◆−薬士−。。。 (2007/2/21 00:46:05) No.33009
 ┣薬士−。。。 (2007/2/22 23:55:12) No.33011
 ┣薬士−。。。 (2007/2/27 21:07:35) No.33013
 ┣薬士−。。。 (2007/3/3 20:29:59) No.33015
 ┣薬士−。。。 (2007/3/23 01:19:16) No.33049
 ┗薬士−。。。 (2007/3/31 14:04:53) No.33062
  ┗Re:薬士−ガード・ワード (2007/7/8 22:29:21) No.33199


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33009薬士。。。 2007/2/21 00:46:05



今晩は
テストが終わってとても嬉しいデス。(突然
結果なんて要りません。

さて、そんな感じで、(?
今回はオリキャラが出て来ます。
自分が、知らない単語が出ると読む気失くすアレな読者なので
結構オリキャラとかは迷ったんですが
まァいいゃ、テスト終わったし。
て事で、未熟ながらも頑張ってみようかと思います
頑 張 っ て み よ う と 思 い ま す !!

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幼い少年が、一人の老人のもとへ駆けて行く

「師匠!頭痛薬できましたよっ!」

手にした小瓶を得意そうに掲げた。

「ほぅ」

振り向いた老人はいささか驚いたように呟き、

「・・ガム食うか?」

と、少年にガムを差し出した

少年は暫し沈黙し、

「・・・・・」

素直にガムを受け取った。









14年後――――

「・・・・はぁ、」

ここカゥルの街でも有名な、格式あるレストランの片隅

一通り依頼内容を聞いた後、青年は曖昧な返事を返した。

先程渡した資料に目を落としたままで。

依頼人であるハイネルさんは不安げに青年を見遣る

歳は20代前後かそのくらい、髪は樹木の様な深みのある茶色

顔は落ち着きのある整った顔立ちだが、口に含んだままのガムがどうも印象を悪くしていた

やはり、頼むのは間違いだったか・・?

ハイネルさんは心の中で暗澹と呟く。

いくら薬草の調合士が少なくても、これは若すぎる・・

そんな心中等知らぬ様に、青年はガムを膨らましている。

魔法が存在するこの世界では、怪我や病気等は殆んど魔法によって治されており、

薬草や医術はあまり発展していなかった。

それでも名高い調合士や医術士はいて、

彼はその数少ない弟子なのだった。

パン

レストラン内に鈍い音がして、

「・・・失礼」

顔にべったりと付いたガムを落とす為、青年が席を立った。

このレストランのオーナー、ハイネルさんは難しい顔で背もたれに体重をかける。

確かに今回のこの依頼は、調合士としての仕事ではない。

レストランの特上メニューに使われる

珍味リコリの実の収集である。

カゥルの街のすぐ隣に位置する、カゥルの森には

リコリが生る森として重宝されてきたが、

最近、賊が森にねぐらを張り、実を独占しようとしていたり、

同時期に上流階級の間には空前のリコリブームで、金で人を雇っては採集に当らせている

そのせいで今の時期、リコリの実を手に入れるのは酷く困難になっていた。

メニューの予約が入り、焦ったオーナーは

植物の事は専門家に!という安易な考えの下

丁度この街に来ていた薬草調合士を呼び寄せたのだ

・・本人も乗り気ではなさそうだし、この手は諦めるか。

ハイネルさんがそう結論を出した時、

手洗い場から青年、ヤクシが戻って来た








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33011薬士。。。 2007/2/22 23:55:12
記事番号33009へのコメント

