◆−17.白蛇のナーガ−ガード・ワード (2007/8/9 16:03:22) No.33318
 ┣18.謎の神官−ガード・ワード (2007/8/11 15:52:01) No.33321
 ┣19.運命の赤い糸−ガード・ワード (2007/8/12 14:02:52) No.33322
 ┣20.たとえば火の中、氷の中−星野流 (2007/8/21 23:33:34) No.33328
 ┣21.一夜限りの死闘−星野流 (2007/8/24 00:35:34) No.33332
 ┣22.盗人−星野流 (2007/9/1 14:06:46) No.33343
 ┣23.魍魎パラダイス−星野流 (2007/9/14 16:58:56) No.33365
 ┣24.白銀の武王 −星野流 (2007/9/19 23:53:03) No.33379
 ┃┗はじめまして。 −翡翠 (2007/9/20 01:50:49) No.33381
 ┃ ┗Re:はじめまして。 −星野流 (2007/9/22 20:31:30) No.33389
 ┣25.ギャグ探訪記−星野流 (2007/9/23 11:18:42) No.33390
 ┣26.がんばれ私!−星野流 (2007/10/7 11:32:34) No.33421
 ┗27.師弟関係?−星野流 (2007/10/22 23:06:53) No.33430
  ┣Re:27.師弟関係?−翡翠 (2007/10/25 23:52:42) No.33431
  ┃┗Re:27.師弟関係?−星野流 (2007/10/26 23:12:25) No.33433
  ┗タイトルで既に謝っておきましょう。遅くてごめんなさい!−。。。 (2007/10/27 00:50:02) No.33434
   ┗Re:謝らなくても良いですよ。−星野流 (2007/10/27 22:26:35) No.33435
    ┗Re:カッ感激至極でござりまするーッ!!−。。。 (2007/10/29 00:04:33) No.33438
     ┗お返事ありがとうございます−星野流 (2007/10/30 20:19:35) No.33439
      ┗Re:ぅう〜ん;;めっさ迷いマスね・・・−。。。 (2007/11/1 20:10:54) No.33440
       ┗さっそく考えさせてもらいます−星野流 (2007/11/1 22:41:55) No.33441


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3331817.白蛇のナーガガード・ワード 2007/8/9 16:03:22


すぺしゃる時代に変わったので新規にさせていただきます。


17.白蛇のナーガ

 とある晴れた昼下がり、私は輝く海原を見ながらそこに面した街道を歩いていた。

バタバタバタ

なんだろうと見てみると、包帯でぐるぐるになり、所々あて木をされて倒れている人がいた。

んー、何か騒動に巻き込まれるような予感がするから放っときたいんだけど・・・

怪我人放っておくのもなぁ。

私は頭を掻いて思案する。まあ、治してからトンズラするか。

ソレの傍らに片膝ついて、レザレクションを唱える。

〈G〉「復活(レザレクション)」  (投げやり)

「ほーっほほほほほっほーっほほほほ」

〈G〉「うひぃっ」

ソレは高笑いをしながらガバッと立ち上がり、包帯を解き始めた。

ああ、やっぱり騒動に巻き込まれた。

〈G〉「ははは・・・」

その光景を見ながら、肩を落とし、笑い、ため息をつく。あーあ、どうなんだこれ。

所で、包帯を解いているソレはどうやら女性だったらしい。結構な別嬪さんだ。

じゃりっ

首から下の包帯を解き始めた彼女を前に私は少し後ずさる。

豊満な身体を強調させるかのような黒いビキニのような衣装にマントをなびかせ、その肩にはトゲトゲのショルダー・ガード。極め付けにドクロのネックレスまでかけている。

これほど怪しい人は見たことない。

〈G〉「他に痛むところは?」  (義務感100%)

「ないわよ。それで・・・」

〈G〉「こちらが勝手にやったこと。礼はいらん。さようなら」

「そーお?じゃあ、次に会ったらよろしくね」

次があったらひとたまりもない。

「ほーっほほほ。この白蛇のナーガ!復活よぉ!おーっほっほっほっほ」

一人大笑いし続ける彼女と距離を取り、そっと立ち去る。

彼女とは一生会いませんように。


 私は紅茶を飲みながら魔法道具を作っていた。

「おーっほっほっほっ!まーた会ったわね!」

ぽろっ  ドスッ

〈G〉「うくぁっ」

魔法道具を取り落とし、足に直撃して苦悶の声を上げる。

「あら、大丈夫?涙目になってるわよ」

〈G〉「らいひょうぶです・・・」

ああ、痛みで呂律が回ってない。

そこにいたのは先日と何ら変わっていない白蛇のナーガさんの姿があった。

欲を言えば、もっと一般的な姿で現れて欲しかった。

そう、ここは宿屋。多くの旅人がここに集まっている。そこに、このような身なりの女性が入ってきたら…目立つことこの上なし。

まあ、女性じゃなくて男性であっても目立つだろうけど目を逸らすこと確実。

〈G〉「えーっと、お元気そうで何より」

〈ナ〉「あなたもね!」

意味もなく胸を張る。

〈ナ〉「ところで、もうけ話に興味はない?」

〈G〉「ありません」

きっぱりと即答する私を呆然と見て、フッと笑った。

〈ナ〉「フッ…じゃあこれならどう?お宝に興味はない?」

〈G〉「んー・・・どんなものかにもよるが」

〈ナ〉「何でも、この辺にレティディウスの遺産があるっていう噂で、何組ものトレジャー・ハンターが来ているそうよ。恐らく、ここに泊まっている連中もそうね」

〈G〉「へぇ…それでこの数か」

〈ナ〉「一人よりも二人のほうが心強いわ。組む気はない?」

〈G〉「なら…よろしく頼む。ナーガさん」

〈ナ〉「あら、知ってたの?」

〈G〉「この前大声で名乗ってただろ!」

私は大声でツッコミを入れた。


 適当に自己紹介をし合い、私達は街を出た。

〈G〉「さて、探すか」

ガサッと私は草薮を掻き分ける。

〈ナ〉「ちょっとちょっと」

〈G〉「ん?」

〈ナ〉「どこ行くつもり?」

〈G〉「宝探し」

〈ナ〉「何でそっちに行くの?」

〈G〉「場所が分からないのなら適当にうろつく。偶然ってのは結構多いんだよ」

〈ナ〉「そういうもの・・・かしら?」

〈G〉「ま、怪しいものを見かけたらよろしく」

で、怪しい洞穴を見つけたのはそれから一時間後のことだった。

私は明りを唱え、浮遊させる。

〈G〉「じゃ、先に入るよ」

〈ナ〉「後ろは私が見ているわ」

暗い、暗い洞穴の中を私達はずんずん奥へと入っていった。


 幾多の罠に私達は引っかかり、無傷でここまで辿り着いた。

〈G〉「じゃあ、今度は右に行ってみようか」

〈ナ〉「行き止まり、ないのかしら」

〈G〉「さあ?何なら引き返してみる?」

〈ナ〉「ふっ、冗談!わたしに引き返すという言葉はないのよ!ほーっほっほっほっほ」

あ、やめて・・・こんな所でそういうの。

彼女の笑い声で酔い、頭がクラクラしてきた。

〈ナ〉「さて、行きましょうか」

ナーガに言われ、私は歩き出した。


 どれだけの分岐点を進んだだろうか・・・?覚えていないけど、私達はようやっと終了を迎えたことを知る。

そう、目の前に仰々しい門を見つけたのだ。

扉を開く、そこには一つの小箱が納まっていた。

〈ナ〉「何かしら?」

彼女は手に取る。

〈G〉「苦労してここまで来たのにびっくり箱・・・だったら大笑いだな」

〈ナ〉「笑えるわけがないでしょうがっ!」

そして、小箱を開いた。

中にあるのは三つの石ころ。赤・青・紫の輝きを放っている。

〈ナ〉「あああああっ!」

頭を抱えてナーガは叫んだ。

〈ナ〉「びっくり箱よりはいいけど、何でこんなチンケな代物なのよぉっ!」

〈G〉「ナーガ、あっちに扉付いてる」

〈ナ〉「本当っ!?」

扉を開け、感動の大笑い!

〈ナ〉「ほーっほっほ。おーっほっほほほほほほほほほほほほおほっ!」

小箱を持って中を見ると金銀銅貨の三つの輝きがあった。

〈ナ〉「おーっほっほほ。これで大金持ちよぉっ!」

〈G〉「レティディウスの硬貨…本物だな」

〈ナ〉「そうそう、この宝。山分けよ」

〈G〉「こっちの小箱と三つの石が私のものにしてもいいのなら、好きなだけ持って行っていいよ」

〈ナ〉「じゃあ、決まりね」

ナーガが手を出したとき、背後で音がした。

「ちっ、先客がいやがる」

振り向き、私は入り口を見やる。そこにいたのは同じくらいの年と思われる二人の男女がいた。そーいや、人の足跡あったなぁ。

「おい、あんた。俺らとやりあうか、宝を分けるかどっちがいい?」

〈ナ〉「ふふん。このわたしに敵うとでも思ってるの?」

「へっ、痴女なんかに負けるとは思えないね」

「ルーク」

〈ナ〉「なら、白蛇のナーガに聞き覚えはない?」

〈ル〉「ないね」

ナーガはガクッとひざをつく。

「わたしはトレジャー・ハンターのミリーナ。彼はルークよ」

〈G〉「私はガード=ワードだ。よろしく、ミリーナさん」

〈ミ〉「ミリーナでいいわ」

〈G〉「では、私もガードで」

〈ル〉「おいこらっ!ミリーナに馴れ馴れしくするんじゃねえっ!」

〈ミ〉「馴れ馴れしくなんてしないわよ。今からやりあうのだしね」

〈G〉「へ?」

戦うの?

〈G〉「戦うのか?分け合うつもりなんだが・・・」

〈ル〉「でええええっ!?正気かっ!?冗談のつもりだったんだが」

〈G〉「そりゃあ…あって困るものではないけど、無用のながものだし」

チラリと中を見る。

〈ミ〉「なら、話は早いわね。あなたたちが見つけたのだし、こちらに残してくれればそれでいいわ」

〈G〉「さ、ナーガ。早く選びなよ」

〈ナ〉「ふっ、そうね」

ナーガがわいわい言いながら金貨を袋に詰め始め、私は金貨を一握り袋に入れ、記念として金銀銅貨を一枚ずつ小箱に入れる。

〈ミ〉「それだけでいいの?」

〈G〉「まあね。これだけあれば一ヶ月は保つし、この小箱は私がもらうことにしたし」

〈ル〉「小箱?」

〈G〉「見てみる?」

私は彼女たちに小箱を差し出す。彼女たちは中を開け、硬貨とそれを見比べる。

〈ル〉「本当にいいのか?そんだけで」

〈ミ〉「わたしたちが言うのも何だけど、もっと取ってもいいのよ?一杯あるのだし」

〈G〉「これだけで十分だ。生業じゃなくて暇つぶしで来たのだし」

〈ル〉「うあああああっ!素人にさき越されたのかよっ!」

頭を抱えるルークさん。

〈G〉「ナーガも取り終えたようだし、ミリーナも取り始めてますよ。ルークさん」

〈ル〉「何で俺だけさんづけなんだよ」

〈G〉「そりゃあ、呼び捨てで良いとは言われてないからな」

〈ル〉「分かったよ!呼び捨てにしろ!」

〈G〉「そうかい?ありがとう」

〈ル〉「ただし!ミリーナにちょっかいかけたら許さんからな!もっとも、俺たちはラブラブだからちょっかいなんぞかけてもミリーナはお前なんぞ歯牙にもかけないだろうが」

対して、ミリーナはため息吐いて肩を落とす。

〈G〉「本当に、ラブラブなのか・・・?」

〈ミ〉「そんな風に見えます?」

〈G〉「や、全く」

〈ル〉「ミリーナぁぁぁ」

〈ミ〉「そんなことより、さっさととってください」

ルークは泣く泣く取り始めた。

うーん、尻にひかれてるな。

〈G〉「あと、誤解があるようだから一応言っておくが、私は女だから」

〈全員〉「え」

三人とも、私を注視し、驚きの声を上げた。

〈ル〉「嘘・・・だろ?」

〈G〉「まさか。そんな嘘吐いてどうする」

〈ミ〉「だって・・・」

ミリーナの視線はうろうろと上下に動く。

〈ナ〉「じゃあ、あるの?胸」

〈G〉「当たり前だろ!」

〈ミ〉「にしては、凹凸が」

〈G〉「上着の素材だ」

〈ナ〉「そう、あるの。凹凸」

〈G〉「ちゃんとあるから。凹凸」

〈ナ〉「リナみたいな平面板かと」

〈G〉「リナ?」

〈ナ〉「リナ=インバースのことよ」

〈G〉「会ったことあるのか?リナと」

〈ナ〉「知り合いなの?」

〈G〉「同期なんだ。でも、リナだってちゃんとあるぞ。胸」

〈ナ〉「そうは見えないけど」

〈G〉「あの頃はまだ生理さえ来ていなかったからなぁ。胸もなかったんだ」

〈ル〉「ああもうっ!こんな所でそんな話するのはやめろよ!」

一人真っ赤になって叫ぶルークを見て、異口同音で言った。

〈三人〉「そういやいたんだ」

ルークはイジケテ泣いた。



〜後日〜

〈G〉「やあ、リナ。久しぶり」

〈リ〉「え?あ、ガードってええええっ!?」

リナは後ろにいるナーガを見て驚きの声を上げる。

〈ナ〉「また会ったわね、リナ=インバース!」

〈リ〉「ナーガ!」

〈ナ〉「氷の矢!(フリーズ・アロー)」

〈リ〉「火炎球!(ファイアー・ボール)」

私のことそっち退けで二人は戦闘を開始し、私はその様を風の結界を張りながらボーっと見ていた。

少しは相手をしてほしいと思いながら。


―登場人物―

   ガード=ワード
L様の命により、面白いことに首をつっこむことになった。

   ナーガ
「白蛇のナーガ」怪しい格好をした女魔道士。

   ルーク
トレジャー・ハンター。

   ミリーナ
トレジャー・ハンター。

   リナ=インバース
友人。「ドラまた」「盗賊殺し」などなど、様々な異名を持つ。

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3332118.謎の神官ガード・ワード 2007/8/11 15:52:01
記事番号33318へのコメント

18.謎の神官

 雨が降ってきて、見つけた祠に駆け込み、雨宿りをする。すると、ギィイィと扉が開いた。何、一体。

しかし、そのような怪現象も好奇心と天秤にかければ好奇心に傾く。

こうして、私は祠の中へと足を運んだ。幽霊とかが出たら逃げるけど。

中に入ると、加工した石が光り始める。赤眼の魔王、赤の竜神、そして盾の紋章が壁に浮かび上がる。

これは、一体?そもそも、盾は何を…

あ、私か。そーいや、守護者だって言われたの忘れてたな。命令は忘れてないけど。

紋章は光っているもののその壁に何かが彫られている形跡はなく、魔力光であると推測する。しかし、どうやってこのように維持されているのか?

盾の紋に寄って手を触れると壁をつきぬけた。


 私はその隙間から出ようと必死になってもがく。

ズボォッ

〈G〉「ぷはぁっ」

あー、もう抜けないかと思った。

私が嵌っていたのは丁度肩幅より少し狭い窪み。そこには一つの魔道書が置かれている。

手にとって見てみると、何と。

〈G〉「異界黙示録…」

何でこんな所に?まさか、他にも同じ仕掛けが?

