◆−またまた久しぶりの漫遊記番外の投稿ですv−かお (2003/10/28 00:52:36) No.27762
 ┣エル様漫遊記・番外編・第44話−かお (2003/10/28 00:57:42) No.27763
 ┃┗あれ?これって・・・。−海藤雄馬 (2003/10/28 14:29:16) No.27768
 ┃ ┗はい、してます・・−かお (2003/10/28 20:54:28) No.27787
 ┗エル様漫遊記・番外編・第45話−かお (2003/10/28 23:20:23) No.27793


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27762またまた久しぶりの漫遊記番外の投稿ですvかお E-mail URL2003/10/28 00:52:36


こんにちわ。
えっとかなりお久しぶりですねぇ。
え?フォーエバーとかリレー(すでに一年と半年経過・・・まてぃ!)
はどうしたかって?
・・・・・・・・・・・つっこまないでください・・・・(自覚あり)
何はともあれ。
久方ぶりにまたまたいくのですv
ちなみに、いつものように下記の注意書きを参考にして。
それでもいーよvという人のみご閲覧いただけたら幸いです・・(まて)

(・・・・ちなみに、いまだに45話・・・打ち込みしてます・・・・)

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 こんにちわ。
 またまたやってきています(爆!)
 というか、長編の合間のオアシス?(なのか!?)
 ということで、エル様漫遊記・番外編。
 ちなみに、注記しておきますが(まてまて!)
 このリナ=インバースは、金色の王(エル様)となっています。
 そして、この本編にあたるのは、ここにはまだ投稿してませんので。
 もし、番外編があるなら、本編もあるはず。
 と、捜さないでください・・(汗)
 そのうちに、映画版のを一つ。
 ここにも投稿する気ですので・・・・・。
 本編がどーしても読みたい人は、このしがない私のページからどうぞ(まて!)
 おいおいと更新していますので・・・。
 この番外編。
 主に、スレイヤーズ、スペシャルが主です。
 そして、たまぁぁぁぁに、オリジナルもありますが(爆!)
 上記を納得の人は、お目汚しにまでお読みください・・・・。




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 こんにちわ♪
 やってきました♪久方ぶりに♪(まて!)
 ちなみに、このエル様漫遊記・番外編。
 以前の話の内容は・・こーなってます(まて!)
 
   第1話・その後前偏・後編 スペシャル7巻   影の鏡
  第2話         デリィシャス4巻  ルナテクヘステバル
  第3話         なし        ☆降魔戦争時☆
  第4話         デリィシャス2巻   呪術士の森
  第5話         なし        ☆ゼリス誕生偏☆
  第6話         スペシャル1巻   ナーガの挑戦
  第7話         スペシャル1巻   セイルーンの王子
  第8話         スペシャル9巻   闇に住まう村
  第9話         スペシャル5巻   ジェフリー君の騎士道
  第10話        RPGゲームブック 目指せサイラーグ
  第11話        スペシャル5巻   レスキュウ作戦
  第12話・前偏・後編  なし        ☆エル樣とユニット様☆
  第13話        スペシャル13巻  BP攻防戦
  第14話        日帰りクエスト(?)☆日帰りクストキャラ☆
  第15話        スペシャル1巻   エルシアの城
  第16話        スペシャル10巻  破壊神はつらいよ
  第17話        スペシャル10巻  歌姫の伝説
  第18話        スペシャル6巻   愛しの根性なし
  第19話        スペシャル11巻  全ては真実のために
  第20話        スペシャル6巻   根性なき戦い
  第21話        スペシャル1巻   ロバーズキラー
  第22話        スペシャル10巻  歌姫の出発
  第23話        スペシャル7巻   頑張れネクロマンサー
  第24話        スペシャル11巻  一把一からあげ
  第25話        スペシャル9巻   イリーズの旅路
  第26話        スペシャル2巻   リトル・プリンセス
  第27話        スペシャル13巻  まったりとしてこくがなく  
  第28話        スペシャル17巻  小さな濃いメロディ  
  第29話        スペシャル一巻   悪役ファイト 
  第30話        スペシャル一巻   りべんじゃあ
  第31話        スペシャル14巻  遠き日の決着
  第32話        スペシャル二巻   白竜の山
  第33話        スペシャル12巻  家政婦はみたかもしんない
  第34話        スペシャル17巻  仁義なき場所とり
  第35話        スペシャル17巻  嵐の前に
  第36話        スペシャル10巻  白い暗殺者
  第37話        スペシャル13巻  仰げば鬱陶し
  第38話        スペシャル19巻  愛は強し
  第39話        スペシャル7巻   ガッツだ!元ネクロマンサー
  第40話     スペシャルまだ未収録   オールディズ・プライド
  第41話         スペシャル2巻  ラビリンス
  第42話         スペシャル2巻  リナ抹殺指令
  第43話         スペシャル8巻  ザ・ガードマン
    以上となってます♪


