◆−存在する意味 あらすじ−雫 (2004/1/18 16:12:57) No.29066
 ┣存在する意味 その24−雫 (2004/1/18 18:06:28) No.29070
 ┣存在する意味 その25−雫 (2004/1/19 22:06:48) No.29092
 ┗存在する意味 そのおわり−雫 (2004/1/20 17:49:21) No.29099
  ┗Re:お疲れ様でした。−オロシ・ハイドラント (2004/1/21 17:47:49) No.29112
   ┗Re:お疲れ様でした。−雫 (2004/1/22 16:29:17) No.29127


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29066存在する意味 あらすじ2004/1/18 16:12:57


 存在する意味を書こうと思ったのですが、私が初めての方、『存在する意味』がどんな話かわからない方、忘れてしまった方の為に乱文ですが簡単(?)にあらすじを書こうと思います。読んでよくわからないことは著者別検索などで探して読んでください。
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   存在する意味 あらすじ

 冥王フィブリゾは魔族全体の士気が下がることを恐れ赤眼の魔王の欠片を探すべく冥将軍・スカイと冥神官・クリアを連れて旅に出る。
 旅の先でであったアルトと言う少年の中に赤眼の魔王がいることに気付き魔王の力を呼び覚ます。
 しかしアルトは逆に魔王をのっとり神の側へと戦争を仕掛ける。
 自分達の住処へ戻った冥神官・クリアは一人でドラゴンピークに攻めに行くがライと言う黄金竜に止められ告白される。クリアはその答を返答せずにドラゴンピークを後にする。
 その頃、獣神官・ゼロスがひそかに思いを寄せている魔族、冥神官・ノアがゼロスに海将軍・ダルフのことが好きだと言う。ゼロスはショックを受けるものの何も言えずに一日が終わる。
 魔族たちの間で戦争への準備が着々と進むなか、覇軍は北の極点へと向かう。そこで覇軍たちは一人倒れている親に捨てられたノーストに出会う。覇王はノーストを魔族にし、目的の地へと脚を進める。
 ゼロスは新しい力を手に入れようとしていたところ、レイ・マグナスに出会いブラストボムを伝授してもらう。そしてゼロスはクリアと共にドラゴンピークの見える茂みに隠れ潜み合図を待つ事になる。
 カタート山脈に残った赤眼の魔王とスカイ、魔竜王・ガーヴは水竜王を待つ事にする。スカイとガーヴが赤眼の魔王の傍から離れていた時、レイ・マグナスが現れ自分の息子であるアルトの魂を混沌の海へと落とし自分の身体に赤眼の魔王を受け入れる。そこに水竜王が現れ戦いになる。
 カタートのほうから聞こえた合図の音にゼロスとクリアは飛び出すが待ち構えていたのは沢山の黄金竜だった。クリアはライに裏切られたと思い、怒り狂う。ライは姿を現して二人で話をする事にする。クリアはライを責め立てライは謝る。クリアはライに滅ぼして欲しいと頼む。ライはクリアを抱えて空へと行き、クリアを滅ぼした後に自分も死ぬ。ゼロスは一人になり黄金竜に向かってブラストボムを使う。