結果、二つの紋章にあった物は異界黙示録ほどではないが、どれもこれも価値ある物ばかり。中身から行けば異界黙示録よりも私にとってはこちらのほうが大切。

魔族の裏事情なんて関係ないし、一部分は既に知っているのだ。

クレア・バイブルそっちのけで私は魔王の紋章の中に置かれていた設計図を見つめる。

〈G〉「ああ、いいなぁ…」

「喜びに浸ったところで悪いのですが…」

私は入り口を振り返る。そこにいたのは一人の神官。年は同じくらいか少し上、黒髪の中肉中背の男。

背後にある魔王の紋章が小さくなって三つの紋章と魔王の腹心の印が書き足されている。

「その写本、渡していただけますか?」

〈G〉「はい」

私は迷うことなく差し出した。逆に彼は戸惑う。

「ええっと、いいんですか?本当に?」

〈G〉「魔族の裏事情なんて知ってるからな」

「魔族の裏事情!?何で知ってるんですか・・・」

〈G〉「さあ…」

「貴方の事ですぅうう!」

〈G〉「あ、私か」

「で、何で知ってるんですか?」

〈G〉「見ず知らずの人に教える謂れはない」

「じゃあ、自己紹介をしますね」

そこまで知りたいか。

「僕は・・・謎の神官です!」

〈G〉「そうか・・・」

〈謎〉「可哀想な人を見る目で納得しないでくださいっ!」

注文の多い人だな。

〈G〉「いや…だって、名前がないんだろ?」

〈謎〉「ありますよっ!僕にはちゃあんとゼロスっていう名前があるんですっ!」

〈G〉「ゼロス…?」

〈謎〉「はいっ!分かりましたね?ちゃんと名前はありますからね!」

〈G〉「すまんかったああああっ!」

私は土下座して謝った。

〈謎〉「えええええっ!?」

〈G〉「実は…」

私はガーヴさんの依頼を正直に話した。

結果、かなりこたえたらしい。端の方でうずくまっている。

声かけづらいな〜。

〈G〉「あっ、そうだ。お詫びと言っちゃあ何だが、今までに手に入れた異界黙示録を渡すよ」

〈ゼ〉「今までにも手に入れていたんですかあっ!?」

彼に三冊の異界黙示録を手渡す。

〈ゼ〉「ありがとーございまーす!」

元気になったらしく、雨の中を去っていった。


 城下町を訪れると、何と竜にお姫様がさらわれたらしく、連れ戻した者たちには賞金と望みの物が手に入るという。

行ったほうがいいんだろうなぁ。

私は領主に事のあらましを聞きに行った。

領主に話を聞いた後、旅立つための準備をしていた。

と言っても、剣と食料持ってカバンを置いていくだけだが。

〈ゼ〉「またお会いしましたねぇ」

〈G〉「確か…謎の神官さん」

〈ゼ〉「ゼロスですぅうううっ!」

彼は泣きながら絶叫してしがみ付いてくる。

〈G〉「冗談だ」

〈ゼ〉「そういう冗談はやめてくださいよぉ」

〈G〉「勝手に他人の部屋に入ってくるものだからこういう事をされるんだ」

〈ゼ〉「変わってますね」

〈G〉「あんたもな」

〈ゼ〉「僕は変わってません!普通です!」

〈G〉「謎の神官と名乗る奴が普通なわけがあるか」

〈ゼ〉「とっ、とにかく!本題に入りましょう」

〈G〉「着替えるから出てけ」

〈ゼ〉「入らせてくださいいいいっ!」

私はため息吐いて、話を促した。

彼の用件は簡潔に言うと、一緒に組まないかということ。既に後二人いるらしい。

〈ゼ〉「はぁ…それにしても、貴方はわが道を行きますね」

〈G〉「自分の計画が狂わされると嫌なものだろう?」

〈ゼ〉「はい。狂わせるのは好きですけどね♪」

うわぁ、そういう人だったか。

〈G〉「ま、着替えるから出てけ」

〈ゼ〉「おやおや、恥ずかしいんですか?えっと」

〈G〉「ガードだ。ガード=ワード。恥ずかしいに決まっているだろう。全く認識されることはないが、私は女だし」

〈ゼ〉「僕も女です」

〈G〉「そうか。すまんかったな」

〈ゼ〉「ごめんなさい。冗談です」

〈G〉「変な冗談はよせ」

〈ゼ〉「ツッコミ入れてくれてもいいじゃないですか」

〈G〉「例が自分なのだから納得しても不思議ではない」

〈ゼ〉「ああ、そうですね」

彼は出て行った。


 彼と組むことになった二人と合流し、私たちは西へと向かう。

所々に争った形跡、血を流して死者となった人々が転がっていた。

少し進むと、獣人達が現れた。

〈G〉「来たか」

〈ゼ〉「ええ、戦いの幕開けです」

そこに、今まで黙々と歩いていた二人が爛々と目を輝かせて行った。

〈ロ〉「敵だ」

〈レ〉「ふふふ、斬る」

〈ロ&レ〉「ふふふふふふふふふふふ・・・」

ひえええええっ!怖っ!

〈G〉「おいおいおいおい、どういう人たちと組んでるんだお前はっ!」

〈ゼ〉「ああいう人たちです」

〈G〉「まさか、知ってて私と組まないかと言ってきたんじゃ」

〈ゼ〉「当たり前じゃあないですか」

〈G〉「うわあああああっ!」

私は頭を抱える。

〈ゼ〉「旅は道連れって言うでしょう?」

〈G〉「用法が違うわああああっ!」

嬉々としてなぎ倒す二人を見ないように、魔法を唱えて放つ。

〈G〉「守盾界!(カバー・シールド)」

一気に十人包み込み、動きを封じる。

〈G〉「崩霊剣!(ラ・ティルト・ソード)」

白く光る剣を生み出し、私は多くの獣人に捨て身で突っ込んで切り倒す。

〈ゼ〉「無茶な戦法をとりますねぇ」

〈G〉「余裕綽々の顔してもてあそんでいるあんたよりはマシだと思うがな」

〈ゼ〉「では、さっさと終わらせましょう。暴爆呪!(ブラスト・ボム)」

〈G〉「守盾界!(カバー・シールド)」

彼のブラスト・ボムを包み込む。

〈G〉「あんた皆殺しにする気かっ!?」

〈ゼ〉「はい、そのつもりです」

あ、あ、あ、あ…こいつも危ない奴だったのか。

〈G〉「本当に、類は友を呼ぶで組んでいたのか」

私が組まなかったらどういう被害が出ることやら。

〈レ〉「終わりましたね」

切り倒されて倒されている獣人の山。というより、生きているのって結界の中のみ。

〈ロ〉「おい。この中の奴を出せ」

〈G〉「無益な殺しはやめようねぇ」

私はそのまま進む。


 黒竜の住処に着いたのはそれから五日後。

お姫様と黒髪の男が楽しそうにお茶会を開いていた。

何でだあああああっ!

まあ、何故黒竜に獣人の群れが仲間がいたのかも分からないのだが。

「見つけたぞ、黒竜!」

後ろからの声に私たちは振り向く。って、えええええっ!?

〈W〉「お前はこのウィリアム=ウインドと!」

〈S〉「スピカ=ウインド!」

〈A〉「エリーズ=ウォードが成敗する!」

何でこうもややこしくなるのだろうか?

〈W〉「とうりゃああああっ!」

〈A〉「混沌の矢!」

〈G〉「ぎゃああああああっ!」

黒い矢が飛び散る。

当たった床や天井、岩が貫かれる。

とにかく!あの二人を救出しなければ!

〈G〉「おい、黒竜!早く着いて来い!」

〈黒〉「はい!」

姫を抱きかかえ、黒竜に後について来るよう言って私たちは逃げ出す。そのうちの一本が足をかするが気にしている暇はない。

〈G〉「逃げるぞ!」

〈ロ〉「何故だ?」

〈G〉「岩を貫通するような魔法で貫かれたいのか!?」

〈レ〉「斬ればいいのよ」

〈G〉「ああ、もうっ!」

この兄妹どうしようもないな。

〈S〉「治癒!(リカバリィ)」

足に激痛が走る。

〈G〉「守盾界!(カバー・シールド)翔封界!(レイ・ウィング)」

全員を覆い、レイ・ウィングで脱出する。

〈G〉「脱出!」

〈T〉「おつかれー」

何と、黒竜のねぐらから500m程はなれた場所にティアーがいた。

〈T〉「いやぁ、見てたよー。黒い矢が次々と飛んでいくの」

止めろよ。お前は。

〈G〉「治癒(リカバリィ)」

怪我が徐々に塞がっていく。

〈T〉「あー、ごめんなー。まさか、ガードもいるとは思わなかった」

〈ゼ〉「あのー、どちら様で?」

〈T〉「あ、俺はティアー=ウインド。ガードの従兄。よろしく!」

〈ゼ〉「ウインド!?まさか、邪悪な白魔道士の!?」

〈T〉「うん、そう」

〈G〉「ちょっと待てええええっ!」

〈T〉「何」

〈G〉「その、邪悪な白魔道士って」

〈T〉「的を射てるだろ?」

〈ゼ〉「白魔法でも邪法を使いますからね。それでついた異名です」

〈G〉「へぇ…」

〈ロ〉「よし、行くぞ」

どこに?

〈レ〉「そうね。相手はあの魔剣士エリーズ=ウォード。今がチャンス!」

〈G〉「お願いやめて!それだけはっ!」

こ、このまま城まで逃げよう。


城に着いた時には疲労が表に出て千鳥足になっていた。

そーいや、ティアーを忘れてきたな。しかし、戻る体力なんてもうないから諦める。

で、姫と一緒に城に入る。


 城の中で食事を一緒にとらせて貰う事になり、私は普段着に着替えて向かう。

〈姫〉「お待ちしておりました」

改めてよく見ると、金髪碧眼の、目のパッチリとした女性。しかし…鼻から下が何と言うか…そう、ミルとガーヴさんを足した女性のような感じだった。

〈姫〉「セイルーンの王族の方々も来ておられますのよ」

〈G〉「姫!私急用ができましたので、帰らせて頂きます!」

私は城を飛び出した。


―登場人物―

   ガード=ワード
L様の命により、面白いことに首をつっこむことになった。

   ゼロス
謎の神官。

   ロッド
かなり危ない剣士。レミーの兄。

   レミー
結構危ない女剣士。ロッドの妹。

   ウィリアム=ウインド
父の兄。

   スピカ=ウインド
ウィリアムの妻。エリーズの従姉。異名「邪悪な白魔道士」 

   エリーズ=ウォード
ガードの母。魔剣士として一時有名だった。

   黒竜
姫に惚れてさらったとか。(後日談)

   姫
金髪に目のパッチリとした女性。

   ティアー=ウインド
従兄。

―オリジナル―

  崩霊剣   ラ・ティルト・ソード
ラ・ティルトを持続かさせて作った長剣。

  混沌の矢
L様の力を作った矢。

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3332219.運命の赤い糸ガード・ワード 2007/8/12 14:02:52
記事番号33318へのコメント

19.運命の赤い糸

 妙な依頼が来たのは宿屋の一室での事だった。

「少し、お話よろしいですか?」

入ってきたのはその宿屋の娘さん。名はレイチェルだったはず。

〈G〉「何か御用で?」

〈レ〉「はい。実は、好きな人がいるんです」

思わず眉をひそめる。恋愛事情に全く関係のない私にどうせぇと?

・・・女性にナンパされたことあるけど。

〈G〉「えーっと、何故私に?」

〈レ〉「その人も魔道士で…それに!あなたのガードと言う名前が運命の赤い糸を守ってくれる守護天使に思えたんです!」

〈G〉「そんなことかああああっ!」

守護天使…Guardian Angel。一人一人を守り、導く天使のことである。

でも…運命の赤い糸も導くのか?守護天使って。

〈レ〉「ファミリー・ネームだって、守衛って言う意味じゃないですかっ!」

〈G〉「いやいやいや、名前とか関係な

〈レ〉「そんな貴方が魔道士…!ああっ!私と彼を恋へと導く、幸せの青い鳥に違いないわっ!」

〈G〉「待って。幸せの青い鳥ってまた変わっ

〈レ〉「ああ、マーカス…私と貴方との恋はもうすぐ始まるのよっ!」

お願いだから話を聞いてっ!

〈レ〉「とにかくっ!早速この街の魔道士協会へ行ってください!」

〈G〉「完成したらね」

完成するまでの間に彼女がこの事を忘れてくれるといいのだが…。


 完成した魔道剣を手に、私は自分の髪で試し切りをする。

前髪が普通のハサミで切れなくて伸びてたからね。

結果、難なくスパッと斬ることができた。

設計図を持って、いざ、魔道士協会へ!

〈レ〉「やっと向かわれるのですね!」

ずるぅ  ガダガダガダガダガダンッ

痛い…

私は階段をずり落ちた。

〈レ〉「まあ、大丈夫ですか?」

〈G〉「怪我はありませんよ。痛いけど」

元々些細なことで…否、滅多な事…違うな。命の危険のある事でしか怪我をすることはない。

〈レ〉「では、早速行きましょう!」

ああ、やっぱりこうなるのか…

やはり、彼女は忘れていなかった。

〈G〉「じゃ、案内よろしくお願いします」

〈レ〉「はーい!」


 魔道士協会に着いた。

〈G〉「じゃ、案内ご苦労様です」

〈レ〉「では、行きましょうか」

〈G〉「いえいえ。ここで帰ってもらったほうが中で色々できます。このままお帰り下さい」

〈レ〉「そうですかぁ。じゃ、そうさせていただきます」

〈G〉「お気をつけて」

私はニッコリ笑って彼女を体よく追い払った。

さてさて、交渉に行きましょうか。

「少しお話をしてもよろしいでしょうか」

私が一歩中へ入った途端、決意の色をこめた目で見据えてくる男性に声をかけられた。

〈G〉「何か?」

「先程の彼女との関係は?」

〈G〉「はあ?何でそんな事を尋ねられにゃならん」

「彼女のことが好きだからです!」

ほー、はっきりと言ったな。しかし…良いのか?こんな所で。

そう、彼は今の心情に圧迫されて場所を選ばず言っているのだろうが…ここは魔道士協会の玄関だ。

そこで、先程の彼の台詞を大声を張り上げて言ったら…全員に筒抜け。悪くて外にも筒抜け。

彼だけではなく、私まで注目の的となってしまう。

〈G〉「とりあえず、落ち着

「どうなんですかっ!?さっさと言ってくださいっ!」

ああ、この人も何を言っても無駄の部類か。

〈G〉「宿を取った先の娘さんだ」

「ということは、彼女と一つ屋根の下にっ!?許せないっ!」

〈G〉「ちょっと待て。何でそんな考えにな

「彼女を賭けて勝負ですっ!さあ、行きますよ」

〈G〉「行ってらっしゃい」

「行ってきます!」

彼は外に出て行った。


 商談が終わって、書庫に向かうと、そこには先程の彼がいた。

「何で来ないのですか」

〈G〉「行ってらっしゃいと見送っただろう」

「!!!か、彼女のことを本当に愛してるんですかっ!?」

〈G〉「愛しとるわけなかろうが」

「何ですって!?はっ、まさか、彼女を金づるに…!」

〈G〉「するわけないだろ…」

ああ、もうどうでもよくなってきた。

〈G〉「それにっ!勝負は彼女の悩みを解消させ、彼女の愛を勝ち取るものが真の勝者だ!違うかねっ!?」

彼は正しく驚愕!という顔をした。

「彼女の愛を…勝ち取ったものが勝者…」

〈G〉「その通り。私と貴方が勝敗を決めていい出来事ではない。彼女が決めることだ」

「ではっ!早速!」

彼はレイチェルの許へとかけて行った。

私は彼の背中を見送り、戻ってこないのを確認して書庫へと入った。


 宿に着き、明日には出立すると宿のご主人に言った。

「そうかぁ、娘が迷惑かけたし、今日はサービスだ。受け取りな」

ご主人からデザートのプリンを受け取る。

〈G〉「ありがとうございます」

「朝早くに出てけよ。さもないと、また来るからな…」

思わず暗く遠い目をするご主人。何だ。一体何があった。

〈G〉「そーですかぁ。じゃあ、早朝に出て行きます」

「ああ、そのほうがいい」


 東の空が白々と光りだした頃、私はそっと階段を降り、朝食を摂る。

〈レ〉「ガードさん。おはようございます」

〈G〉「あー…おはようございます」

〈レ〉「紹介します。この方がマーカスです」

〈マ〉「どうもっ!まさか貴方がレイチェルの依頼した人とは思いませんでしたよ。どうもありがとうございました。僕らはやっと、やっと!」

〈レ〉「恋人になれたんです!」

〈マ〉「レイチェルぅうううううっ!」

〈レ〉「マーカスぅうううううっ!」

ガシッと抱き合う二人の話をBGMに、私は防音魔法をかけて食事を再開した。


〜後日談〜

 リナとナーガが気落ちして語らっているのを発見した。

〈G〉「どうした?何だか元気がないようだが」

〈リ〉「実はね…」

リナが語りだした。

何と、レイチェルとマーカスのバカップル騒動に巻き込まれ、キューピッド1号、2号に任命された挙句、運命の糸きり協会…だったかな?の二人と対決し、その二人までバカップルになったという。

