◆−腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―−由季まる (2002/10/28 22:54:56) No.10919
 ┣腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第1話−由季まる (2002/10/28 22:57:44) No.10920
 ┃┣Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第1話−渚 (2002/11/1 18:03:32) No.10954
 ┃┃┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第1話−由季まる (2002/11/2 02:16:11) No.10985
 ┃┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第1話−ドラマ・スライム (2002/11/3 23:47:45) No.11056
 ┃ ┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第1話−由季まる (2002/11/4 14:28:30) No.11064
 ┣腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第2話−由季まる (2002/10/29 22:34:22) No.10929
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 ┃┃┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第2話−由季まる (2002/11/2 02:26:43) No.10986
 ┃┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第2話−ドラマ・スライム (2002/11/4 21:40:44) No.11077
 ┃ ┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第2話−由季まる (2002/11/5 00:46:09) No.11086
 ┣腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第3話−由季まる (2002/11/1 00:38:09) No.10948
 ┃┣Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第3話−渚 (2002/11/1 18:23:59) No.10957
 ┃┃┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第3話−由季まる (2002/11/2 02:42:57) No.10987
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 ┃ ┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第3話−由季まる (2002/11/7 00:32:12) No.11147
 ┣―ダルフィンのお月見―補足説明っていうか今更ごめんなさい(汗)−由季まる (2002/11/2 01:29:44) No.10983
 ┣腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話−由季まる (2002/11/2 01:46:45) No.10984
 ┃┣Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話−渚 (2002/11/2 08:49:10) No.10993
 ┃┃┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話−由季まる (2002/11/3 00:24:53) No.11025
 ┃┣Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話−Yuppy (2002/11/2 13:39:36) No.11002
 ┃┃┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話−由季まる (2002/11/3 00:39:25) No.11026
 ┃┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話−D・S・ハイドラント (2002/11/6 22:40:03) No.11145
 ┃ ┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話−由季まる (2002/11/7 01:02:52) No.11149
 ┣腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第5話−由季まる (2002/11/3 21:03:35) No.11042
 ┃┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―−渚 (2002/11/3 23:26:19) No.11054
 ┃ ┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―−由季まる (2002/11/4 15:20:48) No.11066
 ┗腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第6話−由季まる (2002/11/5 00:31:03) No.11085
  ┣Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第6話−渚 (2002/11/5 07:45:49) No.11088
  ┃┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第6話−由季まる (2002/11/7 01:29:20) No.11150
  ┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第6話−D・S・ハイドラント (2002/11/7 22:53:07) No.11178
   ┗Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第6話−由季まる (2002/11/8 22:03:08) No.11207


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10919腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―由季まる 2002/10/28 22:54:56


こんにちは&はじめまして、由季まるです。
 こちらはダルフィン中心となって書き進めるギャグの予定です。
 文字どうり腹心全員だす予定ですがどういう割りあいになるかはまだわかりません。(あまりでてこない人もでてくるかも…)
 他にも名のある将軍や神官もだせたらいいなーとか思っています。
 そんなに長くなる予定ではないのですが、楽しんでもらえたら嬉しいです。
 では、どうぞ。

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10920腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第1話由季まる 2002/10/28 22:57:44
記事番号10919へのコメント


腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第1話


 ここはカタート山脈某一室
 書斎のような部屋のデスクの前で長い銀髪を無造作に後ろでまとめた
黒ずくめのドレス姿をした女性が足を組み一人報告書のようなものを見ていた。
「うーむ…どうも今月は魔族の負傷者が多いな…。」
ため息をつく。と。

 ―がばっ!

「ゼーラスv何してるのv」
 何の脈絡もなく、誰もいなかったところから―文字どうり―女性が抱きついてきた。
「仕事。」
 まったく動揺もなくきっぱりと言うゼラス。
「それでしたらワタクシと一緒に買い物行きません?」
 こちらも動揺なくさらりと言う。
「…ダル。」
「はい?」
「聞いてたか?仕事してるんだよ、し・ご・と!」
「?。だから?」
「………………だから。今月の魔族の怪我が何故多いかその原因を探らないといけないんだっ。
 神族が何か仕掛けてきてるとしたら大変だろ?。」
 買い物の方が優先だと言わんばかりの顔でたずねるダルフィンになるたけっ丁寧に説明してやる根気のあるゼラス。
「あ、でしたら解決ですわ。」
 タン、と静かに手を合わせて言うダルフィン。
「は?」
「ワタクシ先日実験的に料理を作ってみました、」
「はあ。」
「それを食べさせたら4,5人程のひ弱な魔族が‘ぱたぱた,と。」
「……………。」
「ほら。この報告書にも『なにかしらの劇物を体内に入れての昏睡状態と推測される』って書かれているでしょ?」
「……………。」
「それにしても。劇物はないわよね?失敗した料理を食べさせただけなのに。」
「……………。」
「さ、では。解決したんだから、買い物行きましょうv」
「……………。」
「買い物v買い物v」
「………ダル。」
「何?早くして。」
「………何の、買い物にいくつもりだ?……。」
「あら。言ってなかったかしら?」

 こっくり

 ゆっくうり とうなずくゼラス、彼女の部下がいたら危機的状況だと真っ先に気づいたのだろうが
相手は「魔王様が相手だろうとマイペース」の異名―そのまんま―で名高い海王ダルフィン、早口だが丁寧に話し出した。
「もう、しょうがないわね、
この前ワタクシ人間の本を読んでいて見つけたんだけど、
面白そうだと思っていたのよねー、
今度皆でやろうかと思って材料の買出しにね。
ほら。魔族の城って人間のものなんてほとんどないじゃない?
え?何をやるかって?
それはね…ウフフ。
お月見よv楽しそうでしょう。」
 ウフフとまた優雅に笑うダル。
「まだ皆には内緒よvあら?どうしたのゼラス?」

「…………………………お………………おま…………………………いや……………いい……………………。」

 何かを言おうとしたが諦めたように首を振る。
「………一人で行け。」
「え?でも。」
「いいから一人で行け。」
「でも。」
「ひ・と・り・で・い・け。」
 めえちゃめちゃ眼光鋭く言うゼラスを前にしてダルは。

「でもお。」

「っっつだあああああああああああああああああああああああああああ!
こっちは身を粉にして魔族のために働いてるってゆうううううのになああああああああああああああああっっ!
おまえのあそびになんてかまってられるかあああああああああああああああああああああああああああっっっ!
とっととどこにでもいっちまええええええええええええええ!!!!」

あらら。あれはストレスたまってるわねえ、とダルフィンが出ってた後も、
ゼラスは数時間機嫌が悪かった、と後に獣王神官は語った。






(つづく)
ダルフィン(以下ダ):あら?続きましたわ。
由季まる(以下由):そお、続きものなのさ。
ダ:大丈夫ですの?
由:ぐっ…。(何気にきついぞダルフってば)
ダ:まあ、がんばってくださいね。(ワタクシの出番も増えますし)
由:はいよ。
ダ:あら?ゼラスは?
由:ああ、次回まで機嫌が悪いんから呼んできてない。
ダ:あらまあ。ゼラスも災難ね。
由:…いや。(あんたのせーでしょーが)まあね。でも次回にも出番はあるから。
ダ:ふーん。活躍しますの?
由:ぐ。それは見ないと誰にもわかんない。
ダ:…いい加減な。
由:ま、まあそれでは次回
ダ:よろしければ見てあげてくださいな。

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10954Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第1話E-mail 2002/11/1 18:03:32
記事番号10920へのコメント


>「うーむ…どうも今月は魔族の負傷者が多いな…。」
今月も?いったいなにがあったんだ・・・・。

>「ワタクシ先日実験的に料理を作ってみました、」
料理・・・・?まともな料理ができるんだろうか。

>「それを食べさせたら4,5人程のひ弱な魔族が‘ぱたぱた,と。」
・・・・・・・・・・。

>「それにしても。劇物はないわよね?失敗した料理を食べさせただけなのに。」
失敗したって分かってるのに食べさせたのか・・・・?

>「さ、では。解決したんだから、買い物行きましょうv」
そのひ弱な魔族、可哀想・・・・。

>相手は「魔王様が相手だろうとマイペース」の異名―そのまんま―で名高い海王ダルフィン、早口だが丁寧に話し出した。
いつでもマイペースか。私も見習いたいです。

>ほら。魔族の城って人間のものなんてほとんどないじゃない?
魔族の城には何があるんだろ・・・・。

>「っっつだあああああああああああああああああああああああああああ!
>こっちは身を粉にして魔族のために働いてるってゆうううううのになああああああああああああああああっっ!
>おまえのあそびになんてかまってられるかあああああああああああああああああああああああああああっっっ!
>とっととどこにでもいっちまええええええええええええええ!!!!」
おおっ!きれた。そりゃきれるか。

はじめまして、渚と申します。
ダルフィンが面白かったです〜。ゼラスも災難ですね。

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10985Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第1話由季まる 2002/11/2 02:16:11
記事番号10954へのコメント

こんばんは〜。レス有難うございます。

>>「うーむ…どうも今月は魔族の負傷者が多いな…。」
>今月も?いったいなにがあったんだ・・・・。
毎月何人かは神族とこぜりあったり、リナのような人間にちょっかいだしたり、不慮の事故(?)などなどで怪我、死亡、滅び、のめにあってるんだそうです。
ゼラス:ま。ほとんどそんなこともないんだがな。

>>「ワタクシ先日実験的に料理を作ってみました、」
>料理・・・・?まともな料理ができるんだろうか。
どーでしょうねえ…。

>>「それを食べさせたら4,5人程のひ弱な魔族が‘ぱたぱた,と。」
>・・・・・・・・・・。
気にしてないみたいです。ダルフ。

>>「それにしても。劇物はないわよね?失敗した料理を食べさせただけなのに。」
>失敗したって分かってるのに食べさせたのか・・・・?
食べさせて倒れたんで失敗と一応思ったよーです。
わかってもやめないみたいだけど…
ダルフ:なんでも失敗のひとつやふたつはつきものですわ。
………ええっと。

>>「さ、では。解決したんだから、買い物行きましょうv」
>そのひ弱な魔族、可哀想・・・・。
………ええ。

>>相手は「魔王様が相手だろうとマイペース」の異名―そのまんま―で名高い海王ダルフィン、早口だが丁寧に話し出した。
>いつでもマイペースか。私も見習いたいです。
み!?…見習わないほーがいいとおもいますよ…あれですよ、あれ…。
ダルフ:なんかいいました。(にっこり)
!(ブンブン)ぜええんぜん!

