◆−白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 @−kou (2009/9/12 16:42:42) No.34447
 ┣Re:白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 @−水野 (2009/9/12 20:32:07) No.34451
 ┃┗Re:白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 @−kou (2009/9/13 07:56:59) No.34454
 ┣白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 A−kou (2009/9/13 17:55:30) No.34459
 ┣白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 B−kou (2009/9/17 21:14:29) No.34474
 ┣白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 B−kou (2009/9/20 21:19:58) No.34490
 ┣白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 D−kou (2009/9/24 20:28:12) No.34526
 ┃┗Re:白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 D−セス (2009/9/25 23:06:05) No.34531
 ┃ ┗Re:白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 D−kou (2009/9/26 10:41:18) No.34532
 ┣ 白と茶と緑の来訪者 ざ・さいど・すとり〜−kou (2009/9/27 21:34:23) No.34542
 ┣白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 @−kou (2009/9/29 21:29:51) No.34566
 ┃┗わーい\(^O^)/−ミオナ (2009/10/1 12:59:07) No.34579
 ┃ ┗Re:わーい\(^O^)/−kou (2009/10/1 21:54:25) No.34582
 ┣白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 A−kou (2009/10/3 09:29:43) No.34599
 ┣白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 B−kou (2009/10/10 20:37:58) No.34649
 ┃┣Re:白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 B−セス (2009/10/10 21:11:59) No.34650
 ┃┃┗Re:白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 B−kou (2009/10/11 13:06:27) No.34651
 ┃┗Re:白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 B−水野 (2009/10/12 10:45:40) No.34655
 ┃ ┗Re:白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 B−kou (2009/10/12 17:31:14) No.34660
 ┣白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 C−kou (2009/10/13 21:51:54) No.34669
 ┗白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 D−kou (2009/10/19 20:37:16) No.34694


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34447白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 @kou 2009/9/12 16:42:42


k 番外編集です。
 では、まずはアメリアの結婚という言葉を聞いて思い浮かべた方もいるかもしれないあの人です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 スレイヤーズの世界は結界の外と内で分けられる。
 降魔戦争の時、冥王の発案で北の一角は魔族による神封じの結界で行き来が不可能になっていた。
 だが、とある魔道士………というかリナが結界を維持している魔族の一人。
 冥王を滅ぼした事によって話は変わった。
 結界の中にいる人々は結界の外へと向かい、結界の外にいた人達は結界から来た人達を歓迎した。
 とはいえ、行くのは結界がまだかすかに残っている以上、行き来は大変でまだそんなに交易は盛んではない。
 結界の外は中と違い、魔法はあまり盛んではない。
 そんな中で、一人の男は旅をしていた。
 彼は目立つ服装をしていた。全身白尽くめという服装。
 フードにマスクをしていてあやしげと言う言葉が似合う。
 彼こそ、ゼルガディス=グレイワーズだ。
 彼が、この話を聞いたのはリナ達がセイルーンへついた時だった。

 とある町のお店。骨董品の壺や皿や食器が飾ってある中で、メンスやらモーニングスターが同じように飾っているお店。
 どんな客が居るのかは今一つ想像できない。
 それは、ゼルガディスも同感だった。
 ゼルガディスはちょうど近くに寄ったのでこの店の店主フィリアに顔見せのつもりで来たのだ。
「なんだと」
 ゼルガディスはフィリアの話を聞いて手に持っていた紅茶のカップを割ってしまった。
 フィリアは一瞬そちらに気をとられたが、気を取り直し
「ですから………アメリアさんの結婚が決まったんです」
 と、言いにくそうに言った。
 彼女フィリアは、リナ達と過去共に旅をした仲間と言っていい間柄だった。
 金髪の美女に見えるが実際はゴールド・ドラゴンであり、この姿は人間に化けている姿だった。
 同居人というか従業員と言うべきかは不明だがジラスという獣人はちょくちょくセイルーンへ火薬の使い方を教えているため、セイルーンの情報はよく入る。
 実際、ゼルガディスが来る理由の一つがセイルーンの事を知りたい……正しく言うならセイルーンの姫君………アメリアのことを知りたいと言う物だった。
「ジラスと一緒にセイルーンへ行ったときに大々的に、お相手は貴族の伯爵さんで年も近くってかっこよいらしくって頭脳明晰でして………」
 と、ここまで説明してフィリアは説明をやめた。
 ゼルガディスを元気づける内容ではないと気づいたのだ。

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34451Re:白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 @水野 2009/9/12 20:32:07
記事番号34447へのコメント


>k 番外編集です。

でたぁーー!まってました!

> では、まずはアメリアの結婚という言葉を聞いて思い浮かべた方もいるかもしれないあの人です。

おぉ!あの人の登場ですか!

> スレイヤーズの世界は結界の外と内で分けられる。

まぁ、そうですね……。

> 降魔戦争の時、冥王の発案で北の一角は魔族による神封じの結界で行き来が不可能になっていた。

あの、あとちょっとだったのにポカミスでおじゃんになってしまった冥王ですか……。

> だが、とある魔道士………というかリナが結界を維持している魔族の一人。

全くの偶然だったんですけどね

> 冥王を滅ぼした事によって話は変わった。

まぁ、最もですね

> 結界の中にいる人々は結界の外へと向かい、結界の外にいた人達は結界から来た人達を歓迎した。

ふむふむ

> とはいえ、行くのは結界がまだかすかに残っている以上、行き来は大変でまだそんなに交易は盛んではない。

まぁ、そうでしょうね……

> 結界の外は中と違い、魔法はあまり盛んではない。

では、結界の外の人にとっては魔法は凄い物だったでしょうね

> そんな中で、一人の男は旅をしていた。
> 彼は目立つ服装をしていた。全身白尽くめという服装。
> フードにマスクをしていてあやしげと言う言葉が似合う。
> 彼こそ、ゼルガディス=グレイワーズだ。

来たぁぁぁぁぁやっふぅぅぅぅぅぅ!!!

