いかける。
「いえ、私たちはこちらに用があって来た者です」
「では、ここが竜王の館だと知っての上か?」
「はい」
フィリアが青年と受け答えしている。
「とりあえず中入ろうぜ、白の竜神さんよ」
「!」
ヴァルの言葉に驚きの表情を青年はするが、ヴァルの方はさっさと中に入ってしまった。

――あの者は何者か・・・・






部屋に一歩入ると、むっとする様な酒の匂いに眉間にしわがよるヴァル。
足元に転がる瓶を見てさらに、すっと目が細められ・・・・・・
「巫女殿・・・・物凄くヴァル怒ってない?(滝汗)」
「・・・・(滝汗)」
流石のヴィシュヌも、場の空気を凍りつかせるような怒気に、そーと後ずさりしている。

「・・・・おい(怒)」

低く呻くように発せられた声に、ぎぎぃぃっと首を動かすのは、フレイとガーヴ。
ちなみにザードはヴァルたちが入ってくる前に、避難・・・・じゃなくて、お茶を入れに部屋を出ている。

十分後。

ずたぼろ状態のフレイとガーヴをそこらに転がし、ヴァルたちは寛いでいた。
「ここって、コタツもあるんですね(汗)」
視界の端に転がる二人を見なかったことにしつつ、フィリアは出されたお茶を飲んでる。
「まだ名乗っていなかったな、俺は白の世界の竜神。
名はリュシフィード。
恋人を探しにここまで来たのだ」
「恋人さんですか?」
フィリアが恋人と言う単語に反応して、目をきらきらさせる。(苦笑)
「うむ、ところで汝たちは?」
「火竜王様の巫女をしていました、フィリア=ウルコプトと申します」
「天竜王様の下で神官修行中の者で、ヴィシュヌ=アガレスです」
「・・・ヴァル=アガレス」
順々に挨拶していくが、ヴァルの言葉を聞いた時、リュシフィードは「おや?」と言う様な表情をした。
「汝・・・・気のせいか、ヴォルフィードとデュグラディグドゥの気配がするが・・・」
「え?
どう言う事かな、ヴァルちゃん」
リュシフィードの言葉に、反応したのはヴィシュヌ、フィリアはそっとヴァルの方を見る。
「気のせいじゃねえよ、多分」
ヴァルはと言えば、しれっと答え返す。
その言葉に驚いた表情を見せたのは、ヴィシュヌとリュシフィード。

「俺は闇を撒くもの≠ニ黒の竜神≠フ力を受継いでる。
二つの気配を感じられてもおかしくないだろ」

余りにさらりと言われ、リュシフィードは目を丸くして硬直し、ヴィシュヌまじまじとヴァルの事を見ている。
「ヴァル・・・本当なのか?」
ヴィシュヌは硬い声でヴァルに問う、ヴァルはヴィシュヌを一瞥するが・・・
「・・・・・・・・」
「ヴァル!」
声を荒げるヴィシュヌに、フィリアは驚いたように見る。
どちらかと言えば穏やかな(?)印象があるため、意外に思えた。
「嘘ついてどうするんだよ・・・
それに、こうなった時のことを、どう説明しろって言うんだ・・・・・・俺でさえそのときの記憶は曖昧なのに」
どこか不貞腐れた様に言うヴァルに、ヴィシュヌはきょとんとする。
「ぷっ。
ふふふふ(笑)」
子供のようにふくれっ面になったヴァルに、フィリアふき出す。
まさかヴァルの子供っぽい表情を、見れるとは思って居なかった為。
そのせいで更にヴァルがむくれてしまったが・・・・・(笑)






「で、リュシフィードよ、お前が探しに来たのは白霧ではないのか?」
何時の間にか復活したフレイが、リュシフィードに訊く。
「何故解った?」
「いや、神や魔王の間では有名だしな(汗)」
「ああ、白の世界の神と魔の争いの原因は、痴話喧嘩だって(汗)」
きょとんと聞き返すリュシフィードを見て、フレイとヴァルがボソッと呟く。
「白霧なら北の魔王のとこで、茶でも飲んでんじゃねえか」
こちらも何時の間にか復活したガーヴが、茶菓子に手を伸ばしながら喋っている。
「北の魔王?」
「氷付けにされたルビーアイの欠片だ」
ヴァルが答える、ついでに手近なメモ用紙に、カタートまでの地図を書いて渡している。
暫く地図を見ていたリュシフィードは、礼を言って空間を渡って行った。

「あそこの下級魔族あたりが滅んだりして(汗)」

ぽつっと呟かれたフレイの言葉に、ヴァルは乾いた笑を浮かべていた。




「リュシ〜vvvvvv」
カタートの氷の前に来た時、リュシフィードはいきなり抱きつかれていた。
「ルグ!
会いたかったぞvv」
頭をよしよしと撫でながら、リュシフィードはこれでもかと言うような、甘い声をかける。
周りに居た中級以上の魔族たちは、滅ぶ前にさっさと逃げて、数名の下級の純魔族が、ころっと滅んでたりする・・・・(汗)

「あー・・・・他所行って甘えてくれんか、白霧」

氷の奥から、完全棒読みでルビーアイが声をかけてるが・・・・・・・当人達には聞こえていない。
ひたすららぶらぶな二人に、ルビーアイは脂汗ながしつつ、さっさとどっか行ってくれることを願っていた。
「誰かこいつら何とかしてくれ(滝涙)」
流石に腹心達も、滅ばないまでもダメージを受けるため、かなり遠巻きに見てるだけだった。
「異界の魔王って(滝汗)」
「・・・・近付いたらダメージ受けますし(汗)」
「魔王様には悪いが(汗)」

『(ここは我慢していただこう)』





――哀れ魔王・・・・(合掌)








<続>


【あとがき】

魔王成仏しろよ(死んでないって;;)

ゼロス:魔王様頑張ってください(笑)

いや、ゼロス。
お前もこの後・・・・・

ゼロス:なんですか、言い方は・・・・気になりますね(汗)

いんや、ゼロスが不幸なのは何時ものことだからv

ゼロス:やっぱりなんかあるんですねええええ!!????(泣)

さあねえ(意地の悪い笑み)

ゼロス:ううう、獣王様に言いつけてやるうう(滝涙)

あ・・・どっかいっちゃった(汗)
ま、いいか。
ではこの辺で、次もよろしくです。

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14093The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第10章キツネノテブクロ 2003/4/25 07:10:48
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















ヴァルとヴィシュヌが火竜王の神殿に向かった後、再び天竜王に仕える神官達が訪れていた。
その数は、前回よりも多くなって・・・






「ヴァル=アガレスを今、この場に、呼んでいただこう」
神官の一人が、険しい表情で告げる。
「隠し立てすればそれなりの行動を取らせてもらう」
言外に、ヴァルが居なければ、力づくで探すと言っているようなもの。
「ヴァルはこの地にはおらぬ、立ち去るが良い」
族長が一人、神官たちの前に立つ。
その一歩後にシヴァがすっと立つ、その手に双竜刀を持ち、油断なく神官たちを見ている。
「俺の息子に何か用か?
腐れ神官ども」






フレイたちがやっと落ち着いた頃、その報告が来た。
「真か?
何故天竜王の神官達がそのような暴挙を・・・」
報告を受けたとき、フレイは愕然とした。
どう考えても神官たちの行動は神の狂気によるもの・・・
火竜王の神官であるゴールドドラゴンたちも異変に気づき、止めに入ったが逆に深手を負わされた者も居る。
ゴールドドラゴンたちも一度死んで蘇った為か、神の狂気は抜け、以前のような暴挙をとる様なことは無くなっていた。
エンシェントドラゴンとも距離をとってはいたが、何かをするようなことは無くなっていた。

天竜王に仕える神官達がエンシェントドラゴンの集落を襲っている

先ごろ会ったばかりの天竜王に、狂気があった事に気づかなかった・・・・それだけでフレイは目の前が暗くなる、そんな感覚に襲われる。
「神の狂気がどうかは知らねえが、舐めたマネしてくれる」
唸るような言葉に、フィリアはヴァルの方を見る。
表情が一切消え、その目には強い怒りの色が見える、そして無言で部屋を出て行く。
「ホントに・・・バカどもが」
ヴィシュヌも眉根にしわを寄せ不快気な表情を見せると、ヴァルの後を追う様に部屋を出て行く。
「・・・・・ヴァル・・・」
「俺達も行くか、姉ちゃん」
呟きを聞いたガーヴが、フィリアに声をかける。
フィリアは頷くと、ヴァルの後を追う、フレイも何か思うことでもあるのか、同じように出て行った。






ヴァルとヴィシュヌが着いた時には、夥しい数の死体が転がっていた・・・・・・それらの殆どが、天竜王に仕える神官たちだったが・・・
「この傷・・・親父か!」
神に仕える神官たちは主に棍やメイス、良くて槍を使う。
刃のある物を持ち歩く事はない、それに神官たちの傷は明らかに刀傷、同士討ちになった訳ではないだろう。
エンシェントドラゴンの中でも、刃のある武器を使うものは少ない・・・・となれば誰がやったかは知れる。
「まずい。
ヴァル、この傷って兄さんの双竜刀だよね、マジ切れしてなきゃいいけど」
ヴィシュヌの言葉に、ヴァルは一筋の汗が浮かぶ・・・・・
「探すか」

どおおぉぉぉぉん・・・・・・・

『・・・・(汗)』
ヴァルとヴィシュヌはぎぎぃぃっと音の方に顔を向ける、そこには口元に笑みを張り付かせ、据わった目で神官たちを吹き飛ばすシヴァの姿。
「・・・・キレてる(滝汗)」
「ああ(滝汗)」






「スットプ!!」
声に反応して、シヴァは動きを止める。
「ヴァル!?
何でお前がここに居る???」
「兄さん、派手にやったな;;」
「ヴィシュヌ!?」
ヴィシュヌの名に数名の神官達が反応する。
「何でここにいるかってのは、何処ぞの馬鹿どもが暴走してるからだ。
それにしてもまあ・・・・派手に暴れたな・・・」
ヴィシュヌの呆れまくった言葉に、シヴァはうっとなって黙る。
ヴァルはと言えば、神官たちの中に以前ヴァルのことを、差し出せといった者が居るのに気づく。
「そんな、後の方の安全な場所で、仲間がやられていくのを見てたのか?
言ったはずだな、俺の一族に手を出せば楽な死に方は出来ないってな」
薄い笑みを浮かべ、静かに放たれる殺気は、シヴァが放っていたものに比べ、冷たく重い・・・・
ヴァルの右後方にシヴァが立ち、左後方にヴィシュヌが立つ、三者三様の殺気に神官たちは声も出ず、ただ立ち尽くす。
「困った方達だね、私のこと忘れてるんだから。
お仕置きしなきゃねv」
語尾にハートマークをつけ、妖艶に微笑むが、その瞳は冷たい光がある。
シヴァも無造作に愛刀をさげ、冷たく見ている。
「神に祈ろうが、神は助けねえ」
ヴァルに冷たく言い放たれ・・・そして・・・・





フィリアがガーヴと共にヴァルに追いついた時は、その場で動いていたのは三人だけ。
他のエンシェントドラゴンたちは、族長達が非難させたため、特に被害は無かったが・・・・・・攻め込んできた神官たちは、たった三人のエンシェントドラゴンに全滅させられていた。
「これが・・・・エンシェントドラゴンの力・・・」
神官たちは少なくとも、自分達ゴールドドラゴンと同等の力はあるように見える、おそらく高位の竜族だろう。
それをたった三人で、ざっと見た感じグロス単位で居ると思われる神官たちを、全滅させている。
フィリアは思う、かつて自分達一族がエンシェントドラゴンを追い立てたが、逆に滅ばされていたら、あのダークスターの悲劇は起こらなかっただろうし、自分は生まれることすらなかったのだろうと・・・・
「何か勘違いしてねーか、あんた。
あいつらが無駄に強すぎるんだ;;」
ガーヴはフィリアの言葉に呆れたように言う、普通のエンシェントドラゴンはここまで強くは無い。
「おやあ、巫女殿にガーヴちゃんだvv」

ずべしゃああああああああ!!!!!!!

ヴィシュヌの言葉に一斉にこける一同。
「いや、あの、ガーヴちゃんは止めてくれ(汗)」
何とか上体を起こしつつ、ヴァルが抗議するがヴィシュヌは聞いちゃいなかった。
「あ、ガーちゃんのほうが良いかなvv」

ずべぇぇぇっ!!

更にこける。
先程までのシリアスな空気は、最早欠片も無い!
「・・・・ヴィシュヌ、流石にあのオッサンをチャン付けはやめれ(滝汗&目が泳いでる)」
シヴァの魂が抜けたようなセリフに、頷く一同。

何故か遠くで、カラスが「あほーあほー」と鳴いてたりする。


――竜族って・・・・(滝汗)







フレイは一人、天竜王の神殿に来ていた。
浮遊島自体には来れたのだが、何故か神殿に入ることは出来なかった。
「天竜王居るのだろう!!
天竜王私だ、火竜王だ!!!」
大声を上げ、フレイは天竜王を呼ぶが、何の反応も無い。
「ここには居ないというのか?
しかし・・・この結界は一体・・・?」
神殿の中には人の気配が無い・・・・無いのだが、神殿覆う結界が判断を鈍らせている気がしてなら無い。
そして、何より僅かだが天竜王の力の流れを感じ取れる。
一瞬、残留した思念がそう感じさせたのかとも思ったが、それにしては薄れていく様子が無い。
「何が起きている・・・・天竜王よ・・・・」





ヴァルたちはとりあえず、神殿の方に集まっていた。
流石に、ゴールドドラゴンのフィリアや、魔竜王ガーヴを他のエンシェントドラゴンたちの前には、さらしたままにしてはおけなかった。
「しかし、派手にやったのう、お前たち。
あの遺体を片付けるだけで骨じゃぞ」
「なんなら、俺が全部焼いてもいいぜ。
灰も残らずな」
族長の言葉に、ガーヴが神官たちを焼き払うという。
「そうじゃのう、その方が楽じゃな。
頼まれてくれるか」
「おう」
族長はガーヴの提案をあっさり受け、ガーヴも軽く頷いて承諾する。
「ところで・・・・・・・ヴァル」
「ん、何だ爺様?」
「玄孫の顔・・・・」
「今この場で天寿を全うしたいかぢぢい(怒)」
据わった目を向けながら、その手には魔力球。
「そう怒らんでも良かろう。
老い先短いこの老人の頼みを聞いてやろうと言う、優しい心遣いは無いのか(泣)」
ワザとらしい泣きまねなんぞしつつ、族長は何故かフィリアの後に隠れ、ヴァルも額に青筋を浮かべながらも、とりあえず魔力球だけは引っ込める。

――くそぢぢいがああああ(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)

「あの、なんで私の後に隠れるんですか?(汗)」
フィリアは汗を一筋浮かべ、後に居る族長に訊いている。
「ほっほっほ、何故じゃろうな♪」
ヴァルの方をニヤニヤと見ながら、族長は言う。

――ぢぢい・・・・(怒)(怒)(怒)

「まあ、お爺様あんまりヴァルの事からかってると、ホントに三途の川を渡る事になりますよ」
ヴィシュヌがフォローになってないフォローをしている。
「儂はまだ、あの世になんぞ行きたくないのお。
ところでヴィシュヌ、ラクシュミには会ったのか?」
「いえ、まだです。
これから会いに行ってこようかと」

「久しぶりですね、ヴィシュヌ。
会いたかったですよ」

声がしてその方を見れば、ダークブラウンの髪に琥珀の肌、碧の瞳のオリエンタルな美女。
ヴィシュヌの側まで来て、そっと微笑む。
「本当に久しぶりだな・・・・元気にしてたか・・・・・ラクシュミ」
そう言うと、ヴィシュヌはラクシュミを抱き寄せる。
「本当に会いたかったです・・・」
ラクシュミの目に薄っすらと涙が浮いている、およそ二年近く離れていたのだから、無理も無いが・・・
ヴァルは目のやり場に困り、一応魔族のガーヴはさり気なくダメージを受けている。






フレイは言い知れぬ不安に、地竜王の神殿に訪れるが・・・・

「申し訳ありません、火竜王様。
地竜王様はご気分が優れぬとのこと、日を改めてお越し願えませんか」
取次ぎに出た神官からこのセリフ・・・・

――おかしい・・・・何があった・・・・?

フレイは膨らんでいく不安を打ち消せずにいた。






カーリーとラクシュミが淹れたお茶で、ひと心地つくと当面のことでどうするかを話し合う。
「天竜王の命令じゃねえと思う、俺の事を危険視はしていても、実際行動に起こすとは思えねえ」
「確かに、あやつらは天竜王の命令とは言ってはいなかったが・・・」
ヴァルの言葉に、族長も言葉を返す。
「天竜王の支配地域に行く必要があるんじゃねえか?」
「・・・・そうだな・・・」
ガーヴの言葉に頷きながらも、何かしっくり来ない表情を浮かべるヴァル。

――誰かに踊らされている気が・・・

竜王たちの夢が何かの暗示なら、今神に属する者達の暴挙も、誰かの意思が働いているのではないか。
ヴァルは、不安とは違う、疑念のようなものを抱く・・・・ただ、それはまだ答えは出ない・・・

――何かが歪み始めている?