>>ほら。魔族の城って人間のものなんてほとんどないじゃない?
>魔族の城には何があるんだろ・・・・。
…うーん。そう言われると何があるんでしょうねえ…。
外見は不健康そうにカラスとか飛んでそうですけど。

>>「っっつだあああああああああああああああああああああああああああ!
>>こっちは身を粉にして魔族のために働いてるってゆうううううのになああああああああああああああああっっ!
>>おまえのあそびになんてかまってられるかあああああああああああああああああああああああああああっっっ!
>>とっととどこにでもいっちまええええええええええええええ!!!!」
>おおっ!きれた。そりゃきれるか。
ゼラスは魔族の中では我慢強い性格に設定したんですけどダルフの前じゃかたなしみたいです(苦笑)

>はじめまして、渚と申します。
>ダルフィンが面白かったです〜。ゼラスも災難ですね。
はじめまして由季まるです!
有難うございます。ダルフィンこんな性格でいいか心配だったんですけど、面白かったですかそれはよかったです。
では。

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11056Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第1話ドラマ・スライム 2002/11/3 23:47:45
記事番号10920へのコメント

> 何の脈絡もなく、誰もいなかったところから―文字どうり―女性が抱きついてきた。
>「仕事。」
この違い、個性がよく出てますねえ。

>「聞いてたか?仕事してるんだよ、し・ご・と!」
>「?。だから?」
だから?・・・って

>「………………だから。今月の魔族の怪我が何故多いかその原因を探らないといけないんだっ。
まさかリナ=●ンバース?


>「っっつだあああああああああああああああああああああああああああ!
>こっちは身を粉にして魔族のために働いてるってゆうううううのになああああああああああああああああっっ!
>おまえのあそびになんてかまってられるかあああああああああああああああああああああああああああっっっ!
>とっととどこにでもいっちまええええええええええええええ!!!!」
ついにゼラスがきれた。・・・こういう文章書いてると疲れややる気のなさが吹き飛びますね(待て。)

それでは少しずつレスしていきますので・・・。
さようなら〜

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11064Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第1話由季まる 2002/11/4 14:28:30
記事番号11056へのコメント

こんにちはー!

>> 何の脈絡もなく、誰もいなかったところから―文字どうり―女性が抱きついてきた。
>>「仕事。」
>この違い、個性がよく出てますねえ。
二人は正反対の性格という設定だったので(で主に被害をこうむるのはゼラス)
個性がでてますか…それだったらよかったです〜。

>>「聞いてたか?仕事してるんだよ、し・ご・と!」
>>「?。だから?」
>だから?・・・って
魔王様の直接命令でもないかぎりしたくないことはしないみたいです。
ゼラス:そんなやつばっかだからわたしは忙しいんだがな(怒)

>>「………………だから。今月の魔族の怪我が何故多いかその原因を探らないといけないんだっ。
>まさかリナ=●ンバース?
いえーまだ生まれてない時の話ですからね。
っとゆーか犯人は…
ダルフ:何です?人の顔をじろじろ見て?
………なんでもないっす。


>>「っっつだあああああああああああああああああああああああああああ!
>>こっちは身を粉にして魔族のために働いてるってゆうううううのになああああああああああああああああっっ!
>>おまえのあそびになんてかまってられるかあああああああああああああああああああああああああああっっっ!
>>とっととどこにでもいっちまええええええええええええええ!!!!」
>ついにゼラスがきれた。・・・こういう文章書いてると疲れややる気のなさが吹き飛びますね(待て。)
ええそうですね(笑)
ゼラス:わたしは疲れがたまっていく一方なのだがな(怒々)
えええっと〜(汗)

>それでは少しずつレスしていきますので・・・。
>さようなら〜
レス有難うございました!

では。

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10929腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第2話由季まる 2002/10/29 22:34:22
記事番号10919へのコメント

 
 
 前回のあらすじ:海王ダルフィンのおしゃべり
ワタクシの作った料理を食べたら、ひ弱な―あれくらいで倒れてしまうならひ弱に決まっているでしょう?―魔族達が倒れてしまったの。
その事を知らないゼラスが彼達の事を気に病んでいたようだから、それを教えてあげて「解決したんだから次はお月見の買い出しにいきましょうv」って言っら今度は怒ってしまったの。
なんだってあんなに怒るのかしら?ひ弱な魔族が倒れる事なんか別にたいしたことじゃないのに。
…それよりも。ゼラスは真面目だからストレスで倒れないかそれが心配だわワタクシ。


腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第2話

 数時間後。カタート山脈獣王の書斎室。
「ははあ、あれは海王様の仕業でしたか。いやあ、さすがにそこまでは僕にもわかりませんでしたね。」
 あはっはっと陽気にニコ目で笑う黒ずくめ姿の獣王神官。
 先程ゼラスがちょうど機嫌が直った頃に帰ってきた。
 ―絶対わざとだ。
 それまでずっと機嫌の悪さに付きあわされていた海王神官と将軍―上司のしたことに対して部下が八つ当たりをくらっていた―は二人してそう思った。
すでに二人は退席している。
「やられた連中全員意識不明で倒れてしまっていたからな。無理もないが―
それにしてもダルの奴ときたら何考えてんだか…。」
「何がです?」
「貴重な純魔族―戦力―を自分の遊びで使えなくする、その考えがわたしにはさっぱりわからん。」
「そうですか?人間の料理の研究なんていかにも海王様らしい面白い考えだと僕は思いますけど。」
「おもしろい、か。そうゆう人間に興味をもつところなんかお前はダルそっくりだよな。」
 苦笑するゼラス。
「そおゆうことはわたしにはよくわからんよ。」
 お手上げのポーズをする。
「おそれながら。」
「…なんだ?」
「海王様は別に、人間に興味があるわけではないと思いますよ、
人間のする事に興味がおありなんです、きっと。」
「…はん。お前もそう、と言うわけか。」
「はい。
 ゼラス様は真面目な方ですからね、お考えが違うかも知れませんが。しかし、」
 「ちょっとした秘密ですけどね。」と言っていつもの―人差し指を立てて口元にそえる―お得意のポーズをとる。
「そんな正反対な性格だからこそ僕…それから多分海王様もゼラス様の事が好きなんですよv」
「そうかい。」
「はいv」
 また苦笑し今度は黙ってしまうゼラス。
「…………。」
それにあわせて、ゼロスも黙り込む。
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「………海王様の事が気になりますか?」

「まったく!お前ってやつは、どうしてそう…………」

「はい?」
 とぼけた顔をして聞き返す。
「………いや、お前には負けたよ。」
 少しまたまた苦笑してから、おもむろに立ち上がり
「ゼロス!」
「はい。」
「人間の街に出てくる、留守を頼んだぞ。」
「海王様のところにいくので?」
「ああ、あいつをほっておくと何をするかわからんからな。」
 にやりと微笑んで出て行ったゼラスをこちらもまた微笑んで見送るゼロスだった。



「…やれやれ、やっと素直になって行きましたね。」
「君も気難しい上司を持って大変だね。」
 ふいに後ろから声がして、ビクッとなる。
「なんだったら僕のところにこないかな?」
「…いえいえ。僕は今の獣王様のところで満足していますから―
―冥王様。」
 ゆっくりと後ろを振り返りながらゼロスは言った。
 そこには。
「ところで、なんだかおもしろい事になっているみたいだけど教えてもらえないかな?ゼロス。」
 少年の姿をしたフィブリゾがにっこりと微笑んでいた。






(つづく)
ゼロス(以下ゼ):意味真な終わり方ですねえ。
由季(以下由):これはギャグです。
ゼ:…何言ってるんですか?
由:いや、振り返れば全然ギャグじゃないと感じたもんだったから一応。
ゼ:…なるほど。
由:うん。
ゼ:で、次回はちゃんとギャグになるんですか?
由:………の、予定。
ゼ:…はあ。大丈夫なんですかそれ。
…それにしても海王将軍&神官さんは不幸ですねえ。
由:今はやりだし。
ゼ:はあ?そうなんですか?
由:そう。他の方の小説を読めばゼロスにもわかるよ。
ゼ:…そおですか。(とことん不幸ですね。それは。)
由:そお。
ゼ:では皆さん。…ところでホントに大丈夫ですか?
由:ぐはっ!(汗)ま、…また次回!
ゼ:やれやれ。よければまたどうぞ。

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10955Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第2話E-mail 2002/11/1 18:14:00
記事番号10929へのコメント


> あはっはっと陽気にニコ目で笑う黒ずくめ姿の獣王神官。
> 先程ゼラスがちょうど機嫌が直った頃に帰ってきた。
> ―絶対わざとだ。
私もそう思う。

>「貴重な純魔族―戦力―を自分の遊びで使えなくする、その考えがわたしにはさっぱりわからん。」
純魔族がひ弱か・・・・・。

>「まったく!お前ってやつは、どうしてそう…………」
やっぱり気になるんですね。

なんだか微妙なやりとりがすっごく好きでしたー(^^)
やっぱりゼロス最高ー!!(意味不明)
海王将軍や神官は可哀想だったけど、ゼラス様も大好き!!
早速続きを読みますね(^^)

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10986Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第2話由季まる 2002/11/2 02:26:43
記事番号10955へのコメント

 再びこんばんは。

>> あはっはっと陽気にニコ目で笑う黒ずくめ姿の獣王神官。
>> 先程ゼラスがちょうど機嫌が直った頃に帰ってきた。
>> ―絶対わざとだ。
>私もそう思う。
どーなの?ゼロス。
ゼロス:それは秘密ですv
………やっぱしか。

>>「貴重な純魔族―戦力―を自分の遊びで使えなくする、その考えがわたしにはさっぱりわからん。」
>純魔族がひ弱か・・・・・。
ゼラスやダルフからしたら、まあひ弱なんでしょう。多分。

>>「まったく!お前ってやつは、どうしてそう…………」
>やっぱり気になるんですね。
そのようです(微笑)

>なんだか微妙なやりとりがすっごく好きでしたー(^^)
うわあ(照)そう言ってもらえると嬉しいです。
>やっぱりゼロス最高ー!!(意味不明)
ゼロス:ありがとうございますv
>海王将軍や神官は可哀想だったけど、ゼラス様も大好き!!
ゼラス:ありがとう。
>早速続きを読みますね(^^)
有難うございます!

