◆−『ある愛の光景』 〜死闘!血戦!大運動会!!〜−棒太郎 (2005/11/11 22:10:09) No.32038
 ┗Re:『ある愛の光景』 〜死闘!血戦!大運動会!!〜−エモーション (2005/11/13 23:48:11) No.32043
  ┗イベントの季節に現れるこのシリーズ−棒太郎 (2005/11/17 10:37:40) No.32059


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32038『ある愛の光景』 〜死闘!血戦!大運動会!!〜棒太郎 2005/11/11 22:10:09


こんばんは。
お久しぶりの棒太郎です。
随分と本編をほったらかしにしているくせに、こんなの書いてしまいました。
本編も忘れていませんよ。ちゃんと完結させる気はあります。


*************************************

 『ある愛の光景』

   〜死闘!血戦!大運動会!!〜



  ポン  ポン ポポン



爽やかに晴れた秋晴れのある日。
この日、ゼフィーリアの特設会場である催しが行われようとしていた。
高々と設置されたアーチ状のポールには、”スポーツの秋だよ、全員集合!オールスター大運動会”と書かれた看板があった。
「ま〜〜〜〜、なんつぅ〜〜かねぇ・・・・・・」
その看板を見ながら、リナはハァと呆れたような疲れた溜め息をついた。
「ちょっと、なんでこんなことになったわけ?」
  ―――え、私に言ってますか?
「そうよ。一体何の冗談なのよ、これ」
  ―――まあ、なんちゅうか本中華、季節ネタでもありますし、棒太郎流スレSSの懇親会みたいなもんでひとつ――――
「それでこんな企画立てたわけ?」
  ―――発案は私じゃなくて――――――「ちょっと!!これどーゆーことよ!!!」
「げ!海王ダルフィン!?」
  ―――何か問題でも―――?
「あるに決まってんでしょうーが!!これよ、これ!!」
そういってダルフィンは一枚の紙を差し出した。
「私とデイルが敵同士ってどーゆーことよ!!」
  ―――いやまぁ、人間VS魔族ってチーム分けのほうが分かりやすいかと
「なにボケたことぬかしとんじゃ!!これやったらこっちの計画、意味ないやんけ!!」
  ―――まあ、ロミオとジュリエットって構図も
「似たようなこと散々本編でやらせとるやろっ!!何が悲しゅーてこの話でまでそないなことせなあかんねん!!あんま舐めとったら奥歯に指突っ込んでガタガタいわすぞ!!ゴルァッ!!」
  ―――わ、わかりましたよ!それじゃ一部の選手をトレードするということでいいですか
「それならいいわよ」
その言葉にコロッと表情を変え、打って変わってニコニコと笑って去っていった。
「原因はアレね・・・・・・」
  ―――まぁ・・・・・・なんでも一緒に力を合わせ、勝利を目指し、なおかつそこで更に深まる愛・・・・・・とかなんとか言ってました
もはや、何も言う気力も失せたリナは、深い溜め息をついて自陣へと戻っていった。


気を取り直して、開会式。挨拶は省略

  ―――え〜〜、皆様のやる気を引き出すために優勝チームには、望みをひとつだけ叶える権利をあげます

この言葉に会場中がドヨドヨとざわめく。
「そんなことが可能なのか?」
誰かの言葉に、

  ―――勿論。このSSにおいて私はいわば神も同然。容易いこと。そんじゃ皆さん、張り切っていってくださ〜〜い


「よっしゃーー!!やるわよ!ゼラス!!」
「おお!!我らの興廃、この一戦にあり!!」

「ガウリイ君!これは負けられんよ!!」
「はい、お義兄さん!!栄光の勝利をこの手に!!」

若干名、凄まじいまでに闘志の炎を燃やす者たちがいた。

「ところでダルフィン、トレードの件だが」
ゼラスが思い出したようにダルフィンに言った。
「ヴェルミスとデイル殿とトレードするのは誰にする?」
とゼラスが口にしたとき、
「「はいっ!!」」
立ち塞がるものを蹴散らさんばかりの勢いで、ガーヴとフィブリゾが挙手した。
「「僕が(俺が)行きますっ!!」」
「え!?」
唐突な展開にグラウシェラーは何がなんだか分からない状態だ。
「あら、いいの?ふたりとも?」
「ああ、別段構わないぜ」
「僕たちもそれほど野暮じゃないよ。まぁ、せっかくのお祭りなんだし」
「そういうこった。お前たち二人の燃える愛の心、水を差したら悪いってもんだぜ」
キラリと白い歯が輝きを放ちそうな笑みを浮かべたエエ顔を見せる二人。
「ガーヴ・・・・フィブリゾ・・・・・」
「あなたたち・・・・そこまで私たちのことを思ってくれて・・・・・今回、敵・味方に分かれるけど、私たちの友情は変わらないわ!!」
「何水臭いこと言ってるんだよ!」
「俺たちゃ仲間じゃないか!」
ガシィッと肩を組み合わせる4人。そんな中、グラウシェラーだけが展開についていけず、ひとり取り残されていた。
こうして選手2名のトレードが成立し、ヴェルミス・デイルはダルフィンたちのもとへ、フィブリゾ・ガーヴはリナたちのもとへといくことになった。
(ふぅ・・・・・あそこに残ってたらこの先、いつどんなトバッチリを喰うかわからないからね)
(あの二人がいるんじゃ、絶対矛先はこっちにくるしな・・・・・)
心の中でそう呟きながら、フィブリゾとガーヴは生暖かい視線を残ったグライウシェラーへと向けていた。
その、市場へ売られていく子牛を見つめるような視線の意味に気が付いたグラウシェラーだったが、すべては後の祭りだった。
「ハメラレターーーッ!!?」


「はぁ・・・・とんだことになりましたね・・・・・」
「そうかね?想定の範囲内だと思うがね」
フゥッと息をつくデイルだったが、ヴェルミスはまったく気にしてないといった態であった。
「さて、まず始めに我々がでるのは・・・・・パン食い競走―――これか・・・・・」
「互いのチームから2名ずつ出て競い合う―――ですか。相手チームの選手は・・・・・」
と目を向けると、そこに必勝と書かれたハチマキを締め、熱く燃えるバカ義兄弟の姿があった。
「ゆくぞ、ガウリイ君!この勝利が栄光の架け橋となるのだ!!」
「押忍!!」
ヌオォォォーーーッ、とスカウターがボンと爆発しそうなほどの気合を発している。
「これは・・・・油断ならないな」
「ええ、これほどの気迫。滅多にお目にかかれないものですね」
タイタスとガウリイの気迫に、デイルとヴェルミスは感嘆の声を上げる。
と、そこへ―――――

