◆-冬物語-穂波(12/23-02:40)No.5804
 ┣冬物語2-穂波(12/23-02:48)No.5805
 ┃┣読ませていただきました!-むつみ(12/23-07:02)No.5808
 ┃┃┗むつみさん、ありがとうございました!-穂波(12/24-23:57)No.5817
 ┃┣Re:ルクミリ良かったで〜ふ♪-八極(12/23-15:37)No.5810
 ┃┃┗八極さん、ありがとうございます!-穂波(12/25-00:25)No.5818
 ┃┗クリスマスはバイトで;;-千恵風味(12/26-21:51)No.5832
 ┃ ┗お疲れさまです(^^;)-穂波(12/27-05:14)No.5834
 ┗冬物語3-穂波(12/25-00:30)No.5819
  ┣Re:冬物語3-ひなた(12/28-23:55)No.5849
  ┃┗ひなたさん、ありがとうございます!-穂波(12/30-00:07)No.5860
  ┗ううう、涙ボロボロですぅ・・・(滝涙)-ぱむ(1/1-04:05)No.5884
   ┗ぱむさん、ありがとうございます!-穂波(1/1-23:55)No.5891


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5804冬物語穂波 12/23-02:40

えーと、こちらには初めて投稿させていただきます(^^;)
冬ネタな話を出来れば何本か書けるといいなぁ、と思いまして。
一応一本目は、覇王さんちのお話です。
よろしければ、読んでやってください。
----------------------------------------------------------------------
 一面の銀世界、大地も、草も、樹も、全てが白い雪に覆われたそこに、ひとりの男と幼い少女が立っていた。男はまるで凍てつく空気を凝縮したような鋭い雰囲気を纏い、一方少女は新雪さながらのあどけない瞳をしている。
「わぁ……」
 一声もらし、息をのんだ少女に男が静かに……独白するかのように語りかける。
「これが、物質を介して触れる、世界だ」
 男の声に、少女はパッと姿勢を正すとこくんと頷いた。
「はい、グラウに聞きました!」
 真っ直ぐに見上げてくる瞳に、視線をかえすことなく男は言葉を紡ぐ。
「こちらでの力の使い方も、覚えておくべきだな……見ておけ」
「は、はいっ!」
 少女は生真面目な表情で頷くと、男の挙動全てを見逃さないよう目を凝らした。男は百メートル近く離れた樹氷に視線を向けた。
 スッ……。
 完璧と言っても過言ではない造形の左手が挙がり、軽く宙を裂く。
「…………!」
 少女は目を丸くして、男の左手が動いた先を見た。
 衝撃波で、雪原には巨大な穴が穿たれていた。
 舞い上がる粉雪が陽光を受けてキラキラと輝く。
 だが、その中心にある一本の樹だけは微塵も揺らぐことがない。
 小枝の一本も損なわれることなく、氷を纏ったそのままに生えていた。
「やってみるがいい」
 勧めではなく、命に近い口調で男は告げる。
 少女は僅かに戸惑いの色を浮かべたが、男の冷ややかな視線に慌てて頷いた。
「は、はいっ」
 男の指し示す場所に向かって片手を振り上げ、力を放つ。
 音もなく視界が白い欠片に覆われ……
「あ……」
 呟き、少女は顔色を失った。少女のはなった衝撃波は、樹氷もろとも全てを吹き飛ばしていた。
「も、申し訳ありません!!」
 殆ど泣き出しそうな顔で、少女は頭を下げる。だが少女に構わず男はきびすを返していた。
「覇王さ……」
 言いかけた少女に、男が振り返る。
 冷徹な視線が、少女の喉で言葉を凍らせた。
「……やれるな?」
 呟いた男の声は、凍てつく空気を孕んでいた。
 少女は唇をきっと結ぶと、頷く。
 再び樹氷に向かった少女に視線を向けることもなく、男は雪原の彼方へと、消えた。
 男の気配が無くなったことを知りながら、ひたすらに彼の命題に挑み続ける少女の姿だけが、白い世界に残されていた。


 極彩色のオーロラが揺らめく空。
 雪の世界は、青空の下とはまるで違った色を纏っていた。
 あれからどれほどの時が過ぎたのか、男の命題に挑戦していた少女は雪に横たわっていた。おそらく慣れない空間で力を使いすぎたのだろう、指一本動かすことすら叶わないようで、ピクリともしない。
 七色の空気が揺らぎ、幾つかの気配が現れたのはその時だった。
 倒れたままの少女に、その力に、引き寄せられた……魔族達。
 鋭い穂先のような腕を幾本も持つ者、枯れ枝にも似た細い人型の者、常に少しずつ姿を変える、不定形の者。
 姿形は様々だが、決して高位の者ではない。が、今の少女に彼等に抗う術は残されていなかった。
「…………」
 彼女の力を我が者にしようと、魔族達が徐々に近寄ってくる。その姿を認めながら、少女は動けずにいた。
 かさつく枝の感触が、少女の頬に押しあてられた刹那……

 ザムッ!!

