◆−月夜のため息−雫石彼方(12/17-05:29)No.8355


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8355月夜のため息雫石彼方 12/17-05:29


懲りずにまたやってきました。
今回はゼルのモノローグです。お暇な人は見ていって下さい。



時は真夜中。
俺はなかなか寝付けなかった。
隣ではアメリアが気持ち良さそうに眠っている。しばらく彼女のあどけない寝顔を見つめた後、起こさないようにそっと部屋を抜け出した。


宿屋のちょっとしたテラスを見つけて、ドアを開けるとひんやりとした空気が頬にあたる。その心地いい冷気を感じながら、外に出た。


静かだ、と思った。
新しい明日の為に人も街も眠り、自分ひとりだけ今日に取り残されたようで―――
見上げると、満月がぽつんと浮かんでいた。


―――俺はあいつと一緒にいてもいいのだろうか
       共に生きていきたいと望んでもいいのだろうか―――


ふとそんなことを思う。
今まで何度も心に浮かび、悩んできた問い。
でも、アメリアの笑顔を見る度、押さえつけてきた問い。


―――わからない―――


そう、わからなかった。
迷いだけが近づいてきて、淡い痛みを残していく。


―――当てのない旅
      月が満ち そしていくつ欠けたら
         本当の俺自身に出逢えるのだろう―――


考えても考えても、答えは見つからない。
ただわかるのは―――
彼女をこんなにも愛している、ということ。


―――過ちを繰り返し 後悔だけが呼び止めるけど
         それでもずっとあいつと歩き続けたい
      月が満ち そしていくつ欠けても
          その想いだけは変わらないから―――


きっと、永遠に―――



気づくと、空が紫色に染まり、夜が明けていく。
そろそろ、俺がいないことに彼女が気づくかもしれない。
心配させたくなかった。


冷えた体を抱いて、部屋へと向かう。


―――俺を待ってるひとのなかに帰ろう―――



End








 実はこの話、私が昔好きだった歌手のアルバムの中の曲をもとに作ったものだったりします。この曲の雰囲気がすごく好きだったのと、ゼルにも合いそうだったので、本当は女の人の歌だったんですけど、こんな風に変えてみました。
 ちなみに、このもとにした曲。なんて歌手のなんて歌かわかる人は、絶対にいないと断言します(笑)なんせ、私が小学校の時に買ったカセットテープ(当時の世間一般はどうだったか覚えてませんが、少なくとも私の家にはCDなんてものはなかった)に入ってる曲ですから・・・あ、でも後でCDに入れられた可能性もあるかも・・・まあどっちにしても、知ってる人はいないでしょう。もし万が一いらっしゃったら・・・・語り合いましょう(笑) 



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