<続>


【あとがき】

ヴィシュヌ強者・・・・・

ヴァル:ガーヴ様をちゃん付け・・・・・

ヴィシュヌの感覚って・・・・・

ヴァル:・・・・・・

他にも突っ込みどころはありそうなんだけど・・・
コメントする気も無いんで、この辺で。

ヴァル:次もよろしくな。

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14096竜王様達に何が……?エモーション E-mail 2003/4/25 23:14:56
記事番号14093へのコメント

こんばんは。

8〜10章とまとめて読みました。続きがたくさん出ていて嬉しかったです。
まとめて読みましたので、感想もまとめて書かせていただきます。

前半はやはり……ルースくん、グッジョブ!(爆笑)の一言に付きます!
ひょっとして、家族の中で一番「ヴァルとフィリアくっつけるぞ計画(勝手に命名)」の
実行に長けているのでは(笑)
本人、まったく無邪気にさりげなく行ってますが、それだけに最強ですね。
しかも、けしてヴァルくんには警戒されないので尚更です。

酒盛りしている火竜王様とガーヴ様。本当にお酒好きですよね、このお二方。
ザードくんは……ご相伴しなかったのでしょうか。実はひたすらおつまみを
作らされていたとか(汗)

白霧さまと白の竜神様のラブラブっぷりも楽しかったです。
それにしても白の世界……下手をすると、痴話喧嘩で人生台無しに
されるんですか……あの世界……。それはそれで、ちょっと悲しいかも……(汗)

明るい部分とは裏腹に、不可解な動きを見せ始める天竜王配下の神官たち。
そして急に異変が起き始めた天竜王様、地竜王様……。
一体何が起き始めたのでしょうか。火竜王様と会っておられたときのお二人から
考えると、いきなり「狂気」に走るとはとても思えないのですが。
でも、何となく事実を見極めようとすると見誤る、そんな状態を創りだされている
感じもしますね。これは、火竜王様も真相を突き止めるの、大変そうです。

エンシェントドラゴン……強いです(汗)あの三人は特殊としても、強すぎです。

でも違う意味で、最強は問答無用でヴィシュヌさんですが。

それでは、何だかかなり駆け足的な感想になりましたが、この辺で失礼いたします。
続きを楽しみにしていますね。

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14102Re:竜王様達に何が……?キツネノテブクロ 2003/4/26 12:33:28
記事番号14096へのコメント


>こんばんは。

こんにちは、キツネノテブクロです。

>8〜10章とまとめて読みました。続きがたくさん出ていて嬉しかったです。
>まとめて読みましたので、感想もまとめて書かせていただきます。
>
>前半はやはり……ルースくん、グッジョブ!(爆笑)の一言に付きます!
>ひょっとして、家族の中で一番「ヴァルとフィリアくっつけるぞ計画(勝手に命名)」の
>実行に長けているのでは(笑)
>本人、まったく無邪気にさりげなく行ってますが、それだけに最強ですね。
>しかも、けしてヴァルくんには警戒されないので尚更です。

「ヴァルとフィリアくっつけるぞ計画」ですか(笑)
ルースは無邪気にさりげなく、しかも自覚なくやってます。
だから、ヴァルに警戒されていないのでしょう。

>酒盛りしている火竜王様とガーヴ様。本当にお酒好きですよね、このお二方。
>ザードくんは……ご相伴しなかったのでしょうか。実はひたすらおつまみを
>作らされていたとか(汗)

ザードは酔っ払いの相手をするのが嫌で、二人から離れてます。
酔っ払い親父の始末の悪いことと言ったら・・・・(溜息)

>白霧さまと白の竜神様のラブラブっぷりも楽しかったです。
>それにしても白の世界……下手をすると、痴話喧嘩で人生台無しに
>されるんですか……あの世界……。それはそれで、ちょっと悲しいかも……(汗)

あのバカップルに嫌気がさして玻璃が家出した・・・・とかじゃないですけど、部下の方たちは、どんな想いでこの上司たちに仕えてるんでしょう(汗)

>明るい部分とは裏腹に、不可解な動きを見せ始める天竜王配下の神官たち。
>そして急に異変が起き始めた天竜王様、地竜王様……。
>一体何が起き始めたのでしょうか。火竜王様と会っておられたときのお二人から
>考えると、いきなり「狂気」に走るとはとても思えないのですが。
>でも、何となく事実を見極めようとすると見誤る、そんな状態を創りだされている
>感じもしますね。これは、火竜王様も真相を突き止めるの、大変そうです。

竜王たちの不可解な動き、いきなり「狂気」に走るなどと言うことは、本来ならありえないのですが・・・・
このことがこの後の展開にどう係わっていくかは、今の所は秘密です。

>エンシェントドラゴン……強いです(汗)あの三人は特殊としても、強すぎです。

ちょっと強すぎました(汗)
まあ、ヴァルが居るからこれぐらいは良いかなあ、とか思ってたんですが(汗)

>でも違う意味で、最強は問答無用でヴィシュヌさんですが。

確かに、ある意味最強ですよね、彼は。

>それでは、何だかかなり駆け足的な感想になりましたが、この辺で失礼いたします。
>続きを楽しみにしていますね。

感想ありがとうございました。

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14113The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第11章キツネノテブクロ 2003/4/28 10:52:29
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















ヴァル達が天竜王の神官を相手にしている頃、クロイセルはゼフィーリアのラダマンティスの下に来ていた。
ゼフィーリアの来るまでの間に手に入れた各国の情報と、ゼルガディスへの伝言の有無など確認していた。
例によって気配を消して、というより殆ど癖らしい。
「今は軍の編成を先にしてるんだが、バカ貴族の横槍が五月蝿くてな(苦笑)
口ばっか達者な連中を、最前線に送り込んでやりたいところだが・・・」
『無駄に兵を損ねるだけ、ですか』
「まあ、そんなところだ。
能無し連中に兵を任せる訳にはな・・・・そもそも、貴族の威光なんてものが、通用すると思ってるバカに、指揮権なんか与えられるか。
かといって、そこらの一般兵と同じにすると、命令無視どころか、邪魔にしかならん」
『一時期に比べれば、そういう方々は減ったと思ってましたが?』
ラダマンティスの吐き捨てる様な物言いに、苦笑しながらクロイセルは言葉を返す。
「減ったんじゃなくて、俺が基本的に政治には口出ししねえから、意味が無かっただけだよ。
一応俺は、騎士で軍人だぜ。
軍人が政治に口出しするようになったら、その国は正常に働かなくなる」
『それが解っていない方が多いですよね、貴族の方の中には』
「無駄に歴史と血統を誇るだけの、バカが多いからな」
『ラダマンティス様も大変ですね。
あ、若に何か伝言は有りますか?』
「いや、今は無いな」
暫し考えて答える。
『解りました、では俺はこれで・・・』






カタートの爽やかな朝の筈・・・・・・・・・なのだが・・・・・・
未だに居座っている白霧と白の竜神のせいで、魔族の大半は非難していた。

「白霧・・・・・さっさと帰れ(怒)」

氷の奥からルビーアイは呻く。
「いいでしょ別に、あの子の気配がこの世界からしてるし・・・・」
白霧は白の竜神に甘えながら、言い返す。
「ねえ、ホントに知らない?銀の髪に銀の目の男の子」
「ルグ・・・・あれから数十年はたっている、流石に子供と言うわけには行くまい。
人間の年齢で言えば、30か40くらいではないか?」
リュシフィードは優雅に香茶を飲みつつ、白霧に言う。
二人はまさか探している人物の容姿のうち、目の色が変わっているとは思いもよらなかった。
「しかし・・・会ってどうする?
我らはあれを生み出せし親かも知れぬが、あれを封印し覚める事なき眠り・・・・死を与える事を願ったのだぞ」
リュシフィードの言葉に、白霧は哀しそうな表情を見せる。
「でもね、会いたいの・・・・」

――憎まれてるかもしれないけど・・・・・






腹心達はカタートから離れた海王の拠点に集まっていた。
カタートにいると、ひたすらダメージを受けるためである。
「魔王様・・・・無事かしら(汗)」
ダルフィンは優雅にお茶を飲みながら言うが、その額には一筋の汗が浮いている。
「一応・・・・この世界の魔王だし・・・・大丈夫なんじゃないか?」
ゼラスも何処か引き攣った笑みを浮かべながら、答え返している。
「あの〜、獣王様。
気になる事があるんですけど〜」
ゼロスが主君に恐る恐る話しかける、ゼラスは無言で先を促し、ゼロスは話し始める。
「あのですね、獣王様が話してらしたでしょう。
セイルーンでゼルガディスさんが人間の、元の姿に戻った直後、目の色が銀色だったって。
でも、ゼルガディスさんのご両親は目が銀色じゃないですし。
その後すぐに、ヴァルガーヴさんが何かして、目の色が今の孔雀色に変わったんですよね?」
ゼロスの言葉に、考え込む。
ゼラスはあの時、興味半分でその場に立ち会っていた。

――あの時、ヴァルガーヴは何といっていた?

『ラダマンティスに頼まれた事をする』

そう言って何かしていた、その後のゼルガディスの目の色が銀から孔雀色に変わっていた。
「ゼロス、ゼルガディスとその両親について調べなさい」
ゼラスはゼロスにそう命じる。
ゼロスはすっと頭を下げ承知の意を示すと、空間を渡って消えていった。
「ゼラス?」
ダルフィンがゼラスを不思議そうに見る。
「ちょっと気になる事があってな・・・・」

――ラダマンティス・・・・人間でありながら空間を渡り、人間離れした力を持つ者・・・・

「何にしても・・・・・・・白霧たちには、さっさと帰ってもらいたいものだ。
でないと、魔王様がそのまま滅びかねないしな」
グラウ=シェラーが締めくくるように言う、やっぱりその額には一筋の汗を浮かべて・・・・・






ゼロスは主君のゼラスの命でゼルガディス親子を調べていて、ラダマンティスの過去が途中で切れている事に不審を持つ。
そして、ラダマンティスの姉マイアの所在を何とか突き止め、会いに行こうとしていた。

で、ゼロスは迷っていた・・・・
「何なんですかああ!!
この森はあああああ!!!!!!(泣)」
何故かアストラルサイドからの移動が出来ない上、ひたすら同じ所をぐるぐる回ってしまう。

――じゅうおうさまあぁぁぁ〜(滝涙)

ゼロスは知らなかったが、マイアはあのレゾの友人で、レゾでさえ認めるほどの、魔道技術を持っているのだ。
「どうしましょう・・・・出れなくなっちゃいました(滂沱の涙)」
完全に途方にくれていた・・・・・。






「・・・・・さて問題です、これは何でしょう?
@なぞの黒い物体。
A家庭内害虫もしくはゴキブリ。
B行き倒れの死体。
C人畜有害粗大ゴミ。
さあ、どれでしょう?」

「僕は行き倒れの死体でもなければ害虫や粗大ゴミなんかじゃありません!!!!!!(滝涙)」
一息で言い切るゼロス。
迷いに迷って日が暮れかけて、にっちもさっちもいかなくなり、その場で丸くなっていじけていたら、上記のセリフが降ってきたのだ。
「なんだ、生き物か。
さっさと帰れ、鬱陶しい」
砂色の髪の女性が、ゼロスに向かって言い放つ。
「帰れって言われてもどうやって出るんですか?(泣)」
「簡単だ、出ようと思えば出れる。
無理に進もうとすると、迷うようになってるからな」
「・・・・・・・」
要するに、その場で足踏みしてるのと同じ状態だったらしい。
「あの〜、何でそんなこと知ってるんですか?」
「ああ。
この森に張られた結界は、私が作った」
「・・・・・は?」
「押し売り対策として作ったんだが、どうも関係ないのまでかかるらしい」

――あの〜ごきぶりほ●●いかなにかですか〜?この森(滝汗)

「えーと、もしかして貴方がマイアさんですか?」
「ほう、何で私の名前を知ってるのかな?」
「いやぁ、それは秘密という事で」
「あやしい。
さっさと帰れ、黒い物体」
「黒い物体って;;;
あの、僕にはゼロスって名前があるんですが」
「私は魔族に用は無い、帰れ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
しばし沈黙。

「はい?」

――えーと、何でこの人僕が魔族だなんて知ってるんですか!!?(滝汗)

「さっきから、アストラルサイドで移動しようとして、失敗してただろう。
それをうちでモニターしてたから、ついでに本体も見えたし」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でえええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!?????????????」
「というわけで帰れ、黒い物体。
魔族が来るって事は、どうせろくなことじゃないから」
そう言うと、マイアはさっさと立ち去ってしまった。

「何で解るんですかああああああ!!!!(滝涙)」

ゼロスの絶叫が、むなしく森に響いていた。






マイアは家に戻ると、ゆっくりお茶をすする。
「どうせ、ラダのことか、うちの種族のことでも、聞きにきたんでしょうけど・・・・」

――聞かれたって答えないけど。

水晶球に森の中を映し、ゼロスの行動を監視する。
人の姿のゼロスにうっすら重なるように、アストラルサイドの本体が見える。
「この黒い物体どうしようかしら・・・・・解剖(ばら)してみるのもおもしろいかも♪」
何やら、危ないことを言いながら、マイアはうっすらと微笑む。

ぞくうぅぅ・・・・!

ゼロスは不意に寒気を覚える。
「何ですか今の寒気は・・・・?」
器用なことに、ぷつぷつと鳥肌まで立っている。

――ほかの方に当たりをつけましょうか・・・・

何故かマイアに会いたくないと思ってしまう、ゼロスだった。






「ふーん、おとなしく帰ったわね」
いかにもつまらない、といった表情を見せながら、マイアは呟く。
「また来るかしら?」
ゼロスとしては二度と来たくは無いだろうと思いながらも、また来た時はどうやってからかおうかと考えるマイアだった。












<続>


【あとがき】

でた、マイア(笑)
ちなみに、マイアがすんでる森はゼフィーリアの辺境です。

ラダ:相変わらずかよ、あの姉さんは。

昔からか?

ラダ:昔からだ。

・・・・(汗)

ラダ:そういや昔から、そこらの通りすがりの魔族を捕まえては、解剖してたな・・・・・(遠い目)

・・・・(こえーよー(TT))

ラダ:どうした?

何でもない(T▽T)

ラダ:?

じゃあ、この辺で。

ラダ:次もよろしく。

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14120迷子の迷子の……仔猫ではないですね(汗)エモーション E-mail 2003/4/28 22:07:17
記事番号14113へのコメント

こんばんは。

ゼフィーリアの人間って、本当にとんでもない方が多いですね(汗)
さらに最強な方がご登場……。
能力ではなく、精神的な意味で、ラダマンティスさんすら頭の上がらない方
でしょうし。(一般に、弟にとって姉という存在は、問答無用でそういうものです)


>「今は軍の編成を先にしてるんだが、バカ貴族の横槍が五月蝿くてな(苦笑)
>口ばっか達者な連中を、最前線に送り込んでやりたいところだが・・・」
>『無駄に兵を損ねるだけ、ですか』
>「まあ、そんなところだ。
>能無し連中に兵を任せる訳にはな・・・・そもそも、貴族の威光なんてものが、通用すると思ってるバカに、指揮権なんか与えられるか。
>かといって、そこらの一般兵と同じにすると、命令無視どころか、邪魔にしかならん」

……どこでもこの手の苦労はつきものですね(汗)軍を編成する人間の、
万国共通の悩みですね。

>『それが解っていない方が多いですよね、貴族の方の中には』
>「無駄に歴史と血統を誇るだけの、バカが多いからな」

ラダマンティスさんは、まず大丈夫でしょうと思いますが……
「『貴族』に注意する必要ありませんが、貴族『達』にはご注意下さい」
という某「銀○伝」のキルヒアイスの言葉を捧げます。
バカでも集団になると厄介ですから。

>「白霧・・・・・さっさと帰れ(怒)」
>
>氷の奥からルビーアイは呻く。
>「いいでしょ別に、あの子の気配がこの世界からしてるし・・・・」
>白霧は白の竜神に甘えながら、言い返す。

例え魔族でなくても、他人のラブラブっぷりを逃げることも許されずに
見続けなきゃならなかったら……思いっきり苦行ですね(滝汗)
ああ、魔王様、哀れ……。(ほろり)
かといって、身代わりにはなりたくありませんが(笑)

>「しかし・・・会ってどうする?
>我らはあれを生み出せし親かも知れぬが、あれを封印し覚める事なき眠り・・・・死を与える事を願ったのだぞ」

普通に人間のように寿命を迎えて死ぬように願った、ということでしょうか。
存在の特殊性から考えると、本当なら寿命なんてないと思われますし。

>「ゼロス、ゼルガディスとその両親について調べなさい」
>ゼラスはゼロスにそう命じる。
>ゼロスはすっと頭を下げ承知の意を示すと、空間を渡って消えていった。
>「ゼラス?」
>ダルフィンがゼラスを不思議そうに見る。
>「ちょっと気になる事があってな・・・・」
>
>――ラダマンティス・・・・人間でありながら空間を渡り、人間離れした力を持つ者・・・・

ゼラス様、まだ「もしかしたら……」の段階ではあるものの、感づいたのですね。

>「何にしても・・・・・・・白霧たちには、さっさと帰ってもらいたいものだ。
>でないと、魔王様がそのまま滅びかねないしな」
>グラウ=シェラーが締めくくるように言う、やっぱりその額には一筋の汗を浮かべて・・・・・

どのくらいで滅ぶか実験してみたい気もしますが(←鬼)
魔王としては一番嫌な滅び方でもありますね。

>ゼロスは知らなかったが、マイアはあのレゾの友人で、レゾでさえ認めるほどの、魔道技術を持っているのだ。
>「どうしましょう・・・・出れなくなっちゃいました(滂沱の涙)」
>完全に途方にくれていた・・・・・。

ある意味、迷子初体験ですね♪
さすがのゼロスも困惑しているのでしょうね。

>「・・・・・さて問題です、これは何でしょう?
>@なぞの黒い物体。
>A家庭内害虫もしくはゴキブリ。
>B行き倒れの死体。
>C人畜有害粗大ゴミ。
>さあ、どれでしょう?」

それをすべて踏まえた、ただの迷子のパシリ。
さあ、正解は?(CMの後!)

>「ああ。
>この森に張られた結界は、私が作った」
>「・・・・・は?」
>「押し売り対策として作ったんだが、どうも関係ないのまでかかるらしい」

調整が難しいんですね。……でも押し売りって……(汗)

>「というわけで帰れ、黒い物体。
>魔族が来るって事は、どうせろくなことじゃないから」
>そう言うと、マイアはさっさと立ち去ってしまった。

とても正しい認識ですよね。

>マイアは家に戻ると、ゆっくりお茶をすする。
>「どうせ、ラダのことか、うちの種族のことでも、聞きにきたんでしょうけど・・・・」
>
>――聞かれたって答えないけど。

えーっと、うちの種族といいますと……この方「人間」とは微妙に違う方
なのでしょうか?

>「この黒い物体どうしようかしら・・・・・解剖(ばら)してみるのもおもしろいかも♪」
>何やら、危ないことを言いながら、マイアはうっすらと微笑む。

……はい? 解剖って……?(滝汗)
まあ、研究する側としては、解剖も必要なことがありますが。
あ……今脳裏に中学時代の友人が部活で作った、「フナの解剖マニュアル」が
浮かびました……。ラストは「墓を作って線香をあげること」が締めになってた……。


>ラダ:そういや昔から、そこらの通りすがりの魔族を捕まえては、解剖してたな・・・・・(遠い目)

通りすがりの魔族って……(汗)魔族とはいえ、何となく合掌。

マイアさん……本当に最強ですね……(滝汗)
ゼフィーリアって……本当に……。
う〜ん、リナがかなりまともな分類に見えます……(滝汗)
このような人材を平然と抱えているゼフィーリアという国って……。

今回はどちらかといえば、ラダマンティスさんの正体絡みのお話でしたね。
さらに最強のお姉さままで……。
次回はこのまま続くのか、帝国の話になるのか、神様サイドになるのか、
どの続きになるのだろうなと思っています。
どれになっても楽しみです。

それでは、この辺で失礼いたします。

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14132子猫だったら可愛いんでしょうが・・・(汗)キツネノテブクロ 2003/4/30 12:20:14
記事番号14120へのコメント


>こんばんは。
>
>ゼフィーリアの人間って、本当にとんでもない方が多いですね(汗)
>さらに最強な方がご登場……。
>能力ではなく、精神的な意味で、ラダマンティスさんすら頭の上がらない方
>でしょうし。(一般に、弟にとって姉という存在は、問答無用でそういうものです)

こんにちは、キツネノテブクロです。

精神的に最強っぷりを発揮する方が登場してます。
この方とヴィシュヌがそろうと、一番被害を受けるのは、某神官でしょう(汗)

>>「今は軍の編成を先にしてるんだが、バカ貴族の横槍が五月蝿くてな(苦笑)
>>口ばっか達者な連中を、最前線に送り込んでやりたいところだが・・・」
>>『無駄に兵を損ねるだけ、ですか』
>>「まあ、そんなところだ。
>>能無し連中に兵を任せる訳にはな・・・・そもそも、貴族の威光なんてものが、通用すると思ってるバカに、指揮権なんか与えられるか。
>>かといって、そこらの一般兵と同じにすると、命令無視どころか、邪魔にしかならん」
>
>……どこでもこの手の苦労はつきものですね(汗)軍を編成する人間の、
>万国共通の悩みですね。

封建社会の嫌な部分ですね。
貴族の扱いどうしましょうかねえ・・・・・

>>『それが解っていない方が多いですよね、貴族の方の中には』
>>「無駄に歴史と血統を誇るだけの、バカが多いからな」
>
>ラダマンティスさんは、まず大丈夫でしょうと思いますが……
>「『貴族』に注意する必要ありませんが、貴族『達』にはご注意下さい」
>という某「銀○伝」のキルヒアイスの言葉を捧げます。
>バカでも集団になると厄介ですから。