「デイルーーーーッ♪」

ハートマークがこれでもかというほど飛び回っていそうな呼び声に振り返ると、
「ファイトッ♪ファイトッ♪デッイッルゥ♪」
「がんばれ♪がんばれ♪ヴェッルミスゥ♪」
ミニスカートも眩しいチアーリーディング姿のダルフィンとゼラスが、黄色い声援を二人に送っていた。
それを見たデイルは気恥ずかしげに、ヴェルミスは悠然と手を振り替えした。
その光景を見ていたタイタスとガウリイは自陣を振り返って、
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
客席で家族と談笑しているリナとルナ。
参加者である彼女たちもジャージ姿であった。しかも小豆色の。
もう一度ダルフィンたちのほうに目を向ける。
チラリと見える太ももも眩しいチアリーディング姿。
対するリナとルナは軽く頑張れーと言った程度・・・・・・
「くっ・・・!!お義兄さん!!世の中って・・・・世の中ってなんて理不尽なんだ!!」
がくりと膝と手を突き、崩れ落ちるガウリイ。
「泣くな、ガウリイ君!!いつか・・・・いつの日かきっと、我々の時代が来るさ!!」
試合に負けた甲子園球児のように熱く互いを励ましあう二人。
しかしそんな熱き魂の叫びも、「何やってんだろ、あのふたり?」とリナたちにまったく伝わっていなかった。
そうこうするうちにトッラクの所定位置へと集まる選手たち。
「デイルーー♪頑張ってぇ〜〜ん♪」
飛んで来る熱い声援に軽く手を上げようとしたデイルは、
「勝ったらエッチなご褒美あげちゃうから〜〜〜♪」
頭からグラウンドに突っ伏した。
その声援を聞いて、ムキーーとハンカチを噛み締めて嫉妬の炎に燃えるバカ義兄弟であった。
「ふふ、こういうのは久しぶりだな・・・・」
ニヤリと笑って呟くと、ヴェルミスはジャージの上着を脱ぎ捨て、タンクトップのシャツ一枚の姿になった。
驚愕の声があちこちから上がる。現れたその肉体は中肉といった体型ながら高密度といえる筋肉で引き締まった身体であった。
「むぅ・・・・ガウリイ君。どう見る・・・?」
「どう見るか――――より、どう造ったか――――が問題っすね」
二人の顔に真剣な表情が浮かぶ。
「うわ〜〜〜〜、ヴェルさんって結構凄いのね〜〜〜」
「そう、彼って脱いでも凄いの(///)」
ホエ〜〜と感嘆の声をあげるダルフィンに、ゼラスは頬を赤らめてちょっと食い違うようなことを言ったのだった。

「それでは、位置について――――ヨーーイ」
パァン!と轟くスタート合図に各走者、一斉に駆け出した―――――が、
「むっ!?」
「なんとっ!?」
直線コースの先に吊られているパンの群れの前に、すでにタイタスの姿があった。
「ちょっとぉ!あれって反則じゃないのっ!?」
ダルフィンが抗議の声を上げる。
魔族側は空間移動はすべて禁止されているからだ。

  ―――いえいえ、あれは空間移動ではなく、超スピードですから。規定には引っかかりません

「なんなのよ、それ!!」
ムキーと唸り声を揚げるが、大会委員会の可決により、無視された。
「ふふ、この勝負貰いましたよ!!」
とりゃぁっ!とパンのひとつに勢いよく喰らいつく。
「!!!???☆★○×●△×**##●☆!!??」
が、その瞬間口元を押さえ、地面をのた打ち回った。
「タ、タイタス!?」
「ど、どうしたの!?」
ルナとリナの顔に驚愕が張り付く。

  ―――どうやら彼は『ハバネロタバスコパン』を当てたようですな

「な、なによ・・・・そのおぞましいパンは・・・・・・なんでそんなのあるわけ?」

  ―――いやまあ、こーゆーイレギュラーをいれとくとより盛り上がるかと思って

そうこうするうちに、後ろの走者がとパンに喰らいついていく。
「ん、これは十勝小豆のアンパンですね」
「ふむ・・・これはうぐいすパンか」
倒れ伏すタイタスを尻目に次々と走り抜けてゆく。
「お義兄さん!!」
「ガ、ガウリイ君・・・・僕に構わず・・行くんだ・・・・・」
「し、しかし―――――!!」
「気にするな・・・・・僕の屍を超えてゆけ・・・・・・ガクッ」
「お義兄さん・・・・?お義兄さーーーーーんっ!!!」

 新一派
 東方不敗 王者之風
 全新招式 石破天驚
 看招!
 血染東方一片紅

何故か二人の見上げる空にそんな文字が浮かんでいた。

 *この競技、デイル・ヴェルミスコンビの勝ち


「よ〜〜しよし、幸先のいいスタートよ」
パン食い競走の結果にご満悦のダルフィン。
「さて、次の競技はなにかしら?」
「え〜〜と、騎馬戦だな」
「じゃ、決まりね」

「「グラウ、よろしく♪」」

唐突に話を振られたグラウシェラーはちょっと待ってよベイベー、みたいな顔で食い下がった。
「え!?我か?」
「あんた以外の誰がいるのよ」
「他にもいるだろ――――」
「ほう・・・・”覇王”ともあろうものが、怖いのか?」
「な・・なにを――――!?」
嘲りの笑みを浮かべながら言い放ったゼラスの言葉に、グラウシェラーの頭に血が上った。
「ふん!こんなものぐらい訳がない!!我の力、思い知らせてやろう!!」
「頼りにしてるわよ♪あ、ちなみに負けたら―――――」
ポンと肩が置かれ、
「―――――ブッ殺す」
ピンと立てた親指でギイィっと首を掻っ切るポーズとともに、思いっきり凄まれた。
「ハ・・・ハイ・・・・・・・」
BGMに『ドナドナ』を背負いながら、グラウシェラーはトボトボとグラウンドへ歩いていった。
(覇王様・・・・・おいたわしや・・・・・・)
その様子を木陰から見守りながら、そっと涙を流すシェーラであった(でも助けには行かない)


