◆−何となく・・・ひさかたぶりに・・−かお (2005/11/10 23:25:40) No.32031
 ┣パラレル・トラベラーズ〜プロローグ〜−かお (2005/11/10 23:29:18) No.32032
 ┣パラレル・トラベラーズ〜きっかけ〜−かお (2005/11/10 23:34:20) No.32033
 ┣パラレル・トラベラーズ〜旅の始まり〜−かお (2005/11/10 23:41:00) No.32034
 ┣パラレル・トラベラーズ〜出会い〜−かお (2005/11/10 23:47:41) No.32035
 ┣パラレル・トラベラーズ〜話し合い?〜−かお (2005/11/11 00:00:15) No.32036
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜旅の目的?〜−かお (2005/11/11 00:43:32) No.32037
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜出発開始?〜−かお (2005/11/11 22:44:25) No.32039
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜かかわり?〜−かお (2005/11/12 23:20:51) No.32040
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜泣く子と・・・〜−かお (2005/11/13 18:20:58) No.32041
 ┃┗こんばんは−とーる (2005/11/14 20:24:42) No.32045
 ┃ ┗読み逃げしててすいません(汗)−かお (2005/11/14 23:02:06) No.32047
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜交渉?暴露?〜−かお (2005/11/15 00:30:02) No.32048
 ┃┣Re:パラレル・トラベラーズ 〜交渉?暴露?〜−麻緒 (2005/11/15 21:35:21) No.32053
 ┃┗Re:こんばんは−麻緒 (2005/11/15 21:37:20) No.32054
 ┃ ┗こんばんわですv−かお (2005/11/15 23:27:02) No.32056
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜それぞれの・・〜−かお (2005/11/15 23:21:47) No.32055
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜襲撃開始?〜−かお (2005/11/17 00:47:52) No.32058
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜捕獲?人質?〜−かお (2005/11/18 00:03:25) No.32060
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜行動?〜−かお (2005/11/19 00:27:33) No.32061
 ┃┗Re:パラレル・トラベラーズ 〜行動?〜−風谷 鈴 (2005/11/19 22:33:43) No.32062
 ┃ ┗感想ありがとうございます。−かお (2005/11/20 11:29:25) No.32063
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜摂理?〜−かお (2005/11/20 11:30:59) No.32064
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜合流〜−かお (2005/11/21 09:57:53) No.32067
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜序幕?〜−かお (2005/11/22 20:54:28) No.32073
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜変化?〜−かお (2005/11/23 22:22:15) No.32075
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜対策?〜−かお (2005/11/25 23:00:39) No.32082
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜復活?〜−かお (2005/11/27 00:11:34) No.32087
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜戦い?〜−かお (2005/11/27 23:43:01) No.32096
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜願い?〜−かお (2005/11/29 22:01:08) No.32098
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜決着?〜−かお (2005/11/30 22:51:27) No.32101
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜痕跡?〜−かお (2005/12/2 22:06:19) No.32108
 ┃┗お久しぶりです。−惣流 舞 (2005/12/3 15:16:32) No.32111
 ┃ ┗お元気でしたか?−かお (2005/12/3 21:19:17) No.32112
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜気配?〜−かお (2005/12/3 22:47:33) No.32113
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜実状?〜−かお (2005/12/5 20:38:43) No.32116
 ┣パラレル・トラベラーズ 〜探索?〜−かお (2005/12/7 22:30:01) No.32120
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 ┣パラレル・トラベラーズ 〜束縛?〜−かお (2005/12/14 22:53:42) No.32131
 ┗パラレル・トラベラーズ 〜動揺?〜−かお (2005/12/20 22:06:52) No.32142


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32031何となく・・・ひさかたぶりに・・かお E-mail URL2005/11/10 23:25:40


こんにちわ。何かひさかたぶりに出没するかおです。
最近はL様漫遊以外は・・2003年以後・・投稿していないのに昨日気づき・・
ああ!すいません!すいません、ごめんなさいです!
・・がんばってはやめにフォーエバーの続きを投稿しますのです・・。
(って・・誰もまってないでしょうけどね・・)
何はともあれ。
なぜか最近、頭から離れない・・
とあるパラレルもの(?)のスレイヤーズのお話をばの投稿です・・
(見てる人は・・みてる・・かな?)
とりあえず…いい題名がみつからないので…まんまの題名いきますのです。
ちなみに。ガウリナです。
ガウリナ親子がとある平行世界に移動するお話です。
それでは・・・。
いってみるのですっ!
今回は…いつも1話が長いので・・すこし短くくぎってみますね。
ではでは・・・

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32032パラレル・トラベラーズ〜プロローグ〜かお E-mail URL2005/11/10 23:29:18
記事番号32031へのコメント

こんにちわ!なぜか最近、頭からはなれず・・。
HP上のぽやきでちまちまと連載(こらまて)してるやつの投稿なのです!
そのうちにこっちだけに投稿して・・完成したら編集作業をするかな?
とおもっていたり・・・
・・・只今連載しているフォーエバーネクストとはまた違います・・。
あしからず・・・。
それでは・・いってみるのです。
ちなみに、ガウリナは前提です。あしからず・・・


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 パラレル・トラベラーズ〜プロローグ〜

あたしは一人じゃない。
うん。そうね。
あたしの中で声がしている。
ずっと一緒だった。
産まれたときから。
本当ならば、一緒に生まれるはずだった双子の姉。
だけども、姉は産まれてくることはなかった。
魔法医もその原因はわからなかったけど。
永遠の女王がいうには、本当ならば双子で生まれるはずだったあたしの姉は。
あたしの成長によってその体がとりこまれ…育つことができなかったらしく。
あたしの中には姉の一部がずっと一緒に育っている。
一つの肉体に二つの魂。
でも…あたしは別にいいとおもう。
できたら、お姉ちゃんも自由に動き回れたりしたらいいんだけど。
お姉ちゃんが出てこれるのは満月の夜。
その日だけはあたしはこの体をお姉ちゃんにと貸し与えている。
ねえ?
リナお姉ちゃん?
…もし、お姉ちゃんが一緒に産まれていたら…あたし…レナ=インバースは……
どうなってたのかな??

################################

こんな感じの出だしで始まります・・・
次回の始まりは・・一人称が・・あのおかたです(滝汗・・
ま・・一番スレキャラ(?)で好きなのはあのおかただしv
ではではv

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32033パラレル・トラベラーズ〜きっかけ〜かお E-mail URL2005/11/10 23:34:20
記事番号32031へのコメント

こんにちわ。続きざまにいくのです。
というかここからが仮の本編です。
というか、出発する前の日常的なガウリナ親子の光景ですv
ではではv

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  パラレル・トラベラーズ 〜きっかけ〜


「おね〜ちゃん。ここのよんだ〜。」
「すごいすごい。さすがあたしの妹。」
一歳しか歳の離れていない妹。
ここゼフィーリアにとやってきたのは、妹が一歳になるかならないか…というときのこと。
それまでは、結局のところセイルーンでしばらくあたしたち家族は足止めくらってたんだけど。
しかし…気になるのは妹のこと。
……まだ、あれは残っていたはず…なのよねぇ…
でも、家族ってやっぱりいいな。
とおもってしまうのは、人間であるがゆえか。
「あら〜。もうマナちゃんはここの本もよんだの?エイルちゃんも。
  さすがリナちゃんの子供。」
「というか、女王様?こんなところにきてもいーの?」
ふと声がしてみてみれば、いつのまにやらこの資料室の主でもある、
この城の主、『永遠の女王』の姿が。
「ああ。いいの。いいの。気にしないで。」
いや、普通気にすると思うんだけど…
「エイルちゃんはまだ三歳。マナちゃんはまだ二歳なのにすごいわねぇ。
  ここってある意味、異界黙示録並みの資料があるのに。」
それはそうだろうけど……
何しろ一般には知られていないけど、何しろこの王国。
というかこの国の王家というか女王自体が水竜王…といっても過言でないのだから。
かつての戦いのときに、その意思と力を人間の中にと避難させ。
結果、人として存在しているこの女王。
それゆえに、竜王の力が満ちているがゆえか、
この地の人々は他の土地よりも屈強の存在が育ちやすい。
あのリナ母さんがここではあまり違和感なく溶け込める…というのもこの土地ならでは…
…かもしれない。
「ねえ?まだないの?」
「そうねぇ〜……。それじゃあ……」
前から知っていることと、自分で見聞きして覚えること。
どちらかといえば後者のほうが何かと楽しい。
「少し異空間においてあるけど。あそこの書物でもいってみる?」
「「うんっ!!」」
あたし…エイル=ガブリエフとマイナ=ガブリエフの声がものの見事に一致する。
今日もどったら早速母さんたちに成果をみせてみよっとvv


「でねでねっ!」
「わかったから。わかったから、きちんと食べるときには食べるっ!!」
いつものように、父さんについていって城で書物をあさり。
父さんと一緒にもどってくる。
これがさいきんのあたしたちの日課。
知識は多いにこしたことがない。
という母さんの意見。
それは確かに誰でもいえること。
母さんも仕事がないときには一緒に調べ物にきているし。
何かここ数年で元結界外とかとの交流うんぬんで、リナ母さんにもいろいろと。
何やら用事がまわってきているようだけど。
まあ、それはそれとして。
「で?今日は何をみせてくれるんだ?エルは?」
「んっとねー!!」
「あのね!あのねっ!とーたまっ!」
「こらっ!マナっ!いいつつもピーマンよけないのっ!ガウリイ!あんたもっ!!」
いつもの光景。
マナって父さんと同じく…ピーマンが苦手なのよね……
城からもどって夕食タイム。
ゼフィール・シティの少し郊外にとある小さな一軒や。
それがあたし達家族の住んでいる家。
ここにすんでいるのは、あたしと妹。
そして両親。
この四人。
未だに三人目は…万年新婚夫婦な両親からは誕生していない。
…そろそろできるだろうけど……この二人みてたら…ねぇ〜…
「あとで外でやってみせるよ。」
「あのねっ!マナもね!エルね〜さまとやるのっ!」
「はいはい。わかったから…エルもっ!どさくさまぎれにピーマンよけずに食べなさいっ!!」
うっ!
…何か嫌なのよね…これ…
……何でだろ?
これが遺伝…ってものなのかなぁ???
わきあいあいとしたいつもの会話をしつつ、夕飯を食べつつも。
食事がおわり。
今日の勉強成果を母さんたちに見せる。
これもいつもの日常。
今日はマナがやる!っていって聞かないけど……
……どうもアレをやるつもりみたいだし……
………一応、あたしがサポート…しないと危険…かな?
う〜ん……
ま、なるようになる…かな?
リナ母さんの口癖だしvv


    ー続く・・・

################################
あとがきもどき:
・・・・ああっ!一人称がぁぁ!?
L:って。これって完全に一応本編沿いなのよねぇ。裏設定とかまでv
薫:あ゛あ゛あ゛!エル様!?今はそれはっ!!?
L:とりあえず・・・あたしの活躍を期待してるわよっv
薫:・・・いやあの・・・
L:い・や・な・の?
薫:いやあのっ!エル様視点だとネタバレが!!
――ざしゅっ!!
L:はい。なぜか塵になったかおはおいといて。それではまた次回でv
  ではではvv

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32034パラレル・トラベラーズ〜旅の始まり〜かお E-mail URL2005/11/10 23:41:00
記事番号32031へのコメント

まえがきもどき:
さて。こんにちはvまえがきをのっとったLですっv
ってあたしが出てるのみなさんわかってますよねv
というか…何であたしが・・・ま、面白そうだからそれもいいかもv
こんど部下たちをからかいがてらいってみましょうv
何はともあれ、それでは、本編をどうぞvv

##################################


  パラレル・トラベラーズ 〜旅の始まり〜


かきかきかき……
あ…そこ違ってる……
とりあえず訂正。
姉妹仲良くの共同作業。
今日は書物で覚えたというか生み出したとある術のお披露目をば。
そろそろマナも二歳だし。
世間をいろいろと見る…というのには、まさにうってつけ。
……だと思う。
あたしもいろいろと試してみたいことはあるけど。
なかなか最近はそうはいかないし。
……制限…きちんと確実に調べたいんだけどなぁ〜……
そんなこと母さんたちにはいえないし。
というか…父さんは何となく気づいてるようだけど…ま、いってこないからま、いっか。
食事をすませて、とりあえず。
家の裏庭にて木の棒をもって庭にと魔方陣を書き込むあたしとマナ。
マナの字はまだあぶなかっかしいけど、それはあたしにもいえること。
なかなか思うように出来ない…というのは結構もどかしい。
心と体がついていかない。
というのがよぉぉくわかる。
それはどんな幼生体にもいえることだろう。
「かんせ〜!」
「かんせ〜!」
あたしとマナの声と同時に、地面にとある魔法陣が出現する。
「結構上手にかけたじゃない。あれ?これ。あれに近い?」
いって、母さんがあたしの首にかけているペンダントをみてくるけど。
昔、あたしが産まれたときに母さんが作ったとかいうペンダント。
宝石の護符を作る要領で、何でもある魔法陣を組み込んでつくったらしい。
母さんいわく。
―あれにのみこまれていたときに浮かんだ魔法陣だから、多分効果あるかも。
という理由からだそうだけど…
母さんらしい…というか、何というか……
別に害はないからいいけどね。
「えっとねー。か〜さまっ!あのね。あのね。んとね。きょうのはね。
 ぱらわとかいうののね。おうようなのっ!」
「「・・・?」」
マナの説明じゃ…多分リナ母さんもガウリイ父さんもわかんないとおもうな……
「神聖魔法の一つらしいの。んじゃ、いっきまーす!」
「ま〜すっ!!」
あたしとマナの声が重なり…
二人してとある言葉がつむがれる。

……マナだけなら…危険…かなぁ??
う〜ん……

…やっぱりここは、家族全員で家族旅行!
というのが一番かな?
うんっ!!

かっ!!
光とともに、あたしたちの体はつつまれ…そして……


「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
ここ…どこ(だ)?
リナとガウリイの思いが一致する。
とりあえずランダムに選んだ…というか害のない場所に飛んだのは確か。
先ほどまで確かにすでに日が暮れていたというのに。
見上げる空はまだ太陽が昇っており、ちょうど夕暮れ時。
周囲には何もなく、あるのはただどこまでも続いているどこかの道。
「って!ああっ!どこかに移動してるっ!?もしかいて移動の術だったわけ!?
  やばいっ!戸締りっ!!…姉ちゃんにどやされるぅぅ!!」
一瞬あっけにとられるものの、リナがすぐさまに正気にもどり、そんなことを叫んでるけど。
「…そういうもんだい?」
思わずそんな母さんに突っ込みをいれてしまう。
「ま。どこかはわかんないけど。…でもどうする?リナ?オレ達…何ももってきてないぞ?」
「……あ゛!!?」
とりあえず父さんは常に剣を身に着けているし。
母さんは母さんで万が一のときを考えて一応簡単な装備をして外にでていたけども。
だけども、二人とも当然お金なんかはもって出てはいないし。
「…と。とにかく。ここがどこかはわかんないけど…帰るにしても…先立つものは必要よね。

いいつつも、きょろきょろと周囲を見渡し。
そして。
「…よっし!今から資金集めにいくわよっ!!」
「って!?リナ!?まさか盗賊いじめかっ!?」
「ちっちっちっ。ガウリイ。資金は必要よ?」
「わ〜い。とうぞくいめじ〜」
「マナ。それをいうならとうぞくいじめ。」
母さんの言葉に父さんだけがあわてた声をだし。
あたしとマナは結構喜びの声をあげていたりする。
あれってかなりすっきりするし。
なかなか父さんがうるさくて出来ないけど。
「みたところ。人気のない場所みたいだし…近くに何かいいような森もあるし。」
何かどこかで見たことあるような風景だけど。
ま、風景なんてどこも似たようなものだし。
そんなことを思いつつ、何やら言っているリナの言葉に。
「…おいっ!」
「さ〜て。そうときまればいくわよっ!エル!マナっ!」
「だからっ!危ないからやめろってばっ!」
「ならガウリイ。他にお金を稼ぐあてあるの?」
「・・・・・・・・・うっ!?」
リナ母さんの突っ込みにそのままうめいて固まっているガウリイ父さん。
はぁ〜……
「・・・と〜さんがか〜さんにかてるわけないって……」
思わずそんな父さんをみつつ突っ込みをいれてしまう。
この夫婦って結婚してもずっとこの調子だもんね…あたしが産まれてからこのかたも…
「わ〜い。わ〜い。はなびはなび〜!!」
「「…ちがうってば……」」
何かマナが呪文がいっぱいみれる、というので花火。
と表現してるけど。
何かマナって…術が炸裂したりしたのを花火っていうのよね……
まあ、まだ小さいからだろうけど。
マナの言葉にリナとあたしの声が一致する。
「とりあえず。いきましょ。めぼしはつけないと…ね。」
「…しかたない。危ないことだけはするなよ?エルやマナもいるんだからな?
  それにリナは一人でつっぱしるんじゃないぞ?」
「ああもうっ!わかってるってばっ!あんたは相変わらず過保護なのよっ!」
そんな会話をしている二人だけど。
ほんと…このふたり…みててたいくつしないとおもう…自分の両親ながら……
見上げる空にはまだ明るいというのに満月がのぼりはじめている。
ここって今日満月なんだ。
…確か…あたしたち…どこに移動してきたんだっけ?
……ま、そのうちにわかるかな??

       ―続く・・・

#################################

あとがきもどき:
L:ちょっとぉぉぉぉぉ!!何で次から客観的視点になってるのよぉぉぉ!
薫:・・ネタバレしてくるからですっ!(きっぱり)
L:・・・ほぉぅ。そういうことをいうわけね?あんたは・・・
薫:あ゛あ゛!その手の大鎌はしまってくださいっ!
  今HP上では漫遊の編集してるんですよ!?エル様活躍の場へりますよ!?
L:でも、あれは以前にアップしてるのの訂正だし。続きじゃないしv
   ってことでvv
薫:まっ!!

(以下表現するのにもはばかられるのでカット・・)

L:さってと。あたしの一人称にもどすように薫をおど・・説得するとして。
  それでは、まったねvv

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32035パラレル・トラベラーズ〜出会い〜かお E-mail URL2005/11/10 23:47:41
記事番号32031へのコメント

まえがきもどき:
はいvこんにちわ。前書きをのっとったLですv
というか・・今回からこいつ…あたしの一人称をやめたのよっ!何考えてるのかしら・・まったく……
せっかくあたしがいろいろと教えてあげようvと心優しくおもってたのにv
とりあえず・・今回は移動した先でとある出会いがあるのよねv
ま…ランダムとはいえ面白そうな世界にするようには…仕向けたからねv
ふふふv

###################################

    パラレル・トラベラーズ  〜出会い〜



ファイアー…
「「ボールっ!!」」
……え?
思わず術を放った後に固まってしまう。
それは相手も同じらしく。
ふと互いに術が放たれたほうを思わず振り向く。
そこには、二つの人影と小さな人影が二つ。
そしてまた、もう片方のほうには人影が一つほどむせかえる煙の中に見え隠れしているが

「何だ!?何だ!?」
「何がおこったんだ!?」
いきなり聞こえた爆発音にただただうろたえるしかない、
どうみても盗賊というかどこかのごろつきらしき人相の男たちから右往左往しているが。
「…あたしのほかにも誰かが?」
「……つ〜か。にたことやってる人がいるんだ〜…。でも譲れないのよっ!
  とりあえず当面の資金とあと家に帰るためにっ!」
いくら何でも子供たちには野宿はさせたくない。
それが本音。
一方のほうはといえば。
……えっと…ナーガ…じゃ、なさそうね。
なら問題ないかな?
などと思っていたりする。
「おかしら!あそこっ!」
「あっ!あっちにもっ!」
術を放った二人がそんなことを思っている間にも何やら騒ぎがおおきくなり……
「ばーすと・ふれあ〜!!!」
・・・・・・・・
「ちょっとまてぃ!」
小さな人影から何やら言葉がつむがれて、思わず突っ込みをいれているのは。
炸裂した炎によって巻き起こる煙の中で先ほど術を放ったうちの一人。
そして、もう片方はといえば…
「すごいっ!すごい。さすがエルっ!あたしの娘よねっ!」
「…お〜い。リナ?そういう問題かぁ?」
聞きなれない声が何やら耳にと聞こえてくるが。
「そう言う問題よ。ガウリイ。」
どきっぱり。
と言い切る言葉が何とも潔い。
どうやら向こう側の大きいほうの人影の二つはリナとガウリイ。
という名前らしい。
……あたしと同じ?
…ま、よくある名前でもおかしくないし。
そう思うその人物の名前もリナ。
そう、今はリナなのだ。
今日は満月なのだから……
やがて煙がはれたそこに見えるのは、見た目は二十歳前くらいの女性。
しかも見た目が…どうみても自分と瓜二つなのはどういうわけなのか。
・・・だが、決定的に違うのは…胸の大きさ。
くそ〜……
そう少女が思っても仕方がないであろう。
対して。
「…あれ?…あたしそっくり?あのこ?」
もう一人先ほど自分と一緒に術を放った人物の姿をみとめてそうもらすリナ、と呼ばれてい
た女性の言葉に。
「でも何かあのこ。二つ気配してるぞ?」
うわっ!?
あの人…なにもの!?
そんな言葉をきき、思わず身構えてしまう。
「…あなたたち…だれ?」
思わず身構えてしまう。
どうやら敵意はないようだが。
「あたしはリナ。でこっちがガウリイ。でこの子たちがエイルとマイナ。…あなたは?」
どうやらおそらく。
雰囲気からして親子なのだろう。
…というかそうとしか思えないし。
エイル、と呼ばれた女の子は、かなりかわいい。
ガウリイ、と呼ばれた男性もかなりはっきりいって美男子。
といえる容姿だが。
娘のほうもそれをしっかりと受け継いでいるらしく。
エイルと呼ばれ、エル、と愛称で呼ばれていた女の子は。
さらさらの金色の髪に青い瞳。しかも瞳はぱっちりと大きく、鼻筋もしっかりととおり。
しかも口は少しちいさめ。
どうやらおそらく…あの自分とそっくりさんのリナ、という人が母親なのだろう。
両親から互いにいいところを全てもらっているような女の子。
歳のころは見た目、三歳程度くらいだろうか。
対して、マイナ、と呼ばれた子は母親によくにており。
栗色の髪に赤い瞳をしていたりする。
顔立ちは…二人の中間…といったところだろうか。
どうやら完全に敵意はないらしい。
というか…今、このエイルって子…こんな小さいのに、『烈火球』を唱えなかった?
という素朴な疑問が沸き起こるが……
…ま、世の中、何があってもおかしくないか。
それですませ。
「あたしもリナよ。リナ=インバース。」
・・・・・・・・・・・・・
とりあえず自己紹介をすると、なぜか相手の二人が無言になり。
そして、次の瞬間。
「えええっ!?あたしの旧姓と同じ!?」
「おー。リナと同じ名前なのかぁ。」
「・・・・・・・・・・はぃ?」
思わずそんな二人の会話に目が点になってしまうのはしかたないであろう。
そんな彼らの話をさえぎるかのように。
「わーい!おもしろーい!!ふれああろー!!」
「ああ!マナ!ずるいっ!あたしもっ!!ヴァルフレア〜!!」
「おいおい。二人とも!あまりおいたするんじゃないぞ?」
「はーい!」
・・・・おいた程度なのか?それが?
小さな二人の子供にそう諭している男性の言葉に思わず内心突っ込みをいれてしまうのは
…仕方ないとおもうが。
「・・・ま。とりあえず。どうやら目的はおなじらしいし。
  さきにちゃっちゃっこいつらかたづけない?話はそれから。ということで。」
そんな胸の大きいほうのリナの言葉に。
・・・お姉ちゃん……
もう一人のリナの中で声がする。
正確には心の中に。
「…そうね。とりあえず…害虫駆除が先決よねっ!」
『誰が害虫だぁぁ!!』
『あんた(盗賊)たち。』
何やら子供たちの攻撃から逃げ惑う男たちにきっぱりと。
二人のリナの声が一致する。
「名前が同じだけでなく性格も一緒みたいだな〜。それより。
  おーい。無理するなわよ〜?」
「ガウリイ!ぼさっとしてないで、あんたはあんたであたりの盗賊どもをのしときなさいっ!」
「・・・エルとマナはほっといていいのか?」
「二人にとっては遊びでしょ。ほっといても大丈夫よ。あたしたちの子なんだし。」
「…いや、遊びって……」
何やら頭が痛くなるような会話をききつつも…
だがしかし…
世の中って…郷里の姉ちゃんに負けず劣らずの人って…いるんだ…
妙に納得してしまう『リナ』の姿が…しばしみうけられてゆく……




・・・・これ、いったいどういうことなんだ?
近隣の村から依頼をうけた。
最近近辺を荒らしまわる盗賊をどうにかしてほしい…と。
別に受けなくてもいい仕事ではあったが、だがしかし。
先日あった黒髪の男性の言葉が心にひっかかる。
それゆえに、うけてみた。
依頼料は無料の宿とそしておいしい食事のみ…ではあったが。
正確には親切にも無料で止めてくれた村の人の会話をきいて。
だからここにとやってきた…それはいいのだが。
「・・・・えっとぉ?」
思わず立ちすくんでしまう。
なぜに盗賊のアジトと思われる場所から盛大に悲鳴と火の手が上がっているのか…
しかも、何やら小さな子供の声がしているのは…
どうみても…小さな子供がきゃあきゃあいって…呪文を唱えているように見えるのは…
…何も自分の気のせいでは…ない…よな?
思わず自分の目を疑ってしまう。
ふと。
思わず立ちすくんでいると。
つんつんつん。
何やら自分の足元のほうの服をひっぱる感覚が。
「うわっ!?」
…まったく気配…しなかったぞ!?
気配などの勘に関しては、結構自身がある…というのに。
「…ねえねえ?おに〜ちゃん?ガウリイと〜さんににてるね?」
ふとみれば、見たとろ二歳程度の女の子らしい。
どうしてこんな場所に女の子が?
もしかして盗賊にさらわれてた子供なのだろうか?
などとも思うが…だが、それよりも驚くことは…
「…今…何って……」
――ガウリイ。
それは彼にとっては忘れられない名前。
二度と会えない・・、がいつもそばにいる…その名前。
自分のためにとその身を犠牲にした…最愛の兄の……
「マナ〜!!なにしてるのっ!・・・って、あ゛!」
そんな幼子にと話しかけてくるのは、目の前の少女よりも一つくらい年上の少女。
こちらはかなり見た目…かなりの美少女。
といっても過言でないのかもしれないが。
自分と同じ金色の髪に青い瞳。
おもわず固まる彼のもとに。
「マナっ!エルっ!かってにうろうろしないのっ!」
何やら女性の声と…
「お〜い…リナぁ。だからって何でオレが荷物もち……」
「いやぁ。たすかるわぁ。おかげでお宝全部持ち出せるしv」
「こっちこそ。話があなたとはあってたすかったわっ!」
何やら累々たる横たわる盗賊たちとは裏腹に。
場違いな声が聞こえてくる。
一つはどうみても男の声…
そして、残りの二つはよくにている女性の声がふたつほど。
うっすらと炎によって立ち上っている煙でよくあいての姿がみえないが。
「あ!か〜さま!あのね!と〜さまにそっくりのひと〜!!」
「リナか〜さん。あのね。こんどはガウリイと〜さんにそっくりなひとだよ〜!!」
・・・・・・・・・・・
『・・・・・・・・・・・・・・え?』
やがて、煙の中から現れた人物をみて、思わず固まってしまう。
それはどうやら相手も同じらしく…自分の姿をみて固まっていたりする。
そして…
しばし、出てきた栗色の髪に赤い瞳の…歳のころならばおそらく二十歳そこそこ。
か少ししたくらいか?
そんな女性の横にたちすくむ男性の姿をみて固まってしまう。
金色の髪に青い瞳。
さらさらのストレートの髪に……
「……にぃ・・・さ・・ん?」
いや、そんな。
でも…まさか・・・
そんなことを口に思わずもらす彼の言葉とは対照的に。
「うわっ!?今度はガウリイそっくりさんがでてきた!?って・・ここってどこよぉぉ!?
  まさか、まさか、まさか!!マナがいってたパラワードって…
  まさか…平行世界とか…っていうんじゃないでしょうねぇぇ!!!」
…ひとり。
どうやらそのあたりの知識は姉によって叩き込まれているがゆえに。
状況を何となく把握しはじめたのか…叫ぶ母親らしきリナ、と呼ばれた女性の姿に。
「あ゛〜……。パラレルワールド…つまり異次元…何となく納得……」
その少し後ろでは女性とまったく瓜二つの…こちらはどうやら十代そこそこ。
といった少女の声が、そんな女性の声に続いて重なっていたりする。
「何かここっておもしろいな〜。二つ気配をもってるリナそっくりさんに。
  さらにはオレのそっくりさんもいるなんて。でも…あれ?
  何かあのオレのそっくりさんの剣…あれって……」
まさか…でも、あの気配は……
彼にとっては間違えるはずもない…が。
どうしてこうして、あれの中から自分によくにた気配を感じるのかがよくわからない。
「か〜さん。そんなことより。はやく宿にいこ〜よ。あたしおなかすいた〜。」
「マナも〜!!」
お金などもっていなかったので、こちらにきてからまともなものを食べてはいない。
そんな二人の子供の言葉に。
「…と、とりあえず……。えっと…あんたは?」
問いかけられ、はっと我にと戻り。
「…え?俺?俺は…ラウリイ。ラウリィ=ガブリエフだ。…あんたたちは?」
「あたしはリナよ。リナ=ガブリエフ。でこっちがガウリイ=ガブリエフ。」
「で、オレとリナの娘のエイルとマイナ。こっちの子は…えっと……」
「だからっ!…あたしも『リナ』だってばっ!といってもこの体はレナの体だけど。」
「それがよくわかんないんだが……」
「ああもうっ!ともかく!何がどうなってるのか!
  とりあえず!あんたも一緒にきてっ!ついでにガウリイと一緒に荷物もちねv」
「あ!それいい!リナさんっ!」
「「・・・おいっ!!」」
…二人の『リナ』の言葉に…思わず同時に叫ぶガウリイ、と呼ばれた男性と、
ラウリィ、と呼ばれた見た目の歳のころは十代後半くらいの青年の言葉はものの見事に一
致していたりする。
だがしかし…
女性二人に勝てるはずもなく…
意味がわからないままに、気づけばいうなりになっているラウリィの姿が見受けられている
のであった……


    ――続く・・・

##################################

あとがきもどき:
薫:はい。今回からは視点がかわってます。いわゆる客観的視点ですね。
  もうお分かりですよねぇ?みなさん・・・
  前回までの一人称=リナの子供=誰なのか・・(汗)は・・・
  どうしてそうなったのかは、おいおいと・・・
  今回、移動してきたこの「世界」のリナとガウリイに相当するメンバーの登場でしすv
  ま・・かなり完結に説明とかしてるので…わかりつらい面がこれ・・多いとおもいます。
  それ、わざとそうしているいわば複線なので(こらこらこら)
  ではでは・・エル様に気づかれないうちに・・・では・・


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32036パラレル・トラベラーズ〜話し合い?〜かお E-mail URL2005/11/11 00:00:15
記事番号32031へのコメント

まえがきもどき:
こんにちわ。薫(かお)です。
今回は、とりあえず。であったメンバーの話し合いですv
んではでは、そのまま一気に(?)いくのですっ!


###################################

  パラレル・トラベラーズ 〜話し合い?〜


ぐ〜……
心と体がついていかない。
というのは小さい子供にはよくあること。
よっぽど自分たちは気づかないまでも、疲れていたらしく、そのまま宿に入り部屋にはいると。
そのまま爆睡している子供たち二人の姿。
そんな二人の子供を部屋にのこし。
とりあえず、全員がひとまずもはや誰もいない宿屋の一階にある食堂にて。
ひとまず状況説明をかねて集まる子供たち以外の全員。

「…というわけで……」
「……な、何か突拍子もない話だが……」
だが、ありえないことではない。
そう…自分の家に伝わっているこれがあるのが何よりの証拠。
まあ同じような世界があるうんぬんはともかくとして……
だが、目の前にいる彼らは紛れもない事実。
「あたしだって信じたくはないけど…。でもどうやらそれが事実よ?」
「ま。オレはリナがいればそれでいいけど。」
「…あのねぇ……」
「…あ゛〜……。何かあてられるんだけど……」
「まったくだ。」
何やら目の前でどうみてもいちゃいちゃしている二人の姿に、思わず同時に声をだしてしまう。
「…で?あんたは?何で一つの体に二つも気配があるんだ?」
さらり。
そういわれたその言葉に。
「うそ!?あんたまでもがわかるの!?…あんたたちって…似てるだけじゃないのね・・・」
思わず驚きの言葉を発してしまう。
そんなラウリィ、と名乗った見た目は立ちそこそこか、もしくは十代後半。
そんな彼の言葉に。
「…そういや。ガウリイもそんなことをいってたけど?」
問いかけるリナの言葉に。
「…ふぅ。どうやら隠し切れないみたいだし。たしかに。あたしもリナではあるけど。
  この体の本来の持ち主はレナっていうのよ。…レナ。表にでてきて?」
いって、すっと目をつむる。
しばしふらっと彼女がしたかとおもうと。
ふっと再び目を見開き。
「…あれ?…えっと…あれ?リナお姉ちゃん?」
・・・?
何やら先ほどとはかなり口調が違っていたりするのは気のせいか。
しばらくとまどいつ。
ふと、目の前の三人に目をあわせ。
「あ。…ええと…。あ、そっか。今日はリナお姉ちゃんが表にでてたんだっけ?
 えっと…。始めまして。あたしはレナ。レナ=インバースっていいます。
 さっきまで貴方たちがはなしてたのは。あたしのお姉ちゃん。リナ=インバースっていうんだけど…」
丁寧語は疲れるが、とりあえず、ここはいい子のフリをしておいたほうがいいような気がする。
そんなことをおもいつつ。
ぺこり、と頭を下げるレナ。
「?」
「・・・もしかして、一つの体に二つの精神体があったり…とか?」
そういう特殊な事例がある、というのは姉の教育で知っている。
そんなリナの言葉に。
「知ってるんですか?」
「まあ…郷里の姉ちゃんから……」
「……郷里の姉ちゃんって……」
ぶるっ。
思わす自分の姉のことを思い出して身震いしてしまう。
「と。ともかく。あたしとリナお姉ちゃんは本来、双子で産まれるはずだったらしいんだけど。
  理由があってお姉ちゃんは産まれることができずに、ずっとあたしの中にいるの・・・
  …いや、いるんです。それで、満月の夜にだけ表にでて、あたしの体を自由に使ってもらってて……」
そんなレナ、と名乗った見た目は十代そこそこだろうが、だがしかし。
リナはわかる。
彼女は自分の昔に瓜二つだからして。
「…あのさ。ぶりっこしなくてもいいけど?」
「うぐっ!?な…何のこと?」
しらじらしく目をそらすレナに対し。
「ざっくばらんにいきましょうよ。あたしだって話しにくいし。」
「…いやでも……」
「リナのいうことはきいたほうがいいぞー?いきなり呪文がお見舞いされないうちに。」
「どういう意味よっ!ガウリイっ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
な・・・何かこの人って…やっぱりあたしによく似てる?
そんなガウリイとリナの会話に思わず内心そんなことを思ってしまうが。
「…ま。世の中にはいろいろある…のはわかるけど。」
それですましているラウリィ。
いいつつも、ちらり、と視線を剣にとむけてゆく。
兄も生きていれば…いや、存在していれば、こんなふうに会話をしていたんだろうか?
そんなことが頭をよぎる。
「…呪文って…あたしみたいな……」
ふといいかけて思わず口をふさぐ。
世の中理屈ではわからないことがある。
それはレナにはよぉくわかっている。
「と。とりあえず。まあ、あたしの事情はそんなところなんだけど……」
「俺のほうは、近辺の村人が盗賊に困ってる…ということでな。」
「あ、あたしも似たようなものよ。」
嘘も方便。
真実は違っていても。
「…まあ、盗賊をいじめてお宝を没収するのはリナの趣味だしなぁ。」
「…あのね。」
「ええ!?あなたも!?・・・っと!!」
『・・・いや、『あなたも』って……』
思わず叫ぶレナの言葉に。
同時に突っ込んでしまうレナ以外の全員。
「あんたも!?いやぁ。いいわよね。盗賊イジメ。何かあのときから気があうような気がしたのよね。」
「リナお姉ちゃんの中でそんな気はしてたけど……」
「いやぁ。そうとわかれば。どう?あたしもしばらく資金集めしないと。
 戻るにしても資金いるしさ。」
「何か気があいそうだし。いいよ。」
『・・・・ちょっとまていっ!!』
そんな二人の言葉に思わずつっこむ男たち。
・・・だがしかし。
結託したリナとレナには…かなうわけもない……



どうやら話を統合してみると。
このレナ、という少女は一つの体に二つの魂を宿しているらしい。
それで二つ気配がしているのか。
と納得するものの。
それですんなりと納得してしまう自分がどうか…ともおもうが。
何しろ自分の事情も普通から考えれば通常は納得いくものでもないはず。
それは十分に理解しているがゆえに、すんなりと納得してしまう。
そしてまた……
別の世界からきたという、この二人。
正確には家族四人。
自分とまったく同じ容姿だけども、かなり年上だし。
かなり…といってもそれほど離れていないとはおもうが。
彼と一緒にいると、ついつい兄の『ガウリィ』が本当はまだ肉体をもって存在している。
そう思えてしまう。
それは願望であり、切実なる願い。
家の…いや、自分のために犠牲になった…といっても過言でない。
十のときにその身を……
そんなことをおもいつつ、ぎゅっと腰に挿している剣をにぎりしめる。
これがあるかぎり、ずっとこの悪夢のような展開は続くのかもしれない。
人の精神力でその魔の力を制して、人がその力を使えるようにする。
それは、かつて、赤の竜神が人の心の中に魔を封じた…その応用。
とは聞いている。
聞いてはいるが…その精神力が魔の力に飲み込まれ、そしてまた。
その力が弱まったときに…一族の中でももっとも精神力が強いものが選ばれ…
そして、その刃の中に封じられてしまう……
この悪夢のようなことは出来れば、自分とそして兄で終わらせたい。
それが本心であるがゆえに、刀と一心同体となった兄と相談し。
剣をもって家を飛び出したのは…他ならない自分自身。
本当は、自分が封じられるはずだった。
なのに。
兄は自分から…自分を守るために……
それがずっと心にひっかかっている。
一番の願いは…封じられた兄の魂を『剣』より開放すること。
このままでは、兄もまた、剣の形をしているこの『魔』にいずれは消化吸収されてしまう。
そう、今までの歴代のガブリエフ一族の人々のように……
だからこそ、そう願っている自分だからこそ。
彼女の…レナ。
と名乗った少女の気持ちが痛いほど…わかる。
ああ、彼女もまた…自分の中にいる姉をどうにかして救いたい。
そう思っている…ということが。
本来ならば一緒に産まれるはずだった、という双子の姉。
だが、産まれることなく一つの体に二つの魂が宿った状態で生まれでいでた。
…誕生したときから二人ずっと一緒で物心ついてしばらくして、いきなり別れさせられるのと…
その違いはあれども…立場は…似たような…もの。
いくらどうあがいても…『生きているもの』には、器を持たぬものは弱い。
それは何となくわかるから……


   ――続く・・・

#####################################

あとがきもどき:
L:今回は、レナの事情とラウリィの事情ね。
  というか…これってまったく説明になってないじゃないっ!
  レナが本来双子で産まれるはずだったのに。
  その成長過程でレナの体にリナの体もとりこまれ。
  一つの体に二つの魂をもっている…とかっ!
  ラウリィの実家のガブリエフ家では、ゴルンノヴァのやつを制御するために。
  あえて精神力がつよいものを生きたまま剣の中に封じ込めるとかっ!!
薫:あ゛あ゛あ゛!いつのまにっ!てゆうか、それっておもいっきりネタバっ!!

どぼっん・・・

L:ふっ。足元が深海一万メートルとは気づかなかったようね。
  普通の地面にみせてかけておいたのよねv
  次回で朝からの出来事になるけど…ようやくあたしの通り名だけでてくるのよね・・・
  あたしのファン!と公言してるわりに、こいつってあたしの活躍・・少ないわよねぇ・・
  ま、いいわ。とりあえず水圧でどうにかなってるあいつはおいといて。
  では、まったねvv

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32037パラレル・トラベラーズ 〜旅の目的?〜かお E-mail URL2005/11/11 00:43:32
記事番号32031へのコメント

まえがきもどき:
うわっ!?
・・何か改行がおかしい場所が・・・
しまった!?・・よく確認せずに投稿してた・・・・ま、いっか(よくない)
次からはきをつけます・・。
(改行で訂正お願いするのも気がひけるし・・何より意味はわかるし・・)
何はともあれ、いくのですv
とりあえず・・盗賊イジメ・・もとい、退治から戻ったリナたちと。
そしてレナたち。
次の朝の出来事ですv


###################################

  パラレル・トラベラーズ 〜旅の目的?〜


朝の食事に遅れてきた二人。
…まあ、何をしていたのかは聞かないのが花。
というもの。
というか、聞いたら聞いたで絶対に、何かとんでもないことになりそうなのは。
……首すじについている赤い跡らしきものからも想像はできる。
つまり…この二人って……
「…ま、まあ夫婦っていうんだし……」
「………。と、ところで?昨日はきかなかったけど。あんたらはどうするんだ?」
その意味を理解して、顔を少しばかり赤らめながらも、
二階から降りてきたリナとガウリイにと問いかけるラウリィ。
知らないものがみたならば、おそらくは。
よくにた姉妹とそしてまた、別の兄弟がその兄と姉夫婦と共に旅をしている。
と捕らえるであろう。
それほどまでに、リナとレナ。
ガウリイとラウリィはよく似ている。
年齢の差は歴然とわかるが。
だが、それもそれほど離れているようにはみえないのは。
誰の気のせいでもないであろう。
「…とりあえず。あたし達はゼフィーリアに向かうわ。
  あたしもマナが使った術を詳しくしらないし。多分永遠の女王なら知ってるはずだし。」
自分たちの世界ともしここが、同じような仕組みならば。
まずおそらく、ゼフィーリアの女王は……
そんなことを思いつつ、リナがいうと。
「オレはリナについてくだけだし。」
「わーい。おでかけ。おかでけー!」
「マナぁ。それをいうならばお出かけだってば。」
きゃいきゃいとはしゃぐ栗色の髪の幼女にすかさず突っ込みをいれている金色の髪の三歳程度の幼女。
このエイル、と呼ばれて、愛称がエル、という少女のほうは。
何か年齢よりも落ち着いた口調がかなり印象深い。
それと、両親からどうもいいところをもらっているらしく整った顔立ちも印象深いが。
はっきりいってここまでかわいらしい子はまずみないだろう。
というほどにかなり印象深い。
マイナ、と呼ばれた少女は少女で、母親によく似ているので別の意味で印象深いが。
まず、レナと一緒にいたら歳の離れた姉妹…と捕らえれるか。
もしくは、下手をすれば…娘にみられてしまうかもしれないわよね…
そんなことをレナはおもってしまうが。
だがしかし、レナの見た目はどうみても十代そこそこ。
十二か三、それより下くらいに下手をすればみえてしまう。
実際はもうすぐ十五になるところなのであるが。
それゆえに、歳の離れた妹、とぱっと見た目は捉えられるであろうが。
リナの見た目が二十歳そこそこか、十代後半なので、リナがいればそちらの娘。
と一目でわかるが……
「あたしは、とりあえずアトラス・シティによってみよっかとおもって。」
「俺は…そうだなぁ。一人旅、というのも危険だろうから、このレナって子についてくつもりだけど?」
「それじゃ、荷物もちけっていねv」
「・・・あのな……」
「…アトラスって………」
ふと、ガウリイとの出会いのときを思い出し、思わずづふやくリナに。
「そういえば。昨日のお宝のわけまえ。どうする?」
「あとで部屋でわけましょ。
  ついでに屑宝石は宝石の護符に二人ですれば結構いいお金にもなるでしょうし。」
「それもそうね。」
「リナかあさん。ついでに、あれの魔法陣くみいれたら?」
「あれ、知られてないから入れても売れないってば。」
「そかなぁ?でも、威力はいいとおもうけどなぁ?」
「そりゃ……」
エルの言葉も最もだとはおもう。
実際に娘たちにあれの魔法陣を組み入れた宝石の護符のペンダントをしているゆえか。
結構下級魔族とかの攻撃とかにも効果を発揮してるようだし。
などとリナは思うが。
だがしかし、まさかここでそんな魔族の襲撃がある…とはおもえない。
元々いたところでは、何か自分とガウリイ。
それが無理ならば、娘たちを勧誘しようとパシリ魔族がよくちょっかいかけてきているが…
まあ、それは今は関係ないし。
そんなことをリナは思いつつ、娘であるエルと会話をしていると。
「あれって?」
「?」
首をかしげるレナとラウリィ。
「何かロード何とかっていう人を表しているとかいう魔法陣…だったっけ?リナ?」
ぶぶうっっ!!!!!!!
ガウリイのさらりとした言葉に…思わずレナが口にしていた飲み物を噴出してしまう。
「まさか…まさかまさまさか!?」
…レナは知っている。
かつて、姉とともに出向いたディルス王国で…
それに近しいとおもわれる名前の王のことを…
実際にあの力をつかった場所は…今でも死の入り江となっている…というその事実を…
「まさか!?まさかとおもうけど…ロードオブナイトメアのことじゃないでしょうねっ!!」
思わず叫ぶレナの言葉に。
「え!?レナもあれのことしってるの!?」
逆に驚いてしまうリナ。
レナの知識としては正確には知ってはいないだろう。
というか知っていないはず。
口にはださずとも、そう心で思いつつ。
「すご〜い。ガウリイと〜さんが、ロードとかまほうじんとかいうのまでいえた〜!」
「いつもいえないのにね〜。と〜さま、すごいっ!すご〜いっ!!」
「……ガウリイ。あんた娘にまでいわれて情けなくない?」
「…だって、呼び名ややこしいし?」
「…あのね……」
驚愕するリナを正気にもどしたのは、他ならぬ二人の娘たちの言葉。
「…ちょっとまて…。まさか…それって……」
そんな彼らの会話をきいて、顔色の悪いラウリィ。
……かれは、かつて、祖母からあることを聞いている。
………それは、魔道に精通していた祖母がかつて異界黙示録と呼ばれるもので知りえた
知識…
すなわち……
悪夢を統べる存在………
そんなラウリィたちの言葉に。
「…あ゛〜……。あまり深く考えないでね?」
とりあえず話しをはぐらかそう。
そう思いつつ。
「とりあえず。昨日の分け前はどうする?近くにまだ盗賊いるかもしれないし。
 それを壊滅させてから正確にわける?あたしとしては。とりあえず。
 ガウリイもあたしもよく食べるのはともかくとして。子供たちのぶんもいるから。
 でもあまりかさばるものだと持ち運びが大変だし……」
きちんとたとえ宝石などに手を加えたとしても、この程度の小さな村では。
換金するのもたかが知れている。
そんなことを思いつつ言うリナの言葉に。
「このあたりの盗賊はもうあたしがほとんど壊滅させたし……」
「…おまえそんなことしてるのか?」
「悪人を倒して何がわるいの!?」
「…いや、悪くはないけど……。」
ラウリィの言葉に突っ込むレナに思わずしり込みしてしまう。
「そっかぁ。それじゃ、そういや…ここってどの辺り?」
自分がいた場所と地理が同じ…とは限らないが。
ここまでそっくりな人がいる、ということはもしかしたら同じかもしれない。
地理を知っているのと知らないのではかなりの差がある。
そんなリナの問いかけに。
「もうしばらくいったら。アトラス・シティがあるけど。この辺りでは一番大きい…かな?」
「…アトラスって…。ってことはここはライゼール帝国…ってところかな?」
「そのとおりだけど?」
「地図ある?地図?」
「ちょっとまってね……」
いいつつも、レナは持っている袋の中をごそごそと探しつつ。
「あ。あった。」
ゴロン……
何やら地図らしきものと一緒に袋の中から出てきたものに思わずリナは目が点となる。
……め…女神…像?
……何かかなりみたことあるような気がするのって…気のせい…よねぇ?
地図と一緒に間違ってレナが袋から出したものはどうみても…オリハルコン製の女神像。
しかもリナはそれをどこかで見たことあるような気がしてならない。
だが…その可能性はひとまず考えないことにして。
「…い、いくら何でもそんなこと…ないわよね?」
うん。
自分自身に小さく言い聞かせ。
「えっと……」
とりあえず、出された地図にと視線をあわせる。
自分の中にインプットされている自分たちの住んでいた場所の地図と。
ここの世界の地図。
それがどうみてもぴったりと一致しているのは…何も気のせいではなさそうだ。
だが…いくら地図が同じだからといっても地理的というか周囲の風景などまで同じ。
とは限らない。
目的地はゼフィーリアなのだが……。
ラルティーグ王国、ということはかなり離れている。
まあ、資金的には道すがら盗賊退治をすれば問題ないとして……
とりあえず。
確かアトラス・シティにはそれなりの魔道士協会があったはず。
そこの図書館で少しばかりここのことを調べたほうがいいかも…
そう思いつつ。
……いくらなんでもまさか……過去と同じようなことが起こっているはず…ないしね。
そう…いくらなんでも…
そう自分にまたまた言い聞かせ。
「とりあえず。アトラスで少し調べ物をしてからゼフィーリアに向かうわ。
  えっと…悪いけど案内たのめる?ここの勝手、よくわかんないし。」
そんなリナの言葉に。
「それはかまわないけど。というか二人のほうが盗賊退治もはりあいでるしっ!
  ナーガと一緒だといっつも彼女って何か逆にお宝を壊すハメにもなったし。」
「…え゛?」
…聞かなかったことにしよう。
うん。
レナの言葉はリナは即座に頭からたたき出す。
ナーガ…それはリナもよく知っている名前…そして……
あろうことか…その驚愕する事実すらも……
「なあ?リナ?今のナー…何とか姉ちゃんってもしかして?」
「ガウリイ。世の中には聞かないほうがいい。ということもあるのよ。」
もし…万が一。
そうだとして…この世界のあのフィルさんとかあのナーガに出会ったりしたら!
それこそあたし絶叫ものだしっ!
そう心に硬く思いつつ、冷ややかな目でガウリイを見据えて言い放つリナ。
「…じゃあ。とりあえずは…。アトラス・シティにいく。ということでいいのか?」
ラウリィが話しをまとめるようにしていってくるが。
「そうね。」
「というか!か〜さんっ!あたしのいけんはぁぁ!?」
「エルね〜さまぁ。かーさまぁ。おしっこ。」
「「・・・・・・・・・え゛!?ちょっとまったぁぁ!!」」
そんな会話をしていると。
マナがリナとエルにと話しかけ。
あわてて席を立ち上がるリナとエル。
そのままリナはマナをつれてダッシュでトイレにとかけてゆく。
「あたしもあたしもぉ!」
そんなリナとマナを追いかけてゆくエルの姿がしばしその場にて見受けられ。
後に残されたガウリイ達はといえば。
「…な、何か大変そうですね……」
「でもないぞ?ふたりともかわいいし。何よりもリナとの愛の結晶だし。」
「・・・はいはい。のろけないでください。」
とろけるようなガウリイの笑顔の言葉に、思わず突っ込みをいれるしかないレナと。
そしてまた…やっぱり…雰囲気…兄さんに似てるよな…この人…
などと思っているラウリィの姿がしばしその場にて見受けられてゆくのであった……


  ――続く・・・

###################################

あとがきもどき:
L:ちなみに。この世界のガブリエフ家は。ゴルンノヴァのやつが魔族。
  というのを知ってて代々伝えている家系だったりするのよねv
  ついでにいえば、ゼフィーリアの永遠の女王が「水竜王」というのは。
  作者の公式裏設定でもあるからねv
薫:あ゛あ゛あ゛!・・ばらしてもいーんですか?(汗
L:いいのよっ!というかきちんと作者がいっるてんだから。
薫:・・でもそれ・・・FCの会報で作者がいってる事実……
L:ナーガの本名もきちんと公式HPにアップされたからいいのよっ!
薫:・・・・・・・・・(でも、記憶と能力を受け継いでいる・・という設定・・)
  ・・・と、とりあえず。
  エル様…これからどうなさるおつもりで(汗
L:そうなのよね〜。部下Sでちょっと実験してみようかともおもうけど。
  でもリナとガウリイに気づかれるのもねぇ……
薫:・・・・・・・・・(S・・気の毒に・・・)
L:ま。とりあえず。次をさくさく投稿というか打ち込みなさいねv
薫:が…がんばります・・・
L:はいvさくさくと続き、続きv
薫:いいつつも、その手にもっている鉈はなんですかぁぁ!!!