ラダ氏なら、何があっても粉砕してくれそうですが・・。

キルヒアイスなんで死んじゃうかなあ(滝涙)
ラインハルト置いてっちゃ駄目じゃないかあ(涙)
グリューネワルト大公妃殿下、あの様子じゃ一生独身だぞ(TT)

>>「白霧・・・・・さっさと帰れ(怒)」
>>
>>氷の奥からルビーアイは呻く。
>>「いいでしょ別に、あの子の気配がこの世界からしてるし・・・・」
>>白霧は白の竜神に甘えながら、言い返す。
>
>例え魔族でなくても、他人のラブラブっぷりを逃げることも許されずに
>見続けなきゃならなかったら……思いっきり苦行ですね(滝汗)
>ああ、魔王様、哀れ……。(ほろり)
>かといって、身代わりにはなりたくありませんが(笑)

嫌な精神攻撃ですよね;;
私も身代わりはいやです(きぱ)

>>「しかし・・・会ってどうする?
>>我らはあれを生み出せし親かも知れぬが、あれを封印し覚める事なき眠り・・・・死を与える事を願ったのだぞ」
>
>普通に人間のように寿命を迎えて死ぬように願った、ということでしょうか。
>存在の特殊性から考えると、本当なら寿命なんてないと思われますし。

えーと、この辺は話の中で、はっきりと表現したことは無いですが、その場で殺すことを願ってます(汗)
白霧達でさえ、封印がやっとですから。
ラダ氏・・・玻璃の寿命はあって無い様なものですから。

>>「ゼロス、ゼルガディスとその両親について調べなさい」
>>ゼラスはゼロスにそう命じる。
>>ゼロスはすっと頭を下げ承知の意を示すと、空間を渡って消えていった。
>>「ゼラス?」
>>ダルフィンがゼラスを不思議そうに見る。
>>「ちょっと気になる事があってな・・・・」
>>
>>――ラダマンティス・・・・人間でありながら空間を渡り、人間離れした力を持つ者・・・・
>
>ゼラス様、まだ「もしかしたら……」の段階ではあるものの、感づいたのですね。

なんとなく気になるから、確かめてみようって感じです。

>>「何にしても・・・・・・・白霧たちには、さっさと帰ってもらいたいものだ。
>>でないと、魔王様がそのまま滅びかねないしな」
>>グラウ=シェラーが締めくくるように言う、やっぱりその額には一筋の汗を浮かべて・・・・・
>
>どのくらいで滅ぶか実験してみたい気もしますが(←鬼)
>魔王としては一番嫌な滅び方でもありますね。

いや、ここで滅びたらどんなお仕置きが待っていることか(汗)

>>ゼロスは知らなかったが、マイアはあのレゾの友人で、レゾでさえ認めるほどの、魔道技術を持っているのだ。
>>「どうしましょう・・・・出れなくなっちゃいました(滂沱の涙)」
>>完全に途方にくれていた・・・・・。
>
>ある意味、迷子初体験ですね♪
>さすがのゼロスも困惑しているのでしょうね。

困惑してますね。
何千年と生きてるゼロスでも、迷子は初めてなのでは?

>>「・・・・・さて問題です、これは何でしょう?
>>@なぞの黒い物体。
>>A家庭内害虫もしくはゴキブリ。
>>B行き倒れの死体。
>>C人畜有害粗大ゴミ。
>>さあ、どれでしょう?」
>
>それをすべて踏まえた、ただの迷子のパシリ。
>さあ、正解は?(CMの後!)

全て正解(笑)
あ、別に死体じゃないか、心臓は動いてないけど(笑)。

>>「ああ。
>>この森に張られた結界は、私が作った」
>>「・・・・・は?」
>>「押し売り対策として作ったんだが、どうも関係ないのまでかかるらしい」
>
>調整が難しいんですね。……でも押し売りって……(汗)

こんな森まで来るとは思えないんですけど・・・・(汗)

>>「というわけで帰れ、黒い物体。
>>魔族が来るって事は、どうせろくなことじゃないから」
>>そう言うと、マイアはさっさと立ち去ってしまった。
>
>とても正しい認識ですよね。

ですね。
魔族に係わったら、ろくなことが無いですから。

>>マイアは家に戻ると、ゆっくりお茶をすする。
>>「どうせ、ラダのことか、うちの種族のことでも、聞きにきたんでしょうけど・・・・」
>>
>>――聞かれたって答えないけど。
>
>えーっと、うちの種族といいますと……この方「人間」とは微妙に違う方
>なのでしょうか?

その辺もおいおい出していきます。
が、マイア一応人間です、と言うより人間の血の方が濃いです。

>>「この黒い物体どうしようかしら・・・・・解剖(ばら)してみるのもおもしろいかも♪」
>>何やら、危ないことを言いながら、マイアはうっすらと微笑む。
>
>……はい? 解剖って……?(滝汗)
>まあ、研究する側としては、解剖も必要なことがありますが。
>あ……今脳裏に中学時代の友人が部活で作った、「フナの解剖マニュアル」が
>浮かびました……。ラストは「墓を作って線香をあげること」が締めになってた……。

魔族に対する研究だと思いますが(汗)
墓作って線香はあげてなさそうです(汗)

>>ラダ:そういや昔から、そこらの通りすがりの魔族を捕まえては、解剖してたな・・・・・(遠い目)
>
>通りすがりの魔族って……(汗)魔族とはいえ、何となく合掌。

線香の一本でもあげておきましょう(合掌)

>マイアさん……本当に最強ですね……(滝汗)
>ゼフィーリアって……本当に……。
>う〜ん、リナがかなりまともな分類に見えます……(滝汗)
>このような人材を平然と抱えているゼフィーリアという国って……。

ゼフィーリアと言うより、ラダマンティスの関係者にはとんでもないのが多いと言うか・・・・・
リナがまともに見えますね・・・・(汗)

>今回はどちらかといえば、ラダマンティスさんの正体絡みのお話でしたね。
>さらに最強のお姉さままで……。
>次回はこのまま続くのか、帝国の話になるのか、神様サイドになるのか、
>どの続きになるのだろうなと思っています。
>どれになっても楽しみです。
>
>それでは、この辺で失礼いたします。

ラダマンティスの周辺が騒がしくなりそうです。
一番話が動いてないのが、リナたちですね(^^;

感想ありがとうございました。

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14131The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第12章キツネノテブクロ 2003/4/30 11:35:12
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















     光でも闇でもなく、光でも闇でもある。


     有であり無である、有でなく無でもない。


     全てがあり、全てが無い。


     それを混沌と呼び。


     始まりであり終わりの世界。






混沌の海、全てを生み出せし存在、金色の王。
ロード・オブ・ナイトメア。
上下も無く、前後も無い空間で、金の髪の美しい女性が姿を形作る。


―――汝何者か?


金の髪の女性――金色の王、通称をLと呼ぶ――の口から、天上の音楽とも言うべき声が漏れる。


―――滅びを望みながらもあり続けることを望みし王よ・・・・我が名を聞いてなんとする?


金色の王の前に、赤い髪も鮮やかな、美しい青年が姿を現す。


―――我が創りだせし世界に何をなそうと言うのか?


―――我が望むは真実を知ることのみ・・・・


―――汝が望みし真実は如何なるものか?


―――・・・・その答え、知るために我はここ在る・・・あり続ける・・・・


赤い髪の青年は、色の無い世界に赤い色を残し消えた。
「汝何を望むか、神であり悪魔たるものよ・・・・・」






天竜王の神官たちの襲撃から数日後。
ヴァルたちは天竜王の守護する大陸に渡っていた。
そこでフレイと合流した。
そして立ち寄ったのは、割と活気付いている港町。
この町は隣の大陸、魔族が張った結界があるあたりに、近い位置にある。
宿を取ると、ガーヴとヴァルの二人で酒場で情報を集めにかかる。
ついでに宝石を換金しておく為んでもある。
ヴァル達は、普段から通貨ではなく、宝石を持ち歩くようにしている。
決まった地域を旅するわけではないので、その土地ごとで換金できる宝石のほうが、便利が良かった。
実際、結界内と外では通貨が明らかに違うし、結界内で使われる通貨は、外の世界では換金できないのだ。
フィリアもついて来ようとしたが、皆に止められた。
「こんな、がらの悪いとこに、お嬢さんを連れて来れる訳ねえよな」
「お前が残れば、あの姉ちゃんはついて来るなんて、言い出さなかっただろうな」
ヴァルのぼやきにガーヴが笑いながら言葉を返す。
「それだけ心配なんだろ」
更に、にやっと笑ってガーヴが言うと、ヴァルは顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。

――どっちも素直じゃねえな・・・

その様子に苦笑しながら思うガーヴだった。






フィリアは落ち着かない様子で、宿屋の部屋の中をうろうろとしていた。
「落ち来なさい、巫女殿。
ヴァルなら大丈夫ですよ」
ヴィシュヌはそえつけのお茶を飲みながら、のんびりと言う。
「ヴァルが不良になったら、どうするんですか!
あのやくざな赤毛魔族なんかと一緒にいたら・・・」
「あの子なら大丈夫」
にっこり微笑んで、フィリアを安心させるように言う。

――それにもう不良みたいなもんでしょ(笑)

等と思っていても、それをおくびにも出さない。
「それにね巫女殿。
私にしろ巫女殿にしろ、酒場では目立つよ」
片や白い巫女の服、片や薄いグリーンの神官服。
そこらのごろつきよりは腕は立つが、無駄に騒ぎおこす必要は無い。
「そこいらのごろつきにナンパされたいの?」
ちょっと意地の悪い笑みを浮かべて、ヴィシュヌは言う。
その言葉に、フィリアは一瞬顔を引き攣らせ、直ぐに首を横にぶんぶん振る。
「だったら、おとなしく待ってよう。
フレイ様も出かけちゃったしね」
「何処に行かれたんでしょう?」
「もう一度会いに行ったんじゃなのかな、天竜王様と地竜王様のところに。
あ、お茶もらえるv
巫女殿が入れたお茶の方が美味しいから」
フィリアの、何処にしまってあるのか謎の、ティーセットで寛ぐ二人。
「火竜王様は現在いる竜王様の中で一番、自らの業の深さを知る方だから・・・・・・・何かあっても抱え込んじゃうかも」
ヴィシュヌは、優雅にお茶を飲みながら、静かな口調で言う。
「天竜王様に聞いたんだけどね、火竜王様は呪縛されてるんだそうだよ」
「え?」
火竜王が呪縛されていると言う言葉に、フィリアは驚いたような不思議そうな表情を見せる。
「火竜王の巫女でも知らないんだ・・・・・・・・・・」

――火竜王様は水竜王様の言葉に、呪縛されてるってことを・・・・・・

ヴィシュヌは少しだけ哀しいと感じていた。
神といえど感情を持てば普通に生きる者と、なんら変わらないことに・・・・・
フィリアは、黙り込んでしまったヴィシュヌを訝しげに見ていたが、小さくため息をつくと窓の外の景色に目をやる。
海に面した部屋で、窓からは鮮やかな青い海が見える。
その海を行きかう大小様々な船。

――平和そうだよね・・・・見た目は・・・

ヴィシュヌは先程、部屋に入る前に宿屋の女主人相手に世間話をしていて、近く大きな戦争が起きると聞いていた。
この町はヴァリシア帝国のはずれにあって、今まで戦争に巻き込まれたことは無かったようだ。
それゆえか、この町の人間は戦争といってもピンとは来ないようだ。
だが、この町には軍港があり、ここに海軍の本部が置かれる可能性もあった。

――ここが戦場にならないと言う保障は、無い・・・・・






フレイは再び地竜王の神殿に訪れていた。
「先日は失礼をいたしました。
地竜王様は奥でお待ちです」
神官に案内され、通された部屋に地竜王は居た。
「火ぃちゃん・・・・こないだはごめんね。
折角来てくれたのに・・・・」
「調子が悪いのか?」
フレイは心配そうに地竜王の顔を覗き込む、地竜王の顔色は青ざめ、体は小刻みに震えている。
「調子が悪いって言うか・・・・・怖いの・・・・」
「怖い?」
「どうしてか解らないの、ただね物凄く怖いの・・・・・何が怖いのか何で怖いのか・・・・よく解らないの・・・」
地竜王は震える体を、両腕で抱きしめるようにして押さえているが、それが妙に痛々しく見える。
「地竜王、いつからだ?」
「天ちゃんの神殿であの子に会ってから・・・・・ヴァル=アガレスに会ってからよ」
フレイは地竜王の言葉に、暫し動きが止まる。

――ヴァルにあってから?

確かに天竜王の神殿であった時、地竜王はヴァルに対して恐怖を感じていたようだが、ここまで酷いものだっただろうか?
「その恐怖は、ヴァルに対してか?」
フレイは静かに問いかける。
「・・・・解らないの・・・・あの子は怖い・・・・でもあの子が私たちに何かするとは思えないの・・・ただね、火ぃちゃん。
天ちゃんの事に気をつけて・・・・何でか天ちゃんが怖いの・・・何か引きずられそうで・・・」
「引きずられる?」

「神の狂気」

「・・・・・・・・」
天竜王に狂気の兆しがあっただろうか?
フレイは、最近会ったばかりの天竜王のことを思い出すが、何か変わった事があっただろうか・・・・
幾ら考えても思い出せない、もしかしたらこれもあの夢に関係が有るかも知れない。
「地竜王、今はまだ大丈夫なのだな?」
「うーんとね、前に火ぃちゃんが来てくれた時は、パニック起こしてたから。
それに比べれば、今日はまだ良い方だけど・・・・」
「そうか・・・無理はするな」
そう言うとフレイは地竜王の神殿を辞した。

――おそらく、地竜王の恐怖も神の狂気となって伝わる可能性がある・・・・余り時間は無いな・・・・

フレイは普段から狂気と正気の間にいて、ある程度天竜王や地竜王に比べると、狂気の抑え方を知っている。
それ故にか、自分以外の狂気に引きずられる事は無い。
「ガーヴ達も何か情報を得ていればいいが・・・」






ヴァルはかなり不機嫌だった。
酒場で何故か勘違い野郎にナンパされ、ぶちぎれてシバキ倒してきたのだ。
「いい加減機嫌直せって、あの姉ちゃんが心配するぜ」
ガーヴは苦笑しながらヴァルに言うが、当の本人は据わった目で、ゆらーとガーヴを見返すだけ。

――こええええ(汗)

「姉ちゃんだけじゃなくて、あの変な兄ちゃんも何か言ってくるぜ」

ぴたっ。

「それはヴィシュヌの事か?」
顔を引き攣らせて、ガーヴに聞き返す。
「ん?
ああ、そうだけどよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少し落ち着く時間をくれ」
暫しの沈黙の後に、ポツリと呟く。
ガーヴも何処か引き攣った笑みで頷く。

――どういう育ち方したらああいう性格になるかねえ・・・(滝汗)

ヴィシュヌの性格を思い出し、密かに遠い目するガーヴだった。












<続>


【あとがき】

ナンパされてるうぅぅ(笑)

ガーヴ:殺されたくなければ・・・いうなよ・・・くく(必死で笑をこらえてる)

しかしなんだね・・・・

ガーヴ:?

このツリー見てるとさ、怪しい呪文の羅列に見えてきてさ・・・・・

ガーヴ:自業自得だろ。
こんな長ったらしいタイトルにしたのは、てめーなんだからよ。

まあ、そうなんだけどね。
じゃ、この辺で。

ガーヴ:次をよろしくな。
で、てめーはサクサク書くように。

おどすなや;;

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14133The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第13章キツネノテブクロ 2003/4/30 15:01:29
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















セイルーンの王宮、あてがわれた客間でゼルガディスは忙しく執務こなしていた。
数日前、母メティスと妹ラフィリアスがセイルーン入りした為、仕事の上では大分楽にはなっていた。
そしてこの日は、海軍を有する国と協議する事になっていた。
基本的に魔族の結界内では、海からの攻撃にさらされた事など、殆ど無かった為海軍有する国はそれ程多くない。
実際大国であるセイルーンでさえ、海に面していないため、海軍と呼べるものは無い。
一応軍船らしきものはあるらしいが・・・・







「今日来るのは、エルメキア帝国とライゼール帝国か」
「はい、エルメキア帝国からは、皇族の方、他数名。
ライゼール帝国からは、帝国軍海軍司令、他数名です」
ラフィリアスがゼルガディスの言葉に答える。

『若、布告状を出した国の名がわかりました』

不意にクロイセルの声が聞こえる、ゼルガディスは手を休めることなく続けるよう促す。
『まず国名ですが、ヴァリシア帝国、統治者はアダマス=ディス=グランド=ヴァリシア=ゼクス。
アダマス6世です。
以前に報告したように、この国では一部の神官が、貴族よりも上の地位を持ち、国政に参加しているようです。
それと軍事面ですが・・・・・一番に海軍の情報を探らせました、一艦隊が20〜30隻で編成され、常に動かせる艦隊数が20前後あるようです。
そしてこの国は、ここ数年で領地を倍にしてきたようです』
「そうか、ご苦労。
引き続き頼む、ああそれから、他に海に面した国での動きも探っておいてくれ」
『承知。
若・・・・狂信者にお気をつけ下さい』
それだけ言うと、クロイセルはいなくなる。
「・・・狂信者?・・・」

――ここ数年で領地を倍に・・・か

ここ数日は、リナとガウリイは特に何をするでもなく、ゼルガディスに当てられている客室で、お茶でも飲みながら、時間を潰していた。
本当は何か手伝えればいいのだが、国政に関わる事や軍事面では、口出しできないどころか、余りに複雑過ぎてリナですらお手上げなのだ。
それをゼルガディスと、その妹ラフィリアスは、ちゃっちゃとこなしていくのだ。
役割分担的に、軍事面一切をゼルガディスがこなし、政治的な方はラフィリアスが補佐することで、仕事がたまる様子は無い。
リナは、いかにもお嬢様な外見と口調のラフィリアスが、実は恐ろしく切れ者なのに驚く。

――この兄妹って・・・・(汗)

イモータル公爵家では当主の子であっても、その時の当主が認めなければ、イモータル姓を名乗れないのだ。
だが、イモータル姓を名乗ると言うことは、それだけ優秀だと言うことでもある。
ラフィリアスは、幼い頃より母メティスの下で、主に政治的なことを徹底して学んでいる。
軍事面でも、父のラダマンティスから学んではいるが、兄のゼルガディス程ではなく、きちんと自分の得て不得手を把握し、自分の能力にあった仕事で両親や、兄を補佐している。
この徹底した能力主義が、イモータル公爵家の強さとも言える。
「ラフィ、アイズを呼んでくれ。
リナ、今日の会議は何を言われても、口を挟むな口答えもするな、俺の許可なく発言するな」
「むぅ、何でよ(怒)」
「リナさんには発言権はありません。
リナさんはあくまで、兄の護衛・・・・本来なら会議にすら出席できません」
ゼルガディスの言葉に、リナがむくれて聞き返すが、それに答えたのはラフィリアス。
言い方は穏やかで丁寧なのだが、微かに呆れた色が見えるためリナは更に不機嫌になる。

――好きになれないわね、この子・・・






ゼルガディスに呼ばれて来たのは、幼さが残る少女。
「アイゼリナル=ミーズ、会議の後で任務を伝える。
出立の容易をしておけ」
「はっ、了解しました」
綺麗な敬礼を返して、アイゼリナルは直ぐに退出する。
「やっぱり名前とギャップあり過ぎよねえ・・・・アイゼリナル=ミーズって名前から、普通少女は思いつかないわよね」
リナのセリフにガウリイは頷く、最初名前を聞いた時二人とも男を連想したのだ。
ゼルガディスはそんな二人に軽く苦笑する。
「あいつをファーストネームで呼ぶなよ、名前の事は気にしてるようだからな。
呼ぶときは、アイズって呼んでやれ」
そう言いながら、会議で使う書類をまとめ、戸口へと向かう。
「では行くか」
「ガウリイはここで待っててよね」
「おう、リナ暴れるなよ」

ごすっ!