***********

勝負はほぼ互角の様相を呈し、通算成績は同点。
凄まじい気合と気迫に包まれた義兄弟コンビと、常に綱渡り状態な己が身のグラウシェラーの奮戦によるところが大きいと言えた。
そしてトレードされたフィブリゾ・ガーヴはというと―――

「いやぁ、てめぇ結構いける口じゃねぇか!!」
「ガッハッハ!!こんなの俺にとっちゃ水みたいなもんだぜぇ!!」
「そうかそうか!!そんじゃドンドン飲みやがれ!!」
「よっしゃよっしゃ!ドンとこいや!!」

観客席でガーヴはベルベインらと酒盛りで盛り上がっていた。
地面にはすでに一升瓶の山が転がっている。
フィブリゾはすでに酔い潰れ(潰され?)、盛大な寝息を立てていた。
そんなこんなで競技もラスト。
トリを飾るその競技は――――
「障害物競走――――」
「ふ〜〜ん、これがラストの競技か〜〜」
とそこへ―――

  ―――これよりコースのスタンバイを始めます。皆様、白線の内側までお下がりください。繰り返します・・・・・・・・・

アナウンスが流れてきた。
どんな感じでコースがスタンバイされるのか―――そう思っていたら、

 ゴゴゴゴゴゴゴ

突如地面が振動し、二つに割れたかと思うと、その下から『ファイナルバトル用特選コース』と銘打たれたものがせり上がってきた。
「な、なによこれ―――!?」

  ―――え〜、これがラストの障害物競走のコースです。参加選手はここで知力・体力・時の運を振り絞って闘ってもらいます。ちなみにコース制作・監修はからくり師のジゴマが務めております

紹介のアナウンスに何処から湧いて出たのか、コースのスタートラインに立っているジゴマが「どーも」と挨拶していた。
これでもう、この競技がろくでもないものだとほとんどの者が直感していた。
「それでは最後の競技の説明をさせていただきます」
マイクを片手にジゴマが喋りだした。
「ルールはいたって簡単。3人一組でスタートし、内一人でもゴールしたチームの勝ちでございます。それぞれ力を合わせてこのコースをクリアしてください」
それでは皆様、御武運を――――ニヤリと笑みを浮かべながら、説明を終えた。
出場選手が次々とコート内へと入ってくる。
「・・・・・・なんで最後の最後で」
「まあまあ、ゼル。そー落ち込むなって」
「我々の力、目にもの見せてくれようじゃないか」
己の不運を嘆き呪うセルガディスを引きずりながらバカ義兄弟がやってくる。
「いいこと、グラウ。デイルたちの足引っ張るんじゃないわよ」
「わかっているな・・・・?」
「・・・・・・・・・ハイ」
”恋する乙女は最強・最狂・最凶”を体現する二人に凄まれ、もはや生ける屍と化したグラウシェラーが力なく応える。
「さてそれでは皆様、位置についてヨ〜〜〜イ―――――」
ズドムッ!と腹に響く重い轟音を轟かせ、スタートの合図が鳴った。
タイタス・ガウリイ・ゼルガディス組とデイル・ヴェルミス・グラウシェラー組、両者譲らずの激走である。と―――――
「むっ!?」
「とっ!?」
足に何か細い糸のようなものが引っかかった――――と思った瞬間、

 ブオッ! ズガン!

しなりをあげて、鋭いトゲトゲのついた物体が襲ってきた。
「これは――――かつてベトコンが使ったというブービートラップ、『スパイクボール』か!?」
紙一重で躱しながら、ヴェルミスはその正体を見破った。
「なるほど、これは油断できませ――――!?」
突如、地面の感覚が消えた。ボコリと落とし穴がその口を開いた。
「くっ!?」
両手両足を広げ、側面を押さえつけてブレーキをかける。
落下を止めたそのすぐ下には、鋭い切り口を天に向けた竹やりがいくつも生えていた。
「これが『パンジステーク』――――ですか。やれやれ、最後は過激な競技ですね」
よっ、と這い上がってきたデイルがひとつ息をついた。
ちなみに外野ではデイルの間一髪に、ダルフィンが乱闘騒ぎを起こしかけていた。
「この程度のトラップでひるむ我々ではない!ゆくぞ、ガウリイ君!!」
「押忍!!」
熱い魂の雄叫びを上げながら、襲い来るベトコン仕込のトラップを突破してゆく義兄弟コンビ。タイタスはダルフィンらの抗議により、足にハンデの重石がつけられている。
その後ろをゼルガディスは「俺は必要ないんじゃないのか・・・?」とボヤキながらついていっていた。
「おのれ!例えこのようなくだらん競技といえど、人間如きに負けるわけにはいかん!!」
猛然とグラウシェラーが追いかけてくるが、

 カチ 「へ?」   チュドーーーン

コース上に設置された25メートルプール大の砂場に足を踏み入れたとたん、大爆発が起きた。
「地雷?」
「いや、ただの地雷じゃないな・・・・・これは、クレイモア地雷か・・・・」
飛び散った鉄球を見た、ヴェルミスが呟いた。

 *豆知識
  クレイモア地雷(M18 Claymore)
   管制起爆する対人兵器(対人地雷)
   湾曲した箱の形状をしており、地上に敷設する。起爆すると爆発により、地雷内部の鉄球が扇状の範囲に発射される
   最大加害距離は約250m、有効加害距離は約50m、加害範囲は60°
   なお、この地雷は爆薬を使う兵器の性質上、後方180°・半径16m圏内は立入禁止エリアとなっているほか、加害範囲外半径100m圏内は危険区域とされている

「ちょっと、ジゴマーーーッ!!あんた、デイルを殺す気ーーーっ!!??」
「いやいや、せっかくのラスト競技なんですから。これぐらい盛り上がったほうが――――」
「ふざけんなーーーっ!!」
ウガーーーーッ!!と得物を手に、ダルフィンはジゴマに襲い掛かった。

