◆−光と闇の狭間で †序章]† 嵐の前−ソエル (2005/9/5 20:56:54) No.31799
 ┣†序章]T† 軍神−ソエル (2005/9/11 00:41:42) No.31825
 ┗†序章]U† ‘二つ名‘の所以−ソエル (2005/9/19 20:12:37) No.31867
  ┗Re:†序章]U† ‘二つ名‘の所以−F-2 (2005/11/10 21:10:47) No.32029
   ┗お久しぶりですね−ソエル (2005/11/13 19:13:30) No.32042


トップに戻る
31799光と闇の狭間で †序章]† 嵐の前ソエル E-mail 2005/9/5 20:56:54


「あのー・・・その斬妖剣〈ブラスト・ソード〉って・・・」
話がひと段落ついたところで、今まで後ろの方で会話から外れていたゼロスがおずおずと口を開いた。
「ん?」
歩みを止めずにレヴィアスが振り返る。
「―――そーいえば何も言ってなかったんじゃない?」
ソレイユはレヴィアスと顔を見合わせて、思い出したように言った。
因みにライドは前の方でひたすら露払いをやっている。
「どうしてレヴィアスさんが持ってらっしゃるんです?」
ソレイユはんーっと考えた後、にっこり微笑んだ。
「じ・つ・は。レヴィアスがあの大魔道士リナ=インバースの曾孫にあたるんだなー」

「「・・・えぇぇぇぇ!!」」

ゼロスと一緒にライドまで手を止めて驚愕の叫びを上げている。
――色々と大丈夫なのだろうか。
と、レヴィアスがライドの穴を埋めるように、通路の脇から飛び出してきたモンスターを切り捨てた。
「あれ?ライドも知らなかったの?」
「初めて聞いたぞそんな事・・・」
「なるほど・・・それなら確かにあの人の文献を持っていても不思議ではないですね・・・」
レヴィアスが前に言ったことをまだ気にしていたらしい。
――因みにレヴィアスの邸宅には、彼女の遺した文献、魔道書の類が相当数ある。
  わざわざそれ用の大部屋があるくらいだ。
  無論厳重に管理、保管されている。

「んで、斬妖剣は代々―――って言えるかどうかは謎だけど、受け継がれてるってわけ。一番強い人が持つんだよね?」
ソレイユは振り返ってレヴィアスに確認を取る。
「ああ」
レヴィアスは背を向けたまま、疲れた声で返した。どうやら、ソレイユに説明を任せることにした様だ。
ぱらぱらと襲ってくるモンスターやら合成獣やらを、片っ端から片付けていく。
「今は、レヴィアスが後継者を決める戦いで圧勝したから持ってるの」
「こいつに一対一(さし)で勝てる人間がいたらそれこそお目にかかりてーよ・・・」
レヴィアスを指差しながら疲れたように言ったライド。
隣のレヴィアスの雰囲気が怖い。
「それはどういう意味だ?ライド」
向かってきたオーク(らしきもの)を両断して、氷の微笑を浮かべている。
「いやあの・・・褒め言葉だって」
「そうは聞こえなかったが」
レヴィアスとライドの間に妙な緊張感が漂う。
・・・時折響くレヴィアスが敵を斬り伏せる音が、絶妙な効果音と化している。
「あの二人は放っておくとして」
ソレイユはそんな二人は気にも留めず、話を続ける。
「レヴィアスは、父方が将軍(今は師団長っていうけど)とか総帥を多く排出してきたアルフィス公爵家で、
母方が大魔道士リナ=インバースの家系なの!」
何故か自慢げに色々話すソレイユに、レヴィアスは憮然とした表情で口を開く。
「そういうソレイユは王族の姫だろう」

「「ええぇぇぇぇぇぇえ!?」」

絶叫(?が再びこだました。
「それとこれとは別!わたしなんて王位継承権ひくいし、そういう才能があるわけでもないし。
というか、リナ=インバースの子孫だなんてうらやましすぎ!」
どうやらソレイユはリナに憧れているらしい。
「・・・そうか?別に、あの人の血を引いてるからといって何か得することがあるわけではないが」
レヴィアスは、顔をしかめて言い放つ。
無論、手は止めない。
「あれだけの魔道書と斬妖剣受け継いでれば、じゅーぶん得してると思うけど」
「・・・・・・争奪戦が凄まじいんだが」
心底イヤそうに言うレヴィアスに、今度こそソレイユは沈黙した。
「え・・・ソレイユって姫ぇ!?」
話についていけてないライドが、また叫んだ。
「そうだけど。・・・何か文句でもあるの?」
「あ・・・いや・・・ないです」
なんとも言えないプレッシャーに、ライドは首を横に振った。
「いやー世の中不思議なものもあるもんですねぇ」
何を指していったのか。
この雰囲気の中、気楽に笑うのはゼロスだけ。
さっきより数段低くなった空気を、笑い声が揺らしていた。