 少女を中心に、雪が円状に噴きあがった。
 いや、雪だけではない。粉塵が、粉雪に混じって宙を舞う。雪が噴きあがったその瞬間、少女の周りにいた魔族は全て、雪と紛れて元の姿すら解らないまでに……滅殺されていた。
 そして、舞い散る雪の中、七色の虹彩を受ける男がそこにいた。
「我が物を、貴様ら如きにくれてやる筋合いはない」
 口中で呟き、オーロラに照らされた男は倒れたままの少女に静かに近寄る。
「起きるがいい」
 少女は男の声に反応し、必死に藻掻いたが、結局起きあがるどころか頭を動かすことすら叶わなかった。
「……使えるようになるまで……まだ、かかるな」
 少女を抱き上げた男の視線の先、二本の樹氷が、全く同じように周囲に穴を穿たれた状態で立っていた。
----------------------------------------------------------------------
 う、名前出てこなかったですが少女・・・誰か解らなかったらどうしよう(^^;)
 では、次はクリスマスネタのルクミリです。

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5805冬物語2穂波 12/23-02:48
記事番号5804へのコメント
と言うわけで、もうじき時季はずれのクリスマス・ルクミリネタです(^^;)
----------------------------------------------------------------------
 はぁ……。
 指先に吐きかける、ミリーナの息が白い。
 銀色の髪が、冷たい空気を滑ってさらさらと流れる。
 冬の木立を背景にしたミリーナは、まるで絵画から抜け出してきたようだった。
「……ルーク、何をしているの?」
 うっとりと彼女に見とれていた俺に、ミリーナが不審げな眼差しを向けてきた。
 ……う、そんなあからさまに眉をひそめなくったって……。
「い、いやほらその何だっ、今晩はクリスマスイブだしっ、きっと街は賑やかだよな」
「そうね。で、肝心の街はどっちなのかしら?」
 ミリーナは絶対零度の視線で俺を射抜いた。
 ううっ、そんな瞳で俺を見ないでくれぇ。
 ちょっと浮かれていただけなんだ、イブの夜だし少しは贅沢してミリーナと豪勢なディナーでも食べて、ふたりっきりでラブラブな夜を過ごそうプランを練っていたら道を外れたなんてそんなこと、多分ない……と、思う。
「……悪かった、俺が地図を見間違いました、ごめんなさい」
 深々と下げた頭を上げてそっと見ると、ミリーナはなんだか……困ったとも、呆れたともつかない微笑を浮かべていた。
「ミリーナ、ごめんな……散々なイブになっちまって」
 繰り返して謝ると、淡い笑みがはっきりと苦笑に転じる。
「もう、いいわ。あなたにまかせっきりでチェックを怠った私のミスでもあるのだから」
「……サンキュ」
 ほっとしながら俺は、再度後悔していた。
 ミリーナは何処でもどんなときでも綺麗だけど、やっぱり街でたまにはお洒落でもさせてやりたかったなぁ、と思う。向かう予定だったドルイマはサファイアのアクセサリーが名物という話で、ひとつミリーナにプレゼントしたくてそこに向かおうと決めたのに。
 ……冬の森で、イブの夜が更けていってしまう、このままでは。
「ルーク、どうかしたの?」
 落ち込んだ俺に気付いたのか、ミリーナが問いかけてきた。
「いや、その……」
 無意味にポケットに手を入れて探ってみるが、むろん突如アクセサリーが出てくるはずもない。……出てきたら、それはそれで怖いだろうが。
「ん?」
 指先が、なじみのない感触に突き当たった。
 やわらかい、滑らかなそれを引っぱり出してみる。
「リボン、か」
 俺は手のひらの中を見て、呟いた。
 ああ、そういやアクセサリーのラッピングにでも、と思って前の街で買ってポケットに突っ込んでいた気がする。
 ……でも、リボンだけあってもなぁ。
 蒼いサテンのリボンをぼんやり眺めていると、ミリーナがひょいと俺の手のひらを覗き込んできた。
「綺麗なリボンね」
「あ、えーと、よければミリーナにやるよ……クリスマスプレゼントにしちゃ、貧弱だけど」
 ラッピング用に買い込んだリボンだけなんて、決まらなさもここに極まれりだな、などと思いながら、それでも何かミリーナにしてやりたくて俺は手のひらを差し出した。
「……ありがとう」
 ミリーナは、にっこり微笑んでリボンを受け取ってくれた。
 ポニーテールの根本に、それを器用に結ぶ。
「似合うかしら?」
 銀髪に、蒼いリボンは予想以上に似合っていた。
「うん、ミリーナにぴったりだ!」
「それじゃ、私からも何かプレゼントしないとね……ルーク、欲しい物ある?」
 真剣な表情で、ミリーナがこちらを伺う。
「い、いいよ、んなの!」
 慌てて手を振ると、ミリーナが不意に身体を寄せてきた。銀色の髪と蒼いリボンが、目の前でふわりと揺れた。
「……メリークリスマス!」
 耳元で涼やかな声が囁き、あっと言う間にミリーナは離れてしまった。
 だが、俺は動けなかった。
 心臓の音が、ばくんばくんとこだまする。
 夢じゃないかと、思った。
「ルーク、来ないの?」
 歩き始めたミリーナが振り返って、俺を呼んだ。
「あ、ああ、今行く!」
 揺れる蒼いリボンを追いかけながら、俺は……信じられない思いで、ミリーナの唇が触れた頬に手のひらを押しあてていた。
----------------------------------------------------------------------
ん〜ミリーナこんなことせんわぁっってつっこまれたらごめんなさいってかんじだ・・・(^^;)
ガウリナとゼルアメも書きたいなぁ・・・書けたら、投稿させていただきますね。