「ふふ、天は我らに味方した!このまま一気に往くぞ!!」
「オオォーーッ!!」
と、意気込むタイタス・ガウリイ・ゼルガディス組の前に、大きな底なしの穴が立ち塞がった。
穴にはいくつもの高い丸太が立ち並んでおり、そのひとつに人影が立っていた。
「ここより先に通る鍵は我々が持っている。往くならば、我々を倒すこと―――だそうだ」
「まさか、お前とはな――――」
ガウリイの言葉に、一刀を手にしたリュウゼンはニヤリと笑みを浮かべた。
「そういうことじゃ。さ、いっちょ揉んでやるかの」
「ふふ、そろそろ隠居の歳だということを知るころですよ、御老」
コキコキと手を、首を鳴らすフー・マンチューに、タイタスもミシリと全身に力を漲らせる。
「俺は―――――」
半分蚊帳の外なゼルガディスの前には、
「ゼルガディスさん!!」
「な!?ア、アメリア!?お前か!?」
「はい、ジゴマさんから頼まれまして。ここで控えてくれるだけでいいからって!!」
『あ、あのヤローー!!』と心の内で怒りを煮えくり返らせるゼルガディス。
困惑する自分の姿にニヤニヤと笑みを浮かべるジゴマの顔が浮かんだ。
と、その瞬間、凄まじい闘気が渦巻き、膨れ上がった。
お隣はすでに臨戦態勢に入っている。巻き込まれればただではすまない。
「お、おい!待―――」
――て、と言おうとしたとき、

「おんどりゃーーーっ!!死にさらせぇぇぇーーーっ!!」
「とっとっと―――――」

悪鬼羅刹の形相で得物を振り回すダルフィンと、疾風の如く逃げ回るジゴマが突進してきた。
「どっせぇぇぇぇい!!」
気合一発、大きく振りかぶって投擲された得物が、ジゴマの後頭部に直撃した。
「はっはーー!さあ、捕まえたわよ。これでトドメ―――――」
言いかけて、グイッと胸倉掴んで持ち上げたそれはジゴマではなく、

 『残念賞♪またチャレンジしてね♪』

と張り紙された、人型に爆弾を思いっきり詰め込まれた身代わり人形だった。

その瞬間、辺りは眩い閃光に包まれた。




********

「あ〜〜、結局骨折り損だったわね〜〜〜」
「ま、それなりに楽しめたといえば楽しめたけどね」
疲れた声を上げるリナに、ルナは楽しげな声を上げる。
「まぁ、あのバカの望みが潰えただけでもよしとするかなぁ」
「タイタスもねぇ・・・・もう少し落ち着いてくれても――――」


「へっくション!!」
盛大なクシャミが夜空に響く。
「いや〜〜、姉上も容赦がないなぁ〜〜」
「そっスね〜〜〜」
プラ〜〜ンと簀巻きにされ宙吊りにされたタイタスとガウリイが、ハッハッハと笑い声を上げながらグルグルと回っていた。
結局、運動会はジゴマの身代わり爆弾によって滅茶苦茶になってしまったため、ご破算となってしまった。
しかし、諦めきれないバカ義兄弟が食い下がったが、そこでうっかり『リナ&ルナ ムフフマル秘(以下、あまりにも不適切すぎるため、放送禁止)』を滑らせてしまい、必殺バカ義兄弟仕置人ことフューシャに粛清されたのだった。
「流石に11月も半ばになると寒いね〜〜―――――――へックション!!」
「そっスね〜〜〜――――――ハックション!!!」



「デイル〜〜〜ん、あ〜〜〜〜ん」
「はいはい、まだ熱いかもしれませんから気をつけてくださいね」
「大丈夫よ〜〜〜。う〜〜ん、おいしい〜〜〜」
最至近距離で爆発を喰らったダルフィンは、デイルに手厚く看病してもらっていた。
実際、すぐに治せる怪我だったのだが、これ幸いにとわざと大げさなフリをしたのだった。
「ご飯の後は、デザートもありますからね」
「いやん、ウレシイ〜〜〜♪」

「まあ、彼自身の行動も自身をどツボに嵌らせている原因だな」
傍から見たら甘やかしてるようなその光景を見ながら、ヴェルミスはポツリと呟いた。
しかし、彼は何も言わない。ただ黙って暖かく見守っているだけである。



「くぅぅーー、やっぱり上との扱いの差は納得いかないぞ!!」
「そっスよ!お義兄さん!!ここは一発、革命を―――「じゃかましゃぁ!今何時だと思ってんのよ!!」

リナの怒鳴り声と共に、ガウリイの頭に剛速球で投げられた砲丸が見事命中した。
「お主ら、いつもこんなことやっているのか?」
木の下で吊るされた二人を見ながら、リュウゼンが感嘆するような呆れたような声を上げたのだった。


「次の戦いはクリスマスだーーーーっ!!」
「押ーーーっ忍!!」
「じゃかましいっつってんだろ、ゴルァッ!!」


*************************************

季節ネタということで、運動会ネタをお届けしました。
しかし、内容はいつもと同じです。
美味しい目を見たのは結局、ダルフィンたちでした。
さあ、はやいとこ本編の続きを書かねば。
それでは。

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32043Re:『ある愛の光景』 〜死闘!血戦!大運動会!!〜エモーション E-mail 2005/11/13 23:48:11
記事番号32038へのコメント

棒太郎様、こんばんはです。

まさかこの時期に拝めるとは思っていなかった「ある愛の光景」シリーズ。
しかも今回はダルフィン様とゼラス様のコンビと義兄弟コンビの夢の競演!
これは3日前の夕方に見た、大きくて派手な流れ星(大気圏の中を飛んでいたため、
視覚的には炎の塊にしか見えず、最初は飛行機事故だと思った)の御利益でしょうか。
何にせよ、さらにパワーアップした内容に爆笑しました。


>  ―――まあ、なんちゅうか本中華、季節ネタでもありますし、棒太郎流スレSSの懇親会みたいなもんでひとつ――――
>「それでこんな企画立てたわけ?」
>  ―――発案は私じゃなくて――――――「ちょっと!!これどーゆーことよ!!!」
>「げ!海王ダルフィン!?」

……なるほど、発案者はこの御方でしたか。(笑)

>  ―――まあ、ロミオとジュリエットって構図も
>「似たようなこと散々本編でやらせとるやろっ!!何が悲しゅーてこの話でまでそないなことせなあかんねん!!あんま舐めとったら奥歯に指突っ込んでガタガタいわすぞ!!ゴルァッ!!」

た、確かに番外でまでロミジュリは悲しいですし……。ダルフィン様、心からの叫びですね。

>  ―――勿論。このSSにおいて私はいわば神も同然。容易いこと。そんじゃ皆さん、張り切っていってくださ〜〜い

>「よっしゃーー!!やるわよ!ゼラス!!」
>「おお!!我らの興廃、この一戦にあり!!」
>
>「ガウリイ君!これは負けられんよ!!」
>「はい、お義兄さん!!栄光の勝利をこの手に!!」
>
>若干名、凄まじいまでに闘志の炎を燃やす者たちがいた。