> 彼が、この話を聞いたのはリナ達がセイルーンへついた時だった。

あの話ですか……

> とある町のお店。骨董品の壺や皿や食器が飾ってある中で、メンスやらモーニングスターが同じように飾っているお店。

こっ個性的なお店ですね……;

> どんな客が居るのかは今一つ想像できない。

言えています

> それは、ゼルガディスも同感だった。

でしょうね

> ゼルガディスはちょうど近くに寄ったのでこの店の店主フィリアに顔見せのつもりで来たのだ。

そのつもりだったのに……

>「なんだと」
> ゼルガディスはフィリアの話を聞いて手に持っていた紅茶のカップを割ってしまった。

ロック・ゴーレムと融合していなかったら手が傷だらけですね

> フィリアは一瞬そちらに気をとられたが、気を取り直し
>「ですから………アメリアさんの結婚が決まったんです」
> と、言いにくそうに言った。

あっさりという方が問題ですね

> 彼女フィリアは、リナ達と過去共に旅をした仲間と言っていい間柄だった。
> 金髪の美女に見えるが実際はゴールド・ドラゴンであり、この姿は人間に化けている姿だった。

でも、怒ると尻尾がぴょこんと出てきちゃうんですよね

> 同居人というか従業員と言うべきかは不明だがジラスという獣人はちょくちょくセイルーンへ火薬の使い方を教えているため、セイルーンの情報はよく入る。

なるほど

> 実際、ゼルガディスが来る理由の一つがセイルーンの事を知りたい……正しく言うならセイルーンの姫君………アメリアのことを知りたいと言う物だった。
>「ジラスと一緒にセイルーンへ行ったときに大々的に、お相手は貴族の伯爵さんで年も近くってかっこよいらしくって頭脳明晰でして………」
> と、ここまで説明してフィリアは説明をやめた。

と言うか説明しない方が良いんでは……

> ゼルガディスを元気づける内容ではないと気づいたのだ。

最初に気づくべきでは?
続き楽しみにしています

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34454Re:白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 @kou 2009/9/13 07:56:59
記事番号34451へのコメント

 どうも、水野さん。kouです
>> 降魔戦争の時、冥王の発案で北の一角は魔族による神封じの結界で行き来が不可能になっていた。
>
>あの、あとちょっとだったのにポカミスでおじゃんになってしまった冥王ですか……。
 魔族ないでは、はた迷惑な失敗で滅びたと有名でしょうね(フィブリゾファンの方すみません)
>> だが、とある魔道士………というかリナが結界を維持している魔族の一人。
>
>全くの偶然だったんですけどね
 さらに、言うなら滅ぼしたのはリナじゃないと言っても良いかもしれない。
>> とはいえ、行くのは結界がまだかすかに残っている以上、行き来は大変でまだそんなに交易は盛んではない。
>
>まぁ、そうでしょうね……
>
>> 結界の外は中と違い、魔法はあまり盛んではない。
>
>では、結界の外の人にとっては魔法は凄い物だったでしょうね
 ライティングですらものすごい物ですから………
>> そんな中で、一人の男は旅をしていた。
>> 彼は目立つ服装をしていた。全身白尽くめという服装。
>> フードにマスクをしていてあやしげと言う言葉が似合う。
>> 彼こそ、ゼルガディス=グレイワーズだ。
>
>来たぁぁぁぁぁやっふぅぅぅぅぅぅ!!!
 やっふぅぅぅ?何語?
>> とある町のお店。骨董品の壺や皿や食器が飾ってある中で、メンスやらモーニングスターが同じように飾っているお店。
>
>こっ個性的なお店ですね……;
 個性的というかヘン
>> ゼルガディスはちょうど近くに寄ったのでこの店の店主フィリアに顔見せのつもりで来たのだ。
>
>そのつもりだったのに……
>
>>「なんだと」
>> ゼルガディスはフィリアの話を聞いて手に持っていた紅茶のカップを割ってしまった。
>
>ロック・ゴーレムと融合していなかったら手が傷だらけですね
 そう言う問題じゃないと思いますが……。
>> フィリアは一瞬そちらに気をとられたが、気を取り直し
>>「ですから………アメリアさんの結婚が決まったんです」
>> と、言いにくそうに言った。
>
>あっさりという方が問題ですね
>
>> 彼女フィリアは、リナ達と過去共に旅をした仲間と言っていい間柄だった。
>> 金髪の美女に見えるが実際はゴールド・ドラゴンであり、この姿は人間に化けている姿だった。
>
>でも、怒ると尻尾がぴょこんと出てきちゃうんですよね
>
>> 同居人というか従業員と言うべきかは不明だがジラスという獣人はちょくちょくセイルーンへ火薬の使い方を教えているため、セイルーンの情報はよく入る。
>
>なるほど
>
>> 実際、ゼルガディスが来る理由の一つがセイルーンの事を知りたい……正しく言うならセイルーンの姫君………アメリアのことを知りたいと言う物だった。
>>「ジラスと一緒にセイルーンへ行ったときに大々的に、お相手は貴族の伯爵さんで年も近くってかっこよいらしくって頭脳明晰でして………」
>> と、ここまで説明してフィリアは説明をやめた。
>
>と言うか説明しない方が良いんでは……
>
>> ゼルガディスを元気づける内容ではないと気づいたのだ。
>
>最初に気づくべきでは?
>続き楽しみにしています
 ありがとうございます。

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34459白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 Akou 2009/9/13 17:55:30
記事番号34447へのコメント

k 番外編 A です。え〜と、一応番外編は三作品あります。
 まずは、今書いているゼルガディス編につづいて本編最後らへんにちょろっと出す予定の方に、意外なあの方の番外編です。
 まぁ、とりあえず。ゼル編です
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「………そうか」
 と、ゼルガディスはグラボスが持ってきた新しい紅茶のカップに紅茶を入れる。
 平静を装っているがかすかに手が震え、コップから紅茶がこぼれている。
 カップに入った量の三分の二ぐらい紅茶がこぼれているのにも気づかずゼルガディスは言う。
「まぁ、あいつも王族としては結婚は遅い方だったな。
 あの性格ではしょうがないかもしれないかもしれないがな。
 結婚すれば多少は落ち着いてくれると助かるな。
 まぁ、あれだ。まぁ、そう、うん」
 と、後半は何を言っているのかわからない事を良いながら紅茶に角砂糖を入れる。
 ボチャン、ボチャン、ボチャン、ボチャン、ボチャン、ボチャン………
 角砂糖を数十個入れておいたはずの砂糖入れをカラにしてから紅茶をかき混ぜるゼルガディス。
「まぁ、アメリアも幸せになれるだろうな。セイルーンもこれで安泰と言うことだな。」
 と、言って紅茶を飲み。
 当然ながらむせかえるほどの甘ったるい紅茶にむせ込んだゼルガディスだった。