鈍い音の後で顔面から床に突っ込むガウリイ。
それを顔を引き攣らせながら、ゼルガディスとラフィリアスは見る。
「ほら行くわよ」
リナに促されて、二人は額に一筋の汗を浮かべたまま、部屋を後にする。

「あ〜最近星ばっかみてる〜(@△@;」

ガウリイのボケを聞くものはいない(汗)。




用意された会議室には、既に其々の代表が既に席についていた。
会議は出だしからして最悪だった。






エルメキアの皇族、ルドウィヒ=アウイン=エルメキアの態度は、傲慢さを剥き出しにし、自分以外をひたすら見下していた。
ライゼールの海軍司令もルドウィヒに追従の言葉を挟むだけ。
「どこの馬の骨か知らないけどね、我らエルメキアに宣戦布告しようって言うのか?
身の程知らずだね、僕が指揮してそんな奴ら蹴散らして見せるよ」
何処までも芝居がかった態度で、気障な口調で言う。
それをゼルガディスは冷やかに見ながら、エルメキアの総合戦力の資料を読む。

――まずは一艦隊20〜25隻、艦隊数は10か・・・・

一応大国の自負があるだけに、数だけはあるが実際に使えるのは、よくて半分と見ている。
ゼルガディスが読んでいた資料からふと、目を上げるとルドウィヒはアメリアやラフィリアスを口説きにかかっていた。
なにやら歯の浮くような台詞の並べ立て、二人の気を引こうとしている。

――・・・・・典型的なボンボンだな・・・しかもバカだ・・・

今が軍事会議である事を、忘れたかのようなルドウィヒに、ゼルガディスは呆れ、アメリアもラフィリアスも聞こえない振りをしながら、聞き流していく。
「・・・ねえ、ちょっとゼル・・・」
リナが小声でゼルガディスを呼ぶ。
「なんだ?」
「これの何処が軍事会議なわけ?」
「・・・はなから期待はしてなかったが・・・ここまでバカしか来ないとは思わなかったな」
リナとゼルガディスは小声で会話をする、はたから見れば何かの確認事項を取っているようにも見えなくはない。
「イモータル公、貴殿の意見を伺いたい」
ゼルガディスに声をかけてきたのは、エルメキアの帝国騎士団副団長のノゼアン=コニカルコ。
会議を始める際に一通り簡単に自己紹介をしている。
「コニカルコ卿、私のような若輩者の意見をお聞きになりたいと?」
「うむ、貴殿は若いながらもイモータルの名を持っておられる。
何より、この場におられると言う事は、それだけ信頼できるだけの、能力があるからではないかと思ってな」

――ほう・・・意外だな・・・

ゼルガディスは、内心感嘆の声を上げながらも、表情だけは変えることなく相手を見る。
「私の意見を言う前に、まず解っているだけの情報をお出しします。
まず、各国に出された布告状の相手ですが、海を挟んだ向こうの大陸にある国です。
名をヴァリシア帝国、皇帝アダマス6世が統治する大陸最大の国家です。
総合戦力は現在はまだ不明ですが、現在確認されているだけでも、無傷の艦隊が20前後です。
なお、この国は我々と違って戦争にはなれている模様です」
そこまでを一気に言い切り、ゼルガディスは一同の反応を待つ。
「どうやってその情報を得たかはこの際問いません。
大陸最大の国家で、戦争慣れしていると言う事は、最近まで侵略戦争を、引き起こしていたのではありませんか?」
最初に発言したのは、ライゼールの女性士官、名をシルト=ホルンフェルス。
未だに男尊女卑の風潮が強い軍にあって、少佐の地位にある才女である。
「ホルンフェルス殿、その根拠は?」
「まず、この布告状。
布告上を送り付ける時点で侵略の意図が見えます、かなり野心家の皇帝だと推察します。
次に戦争慣れしていると言うのは、最近まで軍を動かしていたということ、先ほど野心家の皇帝だと推察しましたが、もしそうならまず防衛戦争ではないでしょう。
自国の領土を広げるためだと思われます」
「うむ、儂もそう思う。
・・・言ってなんだがの、この中でどれだけこの意味の重さが解る者いるか、それが不安ともいえる」
「そうですね、コニカルコ卿」

ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち・・・・

「お見事」
ゼルガディスは微かに笑みを浮かべ、拍手する。
「先ほどの最後の部分をわざとあのような言い方をしたが、見事当てられましたな。
失礼とは思ったが、試させていただいた」
ゼルガディスのその言葉に、その場の何人かは気色ばむ。
「私の意見をいう前に、確認しておきたかったのですよ。
きつい言い方をすれば、貴公たちの頭の出来を」
目をすっと細め、口元に冷たい笑みを浮かべ、冷たく言い放つゼルガディスに、リナとアメリアは背筋に冷たい汗が落ちる。
こんな言い方をすれば、無駄にプライドの高いルドウィヒあたりが激昂しかねない。

「貴様!!
何様のつもりだ!!!」

案の定一番に切れたのは、ルドウィヒ。
「軍事会議で女を口説くようなバカに、何を言っても解るまい!
戦略と戦術の違いすら解っていなような奴に、戦争を勘違いしているような奴に、兵士の命を任せられると思うか!!」
ゼルガディスの低く切りつけるような声と迫力に、ルドウィヒは情けなく尻餅をつく。
一度は裏の世界に居た事のあるゼルガディス相手に、王宮の奥のぬくぬくとした場所で育ったルドウィヒでは、圧倒されるのは明らかだった。
「戦争はあくまで殺し合いだ、その覚悟すらない奴が偉そうにする権利はない!」
何処までも冷たく切り捨てる言い方に、ルドウィヒは黙り込む。
「兵を指揮するとは兵の命を預かる事、その意味すら解らぬ奴に・・・」

「イモータル公、そこまでで・・・」

ゼルガディスを止めたのはコニカルコだった、彼もルドウィヒには思うところはあったが、一応この場では自分よりも目上なので助け舟ぐらいは出してやる。

――まったく親父は良くやるよ、こんなバカ連中の相手を四六時中してるんだから・・・

ここにいない父親の苦労を改めて知り、ゼルガディスはこっそりとため息をつく。
ラダマンティスも今頃ゼフィーリアで、バカな貴族相手に苦労させられているのだろう・・・・
「では、改めてイモータル公の意見を聞きたいのだが?」
老騎士コニカルコに促され、ゼルガディスは口を開く。
「私の意見だが・・・」







<続>


【あとがき】

出たよ、ルドウィヒ・・・・・ルドウィヒ=アウイン・・・・・・

ゼル:エルメキアの恥。

エルメキアとしても、こんなのよこしたくないんだろうけど、一応海軍トップだし・・・・

ゼル:実際の仕事は、ノゼアン=コニカルコがしてるんだろ?

本国ではね。
コニカルコの爺ちゃんは、メル●ッツ提督がモデルで、さらにビュ●ック老人も混じってる可能性あり。

ゼル:お前の趣味か・・・・

ほっとけ。
先にあとがきに登場した、魔族のダイ・グなんて、何処ぞの漫画の皇帝の名前だぞ(爆)
しかも、部下の名前候補がに●・は●らー≠ニか●あん・けー●ひ≠ノびお●ーと・と●いとん≠竍くり●てぃん・う゛ぃ∞ぶるーの・か●つぃ●ん≠ニかだぞ。
ううう、マジで使いたい(><)

ゼル:趣味丸出しか・・・・ここで、エ●ガイムが出ないのが不思議だな;;
ってか平仮名はやめろ(疲)

使いたいのは色々あるぞ、それこそエル●イムとか、●ぁい●すたぁ●語とかパ●レ●バーとか、MA●AR●とか銀●伝とか聖●士星●とか・・・・

ゼル:そこまでにしろ(汗)
一部マニアックなのも見えるようだが??(汗)

気にするな。
じゃ、この辺で。

ゼル:このあとがきみて、読んでくださる方が、ひかなきゃいいがな・・・。

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14136……すいません、真っ先に女性としか思えませんでした。エモーション E-mail 2003/5/1 00:03:28
記事番号14133へのコメント

こんばんは。

ナンパ……。ヴァルくんってば……(汗)
まあ、お酒に酔った上に変な人はどこにでもいるということで(笑)
でも、ひたすらフィリアさんとヴィシュヌさんがいなくて良かったですね。
……フィリアさんがいたら、逆にヴァルくんはナンパしてくる連中から
彼女をガードするので大変だったかも、とは思いましたが。

地竜王様は天竜王様の「狂気」に引きずられそうなんですね。
あのテンションの高さと打って変わった姿に驚きました。
これだけでも相当怖がっているのは分かります。
それにしても……ヴァルくんにあってから、というのが気になります。
ヴァルくんの中の人(人じゃない(笑)つーか、中の人って何?(笑))が
何かをしたとは思いませんが、影響……というよりは何かに「きっかけ」として
体よく利用されているような感じもします。ヴァルくん自身、知らないうちに。
使いやすいから使われた、という感じで。
それにしても……天竜王様、本当にどうしたのでしょうか……。

それから、13章。
タイトルにありますが、アイゼリナル=ミーズさん……少女とは思わなくても、
女性としか連想できませんでした。……多分「エ○ーのアトリエ」に〃アイゼル〃
という名前の女の子(主人公のライバル&友人)がいるからだと……。(汗)

それにしても今回はリナちゃん。ちょっと察しが悪すぎといいますか、
自分の立場と周囲の物の考え方を認識しなさ過ぎ、頓着しなさ過ぎのように
思えました。
あれだけ長いこと旅して色々な身分の人に会って雇われてたりしていたら、
頭でバカにしても、それなりの認識はあるし、取るべき態度も分かるでしょうに……(汗)

そしてエルメキア帝国……何故こんな社交界の舞踏会と、軍事会議の区別も
つかない激烈バカをこんな重要な会議に送ってよこすかなあ(笑)
布告状のことなどまったく本気に取り合っていない、もしくはエルメキアの
トップはバカしかいません、と他国に思われても仕方ないのでは(汗)
エルメキアの皇帝……あなたにまともな知能と判断力があるのなら、
悪いこと言わないから、さっさとコレを生涯予備役にしてください……。

どこの国もとりあえず中堅以下はまともなのが救いでしょうけれど。
……苦労してるんでしょうね……(滝汗)

>コニカルコの爺ちゃんは、メル●ッツ提督がモデルで、さらにビュ●ック老人も混じってる可能性あり。
>
>ゼル:お前の趣味か・・・・

おおっ!どちらも……苦労人ですね(爆)私も好きです、このお二人。
生きていて欲しかったです……しくしく。

>先にあとがきに登場した、魔族のダイ・グなんて、何処ぞの漫画の皇帝の名前だぞ(爆)
>しかも、部下の名前候補が?に●・は●らー?とか?●あん・けー●ひ?に?びお●ーと・と●いとん?や?くり●てぃん・う゛ぃ??ぶるーの・か●つぃ●ん?とかだぞ。
>ううう、マジで使いたい(><)

……すみません、この辺りは分かりません……。

>使いたいのは色々あるぞ、それこそエル●イムとか、●ぁい●すたぁ●語とかパ●レ●バーとか、MA●AR●とか銀●伝とか聖●士星●とか・・・・
>
>ゼル:そこまでにしろ(汗)
>一部マニアックなのも見えるようだが??(汗)

あ、これは全部分かりました(笑)この中で実際見たり読んだりしたのは
「銀○伝」と「パ○レ○バー」と「聖○士星○」ですが。
……私、キャラの名前は主にSF小説のキャラや作者の名前を使ってます(笑)
さらに半オリジナルの過去シリーズでは、メインキャラの名前はまるまる
某少女マンガの劇中映画のヒロインからもらってます。
さすがにそのままは彼女だけですが、「銀○伝」から拝借のアッ○ンボローや、
キ○ヒアイスなんて姓名のキャラもしっかりいます(笑)
他にもいろいろなとこから使ってますね。
そのうちエドガーだの、メリーベルだの、エーベルバッハ(笑)なんて名前を
つけてみたいです。
国名や神聖呪文は主に「星界」シリーズからですけど。
……一番使いたい「十二国記」は……無理かなあ……全部漢字ですし……。

>ゼル:このあとがきみて、読んでくださる方が、ひかなきゃいいがな・・・。

大丈夫です。私も充分マニアックな返答してますので(滝汗)

つい、おバカな皇族にエキサイトしてしまいましたが、リナちゃんサイドも
本格的に動き出しましたね。
さて、ゼルはどんな意見を述べるのでしょうか。

後半は妙な感想(?)になってしまいましてすみません。m(__)m
続きを楽しみにしています。
それではこの辺で失礼いたします。

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14140Re:……すいません、真っ先に女性としか思えませんでした。キツネノテブクロ 2003/5/1 20:55:44
記事番号14136へのコメント


>こんばんは。

こんばんはです。

>ナンパ……。ヴァルくんってば……(汗)
>まあ、お酒に酔った上に変な人はどこにでもいるということで(笑)
>でも、ひたすらフィリアさんとヴィシュヌさんがいなくて良かったですね。
>……フィリアさんがいたら、逆にヴァルくんはナンパしてくる連中から
>彼女をガードするので大変だったかも、とは思いましたが。

ヴァルナンパされてます(笑)
フィリアが一緒にいなくて良かったですね、彼女もナンパされて大変でしょうから。
でもそれ以上に、ヴィシュヌがいなくて良かったね(汗)

>地竜王様は天竜王様の「狂気」に引きずられそうなんですね。
>あのテンションの高さと打って変わった姿に驚きました。
>これだけでも相当怖がっているのは分かります。
>それにしても……ヴァルくんにあってから、というのが気になります。
>ヴァルくんの中の人(人じゃない(笑)つーか、中の人って何?(笑))が
>何かをしたとは思いませんが、影響……というよりは何かに「きっかけ」として
>体よく利用されているような感じもします。ヴァルくん自身、知らないうちに。
>使いやすいから使われた、という感じで。
>それにしても……天竜王様、本当にどうしたのでしょうか……。

す・・・鋭いですねえ(汗)
地竜王の強すぎる恐怖は、ヴァルに抱いたものを利用してます。
ただ、これがどう影響していくかは、まだ内緒と言うことで。
天竜王に関しては、未だ言えません。

>それから、13章。
>タイトルにありますが、アイゼリナル=ミーズさん……少女とは思わなくても、
>女性としか連想できませんでした。……多分「エ○ーのアトリエ」に〃アイゼル〃
>という名前の女の子(主人公のライバル&友人)がいるからだと……。(汗)

このアイゼリナル=ミーズという名は、昔に考えた名で、アイゼリナルミーズでファーストネームにしてました。
その時は少年の名前にしてましたが。

「エ○ーのアトリエ」と言うのは、聞いたことがあるような気もします。
ゲームか何かのタイトルでしたか?

>それにしても今回はリナちゃん。ちょっと察しが悪すぎといいますか、
>自分の立場と周囲の物の考え方を認識しなさ過ぎ、頓着しなさ過ぎのように
>思えました。
>あれだけ長いこと旅して色々な身分の人に会って雇われてたりしていたら、
>頭でバカにしても、それなりの認識はあるし、取るべき態度も分かるでしょうに……(汗)

なんと言うか、リナってセイルーンでは、結構好きにさせてもらってるような気もするので(汗)(TRYの一話で公務中のアメリアに、思いっきり迷惑かけてましたし。普通はああいう場所に乱入はしないでしょ(^^;)

>そしてエルメキア帝国……何故こんな社交界の舞踏会と、軍事会議の区別も
>つかない激烈バカをこんな重要な会議に送ってよこすかなあ(笑)
>布告状のことなどまったく本気に取り合っていない、もしくはエルメキアの
>トップはバカしかいません、と他国に思われても仕方ないのでは(汗)
>エルメキアの皇帝……あなたにまともな知能と判断力があるのなら、
>悪いこと言わないから、さっさとコレを生涯予備役にしてください……。

エルメキアの手違いでしょう、あんなの遣してしまったのは(笑)
本来はルドウィヒは飾りですから、実質はコノカルコの爺ちゃんが仕切ってます。

しかし、ルドウィヒは予備役にもしたくないですね・・・・できれば一生、人様の迷惑にならないとこに押し込めた方が・・・・・

>どこの国もとりあえず中堅以下はまともなのが救いでしょうけれど。
>……苦労してるんでしょうね……(滝汗)

まともな人ほど、苦労人・・・・

>>コニカルコの爺ちゃんは、メル●ッツ提督がモデルで、さらにビュ●ック老人も混じってる可能性あり。
>>
>>ゼル:お前の趣味か・・・・
>
>おおっ!どちらも……苦労人ですね(爆)私も好きです、このお二人。
>生きていて欲しかったです……しくしく。

もっと長生きして欲しかったです。
このお二方には・・・・

>>先にあとがきに登場した、魔族のダイ・グなんて、何処ぞの漫画の皇帝の名前だぞ(爆)
>>しかも、部下の名前候補が?に●・は●らー?とか?●あん・けー●ひ?に?びお●ーと・と●いとん?や?くり●てぃん・う゛ぃ??ぶるーの・か●つぃ●ん?とかだぞ。
>>ううう、マジで使いたい(><)
>
>……すみません、この辺りは分かりません……。

いや、これは思いっきり趣味なんで、わからなくても良いです(^^;

>>使いたいのは色々あるぞ、それこそエル●イムとか、●ぁい●すたぁ●語とかパ●レ●バーとか、MA●AR●とか銀●伝とか聖●士星●とか・・・・
>>
>>ゼル:そこまでにしろ(汗)
>>一部マニアックなのも見えるようだが??(汗)
>
>あ、これは全部分かりました(笑)この中で実際見たり読んだりしたのは
>「銀○伝」と「パ○レ○バー」と「聖○士星○」ですが。
>……私、キャラの名前は主にSF小説のキャラや作者の名前を使ってます(笑)
>さらに半オリジナルの過去シリーズでは、メインキャラの名前はまるまる
>某少女マンガの劇中映画のヒロインからもらってます。
>さすがにそのままは彼女だけですが、「銀○伝」から拝借のアッ○ンボローや、
>キ○ヒアイスなんて姓名のキャラもしっかりいます(笑)
>他にもいろいろなとこから使ってますね。
>そのうちエドガーだの、メリーベルだの、エーベルバッハ(笑)なんて名前を
>つけてみたいです。
>国名や神聖呪文は主に「星界」シリーズからですけど。
>……一番使いたい「十二国記」は……無理かなあ……全部漢字ですし……。

殆どがなつかしの作品ばかりです。
パ●レ●バーだの聖●士星●とかって、今の小学生とかって、生まれてませんよね。
エ●ガイムなんて特に。

アッ●ンボロー、良い性格してますよね(笑)
「星界」シリーズとか「十二国記」は読んだことがないのですが、面白いそうですね。

>>ゼル:このあとがきみて、読んでくださる方が、ひかなきゃいいがな・・・。
>
>大丈夫です。私も充分マニアックな返答してますので(滝汗)
>
>つい、おバカな皇族にエキサイトしてしまいましたが、リナちゃんサイドも
>本格的に動き出しましたね。
>さて、ゼルはどんな意見を述べるのでしょうか。