やはり俄然張り切るのはこの方々なのですね♪

>こうして選手2名のトレードが成立し、ヴェルミス・デイルはダルフィンたちのもとへ、フィブリゾ・ガーヴはリナたちのもとへといくことになった。
>(ふぅ・・・・・あそこに残ってたらこの先、いつどんなトバッチリを喰うかわからないからね)
>(あの二人がいるんじゃ、絶対矛先はこっちにくるしな・・・・・)
>心の中でそう呟きながら、フィブリゾとガーヴは生暖かい視線を残ったグライウシェラーへと向けていた。

さすが……(笑)
随分もの分かりよくトレードされるなあと思っていたら……。
ガーヴ様もフィブリゾ様もよーく分かっていますね。
……そして不幸な生け贄の羊が決定……(笑)

>「ファイトッ♪ファイトッ♪デッイッルゥ♪」
>「がんばれ♪がんばれ♪ヴェッルミスゥ♪」
>ミニスカートも眩しいチアーリーディング姿のダルフィンとゼラスが、黄色い声援を二人に送っていた。
>それを見たデイルは気恥ずかしげに、ヴェルミスは悠然と手を振り替えした。
>その光景を見ていたタイタスとガウリイは自陣を振り返って、
>「・・・・・・・・・」
>「・・・・・・・・・」
>客席で家族と談笑しているリナとルナ。
>参加者である彼女たちもジャージ姿であった。しかも小豆色の。
>もう一度ダルフィンたちのほうに目を向ける。
>チラリと見える太ももも眩しいチアリーディング姿。
>対するリナとルナは軽く頑張れーと言った程度・・・・・・
>「くっ・・・!!お義兄さん!!世の中って・・・・世の中ってなんて理不尽なんだ!!」

優勝めざして燃える義兄弟が見たものは、あまりにも違いすぎる応援席のお色気度。
小豆色(ここがポイント)のジャージ着用が拍車を掛けてますね(笑)

>ニヤリと笑って呟くと、ヴェルミスはジャージの上着を脱ぎ捨て、タンクトップのシャツ一枚の姿になった。
>驚愕の声があちこちから上がる。現れたその肉体は中肉といった体型ながら高密度といえる筋肉で引き締まった身体であった。
>「むぅ・・・・ガウリイ君。どう見る・・・?」
>「どう見るか――――より、どう造ったか――――が問題っすね」
>二人の顔に真剣な表情が浮かぶ。
>「うわ〜〜〜〜、ヴェルさんって結構凄いのね〜〜〜」
>「そう、彼って脱いでも凄いの(///)」
>ホエ〜〜と感嘆の声をあげるダルフィンに、ゼラスは頬を赤らめてちょっと食い違うようなことを言ったのだった。

ヴェルミスさん……(^_^;)
血のバケイション再び、でしょうか。……ジャージの上だけだから無問題かな?

>「ちょっとぉ!あれって反則じゃないのっ!?」
>ダルフィンが抗議の声を上げる。
>魔族側は空間移動はすべて禁止されているからだ。

競技になりませんしね。
でも、超神速なタイタスさんもある意味反則技のような……。

>「!!!???☆★○×●△×**##●☆!!??」
>が、その瞬間口元を押さえ、地面をのた打ち回った。
>「タ、タイタス!?」
>「ど、どうしたの!?」
>ルナとリナの顔に驚愕が張り付く。
>
>  ―――どうやら彼は『ハバネロタバスコパン』を当てたようですな

めっちゃ辛そうですね……(汗)さすがのタイタスさんもこれには勝てないのですね……。
なんとなく「僕の顔をお食べよ」と、某菓子パン勇者(笑)がぶら下がってたら
どうしようと思ってたのですが。

>「ふん!こんなものぐらい訳がない!!我の力、思い知らせてやろう!!」
>「頼りにしてるわよ♪あ、ちなみに負けたら―――――」
>ポンと肩が置かれ、
>「―――――ブッ殺す」
>ピンと立てた親指でギイィっと首を掻っ切るポーズとともに、思いっきり凄まれた。
>「ハ・・・ハイ・・・・・・・」
>BGMに『ドナドナ』を背負いながら、グラウシェラーはトボトボとグラウンドへ歩いていった。
>(覇王様・・・・・おいたわしや・・・・・・)
>その様子を木陰から見守りながら、そっと涙を流すシェーラであった(でも助けには行かない)

ああ、覇王様……。さっそく不幸への怪談ならぬ階段を駆け上っているような……。
明子姉ちゃんなシェーラちゃんが(笑)

>「いやぁ、てめぇ結構いける口じゃねぇか!!」
>「ガッハッハ!!こんなの俺にとっちゃ水みたいなもんだぜぇ!!」
>「そうかそうか!!そんじゃドンドン飲みやがれ!!」
>「よっしゃよっしゃ!ドンとこいや!!」
>
>観客席でガーヴはベルベインらと酒盛りで盛り上がっていた。
>地面にはすでに一升瓶の山が転がっている。
>フィブリゾはすでに酔い潰れ(潰され?)、盛大な寝息を立てていた。

そして無事我が身の危機を回避したお二方……。今回、一番幸せなのかも。

>  ―――え〜、これがラストの障害物競走のコースです。参加選手はここで知力・体力・時の運を振り絞って闘ってもらいます。ちなみにコース制作・監修はからくり師のジゴマが務めております
>
>紹介のアナウンスに何処から湧いて出たのか、コースのスタートラインに立っているジゴマが「どーも」と挨拶していた。
>これでもう、この競技がろくでもないものだとほとんどの者が直感していた。

ラ、ラストはよりにもよってジゴマさん作成の障害物競走……。(爆笑)
確かに誰もが「ろくでもない」と判断しますね。

>「・・・・・・なんで最後の最後で」
>「まあまあ、ゼル。そー落ち込むなって」
>「我々の力、目にもの見せてくれようじゃないか」
>己の不運を嘆き呪うセルガディスを引きずりながらバカ義兄弟がやってくる。
>「いいこと、グラウ。デイルたちの足引っ張るんじゃないわよ」
>「わかっているな・・・・?」
>「・・・・・・・・・ハイ」
>”恋する乙女は最強・最狂・最凶”を体現する二人に凄まれ、もはや生ける屍と化したグラウシェラーが力なく応える。