どっす・・・

L:さって。パソの前でなぜか倒れたこいつはほっといて。
  それでは、まったねvv

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32039パラレル・トラベラーズ 〜出発開始?〜かお E-mail URL2005/11/11 22:44:25
記事番号32031へのコメント

まえがきもどき:

こんにちわ。頭の中でSがエル様にどつかれる光景がはなれません(笑
ま、Sだし(非情)何はともあれ、続きをいくのです。
というか…ちらほら〜とエル様…もとい、
エイルさ…とと、エイルちゃんの思惑がちらほらと(こらこらこら!)
では、いっきますっ!


#####################################


    パラレル・トラベラーズ 〜出発開始?〜


「…あ。」
「…あれ?」
ふと気づけば、テーブルの上においてあったはずの女神像の姿が見当たらない。
それに気づいてふと声を上げるレナとラウリィ。
「…像は?」
思わず口にだすレナの言葉に。
「え?今何かエルがもってったぞ?ついでに。」
「……めずらしいからかなぁ?」
きょとんとして何でもないようにそういうガウリイの言葉に、思わずつぶやくレナ。
そういえば…何か椅子からおりる間際にテーブルの上に手を伸ばしていたけど…
……ま、別にどうこうできる品物でもないし。
あれってオリハルコン製だしね。
普通の方法じゃ傷つけることとかもできないから…ま、いっか。
相手は子供だし。
それですましているレナ。
「オレにはよくわかんないけどな。」
「……ま、まあとりあえず。それじゃああなたたちはひとまず。アトラスに向かう。
 ということでいいんですね?」
確認の声を上げてくるそんらラウリィの言葉に。
「リナがそういうんだし。」
「……相手に依存しすぎてません?それって……」
「そうか?」
「「・・・・・・・・・・・・・・」」
こ…この人って……
レナの言葉に即答して首をかしげるガウリイに同時にそんな思いを抱いてしまうレナとラウリィ。
まあこの反応が通常なのであろうが……
彼らがそんな会話をしている中。

「…やっぱり。」
判ってはいたけど……でもねぇ〜……
さて…どうするか…
今のこの体というか器ではそう大きい力は多分扱えない。
というか、どこまでの力が使えるのか。
それが知りたいがためにこの器で生をうけてみた。
というのも理由の一つ。
もう一つは…結構みていてあきないあの人間をあのまま消滅させてしまう。
というのがもったいなかった。
というのもあったがゆえに。
何しろあの体は自分がかつて、あのときに、再生させたものだから。
そのままとどめおこうとは別に思っていなかったが。
だがしかし、相手の強い願いは切実にわかったから。
だからこそ…何しろ彼女がいなくなったら自分もいなくなる。
そんなことを純粋に本気で思っていた彼だからこそ。
…ならば、何のために自分が出向いたのかがわからなくなる。
まあ、自分に攻撃しかけてきたあいつはともかくとして。
自分が器として現れたのは…彼の命を何ものにも変えても助けたい。
そんな純粋な願いから。
「…ま、何ごとも実験は必要…よねv」
滅多とあるものではない。
というか滅多というかやったことは確かあまりなかったような気がするが。
いや、こうして普通(?)産まれ出でてうんぬん…としたのは初めての試み。
だからこそ…
「実験〜v実験〜v」
一人トイレの個室にて、そんなことをいいつつも女神像をふわふわと浮かべているエイルの姿があることは。
…当然誰も知るはずもない……



ぽかぽかと太陽の光がとても暖かい。
とりあえず、リナとレナの話し合いの結果。
昨日の盗賊から没収したお宝の振り分けは話はついた。
まあ、まだ換金していないものは、とりあえず男性陣に荷物持ちをさせているのだが。
さすがに男手があれば、ちょっとした重さがある品物なども持ち運びが便利。
そうレナもリナも喜んでいたのだが。
…というか…異空間におけばいいのに……
そんなことをエルは心の中で思っていたりするが。
だがしかし…それは口には出していない。
あくまでも…自分はまだ、三歳児の幼女なのだから。
「う〜ん。いい天気ねぇ。」
「だなぁ。」
のんびりとそういう二人に対し。
「…あとこれでとうぞくでてきたらたのしいのにねぇ。」
「…えっと…マナちゃん?…というか、一体リナさん…どういう教育を?」
そんなマナのにこにことした言葉に思わず突っ込みをいれているラウリィ。
「とうぞくかどうかはわからないけど…」
「というか。気配は違うな。」
「…みたいね。」
そんな会話をしている彼らの背後より感じる気配。
しばらく、人気のない場所にと進んでいきつつも。
ぴたり。
と足をとめ。
そして、リナは二人の子供を後ろにし、そんなリナの前にガウリイが立ちふさがり。
レナとラウリィにいたっては、並んで、ある方向をきっとにらみ。
「…さってと。いい加減にでてきたら?」
「それか呪文でも叩き込みましょうか?」
そんなレナとリナの言葉が森の中の茂みに向かって発せられる。
それをうけ…
がさっ…
茂みが揺れるおととともに。
数名の男たち・・・・・もとい、なぜか全身を包帯で巻いた男と。
そしてトロルが数匹…彼らの目の前にと出現し。
「みつけたぞ!!!小娘どもっ!!!」
なぜか・・・全身包帯男は…リナたち四人プラス子供二名にむけて、指をつきつけ。
高らかに言い放つのであった……

………もしもし?
もしかして…もしかしなくても…あれって…!?
リナの脳裏に…かつての…ガウリイとであったときのことがよみがえっているのは…
この場で理解しているのは…ただ二人のみ。

「え〜。人違いじゃないですか?」
ぷりっ。
ぶりっ子して言い放つそんなレナに。
「ああ!ミイラ!」
「ほんとだ〜。ミイラだー。ないぞうあるのかなぁ?」
何やら喜んでてを叩いているマナに、そんな人物をみてにこやかにいっているエルの姿。
そんな二人の幼女の言葉に。
「うるさいっ!こうなったのは誰の責任だっ!というか…いちばんむちゃくちゃしてたの。
  おまえらだろうがっ!小さいくせしてっ!!」
マナとエルを指差しつつも、何やらわめいているその男性。
「……わが意に従い力となれ……炸弾陣(ディルブランド)。」
係わり合いになるのが面倒。
そう捕らえていたリナはといえば、とっとと小さくカオスワーズを唱え。
そして力ある言葉をそんなそれらに向かって解き放つ。
ごががぁぁんっ!
そのまま、不意打ちともいえる炸裂が彼らの足元に炸裂し。
何やら岩にのまれて吹っ飛んでいるミイラやトロルたちの姿がみえていたりする。
「さ。わけわかんないのはほっといて。あたしたちはいきましょ。」
「…みもふたもなくないか?」
それをみて、目を点にしてつぶやくラウリィに。
「ま、リナだし。」
それで済ませているガウリイ。
「ま。それもそうね。いこっ。」
それですまし、すたすたと歩き始めるリナたち一行。
一方で。
ぴたり。
と両親やレナたちについていくのを少しやめ。
吹っ飛んでいったそれらをみつつ。
小さく、ぽそりと。
「…落雷。」
ぴしゃぁぁぁぁん!!
エルがつぶやくと同時に…吹き飛んでいた男たちの頭上から。
晴れているのに突如として雷が落ちていたりする。
ふっ。
このあたしに為口いうなんて…
などとエルは心の中で思っているのだが。
そして。
そのまま、何事もなかったかのようにとてとてと、リナ達を追いかけてゆくのであった…


「?何か音しなかった?」
「気のせいじゃない?」
歩きつつもそんなことを言っているリナとレナの二人に対し。
「リナぁ。あまり無茶するなよ?」
「はいはい。あんたは本当にあいも変わらず過保護よねぇ……」
ガウリイの言葉に苦笑していっているリナ。
「でも。リナお姉さんって、とてもそのガウリイさんと仲がいいんですね。」
「そう?というか…こいつくらげだし。脳みそみじんこの剣術馬鹿よ?こいつは。」
レナの言葉に即答しているリナ。
「…何かすごいいわれようなきがしますけど……」
「そうか?」
「・・・・・・・」
そんなリナとレナの会話をききつつも、ガウリイにと問いかけているラウリィの言葉に。
のほほんと答えているガウリイ。
そんなガウリイの返事に……もしかして…この人…天然ぼけもはいってる?
何かますます兄さんに似てるなぁ…
そんなことを思うラウリイの姿が、しばしみうけられてゆく。

     ――続く・・・

###################################

 あとがきもどき:
薫:…リナさんところの教育方針って……
L:何しろ二歳ごろまでは、セイルーンにあたし達いたからねぇ。
  しかも、アメリアからいろいろと正義の賛歌とかも聴かされてたし。
薫:・・・そりは(汗
L:レイナなんかは、生まれたときから、アメリアのあの歌きいてたわよ?
  あたしも面白かったからちょっといろいろと……v
薫:その「いろいろ」って何ですかぁぁ!?・・って聞きたくないですけど(汗
L:内緒vそれとか。お祝いにって、ミルガズィアから品物もらったりしてるし。
  何か面白そうだから常に小さいクリスタルの中にいれてあたしは持ち歩いてるけど。
薫:み…みるがずぃあさん?(汗)
(・・いや〜な予感が・・・)
L:あら?知りたいの?リナとガウリイが結婚して子供も生まれたお祝いにって。
  ミルガズィアお勧めのとある特選ギャグ全集がねv
  今ここに♪
薫:ちょっ!そのもしかして…もしかしなくても!?
  その球(オーブ)は何ですかぁぁ!?
L:再生v
薫:〜〜〜〜〜!!!!(声にならない悲鳴とともに薫そのまま卒倒・・)
L:さってと。
  あたしがでも活躍してないわねぇ。
  とっととSがでるところまでいけばいいのにっ!
  というか・・・こいつ、もしかして…一巻分だけで終わらす気じゃないでしょうね?
  一応一部分は全部この話あるのに… 
  …この辺りは説得ねv
  それじゃ、なぜか完全に魂すら消滅しかけているこいつはほっといて。
  それじゃあ、まったねvv

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32040パラレル・トラベラーズ 〜かかわり?〜かお E-mail URL2005/11/12 23:20:51
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

こんにちわ。今回はゼルガディスの登場ですv
ちなみに。
よく外見がわかんない?という人は。
リナとガウリイは無論、見ている人は全員知っているでしょう(まて)
リナちゃんは、ガウリイと結婚して胸が大きくなっているくらいで(まていっ!)
(だって二人の子持ち・・)
ガウリイはあまり代わり映えがない…くらいかな?
ちなみに、レナ=インバースはかつてのリナと振り二つ。
つまり胸がない…というのまで瓜二つ(笑)
ラウリィ君にいたっては、ガウリイにそっくりだけども彼よりは少しはクラゲではありません(笑

#####################################


   パラレル・トラベラーズ 〜かかわり?〜


「……?」
晴れているのに…何で落雷が?
などと思うが…だがしかし。
ふぅ…
ため息一つ。
「おい。大丈夫か?ゾルフ?」
とりあえず、こげているミイラ男に声をかけている、全身白づくめの男性。
みれば、何やらゾルフと呼んだ男性がつれていたトロルたちは、
先ほどの落雷で綺麗さっぱりと焦げて動かなくなっていたりする。
…ま、まあ、天気でも気候は…変わりやすいからな…
などとおもいつつ、少し先にとある山の上にとある黒雲をみて。
そんなことを思っていたりするけども。
「あ…あのあまたちぃぃ!ころすっ!」
「おちつけ。ゾルフ。俺たちの目的を忘れるな。無意味な殺生をすることではない。」
「しかしっ!ゼルガディスっ!!」
「くどい。…次は俺がいく。きちんと話せばわかってもらえるかも…しれない。」
だがしかし…まさか、あれが、あの盗賊殺し(ロバーズキラー)として名高い。
噂のレナ=インバースの手に渡ろうとは。
多分間違いがないのだろう。
…あの胸のなさからいっても。
だがしかし…一緒にいるそっくりな年頃の女性と、そしてまた。
どうやらその配偶者らしき男性は一体全体誰なのか。
それはわからない。
判らないが…だが、目的のためには何にしてもあれが必要。
そう…自らをこんな体にした曽祖父を倒すためにも。
物心ついたころにはやさしかったのに…どうしてああなってしまったのか。
ああなり始めたのは…たしか…自分が三歳をすぎてごろ。
実験用にと作り出した人造人間の目があっさりと開いた…ということを聞かされたころだったか。
ともあれ。
どうやら彼らは『アレ』にはまだ気づいていないようだ。
気づかれないうちに、相手の言い値で買い取れれば…それにこしたことは…ない。
そういいつつも、顔を覆っていたフードを少しさげるその男性。
その下からは…見間違えもなく垣間見えるのは…岩の肌。
もし、ここにリナとガウリイがいれば、即座に、とある名前を呼ぶであろう。
ということは…当然、この彼は知る由もない。


「わ〜い!!」
「こらっ!マナっ!そんなに走ったら転ぶわよっ!」
家族でお出かけ。
うれしいなv
何かかなり違うような気もするのだが……
ここに移動したには、他ならない、自分と…そして、姉の協力によって。
にもかかわらずに、そんなことを思って、無邪気に喜び走り回っているマイナ。
はっきりいって、みていてかなりはらはらする。
小さい子供が歩いていたり、走っていたりするとどうしてこうはらはらするのか。
それは今にもこけそうに見えるからに他ならない。
まあ、危なっかしい…というのもあるのだが。
そんな娘に向かって叫んでいるリナに。
「マナ〜。あまり走ったら……」
いいかける、エイルの言葉が思わずとまる。
道の先をふさぐようにと立っている逆行でよく見えないが、だがしかし。
見間違えのないその姿。
というか…エイルはそれが誰か、一目でわかっているのだが……
シルエットからすれば、全身何やらフードやマントで覆っている男性らしいもの。
「おっと。」
こけっ。
前をみずに走ってきたマナを思わずうけとめつつ。
そして、すこししゃがみ。
「お嬢ちゃん?走ったらあぶないよ?」
などと顔をかくしたままで、そんなことをいっているその男性。
「……?おじちゃん?」
マナはその声に心当たりがあったりする。
ものすっごく。
さもありなん…のだが……
「マナっ!!…って!!」
あわてて、マナを追いかけいたリナが、その姿をとらえ。
そして。
次の瞬間。
『ゼルっ!!??』
ものの見事にリナとガウリイの声が一致する。
「わ〜い。ゼルディガスおじちゃんだ〜」
「マナ。ゼルガディスおじちゃんだよ。」
手をぱたぱたとふって、喜びの声を上げるマナに、すかさず突っ込みをいれているエル。
だがしかし。
「…なっ!?なぜっ!?」
なぜ…俺の名前を!?
二人を知らない彼としては、いきなり名前を呼ばれ…驚愕する以外の何ものでも…ない。
当たり前だが。
…ちょっとまてぃ!!まさかとおもうけど…やっぱりこの『今』って!!
あのときと同じ状況の世界なんじゃないでしょうねぇぇ〜〜!!!
さすがに、知り合いの姿…しかも、知り合った当時の年齢にどうやら近い。
その姿をみて心の中で叫び声を上げているリナに。
「あれ?ゼル。何でまたキメ何とかにもどってるんだ?」
「ガウリイ。それをいうなら、まだこっちの世界のゼルは人間にもどってないのよ。」
そんな彼の気配を感じ、きょとん、といっているガウリイの言葉に。
思わず突っ込みをいれているリナ。
一方で。
「…ゼルガディス!…って、まさかあの『白のゼルガディス』か!?」
驚愕の声を上げているラウリィに。
「…?リナお姉さんたち?知り合い?」
首をかしげてリナたちにと問いかけているレナ。
「…何というか……」
「……何でおまえら…俺の名前を……」
言葉につまるリナに続いて、思わず驚愕した声を漏らしている彼――ゼルガディスの言葉に。
いや…だって知り合いだし。
あたしたちの世界では。
などとリナはおもえども。
だがしかし。
…自分たちが別世界。
つまり、【平行世界(パラレル・ワールド)からきた。】
などと説明しようものならば…まず絶対に、信じてもらえない。
それは判っている。
いや…でも、ゼルのことだから…でもねぇ〜…
などとリナは心で思うが。
「?で?なに?ゼルおじちゃん?」
「おじちゃんいうなっ!俺はこれでもまだ18だっ!!」
自分を見上げていってくるエルの言葉に、思わず突っ込みをいれてしまう。
…まあ、気持ちはわからなくもないよな…
などと、ラウリィは一瞬心の中で同情しつつ。
「…で?あの【白のゼルガディス殿】が何の用件だ?」
警戒を崩さずに語りかける。
確か…噂では、白のゼルガディスは合成獣(キメラ)のはずだ。
しかも、邪妖精(ブロウデーモン)と岩人形(ロックゴーレム)の。
しかも、精霊魔術にもたけている…と聞いている。
あくまでも噂だが。
一説には、あの赤法師レゾの手先だ…という説も裏の世界では流れている。
それが事実かどうかは知らないが。
そんなラウリィの言葉に、はっと我にともどり。
「…単刀直入にいおう。おまえらがこの前、盗賊からうばったあるものを売ってもらいたい。」
道をふさぐ形で、木漏れ日がまぶしいそんな森の街道の中で。
リナたちにと話しかける全身白尽くめの男性の姿が、しばし見受けられてゆく……


         ――続く・・・・



######################################

あとがきもどき:
L:まったく。たかが「おじさん。」と呼ばれたくらいで叫ばなくてもv
薫:……そういう問題でしょうか?
  あ、そういえば。ガウリイの「元の合成獣(キメラ)に戻ってる」という台詞は?
L:ああ。彼はもうリナたちのところでは人間に戻ってるから。
  とりあえず、普通に戻ったみたいよv
薫:……普通に戻った…って…
L:レクターと同じ方法でv
薫:…それ、公認クラブの本もってないとわからないと……
L:あらv大丈夫よvあれって作者も参加してるものだからvいわば公認v
薫:・・いや、ですから…も、いいです……(FC製スレイヤーズリプレイ本より)
L:それはそうと?あ・た・し!の活躍は?
  あたしがまったく活躍してないんだけど?
薫:うぐっ!…ま…まあ…さすがにS登場のくだりのあたりは…(ぽそり…そこそこに…)
L:ほぉおう。そういうことをいうわけ?その口はv
薫:って!その手にもっている巨大な本は!?
L:本の角って確か死ぬほど痛いって聞くけど、そんなに痛くないはずよっv
薫:まっ!!

どめっ!!

L:あら?何か完全にぱっくり割れてものをいわなくなっちゃった。…ま、いっか。
  それでは、みなさん、また次回でvvまったねvv



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32041パラレル・トラベラーズ 〜泣く子と・・・〜かお E-mail URL2005/11/13 18:20:58
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき

こんにちわ。さてさて、前回ちらっとラストに出てきたゼルガディス。
いきなり名前を呼ばれたら…普通、誰でも驚きますよね(笑
しかも…子供(?)に「おじちゃん」よばわり……
何はともあれ…いっきますっ!
今回は…ちとマナちゃん…大暴れ?(かなり違うとおもうが……


#####################################


  ○パラレル・トラベラーズ○  〜泣く子と……〜


…盗賊から奪った品物をって……やっぱり……
リナは思わず頭を内心抱えてしまうが。
だがしかし。
「何のこと?人違いじゃないの?」
しれっといっているレナ。
「……あのな。ともかくいい根性してやがる。
  こちらも無理を承知でいっているんだ。そちらのいいねで買い取らせてもらう。
  悪い話ではないとおもうが?」
道をふさぐように立っているその人物のその言葉に。
「いいねで。というのは確かに。悪くない話だけど……。
  でも、やっぱり人違いよ。それじゃっ。」
いいつつも、すたすたと、そのまま歩いて横をすり抜けようとするそんなレナに対し。
「…くくく。やっぱり、あんたには任せておけないな。ゼルのだんな。」
がさり。
横手の茂みががさり、と揺れて、出てくるひとつの人影一つ。
だが…しかし、その声にも聞き覚えがあるリナにガウリイ。
そして…
「?…なあ?リナ?何でスポットがこんなとこにいるんだ?
  ルナ義姉さんにおこられないのか?あいつ?」
「というか。まだここのあいつって姉ちゃんに拾われてないんだとおもうな〜……」
何やらぽそぽそと内緒話をしていたりするのだが。
そんな二人…つまり両親の会話とは対照的に。
その声に、ぱっと目をかがやかし。
そして。
「あっ!!スポット!!!」
でできたそれにととてとてと駆け寄っているマナの姿が。
がさり。
と茂みをかきわけて出てきたのは、一人の獣人。
「ちょっ!マナっ!」
それに気づき、あわててリナが止めるが…すでに遅し。

「わ〜い!スポットだ〜!!」
……何だ?この子供は…
ちょこまかと、なぜか自分にまとわりついてくる子供。
というか……
…何なんだ?
そのスポット…というのは?
などと思うのは仕方ないであろうが。
「ええい!うっとうしいっ!」
ごげっ!
そのまま、まとわりつく子供を足蹴りにし。
そして、交渉が滞っているゼルガディスのほうにと視線を向ける。

…ひくっ…
「うわぁぁん!すぽっとが、すぽっとがぁぁ!!」
そんな獣人の行動に、瞳を潤まして、そして涙を浮かべて泣き出すマナ。
「まなっ!」
そんなマナに声をかけるエルに。
「…あんた…うちのマナにっ!」
リナの瞳と、ガウリイの瞳に殺気がこもる…が。
「ひくっ……ひくっ…たそがれより…ひくっ…ちのなが…ひくっ…」
「…なんだ?こいつ?」
「やばっ!つうか!マナ!ちょっとまちなさいぃぃ!」
マナが何をいいたいのか気づいて、思わず顔色を変えて叫ぶリナに。
「……そ〜いや…マナって…きれたらどらぐすれいぶ…よくとなえるっけ……」
などといいつつも、そんなことをいっているエル。
「レナっ!とにかく、空に避難っ!!」
「???え?」
リナに言われ、何が何だか判らないままに。
とにかく、呪文を唱え。
そして。
「「浮遊(レビテーション)っ!!」」
リナとエルの声が同時に重なる。
――ラウリィ!!剣を!!
ラウリィにいたっては、腰に挿している剣から声が響き。
その尋常でないその【声】に従い、そのまま剣を抜き放つ。
それと同時。

「どらぐすれいぶ〜〜〜!!!」

ちゅどごごぉぉぉん!!!!!

…マナの唱えていた呪文が完成し…その場に、竜破斬(ドラグスレイブ)が炸裂する。
そして……
「ひくっ…ひくっ…うわぁぁん!すぽっとがマナをけったぁぁ!」
…一人、クレーターの中心で、しくしくと泣いているマナの姿のみが…
その場にて見受けられてゆく。

マイナ=ガブリエフ。
まだ二歳、というのにもかかわらず…母が唱えていた呪文などを覚え…
それを威力をしらないまでも使いこなしているのは…血のなせる業…といえるのかもしれない。

「…………」
思わず額から汗が伝ってしまうのは仕方ないであろう。
…何なんだ?あの子供は…
などと白づくめの男性…ゼルガディスは思うが。
だが、それ以上に。
どうしてこうして、どうみてもたったの二歳児が、あの竜破斬(ドラグスレイブ)が使えるのか。
それもかなり気になるところ。
威力は……まあ、確かに。
普通の大人が使うものよりはかなり下らしい…とはいえ。
脅威というか驚愕以外の何物でもない。
危険を感じ、上空にと飛び上がったその目に映ったのは。
クレーターの中心でうずくまって泣いている幼女の姿と。
そしてまた。
「ほらほら。マナ。なかないの。ね?」
……あの爆発からどうやって身を守ったんだ?
と思うのだが、だがしかし、そのすべはわかるはずもない。
なぜか無傷で、そんなマナ、と呼ばれていた幼女に話しかけている、
おそらく、その子の姉…と思われる三歳くらいの女の子。
そんな女の子がそんな幼女をなだめている。
そしてまた。
「……ふつう…子供がこんな呪文…唱えられるか?」
などと、剣を掲げてそんなことをいっている金色の髪の少年の姿。
だが…それ以上に驚くものは…
その手にもっている剣が…普通ではない。
ということ。
その少年の手に握られている剣の刃は…どうみても光り輝いており。
どうみても光の刃。
――ラリウ。無事だったか?
「…というか…兄さん。そのぼけはやめてよ。名前はせめて間違えないで……」
剣の中から聞こえる声に、思わず苦笑まじりでいっている少年の姿が。
その口元の動きで相手が何をいっているのかは、彼にはわかる。
判るが……
……?独り言?
剣の言葉は、当然、彼に聞こえるはずもなく……
「…そういえば…ディルギアのやつは……」
…あ。
みれば…クレーターの端に、完全に焦げてぴくぴくとしている獣人の姿が……
しばし、彼が唖然としていると。
すとん。
どうやら上空に避難していたらしい、彼女たちの両親と思われる。
見た目は二十歳かそれより下らしき女性が。
「こらっ!マナ!
  いきなり竜破斬(ドラグスレイブ)はやめときなさい。竜破斬(ドラグスレイブ)は。
  せめて、烈火球(バーストフレア)程度にしときなさい。」
…いや、それもかなり問題あるんじゃぁ……
そんなことをいっているその台詞に思わず内心思ってしまう。
…まあ、当然の反応…といえばそれまでなのだろうが…
「と…とにかくっ!改めて交渉に出向かせてもらうっ!」
…このまま交渉を続けていても、間違いなく不可能。
そう判断し…そのまま、その場を飛び去ってゆくゼルガディスの姿が。
その場にてみうけられてゆき。
そして。


「…なあ?リナ?これどうするだ?」
「……あら〜……」
回りを見渡してそう問いかけるガウリイの言葉に。
目を点にして何やらつぶやいているレナ。
「…逃げるしかないんじゃないのか?」
そんなラウリィの言葉に。
「そのとおりね!とにかく!この場から逃げるわよっ!」
……そのまま。
リナがマナを抱いて、ガウリイがエルを抱きかかえ…
そのまま、何もなかったかのようにその場を逃げ出してゆく彼らの姿が。
見受けられてゆくのであった…
後には…残されたクレーターと…焦げてぴくぴくとしている獣人の姿があるのみ……



   ―続く・・・



######################################

あとがきもどき:
薫:・・・・・マ…マナちゃん…
L:なんか、リナがよくマナやあたしをつれて盗賊退治にいってたせいか。
  意味が完全に理解できないまでも、カオスワーズ丸暗記してるのよね。マナってばv
薫:・・・・・・・・リナさぁん(涙)
L:あたしとしては。マナにもリナと同じくギガスレイブを覚えてほしいなぁvとか。
薫:それは激しく遠慮してほしいのですが・・・
L:あら?どうして?この器では確かに。魔力の制限はあるけど。
  力を暴走させる、ようなこととかまではさせないわよ?
薫:…ですから、そ〜いう問題では……
L:でもま。まだこの器でどこまでの力が使えるか。まだ完全に実験してないしね。
  いざとなったら器から抜け出れば何事も問題ないけどv
薫:・・・・・・・・・ですから・・・いや、も、い〜です……
  とりあえず、今回の副題は。「泣く子には勝てない。」という意味合いをこめて…
L:でも。それをいうなら。マナが連れ去られるときにもいえるんじゃぁ…
薫:って!ですから!今後の展開はっ!
L:ま、とにかく。全部にわたって、さくさくといきなさいねv
  とうぜん、あたしの漫遊の続きやフォーエバーの続きもねv
薫:…はいです(涙)
L:さってと。
  それじゃ、今回マナが使わなかった。烈火球をとりあえず素直なあなたにプレゼントv
薫:え゛!?それはプレゼントとはいわなっ!!
L:あらv遠慮なくうけとりなさいなv

ごがぁぁぁぁん!!

L:さって。何か溶けていなくなった人はおいといて。それでは、まったねvv






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32045こんばんはとーる 2005/11/14 20:24:42
記事番号32041へのコメント

 
かおさん、どうも初めましてこんばんは。
最近出没してきたとーると申す者です。
ログに残っているL様漫遊記を読ませていただいていて
すごく面白いと思っていたので、こうして新しい小説を
読む事が出来て、かなり浮かれてたりしてます。

私はこういうパラレルワールドや
トリップ物が好きなので、リナだけならまだしも
リナ達家族が飛ばされるというのはまた嬉しかったです。
一瞬リナの父やらが出てくるのかと思ってしまいましたが(ぇ
子供達がとても可愛いv特にエルちゃん好きです(笑

これからどう展開していくのかが楽しみです。
もちろん続きも読ませてもらいますね。
それでは。

とーる

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32047読み逃げしててすいません(汗)かお E-mail URL2005/11/14 23:02:06
記事番号32045へのコメント

こんにちわ。とーるさん。始めまして。かおです。
コメントありがとうございますv
実は、とーるさんの、「紫煙の幻想」は楽しく毎回読ませていただいておりますv
・・すいません。読み逃げしてました。はい(滝汗・・
>ログに残っているL様漫遊記を読ませていただいていて
>すごく面白いと思っていたので、こうして新しい小説を
>読む事が出来て、かなり浮かれてたりしてます。
え゛!?漫遊を読まれたのですか・・それは(滝汗・・
こちらに投稿してるのは、あくまでも番外編版(もしくはSP版)ですが・・
あちらは随時リクエストを募集しております。
(といってもまだリク消化してないのがかなりありますが・・)
あちらは、おもいっきりギャグ。
というかハチャメチャですからねぇ・・・(自覚あり・・
>私はこういうパラレルワールドや
>トリップ物が好きなので、リナだけならまだしもリナ達家族が飛ばされるというのはまた嬉しかったです。
似たような設定のものがかなり私の作品はおおいもので・・
今回は、リナ達家族がトリップしましたのです。
漫遊番外ともいえるフォーエバーはエル様リナたちがトリップしてるけど・・
>一瞬リナの父やらが出てくるのかと思ってしまいましたが(ぇ
リナ父ですか。ゼフィーリアにいくところまでやるとしたら出ますがね(笑
・・たぶんやらないとおもうので(こらこら・・
>子供達がとても可愛いv特にエルちゃん好きです(笑
エルちゃん・・・たぶん誰もが正体…わかってるんでしょうね(笑
>これからどう展開していくのかが楽しみです。
わざわざありがとうございます。
とーるさんの紫煙の続きもかなりどきどきしつつ楽しみにしておりますv
今日はでてるかな?と毎日覗いている次第ですので(実話
彼の正体(?)も気になりますしね・・ふふふふふv
>もちろん続きも読ませてもらいますね。
>それでは。
わざわざありがとうございます。
のんびりとこちらは連載していこうとおもっております。
・・・フォーエバーは・・打ち込み次第アップしようと思っておりますので・・
それでは、本当にわざわざのコメント、ありがとうございました。
(読んでくれてる人・・いたんですねぇ・・いないとおもってたのに・・汗)
それではv
Byかお

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32048パラレル・トラベラーズ 〜交渉?暴露?〜かお E-mail URL2005/11/15 00:30:02
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

こんにちわvわぁぃv感想感謝です!とーるさんv
まさか読んでくれている人がいるとは…かなりびっくり。
多分誰も読んでない、と思ってましたからねぇ・・(しみじみと)
L:あんたのものなんか読む奇特な人は貴重よねぇ。
?:そうそう。投稿スピードも、数多とある連載ものの打ち込みもストップしてる。というのにv
薫:うぐっ!!・・L様はともかく…どうして菫ちゃんがっ!?
菫:Lに呼ばれたのvというか一緒に参加しないかってv
薫:・・・あの?その「参加」・・というのは・・・(かなり嫌な予感・・)
L:とうぜんvあんたへのお・し・お・きv
薫:いやぁぁ!!!!!

(以下、殺伐としたシーンの為カット)
L:それでは。薫がどこかに消えたので。
菫:私がまったくでないけど、それでは続きをいってみましょうvv

#####################################


   ○パラレル・トラベラーズ○ 〜交渉?暴露?〜



「…ふぅ。あせったぁ……」
「でも。助かったわよね。そこのガウリイさんとラウリィのおかげで。」
「まね。このガウリイは勘だけはいいからねぇ。勘だけは。」
「…おい……」
とりあえず、部屋を三つ続きでとり、その中間の部屋にと集まり。
ひとまず話し合いをもうけているリナ・レナ・ガウリイ、そしてラウリィ。
く〜……
すでに、子供たちはおなか一杯になったためか、ぐっすりとベットに横になっている。
この子供たちは一度寝たら、なかなかおきない…というか。
寝起きがものすごいがゆえに、騒ぎを起こしてわざわざ起こす…ということは。
リナもあまりしないし、ガウリイもまたしない。
…ガウリイとしては、子供たちが起きないほうが、朝も都合がいい。
…というのもあるにしろ。
ともあれ、ひとまず、次の村にとつき、そして。
とりあえず宿をとって、ひとまず再び話し合い…というときに。
ガウリイとラウリィが感じたのは…とある気配。
それも自分たちに向けられている…殺気。
それゆえに、リナとレナに断って。
二人して、村の外に出向いて…こちらに向かってきていた襲撃者をあっさりと駆逐した。
という実情が先ほどあったりするのだが。
寝起きがとんでもない…というのは、レナもラウリィも知るよしもないが。
わざわざ子供に聞かせるような話でもないし…と二人の思いというか意見も一致しているがゆえに。
それゆえに、おきている人たちだけでの話し合いにとなっている。
中間の部屋はダブルの部屋で少し広めの部屋となっており。
両脇に位置している部屋はシングルとやはりダブルの部屋。
本来ならば、この部屋に子供とガウリイ。
そして、別の部屋にリナとレナ。
そしてラウリィが一人。
という部屋割りを画策しているのであるが…おそらくそれは不可能であろう。
ということは、リナは何となく…というか、長い経験上理解している。
まあ、それをわざわざ口にはしないが……
ともあれ、先日の盗賊から奪った品の中に金貨が多数あったのが幸いしており。
未だに品物などを換金せずとも宿代や食事代はどうにかなっている今現在。
そんな二人の会話に思わず突っ込みをいれているガウリイであるが。
「勘かぁ。俺も結構すごいほう…とは思うけど……」
兄さんのほうがかなり強かったけど。
などと思いつつもそっと腰にさしたままの剣をみるラウリィ。
「それより。…話してもらえます?あなたたち…昼間のあの人物。
  彼のことを『白のゼルガディス』といってましたけど?…お知り合いなんですか?」
すっと少しばかり緊張し、問いかけてくるラウリィの言葉に。
……そりゃ、リナ達はねぇ……
などと、ふわふわと、肉体から離れてその様子をみている精神体が一つ。
それに気づいているのはこの場ではガウリイだけなのだが。
だが、別に関係ないし。
それでガウリイはすまし。
「…何といったらいいのか…そう…彼とはあたし達の世界ではあたし達仲間だったのよ。」
いろいろな死闘を潜り抜けてきた…ある意味戦友…ともいえるかな?
などとは思うが、そんなことを説明してどうなるものでもない。
説明するならば、はっきりいって自分たちが、魔王、もしくは冥王…
そんなものたちとかかわりあったことを言わなければならなくなる。
まずはっきりいって何をこの人たちは嘘八百をいっている…と通常ならとらえられてしまう。
自分でも信じられないような経験をしてきてるよなぁ…
…とリナは自分自身でそう納得しているのだから。
「確か。シャブ何とかって魔王とかいうやつと初めにたたかったときに共同に戦って。
  次はザナ何とかってやつのとき。それからんっと…おお。
  確かガー何とかっていう赤い髪のおっさん。」
「って!あんたはさらっというなぁぁぁ!あたしがどう説明しようかと思ってたのにぃぃ!!」
スパパァァン!!
ガウリイのさらり、というその言葉に、思わずリナの懐から取り出したスリッパ攻撃が炸裂する。
「って!ちょっとまってよ!?何それ!?…魔王って…
  もしかして…あの伝説の赤眼の魔王(ルビーアイ)のことじゃないでしょうね!?」
思わず叫んでしまうレナの言葉も当然…といえば当然なのだろうが。
「……あ、あの?本当なんですか?」
思わず問いかけた当人であるラウリィの言葉もどもってしまう。
まあ気持ちはおそらく、わからなくもないのだが……
赤眼の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥ。
この地の魔族…つまりは闇を統べる闇の王。
相対する存在として、赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィード。
そう呼ばれている竜神がいる…というのは、この世界。
まず小さな子供のころ寝物語としてまず聞かされる。
それが事実かどうかは誰も確認できてはいないにしろ……
だがしかし。
魔族…と呼ばれている存在が実際にいる…のは間違いないわけで。
そしてまた。
赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィード。
と呼ばれていた存在が存在していた。
というのもレナはよぉぉく理解できている。
かくいう、レナの二つ上の姉が……その能力を受け継いでいる人物だからに他ならないのだが。
「…え…ええと…あ…あはははは……」
リナが何といって返事をしようかと戸惑っているそんな中。
ちょうどいい具合…といえるのか。
コンコンコン。
部屋の扉をノックする音が。
「誰!?」
「?誰?」
「あ、ゼルの気配。」
「昼間のやつの気配っ!」
同時に、レナとリナ。
そしてガウリイとラウリィの言葉が一致する。
そして…扉の向こうからは…
そんな彼らの台詞を肯定するかのように…
「改めて話し合いにきた。…あんたたちと取引がしたい……」
扉の向こうから、部屋の中に向かって言葉が投げかけられる。
そんな扉の向こう側の『ゼルガディス』の言葉に。
「…いいわ。こっちも聞きたいことがあったし…ね。」
「リナお姉さん?」
「あんた?」
「お…おい?リナ?」
しばし考えこみつつも、発したリナの言葉に戸惑いの声を上げているリナ以外の全員。
…どうしても確認しておかなければならないこと。
それは……もし、今のこの『ゼルガディス』があのことのために石を欲しているならば…
あのときと同じことが…ここでも起こりえる。
ということ。
…助けられなかった。
あのときは。
自業自得…と一人はいえるかもしれないが。
だからといって、目の前で死なれたのは…紛れもない事実で。
そして…そのために…その延長線上で…サイラーグも……
自分が、『ここ』に来たことは。
きっと意味があるはず。
そう……あのように悲しいことを起こさないためにも。
ここの、『自分達』のためにも……
そんなリナの思いを察知したのか。
ぽんぽんとリナの頭をかるくなで。
そして。
「リナのせいじゃないさ。…でも、リナがそうしたい。というんだったら…オレはとめないぞ?」
「…ガウリイ……」
何もいわずとも、自分の考えを判ってくれて、そして後押ししてくれる。
ガウリイは判っているのだろうか。
その言葉で自分がかなり救われている…ということに。
そんなことをリナは思いつつ。
「確認したいことがあるの。…入ってもらってもいいでしょ?」
その瞳に、何やら決意ともいえる何ともいえないものを感じ取り。
無言でうなづくレナとラウリィ。
「いいわ。…はいって。」

カチャリ…

レナの言葉をうけ。
静かに部屋の扉が開かれる。
そこにいたのは、全身白尽くめの男性が一人。
「わるいな。…しかし、よくまあこんな自分でいうのも何だが、怪しいやつを部屋にいれよう。
  なんておもったものだな。」
部屋に入りつつも何やら苦笑しつつもそんなことをいっているその彼に対し。
「話によっては問答無用で呪文を叩き込むから。それでもいいわね?」
レナの言葉に。
「オッケー。…ま、まあ。子供ですらあの竜破斬(ドラグスレイブ)を使えるような一行に。
  下手な手出しはしないさ。とりあえず、部屋にいれてくれて感謝する。」
いいつつも、部屋の扉を律儀にも閉める。
そして、彼が部屋の中にと入ってきたのを確認し…
「単刀直入に聞かせてもらうわ。『ゼルガディス=グレイワーズ』。
  今…あなたたちが狙っているのは『賢者の石』?それも『赤法師レゾ』の命令で?
  あなたはあなたで、レゾに対抗する力がほしくて石を欲している。
  ……違うところがあったら答えて。」
いきなりずばっと問いかけるリナの言葉に。
「なっ!?」
「え゛え゛!?賢者の石!?」
思いっきり驚きの声を上げているラウリィとレナ。
そして…
「……あんた…何ものだ?…どうしてそれを……」
いきなり図星を言い当てられ、かなり警戒を強くする。
当然であろうが。
「…なあ?リナ?…レゾって…誰だっけ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スパパァァン!!
きょとん。
として問いかけるガウリイの言葉に、思わず無言になり、
そのまままだ手にしたままであったスリッパで再びガウリイの頭を叩きつけ。
「あ…あんたねぇぇ!あんな目にあったのに忘れたわけ!?
  っていうか名前覚えてなかったんでしょぅけどっ!!
  レゾよ!レゾ!レゾ=シャブラニグドゥ!!
  目を開くことに夢中になったあげくに魔王にその体と魂のっとられて!
  あたし達に攻撃しかけてきたけど、最後にはその残った人としての心で手助けしてくれたっ!
  しかも!そのレゾのコピーのせいでサイラーグが壊滅したでしょうがっ!
  それまでわすれたの!?あんたはっ!!」
そんなリナの叫びに。
…ぽん。
ぽん、と手を叩き。
「おお。あの赤い格好のゼルの曾爺さんかぁ。
  あと、何か魔族と一緒になってた人のコピーとかいうのだったよな?」
「…ど〜いう覚え方しとるんじゃい…おのれは……」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
そんな二人の会話に無言に成り果てているリナとガウリイを除く全員。
――…まあ、確かにゼルガディスの曽祖父だけど……
そんな彼らの会話をきいて、そんなことを思わず思ってしまう。
というか…本当…このガウリイ父さんって…あきないわよねぇ〜…
などと、精神体で様子を視ているものとしては思っていたりするのだが。
それはリナたちには知る由もなく。
「…いや、ちょっとまて。…今、何ていった?」
「…レゾ…シャブラニグドゥ?」
「…それって……魔王の名前じゃぁ……」
震える声で同時に声を発するゼルガディス・レナ、そしてラウリィの言葉に。
「……ま、まあ気にしないで。…と、とにかく。あんたもゼルガディスなんでしょう?
  …どう?あたし達に協力しない?もしレゾが石を欲している…というならでの提案なんだけど。
  あたしは…合成獣(キメラ)の体を元に戻す方法。
  知ってるから。…それと引き換え。というのは…どう?」
「なっ!!!?」
気にしないで。
というのも無理なような気もするが。
だがしかし…今、この女性の言った言葉がもし…いや、本当に元に戻す方法を知っているのなら…
「…あんた…どこまで『オレ』や『レゾ』のことを知っているんだ?」
警戒を解かずに、だがしかし。
今の言葉もかなり気にかかる。
もし…もしも、万が一。
レゾの中に…魔王が封じられている…というのが事実ならば……
いや、それはそもそも伝説なのかもしれないが…あの強大な力。
それを目の当たりにずっとしてきていた自分だからこそ…否定できない『何か』がある。
というのも…また事実。
そして、そういいつつ、すっと目をほそめ。
「…詳しく話しをきこう。…場合によってはあんたたちのほうについてもいい…」
そういう全身白尽くめの男性…ゼルガディスの姿が、見受けられ。


……過去は変えられない。
だけども…この世界はまだ…『過去』ではない。
…悲しい思いや悲しい人々を作り出すのは…あたしたちの世界だけで…十分。
それがあたし達がこの世界にきた…きっと…理由なのかもしれないから…
そう、リナは心で思いつつ。
そんなゼルガディスの言葉に、こくり、とうなづいて。
「…わかったわ。…レナたちも聞いてくれる?」
覚悟を決めて話をすることにしたリナの姿が。
夜も更け始めた宿屋の中で見受けられてゆくのであった……


         ――続く・・・


#####################################

あとがきもどき:
薫:…ガウリイさぁん…大暴露してどうするんですか(汗
L:・・・ま、ガウリイだし。それに思わず突っ込みをいれたのはリナだしねv
薫:・・・ま、そうなんでしょうけど……
  あれ?でもそれじゃぁ?やっぱりここの時間軸って…同じ?
L:当然v違うのは。リナたちが来たことにより。初めからゼルガディスが仲間にはいる。
  という程度v
薫:・・・・「程度」って……
  ・・・それで相手がた…だまってるのだろうか?
L:だまってないわよ。
薫:・・・・・・・・・・・(だろうなぁ・・・)
L:ま、そのあたりは。あたしがいってもいいけどv
薫:・・・ものすっごく遠慮しておきますのです・・・
L:あら?そう?もったいない・・・
  あ、もったいない。というので思い出したけど・・・これ、あんたにあげるわv
薫:?何ですか?これ?
L:とある世界で使われた、もずくとナマコのブレゼントv
薫:って!これって騎士のっ!!!
L:ついでに両方意思をもたせて肉食にしてみたからvさあ。ご飯よ〜vv
薫:・・・まっ!!!!