 思いっきり動揺している。店にいるフィリアに幼いヴァルにジラスにグラボスはそう判断した。

「ぐっへ、ごっふ、げっほ………。すまない」
 落ち着いたゼルガディスはフィリアに、聞く。
「何という伯爵なんだ」
「えっと、確かラディック伯爵と言いまして」
「ラディック!?」
 ゼルの声が大きくなる。
「ど、どうしたんすか」
 そばで売り物の壺を磨いていたジラスが聞くと
「………レゾのそばに居たとき聞いた事がある。
 たしか、密輸品の薬物の取引をしていたはずだ………」
 その言葉にフィリアは眉をひそめた。そこに、
「そういや、最近。セイルーンはおかしいですぜ」
 と、ジラスが言い出した。
「今までは、火薬の使い方も身を守るための技術をきいていたんすけど、最近は征服とか襲うとかの攻撃系に詳しく聞き出していて……。
 それに、………これは姐さんにもいおうかどうかかんがえていたんすけど……」
 と、ジラスは言いにくそうに言った。
「前、あの小娘……アメリアにあったんすけど、俺のこと初対面だっていったんす」
 その言葉にゼルガディスは眉をひそめた。
「いや、何というかへんすよ」
 その言葉を聞いてゼルガディスはフィリアに
「セイルーンへはいけれるか?」
「いえ、………。それが、ちょっとこの前の嵐の時、羽を痛めてしまって………」
 その言葉にゼルガディスはくるりと背を向けると
「じゃましたな」
 と、店を出て行った。

 向かう先はセイルーン。
 漆黒の影がせまりくるう結婚式の会場。
 そこには、リナ達という懐かしい知り合いと、変わった少年がいると言うことはまだゼルガディスは知らない。 

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34474白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 Bkou 2009/9/17 21:14:29
記事番号34447へのコメント

「あ〜。良いわぁ。極楽極楽」
 と、彼女はぶわぶわと泡立つジャグジー風呂に入って言った。片手にはシャンパンがある。
「ん〜」
 と、のびをしていると
「おや、居ましたか」
 と、マントが表れる。
「あら。帰ったのですか?」
 と、彼女は金色の長い髪の毛を拭きながら言う。
「ええ。って、ああ。そのシャンパンはクウが気に入っていたシャンパンじゃないですか!」
「あ。大切な奴だったの?」
「レビが楽しみにしていた入浴剤まで………」
「んげ!? レビ『様』が」
「まぁ、まだありますから良いですけれど」
「あ〜。レビ様怒らないでしょうね」
 と、不安げに言う彼女にマントは、
「レビがそれで怒るとは思えませんね。まぁ、多少不機嫌になるでしょうけれど………?」
 それを聞いて困った顔をしている彼女にマントは肩をすくめて
「まぁ、それよりも厄介なことになりそうですよ。
 こんな世界の片隅の一つの国………これから先起きる可能性を考えると国一つを滅ぼしてしまえば早いというのに………」
「ん〜。あの小娘達もそういうのはいやがるでしょうからね」
「人間とはおもしろい物ですね」
「そうね。」
 マントの言葉にうなずくと服に着替えて彼女はその場から去っていった。
 マントは後ろ姿を見てお辞儀をしてこういった。
「どうぞ。いざというときはお手数をお借りしますよ。
 ルーちゃん様」
 と、言った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 謎の女性編です。彼女がいる場所はマントやクウにレビが倉庫代わりにしている特殊な世界です。
 そして、彼女の正体はまだ秘密です。
 一つ言うなら、ルーちゃんと言うのはあだ名です。
 レビ曰く本名を言いやすくしたとのことです

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34490白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 Bkou 2009/9/20 21:19:58
記事番号34447へのコメント

「どうも」
 人気がして言ってみるとそこに、マントとクウが居た。クウは彼女に気づいてお辞儀をする。
「あら、どうかしたの」
 と、ルーが聞くと
「いや。解毒剤が必要でしてね」
 と、クウは肩をすくめていった。
「ふ〜ん。そういや、前にマントに渡したあれどうするの」
「俺はいらないんですけどね。いざとなったらリナにでも渡そうかと思ってますわ。」
「ああ、あの子ね」
「しかし、人の酒を勝手に飲まないでくださいよ」
「良いじゃないの。たくさんあるんだし」
「そうは、言ってもねぇ。あ、そうそう。夕食に鮭の味噌仕立て鍋を作っときましたから」
「あら、ありがとう。あんた、料理上手よね。
 あたしの部下どもはどうも料理が下手でね」
「………つーか、料理を作らせる専門職じゃないでしょう」
「それは、そうなんだけどね。やっぱ今日日多種多芸に生きなきゃだめよ」
「たしか、一人手芸にはまっていると聞きましたけど」
「だって、あいつセンス悪いのよ」
「そう言うもんですかね」
 やがて、できあがった解毒剤をもって去っていく彼らを見ながら彼女はまた、適当にぶらつく。
 自分が作り出した物ではない場所を見るという久方ぶりの楽しみを満喫しながら………

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34526白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 Dkou 2009/9/24 20:28:12
記事番号34447へのコメント

 森に響くのは高笑い。
 その笑い声におどろき怯えた獣たちが巣穴にこもり、震える。
 ただ、木々に青々と茂る葉を食す青虫のみが聞き惚れていた。
「おぉ〜ほっほっほっほっほっほっほっほっほ」
 とある森の中で彼女はそう高笑いをあげていた。
 黒炭のように漆黒の長い髪の毛に男の理想の体格。
 その顔は知的美人と言った顔立ち………。
 ただし、無意味に露出の高い服を着てトゲつきショルダーガードにどくろの首飾りという悪趣味きわまりない物を身につけていなければだが………。
 彼女はひたすら笑っていた。
「おぉ〜ほっほっほっほっほっほっほっほ。おぉ〜ほっほっほっほっほっほっほっほっほっほ、………ほ、ほ………ほ、……。
 さ、………さすがに、息が………苦しく………なった………わね」
 と、女は笑うのをやめた。
 ぜーはーぜーはーと肩で息をする。
 そこに、
「ナーガ………先生………?」
 と、声をかけられて女=ナーガは振り向いた。
 そこには、金色の髪の毛の美女が居た。やや勝ち気な印象をうけるその少女は真っ白なナーガが身につけている服とは別の意味で、奇抜なデザインの鎧を着ている。
 だが、なにより目立つのは金色の髪の毛からのぞいたピンととがった耳だろう。
 エルフ族の女性に声をかけられたナーガは
「あら、メフィ」
 と、そのエルフ族の女性の名を呼んだ。