 その頃滅びの砂漠に赴いていたフィブリゾは冥将軍・クローバーと仲間割れをしてしまい、クローバーに先へと行かれてしまう。
 獣王はガーヴから借りたラルタークとラーシャートとともに群狼の島にいき魔法陣を書く作業を始める。そんな中、獣王の周りでは敵が見え隠れしていた。
 海軍とノアは魔海の中心へと向かう。しかし目的の島には結界が張られ、中に入れないようになっていた。ノアはダルフの為に自らの命を犠牲に結界を壊す。
 カタートにいるゼロスはミルガズィアの片腕を落としたがノアが滅びたことを知り、放心状態になる。放心状態になったゼロスに黄金竜たちがレーザーブレスを浴びせようとするが間一髪のところで獣王によって群狼の島へと逃れる。しかし、ノアが滅びたことで取り乱したゼロスはカタートへ向かい死のうとする。だが、獣王はそれを許すはずも無くゼロスを一度自分の身体の一部に戻す。
 カタートに残った黄金竜達はカタートの異変に気付きライの兄・サイ、その他ナステイス、カルスの三人をカタートへ向かわせる。
 覇軍は北の極点の目的の場所に結界が張られ困っていた。しかし、そこに少女が現れ、覇将軍・ダイナと交換条件で覇軍を結界の中へと入れる。覇軍は少女の書くとなるものを探すが見つからなかった時、ダイナが少女を倒す。そして覇軍たちも魔法陣を張る事にする。
 海軍はノアを失いながらも、島へ上陸する。そこにオーシャンと名乗る盲目男がいた。海神官・ディープはオーシャンの挑発に乗りオーシャンに攻撃を仕掛ける。しかし目の見えないはずのオーシャンは恐ろしいほど敏感な動きでディープとダルフ、海王の攻撃を避ける。
 冥王は魔法陣を書き終わるがそこにクローバーが現れ、冥王に襲い掛かる。冥王はクローバーを一度は返り討ちにするものの、クローバーでない事に気付く。クローバーの姿をしたそれは『魂狩りの堕天使たち(ナイトウィザーズ)』のことについて話し始める。
 獣王が魔法陣を途中まで書き終えたところにサテンと言う男が現れる。サテンは獣王に襲い掛かるがそれをラーシャートが庇う。ラーシャートは命を張って戦うが完璧不利な状態になる。その時ラルタークが背後からサテンへ攻撃をし、獣王にとどめの指示をもらいサテンを滅ぼす。獣王は魔法陣を完成させた。
 海軍はオーシャンに翻弄されていたがダルフの快進撃により、オーシャンを倒し魔法陣を書き始める。
 その頃、冥王のところに火竜王が現れる。フィブリゾは火竜王と手を結んでクローバーを倒す。その時全ての魔法陣が完成し、火竜王は中に入れなくなる。フィブリゾは最後の部下、スカイの身を案じ、カタートへと向かうが、途中、魔族と竜との戦いで、魔族が不利になっているのを見つける。
 カタートではサイ、カルス、ナステイスが水竜王の応援に駆けつける。水竜王はスカイを任せる事にするが、ナステイスはカタートに向かうまでの間に感じたカルスへの不満をぶつけやや、仲間割れ状態になる。サイはこのままではまずいと一人でスカイと勝負する事にする。
 その間にナステイスとカルスは過去の思い出から振り返る事にした。
 