ぐじゅっ・・・ごぎゅっ・・・・・・・

L:さってと。何か変わった物体に飲み込まれていった薫はおいといて。
  それでは…まったねvv



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32053Re:パラレル・トラベラーズ 〜交渉?暴露?〜麻緒 2005/11/15 21:35:21
記事番号32048へのコメント

薫さま、こんばんは。
久しぶりの投稿作品、とても楽しませていただいています。
リナとガウリイの2人のお子様たちの今後の活躍が、楽しみです。
このパラレル世界でもレゾは魔王として復活するのでしょうか?だったら、かなり可哀そうなことになる予感がするのですが(Sさんが)。。。リナたちの上のお子様って、L様ですよね??
今後の展開、ますます目が離せなくなりそうです。早速ゼルが仲間に入りそうですし。楽しみにしています。

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32054Re:こんばんは麻緒 2005/11/15 21:37:20
記事番号32048へのコメント

薫さま、こんばんは。
久しぶりの投稿作品、とても楽しませていただいています。
リナとガウリイの2人のお子様たちの今後の活躍が、楽しみです。
このパラレル世界でもレゾは魔王として復活するのでしょうか?だったら、かなり可哀そうなことになる予感がするのですが(Sさんが)。。。リナたちの上のお子様って、L様ですよね??
今後の展開、ますます目が離せなくなりそうです。早速ゼルが仲間に入りそうですし。楽しみにしています。

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32056こんばんわですvかお E-mail URL2005/11/15 23:27:02
記事番号32054へのコメント

こんにちわ。おひさしぶりですv麻緒さん。
>薫さま、こんばんは。
>久しぶりの投稿作品、とても楽しませていただいています。
・・・すいません。かなり時間あきまくってます・・。
というかフォーエバーなんか2003年ですもんね・・ラスト・・あはは・・
・・・がんばって続きうちこみますわ・・
只今HP上では見直し作業をあれも開始しましたし(謝罪・・・
>リナとガウリイの2人のお子様たちの今後の活躍が、楽しみです。
あるいみ、主人公はこの子供たちかも(笑
>このパラレル世界でもレゾは魔王として復活するのでしょうか?だったら、かなり可哀そうなことになる予感がするのですが(Sさんが)。。。リナたちの上のお子様って、L様ですよね??
あはははは(笑)
ばればれですねぇ。はいvそーですv
・・・どうしてそうなったかは・・そのうちに・・
って、たぶんばればれでしょうけど・・ね。
理由の一つとして、サイラーグの一件です。これは原作にそってますので・・あしからず・・
Sは・・まあ、Sですしねぇ。
かわいそう・・になるのかなぁ?やっぱかわいそう・・かな?
う〜む・・・
>今後の展開、ますます目が離せなくなりそうです。早速ゼルが仲間に入りそうですし。楽しみにしています。
ゼルはとりあえず。元の体に戻る方法ききたさと。ちょっとした自身がもってた疑問から仲間いりですv
その疑問は今投稿したのでちらっとふれましたけどね・・(汗
何はともあれ、わざわざの感想ありがとうございますっ!
のんびりといくとおもいますので、よければお付き合いくださいね。
それではv
Byかお

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32055パラレル・トラベラーズ 〜それぞれの・・〜かお E-mail URL2005/11/15 23:21:47
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

こんにちわ。とりあえず今回は。
リナ(結婚しているほう)の説明が終わったのちの、
それぞれの思いというか決意みたいなものです。
…一部、平行しているとあるおひとのこともでてますが…
彼が出てくるのはもう少し後になりますのでv
うまくすれば次回かその次になりますのですv
何はともあれ、いっきますv

#####################################


   ○パラレル・トラベラーズ○ 〜それぞれの・・・〜


……ふぅ。
寝付けない。
それはおそらく…全員にいえること…なのかもしれないが。
何やらとなりの部屋からは、あの二人の声が聞こえなくもないが。
しばらくしてから声が…その変わったのは…ま、夫婦らしいし…
あのガウリイという人も、きっと、気分を変えようと思ってのことなのかも。
見ていればわかる。
どれほど、相手を大切にしているのか…というのは。
自分にもいつか、そういう相手ができるのかどうか…というか出来たらいいな。
とは思うけど…どうしても…負い目はある。
――何いってんのよ。レナ。…それより……
そんなことを思っていると、頭の中に声が響く。
「…そだね。リナお姉ちゃん……」
先ほど、年上のリナから聞いたその内容は。
あまりにもショッキングなことで。
しかも…彼女たちが魔王を倒したのは…
光の剣に不完全版の金色の王(ロードオブナイトメア)の不完全呪文を上乗せした。
というのも。
自分もあの呪文は扱える。
だが…その真実は…改めて、詳しく聞いたわけではないが。
あの説明で…理解した。
すなわち…混沌の海そのものこそが……
ラウリィは知っていたのか顔色が悪い状態で、よく世界が滅びなかったな…
とかいっていたが。
何も知らずに腹いせまぎれにあれをぶっ放したのが…今ではとても怖い。
真実を知ったからこそ…だが。
力あるもの…特に魔族と戦う…ということになれば、あの力は最後の切り札…ともいえる。
完全版…も彼女は唱えたことがあるらしいが…
その辺りは詳しくは教えてはくれなかったが…
ともかく、今は…彼女たちがいた世界と同じく。
本当に赤法師レゾの中に『魔王』が封じられていたら…どうするか。
が何よりも問題。
横ですぴすぴと眠っている二人の子供たち。
何でも、子供たちと一緒だと万が一襲撃者がいても、絶対に力になるし。
一人よりは安全だろうから…という理由で。
本来ならば、彼女がここで寝る予定だったらしいのだが…
まあ、一人増えた…というのもあり。
シングルの部屋にリナとガウリイが入り。
そして、自分はマイナとエイルと同じ部屋。
そして…ゼルガディスという人物とラウリィが同じ部屋。
といった割合で、とりあえず夜も遅いから…というので各自休むことにとなったのだが。
あんな話をきいてゆっくりと寝られるものではない。
そして…何よりも気になるのは…その力を使ったために…不完全版の力をつかったがために。
冥王(ヘルマスター)フィブリゾに目をつけられた…という彼女の言葉。
嘘をいっているようにはみえなかった。
どうやって助かったのかは…それは詳しくはきかなかったが。
ともあれ…彼女たちはとんでもない死闘を繰り広げて、そして…家庭を築いている。
それは…彼女たちを見ていれば何となくだがわかる。
あの力というか呪文は……つまりは……
「…なら…あれしかない…けど……」
漠然と理解してない状態では、ほんの一瞬しか発動しなかった。
…ならば、理解ができたであろう…今では?
眠れないままで、横になっている…というのも余計に目がさえる。
そのまま、そっと部屋を出て、外にとでる。
外は先日の満月を過ぎて少しばかり月が欠けている。
…試してみる価値は…あるかもしれない。
もし、万が一…そんなものと戦うハメになったとしたときの対策に…
そう自分自身にいいきかせ…彼女―レナはしずかに、そっと。
一人、宿の裏庭にて精神を集中させてゆく……


「…さっきの話…冗談…だと思うか?」
リナという女性がいった、『海=金。というか海を創造りし金。』という意味はわからなかったが…
何かかなり重要な意味をきっともっているのだろう。
それを示すかのように、レナという少女と、そして目の前にいるこの少年は理解したようであった。
結局のところ。
元の体に戻れる方法を知っている。
という『リナ』という女性の言葉と、そしてまた…レゾについて昔から思っていた自身の疑問。
それらをはっきりとさせるためにも…ひとまず彼らと行動を共にしてみて。
そして相手の出方を見てみるのも悪くない。
そう判断した。
話の内容が内容だったがために、まだ元の体に戻す方法は聞き出せてはいないが……
だが…もしも…もしも、あのレゾを媒介として…魔王が復活…ということになれば?
そんな馬鹿なことがあるものか。
と普通なら一笑に伏せるかもしれない。
だが、自分は産まれたときから、彼のものすごさはよく知っている。
…目が何をやっても開かないのは…その身に封じられている魔王のせいだとすれば?
……ときたま、夜中にレゾでない声を聞いたことがある自分としては…
気のせいだ、冗談だろう。
とでは済ませられないものがある…
そう。
自分は確かに…聞いているのだ。
レゾが夜、一人夜散歩に出ていたときに…レゾとは異なる声をその口から…
当人に問いただしても当人はそのときの記憶はなかったし……
それが気にかかっていた。
ずっと……
たぶん、ねぼけていたんでしょう。ゼルガディス。
そういわれ…そうかもしれない。
とおもった昔の自分。
だが…もし、あれが夢でなかったら?
…不安は…捨て切れない。
特にレゾによってこんな合成獣(キメラ)にされてしまってからはなおさらに。
「…作り話ならもう少し上手に作るとおもうよ。普通魔王とか何とかいっても。
  たかが伝説の中にでてくる話の中の存在。そういって笑われるのがおちだもん。」
そんな彼…ゼルガディスの言葉に答えるのは。
同じ部屋に泊まることになった、ラウリィ、という少年。
「…あんたは信じる…のか?」
「…レゾの中に魔王…ありえるかも…とはおもってるよ。」
百年前。
あの魔獣を倒したのは…先祖と…そして、ほかならないあのレゾだ。
そう聞いている。
剣自体がそう伝えているのだから、まず間違いはないであろう。
だが…あの戦いが終わり、そして。
苗をかの地に届けたのち…当時の継承者とそして封じられていたものは…
…そのまま、剣の瘴気に飲み込まれ…そして消滅した。
その理由が、もし。
レゾの中の魔王の影響をうけたものならば?
そう考えれば納得がいく。
……そう。
自分が持っているこれもまた、異世界の魔族…しかも、魔王の腹心なのだから……
「…もし…復活したとして…勝てる見込みは……」
「さあね……。でも、人間。生きているかぎり、いきようとあがかないと。」
それがたとえどんなに無茶なことだとしても。
「…確かに。おそらくあの二人は。その結果、強い絆で結ばれたんだろうが…な。」
傍目からみていても、お互いに信頼しあい大切にしあっているあの二人。
うらやましくなるほどに。
守り、守られ…お互いがお互いを支えあっている。
というのが雰囲気でわかる。
「……ま。彼らがいた『歴史』とここが同じ…とは限らないしね。…結果がわからないと。」
「…だな。考えてもしかたがない…ということか。」
もしも、同じだとすれば。
きっと…どこかに解決策はあるはずだ。
そう…あの二人がその過去を乗り切ったように……

この世界は…自分達が住んでいる世界なのだから……



「……これは一体?」
いつもは、すぐに手に取るようにと視ることが出来ていた。
彼がどこにいるか…ということなどは。
それすらが出来ない…ということは、魔力の干渉力が及ばない場所にいるのか。
はたまた……
「まあ。いいでしょう。……何かあれば……」
そう、何かあれば、操ることも可能。
そのための手駒なのだから……

そう…目さえ開けば、もう……

何か大切なことを忘れだしているような気もするが。
…自分は…何よりも世界をこの目で実際に見てみたい。
そして……


人、というものは、人にたよるときにはちやほやするものの。
だが、用がなくなれば迫害する。
それは今も昔も変わらない。
無償で人々の目を治す…という実験を試みている今ですら……
目が見えないがゆえに、人の心の負の感情には敏感になっている。
最近では、それすらが当たり前で逆にここちよくなっているような気がするのは…
気のせいなのか、そうでないのか…
自分で自分がわからなくなるときがある……
だけど…いえることは…ただ一つ…

目さえ開けば…すべては…終わる……

「ディルギア。いますね?それとゾロム。彼らのお相手をしてさしあげなさい。
  …どうやらゼルガディスだけには任せてはおけないようです。」
カツン。
いつもなら視えるはずの姿が見えないことにはこだわらず。
そのまま、赤いマントを翻し…その場を立ち去る男性が一人。

――御衣。

「へっ。やっぱりな。」

闇からする声と…そして。
にっと暗闇の中月明かりを浴びてにやりとする獣人の姿が。
ある廃墟にて見受けられてゆく……


              ――続く・・・・



####################################

あとがきもどき:
L:あ・た・し!がまったく活躍してないじゃないっ!
薫:・・ねてますもん。
L:まったく…ほんと。人間の体って不便よねぇ。
  幼児の体がここまで貧弱だとは……すぐに眠くなるし…体がついてこないのよねぇ〜…
薫:……でも、だからって。体を抜け出て精神体になって視ているのは…
L:そのままでも視れるけど、やっぱり直接みたいじゃないv
  何事も経験よv経験v
薫:・・・問題が違うような気が……
L:問題。といえば。そういえば。この前面白い問題みつけたのよv
薫:?
L:なんと。その問題をきこうとした人には。なぜか。
  ちょっとした畳三畳分ほどの大きさで重さが千トンというものがプレゼントされるというv
薫:って!その背中に隠しているどうみても丸見えのものはっ!!

べしゃ……

L:さってと。何か本の下敷きになって形がなくなったこいつはおいといて。
  次こそはっ!あたしが活躍するわよっ!って活躍しないとお仕置きねv
  それじゃ、まったねvv



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32058パラレル・トラベラーズ 〜襲撃開始?〜かお E-mail URL2005/11/17 00:47:52
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

あああ!魔族に威厳ってものがないわっ!
これもすべては無能な部下Sのせいよねっ!
というわけで、前書きをのっと…もとい、誠意ある説得でかわった代行のLですv
今回も短いけど…それにしたって!!
ああ!やっぱり全体責任で部下全員お仕置きよっ!!!!

#####################################


    ○パラレル・トラベラーズ○ 〜襲撃開始?〜


てくてくと。
何気ない会話をしつつも道を歩いてゆく。
ひとまずは。
レゾが何を考えているのか。
それを知るのがまずは先決…という全員の意見が一致し。
ゼルガディスの案内で、この近くにある、というレゾの隠れ家にと向かっているのだが。
――ぞくりっ。
慣れたくないが慣れてしまった独特の感覚がリナの感覚をつきつける。
そのまま、ガウリイにと視線をむけて、無言で二人してうなづく。

そんな二人をみて、首をかしげるレナに。
「…これは……」
姿はない。
だけども…判る。
この独特の感じは…紛れもない…瘴気。
たわいのない会話をしているふりをしつつ、小さく口の中で呪文をつぶやき。
そして。
くるりっ。
そのまま、向きを唐突に変えたかとおもうと。
いきなり。
「烈閃槍(エルメキア・ランス)っ!!」
虚空に向けて、リナがいきなり呪文をぶっ放つ。
それをうけ。
ゆらり…
何もなかったはずの虚空の空がゆらめき…そこに出現する一つの影。
「…ほぉう。人間風情が…よく我の気配に気づいたな。我が名はゾルフ。
  レゾ様の命によりおまえたちを始末する……」
「油断大敵ってなっ!!」
ゆらゆらと、それがこちらにいいつつも近づいてこようとする刹那。
すでに剣を抜き放っていたガウリイがそのままそれに向かって駆け出してゆく。
――おろかな。我らには普通の剣は通用しない…というのに。
そうおもい、にやり、と『それ』はするものの。
だがしかし。
「させるかっ!!」
ざっんっ!!
『……なっ!?』
普通、剣でそれが切れるはずもない。
そう、どうみてもそれは…ぼろきれのような体ではあるが。
どうみても人間ではない『それ』。
緑のローブにその体をつつみ、白いひげを蓄えた老人…にみえなくもない。
が、瞳には眼球もなく、鼻も口もない。
それが何なのかレナもそしてラウリィも心当たりがあり。
そして、同じくゼルガディスも同じく。
だがしかし。
ガウリイの一撃はものの見事に『それ』の体を真っ二つに断ち切っていたりする。
「…っ!神滅斬(ラグナ・ブレード)っ!!!!」
ざっんっ!!!!!!!
それがその事実に驚愕するのと同時。
ガウリイがさっとその場を退き、その直後。
その背後からリナが唱えていた呪文を解き放ち、それにむかって切りつける。
「…なっ!馬鹿なっ…っ!!!!」
何が起こったのかそれにとっても理解不能。
たかが人間。
そう、相手はたかが人間のはず。
なのにどうして…この我が…滅ぼされる?
人間の女が放った術は…あきらかに自らの本体そのものを滅ぼし…滅している。
さぁぁ……
そのまま、出てきたと同時に、ものの数分もたたないうちに掻き消える『それ』。
それをみて、しばし。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
思わず、目を点とし呆然とするレナ・ラウリィ・ゼルガディスの三人。
相手は…どうみても…今のは『魔族』ではなかったか?
しかも、俗にいうレッサー・デーモンとかいう亜魔族でなくて、俗にいう純魔族。
というもの。
ゼルガディスはレゾのそばで見ていることがあるので理解し。
そしてまた、レナはレナで以前、ちょっとしたことで純魔族とかかわりあっている。
ラウリィは…レナと出会うまえにも純魔族とかかわりをもっているのだが…
「ふっ。相手をなめて長々と何かいってるからよ。」
「…おか〜さんたち…しょっちゅうしかけられてるから…なれてるよね……」
「わ〜い。か〜さま。と〜さま。すご〜い。すご〜い。」
そんなリナとガウリイをみて、ぽそり、とつぶやいてるエルに。
そしてまた、きゃっきゃとはしゃぎつつも手を叩いているマナ。
――魔族に対抗する手段。
それすなわち。
一撃必殺不意をつく。
「…いや…あの…今の…純魔族じゃぁ……」
思わずつぶやくゼルガディスの言葉に。
「みたいね。でも先手必勝よ。相手はこっちを舐めてかかってるからね。」
「…それより?リナお姉さん?今…何かかわった言葉…唱えてませんでした?
  何か言葉からして増幅呪文…みたいでしたけど?」
突如として出てきた魔族を葬ったのも驚くが。
……ま、まあうちの郷里の姉ちゃんもそれくらいしそ〜だし…
それで自分の中で納得させて、リナにと聞いているレナ。
そんなレナの言葉に。
「え?…あ、まあね。これ、結婚祝いと出産祝いに。『永遠の女王(エターナル・クイーン)』がくれたんだけど。」
以前持っていた魔血玉(デモンブラッド)のタリスマンは。
ちょっとした事情で失った。
まあ体の中に欠片は入ってしまったらしいが。
それはそれ。
何でも『宝物庫で眠っているよりは役だててv』といって、あっさりととある品をくれたのは。
リナにとっても記憶に新しい。
まあ、そのために、気にしていた魔力増幅うんぬん…という問題がなくなった。
というのは事実だが。
…まあリナにとっては。
それ以上に…実は自国の女王が水竜王の記憶と力を受け継いでいる存在だった…
というほうがよっぽど驚愕したのだが……
……どうりで、女王様…うちの姉ちゃんと互角といわずともやりあえるわけよね…
などと思ってしまったのは…リナが郷里に帰ってすぐのこと。
だが、そんなことは別に説明する理由はない。
というか説明したらそれこそまたまた面倒なことにもなりかねない。
何しろ、『ここ』でも『そうだ。』とは限らないのだから。
「極血玉(ティク・ブラッド)っていうらしいけど。」
いいつつも、首から下げた首飾りを取り出して掲げるリナ。
それこそが、リナの新しい魔力増幅アイテム。
代々のゼフィーリア女王に伝わっていたらしいが。
別に必要がないから。
というので、ずっと宝物庫にあったものを今の女王がリナにあげたもの。
以前のものは、四界の魔王の能力であったが。
今回のこれは、それよりも規模的には上かもしれない…
何しろ。
四界の世界を治めているという、魔王と竜神…その二つの力が含まれている。
その宝玉。
んなもん…簡単に自分にくれてもいいものか…
などと思ったりもしたものの、だが、リナには必要。
というので押し切った女王。
というか……確かに。
それでかなり助かった…というのは事実にしろ。
そんなリナ達の会話をさえぎるかのように。
「…ほぉう。こりゃなめてはかかれないな……まさか。あの魔族を一撃…か。」
がさり。
と前方の茂みが揺れて出てくる数名の人影が。
みれば……
『あっ!スポット!!』
「ちっ!ディルギアかっ!!」
「あ。昨日の獣人!」
リナたち家族の声と…そして、ゼルガディスとレナの声が重なる。
そして。
「…もう一人…いや、一匹…いるようだぜ?」
すっと、その腰にさしている剣を抜きつつも、刃と柄をわけて。
構えつついっているラウリィの姿。
その言葉をうけ…
「…ほぉう。よくわかりましたね……」
いって…前方の茂みの中にある木の陰からでてくる一つの影。

…それは、外見上は結構ハンサムな男性。
…だがしかし。
その顔の半分が…どうみてものっぺらな……目も鼻も口も何もない。
ともあれ、こんな人間がいるはずもない。

「……二体目の魔族…か。」
ゼルガディスの吐き捨てるような台詞と。
「まさか。ゾロムをあっさりと撃退するとは。ま、彼は所詮その程度のものでしたのでしょう。
  あ。申し送れました。わたくし、レゾ様の配下のヴィゼア。と申します。」
…いわれなくてもあたし…知ってるんだけど…
そうリナは心の中で突っ込みをいれるが。
そう、この魔族とはあったことがある。
……サイラーグの一件で……

「…で?何のよう?」
動揺しつつも、とりあえず冷静さを保ちつつ、問いかけるレナの言葉に。

「いえね。とりあえず…そちらのゼルガディス殿に戻っていただく。
  というのと。あなた方にはとある品物を譲っていただきたく。
  あ、いっておきますけど、断ったりしたらそれなりの対応をしますので。」
にっこりと。
顔半分しかないそれ…魔族ヴィゼアは、くっきりとボディーラインがわかるかのような。
その黒い体をくねらし、うやうやしくお辞儀をし…そして、リナ達にむかって言い放つ。


……あいつ…何考えてるんだろ?
思わず…エルがそんなことを心で思ったのは…当然、誰も知るはずもない……


                ――続く・・・



##################################

あとがきもどき:
薫:ちなみに。極血玉(ティク・ブラッド)の設定は。
  オリジナルですのでvあしからずv公式裏設定ではありませんよv念のためv
L:というか、誰でもわかるってば。女王の一件はともかくとして。
薫:……そうひとことであっさりといわれても……
  何はともあれ!でてきました!ゾロム!とヴィゼア!
L:ヴィゼアって確かサイラーグの一件でランツに倒されたあのヴィゼアよねぇ。
  ランツごとき普通の人間に倒されるなんてっ!
  ほんっとうに魔族が弱すぎるわよっ!!
薫:・・・ま、まあ祝福の剣を使ってのことでしたから……あれは……
L:ゾロムもあっさりと倒されるといい…くううっ!情けないわっ!
薫:…そうはいいますけど。エル様?…お二人…いや、三人が危険になったら・・・ 
  何かするでしょう?(汗
L:当然っ!弱い幼女が生きていくには保護者が必要だしv
  それにvマナってかわいいのよねぇ。あたしのこと慕ってるしv
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ま、まあ深くは突っ込まないとして…
  何はともあれっ!
L:そういえば!あんた!この次の展開は何なわけっ!?
薫:あ゛あ゛!ネタバレはご勘弁っ!!!!
  ま…まあ、マナちゃん…スポットになつきまくってますから…
  まだ二歳の子供には別人(?)ってわかりませんって・・・(ガウの勘もってればともかく・・
  何はともあれ!これ以上ネタバレされないうちに、それでは、またなのです!
L:ほぉおう。このあたしを無視する・・と?
薫:・・いやあの?エル様?その手にもたれている、何かしっくりきている大鎌は?
L:部下にお仕置きにいくまえに、ひとまずあんたで実験v
薫:ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

(言葉にならないような悲鳴がこだまする・・・)

L:さってと。それでは完全にきえたこいつはほっといて。それじゃ、また次回でねvv




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32060パラレル・トラベラーズ 〜捕獲?人質?〜かお E-mail URL2005/11/18 00:03:25
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

薫:はい。こんにちわ。どうにかとある御方の慈悲で復活した薫ですv
   というか…姫様、ありがとうございますv
姫:今回…というか、エル…あれってわざと一緒にいってるわよね…
薫:・・あ、やっぱりそう思います?
姫:エルだもん。
薫:・・・・・・・・・・ま、まあ確かに…
姫:何はともあれ、それではいってみましょうv
薫:ああ!私の台詞がっ!
姫:文句あるの?
薫:・・・ないです・・・・(涙・・・

#####################################


   ○パラレル・トラベラーズ○ 〜捕獲?人質?〜


「あんまりよろしくされたくないんだけど?」
そんなそれをみて動じることなく話しかけているリナに多少驚きつつも。
「……ちっ。レゾのやつ…本気ってことか……」
いって舌打ちしているゼルガディス。
そしてまた。
「おっと。ゼルのだんな。この俺を忘れてもらってはこまるな。」
いって、目の前に出てくる獣人をみて。
「…ディルギアか。」
…やっかいだな。
ディルギアはともかく、この魔族まで……
しかも、トロルやオーガ。
そういったものまでざっと見渡したところ十数匹以上は引き連れてやってきている。
それほどまでに、レゾが本気なのであろうが…
そんなことをゼルガディスは思うが。
「ゼル!あんたはディルギアを!マナはトロルたちを!ガウリイ!」
「おうっ!」
「スポット?」
きょん。
とそんな何やら殺気を振りまいてこちらをみてくる獣人ディルギアをみて、首をかしげるマナに。
「マナ。とりあえず。そう。これはあそびなのよ。そう。あそび。
  きょうのおあそびはスポットがこうげきしゃというせっていで。」
「なんだ。そっか〜。」
…違うけど…マナに説明してたら、それこそぐずりかねないし…
マナ…スポット…お馬さんしてくれるからって…お気に入りだしねぇ。
またここで竜破斬(ドラグスレイブ)とか唱えられても……
そんなことを思いつつも、ナイスともいえるフォーローをいれているエル。
「エルっ!ナイスっ!」
さすがあたしの娘!
などとリナは思いつつエルに対して声をかけてるが。
「おか〜さん?あたしたち、あれあいてにしててもい〜い?」
「いいけど…だけど!危なくなったらすぐに安全な場所に避難するのよ!?」
「は〜い!」
子供たちの実力は一応理解はしている。
しているが…そうはいっても、やはりまだ子供。
しかも、まだ二歳と三歳。
心配でないわけがない。
そんなことを思いつつ、リナが子供たちに話しかけると同時。
「…それでは。はじめましょうか?そもそも。あなたたちが素直に。
  あれをわたしてくれれば問題はないのですが…ね。」
最も、目撃者は消せ…という命令もあるので実行はしますけど。
そんなことを思いつつも目の前のヴィゼアという魔族は淡々といってくる。
そんな魔族にと向かい。
「…素直にわたしても。あたしたちを無事に逃がしてくれる。とは思えないわね。
  で?あんたは、いったい、『どこ』に所属してるやつなのかしら?」
以前のときは、そんなことは気にならなかったが。
だが、今ならば。
それが重要な意味をもっている。
そうわかる。
このヴィゼアは赤法師レゾに仕えていた…はずだ。
そして、そのままコピーレゾにと。
その力に従うように。
だが、元々の所属がどこにあるのか。
それでリナは何となく、あのときの仕組みが理解できるようなきがしている。
すなわち…どうして自分が『あの力』を使って魔王を倒した。
ことがわかったのか…ということ。
北の魔王は氷付けになっていて、滅びたことはわかりはすれども。
詳しくは判らない…と自分では踏んでいる。
そんなリナの問いかけに。
「これは意なこと。私が仕えているのはレゾ様。さきほどもいったでしょう?」
「そうでなくて。元々あんたが所属してるのはどこかっていってるのよ?
  魔竜王(カオスドラゴン)…って線はあまりないでしょうしね。
  ならば、…一番可能性が高いのは…冥王(ヘルマスター)……」
それならば。
自らが召喚され仕えていた主が、滅んだ理由などを上に報告してもおかしくはない。
それで目をつけられた…という理由も納得がいく。
まあ、彼だけでなく確かもう一人…いや、一匹いたような気もするが。
ともあれ。
まずは目の前の魔族を倒すことが何よりも優先。
そんなリナの言葉に。
すっと目を細め……
「…どうやらあなた…生かしておくには危険なようですね……」
この人間…どこまで知っている?
我が冥王(ヘルマスター)の命により、あの人間の中におられるかたを。
目覚めさせる手助けをする。
そこまで見抜いている…とは思えないが。
だが、計画の邪魔になるものは…排除あるのみ。
そうおもいつつも、リナを見据えるヴィゼア。
そして、次の瞬間。
何もない顔の部分を延ばし、何やら無数の錐のようにと伸ばして攻撃してくるが。
だが…ヴィゼアは気づいていない。
リナがそういっている最中…常にリナの横にいたガウリイの姿がない。
ということを。
ザッン!
「なにっ!?」
彼が攻撃を繰り出すほんの一瞬。
その隙をとらえて真横から攻撃を仕掛けているガウリイ。
すでに真横に回りこんで、リナが時間稼ぎもかねて質問をしていたに他ならない。
「きさまっ!」
切り付けられ…片腕を失い、憎悪の色を濃く表し。
ガウリイをにらみつけ、そのままその攻撃の対象をガウリイにと向けてゆく。
その間にもリナは呪文を唱えている。
――本日二度目の完全版、神滅斬(ラグナブレード)。
不完全版のものだと、ショート・ソード程度の長さなので、一撃必殺。
というわけにはなかなかいかないが、だがしかし。
完全版ならば話は別。
何よりも早く決着がつく。
その分、魔力の消費も激しいが……
それはリナのもっているタリスマンでどうにかその消費具合も少しは緩和されている。
自らが放った攻撃をことごとくかわされ、さらにはその錐を切り落とされ。
驚愕をせざるをえないこのヴィゼア。
…相手はたかが人間。
そう…たかが人間なのに。
しかも…どうみても相手のもっている剣は……普通の剣なのでは?
などと初めは思っていたが…その身で実際にうけてみて、ようやくそれの正体にと気づく。
「…なるほど。斬妖剣(ブラスト・ソード)…ですか。
  甘くみていました…ね。」
これは甘くみられない。
そう彼が判断するのとほぼ同時。
「…っ!打ち砕きっ!神滅斬(ラグナブレード)っ!!ガウリイっ!」
にっ!
ふと背後で女性の声がし、ヴィゼアが振り向くと同時。
ガウリイがにっと笑ってその場をとびのく。
それと同時。
「でや〜!!!」
ざっん!!!!!
「ふっ。そんな攻撃って…何ぃぃ!?こ…この力は!?…こ…!?」
たかが、人間が扱う魔力の剣。
その力の属性もわからずに片手で受け止めようとしているヴィゼアであるが。
そんなことは可能であるはずもなく…そのまま、その体を真っ二つにと裂かれてゆく。
リナの放った黒い刃はやすやすとヴィゼアの体を切り裂いてゆく。
――絶対に逃れられない…虚無の刃をうけ。
「リナっ!」
「っ!!」
ぐらっ。
ヴィゼアを滅ぼすと同時に、ぐらり、と体を傾けるリナをすぐさまに支えているガウリイ。
「さ…さすがに…神滅斬(ラグナブレード)の二度連続は…きついわ……」
いくら、郷里の姉ちゃんの特訓や、魔血玉(デモンブラッド)の欠片。
それらの影響で魔力がアップしていたりすれども。
体にかかる負担は…並大抵ではない。
こればかりは脆弱な人の体であるかぎり、避けられない難点。

そんなリナ達の戦いがあっさりと決着をうけたのをみつつ。

「・・・・・・・・」
本気で魔族相手に……あいつら本当に人か?
などと一瞬思っていたりするゼルガディスに。
「…なっ!?ヴィゼアの野郎まで!?」
驚愕を隠し切れないディルギア。
一方では、トロルやオーガたち相手に、何やら子供たち二人が。
かなり無茶…というか、好き勝手に呪文を使いまくっていたりするのが気にはなるが…
…というか…一人などは…あの伝説ともいえる暴爆呪(ブラストボム)を唱えてなかったか?
ゼルガディスの脳裏にそんな素朴なというか、かなり重要な疑問が頭を掠めていたりもするが。
しばし、ヴィゼアが滅んだのをうけて、呆然とするそんな彼らの耳にと。

「…ほぉぅ。まさか、ゼルガディス…やはりあなたは敵に回る…というのですね?
  しかし…まさか、ゾロムとヴィゼアまで倒されてしまうとは……」
何やら聞き覚えのある、だがしかし。
警戒せざるを得ない声が、何やら聞こえてきていたりする。

「…赤法師…レゾ……」
そんな姿をみて、リナがつぶやくが。
忘れようにも忘れられないその姿。
リナにとっては、彼こそがすべての始まりであった…といっても過言ではない。
「…あれが……」
リナの言葉をうけ、マナとエルたちとともに、トロルやオーガをあいてにしていたレナも。
そちらを振り向き、つぶやいていたりするものの。
そんなレゾをみて、すっとエルが目を細めているのは…誰も気づいてはいないのだが。

「こまりましたねぇ。とりあえず。
  どうやら、あなたがたは、素直に賢者の石をわたしてくれそうにはないですしねぇ。
  わたしは争いは好みません。ですから……」

レゾのいいたいことの意味がその場の誰にも…いや、一人を除いてわからない。
「…きゃっ!?」
「マナっ!!!」
ふわっ。
レゾの言葉と同時に、
レナの後ろで戦っていた…もとい彼女にとっては遊んでいたマナの小さな叫びが響く。
あわてて、レナが…そして、リナたちがそちらを振り向いたときには。
何やら淡い光の球体に閉じ込められているマナの姿が。
そして。
「っ!マナッ!!」
そんなマナを追いかけて…そのまま、同じ球体の中にと入り込んでいるエルの姿が映りこみ。

「素直になってくれるように。この子たちはあずかっておきますよ。
  素直にわたしてくれればかえしてさしあげましょう……」

そういうなり…
その球体とともに、レゾの姿はその場から掻き消えてゆく。

「っ!!!!マナぁぁぁぁあ!エルぅぅぅぅぅぅぅ!」
「なっ!!!!!!!!!!??」
「何てっ!」
「なっ!?まさか…子供をっ!」
それをみて、リナの悲鳴に近い叫びとガウリイの声が重なり。
驚愕の声をもらすレナとゼルガディス。

「させるかっ!!!!!」
一番近くにいたラウリィが光の刃でレゾに斬りかかるものの…その刃は残像を捕らえるのみ。

――いい返事を期待していますよ?みなさん?ディルギア…ひきなさい……


静かに…レゾの声のみが…上空より辺りにと降り注がれ。

「へっ。命拾いしたな。ゼルガディス。」
そういうなり…ディルギアもまた、その命令をうけて後退してゆく。

後には…
追いかけようにも神滅斬(ラグナブレード)を二度連続して使ったがために。
魔力の消費が激しく、思うように体が動かないリナと。
そんなリナを支えるガウリイ。
そして…呆然と空を見上げるしかないレナ・ラウリィ・ゼルガディスの姿が残されてゆく……


           ――続く……




#####################################

あとがきもどき:
?:何と連れ去られてしまった、二人の子供たち!リナは一体どう動く!?
  そしてまた。残されたレナたちの決意は!?
薫:・・・あ、あのぉ?菫ちゃん?何をして……
姫:エルがいないからvかわりに代理v
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・このシリーズには出てきませんが?菫ちゃんは?
姫:知ってるから。だからこうしてちょっと出てきたのよv
薫:・・・・宇宙の姫(ユニバース・オブ・ザ・プリンセス)自らが?
姫:いいじゃないv私のこと知ってるひとなんていないんだからv
薫:・・・・・・・一部の人たちは知ってるかと・・・
姫:いないってばv何はともあれv囚われの二人の子供たち!
  さて、いったい二人の運命は!?
薫:・・楽しんでますね…
姫:だって、エルだもんv人の体でどこまで力が使えるのか。私も興味あるしねv
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・
姫:何か無言になった薫さんはおいといて。それでは。次回の展開をお楽しみにv
  それではねvv

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32061パラレル・トラベラーズ 〜行動?〜かお E-mail URL2005/11/19 00:27:33
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

リナ:あああ!マナ!エル!!!!いやぁぁぁぁぁぁぁ!
ガウ:リナっ!おちつけってば!
リナ:やぁぁぁ!
薫:・・・え。えっと・・・何やらパニックになっているリナさんなのですが……
  ま…何はともあれ…いってみましょう……
  (というか…心配無用ともおうがなぁ?むしろ危険なのは…レゾなのでは?汗)

#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜行動?〜


うかつだった…といえるのかもしれない。
だけども……
自由にならない体がもどかしい。
レゾがいきなり出てくる…とは計算外。
いや、その可能性もあった。
それは確かに考えていた。
だが…しかし、よもや力のない子供たちを狙ってくるなどとは……
「リナ……」
「ガウリイ…マナがっ!エルがぁぁ!」
追いかけようにもどうにもならない。
相手が飛んでいっているのであれば、無理をしてでも飛んでいって追いかけるのに。
…相手が掻き消えた…となれば、おそらくは…瞬間移動…もしくは空間移動をしたか…
崩れ落ちそうになりつつつも、自然と涙があふれだす。
…ガウリイと出会って…世の中には世界よりも大切なものがある。
そう理解したのは……そして、今はその大切なものが増えて。
今では家族が出来ている。
「大丈夫だ。…リナ?あの二人はオレたちの子だぜ?」
そんなすがりつくように泣いているリナの髪をそっとなでているガウリイ。
そんなガウリイの言葉に、思わず顔を上げる。
…根拠のない言葉かもしれない。
だけども…彼は…ガウリイは、いつも自分に勇気をくれる。
「…そ…そう…よね。」
そうよ…あたしとガウリイの子なんだから……
そう自分に言い聞かすものの、だがしかし、まだあの子たちはまだ幼子。
しかも二歳と三歳…という……
郷里の姉などに鍛えられていたりする…というのもあるので。
昔の自分なりには力はある…とはおもう。
特にエルの…長女の場合の力は…リナにすら計り知れないものがある。
何しろあの歳で、完全版の神滅斬(ラグナブレード)が扱えるのだ…
それができる…というのは…もしかしたら…あれすらも理解しているのかもしれない…
というか、あのカオスワーズは少し考えればおのずとわかってくるものではある。
…危険すぎるものではあるが……
「……まさか…子供を……」
呆然とつぶやくラウリィに。
神妙な顔をし……
「…すまん。…あんたたち……」
どう謝ればいいのかが判らない。
いくら憎んでいる…とはいえ、相手は自分の曽祖父なのだ。
そう謝ってくるゼルガディスの言葉に。
「…大丈夫。だって、あたし達の子供だもんっ!」
いって、涙をぬぐい、きっと顔をあげるリナ。
そして。
「…それで…これからどうします?…やっぱり……女神像の中にある…というらしい。
  あれを渡しますか?」
今、一番優先されるのは、何よりも子供たちの命。
しばし神妙な面持ちでいってくるそんなレナの言葉に、しばし考え込み……
「たしか。レゾは俺がしっている隠れ家にいる…といっていたが…いくか?あんたら?」
子供を連れ去られた…それだけでかなりのショックをうけているだろう。
そう配慮しつつも、といかける。
そんなゼルガディスの言葉に。
「いいえ。…それよりは。あの子たちの魔力波動をおうわ。
  …そこに二人がいる。という可能性はあるかもしれないけどないかもしれないんだから。」
自分が今ここで、泣いていてもはじまらない。
――あの子たちを助けるのは…母である自分の役目なのだから…
そう、リナは自分自身に言い聞かせ。
きっと顔をあげ、心配そうにみているレナ・ゼルガディス・ラウリィにときっぱりと言い切り。
そして。
「あの子たちには…それなりの『お守り』を産まれたときに身につけさせてるし……」
まさか、あのお守りがあそこまで効果を発揮する。
とはあの時点では思わなかったが……
二人の娘たちにおそろいで産まれたときにと作っている、とあるペンダント。
…あの威力は…けっこういろんな意味で効果がある……
そしてまた。
その波動もまた独特であるがゆえに…捕らえることもまた…可能。
そういいつつも。
リナは二度の連続神滅斬(ラグナブレード)により。
かなり体力、そして魔力も衰退している…だが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
というか、むしろまったく気にならない。
子供を思う母心…とでもいうのであろう。



「…少し窮屈でしょうが。あなたたちの両親と、そしてお知り合いが素直になってくれれば。
  すぐさまに帰して差し上げますよ。」
――どこへ?
にこやかに、そういってくる目の前の人物に思わず心の中で突っ込みをいれてみる。
「?」
自分の後ろではきょとん、としているマナの姿が。
どうやら自分はともかく、マナに異常が見られない。
ということは、自分達をも含めて瞬間移動をしてきたらしい。
まあ、魔力が多少あり、世界の仕組みを多少理解していれば。
誰でも簡単なことではあるが。
空間移動と瞬間移動はその方法からして異なっている。
自分で『ガード』などが出来れば問題ないだろうが。
まだ圧さないマナにそんなことができるはずもない。
というか教えてもらってもいなければ、まだマナはきちんと文字すらも読めないのだから。
「…ひとつきいてもいい?…あんたはなにをのぞんでいるわけ?」
――目的と手段が完全にかけ離れているこの目の前の人間…
マナを自らの後ろにかばいつつ、ひたり。
と目の前の男性…レゾにと問いかけるそんなエルの言葉に。
「…あなたのような小さい子供にいってもわからないでしょうね……
  私はこの目で世界をみてみたいのですよ…そして……
  自分の目で物事をみてみたい。…ただそれだけですよ。」
いって笑顔を崩すことなく、すっと回りに手をかざし。
何やら唱えているレゾの姿。
それと同時に周囲の空気がはっきりと変わる。
まあ勘がよくなければわからない…ともいえるのかもしれないが。
「ともあれ。…とりあえず。身の回りのことはディルギアにいっておきます。
  ここから出られる…とは思わないでくださいね?私は子供でも容赦はしませんから……」
そういって、きぴすをかえそうとする、そんなレゾに。
「…あたしがききたいのは。そうでなくて。あんたはほんとうは『何をのぞんでいたのか。』
 …ということなんだけど?レゾ=グレイワーズ?」
じっと視線を投げかけつつも問いかける。
あちらでも、こちらでも、『レゾ』が願い…そして想っていたことは…どちらも同じ。
それが判っているがゆえに。
そんなエルの言葉に、ぴたり、と足をとめ。
「…これは意なことを?今いったとおりですが?」
「そう?ほんとうに?それが??それがほんとうのあんたののぞみ?」
――…一目家族をその目で見てみたい…そう願い始めてから彼の行動は……
「もういちどきくけど。いったいほんとうはなにかのぞみなの?レゾ=グレイワーズ?」
自分のフルネームは一般には知られていないはず。
だが…どうして、こう小さな子供の言葉に心が何やらざわめくのか…
相手の子供の表情はわからない。
判らないはずなのに…どうしてこう。
圧倒されるように、目の前でじっと見つめられて、しかも何やら試されている。
というような気がするのは…どうしてなのか。
心がざわめき、おちつかない。
「ひととしての、あなたのほんとうののぞみはなんだったの?いまのこうどうはいにかなってる?」
小さな子供がいう台詞ではないような気もしなくもないが…
「くっ!!!」
そのまま、無意識のうちに手が出てしまいそうになる。
が。
……びくっん。
なぜか反射的に体がとまる。
見えないはずの瞳に…小さな子供にじっと見つめられている映像がなぜか浮かび。
それが彼の良心をかきみだす。
「…何をわけのわからないことを……。ともあれ……
  あなたがたにはしばらくここにいてもらいます……素直にあれが渡されればよし。
  そうでなければ……子供とて容赦はしません……」
すぅ……
それだけ言い捨てて、その場からレゾの姿は掻き消える。
そして、後には虚空から。

――ディルギア。その子たちのことは任せましたよ?