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5808読ませていただきました!むつみ E-mail 12/23-07:02
記事番号5805へのコメント
こんにちわ。むつみです。
穂波さんだぁ\(^^)/と、喜んでしまいました。

しかもシェーラでルクミリ。
ううう。クリスマスプレゼントに、最適ねっ!!
特にリボンつきミリーナ。(壊れてる)

リボンを用意して、肝心のプレゼントがないというあたりが、ルークだなぁ・・・。愛すべき「まぬけ」だわ。
おかえしの、ほっぺにちゅ。
ルーク、幸せそうだからいいんだけど。
安あがりだなぁ(^^;)
「わたしをプレゼント」といってもらえる日まで、頑張るんだルーク!!
(なんか・・・13巻読んだ限りでは・・・。果てしなく遠そうだけど。)

シェーラちゃん、けなげで可愛くて、とても嬉しかったです。
覇王様がまた・・・。(はあと)
これ、シリーズにしませんか?


ではでは。
よいクリスマス&年末を!!


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5817むつみさん、ありがとうございました!穂波 12/24-23:57
記事番号5808へのコメント
こんばんは、むつみさん。
読んでいただき、ありがとうございます(^_^)

>しかもシェーラでルクミリ。
よかった、シェーラって解ってもらえたのですね。

>ううう。クリスマスプレゼントに、最適ねっ!!
>特にリボンつきミリーナ。(壊れてる)
では、リボンつきミリーナは、むつみさんに捧げさせていただきます(笑)。
オプションで、ルークがついてくるかもしれませんが(笑)。

>リボンを用意して、肝心のプレゼントがないというあたりが、ルークだなぁ・・・。愛すべき「まぬけ」だわ。
いまいち決まらないところが、ルークらしさ・・・ルークって一体(笑)。

>おかえしの、ほっぺにちゅ。
>ルーク、幸せそうだからいいんだけど。
>安あがりだなぁ(^^;)
あはは、ただですもんねえ(笑)。
でも、ミリーナ行事関係どうでもよい人っぽいですし。

>「わたしをプレゼント」といってもらえる日まで、頑張るんだルーク!!
>(なんか・・・13巻読んだ限りでは・・・。果てしなく遠そうだけど。)
・・・らぶらぶアタックが実る日は・・・遠そうですねぇ(笑)。
ま、気長に頑張るしかないでしょうね、ルーク。

>シェーラちゃん、けなげで可愛くて、とても嬉しかったです。
>覇王様がまた・・・。(はあと)
>これ、シリーズにしませんか?
 あ、ありがとうございます。
 覇王様の話は初めて書いたのですが・・・もし、また何か思いついたら書かせていただきたいです。

>ではでは。
>よいクリスマス&年末を!!
 はい、むつみさんも楽しいクリスマスと年末を過ごして下さいね。

 穂波

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5810Re:ルクミリ良かったで〜ふ♪八極 E-mail 12/23-15:37
記事番号5805へのコメント
どうも穂波さん やったね!遂に一坪さんの所で穂波さんの小説が見れる。
・・てな感じでハッピーな八極です