  ちなみに、今回は♪♪
  第44話         スペシャル2巻  ザ・チャイルド
  第45話         スペシャル2巻  リトルプリンセス2

  次回。
  の予定です♪ 
  ちなみに、これは、パロディです♪
  それでもって、リナがリナではなく、金色の王であるエル様となってます♪
  それでは♪
  (以前のは、著者別からどーぞ♪)大概すべて読みきりですので♪
  あしからず♪
  ではでは♪
  ちなみに、これ、リクエスト、受付中♪
  (すでにただいまリクエスト、10個うけてますv)


  それでは、いくのです♪
  

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27763エル様漫遊記・番外編・第44話かお E-mail URL2003/10/28 00:57:42
記事番号27762へのコメント



  こんにちわv
  なぜか久しぶりの打ち込みだったり(まてぃ!)
  というわけで改めましてこんにちわ。
  またまたやってまいりました。
  完全無欠なる二次創作、ともいえるエル様漫遊記、番外編。
  ちなみに、これはスレイヤーズの『リナ=インバース』が。
  もし、『金色の母(ロードオブナイトメア)』であったら?
  というコンセプトの元に書かれているお話ですv 
  こんかいは、スレイヤーズスペシャル二巻、ザ・チャイルド。
  とりあえずこれはのんびりとリクエストとかも受け付けてますので。
  のんびりといくのですv
  ・・・・何しろもうスペシャルも21巻までありますからねぇ。
  がんばってはやくおいつかないとv(かなりまて)
  まあ、何はともあれ、いくのですv


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    エル様漫遊記・番外編  〜ザ・チャイルド編〜



 
  「以上であたし、リナ=インバースの講義を終わらせてもらいますわ。」
  そう言い放ち目の前に座っている人々を見渡す。
  それとともに。
  わっ!
  などという声とざわめきの声。
  なぜかわたわたしている人々の声があふれかえる。

  ある町の魔道士協会。
  たしかゼフィーリアの魔道士がここに勤めているとおもいつつ。
  ちょっと暇でもあったことからたずねてみれば、
  そこに居合わせたここの魔道士協会評議長に魔道士見習い達のための講習会を依頼されたこのあたし。
  ま、暇だったということもあり、その依頼を受けた理由は少し。
  まあ別に一緒に旅というかくっついてきているナーガはまあ面白いからよしとして。
  いかんせん、一応人間やっていればそれなりの代謝機能、というのも、
  あたしは当然この体に持たせている。
  まあそれは簡単にコントロール可能というか別にあってもなくても関係ないもの程度だけど。
  照りつける太陽の元、のんびりと旅をしてゆくのも悪くはないけど。
  まあ見習い達にこの世界の仕組みを教えておくのも悪くはない。
  というか、今のこの世界の常識というか知られている知識。
  …間違いすぎてるからねぇ。
  そんな理由もあってあたしは今回のこの一件を引き受けたのだけども。
  まあそれですずめの涙ほどではあるけどお金が手にはいる。
  というのもま、面白いし。
  まあ手っ取り早く盗賊たちを退治してその戸惑いの感情とかで遊ぶほうが面白いには違いはないけど。
  一応それなりの町の協会であるがゆえに冷暖房は整っていたりする。
  どうでもいいけど、もうすこし能率のいい冷房とか暖房の仕方、あるでしょうに。
  ちなみに今あたしがいるこの部屋には常に弱冷機の魔法がかれられて。
  一応温度的には二十度前後に保たれていたりする。
  まあ、とりあえず今回のこの魔道士を志す人たちにこの五日間。
  講義をつづけ。
  今日、五日目のこの日。
  五日間の日程を今あたしは終えたばかり。
  
  一般にはこの初心者への魔道講習、というのは難しい、となぜかいわれていたりする。
  あたしとしてはいきなり術が使いこなせるようになったほうが面白いとおもうのだけど。
  まあ、それだとそれを悪用したりする人物が出かねない。
  という協会側の配慮などもあり。
  そして論理的な面だけをといてもそれはそれでやはり面白くはない。
  この五日間。
  あたしはこの世界で通説とされている説の真実を。
  彼らに教えていたのだけども。
  ―実践形式で。
  たとえば部屋そのものをいきなり宇宙空間にしてみて、というか彼らの魂を抜き放って。
  いきなり星の外に投げ出しておいてから。
  自力で戻ってくるような話をしてみたり。
  あとはまあ、あまり最近活躍してない部下たちをいきなり呼び出して。
  それぞれの世界に関する話を彼らに聞かせてみたり。
  なぜかあたしの姿をみて彼ら、驚いてたけど。
  まあなぜかおびえる様子をみせた部下たちにはその場で制裁…もといお仕置きを加えたからまあよしとして。
  これからちょっと面白いことをしてくれる、部下Dたちは呼びつけなかったけど。
  というかこの隣接している世界、四つの部下たちは呼ばなかったのよね。
  ばれたらそれはそれで面白くないから。
  呼びつけた彼らには当然しっかりと口止めはしておいたけど。
  まあそんなこんなで五日間。
  無事にあたしに与えられた日程である五日間をこの日あたしは終了させ。
  なぜかベテランの魔道士たちまで目を見開いて。
  何やら口論始めていたりする光景をはためにみつつ。
  そのままあたしは魔道士協会の建物を後にしてゆく。