レゾの声がその場にと響き渡ってゆく……

レゾが掻き消えた後に…
「…も、あまりこころがのこってない……か。というかほんきであいつ…なにかんがえてるんだろ??」
思わずうなるエルの姿が見受けられ。
「??ね〜さま?」
そんなエルをきょとん…として見上げるマナの姿が。
そこ、少し古びた洋館の中…しばし見受けられ。
…ま、考えても仕方がない…か。
というか、あまり視ていたら…それこそ気づかれる。
それだと、面白くない…というか、今はまだ知られるわけにはいかない。
まだ、この『体』での制限は…わかってはいないのだから。
エルがそんなことをつぶやき、思っている…などとは、当然しるはずもなく。

「…さって。しばらくはこの俺が相手をしてやるよ。お嬢ちゃんがた。」
レゾにいわれ、しぶしぶながらに。
だけども、この子供たちが侮れない。
というのは先の一件でよくわかっている。
それゆえに、少し警戒しつつ、ゆっくりと暗がりよりでてくるそんな彼の言葉に。
「あ!!すぽっとだ〜!!!」
ごけっ!
「だ・か・らっ!そのスポットというのは何なんだ!?スポットというのはっ!」
マナの言葉に思いっきり抗議の声をあげている獣人…ディルギアの姿。
…というか…この調子だと…こいつもすぐにマナのパターンに飲み込まれるわね。
……ま、とりあえず。
しばらく様子をみてみるかな?
それですましているエルであった……


              ――続く……


######################################

あとがきもどき:
薫:……というか…エル様?子供なのにあの口調はまずいのでは?
L:問題ないわよ。というか…気づかないあいつって…無能よね……
薫:…普通わかんないとおもいます……
L:そう?でもここも『あたし』の中の一部にすぎないのよ?
薫:……そもそも、エル様がいらっしゃる…って誰が想像できます?
L:…まったく。情けないわよねぇ。
薫:……ま、まあ、とりあえず。リナ達が心配してますけど?
L:みたいね。…ま、まあ『子供』としてはあまり心配させては何だしねぇ。
  パターンをいろいろと考えてみてるんだけどね。どれが面白そ…もといいいか。
薫:…いま、「面白そう」…って…(汗
L:きのせいよっ!(きっぱり
  ま、このまま捕らわれのまま…というわけにはいかないから。
  すぐに脱出はするわよv
薫:……無茶だけはしないでくださいね?マナちゃんもいますし…
L:わかってるわよvあたしだってマナかわいいものv
  何か新鮮なのよね〜vこう無邪気に純粋になつかれるのってvv
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
L:何かいいたいわけ?
薫:・・い、いえ別に(汗
L:なら、素直になってもらいますかvとある世界の素直になる薬でv
薫:それって!素直になるどころか消滅させるっ!
L:えいっ!

――バシャ…

L:あら?素直になるどころか溶けちゃった?ま、いいわ。
  それでは、何はともあれ、まったねvv





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32062Re:パラレル・トラベラーズ 〜行動?〜風谷 鈴 2005/11/19 22:33:43
記事番号32061へのコメント

こんにちは。鈴ですぅ!ではではコメントを入れさせてもらいます。

>うかつだった…といえるのかもしれない。
>だけども……
>自由にならない体がもどかしい。
>レゾがいきなり出てくる…とは計算外。
>いや、その可能性もあった。
>それは確かに考えていた。
>だが…しかし、よもや力のない子供たちを狙ってくるなどとは……
>「リナ……」
>「ガウリイ…マナがっ!エルがぁぁ!」
なんかすっごくパニック状態に陥ってますねぇ…まあしょーがないですかねぇ…
>「…あたしがききたいのは。そうでなくて。あんたはほんとうは『何をのぞんでいたのか。』
> …ということなんだけど?レゾ=グレイワーズ?」
>じっと視線を投げかけつつも問いかける。
>あちらでも、こちらでも、『レゾ』が願い…そして想っていたことは…どちらも同じ。
>それが判っているがゆえに。
>そんなエルの言葉に、ぴたり、と足をとめ。
>「…これは意なことを?今いったとおりですが?」
>「そう?ほんとうに?それが??それがほんとうのあんたののぞみ?」
>――…一目家族をその目で見てみたい…そう願い始めてから彼の行動は……
>「もういちどきくけど。いったいほんとうはなにかのぞみなの?レゾ=グレイワーズ?」
>自分のフルネームは一般には知られていないはず。
>だが…どうして、こう小さな子供の言葉に心が何やらざわめくのか…
>相手の子供の表情はわからない。
>判らないはずなのに…どうしてこう。
>圧倒されるように、目の前でじっと見つめられて、しかも何やら試されている。
>というような気がするのは…どうしてなのか。
>心がざわめき、おちつかない。
>「ひととしての、あなたのほんとうののぞみはなんだったの?いまのこうどうはいにかなってる?」
>小さな子供がいう台詞ではないような気もしなくもないが…
>「くっ!!!」
>そのまま、無意識のうちに手が出てしまいそうになる。
>が。
>……びくっん。
>なぜか反射的に体がとまる。
>見えないはずの瞳に…小さな子供にじっと見つめられている映像がなぜか浮かび。
>それが彼の良心をかきみだす。
>「…何をわけのわからないことを……。ともあれ……
>  あなたがたにはしばらくここにいてもらいます……素直にあれが渡されればよし。
>  そうでなければ……子供とて容赦はしません……」
>すぅ……
>それだけ言い捨てて、その場からレゾの姿は掻き消える。
>そして、後には虚空から。
>
>――ディルギア。その子たちのことは任せましたよ?
>
>レゾの声がその場にと響き渡ってゆく……
 さすがL様!かっこよすぎますぅ!やっぱL様大好きです!最高!!!……言い過ぎですかねぇ…でもL様は好き…あぁ…言いすぎですかねぇ?
>「…さって。しばらくはこの俺が相手をしてやるよ。お嬢ちゃんがた。」
>レゾにいわれ、しぶしぶながらに。
>だけども、この子供たちが侮れない。
>というのは先の一件でよくわかっている。
>それゆえに、少し警戒しつつ、ゆっくりと暗がりよりでてくるそんな彼の言葉に。
>「あ!!すぽっとだ〜!!!」
>ごけっ!
>「だ・か・らっ!そのスポットというのは何なんだ!?スポットというのはっ!」
>マナの言葉に思いっきり抗議の声をあげている獣人…ディルギアの姿。
>…というか…この調子だと…こいつもすぐにマナのパターンに飲み込まれるわね。
>……ま、とりあえず。
>しばらく様子をみてみるかな?
>それですましているエルであった……
 スポットですねぇ…パラレルワールドでもスポットなんですねぇ…

と、ゆーわけで、ダメダメトーク終了!…これでいいですかねぇ…?コメントは…


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32063感想ありがとうございます。かお E-mail URL2005/11/20 11:29:25
記事番号32062へのコメント

こんちわ。風谷 鈴さん。かおです。感想ありがとうございます。
…初めして…でしたよね?(違ったらすいません…
(一応ざっと今までのコメントなども確認はしてみたのですが…)
> さすがL様!かっこよすぎますぅ!やっぱL様大好きです!最高!!!……言い過ぎですかねぇ…でもL様は好き…あぁ…言いすぎですかねぇ?
エル様に言いすぎも何もないとおもいますよ?
私もエル様が一番好きですしv
なのでなぜか必ずエル様登場する話ばかりとなっている…(実話…
エル様、いいですよねぇv
L:…そういうくらいなら、早くフォーエバーと漫遊の続きねv
薫:…うぐっ!
…何かどこかからか突っ込みが(汗)
何かのりが漫遊編集しつつやってるせいか。そちらにひっぱられそうになりつつ、
これ書いてますので、…気をつけないと……(う〜む…
何はともあれ、のんびりとこちらは連載していこうとおもっております。
反応あれば、そのまま一巻以後も続くし(でも二巻以後はあるいみうら設定オリジナルに近し?)
ですけどね…(プラムのお話がエル様たちがかかわることになるので)
とりあえず、がんばってS…もとい魔王との決戦に向けてがんばりたいとおもいます。
わざわざのコメント、ありがとうございました。
それでは。
短いですが、これにて。
かしこ。

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32064パラレル・トラベラーズ 〜摂理?〜かお E-mail URL2005/11/20 11:30:59
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

さてさて。こんにちわ。何やら誘拐(!?)されてしまった子供たち。
リナは何やらパニックになりつつも、どうにか気を引き締めているようですが…
いったいこれからどうなるのでしょう?
…というか…何かしようにもできないとおもうなぁ…(しみじみ…

#####################################


      ○パラレル・トラベラーズ○〜摂理?〜


もしかしたら、子供たちが『あれ』を預かっているのかもしれない。
そう思い、子供たちにと触れようとしたが、何やらぴりっ。
としびれたような感覚が体を突き抜けた。
おそらくは…あの子供。
何か心の中を見越すかのような発言をしていたようなあの子供の言動に、
自分が戸惑っている…というのがあるのだろう。
そう思いつつも、
「…私の望み?馬鹿な…私は……」
――望みは……そう、目を開くこと。そして…そのためには……
目を開く。
というのは表向きの手段に他ならない。
ここまで、ようやく封印が解けかけているのだ。
数百年年…という時間を経て。
精神が分断されて、人の心の中に封印され…あれから数千年は立っている。
それは、赤の竜神(スィーフィード)とていえること。
あちらは、力と記憶。
それらが一体となることなく、転生の中で繰り返し。
そして力を復活しているようであるが。
今、この地で最も力をもっているのは…赤の竜神騎士(スィーフィードナイト)と呼ばれている存在。
だが、まだ『あれ』は記憶はもっていない。
力はほとんど自分と同等に近いものをもってはいるが。
…部下たちではかなわないであろう。
というのもわかっている。
『あれ』が出てくれば、復活したその場で再び…ということになりかねない。
そんなことには……
「私の望みは、目を開き…そして……」
そして…『世界』を……
レゾとしての意識と、レゾの中にある別の意識の目的はまったく逆。
いわば相対している、といっても過言ではない。
だが…それに気づくこともなく。
ましてや自分が矛盾したことを思っている…などと、今のレゾは気づいてすらもいない。
――人の心は弱いようでいて…それで強い。
光にも闇にも俗することなく、ましてや両方の属性をもっている種族…それが『人』。
ゆえにこそ、光に俗する力も、そして闇に俗する力をも扱うことができる。
今のこの『自ら』が神聖魔法が扱えない…というのは、ほかならない…
今のこの『場所』においては、かつての戦いにおいて、失った。
というか、『神封じの結界でつかえなくなっている。』
というのが常識であるがゆえに、人々はさして疑問には思わないが。
力を使うのには少なからずのつながりと…そして何よりも意志力と想う力と、そして……
「…私はあの地でまつとしましょう……」
子供をたてにすれば…大人というものは…とくに、『親』というのもは。
どうしても子供かわいさに回りを見失う。
…そう、この体の持ち主でもある『レゾ』のように……
誰もよりつかないような深い森の中にとぽつん、と立っている一件の屋敷。
その屋敷を後にしつつ、そうつぶやくと同時に…レゾの体はその場から掻き消えてゆく……

――光があるところ、闇があり、そして闇があるところには必ず光もまた…ある……

それが、世界の理。
そして…摂理。


「…こっちでいいのか?」
「…間違いないわ。」
レゾがいった方向とは逆に進んでいるリナをみつつ、疑問を口にだすゼルガディス。
先刻、この目の前の女性と、そして男性の子供たち二人が。
あの『レゾ』にと連れさらわれた。
『レゾ』が指定してきたのは…自分も知っているとある隠れ家にこい。
というものだった。
だが…進んでいる方向は、それとは逆なことに気づいて問いかける。
「あの子達には、特殊なお守りを与えてるのよ。」
…まさか、あのお守りがあのような効果をもたらす…などとは想っていなかった。
ただ…子供たちを守りたかった。
それに、万物の母の加護を少しでも恩恵できれば…
そう想い、かつて、『彼女』に体をのっとられていたときに、
ぼんやりとしたまどろむ思考の中で浮かんでいた紋様。
つまりは魔法陣らしきものを描き、そして宝石の中にと組み入れた。
いわば宝石の護符(ジュエルズアミュレット)。
レイナとマイナ。
二人の子供は同じく、同じペンダントを首から産まれたときからさげている。
あのときは…正確にいうならば、のっとられた…というよりは。
初めはそうかもしれないが…だが…『冥王(ヘルマスター)』の手により、
自らの体がばらばらに四散した…というのも何となくだがわかっている。
再生させた『彼女』の意思はわからないが。
おそらくは、『自分』に攻撃をしかけたアレを許せなかったのだろう。
というのはわかる。
…ま、あたしも普通は攻撃しかける。
なんて馬鹿なことは思わないよなぁ?
とそんなことを思ったのは…誰にもいってはいないが。
そんなことをリナは思いつつも。
だけども…『彼女』のぽかだか、もしくは気まぐれか。
そのあたりのことはわからないが、だけども今、自分はこういて生きている。
しかも子供にも恵まれて……だからこそ。
生きている…というのが毎日、今にも夢だったかのように。
気づいたらやっぱり自分はずっと『あれ』の中で永遠に眠っている…のでは?
そんな不安がずっと…あの一件から消えることはない。
生きている…と、完全に嫌でも理解したのは……様々な出来事があれからもあったから。
「間違いないわ。あの子たちの『お守り』って特殊でね。
  たとえどこにいようがその特殊な波動は捕らえられるのよ。」
――あれの真実の波動に近い…というか、あれを知っている自分だからこそ。
知っている…というか、乗っ取られた…というのは言う必要もないし、
いったらきっとパニックでしょうね。
思わずそんなことをリナは思いつつも。
「まあ、リナさんはあの子たちの母親なんだから。母親の本能。というのもあるとおもうし。」
そんなラウリィの言葉に。
「でも…本当に、リナお姉さん?どうするんですか?…もし……」
ほうっておくわけには、見てみぬフリをするわけにもいかない。
というので、リナとガウリイと共に行動しているラウリィ・レナ…そしてゼルガディス。
そんなレナの問いかけに。
「…もし、あんたがいったように。レゾの中に『魔王』がいるとすれば……
  俺たちの手には…おえないぞ?」
「何いってるのよ!人間、あきらめたらダメよ。可能性が100%近く不可能であろうが。
  ほんのひとかけらでも可能性があるかぎり、あきらめたら負けよ。
  それに…『あのとき』ですらどうにかなったんだし…
  それに。…ガウリイの斬妖剣(ブラストソード)。
  それに、ラウリィの光の剣(ゴルンノヴァ)。
  この二つもあるし…属性もわかってるし。どうにかなるわよ。というか、どうにかするのっ!」
弱気なことを思わず本心からかつぶやくゼルガディスにきっぱりと言い切るリナ。
それこそが、リナの生きる原点であり、そして目標。
――生きているかぎりは、あがいて、最善の努力をしてみる。
――それでダメならばあきらめる…ことはせずにさらに努力をしてみる。
それがリナの強さであり…そして、意思。
――人が本来もっているはずの…その力。
「光の剣(ゴルンノヴァ)で魔法の増幅ができるし。
  一般にそれは、意志力を力とする…という意味合いももってるしね。」
事実は異界の魔族だけど。
それは言葉にせずに、ラウリィの腰にさしている剣を指差すリナ。
「ま…まあ。それは……」
だけども、力を使えば使うほど…『中』に封じられている『兄』が消滅に近づく。
それは意志力が途絶えたときに…完全なる消滅…というか、吸収されてしまう。
というのは、彼――ラウリィは理解しているがゆえに、思わず口ごもる。
「それと…レナ。…重破斬(ギガスレイブ)だけは使わないでね?」
「…え…でも……」
不完全版ならば、どうにか制御ができる。
それはわかっている。
だけども、リナによって真実を知った今…ほいほいと使うわけにもいかない。
だけども。
「それ以外の方法で……。大丈夫!今あたしは崩霊裂(ラ・ティルト)使えるし。
  それに。マナとエルを助け出したら、あの子たちも使えるしね。
  三つも四つも光の剣に上乗せしたらそこそこの威力にはなるわよっ!」
「お〜。そ〜いや、あれってそういう使い方もできてたっけ?」
「…あんたはどうせ覚えてないでしょうが……」
それまで黙っていたガウリイがのんびりしたことをつぶやき、それにリナが突っ込みをいれている。
「「「……いや、まだ小さいのに崩霊裂(ラ・ティルト)が使えるって…」」」
そんなリナの言葉に思わず同時に突っ込みをいれてしまう、レナ・ラウリィ・そしてゼルガディス。
崩霊裂(ラ・ティルト)といえば、精霊魔法の最高峰。
威力は黒魔法の最高峰、竜破斬(ドラグ・スレイブ)にもひってきする。
そういわれている…それを、たかが二歳と三歳の女の子が?
彼らがそう思ってしまうのもまた…仕方ないのかもしれないが。
「ちょっとしたこっちの事情でね。あのこたちも覚えてるのよ。」
「しつこいほどに魔族がちょっかいかけてくるからなぁ〜……まったく。」
「「「…いや、魔族がちょっかいって……」」」
いったい…この『家族』はどういう生活を?
…彼ら三人が同時に同じことをつぶやき…心の中で突っ込みをいれてしまうのは…
しごく当然の反応…ともいえるのであろうが。
…普通に生きていてまず、魔族などという存在に目にかかることは…
まずは滅多とは…ないはず。
「…ま、そんなことはおいといて。…どうやらこの森の中みたいよ?」
子供たちが連れさらわれたのは、昼より少し前。
昼ごはんも食べずに、彼らがともかく歩いて。
その途中は呪文などで空を飛びつつ…飛べないものは使えるものが抱きかかえ。
たどり着いたのは…人気のない山間にと位置している。
見た目にも深い森。
地元では…『迷いの森』と呼ばれているその入り口にと、リナたちはたどりつく。
すでに空にある太陽は傾きかけ、昼間をとうに過ぎている。
だけども、何よりも、優先すべきは…子供たちの早期救出であるがゆえに。
彼らは今日は昼を食べてはいない。
…まあ、こんなときに、ご飯が食べられる。
という状況ではないのではあろうが…
リナですら、表面上は落ち着いた様子をみせているものの。
子供たちが心配で胸が張り裂けそうになっているのだから……



「……あ。」
案外はやかったなぁ……
ふと気配を感じて思わず感心してしまう。
痛いほどに自分達を心配している両親の想い。
それが離れていても伝わってくる。
いや、離れていても…というか、自分だからこそ…といえるのかもしれないが…
「……も、いいかげんにしてくれぇ……」
何やら視線の先では、マナにいいように結局丸め込まれてしまい。
お馬さんなどの遊びを強制させられてぐったりしているディルギアの姿がみえてるが。
何しろ、マナはディルギアが断ろうとすれば、泣き声で呪文の詠唱などを初め…
結果。
ディルギアが仕方なく折れている…という内容もあるにはあるが。
…ほいほいと、呪文をとなえてしまう、あの癖…はやめに直させたほうがいいかな?
などとそんなのんきなことをエルは思いつつも。
「…さて。そろそろこっちもかいしします…か。」
ここでのんびりとまっている…というわけにはいかない。
自分達が『ここ』にいる限り…彼らは全力では戦えない。
それが判っているがゆえに。
つぶやくエルとは対象てきに。
「わ〜い!スポット!おうまさぁん!」
「だ・か・らっ!俺はスポットじゃねぇぇ!!」
この数時間…同じく繰り返されている声が屋敷の中にと響き渡ってゆく……

…ある意味、平和よねぇ…
そんなのんびりとしたことをエルが思っている…ということは。
二人を救出しようとしているリナ達は…知るはずも…ない……


           ――続く……




####################################

あとがきもどき:
薫:…何かスポット…でなかったディルギア…ついにマナちゃんに敗れてる?(笑
L:何か、マナって…リナがよく人気のない場所とかだったら。
  魔族相手にドラグ・スレイブとか唱えてるのみて…丸暗記しちやってるからねぇ。
  でも、その仕組み、というかそういったのあまり実は理解しないままでやってるのよね。
  ほら、三つ子の魂百まで。って人のことわざにもあるじゃないv
薫:…門前の小僧…何とやら…ともいうのですかねぇ(汗
L:それもあるわねv
薫:…でも、ラグナブレードとかは…干渉してませんか?
L:あら。あたしの力であの子に怪我はさせないわよv
  リナにもいえることだけど。だって母親だしねv
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ノーコメントとしておきましょう……
L:そうはいうけど。あくまでも使うのは『人』であるから。
  あたしが干渉しても、力は使う人によってかわってくるからね。
  それは何にでもいえることだし。
薫:…ま、そうでしょうけどね…
  …ところで?さっきから気になってる…その両手にもってる『それ』…は?
L:え?ああ。ある世界で降った雨がもったいないからね。もってきたのよv
薫:それって!もしかして…っ!!
L:あたしの力ともいえる雨vさ、遠慮なくうけとりなさいv喉かわいたでしょv
薫:いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!

L:さってと。何でか水に掻き消えた薫はおいといて。
  次回、あたし…もとい子供たちとリナ達との合流です。
  この調子だと…Sとの戦いは次の次くらいかしらね?
  それじゃ、まったねvv


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32067パラレル・トラベラーズ 〜合流〜かお E-mail URL2005/11/21 09:57:53
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

うきうきうきvある親切な人のおかげで。
DQ5のドラマCDゲットですvというか、ビアンカがナーガ(笑)なんですよねぇ。
あれvv
L:…この本編に関係ないでしょうが…あんたは……
薫:ひぎゃっ!!


#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜合流〜


小さい子供の相手。
というのは体力がいるもの。
子供は遊びとなれば疲れを知らないのではないか?
そんなことすらをも思ってしまうが。
だがしかし、いきなり糸か切れたように眠ってしまう。
というのもまた子供。
マナに付き合わされて、ぐったりと何やらなっているそんなディルギアに対し。
小さく。
「眠り(スリーピング)。」
ぽそりと。
エルがつぶやくと同時。
部屋の中にちょっとした力が充満し、疲れているディルギアは、そのまま眠りについてゆく。
少しアレンジして、対象物を特定しているその術。
どうやらここは、本来は、『レゾ』が魔力が使えないように、何やらしていたらしいが。
『エイル』にとってはそんなことはどうでもないこと。
――人の体になっているとはいえ…この体を構成している細胞は、自らの力で成り立っている。
といっても過言でないのだから。
――そう。
――あのとき、そのままこちらの世界に『戻す』ことは考えてなかった『リナ』の。
冥王(ヘルマスター)フィブリゾの一件のとき。
あのとき、自分はリナの体を使い具現化した。
そして…フィブリゾはそんな自分に攻撃をしかけ…あろうことか『器』を破壊した。
自分にとってはどうってことはないものの。
即座に再生させたのは、少しばかりあの子に知らしめるため。
少しばかり力がすぎたせいで、お遊びで世界を滅ぼそうとした。
そんなに退屈ならば、別に存在していなくてもいい。
そういう意味と、そして自分に攻撃してきたその意味。
――あらゆる意味あいで許すことはしなかった。
というか、気づかない。という時点ですでに問題ものでもあるし。
また他力本願な役目の果たし方…というのもかなりの問題。
まあ、ともあれ、あのときの『自分』の所業で、リナの中に『自分』が残ってしまったのは…
いうまでもないこと。
ほうっておけば、そのうちに。
リナの『体』は、その『力』に耐えられず、あるとき無にと還りゆく。
それがわかっていたがゆえに…自らが肉体をもつ…という形で、自分は今…ここにいる。
そう…リナの子供として……
「ん〜?ね〜さまぁ?」
ごしごしと、遊びつかれてうとうとしはじめていたマナの髪をそっとなで。
「マナ。そろそろおか〜さんたちのところにかえろっか。」
「うん…か〜さまたちのところ?うん。かえる〜……」
いいつつも、今にもうとうとして倒れそうになっているマナをみて思わずくすりと笑みが漏れる。
こてん。
と自分に寄りかかるようにしてきているマナはとても愛らしい。
その母親譲りの癖のある栗色の髪が肌にと触れる。
…ま、ねぼけてるし…ちょうどいいかな?
そんなことを思いつつ。
かるく、自分の髪の毛と、そしてマナの髪の毛を一つ引き抜き。
部屋にとあった木の棒…正確には薪にと巻きつける。
レゾは目が視えない。
だが、ものごとはその万物に宿っている『魔力』で視ることが出来ている。
それゆえに…仕組みさえわかっていれば…ごまかすことも…また可能。
そしてまた…その『ごまかし』の方法は…『エル』は産まれる前から…というか元々知っている。
空間移動の場合では、精神世界面(アストラル・サイド)の多少の振動で。
レゾに発覚する恐れは十分。
というか、それすらも判らない…というのであれば、それはそれで問題なのだから。
ならば。
自らの力をつかって、この場から瞬間的に移動すればいいだけのこと。
――ちょうど、リナたちもこの森にと入ってきてるし……
そんなことを思いつつ、ねぼけているマナを抱きかかえ。
髪の毛を巻きつけた薪にとある『術』のようなものをかけ。
そのまま、
ふぃっ…
エルとマナ、二人の子供の姿はその場から掻き消える。
後には…部屋の中のベットの上に転がっている薪と。
そして…何やら床の上で爆睡しているディルギアの姿が見受けられてゆく。


…ぴくっ。
思わず、ふと、何かを感じる。
魔力波動…うんぬんではなく、本当に何か。
だけども…わかる。
「…マナっ!エルっ!」
そのまま、有無をいわさずに、だっと駆け出してゆくリナに続き。
「…これは……」
ガウリイもまた、その気配に気づき、そんなリナをあわてて追いかける。
リナには判る。
この先に…子供たちが…いる。
それは理屈でも何でもなく。
――確信。
生い茂っている草木をそのまま気にせずに、ともかく茂みを掻き分け。
二人の子供を心で呼びつつも、そのまま走り出すリナの姿。
そして。
「…?…何が……」
「わからん。」
「母親の直感で何かを感じたのかもしれませんね。」
そんなリナの姿と、そんなリナを追いかけてゆくガウリイをみてそんなことをいっている三人。
相手はまだ幼子。
あれから数時間経過している。
子供は、いつ何どき何があるかわからない。
いや、今の『レゾ』ならば、人質にするどころか…手駒として扱う。
ということもやりかねないかもしれない…というのをゼルガディスは理解している。
子供ながらに高度な魔法を使える子供。
自分の手駒とするには…子供であるがゆえに、まだ善悪の区別も定まらないがゆえに。
扱うのは…レゾにとってはたやすい…と。

ガサッ!
とにかく無我夢中で、そのままある方向にと駆け出していく。
怪我などはしていないだろうか。
それが気がかり。
がさりっ。
そしてしばらく走っていったリナの目にうつったのは…
「あ。おか〜さん。」
「?か〜さま?」
きょとん、とした視線で、森の中に突っ立っている二人の子供たちの姿。
「マナっ!エルっ!」
名前を呼びつつも思わずかけより、二人をぎゅっと抱きしめる。
二人の姿をみただけで、とりとめもなく涙が溢れ出す。
「…よかった……」
それ以外は言葉にならない。
どうしてここにいるのか…などという疑問はリナの頭からすべて吹き飛んでいる。
いつもは明るく、まず泣くことなどはない母親が泣いている。
それはあるいみ衝撃的で、そして何やら自分が悪いことをしたようにと感じてしまう。
ひしひしと感じる子供を心配していた親心。
――何か不思議な感覚……
そんなことを思いつつも、そのまま無言でそんなリナに抱きつくエルと。
「か〜さまだぁ。」
リナの姿をみて気がゆるんだのか。
そのまま、にっこりと微笑んで…くたっ。
「マナっ!?」
思わずリナが悲鳴に近い声を上げるが……
「…寝てる……」
こけっ!
追いかけてきたガウリイが倒れそうになるマナを支え、姿をみて声をもらす。
みれば、そのまま笑みを浮かべたまま、マナはその姿勢のまま立ったまま寝ていたりする。
そんなガウリイの声に思わずこけそうになるリナと。
そして。
「え…えっと…しんぱいかけてごめんなさい……」
どれほど自分達を心配していたかが切実にわかるから。
そう謝るエルに、
「ちがうの。あたしこそ…ごめん……」
悪いのは子供たちではない。
子供たちを守れなかった…自分に否がある。
そう思いつつ、そんなエルをぎゅっと抱きしめるリナ。
そんな親子の様子を遅ればせながら追いついた三人はしずかにみつつ。
「…どうやら逃げ出してきたみたいだね。」
「…よくレゾにみつからなかったな……」
「でもよかった。怪我とかなさそうで。」
そんな会話をしている、ラウリィ・ゼルガディス・マナの三人。
「おか〜さん。」
「なあに?エル?」
抱きしめられたまま、リナを見上げていってくるエルの言葉にリナが問いかけると。
「おなかすいた。」
こけけっ!!
そんなエルの言葉に…そのままその場にこけそうになっているラウリィとゼルガディス。
…捕らえられていた、というのにこの反応。
…ある意味、この子供たちも大物になるかもな…
そんなことをゼルガディスやラウリィは思っていたりするのだが。
「…そ〜いえば。昼も何も食べてなかったっけ?…どうします?リナお姉さんたち?」
ふと、そのことに気づき、レナがリナに問いかけ。
そして全員をぐるっと見渡す。
「…確か。この森を抜けた先にある裏街道に食堂があったはずだ。」
この先にあるのもまた、レゾの隠れ家の一つ。
確か数百年前の屋敷か何かがあったはず。
一年か二年ばかり前、ゼルガディスはレゾとともにいったことがある。
それゆえに、この辺りの地理は…ある程度は詳しい。
そういうゼルガディスの言葉に。
「そうね。…とりあえず…」
ぐぅ〜……
リナが言いかけるとどうじに、
盛大に、眠っているマナと、そしてリナに抱きしめられている状態のエルのお腹が同時になり。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
いっしゅん全員が沈黙し。
次の瞬間。
おもわずぷっと吹き出してしまう。
「と…とにかく。無事で何よりだ。…いくか?食堂に?」
「本当に怪我とかない?大丈夫?」
まだ心配顔のリナに対し。
「…それよりおなかすいた〜……」
――人の体…というのもは、あるいみ面倒。
ある程度の栄養を摂取していなければ維持は困難。
ゼルガディスの問いかけに即答するエルに、やさしく微笑み。
「そうね…わるいけど。あんないおねがいできる?ゼル?」
どこかにレゾがいるかもしれない。
だからといって、体力のないままに…戦うことは…あるいみ自殺行為の何ものでもない。
それもわかっているからこそ。
それに何よりも…子供たちにはお腹いっぱい食べさせてはやく安心させてあげたい。
それが、リナの切なる願い……

とりあえず、どうやってレゾの元から逃げ出したのか。
というのは誰も突っ込むどころか聞くことすらせず。
ひとまず、彼らは近くにある…という食堂にむけて足をむけてゆく。


               ――続く……



#####################################

あとがきもどき:
薫:なんか、あっけなくあっさりと脱出してますね……
L:何かねぇ。もうすこしひっかきまわそう…ともおもったんだけど…
  リナのものすっごいあたし達を心配している気持ちがひしひしと伝わってきてねぇ〜…
  何となくやめたのよ。
薫:…何となく…ですか・・・ 
L:そ。それにこの体って、お腹すいてるせいか、十分に力発揮できないし…
  以前というか本来なら一瞬で品物を創造りだしたり…なんて意にも介さなかったんだけどねぇ。
  肉体、という制限があるとそれらも少し面倒になってるしね。
薫:…「少し」…ですか?
L:力ともいえないはずのものをつかっだだけで、体力がなくなるのよ。
  まったく、まだ小さい子供の体、というのもあるんでしょうけどねぇ。
  …魔力で体を大人にしてみようかしら?
薫:…それは切実にやめられたほうが……
  それでなくても…今の姿って…ある意味、よく部下さんたちの前でとってる姿。
  あれににてなくないですか?(汗
L:あら?雰囲気とかは違うわよv
薫:……完全に…とはいかなくても似てるとおもうんですが……
L:そ〜いや、あんた。あたしとマナバージョンの絵描いてたけど…
薫:あははは。今年の年賀のイラストの一つにしよっかと…
   とりあえず紙にかいてスキャナで取り込んでそれからパソで色付けしよっかと…
L:今年こそはあたしを威厳ある姿でかきなさいねv
薫:ど…努力します…
L:それでは、まったねv
薫:では。
(ほっ…今回はお仕置きなかった…って?…これ…何だろ?)

何やら手元に手紙が届き…それを開いたと同時に…辺りが無にと包まれてゆく……





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32073パラレル・トラベラーズ 〜序幕?〜かお E-mail URL2005/11/22 20:54:28
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

とりあえず。何やらちらほらと、裏設定の暴露とかもいれてみたり…
というかファンならほとんどがしってますよね……
あと、この話のみの『レナ』に関する裏設定もちらほらと出始めました(笑
ルナ姉ちゃんの名前も出てきますのですv
…二つの世界の(こらこらこら!
ちなみに、レナの容姿はリナそのものですので、あしからず(笑
でも、子持ちで人妻のリナのほうは、胸が大きくなってます(笑
実年齢よりも幼く見える…というのはどちらも同じなんですけど…ねぇ(こらまて
何はともあれ、いくのですっ!

#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜序幕?〜


「……で。どうするつもりだ?」
とりあえず、子供が無事であった…というのはいいにしろ。
あのレゾがこのまま黙っている…とは思えない。
どうやらかなり疲れていたのか、子供たちはご飯を食べたあと。
そのまま何やらご飯の最中にうとうとしはじめ…
とりあえず、食堂の二階にとある宿にと部屋をとり。
万が一…ということを考えて、子供たちが眠っている部屋で話をしている彼らたち。
「確かに。このまま…じゃすまないでしょうね。
  …とりあえず。万が一の最悪なパターンをも考えて……」
そういうリナの提案に。
「しかし…そうなると………だな。」
なるべく小声で話している彼らの姿。
万が一、人に聞かせられる…という類のものでも…ない。

彼らがそんな会話をしているそんな中。


「…これは……」
やられましたね。
子供だと思って油断していたようです……
いいつつも、ベットの上にとあった木の棒…というか薪をつかみ。
そのままぐしゃっと握りつぶす。
レゾには、子供たちがそのまま握りつぶされたように視えているのだが。
エルが施した術により、薪は、エイルとマイナ。
この二人の子供に魔力そのもので見た限りは視えるようにとなっていた。
だがしかし…それはあくまで魔力でみた外見上でのこと。
実際に触れてみれば、それがまやかしだ…とわかる程度の些細なもの。
エルとすれば、あまり凝ったものをすれば、後々面倒だから…という思いがあったにしろ。
そんなことは、このレゾには判るはずもない。
薪の破片が周囲に飛び散るそれすらも、レゾには子供たちの肉体の破片が飛び散る。
そのように視えている。
産まれ付き目が見えない。
だがしかし、物事を魔力、という目で『視る』ことを覚えているがゆえに。
ここは迷いの森。
この辺りには多少のオリハルコンが含まれているらしく、一般的には魔力が衰退する。
そういわれている。
磁場の影響で多少の方向感覚なども狂うのであるが。
この世界、磁場…という言葉を知っているものなどは…まず滅多といない。
レゾは様々な分野を研究し、また自力で発見などしているがゆえに。
そのような『何か』があるのはつかんではいるが。
判っているのは、ただ一つ。
自分の誘いに迷わされず、子供を人質にとった…というのに。
自分の誘いには乗らずに子供を助けに彼らは移動した…ということ。
――…さすがに一筋縄ではいかないようですね…
子供たちと離れた場所で、あれを受け取り。
すべては終わるはずだった。
それなのに……
「…この私をまいたつもりですか?
  …ならば…いやでも出てこざるを得なくして差し上げましょう……」
――今はまだ、ゼルガディスを操る…というのはいつでもできる。
それよりは…彼らに自分をないがしろにしてくれたそれなりの対応を…
ちょうど、この近くに…村もありますし…。
すでに、その程度の力はとうの昔につけている。
あとは…そう、きっかけのみ。
「…更なる恐怖を……」
静かな森の中の屋敷にて、笑みを浮かべるレゾの姿がしばし見受けられてゆく。



ざわっ…
空気がいつになくざわめいている。
「……これは……」
「……なっ……」
とりあえず、リナの意見で、すこしほど休んでから、それから行動。
朝からずっと彼らは移動しており、肉体的にかなり疲労がたまっている。
いざ、というときに体力がなくて…というのではどうにもならないから。
というので、各自部屋をとり、ひとまず休んでいる今の現状。
部屋数がちょうどの数…というか、ダブルとツインの部屋が一つづつ。
あとはシングルの部屋が三つ。それがこの食堂の二階にとある部屋割り。
あまり泊り客などもいないが、だがしかし。
このすこしさきにあるという自然の露天風呂を目当てに来る客も少なくはない。
それゆえに、二階にちょっとした宿を設けているのだが。
時間的には、太陽が沈むかどうか…という時間のはずなのに。
…何かが違う。
おもわず、眠れないままにも体を休めるためにと横になっていたラウリィと、
そして同じくゼルガディスが思わずうなる。
感じるのは…あからさまな……瘴気…としかいいようのないその空気。
外は暗くなりかけているはず…なのに、なぜか東側が異様にと明るい。
それが、炎の灯りだと…気づくのにはそうは時間はかからない。
それと共に。
『うわぁ〜!!!』
『きゃぁぁ〜!!』
『るぐわぁぁぁぁぁ〜〜!!!』
人々の悲鳴や、そしてまた、何やら獣のような声が外から響いてきていたりする。
「ちっ!」
「…もうしかけてきたかっ!?」
いいつつも、同じ部屋にて休んでいた二人はそのまま、飛び起き。
服も着替えずに横になっていたがゆえに、そのまま二人は外にと飛び出してゆく。


『…それとも、何?まさか郷里の姉ちゃんの言葉が信じられない…とでも?』
うっ!!
その言葉に思わず詰まってしまう。
とりあえず、ラウリィとゼルガディスが同じ部屋で。
そしてまた、レナは一人部屋。
隣では、何やらダブルの部屋にガブリエフ家族がいるのだが。
誰もいない、というのをうけて。
自らの中にといる『姉』と話しているレナ。
一つの体に二つの魂。
自分が魔道を習い始めたのもまた、『姉』のことを思ってと、そしてまた。
絶対に頭が上がらない、長女でもある郷里の姉に対抗してのこと。
…まあ、知ればしるほど『勝とう』などという気はさらさらなくなってはいるが……
「…だけど…リナお姉ちゃん……」
心配なのは、万が一…のこと。
郷里の姉と、そして郷里の女王から『そのこと』は聞いている。
ゆえにこそ…畏れる。
『姉』がいなくなってしまう…というのを。
自分はどうなってもいいが、だけども…姉だけは…
そういう思いがあるのもまた事実。
『大丈夫だって!レナっ!このあたし。リナ=インバースを信じなさいっ!』
本来ならば、双子で産まれ出るはずであった、自分の双子の姉。
自らの頭にと直接ひびく、姉の言葉に戸惑いつつもふっとほほえむ。
「でも。できるだけあたしが何とかするから。…お姉ちゃんは見守ってて。」
――いつも、姉に頼るわけには…いかない。
そう、今回の相手は下手をすれば…姉までが危険なのだから……
レナがベットの上で目をつむり、そんな『会話』をしているそんな中。
『るぐわぁぁ〜〜〜!!!』
外より聞こえてくる悲鳴と、そして何やら獣ののような雄たけび。
『レナっ!』
「…わかってる。…いくよっ!お姉ちゃんっ!」
『無理しないのよ?』
「わかってるってっ!」
いいつつも、そのまま、すばやく身支度を整えて外にと駆け出してゆくレナの姿が。


「…おか〜さん?」
ふと、目が覚めたのは、あからさまな波動にもよる。
というか、本当にあいつは何を考えて…とも思うが、表情には表さない。
あくまでも、今は自分は三歳の子供、なのだから。
「エル。おきたの?」
「…リナ。」
「わかってる。」
子供たち二人をここに残していけば…また、万が一連れさらわれる。
という可能性も否めない。
だからといって…おそらく、死闘になるであろう。
そんな場所に子供を連れて行きたい…と願う親などは…いない。
だけども、もし、また、二人を連れさらわれて…今度は本当に何かあったら?
そんな不安もまた頭から離れない。
「しかたないわ。ガウリイ。あたしたちで二人を守りつつ。そして戦う。オッケー?」
いいつつも、ごそごそと、こちらにきて購入した、とある紐を取り出しているリナ。
「それしかないだろうけど……。リナ?大丈夫なのか?」
「あら?ガウリイはだから。死に物狂いであたし達を援護してねv」
ガウリイには無理を頼んでいる、というのは判っている。
だけども……今までもどうにかしてきた。
子供二人を抱えての『戦闘』は。
しかも、相手はほぼ魔族……
神族があまり出張ってこないのは…郷里の姉と、そして女王の影響によるもの。
というのは、リナはよく理解している。
――水竜王(アクアロード)の力と記憶を受け継ぐゼフィーリア女王と。
そしてまた、赤の竜神(フレアドラゴン)の力を受け継ぐ赤の竜神騎士(スィーフィードナイト)。
こちらは記憶までは受け継いでいないらしいが。
実際は受け継いでいない…というか覚えていない、もしくは思い出していない。
ともいえるかもしれない…とも聞いている。
当人は、いともあっさりと。
時期がくれば記憶とかって思い出すんじゃないの?
とかいってはいるが…
それゆえに、神族はリナに手出しをしてこない。
というのも…赤の竜神騎士(スィーフィードナイト)の妹…
というのが彼らの調査で判明しているがゆえに…
最も、調査しにきて害をなそうとした神族が…リナの姉であるルナに返り討ちになった…
という事実はあるにしろ。
そのあたりはリナは深く考えないことにしつつ。
「さって。おんぶ紐…おんぶ紐…あ。エル?エルはどうする?ガウリイにおぶってもらう?」
未だに寝ているマナをそっとなでつつも、横にいるエルにと問いかけるそんなリナの言葉に。
「あたしはあるく〜。おめめさめたし。」
「そう?でもあたしから離れたらだめよ?」
「…おか〜さん……」
「何?」
「そとのデーモン、エルも…あたしもたおしてもい〜い?」
「いいけど。無理はだめよ?近くでならいいわよ?」
「は〜い!!」
そんな会話をしているリナとエルの横では。
未だに寝ているマナを抱き上げて、リナにと抱きかかえさせるようにして。
手馴れた手つきでリナが取り出した紐でマナを固定しているガウリイの姿が。
彼らの戦闘態勢は…大体いつも…こんなもの…
まだ二人が小さいときには、ガウリイがどちらかをおぶり。
そしてまた、リナが残りの片方を抱きかかえるようにして紐で固定し呪文で戦う。
たまにはおんぶなどもして。
そんなふうに、今まで、彼らは戦ってきているのだ。
子供が生まれてからこのかたずっと……
この三年間……
最も、ゼフィーリアに戻ってからは、数日に一度…くらいのペースではあったが。
最近はどうやら落ち着きを見せているのもまた事実。
「よっし。リナ、いいぞ?」
「く〜……」
いまだに、何やら外では騒ぎが起こっている…というのに爆睡しているマナを紐で固定し。
リナにと話しかけているガウリイ。
そんなガウリイの言葉に。
「よっし!いくわよっ!」
「エル?リナ?無理はするなよ?オレがどうにかするから。」
「たよりにしてるわよ。ガウリイ。」
そんな会話をしつつも。
彼らもまた、準備を整えて部屋から出てゆく。

外からは…相変わらずの悲鳴が聞こえ。
爆発の音などもまた聞こえていたりする。
窓の外から見えた光景…それは。

レッサーデーモンやブラスデーモンによる…村の襲撃……


           ――続く……


###################################

あとがきもどき:
L:あたしが活躍してないんだけど?
薫:・・・寝起き、ということで(汗
  あ、ちなみに。ルナ姉ちゃんこと赤の竜神騎士(スィーフィードナイト)が、
  竜神の力を持っている…というのはファンならば誰でも知ってると思いますけど。
L:あと、記憶までは受け継いでない…というのもね。
  ある場所の対談で作者いってたし。
薫:私の解釈としては、受け継ぐうんぬん…というより、ただ単に、思い出してない。
  か、もしくはまだその時期ではない…というような気が…
  魔王が分断されてるから、だからまた竜神も…というような気がする…
  光と闇は表裏一体…という意味合いで……
L:そのあたりは秘密v乙女には秘密がつきものなのよv
薫:………
L:何かいいたいの?
薫:い…いえ。別に…と、ともあれ。次回ようやくまたまたレゾ登場!
L:ちなみに、『レナとリナ』のあの双子の会話には意味が実はあるのよねv
薫:って!ここでいわないでくださいぃぃ!
L:なら、あたしを活躍させなさいっ!
薫:ど…努力します…
  何はともあれ、ではまた、次回で!
L:…ほぉぅ。このあたしを差し置いて……

ぐじゃっ!!!!