「リコリの実はいくつ程必要なんです?」

そう聞くと、ハイネルさんは意外そうな顔で、

てか寧ろ怪訝そうな顔で「はい?」とだけ言った。

・・・・質問がおかしかったのだろうか。

この書類の限りではそんな大きな果物ではナイはずなんだが、

「いや、個数が分からないと、持って行く鞄の大きさも変わってきますのでね」

「あ・・いえ、引き受けて・・下さるので?」

「ええ」

ハイネルさんは、自分が仕事を降りるものだと思っていたらしい。

さっきの態度では無理も無いのだろう・・

実は、乗り気でなかったのは確かだった。だが、

この時分、こんな大きな街で、調合士が食っていくのは

正直厳しいのが、今の現状。

今回の報酬額を聞いた時から、心は清々しい程にまで替わっていた

つまり、この街に着いた時点で、拒否権等は最初から無かったのだ

オーナーは、初めは何かしら戸惑っていたようだが

気を取り直したらしく

親切丁寧に、実の事や森の細部まで教えてくれた。

話を聞きながら、ヤクシはそっと窓から外の森を眺める。




     ――――その頃カゥルの森。



「ちょッとガウリイ!しっかり歩きなさいよっ!」

「なぁリナァ、もぉ止めねぇかあ?俺達何日歩き回ってんだか・・・」

一組のカップ・・・旅人が森を詮索していた。

「あんな大金積まれて引き返すワケ無いでしょ!こんな仕事全然チョロイわよ!」

リナとガウリイは上流階級のお金持ちな方々に雇われ、

リコリの実を探し歩いていた。

「賊もぶち潰せば、そのお宝まで+αだしっv何て良い仕事なのかしらねえーv」

「でも食料尽きたしさーー」

「何言ってんのよ、あんた自給自足は三度の飯より好きって言ってたじゃない」

「ぅえ!?何俺いつからそんな設定にされ――」

「兎に角っ!少なくとも賊は潰していかなきゃ。

その為に向こうも今回、私雇ってるワケだし・・」

と、空から水の玉が、一粒地面に落ちた。

ポツ、ポツ、と玉は数を次第に増し始める。

「――不味いわね・・とりあえず洞窟でも探しましょ」

さっさと踵を返すリナの後に、

とても不服そうな・・てか空腹そうなガウリイが、付いて行くのだった。












ざああああああ

水を浴び続ける窓を眺めながら、ヤクシは明日を思っていた

晴れてくれないと、このままでは何も探せまい。

かと言って何が出来るわけでもないので、只だらだらと窓を見ていた

ふと

ハイネルさんの言葉が脳裏に蘇る。

『珍しい、お名前ですね』

昔からよく言われてきた

師匠に付けてもらった名。

師匠は遠い東の国の人で、前、地面に文字で書き記してもらった事があるが、

何が書いてあるのか全く理解出来なかった

その上師匠はこの名前に対して

「薬に、志すという意味が込もっとるんじゃよ」

とか言ってて、意味が解らない自分は 思わず

「ヤクシの中の何処にそんな意味が入ってるって言うんですかっ

『くすり』と『こころざす』じゃ音も合ってないし

文字数オーバーしすぎですっ!」

等と言ってみた事があり、

物凄く哀しげな顔をしてた。

「・・・・もぅ寝るか」

ヤクシは何処か憮然とした調子で

椅子から立ち上がって

寝る仕度を始める。





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33013薬士。。。 2007/2/27 21:07:35
記事番号33009へのコメント



空には、透明な青色が一色に広がっていて

昨日の雨が、まるで夢か嘘か幻の様に消えさっていた。

ざっざっ。草を踏み分けて、ヤクシは森を歩く

腰には護身用の少し形の変わった短剣を吊り

口には相変わらずガムを含んでいた。

オーナーの話では、リコリの実は森の奥だというので

森の奥へ向けて、ヤクシは足を淀み無く進める。







「あ――――・・・あの雲食えんかなぁ・・・」

昨日から何も食べていないガウリイは、地面に寝転がって呟いた。

今朝、偶然見つけた洞窟で目覚めると

ハエが周りを飛び回り、輪郭が薄くなっていたガウリイに

リナが引き、慌てて朝食の魚を釣りに行った。

ガウリイは今そんな現状だった。

「リナ遅ぇな・・・ん」

空を浮遊させていたガウリイの視線が、木の所で動きを止める。

「・・アレは・・・・」

イマイチ霞む目をしっかり凝らし

木を凝視した。

すると可愛らしい赤い実が熟したとばかりに、所狭しと自身を主張している

「林檎だぁっ!!」

ガウリイはすぐさま木に飛び付き、5・6個手に入れて口に放り込む

「おいっ!!待て!!」

ほぼ同時に声が聞こえ、そちらへ振り向く

と、口の中で変な味がした。

「ッ!?」

あまりに強烈な味に、思わず木から落下し、ドッと背中から落ちて少し打つ

「そいつは有毒だ!!今すぐ吐き出すんだ!!」

誰かが駆けつけて来て、大声でそんな事を言うが

もぅ2・3個呑んじゃったし・・何か・・・意・・識

そこでガウリイの世界は真っ暗になった。




「あな・・が・・・あの・・・・?・・」

リナの声だ。

ぼんやりとした頭の中、ガウリイはそっと目を開く。

「ああ、解毒薬くらいなら直ぐ作れる・・ん、もぅ目を覚ましたのか。回復が早いな」

あの時の声の・・?