 二人は雪の降る日に出会った。それから仕事をする事になる。何回かはうまくやっていた二人だが・・・あるとき事件がおきる。

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 こんなものですが乱文でごめんなさい。わからないところは私に聞くなりなんなりしてください。それではこの次から書いていこうと思います。
 それでは・・・・。(あらすじになってないかもしれない・・・。)

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29070存在する意味 その242004/1/18 18:06:28
記事番号29066へのコメント

 それでは、これから先、自分でもどうなるかよくわかっていないのですが進めようと思います。
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   存在する意味 その24

 魔族討伐・・・・。俺とカルスのところにそんな命令がきた。カルスは少し楽しそうにしていたが、俺は正直、憂鬱だった。俺はカルスにいった。
「どうする?魔族なんざ初めてだろ?」
「大丈夫。なんとかなるって・・・。」
「世の中、ん何甘くねぇよ。なぁ、そぉおもうだろ?サイの弟君もさ・・。」
 俺がそう言ってサイの弟、ライのほうに顔を向けた。らいは苦笑いして言った。
「あのぉ〜おれきちんとライって名前あるんで・・・そっちで呼んで欲しいかなぁと・・・。でもおれは魔族みたいなぁ・・・。ほら高位になると美形だって話があるし・・・。」
 カルスが少し笑う。ライが不思議そうな顔をする。カルスは言った。
「ライはその美形魔族さんにあって何をする気?」
「え・・・?えっと・・・友達になって・・・惚れたら嫁に貰う!」
 俺は思わず噴出した。カルスは言った。
「ナステイス・・・人の夢なんだから笑うなよ・・。」
「そう言うてめぇも何にやけてんだよ?」
 カルスは俺を無視してライに言った。
「魔族と神の側につくものが仲良く・・・それに結婚なんてちょっとずれてると思いますよ?」
 ライが黙り込む。少し涙目になってる。やべぇ・・・。泣くか?そしたら俺達とんずらするか?でも帰ってきたらサイにばれて殺されるだろうしなぁ・・・。
「まだコイツはガキだから変な夢の一つや二つある。大人になればそんな夢忘れるだろう?」
 そんな声が聞こえた。サイだ・・・殺される?でも怒ってないよな・・・。ライは頬を膨らませて言った。
「わすれねぇよ!好きになったらお花もプレゼントするし、どんな願いでもかなえてやるし・・・黒髪が良いなぁ・・・・。」
 俺達はうっとりしているライを無視した。ドラゴンピーク一の変わり者だ。乙女チックな夢見やがって。
 俺とカルスは任務の為の場所へと向かった。


「この洞窟か・・・・。」
 俺はそう言った。横にはナステイスがいて地面にはもうすぐ滅びる魔族がいる。正直雑魚かった。俺達の目の前に洞窟がある。そこに魔族が巣くっているらしい。俺の隣にいるナステイスは言った。
「どうする?二人で突撃するか?」
 正直、中にはもっと強いのがいるだろうし、数も多いだろう。俺はナステイスにけがさせたくなかった。だから俺は気を使った。
「俺、一人で行くよ。ほら魔族って弱そうだったし。・・・大丈夫だって!」
「本当に信用して良いのか?」
「大丈夫!悪いようにはしないって!」
「やばくなったら戻ってこいよ。」
「大丈夫、大丈夫だから・・・。俺一人で・・・。」
 そう言って俺は洞窟の中に入っていった。正直、心細かった。俺はずっと自分にある言葉を言い聞かせた。
「大丈夫・・・大丈夫・・・大丈夫・・・・」
 しばらくすると・・・視界が開き、そこに魔族が沢山いた。俺は攻撃を仕掛けた。


――遅い遅い遅い遅い遅い遅い遅い遅い遅い遅い遅い遅い!
 心の中でナステイスはその言葉を何回も繰り返した。ナステイスは洞窟の中を少しだけ覗いた。ナステイスは不安になった。
 その時、カルスが帰ってきた。ナステイスはカルスの方へ歩み寄った。
「おい!大丈夫かっ!?」
「うん。ヘーキヘーキ、全然大丈夫!」
 しかしカルスは方から血を噴出し脚を片方引きずっていた。腕は両方ともダランと垂れ下っている。ナステイスは言った。
「全然大丈夫そうにみえねぇよ!」
「うぅ〜・・・。でも大丈夫なんだって。」
「ガキの強がりみてぇな事言ってんじゃねぇ!」