それにしても、そんなバカップルになっているとは…

初日でもそんな前兆見せてたけども。

心の中で、リナとナーガ、町中の皆さんに謝罪した。


―登場人物―

   ガード=ワード
L様の命により、面白いことに首をつっこむことになった。

   レイチェル
宿屋の娘。今回の依頼者。

   マーカス
魔道士。

   ご主人
宿屋のご主人。レイチェルの親。

   ナーガ
「白蛇のナーガ」怪しい格好をした女魔道士。

   リナ=インバース
「ドラまた」「盗賊殺し」などなど、様々な異名を持つ。

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3332820.たとえば火の中、氷の中星野流 2007/8/21 23:33:34
記事番号33318へのコメント

作中のガード=ワードとごちゃごちゃになるので、名前を変えさせていただきました。
分かり難いかもしれませんが、以後よろしくお願いいたします。

読み方はホシノ ナガレです。


20.たとえば火の中、氷の中

 ズボテッ

〈G〉「あいたっ!」

何なんだ…?

って!

〈G〉「うわああああっ!消化弾!(エクスト・ボール)」

何と、轟々と燃える炎の只中にいた。何故気付かなかった私!

うーん。感覚が鈍っているなぁ。

鎮火したあと、そこらの木の下で眠った。


 翌日、私は公道を歩いていた。すると、その時。

「氷結弾!(フリーズ・ブリット)」

〈G〉「風よ!翔封界!(レイ・ウィング)」

よしっ!成功!

「氷の矢!(フリーズ・アロー)」

数十本の氷の矢が飛んでくる。でも、風の結界によって防がれることを知らないのだろうか?

しかし、そんな私の常識を覆すできごとが起こった。

カキキンッ

〈G〉「嘘っ!」

何と、その氷の矢は風の結界に張り付いたのだ。

冷気が中まで浸透してくる。やはり、空気は風の結界をすり抜けるようだ。

しかも、張り付いた氷は侵食してくるらしく、範囲を広げ、中まで入り込んできている。

侵食早いなっ!

さて、どうするか。

〈G〉「炎よ!炎の矢!(フレア・アロー)」

炎の矢を使ったことによって少しコントロールを失うが、すぐに軌道を修正させて対応する。

どこにいるか分からない敵から、私は最高速度で逃げ出した。


 少し大きな街が見え、飯屋に行くと、リナとナーガが二人仲良く?料理争奪戦をしていた。

〈G〉「や、元気そうだな。二人とも」

リナとナーガはこちらをチラリと見て、片手を挙げ、争奪戦に舞い戻る。

ほんっとうに、よく食べるな。

私がカウンターでシチューを頼み、食べ終わり、食後にりんごジュースを2度目のおかわりしてようやっと、彼女たちは食べ終わった。

再度思うけど、ほんっとうに、よく食べるな。

〈リ〉「久しぶりね、ガード。二月は会ってないんじゃない?」

〈G〉「そうだね。ん?」

私はある点に気がつく。

〈G〉「へぇ。背が伸びたね。成長期かい?」

〈リ〉「本当!?」

〈G〉「うん。伸びた。これからは大変だぞ」

〈ナ〉「ああ、服がきつくて入らなかったりね」

彼女はいつごろからこの服を着ているのだろうか?

〈G〉「そうそう。私は15から伸び始めてね。今でもまだ伸びててもう6着目」

〈ナ〉「着たきりスズメが!?」

着たきりスズメって…

〈G〉「その言葉、ナーガにだけは言われたくない」

〈リ〉「たしかに」

〈G〉「とにかく!伸び盛りは本当に伸びるんだ!私だって30cmは伸びた!」

〈リ〉「早!」

〈ナ〉「伸びすぎ!」

〈G〉「気にしてるんだ放っといて!」

〈リ〉「しかも、まだ伸びてって」

〈ナ〉「あたしも超すんじゃない?」

〈G〉「放っといてって言っているじゃないかぁ。リナ、お前も気持ち、分かるだろう?」

〈リ〉「よく分かるわ!ガード!」

私たち二人はガシッと手を握り合う。

〈ナ〉「そういえば、ガード。少し髪の毛コゲてるけどどうしたの?」

〈G〉「昨日火事にあってね。それでだ」

〈リ〉「消化活動手伝ってたんだ」

〈G〉「まあ、炎の中に一人だけしかいなかったら、消化するしか…」

〈リ〉「中か!」

〈G〉「そうだ!思い出した。昼前には魔道士に襲われたんだが、凄いんだ!」

〈ナ〉「何が?」

言いつつ、ナーガはケーキを注文する。(もう3時ごろ)

〈リ〉「あ、あたしも」

〈G〉「私はチーズケーキと…それから、紅茶を三つ」

「かしこまりました〜」

〈G〉「で、話を戻すけど…何と、その魔道士の放つ氷の矢!風の結界に張り付いて浸食してくる」

〈ナ&リ〉「えええええっ!?」

〈リ〉「ちょっと!それ、本当なの?」

〈G〉「勿論だよ!ほら吹きはせん」

〈ナ〉「だとすると、相当な使い手ね」

〈リ〉「でしょうね…」

二人はコックリと頷いてポンッと私の肩を叩く。

〈リ〉「頑張ってね」

〈ナ〉「また会いましょうね」

〈G〉「見捨てるんだね…?」

まあ、一人の方が怪我する確立がなくていいのだろうけど…

こういう言い方されると何だか無性に腹が立ってくる。

〈G〉「別にいいけどさ〜」

〈リ〉「何も、別に一緒に戦わないって言っているわけじゃないわよ」

〈G〉「え?」

〈ナ〉「そこはそれ。要するに、私たちに依頼すればいいのよ。最も!」

彼女はガバッと立って、ふんぞりかえる。

〈ナ〉「この、白蛇のナーガがいれば、リナ=インバースなんかいなくてもけちょんけちょんに倒してあげるわ!おーっほっほっほっほっほ!」

〈リ〉「ま、馬鹿笑いしている奴は放っといて」

〈G〉「そうだな」

〈ナ〉「お願い。放っておかないで」

〈リ〉「で、依頼は?」

〈G〉「是非、お願いしよう。報酬は…」

彼女たちは目を見開いた。


 私は一人、街を出て公道を歩く。リナとナーガは公道から少し離れた所を歩いているはずだ。

三人で歩いていては現れないかもしれないということで、一人だけで公道を歩いている。つまり、囮だ。

依頼人が囮というのも変かもしれない。

「氷結弾!(フリーズ・ブリット)」

〈G〉「炎よ!火炎球!(ファイアー・ボール)」

私はリナとナーガに聞いたとおり、フリーズ・ブリットの方へファイアー・ボールを放つ。

呪文詠唱をちゃんと行っていないので威力は最小だが、三流魔道士よりは威力はデカイとは思っている。フリーズ・ブリットとファイアー・ボールはぶつかり、はじけとんだ。

ドガアアアアアアアアアアアッ

盛大な音が鳴り響き、森中の獣がざわめき、鳥たちがいっせいに飛び立った。次いで、大空にドラグ・スレイブの赤光が放たれる。

それは、奇襲に成功したのだということを告げていた。


 私はそちらに移動し、二人と合流する。

そこには、無傷の二人と、焦げたり凍ったりしている壮年の魔道士が一人倒れていた。

〈G〉「ありがとう。はい、約束の報酬」

〈リ〉「ラッキー!」

〈ナ〉「この白蛇のナーガにとってはお安い御用よ。おーっほっほっほっほっほっほほほ!」

ナーガの高笑いで男は目覚め、私を睨んだ。

「この、野郎!」

野郎?

〈G〉「へぇ。こんな状況でそんな口を利くんだ?」

「へんっ!昔よりはちったあ上達したようだがな!性格は歪んだようだね」

〈G〉「性格が、歪んだ?」

「女、しかも一人はまだ子供に護衛を依頼するなんてな。同じ男として情けねえ」

〈G〉「盾よ…」

「ああ?」

〈G〉「魔盾!(マジック・シールド)アタぁぁぁぁック!」

ガッツーン

私は魔力で作った盾を男の頭上に張り、振り下ろした。

   ※良い子の皆さんは防御魔法をこのように攻撃魔法として使わないようにしましょうね。

脳震盪でフラフラしている男の胸倉掴んで締め上げる。

〈G〉「私が男だって?」

「違うって言う!…の…か?あ?」

男は私の顔を見て呆然とする。

「おめぇ、エドワードじゃねえのか?」

〈G〉「私はガードだ」

「あああああああっ!人違いだ!」

〈G〉「うん、でも、まあ。人違いでも襲われたのは襲われたのだから…」

「すまない!本当にすまない!お願いだから、許してくれ!そ、そいつにあんたが本当に似てたから!」

〈G〉「そう…でもね、それで世間様が許すと思う?」

「…思わない」

エルメキア・ランスが男に突き刺さった。


 男を役人に突き出したところ、男は片思いの女性を取られたことが動機だったそうな。

〈リ〉「そんな前の話、されてもねぇ」

〈G〉「察するに、生まれる前だしな」

〈ナ〉「そうなの?」

〈G〉「エドワードってのは私の父親の名前でな」

〈リ〉「ああ、それで間違えたのね」

〈G〉「目が違うから分かったんだろう。きっと。父はもっと穏やかで…こう…怯えを含んでいた」

〈ナ&リ〉「うわぁ」

〈G〉「まあ、自分の周り全員が暴走傾向だったから仕方ないだろうな」

〈リ〉「加勢しなかったんだ?」

〈G〉「私は元々暴走傾向が強かったからね。加勢も何も、問題を起こす側さ」

私の言葉に二人は返答を返さず、目を泳がして夕食でも食べに行こうかと言った。


―登場人物―

   ガード=ワード
L様の命により、面白いことに首をつっこむことになった。

   リナ=インバース
「ドラまた」「盗賊殺し」などなど、様々な異名を持つ。

   ナーガ
「白蛇のナーガ」怪しい格好をした女魔道士。

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3333221.一夜限りの死闘星野流 2007/8/24 00:35:34
記事番号33318へのコメント

21.一夜限りの死闘

 ある夜、私は首に勢いよく当たった何かに目を覚ました。

〈G〉「ふっ!」

飛び起き、跳ね除け、臨戦状態に入る。


 セントクロース・タウンにある一軒宿、そこに私は泊まっていた。

客は私一人しかおらず、宿屋も村の経営ということでただそこにあるというぐらいだ。

無論、設備なんて机と椅子とベッドがあるのみ。部屋の広さは畳四畳分という狭さ。雨戸だってしまらなかった。

そんな宿でアサッシン姿の人物と対峙するとは思っても見なかったので、私は普通のパジャマ姿。荷物一式、全てあちらさんの背中側。

武器を取るにも取れない状態。さて、どうするか。

考えるまでもなく、肉弾戦になる。

最も、出してある武器も長剣なので抜けば天井や壁に引っかかって戦えない。

くそぅ、短剣にしとけばよかった。

後悔してももう遅い。私は前に立つ敵を見据えた。

敵は動かない。こちらの出方を待っているのか?

〈G〉「何者だ?」

「怪しい者だ」

そうだな。

〈G〉「名前…は言えないか。行動名は?」

「暗殺者コウマだ」

〈G〉「は?仔馬?」

〈コ〉「馬ではない!」

あ、もしかして気にしてた?

〈G〉「そうか…」

〈コ〉「いざ!」

振るうダガーをかわし、右足を踏み込んで左足で回し蹴りを叩き込む。

避けられることを見込んで側頭部に平手突き、右に一転して回し蹴りを右左。

〈コ〉「何の!」

コウマは平手突きは避けられなかったものの、蹴りは左に反転して避ける。

避け際に振るう左手から長い針が五本飛んでくるが私の肌を通さない。

良く考えれば便利だ。今更ながらにこの体で良かったとL様に感謝する。

ビシィッ

〈G〉「うわっ」

私の全身に電撃が走る。モノ・ヴォルトを予めかけておいたのだろうか。

しびれる体を無理して動かし、目を閉じる。

〈G〉「光よ。明り!(ライティング)」

呪文詠唱を省略して放つライティングは果たして有効だったのかどうか。

そっと目を開ける。そこにいたのは堂々と立つ男の姿があった。

やはり、ダメか。目くらましに使えるって聞いたんだけど。

あっ!しまった。持続時間をゼロにして光度を最大にしなければならないのを忘れてた。

しかし、物は考えよう。事は思いよう。

明るくなって戦いやすくなったじゃないか!ということにしておく。

そして、コウマが呟いた。

〈コ〉「女…?」

〈G〉「依頼人に聞いてないのか?」

〈コ〉「いや…確か男の名前だったが…」

〈G〉「・・・ガードって言うのは女性名なのだが?」

依頼人も理解していなかったのか?

〈コ〉「お前、ウィリアム=ウインドではないのか?」

私はここで、貧血といぅか、立ちくらみといぅか、何といぅか…そう、くらっとした。

〈G〉「それ、伯父の名前…」

〈コ〉「あああああああああああああああああああ!」

草木も眠る丑満つ時、暗殺者の叫びが町中に轟いた。

私って人違いで狙われること多くないか?

しかも、今回こんな体じゃなかったら絶対に死んでた。

再度、L様に感謝する。

よし、今度有名な名産品のある村に行って土産を買おう。


 あの後、一切暗殺者とは遭遇することもなく安穏と続いていく毎日。

同い年には波乱を求める子が多いらしいが、平穏無事とは良いことだと幸せを噛み締める。

ちなみに、暗殺者コウマはあの夜から一週間後、何者かによって見せしめに会い、今では大人しく服役しているとか。

恐らく、伯父に返り討ちにあったのだろう。

もしかしたら、私があの時黙って見送らなかった方が彼にとってよかったのかもしれない。


―登場人物―

   ガード=ワード
L様の命により、面白いことに首をつっこむことになった。

   コウマ
暗殺者。伯父の命を狙っていたが、間違いによってガードを襲った。
只今服役中。





管理人様へお礼を申し上げます。
 削除してもらい、ありがとうございました。

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3334322.盗人星野流 2007/9/1 14:06:46
記事番号33318へのコメント

22.盗人

 私はディルス王国に続く公道を歩いていた。前の方で盗賊と戦う旅人たちの姿がある。手助けは無用とのんびりと歩く。しかし、手助けはいらないが、巻き込まれたのだ。

「竜破斬!(ドラグ・スレイブ)」

「どひゃあああああっ!」

わっと盗賊が地に伏せる。

〈G〉「うおっ」

こちらに向かってきたので脇に避ける。

どごあああああっ

私からさらに後方の地面に命中したドラグ・スレイブは大きなクレーターを生み出した。

普通、ただの盗賊にドラグ・スレイブなんか使うか!?