L:はい。何か反省して圧死するまで謝ってきたこいつはほっといて。
  それじゃ、まったねvv

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32075パラレル・トラベラーズ 〜変化?〜かお E-mail URL2005/11/23 22:22:15
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

今回は、ちと表現をぼかしいるものの…ある意味、対魔王戦い。
になる…というのである意味シリアス?みたいな感じです…
ま…魔王ですからねぇ…相手…
どうやらエル様…リナ達に正体…教える気…さらさらないよ〜ですし…(汗
しかし…打ち込みしてて気づいたけど…何かだんだんと1話の長さが…長くなってないか?
自分…(汗

#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜変化?〜


「わ〜!!」
「きゃ〜〜!!」
外にでると、すでに日はくれている…というのに外が異様に明るい。
黙々と立ち上る煙も目にはいり、そしてまた。
着の身着のままといった状態で、何やら道を走っている人々。
森の木々がざわめき、そして、そこから聞こえる異形の声。
「何があったんだ!?」
逃げている人々を捕まえて、問いかけるゼルガディスの言葉に。
「魔物が…魔物が…うわぁぁ!」
などといって、そのまま恐怖を色濃く表情に表してそのまま駆け出してゆく男性。
どうやらこの先にあるはずの、村のほうから逃げてきてるらしいが。
そんなことをゼルガディスは思いつつ。
「…ちっ。…とにかく、いってみるしか……」
「気配からして…どうやら…しかし…これは……」
ゼルガディスと同時に外にでていたラウリィが、気配に気づき顔をしかめる。
何ともいえない気配が…人々が逃げてくる方向からしてくるのは。
何も気のせい…ではないはずだ。
「…どうやら、あいつが動き出したみたいね。」
彼らがそんな会話をしている最中。
レナもまた、建物から外にとでて、逃げてゆく人々をみてそんなことを言っていたりするが。
「みたいね。」
そんなレナの言葉に答えるかのようにリナもまた外にと出てくる。
「どうでもいいけど。やっぱリナ?シャブ何とかってやつの気配するぞ?」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
そして、すこし遅れて出てきたガウリイが、人々が逃げてくる方向をみつつそんなことを言っているが。
そんなガウリイの言葉に、思わず無言になっているレナ・ラウリィ・ゼルガディスの三人。
彼らが無言に一瞬なってしまったのは…ガウリイの言葉と…そして…
「…あんたら…もしかして『それ』で戦うのか?」
「……な、何か緊張感が……」
おもわず、リナの姿をみて脱力してしまうラウリィとゼルガディス。
そしてまた。
「って!今なんていったの!?」
一人、ガウリイの言葉を正確にとらえ、聞き返しているレナ。
リナの格好は確かに、胸にマナを紐でくくりつけているような格好で抱いている。
というような格好になっているのではあるが。
…たしかに、今から戦いにいく。
というものの格好…とは言いがたい。
「ちょっと…ガウリイ…それって……」
そんなガウリイの言葉に、思わずリナの表情が曇る。
彼のいうことは、まず…間違っていたことは…ない。
「いくら何でもオレでも。二度も戦えばわかるぞ?気配は?」
「………そうね……」
その二度目の戦いは…後味が悪いものであったが……
「「…いや、ちょっとまて…二度って……」」
思わずゼルガディスとラウリィが聞き返すのとほぼ同時。
「がっ…ぐ…がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
目の前に逃げてきていた男性の一人が、目の前でいきなりもがきだし。
そして…見る間にその体が裂けていき…異形のものにと成り果ててゆく。
『――…ようやくみつけましたよ?あなたたち?
  しかし、子供だからといって油断しましたよ…まさかあんな真似ができるとは…
  まあ、いいでしょう。ともあれ、あなた方にはあれを渡してもらいます。
  でないと…村人どころかこの辺り一帯の人々がこのもののような姿になりますよ?』
異形の姿にと変わりゆく男の口から、レゾの言葉がつむがれる。
――…人の精神を崩壊させ、その上に下級魔族を憑依させる。
いとも簡単で、しかも手っ取り早い方法…といえばそれまでなんだけど…
だけども…こう、ムカムカするのは、気のせいではない。
そんなことをエルは思いつつ。
じっとそんなかわりゆく男性を見つめていたりする。
「…どうやら……時間はあまり残されていない…みたいね……」
こんな真似があっさりとできるとなると…おそらく…もう、レゾは……
ほとんど魔王に意識と体を乗っ取られかけているのだろう。
彼のときとは勝手が違うはずだ。
彼のときは…自らも彼女のところにいきたくて…そして自分を…世界をうらんで…
魔王と同化した…彼のときとは…
かつての仲間であった魔王になってしまい自らの手で滅ぼした者のことを思いつつ、
リナがぽつりとつぶやく。
「レゾっ!!貴様!何をしたっ!!!」
おそらくは…目の前の男性を使って何かレゾが仕掛けている。
それは判る、判るが…だが、聞かずにはおられない。
そんなゼルガディスの叫びに答えるかのように。
『…わかっているでしょう?ゼルガディス?私の望みは…石を手にいれること。
  あなたたち、まってますよ?早くこないとこのあたりいったいの人々が、全員。
  レッサーデーモンと成り果てる…というのをお忘れなく……』
掻き消えるように声が聞こえたかとおもうと。
後には。
「るぐぁぁぁ〜〜〜!!!」
先ほどまで確かに、人であったはずの『存在』が、威嚇の声をあげ。
そして辺りに炎を撒き散らす。
「………」
「…人の気配…完全になくなった…どうする?リナ?」
ガウリイのその言葉に。
もはや救いがない…というのがわかるリナ。
「……俺がやろう。」
せめてもの…苦しませずに……
――永久と無限をたゆたいし すべての心の源よ……
かつては人であった目の前の異形の存在。
自分と似てはいるが…違うのは…もう、こちらは人の意思が残っておらず。
魔と化してしまった…ということ。
ゆっくりと、ゼルガディスが一歩前に出つつ混沌の言語(カオスワーズ)をつむぎだす。
言葉により、精神世界とつながりを得て、そして人の『術』は発動する。
そして。
「崩霊裂(ラ・ティルト)!!」
ゼルガディスの言葉と同時に。
元男性の体が青白い光に包まれ…やがて、それは人の体と変化した後に塵と化してゆく。
さらっ……
風にと溶け消えるそれをみつつ。
「…いきましょう。」
「だな。ほっとくわけにはいかないな。」
静かに、レナがいい、それに同意を示しているラウリィ。
「そうね……」
まだ自我がある人間を魔に変えるほどの力…一体、ここの『レゾ』はどこまで力をつけているのか。
いや、正確にいうならば、『魔王』はどこまで封印を破り表に出てきているのか……
それが判らない。
判らないが…だけども、念のための作戦は一応全員で話し合った。
それなりの対策も施してある。
問題は……あのようにして、どこまで威力があるか…ということ。
だが…ラウリィもまた軽い呪文ならば扱える…というのであれば。
あの方法が一番ベストだ…とリナはそう確信している。
ゼルガディスには…渡すことができない。
なぜならば、彼はレゾに合成された身。
彼を操ることもレゾには可能。
それがリナには経験上わかっているからこそ……
逃げ惑う人々とは逆に。
人々が逃げてくる方向にむけて走り出すリナとエルを抱きかかえているガウリイ。
そして、それに続いてレナ、ゼルガディス、ラウリィもまた。
同じ方向にむかって走り出して行く。

レゾが招待をかけてきた…この先にある小さな村にと……



「…ずいぶんと、悪趣味なご招待ね。」
思わずいやみが口から出てしまうのは仕方がないであろう。
村につくなり受けた歓迎は…数十匹のレッサーデーモンによる歓迎。
しかも、それら全てが…かつて人だったことを指し示すかのように。
どこかその体の一部に人であったという痕跡が残っていたりするのであれば…
村の中央の広場にて待ち構えていた赤い闇に向かって言い放つリナ。
すでにラウリィも光の刃を構えていつでも戦える準備は整えている。
ガウリイはリナと、そしてエルを守るようにして隙なく構えている。
「…レゾ。あんたは何をしたんだ?」
目の前にいる赤い闇…レゾにむかって問いかけるゼルガディス。
周囲の家々は砕け、砕けた場所から炎があがり、周囲を赤く染め上げている。
回りからは異形のものの声と、人々の悲鳴が絶え間なく聞こえてきている。
「別に何も。ただ。気づいたのですよ。周囲が恐怖におののけばおののくほど。
  なぜか光がこの見えない瞳に差し込む…ということに。
  だから、ただ、人の精神に干渉し壊し、そこに魔族を精神世界面(アストラル・サイド)から憑依させた。
  ただそれだけのことですよ。ゼルガディス。」
普通の人間にはそんなこと簡単にできるはずがない。
そう…普通ならば……
「…あんた。どっちがほんとうのあんたなんだ?」
そんなレゾにむかって警戒を崩さずに話しかけているガウリイ。
「これは異なことを。どっち…とは。」
「今のあんたは人としての気配がかなり弱くなってる。」
「…これはどちらかというと…魔の気配…が強いな。」
ガウリイとラウリィの声が同時に重なり。
おもわず、口元に笑みがこぼれる。
「これは意外な。」
『人の身でそれに気づくとはな。』
レゾの口から二つの声が同時に発せられ、思わず身構える。
そう、あきらかにレゾの声とは違う…だけども。
リナもガウリイも…聞き覚えのあるその声は……
「…やはり、レゾの中に封印されていた…のね。
  魔王…赤眼の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥ……」
リナがもらしたその声に。
『ほぉぅ。そのことに気づいていたか。』
「ただ、取引をした…それだけのこと…ですよ……」
そう。
周囲が恐怖におののけばおののくほど、なぜか瞳に光が差し込むのを感じた。
そして、そんなとき、自分に語りかけてくる声がした。
それは…協力すれば目を開いてやろう…というもの。
石を手に入れれば完全に視力をよみがえらせてやろう…と。
相手が何であろうが、かまわなかった。
目的が遂行できるのならば…そう、目を開く。
その目的さえ……
「…赤法師レゾ……あなたは本当に…それでいいの?」
先刻、同じような質問を小さな子供からも浴びせられた。
それをよもや母親とおもわしき女性からも問いかけられるとは。
そんなリナの問いかけに口元に笑みを浮かべ。
「いいも何も……さぁ。もうすぐ私の目は完全に開きます。」
『その前にその石を…それは本来は…我が物……』
――賢者の石。
それは、魔血玉(デモンブラッド)の欠片であり、
そしてまた、あるいみ、魔王の一部…ともいえるべきもの。
それゆえに、あのとき、異界の呪が発動したのだから。
光と闇の属性をもつ『賢者の石』がある。
というのは、郷里の姉から、そして女王からリナは聞いて今は知っている。
かつては知りえなかったその知識……
魔族に、そして神族に狙われるであろう…ということから教え込まれたその知識…
完全に復活するのには、かつて赤の竜神(フレアドラゴン)がかけたという。
その封印を解くことが何よりも必要。
それにはきっかけとなる媒介を通すのが何よりも手っ取り早い。
「さあ。お渡しなさい…。渡さないのであれば…こちらからいきますよ?」
シャラン…
言葉と同時にレゾが持っている杖の上部分にある金属の輪が静かになり。
それを合図とし…
ぼごっ!!
ぼごごごごっ!!!!!!!
リナたちの回りの土が盛り上がり…そして、出現するレッサーデーモンや、
そしてブラスデーモン…といったものたちの姿が。
「ああ。とうぜんながら。そのひとたちは、もと村人たちですよ。」
にこやかにいうレゾの言葉に。
「レゾっ!!!!!」
思わず叫ぶゼルガディス。
そして…それと同時に。
「…やっとみつけましたぞ。ゼルガディス殿。」
「……何だ?これは??」
がさり。
と彼らの後ろにとある森の中の茂みがゆれ…そこから出てくる二人の人影。
「なっ!?ロディマス!?ゾルフ!?」
ゼルガディスが思わず驚き声のしたほうを振り向けば。
そこには、何やらパトルアックスをもった初老の男性と、そしてまた。
三十か、もしくは前後…といった黒髪の男性が。
「…どうやら…あなたがたは…私の加勢…というわけでは…なさそうですね?
  ロディマス。ゾルフ?…あなたたちもこの私を裏切る…というのですか?」
そんな声のしたほうにとむかい、静かに語りかけるレゾ。
「ほざけ。儂はおまえに忠誠を誓ったわけではない。そこのゼルガディス殿にだ。」
「おなじく。あんたに仕えてた…というつもりはないんでね。」
「…邪魔ですね……私の目的を邪魔するやからは……」
『我が目的を邪魔する愚か者よ……』
すっと、レゾの声が低くなると同時に、別の声が発せられ。
はっとし。
「よけてっ!!!!」
リナが声をかけると同時…

どぐわぁぁぁぁん!!!!

辺りにものすごい爆音と…熱気が立ち込めてゆく……


             ――続く…


###################################

あとがきもどき:
L:やっとロディマスとゾルフが出てきたわねぇ。
  でもこいつら出てきても意味ないんじゃない?ゾルフはここでも三流なんだし?
薫:…ま、まあそうみもふたもない……
L:まあ、リナは気にしてたようだけどねぇ。何しろ以前は二人とも助けられなかった。
  とかいって気にはかけてたからねぇ。
  どうでもいいでしょうに。別に。ってそれが割り切れないのがリナなんだけどねぇ。
薫:…ま、まあリナさんですから…
  それはそうと?あの?エル様?いったい何を……
L:とりあえず、今晩にでも精神体抜け出して、Sのお仕置き考えてるのよねぇ〜……
  あんなのマナにあたったらどうするのよっ!
薫:って、二人の心配よりマナちゃんの心配ですかっ!?
L:あたりまえじゃないっ!ふたりはどうでもいいのよ。
  リナはルナから神聖魔法も習ってるし、防壁くらいははれるし。
  ガウリイは自力であの程度の爆発くらいなら斬り裂けるし。
薫:………こちらの世界の人たちの心配は?あの??
L:大丈夫よ。レナには…というか、正確には、レナの中に一緒にいるリナには。
  Sの攻撃なんか通じない。から。
薫:……いやあの…?
L:ま、それよりも。あんた…あたしの活躍は?!
薫:ああ!次ですこしは活躍があるかとっ!
L:はやく、Sを懲らしめるとこまでいきなさいっ!
薫:…でも表面上はエル様…リナ達の目からは何もしてないようにしか…
L:それをうまく表現するのがあんたの役目v
  さ〜て。ここにある一つのルビーがありますvこれをあんたに貼り付けて…っと。
薫:って!それってコントロール・ルッ!!?
L:えいv
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
L:さ〜。灰になるまで打ち込みなさいねv
  それでは、何か従順になって打ち込みを始めたこいつはほっといて。
  それじゃ、まったねv

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32082パラレル・トラベラーズ 〜対策?〜かお E-mail URL2005/11/25 23:00:39
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

さてさて…今回、リナがもってる魔力増幅器や。
またはリナ達がとっていた賢者の石に対する対策など。
ちらっとでてきます。
でもあまり話しが進んでない・・
次回でようやく本格的に魔王との戦い・・かなぁ?
何はともあれ…いくのです……

#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜対策?〜


「…しまっ!」
…思わずリナが叫ぶが。
それと同時に、レナたちもまた叫ぶ。
だがしかし。
ものすごい音…であったのにもかかわらず。
感じるのは何やら湿った熱気のみ。
多少の爆風が感じられるが、すさまじい爆発があった…とは到底思えない。
『……ほぅ……』
思わず感心した声がレゾでもある口から漏れる。
その声は、レゾのものでなく、あきらかに『魔王』のもの。
何やら水蒸気と熱気があたりに立ち込めてよく回りが見えないが。
だが…それでも…
「…エル?」
ふと、エルが立ち尽くし、手を前にかざしているのを見咎めて思わずリナが話しかける。
「やりますね。まだ小さい…というのに。…相互干渉…ですか。」
自分が放った術が不発だった…というのは、放った当人だからこそわかること。
そんなレゾの言葉に。
「こっちにひがいがおよぶじゃないっ!やるならよそでやってよっ!」
ごけっ!
前にと突き出していた手を下げつつも、レゾに向かって言い放っているエル。
そんなエルの言葉に思わずこけそうになってしまうゼルガディス。
…こんな状況なのに…いうことがそれか?この子供は……
などと思ってしまうのは…しかたないであろうが……
「?か〜さま?むにゅぅ〜……」
熱気と水蒸気にあおられて、眠っていたマナもまた目を覚まし。
眠い目をごしごしとこすりつつ、何やら言っていたりするが。
「あ。マナ。おきちゃったの?」
「??おっきしたけど……なにしてるの?」
ねぼけつつも、だがしかし。
自分が外にいるのに気づき、しかも母親に抱きかえられているような状況。
こういう状況の場合は…大概何かと戦っている場合がマナにとっては普通。
…まあ、こういう状態で戦っている、というのは一度や二度ではないがゆえに。
慣れているマナもマナであるのだが……
「ちょっとまってね。」
マナがおきたのをうけて、ごそごそと紐を解き、マナを地面にと下ろすリナに。
「…な、何か緊張感が抜けるなぁ……」
「同感。」
ぼそり、とつぶやいたラウリィの言葉に、思わず同意しているゼルガディス。
「…それはそうと…エルちゃん?…今、何したの?」
とりあえず疑問に思っていたことをエルにと問いかけているレナ。
「?ただ、あのひとがなにかなげたやつとはんたいぞくせいのちからはなったの。」
「……あ〜…そ〜いや…エルって姉ちゃんとかからいろいろと知識教わってたっけ……」
そんなきょとん、というエルの言葉に、思わずと負い目をしてつぶやくリナに。
「…どうやら。今のあいつの力は空中で相殺されたみたいだな。」
ガウリイのみが的確にそんなことを言っていたりするが。
「と。とにかく。エル。無茶して…ま、でも助かったわ。マナ。エルといい子にしててくれる?」
「は〜い。」
とてとてと、母親であるリナに言われて、エルのほうにと歩いてゆくマナの姿。
そして。
「子供だからとて…容赦はもう……」
『まさか我の力を相殺するとは…ここで始末をしておくのが懸命であろう……』
それと同時に、レゾの口から二つの声が発せられる。
そんな『レゾ』の言葉に。
「させないわ。あんたの相手はあたしたちよ!!」
子供たちを危険にさらすわけにはいかない。
いって、ぴっとそんなレゾを指差して言い放つリナに続き。
「そういうこと。」
レナもまた、レゾにむかって言い放つ。
「…ゼルガディス殿?一体…これは……」
「…な?あれは……」
何が起こったのか理解できずに、戸惑いつつもゼルガディスの元に近づいてゆく二人の姿。
一人は初老の男性で、一人は中年の男性。
リナは二人に心当たりがある、というか自分の世界で知っている。
…魔王によって命を落とした…ゼルガディスの……
辺りに充満していた熱気と水蒸気がやがてはれ。
そして、目の前には、たたずむレゾと、
そして、すこしはなれた位置でそんなレゾと合間をとっているリナ達。
「…これはどうやら……」
『手をこまねいては……』
相手の力は自分だからこそ『判る』。
大人たちの後ろにいる子供の力も気にはなるが。
だがしかし。
目の前のリナ…と呼ばれし人間から感じるこの力は……
『…ほぅ。極血玉(ティク・ブラッド)…ですか。そんなものをもっているとは……』
魔血玉(デモンブラッド)と対を成す…というか。
神と魔。
二つの属性を併せ持つ石。
だが…普通の人間が持っている品では…ないはずだ。
あれは確か…
そんなことを思いつつ。
静かに、ある言葉をつむぎだす。
「がっ…ぐわっ!!!!!」
「ゼルっ!!」
「「ゼルガディス!?」」
「「ゼルガディス殿!?」」
レゾが言葉をつむぐと同時、ゼルガディスがいきなり苦しみだし。
思わず叫んでいるレナたち。
ラウリィがそんなゼルガディスに駆け寄り体を支えようとしていたりもするが。
だがしかし。
「…って!目をさませっ!!!」
ごげっ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
しぃぃ〜ん……
それが何を意味するか、リナはわかっていたがゆえに。
いきなりゼルガディスにむかって足蹴り…というかとび蹴りをかまし。
そのままその足蹴りはおもいっきりゼルガディスの顔面を直撃する。
「…む、むちゃくちゃするな…あんた……」
おもわず口をあんぐりとあけるロディマスとゾルフとは対照的に。
おもわずぽつり、ともらしているラウリィ。
「レゾに操られるよりはましよ。」
きっぱりはっきりいいきるリナに。
「…あ。」
リナの言葉にその意味をさとり、思わず小さく声を漏らすレナ。
つまり。
ゼルガディスの体はレゾによって合成されたもの。
ならば、レゾの魔力に反応し、操られる…というのは想定外のこと。
「ぜ…ゼルガディス殿!?」
「あんたは一体何をするんだっ!!」
何やらわめいてきているロディマスとゾルフではあるが。
「…やってくれますね。…まあいいでしょう……すでに……」
「あ゛!?」
見れば、レゾの手の平の中には、黒っぽい石のようなものが。

「…って!?しまったっ!!!」
それをみて、ようやく気づき、思わず声を上げているラウリィ。
「レナっ!レナのは!?」
「あたしのは大丈夫っ!」
それが何を意味するのかを瞬時に判断し、レナにと問いかけているリナ。

リナ達が話し合いによって取っていた対策。
それは、『女神像』の中にと封じられていた石をガウリイが二つに叩ききり。
二つにしていた…というその事実。
そして、万が一、ゼルガディスがレゾに操られたときのために。
一つはレナがもち、一つはラウリィがもち。
それぞれの魔力を増幅させる…という手段。
ラウリィもまた簡単な呪文が扱える…というので。
ならば…ととったリナの対策。
二つに石を斬ることで、威力が落ちる…かどうかは判らないが。
だけども…確実に一つよりはリスクは少なくなる。
そう判断してのこと。

「まあいいでしょう…こうして…」
『ようやく…我が……』
気配からして、リナとよばれし少女がゼルガディスを気絶…というか。
とにかくけり倒した…というのは理解できるが。
だが、ゼルガディスがラウリィ、と呼ばれしゴルンノヴァをもっている少年。
その彼に触れたときに…彼があれを持っていることがわかり。
ゼルガディスを通じてこちらに移動させただけのこと。
元々自らの欠片…ともいうべきものであるからこそ可能。
いや、そもそも、彼にとっては簡単なこと。
…そう、すでに封印がほぼ溶けている状態の今だからこそ……

「しまっ!!!」
それが何を意味するのか…リナにはよくわかっている。
ゆっくりと、その手にもったその石を口の中にと投げ入れるレゾの姿が。
スローモーションのようにもみえてくる。
だが…しかし。
この光景は…以前に見たことがある。
そう…以前に……
それゆえに。

「どけっ!!!!!!!」
はっと気が付いたゼルガディスがみたものは。
石を飲み込みかけているレゾの姿。
石を飲み込めばどうなるか……おのずから結果はみえてくる。
早口で呪文をまくしたて。
そして。
「崩霊裂(ラ・ティルト)!!!」
ゼルガディスの術が完成し、その青白い光はレゾの体を包み込む…が。

パッキィィン……

鈍い音とともに、その光ははじけとび。
ごうっ!
それと共に辺りに充満してゆくのは…強烈な…瘴気……


             ――続く…


#####################################

あとがきもどき:
L:ああもうっ!あたしの活躍がないじゃないっ!
  ただ、術を撃破しただけじゃないのよっ!!
薫:あああ!だって…エル様がそうされたんじゃ…!?
L:問答無用っ!

――ごすっ!!

L:さってと。何でかどすぐろい何かを流して倒れた薫はほっといて。
  ようやくSが復活もどきをするみたいだけど……
  まったく…Sのくせにこのあたしに気づかないなんて…
  それなりの対応は必要ねvこれはvv
  何はともあれ、それではまた次回でvまったねv
  





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32087パラレル・トラベラーズ 〜復活?〜かお E-mail URL2005/11/27 00:11:34
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

ついにっ!レゾが覚醒?というか、魔王の復活ですっ!
というか…気づかない魔王の運命やいかにっ!?
って……ま、戦うのはリナたちなんですけどねぇ…
何はともあれ、いくのですっ!


#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜復活?〜


ふっ……
「ふ…ふははっ!ついに…ついにっ!!」
見える…はっきりと。
自分で目が開くのを感じる。
ずっと望んでいたこの瞬間。
そう。
私はずっとこの瞬間を……
『ならばもう思い残すことはあるまい?』
「…なっ!?」
がっ!!!!!!!!?
脳裏に響くその声は、あきらかに自分の中にいたもうひとりの声の主。
「…が…ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
何かが蝕まれるようなそんな感覚。
そのまま意識が…闇に飲まれてしまう。
私は……私は……
――レゾ=グレイワーズ。あなたはほんとうはなにをのぞんでいるの?
あのときの子供の…あの声が脳裏をよぎる。
私が…私が望んでいたのは……
だが…今となっては…もう……
私は……
そのまま、レゾの意識は闇にと飲み込まれてゆき、そして……

『ふ…ふははははっ!!!!!!!!!』
次の瞬間。
すざましい瘴気による衝撃波が周囲に吹き荒れ。
空気がきしみ、悲鳴をあげ、さらには、空が一気に掻き曇る。
その瞬間。
「崩霊裂(ラ・ティルト)!!」
パッキィィン!!
ゼルガディスの放った青白い光がレゾに直撃し、だがしかし。
その光は瞬く間にとかき消される。
『この我にそのような人の些細な術が通用するものか……』
おもわず口元に笑みが浮かぶ。
人の心の中に封じられはやいくばくか。
人の心はある意味強いが、だがしかし弱い、というのもまた事実。
すこし心にかげりがあれば、それを利用して…こうして復活することもまた可能。
心強き人間にもまた弱点はある。
そう…この『レゾ』、と呼ばれし人間の弱点は……

「い…いったい何が!?」
「何だというんですか!?ゼルガディス殿!?」
まったく理解していない、先ほど現れた二人の男性が何やらわめいているが。
「…結局こうなるわけ…ね……」
おもわずリナの額に脂汗が滲み出す。
魔王と向き合うのは…これで三度目。
三度目の自分ですらプレッシャーを感じるのだから、初めてのレナや、
そしてゼルガディスやラウリィはいくばかりか想像に難くない。
「…おい。リナ。」
「…わかってる。…ラウリィ!レナ!作戦通りにいくわよっ!ゼルもそれでいいわねっ!
  あとっ!そこの二人っ!あんたたちは邪魔だからっ!足手まといにしかなんないしっ!
  出来たら子供たちのお守りをお願いっ!」
はっきりいって足手まとい以外の何物でもない。
というのはリナには判っている。
ロディマスは術が使えず、またゾルフにいたっては…ここでもあのときのように。
魔王相手に竜破斬(ドラグスレイブ)を使われても。
はっきりいって困るというか、また目の前で死ぬ姿はみたくない。
「何を、この私が足手まといだと!?ほざけっ!実力をみせてやるっ!
  黄昏よりも暗きもの 血の流れよりも……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・
やっぱり理解してないし……
「こ…このどあほぉぉ!あれは魔王なのっ!レゾの中に封印されてたっ!
  かつての神魔戦争において赤の竜神(フレアドラゴン)が人の心の中に封印したっ!
  魔王相手に魔王の力を使った術が通用するかぁぁ!」
思わずリナが叫ぶのは…仕方ない、といえるであろうが。
「ほざけっ!小娘っ!やってみなければわかるまいっ!」
「だぁぁぁ!」
全然理解していない様子のゾルフの言葉に思わず頭を抱えたくなってしまう。
それでなくても油断を見せれば…魔王は容赦はしないであろう。
というのが判っているのに。
「えいっv」
ちくっ。
「あ。おか〜さん。ルナお姉ちゃんからもらってたはり。このひとにさしたから。きにせずにやって。」
そんな何やら叫んでいるゾルフの横にてくてくと歩いていき、懐から小さな何かを取り出して。
ちくり、とゾルフの腕にと刺しているエル。
「…姉ちゃんからって……」
「なにかね〜。るなおね〜ちゃんが、まりょくふうじのたいさくにとかって。
  しなものつかってれんしゅうしたほうがかんたんだからってくれたの〜。」
「あのね。あのね。マナももらったんだよ。まりくふうじのはり〜。」
「マナ、それをいうならまりょくふうじ、だってば。」
すこし離れた場所でにこやかにそんなことをいう二人の娘の言葉に。
思わずリナの額に冷や汗が流れ出る。
……姉ちゃん…エルやマナに何を教えてくれてるのよ……
などとも思うが、だがしかし。
「ないすっ!エルっ!」
ともあれ。
ルナ姉ちゃんからもらった…という品ならば、おそらくは。
効果はあきらか。
ならば。
…これで不安材料が一つ減った…というのも明白。
「…る…ルナ姉ちゃんって……」
思わずその言葉をきき、レナが顔色もわるくつぶやいてたりするが。
まあ彼女にとってその名前はあるいみ、恐怖…ともいえる名前であるがゆえに。
それはリナにとっても同じなのであるが……

そんな彼らの様子をみつつも。
『…何やら我を無視しないでほしいものだな。
  …まあいい。選ばせてやろう。好きな道を。この我を復活させてくれたささやかな礼として。
  この我に仕えるというのであれば、天寿を全うすることもできよう。
  だが、そうでない、というのであればこの我の手にかかり滅びるがよい。
  しばらく人の身に封じられていたがゆえに、力の加減がつかめなくてな。
  トレーニングがてらつきあってもらおうか。北に封じられしもう一人の我。
  北の魔王を解き放つ、そのためにな。』
いいつつも、レゾであったその体はゆっくりと崩れゆき。
どろり…と肉が溶けたような匂いが充満し。
その下から骨のようなものが垣間見え、その骨が消えたかとおもうと。
そこに新たな肉らしきものが再び出現する。
何のことはない。
人としてのレゾの体が滅び、魔王がその力をもってして魔力でその実体を具現化させている。
という事実があるがゆえの光景なのであるが。
魔族は本来は精神生命体。
実体を持たない。
ゆえに、力ある魔族はその力をもってしてこの物質世界に具現化し形をとることができる。
力がより大きな魔族ほどより人と変わりない姿をとることも可能。
どろり…と肉が溶け出してはそのまま蒸発し。
だがしかし、そのまま、再び人の形を成してゆく。

何やら後ろに控えている子供のうちの一人が…力が視えない。が。
本来、人ならばこそ、ある程度の力が視ることができる、というのに。
いや、人とは限らず、この地に存在しているすべての生きる存在について。
それが自らが魔王であるがゆえに。
そして、完全、というかほぼ目覚めた今だからこそ判るのは。
目の前の人物二人から異質な…こことはすこし違う何かの力の波動を感じる。
ということ。
……この世界のものでは…ない?
それは後ろの子供たちにも言えること。
何らかの力がかかっているかのように…力がかすみがかかったかのように完全に見通せない。
そしてまた…
「じょうだんっ!誰が魔王なんかの手先になるものですかっ!」
きっとそんな魔王にむかって言い放っているレナ。
栗色の髪に紅の瞳。
魔血玉(デモンブラッド)の欠片を飲み込み、それを鍵として目覚めた。
だからこそ…判る。
同じ品物があの人間の手の中にある…というのが。
力を封じる…というのも可能であるが、だがそれ以上に。
力あるものの恐怖におののいたその感情は、目覚めた自分の糧となる。
それゆえにこそ。
石の力を封じることなどはせずに。
ならば……
『おろかな……ならば。身をもって我が力を思いしるがよい……』
まだこの人の『精神』は完全に消滅していない。
精神が完全に消滅したそのときこそ、自分が完全に復活するその瞬間。
それまで、この新たな器となりえる体でなれるのも悪くない。
そう…目覚めた後も『レゾ』として。
かつてのレイ=マグナスのように行動する、そのためにも……
人は、あっさりと外見にだまされる。
特にこの自らの器となっている赤法師レゾは聖人、として名高い存在となっている。
それを利用しない手は…ない。
人を操ることなどは…簡単なこと。

「ラウリィ!剣を!!ゼルっ!」
「わかった!」
「…兄さんっ!一緒に戦ってっ!」
『…なあ?…あれって…何だ?』
こけけっ!!
剣から響くその声に思わずこけそうになってしまうラウリィとゼル。
そして。
「…その『声』って……」
思わずつぶやきつつも横にいるガウリイを見つめるリナ。
深く、響く、それでいて聞きなれたその声。
「俺の双子の兄さん。…この剣の中に精神を封じられてるけど…ね。」
そういうラウリィの言葉がすこしさびしそうな気がするのは…何も気のせいではない。
「詳しい事情はとにかく!これをやりすごしてからよっ!」
そんなラウリィたちにと何やら叫んでいるレナ。
確かにレナの言うとおりではあるのだが。
周囲では、魔王の復活に伴い、空気がざわめき、そしてまた。
何やら異形のものたちの声が響き渡っていたりする。
「たしかに。…兄さぁん…相手は魔王だってば…。
  あれ。赤眼の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥ…だよ。」
剣に向かって語りかけるラウリィに。
『シャブ??』
「と、とにかくっ!あいつを倒すのっ!」
『なんだ。そんなことか。それなら面倒なこといわないで用件だけいえばいいのに。』
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
剣から聞こえるその声に思わず無言になってしまうその場にいる全員。
そして。
「…何か、この剣の中に封じられてるとかいうこのラウリィのお兄さんって…
  ガウリイ…あんたによぉぉく似てるわ……」
「そっか?でも気配はオレとほぼ同じだぞ?」
「…詳しいことは後できくわ。とにかくっ!作戦どおりに!いくわよっ!みんなっ!
  ガウリイ!ラウリィ!あんたたちが頼りなんだからねっ!」
聞けば、ラウリィの剣の腕もかなりのもの…だということらしい。
ガウリイはガウリイでゼフィーリアにと戻ってから、その実力をさらに上昇させている。
それがどこまで魔王に通じるものかは…判らない…判らない…が。
怖いことにあの姉から十本中一本は取れるようになっている…という事実がある。
そのことをリナは知っている。
だからこそ…あきらめる、ということはしたくない。
いや、それでなくてもあきらめる、という言葉などはリナの中にはない。
たとえそれが1%にも満たない可能性でも、それにかける。
強い心と思いはどんな不可能なことでも結果を導き出す。
そのことがよくわかっているがゆえに。
「「「了解っ!!」」」
「おうっ!」
「わかったっ!」
リナの声に、ラウリィ、レナの声が一致し。
そしてガウリイとゼルガディスの声もまた同時に一致する。
そして。

『すこし手始めに遊んでやろう……』
にっとその口元に笑みを浮かべ『レゾ』であった魔王がいうと同時に。
ぼごっ!!
リナたちの回りの土が盛り上がり…そこから火の鳥が出現してゆく……


そんなリナ達の背後では。
「何だというんだっ!?力がつかえないぞ!?」
「って!ゼルガディス殿っ!くっ!!」
術が使えないことに気づいて叫んでいるゾルフに。
あまりの強烈な瘴気の壁に当てられて何やら叫んでいるロディマス。
「……これくらいのなかでうごけないと…だめだよ。」
「おね〜ちゃん。マナたち、なにすればい〜の?」
「かあさんたちのじゃまにならないように。ここでまってよ。」
「は〜いっ!」
――このマナを危険な目にあわせるわけには…いかないし…
そんなことを思いつつもマナにと話しかけるエルの声に。
素直にすたっと手を上げて返事をしているマナの姿が。

……何でこの子たちはこんな強烈な瘴気の中でも平気なんだ?
ロディマスがそんなことを内心思っているのは…マナは知る由もない。
彼らは知るはずもない。
…エルは無意識で結界を張り巡らせることも可能…という事実や。
また、物心つくまえから、魔族との戦いに巻き込まれていた…といっても過言でないマナもまた。
…無意識のうちに瘴気にたいする耐性がついている…というその事実を……
まあ、この二人に関しては。
母体であるリナの体にも関係はしている…といってもいいのだが…
それは…リナ当人ですら知らない事実。

「…ま、いまはリナのからだはふつうのそれにもどってるし…ね。」
ぽつり。
というエルの言葉は…ざわめく気によりかき消されてゆく……


                ――続く……


####################################

あとがきもどき:
L:・・・しっかし…Sのやつ…何でこのあたしに気づかないのよっ!
  まったく…職務怠慢だけでも許せないのにっ!!
薫:…気づいてたらリナ達に攻撃しかけたりあんなこといいませんとおもいますけど……
L:ああもうっ!そりゃ、完全に人のそれにしてるけどっ!
  この体の細胞レベルにはあたしの力がふくまれてるのよっ!
  きづきなさいよねっ!いくらあたしがかくしてるからってっ!
薫:・・・エル様が隠されてたら…誰もわからないと思いますけど…
L:あら?ガウリイはその勘で気づいてるわよ?
薫:・・・野生の勘・・ですか?(滝汗…
L:ガウリイはあのときから気づいてたからねぇ。
  リナの体が変わった…というの。
  あたしが産まれてからは、それが元に戻った・・というのも。
  でも、リナにはかわりがないから。というのですましてたのよねぇ。
  あの人間ってほんとうにあきない、というか面白いしv
薫:……いや…あのぉ?エル様?ここで暴露されても…(汗
L:あら?だって、リナの体って。
  フィブリゾのやつの一件であいつがあたしがリナの体に降臨してた。
  というのに、こともあろうにっ!攻撃しかけてきて消滅させてくれてるしっ!
  まったく…ほんとうにSの教育はなってないったら……
  思い知らせるためもあって即座に再生させたんだけどねぇ。
  まったく……
薫:……ま、あれは確かに冥王のミスですね…こともあろうに…
L:・・・それはそうと?未だにそういえばあたしが活躍してないんだけど?
  いつになったら活躍するのかしら…ねぇ?
薫:・・・ぎくっ!
  あ…あはは……打ち込みしてたら結構量がありまして……
  リナ達の戦い…のラストのほうですからねぇ……
L:…しかも、あれは活躍・・といえないとおもうんだけどねぇ?
薫:って!だからっ!その鉈は何ですかっ!?鉈はぁぁ!!
L:乙女の必需品v
薫:んなっ!?

ごぎゅっ!!

L:さって。何か鈍い音とともに消えた薫はおいといて。
  ではまた、次回でねvそれじゃ、まったねvv

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32096パラレル・トラベラーズ 〜戦い?〜かお E-mail URL2005/11/27 23:43:01
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:


さてさて。ついに魔王との戦いですっ!
といっても…何か活躍してない……のは…ま、そのあたりはおいといて。
っておいとけませんね……
…魔王復活(?)によって周囲の魔族さんたちも力をつけてますので…あしからず…
(そのあたりは読み手の想像力に任せてみる書き方をしてみたり…←うぉぃ…汗)


#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜戦い?〜


「「崩霊裂(ラ・ティルト)!!」」
リナの合図をうけ、リナとゼルガディス。
二人が同時に術を唱え、ラウリィの手にしている光の刃にそれをかける。
光の剣、と呼ばれている異世界の魔族、烈光の剣(ゴルンノヴァ)に呪文を上乗せすることにより。
その威力は数段にも増して発動する。
そしてまた。
「くっ!!」
周囲に飛び交う炎の鳥。
それをどうにかするのがゼルガディスの役目。
ラウリィとガウリイはレゾの足止め。
彼らを無事に魔王となりかけているレゾの元にと移動させるのが、ゼルガディスのそもそもの目的。
「いくぞっ!!烈閃咆(エルメキアフレイム)!!」
続けざまに唱えていた混沌の言語(カオスワーズ)を解き放ち。
レゾに向かって呪文を投げかけるゼルガディス。
「レナっ!」
こくっ。
リナの言葉に無言でうなずき、レナもまた走り出す。
昨夜発動したのだ。
だから絶対に大丈夫。
しかも、今は魔力を増幅する賢者の石が手にあるのだ。
といっても半分の石のみではあるが。
だが…魔力を増幅させるのにはかわりがない。
二人左右にちり、そして左右から間合いをとってレゾとの間をつめてゆく。


「くっ!!!!」
「……氷の槍(アイシクルランス)!」
離れた場所にいるマナやエルがいる方向にもその炎の鳥は飛んでくる。
すでに辺りは瘴気に包まれており。
さらには、魔王の力をうけ、下級の魔族も力をつけたらしくレッサーデーモン。
といったものたちすらもが周囲にと出現し始めている。
……結界くらいはりなさいよ……
などとエルがそんなことを思っていることなどは…誰も知るはずもないが。
エルが空に向かってつぶやいたその言葉と同時。
どすすすすっ!!!
周囲に…ざっと数十以上はあるであろう氷の槍が降り注ぎ、
何やら炎の鳥を氷の槍で貫き蒸発させていっていたりするのだが。
たかが、炎を鳥の形にしただけのもの。
その属性と相反するもの、もしくはそれよりも強い何かをぶつければ無と還すことは可能。
…小石を拾ってなげればよかったかな?
などとも思うが…だがしかし、一応自分がまだ子供だ。
というのは自覚している。
ゆえにこそ呪文を放ったのであるが。
…どちらもあまり変わりがない…と本人とすれば思っていたりするのだが。
「…ほぅ。やるな。まだ小さいくせにっ!何のっ!」
いったい何が何だかわからないが、だがともかく。
この回りにいるレッサーデーモン達やそして不可思議な炎の鳥もどき。
それらをどうにかすることが先決。
そういいつつも、その背に背負っていたパトルアックスを構えて何やら言っているロディマスに。
「小娘っ!何をしたんだっ!何をっ!」
何やらわめいてくるそんなゾルフの言葉に。
「だいじょうぶ!ルナとくせいのくろまじゅつたいおうまりょくふうじだからっ!」
きっぱりはっきり言い切るエル。
「…は?」
「…だからぁ。すぃーふぃーどないとルナのとくせい。くろまじゅつだけをふうじるはりなのっ!
  せいれいまほうはつかえるよ?」
「「…スィー!!??」」
そんなエルの言葉に思わず言葉を詰まらせているロディマスとゾルフの二人の姿。
赤の竜神騎士(スィーフィードナイト)。
それはこの世界の赤の竜神スィーフィードの力を受け継ぐもの。
と呼ばれている存在。
実際にいる…とは噂ではきくが…それはあくまでも噂…と捕らえている。
噂では何でもゼフィーリアにいるとか何とか…とは聞いてはいるが…
「こどものあたしたちがじゅつつかうのに。おとなのおじさんたちなにもしないわけ?」
うぐっ!
「ほざけっ!ここでこの私の実力をみせてやるっ!」
「わ〜い。みいらのおじちゃん。がんばって!」
「ダレがミイラだっ!!」
そんな会話をしつつも。
こちらはこちらで、こちらに向かってきている様々なものと戦いを始めていたりするのだが。

リナとしては二人の子供が気がかりではあるが。
だがしかし。
今は何よりも目の前のあれをどうにかすることが先決。
…倒さなければ…子供たちも…この世界の未来はない。
いや、世界などは二の次…なのかもしれない。
何よりも世界よりも大切な人たちを守りたい。
それがリナの本心。

――人の心は何よりも守りたいものがあれば信じられない力を発揮する。
――それは、神族にも魔族にもない力。
――それこそが、光と闇、二つの属性の狭間の存在として創造りだしている…人の力。


「…ほぅ。」
これはなかなかに楽しめそうだ。
烈光の剣に崩霊裂をかけて我に挑んでくるとは……
人としての知恵としては悪くはない。
だが……
「そんなものでこの我にかなう…かな?」
ぶわっ!!!
レゾが手を前に突き出すと同時にすざましいまでの魔力の衝撃波が周囲に押し寄せる。
それはまるで津波のように。
「何のっ!!」
ぎゅっん!
それをすかさず剣をかざし、その衝撃波を切り裂いているガウリイの姿。
「…なるほど。斬妖剣(ブラストソード)…か。面白い……」
人間にしては、戦いなれている。
しかもこの戦いかたはおそらくは、力あるもの…つまりは魔力を持っているものと。
戦いなれている証拠。
普通魔族となどは人は戦ったことはない。
あってもたかが下級ともいえるレッサーデーモンかブラスデーモン。
つまりは小動物などを依代としてしか物質世界に具現化できない存在ばかり。
そのはずだ。
こんな戦いかたは、そんな戦いの中では身につかない。
ガウリイが今やったのは、何のことはない。
レゾが…否、魔王が放った魔力の衝撃波を剣で切り裂きつつも、それを受け止め。
剣に吸収させたのに他ならない。
斬妖剣(ブラストソード)の特製は周囲の魔力を取り込み、
その魔力を切れ味とする…というもの。
ゆえに。
戦う相手の魔力や、そしてまた周囲に満ちている魔力が大きければ大きいほどその斬れあじはます。
そしてもう一人がもっているのは、この世界ではないにしろ。
同僚ともいえる異世界の魔族の腹心でもある烈光の剣(ゴルンノヴァ)。
自分に致命的なダメージを与えるまではいかなくてもそこそこは楽しめそうだ。
問題は…それらを使う人間の力量がどれほどのものなのか。
「…面白い……」
目覚めたばかりではあるが、これはいいトレーニングになりそうだ。
すでにレゾの意識は我がうちで支配しすでに闇に溶け込みかけている。
そうなれば…この器と精神の封印は解かれ…自分は完全に復活を遂げることができる。
ずっと人の精神の中に封印されていて退屈していたのであるからちょうどいい。
戦いながらもすでに、自らの力は精神世界面に影響を与えている。
…我が腹心たちが気づくのも時間の問題。
それまでの退屈しのぎとしては…相手が人とはいえ、相手のもっている獲物としてはちょうどいい。
すっ…
視たところ、二人同じような容姿とそして似通った魂ではあるが。
だがしかし、あきらかに。
力量とすれば、斬妖剣(ブラストソード)をもっている人間のほうが上。
そこそこ自らが楽しめるほどの力くらいはありそうだ。
もう一人のほうは…どうやら烈光の剣(ゴルンノヴァ)の中に封じられている人間の魂。
それが使っているものに力を貸しているようであるが。
そんなことは…どうでもいいこと。
「くるがいい…人間よ……」
すっと手を伸ばした『レゾ』の手に出現するのは、何やら骨のような何かの杖。
――餓骨杖(がこつじょう)。
魔王が使っていた、とされている伝説上の杖。
リナとレナはそれの正体に気づくが…だが今、声を出すわけには…いかない。
簡単な間合いをとりつつも、ぎりぎりのところで合間をとり。
そして…二人が隙を魔王から奪ったところで…二人同時にある術を叩き込む。
それがリナたちの作戦。
「ふ…ふはははははっ!!!!!!!」
かつてレゾであった存在の笑い声があたりにと響き渡ってゆく。



―――我が意思は我が力。我が力は我が意思。我が意思のもとに我が力よ我が元に……
目前のほうでは、ガウリイとラウリィが魔王と…いや、復活しかけているそれと戦っている。
まだ完全に復活していない…というにしろ。
完全に少しばかり遊んでいる…それが少しばかり…否、完全に少しばかり頭にくるが。
しかも、…相手は彼らの実力を舐めている。
…愚かな……ラウリィという人間はいざ知らず…ガウリイのほうは……
守りたいものがあるがゆえに限界を超えてさらに努力をする。
人の器とすればその限界は限られてはいるが…ときとしてその想いは限界を超えた力を発揮する。
そう、それが人の信じる力と想いの力。
それに気づかないようでは……
しかも、ガウリイは『赤眼の魔王(ルビーアイ)』と戦うのは二度目。
二度ともとどめはリナがした…とはいえ戦ったことがある。
というのにはかわりがない。
すっと意識して自らの気配を集わせる。
周囲の存在には気づかれないように。
人の器として誕生している限り、力を使うのにも限界がある。
しかもまだこの肉体は…三歳児の体。
体力的にも、肉体的にもまだまだ未発達。
それがわかっているからこそ……


「ほざけっ!!!!!!!」
『ラウっ!』
「でゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
キィィン!!!!!
がっ!!!
ガウリイのほえる声とともに、ラウリィがレゾの懐に入り込み。
そのわき腹に刃を突き刺す。
――その闇のうちに眠りし人としての心を呼び覚ますべく……
これこそが、ラウリィが提案していたもうひとつのかけ。
伊達に長きにわたり、烈光の剣(ゴルンノヴァ)の中に精神が封印されているわけではない。
魔族であるそれと精神を協調させることにより、その力を引き出す。
それが…ガブリエフ家に伝わっている…烈光の剣(ゴルンノヴァ)の使い方。
「レゾっ!!!!!!!!このまま魔王にその魂を乗っ取られてもいいのかっ!!」
ラウリィの言葉をうけ。
「レゾっ!!!!!!!!」
ゼルガディスもまた、ラウリィからその提案は先日聞いている。
…もし、ラウリィがレゾの…いや、万が一魔王となっている『レゾ』に刃を突き立てれば…
ともかく力の限りレゾを呼ぶ。
レゾにと呼びかける…ということを。
肉親の声はときとして信じられない力を発揮する。
それは肉親に限らず、人が大切に思っている存在全てに当てはまる。
その能力は人に限らず生きとしいける存在全てにあるものではあるが。
…その力を理解していない…というのも…また事実。
ゼルガディスの言葉をゴルンノヴァがうけ。
さらには、ゴルンノヴァの中にいる『ガウリィ』がその声を直接内部にと伝える。
烈光の剣(ゴルンノヴァ)の中に封じられているもの。
それは、ラウリィの双子の兄でもあるガウリィ=ガブリエフ。
この地におけるガウリイと同じ存在…といえるのであるが。
違うのは…すでに肉体をもっていない…ということのみ。
精神…つまり、魂のみで存在しているガウリィ。
それは、レナの中にいる『リナ』とて同じこと。
「…ぐっ…無駄な努力っをっ!!」
馬鹿なことを。
確かに腕の一本はこの人間と戦っているがゆえに自由にはならないが。
我にはまだもう一つの腕がある。
おもわず両手でガウリイの剣を魔力をこめて受け止めていた『レゾ』の片手がはなれ。
自らの懐に入り込んでいるラウリィにと向けられてゆく。
…そろそろ遊びもここまでにしておく…か。
しばらく力に慣れるために…付き合っていたに他ならない。
「…死ねっ!!!」

『レゾ』のその手が振り下ろされそうになる……が。

びくっんっ!!