>と言うわけで、もうじき時季はずれのクリスマス・ルクミリネタです(^^;)
まだ クリスマス・イブすら来てませんよ(笑)
>----------------------------------------------------------------------

> うっとりと彼女に見とれていた俺に、ミリーナが不審げな眼差しを向けてきた。
> ……う、そんなあからさまに眉をひそめなくったって……。
はっ はっ はっ。合いも変わらずミリ−ナ一筋ですな。結構、結構(超えらそう)


> ううっ、そんな瞳で俺を見ないでくれぇ。
耐えるんだ愛の為に・・・・・喩原作で報われなくとも(大笑)

> ちょっと浮かれていただけなんだ、イブの夜だし少しは贅沢してミリーナと豪勢なディナーでも食べて、ふたりっきりでラブラブな夜を過ごそうプランを練っていたら道を外れたなんてそんなこと、多分ない……と、思う。
>「……悪かった、俺が地図を見間違いました、ごめんなさい」
人 それを遭難と呼ぶ

> 深々と下げた頭を上げてそっと見ると、ミリーナはなんだか……困ったとも、呆れたともつかない微笑を浮かべていた。
>「ミリーナ、ごめんな……散々なイブになっちまって」
> 繰り返して謝ると、淡い笑みがはっきりと苦笑に転じる。
>「もう、いいわ。あなたにまかせっきりでチェックを怠った私のミスでもあるのだから」
>「……サンキュ」
ん〜〜〜。ムチャムチャお互いで分かり合ってます。理想だなぁ こういうの

>「それじゃ、私からも何かプレゼントしないとね……ルーク、欲しい物ある?」
> 真剣な表情で、ミリーナがこちらを伺う。
>「い、いいよ、んなの!」
> 慌てて手を振ると、ミリーナが不意に身体を寄せてきた。銀色の髪と蒼いリボンが、目の前でふわりと揺れた。
>「……メリークリスマス!」
> 耳元で涼やかな声が囁き、あっと言う間にミリーナは離れてしまった。
> だが、俺は動けなかった。
> 心臓の音が、ばくんばくんとこだまする。
> 夢じゃないかと、思った。
う〜ん 羨ましいやっちゃ。

>「ルーク、来ないの?」
> 歩き始めたミリーナが振り返って、俺を呼んだ。
>「あ、ああ、今行く!」
> 揺れる蒼いリボンを追いかけながら、俺は……信じられない思いで、ミリーナの唇が触れた頬に手のひらを押しあてていた。
すんません・・・ここのシーンでミリーナを追っかけていくルークがディルギア(スポット)と
ダブっちまいました。

楽しかったす。今度は穂波さんのゼルアメを見てみたいなぁ〜(厚かましい奴)
それでは また 頑張って下さい。

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5818八極さん、ありがとうございます!穂波 12/25-00:25
記事番号5810へのコメント
八極さんこんばんは。
感想下さり、ありがとうございます(^_^)。

>>と言うわけで、もうじき時季はずれのクリスマス・ルクミリネタです(^^;)
>まだ クリスマス・イブすら来てませんよ(笑)
ふふふ・・・明日が終わったらもう時季はずれかも(笑)。
季節ネタの命は短いなぁ、ははは。

>はっ はっ はっ。合いも変わらずミリ−ナ一筋ですな。結構、結構(超えらそう)
ルークの持ち味は、ミリーナ一筋ラブラブアタックなところでしょう(・・・持ち味?)

>耐えるんだ愛の為に・・・・・喩原作で報われなくとも(大笑)
いやまぁ、一応一緒に旅はしてますし、いつか報われる日も・・・くると、いいね、ルーク(笑)。

>ん〜〜〜。ムチャムチャお互いで分かり合ってます。理想だなぁ こういうの
 解り合っているけれど、ラブラブとは限らないんですね(笑)。 

>すんません・・・ここのシーンでミリーナを追っかけていくルークがディルギア(スポット)と
>ダブっちまいました。
・・・ルーク、愛の奴隷だし(笑)。ミリーナの愛玩動物でも可かも(笑)。

>楽しかったす。今度は穂波さんのゼルアメを見てみたいなぁ〜(厚かましい奴)
>それでは また 頑張って下さい。
 ありがとうございます。
 ゼルアメ・・・姫のいないゼルアメ・・・書きあがったので・・・よければ見てやってください・・・思いっきり吹雪いてるような話ですが(^^;)