とり合えず起き上がってみる。口にまだ嫌な味が残っていた

するとまだ昼間だというのに火を焚いていて、それを囲む様にリナと見知らぬ青年が座っていた




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33015薬士。。。 2007/3/3 20:29:59
記事番号33009へのコメント



「―――大体、手の中に5・6個納まる実が、林檎なワケ無いだろう」

焼き魚にかぶりつくガウリイに、先程の青年、ヤクシが呆れた様に言った

「あんたが口に入れた実は、イガイジクと言って、特に猛毒というわけでは無いが、

味覚から直接脳に影響を与える種類の毒だから 直ぐに意識を失ってしまうんだ。」

気を付ける様に、と念を押すヤクシに対して

「へえっアンタやたら詳しいんだな!ぃやあ本当助かったよ!」

と、緊張感等まるで無い、ガウリイが笑顔でお礼を言った

いまいちかみ合ってない会話に、リナが口を挟む

「ところでヤクシ、あなたリコリの実の事について 何か知ってる?」

「・・・・・文献程度には。」

リナには、お互いの自己紹介を済ませてあるので、早速話しを先へと進める

「まず、大きな特徴としては 実の近くで魔法を発動させると――」

「―――実が、落ちてしまう」

リナが合わせて言い、ヤクシが肯定する。

これは、有名な話だった。

少し物知りな子供がでも知っている様な話である。

それに、実が落ちたとして、決して食べれなくなるのでは無いので

特に問題視する様な事でも無い。

「・・・どんな呪文でもなの?」

「ああ。まだ調査中で詳しい事は解っちゃいないが、基本的に魔術全般の様だな」

「・・他には?」

「他はー・・木の生ってる場所の見当くらいか」

「よしっ!!」

がばっと突然リナは立ち上がり、ガッシとヤクシの手を取る

「共同戦線を張りましょ!!あなたはその知識、私達は賊からあなたを守ってあげるわ!!」

目が輝いている。

戦線・・?;と思い何処か気圧されつつも、

「それは・・・どうも」

とヤクシは返事をした。







がっさがっさと草を踏む足音がずっと続いている。

ヤクシが奥だと言うので従って歩いているが、もう何時間も歩き通しである。

コレじゃ今までとあんまし変わんない・・!

リナが心の中で後悔し始めていると

ふいに、ヤクシが振り返った

「ココからはもう賊のアジトに近い筈だ。少し慎重に進むぞ。」

「・・・・・」

実を独占したい賊がねぐらを張る場所として、

必ず近くにリコリの木があるだろうと睨んでここまで来ていたのだが、

流石に飽きてきたリナ達としては、賊をぷち潰してストレスとおさらばしたい処なのであった。

まぁ今回はゲストもいるし、今日は抑えよう。と言い聞かせ 興味を他へ移す

「ヤクシのそのガムって美味しいの?」

「ん、コレは無糖だから特に味はしないな」

「・・・」

貰う気失せるよ

「じゃあヤクシはガム好きなんだな」

ガウリイが横から言ってきて、ヤクシが答えようとした時

「ああっ!木ぃあったっ!」

リナが突如歓声を上げた





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33049薬士。。。 2007/3/23 01:19:16
記事番号33009へのコメント

「・・・で?、どうするんだ?」

ヤクシが半眼で呟く。その視線の先には、とても立派なリコリの木があった

下の絶壁から生えるようにして。

「勿論ッ採るのよ!」

そんなヤクシの様子等全く意に介さずに、リナは目を輝かせて、拳をぐっと握っている

「こォんな大きな立派な実を、みすみす逃すワケ無いじゃないッ!私の目は確かよ!

