◆−えっと・・・・おりじなる、リニューアルします。−はるか (2004/9/3 16:25:10) No.30674
 ┣始まり:プロローグ(元おりじなる)−はるか (2004/9/3 16:33:22) No.30675
 ┣始まり:1−はるか (2004/9/3 16:52:59) No.30676
 ┣始まり:2−はるか (2004/9/3 17:01:08) No.30677
 ┃┗初めましてでございます。−鮎 (2004/9/4 21:18:09) No.30686
 ┃ ┗Re:初めましてでございます。−はるか (2004/9/5 22:23:27) No.30691
 ┣始まり:3−はるか (2004/9/22 19:13:33) No.30713
 ┗始まり:4−はるか (2004/10/2 19:16:58) No.30738


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30674えっと・・・・おりじなる、リニューアルします。はるか E-mail 2004/9/3 16:25:10


去年からずっと延々とぼちぼち書いていた、
おりじなるを、書き換えました。
といっても大幅にお話が変わるわけではないです。
ちょっと設定が変わりますけど・・・・。(汗)
ということで、今まで読んでくださった皆様方、
どうもすみません!
もう少しだけ、お付き合いくださいませ・・・・・。


それでは・・・・。

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30675始まり:プロローグ(元おりじなる)はるか E-mail 2004/9/3 16:33:22
記事番号30674へのコメント


新しくしました、おりじなるです。
とりあえずはプロローグから!

それではどうぞっ!


***********




   始まり〜プロローグ〜






おぉん・・・・・・



闇の中、何かが響いた。



ぽぅ・・・・と光が生まれる。



その下には誰かの手。

その手は小さく、頼りなささえ感じる。



「―――――」


顔は暗がりで隠れているが、その声は、
およそ手とは似ても似つかない、
しわがれた声だった。

その声の紡ぐは、呪詛の音。



今、ここに。




全てが始まる。




復讐への―――――プロローグ。








*********

はい終わり。(オイ)
短いでしょ〜♪
なんてったって『プロローグ』ですから。
さて。
これからが、おりじなるの再録・・・・・になるかな?

それでは、続けて1話を!



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30676始まり:1はるか E-mail 2004/9/3 16:52:59
記事番号30674へのコメント



1話です。

*******



        始まり:1〜ここに集結っ!!正義の仲良し四人組!?〜






ちゅごどおおぉぉぉぉぉん!!



夜の山に爆音響き、紅蓮の炎の華が咲く。
街のおちゃん達は飛び起き、酔っぱらい達は目を覚まし、犬がほえ、子供が泣き出す。
皆が今攻撃呪文と思わしきものが炸裂した場所―――――つまり、盗賊のアジトがあるとうわさされている山のふもとを見ながら。








「んっふっふっふっふ。大漁、大漁♪」
ガウリイとのゼフィーリアへの旅の途中で立ち寄った、なんの変哲もない小さな村。
そこで耳にした盗賊団の情報に、浮き立つ心を抑えつつ。
ガウリイに悟られないようひたすらひたすら夜を待ち、
やっとのことで宿を抜け出し盗賊いぢめに向かおうところで、
一体誰がこのあたしを責められようか。





あたしが思ったより多かったお宝の数々に満足しつつ、物色していると。
突然こだまするは、一人の自称正義の使者の少女の口上ッ!!
「そこまでです!他人の物を奪い、生活する!すなわち悪!このアメリアが正義の名の下にてっつい鉄槌を・・・って燃えてる!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・どうやら、登った木が高すぎて周りの状況がよく見えなかったらしい。
それにしても、ここで出会うとは。
ほんとーに世界はせまいのねー。
と妙なことに感心することしばし。
「ってえ゛っ!?・・・リ・・・・・・・リナさん・・・?」
ようやくこちらに気づいたか、何やら引きつった声をあげる彼女。
どーいう意味だそれは・・・・・?
顔は見えないが、はっきりとイメージできる。
引きつったその笑顔を。
そう。いわずもがな、その少女は以前のあたしの旅の連れ、
大国セイルーンの第二皇女たるアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンこと正義の少女アメリア!