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5832クリスマスはバイトで;;千恵風味 12/26-21:51
記事番号5805へのコメント

> はぁ……。
>「……ルーク、何をしているの?」
> うっとりと彼女に見とれていた俺に、ミリーナが不審げな眼差しを向けてきた。

きれいだろうなぁ、ミリーナ@
見とれるきもち、わかるぞ。


>「もう、いいわ。あなたにまかせっきりでチェックを怠った私のミスでもあるのだから」
>「……サンキュ」

・・・やさしー(じーん)(これがリナとナーガ(笑)だったら・・・汗)。

>「……ありがとう」
> ミリーナは、にっこり微笑んでリボンを受け取ってくれた。
> ポニーテールの根本に、それを器用に結ぶ。
>「似合うかしら?」
> 銀髪に、蒼いリボンは予想以上に似合っていた。
>「うん、ミリーナにぴったりだ!」
>「それじゃ、私からも何かプレゼントしないとね……ルーク、欲しい物ある?」
> 真剣な表情で、ミリーナがこちらを伺う。
>「い、いいよ、んなの!」
> 慌てて手を振ると、ミリーナが不意に身体を寄せてきた。銀色の髪と蒼いリボンが、目の前でふわりと揺れた。
>「……メリークリスマス!」
> 耳元で涼やかな声が囁き、あっと言う間にミリーナは離れてしまった。
> だが、俺は動けなかった。
> 心臓の音が、ばくんばくんとこだまする。
> 夢じゃないかと、思った。
>「ルーク、来ないの?」
> 歩き始めたミリーナが振り返って、俺を呼んだ。
>「あ、ああ、今行く!」
> 揺れる蒼いリボンを追いかけながら、俺は……信じられない思いで、ミリーナの唇が触れた頬に手のひらを押しあてていた。

きゃーきゃーきゃー!!
クリスマスは二人で。 くぅっ!24日はバイト、25日は風邪ダウンで友達とさえ遊べなかった・・・    ひとりきりのくりすます・♪
ルクミリばんざい(^x^)。

>ガウリナとゼルアメも書きたいなぁ・・・書けたら、投稿させていただきますね。

がんばってください!!
でわ。  千恵。




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5834お疲れさまです(^^;)穂波 12/27-05:14
記事番号5832へのコメント
こんばんは、千恵風味さん。
クリスマスはアルバイトだったのですか・・・お疲れさまです。
お正月は休めるといいですねぇ。

>きれいだろうなぁ、ミリーナ@
>見とれるきもち、わかるぞ。
 ミリーナ綺麗ですもんねぇ・・・立ち姿が絵になりそうです。(^_^)

>・・・やさしー(じーん)(これがリナとナーガ(笑)だったら・・・汗)。
 ・・・とりあえず、不毛な呪文の応酬が始まっていそうですね(笑)。

>きゃーきゃーきゃー!!
>クリスマスは二人で。 くぅっ!24日はバイト、25日は風邪ダウンで友達とさえ遊べなかった・・・    ひとりきりのくりすます・♪
>ルクミリばんざい(^x^)。
 季節のイベントネタなので、風化するのが早いですが(笑)、ルクミリはいいですよねぇ。

 感想下さり、ありがとうございました!
 嬉しかったです。

 穂波

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5819冬物語3穂波 12/25-00:30
記事番号5804へのコメント
季節が冬・・・とゆーより、心理が冬、な話かもです。
姫のでないゼルアメです。よろしければ、どうぞ。
----------------------------------------------------------------------
 キィ……。
 寂れた音をたてて、蝶番が軋んだ。
 埃っぽい店内、アルコールを帯びた低いざわめきがその瞬間途切れた。
 入ってきたのは、ひとりの男だった。青みを帯びた肌は、所々岩で覆われている。鈍い銀の輝きを宿す髪は、人のそれとは異なり一本一本が針金のような鋭さを持っている。ボロボロのマントは元は白かったのだろうが、黄ばんだ上に赤黒い物が所々に染みついていた。
 だが、男の異様な風貌を最も印象づけていたのはその双眸だった。
 昏い、澱んだ……そのくせひどく貪欲な何かが潜んでいた。 
 人々の視線を無視して――或いは、視界に入っていないのかもしれない――無表情に、男はカウンターに肘を着いた。
「へリオン」
 注文の声だと気が付き、バーテンは慌てて酒を取り出す。
 へリオン、この店でも五本の指に入るきつい火酒だ。
 出されたそれを、男は水で割ることもせずに一息に飲み干した。バーテンの手元にあったボトルを引き寄せ、更に注ぐ。
「……これで、足りるだろう」
 バーテンの不安げな眼差しに気が付いたのか、男は懐から銀貨を数枚カウンターに投げ出した。
 代金を受け取り、バーテンは不審な客からようやく離れる。
 少なくとも食い逃げの心配はなくなったためかもしれない。
 男に向けられていた客の視線も、彼がリアクションを起こさないためか何時しか無くなっていた。飽きっぽい彼等は、無表情な男から、別の話題へと移っていく。
「そういや、この近くのティルズ王国だったか? 魔族の襲撃装って、実は内乱だったってやつ」
「ああ、そうそう……セイルーンのお姫様が輿入れしてすぐだったんだよな」
「可哀想になぁ……まだ、18才だったんだろう?」
 カウンターの男の背後、客のひとりが同情を含んだ声でそう言ったのを最後にその会話は打ち切られた。彼等は気が付かなかった、ティルズの名を耳にしたカウンターの男の背がピクリと震えたことに。
「……アメリア」
 俯いた男の唇から洩れた言葉は、彼自身の耳にしか届かなかった。


