◆−どらまててきをとめ エピソード T−惣流 まい (2003/12/23 17:40:43) No.28758


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28758どらまててきをとめ エピソード T惣流 まい E-mail 2003/12/23 17:40:43




 くっ。ついにこのときがきたかエピソード T!!
 ゼロス最初に言っておく。

 ファイトだっ!

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 「アッメリッアさんv こんにちは」
 「あらゼロスさんまた性懲りもなくきたんですか?」
 アメリアの部屋の窓辺にゼロスがアメリアの一言で撃沈しながらも何とかそのニコニコ笑顔を崩さないまま立っていた。
 ゼロスは何故か軽い敗北感を感じていた。
 いーーえ僕は負けませんっ!
 そんな決意を胸に秘めたままゼロスはふわりとテラスへ飛び移った。
そしてアメリアの傍に近付こうとし――

 「今はドレスの仮縫い中です。 殿方はご遠慮ください」

 衣装係に一蹴された。








 「それで、今日はどういった御用時でまたドレスをおつくりなんですか?」
 何とかドレスの仮縫いがすんだ頃にようやくアメリアの自室に入れられたゼロスが―― それまでずっとテラスにいた―― 勿論、 カーテンは曳かれていた―― 改めてアメリアに挨拶をしつつ尋ねた。
 「ちょっと前にいい知らせが届きまして☆ あ、 なんならゼロスさんもいっしょに行きますか?」
 なんのことですか? と聞きたいのは山々だったが、とりあえず今は彼女に了承の言葉を送る。
 「いいですよv」
 とりあえず今はアメリアさんと一緒にいられる口実ができましたしv

 ――どうやら魔族が人間にほれることも出来るようだ。


 これが彼にとっての悪夢の始まりだということもつゆ知らず、彼は軽く笑顔を作っていた。




         どらまたてきをとめ  エピソード T



 「じゃあ父さん、 お留守番よろしくね☆」
 「おおアメリアっゆっくりしてくるんじゃぞ」
 ひしっと互いを抱きしめるセイルーン家の父娘。
 それにやや顔をひきつらせながらもゼロスはフィリオネルに一礼する。
 「アメリアさんは僕がしっかりと護衛して差し上げますから、ご安心ください」
 そのゼロスの台詞にフィリオネルは顔を上げ、
 「おお、ゼロス殿か。 しっかりと守るんじゃぞ。 何しろアメリアはわしに似て繊細じゃからの。がっはっはっはっは」
 なんぞとのたくりまわった。
 何処が繊細か。 どこが。 それとも何か? この世界じゃ魔族を素手で張り倒し、 頭上20メートルはあろうかという木の頂上から頭から落ちても怪我一つないヤツラが繊細なのか?
 そんな突っ込みが何処からか聞こえてきそうな勢いである。

 「それじゃあアメリアさん、 行きましょうかv」
 ゼロスはアメリアを――ちなみに、服はいつもの巫女服という軽装だ――促し、部屋から出て行く。
 その額に一粒の汗が流れていたことはここに記して置く。




 「ところで――これから何処へ行くんですか?」
 「私言いませんでしたか?」
 「ええ」
 まあ、僕も聞かなかったんですけどね。
 街道をポテポテ歩きながらのほほんと会話する二人。
 ちなみに、彼女達が本日張り倒した――もとい、 成敗した盗賊段の数は三組である。 まるでどこぞの『盗賊殺し(ロバーズキラー)』のようだが、 彼女等が少しの期間いっしょに旅をしていたのがその『盗賊殺し(ロバーズキラー)』なのでまあ、 仕様がないといえば其処までであろう。
 「行き先は――」
 「行き先は?」
 アメリアの言葉をそのままオウム返しに聞き返すゼロス。 すると彼女はニパッと笑みを浮かべ、
 「ここまできたんですから、 ・・・・それは秘密です♪」
 口元に人差し指を当て、そのままくるりと向きをゼロスの方から街道に戻し、
 「競争しませんか? 次の町までですv」
 ダッシュで走り始める。
 元々武術の達人であったことと、力がないことからスピード重視の戦法をとっていた彼女は以上に瞬発力が高い。
 あっという間にトップスピードで黒髪を振りほどきながら街道を走り抜ける。
 それにゼロスはあっ、 と声を漏らした後、すぐに彼女を追いかける――こだわりがあるのか、ちゃんと走っている――。
 「アメリアさん、僕の台詞を真似しないで――」
 「遅れたほうが宿代と食事代払うんですよ――っ! あ、 ちなみにお金は地道に働いて稼ぐんですからねーーっ!!!」
 ゼロスの言葉が終わらないうちに大分前の方から、 それでも大きな声が聞こえる。
 「地道にって・・・ 僕、 お金とか換金するものとか何ももってないんですけど・・・」
 ピタリと足をとめ、 不安そうに呟く。
 「もしかして、 僕に修行僧みたいに街角で御椀もって突っ立てろとか・・・?」
 何とも情けない自分の姿を想像し、 またその姿を何処からか盗み見している自分の上司に見られて指を指されて大笑いされている自分の姿を想像し―― 最悪の場合、 其処に上司の親友もついているかもしれない―― 慌てて彼は再び走り始めた。





 ちなみに、 やはり勝者はアメリアであり、 ゼロスはなんとか似非修行僧にならずにすんだらしいということは記して置こう。







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   後書きルーム

 一回で纏めることが出来なくなったことに気が付いた今日この頃。
 皆さんどうお過ごしですか?惣流です。
 この話はやはりなんというか私の恐るべき――もとい、素晴らしい友人のリクエストで始まったのですが・・・
 何故にエピソードまで書かんといけんのんじゃヲイ。
 しかも微ゼロアメになったしっ!惣流はあくまでガウリナゼルアメ派なんでいっ!
 ・・・・・・・・・・・・・・・ま、いっか。
 人生成せばなるんだ。ケセラセラ。
 このエピソードが思いついたのは某野球選手と某柔道選手の結婚式の時でした。 おっとこれ以上はネタバレなんで次の回にお話しましょう。
 それでは皆さん、おたっしゃで。

 惣流 まい



 

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