ゼルたちの話は、頭から煙が出そうになってます(笑)

>後半は妙な感想(?)になってしまいましてすみません。m(__)m
>続きを楽しみにしています。
>それではこの辺で失礼いたします。

感想ありがとうございます。

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14137でましたね。ルドウィヒ(汗)猫楽者 E-mail 2003/5/1 12:36:45
記事番号14133へのコメント

こんにちは、キツネノテブクロさん。
お元気ですか、猫楽者です。
すいません(汗)、遅くなってしまいましたが、感想を書かせて頂きました。

貴族の何も考えていない発言&行動で、もはや切れる寸前な(?)ラダマンティスさん(汗)
結界内の国々との協力体制を作ろうとしているゼルガディスさん。
やはり、戦いたがっている貴族だけを集めて、『特別部隊』とかを作って
真っ先に突撃して頂いて、帝国の兵器と戦闘方法を分析させてもらいましょう(非道)

神の狂気に引きずられることを、恐れておられる竜王さま方。
暗躍する、異世界から呼び込まれた赤い男の方。
赤い男の方が見たい『真実』とは、どんなことを意味しているのでしょうか。

>「何にしても・・・・・・・白霧たちには、さっさと帰ってもらいたいものだ。
>でないと、魔王様がそのまま滅びかねないしな」
>グラウ=シェラーが締めくくるように言う、やっぱりその額には一筋の汗を浮かべて・・・・・

魔族の拠点カタートをラブラブ攻撃(笑)で、機能停止状態にしている。
リュシフィードさまと白霧さま。
ラダマンティスさんのことを、探しつづけていたのですね。

カタートから撤退して、遠い場所から魔王さまのご無事を祈っている(?)腹心の方々。
唯でさえ、魔族の力が削がれていますものね(笑)
魔王さまでしたら、ぎりぎりのところで滅びないのではないでしょうか。
あのお方からのお仕置きに、耐えつづけている魔王さまですから
耐久力は桁外れに強いのではないでしょうか(笑)

>で、ゼロスは迷っていた・・・・
>「何なんですかああ!!
>この森はあああああ!!!!!!(泣)」
>何故かアストラルサイドからの移動が出来ない上、ひたすら同じ所をぐるぐる回ってしまう。
>
>――じゅうおうさまあぁぁぁ〜(滝涙)
>
>ゼロスは知らなかったが、マイアはあのレゾの友人で、レゾでさえ認めるほどの、魔道技術を持っているのだ。
>「どうしましょう・・・・出れなくなっちゃいました(滂沱の涙)」
>完全に途方にくれていた・・・・・。

迷子(笑)・・・・・迷子になって、泣きながらお母さんを探している(違)獣神官さん。
なんか可愛いですね♪
やはり迷子になったら、泣きながらママを探さないとダメですよね(笑)

>「・・・・・さて問題です、これは何でしょう?
>@なぞの黒い物体。
>A家庭内害虫もしくはゴキブリ。
>B行き倒れの死体。
>C人畜有害粗大ゴミ。
>さあ、どれでしょう?」
>
>「僕は行き倒れの死体でもなければ害虫や粗大ゴミなんかじゃありません!!!!!!(滝涙)」
>一息で言い切るゼロス。
>迷いに迷って日が暮れかけて、にっちもさっちもいかなくなり、その場で丸くなっていじけていたら、上記のセリフが降ってきたのだ。

丸くなっていじけている(笑)
顔には縦線。人魂のオプション(笑)つきでしょうか。
ゼロスさん。“@なぞの黒い物体”は否定しないのですね(笑)

>昔からか?
>
>ラダ:昔からだ。
>
>・・・・(汗)
>
>ラダ:そういや昔から、そこらの通りすがりの魔族を捕まえては、解剖してたな・・・・・(遠い目)
>
>・・・・(こえーよー(TT))

マ・・・・マイアさん。すてきです♪
ゼロスさん。悪いことは言いません(汗)
マイアさんに・・・解剖(ばら)されちゃうますから・・・・チョロチョロしない方が良いのでは(滝汗)

>ナンパされてるうぅぅ(笑)
>
>ガーヴ:殺されたくなければ・・・いうなよ・・・くく(必死で笑をこらえてる)

ヴァルさんは、美形さんですから(笑)
酔っ払いさんたち・・・・・酒の勢いで難破(あっ、字が違いましたね(笑))したのでしょうけど・・・・
命が助かっただけでも・・・・・良かったような気が(汗&汗)
あのガーヴさまが、『――こええええ(汗)』と思うほどの、ドス黒い怒りのオーラを出していたのでしょうか(滝汗)

>「ガウリイはここで待っててよね」
>「おう、リナ暴れるなよ」
>
>ごすっ!
>
>鈍い音の後で顔面から床に突っ込むガウリイ。
>それを顔を引き攣らせながら、ゼルガディスとラフィリアスは見る。
>「ほら行くわよ」
>リナに促されて、二人は額に一筋の汗を浮かべたまま、部屋を後にする。
>
>「あ〜最近星ばっかみてる〜(@△@;」
>
>ガウリイのボケを聞くものはいない(汗)。

段段と高まってゆく、大きな戦争が始まってしまいそうな気配。
その緊迫した雰囲気を手に汗しながら、読ませて頂いているのですが
ガウリイさんのボケるお姿を想像すると、ホッとしますね(^^;

>出たよ、ルドウィヒ・・・・・ルドウィヒ=アウイン・・・・・・
>
>ゼル:エルメキアの恥。
>
>エルメキアとしても、こんなのよこしたくないんだろうけど、一応海軍トップだし・・・・

でましたね。ルドウィヒ(やはり、さんを付ける気にはなりませんので、呼び捨てで失礼します)
海軍のトップが、『あれ』では・・・・・海軍の方々、さぞや苦労しているのでしょうね(遠い目)

>ゼル:実際の仕事は、ノゼアン=コニカルコがしてるんだろ?
>
>本国ではね。
>コニカルコの爺ちゃんは、メル●ッツ提督がモデルで、さらにビュ●ック老人も混じってる可能性あり。
>
>ゼル:お前の趣味か・・・・

メル●ッツ提督と、ビュ●ック老人。どちらも苦労人の方でしたね。
あんな素敵な方が上司なら、働き甲斐があります。

>ほっとけ。
>先にあとがきに登場した、魔族のダイ・グなんて、何処ぞの漫画の皇帝の名前だぞ(爆)
>しかも、部下の名前候補がに●・は●らー≠ニか●あん・けー●ひ≠ノびお●ーと・と●いとん≠竍くり●てぃん・う゛ぃ∞ぶるーの・か●つぃ●ん≠ニかだぞ。
>ううう、マジで使いたい(><)

すいません(汗)
どこかで聞いたことはあるようなのですが・・・・・よくわからなかったりします(泣)

>ゼル:趣味丸出しか・・・・ここで、エ●ガイムが出ないのが不思議だな;;
>ってか平仮名はやめろ(疲)
>
>使いたいのは色々あるぞ、それこそエル●イムとか、●ぁい●すたぁ●語とかパ●レ●バーとか、MA●AR●とか銀●伝とか聖●士星●とか・・・・
>
>ゼル:そこまでにしろ(汗)
>一部マニアックなのも見えるようだが??(汗)

ああああああああああ懐かしい〜です〜。
まさか、エル●イム♪までも出てくるとは(嬉しい)
だれか〜せなかだいててくれ〜ひとりきりじゃ さみしすぎるから〜♪
きんのすな〜どけい〜 ひとは〜こぼれたすなよ〜♪

銀●伝♪、自分も大好き♪です〜。
パ●レ●バーとか、MA●AR●とか聖●士星●。面白かったですよね〜。
すいません・・・・●ぁい●すたぁ●語・・・・あまりよくわからなかったりします(汗)

>気にするな。
>じゃ、この辺で。
>
>ゼル:このあとがきみて、読んでくださる方が、ひかなきゃいいがな・・・。

ひかないです。むしろ引き寄せられました(笑)
エル●イム。あの当時のロボットシリーズ懐かしいですね〜。
バイファ●とかダンバイ●とかザブング●とかガリア●とかモスピー●とか・・・・DVDで欲しいなあ(笑)

すいません。なんだか変な感想になってしまいました。
ちなみに・・・・・今・・・・会社のお昼休みだったりします(笑)
皆さん休暇を取って、10連休とかにしているようで・・・・・周りにほとんど人が居ないです。

帝国の兵隊さんたちも、好きで戦争・・・・殺し合いをするわけではないのでしょうけど・・・・・
自分達が『侵略者』と言われるような戦争を、どんな思いで戦うのでしょうか。

投稿のペースが、本当に速いですね。
いつも、とても楽しく読ませて頂いております。
続きを、とても楽しみにお待ちしております。

もうすぐ5月の連休ですね。
朝夕は、まだ寒かったりしますので、風邪など
お体にお気を付けて、お元気で。
では、失礼します。

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14141Re:でましたね。ルドウィヒ(汗)キツネノテブクロ 2003/5/1 23:16:58
記事番号14137へのコメント

こんばんは。
感想ありがとうございます。

相変わらず魔王さんやゼロスが不幸です(笑)ゼロスがマイアに解剖されないと良いですが(^^;
竜王達にも色々と起きてますが、この先展開(何時になるやら)に関係があります。
リナ達の方でも、あのルドウィヒの登場です。
相変わらず暴走するキャラです、彼は。

それでは、この辺で。
失礼します。

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14139The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第14章キツネノテブクロ 2003/5/1 20:12:58
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















「私の意見だが、今の各国の状況から見て、まず勝てる見込みはありません。

一つ、危機感の無さと、騎士貴族の重用により、軍の編成さえ行っていない国があること。
一つ、相手国の状況から見て、まず陸戦ではなく艦隊戦になる、そのために海軍を擁する国々の代表に、集まっていただいたのだ。
一つ、自国の戦力を正確に把握している人物が余りに少なく、かつその人物が思うように能力を振るえる状況に無い事。
一つ、他国との連携を軽視している方がいる事。

最低でも、これらをどうにかしないかぎりは、まともな話し合いすら出来ないでしょう」
ゼルガディスの意見に数名の者が頷いている。
その中にはコニカルコや、ホルンフェルスも混じっている。
ルドウィヒは、憎々しげにゼルガディスを見ている、彼には遠まわしに自分をバカにしているように聞こえていた。
「では、そのためにはどうすれば良いと思われるのかな」
コニカルコが穏やかに問いかける、この老騎士はゼルガディスを見直していた。
最初は綺麗なだけの飾りかと思っていたのだ。
それでも有名なイモータル家の名代としてこの会議に出席している以上、どの程度の人物かは見定めておきたかった。
先程からの言動を見るかぎりでは、かなりの切れ者のようである。

――言ってはなんだが・・・ルドウィヒ殿下も、かつてはこの者の様に聡明であったが・・・・

「そうですね・・・・コニカルコ卿、エルメキアの軍の命令系統はどうなっていますか?」
「海軍に関しては、儂ではなく・・・・」
そこまで言ってちらりとルドウィヒを見る、その視線の意味に気づき、ゼルガディスの表情は僅かに曇る。

――このボンボンの管轄だという事か・・・・

今まで、どの国も海から攻められるという事が無かったためか、海軍に関してはかなり適当な扱いをしている。
そのためか、同じ軍でも陸軍に比べると、一部の海軍は左遷先のイメージすらあるのだ。
「ではルドウィヒ殿下。
海軍の命令系統と、正確な戦力を把握しておいでだろうか?」

――面倒な奴だ・・・

「何だ?その資料に書いてあるだろ?」
ゼルガディスの質問にバカにしたように答える。
先程バカ呼ばわりされた事を根に持っているようだ。
「私が聞いているのは、殿下自身が、現在の軍の状態を正確に、把握しているかどうかを聞いているのです」
「なっ・・・なら、貴様はゼフィーリアの海軍の事を把握していると、そう言うのか!?
なら聞かせて欲しいもんだね」
ルドウィヒは顔を引き攣らせて、喚き散らす、その様子に一部のものは、眉を顰めているが・・・・
「今朝の報告によれば、昨日の段階で一艦隊20隻前後、総艦隊数15、戦闘参加可能な艦隊は10。
編成待ちの5個艦隊は、戦況に応じて投入予定、なおこの数は開戦まで変更の可能性がある。
各艦隊の指揮官は既に、各自準備にかかっている。

一応断っておくが、私の管轄は海軍ではないし、わが国の軍事における最高指令は、騎士団長でもあるラダマンティス=グレイワーズである。
私はこのセイルーンに、他国との連携を図るために、派遣されている。
もっとも、今回この件に関しての軍の指揮権は、わが国の女王陛下より与えられているが」
ゼルガディスは手元の資料を全く見ずに、すらすらと言ってのけると、さらに追加するように言う。

――せめてこの程度くらいは、言えるようになって欲しいものだが・・・期待するだけ無駄か・・・・

「どうせ、丸暗記だろ!」
「見苦しいですよ、ルドウィヒ殿下。
イモータル公の言う事が気に入らないのでしたら、試してみればいいでしょう」
アメリアの言葉に、その場にいたものが訝しげな表情を見せる。
「シュミレーションで相手の能力を見ればいいんです。
ゲームの応用なんですが、なかなか良く出来たものがあるんです」
にっこりとアメリアは微笑み・・・
「両者共によろしいですか?」

――アメリア、考えたな・・・・あれを使うか

ゼルガディスは不敵な笑みを浮かべ頷く、ルドウィヒも同じように頷く。

――田舎貴族の分際で賢しげな事を・・・・恥をかかせてやる・・・






アメリアに案内され一同が通された部屋の中央に、かなり大きなテーブルのようなものがある。
先日、ゼルガディスがアメリアに依頼していたもので、まだ、細かな調整は出来ていないが、使えないことは無かった。
「これは先程も言ったように、ゲームが元で陣取りゲームを卓上でするものなんですが、それとイリュージョンとヴィジョンを応用したものです。
一応設定はお互い同じにしてあります、細かい説明などは、魔道士の方に聞いてください」
アメリアはあえて、ゼルガディスの依頼の事は伏せて、説明する。
魔道士たちからゼルガディスは、地形と天候などを詳しく聞いていき、軍の編成を確認していく。

――地形は一方は崖か・・・・緩やかな丘に雑木林・・・・さてと・・・・

ゼルガディスは軍を幾つかに分け、一隊を崖上に一隊を雑木林に伏せ、更に一隊を林を迂回させながら、ルドウィヒの後方に回り込ませていく。
更に、ゼルガディスは、予測進路上に幾つかのトラップを仕掛けていく。

――さて、どう出るか・・・・

ルドウィヒは傍から見ていても、考えなしだと解る行動を取っていた。
ひたすら一直線にゼルガディスの陣営に突き進んでいるのだ。

――・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱりバカだ・・・・

どう考えても、もう少し警戒して進むとか、二手に分けて一方に索敵させながら進むとかするものだが・・・・・ルドウィヒは正面から敵を打つ以外に、思いつかないらしい。
そして、最初のトラップでルドウィヒの軍が減少。

――ホントにかかるとはな・・・・落とし穴に・・・・・

ゼルガディスは完全に呆れていた、軽い足止め程度で張って置いたトラップに、こうも見事にかかるとは、思っていなかった。
更に崖上に潜ませていた隊が上から矢の雨を降らせ、林の伏兵からの矢の攻撃に、ルドウィヒの軍は更に減少。
後方に退きかけたところを、回り込ませていた別動隊にあっさり退路を断たれ、全滅していた。

「あっけない」

ゼルガディスのつまらなそうな声だけが響く。
卓上で展開された、シュミレーションに声も無い一同。
ルドウィヒの戦い方は、騎士同士の戦い方に近いが・・・・誰が見ても普通ならゼルガディスが取ったような、戦い方を選ぶだろう。
ルドウィヒは騎士と軍の違いさえ解っていない事を、さらけ出す結果となった。
「あのさ、ゼル・・・・あたしでさえ、ってか普通は林に伏兵が居ると思うわよ?」
「普通はな・・・」
余りの結果に呆れながら、リナは小声でゼルガディスに言う。
ゼルガディスも同じように呆れた調子で返している。
「あんなのが戦場に出たがるんだ。
そんなのに命を預けなきゃならない兵士が、余りに憐れだ」
ゼルガディスは低く唸るように言う。

――あの皇子、マジで使えない・・・

「一度休憩を入れましょうか」
場の雰囲気を察してアメリアが言い、一同は其々の部屋に戻る。
ただ一人ルドウィヒは唇をかみ締め、屈辱に震えていた。

――田舎貴族の分際で・・・

噛み締めた唇からは、赤い雫が落ちる。
その雫が床に染みを作っていき、その染みが広がるようにルドウィヒの中に、どす黒いものが広がっていた・・・・






「エルメキアは何故、あのような人物を、遣したのでしょう?」
それぞれの代表たちに用意された部屋で、ホルンフェルスは幾つかの書類を作成しながら、上官に質問してみる。
「あの皇子、幼い頃は聡明だったそうだ。
だが、何かの病をしてからは、あのような馬鹿・・・・じゃなくて、困った性格になってしまったらしい」
ホルンフェルスの上司、海軍最高司令官シルビン=グラノファイアは、同じように人員編成の書類を作成しながら答える。
「どうせ、エルメキア本国でもあの皇子を、行かせるつもりは、無かったんだろう。
それを、無理やりついてきたんじゃないか?
コニカルコ卿はあの皇子の、幼い頃の教育係もしていたと聞いてる。
それで、あまり無下に出来んのだろう」
「昔じゃなくて、今の皇子を見れば、邪魔にしかならないのは、すぐに解るでしょうに。
それと、司令官・・・・会議ぐらい真面目にして下さい」
「なーに、上が働きすぎると、下が窮屈だろ(笑)」
からからと笑いながら、グラノファイアはかけていた眼鏡をはずし、レンズを布をで拭いている。
「そう言う事は、平和な時、本国で言って下さい(怒)
それに、ここは本国じゃないんです!(怒)」
眉を吊り上げ怒るホルンフェルスに、グラノファイアは思わず視線をそらして、聞かなかったことにした。
本国で帰りを待つ娘も、よくこんな感じで角を立てていた、もう少しまじめに仕事しろと。
「軍人が真面目に仕事する時ってのは、殺し合いの時なんだがなあ・・・・・
それを解っていってるのか?ホルンフェルス少佐」
拭きあがったレンズの汚れを確認しながら、グラノファイアはホルンフェルスに問う。
「・・・」
答えにつまり、ホルンフェルスは黙り込む。
眼鏡をかけなおし、穏やかな視線をホルンフェルスへと向ける。
「忘れちゃいけないよ、少佐。
われわれ軍人は、相手を殺すことを職業にしてることを」
グラノファイアはそう言うと、ぬるくなったお茶をずずっっと飲み干した。





クロイセルは会議のあった数時間の間に集まった情報を、ゼルガディスの下にもたらしていた。
「沿岸諸国に動きは?」
『目立った動きはありませんが、何かしらの防御策をとるために、この数日中に会合を開く予定ですね。
それと、エルメキアなんですが・・・・』
「どうした?」
『今、こちらに来ているルドウィヒ殿下、本国では評判は最悪のようですね。
王位継承権は第四位と半端に高いような低いような、そんな地位のためか、かなり好き勝手に生きてるみたいです。
影で「暗愚のバカ君」などと呼ばれているらしいです、とにかく暴君のようですね』
「・・・・ああ、あれは暴君と言うより、精神年齢ガキのただのバカだ。
その下につくものはたまったもんじゃない。
エルメキアの老将軍、コニカルコ卿は随分あのバカを気遣っていたようだが・・・」
会議中の事を思い出し、ため息が出る。
「クルス、引き続き頼む。
それと、ルドウィヒの動向にも注意しておいてくれ」
『承知。
しかし何故ルドウィヒ殿下の?』
「・・・・・あの手のプライドだけ高い奴は暴走しやすい。
ましてやぼんぼん育ちの奴の場合」
シュミレーションが終った時のあの男の、暗い視線が酷く気になる。

――用心にこした事は無いが・・・・

何故かどす暗い不安が湧き上がってくる。
「とにかく、頼んだぞ」






セイルーンの客室の一つ、ルドウィヒは閉じこもり誰にも会おうとはしなかった。
会議でもシュミレーションでも、恥をさらす事になり、とてもではないが同じ顔ぶれの中へ、自身の姿を晒す気にはなれなかった。
「おのれ・・・・田舎貴族の小倅が・・・・ボクに恥をかかせやがって・・・・・」
まるで子供のように親指の爪をかじりながらぶつぶつと呟いている。
その目は血走り、強く噛み締めた跡が唇に残り、赤く筋が浮いている。
「あいつめあいつめあいつめあいつめあいつめあいつめあいつめあいつめあいつめあいつめあいつめあいつめあいつめあいつめあいつめ・・・・・・」
まるで呪詛でもするかのように、同じ言葉を繰り返していく。

・・・そんなに悔しいノ?