その手が一瞬硬直し…それはそのまま自由がきかなくなってゆく。

「…なっ!!?」

…今だっ!!!!!!!
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その隙を見逃さずに、ガウリイが思いっきり剣を振り下ろし。
杖をもっているレゾの右手を叩ききる。

人の心…というのもは、弱いようでいて…強い。
―――大切なものを守りたいからこそ……力を欲し、目を見開きたかった。
その切なる願い。
闇に閉ざされそうになるその中で思い出した…真実のその願い。

「…がっ!!!ぐわっ!なぜっ!邪魔をっ!レゾっ!そのままきえろっ!人間ごときがぁぁ!」
自分の中に残っていたレゾの心が自分の動きを封じている。
…人の心の中に封印されていた赤眼の魔王(ルビーアイ)の精神はまだ完全に復活はしていない。

……いまだっ!!!!!
ガウリイがそのレゾの片手を切り落としたその瞬間を見計らい。
レナにと目配せしてそのまま走り出すリナ。
それに続いてレナもまた、二人同時に左右から回りこむようりレゾにむかって走り出す。
そして。

『悪夢の王の一片よ 天空の戒め解き放たれし 凍れる黒き虚無の刃よ……』
不完全版のものでもいいかもしれない。
だがしかし…相手は…魔王。
確実に相手にダメージを与えるには…金色の王の力は絶大。
重破斬(ギガスレイブ)の不完全版ならば制御も可能であろうが。
だがしかし…冥王(ヘルマスター)フィブリゾですらあれを防いだ。
なら目の前の『赤眼の魔王(ルビーアイ)』がここでは防ぐ。
という可能性も否めない。
しかも、あれを使うことにより、こちらの世界のレナたちまで魔族に目をつけられる。
というようなことだけは絶対に避けたい。
…二度と…あんな想いは…自分以外のダレにもしてほしくない。
それがリナの願い。
金色の王の力を使うことにより、確実に何らかの魔族からの反応はあるであろうが。
…だが、それでも。
……よもや、まさか。
……召喚術…とでもとれる術を使える…とまでは考えが及ぶかどうか……

「…なっ!?」
馬鹿な…なぜ…なぜ人間があの御方の力を?!
そんな二人の声をききあからさまに動揺の色を見せている『レゾ』の姿。
そして…未だにとまっていたままのその手を上空に振り上げ。
「こざかしいっ!遊びはここまでっ!!!」
レゾの…自らの器でもある人間の邪魔は確かに面倒ではあるが。
だが…ならば自らの魔力でこの場を焼き尽くせばいいことだけの…こと。


「………滅。」
すっと目をとじ、そして、すっと手を前にと突き出して。
そんな上空にと掲げた『赤眼の魔王(ルビーアイ)』のそれにと向ける。
自らの手のうちに生じているのは…黒い球。
手の中の黒い球が瞬時に移動し…それは、すぐさまに『魔王』の手の内部にと移動する。

…今はまだ、彼らを死なすわけには…いかない。
というか…この我に気づかないとは……
ロディマスもゾルフもレッサーデーモンなどに対応に追われこちらの動きには気づいてはいない。
ただ…そう。
ただ……すこしばかりきっかけを放った…ただそれだけの…こと……


「がっ…ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

それとともに…赤眼の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥの何ともいえない叫びが。
周囲にとこだましてゆく……



              ――続く…



#####################################

あとがきもどき:
L:ちょっとぉぉぉぉお!戦闘シーンが全然あたしが!活躍してないじゃないっ!!
  というかっ!リナたちの戦闘シーンも省いてないっ!?
薫:…エル様が活躍されたら…それこそ瞬く間に終わってしまうかと……
L:それをっ!ねちね…もとい、やさし〜く説得しながら長引かせてどうにかお仕置き…
  …でなくて、ともかく根性入れなおすのが通りでしょっ!?
薫:……それもど〜かと…。というかどうせやられるのでしょう?(汗
L:とうぜんっ!
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
L:…しっかし…Sのやつ…何?
  たかがレゾの精神体に動きまで封じられかけてるし…
  しかもっ!あたしの力のほ〜んの微々たるその一部ともいえないやつをうけただけでっ!
  どうして叫ぶのよっ!!
薫:…十分かと……(汗
L:あら?そうでもないわよ?…とりあえず。あんたでもためしてみますかねぇ。
薫:・・・え、ええええんりょしますのですっ!
L:あらv遠慮しなくてもv
薫:ひぎゃぁっ……(ぽしゅっ…
L:あら?どこかにきえた人はほっといて。
  さて、Sの根性はどこまでもつのか!?そしてリナたちは!?
  ということで次回に続きますvではまったねvv



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32098パラレル・トラベラーズ 〜願い?〜かお E-mail URL2005/11/29 22:01:08
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

こんにちわ。さってととうとう魔王との決着?近しです。
というかほとんど決着?
ちなみに。レゾというか魔王が攻撃うけて。
周囲に巻き起こっている状況は…ある意味、巨大な力と力のぶつかり合い。
において生じるち力のようなものですので。
ゲーム風にいったらアル○マとか、マダ○テとか(まて
何はともあれ、いくのですv

#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜願い?〜


いったい何が起こったのか一瞬理解不能。
だがしかし、相手が隙を見せている。
というのは明白。
ふと視線を後ろに向ければ、何やら爆風などが吹き荒れているそんな中で、
こちらに向けて…というか『レゾ』に向けて金色の髪の幼女が手を突き出している。
…エル?
エルが何かしたのかしら?
とリナは一瞬思うが、だがしかし。
今ここで別な言葉を出せばせっかく終わっている呪文の詠唱がふいになる。
それはどうやら、逆方向から同じく同じ術を唱えて向かってきているレナも同じらしく。
エルのほうを向きつつも一瞬首をかしげてはいるが。
だが…今、やるべきことは…ただ、一つ。
「「神滅斬(ラグナブレード)!!!」」
相手の攻撃の手が一瞬止んでいる隙をつきその術を発動させる。
そして。
「ガウリイっ!ラウリィ!」
「ガウリイさんっ!ラウリィさんっ!」
リナとレナの声が同時に発せられると同時。
ばっ!!!!
レゾと剣を交えていたガウリイがそのまま後ろに飛び退き。
そしてまた。
ラウリィもレゾの懐に突き刺していた剣をそのままに。
その場から飛びのいてゆく。
相手はまがりなりにも魔王。
それゆえに、一撃を浴びせたものの、引き抜くこともどうにもできずに。
ならば、隙をみて発動を押さえて逃れる。
という方法を瞬時に編み出し、その旨を意思のみで伝えて行動に移っているのであるのだが。
それは回りの存在には知る由もないこと。
ガウリイとラウリィが『レゾ』から離れると同時。
『……なっ!!??』
レゾであり、そしてまた魔王となりかけているその口から驚愕の声が漏れ出してゆく。
それは、自分に向かって走ってきている二人の人間の女性の手にしているそれをみて。
それが『何』を意味するのかが…理解できたがゆえに。
だが…しかし、それよりも尚、『魔王』を驚愕させたのは……
視界の先にいる小さな…小さな三歳児程度の…金色の髪の女の子。
今…あの少女が放った力は……
思考が混乱する。
人間にどうしてあの御方の力が……
だが…このままでは。
『くっ!!』
今自らの器となっているこの体は腕が二本ともない状態。
これでは攻撃をうけても防御することすらもがママならない。
瞬時に腕を自らの力で具現化させ…その攻撃を防ごうとするものの。
だが…それよりも早く。
「「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
左右から走りこんできた人間の女性の手にした二つの黒い刃が自らに振り下ろされてくる。
…闇の刃。
虚無の…金色の王の力を借りた…その刃が。
どうにかその力を防ごうとするものの。
だがしかし。
「レゾ!選びなさい!このままあなたの手で大切なものを本当に滅ぼしてもいいのっ!
  あなたは何のためにそこまで目を開くのにこだわったのっ!
  世界よりも大切なもの。それがあったからじゃないのっ!」
「赤法師レゾ!このまま魔王に魂を食い尽くされるか。それとも人として死ぬかっ!選びなさいっ!」
リナと、レナが同時に刃を振り下ろしつつも『レゾ』に向かって叫び語りかける。
――自らにとって世界よりも大切…と思う存在の為にこそ目を見開きたかった。
――それがレゾ=グレイワーズの真実の…願い。
目が見えていれば…防げた事故などもあったがゆえに……
目的と手段。
それらが時間とともに摩り替わり…それらが内部に封印されていた魔王に利用された。
というその事実…
『な゛っ…馬鹿なっ!』
「…私は……」
二人の声に反応して、完全に闇の中に沈んでいたはずのレゾの意識が再び表に表れ。
魔王とレゾ、二つの声が同時にその口から発せられてゆく。
…先ほどの振り下ろそうとする手を止めるといい……
そんなことを思いつつも。
『邪魔をするなぁ!レゾっ!』
「……私は……私は……一緒にゆきましょう…魔王……」
――願いは、何よりも大切な家族を救うこと。
世界とかは関係ない。
ただ……そう。
レゾの願いは…ただ一つ。
唯一残されていた自分の肉親ともいえる『家族』を…自らの目で見て。
そして今度こそ悲しいことが起こらないように…見守ること……
かつて、世界を自らの目でみたいがゆえに、いろいろと研究などをした。
そんな自分を支えてくれた女性との間に子供ができ…喜んだのはつかの間。
自分が目を開く研究をある研究施設でしていたときに……
家族は夜盗に襲われ……唯一。
当時一歳にも満たなかった娘だけが生き残った。
他の家族…すなわち、レゾの妻や残りの三人の子供は…手にかかり死亡し……
狂いそうになる精神状況の中で…それでも、どうにか意識を保ったのは…
その娘もやがて結婚し子供ができ……
だがしかし…その家族すらも…レゾが旅に出ている間に…この世を去り…
残ったのは…当時一緒に旅にでていた孫…一人のみ…
その孫が結婚し生まれたのが…ゼルガディスや、そしてまた他の子供たち。
今度こそは守りたかった。
だからこそ…今まで以上にこの十数年、目を開くことに躍起になったのだから……
その想いは…魔王に利用され…やがては目を見開くことを重要視するようになり…
手段を選ばなくなっていった……
それがレゾにおける真実。
―――何よりも大切な…家族を助けたいがゆえに目を開きたい……
目が開かなくとも助けることは可能ではあるが。
万全を期したかったレゾ。
――彼の家族が次々と死亡したのは他ならない、干渉があったから。
――だが…それはレゾは知る由もないこと……

今まで闇の中をさまよっていたかのような感覚。
それが何やらぱっと光がさしこんだかのように…はっと目が覚めた。
…直接声が聞こえた…否、思い出されたのは…偶然なのかはたまた必然なのか。
それはレゾには判らない。
だが、判っているのは…ただ一つ。
このままでは……大切な『家族』すべてを、自らのせいで再び失ってしまう…ということ…
なら自分にできることは…残った力で『魔王』の力を封じること……

『邪魔をするなぁ!レゾぉぉお!』
ざっん!!!!!
どぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!
『レゾ』が魔王の声で叫ぶと同時…リナとレナ。
二人の闇の刃が左右交互から『レゾ』の体に振り下ろされる。
完全版の神滅斬(ラグナブレード)が。
二人が放った闇の刃はちょうどレゾの体を中心にしクロスして。
そのままレゾの体を交差するように切り裂き。
それと同時に…周囲にすざましいまでの爆音と…そして。
衝撃波が吹き荒れてゆく。


立っていられるのもやっと。
というほどのすざましい衝撃波。
「リナっ!」
「きゃっ!」
レゾの体をそのまま切り裂くと同時にその衝撃波にその場から吹き飛ばされ。
思わず吹き飛びかけているリナをあわてて抱きとめているガウリイに。
「んきゃっ!」
「うわっ!!」
飛んできたレナをあわてて抱きかかえて保護しているラウリィ。
すでに二人の手の中からは闇の刃は掻き消えている。
相手は魔王。
ゆえに、中途半端では通用しない。
それが判っているからこそ…全力で攻撃を叩き込んだ。
レゾがいた場所を中心として…ものすごいまでの衝撃波が周囲に吹き荒れ。
周囲の木々…という木々すべてをなぎ倒し……まるで死の大地。
とでもいうかのように…辺りを覆ってゆく……
レゾを中心としてちょっとした巨大な円を描くように…その衝撃は広がってゆき。
そんな中。
かろうじてどうにか持ちこたえているリナ達の姿が見受けられてゆく……


ほうっておけば、まずは灰と化す…まではいかなくとも、火傷くらいは負う熱気。
まあ、あの両親と、そしてレナ、と呼ばれし人間は無事。
というのは明らか。
これは抑えられていた『赤眼の魔王(ルビーアイ)』の力の余波。
とでも言うべきものに近いもの。
ガウリイはその手にしている剣で衝撃を吸収しその力を分散している。
というのは目で見えなくても…おのずから自然と判る。
「…ね〜さま?おか〜さまたちは?ねえ?なにがどうなったの?」
ぎゅっ。
と自らの服をつかんで不安そうに問いかけてくる栗色の髪をなでつつも。
「だいじょうぶっ!リナか〜さんとガウリイと〜さんだし。」
安心させるようにと話しかける。
自分達の周囲には…衝撃波は襲ってきていない。
というよりはよけていっている…というのが正解ともいえるかもしれないが。
何やら先ほどの男性二人。
ロディマスとゾルフとかいう男性たちはそのまま吹き飛ばされていっていたりはするが。
そんなことは関係ない。
今は…それよりも……
―――汝の願いは?……レゾ=グレイワーズ……
その身を挺して大切な存在を守ろうとするその心。
強い想いはそのまま力となり…不可能、と思われていることですらも可能にする。
だからこそ……
闇に沈もうとしている『レゾ』の精神にと直接話しかける。

まだ…『彼』はするべきことがある。
それゆえに…
自分はただきっかけを与えるだけであり、力を貸す…ということはしない。
あくまでも…それは、『人の心』が決めること……


もくもくと立ち上る煙の中…
やがて……
周囲の空気が明らかにかわってゆくのを感じ取り…
「やった…のか?」
どうにか膝をつきつつも吹き飛ばされることなく体勢を整えていたゼルガディスのつぶやきが。
吹いてきた風にと流され…そして掻き消えてゆく。
そして…

レナやリナ。
そしてラウリィやガウリイが体勢を整えて再び立ち上がりかけたその刹那。

ゆらっ……

彼らの視界にうごめく一つの影が捕らえられてゆく……


                ――続く……


#####################################

あとがきもどき:
薫:…そういえば、レゾの家族がどうのって…あれって干渉されてる…って。
  ダレにですか?エル様?
L:え?ああ。フィブリゾのやつによ。
  レゾの中にSがいるのがわかって。なら北のSのときと同じく。
  大切な人を殺して覚醒させよう。という何とも単純な考えで。
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
L:まあねちねち…もとい、ゆっくりと追い詰めてゆく。というのがあいつらしいけどね。
  でもねぇ。やってもいいけどあたしというか今の家族に手出ししてほしくはないわね。
薫:・・・・(いや、やってもいいって……汗)
L:しっかし…Sのやつ…あたしの微々たる力とはいえ…力うけても気づかないとは…
  やっぱりこれは呼び出しのうえじっくりとお仕置きは必要よねぇ。
薫:……(気づいてても認めたくない…というのが心情だったりして…汗)
L:んっ?何かいったかしらv
薫:い…いえっ!何でもっ!
L:どうして認めたくないのかしらねぇ。ならとりあえず。
  今回はじっくりとあんたにも教えてあげることにするわねv
  肉体はとりあえず器の制限あるから、意思を肉体から抜け出して・・・っとv
薫:それっ!!!!!!!!
L:それでは、制限なしの『勉強会』いってみましょうv
薫:それって勉強じゃなくっ!!!
(何やら悲鳴ともいえない声とともに…薫の姿はやがて消えてゆく・・・・)
L:さってと。なぜかブラックホールもどきの重力ごときでつぶれてしまった人間はおいといて。
  それでは、まったねv
  あたしの活躍っ!もう少し増やすようにもう少し根性いれときますかv
  それじゃあねvv






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32101パラレル・トラベラーズ 〜決着?〜かお E-mail URL2005/11/30 22:51:27
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

完全にパラレル…ですねぇ(しみじみ・・・
まあ、エル様曰く。この世界は自分達・・・もとい、リナ達がこなくても。
レゾの意識が出てきて同じようなことをするらしいですし……
つまりあまりリナ達がかかわったことで溝は出来ては…いない…のかな?(汗
何はともあれ、いくのですv
とりあえず魔王編(?)の決着ですv

#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜決着?〜


周囲を見渡せど、かろうじて前が見えるか見えないか。
熱気と、そして煙が立ちこめ、土ぼこりも立っている。
先ほどまでのすざましいまでの衝撃波はもはやないものの。
だがしかし、だからといって自由に動き回れる…というような状況ではない。
立ち込める煙の中、やがてゆっくりと視界が開けてくると同時。
『人間にここまでのことができるとは…な…』
ゆっくりと、視界の先に見えてくる人影が一つ。
「くっ!」
まさか…アレでもダメだった…とかいうんじゃないでしょうねっ!?
その姿を視界に捉え、思わずリナがちいさくうめくが。
「…そんなっ……」
神滅斬(ラグナブレード)は、金色の母の力を借りた術。
その直撃を…しかも二刀も浴びていくら魔王だとて完全に無事…とはいえないはず。
そんなことを思いつつ、レナもまた思わずうめく。
ふと手の中を見てみれば、先ほどまで握っていたはずの賢者の石の欠片が、
崩れて手の平の中から零れ落ちていたりする。
金色の母の力は絶大。
それゆえに、魔力を増幅しなければ、神滅斬(ラグナブレード)の完全なる発動は。
レナとて不可能であったがゆえに、手の平の中に石を握り発動させたのであるが……
「ちっ!永久と無限を……」
今、かろうじて術が使える状態なのは…おそらく自分のみ。
それゆえに、すばやく早口で呪文を唱えだしているゼルガディス。
合成獣(キメラ)の体であるがゆえに体に衝撃もさほど受けていない。
周囲に立ち込める土ぼこりが収まってゆくのと同時に、彼らの視界に映るのは。
その場に立っている一人の男性の姿。
それは紛れもなく…レゾそのもの。
さきほど確かに腕を二本とも消滅させた…というのに。
その両手もしっかりとついて、大地にと立っている。
「…いや。違うっ!」
「…あれは……」
まだ完全に視界が開けてはいない…というものの。
ガウリイとラウリィの視界はレゾの姿に異変を捕らえ思わず同時に叫ぶと同時。
「…がっ!!!!!?」
呪文を早口で唱えていたゼルガディスがいきなりその場にうずくまり。
そのまま大地に膝を折る。
「「ゼルっ!?」」
「「ゼルガディスさんっ!?」」
リナとガウリイ。
そしてレナとラウリィの声が同時に重なると同時。
ゆっくりと…静かに…
『我は汝たちの努力に免じ…このまま眠ろう…。この我をここまで追い詰めるとは……
  人の身でありながら母なる力をつかえし存在に敬意を表して…な……』
レゾの口から魔王の声と、そして。
「…ゼルガディス…すいませんでした…せめてもの…私の最後の力であなたを……」
レゾ本人の声がつむがれてゆく。
そして。
『再びおまえたちと合間見えたいものだ…今度は遊びではなく…本気で…な……
  長き時の果てに汝らとの再戦を果たしたいものであるが、人の時間は短い…
  残念だが…な……もっと早くに……に…気づいておれば……』
間近で攻撃をうけて気づいた一つの事実。
そしてさらにもう一つ……最後のあの瞬間…レゾの意識を浮上させたのは……
間違えようのないその感覚。
驚愕した表情ですっとリナ達の後ろにといる子供のほうに視線をむける。
『我はこのまま闇にと沈もう……』
ゆっくりと魔王の声がかすれてゆき。
それとともに。
「私の最後の力で…ゼルガディス……私のかわいい…曾孫……
  せめてものあなたのこれからの役に…そして…
  …一つわがままをいうならば…私の分身ともいえるあのコピーを…助けてやってくださ…い……」
さぁっ。
声と同時に風が吹きぬけ、レゾの回りの土ぼこりを取り去ってゆく。
それと同時にはっきりと見えるレゾの姿。
だがしかし、その姿はすでに人の形を成してはいるものの。
まるで土人形のごとくに真っ白となり、体のあちこちにヒビが入り。
ゆっくりと、ゆっくりとその体は崩れ落ちていっている。
声をつむぎだすと同時にその反動で、体が崩れ…そして土となり。
さらにはその土もまた細かく砕け風に吹き流されてかききえていっている。
レゾの声と同時。
小さくうめいて大地に膝をついていたゼルガディスの周囲に光の魔法陣らしきものが浮かび上がり。
そしてその光は瞬く間にゼルガディスを包み込み…そして、次の瞬間には。
ゼルガディスの岩の肌はゆっくりと肌色にと変化してゆき…さらには。
鋼の髪はゆっくりと、黒い色にと変わってゆく。
「私の最後の力で…ゼルガディス…あなたを元の姿に……そして…石を……」
レゾの声と。
『我は再び眠りにつこう…別の我が目覚めるそのときまで……』
魔王の声が同時に発せられ。
次の瞬間。
ザラッッ!
一気にレゾの体の輪郭が崩れ、そのまままるで砂山が崩れるかのごとくに。
レゾの体はそのまま大地に砂と化し還ってゆく。
それと同時に風がふきぬけ。
元レゾの体であったであろうその砂を周囲に風が運んでいき、
後には…何やらその場にきらり、と光る小さな物体のみを残し。
レゾがいた、という痕跡すら残さない台地が残るのみ。


「…これは……」
ガウリイに支えられつつも、その場に近づき。
そこにある光るそれを手にとるリナ。
そこには赤い…赤い、まるで血のような深紅の小さな石が。
「……魔血玉(デモンブラッド)……」
その石の色には見覚えがあるがゆえに思わずリナが小さくうめく。
「ゼルガディスさん?大丈夫ですか?」
「大丈夫?」
リナとガウリイがレゾのいた場所に向かうと同時。
レナとラウリィはゼルガディスのほうにと歩いていき、
未だに膝をついたままのゼルガディスにと話しかける。
一体何が起こったのか…理解できないままに。
ふと自らの手をみれば…今まで見慣れていた岩の肌ではなく…紛れもなくそれは…
「…なっ…こ…これは……」
おもわずぱたぱたと体を触り、確認する。
……人に戻ってる?
そうゼルガディスが理解するよりも早く。
「どうやら。レゾは最後の力であなたを元の姿にもどしたみたいね。」
大地に落ちていた石を拾い、そんなゼルガディスの元にと歩いてきたリナが一言いい。
そして。
呆然としているゼルガディスの手をつかみ。
その手の平の中に拾った石をつかませる。
それはおそらくは、レゾが飲み込んだ賢者の石の欠片。
それがレゾの中で凝縮されて完全な魔血玉(デモンブラッド)に変化したものであろう。
というのは何となくであるがリナは理解できる。
「…俺は…元の体に…人の体に戻れたの…か?」
思わず呆然とつぶやくゼルガディスの声に。
「どうやら。そうみたいだけど。」
針金のようであったその髪はやわらかな黒髪にと変化し。
そして青白い岩の肌は普通の肌にと変化している。
どこか見た目、雰囲気的にレゾに似てなくはないその顔立ち。
そんなゼルガディスにと返事を返しているラウリィ。
「それはそうと。これ。」
そんな会話をしているラウリィにとガウリイが落ちていた剣の柄部分のそれを手渡し。
そして。
「悪いが。……まだ完全に終わった…とはいえないぞ?」
いいつつも、
剣に手をかけ警戒した声を発し周囲を見渡しつつもその場にいるリナたちにと話しかける。
ガウリイがそういうと同時。

『がぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!』
何やら聞こえてくる獣らしき声と。
「おか〜さぁん!何かすっごいレッサーデーモンがこっちにきてるよ〜!!」
「か〜さまぁ。まわりにすっごくいるよ〜!」
とてとてと、リナたちのほうに走ってきつつも、そんなことをいっている二人の子供たちの声。
ふとガウリイや子供たちの声に回りをみてみれば…視界のかなたではあるものの。
あきらかにこちらに向かってきている…影が多数。
それらが人ではない異形の存在…である。
というのはあきらか。
周囲の木々はすでに魔王の影響で倒れ周囲は広々とした大地と成り果てている。
まあ木々が倒れ焼け焦げくすぶり、大地も焦げて熱を多少帯びている。
というのを除けば…であるが。
――赤眼の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥの復活しかけたその影響。
魔王が仮にも復活しかけたことをうけ、力を増した下級魔族たちが。
そのまま物質世界に具現化し、小動物などに憑依して出てきているのに他ならない。
それはこの場から半径数キロにわたって起こっている現象。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
そんな事実は当然リナ達は知るよしもないが。
だが…しかし。
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!魔王をせっかく倒してもまだこれかぁぁ!」
その異形の姿をみて思わず叫ぶリナに。
「……あ〜もうっ!こうなりゃとことんやってやるぅぅ!!」
半ばヤケになりつつも、だがしかし。
先ほどの呪文の影響で髪を多少白くしつつもレナが叫び。
「……何か元の体に戻れた…というのを喜ぶのは…これは後回し…だな。」
ため息まじりに立ち上がり、体勢を整えているゼルガディス。
「…こりゃ、やるしかないな。光よっ!!」
ヴッン!
一つため息をつきつつも、掛け声とともに、その剣の柄に光の刃を出現させているラウリィ。
「リナ。あまり無理するなよ?」
「ガウリイこそねっ!」
「おか〜さぁん。だいじょうぶ?」
「か〜さま。と〜さま。だいじょぶ?」
ガウリイとリナがそんなやり取りをしていると、二人の元にととてとて走ってきた二人の子供が。
心配そうな声を出して話しかけていたりするが。
「あたしは大丈夫よ。それより。エルもマナも怪我はない?」
「うんっ!」
「あのね〜。マナたちけがないのに。おじちゃんたちけがだらけなの〜。」
「「・・・・・・・・・・・」」
見れば、そういえば…何やらずたぼろになってうめいている物体…というか約二名。
そんな姿がすこし先に見えなくもないが。
だが…そんなことに今はかまっている暇は…ない。
だんだんと近づいてくる異形の姿。
かるく見積もっても数ダースはいると思われる。
先ほど完全版の神滅斬(ラグナブレード)を全力で放った直後。
それゆえにあまり無理はできない、のもまた事実。
しかも、瘴気に直接触れていたがゆえに体力的にもかげりが見えている。
ゆっくりと休めば回復するであろうが…そんな暇は…どうやらなさそう。
そんなことを思いつつも。
「とにかくっ!この場を何とか切りぬけるわよっ!」
背後に子供をかばうようにガウリイと立ち、二人同時に構えそう言うリナの声に。
「「おうっ!!!」」
ゼルガディスとラウリィの声が重なり。
「ね〜ちゃんのお仕置きうけると比べたらこんなのましよっ!」
何やらそんなことをいいつつも半分目に涙を浮かべていっているレナの姿。
そして。
「ふたりとも。無理したらだめよ?」
「リナは二人をっ!ここはオレがっ!」
いって、剣を片手に駆け出してゆくガウリイ。
リナに無理はさせられない。
それゆえに子供たちをリナに任せ、
ガウリイは進んで向かってきているデーモンたちの群れにと突っ込んでゆく。
「…レゾ。使わせてもらうぞ。」
いって、石をぎゅっと握り締め、呪文詠唱を始めるゼルガディスに。
「黄昏よりも暗きもの 血の流れよりも暗きもの……」
ここは一つ、大技で一発決めれば後がラク。
というか今の自分にできること…といえば小技をちまちまだしていけば。
間違いなく魔力と体力が先に尽きてしまう。
体を休める暇がないのならば、ここはやはり一撃必殺。
それが何よりも手っ取り早い。
多少無理をするようではあるが、だがしかし。
…お姉ちゃん…力を貸してっ!
自分の中にいる『リナ』にと心で話しかけ。
『リナ』の力をも借りて術を唱えているレナ。
『るヴぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
それと同時…
魔王の気配を感じ取り…この場に近づいてきていた下級魔族たち。
いわゆるレッサーデーモンやブラスデーモン、といった存在が一斉にと襲い掛かってくる。


「…マナ。おか〜さん疲れてるみたいだから。あたしたちでがんばろっ!」
「マナ。ドライグスレブやるぅ!」
「それをいうならばドラグスレイブ。だってば。」
リナの背後でそんな会話をしている子供たち二人の姿。

視界の開けたこの場所にと集結したそれらを駆除するリナ達の姿が。
しばしその場において見受けられてゆく……

彼らがこの場から立ち去るのには…まだしばらくの時が必要であるらしい……


                  ――続く……



#####################################

あとがきもどき:
L:結局。Sのやつ…神滅斬(ラグナブレード)をうけたくらいで。
  完全に敗北してるし…情けないったら……
薫:…エル様の力をうけたら…普通そうなのでは(汗
L:まあ。最後の最後でこの『あたし』に気づきかけたようだけどねぇ。
  完全ではないにしろ。だけど、レゾの意識を引っ張り出したそれで気づく…なんて。
  まったくなってないったら……
薫:…いや、気づきかけた・・というか気づいたから素直に負けを認めたのでは(汗
L:完全にあたしだ!とまでは気づいてないのよっ!あいつはっ!情けないことにっ!
  あたしの力を使える子供…?くらいにしか思ってないし。
  というか関係者?くらいにしか捕らえてないのよねぇ…Sのやつ…
薫:……信じたくなかったのでは(しみじみ・・・
L:まったく。根性がなってないったら。しかも『レナとリナ』の関係にすら。
  ようやくレナから神滅斬(ラグナブレード)を受けて。
  それに気づいてるし…情けない……
薫:…あ、あのぉ?関係って……いや、やっぱりいいです。(何か怖い…
L:まあ『リナ』の魔力もレナの術の影響でしばらくはまた弱くなってるからねぇ…
  まったく……
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
L:ま。それはそうと。あたしが活躍まったくしてないのはどういうこと?
薫:ぎくっ!!エル様が活躍したらリナというか両親に気づかれますよっ!?
L:ガウリイは気づいてるわよ?産まれたときに。
  ま、それはそうとして。次回はどうする気?
  一気にアトラスにまで飛ぶわけ?それともその間の話を入れるわけ?
薫:・・・すこしほど入れてからアトラスにいこっかと……
L:そvアトラスではあたしの活躍をしっかりと入れなさいねv
薫:(というか…母親たちに術をかけて眠らす子供って・・・汗)
L:いいのよv別にv何ならあんたもうけてみる?
  ちょっと別なタイプの眠りをv
薫:…あ、あのぉ?その後ろにもってきているたっぷりとゼリーらしきものが入った水槽は?(汗
L:さ〜てと。ゼリーベットの中でお休みなさいなv
薫:って!!それって死にますっ!!
L:遠慮せずにv…えいv
薫:…んきゃぁぁぁぁぁぁぁ!!
L:さて。なぜか水槽にはいったとたん。ゼリーに食べられて消えた人はおいといて。
  それでは、まったね。これでとりあえず初めのイベントは終わりらしいわよv
  それじゃあねvv

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32108パラレル・トラベラーズ 〜痕跡?〜かお E-mail URL2005/12/2 22:06:19
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

今回は。魔王との戦いが終わった後のちょっとした一こま?です。
魔王が一応倒されても…痕跡は残ってますからねぇ・・ええ・・切実に(こらこら…
何はともあれ、いくのですv


#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜痕跡?〜


「……またか。」
もはやもううんざりしかけている。
とりあえず、レゾを器としてよみがえりかけていた魔王をどうにか撃退した。
それまではよかったが……
というか、よくもまあ伝説ともいえる魔族の王に勝てたものだ。
と目の前にいる人物に驚愕せざるを得ないが。
だがしかし。
魔王を撃退してもそれで終わったわけではなく…むしろそれが始まり。
といっても過言でないのかもしれない。
そんなことを思いつつもため息が漏れ出してしまう。
「……つ〜か…たしかにこれは面倒よね……」
疲れた口調でいっている栗色の髪の見た目十三かそこそこの少女。
だが実際はもうすぐ十五になる、という年齢なのであるが。
「…多分。魔王の影響で下級の雑魚たちが一時力をつけて。
  それで出てきたのがそのまま残ってるのよ……」
こういう状況を知っているがゆえに、ため息まじりに言っている二十歳くらいの女性。
もう一人いる少女とまったく同じ容姿…というのであれば。
知らない人がみればまずは姉妹くらいにしか思わないであろうが。
まあ、そのほうが確かに問題はない…といえばそれまでなのであるが……
「しかし…これは確かに異常ですな。」
いいつつも、目先にある村が燃えているのをみてそんなことをいっている中年の男性。
「しかし…一体……」
説明をうけても今もなお半信半疑…というか何が起こったのか理解していない残りの一人の男性が。
そんなことをつぶやいていたりするが。
「…これは、どうも小さい村とか…やっかいなことになってそうね……」
魔王の復活により力をつけた魔族たち。
だがしかし、その魔王は復活してすぐに倒され…はしゃいで物質世界に出てきた、
下級魔族たちはそのまま大地に居座っている、この現状。
先刻までいた場所と違いこの辺りは森の木々などはなぎ倒されていたり、
また瘴気に侵されて腐食していたり…はしないが。
だが、それでも、目につくのは…普通ならば滅多といるはずのない野良デーモンの姿。
「…またか……」
はぁ……
すでにもう幾度目のため息であろうか。
十代後半であろう金髪の髪の少年が思わずため息を漏らしつつため息を漏らす。
「なんかでーもんおおいね〜。」
「でもざこだし。」
のほほんと、そんなことをいっている二人の幼女の姿。
まず第三者が見れば、一体何の旅の仲間なのか?
と疑問に思うようなメンバーの幼女二人を含めた九人の姿。
「だぁぁ!あたしはいい加減にどこかでゆっくりと休みたいのよぉぉ〜〜!!!」
「同感…リナお姉さん……」
「右に同じく。」
「オレは腹減ったなぁ〜……」
二十歳くらいの女性の言葉に、そっくりな年下の少女が答え。
これまたまったく同じ容姿の男性二人が交互にそんなことをいっていたりするのだが。
「…とにかく。ほっとくわけにはいかないだろう…」
白いフードをぱさり、と外しつつもそんなことをいう男性の言葉に。
「そうはいうけど…ゼル?これでいったい幾度目の村よ……」
そんな彼にむかってじと目で話しかけているリナ、と呼ばれし女性の姿が。

彼ら九人。
リナ、ガウリイ、ゼルガディス、レナ、ラウリィ、ゾルフ、ロディマス。
そして子供たち二人、マイナとエイル。
この九人がとりあえず、どこかで休もう…というので歩き始めてはや数時間は経過している。
その間にも小さな村などは点在していたものの…だがしかし。
ことごとくそれらの村はレッサーデーモンなどに攻撃をうけており。
ゆっくりと休める…という状況ではないこの現状。
とりあえず、交替で見張りにつき多少の休憩はとったものの…
だが、やはりゆっくりと体を休めないと体にかかっている負担はのかない。
何しろ、完全に『覚醒』していなかった…とはいえ。
伝説級、ともいえる魔族の王。
赤眼の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥ。
その魔王と戦った後なのだ。
魔力的にも体力的にもいい加減に限界が感じられている今の状況。
それなのに…である。
ゆっくりと休める場所がない…というのは、肉体的だけでなく精神的な疲労も伴い始めている。
すでに夜は明けて太陽の光がまぶしい…というのに。
体力、そして精神的な疲労がたまり、もはや疲れ果てている彼らたち。
唯一元気…といえば子供達くらいであろうか。
子供たちは両親であるリナとガウリイが交互におんぶしたり抱いたりしているがゆえに。
体力的にはさほど疲れてはいない。
だがしかし…疲れている、というのには変わりがなく。
母親であるリナとしては早く子供たちをゆっくりと休ませたい。
というのが本音。

「…しかし。確かに、ロクに食事もできない…というのも困りものだな……」
力のない村人などにとってはたとえリナ達にとっては雑魚といえるレッサーデーモンなどでも。
それは脅威以外の何ものでもなく。
それゆえに襲撃をうけた村などは旅人を迎え入れるどころではない。
家屋が壊れ、またけが人なども多数でている。
ほうっておけないがゆえに、そんなけが人などを見つけたら、
回復魔法が使えるリナ・レナ・ゼルガディス、そしてラウリィの四人は。
それぞれ村人などに治癒(リカバリィ)などをかけているのだが。
それゆえに魔力の疲弊も並大抵のものではない。
子供たちも回復魔法は使えるがいかんせん。
子供の魔力と大人の魔力とでは確実に異なる。
しかも…大怪我をしている人間の姿など…普通子供に見せたい大人などいるはずもない。
それゆえに、分担してやっていたりするのだが……
「いいはた迷惑よね……」
まあ、それでも。
復活しかけていた時間が短いからか、はたまた出てくる数が少なかったのか。
それはリナにも判らないが。
だが、確実にいえるのは、かつて自分が経験していたデーモン大量発生。
あれよりはまし…といえるだろう。
という程度。
いくら襲撃をうけていても、村ごと壊滅…という事態は今のところ見た限りは起こっていない。
他の場所ではどうなのか…が気がかりではあるのだが。
とりあえず、どこかでゆっくりと休んで…それから落ち着いてから話を…
という初めの段取りはもはや完全に失われている…といっても過言ではない。
だからこそ。
野宿の最中に簡単な説明などを交わして今後の話し合いなどはしている彼ら。
「ま…まあ。とりあえずこの辺りで一番大きな町…アトラスまでいけば。
  ゆっくりとできるとおもうし……」
半ば疲れた口調でそうつぶやくその言葉に。
「まあ。確かに。レナの言う通りだろうけど…ね。」
はぁ〜…
いいつつも、剣を構えてどうやらこちらにやってきているらしきデーモン達に備えて体勢を整える。
「ラウリィ。油断するなよ?」
「わかってますってば。ガウリイさん。」
そんなラウリィに声をかけるガウリイと呼ばれた青年の言葉に。
「ああもうっ!本気であれながしたいぃぃ!!」
何やら涙まじりで叫んでいるそんなリナの言葉に。
「「…それはやめとけ……」」
「「それはやめろ。」」
「いや。それはちょっと……」
なぜか子供たち以外の全員の声が一致する。
「でもさぁ。ある意味、最強の攻撃と思うけどなぁ…ミルガズィアさんのあれ……」
あまりに多くのデーモン達をあいてに、半分ぶちきれ。
子供がもっていた記憶球(メモリー・オーブ)を受け取り。
それを『再生』させたのは……
それは昨夜の出来事。
なぜか判ってはいたが…確かに野良デーモン達は一斉にいなくなったものの。
ついついあまりに疲れていたがゆえに、自分達の耳をふさぐことすら忘れてしまっており。
しばらく動けなくなったのは…全員記憶に新しい。
「おか〜さん。それより。これのほうがはやいよ。」
いうなり、すうっと息を大きく吸い込んで。
そして、ただ一言。
いっせーのっ!
子供たち二人が同時に顔を見合わせて。
「「ろーどおぶないとめあっ!」」
バシュッ!!
……しぃん……
「よしっ!」
「…あ。その手があったか。」
子供たち二人が同時に叫ぶと同時、近くにいた野良デーモン達が瞬時に消滅し。
それをみて目から鱗が落ちたかのような表情をしてぽん、と手を叩いているリナの姿。
そしてまた。
「「「……おい……」」」
それをみて、思わず目を点にしてつぶやいているゼルガディス・ロディマス・ゾルフの三人。
「そういや…確かに。あれは。魔族にも有効だろうけど…
  でもむやみに口にだす名前じゃないとおもうなぁ〜……」
一人どこか遠くをみてそんなことをつぶやいているラウリィに。
「背に腹はかえられない。ということで。
  とりあえず、そろそろ町が見えてきてもいいころなんだけど……」
それであっさりと済まし、そんなことをいっているそんなレナに対し。
「あ。みえてきたぞ?あれじゃないのか?」
未だに煙が立ち上っている小さな村のすこし先に。
何やら壁らしきものに囲まれた町が丘の先に垣間みえている。
「ああっ!ようやくついたわっ!アトラス・シティにっ!!」
はっきりいって、ここまで疲れていればすこし大きめの町がかなり救いの地にみえてくる。
というか、いくら何でも大きな町ならば、小さい村などとは違い。
宿屋などでもゆっくりと休め、また食事くらいはまともにできるだろう。
と思うのは人の心情。
ふと、リナの心の中にはかつてのアトラスでの出来事が頭をよぎるが。
…かかわらなければ大丈夫かな?
とも思ってしまう。
というか、今はそんなことよりも…はっきりいってからだを休めたい。
というのがそもそもの本音。
それはどうやら全員にいえるらしいが…
「とりあえず。ゼルたちもアトラスで休んでからそれからにするんだろ?」
「…まあ。な。」
レゾの最後の力で人間の体に戻れはしたものの。
だからといってこれからの目的がなくなった…というわけでは…ない。
レゾの最後の言葉。
自分のコピーを…というその言葉と。
そしてまた、今までレゾがしてきたことによって自分と同じような目にあっている人々。
そんな人々がいる…というのがわかるからこそ。
そんな人々のためにも、自分自身の手で下の人の体に戻す方法は把握しておきたい。
それがせめてもの…残された自分の罪滅ぼし…になれば。
そう思っているゼルガディス。
今までのままの合成獣(キメラ)の姿だったならば。
ああいう大きな町などはすこしばかりヤバイかもしれないが。
だが、今の姿ならば…元の姿ならば何も問題はない。
というかこの姿ならば自分が『白のゼルガディス』だとほとんどの存在には気づかれないだろう。
そう確信しているからこそ……
そしてまた、もうひとつ。
あの町のたしか評議長とレゾは親しかったはず。
ならば…何か『コピー』のこともしっているかもしれない。
そういう思いがゼルガディスの中にはある。
「とにかくっ!いくわよっ!」
残りの力を振り絞り、見えている町にむかって進んでゆくリナに続き。
「これでやっとおいしいものがたべれてゆっくりやすめるぅ!」
うるうると瞳を潤ましてそんなことをいっているレナ。

そんな会話をしつつも。
リナ達一行九人は…視界の先に見えている『アトラス・シティ』に向けて足を進めてゆく。

―――あの地では、今は……
すっとその町をみてエルが目を細めていたのは…ダレも気づいていない事実……


              ――続く…



#####################################

あとがきもどき:
薫:はいっ!今回はかなり客観的視点で捉えてみました(かなりまて
L:ようやく次回からアトラス編よねぇ。
薫:あ…あははは……
L:というか。アトラスでもSの影響でまくってるんだけどねv
薫:……あのぉ?エル様?……いや、いいです(聞くのが怖い…
L:ま。別にいいけど。セイグラムなんてどうせ雑魚だしv
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・な、何はともあれ。
  次回でアトラス・シティにリナ達一行は入ります。
  そこでリナ達を待ち受けているものは?
L:ってそんな大げさなものじゃないでしょうが。
  それはそうと。今年中にこれ終われるんでしょうねぇ?あんたは…
薫:無理ですっ!(どきっぱりっ!
L:ほぉぉぅ。小説全体の編集作業も終わらせられそうにないわよねぇ?
薫:…うにゃぁぁぁ(滝汗…
L:どうせなら。あたしが主人公の漫遊記やりなさいなv
薫:確かに漫遊編集してるせいか頭の中が漫遊化してますけどね(実話…
L:そうときまればvさ。さくさくっと。寝ずに作業しなさいなv
薫:無理いわないでくださいっ!って!あの…エル様?それは…
L:手を休めたらそのまま頭上から刃がおちるわよv
薫:それって闇の刃じゃっ!!んきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??
(そのまま闇の刃に飲み込まれてきえてゆく・・・)
L:あら?何かきえちゃったわ。ちっ。
  こうなったらただの打ち込み人形として再生させましょうかねv
  何はともあれ、それではまた次回でねvまったねvv

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32111お久しぶりです。惣流 舞 2005/12/3 15:16:32
記事番号32108へのコメント


 こんにちは、かおさん。全く持ってお久しぶりでございます。
 覚えておられますでしょうか、惣流 舞です。
 久しぶりに顔を出したところ、かおさんの長編がたくさん投稿してあり、驚くと共に嬉しかったです。
 相変わらずの連日投稿、お疲れ様です。
 本当に尊敬します!
 お話も、数年後のガウリナとその娘達(エル…さんが気になります・汗)と、平行世界という、かおさんらしいお話でこれから先が気になります。
 それでは、短いですがこれで失礼します。
 これからもエル様の暴挙…もとい、指導に負けず、頑張ってくださいね!