「リナさぁぁぁぁぁんっ!!」
あがった声に上を見上げると、木の上から落ちてくる白い物体・・・・・・ってえぇっ!?
「おぉぉひぃぃさぁぁしぃぃぶぅぅりぃぃでっ!?」
「うぇろでばぁっ!?」
ずどべしゃっ!!!
い・・・いたたたた・・・・・・・。
アメリアは毎度のごとく見事に着地に失敗し――――――
あろうことか、あたしの真上に落ちてきたのだ。
とーぜん、こっちはアメリアの下敷きである。
おにょれアメリアっ!!久しぶりだとおもって油断していたら・・・・っ!!
「あ・・・アメリ・・・ア・・・・・・・。お・・・・重い・・・・・・・・。」
息も切れ切れに声を出すあたしにアメリアは、
「はっ!?リナさんすみませんっ!大丈夫でしたかッ!?」
「だ・・・大丈夫じゃないやい・・・・っ」
「ああああすみませんすみません今降りますすぐ降りますっ!」
・・・・・・・・・・・・・なんかその即答具合もみょーにひっかかるが、気のせいということにしておこう。うん。





「なにやってるんだお前ら。」


と、そこに呆れの100%混じった声が・・・・・・
ってこの声はっ!?
「ゼルガディス!」
「ゼルガディスさん!」
「おう。久しぶりだな。」
起きあがったあたし達の声にこたえて手を軽く振ってくる。
心なしか、以前よりも雰囲気が柔らかくなった気がするのはあたしだけなのだろうか。
しかしなぜ彼がここに?
「やー、久しぶりねー。でもなんでこんなとこに?」
「いまちょっとアメリアと旅をしててな。」
「そうなんです!」
あっという間にゼルガディスの隣に並んでやたらと元気に答えるアメリア。
そしてその頬はほんのちょっぴり紅く染まっていたりする。
ををををををっ!!
「で、で、で?何処までいったのよっ?」
「ど・・・・何処まで・・・って・・・・・。」
あたしの問いつめに、少しばかり頬を赤くして顔を背ける二人。
「いやだぁゼルちゃんもアメリアも照れちゃって♪このこの♪教えなさいよっ♪」
問いかける――――というより、もはやからかうあたしにゼルガディスはため息なんぞつきつつ、
「そういうリナはまた盗賊いぢめか?」
「そうよ。悪い?」
ゼルの問いに胸を張って答えるあたし。
「で?ガウリイの旦那には眠り薬をもってきたのか?それとも『眠り(スリーピング)』か?
「リナさん。」
「え、えとあの、そ・・それは・・・・・」
二人がかりでジト目で見つめられ、思わず視線を泳がすが、救いの手はどこからもでそうにない。
と。
「あれ?ゼルとアメリアじゃないか。どうしたんだこんなところで。」
のんきな声と共に現れるのは、いわずもがな、あたしの自称保護者である。って!?
「嘘っ!?なんであんた『眠り(スピーリング)』三回もかけたのに起きてんのよ!?」
「なるほど。『眠り(スピーリング)』の方だったか。」
う゛っ!?
「いやぁ。結構しょっちゅうかけられてるからな。なんか耐性ついちまったみたいで。」
『朗らかに言うな(言わないでください。)』
ガウリイ除く三人の声がハモる。
「それはとにかく。まだ答えてもらってないわよ?な・ん・で、あんた達が一緒にいるの?」
「そ・・・それは・・・・・・。」
「つまり、だ。俺はそこのアメリアの父親にある依頼をされたということだ。」
言い淀むアメリアに代わり、ゼルガディスが説明してくる。
『父親って・・・・・フィルさんっ!?』
ハモるあたしとガウリイ。
さすがのガウリイも、あの濃ゆ〜いおっさん顔は忘れなかったわけね。
「ええ。そうです。」
しっかし・・・・・
「ふ〜ん、依頼ね。あのフィルさんがゼルに頼むってことは・・・・・結構やっかいだったりする?」
小首を傾げつつ言ったあたしの言葉にゼルはうなずき、
「ああ。ということで、リナと旦那にも協力してもらいたいんだが。」
・・・・・・・・・・・・・・・やっぱし。
内心あたしは頭を抱え込んでいた。
ルークとの戦いが終わって2週間。
またもややっかいごとかぁ・・・・。とほほ・・・・・・・・。
そんなあたしの気分を余所(よそ)にして、アメリアが言う。
「とにかく、ここではなんですから宿の方にいって詳しい話をしません?」
「異議はない。」
「分かったわ。いきましょ。」
仕方なくあたしも提案にのる。
「で、リナ。」
ぎくぅっ!!
こ・・・このパターンはひょっとして・・・・・・
「つまり、どーゆーことなんだ?」
ひょっとしなくてもそうかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!
「ってどうしたんだリナ?いきなり頭抱えてうずくまったりして?」
「だぁぁぁぁぁっ!!つ・ま・り!ここのゼルガディスがなんかやっかいごともってきたから!
その詳しいことを聞こう、ってんで宿屋に向かうことになったのよっ!!」
「なぁんだそうか。それならそうと初めに言ってくれよな。リナ。」
あんたが話についてこいっ!!頼むからっ!!
勢いよく立ち上がって叫んだあたしに、にこにこほんわか笑顔でドマヌケなことをほざきやがるガウリイ君。
「・・・・・・・・・・なんか前より、ガウリイのぼけが進んでないか・・・・・?」
「あ、私も今そう思いました。」
・・・・・・・・・・・・・・・ガウリイ。あんたは脳みそ退化してどーする?
そんなあたしの心境なんざ何処吹く風で、のほほんと笑っているガウリイ。