「全く呑気なものですね」
精神世界〈アストラル・サイド〉。気取られないように結界を張り、この光景を見下ろすものがいた。
「とはいえ――厄介なものが近くにいるようですから、うかつに手は出せませんね」
誰にとも無く言って、その者は姿を消した。



―――――――――――――――――――――――
すみませ・・・遅れまくりました(土下座
そして話が続いております・・・申し訳ありません。
著者別か過去ログで探してください・・・。あぁぁぁ

説明は大体これで終わりだと思います。長々と失礼しました^^;

トップに戻る
31825†序章]T† 軍神ソエル E-mail 2005/9/11 00:41:42
記事番号31799へのコメント


  ・・・・・・ゥン・・・・・・
   
微かな、本当に聞こえるかどうかの音が耳に届いた。実際、それに気づいたのは約一名だった。

  ざわっっっ

その直後。その場にいた者たちの間を、悪寒が走り抜けていった。
みな総毛だったまま固まっている。ゼロスでさえ、驚いて何事かと首をめぐらせている。
その中で、唯一平然としているのは、レヴィアスのみ。
「・・・・・・始まった、か・・・・・・」
そう、少し目を伏せて呟いた。

      ◇          ◇

同時刻。ある者がその場から離れようとしていた。
だが、他の者と同じく悪寒に襲われて、それは叶わない。
否、彼女の場合は悪寒とは言えないかもしれない。何故なら、彼女には実体がないのだから。
それでも、ぞくぞくと悪寒のようなものが駆け巡り、やがてそれは痺れるような痛みにかわった。
位置を変えるたびにびりっと電撃のようなものが走る。この砦から出ようとすれば、更にそれは強くなった。
「何故・・・・・・!!」
そう呻いて、彼女に実体があれば、間違いなく歯噛みしていただろう。
「あの魔族・・・・・・手は出さないと思ってましたが・・・・・・」
そう、悔しげに先ほど視た黒い神官の方を睨みつけた。

      ◇          ◇

砦の奥。二階から続く階段の先。雑然とした部屋の中に、ゼロスの追うその人がいた。
「なんでしょうかね、これは」
言いながらも顔をしかめている。どうもあの後から思うように「力」が振るえない。
先程、何が起こったのか確かめようと砦の外に行こうとしたが、上手く空間が渡れなかった。
「どうあっても私と決着をつけるおつもりですか・・・・・・」
そう呟いて、彼は薄く笑んだ。
自分が捨て駒にされることなど、わかっていた。それでもこの役を引き受けたのは、ただ彼女と戦ってみたかったからだ。
あの、若くして総帥にまで登りつめた銀髪の娘と。
――かつて戦場で見たとき、その謂れがわかった。そしてそれと同時に戦ってみたいという気持ちが湧き上がってきた。
憧れにも、似た感情。
口調がいやに丁寧になったのもそのせいだ。最も、相手にとっては皮肉にしか聞こえないだろうが。

しばし瞑目して、彼は動き始めた。

      ◇          ◇

「ねぇ、なに今の・・・」
ソレイユの問いに答える者はいない。レヴィアスは、言う気がないのだろう。
「何か変な感じがする」
そう小さく呟いて、ソレイユはぶるっと身を震わせた。
「そーかぁ?俺は何も感じないけど」
「・・・レヴィーは?」
能天気なライドは無視して、ソレイユはレヴィアスを見遣った。
「・・・・・・いや。私は何も」
――無論これは嘘だったが、ソレイユは何の疑問も持たず納得していた。
とはいえ、魔力を感知できる人間が、これに違和感を持たないはずはない。
〈神封じの結界〉のようなものかと、ゼロスはすうと目を細めて思った。
言わないのは―――たぶんその方が身のためだから。前にも思ったが、この女騎士は只者ではなかった。
そして、斬妖剣〈ブラスト・ソード〉で斬られれば、いくら自分でも身が持たない。
「うーん、これは面白いことになりましたねぇ」
知らず、口からこぼれた言葉と笑みに、不信そうな視線が集まった。
「「何が」」
レヴィアスとソレイユが胡散臭そうに言い放つ。
「そこはそれ、いろいろとあります」
「答えになってないよそれ」
ソレイユが脱力していった。
「・・・・・・放っておけ。行くぞ」
「結構冷たいんですね」
「余計なお世話だ」
踵を返したレヴィアスに、横に並びながら言うとそう冷たく睨みかえされた。
すごすごと後ろに下がると、その場所にソレイユが割り込んだ。
ライドが後からついてきたのを確認して、レヴィアスは一気にスピードを上げた。
「こっちだ」
短くそう告げて、脇の細い通路に入る。ぐねぐねとダンジョンさながらの経路をたどっていく。