  
  「あ、みつけた!お姉さん!」
  そんな声がしたきたのは。
  あたしとナーガが下町の食堂にて昼食をとっているそんな時。
  まああたしとナーガが歩いていて声をかけられるのは日常茶飯事。
  まあ、ナーガの場合はこの格好から倦厭されてなかなか根性のある人間は近づいてはこないけど。
  まあこういった場所で声をかけてくるのは大抵は下心のあるどこぞのごろつきなどがほとんど。
  その声に手にしたジョッキ入りのブランデーをあけつつも、振り向いているナーガ。
  そして、振り向いたその先にいるのは。
  年のころならば見た目十程度の男の子がたっていたりする。
  まあ正確にいうなればこの子、今九歳なんだけど。
  短く切りそろえているストレートな金髪。
  といってもそれほど凄烈なまでの金色ではないけど。
  このままスカートをはかせたら女の子です。ででも通る程度に整った顔立ち。
  そしてぱっちりとしたライトグリーンの瞳。
  服装は呪術紋入りのひざまでとどくグレイのマント。
  俗にいうこの世界ででの典型的な魔道士見習いのスタイル。
  「あら。」
  そういいつつちらりとあたしがそちらを振り向くと。
  「リナ?知り合いなの?」
  ジョッキを片手にブランデーをストレートで飲み干しつつ聞いてくるナーガ。
  「まね。講習会に来てたクレイ。ここの魔道士協会評議長の一人息子よ。」
  そう説明するあたしに。
  「…お姉さん、僕名前いったっけ?というか講習やってるときにも全員の名前…
    呼んでたよね…」
  などとなぜかつぶやいているあたしたちにと話しかけてきたこのクレイ。
  「あら、それくらい見ただけで名前はわかるのは常識よ?」
  あたしのそんなもっともな言葉に。
  「それ、リナだけだって。絶対に。」
  などといっているナーガだけど。
  「ま、そんなことはどうでもいいけど。それで?
    あれを自分でやってみたいわけ?」
  とりあえず、講習会のデモンストレーションの一環として。
  この近辺ではない別の次元宇宙から部下たち呼び寄せて。
  ある程度年齢がいっている力自慢の魔道士たちと戦わせて見たりしたんだけど。
  それがけっこう大うけだったのよね。
  戦っている人間たちはかなり面白いまでに負の感情撒き散らしてたし。
  ま、いくら死んでもあたしが一瞬のうちに生き返らせていたから、
  見ている人々はただのデモンストレーション。と信じ込んでたし。
  「うん!あのデモンストレーションはみんな本物みたいだって言ってたし!
   僕将来は本当の魔族とかドラゴンとか一発でぶっ飛ばせるくらいの魔道士になりたいんだ。」
  などといいつつ目をきらきらさせてあたしにといってくるこのクレイ。
  「ふ。いうのは簡単よね。」
  などと完全に他人ごとのようにいっているナーガ。
  そんなナーガの様子には気にもとめずに。
  ちょこちょこと小走りであたしの横にと回りこみ、そしてその横にと腰を下ろしてくるこのクレイ。
  そして。
  「それで、僕考えたんだ!それってどうしても知識とか経験値、そして才能。
   って奴が当然いるし。どうしても。」
  そういいつつ勝手に頼んだブラウン・ティーをのみつつ。
  「だから僕決めたんだ!」
  そういいつつ両手を胸の前でくみきらきらした瞳であたしをみあげつつ。
  「僕、リナお姉さんに弟子入りする!」
  ブブゥゥ!
  その言葉にやたらと大げさにブランデーを噴出しているナーガ。
  「うわっ!?きたな!?」
  こちらもまた大げさにいいつつ、あわててハンカチで顔についたブランデーをふき取っているクレイの姿が。
  「あなた、リナに弟子入りなんて、もっと命を大事になさいよ。」
  などとしみじみいっているナーガだし。
  「あら、ナーガ、どういう意味かしら?」
  にっこりと微笑むあたしのその言葉に。
  「そのままの意味よ。というかあんたの周り、何か絶対起こるじゃない。」
  きっぱりはっきりいってるナーガだけども。
  「あら、それをいうならばナーガもでしょう?」
  そのようにあたしがナーガの運命、ちょっと細工してるんだしv
  「でも、ま。このあたしに弟子入り。というのはちょっとどうかしらね。
    とりあえず蕉木の渦の中とかでも正気たもってなかったりしないと無理ね。
     あとはいくらたたかれてもおきてくる根性ね。
      そうでないと認めないし、というか存在させる意味もないし。」
  さらりというあたしのその言葉に。
  「…リナ、あんたさりげに恐ろしいことをいうわね。」
  などとなぜかぽつりといっていたりするナーガ。
  「あら、これって常識よ?まったく。このあたしにちょっと小突かれた程度で。
   まがりなりにも滅びたりする存在って多いからねぇ。」