「おーい。大丈夫か〜?」

〈G〉「ただの盗賊にドラ・スレなんか使うなああああっ!」

〈T〉「あっれぇ?なんだ。ガードじゃないか」

〈G〉「ティアー!?」

何と、あの旅人たちの一人がティアーだった。後方を見ると、もう一人、金髪の…

〈G〉「母さん?」

〈T〉「や、違う違う。これでも男だから」

〈G〉「ああ、すまない。母に似ていたものだから」

〈T〉「それもそのはず。こいつの父さんエリーズさんのお兄さん」

〈G〉「ああ、なるほど」

「君がガード?女の子だって聞いたけど?」

〈T〉「これでも女だから」

「そうなの。ごめん」

〈G〉「いい、慣れた」

〈T〉「慣れるなよっ!」

「ふふふ。慣れれば面白いんだよ?これでも」

〈G&T〉「どんなだよ」

「男共が女だと思ってナンパをしてきて、奢ってもらって、私が男だと知ったときの反応がもう!面白いったら、ありゃしない!」

私は半歩後ずさる。

〈T〉「そんなことを面白がるな!変質者あああああっ!」

ばきっ

ティアーは従兄弟にアッパーをしかけた。

「まあ、それはちょっと置いといて」

置いとくのか?

〈T〉「弁解しろよ。ガードが怯えてるぞ」

「僕はケイロン=ワード。よろしく」

ティアーの言葉を無視して変質者は自己紹介した。

〈G〉「ガード=ワードだ」

〈C〉「ん。今度カタートのお店に行ってみるよ。サービスしてね♪」

〈G〉「いや。魔族連中が多いから来ない方がいいぞ」

来ないでね!

〈C〉「大丈夫だよ。中級魔族の一匹や二匹。混沌を統べる存在の呪文で軽〜く」

〈G〉「使うなあああああっ!」

〈C〉「えー」

〈G〉「あの方の呪文を使うって…よくもそんな、恐ろしいことを!」

【恐ろしいって何よ】

びくっと私は身を強張り、次いで辺りを見回す。

い、いま、L様のお声が!

大きく深呼吸してケイロンを見据える。

〈G〉「とにかく。あの方の呪文はなるべく使用しない方が全世界の全存在にとってありがたいことなんだ。あっけなく世界が滅びるぞ」

〈C〉「アハ。魔族さん、大喜び」

〈G〉「喜ぶわけがあるか。自分たちが過去苦労して滅ぼそうとやっきになっていた事を人間の呪文一発で終わらされたら、苦労が水の泡じゃないか」

〈T〉「俺としては両方にツッコミをいれたい所なんだが…まあ、ガード。さっきまでの話は軽く流して」

〈G〉「流すのか!?」

〈T〉「ケイロン」

〈C〉「ああ、はいはい。じゃ、聞いて」

そして、彼は話し始めた。


 話によると、ケイロンはディルス王国の宮廷魔道士をしていたらしく、あのシャザード=ルガンディが作ったとされる影の鏡の設計図を手に入れたそうだ。
どうやってだとツッコミをいれたいが、私も他人の事を言えない。

国王の前で実演するのに自分を映し出したらしく、自分の影に宮廷魔道士の地位を奪われ、のんびり生活してたらお呼びがかかった。
影のほうが性格が良かった模様。

国王の命によって王宮に戻されたケイロンに語られたのは何と、影が王宮の宝物庫を荒らして逃走したということらしい。
うわぁ。かなり大事。

そして、捜索しているところをティアーと出会い、二人で討伐に向かっているそうだ。

〈G〉「軍隊は派遣してくれなかったのか?」

〈C〉「あの存在の呪文をいくつも作ったからね。ドラ・スレも使えることだし、少人数の方がかえって都合がいいんだ」

納得。

〈T〉「そういうこと。お前も討伐に参加してくれないか?」

〈G〉「当たり前だ。ケイロンもそうだが、そんな危ない者を野放しにしとくわけにはいかない」

〈T〉「じゃ、行くか」

〈G〉「ああ。そうしよう」

〈C〉「何処に行くの?」

〈G〉「手がかりがないのなら、わき道にそれて道なき道を行く。そのほうが見つかりやすいものなんだ。意外とな」

ケイロンは首を傾げながらも頷いた。


 ガサガサと草薮を掻き分け掻き分け行くと、広大な草原に辿り着いた。

〈C〉「本当にいたよ」

そう、彼が言うとおり、彼と同じ容姿の者が歩いている。

〈T〉「ケイロン=ワード!」

振り向く人影。良かった。母さんじゃなくて。

〈C〉「宝物庫から宝を盗んだ罪によって成敗いたす!」

走り去る彼らが私に向かって言った。

〈C〉「負けるはずないけど、私たちが負けるまで手を出さないでね!」

〈T〉「もし残ってたら、骨を拾っといてくれ!」

剣を抜いて駆けるティアー、呪文を使って援護するケイロン。

一人に対して二人が行った後、私はじっと戦いの光景を見ているより他はない。

念のために防御呪文はいつでも繰り出せるように唱えておいたが。

暇だ。

岩に座って高みの見物をする。勝つと分かっている戦いをしているのだから、あまり興味がないし。


 あれから三時間後。まだ彼らは戦っている。見物しているのも飽きたので止められたけど割ってはいることにした。

〈G〉「翔封界!(レイ・ウィング)」

私はレイ・ウィングで影に突進する。ひらりと身をかわす影をティアーの剣が切り裂いた。

私はと言うと、地面と激突しそうなので、結界を円錐状にして回転させる。

ガリガリガリガリ

ドリルのように穴を空けて地を進み、離れたところから地上へと出て降り立つ。

〈G〉「勝敗は!?」

〈T〉「俺たちの勝ちだ。行こう、ガード」

ティアーは私の肩を押して進ませる。

〈G〉「ケイロンは?」

〈T〉「ケイロンは影と話をしている。大丈夫だ。怪我したのは影だけ」

〈G〉「影の手当てを」

〈T〉「いいんだ」

〈G〉「でも…」

〈T〉「いいんだ」

まあ。後でもいいくらいの怪我なのだろうと了承する。

どおおおおん

大きな爆発音が響く。何?

そして、熱風が吹いてきた。ケイロン!?

振り向こうにもティアーに固定されているので首しか振り向けない。

振り向いても見えるのはティアーの腕だけだ。

〈G〉「ティアー。一体どうなって?」

彼はその問いに答えなかった。


 ケイロンが戻ってきたのはそれから三十分後のことだった。

〈G〉「ケイロン!良かった。無事だったか」

〈C〉「当たり前じゃないか。何でそんなことを思うんだい?」

〈G〉「爆発音と熱風が吹いたら心配するに決まっているだろ。ところで、影は?」

〈C〉「火葬した」

〈G〉「そうか。火葬・・・・・・!?」

いや、火葬って。

〈G〉「さっきの爆発音…」

〈T〉「ケイロンが影を燃やす音だ」

それで…肩を掴んでいたのか。

〈C〉「んー。まあ、一応女の子だし。ガードに見せるのは酷かなぁって」

〈G〉「一応とは何だ。一応って」

〈T〉「自分の容姿を考えろ」

そう言われて口をつぐむ。

くそぅ。反論ができない。

彼らを睨むだけに留めておいた。


   〜余談〜
〈G〉「そういえば、ケイロンは何故あの方のことを知ったんだ?」

〈C〉「あの方?ロード・オブ・ナイトメアのこと?」

〈G〉「うん、そう」

〈C〉「代々うちではあの存在のことを語り継いでいるんだ。私にとってあの伝説は子守唄だったんだ」

子守唄にするなよ!


         ―登場人物―   (特別バージョン)

   L様
ロード・オブ・ナイトメア。全ての王と渾名される創造者。通称・L様。
長くてサラサラな金髪美女。あらゆることでNo.1!

   ガード=ワード
L様の命により、面白いことに首をつっこむことになった。

   ティアー=ウインド
父方の従兄。

   ケイロン=ワード
母方の従兄。彼によく似た妹もいるそうだ。宮廷魔道士に復帰。

   ケイロン=ワード(影)
元・宮廷魔道士。宝物庫から宝を盗んだ。

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3336523.魍魎パラダイス星野流 2007/9/14 16:58:56
記事番号33318へのコメント

23.魍魎パラダイス

 私たちが小川のほとりを歩いていたら、しゃりしゃりと音がしてきた。

〈リ〉「何の音かしら」

〈G〉「さあ…」

「小豆洗おか、人喰おか」

・・・・・・

〈G〉「小豆あらい!?」

〈リ〉「え、何それ」

〈G〉「小豆を洗っている人食い鬼だ」

〈リ〉「よく知ってるわね」

〈G〉「ま、迂回すれば済むことだ」

迂回したら迂回したで、木の葉天狗が空を舞っていた。

〈G〉「中々マイナーな」

〈リ〉「何なのよ、ここ」

「ケケケ、にんげんどーも、みぃーつけた」

考えさせてもらう暇さえないのか・・・

私は草の根もとの方から顔を覗かせている一つ目の小鬼達を見てがっくりと肩を落とした。

〈リ〉「と…とりあえず、戦うわよ!」

〈G〉「どれと?」

そのまま口を閉ざすリナ。

私は倒れた木に腰掛けて周囲をぐるりと見回す。

野を舞う鳥はペリュトン、駆ける獣はバイコーン、遠くから聞こえてくるのは以津真天(いつまで)の声だ。

〈G〉「本当に…不吉な」

〈リ〉「来る奴来る奴やっつけてやる」


雪が降り出してきて、さっさと森を抜けようと歩き出した私たち。

寒がるリナにカバンから『炎の衣』を取り出して渡す。

向こうから声が聞こえてくる。

「ほーっほっほっほっほっほほ!」

「ほーっほっほっほほほほほほほほほ」

〈リ〉「ナーガ!?」

〈G〉「ついに妖怪になったか」

〈リ〉「ついにって、元々妖怪じゃなかったっけ?」

〈ナ〉「お願い!勝手に妖怪にしないで!」

「ほーっほっほっほ!」

尚も笑い続ける女性は白い髪に白い肌。どっからどう見ても雪女だ。

その証拠に、彼女を中心として雪が舞っている。

〈G〉「ナーガ!そいつ、正真証明の雪女だからさっさと離れろ。風引くぞ!」

〈ナ〉「決着がついてからね。ほーっほっほほほほほほほほほ」

「ほーっほほほほほほほほほほほ」

〈ナ〉「ほっほほほほほっほほほほほほっほっほっほほほほ」

「ほほほほほほほほほほほほほほ」

〈ナ〉「ほっほほほほほほほほっほーっほっほっほ」

〈リ〉「やっかましいっ!火炎球!(ファイアー・ボール)」

リナのファイアー・ボールで二人は吹き飛んだ。

「ほーっほっほっほっほ」

笑いながら…

〈G〉「さあ、さっさと行こう」

〈リ〉「そ、そうね」

ずーる、ずーると這いずる音が聞こえてくる。

ふとそちらを見ると、そこには巨大ナメクジがいた。

〈リ〉「いやああああああっ!」

脱兎のごとく逃げ出したリナを私は呆然と見るより仕方がなかった。

塩ふって追い払った後、一人で森を抜けようと散策する。


 岩に尻尾を挟まれた狐がいた。

何だこいつは。孫悟空のまねか?

「ぼうっと呆けてないでどけてよぅ」

〈G〉「あー、はいはい。ふんぬっ!」

ごがっ

「うっわ、普通蹴ってどかすか?」

〈G〉「もう一度乗せてやろうか?」

「あーん!ごめんなさいよぅ。やめてよぉ」

〈G〉「もうへますんなよ。・・・ってしゃべってるうううっ!」

「やー、お姉ちゃん気付くの遅すぎ。急かした時に気付きなよ」

〈G〉「そうだな」

歩き出すと狐も歩き出す。

〈G〉「何故ついて来るんだ?」

「いくとこないもんっ!」

ないもんって・・・。

〈G〉「相当年とってるくせにそういう言葉遣いは…」

「お姉ちゃん。年の話は禁句だよ」

そうなのか?

〈G〉「そうだ。ここから出るにはどこを行けば早い?」

「え。出ようとしてたの?逆方向だよ!」

〈G〉「逆!?」

「そうそ!思い切り逆!ほら、ついといで」

ひらりと振り返って狐は先に立つ。

〈G〉「そういや、名前は?私はガード・ワード」

「狐」

〈G〉「・・・へぇ」

こいつ、ゼロスと同じ類か。

〈狐〉「ごめんごめん。何か冗談が言いたかった」

〈G〉「いいよ?狐で」

〈狐〉「メトロ」

〈G〉「じゃ、道案内頼むよ。メトロ」

〈M〉「はいよ」


 道中、リナとナーガに出会って皆で森を抜け出した。

勿論、色々な怪物が出てきた。ミノタウロス、スフィンクス、オーガなどなど。

本当に魍魎跋扈の森だ。

〈リ〉「いやぁ、やっとよく見るやつらがでてきたわねー」

〈G〉「そうだなぁ。こいつら相手にしているほうが気が楽だ」

〈ナ〉「じゃあ、何もできなかった分こいつらで鬱憤を」

〈ナ&リ〉「はらしましょうか!」

〈G〉「火炎域!(ファイアー・フィールド)」

ごわあああああっ

〈リ〉「んああああああっ!何してんのよガード!」

〈G〉「ん?鬱憤を晴らしてるんだよ。決まってるじゃないか」

〈リ〉「森燃やしてどうすんの!」

〈G〉「消化弾!(エクスト・ボール)これでいいか?」

〈リ〉「あたしたちの鬱憤が晴れないわよ!」

〈G〉「んー。じゃあ、私を捕まえられたものには金貨100枚を進呈!これではどうかな?」

〈リ&ナ〉「乗った!」

〈G〉「では、10秒数えて」

〈リ〉「1.2.3.4.…」

〈G〉「翔封界!(レイ・ウィング)」

勝負の行方は神のお味噌汁!