ええぇいっ!!
ゼルが持ってきたのがどんなやっかいごとかは知らねどもっ!!
その挑戦、受けて立たねばリナ=インバースの名が廃るっ!!
などとちょっぴし・・・・いや、かなりヤケで、
あたしはあさってに中指一本おったてたのだった・・・・・・・。






さぁ、役者はそろった・・・・。






*******

はっはっは。どうでしょう。
前よりだいぶ長くなりましたよね?
ちょっとハイテンションすぎる気がしないでもないですが・・・・・・・。
ともあれ、第2話いきます!







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30677始まり:2はるか E-mail 2004/9/3 17:01:08
記事番号30674へのコメント



えっと、連続で第二話いきます!
といっても、書きあがっているのはここまでなので、
第三話は遅くなるかも・・・・・・・。(汗)
まま、それはとりあえずおいといて!
第二話です!



********




      始まり:2〜向かうはあの懐かしの街!〜






「で?アメリア、ゼルガディス、依頼って何?」
あのあと。盗賊達のお宝をぶん取り……もとい、少しばかり失敬して、近くの村で宿をとったのだ。
それで一晩ぐっすり寝たというわけである。
いやまぁあの後すぐ話してもよかったのだが、
いかんせんそれでは夜更かしになる。
夜更かしは美貌の天敵!ということであたしとアメリアが猛反対したのだ。
そんなら盗賊いぢめなんざしなけりゃいいじゃねーか、とは言うなかれ。
乙女心とは複雑なモノなのである。


そして朝食の後の紅茶を飲みながら、あたしは話をきりだしたというわけだ。
幸い、あたりに人はあまりいない。
「まず、セイルーンの巫女に神託が下ったんです。」
「神託?」
聞き返すあたしに答えず、彼女は目を閉じると、歌うように、

「この世のもの存在に あらざりし
か彼のモノ世界に 降りたちん
一つの願いが とりこまれ
この世を闇へと 導かん」

ふ、と目を開ける。
「これが、その内容です。
それでですね。もう一つ、あるんですよ。」
「もう一つって、神託が?」
「ええ。」
「で、どんな内容?」

「始まりの地は 西にあり
されどヒトガタ 世界で芽吹く
か彼の呼び寄せし 闇の小さきひとかけら一欠片
命かわるは 誰が一人か」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「あー、その、なんつーか。」
あたしはこめかみを押さえつつ、
「全くもって、意味わからんわね。それ。」
「そのとーりなんです。」
・・・・・・・おい、アメリア。
「即答するな。」
思わず憮然とつっこむが、彼女はてへへと笑って、
「だぁってちんぷんかんぷんなんですもん。仕方ないじゃぁありませんか。」
だから笑うな。頼むから。
「つまり、今考えても仕方ないってことなんじゃないか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『ガウリイ(さん)。それは言わないで(下さい)(言うな)・・・・・・・。』
ガウリイ除く3人の声がハモる。
しかし・・・・、
「ま、ここはガウリイの言うとおりね。
神託うんぬんはとりあえずおいといて。
んで。アメリア。」
「はい、なんでしょう?」
「行き先は?」

―――――しばし、沈黙が落ちる。
っておい。

「まさか、決まってないわけ!?
んじゃゼルと一緒に何してたのよこんなところで!?」
思わず立ち上がって問いつめるあたしに、
ゼルはなぜか冷や汗だらだら流しつつ、
「いやあのそのだな、とりあえず神託どおりに西へ行こうか、
ということでカルバート・シティに寄ろうか、と言っていたところで・・・・・」
あたしにジト目にだんだん声が小さくなってゆく。
はぁ・・・・・・。
しっかし、カルバートねぇ・・・・・。
あたしの脳裏に、以前金魚のうんちと立ち寄ったドラゴン軍団のある街が思いうかぶ。
最終的にはあたしの竜破斬(ドラ・スレ)で壊れちゃったけど、
あの親子に顔を出すのもいいし・・・・・。
「まぁいいわ。それじゃぁ!行きましょうかカルバート・シティへ!!」
「そうですねっ!!」
「元々そのつもりだったしな。」
「おうっ!!」







かくして。
あたし達一行はカルバート・シティへ向かうことになったのだった。






******

以上です。
ほぉ〜ら違う。
前は神託のしの字も出てこなかったのに。
いつの間にこんな設定できたのやら。(オイ)
まぁそれはともあれ、もうしばらく、おつきあい下さいませ!!