  まったく、どうしてそんなに根性ないものなのかしら。
  くぅぅ。お母さん、本当に悲しいったらないわ!
  「…いや、滅びるって…ま、まああまりそのことには深くはつっこみはしないけど。
   いーい?あなた?クレイとかいったわね?
    魔道士の弟子になるということは。
     常識では考えられないような無理なことを『試練』と称してやらされて、
      できなかったら『やはり無理だったか』。でおしまいなのよ。
       あとは訓練で人をあやめる方法とかを習ったり。」
  そーいえば。
  ナーガの母親。
  その手のこともナーガに教えていたっけね。
  「そ、そうなの?」
  なぜか額に一筋汗をながしつつあたしをみてくるクレイ。
  「ま、うそではないわね。」
  それがすべてでもないけど。
  「そ、それでもいいんだ!僕絶対大魔道士になりたいんだ!
   伝説のレイ=マグナスなんかメじゃないってな奴に!」
  「ま、確かにあいつはねぇ。いまだに氷付けになってるし。」
  などとつぶやくあたしのその言葉に。
  「確かリナ以前、そういってたわね。レイ=マグナスが氷付けになってるとか何とか。」
  ふと思い出してそんなことをいってるナーガ。
  そんなあたしたちの会話に首を傾げつつ。
  「ともかく!あんなまるで本物みたいなデモンストレーションできるお姉さんに、
    僕弟子入りして強くなりたいんだ!」
  などと瞳を輝かせていってくるこのクレイ。
  「…リナ、あんたいったい魔道士協会の魔道講習でいったい何やったのよ…」
  などといいつつあたしをみてくるナーガ。
  「あら、たいしたことやってないわよ。
   ただちょっとここでいうなれば異世界からとある彼らを数名呼び出して、
    ちょっとばかり力自慢してるような魔道士引っ張り出せて戦わせて見ただけよ。
     ちなみに死んでもすぐに生き返らせたりしておいて。」
  「…そういえばあんた、死人よみがえらせれるのだったわね…」
  などといいつつなぜかナーガの額から汗が一筋流れ落ちていたりするけど。
  いくら私でも死人を生き返らせたりするのは不可能なのに。
  このリナってかなりの実力もってるからね。
  などとナーガは心で思っていたりするし。
  というかできないことがない、というほうが正解なんだけど。
  それだと面白くないから自分自身にいろいろと規制とか戒めとかつくって、
  それ守って遊んで…もとい存在してるんだけどね。あたしは。
  「クレイとかいったわね。いいこと?リナに弟子入りなんてしたら。
    命いくらあってもたりないわよ?」
  そういいかけるナーガの言葉に。
  「おばちゃんはだまっててよ。」
  おばっ!?
  その言葉に目を丸くし。
  ゴキュシュ!
  クレイの言葉に面白いまでのナーガのげんこつが。
  クレイの頭をヒットして面白いまでの音を響かせていたりするし。
  うーん、楽しいv
  「私はナーガお姉ちゃん。さ、いってみなさい?」
  そんなナーガの言葉に。
  「…うぷぅ。ごべんなざい。きれーなおねーぢゃん…」
  などといいつつちょっとなみだ目で謝っているクレイ。
  「ま、とりあえずクレイ、あたしは弟子なんて取るつもりはまったくないから。
   部下…とと、使い走りなら山ほどいるから。」
  「…リナのその使い走りって…きにはなるけど聞かないことにするわ。」
  あたしの言葉になせかそんなことをいってくるナーガ。
  「まあまあ、そういわないでよ。
   口ではそんなこといっても体は正直なものなんだよ。」
  そうにっこりというクレイの言葉に。
  「…どこで覚えたのよ。そんなせりふ。」
  あきれていっているナーガに。
  「ときどき父ちゃんがいってるよ。女の子に言うことを聞かせるときにはこういえばいいんだって。」
  そーいや。
  この子の父親。
  地位を利用してちょっとそのあたりいろいろとやってるのよね。
  まあほとんどの子は泣き寝入りしてるんだけど。
  「リナ?確かこの子の父親って評議長とかいってなかったかしら?」
  そう問いかけてくるナーガに。
  「そうよ。ちなみに裏でもいろんなうわさが絶えない人物の一人。
    ま、先日彼が手にかけよーとした子がちょっと面白いことに、
     領主の実の娘、だったりするから間違いなく罷免されるでしょうけどね。」
  くすりと笑いつつ説明するあたし。
  「どうりで子供にまで変な言葉を教えているわけね。
   どうせならうちのように幼少のときの訓練などでは。
   呪術の使い方とか薬草とかのブレンドの仕方とか、そーいったことを教えればいいものを。」
  そんなことをあたしの言葉をきいてつぶやいていたりするナーガだし。
  そんなあたしたちの会話をはたでききつつ。