 惣流 舞




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32112お元気でしたか?かお E-mail URL2005/12/3 21:19:17
記事番号32111へのコメント

こんにちわ。舞さん。おひさしぶりです。
コメントありがとうございますvお元気でしたか?
> 久しぶりに顔を出したところ、かおさんの長編がたくさん投稿してあり、驚くと共に嬉しかったです。
> 相変わらずの連日投稿、お疲れ様です。
> 本当に尊敬します!
なぜかここに投稿しはじめちゃいました・・。ぽやきにちまちまと書いてたんですけどねぇ(HP上で・・←こら・・汗
連続投稿・・にはなってないとおもいますのです。
これ、編集の合間に気分転換にうちこみしてるもので・・・。
誤字脱字・・気をつけているのだが・・一箇所発見してしまったし・・
幾度も見直してるのに・・しくしくしく(涙・・・
しかも相変わらず文章になっていない・・と自覚はありありです。
> お話も、数年後のガウリナとその娘達(エル…さんが気になります・汗)と、平行世界という、かおさんらしいお話でこれから先が気になります。
似たりよったりの作品が私多いですからねぇ(自覚あり
エル様・・もといエルちゃんですか?
そりゃ、あの御方ですからねぇ・・。暴走しないように祈ってます(切実・・
とりあえず、次回からはようやくアトラス編に突入なのですv
アトラスではリナ達の活躍・・というよりは。
ほとんど子供たちの活躍・・というほうが正しいかもしれないですが(まて
何はともあれ、コメントありがとうございますv
のんびりとやっていきますのでv
他の編集が終わり次第、凍結してる状態になってるフォーエバーも投稿する予定です。
それでは、わざわざのコメントありがとうございました!
ではではvv
Byかお

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32113パラレル・トラベラーズ 〜気配?〜かお E-mail URL2005/12/3 22:47:33
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

今回から、ようやく本編二巻分のアトラス編ですv
というか、しょっぱなから原作とはかけ離れた設定となってますけどねぇ。
何はともあれ、いくのですv
このたび活躍するのは…主に子供…(?)かな?(こらまて…汗

#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜気配?〜


「……?」
「何か異様に人が…ざわめいてないか?」
町に入るなり、あきらかにわかる負の気配。
正確にいうならば、負の気配…というか混乱と戸惑いに満ちた気配。
とでもいうものであるけども。
町中に兵士達の姿がひっきりなしに右往左往しており。
そしてまた。
どうみても魔道士協会関係者らしき魔道士らしき人までもが走り回っていたりする。
しかも。
いつもならば、町に入るときには検問…などというものはないはずなのに。
なぜかきちんと見張りの兵士などが今では町を守る防壁の前にと立っている。
まあ、とはいえ一人ひとり、きちんと検問をしている…というのではないらしいが。
どんよりと町の空気そのものがよどんでいる。
というのはいくら鈍い存在でも簡単にと判る。
そんな光景をみて思わずつぶやくゼルガディスの言葉に。
「…まあ、この辺りもデーモンの関係じゃないの?」
そんなゼルガディスに答えているレナ。
「とりあえず。あたし達は先に宿屋にいってから休んで。それから魔道士協会いくけど。
  皆はどうするの?」
首をかしげつつも、だがしかし、早く子供たちをゆっくりと休ませたい。
そう思うがゆえに、リナが全員を見渡して問いかけていたりするが。
そんなリナの言葉に。
「あ。あたしは先に魔道士協会にいくわ。」
いつも立ち寄った町や村に魔道士協会があれば挨拶にいくのは恒例にしてるし。
そんなことを思いつついうレナに。
「じゃ。俺もついてくよ。」
そんなレナについていくといっているラウリィ。
このレナとラウリィ。
何やら似たような立場からか結構話が弾んで意気投合していたりするのであるが。
レナはその身の中に双子の姉の魂を一緒に保有しており。
ラウリィはラウリィで所持している剣の中に双子の兄の魂が封印されており…
ある意味似たもの同士のこの二人。
リナとガウリイ。
そしてレナとラウリィが彼ら四人が一緒に並んでいれば、大概他の者がみれば。
兄弟、姉妹で旅をしているんだな…と思われていたりする、という現状もあったりするが。
別に訂正するのも面倒なので思う人には思わせている彼らたち。
「それじゃ。俺たちはとりあえず。情報収集をかねて酒場だな。」
「酒場…ですか?ゼルガディス殿?」
そんなゼルの言葉に首をかしげてといかけるゾルフに対し。
「では。儂はとりあえず。宿を確保しておきますじゃ。
  …どうやら何やらごたごたしているようなので部屋がなくなっても困りますからな。」
きちっとお辞儀をしつつも、そんなことを言っているロディマス、と名乗った中年男性の姿が。
「じゃ。とりあえず…後で宿屋の一階の食堂で……」
『了解。』
それぞれに簡単にわかれを済まし、後で合流して簡単な情報交換をすることにし。
ひとまずそれぞれ別々にと行動をすることにしている彼らたち。


……一体……
いくら何でも外に野良デーモンなどが多発しているがため…
という状況だから…というのではなさそうだ。
情報収集にと酒場にとやってきたゼルガディスが感じたまず第一印象。
それは…全員が全員、何やら何かにおびえている…というそんな印象。
中には、まだ日も暮れていない…というのに浴びるほどお酒を飲んでいるものもいる。
それなのに…である。
普通ならばアルコールが入り賑わいを見せているであろう…酒場の中は。
結構な人数がいる…というのに静まり返っていたりする。
人はいるのに…まるで、そう。
何かにおびえているかのごとくに……
そんなゼルガディスと、戸惑いを隠せないゾルフに対し。
「…兄さんたち…町の外からきたのか?よくこんなときにきたもんだな……」
何やら多少やつれ気味の、一人の男性が声をかけてくる。
みれば、服装はといえばよくある典型的な傭兵タイプ。
その赤い髪が印象深い。
何やら目の下に隈のようなものを作っているのは…何も気のせいではないらしいが。
「そうだが……。こんなとき…とは?外の大量のデーモンのことか?」
とりあえず、彼が何か知っているらしい。
そう踏まえゼルガディスが問いかけるが。
「冗談じゃねぇ。…デーモンも怖いが…今この町には……」
そういう瞳の色には根強い恐怖の色が宿っている。
そんな彼の言葉をさえぎるかのように。
「よせっ!ランツっ!噂とかしてたらターゲットにされかねないぞっ!」
何やら悲鳴に近い別の傭兵くずれらしき男の声が。
「ひっ!…と。とにかく。外から来れるほどの実力があるんなら。
  こんなところはとっとと出ていったほうがみのためだぞ?あんたら。」
ぶるっ、と傍目にもわかるほど震え、ランツ、と呼ばれたその男性は。
そのままカウンターにと座りなおし。
「マスター!ウォッカをっ!」
何やらお酒を再び注文していたりする。
そんな彼らの様子をみつつも。
互いに顔を見合わせて…そして。
「マスター。俺たちにも何かを。」
これはどうやら…詳しく話しを聞く必要がありそうだ。
そう判断し、そんなランツ、と呼ばれた男性の横に挟むようにして座るゼルガディスたち。


「……あ、あのぉ……記載に着たんですけど……」
「……何なんだ?この気配は……」
ゼルガディスたちが酒場にと立ち寄っているそんな中。
こちらはこちらで魔道士協会にと立ち寄っているレナとラウリィ。
いつもならば、魔道士協会には大概受け付けの人かダレかがいて。
町に滞在する魔道士などの名前記載を受け付けているのだが……
魔道士協会の中は何やらひっそりと静まり返っている。
そう、まるでダレもいないかのごとくに。
だが、人の姿は確かにみえる。
見えるのに…だが、そんな彼らから感じるのは…紛れもない…恐怖と畏れ。
「…え?あ。はい。すいません……って、こんな時期にこられたのですか?
  外は先日からデーモンが大量に発生しているでしょうに……」
それまでは滅多とみることもなかったレッサーデーモンなど。
といった存在がいきなり町の近くに出現し、さらには街中にまで出現しはじめたのは。
ほんの数日も立たないうちのこと。
彼らは知らない。
その原因にこの目の前の彼女たちがかかわりがある…ということは。
「確かに…かなりいましたけど……。…あの?何かあったんですか?」
どうも協会の内部の様子と雰囲気はそれが原因…というわけではなさそうである。
さらさらと、名簿に名前を記載するレナの名前をみて。
そして。
「…あ、あの?もしかして…あなた…あの『レナ=インバース』殿…ですか?」
何やら恐る恐るレナにと確認してきているレナたちに話しかけてきていた魔道士協会の女性。
「…その『あの』っていうのがかなり気になりますけど。
  たぶんそのレナ=インバースですけど?」
大方、あたしのろくでもない噂とかを想像したんでしょうけど…
そんなことをレナは心で思いつつも。
だがしかし、ここは一応魔道士協会。
協会で騒ぎを起こせば後々面倒…というのは理解しているがゆえに極力押さえ、そう返事を返す。
そんなレナの言葉に。
「ではあのっ!協会から称号をうけておられる!」
「…一応……」
どピンクだけど……
一瞬、故郷においてきている協会からもらっているローブを思い出し。
顔色もわるく答えるレナに対し。
「…あの。それで、そちらの人は?」
後ろにいるラウリィにと気づいて戸惑いながらに問いかけてくるそんな女性の言葉に。
「あたしの連れですけど。」
さらり、というレナの言葉にしばし沈黙しつつ。
「…あの。…できましたらあなた方に力になっては…いただけないでしょうか?」
一目みただけでも相手の力量はそこそこ判るつもりだ。
そう思っているからこそ、レナの後ろにいるラウリィがかなりできる剣の使い手だ…
と見抜いているこの女性。
事実ラウリィは、人間の中でいうなればかなりの腕前…といえるであろうが。
「…力?」
何やらどうやらただ事ではなさそうだ。
そう判断し、警戒しつつも問いかけるそんなレナの問いかけに。
「…ここでは何ですから……とりあえずは…福評議長の部屋に……」
福評議長。
その言葉に、びくんっ!
と他の数名の魔道士らしき人々が一瞬体を震わせているのをレナは見逃してはいない。
…いったい何が?
などとレナが疑問に思う暇もなく。
「…こちらです……」
いって弱々しくもリナ達を…なぜか地下室にとつれてゆくその女性。
……?
福評議長とか評議長の部屋って…普通は二階にないっけ?あとはたまに一階とか?
以前ここにきたときは、たしか二階にあったはず…だけど?
そんなことをレナは思いつつもラウリィと顔を見合わせ。
そのまま地下室に続く階段を降りてゆく。


あからさまなまに判る、不安と戸惑い…そして恐怖と絶望。
そして…畏怖……
あらゆる負の感情が入り乱れている…それはまさにこういうのをいうんだろうな。
思わず宿屋に入るなり思ってしまう。
宿屋の一階にある食堂。
そこには結構な人が…しかもどうみても、ごろつき、もしくはどこかの傭兵。
どうみても一般人ではないような人たちばかりの姿が目につくが…
中にはなぜか家族連れの姿もちらほらと見えていたりする。
しかも、全員が全員。
まるで何かにおびえるかのごとくに…静かにそれぞれに数名のメンバーとなり固まっている。
―――…この程度でここまで畏れる人間って……
思わず内心あきれているエルの心情は…当然リナには判るはずもなく。
「…あ、あのぉ?部屋…あいてます?できればツインで……それかダブルで……」
一部屋でゆっくりと家族で体を休める。
それがリナにとって一番の最優先事項。
そんなリナの言葉に、はっと顔をあげ。
金色の髪に青い瞳の目鼻の筋が整ったかなりかわいい女の子の手を引いている栗色の髪の女性。
そして、金色の髪に青い瞳の剣士のような格好をしている男性に。
そんな男性に抱きかかえられている栗色の髪に紅い瞳の二歳程度の女の子。
そんな四人連れの姿を認め。
「…あ、あんたたち…家族かい?」
おもわず三歳程度の女の子のそのあまりに整った顔立ちに一瞬惚けそうになるものの。
気をとりなおして話しかけるカウンターの中にと座っている受付の女性。
「ええ。そうです。娘たちとそして妻。」
「つっ…」
ボッ!
さらり、というガウリイの言葉に、すぐさま真っ赤になっているリナの姿。
「…おか〜さぁん。いいかげんにそうよばれるのなれよ〜よ〜……」
というか、結婚してから何年たってるのよ…この人間は……
思わずそんなことを内心思いつつも、手をひかれた状態で突っ込みをいれる。
「まあまあ。エル。リナはものすっごいテレやだからなぁ。おまえたちのお母さんは。」
いいつつもにこやかな笑みを崩さないそんな金色の髪の青年の言葉に。
「まあまあ。ものすごい初心な奥さんをもらったんだねぇ。
  …でも、よくこんな状況で…でも。悪いことはいわないよ?別の町にいったほうがいい…
  今から出かけたら日が暮れるから仕方ないにしても…明日一番にでも。
  この町をたったほうがいいよ?そんなにかわいい奥さんと。そして娘さんたちがいるんなら。
  …なおさらに…ね。」
いいつつも、宿帳にと記入しているリナをみつつも、鍵をガウリイにと手渡して。
そんなことをいってくるその女性。
そんな彼女の言葉に。
「?…何かあったんですか?」
どうも町の様子が普通でない…というのはわかっている。
自分がかつて…というか、自分達の世界で『ここ』に来たときには。
こんな雰囲気にはなっていなかった。
それが判っているからこそ…リナは不思議に思いつつ問いかける。
「それが…ねぇ。先日、行方不明になっていた評議長が見つかったんだけど……
  それと前後して町中や町の外に魔物が大量に発生しだしてね…
  それだけならともかく…町の中でも行方不明事件があいついでいて…ね。
  一番の初めに行方不明になったのは…何でも。
  この町の福表議長である、二人。ということらしいんだけど……
  今は夜ともなれば町中を魔物がうろついていたりするから。危ないんだよ。
  いったいどうなってるのかねぇ〜……」
そういう女性の言葉をまるでさえぎるかのように。
「…福評議長の二人は…ありゃ、行方不明なんかじゃねぇ…あれは……」
「おりゃあ。異形の魔物以外にも。人あらざる魔物をみたぞ…ありゃ、悪魔だ…」
何やら声を震わせてそんなことをいっている、どうみてもごろつき…
格好だけは一人前の剣士や傭兵…という格好をとっている男たち数名の声がしてくるが。
「…評議長って……」
もしも、自分がいたというか経験した時間と同じような時間が流れているとすれば。
この平行世界でも、また同じようなことが起こっている。
という可能性は否めない。
そう…魔王の一件のように…
そんなことを思いつつ、思わずリナが小さくつぶやく。
「ずいぶん前に。この町の魔道士協会評議長。ハルシフォム様が行方不明になってねぇ。
  それが先日。ひょっこり戻ってきてね。数日後に何でも。
  本来ならば新たな協会の評議長を決める会議があったらしいんだけど…
  当人が戻ってきた…というので、それは流れてね。
  それで…行方不明になっていた評議長から話を聞く。
  というので会議とか行ったらしいんだけど……そんなときに。街中にも魔物が出始めてね……」
魔道士協会評議長のハルシフォムが行方不明になった。
というのはこの町、アトラス・シティの人で、その筋の情報がつかめるものならば。
誰でも知っている事実。
ゆえにこそ、宿を守っている彼女にすらその情報は当然と伝わっている。
宿屋は酒場と同様に、同じく情報交換の場でもあるがゆえに。
とりあえず、状況をまったく知らないらしいリナ達家族にと。
親切にと説明してくるそんな宿屋の女性の言葉をうけ。
静かに…そして小さく。
「…ガウリイ。ここ、もしかして何か…いる?」
こそっとガウリイにと問いかけているリナ。
「ふたつほど。まえにどっかで知ってる気配がしてるぞ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
さらり。
とリナの問いかけに答えるガウリイの言葉に、思わずリナは絶句してしまう。
つまり……
「それより。おか〜さんたち。マナがねむそ〜だし。はやくへやにいこ?
  ごはんはあとからでもたべられるし。」
そういう自分も体力的に限界が近いらしく、かなり眠いが。
それは気力と精神力でどうにか保っている。
そんなエルの言葉に。
「そ…そうね。とりあえずご忠告ありがとうございます。ガウリイ。いくわよ。」
ここで話ようなことでは…ない。
それゆえに。
エルの言葉をうけて、そのまま二階にとあてがわれた部屋にとリナはエルたちをつれて。
そのまま上がってゆく。

ガウリイの言葉が意味することは。
リナはよく理解している。
すなわち…この町には…純魔族が二体ほど…いる…というその事実……


        ――続く……



#####################################

あとがきもどき:
やぁぁっと!アトラス編に突入よっ!
というか、この回、あたしがちょっとは動いてるのよねぇ。
あ、薫の代理のLよv
何か薫のやつは彗星と衝突して、どこか天空のカナタに飛んでったからv
ようやく!すこしは人の器の限界挑戦できるかしらv
わくわくわくv
何しろルナたちの目とかリナ達の目があって出来なかったからねぇ。
今の今までvv
しっかし…最近の魔族って…情けないわねぇ。
あたしのたかが通り名の一つだけで滅んだり消滅したりするなんて…
あたし、そんなによわく設定してないわよっ!
というかこれはやっぱり元となってるSのやつが元凶よねぇ。
もうちょっとしっかりとお灸…もといお仕置き…もとい、気合をいれとかないとねv
何はともあれ、それでは、また次回でv
それじゃ、まったねvv

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32116パラレル・トラベラーズ 〜実状?〜かお E-mail URL2005/12/5 20:38:43
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

こんにちわ。ようやくアトラスの元。
ともいえる核たる部分がでてきますv
というか、姿かわった二人をみつけないことには話しになんないし…
…次回でセイグラムたち…だせるかな?
何はともあれ、いくのですv


#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜実状?〜


数日前。
何やら空気が変化したような感覚。
それは気のせいなのか、はたまた何かがあったのか。
それは誰にもわからないが。
だが、その直後。
長いこと行方不明になっていた魔道士協会評議長。
その彼が見つかった…それはいいものの。
その直後…いや前後から町や町の外などに大量に発生しはじめた野良デーモン達。
それゆえに、どこにいっていたとか追求などは二の次で。
そんなデーモン達の処理にと追われていたこの町の人々。
それに伴い町の人々が大量に行方不明になり始め。
それだけならまだしも…町の中にどうみても人あらざる何かが闊歩し始め…
さらには……


「…ふぅ……」
どうやらまた厄介なことになってそうね……
思わず湯船の中でため息が出てしまう。
とりあえず、宿にと部屋をとり。
宿にとある総合浴場にと入っているリナ。
ちなみに男湯と女湯は当然別れているのでガウリイは一人で入っているのだが。
リナはリナで子供たちをひとまず風呂にと入れている真っ只中。
何しろここ数日、こちらの世界に来てから…というのも。
というか、正確にいうならばあの戦い以後、まともに風呂にも入れない。
という状況が続いていたのだ。
ようやく一息つける…といっても過言ではないが。
「以前のときは……」
いいつつも、かつてガウリイと共にかかわった出来事を思い出しているリナ。
あのときは、この町の評議長であったハルシフォムという人物が。
魔族セイグラムと契約し、あまつさえ不死の契約を結んでおり…
といった内容であったが…
どうやら今のこの状況も似たりよったり…といえるのであろう。
いや、どうも話を聞く限り。
どうやらおそらくは封印されていたはずのハルシフォムはすでに解き放たれており。
そのハルシフォムが何かを騒ぎにまぎれてやっている…と考えるのが正統であろう。
それが判るからこそ。
リナとしてはあまり係わり合いになりたくはない。
というか、むしろ万が一…
あのときのディミアのような姿にここのディミアまでもがさせられているとするならば…
それを子供に見せるのは教育上、はっきりいってよろしくない。
今この町がどのような現状になっているのかは…判らないが。
いえることは…ただ一つ。
はっきりいってまたまた魔族がらみ…ということと。
そしてまた…今ここで、あのセイグラムとは決着をつけておかねば。
後々…そう、後々レナたちに厄介ごとが降りかかってくる…ということ。
自分達に降りかかってくる可能性もなくはないにしろ。
だがしかし、本来自分達はこの『世界』の存在ではない。
ゼフィーリアにと戻り…いや、出向いていき元の世界に戻る方法がないか調べてみる。
おそらくはそれで自分達は元の世界に戻れるであろう…というのは漠然とであるが。
何となく勘ではあるが確信をもっている。
もっているからこそ…どうにかしたい。
というのもまた事実。
事実、後から合流して今後のことを話し合う…というその場で。
リナはあのコピーの一件をも話すつもりではある。
…サイラーグ・シティの破滅がこちらの世界でも現実とならないように……
ゼルガディスの口から神官長にと話がいけば、おそらくは間違いはないであろう。
そもそも、あれは神官長が…シルフィールの父親が。
あっさりとコピーを信じてしまい町にと招きいれたがゆえに起こってしまった出来事。
最後のレゾの言葉から、この世界にもあの『コピーレゾ』がいるのは明らか。
わしゃわしゃわしゃ。
ざばっ!
「おか〜さぁん。からだとかみ、あらいおわったよ〜。」
自分でやる、といってきかなかったエルはとりあえず当人に任し。
リナはリナで半分まだ眠りかけているマナを風呂に入れているこの現状。
支えていないとそのまま風呂の中で眠ってしまいそうなマナがいたりするのだが。
それゆえにリナとしては気が気でないが。
幼い子供…というのは、場所などを問わずにすぐに爆睡してしまうがゆえに。
それが風呂に入っているときであろうが遊んでいるときであろうが…
食事をしているときであろうが…
とにかく時間を選ばない。
子育てとは戦争である。
とよく人から聞いてはいたが…自分が経験してみてよく理解できる。
確かに戦争ではあるものの、だけども日々の子供の成長も楽しみ。
というのもまた親の特権。
「よくできたわねぇ。エル。えらいえらい。それじゃ、ゆっくりと体を温めてからでましょうね?
  湯冷めとかしないようにね。」
「は〜い。」
リナにといわれ、綺麗に髪などをすすぎ。
そのまま湯船にと肩までつかり、ひとまず体を休める。
人の器…というのもは、結構面白いようでいて結構不便。
そんなことを思いつつも、ひとまずは湯船の中でゆっくりと浸かるエルの姿。

ひとまず、ゆっくりとお風呂にと入り体を休め。
それから簡単にと食事を済まし、部屋にともどってゆくリナ達の姿が。
よっぽど疲れていたのかあまり食事をすることもなくそのまま仮眠をとっていたりする。
という事実もあるのだが…それは他の者には判らないこと。



いったい……
地下に降りてゆくにしても、あまりにおかしい。
地下から感じるのは…あきらかな異なる気配。
「……おい…レナ?」
「…わかってる……」
協会にいた人々の反応もまた異様、といえば異様で……
何があるのかはわからない。
だが…判るのは異質な気配。
「……ここで見たことは誰にも口外しないようにお願いします……町を守るためにも……」
案内している魔道士の声が震えているのも気のせいではない。
「…はい。わかってます。」
「…いったい何があるんだ?」
硬い声で答えるレナに、横で首をかしげつつも警戒を解いていないラウリィの姿。
魔道士協会によったところ。
ある依頼をうけてほしい…そういわれ、魔道士協会の地下室にと案内されているレナとラウリィ。
階段を降りるごとに湿った空気とまとわり付く…何ともいえない雰囲気。
「…ここです……」
ぎぃい……
扉の前にも数名の…なぜか武装した魔道士らしき人が二名。
扉を守るかのように立っていたりするのもかなり異様な雰囲気。
そんな二人に声をかけ、ゆっくりと重たい金属の扉をひらいてゆく。
むっとした匂いと…何ともいえない空気。
コボッ……
それと共に聞こえてくる…似つかわしくない水の音。
何かの容器に入っているかのような……
そしてまた……
『……誰じゃの?』
くぐもったような声が扉の向こうのほうから聞こえてくる。
「…タリム殿。この状況をどうにかできるかもしれない魔道士をお連れいたしました……」
そういう案内してきた魔道士の声も心なしか気のせいではなく震えている。
『……どうにかできるものとは……』
「あの。レナ=インバース殿です。」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
魔道士の声にしばらくの沈黙が部屋にと満ち…そして、やがて。
『あいわかった…そのほうはさがってよいぞ。彼女を部屋に……』
「はい。…さ、レナ殿。」
扉の先にあるのは薄暗い部屋。
促され、レナとガウリイのみが部屋の中にと入ってゆく…
やがて。
ガチャッ…
後ろの扉が閉められる音がし、思わずレナが振り向くと同時に。
『…こんなときにあのレナ=インバース殿が見えられるとは…じゃが…
  ……ああ、儂の姿は探さないでくだされ…人様に見せられる姿ではないのでな……』
暗闇の中から部屋の中にと声がする。
「そうはいいますけど。声だけで話しをしろ…というんですか?」
気になるのはそれだけではない。
…この部屋には…人の気配が感じられない。
それなのにはっきりと声はしている。
違和感をかなり強く感じてしまう。
そんなレナの言葉に。
「…レナ。あの奥に……」
奥のほうに何やら暗闇の中カプセルのようなものが垣間見えている。
それにめざとく気づき視線で示すラウリィの言葉に。
レナもまたそちらにと視線をむける。
そして。
「明かり(ライティング)!!」
呪文を唱え、部屋の中に明かりを灯すべく術を解き放つ。
光量を加減しているがゆえに、持続が可能な光の球を。
レナの放った術により部屋の中が明るく照らされ…
そして……
「「……なっ!!??」」
二人同時に思わず小さな叫びとも悲鳴ともいえない声をあげてゆく。
彼らがみたもの…それは…
先ほどラウリィが視線で示した先にあるカプセルらしきものの中にと入っている……
……人の顔が真ん中にとある…どうみても…肉の塊らしきものの姿……
『…見てしまったのぉ……。こんな姿で申し訳ない……
  気をぬくと儂の気まで狂いそうになるので…な……』
大人の人の頭ほどはあるであろう、どうみてもグロテスク…としかいいようのない。
肉の塊らしき中心にとある人の顔にある口からその問題の主の声は漏れている。
しかも、その肉の塊らしきもの…とみえたのは、まるで腐った肉のように絶えず崩れ落ちており。
さらには、その崩れた肉を肉の中から発生したヒルのような細長い生き物がすすり、
それに伴いそれについている顔の主が苦痛の表情をゆがませる。
「……いったい……」
思わずラウリィが戸惑いの声を発すると同時。
「……まさか……屍肉呪法(ラウグヌトルシャヴナ)……」
一つの可能性に思い当たり、思わずレナが脂汗を流しながらぽつり、とつぶやく。

屍肉呪法(ラウグヌトルシャヴナ)。
それは魔族にしかかけられない…といわれている呪法で。
その術をかけた当人…すなわち魔族が滅びない限りは溶けることなく。
永遠の苦しみを味わう…という、その呪法。
有名なのはかつての【カタート山脈侵攻】により、時のディルス国王が、
その呪いをうけて送り返された…というのは知っているものは知っている事実…
かくゆうレナも一度…かつて、姉と…正確にいうならば長女でもある彼女と共に、
かの国にと赴いたときに…
…姉と一緒にその【変わり果てた国王】の姿を目にしたことはあるのだが……

『……そう。レナ殿…であらせられるのか。そなたの言うとおり…呪法らしい……
  儂はここ、魔道士協会福評議長であったタリム…
  じゃが…今はこのざまだ…この事態をどうにか防げなかったことは…口惜しいが…な…』
苦痛に耐えながらも、それでも自我を保っている…というのは、ある意味すごい。
というか、そのほうがむしろ苦痛はかなり激しく伴うであろう。
というのは想像に難くない。
「…いったい…何があったんですか?」
「……俺たちで何か…力になれることは……」
ごくり。
と思わず唾を飲み込みつつも…硬い声と表情で…そんな彼にと問いかけてゆくレナとラウリィ。
こんなことができる…ということは…間違いなく。
この町には今、魔族にからむ何かが…起こっている…というのを指し示しているがゆえに……



「…ここか……」
あからさまに空気…というか雰囲気が違う。
立ち入り禁止。
の立て札がなされ、警備らしき人の姿も見えてはいるが。
だが…それでも、その【屋敷】からは離れた場所で待機している。
酒場のランツ…とかいう男性から聞き出した情報によると。
【ここ】にくればおのずから理由はわかる。
というそんな内容。
この町、アトラスの魔道士協会福評議長の家である、という。
…デイミアの屋敷。
この町には確か福評議長が二人おり、そして先の評議長が失踪したことをうけ。
近々その二人のうちのどちらかが新しい評議長にえらばれる選考会がある。
ということだったらしいのだが。
ふと、先日その行方不明であった評議長が戻ってきて、
…それから町の異変は活性化しているらしい。
あきらかに、その評議長が何かしている…とも思えなくもないが。
だがしかし…何よりも気になるのが…
評議長が戻ってきた…というのが…レゾが魔王として目覚めたあの日。
だということ。
それが一番ゼルガディスの心にと引っかかっている。
「…これは……」
あからさまな異臭…ともいえない何ともいえない雰囲気。
屋敷全体を取り巻く血臭はさることながらも…この気配は…間違いなく…瘴気。
自分の後ろでつぶやくロディマスとゾルフをみつつ。
「…とにかく。いくぞ。二人とも。」
とにかく。
状況を知ることが…何よりも先決。
その判断の元…彼ら三人。
ゼルガディス・ロディマス・ゾルフの三人はデイミアの屋敷の中にと入ってゆく…


              ―――続く……



#####################################

あとがきもどき:
L:ま、とりあえず。リナが協会や屋敷にいかなかった。
  というのはある意味よかったとは思うけどねぇ。
  何しろマナにあんなの見せたくないからねぇ。あたしはともかくとして。
薫:……そ〜いう問題ですか?
L:そういう問題よっ!
  あたしはよくああいうのを視たことあるけど、マナはまったくないもの。
薫:・・・というか、普通みたことないのが当たり前なのでは(汗
L:そう?よく部下たちにお仕置きがてらにいろいろとやってたけど?
  でもいまいち効果がなかったのよねぇ〜…あれって…
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・き、聞かなかったことにします・・・
L:何はともあれ。あたしがまったくまだ活躍してないのはどういうこと?
薫:・・うぐっ!とりあえずレナ達サイドをいれたら…長くなったので…
  じ…次回から…ですね・・はい(汗
L:さくさくっと打ち込みなさいっ!
薫:・・・って、だからってエル様っ!漫遊も早くしろっ!と言われてるじゃないですかぁ!
L:それはそれvこれはこれv
薫:・・・しくしくしく・・・
L:あ。そうそう。せっかくだし。あんたも部下たちと同じものうけてみる♪
薫:何ですかぁ!?その語尾の音符マークはぁぁ!?
L:遠慮しないで♪
薫:遠慮したいですぅぅ!!・・んぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
(表現するにもおぞましいので表現カット…)
L:さってと。なぜかどろどろの液体になった人はおいといて。
  それでは、まったねvv


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32120パラレル・トラベラーズ 〜探索?〜かお E-mail URL2005/12/7 22:30:01
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

んふふふふvようやくあたしが活躍よっ!
というかあんまり活躍…といっても活躍してないけど…
まったく……
とりあえず、薫の代理のLよv
さって、今回はほとんど『あたし』を中心として話が進むみたいねv
ふふふふふv

#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜探索?〜


「……眠り(スリーピング)。」
ぱたり。
ぽてっ。
ぐ〜……
よっぽど疲れていたらしく、小さくつぶやくその言葉に。
そのままベットに入るなり寝ている三人の姿をみて、念のためにと寝ているかどうか確認する。
お風呂に入り、そして簡単な軽食を済ませて部屋にともどり。
とりあえず疲れているだろうから…というのでひとまず仮眠をとる。
ということでそれぞれ、リナとガウリイ。
そしてエイルとマイナ。
二人づつ二つのベットにそれぞれ入り、体を休めようとしたその矢先。
リナはいろいろと考えることがあったらしいが、だがそれでも。
ここしばらくずっとデーモン駆除などによる魔力の駆使が続いており、
体力的にも、また魔力的にも疲労が激しく、よほど疲れていたらしく。
小さくつぶやいた呪文で簡単にと眠りにと落ちてゆく。
「…エルゥ…遠くにいくな…よ…」
ぐ〜……
ガウリイもやはり連日のレッサーデーモン駆除、約一時間に数十ダース単位。
それらを相手にしていたからか疲れがたまっていたらしく。
珍しくそのまま術にとかかり、リナともども眠りにと落ちてゆく。
だが、寝る直前に自分に釘をさしてくる…というのはさすがというか、何というか。
――行動は読まれてる…というわけか。
くすっ。
思わず苦笑してしまう。
伊達に父親…というか、勘が鋭い…というわけではない。
というのはこの三年でよく理解しているが。
しばらく、鼻をつまんだり、ホッペをつねったり、いろいろしてみて。
きちんとリナとガウリイ、そして妹のマナが寝ているのを確認しつつ。
「よしっ!」
いって、そのまま窓から外にと出てゆくエル。
窓から飛び降りると同時に、金色の髪がふわり、となびき。
傍目からみれば、まるで天使が舞い降りているような錯覚にも捕らわれる。
そんな光景。
軽く風を纏って飛び降りているのでふわり、と金色の髪が風にとなびき、
ゆっくりと、そのまま無事にと地面にと着地する。
そしてふと上を見上げつつ。
すっ。
と手を小さく横に振る。
それと同時に、先ほど自分が飛び降りた窓が静かに閉まるのを確認しつつ。
「…とりあえず……っと。」
マナには見せられない。
というか見せたくない。
それに、何よりも家族を【アレ】の実験の材料にはさせたくない。
そもそも、自分達家族はこの世界に存在している存在ではないのだからして。
まあ、この【世界】をランダムで選んだのは『自分』だとしても……
そんなことを思いつつも。
なぜかその小さな手に小さなスコップを手にし。
もう片方の手には自らの金色の髪の毛を数本手にし。
そのまますたすたと宿の周りを歩き始め、何やら土いじりを始めているエルの姿。
念のために、この前立ち寄った無人と成り果てた村からとって…もとい。
もらってきていた小さなスコップ。
腰にとつけている小さな布製の鞄が重宝している。
これも母であるリナの手作りなのであるが。
その中にリナ達に気づかれないようにとしまっていたもの。
――力を使えばかなり簡単であろうが、だがしかし……
以前のときには思っただけで何でも出来たが、今は制限というか、器が器ゆえに。
あまり無理強いは出来ない。
というか、あまり力を使えば体力が持たないらしく眠くなってしまうのもまた事実。
肉体的…というか、細胞レベルから自らの力が取り込まれている状態であるにしろ。
それを制御できるからこそこうして普通に生活している。
もし、あのままリナの体をほうっておけば…自分の力はリナの体を蝕み…
やがてリナは体も魂も…すべてが自らの力のうちにと取り込まれ。
やがては無と還ってゆくはずであったであろう。
それがエルにはよくわかっている。
それでは面白くない…というか、はたまた気まぐれなのか。
それは本人にしかわからないであろうが。
そんなリナの体の中に残っていた自らの痕跡をすべて引き受け…こうして今。
彼女――エイルはここにいる。
ほりほりほり。
ペシペシ。
小さなスコップで簡単にと穴を掘ってゆき、その穴の中に手にしている自らの髪の毛を埋めてゆく。
そんな動作を宿を取り囲むようにして六ヶ所で行い。
そして、最後の一箇所に髪の毛を埋めると同時に。
小さくある言葉をつむぎだす。
それは人の言葉とは言いがたい、不思議な言葉。
言葉の意味を理解できるものはまずいないであろう。
――この言葉は失われかけて等しい…
それが判っているからこそ。
まあ、この場に魔王や竜神、といった世界を任されている存在がいれば。
その言葉の意味も理解可能ではあろうが。
それほどまでに…そういった特殊ともいえる存在にしか今では知られていない言葉……
「…よっし…っと。」
見た目には何も変わらない。
そう、何も…
だがしかし。
物質世界面から見れば、何も変わったようにみえなくとも。
精神世界面から見れば、話は別。
自分達が泊まっている宿全体が、精神世界面(アストラル・サイド)から隔離され。
いわば保護されている状態となっている。
この状態になっていれば、人間などは別に出入りしても問題はないが。
だがしかし。
そうでないもの…特にたとえば魔族にかかわりがあるもの…などが入ろうとしたならば。
それはその今簡易的に自らの髪の毛を媒介として作り出した【六紡星】にとはじかれる。
最も…この六紡星は自分の力を指し示すものを応用して創り出したがゆえに。
弱い存在などは立ち入ることすらもままならないであろうが……
万が一、この陣よりも家族の誰かが出ればすぐに自分にとわかるようにとし。
そのまま、一人、宿を後にしてゆくエルの姿が見受けられてゆく。
だが…それは、完全に深い眠りの中にと入っているリナは知る由もないこと……


三歳くらいの金色の髪に青い瞳、しかも顔立ちの整ったかわいい女の子が一人歩き。
普通ならば目立たないはずがなく、また誰もがほうっておくはずもない。
だが…今、この町の人々は、そういうことにまで気を回している余裕はない。
明日はわが身…ともいえるこの状況で……
疑心暗鬼に捕らわれている。
といっても過言ではない。
駆除してもしても出てくるデーモン達。
しかも街中にまで。
それと同時に家の中にいたにもかかわらずに…連続して多発する、行方不明事件。
特に力ある存在ばかりが狙われている…というこの現状。
いやでもいくら考えが劣るものですらもがわかる。
これは人あらざる存在の仕業で何かが起こっている…と。
行方不明者が出た家などの屋根などで白い仮面をかぶった、人型の何か。
が幾度も目撃されていることからしても…それは明らか。
だがしかし、魔道士協会に俗する人々や、またこの町にと滞在していた、数多の傭兵。
そしてまた、剣士など、といった者たちですら…事件の解決の糸口すらつかめていない。
判ることは…邪魔をすれば…この町の二人の福評議長のようになる…
というのがまことしやかに噂として流れているこの状況。
口止めしていても、人の噂、というのもは止められるはずもなく。
二人の魔道士協会福評議長に何があった…というのは。
今では町のほとんどの存在が知っている。
それが何なのか確かめにいこうとして…気が狂った人間も少なくない。
誰にも呼び止められることもなく。
とてとてとエルが一人歩いてきた場所は。
そこの一角だけ何やらどんよりと空気がよどんでいるような状態となっている場所。
「…あれ?エルちゃん?」
「あれ?両親や妹は?」
そんな屋敷の前でたたずむエルにと気づき、ふと話しかけてきているのは。
「あ。レナおね〜ちゃん。それにラウリィおに〜ちゃん。」
先ほど魔道士協会から出てきて、ひとまずこちらの状況をも見てもらえばよくわかる。
とそうあの『タリム』にといわれやってきている二人の姿。
そんな二人の声に振り向きながらにこやかに微笑むエルに対し。
「というか。あれ?リナお姉さんたちは?」
「ねてる。なんかへんなかんじうけたから、あたしちょっときになってみにきたの。」
嘘ではない。
完全に事実すべてではないが。
レナに問いかけにとすこし首をかしげて答えるエル。
「…寝てるって……」
というか…だからって…一人でこんなときに歩いてたら……
エルの言葉にレナの脳裏にそんな考えがふとよぎるが。
「…まあ。気持ちはわかるけど…な。確かにこの雰囲気は……」
先刻、あの異形と化した『タリム』から聞いた言葉…
それは、もう一人。
同じく術をかけられた人間がいる…というもの。
依頼内容としてはいたって簡単。
いや、確かに簡単…とはいうものの、だがしかし。
その中身といえばかなり奥が深い内容のもの。
何しろこの一件には……
異臭とも、血臭とも、何ともいえない臭いすらもが漂ってきそうなそんな雰囲気。
一番確実な方法は、術の特性を踏まえて、その術の魔力波動から。
術をかけたものを探り出す。
というバターンが何よりも好ましいが……
「なんかきになって。」
そういうエルの言葉に。
「エルちゃんは宿に戻ってたほうがいいわよ?」
子供にあんなものを見せるものでは……
そう思いつつ、エルの肩にと手をおき話しかけるレナ。
と。
『ひゃははははははっ……』
ギィ……
それと同時に、彼らが見ている屋敷の入り口…つまりは玄関口が開け放たれ。
そこから地の底から漏れ出し響いてくるような笑い声が風に乗って響き渡り。
それと同時に。
顔色もわるく出てくる人影が三人。
「…あれ?なんだ。ゼルガディスたちじゃないか。」
その姿を捉えて、思わず目を丸くしているラウリィに。
「あ。ほんとだ。」
ふとそちらから出てきた三人にと気づき、声を出しているレナ。
そして。
「ゼルっ!」
どうもリナが彼のことをゼル、と呼んでいるので、
自分もそのような呼び方で定着してしまっているこのレナ。
まあ、あとは呼びにくい名前なので間違えないように短く…というのも頭にはあるのだが。
みれば、後ろの二人。
たしかロディマスとゾルフとかいったけど…あの二人…どうしたんだろ?
そんなことをふとレナは思ってしまう。
二人とも、何やら口元を押さえて真っ青に成り果てていたりする。
心なしか…というか、はっきりと判るほどにゼルガディスの顔色もかなり悪い。
「…あんたらもきたのか……はいらないほうがいいぞ…あれは……」
屋敷から出てきて、そしてそこにレナとラウリィ。
そしてなぜかエイル一人だけの姿を認め、顔色もわるくそんなことを言っているゼルガディス。
彼らはこの屋敷の奥で異形と完全に化した屋敷の主の姿を見たがゆえに。
それゆえに顔色もわるいのであるが。
そんなゼルガディスのつぶやきをうけ、互いに顔を見合わせ。
そして。
「……もしかして…やっぱりここのディミアって人も…?呪法をかけられてる?」
顔色もわるくゼルガディスにと問いかけているレナ。
屍肉呪法(ラウグヌトルシャヴナ)。
それは口に出さずとも、彼らの表情から想像は難くない。
しかも、レナとラウリィは魔道士協会の地下室で、同じくその術をかけられていた人物から、
そのことを聞いているがゆえにここにやってきているのだから。
「…やっぱり…とは…もしかして…協会のほうでも何かあったのか?」
気分が悪いのは山々なれど、だがしかし。
正確な情報をつかむこともまた大事。
しかも…あんなことができるもの…となれば。
おのずから道は限られてくる。
しかも、先日、『魔王』と戦ったばかり、という条件も整っている。
ならば…いえることは唯一つ。
今回のこの町のこの状況…というか一件には…魔族がかかわっている…
ということ。
それは言葉にしなくても暗黙の了解としてレナにも、そしてゼルガディスにも理解はできる。
そんなゼルガディスの問いかけに。
「まあね。…あっちでもね…呪法をかけられてた人が……」
頭のみを切り取られ、それでも死ぬことなく、さらには、その上に術をかけられていた、
魔道士協会福評議長・タリム。
体はどうなったのか…それは本人はわからないらしいが…
もしかしたら、あれが頭だけなのではなく体全体…なのかもしれないが。
それにしては肉の塊の大きさが頭の大きさ程度しかなかった。
というのも気にはかかる。
「…そうか……。とにかく、ここには入らないほうがいい……」
「……うげっ!」
そうつぶやくゼルガディスの横では、
何やら屋敷の横にとある茂みにと吐いているゾルフの姿が。

彼らが見たもの…それは……何とも言い表しようがないもの。
といっても過言ではない。
しいていうならば、人の体の皮と内臓をひっくり返したような肉の塊…とでもいうべきか。
そこから無数の蛇が生み出されては肉を食いちぎり…さらには蛇同士が共食いをし…
そして再び肉の中にと吸い込まれ…食いちぎられた肉はそのまま再び盛り上がり再生する…
という、はっきりいってみていて絶対に気持ちよくなる…というものではない。
レナたちがみた『タリム』の状態よりも…こちらの『ディミア』のほうが。
状態的には酷い…といえるのかもしれないが。
どっちもどっち…という表現が一番ぴったりであろう。

「……とりあえず。どうやら…話をまとめる必要がありそうね……」
レナがつぶやくと同時。
『きゃ〜〜〜!!!!!』
別の方向のほうから…つまりは、裏通りのある方向から聞こえてくる甲高い悲鳴。
その悲鳴に思わず顔を見合わせ。
そのまま。
「ロディマスさんとかいったわよねっ!その子、宿屋につれて戻ってて!」
言い捨てて、そのまま悲鳴のした方向にと駆け出して行くレナと。
「ロディマス!ゾルフ!おまえたちはその子をつれて先に宿にいっておけっ!」
ゼルガディスもまた、二人に言い放ち、そのまま駆け出してゆく。
「あっ!おいっ!レナ!ゼルっ!」
そんな二人をあわてて追いかけてゆくラウリィに。
後には…ぽつり、と残されたロディマスとゾルフ、と呼ばれる男性二人と。
そして、ちょこん…と立ち尽くしているエルの姿が見受けられ。
そんな彼らを見送りつつも。
「……とりあえず…
  …セイグラムにはここでほろんでもらっといたほうがのちのちよさそうよね……」
ぽつり。
とつぶやくエルの言葉をふと捕らえ、首をかしげるロディマスと。
そして。
「と。ともかく。宿にと戻ろう……」
「だな。ゼルガディス殿の言われたとおり。こんな幼い子供を一人で宿に戻すわけにも…な。」
自分達の力のなさが恨めしい。
そう、先日の魔王との戦いのときでも…自分達は足手まといでしかなかった…
というその事実が。
そんな二人の会話に、くるり、と向きをかえてにっこりと。
「あたしもいってみよっ!」
そのまま、いって。
「翔封界(レイウィング)!」
すばやく言葉を唱え、ふわり、と浮き上がり、そのまま悲鳴のしたほうにと飛んでゆくエルの姿。
「って!エイル殿!?」
「って!!!!」
そんなエルをあわてて追いかけてゆく二人の男性の姿が。
アトラス・シティの一角においてしばし見受けられてゆくのであった……


                ――続く……



#####################################

あとがきもどき:
L:ちょっと!あたしが活躍してないじゃないっ!
薫:……あまり活躍はされませんよぉ(汗
  というかっ!無茶したらリナたちにバレますよ?(滝汗…
L:今、リナ達は寝てるからいいのよっ!
薫:・・・そ〜いう問題ではないよ〜なきが……
L:とりあえず。いろいろバージョンある中で。あたしが!一番活躍するやつになさいっ!
  この後の展開。あんたこの話。実は数バターン考えてるでしょうが!
薫:……あ…あははは…
  いろいろとパターンはありますどねぇ。確かに……
  やっぱりある意味シリアス(?)方面パターンでいこっかと…
L:そのバターンは確かあたしがそこそこ…ってやつよねぇ?
薫:あはは。あとはマナちゃんと一緒になって。町中で。
  ミルガズィアさんの記憶球を音声最大限にして流す…
  というののもギャグとして考えてたりもしましたけどね(笑
  ま、とりあえず。シリアス方面でせめてみますのですv
L:どうでもいいけど…あたしが活躍しないんだったら!あたしの一人称にもどしなさいっ!
薫:エル様の一人称に戻したら完全にネタバレオンリーじゃないですかぁぁ!
L:別にいいじゃないvあんたの話そのものがわかりやすいんだし。
薫:しくしくしく……
L:とにかく!あたしを活躍させることっ!いいわね!
薫:ど…努力します…(多分…←ぽつりと…
L:ほぉぉぅ。その多分っていうのは何かしら?多分ってv
薫:え!?あのそのっ…って!その生物はっ!って!!うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
L:さってと。何かヒルに体を溶かされて吸われている薫はおいといて。
  それでは、また、次回でねvvまったね〜〜vv

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32127パラレル・トラベラーズ 〜捜査?〜かお E-mail URL2005/12/12 20:48:45
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

うにゅにゅ……
只今風邪気味・・のせいか。
屍肉呪法(ラウグヌトルシャヴナ)の表現やってたら…
脳裏にその映像が浮かんできて・・かなりヤバイ状況です(汗
とりあえず、むかむかしている状態のままでの打ち込みです。
というか…暖房つけてるのに…部屋が寒い・・とはこれいずこ(汗
あまりに寒くて手がかじかんでうごきませんわ(涙…