どちらのチームも、三人目に抜擢されるのは不幸の星を背負った方々、と♪

>「地雷?」
>「いや、ただの地雷じゃないな・・・・・これは、クレイモア地雷か・・・・」
>飛び散った鉄球を見た、ヴェルミスが呟いた。
>
> *豆知識
>  クレイモア地雷(M18 Claymore)
>   管制起爆する対人兵器(対人地雷)
>   湾曲した箱の形状をしており、地上に敷設する。起爆すると爆発により、地雷内部の鉄球が扇状の範囲に発射される
>   最大加害距離は約250m、有効加害距離は約50m、加害範囲は60°
>   なお、この地雷は爆薬を使う兵器の性質上、後方180°・半径16m圏内は立入禁止エリアとなっているほか、加害範囲外半径100m圏内は危険区域とされている

ベトコン仕込みのトラップどころか、こんなものまで……。(汗)
確かにちょっとやそっとのトラップで、どーにかかなる方々ではないですが、
ジゴマさんてば……(笑)
ダルフィン様が怒るのも、無理もありません。

>穴にはいくつもの高い丸太が立ち並んでおり、そのひとつに人影が立っていた。
>「ここより先に通る鍵は我々が持っている。往くならば、我々を倒すこと―――だそうだ」
>「まさか、お前とはな――――」
>ガウリイの言葉に、一刀を手にしたリュウゼンはニヤリと笑みを浮かべた。
>「そういうことじゃ。さ、いっちょ揉んでやるかの」
>「ふふ、そろそろ隠居の歳だということを知るころですよ、御老」
>コキコキと手を、首を鳴らすフー・マンチューに、タイタスもミシリと全身に力を漲らせる。
>「俺は―――――」
>半分蚊帳の外なゼルガディスの前には、
>「ゼルガディスさん!!」
>「な!?ア、アメリア!?お前か!?」
>「はい、ジゴマさんから頼まれまして。ここで控えてくれるだけでいいからって!!」
>『あ、あのヤローー!!』と心の内で怒りを煮えくり返らせるゼルガディス。

あはははは(笑)それぞれにとって(いろんな意味で)強敵な相手をチョイスする。さすがジゴマさん!!
これは……勝つのが大変です(特にゼル)

>悪鬼羅刹の形相で得物を振り回すダルフィンと、疾風の如く逃げ回るジゴマが突進してきた。
>「どっせぇぇぇぇい!!」
>気合一発、大きく振りかぶって投擲された得物が、ジゴマの後頭部に直撃した。
>「はっはーー!さあ、捕まえたわよ。これでトドメ―――――」
>言いかけて、グイッと胸倉掴んで持ち上げたそれはジゴマではなく、
>
> 『残念賞♪またチャレンジしてね♪』
>
>と張り紙された、人型に爆弾を思いっきり詰め込まれた身代わり人形だった。
>
>その瞬間、辺りは眩い閃光に包まれた。

あああっ! 張り紙付き人形爆弾再び!!

>プラ〜〜ンと簀巻きにされ宙吊りにされたタイタスとガウリイが、ハッハッハと笑い声を上げながらグルグルと回っていた。
>結局、運動会はジゴマの身代わり爆弾によって滅茶苦茶になってしまったため、ご破算となってしまった。
>しかし、諦めきれないバカ義兄弟が食い下がったが、そこでうっかり『リナ&ルナ ムフフマル秘(以下、あまりにも不適切すぎるため、放送禁止)』を滑らせてしまい、必殺バカ義兄弟仕置人ことフューシャに粛清されたのだった。

……結局、この2人はいつものお仕置きを受けてしまうのですね(笑)
今回だけはないと思っていたのに(笑)

>最至近距離で爆発を喰らったダルフィンは、デイルに手厚く看病してもらっていた。
>実際、すぐに治せる怪我だったのだが、これ幸いにとわざと大げさなフリをしたのだった。
>「ご飯の後は、デザートもありますからね」
>「いやん、ウレシイ〜〜〜♪」
>
>「まあ、彼自身の行動も自身をどツボに嵌らせている原因だな」
>傍から見たら甘やかしてるようなその光景を見ながら、ヴェルミスはポツリと呟いた。
>しかし、彼は何も言わない。ただ黙って暖かく見守っているだけである。

一応ダルフィン様にとっては、目論見どおり愛が深まったので良し!というところでしょうか。
本当に……ラブラブですね。タイタス&ガウリイ義兄弟コンビが悔しがるのも無理ないです。

>「お主ら、いつもこんなことやっているのか?」
>木の下で吊るされた二人を見ながら、リュウゼンが感嘆するような呆れたような声を上げたのだった。

そして……いらしたのですね、リュウゼンさん……。
思いがけず知ってしまった良きライバルの横顔(笑)には、どう反応したらよいのか、
確かに困りますね(笑)

>季節ネタということで、運動会ネタをお届けしました。
>しかし、内容はいつもと同じです。
>美味しい目を見たのは結局、ダルフィンたちでした。
>さあ、はやいとこ本編の続きを書かねば。
>それでは。


爆笑しました。やはり番外編では、ダルフィン様たちが美味しい目を見なくては。
そしてデイルさんにとって比較的平和な回だった分、タイタス&ガウリイ義兄弟コンビが
苦労する……と。(笑)ラストもまさかのあのオチでしたし(笑)

あ、「怪人フー・マンチュー」読み終えた感想は……「確かに怪人だ(笑)」でした。
こちらはどちらかというと科学者の要素が強いのですが、それでも充分すぎるくらいの怪人っぷり。
当時(19世紀末〜20世紀初頭)の欧州人にとって、「中国(及び中国人)は何でも有り」
なイメージだったのが、本当に良く分かります。あれに比べれば、まだ日本の
「ニンジャ・クノイチ(欧州人ヴィジョン)」はまだまともな方です。
……でも、後書き解説で、映画でフー・マンチュー役を演じたのは、クリストファー・リーと
書かれていたことが一番驚きましたが(^_^;)

そろそろ年末商戦の時期に突入するので大変だと思いますが、頑張ってくださいませ。
本編や次作を楽しみにお待ちしていますので。
では、今日はこの辺で失礼します。

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32059イベントの季節に現れるこのシリーズ棒太郎 2005/11/17 10:37:40
記事番号32043へのコメント