 数年前、ナーガが放浪の旅を初めてしばらくたった頃だった。
 道に迷ったナーガはエルフ族の隠れ里に迷い込んだのだった。
 そこでとある事件に巻き込まれ………メフィ……本名メンフィス=ラインソードと出会った。
 以来、メフィは人間とエルフという種族の垣根を越えてナーガを師とあおっているのだ。
 当時までは、人見知り激しく内気で照れ屋な人付き合いの苦手だったのだが、ナーガと出会い高飛車わがまま高圧的になったのだ。
 その隣には、これはナーガは初対面の顔だった。
 中年の渋めの青年。
「おじさま。ご紹介しますわ。
 おじさまも知っているでしょうけど、あの事件を解決してくださったナーガ先生です」
 と、メフィが紹介し、続いてナーガに
「ナーガ先生。こちら、お父様のご友人のミルガズィアおじさまですわ。
 今は、人の姿をしておりますが正体はゴールデン・ドラゴンですのよ」
「おぉ〜ほっほっほっほっほ。ナーガよ」
「ミルガズィアだ。あの事件のことは聞いている」
 と、挨拶を交わす。
「っふ。丁度良かった………じゃなくて、ちょっとメフィ。」
 と、ナーガが切り出した。

「本当。偶然でしたわ。森の中を歩いているとナーガ先生の高笑いが聞こえるなんて」
 と、メフィが言うが、あの馬鹿笑いならおそらく近くを歩いていた旅人や観光客のすべてが聞こえていただろう。
 ただ、近づく物好きはそうそう居なかったと言うだけである。
「ふっ。ちょっと悩みがあってね。
 そんなときは高笑いが一番よ」
 と、言うナーガ。
 もしも、彼女の知り合いの魔道士がいたらどういう理屈だと突っ込んでいただろう。
「でも、セイルーンへはどうして行くんですの」
「ふっ。………ちょっと家庭の事情という奴よ」
「ナーガ先生の家庭ですか………。きっとすばらしいんでしょうね。
 ナーガ先生のご家族ですもの」
 と、メフィがうっとりとした顔で言う。
 ミルガズィアはというと、女の会話に男が入るのはどんな種族だとしても難しい。
「………そうでもないかもね」
 と、ナーガはぽつりとつぶやいたのだった。

 物心ついたときから周りにはたくさんの大人が居た。
 たくさんの物に英才教育に習い事……。
 乗馬に裁縫、読み書きに帝王学……。
 立派な女性………立派な―――になるために、そんな中で幼いながら………否、幼いからこそまわりの大人の中に自分の母親があまりよく思われていないことを気づいていた。
 たくさんの学問の中で母親から教わった魔道………それに、興味を覚えのめり込んだのは、母親のおかげでこんな事ができる。
 それで、母親の事を悪く言わないでほしかったから………。
 やがて、妹も生まれた。
 そして、母親が死んだ。
 病気でもなかった。事故でもなかった。
 暗殺だった。
 守りきれなくて、それが哀しかった。
 今でも、そのことを思い出して赤い流れる血が苦手だ。
 未熟な自分が許せなくて、旅に出た。
 身につけると周りがうるさかった形見を身につけて旅に出た。
 いろんな出会いを繰り返して、帰ろうかと考えることもあった。
 でも、まだ外にいたい。
 そう考えた。
 そんな中、聞こえた今回の話………。
 ラディック伯爵の裏の噂を知っていた。
 家にいた頃からしつこく話しかけてきていたが、どこかすかない印象だった。
 確かめたくて、向かっていた矢先に迷っていた。
 それは、ただもともとの方向音痴なのか………それとも、どこか心の中にある迷いなのか。
 それは、まだわからなかった。
 セイルーンについてメフィと別れた。
 城の様子がおかしくて調べるために一人町をさ迷って………お金を落としたナーガが居た。

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34531Re:白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 Dセス 2009/9/25 23:06:05
記事番号34526へのコメント

こんばんは、kouさん。
> 森に響くのは高笑い。
> その笑い声におどろき怯えた獣たちが巣穴にこもり、震える。
> ただ、木々に青々と茂る葉を食す青虫のみが聞き惚れていた。
青虫が聞きほれる高笑いっていったい・・・
>「おぉ〜ほっほっほっほっほっほっほっほっほ」
> とある森の中で彼女はそう高笑いをあげていた。
> 黒炭のように漆黒の長い髪の毛に男の理想の体格。
> その顔は知的美人と言った顔立ち………。
> ただし、無意味に露出の高い服を着てトゲつきショルダーガードにどくろの首飾りという悪趣味きわまりない物を身につけていなければだが………。
そういえばナーガって、美女でしたね。
普段は容姿より、高笑いやその格好のほうが印象に残りやすいけど。

>「ミルガズィアだ。あの事件のことは聞いている」
> と、挨拶を交わす。
ふと思ったのですが、ナーガの高笑いや服装は、ドラゴンやエルフの皆さんからは、どんな風に見えるのでしょうか・・・?

> 城の様子がおかしくて調べるために一人町をさ迷って………お金を落としたナーガが居た。
・・・なんか、しんみりした雰囲気になりかけていたのに、最後のほうでそれがキレーに掻き消えてしまった感じです(笑
>

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34532Re:白と茶と緑の来訪者と漆黒影ある結婚式 番外編 Dkou 2009/9/26 10:41:18
記事番号34531へのコメント


>こんばんは、kouさん。
 こちらこそ。セスさん。
>> 森に響くのは高笑い。
>> その笑い声におどろき怯えた獣たちが巣穴にこもり、震える。
>> ただ、木々に青々と茂る葉を食す青虫のみが聞き惚れていた。
>青虫が聞きほれる高笑いっていったい・・・
 まぁ、ナーガの高笑いですから………。
 ナーガは青虫に人望?がありますし………
>>「おぉ〜ほっほっほっほっほっほっほっほっほ」
>> とある森の中で彼女はそう高笑いをあげていた。
>> 黒炭のように漆黒の長い髪の毛に男の理想の体格。
>> その顔は知的美人と言った顔立ち………。
>> ただし、無意味に露出の高い服を着てトゲつきショルダーガードにどくろの首飾りという悪趣味きわまりない物を身につけていなければだが………。
>そういえばナーガって、美女でしたね。
 黙って普通の服を着ていればね。
>普段は容姿より、高笑いやその格好のほうが印象に残りやすいけど。
 まぁ、ねぇ。
>>「ミルガズィアだ。あの事件のことは聞いている」
>> と、挨拶を交わす。
>ふと思ったのですが、ナーガの高笑いや服装は、ドラゴンやエルフの皆さんからは、どんな風に見えるのでしょうか・・・?
 ………まぁ、ギャグセンスのずれもあるからわからないな
>> 城の様子がおかしくて調べるために一人町をさ迷って………お金を落としたナーガが居た。
>・・・なんか、しんみりした雰囲気になりかけていたのに、最後のほうでそれがキレーに掻き消えてしまった感じです(笑
 ナーガですから………。
 そしてゴミ箱をあさっていてゼルにあうのです。
 以上、kouでした。