―登場人物―

   ガード=ワード
L様の命により、面白いことに首をつっこむことになった。

   リナ=インバース
「ドラまた」「盗賊殺し」などなど、様々な異名を持つ。

   ナーガ
「白蛇のナーガ」怪しい格好をした女魔道士。

  魑魅魍魎 ちみもうりょう
小豆洗い       小川で小豆を洗う人食い鬼
木の葉天狗      狼の頭をした天狗
小鬼
ペリュトン      鳥の胴体と翼、鹿の頭と足をもっている。
バイコーン      二角獣
以津真天 いつまで  いつまで、いつまでと鳴きながら腐敗死体を食べる
雪女
お化けナメクジ
天狐 あまつきつね 流れ星の化身
ミノタウロス
スフィンクス
オーガ

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3337924.白銀の武王 星野流 2007/9/19 23:53:03
記事番号33318へのコメント

24.白銀の武王

 その日、私は大声によって起こされた。

「なぁにをのんきに寝とんじゃあ、こぉの鳥頭ああああああっ!」

それに反応して動かした手は、大音響の鳩尾に深く食い込んだ。

「ぐっは」

頭が冴えてきてからベッドの傍でいまだ悶え苦しむそいつを観察する。

ふるふる震えて悶絶するそいつは、白い髪に白い侍従の服を着た背の高い男のようだった。

〈L〉「よっし!ナイス、ガード!」

〈G〉「恐れ入ります」

L様が彼の上に現れたその時点で反応する体はパジャマだ。

〈G〉「あの…着替えても宜しいでしょうか。それとも、このままのほうが?」

〈L〉「まぁ、着替えなさい」

降りる気はないのですね。


 着替えた後、L様の前に正座する。

〈L〉「さてと、今日来たのはこの頃つまらなくなってきたからよ」

〈G〉「申し訳ございません」

〈L〉「で、こいつを連れ出してきたわ」

未だに踏みつけている彼を指差す。

〈G〉「彼は一体?」

〈L〉「白銀の武王よ。名前はアタック」

その称号に行き当たり、納得する。名前があることに羨ましく思えるのは仕方がない。

〈L〉「ああ。あたしがつけたわけじゃないわよ。こいつがつけたの」

〈G〉「あ、そうだったんですか?すみません」

羨ましがったのがバレて恥ずかしくなる。穴があったら入りたいくらいだ。

〈G〉「それで、彼と一緒に旅を?」

熱る体を自覚しながら尋ねる。

〈L〉「そうよ。しばらくはあたしもついて回るつもり」

〈G〉「本当ですか!」

〈L〉「ああ、そうそう。忘れてたわ」

何を?

分からずに首を少し傾げ、彼から降りるL様を見る。

〈L〉「こいつも人間にしておかないとね。面白みがないし」

ないんだ?

〈L〉「あたしはご令嬢役に徹するから、護衛よろしくね」

〈G〉「精一杯努めさせて頂きます」

しかし、ピクリとも動かない彼は大丈夫であろうか。


 翌日、朝食の席で自己紹介を交わし、旅に出る。

「へへへ、兄ちゃんよ。そちらの嬢ちゃんを渡しな」

この場合、兄ちゃん=アタック。穣ちゃん=L様と取ればいいのだろう。では、私は?

どう対応するかで悩む私をさておいて、事態は進んでいく。

〈A〉「言っとくがな。女の子と思って油断しない方がいいぞ。この方は

〈L〉「この方は?」

〈A〉「こっ、この方は最も尊いお方なのだからな!」

「前後が合ってないぞ」

盗賊に指摘されてる。この盗賊、頭が回るなぁ。

〈G〉「とにかく、渡すわけにはいかない。私たちのトドメをさしてからにしろ」

「そうかい。やってやろうじゃないか!」

言って、盗賊どもは逃げ出す。

〈A〉「やるんじゃないんかぁいっ!」

とりあえず、L様の周りに結界を張り、辺りを見回す。

「炎の矢!(フレア・アロー)」

飛んでくるフレア・アローを前に、私たちは走る。

おい、何で後ろを走る。盾に使うな、私を。

ぼひゅ

ごろごろごろ

〈G〉「おいおいおい」

「弱っ!」

運悪く矢の一本に当たったアタックはひっくり返る。

盗賊衆が弱っ!と驚きの声を上げるのも無理はない。

気絶しているアタックをL様と一緒に結界に入れる。

〈G〉「じゃあ、皆纏めて…。崩霊烈域(ラ・ティルト・フィールド)」

私を中心に半径500m。これで一掃できるだろう。

始めからそうしろとは言わないでね。


 リカバリィで治した私は今、アタックを叱り付けに精神世界に行ったL様を一人寂しく待っている。

そもそも、炎の矢一本で倒れるだろうか。

もしかすると、私とは対照的に防御力が格別に弱いのかもしれない。

または、肉体に不慣れなのかもしれない。

まあ…どちらにせよ、L様のご不評を買うことは間違いないのだが。

〈L〉「終わったわよー」

〈G〉「そうですか。では、どちらへ参りましょうか」

〈L〉「そうね。じゃあ、あっちに行きましょう」

私はリザレクションを唱えながらアタックを担いでL様の後を追う。

今度何かあったら彼に防御魔法をかけてから動こうと、固く決意した。

それにしても…

チラリと彼を見る。勿論、リザレクションは止めずに。

ボロッボロにまでなって、全く目を覚ます気配は見られない。

大丈夫なのだろうか。そして、L様のお叱りで何があったのだろうか。

〈L〉「ふふ。気にしちゃダメよ」

〈G〉「はい。分かりました」

釘を刺されたので気にしないことにする。


 町で宿にアタックを置いてL様と共に買い物に出かける。

勿論、私が荷物もちだ。いつのまにか筋力がついていたんだなぁと、自分の事だが感心する。

自分のものではない以上、カバンには入れられない。

どんどん増えて行く荷物。L様はこれだけの荷物を買ってどうするのだというのだろうか。

まあ、嗜好の違いというものなのだろうと決着をつける。

〈L〉「これもお願いね」

「彼氏さんも大変ねぇ。でも、こんな綺麗なお嬢さんを捕まえたんだから当然かしらね。ホホホホホ」

笑う店の小母さんに苦笑い。

彼氏って…

確かに、L様のような絶世の美女を恋人にできたなら、男として本望なのだろう。

だけど…私女なんです。男じゃないんです、女なんです。確かにもうそろそろ男性平均に達しますけど女なんです。

少し泣きたくなってきた。

男に間違われるようになって早8年。

結構そのことに対し、耐性はできてきた。悲しいことに。

だけど、このように言われると無性に自己嫌悪にとられる。

滅多に飲まないが、徳利一本の酒を買って、数日間酒でも飲もうかと思ってしまう。

そんなこんなで宿に戻って荷物を置くと、アタックが復活していた。

〈G〉「もう動いて大丈夫なのか?」

〈A〉「ああ。もう平気だ。迷惑かけたな」

〈G〉「そりゃあもう」

言ってからしまったと後悔する。黙り込んだ彼はこちらをしきりに気にしている。

〈G〉「・・・すまない。八つ当たりしてしまった。もう、しないようにする」

〈A〉「まあ、溜めすぎるなよ。L様が戻られるまでの辛抱だ」

〈G〉「へ?いや、L様が戻られるまでというより、一生の課題なのだが」

〈A〉「え?あの方に振り回されてじゃないのか?」

〈G〉「まさか。そんなはずがないだろう。振り回されるも何も、それが私たちの存在理由なわけだし」

〈A〉「なんだ。違うのか」

〈L〉「まだお仕置きが足りなかったようね…」

ずあっと顔が青くなるアタック。後ろを見るとL様がいらっしゃっていた。

〈G〉「何か御用ですか?」

〈L〉「そうね。ガードの悩みがあたしのせいじゃないかと勘繰っていたようだから」

〈G〉「まだ本調子ではないのですし、お仕置きは」

〈L〉「分かってるわよ。じゃあ、酒場にでも行くわよ。アタック」

〈A〉「ういっ!?」

〈G〉「えっと。私は行かなくてもよろしいのですか?」

〈L〉「酒を交わす相手にならないじゃない」

〈G〉「さ…酒くらい飲めますよぉ。かなり弱いですけど…。そ、それに!お金はどうするんですか!」

〈L〉「あんたの財布を持っていけば万事OK♪」

連れて行ってはくれないようだ。しぶしぶ、私は財布を手渡す。

〈L〉「じゃ、行ってくるわねー」

〈G〉「お気をつけて」

L様は上機嫌でお出かけになられ、連れられていくアタックの背中は妙に薄かった。

L様のお供はそうそうできないことなのだから、もっと喜んでもいいのにと思いつつ私はお猪口を持って酒をあおり、喉が焼けるのを感じて顔をしかめた。


 翌日、胃の調子が悪いことを感じ、油物を控えた食事を摂ってL様たちを待つ。

〈A〉「おはよう」

〈G〉「ああ、おはよう。昨夜は何もなかっただろうな」

〈A〉「あったら俺が無事なわけないだろ」

確かに。

〈A〉「それと、L様お帰りになったから」

〈G〉「ええええええっ!?」

まさか、たった一日でお帰りになられるとは。

〈G〉「お見送り、しなかった…」

〈A〉「酒場を出てすぐだから別にいいだろ」

〈G〉「よくはない。今度いつお目にかかることができるのか分からないのに」

〈A〉「お前、本当にマジメだな。まあ、いい加減さが少しは出てきたが」

一体、守護者はどのような性格をしていたのだろうか。

〈G〉「普段ならこんなことは感じないさ。この性格は努力で成り立っているのだから」

〈A〉「努力って…。お前どういう性格してんだ!?」

〈G〉「かなりいいかげんな性格だ。理性がきれたら、凶暴になることは確かだ」

〈A〉「じゃあ、質問を変えるが。L様に対してだけは違うのか」

〈G〉「あの方に関しては、何故だか知らないが、少しでも長く傍にいたいんだ。どのようなことでもやりとげよう、何を捨ててでも成し遂げようと思ってしまう。これが、守護者の思いなのかもしれないな」

〈A〉「わー。すっごいこというなー」

〈G〉「そうだよなぁ。何と言うか…飼い主に従うペットみたいだ」

〈A〉「言いえて妙だな」

〈G〉「ま、さっさと食べて旅立とう」


 食べ終えた私たちは、山の谷底を歩いていた。

「はあーっはっは!見つけたぜいっ!兄ちゃんよ!」

昨日の盗賊か。上を見上げる。

「昨日はよくもやってくれたな。だが、今度はそうもいかねえ!何故なら、今ここで圧迫死するからだ!なあーはっはっはっはっは!」

圧迫死?

男の横に大きな物体がひょっこりと顔を見せる。

ゴーレム…

「それいけーっ!」

号令と共に、ゴーレムはぴょんっと崖を飛び降りた。

〈G〉「うわあああああっ!」

脱兎の如く、私は駆ける。同じく前を走っていたアタックがくるりとこちらを向いてもとの場所に駆けて行った。

〈G〉「アタック?」

振り向いた私が見たのは、ゴーレムに向かって跳躍する後姿だった。

一体、何を?

〈A〉「アターック!」

彼は、ボールを叩くかのようにゴーレムをふっとばした。

あまりの事に、私は呆然と彼を見つめる。

こいつ…実は強かったのか。

あ。当たり前か。そうでなければ、L様に直接従うことはできない。

〈A〉「どうした」

〈G〉「え?」

〈A〉「じっと俺を見つめているからさ。何?もしかして、見とれてた?」

にっこりと笑う彼に、私ははあぁ…と、重い息を吐く。

〈G〉「何で、そんな考えに行き着くんだ…」

〈A〉「んー?ほら、冒険物での展開で男女が恋仲に落ちていくというのがよくあるだろ?」

〈G〉「あるけど…」

〈A〉「だから、そう思ったんだよ」

〈G〉「でも、本当に男かどうかが分からない精神体と恋仲になる気はさらさらないから」

びしぃっ

アタックは私の言葉に硬直した。次いで、体を震わせ、こちらをきっと睨みつける。

〈A〉「いいか、ガード。宣戦布告だ」

〈G〉「は?」

どういう流れでそんな突拍子もないことを。

〈A〉「俺を男として認めさせる!いいな!」

いいな!と、言われても…どう返せと?

盗賊たちを片っ端からやっつけても、言うべき言葉は全く見つからなかった。


 昼ごろ、リナとナーガに出会った。

〈リ&ナ〉「ほおーっほっほっほ!見つけたわよ、ガード=ワード!」

〈G〉「れ?」

何か何時もと違うなぁ。

〈A〉「お前はレレレのおじさんか」

何それ。

〈リ〉「一ヶ月も逃げ回ったようだけど、これでお終いよ!」

〈G〉「一ヶ月?」

一ヶ月と言うと…あっ!

〈G〉「一ヶ月も探し回ってたの!?」

〈リ&ナ〉「当然!」

胸張って言うようなことじゃないぞ。

〈G〉「じゃ、見つかったことだし、二人に金貨100枚渡すからおいで」

〈リ〉「そういうことなら…」

〈ナ〉「ふっ。ガードをめぐって争う必要はなくなったようね。リナ、ガードの懐事情に感謝しなさい!」

感謝するのは懐事情なんだ?

ナーガは私の事を何だと思っているのだろうかと少し心細く思う。

〈リ〉「あぁら。それは、こちらの台詞よ。ナーガ」

リナ。肯定するんだ…。

〈ナ〉「なんですってぇ!?」

〈リ〉「んっふっふー。やる気?」

〈ナ〉「ふふ。やってやろうじゃないの…」

〈リ&ナ〉「ふふふふふふ」

〈G〉「争うんだったら、褒賞はなしだね」

〈リ&ナ〉「ごめん。だから、100枚頂戴?」

ころりと態度を変えて手を出した二人に呆然。

〈A〉「何つぅ変わり身の早さ…」

アタックの呟きにこっくりと頷く。

〈リ〉「ところで、そっちの兄ちゃんは?まさか、また義理のお兄ちゃん?」

〈G〉「違うよ。ただの同僚だ。名前はアタック」

〈A〉「アタック=ホワイトです。よろしく。お嬢さん」

何だ。その、猫かぶり。

〈リ〉「よろしく。あたしはリナよ。リナ=インバース」

〈ナ〉「白蛇のナーガよ。ほーっほっほっほ!」

かくして、リナとナーガも道連れに引き入れて旅は続く。


         ―登場人物―   (特別バージョン)

   L様
ロード・オブ・ナイトメア。全ての王と渾名される創造者。通称・L様。
長くてサラサラな金髪美女。あらゆることでNo.1!

   ガード=ワード
L様の命により、面白いことに首をつっこむことになった。

   アタック=ホワイト
白銀の武王を称号とする神魔。L様の命により、物事をさらにかき回すことになった。

   リナ=インバース
「ドラまた」「盗賊殺し」などなど、様々な異名を持つ。

   ナーガ
「白蛇のナーガ」怪しい格好をした女魔道士。

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33381はじめまして。 翡翠 2007/9/20 01:50:49
記事番号33379へのコメント

はじめまして。翡翠といいます。
最近ここに行き着き、いろいろ小説を読んでいる内に一番のお気に入りになりました♪

さて、読んでみて一番に思ったことが、
 アタックって白銀の武王とかゆーなんか強そうな称号のくせして弱いじゃないか!!たかがとーぞくの炎の矢くらって気絶するなんて!
・・・ですよ!

ってゆーか・・
 リナ達一ヶ月も金貨100枚のため探し回っとったんかい!!!
その執念が恐ろしい・・・

続き待ってます♪

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33389Re:はじめまして。 星野流 2007/9/22 20:31:30
記事番号33381へのコメント

翡翠さん、はじめまして。流です。
私の小説が一番のお気に入りということで、ありがとうございます!