  「どれも絶対に普通じゃないと思うのは俺のきのせいか?」
  「いや、気にするな。 」
  そんな会話が。
  あたしとナーガの座っているテーブルの後ろや横などから聞こえていたりするけど。
  

  「とりあえず、弟子はいらないから。」
  そういいつつ席を立ち上がる。
  このまま別に連れて行ってもいいけど。
  それだとこれから先が面白くないし。
  「どうしても、ついてきたいんだったら。これ倒してからにしなさいねv」
  にっこりと微笑み。
  かるく指をバチン。
  と鳴らす。
  次の瞬間には。

  ぐぉぉぉぉ!

  町の街道の真ん中に突如として出現するブラスデーモンが。
  『うどわぁぁあ!!!!?』
  『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?』
  たったのそれだけのことで町は面白いまでにパニックに陥っていっていたりするし。
  「ちょっと!?リナ!?何いきなりデーモン呼び出してるのよ!」
  叫ぶナーガに。
  「あら、ナーガ、あれやっつけて礼金もらえばいいのよ。」
  ぽん。
  その言葉にぽんと手をうち。
  「なるほど。確かにそうだわね。おーほっほっほっ!」
  などといいつつエルメキア・ランスを連発しているナーガ。
  ちょっと退屈してたから少しばかりあたし運動したいのよね。
  とりあえず。
  五日間。講習をやってて何なら少しばかり体を動かしたいので。
  あたしはそのまま町にと呼び出したデーモン相手に少しばかり遊ぶことに。
  


  「うわぁ!?どうしていきなり町の中にデーモンが!?」
  などと叫んでいる男たち。
  先ほどからどこかに金弦になりそうな子供を探していた彼らの目に映ったものは。
  表通りに突如とした出現したデーモンたちの姿。
  「はい。魔道士になりたいんだったらこれくらい自力でしかも魔法なしでどうにかなさいねv」
  慌てふためいているクレイににっこりと話しかけるあたしのその言葉に。
  「お姉さん!?これっていったい!?」   
  面白いまでに動揺しているクレイ。
  「魔をも倒せる人間になりたいんでしょ?
   それなら素手でこれくらいは倒せないとv」
  そういうあたしのその横では。
  「おーほっほっほっ!このナーガ様にかなうとおもってるのかしら!?
    おーほっほっほっ!」
  などといいつつあたりかまわずに呪文を放っているナーガ。
  ちょっぴし周りに被害がそれで広がっていたりするのはまあいつものことだし。
  
  
  「な、そんな!?」
  などといいつつ逃げ回ることしかしてないクレイ。
  「おーほっほっほっ!クレイ、甘いわよ!私のお父様なんか子供のころから素手でデーモンなんかの魔は倒してたらしいわよ!
    おーほっほっほっ!」
  などといいつつ無差別に呪文を乱射しているナーガ。
  ま、フィルは昔からああだしねv
  「まあ、ナーガの父親は面白いからよしとして。
   とりあえずこれら自力でどうにかしてから両親に許可もらいなさいねv
    誰にたとえ弟子入りする、にしても。」
  にっこりと微笑むあたしに。
  なぜかあたしが呼び寄せたというか出現させたデーモンたちは。
  別にあたしの支持のままに召還。
  という形をとっていないのにもかかわらずにあたしを避けてるし、こいつらは。
  「だぁぁあ!いくら下級魔族だからって少しは向かってくる根性みせなさいよ!」
  まったく。
  どうしてこんなに根性ないやつらばかりなのかしら。
  やっぱり、こいつらの上司たるSがふがいないせいよね。絶対に。
  「…姉ちゃん、それ何か違っているような気がしなくも…」
  なぜか半分べそをかきつつそんなことをつぶやいているクレイの姿がそこにあったりする。
  まあ、もともとこの子、あたしに弟子入り許可もらえたら。
  あたしに両親の説得を手伝ってもらおう、なんて思ってた子だしねぇ。
  もともとまああたしは講習会で。
  そのこの世界の魔道を扱うものたちに足りない根性を。
  ちょっと活を入れておいたこともあるし。
  そんな会話をしつつ。
  町の中にあふれるデーモン退治をイベントに。
  のんびりと時間をすごしてゆくあたしたち。