誰もいない筈の部屋に声がし、ルドウィヒは顔を引き攣らせて驚く。
「誰だ!?
誰かいるのか??!」
声が裏返り、その言葉さえも不明瞭だ。

『そんなに悔シイ?
ボクが手助けしてあげルヨ』

カーテンの陰にひっそり佇む人影に、ルドウィヒは不気味さの余り悲鳴を上げそうになる。
「ななななななんだ!!??お前は!!??」
『ボク?
ボクの名前は・・・そうだね、ステフとでも呼んデ。
君にボクの力を貸してあげようかと思っテネ』
カーテンの陰から出てきたのは、血のように赤い髪に赤い瞳の人形めいた男。
「ステフとか言ったな、ホントにボクに力を貸すというのか?
あの男、イモータルの小倅をやり込めれるだけの力を?」
『君がそれを望むならネ』
唇の端を上げ、にぃーと嘲笑うステフにルドウィヒは背筋が寒くなるも、しっかりと頷く。

――最初からあいつは気に入らなかった・・・・

ルドウィヒは知らなかった、それが悪魔との契約に等しき事を・・・・・






セイルーンでの会議は結局、再開されずに終わった。
エルメキアの皇子ルドウィヒが体調不良を理由に欠席したためである。
「あのバカ皇子・・・・・何考えてやがる(怒)」
ゼルガディスはルドウィヒの勝手にぼやく。
「しかしいるもんなのねぇ、ああいうの」
リナも会議のときのことを思い出して呆れる。
普通の神経はしてないように感じられる、というよりリナにはルドウィヒがバカにしか見えない。
「どうゆう育て方したらああなるのよ?」
「さあな・・・」
リナとゼルガディスのうんざりした様子を、ガウリイはぽけっと見ている。
話の内容が全くわからないのだろう。
なんとなくぴりぴりした様子に、人数分のお茶を淹れてすすめている。
「まあ、あいつの事はほっといて・・・・ミーズ、準備は出来てるか?」
「はい」
「お前は今から本国経由でヴァリシア帝国に入れ、やってもらうことはここに書いといた。
一度親父のところで最新情報を入れてからにしろよ」
「はっ!
出立は今すぐでしょうか?」
「ああ、早い方がいい」
「了解しました」

――手を打つのが遅かったかもしれないが・・・・・









<続>


【あとがき】

たぬき親父なグラノファイア。

ゼル:舌噛みそうな名前がぞろぞろと・・・・

たとえば?

ゼル:シルト=ホルンフェルス、シルビン=グラノファイア、コニカルコにルドウィヒ。

ああ、その辺の名前、全部石の名前。
ノゼアンもアウインも鉱物図鑑から探した覚えがある、名前考えるのがめんどくて、石の名前使ったんだ。

ゼル:ギリシャ神話の次は石か?

そうだよ。

ゼル:あと、無駄に長い名前とか・・・

もしかして、アダマスのことか?

ゼル:そうだ。

一応意味はあるんだけど;;;
説明がめんどいんで、この辺で。

ゼル:次もよろしくな。

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14146ゼル……容赦ない……(汗)エモーション E-mail 2003/5/3 00:19:58
記事番号14139へのコメント

こんばんは。

凄いといいますか……。ゼル……思いっきり容赦しませんでしたね。
激烈バカっぷりに、頭にきていたのでしょうけれど。(ついでに妹とアメリアに
ちょっかい出されてたのも原因かな?)
もっともあの皇子では、どうがんばって手加減しても、同じ結果だとは思いますが。
それを考えると、はっきりと他国の軍関係者に自分の力量を見せつけておく方が
重要ではありますね。
ただ、ラダマンティスさんには「気持ちは分かるがやっぱ若いな、お前」とか
言われそうですね。

>――言ってはなんだが・・・ルドウィヒ殿下も、かつてはこの者の様に聡明であったが・・・・

コニカルコさんは、どうしても幼い頃のことを思うにつけ、もしかしたらという
一抹の希望を振り払えないんですね。
また、病気のことがあったにしろ、結局はその後の教育の問題だと思います。
病気のことで、無意味に甘やかしすぎたのではないでしょうか。下手に
頭が良かったばかりに、〃病気〃をダシにすれば何でも思い通りなると
「学習」してしまい、「ずるい子」になって、そのまま成長したという
感じがします。
また、環境のために矯正されるべきときに矯正されなかった結果、「自分」の
理想と現実のギャップの激しい人間になったのだと思うと、彼も不幸ですね。
哀れだと思っても、同情はしませんが。(←鬼)

>アメリアに案内され一同が通された部屋の中央に、かなり大きなテーブルのようなものがある。
>先日、ゼルガディスがアメリアに依頼していたもので、まだ、細かな調整は出来ていないが、使えないことは無かった。
>「これは先程も言ったように、ゲームが元で陣取りゲームを卓上でするものなんですが、それとイリュージョンとヴィジョンを応用したものです。
>一応設定はお互い同じにしてあります、細かい説明などは、魔道士の方に聞いてください」

これ、だったんですね。確かに、これでいろいろシミュレートすれば、戦争や
艦隊戦の経験の乏しい結界内の国々も、考えた作戦の結果を、ある程度予測
できますし、対策を練ることもできますよね。
この場面、相手のダメダメっぷりはともかく、「銀○伝」外伝4のヤ○と
ワ○ドボーンの対戦シミュレーションを思い出しました。

>「軍人が真面目に仕事する時ってのは、殺し合いの時なんだがなあ・・・・・
>それを解っていってるのか?ホルンフェルス少佐」
>拭きあがったレンズの汚れを確認しながら、グラノファイアはホルンフェルスに問う。
>「・・・」
>答えにつまり、ホルンフェルスは黙り込む。
>眼鏡をかけなおし、穏やかな視線をホルンフェルスへと向ける。
>「忘れちゃいけないよ、少佐。
>われわれ軍人は、相手を殺すことを職業にしてることを」
>グラノファイアはそう言うと、ぬるくなったお茶をずずっっと飲み干した。

グラノファイアさんは、何だかヤ○&後○隊長といった感じですね。
動くとはさくさくと、それこそカミソリ(笑)のように切れるのでしょうね。

>『君がそれを望むならネ』
>唇の端を上げ、にぃーと嘲笑うステフにルドウィヒは背筋が寒くなるも、しっかりと頷く。
>
>――最初からあいつは気に入らなかった・・・・
>
>ルドウィヒは知らなかった、それが悪魔との契約に等しき事を・・・・・

予感的中、ですね。半分はゼルに追いつめられた結果としても、まっとうな
人間の思考と力では、この皇子の望む結果にする方が難しいですしねぇ……(汗)
ただ、バカ皇子にとって、ゼルは「こうありたかった理想の自分」なんだと
分かりますね。自分じゃない奴が「理想の自分」を体現しているから、
気に入らない、と。(ため息)


>ああ、その辺の名前、全部石の名前。
>ノゼアンもアウインも鉱物図鑑から探した覚えがある、名前考えるのがめんどくて、石の名前使ったんだ。

考えるの、本当に大変ですよね。

それと「エ○ーのアトリエ」はPSのゲームです。
アトリエシリーズの第二弾。シリーズ中、システム的には一番良いですね。
さすがに第一弾の「マ○ー」は初心者向き。第三弾の「リ○ー」(これはPS2)は
ちょっとやりこんだ人向きで難しいです。
キャラの名前がドイツ語風なので、そのうち使おうと思って名前をストックしてます(笑)

「星界」シリーズと「十二国記」は面白いのでお薦めしますよ♪
「銀○伝」が読めるのなら、まず大丈夫です。(以下自粛。長くなるので(笑))

それでは、この辺で失礼いたします。
続きを楽しみにしていますね。

トップに戻る
14161レスが遅くなりましたキツネノテブクロ 2003/5/6 08:20:01
記事番号14146へのコメント


>こんばんは。

こんにちは、キツネノテブクロです。

>凄いといいますか……。ゼル……思いっきり容赦しませんでしたね。
>激烈バカっぷりに、頭にきていたのでしょうけれど。(ついでに妹とアメリアに
>ちょっかい出されてたのも原因かな?)
>もっともあの皇子では、どうがんばって手加減しても、同じ結果だとは思いますが。
>それを考えると、はっきりと他国の軍関係者に自分の力量を見せつけておく方が
>重要ではありますね。

ルドウィヒのバカっぷりは、どうしようもないです。
ゼルもプチっときてしまったかも(汗)

>ただ、ラダマンティスさんには「気持ちは分かるがやっぱ若いな、お前」とか
>言われそうですね。

ラダ氏の若い頃の方が、もっと容赦が無いような・・・・・

>>――言ってはなんだが・・・ルドウィヒ殿下も、かつてはこの者の様に聡明であったが・・・・
>
>コニカルコさんは、どうしても幼い頃のことを思うにつけ、もしかしたらという
>一抹の希望を振り払えないんですね。

どうしても、振り払えない想いと言うのがあるのでしょう。

>また、病気のことがあったにしろ、結局はその後の教育の問題だと思います。
>病気のことで、無意味に甘やかしすぎたのではないでしょうか。下手に
>頭が良かったばかりに、〃病気〃をダシにすれば何でも思い通りなると
>「学習」してしまい、「ずるい子」になって、そのまま成長したという
>感じがします。
>また、環境のために矯正されるべきときに矯正されなかった結果、「自分」の
>理想と現実のギャップの激しい人間になったのだと思うと、彼も不幸ですね。
>哀れだと思っても、同情はしませんが。(←鬼)

幼い頃に大熱を出して、脳に障害がでたり、目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなる場合もあるそうです。
ルドウィヒもそんな感じで、脳に障害が残ったという設定にしてます。
でもそれだけじゃ、あの性格にはならないでしょうから、それまで出来ていたことが出来なくなって、癇癪持ちになってしまったんじゃないかと、思ってます。

>>アメリアに案内され一同が通された部屋の中央に、かなり大きなテーブルのようなものがある。
>>先日、ゼルガディスがアメリアに依頼していたもので、まだ、細かな調整は出来ていないが、使えないことは無かった。
>>「これは先程も言ったように、ゲームが元で陣取りゲームを卓上でするものなんですが、それとイリュージョンとヴィジョンを応用したものです。
>>一応設定はお互い同じにしてあります、細かい説明などは、魔道士の方に聞いてください」
>
>これ、だったんですね。確かに、これでいろいろシミュレートすれば、戦争や
>艦隊戦の経験の乏しい結界内の国々も、考えた作戦の結果を、ある程度予測
>できますし、対策を練ることもできますよね。
>この場面、相手のダメダメっぷりはともかく、「銀○伝」外伝4のヤ○と
>ワ○ドボーンの対戦シミュレーションを思い出しました。

いくら言葉で色々言っても、解りにくいこともあるでしょうから。
特に艦隊の動かし方など、これである程度予測はつけられるでしょう。

「銀●伝」外伝4のヤ●、単位が足りなくて落第寸前だったと言う・・・

>>「軍人が真面目に仕事する時ってのは、殺し合いの時なんだがなあ・・・・・
>>それを解っていってるのか?ホルンフェルス少佐」
>>拭きあがったレンズの汚れを確認しながら、グラノファイアはホルンフェルスに問う。
>>「・・・」
>>答えにつまり、ホルンフェルスは黙り込む。
>>眼鏡をかけなおし、穏やかな視線をホルンフェルスへと向ける。
>>「忘れちゃいけないよ、少佐。
>>われわれ軍人は、相手を殺すことを職業にしてることを」
>>グラノファイアはそう言うと、ぬるくなったお茶をずずっっと飲み干した。
>
>グラノファイアさんは、何だかヤ○&後○隊長といった感じですね。
>動くとはさくさくと、それこそカミソリ(笑)のように切れるのでしょうね。

グラノファイアもそうですが、私が作るオリキャラで、中年以上のキャラで、まともな神経してる奴は何故か後●隊長か、ヤ●提督が混じってる気が・・・・

>>『君がそれを望むならネ』
>>唇の端を上げ、にぃーと嘲笑うステフにルドウィヒは背筋が寒くなるも、しっかりと頷く。
>>
>>――最初からあいつは気に入らなかった・・・・
>>
>>ルドウィヒは知らなかった、それが悪魔との契約に等しき事を・・・・・
>
>予感的中、ですね。半分はゼルに追いつめられた結果としても、まっとうな
>人間の思考と力では、この皇子の望む結果にする方が難しいですしねぇ……(汗)

ここで、努力すると言う選択肢が思いつかないあたり、ルドウィヒ終わってます。

>ただ、バカ皇子にとって、ゼルは「こうありたかった理想の自分」なんだと
>分かりますね。自分じゃない奴が「理想の自分」を体現しているから、
>気に入らない、と。(ため息)

ゼルが「理想の自分」と言うのは考えてませんでした(目から鱗)
なるほど、こういう見え方もあるんですね。

>>ああ、その辺の名前、全部石の名前。
>>ノゼアンもアウインも鉱物図鑑から探した覚えがある、名前考えるのがめんどくて、石の名前使ったんだ。
>
>考えるの、本当に大変ですよね。

名前は考えるのが面倒な時ってあります。

>それと「エ○ーのアトリエ」はPSのゲームです。
>アトリエシリーズの第二弾。シリーズ中、システム的には一番良いですね。
>さすがに第一弾の「マ○ー」は初心者向き。第三弾の「リ○ー」(これはPS2)は
>ちょっとやりこんだ人向きで難しいです。
>キャラの名前がドイツ語風なので、そのうち使おうと思って名前をストックしてます(笑)

ちょっと興味が出てきました。

>「星界」シリーズと「十二国記」は面白いのでお薦めしますよ♪
>「銀○伝」が読めるのなら、まず大丈夫です。(以下自粛。長くなるので(笑))

本のほうは・・・・・読みかけのがまだあるし・・・・「イリアス」とか「ファウスト」とかまだあるから、それらが読めてから手をつけないと、収集がつかなそうだ(汗)。


>それでは、この辺で失礼いたします。
>続きを楽しみにしていますね。

感想ありがとうございました。

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14162The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌― 第15章キツネノテブクロ 2003/5/6 08:39:08
記事番号13992へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】















ヴァリシア帝国、帝都ヴァーシア。
広大かつ堅牢な宮殿の奥の皇帝アダマス6世の私室、一枚の絵画が飾られている。
豊かな黒髪の優しげな女性と、似た感じの少女が一緒に描かれている。

「・・・・俺は地獄に堕ちるのだろうな・・・・・」

その絵画を見つめ呟くのは、帝国皇帝アダマス6世。
「・・・俺は・・・お前たちのいる場所には行けないだろうな・・・・」
その姿は野心に満ちた暴君ではなく、ただの一人の男に過ぎない。
「赦されることはない・・・・・赦されてはいけない・・・・・俺は・・・・」

――俺は・・・・・

ヴァリシア帝国皇帝アダマス6世、かつて彼は名君と呼ばれていた。
全てを公平に扱い、貴族の特権を手放しで認めてはいなかった。
だが、彼は変わってしまった・・・・・・そして、最後の皇帝となる。






アレクセルは一段落着いたところで、執務室のベランダへと出る。
時間の感覚が殆ど無かったため、いつ日が暮れたのかさえ解らなかった。
「・・・・この国はいつまで持つだろうか・・・・・」
呟くような声には、疲労の色が滲み、その表情は暗い。

――この国は長くないかも知れんな・・・・・

それはいつも付きまとっていた考えだった、それでもまだ主君の事を信じていた。
またもとの名君に戻ってくれる事を・・・・・

――トロナのような子供もいるし・・・・

自身がまだ若いことを忘れ、妙に年寄りめいた事考えてしまう。
「あいつと連絡を取っておくか・・・・」
アレクセルは古い友人の事を思い出す。

――さて、あいつは動いてくれるかな・・・・・






トロナとサニディンは、神殿の神官達から冷たい目で見られていた。
まだ見習いにもかかわらず、元帥の旗艦への搭乗要請がきたからでもある。
「やっかみなんて気にすんな、トロナ。
俺たちは自分から乗りたいといったわけじゃない、元帥閣下の方が俺たちが乗ることを望んだんだ」
「うん・・・・でも、サニー、本当なら見習いは乗せられないことになってるらしいんだ。
どうするのかな・・・」
「そのことだけどな、上の人たちがあわてて、俺たちを正式に見習いから、神官に任命するんだってさ」
「そうなんだ・・・・」

――おじいちゃんみたいに役に立てる人になれるかな、ボク・・・・・

何処までも弱気なトロナだった。
すでに第一陣が出航し、中継地に向かっていると聞いている。
自分たちは第二陣の元帥の船で行くことになっている。
「ボクたち役に立てるのかな・・・」
「・・・・」
そのころ、ヴァリシア帝国の帝国海軍の艦隊、第一陣は既に最初の中継地について、補給を受けていた。
第一陣を指揮しているのは、シェイル=コバルト大将。
元々ヴァリシア帝国の軍の階級には、元帥というのは無かったのだが(正確に言うと皇帝=元帥だった)、皇帝アダマス6世が軍に関することを全て、アレクセル=フレイムに一任してしまった為に、繰り上がりでシェイルと他数名の将官が、大将にまで階級が上がったのだ。

「ここから目的の場所までどのくらいかかる?」
「とくに何も無ければ早くて一月ほどかと・・・・魔海を抜けますので」
「そうか」

――特に何も無ければね・・・・






宿の戻ってから、フレイたちは話し込んでいた。
「港の酒場で仕入れてきた情報だと、この国が戦争をしてるのは、事実みてーなんだが。
今回は海の向こうに戦争ふっかけるらしい・・・・」
一室に集まり、ガーヴが酒をちびちびやりながら話す、ヴァルの視線にちょっぴしびくびくしながら。
事あるごとに大酒飲むせいで、酒代をカットされてしまった。
「海の向こう?」
フィリアが不思議そうに聞く。
「リナ=インバース達がいる大陸だ」
「・・・・はい?」
ヴァルの言葉に、フィリアは間の抜けた声を出す。
「リナさんが黙ってないじゃあ・・・・」
「さあな、戦争ってのは国同士だからな。
いくら、あのリナ=インバースでも、どうこうできるものでもねえだろ」
フィリアの疑問にガーヴが答える。
フィリアは神殿育ちのためか、時々ずれたことを言ってたりする。
「まあ、動くとしたら、正義かぶれの超合金娘の姫さんか、元キメラの兄ちゃんあたりだろ」
ガーヴは四人組のことを思い出しながら言う。
本人は的を射たことを言ってるのだが、それを知ることはない。
「まあ、人間同士の争いに俺達は、手出ししないとして・・・・・」
「問題は漁師たちが見た海の中の何か・・・・」
ガーヴとヴァルが酒場で得た情報の中で、世界の中心近くの海域で、正体不明の怪しげな影を見たと言うのだ。
最初は誰も信じなかったが、だんだん目撃者が増えていき、最近ではその海域を避けて通る船が大半だと言う。
「海の中の影・・・・怪しいですけど、何か関係あるんでしょうか?」
「解らん、確認しようにもそこまで船を出してくれる者はいないだろう」