 いくら呑んでも、酔いという逃避すら出来なくなっていた。
 新たな火酒を流し込み、身体が内から灼ける感覚に瞼を閉ざしゼルガディスは低く呻いた。
『ついて行っちゃ……ダメですか?』
 少女の声が、耳について離れない。
 大きな瞳が、忘れられない。
 何をどうやったのかわからないが、放浪していたゼルガディスの元にアメリアが訪れたのは半年前のことだった。事情を何も口にせず、笑っていた少女が……どこかおかしいことには、無理をしていることには気が付いていた。
 それでも、アメリアの願いには応えられなかった。
『このまま、ゼルガディスさんとずっと旅したいです』
 押しかけて来て三日目の夕方、ポツリと呟いたアメリアに、ゼルガディスはダメだ、と答えたのだ。アメリアはセイルーンの姫君で、もし彼女の願いを叶えるのなら、元の身体を取り戻すことは更に様々な制約がつきまとうことになるのは想像に難くなかった。誰かを守りながらの旅では、目的が果たせない。
 元の身体を取り戻すことが、何よりも優先されていた。
 その先にあった望みに、その頃のゼルガディスは気が付いていなかった。
『お前は、お前の務めを果たせ』
 セイルーンで大人しく待っていろ、それくらいの意味で告げた言葉だった。だから、ゼルガディスにはわからなかった。
 そう言われたアメリアが大きく目を見開き、そして涙をこぼした理由を。
 ……アメリアが、ティルズの王子と婚約したとゼルガディスが耳にしたのは……彼女が去ってから一ヶ月もたたないうちだった。そして……華やかな挙式のその当日、花嫁は死んだ。
 デーモンの襲撃、混乱した式で逃げまどう子供を庇い、魔族ではなく人間に背後から斬られた……まったくある意味アメリアらしい、彼女らしい行動の結果だった。
 死体は混乱に乗じて結局セイルーンに戻ることも無かったらしい。だから、ゼルガディスはアメリアの死体を見ていない。
 死体すら見ていないのに、情報だけが勝手に彼女の死を押しつける。
 どうしても納得できなくて、ティルズまで行ったが……見せられたのは、花が沢山添えられた墓だった。アメリアの死の残骸、そんなモノが見たかったわけではなかった。
 白い墓石には、明るく優しい正義かぶれの少女を思わせる物は、何もなかった。ただ、彼女の死を悼む花束だけが、揺れていた。
 その空虚さが、ゼルガディスにとうとうアメリアの死を、認めさせた。
 そして、己が何もしなかった事実をも、認めさせた。
 アメリアに、ひとことでも言えば良かったのだ。
 己の本心を。
 這ってでも、ティルズに行けば良かったのだ。
 彼女から逃げ出さず。
 アメリアを手にする機会は、あったのに。
 アメリアを取り戻す機会は、あったのに。

 後悔、絶望、自己嫌悪……そんな単語より深い何かが、墓石の前に立ちつくすゼルガディスに、最後の微笑を浮かばせた。

 その日から、ゼルガディスは身を隠すのをやめた。
 狂戦士ゼルガディスとして……顔をさらして動き、襲ってくる敵と闘うその瞬間だけ、アメリアのことを忘れられると気付いたからだ。もっとも正体を隠すのをやめたところで、思ったほど刺客が訪れなかったのは彼にとって皮肉な誤算であったが。
 それでもこの一ヶ月ほどで殺した数は、既に二桁を越えている。
 元の身体に戻る為の旅なのか、本当にそれを求めているのか、もはやわからなくなっていた。それでも、ゼルガディスは旅をやめることは出来なかった。帰る場所は……もう、永遠に見つからないと知っていたから。