それではっ。




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30686初めましてでございます。2004/9/4 21:18:09
記事番号30677へのコメント

初めまして、はるかさん。
このサイトの片隅に生息中、鮎と言います。
私、普段はあまり感想書いたりしないんですけど。
ついつい、書きたくなっちゃいました。
会話の雰囲気もいい感じで、駄文投稿中の私としては尊敬しますよ、ほんと。
私としては、神託がとても素敵で、お気に入りかもしれません。
とてもとても、続きが楽しみです♪

それでは、失礼いたします。
リニューアル、頑張ってください。

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30691Re:初めましてでございます。はるか E-mail 2004/9/5 22:23:27
記事番号30686へのコメント

こんにちは。はるかです。
このレスは、対談形式でいこうと思いますが、
やたらと長くなること請け合いですので、
めんどくさい、と思われるのなら読まない方がいいと思います。
また、その場合一言いってくだされば次からはちゃんとしますので。
それでは、レスいきますっ!!

>初めまして、はるかさん。
>このサイトの片隅に生息中、鮎と言います。
はるか:こちらこそ初めまして。数週間でてこないでいきなり浮上したりするはるかと申します。
リナ:確かにそうね。今回だって何日ぶり?
はるか:えっといやあのそんな思いっきりジト目で見られるとこちらとしても・・・・・・・・。
リナ:ま、そんなことはおいといて。
   こんな感じで進めていきたいと思います。
はるか:よろしくお願いいたします。 

>私、普段はあまり感想書いたりしないんですけど。
>ついつい、書きたくなっちゃいました。
はるか:ありがとうございますっ!!そう言われるとこちらとしても嬉しい限りです♪
リナ:だからちゃんと続き書きましょうね。
はるか:あう・・・・・・。

>会話の雰囲気もいい感じで、駄文投稿中の私としては尊敬しますよ、ほんと。
はるか:そ、そうですか?(照)
    いや、会話文は結構練習しました。SPとか本編とか読みつつ書きつつ。
リナ:んで『ついつい』読む方に熱中しちゃうのよね?
はるか:はい・・・。(涙)
    でも、やっぱりまだ本編とか原作者様にはとうてい追いつけませんっ!!
リナ:ふっ。『とうてい』どころか『天地がひっくり返っても』よ。
はるか:ま、まぁ分かってるんだけどね・・・・・・・。(涙)

>私としては、神託がとても素敵で、お気に入りかもしれません。
>とてもとても、続きが楽しみです♪
はるか:ありがとうございます♪神託は・・・・・今後の予定に合わせててきとーに
    リズムよくしてあわせただけなんですが・・・・・・・。
リナ:確かに。今後のことを少しでも知ってる人がいたら一発で分かるわね。
はるか:一生懸命考えたんですけどね・・・・・・・・・・。
リナ:ま、コイツの頭で考えたことなので多分ショボいとは思いますが、
   ヒマだったらつきあってやってください。
はるか:なんか・・・・・・・・リナさんご主人様・・・・・・?
リナ:あんたみたいな部下いらないわよっ!!
はるか:それはごもっとも。
    それでは、がんばりますので、よろしければおつきあい下さると嬉しいですっ♪
リナ:それでは。
はるか:し〜ゆ〜あげいんっ♪




                        ―――――――幕―――――――




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30713始まり:3はるか 2004/9/22 19:13:33
記事番号30674へのコメント


3話です。
楽しんでいただけたら・・・・・・・・嬉しいです♪
ちょっとテンション低めですが、どうぞ・・・・・。


######

       始まり:3・街中でのプロローグ





どこからか、にぎやかな音楽が聞こえてくる。
追いかけっこをして遊ぶ子供。
それを優しげな瞳で見つめる親。
生きのいい声が商店には響き、
そこには人々の生活のリズムが感じられる。


「へ――ぇ、かなりにぎやかですねぇ。」
「そ−ね。完全に復興したようね。」
まわりを見わたしながら言うアメリアに、あたしも相槌をうつ。
すると彼女はきょとんっ、とした顔になって、
「え?リナさん復興って、一回かいめつ壊滅したんですか?」
「うくっ・・・・・。」
問われてあたしは言葉に詰まる。
確かに・・・・あれは壊滅と言え・・・・るかもしんない。
「いや・・・。まぁ・・・、前にいろいろあってね・・・・。」
視線をさまよわせながらもとりあえず答えておく。
「ふぅ〜ん。」
アメリアが何やらジト目で見てくるが、無視することにした。