アタックは確かに弱いですね。しかし、実は攻撃力だけは強いですよ。
本当に他の面では弱いですけど。

リナとナーガの執念は凄いです。言った本人が忘れていたことを覚えていますからね。まあ、最終巻でゼロスに貸した銅貨三枚の話を持ち出すのだからこれくらいは当然ではないかと思って出させていただきました。

続き、なるべく書くようにしますので、末永くお付き合いしてくれると嬉しいです。

翡翠さん、これからもよろしくお願いいたします。

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3339025.ギャグ探訪記星野流 2007/9/23 11:18:42
記事番号33318へのコメント

25.ギャグ探訪記

 私たちは、とある街へと辿り着いた。

〈G〉「色々と見つかるといいなぁ」

〈ミ〉「そうだな。わたしの持ちギャグは少々古くなった」

〈A〉「ちょっと待て。ギャグに古いとか新しいとかあるのか!?」

〈G〉「当然だろう」

〈ミ〉「何度も使っていては受けが少ないではないか」

〈A〉「それか!?」

〈G〉「まあ、街に入ろう」

私は彼らを促した。


 昼食をとっていると、表通りで爆音が聞こえた。

〈A〉「なんだぁ?」

〈G〉「行ってみようか」

行ってみると爆音は近づいてくる。

〈A〉「誰かが暴れてるようだが…」

通りを一人脱兎の如く駆ける奴が見えた。

〈G〉「ティアー!?」

〈A〉「知り合いかいっ!」

追いかける者も見える。

〈G〉「伯父さん!?」

〈A〉「つまり、親子喧嘩に呪文を?」

〈G〉「白熱してるな」

〈ミ〉「そこは危ないのでは?」

〈T〉「よく出てきてくれたガード!」

立ち止まるティアー。

〈G〉「さっさと行け」

〈T〉「お前がな!」

言って、ティアーは私を観客の中から放り出す。

出されたときには伯父さんがすでに近くまでやってきていた。

〈W〉「火炎球!(ファイアー・ボール)」

づがああああああああ

暑い…

爆風の中、はっきりと私は見た。

あれは…

〈G&ミ〉「布団が吹っ飛んだ!」

〈A〉「阿呆かあああああっ!テーブルチョップ!」

どぐしゃ(テーブルが頭に当たる音)べく(頭がテーブルを貫く音)

〈G〉「ぐはっ」

吹き飛ぶ布団に目を奪われて逃げるのが遅れた。

テーブルから頭を突き出して脳震盪をやりすごす。

〈A〉「今度やったらぶん殴る!」

ああ、それは勘弁…

〈G〉「とりあえず・・・テーブル・・・ぬいてくれるかな」

ひょいと抜かれるテーブル。何故テーブルを片手で持てるのかは分からない。それが武王たる所以か!?

〈A〉「日々の鍛錬じゃああああっ!」

がす、ずしゃあああああああっ

アタックのアッパーを喰らって吹き飛んで、通りをスライディング。

〈T〉「セーフ!」

〈A〉「どこに!?」

〈ミ〉「おい。大丈夫か?」

〈W〉「返事がない。ただの屍のようだ」

〈A〉「ドラクエ!?ってか、何で知ってんの!?この世界にはないだろ!」

〈ミ〉「気にするな」

〈A〉「気になるから!」

〈ミ〉「うむ。フトンとガードがふっとんだ」

〈A〉「ギャグいらないから!」

〈ミ〉「ツッコミよりも先に治療したらどうだ。痙攣しているぞ」

そうなのか?

〈A〉「無理だね!俺に呪文を扱うなんぞ、できると思っているのか!?」

〈T〉「じゃあ、俺がやっとくよ」

〈A〉「つうか、アンタが張本人だろ!?」

〈T〉「何にもない♪何にもない♪全く聞こえない〜♪」

〈A〉「それを歌うなら全くなんにもない♪だ。間違えるな」

〈W〉「突っ込むところが違うぞ」

その通りだ。私は痛みが引いた(もしくはマヒして感じなくなった)ので自分でリザレクションを使う。

ここでリカバリィしたら大変なことになる。L様のお叱りを受けること間違いなし。

〈ミ〉「おいおい。けが人に治療させるのか」

お前もな。私はミルガズィアをギッと睨む。

〈W〉「では、行くぞ」

〈T〉「じゃ、もう行くから」

行く前に謝れよ。

結局、彼らは謝りもせずに去っていった。

その後、私たちは街をうろつきまわり、面白そうな剣を見つけたので高かったけども買ってまた旅立った。


 菜園畑でムグラを見つけた。土をかいている。

もごもご…

〈G〉「よしっ!ムグラがムグった!」

〈A〉「いや、あれモグラ」

〈G〉「方言だ」

〈ミ〉「それに、言うとすればモグラがモグラぁのほうが良いのでは?」

〈G〉「成程」

〈A〉「納得するんか!?全然分からないんだけど」

〈ミ〉「そうか…」

あれ?何で私こんなことしてんだろ。

〈G〉「そういえば、ミルガズィア」

〈ミ〉「なんだ?」

〈G〉「私は何故ギャグを探しているのだろうか」

〈A〉「そこからかいっ!」

〈ミ〉「単に出会って、ギャグを探す旅をしていると言ったら、どうせ同じ道を行くのだから一緒に行こうということでついてきたのだろう」

〈G〉「そうだったか」

〈A〉「自分のやったこと、覚えてろよ」

〈ミ〉「なぜだ?」

〈G〉「いや、旅の目的間違ってるような気がして」

〈A〉「命令忘れんなっ!」

本日5度目のパンチが炸裂した。


―登場人物―

   ガード=ワード
L様の命により、面白いことに首をつっこむことになった。

   アタック=ホワイト
L様の命により、物事をさらにかき回すことになった。

   ミルガズィア
ドラゴンズ・ピークの長を務める黄金竜。

   ティアー=ウインド
従兄。

   ウィリアム=ウインド
父の兄。

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3342126.がんばれ私!星野流 E-mail 2007/10/7 11:32:34
記事番号33318へのコメント

26.がんばれ私!

 ある日、町の中、アタックが迷子になった。

〈G〉「あー…また逸れた」

この一ヶ月で何十回も迷子になるアタック。私も二十回を超えた頃から数えていない。

何と言うか…流石だなぁ。

まあ、自分の世界で精神体である。にもかかわらず!発生したその場からふらりといなくなって迷子になって帰ってこないという話を聞いたから…当たり前…なのだろうか?

彼にとっては当たり前ではあっても、私にとってはかなりの悩みだ。

心配で心配で仕様がない。

年齢からして神魔戦争以前であることは明白だ。

何でそんな年上に何故心配して探しにいかにゃあならんのだ!

この頃ストレスが溜まっているのか胃のほうが痛み始めた。

ズキズキとかいうのならまだマシなのだが、ザックリという痛さが来るときもある。

腹部を押さえながら考え込む私の目に目立つ白髪が見えた。

それに加えて真っ白な服。見つけたぁ!

〈G〉「おい白髪!」

〈A〉「しらがだとぉっ!?」

〈G〉「白髪に白髪と言って何が悪い?」

「ダメよ。ガード。気にしていることを言っては」

〈A〉「あんたも、大概だな」

〈G〉「ア…メリア?何故ここに…」

〈ア〉「もちろん、正義を世に広めるためよ」

ああ…また悩みの種が…

思わず、目を細めて天を仰ぐ。

〈G〉「お姫様が…そんなことをしていていいのか…」

〈ア〉「それ言ったらあなたはどうなるのよ」

〈G〉「私は山中の娘ですからね」

〈A〉「うっわ。似合わねぇ」

〈G〉「どういう意味だ」

〈A〉「だから、娘ってところがどうも」

〈G〉「へぇ」

そんなに似合わないんだ?

〈G〉「ま、見つかったことだし、よしとしよう」

〈ア〉「じゃ、行きましょ!」

〈G〉「そうだな。行くか」

〈ア〉「ポルト・ランドに行くわよ」

〈G〉「は?」

船着場に何しに?

〈ア〉「わたしが掴んだ情報では、異様な宗教がその辺りに広まっているの」

〈G〉「うん。それがどうかしたの?」

〈A〉「ぶっつぶしに行こうって話しさ」

〈G〉「行ってらっしゃい」

〈ア〉「何言ってるの!ガードも来るのよ」

〈G〉「え〜」

〈A〉「え〜じゃない!何で嫌なんだよ」

〈G〉「人様に迷惑をかけてないならいいじゃないか」

〈ア〉「だけど!そんな宗教団体を放っといていいの!?」

〈G〉「では、何をしたんだ?」

〈ア〉「行ってみなきゃ分からないわ。でも、何かある」

〈G〉「それだけだぞ」

〈A〉「じゃ、行くか」

〈ア〉「しゅっぱーつ!」

彼らは意気揚々と向かった。


 ポルト・ランド。宗教団体を広めていると言う場所。

私は彼らには宿でじっとしているようにと言っておいた。

謎の宗教団体、それはごく普通のホールにあった。

「募金お願いしまーす」

〈G〉「はい。どうぞ」

至極まっとうな活動内容だ。

〈G〉「そういえば、ここでは何を祀っているのですか?」

「守護神様ですよ。私たちを見守ってくださるのです」

「夜に眠れるのはあの方が守ってくれるからなのです」

そういうものか?

〈G〉「そうですか。お疲れ様です」

どこが、異様なのだろうか。

離れた場所で私は彼らの行動を見守る。


 夜、彼らに動きがあった。山の中に入っていく。私はレビテーションで追跡する。

そこで見たもの。それは、彼らが山賊たちと仲良く宴会を始める所だった。

「今日の儲けは凄いじゃねえか」

「結構はぶりの良い奴がいたんでね」

「こいつはめでてぇ」

皆で揃って大笑い。

こいつら…山賊だったのか。新手の手法だな。

〈G〉「翔封界(レイ・ウィング)」

アメリアたちの許へ急いだ。


 事の次第を話すと、いきり立って彼らは言った。

〈ア〉「許せないわっ!人の良心の塊とも言える募金を宴会に使うなんて!」

〈A〉「しかもっ!宗教団体を装うなどと何と言う奴らだ!」

〈ア&A〉「これはっ!この手で天誅を下さねばっ!」

〈G〉「ご近所迷惑だぞ。AAコンビ」

〈A&ア〉「まとめないで!」

〈G〉「言いやすいじゃないか。さ、さっさと行くぞ」

〈ア〉「そうねっ!行きましょう!」

〈A〉「かくして、我ら三人は盗賊どもを退治する決意をするのである」

チョンチョン

〈G〉「一体、どこで拍子が…」

〈A〉「俺がたてたに決まってるじゃないか」

〈G〉「おまっ、何時の間に…」

〈A〉「L様と分かれた後」

精神体…効果音とかできるのか…


 山賊のアジト。私はそこに彼らを導いた。

〈A〉「よぉおしっ!行くぜっ!」

立ち上がる彼は私の腰を掴んで言った。

〈G〉「え?」

〈A〉「ガード・アタック!」

ぶんっ

〈G〉「わあああああああっ!」

普通人を投げるか!?

どごっがらがらがらがら…

「敵襲だ!」

「準備しろっ!」

アジトを突き破った私を踏みつけ、山賊たちは表に出る。

背中が痛い…

〈G〉「うくっ。お腹と背中がくっつく…」

痛みで

〈A&ア〉「火炎球!(ファイアー・ボール)」

どごおおおおおおおおおお

〈G〉「ぎゃああああっ!」

お前ら!なんつうことを!

辺り一帯が焦土と化し、山火事になっていた。

山賊なんて骨も灰も残っていない。

私の髪も少し燃えていた。

服…『燃えない衣』で良かった…!

〈ア〉「あなた!どういう魔力してるの!?」

〈A〉「ん?魔王や竜神と競えるくらいはあるぞ」

〈G〉「そういう問題じゃない!どうするんだよ。こんなに!」

〈ア〉「とりあえず、悪は滅びたわ!」

〈G〉「悪は滅びたけど、大量殺人だって事分かってる?」

〈A〉「良いか?地球にはこんな事を書いてある本があるんだ」

本?

〈A〉「悪人に人権はない!ってな」

〈ア〉「その通りよ」

〈G〉「それ、違うだろ…」

〈A〉「本当の事だぞ!見てみろ!ここにちゃあんと書いてある」

〈G〉「どういう本だよ」

読めないし。

〈A〉「『スレイヤーズ』っていうシリーズだ」

そうですか。

〈G〉「とにかく、ここを離れるぞ」

〈ア〉「何故?」

〈G〉「もうすぐ麓の住民がやってくる」

明りがあるほうを指差した。

〈A〉「よし。悪は滅びた。これにて一件落着。行くぞ」

私たちはその場を離れた。

あ。人を投げるなと非難するのを忘れてた。

〈G〉「アタック。人を投げるな」

〈A〉「え。俺らのコンビネーションこういう感じだぞ」

どういう奴だったんだ?新緑の守護者…

私は思考の渦に巻き込まれた。


―登場人物―

   ガード=ワード
L様の命により、面白いことに首をつっこむことになった。

   アタック=ホワイト
L様の命により、物事をさらにかき回すことになった。スレイヤーズ愛読者。

   アメリア=セイルーン
セイルーンの第二王女。


―オリジナル―

   燃えない衣
風の結界をかけた糸と炎の結界をかけた糸で織った布で作った服。

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3343027.師弟関係?星野流 E-mail 2007/10/22 23:06:53
記事番号33318へのコメント

27.師弟関係

 ある日、私の許へ一人の少女が弟子入りに来た。

〈G〉「弟子入りと言われてもねぇ…」

〈マ〉「お願いしますっ!」

少女、マリア=フローレンスはこちらを見据えて声を張り上げた。

〈G〉「私は旅のものだし…」

〈マ〉「大丈夫です。攻撃呪文だって一応使えますから!」

〈G〉「でも…」

話し合いの末、彼女は私と旅をすることになった。

偶然見つけたお宝に目を輝かす。盗賊に襲われれば隠しているようだが身のこなしが良い。

何故、私の元へ弟子入りしようと思ったのだろうか。

〈マ〉「でも、いいんですか?」

〈G〉「何が?」

〈マ〉「わたし、授業料も払ってません」

〈G〉「授業してないから貰えんよ」

〈マ〉「食事も宿も払ってもらってます」

〈G〉「子供に払わせるわけにはいかんだろ」

〈マ〉「子ども扱いしないでください」

そうは言うが、頬を膨らませている辺り、まだ子供だろう。

〈G〉「それに、君、ちゃんと金は持っているのか?」

依頼なんて全く受けていないのに。

〈マ〉「一応は。それに、貴方はどうなんですか」

〈G〉「私はちゃんと研究をしてる」

〈マ〉「いつ?」

〈G〉「人が困ってることを聞くことがあるだろ?」

〈マ〉「ありますね」

〈G〉「あれがそうだ。困っていることを改善する。それが研究へと続くんだ。もっと物が入ればいいのに、物を修理する呪文があったらいいのに。そういう思いが研究対象を作り出す」

〈マ〉「じゃあ、恋の呪文とかもありますか?」

〈G〉「は?」

何だって?