 何時しかボトルは空になっていた。
 一向に酔いは訪れなかったが、ゼルガディスは黙って席を立った。バーテンは恐々とこちらを伺っていたが、無視して酒場を出る。外気が押し寄せ、ふと上を見たゼルガディスの瞳が僅かに見開かれる。
 天空には、蒼い月が浮かんでいた。
 突然アメリアが訪れた晩と、よく似た月だった。
『ゼルガディスさん、絶対元の身体に戻れますよ!』
 根拠のない断言をして、微笑む少女の幻影が月に重なる。
 振り返れば幸せだった時間、指の間からこぼれてしまったそれが、どうしてこんなに辛いのだろう。
「アメリア……」
 呟きに、少女の幻影は月に溶けた。
 蒼白い月光を浴びながら、ゼルガディスはじっとその場に佇んでいた。
 月だけが、彫像のように動かない男を見下ろしていた。
----------------------------------------------------------------------
 く・・・暗い。う、つ、次はもうちょっと明るい話を目指そう(^^;)
 それでは、ここまで読んで下さりありがとうございました。

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5849Re:冬物語3ひなた E-mail 12/28-23:55
記事番号5819へのコメント

こんにちわっっひなたと申します♪
感想〜〜っ短いですが感動したのでーーっっ

うう・・・。いいですね、悲恋大好き(悪魔)ですっっ
特に最後の方がすきです〜っ
アメリアの優しい所と暖かい所が良く伝わってきました。

良い物読ませていただきました(はあと)ありがとぉございます♪

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5860ひなたさん、ありがとうございます!穂波 12/30-00:07
記事番号5849へのコメント
ひなたさん、初めましてです。

えーと、薬指姫、読ませていただいてます♪
フィブリゾ攻勢が、なんか笑えて新鮮です(笑)。

暗い話に感想書いて下さり、ありがとうございます!

>うう・・・。いいですね、悲恋大好き(悪魔)ですっっ
悲恋、私も結構好きです・・・でもハッピーエンドも好きです(笑)。

>特に最後の方がすきです〜っ
>アメリアの優しい所と暖かい所が良く伝わってきました。
ありがとうございます!
よーするに、ゼルの後悔話なんですが(笑)。

>良い物読ませていただきました(はあと)ありがとぉございます♪
いえいえ、こちらこそ感想もらえてとっても嬉しいです。ありがとうございます!

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5884ううう、涙ボロボロですぅ・・・(滝涙)ぱむ E-mail 1/1-04:05
記事番号5819へのコメント
こんばんわ、ぱむです。

も、もう涙ボロボロで、何をどう感想書いていいのか判んないほど
胸が切なさで一杯の状態になってるんですけど、とりあえず書かせ
て頂きます(T。T)

>『このまま、ゼルガディスさんとずっと旅したいです』
> 押しかけて来て三日目の夕方、ポツリと呟いたアメリアに、
>ゼルガディスはダメだ、と答えたのだ。

ああああああ、もうゼルの馬鹿っーーーっ!(地団太踏み踏み)
いつも元気で一直線のアメリアが三日間も悩んでいた時点で
どれだけ深刻な悩みだったか悟りなさいっ!
この鈍感男っ!(苦笑)

>『お前は、お前の務めを果たせ』

あああ、ゼルってば、なんてキツイ言葉を言うのっ!(泣き泣き)
アメリアは自分の甘えで責任から逃げ出したりはしない子だって
ど〜して一番近くにいたゼルが判ってないのぉ?!

> デーモンの襲撃、混乱した式で逃げまどう子供を庇い、
>魔族ではなく人間に背後から斬られた……まったくある
>意味アメリアらしい、彼女らしい行動の結果だった。

うううっ(滝涙)
アメリアァーーーっ!(すでに言葉になってない)

> アメリアに、ひとことでも言えば良かったのだ。
> 己の本心を。

「後悔先に立たず」ということ、ゼルはレゾの件で懲りてる
はずなのにどうしてこう失ってから気づくということを繰り
返すの? ・・・実は学習能力無い?<ゼル

> 後悔、絶望、自己嫌悪……そんな単語より深い何かが、
>墓石の前に立ちつくすゼルガディスに、最後の微笑を浮かばせた。

ああああ、やけくそになってブチ切れてるしっ!(苦笑)
(頼むからアメリアの墓標だけは壊さないでっ!(汗汗))