『でぇぇぇぇぇぇ!!??宿は一軒もやってないぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!???』
あたしとアメリアの叫びが昼下がりのカルバート・シティにこだましてゆく。
道行く人が一斉に振り向き、小さな子供は泣き出す始末。
ゼルガディスは慌ててフードをたくし上げ、人目をはばかるかのように、さらに目立ちながらきょろきょろと周りを見る。
とりあえず宿をとろうと、案内所へいったら、答えが、「この町に宿は一軒もないよ。」とこうである。
思わず叫んでしまうのも無理はないと思ふ。
『どういうことよっ!?(ですかっ!?)』
つめよるあたしに、しかしその主人は、顔色一つ変えずに
「そう言われましても……。ないものはしかたがないじゃあありませんか。」
とさらりと受け流しやがる。
ぬぅっ
二人の美少女に詰め寄られても顔色一つ変えないとは、なかなかの強者・・・・・っ!!




その後。
しばらくあたし達はねばってみたのだが、
結局、『ないもんはない。』
とのことで言い負かされてしまった。
く・・・っ!!
あたしともあろう者が!
屈辱っ!!
なんぞとやってる場合じゃなくて。
こ〜なったらもぉ、城に泊まらせてもらうっきゃないか・・・・・。
あたしは以前、ここのロードのスカポンな親子ゲンカに関わったことがあり、ロードとは面識があるのだ。
まぁ、あの時は白蛇のナーガという金魚のうんちと一緒だったのだが―――・・・・。
なんいしろ、めんどーだなぁ・・・・・・・・・・。





るぐおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉん!!!
『きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
突然起こった聞き覚えのありすぎる咆哮に、あたしのたるんだ思考は吹っ飛んだ。
あわてて構えるあたし達。
そう。現れたのは、あたしにとってはしょっちゅう湧き出るレッサー・デーモン御一行。
いつもは小技でちまちまやっつけるのだが、今は周りに人が大勢いる。
ちまちまやってケガ人死人がでまくるのはちょっと寝覚めが悪い。
あたしは素早く呪文をとなえ――、
「ギガ・虚無アロー矢!!」
あたしのまわりに数十本の黒い矢が出現する!
「GO!!」
その矢一本であっさりとデーモン達は消滅してゆく。
実はこの呪文、ロード・金色オブの・ナイトメア魔王の力をかりた術だったりするのだが、
コントロールもしやすく、暴走することもない(多分)いたって便利な術である。
その威力はご覧の通り。むろんあたしのオリジナル。てかこんなもんが本に載っててほしくない。
この呪文の便利なところはもう一つ、同時に矢が10数本出せることなのだ。
といっても、やっぱりデーモンの方が圧倒的に数が多く、周りの人にうっかりあてたりしようもんならシャレじゃすまないので、
かなり効率が悪い。
しかも、力の源が『彼女』なだけあって、魔力の消費もはやい。
だから、使いすぎるわけにはいかないのだ。
ねらいを定めやすい上空からできればいいのだが、いくらなんでも翔封界+ギガ・アロー虚無矢なんぞ無理である。
と、上空・・・・・・・・・・?
そういえば!!マレーネ!ワイバーン飛竜一匹かりるわよ!!
あたしは風系列の呪文で声を増幅し、まわりにむかって、竜語で話す。
「誰か、そこあたりのワイバーン飛竜!ちょっと来て!!」
向こうはあたしの声を知っているはずである。覚えていたら、すんなり来るであろう。


バサッ バサッ
・・・・・・・・・・・やっぱり。
一匹のワイバーン飛竜が降りてくる。その目におびえの色がまじっているように見えるのは気のせいだろう。
いや、気のせいである。(きっぱり)
「ちょっとあたしを乗せて空飛んで!!」
竜語でそう言い放つと、ワイバーン飛竜にのり、
「ガウリイ、空から攻撃してくるから!」
「ドラゴン!?」などと驚いているガウリイ達にも一応言って、上昇する。
低空飛行で上から広範囲にわたって虚無矢で攻撃すれば、
狙いがはずれることもめったにないだろう。
「ギガ・虚無アロー矢!ギガ・虚無アロー矢!またまたギガ・虚無アロー矢!さらにギガ・虚無アロー矢!!」
そして数十分後、この町のデーモンは一掃された。
――――――――――疲れたけど。





                                                                                                                                