あの実は三倍も値が上がるわ!・・って何!?そのあからさまに嫌そうな顔!?」

「って何!?ぢゃねェ!一体全体如何するッてんだ!魔法で下には行けないんだぞ!!」

ぎゃあぎゃあと口論をする二人を前にして、ガウリイは困った様に

「なァ、あんまウルサイと賊に気づかれるんじゃ・・・」

ポツリとそう言った。







頑張るなァ・・・ボンヤリとヤクシは考える

眼下には一本のロープを命綱にして、いそいそと下りていくリナとガウリイの姿があった。

一番下がガウリイで、それにリナが続いている。二人ともに手にはカゴを持っていた

最初は反対していたヤクシだったが、こうなるともう心配で つい見守ってしまう。

特に今日は風がありロープがやたらギシギシいうので、ヤクシはハラハラしっぱなしだ。

だからなのか

その時、賊が近づいて来てる事にヤクシは全く気づかなかった

――――バキッ

斧が地面に叩きつけられ、木に縛っていたロープが斧によって切断された

「ッ!!」

咄嗟にヤクシは傍のロープを掴んだ

「ッうわ!?」「キャア!!」

ガクンッと落下しかけ、リナ達の悲鳴が聞こえた

「ぐ・・っ」

ヤクシは近くの木に体を引っ掛けてロープを掴んでいる為、ヤクシごと落ちる事は無かったが

流石に二人分の体重はキツく、手からズルズルと少しづつロープが滑っている

「へへへ・・やァーッぱ旅人雇ってやがったよ」

「金持ちの考えるコトって分かり易いンだよなァ」

そこへ二人組みの賊が姿を現した。いずれも得物を手にしている

不味いな・・・ヤクシはペッとガムを吐き出した。

「何でお仲間がバンジーしてンのかは知らないが・・ココで死んでもらうか、なアッ!!」

賊の一人が叫び声と共に、斧をヤクシに向けて振り下ろした

ガキィンッ

高い金属音がして、斧は短剣によって防がれていた。

両手でロープを支えていたハズのヤクシの右手は、短剣でしっかりと斧を受けていた

「貴様・・仲間見捨てやがったかッ!!」

再度斧を振り上げた時、ドッと鈍い音がして短剣の柄が賊の鳩尾に埋まっていた。

ガクリと賊の一人がうずくまる時、

「な・・・ッ!?」

もう一人は動けずにいた。

ヤクシはロープを口に咥えていた。

白く鋭い犬歯が口の間に見え、首にはスジが浮かんでいる

それは凄い迫力で、気圧された賊は即殴り倒されたのだった。







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33062薬士。。。 2007/3/31 14:04:53
記事番号33009へのコメント




「へェっじゃあヤクシは狼の血を継いでるんだァ」

「っ違うッッ!!」

さっき全て説明して理解させたハズのガウリイが

見事に話を右から左にスルーさせてた様子に

ヤクシは思わず目を剥いて反論した。

「何だ狼の血ッて!?何処から出て来たッ!少年漫画の読みすぎだぞっ!!」

まァ、確かにスレも少年漫画だったが・・・

ガウリイは目をくるくるさせている

この世界では在りえない、突如の禁止ワードに戸惑っている様だ

「まぁいいわ。」

リナが話を進める

「このガムは誰が作ったの?」

「・・自分だ」

賊を倒した後、首と顎の力だけでリナ達を引っ張り上げたヤクシは

常時噛んでたガムに歯や顎等を強くする強化剤が含まれてる事を明かしたのだった

「だからってここまで強化されるものなのか?」

「あまり知られてはいないが、ココの植物は魔力を吸収してる分 威力が凄いんだ。

東洋の師匠が驚いていた程だよ」

へええっとガウリイが素直に感心した

「それにしても今日は本当に助けられたわ、はいっ」

差し出されたカゴにはりコリの実が積まれていた

「・・・あの、状況で・・本当に採って来たのか!?」

「当ったり前でしょ!何の為に行ったと思っているの!?」

「ヘェ・・」

チラと後ろを見遣ると、半壊の賊のアジト。

逞しい・・・ヤクシは心の中で呟く

「よーし!+αも潰したしっ街に帰るわよっ!」

お――!!だばだばだばと三人は帰りました。


****************************


さあて!終わりましたよっ

やったーー!!ヒューヒュー!!

思った以上に長々ダラダラやってしまいました

もはや通信簿も配られ、追試も無かった事で・・

あーー!良かった!あーー!長かった!

長文って大変ですね

最後なんて一文で終わらせましたからね。目にも留まらぬ速さです

ぇッ、ぁ。飽きたとかそんなんじゃ無いですよっ

もぅ次の話考えだしちゃってるとかっそういうんじゃ無いですからね!

そ う い う ん じゃ 無 い で す か ら ね っ !!(ムダに強調

ではその辺でそろそろ・・お暇するとしますか

それでは



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33199Re:薬士ガード・ワード 2007/7/8 22:29:21
記事番号33062へのコメント

薬士、拝見させていただきました。

ヤクシさんの顎の力は相当ですね。だからと言って、狼とは思いませんが。

ロープを加えたまま殴るってことは、リナかガウリイのどちらかが実を採っている最中にひきづられたのでしょうね。

その最中にも実を採り続けるとは本当に逞しいです。

ヤクシさんの今後、もし宜しければまたお書き願えますか?

では、失礼いたしました。

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