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11077Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第2話ドラマ・スライム 2002/11/4 21:40:44
記事番号10929へのコメント

>ワタクシの作った料理を食べたら、ひ弱な―あれくらいで倒れてしまうならひ弱に決まっているでしょう?―魔族達が倒れてしまったの。
凄いんですねえ。ダルフィンの料理・・・でも人間食自体魔族の体に良くないのでは・・・。

>「………海王様の事が気になりますか?」
>「ああ、あいつをほっておくと何をするかわからんからな。」
やはり気になるんですね。

> 少年の姿をしたフィブリゾがにっこりと微笑んでいた。
おお冥王まで出てきて・・・。

それでは少しずつ読んでいきますので・・・。
ではさようなら〜

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11086Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第2話由季まる 2002/11/5 00:46:09
記事番号11077へのコメント

こんばんは。

>>ワタクシの作った料理を食べたら、ひ弱な―あれくらいで倒れてしまうならひ弱に決まっているでしょう?―魔族達が倒れてしまったの。
>凄いんですねえ。ダルフィンの料理・・・でも人間食自体魔族の体に良くないのでは・・・。
そうですね魔族倒しちゃうんですし…(汗)
うーん。どうなんでしょうか、でもゼロスってたしか人間食食べてませんでしたっけ?リナが貸しにしたとかなんとかって。
…ああ、今確認しました15巻でそんなこと言ってます。
まあ人間食入れただけで腹(?)壊してたら魔族やってられないって言う事でしょうかね?
あーでもそうなるとダルフ、一体何作ったんでしょうね?(聞いてどーする)

>>「………海王様の事が気になりますか?」
>>「ああ、あいつをほっておくと何をするかわからんからな。」
>やはり気になるんですね。
ええ、そうらしいです(微笑)

>> 少年の姿をしたフィブリゾがにっこりと微笑んでいた。
>おお冥王まで出てきて・・・。
はい。出てきましたよ〜。
例のぼっちゃんが!

>それでは少しずつ読んでいきますので・・・。
>ではさようなら〜
レスを有難うございました!

それでは。

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10948腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第3話由季まる 2002/11/1 00:38:09
記事番号10919へのコメント

前回のあらすじ:獣王神官ゼロスの嘆き
…ええ。というわけで海王様に対して怒っていたゼラス様は落ち着きまして、先程海王様を迎えに出かけられたんですけど…。
…変わりに冥王様がいらっしゃいまして、ここだけの話僕あの方苦手なんですよね。
先の大戦で部下を亡くされてからはいちいちいちいち僕をスカウトしにくるし、とはいえ一応上司の方ですからね
「冥王様って苦手なんですよ〜僕。帰ってくださいません?」 
なんて笑顔でもとても言えませんし…
ふう…中間管理職って辛い身の上ですよ、まったく。
…ところで、冥王様今日は僕に何の御用なんでしょうかね?


腹心達の騒動―ダルフィンのお月見第3話―

「ねえ。おしえてくれないかな?ゼロス?」
 無邪気な少年の姿と声でフィブリゾは言う。
 ぽりぽり。頬を指でかきながら困った顔をして黒ずくめの神官の格好をしたゼロスが言った。
「…と。おっしゃられましても、一体なんの事でしょう?『おもしろい事』って。」
「やだなあ。ダルフィンのこと、だよ。
 料理で誰かを倒したとかなんとか、ってまでは聞いたんだけどねえ、
 海王将軍と神官が『ダルフィン様に口止めされてるから』ってそれ以上は教えてくれなかったんだよね。」
 ははあ。冥王様『海王様が』『料理で倒す』って時点で面白そうだと思ったんで首をつっこんできたんですね、これは。
 気持ちはわかりますけどねえ…。僕も獣王神官のはしくれとして素直に情報を話したりはしませんよ。
 …それに素直に話すのもしゃくですし。
「…それなら、僕に聞いたって無駄だと思いません?海王様口止めなさっているんですから。」
 とゼロスが言うと、フィブリゾは馬鹿にしたように「ふっふーん」と言って。
「とぼけたってだめだよゼロス、海王のとこの将軍と神官は直接に口止めされてて
 …脅しても口を開いてはくれなかったけどさ、君はそんな事はないはずだよ、だって君は後からゼラスに聞いたんだからね。
 ダルフィンから直接口止めされてはいないし、話せないことはない。違うかいゼロス?
 …それともぼくには話したくない、とでもいうのかな…?」
 しーん。
 ―一瞬の沈黙。
「ふう。」ため息がひとつ出て。
「…冥王様はやっぱり苦手ですね。」
「ん?なんか言った?」
「あ、いえいえこっちの話ですから。
「…わかりました、海王ダルフィン様が何をしようとしているか言えばいいんですよね…
 海王様はですね…。」




「ウフフ。お月見vお月見v」
 ところ変わって街はずれ。
 場違いなほど高価そうな―しかし派手ではない―なめらかなドレスの裾を振りつつ
 嬉しそうに買い物袋を横におきつつ座って休憩している海王ダルフィン。
「ふう。それにしても以外に重労働だわ買い物って、別に大変ではないけど、優雅ではないのよねー
 …そうだ。今度来る時はシェラーを誘ってこようかしら。」
 暗に連れて来たら荷物もちをさせようと言っている。
 しかし、持ちきれないのではないかという程の買い物袋の中身の半分は用途のわからない―つまりは衝動買いをしたであろう―ものなのだが…。
「買い忘れってないわよね……ああ、そうだ後ルビーアイ様になにか買わないと…」
 キョロキョロと何かないかとなんとなくなく視線がめぐる
 ふと、あるものを見て視線が止まる。
「あら。あれってルビーアイ様の…」




 場面は先程フィブリゾ達が話していた場所に戻る。
「へえ…月見かぁ…ダルフィンらしいね、それは。」
 しかし獣王神官の姿はもうなく、フィブリゾが一人考えをめぐらせているのみである。
「フフ、そーだいいこと考えたv」
 その顔は面白いおもちゃの遊び方を考えついた子供のそれに似ていた。






(つづく)
由季まる(以下由):あらすじが長い…。
フィブリゾ(以下フ):で、中身が少ないっと。
由:うーん。バランス悪いよねー(汗)気おつけます(汗)
フ:うん、そーしなよ。…でさあ、その暑苦しい格好は何?
由:こっちは寒いのよー、さむいのにがてー。
フ:ふーん。人間て不便だね。ぼくはそんなことかんじないけど?
由:ううう。そりゃあ魔族は精神生命体だものねえ!
フ:まあねえ。そういわれればそれまでなんだけどさー。
由:…じゃあ…私と変わって人間やってみる!?
フ:やだ。(笑顔)
由:…そお。
フ:うん!まっぴら。(めっさ笑顔)
由:………。(複雑な心境らしい)
フ:では皆さんまた次回!
由:……は!…えと…よかったらまたです!

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10957Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第3話E-mail 2002/11/1 18:23:59
記事番号10948へのコメント


>ふう…中間管理職って辛い身の上ですよ、まったく。
がんばれゼロス!!

> 料理で誰かを倒したとかなんとか、ってまでは聞いたんだけどねえ、
> 海王将軍と神官が『ダルフィン様に口止めされてるから』ってそれ以上は
教えてくれなかったんだよね。」
料理で、倒す・・・・?料理じゃなくて、もう武器ですね。

>「ウフフ。お月見vお月見v」
> ところ変わって街はずれ。
> 場違いなほど高価そうな―しかし派手ではない―なめらかなドレスの裾を振りつつ
> 嬉しそうに買い物袋を横におきつつ座って休憩している海王ダルフィン。
なんか、不陰気が魔族じゃないですね。海王様。

>「フフ、そーだいいこと考えたv」
> その顔は面白いおもちゃの遊び方を考えついた子供のそれに似ていた。
いいこと?一体なんだろ。

>由:こっちは寒いのよー、さむいのにがてー。
私も苦手ですー。


続き楽しみですー。とっても面白かったです。
なのに、私ってコメント下手ですみません・・・・。
小説つくるのも下手だし・・・・。
由季まるさんみたいなすばらしい作品を早く作りたいですー。

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10987Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第3話由季まる 2002/11/2 02:42:57
記事番号10957へのコメント

 三度こんばんは。

>>ふう…中間管理職って辛い身の上ですよ、まったく。
>がんばれゼロス!!
ゼロス:有難う御座いますvがんばりますv

>> 料理で誰かを倒したとかなんとか、ってまでは聞いたんだけどねえ、
>> 海王将軍と神官が『ダルフィン様に口止めされてるから』ってそれ以上は
>教えてくれなかったんだよね。」
>料理で、倒す・・・・?料理じゃなくて、もう武器ですね。
をお。たしかにそうですね。しかも魔族を倒せるという。

>>「ウフフ。お月見vお月見v」
>> ところ変わって街はずれ。
>> 場違いなほど高価そうな―しかし派手ではない―なめらかなドレスの裾を振りつつ
>> 嬉しそうに買い物袋を横におきつつ座って休憩している海王ダルフィン。
>なんか、不陰気が魔族じゃないですね。海王様。
そーいえばそーですよねー。いいのかなダルフ(汗)

>>「フフ、そーだいいこと考えたv」
>> その顔は面白いおもちゃの遊び方を考えついた子供のそれに似ていた。
>いいこと?一体なんだろ。
それは次々回かその次くらいにあきらかにされるかと…。
フィブ:とおいよ!なんとかなんないのー!
うーん。ごめんなさい(汗)ならなそうです(汗)

>>由:こっちは寒いのよー、さむいのにがてー。
>私も苦手ですー。
冬はこたつにみかんが一番ですな。(うちこたつないけど…)

>続き楽しみですー。とっても面白かったです。
>なのに、私ってコメント下手ですみません・・・・。
>小説つくるのも下手だし・・・・。
>由季まるさんみたいなすばらしい作品を早く作りたいですー。
有難うございます!
3話ともにレス下さって嬉しかったですよー。
いえいえ私もまだまだですから。(ほんとに)

では〜。また。

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11117Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第3話ドラマ・スライム 2002/11/5 20:01:47
記事番号10948へのコメント

>「…冥王様はやっぱり苦手ですね。」
>「ん?なんか言った?」
>「あ、いえいえこっちの話ですから。
これは危なかったですねえ。

> しかし、持ちきれないのではないかという程の買い物袋の中身の半分は用途のわからない―つまりは衝動買いをしたであろう―ものなのだが…。
凄い量なんですね。
お月見にそんなに物が必要でしたっけ・・・。
何かを勘違いしているとか・・・。

>「へえ…月見かぁ…ダルフィンらしいね、それは。」
ゼラスっぽいと思ったのは私だけ?

>「フフ、そーだいいこと考えたv」
どんなことでしょう

それではまた〜

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11147Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第3話由季まる 2002/11/7 00:32:12
記事番号11117へのコメント

こんばんは!