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34542 白と茶と緑の来訪者 ざ・さいど・すとり〜kou 2009/9/27 21:34:23
記事番号34447へのコメント

「立ち向かう先に乾いた風 激しく吹き荒れても
 呪文一つでも唱えたなら わたしのペースになる 〜♪」

 赤いニス塗りのギターを弾くクウに、白い髪の毛を珍しく短めにして赤と黒の二色のゴシックロリータ風のパンクファッションの服をきたレビ。
 おなじくベースを弾いている金髪の長髪をポニーテールにして同じように黒と金色という二色のゴシックロリータ風のパンクファッションの服をきた女性。
 その後ろでドラムを叩いているマント。
 ジャカジャカジャンジャカジャン
 と、音楽をかき鳴らしながら彼女たちは歌う。演奏する。
 天井には、楽しめ音楽祭と書かれている。

「今日を超えていきたいの
 未来に向かい 歩き続けていく」
 熱唱を歌い終え、レビは満足そうに汗を拭く。
「る〜。楽しいね」
「あ〜はいはい」
「普段は三人でやっているんですが………。
 ルーちゃん様もお上手ですね」
「まぁね。いや、暇だったから覚えてみたんだけど………。
 なかなか良い退屈しのぎになったわ」
「それは良かったですね」
 と、クウが言うとジュースを飲む。
 俺は、お前達と違って人間なんだからこっちの体力を考えてくれ
 と、言う言葉は言わないが………。
 ぶっつつづけて三十曲歌い終えてつかれたクウだった。
「こんど、部下Sを使ってバンドでも作ろうかしら」
「それなら、今度はルーちゃんがボーカルだね」
「そうね〜。んでもって、ベースもやって………。
 Sそはサンクスでも拭かせて………、部下Dは、ギターでのこりにドラムとキーボードをやらせればいいわね」
 と、ルーちゃんもまんざらでもなさそうに考えていた。
 クウはまだあったことのないこの金髪の女王様の下部達に手を合わせていた。
 そのころ、………

「ぞわだぁぁぁ」
「ど、どうかしましたか魔王様」
 突如叫び声をあげた魔王に現在も療養中の覇王が声をかける。
「……なんか、あの方がなにかを企んでいる気が………」
「? 世界を滅ぼす作戦を直々にお与えになるんでしょうか」
「んなわけあるか! あの方ははっきり居て悪趣味にわらい人の苦労を無に返すのだけはやるお方だ。
 フィブの作戦の最終ポカミスだって自分が悪いのに………。
 わたしの責任て………。
 そもそも、あいつらはいいですよね。
 勝手にさっさと滅んじゃってさ。
 わたしだっていい加減滅びたいのに………なにもできずにただこうして、ベットカバーを縫うことしかできないんですね」
「……え〜と、」
「そもそも二番目はヘンな復活して……しかも勝手に滅びて………。
 しかも、そのせいでフィブまで滅んで………。
 次に、三番目となれば完全な復活し解いて自分だけ滅びて………どうせ滅びるならわたしを解放してから滅んでも良いと思いませんか」
 と、ぐちぐちと愚痴り始める魔王。
 覇王は黙って聞きながらこの語りは確か百十五回目だったようなと、思っていた。

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34566白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 @kou 2009/9/29 21:29:51
記事番号34447へのコメント

k さて、漆黒の影ある結婚式の次の話の番外編でございます。
L ………て、本編かを書く前に先に書いてどうするのよ
k 細かいことは気にしないでください。
L 細かいの?
k ………。ちなみに、この話はちょうどリナとクウがアメリアの結婚式の噂を聞いた頃です。
L ああ、魔族が出ない理由付けね
k …………。では、スタート
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 昼なおくらい森がある。
 そこは、地元の猟師も近づかない。なぜなら………その森の奥深くには恐ろしい化け物が居るからだ。

 そんな付近の人々が恐れる森の奥深くにその小屋はあった。
 朝日が昇りわずかに、森に光が差す。
 小屋からそれは現れた。
 よどんだ沼のような色の肌。
 たった一つしかない瞳に四本の手に六枚のつばさ………。
 もしも、魔道に長けた者が見たらそれの正体もわかっただろう。
 この世界には、滅びのために滅びをまき、殺戮のために殺戮を行う種族が居る。
 おのれを含むすべてを滅ぼそうとする種族。
 この世界の闇の王……赤眼の魔王、シャブラニグドゥが作り出した滅びのための手駒。
 魔族………。
 それも、たまに野良としてあたりを騒がすレッサーデーモンやブラスデーモンとは桁違いの魔力を持つ純魔族。
 並みの魔法では歯が立たず、普通の剣では傷づけることすらできない。
 そんな恐ろしい存在は
「さぁ、今日も元気に体操だ」
 と、腕を伸ばして手足の運動を始めた………。
 その姿にだれも恐怖せず恐れもしなかっただろう。………いや、ある意味怖いという説もあるのだが………。

「一、二、三、四、……二、二、三、四」
 と、運動をするその純魔族の隣にはなにかがいた。
 それをうまく表現するのは難しい。あえて言うならば、子供が寝とぼけて落書きをしたらそんな絵が描かれるのでは………。
 そしてその絵をそのまま生物にした感じである。
 純魔族の動きに応じるように動くそれ……。
 平和なのかそれとも平和じゃないのか………それは、難しい光景だった。
 体操を終えたらしい純魔族はさわやか(?)に汗をぬぐうと
「ふぅ〜。やっぱり健康には朝の体操が一番ですね」
 と、言う。
 魔族……特に、純魔族は精神体なので朝の体操が健康に関係するかどうかは不明だが………まぁ、病は気からの一種だろう。
 そんな突っ込みどころ満載過ぎる光景に
「おや、ラギアゾーンさんじゃないですか」
 と、声をかける者が居た。

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34579わーい\(^O^)/ミオナ 2009/10/1 12:59:07
記事番号34566へのコメント

わーい\(^O^)/
ラギアゾーンが出てるv
魔族の中では、一番お気に入りなんです。
体操するラギアゾーン。
ありありと光景が目に浮かびます。
続きが楽しみです。

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34582Re:わーい\(^O^)/kou 2009/10/1 21:54:25
記事番号34579へのコメント