ワイバーン飛竜にかえってもらい、もとの場所に戻ると、
ぐったりとしたアメリアと、疲れた様子のゼルガディス。
若干疲れた様子のガウリイが待っていた。
「リナ、お前さん大丈夫なのか?やけに顔色悪いけど、どっかケガでもしたのか?」
あたしの姿を見るなりやたらと心配した様子のガウリイに、あたしは苦笑しつつも、
「大丈夫よ。ちょっと疲れてるだけだから。」
と答えておいた。
しかし、そんなに顔色が悪いんだろーか?
・・・・・・・・・・・・・・ちょっと足はふらついてるけど、さ。
アメリアがだるそーに、
「リナさん、どうするんですか?」
「たしかにな。どうしてもとまるのなら、そこらに野宿するしかないか・・・。」
ゼルガディスがつづける。
「その点はご心配なく。」
あたしは堂々と言うと、ウィンク一つ。
ちょっとふらついてたから決まらなかったかもしんないけど。
「こ――みえてもあたし、ここのロードと面識あるんだから!城にとまらせてもらいましょ!」
「そうですね!もしダメだったら私の印籠使えばいいんですね!きっととめてもらえます!!」
『アメリア、それって職権乱用なんじゃ・・・・。』
期せずしてあたしとゼルガディスがハモる。
皆が張り切っている中、ガウリイだけが申し訳なさそーな顔で、
「あ〜、悪い、いまいち話が見えないんだが・・・・。」
ほんとに悪いぞ、そりは。
「え〜と、つまり宿がないからお城にとめてもらおうってことよ。」
こめかみをおさえながらも、親切に説明してやる。
えらいぞあたしっ!!
「な〜んだ。そうならそうと言ってくれればいいのに。」
と、にこやかな顔でほざくあたしの自称保護者様。
苦労のない奴である。





かくして、あたし達はカルバート城へとむかったのだった。
 


な〜〜んか、まためんどぉごとになりそーなのは、あたしの気のせいだろうか???





######

以上でしたー。
次は、もうちょっと先になるかと思います。(次も?)
それではっ。(逃)

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30738始まり:4はるか 2004/10/2 19:16:58
記事番号30674へのコメント




お久しぶりの第四弾です。
ちなみに、これは第7話ぐらいまでリニューアルする予定。
・・・・・・・・・・・・・・・かなり、話が大幅に変わると思います。
そんなことはともかくとして、
それではどうぞっ。