  「ねえ?リナ?」
  役一時間もしないうちに、あふれかえったデーモン達は。
  ものの見事に迎撃され。
  な、なさけない…
  町のいたるところでそれを見越して復興作業が開始されはじめる。
  まさにそんな中。
  ナーガがとある方向を眺めつつあたしにと問いかけてきていたりするし。
  ちなみにあたしとナーガの周りにはしつこくまとわりついていたクレイの姿はもはやない。
  先ほどデーモンに追われて路地裏とかに逃げ込んでいたけど。
  「さっき、変な連中が大きな麻袋かぶせて無理やりクレイをどこかにつれていったけど。」
  などといいつつ彼らが立ち去った方向をみてそんなことをいっているナーガ。
  「あら、ドサクサにまぎれて行動を起こすなんてずいぶん利口な誘拐犯ね。」
  にっこりというそのあたしの言葉に。
  「えええ!?あれって誘拐犯だったの!?
   いや、変わった家の人だな。とか思ったけど。」
  などと言い放ち。
  「ま、このあたりそういうことが多いからねぇ。」
  にこやかにいうあたしのその言葉に。
  「そうらしいわね。それで、どうするの?」
  意味もなくポーズをとってそんなことをいってくるナーガ。
  「このまま無視して町を出てもいいけど。
   それより彼を助けて礼金をもらったほうが。
    今日の宿代、浮くわよv」
  あたしの言葉に。
  「おーほっほっほっ!まっていなさい!クレイ!今この白蛇のナーガ様が助け出してあげるわ!」
  などといいつついまだに騒然とする町の中。
  高笑いをあげながらとある方向に走ってゆくナーガだし。
  うーん。面白いv


  
  日当たりの悪い薄汚れた裏通り。
  その中にはかすかにすえたにおいが立ち込めていたりする。
  人の通りはほとんどなく。
  この通りは人がいないこともあり、デーモン襲撃の被害はさほどない。
  「さすがにこのあたりはデーモンの被害はないようね。
    あら、あそこに人がいるじゃない。あの人に聞いて見ましょ。」
  クレイがさらわれた方向にと進んでいるあたしたち。
  そんな路地裏の一角で不法投棄されている粗大ごみをあさっている一人の男性。
  そんな男性をみつけてその人物にと近づいていっているナーガ。
  「おーほっほっほっ!ちょっとききたいんだけど。
    さっき大きな麻袋をかついだ男たちがこのあたりを通らなかったかしら?おーほっほっほっ!」
  いきなり高笑いを上げ、話しかけるナーガにびっくりしつつ振り向いて。
  口と腰に手をあててポーズをつけて笑っているナーガに一瞬驚きつつも。
  こいつらにたかってもいいか。
  などと思いつつ唇の端を小さくゆがめ。
  「あのなぁ。姉ちゃんたち。人にものを尋ねる時にゃあ。
   やっぱり出す何でしてもらわねぇと。」
  「フリーズ・ブリット。」
  コキン。
  そういいつつにやりと笑いを浮かべてを差し出した男性に。
  有無を言わさずに呪文を唱えて氷付けにしているナーガだし。
  目の前にはそのままの姿勢で面白いまでに氷の彫像と貸している男性の姿が。


  はっくしょん!
  ぶるぶると震えつつ。 
  「わ、わしがわるかった。何でも答えるから簡便してくれ…」
  とりあえず氷付けにしてたら話がきかれないでしょ。
  というあたしの言葉に従ってファイアー・ボールでその氷を溶かし。
  目の前になぜかびしょぬれとそしてちょっぴり香ばしいにおいをさせつつ。
  震えている男性がおびえた目であたしたちをみつつ。
  そんなことをいっていたりするけど
  「おーほっほっほっ!はじめから素直にそういえばいいのよ。
    おーほっほっほっ!それで、この私の宿代はどこにいったのかしら?」
  「あら、ナーガ、宿代じゃなくてクレイだってばv」
  ナ−ガの中では宿代=クレイ。で結びついている今現在。
  そんなナーガをみつつくすくすと笑うあたしに。
  「や、宿代かどうかはしらないが…」
  完全におびえた口調で。
  素直に彼は麻袋を担いで歩いていた男たちが向かった先を述べてゆく。



  
  「へっへっへっ。うまくいきましたね。兄貴。」
  どこにでもいるようなお決まりのせりふをいっている男性その一。
  「あたりめえよ。これで身代金ががっぽりはいりゃあ、一生遊んで暮らせるぜ。」
  などといいつつ後ろで両手を縛っているクレイをみている男性その二。
  「しかしデーモンさまさまですね。あにき。」
  「だな。こいつを麻袋にいれて担いでても町のやつらはデーモンに注意を奪われ。
   まったく気にしてなかったからな。」
  などといいつつにやりと笑みを浮かべていたりするけども。

