◆−チルドレン 第一章:十六話−○かほ○ (2004/12/12 21:05:27) No.30964
30964 | チルドレン 第一章:十六話 | ○かほ○ | 2004/12/12 21:05:27 |
―――――――…ブラウンさんの息子を殺したのは、兄かもしれない…。 でも何故――――――? 「……………」 考えてみても、理由は分からないだろう。 直接聞くしかない。 …しかし、兄に彼女の息子を殺して得になることなどあるのだろうか? はっきり言えば無いだろう。 けど、じゃあ何故ここに―――― がたんっ! 「!?」 反射的にに二階から聞こえてきた物音にギクっとして上を見る。 いままで、静かだったのに一体っ? がんっ! 続けて、する音にまたぎくっとする。 誰かがものを投げている。 …何かあった。 なるべく物音を立てないように、階段に向かい、いそいで上る。 のぼりおわると、そこには一本の廊下があり、扉が両側あわせて4枚あった。 がしゃんっ! 『出てけっ!出てけっ!出てッてくれ!』 「!?」 男の人の怒鳴り声。 怒ってる。 …けど 「恐怖の方が大きい」 一番奥の部屋からまたおおきな物音がした。 …あそこは―――たしかブラウンさんの夫の部屋。 おじさんっ! 扉の前に、すばやく駆ける。 ドアノブに手をかけかけたところでまた声がした。 『お願いだっ…!もうっ………止めてくれっ! この子はっ……この子だけはっ……』 『ヤだ』 「!!」 聞き覚えのありまくる声にびくっと扉から一歩離れた。 いる。 兄がいる。 兄の気配を追ってきたのだから、いるのは当然だ。 けど、気配ではなく、本当にいるという事実を突きつけられ、エルツはぞくっとした。 …――――本当に、いる。 つぅっと汗が頬をつたう。 冷たい声。 必要最低限のことしか言わない。 たしかに―――――兄だ。 ………期待してた。 望んでた。 いなければいいって。 −続く− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 時間がないので、すいません、ごきげんよう。 |