######



              始まり:4:恩人の 依頼の中に 暗殺者







「おお!リナ殿か!いや、いいところに来てくれた!」
それが、お久しぶりの金髪のヘンな髭のおっちゃん、
ロード・カルバートの第一声だった。



あれから。城についたあたし達は、やたらすんなり通されたのである。いや、決して脅した訳ではない。断じて。
門番がソーンホードという奴で(だったと思う)、あたしの顔見知りだったのだ。
そして、ロード・カルバートに会ったとたん。
挨拶もそこそこの第一声がこれである。
あたしは内心ため息をついた。“いいところに来てくれた”だ。
何かある。絶対ある。ありすぎるぐらいある。
「あの〜、宿がないって言われたものですから、泊めてもらえないかなーっと思って。」
あたしの中の確信めいた呟きを無視しつつ、
とりあえずふれんどりぃな笑顔で対応する。
ああ、えらいぞあたしっ!!
「いやいや、お安い御用だ。それで、だ。ついでに仕事の依頼をしたいのだが。」
やっぱり。あたしの予感は的中。
こんな時、自分の勘の良さを呪いたくなる。
はっきりいって、ンなめんどくさそーな感じがひしひしとする依頼なんぞ受けたくない。
ロードがあたしに頼るくらいである。ややこしさといったらそーとーなもんだろう。
もしかしたら、前みたいなスカポンな依頼かもしれないが。
確かに言えることは、受けたくはないが、話ぐらい聞かないと、ダメ・・・だろうなぁ。
泊めてもらうんだし。ということである。
「まぁ、とにかく話を聞きましょうか。」
あたしがため息まじりに言うと、
「それもそうですな。 ところで、後ろの方々は?」
何を納得したのか、カルバート公はうなずき、3人について聞いてくる。
もしかして、今の今まで気付かんかった・・・・・・・ってのはないよな。うん。
っていうか、そうであってほしい。頼むから。
あたしの心配を余所に、皆はとんとんと話を進めてゆく。
「俺はガウリイ=ガブリエフだ。」
「ゼルガディス=グレイワーズだ。」
「アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンです!!」
をい。アメリア。いきなり兵士その他諸々(失礼)の前で、しかも大声で本名明かすなよ……。
いくら彼女が直進型といっても、これはやりすぎではなかろうか。
まぁ、彼女はあたしの知り合いだということで信頼・・・・・しきってるんだろうけどさ・・・・・・。
それは嬉しいんだけど、嬉しいんだが。
あたしの昔の知り合いは決して、普通の人種であったとは言い難いことを知らないので、
結構危ない橋を渡っているとも言えるんだけど・・・・・・・・。
今度また忠告しとこ。
『えぇ!?セイルーン!?』
おどろくマレーネ達。当たり前ではあるのだが。
まぁ、ふつーは何の前触れもなく現れたあたしの知り合いの巫女姿の女の子がセイルーンの王女だとは思わんわな・・・・・・・・。
ちなみにマレーネは、前の鎧姿ではなく、お姫様らしい、ドレス姿になっていたりする。
なんか、性格知ってるあたしにとっては、めちゃめちゃ違和感あるんですけど・・・・・・・・。
でも、そういえば、さ。
「そう言えば、アメリアこれでもセイルーンの王女だったな――。」
『うんうん。』
あたしの考えを読んだかのようにタイミングよく呟いたガウリイの言葉に、
あたしとゼルガディスは大きくうなずいていた。
「ひどいですガウリイさん!いつもの事ですけれども!
ゼルガディスさんとリナさんもうなずかないでください!」
「えええっと、ナーガさんの姿が見えませんが…………。」
なにやら抗議の声を上げるアメリアに、おずおずと口をはさむマレーネ。
ってあぁ、アイツか。
「あぁ、ナーガはただいま行方不明。」
「ゆ・・・・行方不明・・・・・ですか・・・。(汗)」
汗を流しながらも納得するマレーネ・・・・なんだが・・・・・。
てーかいい加減その言葉遣いヤメロ。
なんかめちゃ違和感あるし。
しょーじきにあたしがこういうと、
頬がちょっぴし引きつりつつも、
どこかほっとしたような顔で、
「それじゃぁリナ=インバース。あのナーガとやらの居場所は知らぬのか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
いや、違和感ある、って言ったのはあたしだけど。
あたしなんだけど、さ。
なんかそういう口調に戻されるとちょっぴしカチン、とくるのはなぜなんだろーか?
と。
そんな和やかな場に、とんでもない爆弾発言を言ってくれやがったのはアメリアだった。
「え?リナさん、姉さんをしってるんですか?」
「え?」
アメリアの言ったことが理解できてないあたし。
「アメリア、今なんて・・・・?」
「え?いやだから、リナさんが姉さんを知っているのかって……………。」
え?
え?
それって・・・・・・まさか・・・・・・もしかして・・・・・
いやでもでもでも・・・・っ!!!
頭の中に浮かんできた果てしなくコワい考えを打ち消そうと、
頭をぶんぶん左右に振るあたし。
はたから見りゃめちゃくちゃ怪しいかもしれないが、
この際ンなことはかまっていられない。
何とか持ち前の精神力総動員して落ち着いて周りを見てみると、
カルバート公もマレーネも同じように考えたらしく、
やはり首を左右にぶんぶん振っている。
そしてそれをちょとんっ、と眺めるガウリイとゼルガディス。
ってンなことはどーでもいいとして。
ってああっ!!なんか思いっきり現実逃避走ってるぞあたしっ!!
勇気を振り絞ってなんとか声を出す。
「あんたの姉さんってグレイシア・・・・・。」
「はい。グレイシア=ウル=ナーガ=セイルーンです。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。   
ただいま脳味噌思考停止中――――――――――しばらくお待ちください―――――――。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
え・・・・えええっっっっとつまり・・・・・なぁがは・・・・・・・ナーガは・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――――――暗転(ブラック・アウト)―――――――

「ってええっ!?ちょ、ちょっとリナさん!?ってお二人も!?」
「おいリナ!?」
叫ぶアメリアとガウリイの声を最後にあたしの意識は沈黙した。








しばらくして。
「何がなんだかよくわからんが、とりあえず依頼の話って言うのはなんだ?」
「で・・・では・・・・・、た、立ち・・・・話もなんだ・・し、
と、隣の部屋で・・・話を・・・・せ、せんかね・・・・・?」
「そ・・・・そぉね・・・・・・。」
憮然としたゼルガディスの声に、なんとか意識を取り戻したあたし達は、
多少震えながらも隣の応接間へと向かったのだった。





カルバート公の話の内容は、要約するとこうだった。

2ヶ月ぐらい前、とある魔道士らしき男がいきなりやって来て、
大臣にとりたてろというので、いくらカルバート公でも当然ながら断った。
すると、1ヶ月ぐらい前から、別荘のあった場所にいつのまにやら作った巨城に立てこもり、デーモン達をけしかけてくるというのだ。
そして、金貨200枚で、その魔道士をどうにかしてほしいという、ごくごくありきたりな話が今回の依頼だった。
魔道士がたてこもり、デーモンをしかけてくるという話の折で、
アメリアが突然正義がどうのと騒ぎ出したのは(椅子のかどであたしが静かにさせたのだが)、余談である。