〈G〉「恋?」

〈マ〉「勿論です。結構悩むものなんですよ」

〈G〉「そうなんだ?」

〈マ〉「まだ未経験なんですか?私は山ほどありますよ」

〈G〉「それはまた…凄いね」

ある意味、彼女の方が大人なのかもしれない。

〈マ〉「今も…真っ只中です」

顔を赤く染めて言った。

〈G〉「そうか…想いが通じると良いね」

それにしても…

〈G〉「それにしても、恋する乙女は綺麗だという言葉は本当のことなんだね」

〈マ〉「ええっ!?」

〈G〉「そういう話になってからガラリと雰囲気が変わったから」

〈マ〉「そ、そんなに分かりやすいですか?」

〈G〉「まあ。かなりの意気込みが伝わったね」

〈マ〉「そうですか。頑張らせてもらいます」

〈G〉「他人事ながら、応援してるよ」

私は勘定を支払い、宿を出る。

そこで、知り合いにあった。

〈ヒュ〉「あら。お久しぶりですわね」

〈G〉「ああ。久しぶり。仕事か?」

〈ヒュ〉「いえ。お遊びです」

〈マ〉「知り合いですか?」

〈G〉「うん。ヒュレイカーだ。偶に経営している店で知り合った。こちらはマリア。私のところに弟子入りした」

魔族だというのは言わなくていいよな。

〈マ〉「よろしくお願いします」

〈ヒュ〉「はい。よろしくお願いします。そうですわ!ご一緒させてもらってもよろしいですか?」

〈G〉「別に構わないが…」

あまり、道中魔族には関わりたくなかったけど。

〈マ〉「どちらに向かいます?」

〈ヒュ〉「それなら、山の洞窟にお宝が眠っているという噂を聞きましたわ」

〈マ〉「行ってみましょう!ガード様!」

〈G〉「マリア…呼び捨てでいいよ」

〈マ〉「好きなように呼んでも良いと言われたのはガード様でしょう?」

そうだけどね。様付けで来るとは思わなかったんだよ。


 山の洞窟、私は先を歩いた。数歩後に二人が続く。

何故数歩後かというと、多くの罠が危険だからだ。

マリアに怪我をさせたら大変だし、ヒュレイカーの正体がバレても大変だし。

そして、入ってからどれくらいが経っただろうか。

私達は、一番奥までやってきた。

〈マ〉「うわぁ。これ、凄いですね」

〈ヒュ〉「本当に。ガードさん、これ」

呼ばれて振り向くと、彼女は私の手を取り、指輪を嵌めた。

〈G〉「え」

周りから隔離されるかのような感覚を覚える。

〈G〉「ヒュレイカー?一体…」

〈ヒュ〉「ええ。魔封じの指輪ですわ♪」

〈G〉「え?えええっ!?」

急いで抜きにかかるが全く動きもしない。

ああああああっ!お遊びってこういうことかっ!

〈マ〉「そ、そんなことしてどうするつもりなんですかっ!」

〈ヒュ〉「ウフフフフ」

彼女は笑って消えた。

〈マ〉「ええええええっ!?」

〈G〉「とりあえず、マリア。今からは立場逆転のようだ。護衛、頼めるか?」

〈マ〉「何でいつもどおりなんですか!今、消えっ!」

〈G〉「魔族だからね」

〈マ〉「何でそんな人と知り合いなんですか!」

〈G〉「んー…初めての友達が魔族でね」

〈マ〉「凄いですね…」

〈G〉「ま。とにかく外に出ようか」

〈マ〉「はい。でも、もうちょっと待って下さい」

彼女は困惑しながらもお宝を物色する手は全く止めない。

私は苦笑しながら、リナとナーガを思い描いた。


 何故出入り口に盗賊が張っているのだろうか。

私は盗賊たちを眺めながら思った。

〈マ〉「まずいですね」

〈G〉「そうだね」

私が呪文を唱えられない以上、戦力はマリアとなる。

〈G〉「なあ、マリア」

〈マ〉「何ですか?」

〈G〉「ベフィス・ブリングで逃げろ」

〈マ〉「でも、ガード様は?」

〈G〉「大丈夫。私はドラ・スレくらってもピンピンしてるくらい丈夫だから」

〈マ〉「いや、それはないでしょう」

〈G〉「実話なんだよ」

〈マ〉「本当に?」

〈G〉「うん。盗賊くらいならそんな痛手は受けない」

〈マ〉「わかりました。わたしは行きますよ」

彼女はベフィス・ブリングを使って逃げた。

〈G〉「さて。行きますか!」

私は盗賊に向かって駆け出した。


 逃げれるわけが…ないわなぁ。

私はズタボロになった服を見下ろし、木にもたれかかった。

〈G〉「はぁ…」

「へへへ。逃げ切れると思ってんのかよ。まさか、剣を通さないとは思わなかったがな」

「こうなりゃ、一斉攻撃だ!」

『オーッ!』

一斉攻撃をしかけてきた。

〈G〉「痛い痛い!」

痣さえできないこの体。

しかし、剣で斬られりゃチクチク痛むし、ハンマーで殴られればジーンと響くのだ。

ああ、また服を仕立てないと…

その時、ゴオオオっと突風が吹いた。

殴られ斬られの攻撃を受けて這いつくばっていた私を除き、全ての者が吹き飛ばされる。

一体?

〈ゼ〉「奇遇ですねぇ。ガードさん。何を遊んでいるんです?」

どこをどう見りゃ遊んでいるように見える。

〈G〉「すまない。ありがとう」

〈ゼ〉「お礼はクレア・バイブルで」

〈G〉「分かった。必ず引き渡そう」

〈ゼ〉「あるんですか!?本当にっ!?」

〈G〉「知ってて言ったんじゃあないのか!?」

叫んではたと気付く。

〈G〉「とりあえず、逃げるぞ」

〈ゼ〉「えー。始末しないんですか?」

〈G〉「恐いこと言うんじゃない!」

〈ゼ〉「残念です」

〈G〉「一緒に逃げてくれたら二冊進呈」

〈ゼ〉「行きましょう!」

私達は逃げ出した。


 マリアと合流し、ゼロスさんにクレア・バイブルを渡した。

〈ゼ〉「いやぁ。あなたと出会えて本当に嬉しいですよ」

〈マ〉「ちょっと、ガード様!写本なんて持っていたんですか!?」

〈G〉「持ってるよ」

〈ゼ〉「まだあるんですか!?」

〈マ〉「何で3冊も…」

〈G〉「え?結構そこら中に転がってるだろ」

〈マ〉「転がってませんよ。とにかく!さ、行きますよ」

私はマリアに手を引かれ、宿屋に向かった。

〈ゼ〉「あ、ガードさん。僕お金がつきたので払ってください」

〈G〉「面倒だからやる」

〈ゼ〉「ありがとうございます」

〈マ〉「ガード様!何で財布ごと差し出すんですか!」

〈G〉「大丈夫だ。まだまだ貯めた金は山ほど持ってる」

〈マ〉「山ほど持っててもあげていてはわたしの…!」

〈G〉「ん?」

〈マ〉「なんでもないです」

宿屋の一室に入ると、マリアが入ってきた。

〈マ〉「手当てします」

〈G〉「いいよ。服が破れているだけだから」

〈マ〉「いいから脱いでください!」

ええええっ!?

マリアは私を押し倒し、服を脱がせ始めた。

〈G〉「ちょっ!ちょっと!何を!」

〈マ〉「じっとしていてください!」

〈G〉「できるわけがないだろ!」

ぐっと力を入れて突き放す。

〈マ〉「いたっ」

〈G〉「あ!ごめん!」

怯んだ隙に彼女は服を剥ぎ取った。

おいおいおいおい!

〈G〉「脱ぐくらい自分でもできるって!」

〈ヒュ〉「この人たち何してるんです?」

〈ゼ〉「さぁ…」

〈G〉「な、何で入って来るんだ!」

〈ヒュ&ゼ〉「面白そうでしたから」

〈G〉「面白がるなああああっ!」

こいつら…何ちゅうやっちゃ…

〈G〉「マリア!お願いだから!ね?ねっ!?」

〈マ〉「分かりましたよ。泣かないでくださいよ」

〈G〉「泣くわっ!」

結構恐いんだから!

〈ヒュ〉「面白いコントですね」

〈G〉「違うから!笑うな、ゼロス!」

〈ヒュ〉「ご馳走様です」

〈G〉「へ?・・・・・・食べたのか」

〈ヒュ〉「勿論です」

〈G〉「魔族の非情者―っ!!!!!」

私は布団を被って結界を張った。

何さ何さ!何なのさ!

こんなことになったのってヒュレイカーの遊び心じゃないか!

なのに面白おかしくおいしく負の感情食べてるってどういうこと!?

魔力を封じ込められなきゃ服だってボロにならなかったし!マリアに脱がされたり、笑われたりしなくてすんだのに!

そして、はっと気付いた。

先程の行動を思い出す。

私。結界張った!

〈G〉「嘘っ!」

ごおおおおおおん

〈G〉「いっ、あっ!」

結界を解いてヒュレイカーを見る。

〈G〉「ヒュレイカー…私に嵌めた指輪。魔封じの指輪じゃなかったのか?」

〈ヒュ〉「いえ…魔封じの指輪で間違いありません」

〈G〉「さっき、結界張ったよね」

〈マ〉「もしかして、魔族と同じような存在だとか言いませんよね?」

恐る恐る聞いてくるマリア。

〈G〉「それだっ!」

思わずポンッと手を打つ。

〈G〉「何だ。そういうことか!ありがとう!マリア!」

しかし、マリアは妙に冷めた目で私を見、はぁ…と思いため息を吐いた。

〈G〉「どうした?」

〈マ〉「弟子、やめます」

〈G〉「どうしたんだ!?何かあったのか!?」

〈マ〉「続けても意味がないじゃないですか。ずっと一緒にいたくて弟子になったのに」

〈G〉「別にいたいのならいてくれても構わないが?」

〈マ〉「魔族のような存在だって言うのなら、玉の輿は無理だなって」

〈G〉「は」

玉の輿?

〈ゼ〉「たっ、玉!あははは」

〈ヒュ〉「玉の輿目当てで弟子になったのですか?」

〈マ〉「何で笑うんですか!容姿端麗、お金持ち!しかも性格も良いんですよ!?玉の輿を狙って当然じゃないですか!」

〈G〉「私…女だから」

〈マ〉「は!?」

〈G〉「女なんだ」

〈マ〉「下手な嘘はつかないでください」

ゼロスの笑いが一段と大きくなる。

〈G〉「嘘じゃないって!」

〈マ〉「本当に女なんですか?」

〈G〉「言ってるだろ」

〈マ〉「何だ。時間の無駄だった」

はい!?

彼女はぴょんとベッドから降りる。

〈マ〉「リナ=インバースって知ってます?」

〈G〉「そりゃあ…」

友人だし。

〈マ〉「わたし、彼女と渡り合えるくらいには戦えるんですよ?」

〈G〉「えええええっ!?」

末恐ろしいな。まだ12だろ。大人になったらどうなるか。

・・・母さんみたいになりそうだ。や、それはないか?

いくらなんでもL様の呪文をポコポコ使いまくることはないだろう。

でも、彼女にL様のことを知られたくはないな。

【ふふふ♪天・誅♪】

ズグアアアアッ


 気付けばもう3日も経っていた。

宿主に聞いたところによると、屋根から二階、一階まで大穴が開き、私は頭から血を流して真ん中に倒れていたという。

無論、マリア・ヒュレイカー・ゼロスの三人は騒ぎに乗じて去っていた。

だから、怪我が治るのを待って、私は修復呪文を使って(押し潰された時に指輪が壊れた)宿を直した。

それを見た村人達が壊れた物を持って集まって、数日間滞在しなければならなかったのは言うまでもない。


 私がマリアと再会したのは盗賊に囲まれている時だった。

ずぶしゃああああっ

私は血の雨に降られ、首をなくした盗賊達を見て呆然とした。

「大丈夫ですか?」

声に振り向く。

〈G〉「マリア…」

彼女は血塗れた鎖を持って立っていた。

〈マ〉「とりあえず、街に行きましょうか」

〈G〉「そうだね」

街について、昼食の最中、マリアが言った。

〈マ〉「さて、用件を言いましょう」





〈G〉「用件?」

いかん。思考が止まってた。

〈マ〉「慰謝料をいただきましょうか」

からん…

〈G〉「い…しゃ、りょう?」

〈マ〉「じゃ、貰っていきますね」

〈G〉「え?」

マリアは私の財布を持っていった。

〈G〉「ちょっと!」

ガシッ

「お客さん」

振り向くと、店主さんがいた。

「お勘定」

私は席に座りなおした。

あれって泥棒じゃないか!?


         ―登場人物―   (特別バージョン)

   L様
ロード・オブ・ナイトメア。全ての王と渾名される創造者。通称・L様。
長くてサラサラな金髪美女。あらゆることでNo.1!

   ガード=ワード
L様の命により、面白いことに首をつっこむことになった。

   マリア=フローレンス
弟子入り志願者。

   ヒュレイカー
海神官。カタートの店で知り合った。

   ゼロス
謎の神官。

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33431Re:27.師弟関係?翡翠 2007/10/25 23:52:42
記事番号33430へのコメント

 こんばんは、お久しぶりです。翡翠です。
 最近ちょっとインターネットのやりすぎで母にとめられていましたが、それが、や〜っと解禁されました!

 では、感想を・・・。

 マリア!でましたね〜。あの計算づくめ、玉の輿が夢の腹黒12才!
 見た目かわいい女の子、中身とっても恐い人!
 なんだかガードが不憫に思えてなりません。
 頑張れガード!負けるなガード!たとえドラ・スレをうけても、L様にふっとばされようとも、明日は・・・たぶん、あるのだから!!

 次、楽しみにしています!

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33433Re:27.師弟関係?星野流 E-mail 2007/10/26 23:12:25
記事番号33431へのコメント

翡翠さん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。

それと、パソコン解禁、おめでとうございます。


マリアのギャップは凄いですね。一度出してみたくて出させていただきました。

出し方が可哀想ですけどね、両方。

玉の輿の標的になったガードもですが、同性にアタック仕掛けたマリアも。

これからも、マリアは玉の輿の標的を探す日々が続くと思います。

マリアに関して言えば、計算つくしてしとめなくても、相手を伸し上げるくらい軽くできそうですけどね。

野心ある彼女は一人でも上に立つ人になりそう。

ガードは、介入されない限り一生のんびりとひっそり暮らしそうです。

こちらの野望は平穏な生活を送ることですから。


この次、スレイヤーズ本編に入らせていただきます。

まだ構想を練っている段階なので、ちょこちょことしか始まりませんがお待ち下さい。

それでは、これからもよろしくお願いいたします。

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33434タイトルで既に謝っておきましょう。遅くてごめんなさい!。。。 2007/10/27 00:50:02
記事番号33430へのコメント


お久しぶりですっ!

ぃゃぁ最近パソコンにガタがきてましてねぇ

ウイルス入っちゃったカナッ?!ていうくらいヤバい状態なんですょ〜ぁっはっは

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・ごめんなさい、言い訳にもなってないですね。

では見苦しくない様、次は爽やかに謝りますので、どうかご勘弁を・・






どうもっ遅れてすいやせんッしたあああああーーーーーーーー!!!





ではすぐにコメント行きましょう
>〈G〉「あれがそうだ。困っていることを改善する。それが研究へと続くんだ。もっと物が入ればいいのに、物を修理する呪文があったらいいのに。そういう思いが研究対象を作り出す」
・・・ん、え? ァレッ?

>〈G〉「あれがそうだ。困っていることを改善する。それが研究へと続くんだ。もっと物が入ればいいのに
<上から抜粋> ↑コッ・・コレは・・!

例のあのポケットじゃないですかっ?! あの白くてちっちゃいッ、あのポケットぢゃないですかっ?!(煩

>〈マ〉「じゃあ、恋の呪文とかもありますか?」
>
>〈G〉「は?」
>
>何だって?
>
>〈G〉「恋?」
>
>〈マ〉「勿論です。結構悩むものなんですよ」
恋の呪文て・・・惚れさせる呪文って事ですか

全く・・・12歳の発想ってこんな感じですよねぇ

でも全然分かってない。全く違うょ。恋ってそんなんじゃないでしょ





恋っていうのは




         呪文とかでなく



                   ハートで勝ち取るもんダロ・・!





アレな事言ってすいゃせんッしたあああああーーーー!!!

>彼女はベフィス・ブリングを使って逃げた。
>
>〈G〉「さて。行きますか!」
>
>私は盗賊に向かって駆け出した。
>
>
> 逃げれるわけが…ないわなぁ。
>
>私はズタボロになった服を見下ろし、木にもたれかかった。
>
>〈G〉「はぁ…」
あんな友達、即刻縁切った方が良いと思いますよ。

>「へへへ。逃げ切れると思ってんのかよ。まさか、剣を通さないとは思わなかったがな」
そりゃ思わないょね

てか、刃物を生身で通さない時点でもっと驚いて欲しい!!