>棒太郎様、こんばんはです。
>
>まさかこの時期に拝めるとは思っていなかった「ある愛の光景」シリーズ。
>しかも今回はダルフィン様とゼラス様のコンビと義兄弟コンビの夢の競演!
>これは3日前の夕方に見た、大きくて派手な流れ星(大気圏の中を飛んでいたため、
>視覚的には炎の塊にしか見えず、最初は飛行機事故だと思った)の御利益でしょうか。
>何にせよ、さらにパワーアップした内容に爆笑しました。

こんにちは、エモーションさん。
秋のネタといえば、やっぱり運動会かなぁと思い、今回の話となりました。
要所要所ではこのシリーズをやっておかないと―――半ば強迫観念に近いものがあります(笑)


>>  ―――発案は私じゃなくて――――――「ちょっと!!これどーゆーことよ!!!」
>>「げ!海王ダルフィン!?」
>
>……なるほど、発案者はこの御方でしたか。(笑)

このシリーズの騒動の原因は大抵この人か、義兄弟コンビかのどちらかですし(笑)

>>  ―――まあ、ロミオとジュリエットって構図も
>>「似たようなこと散々本編でやらせとるやろっ!!何が悲しゅーてこの話でまでそないなことせなあかんねん!!あんま舐めとったら奥歯に指突っ込んでガタガタいわすぞ!!ゴルァッ!!」
>
>た、確かに番外でまでロミジュリは悲しいですし……。ダルフィン様、心からの叫びですね。

シリアスな番外編も―――と思うこともあるのですが、やっぱりこのシリーズはこのノリで行かないと。

>>「よっしゃーー!!やるわよ!ゼラス!!」
>>「おお!!我らの興廃、この一戦にあり!!」
>>
>>「ガウリイ君!これは負けられんよ!!」
>>「はい、お義兄さん!!栄光の勝利をこの手に!!」
>>
>>若干名、凄まじいまでに闘志の炎を燃やす者たちがいた。
>
>やはり俄然張り切るのはこの方々なのですね♪

このシリーズの成分の半分は、彼らの情熱でできています(バ○リン風に)

>>(ふぅ・・・・・あそこに残ってたらこの先、いつどんなトバッチリを喰うかわからないからね)
>>(あの二人がいるんじゃ、絶対矛先はこっちにくるしな・・・・・)
>>心の中でそう呟きながら、フィブリゾとガーヴは生暖かい視線を残ったグライウシェラーへと向けていた。
>
>さすが……(笑)
>随分もの分かりよくトレードされるなあと思っていたら……。
>ガーヴ様もフィブリゾ様もよーく分かっていますね。
>……そして不幸な生け贄の羊が決定……(笑)

これまでの経験が見事に生かされています(笑)


>>参加者である彼女たちもジャージ姿であった。しかも小豆色の。
>>もう一度ダルフィンたちのほうに目を向ける。
>>チラリと見える太ももも眩しいチアリーディング姿。
>>対するリナとルナは軽く頑張れーと言った程度・・・・・・
>>「くっ・・・!!お義兄さん!!世の中って・・・・世の中ってなんて理不尽なんだ!!」
>
>優勝めざして燃える義兄弟が見たものは、あまりにも違いすぎる応援席のお色気度。
>小豆色(ここがポイント)のジャージ着用が拍車を掛けてますね(笑)

やはり『小豆色』は離せないポイントでしょう。
ガウリイが崩れ落ちて嘆くのも無理はありません。

>>ニヤリと笑って呟くと、ヴェルミスはジャージの上着を脱ぎ捨て、タンクトップのシャツ一枚の姿になった。
>>驚愕の声があちこちから上がる。現れたその肉体は中肉といった体型ながら高密度といえる筋肉で引き締まった身体であった。
>
>ヴェルミスさん……(^_^;)
>血のバケイション再び、でしょうか。……ジャージの上だけだから無問題かな?

上半身だけですから、まだ大丈夫ですね。
下にあんなもの穿いてたら惨劇・再び、ですが。

>>「ちょっとぉ!あれって反則じゃないのっ!?」
>>ダルフィンが抗議の声を上げる。
>>魔族側は空間移動はすべて禁止されているからだ。
>
>競技になりませんしね。
>でも、超神速なタイタスさんもある意味反則技のような……。

距離が短ければ、たいした違いはありませんしね。

>>
>>  ―――どうやら彼は『ハバネロタバスコパン』を当てたようですな
>
>めっちゃ辛そうですね……(汗)さすがのタイタスさんもこれには勝てないのですね……。
>なんとなく「僕の顔をお食べよ」と、某菓子パン勇者(笑)がぶら下がってたら
>どうしようと思ってたのですが。

『暴君』の猛威は凄まじかったようです。
某菓子パン勇者は思いつきませんでした。惜しいことをした(笑)

>>BGMに『ドナドナ』を背負いながら、グラウシェラーはトボトボとグラウンドへ歩いていった。
>>(覇王様・・・・・おいたわしや・・・・・・)
>>その様子を木陰から見守りながら、そっと涙を流すシェーラであった(でも助けには行かない)
>
>ああ、覇王様……。さっそく不幸への怪談ならぬ階段を駆け上っているような……。
>明子姉ちゃんなシェーラちゃんが(笑)

彼もまた『不幸の星の下』に決定ですね。

>>観客席でガーヴはベルベインらと酒盛りで盛り上がっていた。
>>地面にはすでに一升瓶の山が転がっている。
>>フィブリゾはすでに酔い潰れ(潰され?)、盛大な寝息を立てていた。
>
>そして無事我が身の危機を回避したお二方……。今回、一番幸せなのかも。

そうですね。彼らにとっては今回は平穏無事に過ごせましたね。スケープゴートのお陰で。

>>  ―――え〜、これがラストの障害物競走のコースです。参加選手はここで知力・体力・時の運を振り絞って闘ってもらいます。ちなみにコース制作・監修はからくり師のジゴマが務めております
>>
>>紹介のアナウンスに何処から湧いて出たのか、コースのスタートラインに立っているジゴマが「どーも」と挨拶していた。
>>これでもう、この競技がろくでもないものだとほとんどの者が直感していた。
>
>ラ、ラストはよりにもよってジゴマさん作成の障害物競走……。(爆笑)
>確かに誰もが「ろくでもない」と判断しますね。