>>「…冥王様はやっぱり苦手ですね。」
>>「ん?なんか言った?」
>>「あ、いえいえこっちの話ですから。
>これは危なかったですねえ。
ですねえ。
フィブ君のお仕置きって半端じゃなさそうですし。

>> しかし、持ちきれないのではないかという程の買い物袋の中身の半分は用途のわからない―つまりは衝動買いをしたであろう―ものなのだが…。
>凄い量なんですね。
>お月見にそんなに物が必要でしたっけ・・・。
>何かを勘違いしているとか・・・。
いえ…あのですね…実は…
ダルフィン:ウフフ、聞いて下さる?ドラマ・スライムさん買い物中に素敵な小物入れを見つけましたのv素敵な食材も手に入れましたわvえーと?「にゃらにゃら」…でしたかしら?あと、素敵なコーヒーカップも手に入れましたのこれでお気に入りが12個にふえましたわvそれから…(以下続く)
…というしだいです…しくしく…(まだつき合わされている)

>>「へえ…月見かぁ…ダルフィンらしいね、それは。」
>ゼラスっぽいと思ったのは私だけ?
?。ああ(ポン)狼(たしか)ですからねー彼女。
ゼラス:狼言うな!
…じゃあ…犬?(ばぐぎゃっ!)

>>「フフ、そーだいいこと考えたv」
>どんなことでしょう
それは読んでのお楽しみと言うことで…
………お楽しみなものにできるようがんばります(汗)

>それではまた〜
はい!有難うごさいました。

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10983―ダルフィンのお月見―補足説明っていうか今更ごめんなさい(汗)由季まる 2002/11/2 01:29:44
記事番号10919へのコメント

補足説明っていうか、訂正っていうか、今更ごめんなさい(汗)
 
 えー、実はこの話の設定は降魔戦直後の設定にしてたのですが。
何故かガーヴが出る予定があったのです(汗)(ご存知のとうりガーヴは降魔戦争で死んでいる)
 一応何故そうなったか理由を言いますと

・これの前身となる(だけど没にした)物語の設定が降魔戦後ではなかった。
・腹心5人のどたばたが書きたかった。

 ってゆーか気づけ。お前。ですね(汗)ごめんなさい。
まあ、色々考えてはみたんですが今更設定変えるとあちこち不都合なので
このまま話しは進めさせていただきます。
 と。ゆーわけでこの話

・原作スレイヤーズとは違う設定。
・その違う点とは降魔戦争でガーヴ死んでない。
 
この2点を把握して読んでみてください。
本当にすみませんでした。

では、続きをどうぞ。

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10984腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話由季まる 2002/11/2 01:46:45
記事番号10919へのコメント

 
 前回のあらすじ:冥王フィブリゾのお話
…で。なにをしゃべれってゆうのさ?うん?前回のこと?
…ああぼくはちょっと面白いこと思いついて、ってとこ?でも今回ぼくの出番ないしねえ…。
あとは、ダルフが人間界に買い物に行ったってことを知ってるくらい…あー、そうそう。なんかゼラスは心配してむかえに行ったみたいだね。
まったく偉いよねえ。ぼくだったらダルフィンのお守りなんてごめんだけどなー。
…案外あらすじしゃべるのってつまんないねえ、ぼくちょっと用事があるんでもう行くよ?
じゃ。


腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話

 たったったったったったったった!

「ダルがこの辺にいる気配はするんだけどな。一体どこいったんだ?」
 数刻後―街中をそう言いながらかけて行く人影。
「…今頃妙な騒ぎを起こしてなけりゃいいんだが、あいつ全然謙虚とか遠慮とか自制心ってものがないやつだし…。
 うう…だめだ考えれば考えるほど不安になってきた、なんだって一人で行かせたりなんかしたんだろうなーわたしは。」
 一人ごちつつ心配しながらも―ご苦労なことである―視線をめぐらすことは忘れない。と
「ん、あれは…。」


 街中の路上にて。
「へえー、これがねえ…。」
「はあい。もんのすごく高価な歴史の古い格式のある優雅にして繊細にして大胆な色使いがほどこされておりますです、『いい壷』なのでございまあす!」
 べらべら長々壷にかんして語る小太りの―高価な『いい壷』を売るにしてはうさんくさい―商人と荷物持ち4人を前にあまり興味なさそうに壷を見ているダルフィン。
「ふーん。ワタクシにはそのへんに落ちてたばっちくて汚い壷に『へったくそお』なラクガキがかきなぐってあるだけのようにみえますけどねえ……。」
「うぐっ!」
 思わずうめく商人。
 ―ちいぃぃっ!身なりのいい格好で一人でふらふらしていたから、こりゃあカモだと思ったのに案外鋭いつっこみじゃねえか
 ……よし。
「ええ?!おかしいですねえ!たとえば…」
 大げさな身振りをして言う。
「ちょっとこの壷のココ、ココを見て下さいませんですかねえ!?」
といってダルフィンに壷を手渡す。
 ―ふふふふふふふふ。―
 その間際に『スベール油』と書かれたビン詰め油を壷の表面をぬっておいた。当然―

 つるんっ

 「あら?」

 ガシャアアアアン!

 割れた。
 とっ、突然商人達はごろつきへと態度を豹変させ激高する。
「あら?じゃねえよ!なんてことしてくれるんだ?てめえは!」
 荷物持ちだった―全然雰囲気隠れてなかったが―ごろつきその1が言う。
「あらら。」
 しかしダルフィン全然動じてない。
「あらら。でもねえっ!何だよちゃんとした礼もできないのか!?てめえはよおっ!」
 今度は別のごろつきその2が言った。手馴れた感じである。
「あら。…そうね、ごめんなさいね壷さん。」
 一応しゃがんで壷に対してあやまる。
「うんうんそうそう、…ってちげえだろ!あやまるならっ!俺らにっ!言葉じゃなく態度でっ!」
 と、今度はごろつきその3がノリつっこみ。
「ええ?…あなたがたにぃ?なぜよ?」
 なんか嫌そうに言った。
「その壷は!俺らのだからだっ!」
 そしてごろつきその4が最後に言った、…なんだか見事な連携プレイではあった。
「…まあ。…そうですけどねぇ。」
 さらに不快そうに眉をよせて一応うなずくダルフィン。
 …ぜえぜえぜえっ…はあはあはあっ…
 息をつくごろつき達4人のとなりで、それを見てにやあっと商人―ふうのごろつき、が笑った。
「…ふ、ふふふ!ふふふふ!わかったか?!じゃあさっそく礼の話だが…」

「ですけれど、ね……はっきりいって気にくわないわ。あなた達のその態度…。」
「は?」
 ゆらあありと。ゆっくり立ちあがるダルフィン、目が恐い。
「ワタクシ。あなたがたにあやまりたくなんてありませんの。」
「………あ、ああああん!?なんだとう……」

 ぎんっ!

「ひっ!?」
 空気が凍る。

「それでもあやまれなどと言うのならワタクシ、………………………
 …………………………本気、だしちゃおうかしら?…………………。」

 魔族の気が一気にふくれ上がり…
 と、その時。
「その辺にしとけ。」

 ひゅごっ!ごっ!ごっ!ごっ!ごっ!

 影が瞬いた。
 閃き、気がつけば商人―に化けていたごろつき―5人が倒れていた―気絶しているようである。
「ダルフィン。」
 倒れたごろつき達の横に立っていた影がふりかえり言った。
 その姿は、輝かんばかりの金髪短髪に旅装束の女性。
 いきなりの出来事にあっけにとられていたダルフィンは、その女性を見て口を開き、ぽつりと一言。

「誰?」

 と言いきった。

 ずざざざざああああああああああああああっ!
 思わずこけた金髪の女!
「お、おまえ、それ、あんまりっちゃああんまりだぞ!わたしだ!わたしっ!」
「あ、ああ。ゼラス!」
 たしかに先程魔族の城で会った時は長い銀髪に黒いドレスだったのだが。
 それにしても、魔族は変幻自在であり精神世界にある本体自体は変わらないので、わからないはずはないのだが―にもかかわらず特に悪びれた様子もなく。
「一瞬さっきと姿が違ったからわからなかったわ、ワタクシ。」
「…あのなあ。わたしは人間界に来る時はいつもこの姿だろ!…っていや今はそんな話してる時ではないか、ダル、騒ぎになる前にここをいったんはなれるぞ。」
「え?何故?」
 ふか〜くため息をつき、ダルフィンの目を真っ直ぐ見て小さい子にさとすかのような言い方で話した。
「…あのなあ、ダルもう少し魔族全体のことも考えてくれ。
 例えば騒ぎを起こしてほいほいほいほい人間界に来てることが神族にばれてみろ…?どうなる?すきをつっつかれるかも知れないだろう…?」
「おーい。大丈夫か?」
 近くで誰かが声を上げた。
「…いいか。だからわたしは、本当はダルに人間界にくるのを自粛してほしいんだ、特にわたし達腹心クラスはいなくなる事でのダメージも大きい…
 おまえのように頻繁に人間界に来ているものなど他の腹心にはいないだろう…?だから…」
「あら。ガーヴ。」
「そう、ガーヴ、だって…!?」
「よぉ。」

 しーん。

 空気が白くなった―と少なくともゼラスはかんじた。
「………」
 語るべき言葉もみつからず。
 なんだかとほーにくれている顔のゼラス(とその他2名)を残しつつ
 以下次回。






(つづく)
由季まる(以下由):はい。どーもっ!
ガーヴ(以下ガ):あー。やたら元気だな?
由:そーかいっ!
ガ:…設定上矛盾があったの気にしてんだろ。
由:がっ!く、くわしくは補足説明を見てください!ごめんなさいっ!
ガ:…まー、別に俺はいいんだけどよ。
由:…そーね、きにしたってねえ!
ガ:………開き直るのもどかと思うぞ…?
由:ぐふうっ!…しくしく。(ガーさん厳しい…)
ガ:…まー。がんばれ。
由:…あい。…では皆さん
ガ:まー。苦痛にならないてーどに付き合ってやってくれ。
由:く、くつうって…(汗)よ、よければまたっ!

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10993Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話E-mail 2002/11/2 08:49:10
記事番号10984へのコメント

> いきなりの出来事にあっけにとられていたダルフィンは、その女性を見て口を開き、ぽつりと一言。
>
>「誰?」
>
> と言いきった。
あははははははー。やっぱりダルいいキャラですね。
ちょっと(?)ぼけてるとことか好きですー。
>「おーい。大丈夫か?」
> 近くで誰かが声を上げた。
誰?

>「あら。ガーヴ。」
>「そう、ガーヴ、だって…!?」
>「よぉ。」
ぉおっ!!ガーヴまでできた!?腹心が三人もそろったよ。

> 空気が白くなった―と少なくともゼラスはかんじた。
>「………」
冷静な人は苦労しますね。ゼラスがんばれ!!