「この後・・・俺達はドラゴンピークに帰ったんだよな・・・。」
「うん。」
「昔から説明つかねぇもんが嫌だった。そんなものは信じられなかったでもお前の事だけは信じたかった。お前は無事で帰ってくると思ってた。」
 カルスが頭を下げる。まともにカルスの方を見ていられなくなったナステイスはそっぽを向いて言った。
「お前の大丈夫・・・・って言葉・・・説明してみろよ。」
「俺の言葉・・・・。」
「俺の納得いく答を出せ。」
 暫くの沈黙。戦いの音が響いている中、そこだけは沈黙が広がっていた。カルスは静かに言った。
「あれは俺の強がり・・・。誰にも迷惑掛けたくないから・・・だから出ちまうんだ。ああいう言葉が・・・・。」
「そうだな・・・お前が優しいから出る言葉なんだよなぁ・・・。お前が優しい優しい良い子ちゃんだから出る言葉なんだよなぁ・・・。」
 冷たい声にカルスは黙り込んだ。殴られるかもしれない。でもそれでナステイスが落ち着くならそれで良い。カルスは目をつむった。
「もう・・・怒ってねぇよ・・・。」
「え・・・・?はい?」
 カルスは混乱した。顔を上げるとナステイスが笑っていた。カルスはきょとんとした。
「マジで怒ってない?」
「マジ怒ってねぇって。てかさ・・・実は何かサイに怒鳴られたらどうでもよくなっちまった。でも少し話し合えって雰囲気だったからさ・・・。」
 カルスは思わず涙が出た。
「なっ・・・・泣くなって!この雰囲気って俺のせいなのか!?」
「うん。ナステイスの所為・・・。だって怒ってる振りしてさ。卑怯だって。大丈夫すぐ泣き止むから・・・。」
「いやもうちょっと泣いても・・・。」
「だって嘘泣きだし・・・・。」
 けろっとした顔でカルスが言った。ナステイスは言った。
「てんめぇ〜。俺に嘘泣きたぁ上等じゃねぇか・・・」
                         「あのぉ・・・。」
 少女の声。ナステイスとカルスが見るとそこに冥将軍・スカイがいた。スカイは言った。
「あの方が死んでしまったので・・・そろそろあなた方も殺してよろしいでしょうか?」






           沈黙

           殺気

           はしる戦慄

     心の繋がった時に流れるモノは死

             大人しい死神が立ち尽くす

        優しい声が聞こえないように・・・


                戦いが始まって終わるために・・・


*************************************
 サイが知らぬ間に死んでました。私はショックです。スカイ強すぎます。これからどうなるのか全然自分でも想像がつきません。
 それでは・・・・。

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29092存在する意味 その252004/1/19 22:06:48
記事番号29066へのコメント

 こんばんは、雫です。25回・・・。切りの良い数字になってやや喜んでいます。特に話すことが無いので本編に入ります。
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   存在する意味 その25

 カタート山脈に冷たい風が吹き抜ける。カルスとナステイスは一人の少女を睨んだ。近くに自分の友達だったものが倒れている。今となってはそれもただの肉の塊でしかない。
 少女は言った。
「そろそろ・・・始めましょうか・・・。」
 少女の言葉に二人は震えた。少女は冥将軍・スカイ・・・。そんなレベルの敵に勝てるのだろうか・・・?
「こちらからいかせて頂きます!」
 スカイが手に水を生み出す。ナステイスは一気に間合いを詰めようと走り込む。しかし・・・、
            ぐいっ
「うぬぁっ!!?」
 ナステイスはカルスに引っ張られまともに横転する。その後、カルスがしゃがみこむ。二人の頭上で水がはじけ飛ぶ。その所為で二人はずぶぬれになった。
「おい!カルス、お前、何やってんだぁ!?」
「あんなのまともに喰らったら死んじゃうって・・・!」
「俺だったら全然ヘーキだし!」
「・・・・・あの・・・・喧嘩・・・・って・・・良くないですよ?」
 スカイのその言葉に黙り込むカルストナステイス。スカイは二人が大人しくなったのを確認してから言った。
「二人とも真面目に私を倒す気があるんですか?水竜王さんを助けたいのではないのですか?」
「すまん・・・・。」
「ごめんなさい・・・。」
「いいえ・・・。私のほうこそ・・・・・・・」
 スカイが手に水を溜め始める。カルスはナステイスを横に突き飛ばす。カルスは慌てて攻撃を防御する・・・・・いや、しようとする。だが攻撃に対してその防御はあまりにも遅かった。
 ナステイスは状況を理解できずに言葉を発することが出来なかった。ただ、カルスの身体が倒れていく事だけがわかった。
 カルスの身体が地面に倒れる。破裂したような出血・・・。ナステイスはようやく何が起こったのかわかった。ナステイスはスカイを睨む。
「この人でなし!」
「魔族ですから・・・。それに彼は殉職できたのですから幸せなことだと思いますよ・・・?」
 ナステイスはスカイにレーザーブレスを吐き出す。しかし、水の膜によって防がれる。
どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ−−−−ん−−−−−−
 突然の爆発。二人は爆発の煙に飲まれた。
 ナステイスはレーザーブレスと水によって生まれた爆発である事を理解し、スカイのいるほうへ突っ込んだ。煙が晴れてスカイの姿が見える。