――飛んでいくのは論外だ・・・

わざわざ飛んでいって、目立つことも無い。






その日はとてもいい天気だった。
世の中が大変なことになってるとは思えないほど・・・・。






セイルーンで会議が行われていた頃、ラダマンティスは、昼か夜か判らないような忙しさの中にあった。
艦隊の編成自体はほぼ終了し、補給の確保から武器弾薬などの在庫確認。
通常結界内の世界では使われる事が無い、と言うより知名度そのものがない大砲を、何故か装備した軍船がゼフィーリアにはあったりする。
以前レゾが研究していたものを、メティスが面白がってその研究を引き継いで、完成させてしまったのだ。
そのうち何門かは、特殊な弾がつかえる大砲だったりする。
メティス曰く「常に魔法が使えるとは限らないでしょ」だそうである。
実際艦隊戦の様な場合、魔法の射程範囲外での戦闘になる為、有効な手段として、ラダマンティスがメティスに相談していたらしい。
「えーと、一隻あたりの大砲の装備数が・・・それに食料に・・・・」
捻り鉢巻を巻いたラダマンティスが、算盤片手に一隻あたりの弾薬数を計算していく。
因みに他にも数名、算盤片手に計算をさせられている。
算盤玉をぱちぱち言わせている様は、一見すると商人の様でもある。
「おーい、誰か検算してくれ〜」
計算が終った順から更に確認のために、もう一度計算させている。
余分が出るのはまだいいが、足りなくなってはかなり困るからだ。
「団長、ゼルガディスさんが、セイルーンに行ったのは痛かったっすね。
あの人こういうのは信じられないぐらい早いっすよね」
算盤とにらめっこしている騎士の一人が、情けない声で言う。
「いうな〜!(泣)
俺だって出来ればあいつに任せたかったけどよ〜、セイルーンからお呼びがかかったんだぜ。
名指しでよ〜」
ラダマンティスもかなり情けない声をあげる。
普段こういった計算などはゼルガディスか、ラフィリアスがやってくれるため、たまにやると時間がかかってしょうがなかった。
おそらく、ラダマンティスの苦手なものをあげるとしたら、計算とか出てくるのでは・・・・・
「それにな、あいつ今頃大変なんじゃねえか?
危機感ゼロの、能無し連中の相手をしてるだろうし・・・・」
ため息突きつつ、一同を見渡す。
今、ラダマンティスの補佐をしている面々は、少なくともラダマンティスやゼルガディスの苦労を、知っている者ばかりだった。
この親子が今まで何度と無く、一部の貴族たちの心無い誹謗中傷にさらされてきたか、よく知っていた。
そして、きっちりそれを跳ね返し、倍返しにしていることも・・・
「ゼルガディスさんなら、大丈夫なんじゃ無いですか、団長より冷静ですし・・・」
「おい(怒)」
「あああああじょうだんですうううううううう(滝汗)」
等とバカな会話中も手を休めることなく、ちゃっちゃとこなしていくのは、流石と言えるかもしれない。
ただ、かなり緊張感は無いが・・・・






その忙しい中、ラダマンティスは懐かしい人と会っていた。
「姉さん久しぶりだな。
それと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんでお前がいるんだ?カノン」
ラダマンティスの視線の先には、姉のマイアと金髪碧眼の男。
「何ではねーじゃろ、相変わらず愛想がねんじゃけぇ(笑)」
「・・・・その訛りはやめろ(汗)」
「別にえーじゃろ、わしの勝手じゃし♪」
「カノンの場合喋らなければいい男なのに(涙)」
マイアのバックに「るーるー」というような効果音がつきそうになる。
「せっかく来たんじゃけえ、茶ぐらいだしーや」

カノン頼むから黙っててくれ(泣)(←注:作者の声)


―間―


暫し、しょうもない漫才の後に本題に入る三名。
「ラダ、私のところに魔族が来たのよ」
「ふーん、何処のどいつ?」
「ゼロス・・・・とか言ってたかしら。
あの黒い物体」
「黒い物体って;;
まあ、あいつの本体は、でっかい円錐だけどよ;;」
「なあ、ラダマンティス。
そのゼロスって何もん?」
「魔王の腹心、獣王ゼラス=メタリオムの直属の部下で、魔王と腹心を除けば魔族中最強。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・の筈だが、しょっちゅうゼルとかリナちゃんとかに、パシリにされてるぞ」
「・・・・・・(汗)」
「で、何しに来たんだ?」
「さあ?
森の防犯の引っ掛っていじけて泣いてたのよ」
「ええんか魔族がそれで?(汗)」
「気にしちゃだめよ、カノン。
所詮魔族だし」
お茶を飲みつつ、マイアがカノンに言う。
ラダマンティスも同じように頷いている。






「ところで、姉さん。
世間話をしに来ただけなら相手をできんぞ、今忙しいからな」
「ここに来るまでに噂程度は入れてきたわよ。
って言うより、たまたま通りがかったオニキスの一人から聞いたのv」

――そいつ無事かな・・・・(遠い目)

などと、ラダマンティスは思っていた・・・・・・・マイアのことだから、新しい薬品とかの実験台にされてる可能性もある・・・・・・。
「てーへんじゃのう、お前んとこも。
わし自由業でよかったv」
「カノン・・・・お前は普通に喋れ;;;」
「まあまあええじゃろ、わしはこの方が喋りやしーし♪
通じんこともねかろ?」
「初対面のやつが引くぞ」
「そんときゃそん時、どーせ気にせんし」
カノンはあっけらかんと言う。
その様子にラダマンティスとマイアは、こっそりため息をつくのだった。
「相手国だけど、ヴァリシアって言うのよね?」
「ああ、クルスが持ってきた情報によるとな」
「ヴァリシア・・・・どっかの古い文献にあったわね・・・」
「ほう・・・」
「えーとね・・・・神官ルクセルの遺産が、封じられた土地の名前だったと思うけど・・・・ちょっとうろ覚えで」
ルクセルの遺産≠ニいう言葉にラダマンティスの表情がわずかに変わる。
カノンは意味がわからないのか、きょとんとしている、マイアの言葉に、ラダマンティスの雰囲気が変わったのを不思議に思って。
「俺としては艦隊相手にするより、その遺産を相手にするほうが性質悪いと思うが・・・」
「そうね。
彼のリミッターつけたまんまなんでしょ?」
「ああ、必要なら自力で外すとは思うけどな」
「彼が本気になったら、ラダ・・・・・貴方でも勝てるかどうか・・・・ってとこでしょ?」
「・・・・」

――純粋な力の上では俺の方が上だが・・・・戦闘能力はどうかな・・・・

「のう、ラダマンティス、わしに何か手伝えることあるか?」
不意にかけられた言葉に、ラダマンティスはきょとんとなる。
「・・・・あ、すまん。
今の所は・・・」
「お前んとこのじゃりども、元気にしょーるんか?
何なら、わしはじゃりんとこに行こうか?」
「・・・・・ゼルのとこか・・・・・いや、今はまだいい。
必要が出来たら行って貰うさ」
「そーか、じゃあわしは暫くお前の手伝いでもしょーるかな」
「それは助かるが・・・・普通に喋ってくれ、うちの騎士連中が引く(汗)」






<続>


【あとがき】

かなり詰め込んで、第十五章まできました。

ラダ:リニューアル前だとここまでで、二十は超えてなかったか?

リニューアル前の方が、一章あたりの話の長さが短かったからね。

ラダ:ふーん・・・・・

ま、それは置いといて。

ラダ:カノンか・・・・

出たよv

ラダ:・・・・

カノンの訛りは何処の訛りでしょう?
正解者には・・・・

ラダ:何もないとか言うなよ。

そだね、正解者には・・・・何か考えるよ。

ラダ:正解者が出たら考えると?

そうとも言う。

ラダ:・・・・(−ー;

じゃ、このへんで。

ラダ:次もよろしく。

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14171キャ○ルヌさんがほしいところですね♪エモーション E-mail 2003/5/6 23:30:54
記事番号14162へのコメント

こんばんは。

戦争って、本当に下準備が大変な一大プロジェクトですよねぇ……。
まあ、どんなものの準備でも、直接関わっていない者にとっては、
「ああ、準備中なんだ。大変だなあ」くらいのものですが。
計算書類に埋もれたラダマンティスさんと騎士団の方々にとって、
キャ○ルヌさんみたいな方が、切実に一人欲しいところですね。
(いや、有能な指揮官もですが)


>その絵画を見つめ呟くのは、帝国皇帝アダマス6世。
>「・・・俺は・・・お前たちのいる場所には行けないだろうな・・・・」
>その姿は野心に満ちた暴君ではなく、ただの一人の男に過ぎない。
>「赦されることはない・・・・・赦されてはいけない・・・・・俺は・・・・」
>
>――俺は・・・・・
>
>ヴァリシア帝国皇帝アダマス6世、かつて彼は名君と呼ばれていた。
>全てを公平に扱い、貴族の特権を手放しで認めてはいなかった。
>だが、彼は変わってしまった・・・・・・そして、最後の皇帝となる。

リーザさんたちの肖像画を見つめるアダマスさん。
王妃と王女の死が、彼を名君から暴君に変えたのは、誰が見ても分かる
確かな事実。
でも、本当の望みを知っている者はゼクスさんをはじめとする、わずかな者だけ。
……我ながら意地が悪いと思いつつ、アダマスさんを見ていると、「十二国記」シリーズの
「東の海神 西の滄海」での更夜の言葉が頭に浮かびます。
長いので、引用はやめますが。
更夜のあの台詞を聞いたら、どう答えるかと、ついつい(苦笑)
……満足な答が言える人はいないとは思いますけど。(更夜が言うから誰よりも
説得力あるし、人間の持つ一面の事実を突いている台詞ですから)

>「そのことだけどな、上の人たちがあわてて、俺たちを正式に見習いから、神官に任命するんだってさ」
>「そうなんだ・・・・」
>
>――おじいちゃんみたいに役に立てる人になれるかな、ボク・・・・・

サニーくんとトロナくん。本当に良いコンビですね。
このままお互いに助け合っていってほしいです。

>「ここから目的の場所までどのくらいかかる?」
>「とくに何も無ければ早くて一月ほどかと・・・・魔海を抜けますので」
>「そうか」
>
>――特に何も無ければね・・・・

やはり結界が崩れるまで、何度挑戦しても通れなかった場所だったんでしょうね。
……ところでダルフィン様(ですよね?)、素通りさせるんでしょうか?

>「問題は漁師たちが見た海の中の何か・・・・」
>ガーヴとヴァルが酒場で得た情報の中で、世界の中心近くの海域で、正体不明の怪しげな影を見たと言うのだ。
>最初は誰も信じなかったが、だんだん目撃者が増えていき、最近ではその海域を避けて通る船が大半だと言う。
>「海の中の影・・・・怪しいですけど、何か関係あるんでしょうか?」
>「解らん、確認しようにもそこまで船を出してくれる者はいないだろう」

呼び出されたもう一体、ですね。
呼び出されてもやる気ナッシングな白霧様と違い、活発なステフさんと連動している
海の物。一体どんなものなのでしょう。

>その日はとてもいい天気だった。
>世の中が大変なことになってるとは思えないほど・・・・。

不思議と大変なことになっている時ほど、こんな感じですよね。

>艦隊の編成自体はほぼ終了し、補給の確保から武器弾薬などの在庫確認。
>通常結界内の世界では使われる事が無い、と言うより知名度そのものがない大砲を、何故か装備した軍船がゼフィーリアにはあったりする。
>以前レゾが研究していたものを、メティスが面白がってその研究を引き継いで、完成させてしまったのだ。
>そのうち何門かは、特殊な弾がつかえる大砲だったりする。
>メティス曰く「常に魔法が使えるとは限らないでしょ」だそうである。
>実際艦隊戦の様な場合、魔法の射程範囲外での戦闘になる為、有効な手段として、ラダマンティスがメティスに相談していたらしい。

……何か……本当に凄いですね。メティスさん。何か面白がってというのが、
レゾの血を感じさせます。
今回は作っておいてよかった、な感じですが、武器の進歩って喜んで良いのか
どうか微妙ですね。ゼフィーリアの方々には、今回はもうしょうがないですが、
できるだけこれを使わなくてすむようにしてほしいです。

>「何ではねーじゃろ、相変わらず愛想がねんじゃけぇ(笑)」
>「・・・・その訛りはやめろ(汗)」
>「別にえーじゃろ、わしの勝手じゃし♪」
>「カノンの場合喋らなければいい男なのに(涙)」
>マイアのバックに「るーるー」というような効果音がつきそうになる。
>「せっかく来たんじゃけえ、茶ぐらいだしーや」
>
>カノン頼むから黙っててくれ(泣)(←注:作者の声)

……カノンさん。話し方に「ぷ○ぷよ」のス○ルトンTを彷彿しました。
そしてお茶請けの話題にされているゼロス……(笑)
どこまでも不幸な(笑)

>「俺としては艦隊相手にするより、その遺産を相手にするほうが性質悪いと思うが・・・」
>「そうね。
>彼のリミッターつけたまんまなんでしょ?」
>「ああ、必要なら自力で外すとは思うけどな」
>「彼が本気になったら、ラダ・・・・・貴方でも勝てるかどうか・・・・ってとこでしょ?」
>「・・・・」

えっと、ここでの話題になっているのは、クロイセルさん(とその仲間たち)ですよね。
ラダマンティスさんでも勝てるかどうかって……、一体……(汗)


>
>カノンの訛りは何処の訛りでしょう?
>正解者には・・・・
>
>ラダ:何もないとか言うなよ。
>
>そだね、正解者には・・・・何か考えるよ。
>
>ラダ:正解者が出たら考えると?
>
>そうとも言う。

とりあえず、九州訛りのように思えます。博多弁でしょうか。

>じゃ、このへんで。
>
>ラダ:次もよろしく。

下準備は大変だ、という感じの内容でしたね。
そして新たに出てこられたカノンさん♪
ユニークなキャラがたくさん出てきて、楽しいです。
……ところでカノンさんって何歳ぐらいなんでしょう。
訛りで周りが引くということは、それ程お年ではないと思うのですが。

それでは、この辺で失礼いたします。続きを楽しみにしています。

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14177Re:キャ○ルヌさんがほしいところですね♪キツネノテブクロ 2003/5/7 13:32:13
記事番号14171へのコメント


>こんばんは。
>
>戦争って、本当に下準備が大変な一大プロジェクトですよねぇ……。
>まあ、どんなものの準備でも、直接関わっていない者にとっては、
>「ああ、準備中なんだ。大変だなあ」くらいのものですが。
>計算書類に埋もれたラダマンティスさんと騎士団の方々にとって、
>キャ○ルヌさんみたいな方が、切実に一人欲しいところですね。
>(いや、有能な指揮官もですが)

こんにちは。

キャ●ルヌ氏がいれば、楽でしょうねえ。
ヤ●提督もかなり頼りにしてましたし。

>>その絵画を見つめ呟くのは、帝国皇帝アダマス6世。
>>「・・・俺は・・・お前たちのいる場所には行けないだろうな・・・・」
>>その姿は野心に満ちた暴君ではなく、ただの一人の男に過ぎない。
>>「赦されることはない・・・・・赦されてはいけない・・・・・俺は・・・・」
>>
>>――俺は・・・・・
>>
>>ヴァリシア帝国皇帝アダマス6世、かつて彼は名君と呼ばれていた。
>>全てを公平に扱い、貴族の特権を手放しで認めてはいなかった。
>>だが、彼は変わってしまった・・・・・・そして、最後の皇帝となる。
>
>リーザさんたちの肖像画を見つめるアダマスさん。
>王妃と王女の死が、彼を名君から暴君に変えたのは、誰が見ても分かる
>確かな事実。
>でも、本当の望みを知っている者はゼクスさんをはじめとする、わずかな者だけ。

現実は、目に見える事実だけで、物事を判断してしまいますから。

>……我ながら意地が悪いと思いつつ、アダマスさんを見ていると、「十二国記」シリーズの
>「東の海神 西の滄海」での更夜の言葉が頭に浮かびます。
>長いので、引用はやめますが。
>更夜のあの台詞を聞いたら、どう答えるかと、ついつい(苦笑)
>……満足な答が言える人はいないとは思いますけど。(更夜が言うから誰よりも
>説得力あるし、人間の持つ一面の事実を突いている台詞ですから)

どんな言葉なのでしょう?
気になりますね。

>>「そのことだけどな、上の人たちがあわてて、俺たちを正式に見習いから、神官に任命するんだってさ」
>>「そうなんだ・・・・」
>>
>>――おじいちゃんみたいに役に立てる人になれるかな、ボク・・・・・
>
>サニーくんとトロナくん。本当に良いコンビですね。
>このままお互いに助け合っていってほしいです。

この二人、そこにいるだけでほっとします。
このままで、いて欲しいです。

>>「ここから目的の場所までどのくらいかかる?」
>>「とくに何も無ければ早くて一月ほどかと・・・・魔海を抜けますので」
>>「そうか」
>>
>>――特に何も無ければね・・・・
>
>やはり結界が崩れるまで、何度挑戦しても通れなかった場所だったんでしょうね。
>……ところでダルフィン様(ですよね?)、素通りさせるんでしょうか?