ガーヴまで出てきてこれから、ますます面白くなりそうですね(^^)
次回も楽しみにしてますー。

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11025Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話由季まる 2002/11/3 00:24:53
記事番号10993へのコメント

こんばんは〜。

>> いきなりの出来事にあっけにとられていたダルフィンは、その女性を見て口を開き、ぽつりと一言。
>>
>>「誰?」
>>
>> と言いきった。
>あははははははー。やっぱりダルいいキャラですね。
>ちょっと(?)ぼけてるとことか好きですー。
そーですか、こんなダルでも好きといってもらえますか。
有難うございます。

>>「おーい。大丈夫か?」
>> 近くで誰かが声を上げた。
>誰?
彼です。彼。やっと4人目。

>>「あら。ガーヴ。」
>>「そう、ガーヴ、だって…!?」
>>「よぉ。」
>ぉおっ!!ガーヴまでできた!?腹心が三人もそろったよ。
はい。やっとこさ出せました、危なく今回も出番が消えるところだったんですけど無理にでも出しました。

>> 空気が白くなった―と少なくともゼラスはかんじた。
>>「………」
>冷静な人は苦労しますね。ゼラスがんばれ!!
ゼラス:ああ、ありがとう…。

>ガーヴまで出てきてこれから、ますます面白くなりそうですね(^^)
>次回も楽しみにしてますー。
有難うございますー。

では!

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11002Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話Yuppy 2002/11/2 13:39:36
記事番号10984へのコメント


> 
> 前回のあらすじ:冥王フィブリゾのお話
え?フィブなの?やったぁ♪(こら)

>…で。なにをしゃべれってゆうのさ?うん?前回のこと?
>…ああぼくはちょっと面白いこと思いついて、ってとこ?でも今回ぼくの出番ないしねえ…。
>あとは、ダルフが人間界に買い物に行ったってことを知ってるくらい…あー、そうそう。なんかゼラスは心配してむかえに行ったみたいだね。
>まったく偉いよねえ。ぼくだったらダルフィンのお守りなんてごめんだけどなー。
>…案外あらすじしゃべるのってつまんないねえ、ぼくちょっと用事があるんでもう行くよ?
>じゃ。
かわゆいし……(をい)
>「ふーん。ワタクシにはそのへんに落ちてたばっちくて汚い壷に『へったくそお』なラクガキがかきなぐってあるだけのようにみえますけどねえ……。」
>「うぐっ!」
> 思わずうめく商人。
図星かい(笑)。

> その間際に『スベール油』と書かれたビン詰め油を壷の表面をぬっておいた。当然―
スベール油って……(笑)。


>「あら。…そうね、ごめんなさいね壷さん。」
> 一応しゃがんで壷に対してあやまる。
て、天然……?(爆)

>「うんうんそうそう、…ってちげえだろ!あやまるならっ!俺らにっ!言葉じゃなく態度でっ!」
> と、今度はごろつきその3がノリつっこみ。
漫才師やれば儲か……るわけないか(をい)

>「それでもあやまれなどと言うのならワタクシ、………………………
> …………………………本気、だしちゃおうかしら?…………………。」
人間相手に本気はやばいんじゃぁ?

>「誰?」
>
> と言いきった。
だははっははっはっ!!!
天然入ってますね〜!おもしろ〜い!

>由季まる(以下由):はい。どーもっ!
こんにちは〜っ!

>ガーヴ(以下ガ):あー。やたら元気だな?
>由:そーかいっ!
>ガ:…設定上矛盾があったの気にしてんだろ。
>由:がっ!く、くわしくは補足説明を見てください!ごめんなさいっ!
>ガ:…まー、別に俺はいいんだけどよ。
>由:…そーね、きにしたってねえ!
>ガ:………開き直るのもどかと思うぞ…?
>由:ぐふうっ!…しくしく。(ガーさん厳しい…)
>ガ:…まー。がんばれ。
>由:…あい。…では皆さん
>ガ:まー。苦痛にならないてーどに付き合ってやってくれ。
>由:く、くつうって…(汗)よ、よければまたっ!
がんばってください。
では短いですがこの辺で〜

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11026Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話由季まる 2002/11/3 00:39:25
記事番号11002へのコメント

レス有難うございます〜。


>> 前回のあらすじ:冥王フィブリゾのお話
>え?フィブなの?やったぁ♪(こら)
フィブです。でも今回ここしか出番ないのです…。

>>…で。なにをしゃべれってゆうのさ?うん?前回のこと?
>>…ああぼくはちょっと面白いこと思いついて、ってとこ?でも今回ぼくの出番ないしねえ…。
>>あとは、ダルフが人間界に買い物に行ったってことを知ってるくらい…あー、そうそう。なんかゼラスは心配してむかえに行ったみたいだね。
>>まったく偉いよねえ。ぼくだったらダルフィンのお守りなんてごめんだけどなー。
>>…案外あらすじしゃべるのってつまんないねえ、ぼくちょっと用事があるんでもう行くよ?
>>じゃ。
>かわゆいし……(をい)
フィブ:わお、ありがとv

>>「ふーん。ワタクシにはそのへんに落ちてたばっちくて汚い壷に『へったくそお』なラクガキがかきなぐってあるだけのようにみえますけどねえ……。」
>>「うぐっ!」
>> 思わずうめく商人。
>図星かい(笑)。
ええ。図星のようです(笑)

>> その間際に『スベール油』と書かれたビン詰め油を壷の表面をぬっておいた。当然―
>スベール油って……(笑)。
はじめはヨクスベール油にしようかと考えてました(をい)

>>「あら。…そうね、ごめんなさいね壷さん。」
>> 一応しゃがんで壷に対してあやまる。
>て、天然……?(爆)
そーですね。
後はごろつきにあやまりたくない無意識が働いたよーです。

>>「うんうんそうそう、…ってちげえだろ!あやまるならっ!俺らにっ!言葉じゃなく態度でっ!」
>> と、今度はごろつきその3がノリつっこみ。
>漫才師やれば儲か……るわけないか(をい)
漫才師…すぐお客さんに怒鳴ってそうです。
「笑えやっ!」って。
ごろつきって気が短そうですし。

>>「それでもあやまれなどと言うのならワタクシ、………………………
>> …………………………本気、だしちゃおうかしら?…………………。」
>人間相手に本気はやばいんじゃぁ?
ですね。だからゼラスは止めに入ったみたいです。
ゼラス:…殺すと面倒ごとになるからな。ダルは怒ると手加減しないし。

>>「誰?」
>>
>> と言いきった。
>だははっははっはっ!!!
>天然入ってますね〜!おもしろ〜い!
有難うございますー。

>>由季まる(以下由):はい。どーもっ!
>こんにちは〜っ!
こんばんは!


>がんばってください。
>では短いですがこの辺で〜
はい。
有難うございました。

では!

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11145Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話D・S・ハイドラント 2002/11/6 22:40:03
記事番号10984へのコメント

>「はあい。もんのすごく高価な歴史の古い格式のある優雅にして繊細にして大胆な色使いがほどこされておりますです、『いい壷』なのでございまあす!」
『いい壷』・・・って

> その間際に『スベール油』と書かれたビン詰め油を壷の表面をぬっておいた。当然―
滑るんですね。

>「あら。…そうね、ごめんなさいね壷さん。」
> 一応しゃがんで壷に対してあやまる。
さすが魔族。

>「それでもあやまれなどと言うのならワタクシ、………………………
> …………………………本気、だしちゃおうかしら?…………………。」
それは困ります。

>「誰?」
>
> と言いきった。
>
> ずざざざざああああああああああああああっ!
> 思わずこけた金髪の女!
>「お、おまえ、それ、あんまりっちゃああんまりだぞ!わたしだ!わたしっ!」
>「あ、ああ。ゼラス!」
もしや・・・脳味噌クラゲ?
ああすみません。すみません。

>「一瞬さっきと姿が違ったからわからなかったわ、ワタクシ。」
なるほど。

>「あら。ガーヴ。」
>「そう、ガーヴ、だって…!?」
>「よぉ。」
あれっガーヴまで来てるんですか。

それではまた〜。

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11149Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第4話由季まる 2002/11/7 01:02:52
記事番号11145へのコメント

こんばんは!
D・S・ハイドラントさんに改名されたんですね。一瞬新しい方なのかと思っちゃいました(汗)
では、改めてレス返しさせて頂きます〜。

>>「はあい。もんのすごく高価な歴史の古い格式のある優雅にして繊細にして大胆な色使いがほどこされておりますです、『いい壷』なのでございまあす!」
>『いい壷』・・・って
あはは(汗)これはごろつきの品位のなさをだして…
……はい。すいません私のセンスのなさです(汗)

>> その間際に『スベール油』と書かれたビン詰め油を壷の表面をぬっておいた。当然―
>滑るんですね。
あははははは(汗)
………わかりやすくていいですかね?(ヲイ)

>>「あら。…そうね、ごめんなさいね壷さん。」
>> 一応しゃがんで壷に対してあやまる。
>さすが魔族。
ゼラス:…いや、それを魔族として納得されるとわたしとしては困るんだが(汗)

>>「それでもあやまれなどと言うのならワタクシ、………………………
>> …………………………本気、だしちゃおうかしら?…………………。」
>それは困ります。
私も困ります。…まあ、ゼラスが止めてくれましたから。


>>「誰?」
>>
>> と言いきった。
>>
>> ずざざざざああああああああああああああっ!
>> 思わずこけた金髪の女!
>>「お、おまえ、それ、あんまりっちゃああんまりだぞ!わたしだ!わたしっ!」
>>「あ、ああ。ゼラス!」
>もしや・・・脳味噌クラゲ?
>ああすみません。すみません。
近いかも知れませんね…
ああ、そんな気にしなくていいですよ…
ダルフィン:………。
…って!ぎゃあ………

>>「一瞬さっきと姿が違ったからわからなかったわ、ワタクシ。」
>なるほど。
ダルフィン:そうゆうわけでしたのよv
………(返事がない)

>>「あら。ガーヴ。」
>>「そう、ガーヴ、だって…!?」
>>「よぉ。」
>あれっガーヴまで来てるんですか。
ダルフィン:そう、ガーヴも来てたの。何故かって言うと…
(突然ぼろぼろの姿で)あーーー!ストップ!ダルフ。ネタばらしダメって(汗)

>それではまた〜。
はい、毎回のレス有難うございます!
こちらこそ1日ぶりに来て妙なテンションのレスですみませんでした。

では。

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11042腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第5話由季まる 2002/11/3 21:03:35
記事番号10919へのコメント
 
 前回のあらすじ:魔竜王ガーヴは語る
何かゼラスとダルフがトラブルに巻き込まれてたんだ。
…ゼラス、いい奴なんだけど頭固いからな。
ほんと言ったら人間の街に来てるって知れたらアレコレとうるせーから、内緒で出て来てたんだし、ほっときゃあよかったんだけどなー。
でもよ。つい、何も考えないで出ってちまったんだ。
(ボリボリ)まぁーしゃーねえか、なぁ?
え?俺は何してたかって?それは……


腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第5話

 (………えーっと)
 ゼラスは混乱していた。とりあえず今の状況を整理してみる。
 (ダルが本気で怒っている所で見つけ、とりあえず騒ぎにならないように対処して。騒ぎになる前にここをはなれようと言って…)
 ………なんだかひしひしとしょーもない答えがまっている気がしたが。進めないわけにもいかないので考えを進めていく。
 (…で、久々にダルに何故騒ぎを起こしてはいけないかそもそも人間の街にほいほい来る事が良いことではないとの説教をしているところに…)
 目の前にいる者をあらためて見直す。そこには、燃え上がるような赤髪を無造作にたらした男が立っていた。
 (…こいつだ)
 名は魔竜王ガーヴ。ゼラスやダルフィン達にならぶ魔王の腹心の一人魔族の中の魔族である。
 そんな男がなんでここにいる?この人間の街に?まさか遊び…
 「おーい。ゼラス大丈夫か?」
 放心中のゼラスを心配するかのようにのぞきこみガーヴは言った。
 そんなガーヴを見て頭をぶんぶか振りゼラス。
 (…いや、いかん。大事な用事があったのかもしれん何事も決め付けては駄目ではないか。)
 「…ああ、大丈夫だ。ところでガーヴ、おまえはこんなところで何してるんだ?」
 「そういえば、何していたの?」
 ダルフィンも―純粋に興味本位だろうが―問う。
 「…あぁ。俺か?俺はアレだ。」
 少し気まずそうに頭をぽりぽりかいてから、咳を一つし、指をぴっと立て意を決したように一言

 「人間界の酒の飲み歩きっ!」
 「………………。」

 「まあ。楽しそうですわねv」
 「だろ?だろ?どうだおまえらも…」

 
 ぷちむ


 「……ううううううあああああああっっやっぱりかああああああああああああああああああああああああああああああああああああいっ!」
 叫ぶゼラス
 期待してしまったがためによけいゼラスは堪忍袋の緒がが切れやすくなっていたようだ。
 「ああっ!やっぱりゼラスきれやがった!」
 「あらあら。落ち着いてゼラス。ね?お酒を飲んでゆっくり話しあいましょう。」
 「ぅぁあほかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
 (わたしだけなのか?)
 「だーっ!ダルフ逆効果だっての!」
 「やああああああああああああああああああああああああああああああああああってられるかああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!」
 (真剣に魔族の未来を心配しているのは、わたしだけなのか?!)
 もうやけくそ入ってるゼラスが、
 よく考えてみればダルフィンが起こした騒ぎより自分の起こした騒ぎの方が大きくなってしまった事に気づき反省するのは、
 まだ数刻程先の話である。






 カツン… カツン… カツン… カツン…

 重々しい足取りの足音が響く。
 その足音を響かせている者はごつい鎧を着て貴族の格好をしていた。
 色白の肌に青みがかった銀髪が肩までのびている、その顔は、整っているといって良い。

 カン カン カン カン カン カン

 と、後ろから軽快な足音が聞こえてきた、急いで走ってきているようである。
 「覇王様っ!」
 「…………。」
 しかし覇王と呼ばれたその者は止まらずに歩き続けている。
 走ってきた方は覇王の前にまわりひたっと頭を下げ言った。
 「覇王様報告があります!」
 「………何だ?シェーラ。」
 ここで初めて覇王が止まった。
 「はい。実は…」
 頭を上げて覇王の方へ歩みよる。
 「実は…」
 シェーラと呼ばれた将軍服の女の子―まだ女性と呼ぶには早い姿だ―は顔をうつむかせ三つ編みをたらし黙ってしまった。
 …ううん?これではまるで……。
 「…何なのだ?速く言わんかッ!」
 変な事を考えてしまいつい声を荒げる覇王グラウシェラー。
 「はい。実はフィブリゾ様の事で…」
 「何ッ!フィブリゾッ!奴がどうかしたのかッ!?」
 フィブリゾと聞き急に声を荒げた覇王、それもそのはず、彼にとって冥王フィブリゾとは
 『絶対!負けたくない相手ッ!』『最強とか自負しているクソガキッ!』『いつもいつも人をコケにするやな奴ッ!』
 という覇王にとってのライバル―ちょっと違うかもしんない―なのである。
 「はい。実は…」
 と言って真剣な顔をして近づけてくるシェーラ。
 「実は…」
 顔を近づけてくる。
 「実は…」
 顔を近づけてくる。
 「実は…」
 顔が近い。
 「実は…」
 覇王が痺れを切らし「はやくしろッ」と言おうとしたその瞬間。
 「実はね…」

 ぽろり

 シェーラの顔が急にはずれた。

 「ぎょをええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッッ!?」

 思わず端整な顔を崩して叫んでしまった覇王。
 「あははははははははははははははは!やー、やっぱりおもしろいなあシェラーは。」
 その中側からフィブリゾの顔が出てきていた。笑っている。
 「ふぃッ…フィブリゾッ!?貴様ッ!?」
 「やあ、久しぶりだね。シェラーv」
 「なッなにをッ!!」
 「なに?…まさか覇王ともあろう人が!ぼくの気配に微塵も気が付いてなかったというのかい?」
 「…をぐッ!い、いやあ、ま、まさかそんなわけはなかろお!?わ、私はただ貴様の遊びに付き合ってやっただけだッ!」
 汗だくだく流しながら目をあちこちに彷徨わせそれでも胸をはりつつ答える覇王。
 「そうだよねーv」
 ニコニコしながらも言葉は白々しさがはみ出しまくっているフィブリゾ。
 「ま、それはそれとして。シェラー、ダルフィンがしようとしてることは知ってる?」
 (このクソガキッ)と心の中で悪態ついているところに話かけられグラウシェラー。
 「…は?ダルフが?知らんな。ダルフがするとする事ならどうせくだらん人間ごっこか何かだろう。」
 興味なさげに言う。
 「うん、まあ、そー言えばそうかな。なんかねー、月見をするみたいなんだよ。」
 (は?月見?なんだそれは?)
 人間のことはくだらんと普段気にもかけてない覇王は、眉をひそめた。
 「あれ!?シェーラ月見の事何も知らないの!」
 大げさに驚いてみるフィブリゾ。
 「い!?(な、何か重要なことなのか!?)に、人間の事には興味ないッ!が知っているゾッ!…あ、あれだろう?…月を見る行事だろう!?」
 言葉どうりならそうに違いないとあてずっぽうを言ってみる覇王。
 「ああ、そうそう、そうなんだ、なんだ知ってるじゃないかー。
  …でもね、もう一つすることがあるんだよね…」
 

 「…はあ、で?それが…どうかしたのか?」
 「競争するんだよ。」
 「?」
 「だからさ、君もどうだい?シェラー?」
 「はッ!くだらぬ!何故私がそのような事をせねば…」
 「んーっとね、ぼくもでるよ?」
 「出るぞッ!」
 超神速即答するグラウシェラー。
 「はははははははははッ!貴様とッ貴様と対決できるものを私が断るわけがなかろうッ!
  必ずッ!必ずッッ!今度こそは貴様に勝ってみせええええるッ!」
 フィブリゾがからむとがぜん熱くなるグラウシェラー。
 「あ、でもまだぼくダルフに月見に参加するって言ってなかったな。」
 「それも!私が言っておくッ!貴様に逃げられてはかなわんからなッ!
  …今から伝えにいくぞダルフはどこだッ!」
 フィブリゾがにこりと笑い言った。
 「ダルフならいつもの人間の街だけど?」
 「よしッ!」
 言うがいなやさっそうと消えたグラウシェラー。

 一人残されたフィブリゾ。
 顔は先程にこりと笑った顔のままだ。
 「シェラーってさあ、単純だから動かしやすいよねーv」
 くすくす笑って言う。
 「さて。後はダルフィンのお月見を待つだけかな。」
 そう言って、フィブリゾは空間に溶けていった。






(つづく)
由季まる(以下由):おっしゃー!やーっと全員出せたぜーっ!
グラウシェラー(以下グ):…貴様。
由:を!グラちゃん!
グ:…なッなんだその「グラちゃん」って!
由:…じゃあ。シェラーちゃん?
グ:…ちゃんはいらんだろッ!ちゃんは!
由:ええーでもー。
グ:…貴様。私をなめておるだろう…。(目が燃えている)
由:そ、そそそそそそんなことないって!(汗)
グ:…ふんッ!これにこりたら私をなめないでフィブリゾに勝つ場面を書く事だな!
由:は…はあ…(フィブに勝つ方は自分でやんなきゃだめじゃない?)
グ:貴様、今何か思ったか?
由:いいええ!えっと!皆さん話は半分まできました。
グ:ま。よければ自分で見に来る事だ。
由:(なんで偉そうなんだろう…?)…えー…また次回っ!

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11054Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―E-mail 2002/11/3 23:26:19
記事番号11042へのコメント

> 前回のあらすじ:魔竜王ガーヴは語る
ガーヴが・・・・?ちょっと心配って言ったら失礼かな・・・・?

> そんな男がなんでここにいる?この人間の街に?まさか遊び…
ガーヴも遊びに・・・・?

> 放心中のゼラスを心配するかのようにのぞきこみガーヴは言った。
私も放心中・・・・。

> 「…あぁ。俺か?俺はアレだ。」
> 少し気まずそうに頭をぽりぽりかいてから、咳を一つし、指をぴっと立て意を決したように一言
気まずそうに・・・・?恥ずかしいことなのかな?

> 「人間界の酒の飲み歩きっ!」
> 「………………。」
・・・・・・・・・。

> 「まあ。楽しそうですわねv」
いや、楽しそうって・・・・。ダルに言ってもしょうがないけど・・・・。

> 「だろ?だろ?どうだおまえらも…」

> ぷちむ
・・・・あっ。何かが切れた・・・・。

> 「……ううううううあああああああっっやっぱりかああああああああああああああああああああああああああああああああああああいっ!」
> 叫ぶゼラス
> 期待してしまったがためによけいゼラスは堪忍袋の緒がが切れやすくなっていたようだ。
あ、あははははははっ・・・・。
少し落ち着こうといっても、切れて当たり前だよね、この状況だと・・・・。

> 「ああっ!やっぱりゼラスきれやがった!」
やっぱりって、だったら言わなかったらいいのに・・・・。

> 「ぅぁあほかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
> (わたしだけなのか?)
なにが?ちゃんと魔族のこと考えてるのが・・・・?