          彼女は笑っていた

           その表情は天使のようで悪魔のようで

       彼女から言葉が漏れる・・・

      「まださっき死んだ方が残っていた方が

             良い戦いが出来たでしょうに・・・

           安心してください・・・


          すぐあの方のところへいけます・・・」


 水の煌きだけが目に映った。心臓を一ミリも外すことなく水が貫いている。
「ごふぅっ・・・っ・・・・・・・」
 せきと共に血が出る。そしてナステイスの視界には何も映らなくなった。











 赤眼の魔王・シャブラニグドゥが炎を水竜王めがけて解き放つ。水竜王はそれを剣の一閃で吹き飛ばす・・・。今まではこれから先もあまり変化は無かった。しかし・・・。
              どずっ
 鈍い音・・・。水竜王の肩にガーヴの剣が突き刺さっていた。
「へっ・・・!どうだ・・・!?」
「・・・・なかなかやるな・・・。しかし、勝負は私の勝ちだ。愚かなる魔族どもよ・・・。」
 水竜王が笑みを浮べる。赤眼の魔王が足元を見る・・・。赤眼の魔王は硬直した。足元が凍りつきどんどん身体をその氷が侵食していた。よく見れば赤眼の魔王の周りに円がある。水竜王は言った。
「お前を倒せなくとも・・・眠らすことは出来る・・・!その円内の者は氷に飲まれる運命・・・。覚悟せよ。」
 円の中に霜が出来始める。ガーヴが炎を放った。しかし、氷は少しも溶けない。水竜王は言った。
「それは、絶対に溶けない。そして・・・手が留守になっているぞ・・・ガーヴ。」
       「シャブラニグドゥ様!」
 スカイが遠くから叫ぶ。この距離だと間に合わない。そのうちカタート山脈全体を霜が覆う。
 シャブラニグドゥが目を瞑る。赤眼の魔王は言った。
「ガーヴ・・・・・私を許してください・・・。」
「んぁ?」
 ガーヴが後ろを振り向こうとする。しかしその前にガーヴの身体に熱いものがはしる。水竜王と魔竜王の叫びがこだまする。水竜王と魔竜王が竜の姿になる。






「ラグラディア!」
 結界の外で火竜王が叫んだ。そこからでもはっきりと水竜王の姿が見えた。火竜王は結界に炎をぶつけた。しかし、結界はびくともしない。
 火竜王はその場に泣き崩れた。
「ラグラ・・ディア・・・・・。」








「冥王様・・・・助けていただきありがとうございました。」
「別に・・・。」
 フィブリゾはそっけなくそう言った。急いでいたはずなのに、あんな役に立たない奴らを助けてしまった。フィブリゾは言った。
「じゃぁ、急いでるから・・・。」
 フィズリゾは出来る限り急いだ。カタート山脈へむけて・・・・。





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 多分次回ぐらいで終わりになるかもです。何が起こるか大体自分の中でまとまっているのですが書けるでしょうか・・・?
 それでは・・・・。

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29099存在する意味 そのおわり2004/1/20 17:49:21
記事番号29066へのコメント

 皆様、こんにちは、雫です。とうとう存在する意味も最期なのですよ。ここまでこれた事に数少ない読者様に感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
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   存在する意味 そのおわり

