◆−ガラス板(ゼロ→リナ)−とーる (2007/1/5 00:34:51) No.32967


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32967ガラス板(ゼロ→リナ)とーる 2007/1/5 00:34:51


※シリアス
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
世の境界はまるでガラス板

前は透明で何も見えない

なのに手を伸ばせば壁をつくる

決して通そうとはしない

ただ、1枚のガラス板





「こんばんは♪」

「……あんたまた来たの……」

「ええ」





世の境界はまるでガラス板

軽く叩く事は出来る

けれど強く叩く事は許されない

決して壊せはしない

ただ、薄く厚いガラス板





「……あんたもそーとーな暇人、じゃないわね……
 あんたは人じゃなくてれっきとした魔族だし」

「そうですねぇ。あえて言うとすれば……“ひまぞく”」

「寒いギャグ言ってんじゃないわよ」





世の境界はまるでガラス板

行く手を阻んでいる

そこから進ませようとはしない

決して超えさせない

ただ、邪魔なガラス板





「リナさんも降参しちゃえばいいじゃないですか」

「誰が降参するもんですか。……絶対に嫌よ」

「ふう、本当に強情ですねぇ」





世の境界はまるでガラス板

貴女は目の前にいるのに

僕はこうしてこの場にいるのに

触れようとすらさせない

ただ、憎しみが募るガラス板





「リナさんはまだ忘れられないんですか?」

「……忘れるもんですか」

「リナさんがこちらに来てくれないからですよ」





だから壊した

彼女と僕を阻むガラス板





「あたしは絶対に、許さないし、忘れない。ゼロス、あんたを」

「もちろん知ってますよ。だから来てるんじゃないですか」

「あたしはあんたがした事を許さない」





貴女を守っていたつもりのガラス板

それが壊れてもまったく失わない

紅の輝きがそこにある

ガラス板はないのに近づけない





「ああ、今日も駄目でしたか……それではまた今度」

「……もう来るなって言ってんのに……」

「聞こえませんよ」





世の境界はまるでガラス板

貴女と僕の間のガラス板

壊したのにあり続けるガラス板

それはいつなくなる?





END.

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