> 「やああああああああああああああああああああああああああああああああああってられるかああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!」
> (真剣に魔族の未来を心配しているのは、わたしだけなのか?!)
たぶん・・・・。っていや!そうじゃないゼラスっ!!ダルとガーヴだけが特別なんだよ!!

> よく考えてみればダルフィンが起こした騒ぎより自分の起こした騒ぎの方が大きくなってしまった事に気づき反省するのは、
> まだ数刻程先の話である。
ゼラス・・・・。普段落ち着いている人(?)が切れると怖いね・・・・。

> フィブリゾと聞き急に声を荒げた覇王、それもそのはず、彼にとって冥王フィブリゾとは
> 『絶対!負けたくない相手ッ!』『最強とか自負しているクソガキッ!』『いつもいつも人をコケにするやな奴ッ!』
なに・・・・?それ・・・・。

> シェーラの顔が急にはずれた。
・・・・へっ・・・・?

> 思わず端整な顔を崩して叫んでしまった覇王。
ううっ!さっきまでのイメージが・・・・。
いや、フィブを嫌ってる訳のことでちょっとくずれてたけど・・・・。

> 汗だくだく流しながら目をあちこちに彷徨わせそれでも胸をはりつつ答える覇王。
ううっ、涙ぐましい・・・・。

> 大げさに驚いてみるフィブリゾ。
遊んでる・・・・?

> 「んーっとね、ぼくもでるよ?」
> 「出るぞッ!」
> 超神速即答するグラウシェラー。
おいっ!それでいいのかっ!?

もう、笑いまくりましたー!!面白かったですっ!!
グラウシェラーもいい味出してますね(はぁと)
次が待ちきれませんっ(><)

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11066Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―由季まる 2002/11/4 15:20:48
記事番号11054へのコメント

こんにちは!
毎回のレス有難うございます。

>> 前回のあらすじ:魔竜王ガーヴは語る
>ガーヴが・・・・?ちょっと心配って言ったら失礼かな・・・・?
いやー。それは心配でしょう。
彼ってば単細胞…げふんげふん!

>> そんな男がなんでここにいる?この人間の街に?まさか遊び…
>ガーヴも遊びに・・・・?
どうなの?
ガーヴ:あぁん?俺は遊びだとは思ってねぇぞ。ただ上手い酒を楽しみに来てるだけだからな。
………。(大変だなぁゼラス…)

>> 放心中のゼラスを心配するかのようにのぞきこみガーヴは言った。
>私も放心中・・・・。
ゼラスと一緒ですね。

>> 「…あぁ。俺か?俺はアレだ。」
>> 少し気まずそうに頭をぽりぽりかいてから、咳を一つし、指をぴっと立て意を決したように一言
>気まずそうに・・・・?恥ずかしいことなのかな?
怒るかなーとか思ってたみたいです。

>> 「人間界の酒の飲み歩きっ!」
>> 「………………。」
>・・・・・・・・・。
………らしいです。

>> 「まあ。楽しそうですわねv」
>いや、楽しそうって・・・・。ダルに言ってもしょうがないけど・・・・。
そーですねー…。かなり乗り気みたいですし…。

>> 「だろ?だろ?どうだおまえらも…」
>
>> ぷちむ
>・・・・あっ。何かが切れた・・・・。
本日2度目です。
ストレスたまるはずですね。

>> 「……ううううううあああああああっっやっぱりかああああああああああああああああああああああああああああああああああああいっ!」
>> 叫ぶゼラス
>> 期待してしまったがためによけいゼラスは堪忍袋の緒がが切れやすくなっていたようだ。
>あ、あははははははっ・・・・。
>少し落ち着こうといっても、切れて当たり前だよね、この状況だと・・・・。
一番ゼラスを落ち着けられるのはゼロスでしょうねー。
ダルフだと逆なでするばかりだし、ガーヴは気がきかないし。
でも、ゼラスが怒ってる時はめったに姿を現さないんですが(苦笑)

>> 「ああっ!やっぱりゼラスきれやがった!」
>やっぱりって、だったら言わなかったらいいのに・・・・。
下手に言い訳するのが嫌らしいです。
男らしいんだかなんなんだか…

>> 「ぅぁあほかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
>> (わたしだけなのか?)
>なにが?ちゃんと魔族のこと考えてるのが・・・・?
そーですね。

>> 「やああああああああああああああああああああああああああああああああああってられるかああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!」
>> (真剣に魔族の未来を心配しているのは、わたしだけなのか?!)
>たぶん・・・・。っていや!そうじゃないゼラスっ!!ダルとガーヴだけが特別なんだよ!!
ゼラス、渚さんがほら励ましてくれてるよ。
ゼラス:うう…ありがとうな。

>> よく考えてみればダルフィンが起こした騒ぎより自分の起こした騒ぎの方が大きくなってしまった事に気づき反省するのは、
>> まだ数刻程先の話である。
>ゼラス・・・・。普段落ち着いている人(?)が切れると怖いね・・・・。
そのよーですね。

>> フィブリゾと聞き急に声を荒げた覇王、それもそのはず、彼にとって冥王フィブリゾとは
>> 『絶対!負けたくない相手ッ!』『最強とか自負しているクソガキッ!』『いつもいつも人をコケにするやな奴ッ!』
>なに・・・・?それ・・・・。
えーとシェラーの描くフィブリゾ像です。
そのまんまですね(苦笑)

>> シェーラの顔が急にはずれた。
>・・・・へっ・・・・?
それはもう、ぱかりと。

>> 思わず端整な顔を崩して叫んでしまった覇王。
>ううっ!さっきまでのイメージが・・・・。
>いや、フィブを嫌ってる訳のことでちょっとくずれてたけど・・・・。
あや、すいません(汗)
もう少し丁寧にシェラーのイメージを崩していけば(?)よかったですね。

>> 汗だくだく流しながら目をあちこちに彷徨わせそれでも胸をはりつつ答える覇王。
>ううっ、涙ぐましい・・・・。
彼もまた苦労人なのです…。

>> 大げさに驚いてみるフィブリゾ。
>遊んでる・・・・?
遊んでますね。(きっぱり)

>> 「んーっとね、ぼくもでるよ?」
>> 「出るぞッ!」
>> 超神速即答するグラウシェラー。
>おいっ!それでいいのかっ!?
フィブリゾと勝負できるならそれでいいらしいです(笑)


>もう、笑いまくりましたー!!面白かったですっ!!
>グラウシェラーもいい味出してますね(はぁと)
>次が待ちきれませんっ(>&lt;)
有難うございますー!
シェラー気に入って頂けましたか、それはよかった。
彼のことも上手く書ければいいのですが。

では!また。

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11085腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第6話由季まる 2002/11/5 00:31:03
記事番号10919へのコメント



 
 前回のあらすじ:覇王グラウシェラーからの伝言代理覇王将軍シェーラ
あの…すみません。覇王様が「何故私が説明などをせねばならぬ!」とおっしゃられたのであたしが代理として伝言することになりました。
えーと「前回私としては不本意だったが、冥王がどうしても私に出てほしいと言うからしょうがなくダルフィン主催の月見とやらに出ることになったのだ
…別に私は出たくなかった、しかしあれだけ言われてはしょうがない出てやろうと思ったのだ、その辺りを間違えないでくれよ。」との事です。
それから「ダルフィンは人間の街へ行っているらしい、何をしに行ったんだか物好きだな。」とおっしゃてました。
ああ、覇王様が呼んでいるので、それでは。


腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第6話

 昼も過ぎた頃街中を歩く男女の姿があった。
 「酒、なぁ…そんなにいいものなのか?ガーヴ。」
 すらりとした金髪の女性が隣の赤髪の男に聞いた。
 「ああ、ありゃあいいモンだぞ万病にも効くしなっ。」
 「………元気のもとなんじゃなかったのか?大体にして魔族は病気にならんだろうが。」
 「はうっ」とため息をつき「…まったくわたしも人がいい。」と呟く。
 「?何か行った?ゼラス。」
 前を歩いていた濡れているかのように艶やな黒髪の女性が振り返り聞いた。
 「…いや、ダル何でもない。」

 数十分程前―
 「………しまった……わたしとした事が。」
 大暴れしてしまった事を頭を抱え反省中のゼラス。
 その場からはすでに立ち去っているが、様子から相当ひどかったらしいとわかる。
 「まあ、しちまった事をクヨクヨしてもしょうがねーよゼラス。」
 「そうですわ。元気だして!ゼラス。」
 口々に励ます―あまり励ましたようにゼラスには聞こえなかったが―ガーヴとダルフィン。
 「あのなぁ…」(一体誰のせいだ)と続ける前に。
 「そうだ、ねぇ、こんな時こそお酒を飲んで元気になる時だわ!」
 ダルフィンがそう言ってきた。
 「だな!酒は元気のもとだぜっ!どうだ?ゼラス。」
 ガーヴも同意しこちらの表情をのぞく。
 「………。」
 反論を口にしようと思ったが、二人が心から自分を心配してくれているのだとわかったためつい黙ってしまった。
 「…まあ気分直しに少しならいいかもな。」
 そう言いうなずいたのを返事として取った二人は元気よくゼラスに腕を回し。
 「さぁ。いきましょうv」
 「おぅ!」
 「…ああ。」
 そうして、ゼラスはなしくずしに酒場へと引きずられていく事になったのである。

 回想を終了しまた、ため息をつくゼラス。
 (しかし、わたしはこの二人に乗せられているのではないか?)
 今更ながらにそれを思う。
 (…まぁ、いい。付き合うと一度言ったことだ最後まで付き合うとするか。)
 この人の良さをしてゼラスは魔族一人気がある腹心なのだ―もっともそのせいで本人はいらぬ気苦労ばかりしているが。
 「もうすぐだぜ。」
 ガーヴが顎で通りを指した。
 たしかに言われたとうりあと数十メートル程離れた場所に酒場があった。
 「あいつらも待ってんだろうしな。」
 「は?」
 「あいつらって…誰のことなの?ガーヴ。」
 「あれ?言ってなかったか俺?」
 口々にゼラスとダルフィンに言われ今気づいたという顔をして頭をかきながら言うガーヴ。
 「俺の部下達も一緒に来てるんだよ。」
 「なに?」
 そんな事は聞いてないぞっ!てゆーかおまえ部下まで連れて街に!?そんなことだからいつまでたっても神族に勝てずじまいなんだぞ…
 とゼラスの頭の中で瞬時に説教事が並びそれを口に出そうとしたしたが、その時。

 ぐわしゃああああん!

 べしゃ!

 ふみっ!