 フィブリゾはカタート山脈の中へと入っていった。山全体が氷つき生き物の気配は感じられない。フィブリゾは頂上を目指した。
 フィブリゾは無意識のうちに手に息を吹きかけた。息が白くなる。フィブリゾは頂上に着いたら何をするか考えた。
 まずはスカイの無事を確認する事。そして赤眼の魔王と魔竜王と一緒に水竜王を倒す・・・。そうなればベストだ。文句は誰にも言わせない。フィブリゾは山を登りきった。

「ここが頂上・・・・。」

 フィブリゾは溜息のようにゆっくり、その言葉を吐き出した。とても大きい氷の塊がある。フィブリゾはその氷に手を当てた。冷たい・・・。
 フィブリゾはさらに奥を見た。そこにスカイがいた。三匹の黄金竜の死体。その真ん中辺りにスカイは居た。
「スカイ・・・・?」
「・・・・・・・・・」
 スカイは怖くなるほど静かだった。フィブリゾは言った。
「何があったの?説明して・・・」
 スカイが顔を上げた。とても悲しそうな顔をしていた。その顔がフィブリゾには泣いているように見えた。スカイは言った。
「フィブリゾ様・・・。私・・・・・・・た。」
「え・・・・・・?」
 スカイはフィブリゾから顔を逸らした。フィブリゾはスカイの肩に手を置く。
「もっとはっきり言って。聞こえない。」
「私・・・赤眼の魔王様を・・・魔竜王様を守れませんでした・・・。お二方と同じ場所にいたのに・・・私は・・・両方とも助ける事が出来ませんでした。」
「・・・・スカイ・・・」
「なんで・・・私だけ生き残ってしまったのですか?なんで・・・ノアさんもクリアさんもクローバーさんも滅びてしまって・・・何故、私が・・・。」
 フィブリゾがスカイを抱きしめる。フィブリゾはスカイを放してからスカイの目を見て言った。
「理由はわからない。でも僕は一人でも自分の部下が残ってて本当に安心してるし良かったと思う。皆が滅びたのは仕方が無いよ。これが今、僕達の前にある事実だから・・・。」
 スカイは立ち上がった。そしてフィブリゾから離れゆっくりとフィブリゾがきたほうへ行く。
「スカイ?」
 フィブリゾは首をかしげた。彼女が何をしようとしているのか全くわからなかった。スカイは巨大な氷の塊の前で脚を止めた。そしてスカイはフィブリゾのほうを振り向きにっこり笑って言った。
「この中に赤眼の魔王様が居ます。ですから・・・まだ救えるかもしれません。責任を・・・取らせてください。」
 スカイの顔から笑顔が消える。フィブリゾは目を細めて氷を見た。うっすらと赤い影がある。そこに人がいた。フィブリゾにはそれが赤眼の魔王であることがすぐにわかった。
      がごぉぉぉぉぉっ
 その時、フィブリゾの前に氷の塊が現れた。フィブリゾはスカイが作ったものだとわかった。カタートの冷気によって生み出した水が冷やされたのだ。
「スカイ!何する気!?」
 フィブリゾはスカイを睨んだ。スカイは悲しそうに微笑んだ。
「フィブリゾ様と一緒にいられて嬉しかったです。これから先も一緒に居たいです。」
「一緒にいられるでしょ!?何言ってるの!?僕の命令だよ!何をする気か分からないけど止めて!」
「残念ですが・・・それは無理です。」
 スカイは呼吸を整えてから言った。
「部屋のタンスの三段目・・・。」
「?」
「よろしくお願いします。」
 スカイが目を閉じた。