  クレイを誘拐した二人組み。
  彼らのアジトは旧裏街道にと存在する古びた雑居アパートの二階。
  ちなみに今では彼らしか住んでいたりしなかったりするけど。
  さらにいうならばすでにここはもう公式的には誰もすんでいなく、取り壊し決定。
  とまでなっていたりするそんなアパートの一室。
  そんな中でそんなどこにでもあるようなお決まりのへたくそな吟遊詩人の書いた伝承歌(サーガ)
  のようなことをのたまわっているこの二人。
  そんな彼らを屋根の上から見ているあたしたち。
  ちなみに空中に部屋の様子を浮かび上がらせて様子をみていたりするんだけど。
  ナーガは宿代を見たい。とかいって浮遊(レビテーション)が使えないので。
  というか本人が必要がないから覚えていないだけなんだけど。
  通風孔というか雨どいのでっぱりにしがみついて部屋の中をうかがっていたりする。
  そんな様子をたまたま通りかかった親子連れが。
  「ねえねえ。お母さん、あの人、何してるの?」
  そういいつつナーガを指差し。
  「しぃ。みてはいけません。」
  などといいつつ子供の手をひきそそくさとその場から逃れていたりする。
  という何ともほほえましい光景があったりしていたりするけども。
  
 

  「…で、坊主、おめえいったいどこのうちの子だ?」
  薄暗い上に小汚い部屋の中。
  自分ではどうやら格好をつけている、そんなことを思っている男性その一が、
  椅子にくくりつけているクレイにと問いただす。
  ま、こいつら。
  誰でもいいから手当たりしだいに誘拐して身代金。
  と企てていた何も考えてないやつらだからねぇ。
  「へんっつ!だ!お前らみたいな悪党に誰が教えてやるもんか!」
  などとぶいっとそっぽを向くクレイ。
  「へぇぇ。聞いたかい?兄貴?」
  などといいつつ太り気味の男性その二がにやりと笑みを浮かべ。
  どうでもいいけどあんたら、もう少しましな態度、というものが。
  悪人ならば悪人らしくあるでしょうに。
  「どうやらこいつ、自分の立場ってものがわかっていねえみてぇだなぁ。」
  弟分である男性その二と同じような笑みを浮かべつつ。
  両手を組み合わせてぽきん、ぽきん。
  と指を鳴らしてクレイの横にと歩み寄る。
  その様子に顔面蒼白にし。
  「ぬ゛あ゛あ゛あ゛!ごべんなざい゛!かっこいいおにーぢゃんたち!」
  なきべそをかきつつあわてて叫んでいるクレイだし。
  な、情けない。
  もう少しくらい根性みせなさい!
  「で、もう一度聞くが思えの家はどこにある?」
  男性その一の質問に。
  「…マース通りの十二番…」
  なきつつあっさりと答えているクレイだし。
  「マース通り?いいとこにすんでやがんなぁ。ガキのくせに。」
  でもこれで身代金はかなり手にはいるな。
  などと思っている男性その二。
  その言葉に目を見開き。
  「―と待て!?マース通りの十二番って、てめえ、
   ジェイガンちのがきか!?」
  おもいっきりうろたえている男性その一。
  「…うん。」
  顔を涙でぐしゃぐしゃにしてうなづくクレイに。
  「知り合いかい?兄貴?」
  きょとんとした顔で問いかけている弟分。
  「馬鹿か!おめえ!マヘス通りのジェイガンっていやぁ!
   ここの魔道士協会表議長のうちじゃねえか!」
  「えええ!?あの裏では悪役非道をやってるという!?」
  ま、裏でも彼は有名だからねぇ。
  ちなみにただいま特別捜査官たちが彼の悪事を調べ中v
  「そう、裏では人殺しから麻薬販売まで、挙句は人身販売をやってるという!」
  「あのかわいい女の子には続けててをだしているという!?」
  そんな叫びをあげている二人に。
  「父さんはそんなことはしない!」
  などと叫び返しているクレイ。
  ま、家族の前では人のよい父親、彼は演じているからねぇ。
  そんな会話をききつつ。
  「えええええええ!!!?」
  などと思わず叫び声を上げているナーガ。
  ま、ジェィガンの悪評はその筋ではかなり有名なんだけど。
  それでもまあ家族の前ではいい人を演じている。
  というのはあまり知られてないからねぇ。
  ま、普通の一般の人々はそれ、信じてるけど。
  