 こんばんわ。ミオナさん
>わーい\(^O^)/
>ラギアゾーンが出てるv
 絵文字までつけて喜んでいただけるとはうれしいです。
 ミオナさんとかぶってしまいましたが………。当初から出すつもりだったんです。
>魔族の中では、一番お気に入りなんです。
 ま、親しみがあると言いますか………。
>体操するラギアゾーン。
>ありありと光景が目に浮かびます。
 そうですか。
>続きが楽しみです。
 ありがとうございます。

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34599白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 Akou 2009/10/3 09:29:43
記事番号34447へのコメント

k 番外編その二です。
L ようやっと出てきたわね。
k 個人としては魔族は思いっきりいじろうと考えてます。そのいじられキャラになる決定的な話の前ぶりです。
L いじるの
k え〜、だってルーちゃんの『お友達』のレビの『お友達』のクウがいるからね。
L ま、いいか。
k では、スタート
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 突如として聞こえた声は、ひどく間延びしたのほほんとした声だった。
 そして表れたのは、一人の青年だった。
 漆黒の闇色の髪の毛をおかっぱに切りそろえた端正な顔立ちの青年。その顔はつねに柔和な笑みを浮かべている。
 黒衣の神官服をきたその青年と目の前にいるラギアゾーンと呼ばれた純魔族が同族と気づく者は、どれほどいるだろうか……。
「ぜ………ゼロ………ゼロス様」
 ラギアゾーンが目に見えておどろく。
「いや、お久しぶりですね。最後にあったのは、………五十年ぐらい前でしたっけ」
 と、のほほんとした顔で世間話のような会話をしようとしたゼロスに
「……ゼロス殿……。
 世間話をしている暇はありませんが……」
 と、不機嫌な感情を隠そうとせず言う男が現れるた。………否、いつのまにかその場所に最初からいたとでも言うように、五人の人影がいた。
 無論、彼らも魔族である。
 話しかけたのは漆黒の闇色の髪の毛を後ろに一つに結んだ二十代前後の青年だった。ゼロスとは違うデザインの黒衣の神官服を着込んでいる。
 紫色の瞳はこんな事をしている暇はないと表している。
「殿なんてつけないでくださいよ。……あなたは覇神官で僕は獣神官、一応くらいは一緒なんですから。グルーさん」
 と、ゼロスはにっこりと笑みを浮かべて言う。
「……あ、……あの〜。
 な、なんでこんな所に獣神官様と覇将軍様に覇神官様方々に海将軍様に海神官様がおらっしゃられるので………」
 と、ラギアゾーンがおずおずと言う。
 どれも、しがない下級魔族のラギアゾーンは出会ったこと自体恐れ多い魔族である。
「いえ、実はセイルーンの結界がどうも弱まっているらしいんですよ」
「はぁ」
 ラギアゾーン自身も間が抜けた相づちだとすこし思ったがこれほどの高位魔族を目の前にして緊張しない下級魔族は居ない。
 ゼロスは気にした風もなく
「で、その弱まっている原因を調べてみたらどうも、応用すれば魔王様の封印を解くことができるようでして………」
「ええぇぇぇぇ〜」
 ラギアゾーンは思わず驚愕の声をあげた。
 魔王の復活それは、魔族なら願ってやまない目標の一つ。
「で、まぁ調査をしていた方々に合流してその技術を入手もしくはその装置を利用しろというのが命令でして……」
「なら、早く向かった方がよろしいんでは………」
 と、おずおずと言うと
「いえ、それがですね〜。その調査をさせていた方々が行方不明になってしまって」
 と、間延びした口調でいうヒュレイカー。
「待ち合わせの地点である場所の近くにようやっと魔力を感じてきてみたら」
「わたしだったんですか………。すみません」
 ラギアゾーンが思わず謝る。
「いえ、ちょうど近くの……待ち合わせ場所と一つ違う町ですがそこにも魔力が感じられますから……」
 と、ゼロスが言う。
「でも、ディーが行っていた場所はその町じゃないはずだけれどもな」
 と、ノーストが言う。
「そう言えば、お前一度セイルーンに行ったことあるんだろ」
「ああ。図書館からつまみ出された」
 ラギアゾーンはどうして覇将軍がセイルーンの図書館に行ってつまみ出される羽目になったのかわからなかった。
「まちがいなくここだったと思うけれど」
 と、言ったのは十代後半の若いがつく青年で神官服と言うよりも修道服をおもわせる服を着ている。
「はぁ。ではさようならですね」
 と、ラギアゾーンはそっと心の中で安堵のため息をついた。
「いいからいこうぜ。邪魔する奴はぶっとばしゃいいんだから」
 と、クリストハァルトとが言った。
 そして虚空に消える人影………。
「また来ますね」
 と、ゼロスが言い残した
 そして、――――
 しばらくしてセイルーンの周りに巨大な五芒星ができあがりそして五芒星が崩壊した。
 しかし、そんな事があってもゼロス達は表れずその町から消息不明になっていた。
 ゼロスに恩があるラギアゾーンは気になったが彼が人間の町に行くととたんにパニックになる。
 そのため、昔した方法を試そうとしたラギアゾーンが居た。
 山道でそれをしていると、
「だぁって、しょうがないじゃないの。うら若い乙女が盗賊をみてぶっ飛ばさないで居るなんてできるわけ無いじゃない」
「そうです。正義の熱い魂が無視できないと叫んでいるんです」
「………どんな正義だ。どんな乙女だ」
「まぁ、リナに関しては本能のような者だからな……」
「俺的には情報が手に入らなかったことが不満だな」
「まぁ、良いじゃないですか」
「る〜。楽しかったね」
 と、言う声が聞こえてきたのだった。

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34649白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 Bkou 2009/10/10 20:37:58
記事番号34447へのコメント

 まばゆい太陽の日差しが輝く。
 南の海にあるちょっとした島。青々とした海に南国風の植物が多い茂っている。
 観光や避暑地としては夢のような場所だろうが……この地に訪れる人間は居ない。
 群狼の島……獣王 ゼラス=メタリオムが居る島。
 人はおろか竜族も近づかない場所の一つだ。
 そこに、一人の女性がいた。
 金色の髪の毛をした女性はたれ目の瞳だがその瞳には、明らかに機嫌が悪い様子だった。
「……まったく。いつになったら帰ってくるんだ」
 と、誰もいない中彼女はそうため息をついた。
 彼女こそ、ゼラス=メタリオムである。
 とはいえ、その事がわかる存在なんぞそうそう居ないだろうが……。
「セイルーンの異変が最高潮にたっしたあと異変がぴたりと元に戻っていく
 だと言うのに、帰ってこないどころか報告が来ないとは……」
 言っていてさらに不機嫌になったらしくぐしゃりと手に持っていた紅茶のカップをねじ曲げる。
「……ダルフィンの所へと行ってみるか」
 ふと、思いついたかのようにゼラスは言った。