        ――黄昏よりも昏きもの

            血の流れより紅きもの

 スカイの身体が少しずつ消えていく。フィブリゾは何をする気か分かった。赤眼の魔王の力を借りた技『竜破斬』。これを使えば確かにこの氷も壊せるかもしれない。しかし、魔族は他のものの力を借りる魔術は自殺行為だ。つまりスカイは自分の命を犠牲にして責任をとろうとしているのだ。
「ダメ!」
 フィブリゾは氷の壁に凝縮した闇をぶつけた。しかしそれは壊れなかった。心の中で何故壊れないのかは分かった。スカイが造った氷といえどもその冷気は水竜王が残したものだ。そう簡単に破れるはずが無い。そしてなにより、あまりにも突然の事でフィブリゾは全く精神集中ができていなかった。


              時の流れに埋もれし

          偉大なる汝の名において


 スカイの身体はもうすでに上半身だけになっていた。フィブリゾが氷に体当たりをする。しかし、氷はびくともしない。
「なんで・・・僕を一人にするの?孤独はヤダよ・・・。一人ぼっちは・・・いやだよ・・・。」
 フィブリゾは弱々しい声でそう言った。スカイが声に振り向きにっこり微笑む。その手には力が確実にたまってきている。



                全ての愚かなるものに

          我と汝の力もて

             等しく滅びを与えんことを ――



「竜破・・・・・・・・・・・・・・









                                   」
 それが、冥将軍・スカイの最期だった。
 フィブリゾはスカイがいた場所をじっと見つめる。フィブリゾは膝を落とし肩を震わせた。
「なんで・・・?なんでだよ・・?」




   こんなにも間違った真実はあっただろうか

     正しいから間違いで

        間違いこそ真実

      他人の描いた夢幻に

          すがる自分の無力さが

            その場に残って水になる

    だけどあまりに寒いから

       凍ってしまう




           ここのの中の涙の雫が・・・




 こうして、降魔戦争は終わりを告げた。



*************************************
 終わったのですがまだ謎があります。とりあえずこれで存在する意味は終わりですが『○○の存在する意味』と言う形で続きを書く予定です。
 ここまで読んで下さった方、いたら本当にありがとうございます。短編などでも私の作品を読んでくださると嬉しいです。
 それでは・・・。

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29112Re:お疲れ様でした。オロシ・ハイドラント URL2004/1/21 17:47:49
記事番号29099へのコメント

こんばんは。
お久しぶりです。
ついに完結ですね。
実に悲しい終わり方だと思いました。
むなしさ悲しさが心に染み込んで来て本当に良いです。
>「なんで・・・?なんでだよ・・?」
このフィブリゾ台詞辺り、本当に声が聞こえて来たような気がします。
最後の詩も心に響きました。
……本当にスカイを救う術はなかったのでしょうか。


本当にお疲れ様でした。
『○○の存在する意味』、楽しみにしていますね。
それでは短いですがこれで失礼致します。

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29127Re:お疲れ様でした。2004/1/22 16:29:17
記事番号29112へのコメント

>こんばんは。
>お久しぶりです。
お久しぶりです、オロシ・ハイドラント様。
>ついに完結ですね。
>実に悲しい終わり方だと思いました。
>むなしさ悲しさが心に染み込んで来て本当に良いです。
 ありがとうございます。最後まで読んでくださり本当に嬉しいです。
>>「なんで・・・?なんでだよ・・?」
>このフィブリゾ台詞辺り、本当に声が聞こえて来たような気がします。
 そう言ってもらえると本当に書いた甲斐があります。
>最後の詩も心に響きました。
>……本当にスカイを救う術はなかったのでしょうか。
 あの時のフィブリゾにはスカイを救う方法は無かったんだと思います。あったらこのあと少しは希望のある終わりが待っていても良かったと思います。
>本当にお疲れ様でした。
 ありがとうございます。
>『○○の存在する意味』、楽しみにしていますね。
>それでは短いですがこれで失礼致します。
 オロシ・ハイドラント様、本当にここまで読んでいただきありがとうございました。『○○の存在する意味』の方も楽しみに待っていてくださると嬉しいです。
 それでは・・・。

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