普通なら『ぅわぁ化け物ぉ!』つって慌てふためくのが相場なのに!!

肝が据わりスギだよこの盗賊! 盗賊にしとくには勿体無いぞ!

>〈ゼ〉「あ、ガードさん。僕お金がつきたので払ってください」
>
>〈G〉「面倒だからやる」
>
>〈ゼ〉「ありがとうございます」
>
>〈マ〉「ガード様!何で財布ごと差し出すんですか!」
>
>〈G〉「大丈夫だ。まだまだ貯めた金は山ほど持ってる」
何だそれええぇぇえぇ!! 男であってもそこまで豪快にはなれないぞ!!

もっと女々しくなってっ! 財布ごと渡す理由が『面倒だから』なんて嫌ですっ!

あと・・

ガードは今どこら辺を放浪中なんですかッ!?

今かつてないほど彼女に会いたいッ!!(貪欲

>ぐっと力を入れて突き放す。
>
>〈マ〉「いたっ」
>
>〈G〉「あ!ごめん!」
>
>怯んだ隙に彼女は服を剥ぎ取った。
>
>おいおいおいおい!
>
>〈G〉「脱ぐくらい自分でもできるって!」
>
>〈ヒュ〉「この人たち何してるんです?」
>
>〈ゼ〉「さぁ…」
ぎゃああああ!!! 変態だぁぁあぁああ!!!

そして覗いておいて何だ!その気ぃ抜けた会話ゎ!

もっと必死になって覗かないと  失  礼  だ  ろ  !  ! (コラ

>〈G〉「マリア!お願いだから!ね?ねっ!?」
>
>〈マ〉「分かりましたよ。泣かないでくださいよ」
>
>〈G〉「泣くわっ!」
>
>結構恐いんだから!
>
>〈ヒュ〉「面白いコントですね」
>
>〈G〉「違うから!笑うな、ゼロス!」
>
>〈ヒュ〉「ご馳走様です」
>
>〈G〉「へ?・・・・・・食べたのか」
>
>〈ヒュ〉「勿論です」
>
>〈G〉「魔族の非情者―っ!!!!!」
女同士なんだから、別に脱いでも平気なんじゃないかと思ったんですが

隣で変なのが見てるんじゃそりゃぁ恐いですよねぇ


それに冷静に見られるって滅茶苦茶嫌です

追い出す時のテンションも微妙に上がりづらいっていうね。

対応の仕方が難しいっていうね。

> 私がマリアと再会したのは盗賊に囲まれている時だった。
>
>ずぶしゃああああっ
>
>私は血の雨に降られ、首をなくした盗賊達を見て呆然とした。
>
>「大丈夫ですか?」
>
>声に振り向く。
>
>〈G〉「マリア…」
>
>彼女は血塗れた鎖を持って立っていた。
>
>〈マ〉「とりあえず、街に行きましょうか」
>
>〈G〉「そうだね」
>
>街について、昼食の最中、マリアが言った。
>
>〈マ〉「さて、用件を言いましょう」
>
>…
>
>…
>
>〈G〉「用件?」
>
>いかん。思考が止まってた。
>
>〈マ〉「慰謝料をいただきましょうか」
>
>からん…
ちょっ・・ちょっと待って。

今何故に地獄の様な血塗られた世界から、一気に日常的な風景に変わったんだ・・?

・・いゃ確かに、日常的にしては修羅場な方の風景だけども。

ぉ恐ろしい・・! 何て恐ろしい世界かしら!

今少し置いて行かれかけたわ! 自分何だか恐い!(怯

ガードはとても過酷な環境下で頑張って生きているのですね・・!

>〈G〉「い…しゃ、りょう?」
>
>〈マ〉「じゃ、貰っていきますね」
>
>〈G〉「え?」
>
>マリアは私の財布を持っていった。
>
>〈G〉「ちょっと!」
>
>ガシッ
>
>「お客さん」
>
>振り向くと、店主さんがいた。
>
>「お勘定」
>
>私は席に座りなおした。
>
>あれって泥棒じゃないか!?
キャーーーーー!! 怖いよーーーー!!!

超ドロドロ! 超昼ドラ!

店主さんのタイミングと、薄暗く光る目に身震いします・・!

あれは泥棒っていうか強盗だよね

最初は弟子だったのに、最後は離婚相手みたくなるなんて・・・何て末恐ろしい子・・!!



お疲れ様です!

本当に最近音沙汰なくて申し訳ないです。

それでも毎回毎回作品は拝見させてもらってますからね

これからは時間的にも余裕が出来てくると思いますので

コメントをこれからも続けさせて頂きます。

次回も是非頑張って下さい。

それでは



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33435Re:謝らなくても良いですよ。星野流 E-mail 2007/10/27 22:26:35
記事番号33434へのコメント

。。。さん、お久しぶりです。

パソコンの調子が悪かったのですね。お疲れ様です。

もう大丈夫なのですか?

それと、調子が悪いのは仕方のないことなので謝らなくても良いですよ。


その通りです。ガードのカバンはあのポケットが元です。

大丈夫です。あの世界には合成獣という存在がいますから。

今いるのはアトラス・シティから少し行ったところにある町です。

それと、二人は覗いているのではありません。堂々と部屋の中に入っています。

確かに昼ドラじみてますね。昼ドラに大量殺戮はでてきませんが。

これからもコメントをいただけるそうで、ありがとうございます。

迷惑ついでにお一つうかがってもよろしいでしょうか?

カップリングが話題になってます。

しかし、それをどうするかが問題です。

リナとガウリイが一緒になるのは決定事項なのですが、アメリア・シルフィール・ゼルガディスの三人の予定が全く決まっておりません。

最悪の場合、アメリアはどこかの国の王族(政略結婚?)、シルフィールは一生巫女、ゼルガディスは独身を貫き通すことになります。

お手数かけますが、そちらの事、返事お待ちしております。

これからもよろしくお願いいたします。

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33438Re:カッ感激至極でござりまするーッ!!。。。 2007/10/29 00:04:33
記事番号33435へのコメント



いきなりタイトルでスミマセン。

NHKのドラマ、『風林○山』の影響でございます、親方様。

真、面白いでございまするぞ、親方様。



さて本題へ行きます

カップリングについて自分の意見を聞いて下さいまして、本当に有り難う御座います。

何だかとっても嬉しいですね、こういうのって。

何だか頼られてる気がして、でへへ〜vって感じなんですが(危

その分、より良いモノを、というプレッシャーもありまして・・

今まで逡巡しておりました。


より奇抜なものを、色々模索してたのですが(ォぃ

脳内でフィルさんが登場してきた時点で流石にストップいたしました

自分はどうやら病んでいるようです。

なので普通でつまらないかも知れませんが、自分の希望を述べさせて頂きます。



>迷惑ついでにお一つうかがってもよろしいでしょうか?
>
>カップリングが話題になってます。
>
>しかし、それをどうするかが問題です。
>
>リナとガウリイが一緒になるのは決定事項なのですが、アメリア・シルフィール・ゼルガディスの三人の予定が全く決まっておりません。

個人的にはアメリアとゼルのカプが好きなので、この二人には幸せになって欲しいです

で、問題はシルフィール。

シルフィールも大好きなので是非とも幸せになって欲しいのですが、この場合余ってしまいますよね

かといってガウリイにもリナがいるし・・・・ぅ〜〜ん。。。。

他のキャラでも・・何ならオリキャラででも、青春させてあげたいトコロだけど

でも元々巫女さんだからナァ、ここは彼女の夢を叶えさせてやるべきか・・・

とか親父みたいにクソ真面目に考えてたのですが

ここはやっぱりシルフィールだけ一人なんて可哀相だよね! ということで

どうか、彼氏つくってやって欲しいです

他のキャラでなら、・・・ガウリイみたいな優しい人だから・・

@ヴァンパイア・ハイソサエティ・クラブの営業、

  アレクサンドル=ニコルソン(通称アレックス

巫女と吸血鬼のカップル。いつ自分が消されるか分からないというドギマギした関係になりそうです

『あらしのよるに』という超有名な絵本を彷彿とさせるカップル。


A純魔族のラギアソーン

ペットのジョンに溢れんばかりの愛情を注ぐ、心優しい魔族です。(違

魔族なので負の感情大好きですが、ジョンを使ってグレさせてしまえば、ただの良い妖怪になります


・・・ん、アレ。

何だか気づけば、皆人間じゃないですね

すみません。自分の知識じゃこれが限界のようです

もし、これでは全然駄目! 絶対嫌! というのであれば

及ばずながら、自分がオリジナリティー溢れるキャラクターを贈呈いたします。

はい、普通に頑張ってオリキャラ考えます。


三つのうち、好きなものをお選び下さい。

自分の意見はこの様なものです

答えを聞いているのに、更に選択肢にして返すという、最悪な返答になってしまいましたが

お受け取り頂けるとこの上なく幸せです。

・・・・結局始終『○林火山』に影響された話し方で、あしからずです

今回は有り難う御座いました

それでは。



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33439お返事ありがとうございます星野流 E-mail 2007/10/30 20:19:35
記事番号33438へのコメント

無理な質問をしてしまい、ごめんなさい。

本来自分で考えるできごとなのですが、自分だけで判断する事ができませんでした。

実は、8月頃からずっと悩んでいたのです。

今では聞いてよかったと思います。


 ゼルガディスとアメリアのカップリングが好きとのことで、早速使わせていただきます。

ただ、二人が出会うまでまだまだ間があるのでそれまでお待ち下さい。

 シルフィールも彼氏を、ということで、アレクサンドルとラギアソーンを出していただいたのですが、彼らが辛い思いを延々と持ち続けなければならないので人間にしたいと思います。

勿論、 妻子・彼女なし の 男 性 で。


。。。さんばかりにオリキャラを考えさせるのも何なので、私も見合ったオリキャラを出させていただきたいと思います。

    1. バル=ウインド  (24)  表示法〈B〉
ガードの従兄、ティアーの兄。ウインド家四男。(継承権放棄)
この家で類お見ない善人。
秀才で人柄も良い美青年です。
短所・痴女に襲われてちょっと女性不信。

    2. クリア=グリーン  (19)  表示法〈C〉
森林保護運動を推進中の19歳。
穏やかで人当たりが良い。
剣技の腕も良く魔道も白魔法は少し使える(主にアンデット対策)
短所・森や山の中で遭難する事が頻発。

お返事お待ちしております。

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33440Re:ぅう〜ん;;めっさ迷いマスね・・・。。。 2007/11/1 20:10:54
記事番号33439へのコメント

2日ぶりでスミマセン!!

とても迷って迷って。

ですが厳しい審査の末、やっと決まりましたよ!!

それではお返事です



>無理な質問をしてしまい、ごめんなさい。
>
>本来自分で考えるできごとなのですが、自分だけで判断する事ができませんでした。
>
>実は、8月頃からずっと悩んでいたのです。
>
>今では聞いてよかったと思います。
有り難う御座います!!!

感激至極に御座います!!!

無理な質問だなんて、そんなこと全然ありませんよ

次からはもっと、早めに頼ってくれて結構ですからね。

> ゼルガディスとアメリアのカップリングが好きとのことで、早速使わせていただきます。
>
>ただ、二人が出会うまでまだまだ間があるのでそれまでお待ち下さい。
どうかお願いします。

定番といえば定番なんですが、やはりこの二人には幸せになって欲しいですもんね

> シルフィールも彼氏を、ということで、アレクサンドルとラギアソーンを出していただいたのですが、彼らが辛い思いを延々と持ち続けなければならないので人間にしたいと思います。
そうですね。その方が絶対に良いと思います。

自分の異常な思考回路に、歯止めをかけてくださって、本当に有り難う御座います

>。。。さんばかりにオリキャラを考えさせるのも何なので、私も見合ったオリキャラを出させていただきたいと思います。
>
>    1. バル=ウインド  (24)  表示法〈B〉
>ガードの従兄、ティアーの兄。ウインド家四男。(継承権放棄)
>この家で類お見ない善人。
>秀才で人柄も良い美青年です。
>短所・痴女に襲われてちょっと女性不信。
>
>    2. クリア=グリーン  (19)  表示法〈C〉
>森林保護運動を推進中の19歳。
>穏やかで人当たりが良い。
>剣技の腕も良く魔道も白魔法は少し使える(主にアンデット対策)
>短所・森や山の中で遭難する事が頻発。
お心遣い痛み入ります・・っ!!

しかも素敵過ぎるキャラクター。あぁどんだけ迷ったヵラ。

ですがもぉ決めましたっ!

もおスッパリいきますっ!

絶対変えないっ!

じッ自分頑張るっ!

麗しきシルフィールの栄えある彼氏は・・・!!!(ダラララララララララッ((ドラム


     バ  ン  ッ  !  !  (ドラム。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ぃッ

@番のっ! バル=ウインド(24)に決定えぇえぇぇえ!!!(ヮァァァァー!!((歓声

ぃやーー、ゃっぱりねぇ、決め手はアレですよ。

 ガ ー ド 家 の 血 筋 。

美青年だしね。これで美男美女カップルが出来上がれます、良かった良かったぁ。



クリア=グリーン。彼もね、スッゴイ良いキャラなんですよ、

何が良いって、  森  林  保  護  運  動  。だもの。

だって今の時代の救世主じゃないですか!! ぅあもお心臓鷲掴みにされましたよ!!

只ね・・・今の時代なら良いンですが、あの、スレの時代はね・・・

時代を先取りし過ぎたカナって・・・。

ファッションリーダーになれちゃうカナって・・・。

名前も素敵なのに・・・歯磨き粉みたいなのに(コラコラコラ

クリア・・・・、出来たら彼もいつか出してやって欲しいです・・・・

本当に、出来ましたらで良いです・・・・・お願いします・・・・切実です・・・



でも何はともあれ、

バルさんに決定ッ致しましたああぁあぁぁ!!!(ヮァァァァー!!((歓声

やったあああああああああ!!!

これからとても楽しみにしておりますっ!

まるで我が子のような気分ですv

大丈夫、シルフィールなら女性不信でも、優しく包み込んで、きっと乗り越えて行けるよ!

きっと乗り越えて行けるよ!!(涙



とても楽しみにお待ちしております

どうか無理をしない程度に、頑張って下さいね。応援しております

それでは



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33441さっそく考えさせてもらいます星野流 E-mail 2007/11/1 22:41:55
記事番号33440へのコメント

。。。さん、ありがとうございます。

。。。さんのオリキャラも興味があったのですが、決めてもらっただけでも万々歳です。

これで、このカップリング問題は無事解決。感涙です。

本当に長い間パソコンの前に座るごとに悩んでいたもので。

シルフィールの未来の彼氏がバルに決まって良かったです。

クリアにはお気の毒ですが…。

まあ、シルフィールが幸せならいいんです。

両人ほとんど話題に上らないので彼氏になった方がでてきますよ〜なことで。


 ところで、クリアの名前、綺麗な緑でつけたんですけど、クリアクリーンってありましたねぇ。かぶっていてごめんなさい。

職業も、確かに保護しなくていいですね。

砂漠の緑化推進運動にでもしておきましょうか。


 彼氏に決まったということで、バルの容姿も書かせていただきます。

語り手がガードなので細かいところまで書けないんですよ。

姿形に全く興味を持たない人なんで。

バルの容姿は黒い短髪、父親譲りの青い瞳をしています。顔つきも父親譲りで髪質は母親です。

母親が金髪に薄い青色の瞳をしているので父親に似るしかありません。優性遺伝の法則ですね。


 カップリング、考えていただき、ありがとうございました。

とてもうれしかったです。

これからも末永くお付き合いください。

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