もちろんあたしは即座に引き受けた。その理由はとても人道的な理由からである。えっへん。
一つ、依頼料が結構どこらか、かなりいい。
一つ、こぉ〜んなワンパターン総攻撃みたいなことをしでかす奴を放って置けない。
一つ、一ヶ月で城一つ建ててしまうよーなやつである。とーぜん資金もたくさんあるはず。
一つ、そんな奴なら、ためこんだお宝をごっそり・・・もとい、少しばかり手数料がわりにもらっても問題なし。
・・・・・・まぁ、こう書いてみると、あまり人道的でないような気もするが、
ともかく、あたし達はこの依頼を引き受けたのだった。
















そして、夜。

殺気は、とつぜんきた。


ドグゴォン!ドカァン!

にぶい音とともに、あたしとアメリア、ガウリイとゼルガディスのいた二つの部屋が吹っ飛ぶ。
「くっくっくっく・・・・・・。意外とあっけないものよのぅ。依頼を受けさえしなければ、死なずにすんだものを・・・・・。」
『受けて悪かったわね(な)(ですね)』
『何!?』
黒ずくめの典型的な暗殺者姿の者たちが声のした方―――すなわち上を見上げると、
そこには浮遊(レビテーション)で浮かんだあたし、アメリア、ゼルガディス、ゼルガディスにつかまったガウリイの姿!
ってなんか情けないぞガウリイ!
あの一瞬早く、殺気を感じてあたしとアメリアは荷物をひっつかみ、(お宝ごと吹っ飛ばされたんじゃたまったもんじゃない)
レビテーション浮遊で宙に浮いたのだ。ガウリイやゼルガディスもおそらくそうだろう。
「で、あんた達はさしずめ、あの城にいる奴に雇われた―――――ってとこかしら?」
「はぁ!!」
あたしの問いに応えもせずに一人の暗殺者がナイフをなげてくるが、あたし達はそれをあっさりかわし、地面に着地する。
ちっ。短気な奴。



「リナ殿!?」「リナ=インバース!?」
カルバート公とマレーネ城からが出てくる。
『何事だ!?』
兵士たちも出てくる。
ぞろぞろぞろぞろ・・・・・・・・・・・
ぞろぞろぞろぞろぞろぞろ・・・・・・・・・・・・・・



すぐに、広場は人海状態になった。



「・・・・・・・・・・・・・・・・ええいっ!!」
しびれを切らした黒ずくめの一人が呪文を唱え始めた。
なかなか短気な奴の集まった集団のようである。
近づきたいが、人ゴミで近づけない。見ると、アメリア達も同じような状況にある。
くぉら兵士!対して役にもたたんくせに!(酷)
だぁぁっ!!邪魔だぁっつーに!!
「獣魔吠(ヴォル・ガ・ドゥーガ)!!」
どうもこうもできないうちに、黒ずくめの術が完成する。
そして現れる7匹ぐらいのレッサー・デーモン・・・って・・・・・・・!?
7匹!?
普通、一人の魔術師が1回に呼び出せるのは、どんなにいい腕があろうともせいぜい2,3匹である。
それを倍以上呼び出すとは、こいつ一体!?
そこあたりの疑問を押し殺して、あたしはさっそくデーモン退治に取りかかる。
本当はそこらの邪魔な兵士にでも任せておきたいところだが、
ンなことしたら最後。カルバート公の兵士が激減する事請け合いである。
仕方ないっ!!ここは一発―――――
「虚無矢(ギガ・アロー)!」
ぼひゅひゅひゅっ!
あたしの生み出した魔族の真の王の矢に、
あっという間にデーモン達は混沌へと帰ってゆく。
ふっちょろい。
デーモンを一瞬で滅ぼすまでのあたしの強さは予想外だったか、
黒ずくめ達はしばしこーちょくするが、すぐに異口同音に叫ぶ。

『空(ヴォイド)!』

えっ!?

ヴンッ

黒ずくめ達は唐突にぶれたような音を残して姿を消す。


後には、事態が理解しきれていない兵士達のざわめきが残るのみ・・・・・・・・・。










あたしは、黒ずくめ達の使った術に十分すぎる心当たりがあった。


そしてそれが、特定の奴しか使えないということも。




あたしは、知っていた―――――・・・・・・・・・・・・。












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終わりです。
次は、もうちょっと早めに投稿できると・・・・・・いいな?(オイ)

何はともあれ、それではっ。





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