 セイルーンの異変に気づいたのはゼラスであった。
 まぁ、位置的に一番近いからだと思われるが……。
 最初は小物を使って調べさせた。
 その情報がおどろくべき者で報告し作戦を練った。
 ただでさえ不況(?)の魔族時勢である。
 どういう訳だがここ最近金色の魔王……すなわちL様が大人しいという事も聞いてなにか不吉な事の前触れではないかと思われていたときだった。
 あの方が大人しいなんて後が怖い。
 ゼラスも思わず身震いしたほどである。
 とくに、……しょっちゅう顔を合わせる羽目になっている北の魔王はと言うと、不安で神経性胃炎の心配までしなければならないらしい。
 魔族に胃があるのかと言う説があるのだが……。
 そこんとこには、突っ込まない魔族達だった。

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34650Re:白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 Bセス 2009/10/10 21:11:59
記事番号34649へのコメント

こんばんは、kouさん。
> まばゆい太陽の日差しが輝く。
> 南の海にあるちょっとした島。青々とした海に南国風の植物が多い茂っている。
> 観光や避暑地としては夢のような場所だろうが……この地に訪れる人間は居ない。
いたらそれは度胸があるというより、命知らずの大ばか者でしょうね・・・
> 群狼の島……獣王 ゼラス=メタリオムが居る島。
> 人はおろか竜族も近づかない場所の一つだ。
> そこに、一人の女性がいた。
> 金色の髪の毛をした女性はたれ目の瞳だがその瞳には、明らかに機嫌が悪い様子だった。
>「……まったく。いつになったら帰ってくるんだ」
> と、誰もいない中彼女はそうため息をついた。
> 彼女こそ、ゼラス=メタリオムである。
> とはいえ、その事がわかる存在なんぞそうそう居ないだろうが……。
>「セイルーンの異変が最高潮にたっしたあと異変がぴたりと元に戻っていく
> だと言うのに、帰ってこないどころか報告が来ないとは……」
> 言っていてさらに不機嫌になったらしくぐしゃりと手に持っていた紅茶のカップをねじ曲げる。
>「……ダルフィンの所へと行ってみるか」
> ふと、思いついたかのようにゼラスは言った。
獣王様、部下が行方不明で機嫌が悪そうですね・・・
毎回短いコメントしか書けない奴ですが、この先を楽しみにしています。

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34651Re:白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 Bkou 2009/10/11 13:06:27
記事番号34650へのコメント

>こんばんは、kouさん。
 レスありがとうございます。セスさん。
>> まばゆい太陽の日差しが輝く。
>> 南の海にあるちょっとした島。青々とした海に南国風の植物が多い茂っている。
>> 観光や避暑地としては夢のような場所だろうが……この地に訪れる人間は居ない。
>いたらそれは度胸があるというより、命知らずの大ばか者でしょうね・・・
 もしくは、不幸な漂流者(いるか居ないかは知りませんが……)
>獣王様、部下が行方不明で機嫌が悪そうですね・・・
 はい。機嫌が悪いです。
 なんの音沙汰もないというのが不機嫌に拍車をかけています。
>毎回短いコメントしか書けない奴ですが、この先を楽しみにしています。
 短くてもコメントはうれしいです。セスさんの作品も続きを楽しみにしています。
 以上、kouでした。

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34655Re:白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 B水野 2009/10/12 10:45:40
記事番号34649へのコメント

こんにちは、水野です


> まばゆい太陽の日差しが輝く。
> 南の海にあるちょっとした島。青々とした海に南国風の植物が多い茂っている。
> 観光や避暑地としては夢のような場所だろうが……この地に訪れる人間は居ない。

行くのは単なる馬鹿だけでは?

> 群狼の島……獣王 ゼラス=メタリオムが居る島。
> 人はおろか竜族も近づかない場所の一つだ。

そりゃそうでしょうね……あのゼロスの上司ですから

> そこに、一人の女性がいた。
> 金色の髪の毛をした女性はたれ目の瞳だがその瞳には、明らかに機嫌が悪い様子だった。
>「……まったく。いつになったら帰ってくるんだ」
> と、誰もいない中彼女はそうため息をついた。
> 彼女こそ、ゼラス=メタリオムである。
> とはいえ、その事がわかる存在なんぞそうそう居ないだろうが……。

でしょうね

>「セイルーンの異変が最高潮にたっしたあと異変がぴたりと元に戻っていく
> だと言うのに、帰ってこないどころか報告が来ないとは……」
> 言っていてさらに不機嫌になったらしくぐしゃりと手に持っていた紅茶のカップをねじ曲げる。

物は大切にしましょうよ……

>「……ダルフィンの所へと行ってみるか」
> ふと、思いついたかのようにゼラスは言った。
>
> セイルーンの異変に気づいたのはゼラスであった。
> まぁ、位置的に一番近いからだと思われるが……。
> 最初は小物を使って調べさせた。
> その情報がおどろくべき者で報告し作戦を練った。
> ただでさえ不況(?)の魔族時勢である。

不況……? 魔族時勢……?

> どういう訳だがここ最近金色の魔王……すなわちL様が大人しいという事も聞いてなにか不吉な事の前触れではないかと思われていたときだった。
> あの方が大人しいなんて後が怖い。

ひどい言われようですね

> ゼラスも思わず身震いしたほどである。

ふむふむ

> とくに、……しょっちゅう顔を合わせる羽目になっている北の魔王はと言うと、不安で神経性胃炎の心配までしなければならないらしい。

魔族に胃はないでしょ……神経はあるけれど……

> 魔族に胃があるのかと言う説があるのだが……。
> そこんとこには、突っ込まない魔族達だった。

いや突っ込めよ

とても面白いので更新楽しみにしています

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34660Re:白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 Bkou 2009/10/12 17:31:14
記事番号34655へのコメント


