◆−えぴろーぐ−三剣 綾香(5/7-12:49)No.6761
 ┗Re:えぴろーぐ−彩(5/7-17:52)No.6763


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6761えぴろーぐ三剣 綾香 5/7-12:49


こんにちは三剣 綾香です。

初めての作品は(ハッピーエンドとはいえ)なんだか暗めの話にまとまってしまいそうなので
第一作とは違うパターンで結ばれる話が書きたいなあ…と思って書いてみました。
一話完結ゼロリナです。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
えぴろーぐ
三剣 綾香

「すきよ、ゼロス。あなたの事が。」

紅い瞳の少女が微笑む。
未だ幼さを残すあどけない仕種。
愛してやまない彼の宝石。
一途に見つめるその瞳がいとおしかった。
彼女のさんごの唇からもたらされた甘く切ない告白。

手を伸ばして抱き寄せて、
自分も好きだと、もう随分と前からあなただけを愛していると
言ってやりたかった。

それは彼の切望する事。

けれど同時に、それをすれば彼女のこの先の人生が失われるかもしれないという危うさをはらんでいた。

人と魔族。
生き続けようとするものと、滅びを求めるもの。
それは相容れぬもの同士だ。
ともに同じ道を歩む事はかなわないもの同士なのだ。
それは、真実。

なぜ自分は魔族なのだろう、なぜ彼女は人間なのだろう。

答えない彼に少女は悲しみ苛立つ。
「何で答えてくれないの?あたしが…きらいなの?」
そうして寂しげに微笑む。
「ごめんね…ゼロス、いきなり変なこと言っちゃって。気に…しないでね?忘れちゃって?ね?」
別れの挨拶とともに背を向けた少女の小さな肩が震えていた。
「さよ…ならっ!!」
いっきにその場から駆け出そうとするその腕をゼロスは反射的につかんでいた。
そのまま引き寄せる。
少女のぬれた頬をそっと拭う。
突然の事に呆然とする少女に向かってゼロスはささやく。
「僕たちは、ともに歩む事が出来ません。僕らがどんなにそれを望んだとしても。あのお方が定めた決まりごとなんですよ、リナさん。」
それを曲げるつもりならばそれなりの覚悟が必要だ。
「それでもその言葉を…言うんですか?言わせたいんですか?…リナさん。」
腕の中でリナが身じろぎをする、星影を映して輝く瞳。
「言いたいわ、言わせたいわ、ゼロス。」
「破滅が先にある事がわかりきっていても…ですか?」
ゼロスの言葉にリナはひらりと笑う。
「あなたにはのぞむところでしょ?」
ゼロスは目を見張り、大人しく抱かれている少女をまじまじと見詰めた。
「リナさんあなた…あなたはそれでいいんですか?!僕とともに滅んでもいい…と?」
「いや。」
そっとゼロスの腕を抜け出したリナはふわっと微笑むと言下に答える。
「じゃあなぜ、そんな事を言うんです?なにをお望みなんですか?」
悲しげに微笑んだゼロスにリナは笑いかける。
「あたし…前に一度混沌の海におっこったことがあったでしょう?あの時にね…わかったの。」
「何が…です?」
得意そうに話す少女の真意が読めず、ゼロスは素直に聞き返していた。
「人間と魔族はともに歩めない。あなたはそう言ったわよね。でもね、ほんとは違うのよ。あそこに行って、あたしにはわかった。」
人と魔族は、いや神さえも相容れない者ではない。
ともに混沌の海より生まれ、死に向かって生き続けている者同士。
ただ、考え方の着眼点が違うだけだ。
即ち−光を見て生きるか、闇を見て生きるか。
人も魔も、自分達が同じ所に立っていて違う方向を見ているだけだと言う事に気が付かない。
悪夢の王が定めたのは、ただ
『気が付かない事』のみ。
混沌の海を垣間見たリナには解る。

隔たりなど無いと。

真摯な瞳でそう告げられ、闇色の神官は戸惑いを見せる。
「だからねゼロス。あたし達の隔たりは、『隔たっている』と信じるあなたの心だけなのよ。」
ちょっと振返れば最初からともに歩んで居たことに気が付くはず。
「そんな…こと、が。」
呆然と呟く。

ふいに。

ゼロスはリナを引き寄せる、抱きしめる。
キスを送る、真摯な瞳に、自分を救ってくれたやわらかな唇に。
少女は愛するものの優しい愛撫にくすぐったそうな嬉しそうな微笑みを浮かべた。

『大丈夫。あたしたちはともに歩んで行ける』

「愛しています。リナさん、あなたをあなただけを今までも、これからも。ともに歩んでいる限り」
ささやきながら深く胸のうちに囲う。

星たちはそんな二人をかわるがわるながめていた。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ううう
なんだかまたわけ分からん物に仕上がってしまった…
すみません〜すみません〜

コンセプトは'いかにして結ばれるのか'です。(コンセプトでもなんでも無いケド…)
初作品はどうやら先が長そうなので結ばれるシーンはもっと先なんですよねえ…
だ・か・らどうしても先にくっつけておきたかったんですよぅ。
いろいろ理屈こね回してますけど、ようは'幸せ'にくっつけたかったんです。
相容れないもの同士のハッピーエンドってどこかに闇が潜んでるじゃないですか。そこがまたいいんですけどねー。

お目汚しして申し訳ありませんです。

では
ご静読ありがとうございました
綾香でした。

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6763Re:えぴろーぐE-mail 5/7-17:52
記事番号6761へのコメント


>こんにちは三剣 綾香です。
こんにちわ〜。
彩で〜す!

うわ〜い!
めちゃ甘!!
ゼロス様かっこい〜。
リナちゃんかわいい〜。
『自分は魔族………、それでもいとしい人間の少女!
その愛をうけいれれば…………待つのは破滅!』ああっ!かっこいい〜。
(自分の世界に入っておりますお気になさらないよう)


>コンセプトは'いかにして結ばれるのか'です。(コンセプトでもなんでも無いケド…)
なるほど。

>だ・か・らどうしても先にくっつけておきたかったんですよぅ。
>いろいろ理屈こね回してますけど、ようは'幸せ'にくっつけたかったんです。
くっつけ………、
そうです〜、幸せなら〜〜〜〜〜!!(壊)

>相容れないもの同士のハッピーエンドってどこかに闇が潜んでるじゃないですか。そこがまたいいんですけどねー。
そうです!
そこがゼロリナのいいところ!!

って、わけわからない感想(?)でした〜。

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