#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜捜査?〜


今まで…というか以前の自分ならばおそらくはほうっておいたであろう。
だけども……
「感化されちゃったかなぁ……」
だが、それが人。
というものである。
というのも理解している。
そのように創造ったのは他でもない……
悲鳴が上がったのは、町の東側。
だけども、…判る。
彼らがこれからどこに出てくるのか…ということは。
すでに高速飛行の術で飛んでいたせいか、ロディマスたちはまいている。
ならば…することは……
「神滅斬(ラグナブレード)。」
ひたり。
ととある屋根の上にと降り立ち、虚空にむかって闇の刃を出現させて斬りつける。
精神世界面(アストラルサイド)に向けて……
『がっ!?』
『な゛っ!?』
それと共に二つの異なる声が響くとともに。
ひゅるる……ぽて。
何やら虚空から落ちてくる二つの塊。
いや、正確に表現するならば、それは二人の小さな子供。
年齢的には自分とそうさほど変わりがない。
小さな子供は扱いやすく、また潜在能力などもまた秘めている。
生命エネルギーにも満ち溢れている。
それゆえに…選択している事柄。
生命エネルギーに満ちている存在ならば、大人子供といわずに【彼】は集めているようであるが。
ふわっ。
そんな落ちてくる二人の子供の周りに風を纏わせ、怪我のないようにそのまま下ろす。
どうやら気絶しているらしく、何が起こったのか…この子供たちは理解できていないようだが。
ゆらり…
それとともに虚空の空間が一瞬揺らめき。
次の瞬間には何もなかったはずの虚空から二つの影が躍り出る。
それは空中に漂う二つの影のごとくに。
「……子供?」
くぐもったような声が一つの影から発せられ。
そしてまた。
「……空間を斬るとは…我らの邪魔をする気か?子供よ……」
白い仮面をつけている現れたそれが、自分に向かって話しかけてくる。
見上げた空に見えるのは、二つの人らしき人影。
だが、それは人ではない、というのは一目瞭然。
一人は全身黒いようなマントで体を覆い、その顔の部分には真っ白いお面のようなもの。
それをつけているような容姿。
そしてもう一人は……
どうみてもあからさまに失敗なのでは?
と突っ込みを入れたくなってしまうような容姿の持ち主。
思わず。
「ああっ!なんのためのぶっしつかよぉぉ!」
思わず…彼女が叫んでしまうのも無理ざらかることなのかも知れない…が。
人の形を模し損ねたような黒い塊。
しかも白い仮面のようなものを右半分だけつけているような…そんな【もの】を目の当たりにし…
普通ならばまずは驚くか叫ぶか…のどちらかなのであろうが。
思わず突っ込みをいれてしまったことにはっとりなりつつも。
「じゃま?それはこっちのせりふよ。あんたたち…にんげんあつめてどうするき?
  ……ま、わかってるけどねぇ。でも…いまのあたしはみのがす…ということはできないのよね。」
面白いからほうっておく。
という方法を以前はとっていた。
だけども…今は違う。
そう、この【体】になってからは、基本は人のそれと変わりがないがゆえに。
人とは自分の身を犠牲にしても他人のために尽くしたい。
そういうところがある。
それも無意識のうちに。
それは他の存在にも分け隔てなく【愛】を与えられる。
ということ。
いいつつも、ふぁさり、と長い金色の髪をかきあげ。
「リナならぜったいにみのがさない。とおもうから…ね。」
リナに何かあれば、妹が悲しむ。
無茶をするのがわかっているがゆえに。
だが…自分ならばある程度は対処できる。
子供の考える思考ではない…と自分でもわかるが、だがそれが『あたし』なんだし。
そんなことを思いつつ、自らの上空にと浮かんでいる二体のそれにと話しかける。
『…何をわからないことを……』
いいつつも、その虚ろの目を向けてくる人の形を模したような…魔族。
『まて。ギオ=ガイア。…この子供はかなり力があるとみた。主も喜ぶであろう。』
そんな魔族―ギオ=ガイア、と呼ばれている存在にと話しかけているもう一体の魔族の言葉に。
『…まったく。セイグラム殿。手間隙かける理由があるんですかぃ?』
『そういうな。我らの契約者だ。』
そんな会話をしている二体の魔族。
そして、セイグラム…と呼ばれた仮面の魔族の言葉に。
あからさまにわかるまでにと首を横に振るような格好をし。
その異様に長い手をひゅるり…と屋根の上にといるエルにと向けてくる。
その手が虚空で一瞬掻き消え。
次の瞬間。
エルの背後より出現し。
その異様に長い両手がエルの体を絡みとる。
一瞬触れたときに不可思議な感覚に捉われはしたものの、だが気にせずに。
そのまま、エルを絡めとるギオ=ガイア、と呼ばれし魔族。
そして。
『その二人の子供の代わりにおまえで手を打とう。』
そう言うとともに、すっと目の前にセイグラム、と呼ばれた魔族が出現したかとおもうと。
すっとその手を目の前にとかざされる。
それとともに、深い睡魔にと誘われるエル。
それは人の肉体にのみ有効なある種の術ともいえる力。
誰でも使えるのであるが…一種の眠り(スリーピング)の術と似たようなもの。
そのまま、眠りに落ちたエルをつれ。
その場から再び掻き消えてゆく二体の魔族の姿が。
その場において見受けられ。
後に残るは…残された先ほどエルが助けた二人の子供たちの姿のみ……

彼らは知らない。
いや、知る由もない。
彼女がわざと自分達に捕まった…というその事実を。
そう…捕らえられている人々を助ける為に……


「えるっ!!!!」
いやな予感が果てしなく突き抜けた。
脳裏に浮かんだのは、あのセイグラムと確かギオ=ガイア。
とか呼ばれていたあの魔族に捉われてゆくエルの…娘の姿が。
確実に完全に深い眠りにと落ちていたはずなのに。
母親の勘、というべきなのであろう。
その深い眠りから瞬時に目を覚まして飛び起きているリナ。
果てしなくいやな予感がする。
ふと横をみればすぴすぴと寝ているガウリイの姿。
そして…隣のベットでは…
ぐっすりと寝ているマナの姿と…そして…
「なっ!!ガウリイ!おきて!エルがいないのっ!」
ぐ〜……
「おきろぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」
すぱこぉぉん!!!!!!!!
ゆさぶってもおきないガウリイをスリッパで思いっきりしばくリナ。
ちなみに、とある術をかけてスリッパの強度は通常よりもかなり高くなっていたりするのだが。
「ってぇぇ!」
がばっ!
思わずその痛みに伴い飛び起きるガウリイの姿をみつつも、それよりも早く。
「ガウリイ!エルがいないのっ!マナはいるんだけどっ!!」
先ほど感じたいやな予感…というか、夢…?あれは?
夢にしては生々しかった。
それがリナには不安でたまらない。
母親、というものは遠くに離れていても子供の危機を感知する能力がある。
それは自然の摂理であり理。
いやな夢…というか光景が頭に浮か飛び起きた。
そんなリナの言葉に。
「え?…トイレとか?」
「んなわけあるかぁぁ!とにかくっ!エルを探しにいくわよっ!」
あの子、何か夢遊病の気でもあるのか。
寝てたらいきなりどこかにいくことって今までもたまにあったしっ!
ガウリイの言葉にそう叫びつつ、そのまま、あわててベットから降りて。
服を着替えて外にとでる用意をはじめているリナに。
「あ。おい…リナ……」
何か…この宿屋全体…エルが何か結界みたいなの…つけてるようなんだけど…
そういいかけそうになりながらも、リナのうろたえた姿をみていると。
そこまで詳しくいう気にはなれない。
今、目の前にいるのは…姿の見えない娘を心配している一人の母親。
何かある…というのはまずエルに関してはないであろうが。
だが…それでも、エルはまだ確かに幼い幼女。
「ちょっとまて。オレも用意するから。」
性格からして…多分、この町にいるらしい魔族にちょっかい…かけてるな?
そんなことを的確に思いつつも、ガウリイもまたベットから抜け出て、
外にでる用意を始めてゆく。
そんなリナ達夫婦の姿が見受けられているそんな中。
く〜……
未だに一人、すやすやと、何も知らずに眠っているマナの姿が。
宿屋の一室において見受けられてゆく。


「…ゼルガディス殿!?」
「…って、あんたたち…エルちゃんを送っていったんじゃなかったの?」
声のしたほうをみれば、何やら走ってきている二人の男性。
そんな二人に向かって、レナが問いかける。
「宿に送り届けたにしてはやけに早いな?」
そしてまた、ゼルガディスもまた眉をひそめつつも問いかける。
あの場所から宿屋。
そしてこの場所にたどり着く…としても、時間はかるくある程度はかかるはず。
彼らは高速飛行の術などは使えないのだから。
かくいう自分もあれは使えないが…
そんなことを思いつつ、問いかけるゼルガディスの言葉に。
「いや…それが…その前に音のしたほうにいってみる…とあの子はいいまして…」
申し訳なさそうに言葉を濁すゾルフに。
「いきなり高速飛行らしき術を唱えて飛んでいきまして…こちらにきてませんか?あの子?」
己が仕えるべき人物、と決めている人物から頼まれたこと。
それゆえに、その仕事は全うしたい、というのが彼――ロディマスの本音。
だがしかし、彼は術というか魔術というものは使えない。
彼はあくまでも騎士であるがゆえに。
世の中には騎士であっても、魔術を使い、魔道騎士なるものも存在しているが。
彼は己の腕のみで今まで生きてきたタイプであるがゆえ。
そんな二人の言葉に。
「何ですってぇ!?というか、きてないわよ!?エルちゃん!?」
思わず叫ぶそんなレナの言葉に続き。
「…もしかしたら……ここにくるまでに何かがあったのかも……」
すでに家の人たちから、何があったのか…というのは聞いている。
子供部屋にと入った子供が忽然と…異形の存在に連れさらわれた。
ということを。
しかも、忽然と子供をつれて姿をかき消した…というのだ。
そんなことまず普通の人間ができる…とは到底思えない。
郷里の姉ちゃんとか女王様とかなら出来てもあたしは納得してしまうけど…
そんなことを内心レナは思いつつも、だがしかし。
今、この場にいるのは自分達のみ。
そして…はじき出される結果はといえば…
「とにかくっ!リナお姉さんたちにも連絡してから、早くエルちゃんを探さないと!」
……この一件に魔族が絡んでいる…と判っているがゆえになおさらに。
しかも、魔道士協会のタリムからレナが聞いた話によれば。
魔族と契約している『ハルシフォム』という人物は。
子供の生命エネルギーを主に集めて死人を復活させよう…としているうんぬん…というもの。
何でも、かつて死んだという彼の恋人を生き返らせる為とか何とか…
そのために、実験として人造人間(ホムンクルス)を作り出し。
その実験体の一人に今は助手として手伝わせている…とか何とか。
そう、レナは協会の地下室から簡単な説明を異形と化したタリムより話をきいている。
聞いているからこそ……
この時期、この町で、一人で子供が行動する…という危険さはよくわかっている。
赤の他人、とはいえ、自分とそっくりな女性の子供。
しかも、その女性の名前が自分の【双子の姉】と同じ…というのだからなおさらに。
「俺とレナはエルちゃんを探しに行くから。ゼルガディスたちはあのリナさんたちに連絡を。」
そんなレナの横でゼルガディスにといっているラウリィのその言葉に。
「わかった。」
ディミアの屋敷で変わり果てた異形と化したものを見ているがゆえに、
事態は一刻を争う…というのはゼルガディスとて理解はできる。
そのまま、ロディマスたちの報告をうけ、それぞれ二手に分かれ、
レナとラウリィはエルを探して、そしてまた。
ゼルガディスたちはゼルガディスたちで、リナとガウリイに連絡を取るために。
それぞれ別行動をとってゆく。

この町では…行方不明事件が今現在…魔族の手により多発している…
というのは…もはや…暗黙の了解の事実…
それが、【魔族】という存在かどうか…というのはわかっていない存在たちもいるとはいえ。
だがしかし…異形の力ある何か…がかかわっている…というのは…誰でも知っている…


           ――続く…



#####################################

あとがきもどき:
薫:…何か最近寒いですね…というか、手がかじかんで…思うようにキーボードが打てません…
  あとどうも寒さでまたまた風邪がぶりかえし中らしい…
  食べてもしばらくはずっと吐き気と戦っていたりする今日この頃……
  とりあえず、今回の副題。束縛と捜査と悩んだけど…
  やっぱり束縛はエル様が行動するところで…ということで。
  次回で…またまた捕らわれ(?)のエル様かなぁ?
  エル様がとりあえず来られないうちに、ひとまずぼやいてみたりして(こらこら
  何はともあれ、ではまた次回で。
  んではではv

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32131パラレル・トラベラーズ 〜束縛?〜かお E-mail URL2005/12/14 22:53:42
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

う〜ん…ツリー…落ちるかな?(こらこら)
ちなみに、書きなぐりさんに投稿しているツリーが危険です…
このアトラス編が終わるまで…もちそうにない…かなぁ(汗
ちなみに、この副題。束縛…というのは、いくつかの意味合いをこめてます(笑
さて・・・・わかるかな?(バレバレかな?←笑

#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜束縛?〜


「なぁんですってぇぇ!」
がくがく。
「…気持ちはわかるが…死にかけてるぞ?おい……」
思わず突っ込みを入れてしまう。
エルがときたま夢遊病のように外にでてゆく…というのは今までにもあったこと。
だけども今回は連続してかなりの魔力を消費していたせいか、
はたまたガウリイですら疲れていたのか、その気配に気づくことなく、深く眠っていた。
その落ち度は認める…認めるが……
まだ三歳になったばかりのエルを宿屋に送り届けるように…と、ゼルガディスが命じた。
というのにもかかわらず、結果としては、彼らはエルを見失い…
そして、今にと至っている。
リナの怒りがそんな彼ら…ロディマスとゾルフに向かうのも仕方がない。
といえばそれまでなのだが……
おもいっきり襟首をつかんでがくがくと揺さぶりをかけるリナに、
思わず突っ込みを入れているガウリイ。
みれば、リナに襟首をつかまれているゾルフはといえば、すでに顔色も悪く、
何やら口から泡を吹き出していたりする。
「とにかく。リナ。落ち着け。今は一刻も早く、エルを探さないと……」
そんなリナをゾルフからひきはがし、説得を試みているガウリイに。
「まったくだ。その旦那の言うとおり…だな。」
たしょうひきつつも、そんなガウリイにと答えているゼルガディスの姿。
ゼルガディス・ロディマス・ゾルフが、リナ達に連絡を取ろうと宿屋に向かっていたところ。
ちょうどエルを探して宿屋から出てきていたリナ達とばったりと合流し。
そして、エル…つまりはエイルが行方不明になった…というのを伝えたところ。
リナの怒りの矛先は…思いっきりゾルフと呼ばれし男性にと向かっていたりする。
気持ちはわからなくもないのだが…
何しろ、ロディマスはといえば術をまったく使えない、ということ。
そしてまた、エルを送り届けるように言われたのはこの二人であり、
エルが飛行の術で飛んでいったときに、すぐさまに、術が使えるもの。
つまりはゾルフが飛んでいけば見失うことなどはなかったはずなのだ。
「この…三流ぅぅぅ〜!!!」
魔道の仕組みをよく理解していないがゆえに、飛行の術すら獲得していないという、
目の前のゾルフに思わず怒りが向いてしまう…というのも当然…といえば当然なのだろう。
ぜいぜいと息をつきながらも、顔色もわるく何やらぐったりとしたゾルフの襟首をようやく放し。
「…そうね。とにかくっ!エルを探さないとっ!」
あの子に何かがあったら…そう思うと心が震える。
そのままどさり、と投げ捨てるようにと手をはなし。
精神を集中してそのまま、精神探索を始めるリナ。
レゾのときは何ごともなかったが……今回のこの一件は…
かつて経験しているだけに不安で不安でたまらない。
無事だ…というのは母親の直感でわかるが、だが…それでも、心配するのが親、というもの。
そのまま、精神を集中させ、エルの気配がしたほうこうにと、
そのままダッシュで駆け出してゆくリナの姿が、しばし、アトラス・シティの一角においてみうけられてゆく。


ふあ〜……
思いっきりのびをする。
「…あれ?」
ふと周囲をみれば、どうやら何かのケースの中に自分はいるらしい。
きちんと寝ていなかった…というのもあり、まだ幼い体には休息も必要。
ゆえに気絶した後、おもいっきり睡魔にと襲われて、しばらく眠っていた自分。
…どうやら気絶している間にこの中に入れられたようね……
気絶している間も客観的に何が起こっていたのか…は理解できる。
自らの周囲にあるのは、おそらくは、【命の水】とか言われている物質であろう。
それもすぐさまに理解できるが。
だがしかし。
ざっと見た限り服装はそのまま。
どうやらそのまま、服をきたままでこのケースの中にと入れられたらしい。
正確にいうならば、自らが身につけている護符に正確にふれられなかった。
というのがあるにしろ。
神でも、魔でも、この護符に触れることはまずは不可能。
リナはそんなことを考えてこれを作ったわけではないにしろ。
触れることができるのは…光にもそして闇にも属している存在のみ。
どちらかに偏っている存在には触れることはまず不可能。
人にとってはただの魔法陣にとみえる護符でも、だがしかし、効果は絶大であるがゆえ。
判ってはいたが、やはり…というべきか、思わずふっとため息が漏れてしまう。
――人であることを止めて自らの欲望のままに生きる人間。
人は大切なものを守るためにそのような行動に捕らわれることがある。
それを実行するか、悲しみを現実にうけとめて前に進むか…
そのどちらか。
かつてリナも大切な人と世界を天秤にかけた。
リナにとっては大切な人がいる世界だからこそ世界は大切で。
それゆえに、基準となっていたのはその世界よりも大切な人。
それをとやかくいうつもりは…微塵もないが。
あのときは、お遊びで世界を消滅させようとしていた冥王が悪い。
――自らの存在意義を捉え間違えていた愚かな…そして悲しい存在。
世界と一人の人間を秤にかけた、というのは。
これからもずっと、リナの心に重くのしかかって一生を過ごす。
というのも理解している。
それこそが、リナにと科せられた罪でもあるがゆえ。
だが…しかし、ごくたまに、それら全てをも投げ出して。
自分の欲望…即ち思いのままに行動する存在もいる…というのもまた事実。
そう…この一件の主となっているあの人間のように……
大切な人を失い…その大切な人を復活させようと、他の命などはどうでもいい。
他の命を犠牲にして、大切な人一人さえよみがえれば……
意味もなく命を犠牲にする…というのは人間であるがゆえの行動。
他の生き物は何らかの意味をもって命をうばうことはすれ、
命は連鎖してつながっている…というのを忘れがちな人間にありえること。
今回の一件の目的ははっきりとはしているが…
いくら他の生命エネルギーを入れたとしても、肝心の魂が存在しない以上。
かつての【大切な人】と同じ存在になる…ということはありえない。
そう…彼がかつて作ったあの人造人間(ホムンクルス)のように……
いくら同じ容姿や外観であっても、だが…二つとして同じ存在は存在しない。
同じ存在から分裂したとしても、またそれは…
一つの存在がいくつもに分かれて存在する…という場合は同じ存在が多数存在する。
という現象も起こりえるが、だが、それはあくまでも一つの存在が基本となっている。
悲しみに捕らわれて肝心なことを見落とす…というののも人間によくあること。
あの彼女は心配のあまり…自らの元に還りゆくことすらもできずに。
ずっとそばについている…というのに。
そのことにすら気づかずに…道を謝っているあの人間。
あまりに悲しいその魂の叫び。
それが自分をも呼び寄せた…といっても過言ではない。
意識のない、というか自我のない、まっさらな器を作り出し。
そこにいくら生命エネルギーを注ぎ込んだとしても…
それはあくまでも、仮の器。
絶対に当人にはなりえることは…ない。
心の奥底ではわかってはいても、だけども、それでも、実行せざるを得なかった…
深い…深い絶望。
だがしかし、だからといって…他の者たちを巻き込んでいい…とは到底いえない。
そもそも、自らが人間にと課している理とかけ離れている行為。
自らの意思で未来を掴み取る、あまり制限のない存在。
それが人。
光にも闇にもどちらにも属することもなく、また両方に属しているがゆえに、
時には信じられない力を発揮する。
そんな存在と様々な存在が入り混じり…この【世界】は成り立っている。
偏りすぎた世界は…早くに滅亡を迎えるがゆえに……
「……とりあえず…っと……」
一瞬のうちにそんなことを思いつつも、すっと目の前のケースにと手をかざす。
ともかく、ずっとこんな水っぽい中にと入っているつもりはない。
手をかざすと同時。
バシュっ!!
その手の中に出現したとある【力】に吸い込まれるようにと、
彼女自身が入っているケースが掻き消え。
そしてまた。
それと共に同じく彼女の周りを満たしていた液体すらもが掻き消える。
――すべてを無とし還す力…そしてまた、逆に無から有を生み出すその力。
滅多と使うことなどはないが、だがしかし。
こんな中にはいっていたら、風邪をひいてしまう。
そんなことを思いつつも。
そのまま、ストン、とケースが元あった場所より床にと降り立つ。
辺りは結構薄暗く、今まで自分が入っていたカプセルの液体がほのかに光っていたがゆえに、
部屋もほのかに明かりはともっていたのであるが。
他にもざっと見渡しただけでもいくつかのカプセルらしきものが目に入る。
何とも思わなかったが、一つのケースカプセルの大きさは、結構なもので。
思わず見上げてしまうほど。
おそらくはざっと見た限り、大人の身長よりも大きいであろう。
というのは明白。
天井付近にまでケースの頂上は達しており、
そんなケースが部屋の中におよそ約十数個、みうけられる。
あの人間の気配はこの場には感じられない。
おそらくは…この場所を探してきている彼らをどうにかするために、行動しているのだろう。
さて…どうするか…
そんなことをちょこん、と自分が今無と化した元ケースがあった土台の上にとチョコン、と座り。
今後のことを考える。
あまり派手に動けば…この世界にいる『彼ら』にも気づかれるであろう。
それはあまり面白い結果…とはいえない。
あくまでも…そう、あくまでも自分達は傍観者的な立場でこの場にいるのだから。
ほころびが生じても『あいつらにどうにかさせたらいいか。』
とも思うが、だがしかし、そのほころびが『家族』にかかわってくる、となることだけは避けたい。
ちょこん、と腰掛けてすこし首をかしげるその姿は、はっきりいって傍目からみれば、
文句なしにかわいいっ!の一言に尽きるのであるが。
この場にはケースに入った人間以外には誰一人として存在しない。
そんなことを思いつつ、しばらくどう行動するべきか考えていると。
ぎぃ……
ゆっくりと…ゆっくりと、暗闇の向こうにある扉が開かれ。
そこにたたずむ一つの人影。
その手に明かりを灯している品物をもち……
「…こんなことは…やめさせないと…ハルシフォム様……」
暗闇の向こうより、女性の声が、エルの耳にと聞こえてくる。
ほのかな明かりに照らされている夕日いろの紅い髪。
一人、扉をあけて入ってきたのは一人の女性。
彼女の願いは…ただ一つ。
彼を…自分を生み出して、そしていつくしんでくれたあの男性を助けたい…
ということのみ。
それは、もう一つのすでに器のない存在と願いは同じ。
「……ルビア…ね。」
ぽつり、と小さくつぶやくようにと口にだすエル。
エルには彼女が一体何なのかは判っている。
判っているからこそ……
そんな彼女のほうにとむかい、そしてゆっくりと立ち上がる。
……エルとてあの人間を止めたい…という思いは…同じ。



キッンっ!!
何やら空気が軋むような音とともに、周囲の景色が一変する。
「何だ!?」
警戒の色を崩さないゼルガディスにと代わり。
「…結界よ。」
「だな。」
なれた様子で動じることすらなく、すでに臨戦態勢にと入っているリナとガウリイ。
二人にとってはこのような結界に閉じ込められる。
というのはもはや日常茶飯事と成り果てていたがゆえに動じることはないのだが。
普通に生活をしていれば、そんなモノに慣れる…ということ事態がまずありえないのであるが…
すばやく剣を抜き放ち、構えるガウリイに、そしてまた。
そんなガウリイのサポートをいつでもできるようにとひとまず、すばやく。
増幅呪文を唱えるリナ。
それは口の中で小さくつぶやいているがゆえに、回りにいるものには聞こえていない。
そんなリナとガウリイの言葉に。
「…ほぉぅ…よくわかったな……」
「我が主の邪魔をするものは…何人たりとて…容赦はせん……」
ゆらり…と目の前の空間が揺らぎ出現してくる二つの影。
「なっ!?何だぁ!?」
「何やつ!?面妖な!?」
その姿をみて何やらわめくゾルフに、そしてまた、警戒の色を崩さずに叫んでいるロディマス。
「純魔族ってやつよ。ちなみに…確か下級だったっけ?」
そんなリナの言葉に、思わずため息をつきながら。
「…というか…何かあんたらにかかわって…魔族がらみが多くなってないか?」
思わず本音とともにそんなことをリナとガウリイにむかっていっているゼルガディスの姿。
「気のせいよ。」
きっぱりと言い切るリナ。
気のせい…とは言いがたいような気もするが…
何しろ、先日などはあの『魔王』と戦い…この町にくるまでも、
連続してレッサー・デーモンやブラス・デーモンなど……
…といった、いわゆる亜魔族と戦い続けていたのは紛れもない事実。
「そうそう。この程度で驚いてどうするんだよ。ゼル。ガー何とかってやつとも戦ったろ?」
「ガウリイ。こっちのゼルはあいつとは戦ってないってば。」
のほほんとさらり、というガウリイに思わず突っ込みをいれているリナ。
「…?ガー?何とか?」
「気にしないで。こっちのことだから。」
下手に説明していれば、それこそ話が長くなる。
というか…普通信じられるはずがない。
魔竜王ガーヴだの、冥王フィブリゾだのとやりあった…というその事実は……
「それよりっ!多分、あっちの仮面をつけている魔族。
  あの魔族の仮面が契約の石のはずよっ!あれを叩き壊すわよっ!ガウリイっ!」
「おうっ!」
「「…いや、ちょっとまていっ!!」」
思わずそんな二人のやり取りに突っ込みをいれているゼルガディスとゾルフ。
契約の石。
即ち…それは、『不死の契約』をした人の魂を閉じ込めている…うんぬん。
といわれているもの。
魔族と不死の契約を交わしたものを倒すには、
その魔族よりも高位のものの力を使うか、もしくは、契約の石を壊す。
のが常識…とされている。
…実際にそんなことをした人間がいるのかどうかすらもが怪しいが。
とにかくそう一般の通説で言われていることは事実。
「…セイグラム殿?こいつら…始末したほうがよさそうですね……」
「…だな。ギオ=ガイア。そちらの雑魚はおまえに任せる。」
「御衣。」
白い仮面をつけた全身黒っぽい布らしきもので姿を覆っているそれ…魔族が。
リナ達を虚ろな目で見据えつつも言い放ち、
そのままふわり…と間合いをつめてくる。
一方で、人の形を模しそこねたような黒い塊にタイルのようなものをつけているもう一つの魔族もまた。
その異様に長い手をにゅるり…と伸ばしつつも、間合いをつめてくる。
だが…しかし。
この魔族たちは知らない。
目の前にいるリナとガウリイ。
この二人は…魔族との戦いに慣れているものだ…ということを。
相手はたかが人間。
その油断が…彼らの命取りになる…というその事実を。



「……何かようですか?あなたたち?」
リナ達がセイグラムたち魔族によって結界に閉じ込められた同時刻。
こちらはこちらで、エルを探して移動していたレナたちの前にと現れる一人の男性。
その人物こそ。
「…あんたが白のハルシフォム…ね。」
魔道士協会の地下室でタリムから聞いているがゆえに、理解ができた。
目の前の彼こそが…問題のその人物だ…ということを。
そんなレナの言葉に。
「…私の邪魔は誰にもさせませんよ……」
感情のこもっていない笑みをむけ、にっこりと微笑むのは。
今回の事件の主たる原因の人間。
ここ、アトラス・シティ魔道士協会評議長。
白のハルシフォム…その当人……


              ――続く……



#####################################

あとがき:
薫:ちなみに。多少原作の設定と異なっている場所もあったりしますのです。
   ルビアのほかにもまだ別に人造人間を創造ってたりとか…
   正確にスレの世界の表現でいくならば、生肉ゴーレム…というべきですかね(まて
   さてさて…次回でリナやレナたちの戦闘シーンv
   とりあえずリナとガウリイは戦いなれてるからなぁ(笑
L:それはそうと。あたしの活躍はっ!?
  あんた…あたしをあまりだしてないし……
薫:うぐっ!というか!ルビアさん(人造人間のほう)とで活躍はあるじゃないですかっ!
L:ほぉう。あれが活躍・・ねぇ?あたしとしては暴れたりない・・・もとい遊び足りないんだけど?
薫:・・・人の体とはいえ・・・本気だされたら町そのものが危険なのでは…(汗
L:きにしなくていいのよ。
薫:・・いや、十分に問題かと(汗
L:それはそうと、あんた最近…打ち込みスピードが遅いわよ?
  しかも、あんた…昔かいてたレポート用紙がみつからないからっていって。
  何でまた同じやつの漫遊番外をノートに書き換えてるのよ!?
薫:あ・・・あはははは(汗
  さがしまくってもみつからないので…一応かいておこっかと…
  書いてたら打ち込みするのもラクだし…読み返すのもラクだし…
L:・・・あのねぇ…それはそうとして。リクエストうけてるやつをとっとと完成させなさいっ!
薫:・・うぐっ・・が・・がんばります…
L:あとフォーエバーシリーズもねv
薫:・・・しくしく・・・はい・・・
L:ほらほら。とっとと編集作業にはいるっ!
薫:はいいぃ!って、あの!?このよじのぼってくるものはいったい!?
L:さ〜てと。いらないことは考えずに打ち込みする人形と成り果てなさいねv
薫:んなぁぁ〜!!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・
L:さってと。無言で打ち込みと編集始めたひとはほっといて。
  それでは、また次回でねvまったね〜♪

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32142パラレル・トラベラーズ 〜動揺?〜かお E-mail URL2005/12/20 22:06:52
記事番号32031へのコメント

まえがき&ぼやき:

なぜか以前つかってた使い勝手のいい画像ソフトが見つからず・・
つうか・・・修理する前のって・・・どこからダウロンードしたんだろうか(汗
・・・付属ソフトの一つ・・ではないはず・・全部インストールしたはずだし・・
などと年賀作成においてパソの画像ソフトがないので四苦八苦している私です。
せめてレイヤー機能とあと色別パレット機能……
それと消しゴムと筆等フォント(大きさ)訂正可能・・がないとねぇ・・しくしくしく・・
画像ソフトを買う・・にしても・・それらの機能がはいってなかったら・・
どうにもなんないし・・しくしくしく……
あと切り取り画像を新規貼り付け。&透過加工ができるのがいいですよねぇ。
って…さがしまくっててもみつかりませんけど…ね・・
なのでしかたなしにレイヤーなしの色も視難いけど・・それで只今色付け中……
ゼロスはさすがにはやかったです(笑
とりあえず12月の18日はほぼ画像ソフト探しと・・
あきらめてのレイヤーなし、詳細明細なしのパレット利用で色付け開始……

#####################################


        ○パラレル・トラベラーズ○ 〜動揺?〜


「そんなっ!?」
あからさまに動揺したような声を上げる。
だが、それもあくまでも作戦のうち。
というか、こういう存在には不意をついて一撃必殺で決めるに限る。
それを身をもって経験しているリナだからこそなおさらに。
そんなリナの態度を作戦…とは気づかずに、自分達の姿をみて驚いている。
と勘違いし、完全にと有利を確信している魔族達…セイグラムとギオ=ガイア。
「何だ何だ!?」
何やら動揺し、わめいている男が二名。
そんな彼らの動揺している感情もまた彼らにとっては糧となる。
こいつらは…いちいち魔族に食事させる必要もないでしょうに……
リナはそんな二人をみて内心思うが、そんなことを口にだせば相手が警戒する。
最も、彼らはたかが人間、とタカをくくっているであろうから、
ようは不意をつけばあっさりと勝てる。
しかもこの二体は自力で具現化はしているものの、人間形態をまともにとれない。
純魔族…とはいえども下級に位置する魔族たち。
伊達に数年以上…魔族とかかわりになっているのではない。
最も、ゼフィーリアにいる限り、魔族もなかなかにちょっかいをかけてこない。
というのも現状ではあるのだが。
最近は、それでも、人間風情に大きい顔をされてたまるか云々…といって。
やってくる魔族も少なからずいなくもないが、だがしかし。
ゼフィーリアそのものに満ちている気というか女王の気…というか。
正確にいえば、水竜王の聖なる気に当てられて、あまり力のないものは仕掛けてこない。
というのが今までの日常。
それを思えば…この二体の魔族は雑魚にも近い…と思ってしまうのは。
経験上、様々な魔族と対峙してきたリナだからこそ思うこと。
最も……
何やら横のほうでは。
「…絶対にこいつらにかかわってから…何か魔族がらみ…多くないか?」
何やらつぶやいて額に手を当てているゼルガディスの姿も見て取れるが。
何かこいつらと知り合ってから…休むまもなく魔族関係の事件に巻き込まれている。
などと内心思ってしまうがだがしかし。
元々は自分の曽祖父がまいた種でもある、というのも理解している。
もう以前のような合成獣(キメラ)ではないにしろ。
レゾが残した賢者の石の欠片…リナ曰く、魔血玉(デモンブラット)があるがゆえ。
以前のときとの魔力の差はあまり気にならない。
唯一気をつけなければいけない…というのは。
この町にくるまでにレッサーデーモンなどと戦って、
ついつい癖で合成獣(キメラ)のときと体の耐久性が同じ。
と錯覚してしまい怪我を幾度か負ったこと。
今までは、別に回復呪文などは無縁であった…というのもあり、
ゆえにこの町にくるまでにリナ達などから教わり治癒程度の回復呪文は身につけている。
魔術の基礎ができているがゆえに飲み込みも早いのだが。
そんなことをつぶやいているゼルガディスの隣では。
ちらり、とガウリイと目配せをして無言で合図をしているリナとガウリイ。
「烈閃槍(エルメキア・ランス)っ!!」
相手はたかが人間が数名。
自分達魔族にかなうわけがない。
…あの子供のように空間を切り裂く術など…術の源が不明ではあるが。
普通はできるはずがない。
生命力もかなりある子供だったので特別だったのであろう。
そう思っているセイグラムは完全にリナ達をなめてかかっている。
本来、魔族…というものは、精神生命体であるがゆえに自分達の優位を確信している存在。
人という力のない存在に自分達が負けるはずがない…という概念をもっている。
最も…リナとガウリイの場合においては、元いた場所では、二人をどうにかすれば、
魔族の中での地位が確立される…と思い襲撃してくる魔族が後を絶たないのであるが…
『くく……』
パキィン!
リナが放った光の槍をそのまますっと異様に長い手を伸ばし。
それを握りつぶしているギオ=ガイア、と呼ばれていた魔族の姿。
やはり、こんなものか。
などと彼らは内心思うが、だがしかし、彼らは知らない。
今のリナの一撃は、わざと威力をかなり落としていた…というその事実を
「くっ!」
それをみて傍目からは、驚愕したような表情をしているリナ。
だが、これもすべては作戦のうち。
『セイグラム殿。ここは私一人で十分です…』
そんな彼の言葉に。
「ほざけっ!」
多少声を震わせつつも、何やらわめき。
そして呪文を唱え。
「火炎球(ファイアー・ボール)!!」
何やら優位を確信してなぜか炎の術を解き放っているゾルフの姿。
……だぁぁ!
魔族にんな術が通用するかぁぁ!
などと、それをみて思わず内心リナは叫んでいたりするのだが、
だが、今それをいうわけにはいかない。
術は発動するものの、当然、相手に傷一つつけられるはずもなく。
『こんなものか。人間というものは……』
ゆっくりと、ふわり…と降りてくる二体の魔族。
そして、ゆっくりとあっさりと決着をつけたら面白くない。
魔族というものは相手をいたぶりながら、それでいて恐怖を抱かせて。
それからじわり、じわり…と相手を害するもの。
この二体も例外にもれず、ここにいる人間達から負の感情を糧とする。
そんなことをおもいつつも、二体は浮かんでいた体を地上にと下ろしてゆく。
ふわふわと上空に浮かんでいる状態では、戦うにも戦いにくい。
それゆえに相手を油断させ、地上に下ろす、というのがまず第一のリナ達の作戦。
…もっとも、その作戦の意図を理解しているのは、この場においては。
ガウリイ、そして…ゼルガディスのみであったりもするのだが。
残りの二名、ゾルフとロディマスはリナの無言の視線の意味を理解していない。
ゆえに…
「なにっ!?」
自分の放った術がまったくきいていないのをみて驚愕しているゾルフだが。
そんな間にもすでに、ガウリイは剣を構え。
そして、ゆっくりとのばされてくるギオ=ガイアの異様に長い腕を切り刻んでいっている。
ガウリイのもっている剣は周囲の魔力を切れ味とする斬妖剣(ブラストソード)。
ゆえに、精神生命体でもある魔族もまた斬れる。
『ほぉう。人間にしては……だがしかし。生半可な力は安易に身を滅ぼすぞ?』
そんなガウリイにすこし含みのある声でいっている仮面をつけている魔族、セイグラム。
彼もまた気づいていない。
ガウリイが手加減をしている…というその事実を。
ガウリイの役目はあくまでも、呪文を唱えているリナの援護。
時と場合により、ガウリイが援護しリナがとどめ。
もしくは逆も然り…というのがこの二人の戦い方。
ちらり、と視線を後ろに向けつつもリナの状態を確認しつつ、
ガウリイはともかく魔族の目を自分のほうにとむけてゆく。
「「崩霊裂(ラ・ティルト)!!!」」
『何っ!!??』
セイグラムがガウリイにそうつぶやいたその刹那。
リナとそしてゼルガディスの唱えていた術が二人同時に完成し。
そして同時にそれは解き放たれる。
本来ならば、この術は特定の対象物の精神を攻撃する精霊魔法の中では一番高度な術。
とされているもの。
だが、リナとゼルガディスはその呪文に多少のアレンジを行い。
術の効果が二箇所に出るようにと仕向けている。
最も、完全に術の威力を二分したらそれこそまがり間違っても純魔族が相手。
生半可な力では太刀打ちできるはずもない。
というのはよくわかっているからこそ。
片方はただのおどし程度。
だが…相手に隙を作り出すのはそれで十分。
「でやぁぁ〜〜!!!」
言葉を交わさずとも、理解ができる。
というのもリナとガウリイの戦い方…というか信頼がより大きい、という結果であろう。
ガウリイは先ほどのリナの無言の視線でリナの意図をうけとり。
それゆえに自分はわざと手加減しつつ、魔族たちの気をひいていたのだからして。
『な゛っ!!??がっ…ぐわぁぁぁぁぁ〜〜!!!?』
多少ひるんだ隙をつき、ガウリイがセイグラムの頭上に一瞬のうちに跳躍し、
そしてその頭上…即ち、仮面の上から剣を振りかぶり大きく斬りかかっていき。
そしてまた。
リナとゼルガディスが同時に放った術をまともにうけ、
驚愕しながらもだがしかし、断末魔をあげつつも、直接精神本体にダメージをうけ。
そのまま消滅してゆくギオ=ガイアの姿。
カッシャァァン……
それと同時、ガウリイが再び地面に着地すると同時、
セイグラムの顔部分にとはめられていた白い石が地面にとおち。
それは静かな音をたてて粉々にと壊れてゆく…
『な゛っ!!……くっ!!!!!!!!!?』
あからさまに、自分の仮面を狙っていた、というのにそのときになりようやく気づく。
…が、もう遅い。
「よっしゃぁ!ナイスっ!ガウリイっ!さあ!これで契約の石は叩き割ったわよっ!」
セイグラムの仮面が割れるのをみてとり、思わずがっつポーズをするリナに。
「でもリナ?仮面だけでよかったのか?」
ガウリイとすれば、仮面と同時に、セイグラム自身にもダメージを与えたほうがよかったのでは?
などと思っているのだが、だがしかし。
「今は仮面だけでいいのよっ!
  さあ!セイグラムっ!どうせあんたのその仮面が契約の石だったんでしょ!?
  契約の石が壊れた以上、もう契約は無効ってことよね?
  エルはどこっ!!?あんたたちが誘拐した子供たちは!?」
魔族、というのもは契約を交わしていれば契約者の言うことをきくが。
だがしかし、その契約が無効になれば、魔族それぞれの性格にもよるが、
大概はもはやかかわりがないこと…といって契約者…といえども見捨てる傾向がある。
それがわかっているからこそといかけるリナ。
…もっとも、このセイグラムに関してはそういう理屈が通るかどうかは不明だが。
何しろリナが知っているセイグラムはといえば、リナとガウリイに復讐するためだけに。
魔竜王ガーヴ配下のラーシャートの手により、人間と同化し、
再び自分達に挑んできた…という履歴の持ち主であるからなおさらに。
【ここ】のセイグラムが同じような行動をとるかどうか…というのはリナには判らない。
判らないが…だがしかし、どちらにしても契約の石は破壊しなければ、話にならない。
というのも理解していた。
ゆえにこそ、ガウリイに視線で石を割るように…と訴えたのだから。
そんなリナの問いかけに。
ぽっかりと赤い瞳だけがのぞいている黒い顔部分をリナ達にむけ。
『…どうやら甘くみていたようだな……。
  契約の石が割れた以上は我にはかかわりがないこと…
  …だが……この場はひこう…だが……このままでは…おわらせん……』
すぅ……
そう言い放ち、そのまま虚空に解け消えるようにと掻き消えてゆく。
「あっ!まっ!」
「まてっ!」
リナとゼルガディスが叫ぶと同時。
ざわざわざわ……
今までまったく聞こえなかった人のざわめきが耳にとはいってくる。
「…結界がとけた…か……」
ガウリイがそんな周囲を見渡しておもわずつぶやいていたりするが。
「だぁ!わかりきったことをいわないのっ!ガウリイっ!
  とにかくっ!エルはどこ!?エルはっ!!エルのところにいくわよっ!」
そんなリナの言葉に。
「か〜さまぁ?何かあったのぉ?」
今の今までリナの背中にくくりつけられて完全に爆睡していたマナがようやく目をさまし。
むにゃむにゃと何やらいいながらも目をこすりながら声をだす。
そんな姿をみつつ、今さらながらに…
「…そ〜いや…あんた、子供を背中にくくりつけたままで戦ってたんだよな……」
ある意味、あらゆる意味で感心してしまう。
…まあ、確かに宿に一人で置いてゆく…という手段は危険だ。
というのは理解できる。
できるが…何か、子供を抱えたままでの戦闘も…こいつらなれてないか?
などと思わず内心思ってしまうのは…当然、といえば当然なのかもしれない。
そんなゼルガディスのつぶやきに。
「そうだけど?」
だからこそ、あのセイグラムにとどめをさす、ということはせずに。
ただ、契約の石を破壊し、ついでにどうにかなりそうなあのもう一体の魔族。
あれを消滅させただけなのだから。
あのギオ=ガイアという魔族はセイグラムよりは格下。
というのはあからさま。
何しろ、リナの知っているあの魔族は、ハルシフォムに喰べられた…
…という経歴の持ち主なのだからして……
「「「…いや『そうだけど』…って……」」」
リナのあっさりとしたいいように、
思わず同時に突っ込みをいれるロディマス・ゼルガディス・ゾルフの三人。
「ほらっ!とにかくいくわよっ!」
そのまま、エルのもっている護符の波動を頼りに、その場から駆け出すリナに。
「あ!リナ!まてよっ!」
リナの背中からマナを降ろし終えたガウリイが、そんなリナに向かって何やらいい。
マナを抱えてそのまま走り出してゆく。
後には。
「……と、とにかく。俺たちもいくぞ。」
「「はっ!!」」
何をいっていいものか。
ともかく優先されるものは…誘拐されている子供たちの安全が第一。
そう思考を切り替えて、そんなリナ達の後を追いかけてゆくゼルガディスたち三人。
そんな彼らをみつつも。
「……また何かあったのかねぇ?」
「……ほんと。」
周囲にいた通行人たちがそんな会話をしていたりする光景が、
アトラス・シティの一角においてしばしみうけられてゆくのであった。



「……あら?あなたは……」
「あたしはエル。エイル=ガブリエフ。あなたは?」
暗闇の中から歩いてくる一人の女性。
そんな女性にと話しかける。
「私は……。それより、あなたどうやって中から……」
このカプセルは内部からは力を加えても壊れないはず。
確かそう、以前にハルシフォム様からお聞きしてますが…
そんなことを思いつつ、といかける夕日色の髪をしている女性。
「ちからいれたらこわれたけど?」
「……不良品だったのかしら?…ともあれ。無事で何よりだわ。
  私は…ルビア…と一応呼ばれては…います…
  それよりも、はやくあなたも他の皆と一緒にここから脱出してください。」
エルの言葉に多少首をかしげつつも、だがしかし。
はっと気づいたようにと話しかける。
そんな彼女…ルビア、となのった女性の言葉に。
「…だっしゅつ?」
鸚鵡返しにといかける。
「……わたくしは…これ以上…あのひとに……
  ハルシフォム様に罪を犯してほしくはないんです……」
相手は小さい子供ゆえに、詳しい話をしても理解はできないであろう。
また、そんな時間も今はない。
今自分が優先することは…捕らわれている人々を救い出すこと。

あのまま、幽閉されているままならば、ハルシフォム様も心を入れ替えたのかもしれない。
だけども…なぜかあの束縛は破られ…以前にもましてさらに人々に害を与えている。
それもすべては…自らのオリジナルとなった『ルビア』をよみがえらせるために。
だけども、彼女にはハルシフォムにもいっていないが、視えていた。
いつも、元たる彼女の魂がいつも彼のそばにいる…というその事実が。
そしてまた…その魂は、あの魔族がやってきてからは…魔族に捕らわれた…ということも…

そういいつつも、ふっと視線を下にむけ。
「とにかく。いそいで。…わたくしはこの部屋の人々を解放します。」
いいつつも、部屋の一角にある装置のスイッチを解除してゆく女性の姿が。
とある建物の地下室の一室においてみうけられてゆく……



         ――続く……



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あとがきもどき:
薫:・・・何か今回の戦闘シーン…意味不明だなぁ……
L:あんたがなるべく削除しようとするからよっ!
薫:…うぐっ!…魔族を暴れさせたらそれこそしゃれになんないし…
  というか、リナとガウリイ以外はなれてませんしねぇ。
  あまりに暴れさせたりしたらロディマスはともかく、絶対にゾルフがパニックおこします(笑
L:まったく。あの人間はねぇ。純魔族にあんな攻撃きくわけないじゃないのよねぇ。
  SにSの力で攻撃しかけようとするわ…ほんとあれは三流以下よね。
  雑魚よりひどいわよね。
薫:・・・ものすごいいわれようのような…でもある意味そうなのかも(汗
   きちんと物事を理解してなくても呪文は発動する…といういい見本なのかも(まて
L:ま。ともかく。リナとガウリイをなめたらあっさりとやられる。
  というのはもはや常識となってるのにねぇ。
  最近ではあたしが後からちょっぴりそんな輩にはちょこっと攻撃してるけど。
  器というか肉体を介さない力とかならどうとでもなるからねぇ。
薫:・・・・・・・・・・き、きかなかったことにします……
  何はともあれ、次回。
L:そういえば、ようやくレナ達のほうにいくのよねぇ。
  あとあたしvがようやくでてくるしvってあたしの活躍は!?
薫:……あ…あはは……
  エル様の活躍…しいていえば彼女を・・・・・・ですかねぇ。
L:そんなの誰でもできるでしょうがっ!器はそこにあるんだからっ!
薫:無理ですっ!!
L:あら?そんなことないわよvってことで実験をv
  とりあえずあんたも彼女同様に肉体もたない魂になってねv
薫:・・え゛っ!?って!誰に実験させるんですか!?誰にっ!
L:あんたんちのネコv
薫:無理にきまってますぅぅ!
L:えいv
ぽびゅっ……

ニャー……
く〜く〜く〜……

L:あら?どうやら理解できなくてこのネコは薫を探してるし…もうひとりは寝てるし…
  …ま、いっか。それでは、なぜか器のなくなった人はおいといて。
  それでは、まったねvv

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