>こんにちは、水野です
 こんばんは。水野さん。kouです。
>
>> まばゆい太陽の日差しが輝く。
>> 南の海にあるちょっとした島。青々とした海に南国風の植物が多い茂っている。
>> 観光や避暑地としては夢のような場所だろうが……この地に訪れる人間は居ない。
>
>行くのは単なる馬鹿だけでは?
 まぁ、行く手段もないという説がありますが……
>> 群狼の島……獣王 ゼラス=メタリオムが居る島。
>> 人はおろか竜族も近づかない場所の一つだ。
>
>そりゃそうでしょうね……あのゼロスの上司ですから
 あっはっはっは。
>> そこに、一人の女性がいた。
>> 金色の髪の毛をした女性はたれ目の瞳だがその瞳には、明らかに機嫌が悪い様子だった。
>>「……まったく。いつになったら帰ってくるんだ」
>> と、誰もいない中彼女はそうため息をついた。
>> 彼女こそ、ゼラス=メタリオムである。
>> とはいえ、その事がわかる存在なんぞそうそう居ないだろうが……。
>
>でしょうね
 いたら、魔族か神か
>>「セイルーンの異変が最高潮にたっしたあと異変がぴたりと元に戻っていく
>> だと言うのに、帰ってこないどころか報告が来ないとは……」
>> 言っていてさらに不機嫌になったらしくぐしゃりと手に持っていた紅茶のカップをねじ曲げる。
>
>物は大切にしましょうよ……
 魔族がそう言う考えをもっていると思うのか?
>>「……ダルフィンの所へと行ってみるか」
>> ふと、思いついたかのようにゼラスは言った。
>>
>> セイルーンの異変に気づいたのはゼラスであった。
>> まぁ、位置的に一番近いからだと思われるが……。
>> 最初は小物を使って調べさせた。
>> その情報がおどろくべき者で報告し作戦を練った。
>> ただでさえ不況(?)の魔族時勢である。
>
>不況……? 魔族時勢……?
 まぁ、もののたとえという奴だ
>> どういう訳だがここ最近金色の魔王……すなわちL様が大人しいという事も聞いてなにか不吉な事の前触れではないかと思われていたときだった。
>> あの方が大人しいなんて後が怖い。
>
>ひどい言われようですね
 だってぇぇぇLさまだもん
>> ゼラスも思わず身震いしたほどである。
>
>ふむふむ
>
>> とくに、……しょっちゅう顔を合わせる羽目になっている北の魔王はと言うと、不安で神経性胃炎の心配までしなければならないらしい。
>
>魔族に胃はないでしょ……神経はあるけれど……
>
>> 魔族に胃があるのかと言う説があるのだが……。
>> そこんとこには、突っ込まない魔族達だった。
>
>いや突っ込めよ
 まぁ、上司ですから
>とても面白いので更新楽しみにしています
 ありがとうございます。

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34669白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 Ckou 2009/10/13 21:51:54
記事番号34447へのコメント

「……ダルフィンはいるか」
 魔海の所にある豪華な城。
 そこでゼラスがそう訪ねると、しばし待つこと中位魔族だろうがおそるおそるといった風に表れて……。
「あ、あの。海王様は、覇王様の所へと……」
 と、おそるおそるといった風に言う。
 普段なら、海神官や海将軍が対応するのだが……。
「……そうか」
 それだけ言うとゼラスは覇王のいる場所、北の拠点へと向かった。
「……まったく、ぎゃくに遠回りになった」
 と、不服げにいう。
 その途中、魔海近くに住み着いてダルフィンが気に入っている黒い超がつくほど巨大な触手に人の顔のようなもようがついたクラゲをみた。

 北の拠点は寒い。
 まぁ、北の果てなのだから寒いに決まっているのだが……。
 常に常夏南国の島にいるゼラスには寒さが身にしみる。
 それだけでもなく、生来寒いのがあまり好きではなく。寒くなると布団に潜り込んでしまいたくなるゼラスにしてみれば、あまり来たくない場所だった。
 とはいえ、いい加減一人で居るとゼロスが行方不明ということが腹が立つため誰でも良いから愚痴でも言おうと思っていたのだ。
 防寒用にファーのついたフードつきローブにセータそして耳当てに手袋マフラーを身につける。
 しばらく行くと、覇王の住んでいる城が見つかる。
 別段、こんな寒いところに来る人間なんぞ居ないかもしれないがもしかしたら竜やエルフなどが来るかもしれないと城と言うよりも要塞に近い。
 仕事人間……ではなく仕事魔族のグラウシェラーらしいとゼラスは思う。
 常に、遊び心たっぷりのダルフィンと足して二で割れば丁度良いだろうにと常々考えている。
 出迎えたのはやはり中位魔族だった。
 二人が居る部屋へと向かって扉を開けて聞こえたのは――――
「うぎょわぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁ」
 グラウシェラーの悲鳴だった。
「………」
 目の前で起きていることはと言うと、ちょっとしたボールほどの大きさの黒い顔のついた触手のクラゲで埋められかけているグラウシェラーと埋めているダルフィンが居た。
 ゼラスは今更ながら帰ろうかと考えた。

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34694白と茶と緑の来訪者と操られし赤い闇のしもべ達 番外編 Dkou 2009/10/19 20:37:16
記事番号34447へのコメント

「いやね。近くに住んでいるキメラのクラゲちゃんが最近子供を産んだのよ」
「それで?」
「ほら、かわいいでしょ」
 と、ダルフィンが差し出したのは漆黒の闇色に染まったクラゲである。
 触手の先に目玉のない顔のようなものが小さくついている。
「……それなら、ここへ来る途中見たぞ」
「あら、そう。なんでもキメラにした魔道士と再会したら良いんですわ。
 わたしもお会いしたけれど人間にしとくにはもったいない方でしたわ」
 と、言うとおほほほほと笑い声を上げる。
「……貴様がそう言うとはどんな人間だったんだ」
「すばらしい高貴な精神。卓越した美意識。
 何があってもおのれを貫き通すプライド。
 魔族になりませんかと言ってみたんですけれど……今はおうちが騒がしいらしいのでと断られてしまいましたわ」
 こいつ(ダルフィン)が気に入る人間とは……。
 と、ゼラスの背筋に冷たいものが走る。

「――で、わしをクラゲで埋めたのは何の意味があるんだ?」
 と、グラウシェラーが聞くと
「こんな寒い場所ですし、部下が一人滅んでしまって寂しいんじゃないのかなと思いまして」
「クラゲに埋められて喜ぶわけ無いだろうが!!」
「別に、お前達のケンカを聞くためにこんな場所に来たんじゃないんだが……。
 貴様らの所にも連絡は来ていないのか?」
「いえ、きてませんわ」
「こちらもだ」
 ゼラスの質問にダルフィンもグラウシェラーもそう答えた。
「はぁ……。そうか」
 と、ため息をゼラスはついた。
 彼らの元に神官に将軍が帰ってくる日は遠い。
 そして、帰ってきたとしてもそれで終わりと言うわけではないのだ。
 しかし、それを知っている存在は居ない。

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