>もっとも正体を隠すのをやめたところで、思ったほど刺客が
>訪れなかったのは彼にとって皮肉な誤算であったが。

・・・月日の流れが、ゼルの敵を減らしていたのか・・・、
それともアメリアがゼルに内緒でゼルの手配を解いていっていたのか・・・
後者だったら両者にとって死ぬほど悲しいすれ違いですね(T。T)

> 天空には、蒼い月が浮かんでいた。
> 突然アメリアが訪れた晩と、よく似た月だった。
>『ゼルガディスさん、絶対元の身体に戻れますよ!』
> 根拠のない断言をして、微笑む少女の幻影が月に重なる。

・・・縁談話を持ち掛けられてからゼルを必死で探したであろう
アメリア。でもアメリアは苦労して再会した所で、自分の悩みの前に
ゼルのことを思える、慰められる。

・・・こんなすっごい良い子なのに、ど〜〜してゼルは
失うまで気が付かないのっ(滝涙)

あああ、なんかすっごい馬鹿なことばかり書いてると
思うんですけど、もう今、胸が一杯でとにかく感想が
書きたくて仕方なかったんです(^^;
ゴメンナサイ、見逃してやってください(滝汗)

・・・こんな所で書き逃げさせて頂きます(^^;

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5891ぱむさん、ありがとうございます!穂波 1/1-23:55
記事番号5884へのコメント
こんばんは、ぱむさん。

暗い話、読んで下さりありがとうございます!

>ああああああ、もうゼルの馬鹿っーーーっ!(地団太踏み踏み)
>いつも元気で一直線のアメリアが三日間も悩んでいた時点で
>どれだけ深刻な悩みだったか悟りなさいっ!
>この鈍感男っ!(苦笑)
・・・鈍い、ですねぇほんと(笑)。
いやアメリアに関しても、ですが何より己の本音に気が付いてないあたりが・・・重傷です(笑)。

>あああ、ゼルってば、なんてキツイ言葉を言うのっ!(泣き泣き)
>アメリアは自分の甘えで責任から逃げ出したりはしない子だって
>ど〜して一番近くにいたゼルが判ってないのぉ?!
アメリアの性格、判っていた筈なんですが・・・優しい言葉をかけたらずるずるアメリアとずっと一緒にいたくなってしまう自分に規制をかけるための言葉だったのかもしれません。(んな規制かけんでいいとおもいますが)
言った後に、せめてフォローのひとつでも入れてればねぇ・・・。

>「後悔先に立たず」ということ、ゼルはレゾの件で懲りてる
>はずなのにどうしてこう失ってから気づくということを繰り
>返すの? ・・・実は学習能力無い?<ゼル
あははは・・・(^^;)、後悔する選択をしたつもりはなかったんでしょうが・・・結果しまくってますねぇ。

>ああああ、やけくそになってブチ切れてるしっ!(苦笑)
>(頼むからアメリアの墓標だけは壊さないでっ!(汗汗))
ああっ、公共物破損の罪状も追加か?(いや、アメリアの墓は公共物か?)

>・・・月日の流れが、ゼルの敵を減らしていたのか・・・、
>それともアメリアがゼルに内緒でゼルの手配を解いていっていたのか・・・
>後者だったら両者にとって死ぬほど悲しいすれ違いですね(T。T)
おおお、後者は考えていなかったですが・・・ありそう(^^;)。
そうだったら、確かにたまらなく悲しいですね。
特に、それを知ったときのゼルガディス・・・こ、怖い(^^;)

>・・・縁談話を持ち掛けられてからゼルを必死で探したであろう
>アメリア。でもアメリアは苦労して再会した所で、自分の悩みの前に
>ゼルのことを思える、慰められる。
・・・ホント、良い子だなぁ。
きっと、ゼルに会えた喜びの方が、自分の悩みより大きくて。
ゼルが落ち込んでいる姿の方が、自分の悩みより痛かったんでしょう・・・。

>・・・こんなすっごい良い子なのに、ど〜〜してゼルは
>失うまで気が付かないのっ(滝涙)
ねぇ・・・いや、とりあえずアメリア失うゼルっつーのが書きたかったのですが・・・いざ書いたら失うまで気が付かない男になってました(笑)

>あああ、なんかすっごい馬鹿なことばかり書いてると
>思うんですけど、もう今、胸が一杯でとにかく感想が
>書きたくて仕方なかったんです(^^;
いえいえ、すっごく嬉しいです!
思いもよらなかった可能性まで示唆していただきましたし!
感想頂けて幸せですぅ(^_^)。

本当に、ありがとうございました!

穂波

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