こいつの作ったものですから、ろくでもなさがひしひしとします。
作品は作り手の性格が反映されるといいますし。

>>「・・・・・・なんで最後の最後で」
>>「まあまあ、ゼル。そー落ち込むなって」
>>「我々の力、目にもの見せてくれようじゃないか」
>>己の不運を嘆き呪うセルガディスを引きずりながらバカ義兄弟がやってくる。
>>「いいこと、グラウ。デイルたちの足引っ張るんじゃないわよ」
>>「わかっているな・・・・?」
>>「・・・・・・・・・ハイ」
>>”恋する乙女は最強・最狂・最凶”を体現する二人に凄まれ、もはや生ける屍と化したグラウシェラーが力なく応える。
>
>どちらのチームも、三人目に抜擢されるのは不幸の星を背負った方々、と♪

ある意味、天性の才能がいかんなく発揮されております(嫌な才能だ・・・)

>>「地雷?」
>>「いや、ただの地雷じゃないな・・・・・これは、クレイモア地雷か・・・・」
>
>ベトコン仕込みのトラップどころか、こんなものまで……。(汗)
>確かにちょっとやそっとのトラップで、どーにかかなる方々ではないですが、
>ジゴマさんてば……(笑)
>ダルフィン様が怒るのも、無理もありません。

世間一般の常識から見れば、ものごっつぅやりすぎなトラップですが・・・・
製作者に世間一般の常識は通じませんし。

>>半分蚊帳の外なゼルガディスの前には、
>>「ゼルガディスさん!!」
>>「な!?ア、アメリア!?お前か!?」
>>「はい、ジゴマさんから頼まれまして。ここで控えてくれるだけでいいからって!!」
>>『あ、あのヤローー!!』と心の内で怒りを煮えくり返らせるゼルガディス。
>
>あはははは(笑)それぞれにとって(いろんな意味で)強敵な相手をチョイスする。さすがジゴマさん!!
>これは……勝つのが大変です(特にゼル)

愉快犯の性格がいかんなく発揮されております。

>>言いかけて、グイッと胸倉掴んで持ち上げたそれはジゴマではなく、
>>
>> 『残念賞♪またチャレンジしてね♪』
>>
>>と張り紙された、人型に爆弾を思いっきり詰め込まれた身代わり人形だった。
>>
>>その瞬間、辺りは眩い閃光に包まれた。
>
>あああっ! 張り紙付き人形爆弾再び!!

すり替わるのはお手の物(笑)

>>プラ〜〜ンと簀巻きにされ宙吊りにされたタイタスとガウリイが、ハッハッハと笑い声を上げながらグルグルと回っていた。
>>結局、運動会はジゴマの身代わり爆弾によって滅茶苦茶になってしまったため、ご破算となってしまった。
>>しかし、諦めきれないバカ義兄弟が食い下がったが、そこでうっかり『リナ&ルナ ムフフマル秘(以下、あまりにも不適切すぎるため、放送禁止)』を滑らせてしまい、必殺バカ義兄弟仕置人ことフューシャに粛清されたのだった。
>
>……結局、この2人はいつものお仕置きを受けてしまうのですね(笑)
>今回だけはないと思っていたのに(笑)

『タ○ムボカン』シリーズのお仕置きだべぇ〜、のようなお約束です。
これもこのシリーズではやっぱり外せないでしょう。

>>「ご飯の後は、デザートもありますからね」
>>「いやん、ウレシイ〜〜〜♪」
>>
>>「まあ、彼自身の行動も自身をどツボに嵌らせている原因だな」
>>傍から見たら甘やかしてるようなその光景を見ながら、ヴェルミスはポツリと呟いた。
>>しかし、彼は何も言わない。ただ黙って暖かく見守っているだけである。
>
>一応ダルフィン様にとっては、目論見どおり愛が深まったので良し!というところでしょうか。
>本当に……ラブラブですね。タイタス&ガウリイ義兄弟コンビが悔しがるのも無理ないです。

いろいろとありましたが、結果オーライというところでしょう。
結果がよければ、方法や過程など無問題なのです。

>>「お主ら、いつもこんなことやっているのか?」
>>木の下で吊るされた二人を見ながら、リュウゼンが感嘆するような呆れたような声を上げたのだった。
>
>そして……いらしたのですね、リュウゼンさん……。
>思いがけず知ってしまった良きライバルの横顔(笑)には、どう反応したらよいのか、
>確かに困りますね(笑)

あんなシリアスな戦いをした仲ですからね。
ギャップが大きすぎます(笑)


>>季節ネタということで、運動会ネタをお届けしました。
>>しかし、内容はいつもと同じです。
>>美味しい目を見たのは結局、ダルフィンたちでした。
>>さあ、はやいとこ本編の続きを書かねば。
>>それでは。
>
>
>爆笑しました。やはり番外編では、ダルフィン様たちが美味しい目を見なくては。
>そしてデイルさんにとって比較的平和な回だった分、タイタス&ガウリイ義兄弟コンビが
>苦労する……と。(笑)ラストもまさかのあのオチでしたし(笑)

本編は『夢、幻の如くなり』が下敷きになってしまいますから、その分ここで補充しとかないと、精神衛生に悪いですからね(彼女が)
そして義兄弟コンビはこれからもお約束を繰り広げてくれることでしょう。

>あ、「怪人フー・マンチュー」読み終えた感想は……「確かに怪人だ(笑)」でした。
>こちらはどちらかというと科学者の要素が強いのですが、それでも充分すぎるくらいの怪人っぷり。
>当時(19世紀末〜20世紀初頭)の欧州人にとって、「中国(及び中国人)は何でも有り」
>なイメージだったのが、本当に良く分かります。あれに比べれば、まだ日本の
>「ニンジャ・クノイチ(欧州人ヴィジョン)」はまだまともな方です。
>……でも、後書き解説で、映画でフー・マンチュー役を演じたのは、クリストファー・リーと
>書かれていたことが一番驚きましたが(^_^;)
>
>そろそろ年末商戦の時期に突入するので大変だと思いますが、頑張ってくださいませ。
>本編や次作を楽しみにお待ちしていますので。
>では、今日はこの辺で失礼します。

まあ、あの頃ヨーロッパの人々の大半にとって東洋は未知なる国だったでしょうからね。
やっぱり『東洋の神秘』というところでしょうか。
西洋の合理主義には東洋文化は別世界のものみたいに思えたんでしょうね。
でも、「そういうのは違う!」と思いながらも、外国の方に会うと、そういう変な知識を教えたくなってしまう自分がいます(笑)
なかなか筆がすすんでませんが、よろしければまったりと本編をお待ちください。
それでは、どうもありがとうございました。

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