しばらく走ったのち、四人の順番がかわっていた。あらゆるところからモンスターやらアンデットがでてくるためだ。
とっさに対応できるレヴィアスとライドが前、ゼロスとソレイユが後ろ。
すでに前の二人だけでかなりの数を倒している。二人とも一太刀で倒していく様は鮮やかだった。
そして――古びた階段の前、4人は息を整えていた。これを上った先に、いる。
とはいってもレヴィアスとゼロスはほとんどその必要はなかったが。
剣の露を払い、皆が体勢を整えたのを確認して、レヴィアスは古びた階段に足をかけた。


   。○゜゜   。○゜゜   。○゜゜   。○゜゜

さて、動き出しました。レヴィアスのセリフの意味は、おいおいわかると思います。2番目に出てきた人は、]の最後に出てきた彼女です。次の「彼」についてはT〜X参照で^^;クレアバイブル関係でゼロスが追っている人です。

あ、わかりにくいとか誤字があったら教えてください〜お願いします。
ではv  

トップに戻る
31867†序章]U† ‘二つ名‘の所以ソエル E-mail 2005/9/19 20:12:37
記事番号31799へのコメント

古びた階段を上ったその先の廊下。4つの人影が、ランプによって映し出されていた。
「ここか」
「みてーだな・・・」
正面には、人の身長の2倍はあろうかという扉。
騎士の格好をした銀髪の剣士は顔色を変えずにその扉を――正確には、その奥を見据えていた。
対して、横で剣を構える赤毛の戦士は、額に汗を浮かべていた。
張り詰めた緊張感と、身が凍るような殺気。
それに平然としていられるのは、この剣士と後ろの黒い神官服の青年くらいだろう。
横でまだ少女とも取れる金髪の巫女が、ごくりと唾を飲み込み、かすかに震えていた。
しかし、黒髪の青年は悠然と構え――あまつさえ、微笑を浮かべている。
「どーりで出てくる連中に歯ごたえがないと思ったら・・・ここに集まってらっしゃったんですね」
「私は初めからこうして一気に片付けるつもりだったが」
さらっといってのける銀髪の剣士――レヴィアスに、黒の神官――ゼロスは苦笑で返した。
「・・・実に、貴女らしい」
時間稼ぎしているように見えたのは、気のせいじゃなかったんですねと笑いながら言った。
「まぁな。・・・・・・二人共いつまで固まっているつもりだ?」
口の端をあげてゼロスに答え、赤毛の戦士と金髪の巫女を見遣る。
「ちょっと待て。俺をどっかの怖がりと一緒にすんな」
「こっちこそ。こんな役立たずとは全然違うし」
気色ばんでお互いを指差す二人――ライドとソレイユからは恐れが薄れていた。
「ふっ・・・・・・行くぞ」
レヴィアスはそれに満足そうに軽く笑みを浮かべて、扉の方に向き直った。
と、その殺気が一気にふくれあがる。
直後。鈍い音が響き、金属補強された扉がいくつもの断片と成り果てていた。

 ドォンッッ

しばし遅れて重い音が反響し、砦がゆれた。押し寄せる爆風と熱気にライドとソレイユは思わず身をかばう。
レヴィアスは平然としているゼロスにちらりと視線を向け、即座に正面の扉のあった所に戻す。
――この爆発は、敵が放った火炎呪文にレヴィアスが特殊な宝珠〈オーブ〉を放り込んで起きたものだった。
その宝珠〈オーブ〉とは術の効果をその場で全て起こすものだ――
盛大にあがった煙か埃かが薄れたその先には、うごめく影が無数に見えた。
「ずいぶんなお出迎えだな」
そう不敵に笑って今だ煙っぽいのも構わず進む。
足を踏み入れたその場所は、何のために作ったのかやたらと広い大広間。
後に続いたソレイユは、辺りを見て思わず悲鳴を上げていた。
―――敵の数が軽く百を超えている。