 「あら?」
 横にあった樽が倒れてきて―それは避けたのだが―何かが目の前に倒れてきた。
 ダルフィンは思わずその何かをはずみで踏んでしまったのだ。
 何か、とは老人のようだった。
 「…って!ラルタークじゃねえかっ!ダルフィンその足どけねえかっ!」
 急にガーヴが叫ぶ。ラルタークとは―老人の姿こそしているが―魔竜王に仕える魔族の中でも高位の魔族の一人魔竜王神官なのだ。
 だが今その魔竜王部下最強の魔竜王神官はダルフィンに踏まれていた。
 「ガーヴ様ぁ…」
 「あらあら。ごめんなさいね。…ガーヴ。」
 そそそっと足をどけながら何故かガーヴにあやまるダルフィン。
 「…っておい。違うだろーが、あやまるならこのラルターク老にあやまったらどうなんだ?」
 ゼラスが言う。
 「…そうですわね、たとえガーヴのものだろうとそれが当然ですわよね。やっぱりワタクシが間違ってなどいなかったんですわ!あの人間の商人ときたらまったく。
  …あ、えーとラルターク…」
 なんだか今更小太りの商人を頭に描きつつ一人で勝ち誇るダルフィンは老人―ラルターク―の方へと向き直り謝ろうとした。
 「もの?て…あー…。もう別に大丈夫ですじゃて海王様。」
 ラルタークはそのやりとりの間に立ち上がり服の埃を『ぱんぱん』落としながらそう言った。
 背中にはべったりとダルフィンの足跡がついていたが。
 「それよりもガーヴ様、何故海王様と獣王様が一緒におられるんですかのぅ…?」
 やや緊張した面持ち―なにせ相手は魔王の5腹心のうちの2人なのだから―で言った。
 「ん?ああ。そこであったんだ。」
 その主人は実に簡潔に答えた。
 「それよりもラルターク、おまえこそ何でそこから樽と一緒に飛び出してきたんだ?」
 「それよりもて…ガーヴ様の帰りが遅いので迎えに行ったんですけどのぅ…見かけたのでかけよろうとして、ついけつまずいてしまったんですじゃ。」
 本当はガーヴと一緒に獣王と…それから海王を見かけて―海王の繰り出すマイペース攻撃の『そんなつもりはなかったんですけれど』にやられ滅んでしまった同胞の話は数知れない―ついけつまずいてしまったなどと口が裂けてもいえない。
 「おいおい、大丈夫か?おまえいくら老人の姿だからってついに足腰まで弱ったのかよぉ!」
 ばんばんと竜将軍の苦悩も知らず気楽に「がはは」とラルタークの背中を叩くガーヴ。
 「わたし達はガーヴに酒に誘われてきたんだが…。」
 ゼラスは何となくラルターク老の気苦労がさっせられたのか遠慮がちにそう答えた。
 「そうなんだよ、ラルターク。こいつらも俺達の酒盛りへ呼んでやったんだ…いいよな?」
 「え、ええ、ガーヴ様がそうおっしゃるなら、わしはかまわないですが…ただ…ラーシャートは驚くでしょうのぅ…。」
 呟くラルターク、とそこに。
 「ああ!ガーヴ様やっと帰ってこられましたか!…ってげぇ!」
 ごつい顔したおっさんが泣きそうな顔して酒場から飛び出してきてガーヴをそれからゼラス、ダルフィンを見て呻いた。
 「おう!ラーシャート!…どうした?」
 泣きそうな顔の竜将軍を見てあわてて聞いてみるガーヴ。
 「…っは。それがっ!それがっ!何故か覇王様がいらっしゃってるんですぅ!」
 「なに?!」
 「ん?おそかったではないかガーヴ、ゼラス、ダルフィン。」
 ふと見ると屋外に設置された大テーブルに座り、ブランデーをたしなむ覇王グラウシェラーの姿があった。






(つづく)
由季まる(以下由):ふえ〜。どもです。
ラルターク(以下ラル):なんじゃ何をそんなにため息ついとるんじゃ?
ラーシャート(以下ラ):人間だからな、根性が足りんのだろう。
由:む。ラルタークってば勝手に決めつけないでくれる!おじんのくせに!
ラ:だっ!誰がおじんかっ!こ、この姿はガーヴ様が考えに考えてつくって下さった姿だぞっ!
由:か、考えに考えて…それ…うあ。ある意味凄いかもガーヴ…。
ラ:ふんっ!そうだろうっ!
ラル:そうて…ラーシャートこのお嬢ちゃん、褒めてはおらんぞ?
ラ:ぬ、不覚だっ(汗)
ラル:不覚て…お主何いっとんのじゃ…(汗)
由:あー。はいはい、漫才はその辺でお終いにして、それでは!
ラル:漫才て…のぅ…(汗)
ラ:次回だ!
由:よければまた!
ラル:よければて…ああ!わし何も言えんかったしぃっ…!
由:…だってつっこんでるからだよ。

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11088Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第6話E-mail 2002/11/5 07:45:49
記事番号11085へのコメント

> 「ああ、ありゃあいいモンだぞ万病にも効くしなっ。」
万病ってあんた、魔族のくせして・・・・。

> 「………しまった……わたしとした事が。」
> 大暴れしてしまった事を頭を抱え反省中のゼラス。
> その場からはすでに立ち去っているが、様子から相当ひどかったらしいとわかる。
被害大きそうですねー。

> 「あいつらも待ってんだろうしな。」
あいつら・・・・?

> だが今その魔竜王部下最強の魔竜王神官はダルフィンに踏まれていた。
なーんか情けないっすね(笑)

> 本当はガーヴと一緒に獣王と…それから海王を見かけて―海王の繰り出すマイペース攻撃の『そんなつもりはなかったんですけれど』にやられ滅んでしまった同胞の話は数知れない―ついけつまずいてしまったなどと口が裂けてもいえない。
マイペース攻撃・・・・ダルすごいね。
料理やその変な攻撃で魔族減らしてるよ・・・・。

> 「…っは。それがっ!それがっ!何故か覇王様がいらっしゃってるんですぅ!」
> 「なに?!」
> 「ん?おそかったではないかガーヴ、ゼラス、ダルフィン。」
> ふと見ると屋外に設置された大テーブルに座り、ブランデーをたしなむ覇王グラウシェラーの姿があった。
何だか腹心が四人も集まってるけど、これはすごいことなのでは・・・・!?
これで、フィブリゾも来たら全員そろうけど・・・・
そろったらそろったではちゃめちゃになりそう・・・・。


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11150Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第6話由季まる 2002/11/7 01:29:20
記事番号11088へのコメント

こんばんは。

>> 「ああ、ありゃあいいモンだぞ万病にも効くしなっ。」
>万病ってあんた、魔族のくせして・・・・。
ですね。ゼラスにつっこまれてますしねー。

>> 「………しまった……わたしとした事が。」
>> 大暴れしてしまった事を頭を抱え反省中のゼラス。
>> その場からはすでに立ち去っているが、様子から相当ひどかったらしいとわかる。
>被害大きそうですねー。
ええ、人間にたいした害がなかったのはゼラスの最後の理性のたまものですが。

>> 「あいつらも待ってんだろうしな。」
>あいつら・・・・?
じじー&おじんのことです。
ラルターク&ラーシャート:勝手に変な名前つけるなっ!

>> だが今その魔竜王部下最強の魔竜王神官はダルフィンに踏まれていた。
>なーんか情けないっすね(笑)
ですねぇ。
辛い仕事なんでしょうね腹心の部下というのも(しみじみ)

>> 本当はガーヴと一緒に獣王と…それから海王を見かけて―海王の繰り出すマイペース攻撃の『そんなつもりはなかったんですけれど』にやられ滅んでしまった同胞の話は数知れない―ついけつまずいてしまったなどと口が裂けてもいえない。
>マイペース攻撃・・・・ダルすごいね。
>料理やその変な攻撃で魔族減らしてるよ・・・・。
実際の所は負傷程度(それでもしゃれになりませんね・汗)なんだそうですが噂に尾ひれがついちゃって今じゃ滅ぼしたことになっているのだそうです。
ゼラス:…実際事実も含んでいるしな…困った話だ…。
…なんか「味方にすると恐ろしい」スペシャル小説のあの人みたいですね(汗)

>> 「…っは。それがっ!それがっ!何故か覇王様がいらっしゃってるんですぅ!」
>> 「なに?!」
>> 「ん?おそかったではないかガーヴ、ゼラス、ダルフィン。」
>> ふと見ると屋外に設置された大テーブルに座り、ブランデーをたしなむ覇王グラウシェラーの姿があった。
>何だか腹心が四人も集まってるけど、これはすごいことなのでは・・・・!?
>これで、フィブリゾも来たら全員そろうけど・・・・
>そろったらそろったではちゃめちゃになりそう・・・・。
ええ、この4人がどうなるのか私も実は心配だったりします(汗)
ご期待にそえられれば良いのですが…。
…ま、どうにかします。
少し遅れ気味ですいませんが待っててくださるとうれしいです。


では!レスを有難うございました。

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11178Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第6話D・S・ハイドラント 2002/11/7 22:53:07
記事番号11085へのコメント

> 「………元気のもとなんじゃなかったのか?大体にして魔族は病気にならんだろうが。」
まあもし病気にでもかかったらすぐ滅びそうですが・・・

> 「俺の部下達も一緒に来てるんだよ。」
そーいや魔竜王とその部下って酒好きそうですね

> ふと見ると屋外に設置された大テーブルに座り、ブランデーをたしなむ覇王グラウシェラーの姿があった。
さすがグラウ、ブランデーとは・・・

さてお月見はいつでしょうか
それではまた〜

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11207Re:腹心達の騒動―ダルフィンのお月見―第6話由季まる 2002/11/8 22:03:08
記事番号11178へのコメント

こんばんは。

>> 「………元気のもとなんじゃなかったのか?大体にして魔族は病気にならんだろうが。」
>まあもし病気にでもかかったらすぐ滅びそうですが・・・
どうなんでしょうねえ、魔族が病気…になったら…L様が笑いにはきそうですけど(笑)

>> 「俺の部下達も一緒に来てるんだよ。」
>そーいや魔竜王とその部下って酒好きそうですね
ええもう絶対好きだと思いますあの連中は。

>> ふと見ると屋外に設置された大テーブルに座り、ブランデーをたしなむ覇王グラウシェラーの姿があった。
>さすがグラウ、ブランデーとは・・・
ええもう絶対!酒とか言いませんよあの人は(笑)
まあ、それは冗談にしても絶対「酒はブランデーに限る」とか言ってますよ!(笑)

>さてお月見はいつでしょうか
がふっ!あ、あと2、3話後には…がんばりますです(汗)

>それではまた〜
はい〜。


ではでは!レス有難うございました。

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