この遠征で、一番の不安な所でしょう。
ダルフィンがどういう行動とるかは、まだ謎。

>>「問題は漁師たちが見た海の中の何か・・・・」
>>ガーヴとヴァルが酒場で得た情報の中で、世界の中心近くの海域で、正体不明の怪しげな影を見たと言うのだ。
>>最初は誰も信じなかったが、だんだん目撃者が増えていき、最近ではその海域を避けて通る船が大半だと言う。
>>「海の中の影・・・・怪しいですけど、何か関係あるんでしょうか?」
>>「解らん、確認しようにもそこまで船を出してくれる者はいないだろう」
>
>呼び出されたもう一体、ですね。
>呼び出されてもやる気ナッシングな白霧様と違い、活発なステフさんと連動している
>海の物。一体どんなものなのでしょう。

海の中にいるのは、結構大物ですが、海とは全然関係のないものです。
たまたま召喚された時に、海の上に出たせいで、そのまま海に沈んでます(笑)
ぶくぶくと(笑)

>>その日はとてもいい天気だった。
>>世の中が大変なことになってるとは思えないほど・・・・。
>
>不思議と大変なことになっている時ほど、こんな感じですよね。

理不尽ですよね・・・。

>>艦隊の編成自体はほぼ終了し、補給の確保から武器弾薬などの在庫確認。
>>通常結界内の世界では使われる事が無い、と言うより知名度そのものがない大砲を、何故か装備した軍船がゼフィーリアにはあったりする。
>>以前レゾが研究していたものを、メティスが面白がってその研究を引き継いで、完成させてしまったのだ。
>>そのうち何門かは、特殊な弾がつかえる大砲だったりする。
>>メティス曰く「常に魔法が使えるとは限らないでしょ」だそうである。
>>実際艦隊戦の様な場合、魔法の射程範囲外での戦闘になる為、有効な手段として、ラダマンティスがメティスに相談していたらしい。
>
>……何か……本当に凄いですね。メティスさん。何か面白がってというのが、
>レゾの血を感じさせます。
>今回は作っておいてよかった、な感じですが、武器の進歩って喜んで良いのか
>どうか微妙ですね。ゼフィーリアの方々には、今回はもうしょうがないですが、
>できるだけこれを使わなくてすむようにしてほしいです。

忘れがちですが、メティスはレゾの血をひいてるんですよねえ・・・・
これらの武器を使うかどうかは、今はまだいえませんが、使わないで済む方が良いですよね。

>>「何ではねーじゃろ、相変わらず愛想がねんじゃけぇ(笑)」
>>「・・・・その訛りはやめろ(汗)」
>>「別にえーじゃろ、わしの勝手じゃし♪」
>>「カノンの場合喋らなければいい男なのに(涙)」
>>マイアのバックに「るーるー」というような効果音がつきそうになる。
>>「せっかく来たんじゃけえ、茶ぐらいだしーや」
>>
>>カノン頼むから黙っててくれ(泣)(←注:作者の声)
>
>……カノンさん。話し方に「ぷ○ぷよ」のス○ルトンTを彷彿しました。
>そしてお茶請けの話題にされているゼロス……(笑)
>どこまでも不幸な(笑)

ゼフィーリアの方たちは、かなり最強ですから(笑)
ゼロスの不幸は何処までもついて回りそうです。

>>「俺としては艦隊相手にするより、その遺産を相手にするほうが性質悪いと思うが・・・」
>>「そうね。
>>彼のリミッターつけたまんまなんでしょ?」
>>「ああ、必要なら自力で外すとは思うけどな」
>>「彼が本気になったら、ラダ・・・・・貴方でも勝てるかどうか・・・・ってとこでしょ?」
>>「・・・・」
>
>えっと、ここでの話題になっているのは、クロイセルさん(とその仲間たち)ですよね。
>ラダマンティスさんでも勝てるかどうかって……、一体……(汗)

クロイセルたちのことですが、いずれ何らかの形で出します。
ラダ氏にも色々ありますから。

>>カノンの訛りは何処の訛りでしょう?
>>正解者には・・・・
>>
>>ラダ:何もないとか言うなよ。
>>
>>そだね、正解者には・・・・何か考えるよ。
>>
>>ラダ:正解者が出たら考えると?
>>
>>そうとも言う。
>
>とりあえず、九州訛りのように思えます。博多弁でしょうか。

九州じゃないです。
中国五県のどこかです。
解りにくいんでしょうか・・・・

>>じゃ、このへんで。
>>
>>ラダ:次もよろしく。
>
>下準備は大変だ、という感じの内容でしたね。
>そして新たに出てこられたカノンさん♪
>ユニークなキャラがたくさん出てきて、楽しいです。
>……ところでカノンさんって何歳ぐらいなんでしょう。
>訛りで周りが引くということは、それ程お年ではないと思うのですが。

カノンは見た目は若いですよ。
ただ、実年齢は・・・・

>それでは、この辺で失礼いたします。続きを楽しみにしています。

感想ありがとうございました。

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14172カノンさん♪ご登場ですね♪猫楽者 E-mail 2003/5/7 00:15:26
記事番号14162へのコメント

こんばんは、キツネノテブクロさん。
お元気ですか、猫楽者です。
続きを、とても楽しく。そしてドキドキしながら読ませて頂きました。


>「赦されることはない・・・・・赦されてはいけない・・・・・俺は・・・・」
>
>――俺は・・・・・
>
>ヴァリシア帝国皇帝アダマス6世、かつて彼は名君と呼ばれていた。
>全てを公平に扱い、貴族の特権を手放しで認めてはいなかった。
>だが、彼は変わってしまった・・・・・・そして、最後の皇帝となる。

陛下。御自分のご決断は・・・・・・変わらないのですね。
ラスティちゃんとリーザさん、それにサキアさんとシリルさんは・・・・・
今の陛下の御姿を、どんな思いで見ておられるのでしょうか。
過ぎ去ってしまった時は、やり直せませんし・・・・・・逝ってしまった方々は、もう戻って来てはくださらない。
おひとりになってしまった陛下の本当の願いを知るのは、ゼクスさんとグアヴァだけなのでしょうか。

>トロナとサニディンは、神殿の神官達から冷たい目で見られていた。
>まだ見習いにもかかわらず、元帥の旗艦への搭乗要請がきたからでもある。

神殿の神官達・・・・・そんなに戦争に行きたいのですか。
自分は、『元帥の旗艦』に乗って戦争に行った、と、そう自慢でもしたいのでしょうか。
神殿内での地位を上げる為の経歴を、増やしたいだけなのではないですか。

>そのころ、ヴァリシア帝国の帝国海軍の艦隊、第一陣は既に最初の中継地について、補給を受けていた。
>第一陣を指揮しているのは、シェイル=コバルト大将。
>元々ヴァリシア帝国の軍の階級には、元帥というのは無かったのだが(正確に言うと皇帝=元帥だった)、皇帝アダマス6世が軍に関することを全て、アレクセル=フレイムに一任してしまった為に、繰り上がりでシェイルと他数名の将官が、大将にまで階級が上がったのだ。
>
>「ここから目的の場所までどのくらいかかる?」
>「とくに何も無ければ早くて一月ほどかと・・・・魔海を抜けますので」
>「そうか」
>
>――特に何も無ければね・・・・

流石に戦争慣れしている帝国は、動くのが素早いですね。
あと1月。それまでに結界内の国々が協力体制・・・・・・作れるのでしょうか。
まさか、こんなにも早く攻めてくるとは思っていないかもしれませんし、防衛の準備・・・・間に合うのでしょうか(汗)

>「えーと、一隻あたりの大砲の装備数が・・・それに食料に・・・・」
>捻り鉢巻を巻いたラダマンティスが、算盤片手に一隻あたりの弾薬数を計算していく。
>因みに他にも数名、算盤片手に計算をさせられている。
>算盤玉をぱちぱち言わせている様は、一見すると商人の様でもある。
>「おーい、誰か検算してくれ〜」
>計算が終った順から更に確認のために、もう一度計算させている。
>余分が出るのはまだいいが、足りなくなってはかなり困るからだ。
>「団長、ゼルガディスさんが、セイルーンに行ったのは痛かったっすね。
>あの人こういうのは信じられないぐらい早いっすよね」
>算盤とにらめっこしている騎士の一人が、情けない声で言う。
>「いうな〜!(泣)
>俺だって出来ればあいつに任せたかったけどよ〜、セイルーンからお呼びがかかったんだぜ。
>名指しでよ〜」
>ラダマンティスもかなり情けない声をあげる。
>普段こういった計算などはゼルガディスか、ラフィリアスがやってくれるため、たまにやると時間がかかってしょうがなかった。
>おそらく、ラダマンティスの苦手なものをあげるとしたら、計算とか出てくるのでは・・・・・

騎士団長であり、ゼフィーリアの軍の実質上のトップであるラダマンティスさん自らが、物資と弾薬の確認をなさる。
仕事と責任を配下の方々に押し付けて、地位に伴う特権とか利権とか甘い汁を吸うことにしか興味の無いような輩に
爪の垢でも飲ませてあげたいですね。

>「それにな、あいつ今頃大変なんじゃねえか?
>危機感ゼロの、能無し連中の相手をしてるだろうし・・・・」
>ため息突きつつ、一同を見渡す。
>今、ラダマンティスの補佐をしている面々は、少なくともラダマンティスやゼルガディスの苦労を、知っている者ばかりだった。
>この親子が今まで何度と無く、一部の貴族たちの心無い誹謗中傷にさらされてきたか、よく知っていた。
>そして、きっちりそれを跳ね返し、倍返しにしていることも・・・

あの・・・・・ラダマンティスさんとゼルガディスさんの・・・・倍返し・・・・(汗)
ちょっかい出した方々・・・・・全員・・・・行方不明者のリストに名前が載っているんじゃ(滝汗)

>「なあ、ラダマンティス。
>そのゼロスって何もん?」
>「魔王の腹心、獣王ゼラス=メタリオムの直属の部下で、魔王と腹心を除けば魔族中最強。
>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・の筈だが、しょっちゅうゼルとかリナちゃんとかに、パシリにされてるぞ」
>「・・・・・・(汗)」
>「で、何しに来たんだ?」
>「さあ?
>森の防犯の引っ掛っていじけて泣いてたのよ」
>「ええんか魔族がそれで?(汗)」
>「気にしちゃだめよ、カノン。
>所詮魔族だし」
>お茶を飲みつつ、マイアがカノンに言う。
>ラダマンティスも同じように頷いている。

ゼロスさん。迷子になって泣いていた(笑)。との情報はオニキスの方を通じて
ゼルガディスさんへ、そしてリナさんたちへと広がってゆくのでしょうね(笑)

>「ところで、姉さん。
>世間話をしに来ただけなら相手をできんぞ、今忙しいからな」
>「ここに来るまでに噂程度は入れてきたわよ。
>って言うより、たまたま通りがかったオニキスの一人から聞いたのv」
>
>――そいつ無事かな・・・・(遠い目)
>
>などと、ラダマンティスは思っていた・・・・・・・マイアのことだから、新しい薬品とかの実験台にされてる可能性もある・・・・・・。

いや・・・・あの・・・・マイアさん(汗)
味方を・・・・実験台には・・・・しないほうが良いような気がするのですが(滝汗)
マイアさんに情報をお話しした・・・・オニキスの方・・・・・ご無事だと良いですね(冷滝汗)

>ラダ:カノンか・・・・
>
>出たよv

カノンさん♪のご登場♪
ひょうひょうとした風のようなカノンさん。ご活躍をお祈りしております〜。
そして、いつかは、ヴィシュヌさんとカノンさん、そしてランゴートさまの『夢の座談会』。
開催されると良いですね〜。司会はゼロスさん(笑)で。


>ラダ:・・・・
>
>カノンの訛りは何処の訛りでしょう?

う〜ん。何処でしょうか。
前に山口県と書かせていただいて、おしい、とのことでしたから・・・・・・・・
『広島県』でしょうか?


海の中の影が、どう係わって行くのか。
メティスのお作りになられた『特殊な弾』は、どんな威力なのか。
火竜王さまたちと、赤い男の方は、どう動くのか。
続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしております。
風邪が流行っているようですので、お体にお気を付けて、お元気で。
では、失礼します。

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14178Re:カノンさん♪ご登場ですね♪キツネノテブクロ 2003/5/7 13:50:34
記事番号14172へのコメント


>こんばんは、キツネノテブクロさん。
>お元気ですか、猫楽者です。
>続きを、とても楽しく。そしてドキドキしながら読ませて頂きました。

こんにちは、キツネノテブクロです。

>>「赦されることはない・・・・・赦されてはいけない・・・・・俺は・・・・」
>>
>>――俺は・・・・・
>>
>>ヴァリシア帝国皇帝アダマス6世、かつて彼は名君と呼ばれていた。
>>全てを公平に扱い、貴族の特権を手放しで認めてはいなかった。
>>だが、彼は変わってしまった・・・・・・そして、最後の皇帝となる。
>
>陛下。御自分のご決断は・・・・・・変わらないのですね。

決断を変える事はないでしょう。

>ラスティちゃんとリーザさん、それにサキアさんとシリルさんは・・・・・
>今の陛下の御姿を、どんな思いで見ておられるのでしょうか。
>過ぎ去ってしまった時は、やり直せませんし・・・・・・逝ってしまった方々は、もう戻って来てはくださらない。
>おひとりになってしまった陛下の本当の願いを知るのは、ゼクスさんとグアヴァだけなのでしょうか。

ゼクスもグアヴァも、辛いと思いますよ。
本当は、こんなことを止めて欲しいと願っているでしょうから。

>>トロナとサニディンは、神殿の神官達から冷たい目で見られていた。
>>まだ見習いにもかかわらず、元帥の旗艦への搭乗要請がきたからでもある。
>
>神殿の神官達・・・・・そんなに戦争に行きたいのですか。
>自分は、『元帥の旗艦』に乗って戦争に行った、と、そう自慢でもしたいのでしょうか。
>神殿内での地位を上げる為の経歴を、増やしたいだけなのではないですか。

神官たちは戦争に行きたいと言うより、元帥に認められたと言う、ステータスが欲しいのです。
それを、こんな子供にとられたと言うのが、気に入らないのでしょう。

>>そのころ、ヴァリシア帝国の帝国海軍の艦隊、第一陣は既に最初の中継地について、補給を受けていた。
>>第一陣を指揮しているのは、シェイル=コバルト大将。
>>元々ヴァリシア帝国の軍の階級には、元帥というのは無かったのだが(正確に言うと皇帝=元帥だった)、皇帝アダマス6世が軍に関することを全て、アレクセル=フレイムに一任してしまった為に、繰り上がりでシェイルと他数名の将官が、大将にまで階級が上がったのだ。
>>
>>「ここから目的の場所までどのくらいかかる?」
>>「とくに何も無ければ早くて一月ほどかと・・・・魔海を抜けますので」
>>「そうか」
>>
>>――特に何も無ければね・・・・
>
>流石に戦争慣れしている帝国は、動くのが素早いですね。
>あと1月。それまでに結界内の国々が協力体制・・・・・・作れるのでしょうか。
>まさか、こんなにも早く攻めてくるとは思っていないかもしれませんし、防衛の準備・・・・間に合うのでしょうか(汗)

帝国は、軍上層部が割りとまともなので、優秀な人材がいます。
どうしようもない貴族出身者もいますが・・・。

結界内の国々の協力関係、上手くいくと良いのですが。

>>「えーと、一隻あたりの大砲の装備数が・・・それに食料に・・・・」
>>捻り鉢巻を巻いたラダマンティスが、算盤片手に一隻あたりの弾薬数を計算していく。
>>因みに他にも数名、算盤片手に計算をさせられている。
>>算盤玉をぱちぱち言わせている様は、一見すると商人の様でもある。
>>「おーい、誰か検算してくれ〜」
>>計算が終った順から更に確認のために、もう一度計算させている。
>>余分が出るのはまだいいが、足りなくなってはかなり困るからだ。
>>「団長、ゼルガディスさんが、セイルーンに行ったのは痛かったっすね。
>>あの人こういうのは信じられないぐらい早いっすよね」
>>算盤とにらめっこしている騎士の一人が、情けない声で言う。
>>「いうな〜!(泣)
>>俺だって出来ればあいつに任せたかったけどよ〜、セイルーンからお呼びがかかったんだぜ。
>>名指しでよ〜」
>>ラダマンティスもかなり情けない声をあげる。
>>普段こういった計算などはゼルガディスか、ラフィリアスがやってくれるため、たまにやると時間がかかってしょうがなかった。
>>おそらく、ラダマンティスの苦手なものをあげるとしたら、計算とか出てくるのでは・・・・・
>
>騎士団長であり、ゼフィーリアの軍の実質上のトップであるラダマンティスさん自らが、物資と弾薬の確認をなさる。
>仕事と責任を配下の方々に押し付けて、地位に伴う特権とか利権とか甘い汁を吸うことにしか興味の無いような輩に
>爪の垢でも飲ませてあげたいですね。

本来なら、騎士団長で軍トップのラダ氏が、することではないのですが・・・
他に任せて、問題がでるよりはと思ってやってるのでしょう。

>>「それにな、あいつ今頃大変なんじゃねえか?
>>危機感ゼロの、能無し連中の相手をしてるだろうし・・・・」
>>ため息突きつつ、一同を見渡す。
>>今、ラダマンティスの補佐をしている面々は、少なくともラダマンティスやゼルガディスの苦労を、知っている者ばかりだった。
>>この親子が今まで何度と無く、一部の貴族たちの心無い誹謗中傷にさらされてきたか、よく知っていた。
>>そして、きっちりそれを跳ね返し、倍返しにしていることも・・・
>
>あの・・・・・ラダマンティスさんとゼルガディスさんの・・・・倍返し・・・・(汗)
>ちょっかい出した方々・・・・・全員・・・・行方不明者のリストに名前が載っているんじゃ(滝汗)

ラダ:さあな( ̄ー ̄)

その笑が怖いよ、ラダ氏(汗)

>>「なあ、ラダマンティス。
>>そのゼロスって何もん?」
>>「魔王の腹心、獣王ゼラス=メタリオムの直属の部下で、魔王と腹心を除けば魔族中最強。
>>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・の筈だが、しょっちゅうゼルとかリナちゃんとかに、パシリにされてるぞ」
>>「・・・・・・(汗)」
>>「で、何しに来たんだ?」
>>「さあ?
>>森の防犯の引っ掛っていじけて泣いてたのよ」
>>「ええんか魔族がそれで?(汗)」
>>「気にしちゃだめよ、カノン。
>>所詮魔族だし」
>>お茶を飲みつつ、マイアがカノンに言う。
>>ラダマンティスも同じように頷いている。
>
>ゼロスさん。迷子になって泣いていた(笑)。との情報はオニキスの方を通じて
>ゼルガディスさんへ、そしてリナさんたちへと広がってゆくのでしょうね(笑)

ゼロスの不幸伝説が(笑)
ゼロス頑張れ(笑)

>>「ところで、姉さん。
>>世間話をしに来ただけなら相手をできんぞ、今忙しいからな」
>>「ここに来るまでに噂程度は入れてきたわよ。
>>って言うより、たまたま通りがかったオニキスの一人から聞いたのv」
>>
>>――そいつ無事かな・・・・(遠い目)
>>
>>などと、ラダマンティスは思っていた・・・・・・・マイアのことだから、新しい薬品とかの実験台にされてる可能性もある・・・・・・。
>
>いや・・・・あの・・・・マイアさん(汗)
>味方を・・・・実験台には・・・・しないほうが良いような気がするのですが(滝汗)
>マイアさんに情報をお話しした・・・・オニキスの方・・・・・ご無事だと良いですね(冷滝汗)

オニキスのメンバー・・・・・多分・・・無事だと・・・・(汗)

>>ラダ:カノンか・・・・
>>
>>出たよv
>
>カノンさん♪のご登場♪
>ひょうひょうとした風のようなカノンさん。ご活躍をお祈りしております〜。
>そして、いつかは、ヴィシュヌさんとカノンさん、そしてランゴートさまの『夢の座談会』。
>開催されると良いですね〜。司会はゼロスさん(笑)で。

司会がゼロスで、ヴィシュヌにカノンにランゴートの座談会。
面白そうですねえ(笑)

ゼロス:やめて下さいいいいいい(滝涙)

>>ラダ:・・・・
>>
>>カノンの訛りは何処の訛りでしょう?
>
>う〜ん。何処でしょうか。
>前に山口県と書かせていただいて、おしい、とのことでしたから・・・・・・・・
>『広島県』でしょうか?

近いです。
というか、隣の県です。
(隣の県といっても二通りあるよな・・・)

>海の中の影が、どう係わって行くのか。
>メティスのお作りになられた『特殊な弾』は、どんな威力なのか。
>火竜王さまたちと、赤い男の方は、どう動くのか。
>続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしております。
>風邪が流行っているようですので、お体にお気を付けて、お元気で。
>では、失礼します。
>

海の中にいるもの、なかなか厄介な相手です。
戦争がどうなるか、フレイたちがどう行動するか。
色々とありますが気長にお付き合いくださると嬉しいです。

感想ありがとうございました。

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