◆−チルドレン 第一章:十四話−○かほ○ (2004/10/25 16:41:55) No.30794
 ┗チルドレン 第一章:十五話−○かほ○ (2004/12/4 20:23:05) NEW No.30946


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30794チルドレン 第一章:十四話○かほ○ 2004/10/25 16:41:55






丸太でできたシンプルなふつうの家。
一昨日ほど前ならにぎやかな笑い声とか聞こえてたのに、今では何にも聞こえてこない。
エルツはその家の前に立っていた。
時刻は真っ昼間。
昼の太陽が肌を焼く。
けれどもロ−ブをすっぽりかぶっているエルツには関係ないことだった。
季節は秋だ。
最近はめっきり寒くなってきて、冬が近づいて来ていることが分かる。
もう、全く暑くない。
暑くないはずなのに、エルツの頬には一筋の汗が光っていた。
「…ここは――――」


事の起こりは約1時間前。
宿屋のおじさんと話した後、ナメクジの人形の方ではない、兄の気を探ってみた。
上手いこと隠していて、なかなか見つけられなかったが、混沌の力をもっているため目立つ兄の気は、なんとか見つかった。
そして、意外なことに近くにいることが分かった。
そして、さっそく向かってみたところ、それは知り合いの家だった。


「――――ブラウンさんの家…」
昨日、息子を殺して役人に連れて行かれたブラウンさん。
だから、今は家にはいない。
家にいるのは彼女の夫と、もう一人の息子だけ。
そのどちらかと兄は知り合いだったのか?
そんなはずはない。
それならばブラウンさんも知っているはず。
私は彼女と知り合いだったが、兄のことを彼女は知らなかった。
ぞくりっ、と何故か寒気がした。
―――行きたくない。
――家の中に入りたくない。
びくっ、と身体がこわばった。
何を考えているんだろう…。
家の中に入って、内緒で一人で歩き回っていたことを兄に注意する。
宿に引きずって帰る。
これからはこんな事をしないように注意する。
それだけのことだ。
大したことじゃない。
そう、たいしたことじゃ―――。
きゅ、と唇をひき結ぶ。
軽く拳をにぎりしめる。
前をぐっ、と向くと一歩一歩踏みしめながら家の扉に向かって歩き出す。
家に近づくごとに、寒気がますことが分かった。
――――ノックをするべきだろうか。
一瞬迷い、今まで兄に気づかれ、逃げられないために気配を消してやって来たことを思い出す。
ノックなんかしたら今までの苦労が水の泡だろう。
扉の取っ手に手を伸ばす。
軽くひねると、鍵はかかっておらず、手前に向かって軽く開いた。



                                −続く−



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

…お久しぶりでございます。
いや、あの、え−−−と、覚えてくれている人は―――いないとおもいますけど…
あの、遅れて申し訳ございませんでした。
ではっ!
ありがとうございましたっ!


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30946チルドレン 第一章:十五話○かほ○ 2004/12/4 20:23:05
記事番号30794へのコメント


きぃ…。
軽くきしんだ音を立て、扉が開いた。
一応一階には気配がないか確認して開けたので、軽く音が鳴ってもエルツは慌てなかった。
案の定、扉の向こうには人はいなくて、昼だというのに薄暗く不気味だった。
人一人いなくなっただけで、家全体の雰囲気が変わってしまうんだな、とエルツは思った。
前、来たときはもっと、明るかった。
そして、暖かかった。
ぼんやりと部屋全体をみていると、昔の風景と重なった。
あそこで、ブラウンさんは料理をしていた。
子供達が、楽しそうに彼女の周りを走り回って、何作ってるの?と聞いていた。
笑いながら会話して。
彼女の夫も笑ってて。
とても幸せそうで。
気づいたら、自分も笑ってた。
幸せそうで、私も幸せだった。
「っ………」
――――――なんで?
―――なんで?
なんで殺しちゃったの?
あんなに幸せそうだったのに…。
エルツは、軽く唇を噛むと一歩家の中に足を踏み入れた。
違う。
違う。
一歩一歩歩くたびに床がきしむ。
違う。
違う。
彼女は――――――――――――――――そんな事しない。
歩みを止め、エルツは天井を見上げた。
…真上に、兄がいる。
うまく隠しているな、とエルツは思った。
彼は強大な力をもっている。
故に、気も大きい。
それを、ここまで隠すとなれば凄いことだろう。
ほとんど無にちかい。
ていうか無なのではないだろうか。
彼の気―――いや、私達の気は特徴的だ。
無だとしても、その特徴的な気はごまかしきれない。
だから、自分はそれを追ってきたのかもしれない。
…………兄も……私の特徴的な気に気づいているのだろうか?
私がここにいることをもう、知っているのだろうか?
…何故私はここにいる?
…何故兄はここにいる?
彼女は…ブラウンさんは自分の息子を殺したりしない。
その彼女の家に強大な力を持った兄がいる。
「…もしかしたら………」
ぽつり…と唇から言葉が思わず漏れた。
「もしかしたら………」

―――もしかしたら、
 彼女の息子を殺したのは兄かもしれない。




                            −続く−


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


……………………………えっと。
お久しぶりです。
今晩は。
塾帰りのかほです。
だいぶ、またもや間が空いてしまいました。
ケド――――…
受験生は大変なんだよ――――――っ…よ――――…よ――…。(山びこ)
もう、約7時間塾にいるって死にますね。
だから土曜日大っっっっ嫌いです(泣
特に数学――――――っ…
お前一体何者だ――――――っ…
かけたり、わったり、ひいたり、たしたり………っ(号泣
あぁ…
…すいません、愚痴になってました。
では、さようなら〜〜〜〜
近いうちに続き書けるようがんばります。




                   

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