そこにいたのは、様々なモンスター・合成獣・同じ顔をしたホムンクルスがこれだけで計七・八十、それに魔道士が十数人と戦士が二十数人。
そしてその中に紛れるようにして、暗殺者のような姿の者が数人いる。

「マジかよ・・・」
半ば呆然としながらライドが言った。
「だが、私の首を取るには少なすぎるな」
冷ややかに言い放つレヴィアスを見てライドは固まった。
「いや?それどころか、この程度では時間稼ぎにもならないか」
いっそう冷酷に冷笑しながらそう言ったレヴィアスに、ライドは『蒼き戦神』の名が何故ついたか、実感せざるを得なかった。
この冷たさと服、目の色より『蒼』が、その実力より『戦神』と言われるのだと。

 ザシュッッ

レヴィアスの周りに血しぶきが舞った。見ると、逆上したのか、襲い掛かってきた連中が一撃で致命傷を負い倒れていた。
そしてなおも襲い掛かってくるトロルの首を斬りとばし、剣筋を変えてホムンクルスの大男を両断する。
「火炎球〈ファイアー・ボール〉」
剣の露を払いながら、レヴィアスはふと呟いた。

 グゴオゥンッ

アレンジしたのかいきなり現れた火球に、呪文を放とうとしていた魔道士たちが逆に消し炭となる。
レヴィアスはその様子に一瞥もくれることなく、トロルの屍骸を飛び越えてきた昆虫人間〈ワーマンティス〉を袈裟懸けに斬って、後から出てきた蜥蜴人間〈リザードマン〉に向かって蹴り飛ばす。
と、レヴィアスの持つ剣の刀身が蒼い光を纏う。レヴィアスはそのまま真横に薙ぎ払った。

 ザンッ

青い光が走り、辺りが赤く染まる。しばしあってレヴィアスの周り――剣が届かないはずの位置にいた者たちさえもくずおれた。
その骸は皆見事に上下二つに分かたれている。
風通しがよくなった所で、レヴィアスは再び笑みを浮かべた。
「もう終わりか?」
一連の動きだけで、もう全体の4分の1程が倒れていた。
その白い皮鎧から返り血が滴り落ちていたが、自身の血は一滴も流れていない。
どういうわけか、彼女の服にも装備にも血は一滴も残らず、その跡もつかなかった。
「血濡れの、死神・・・・・・」
向かい合う連中から、絞り出すような声が聞こえた。皆、返り血を滴らせるレヴィアスを見て戦慄を覚えている。
ソレイユとライドも例外ではない。ゼロスもいつもの笑顔を消して、レヴィアスを見据えていた。
――彼女が普段使っている剣はかなり特殊な魔法剣らしい。普通呪文も使わず剣にあんな魔力をこめて放つということはできない。
それに前も思ったが彼女の術発動はかなり早い上に、威力も高い。しかも剣を振るいながら、だ。
そうゼロスは違和感のようなものを感じていた。

戦慄が辺りを支配する中、当のレヴィアスは屍のなか平然と立っていた。



――――――――――――――――――――――――――――――
毎回毎回タイトルに困るソエルです。苦手ならつけなきゃいいんですが、そうすると内容が一目でわからないというか区別がつかない。困ったものですね。
というか話の方が進んでませんね、あまり。裏事情とかも出していきたいんですが・・・どうなることやら。
さて、わかりにくい、もしくは誤字などありましたら遠慮なくお願いします。
感想もお待ちしてます。
では。

トップに戻る
32029Re:†序章]U† ‘二つ名‘の所以F-2 2005/11/10 21:10:47
記事番号31867へのコメント

ちょーーーーーーーーーーーーーご無沙汰してます。
いやいやこの書きなぐりに来たのも約4ヶ月ぶりです!
勉強に追われていました。
また暇なときがあったら小説を書きたいと思います。
次は、SWAT系で行きたいと思います。
また御機会があったら、お会いしましょう。
さようなら!

トップに戻る
32042お久しぶりですねソエル 2005/11/13 19:13:30
記事番号32029へのコメント

こんばんわ。
4ヶ月ぶりですか〜。時の速さを感じます(苦笑
勉強・・・お疲れ様でした。
SWAT系ってアメリカのでしたっけ?読んでみたいです。
が、今度は私がこれなくなりそうなので・・・ごめんなさい。私もそろそろ真面目に勉強しないとまずいのです。多少は来れると思いますが、レスは少なくなっちゃうと思います(−−;
目標がかなり高いんで、相当やらなきゃ受からないとゆー・・・。
わざわざ書いていただいたのにすみません。
暇と機会があったら会いましょう
では

inserted by FC2 system