  「何だ!?」
  「窓の外だ!?」
  ナーガの声に驚いてあわてふためくこの二人。
  万が一ジェイガンの手のものであるならば。
  問答無用で闇から闇へ消される。
  というのは裏でいきる人々にとってはそれはこのあたりでは常識。
  そんなあわてる様子をのんびりと。
  いまだに屋根の上から傍観しているこのあたし。
  もう少し見て楽しみましょv
  「…に、にゃー、にゃー、にゃー…」
  いまだに雨どいにはりついたまま猫のまねをしているナーガだし。
  そのまま窓から顔を乗り出した男性二人がみたものは。
  なぜかほとんどからだを覆うものがない、といっても過言なほどの。
  服、ともいえない面白い格好をした女性、しかも胸こいつ大きいし。
  などと二人同時におもいつつ。
  べったりと壁に張り付いているナーガの姿をみつけ。
  そのままナーガを捕らえ。
  結果。
  捕虜は二人になっていたりするし。



 「おーほっほっほっ!こんなことでこの白蛇のナーガの自由を奪った。
   なんて思わないことね。そもそもこんな。」
  などといいつつも椅子に縛り付けられたまま、高笑いを連続してあげているナーガをみ
つつ。
  「…なあ、兄貴、何なんだろうな。この女…」
  などと意味の違う汗を流しつつ問いかけている男性その二。
  「さ…さあ。格好からすれば痴女みたいだが。
    そんなやつがあんなところで猫のまねしているとも思えないし…
     刺客、とも思えないしな…」
  どこかあさってをみつつつぶやいている男性その一。
  一番に思いつくには彼らのことがジェイガンにとばれ。
  刺客が送り込まれた。
  という発想が彼らには浮かんだが、ナーガのこの格好からして。
  その考えはいともあっさりと却下され。
  かといってクレイを助けに来た人物。
  という可能性も面白いことというか当然というか二人の脳裏からは締め出されていたり
する。
  そのまま高笑いをあげつつ、ご丁寧にも人質に対して、
  ケーキとかを買って与えている誘拐犯たちの施しをうけ。
  そのままくくりつけられたまま眠っていたりするナーガだけども。
  あまりに高笑いの声がうるさいので食べ物を与えたら静かになったので。
  彼らはナーガを餌付けしていたりするんだけど。
  ま、確かに正解だわねv

  おなかいっぱいになり眠り始めたナーガがいたりするそんな部屋の中。
  それと同時にあたりに暗闇が、町に夜がやってくる。
  誘拐犯二人連れは。
  ナーガとクレイにだした食事代。
  ついでに全部あわせて金貨十枚。
  それを愁いて涙を浮かべつつ。
  「なあ、兄貴。こいつからも身代金、とれないかな?」
  などといいつつナーガを視線で指差すが。
  「…俺としては係わり合いにならないほうがいいぞ。
   この手の女には。」
  などといっている男性その一。
  そんな横ではすやすやと椅子にしばりつけられたまま寝息をたてているナーガとクレイ

  そんな会話をしつつ。
  ともかく、ジェイガンにばれれば命がない。
  というのは明白。
  ならば、父親でなく母親に言えばいいだけのこと。
  気づかれないように。
  「確かしばらくしたらジェイガンのやろうは会議で町をでるよな?」
  「そのときが勝負ですね。兄貴。」
  とにかく彼がいないうちに身代金をせしめとり。
  そのまま町を脱出する。
  などと何とも気の小さい作戦を練っているこの二人だし。
  「じゃあ、兄貴、だいたいの計画はそんなところで。
    今日のところはそろそろ寝るとしましょうや。」
  「だな。人質が寝込んでいるっていうのに俺たちが眠い目をこすりながら、
   相談してるってのもな。」
  そういいつつ安らかに寝言すらいいつつ寝ている二人をみて。
  「…こいつら自分の立場…理解してるんでしょうか?」
  などとつぶやいている弟分の姿。
  「さ、さあな。」
  などといいつつ完全に寝息をたてている二人をみてあきれている兄貴分である男性そ
の一。
  「けど結局この女。何者なんでしょうかね?
   やたら笑ってばかりでしかもむちゃくちゃに食べてましたが…」
  まあ、ナーガの腰にさしてある短剣。
  あれみたら一発でナーガがあの国の関係者だってわかるんだけどねぇ。
  柄には当然のことごとくに紋章がはいってるやつだから。
  「ま、まああまり係わり合いにならないほうがいい、そのほうが賢い。
    っていうことは確かだろうがな。」
  自分が人質、というにもかかわらずに彼らに命令して食事を持ってこさせていたナーカ

  その様子を思い出しつつつぶやいている兄貴分。
  「ま、こいつの始末は明日にでもかんがえればいいさ。
   その筋にうっぱらう。というのも手だしな。」
  などといいつつ。
  「そうですね。」
  そんな会話を終えて。
  丁寧に部屋の戸締りを終えて布団を敷き始めているこの二人。


  「ディル・ブランド!!」

  ドゴガァァン!

  夜中、いきなりの爆発音。
  それと同時に勢いよく吹き飛ぶアバートの床。
  「「うどわぁ!?何だぁぁぁあ!?」
  とっさに飛び起きあたりを見渡す。
  「ちっ!ライティング!」
  いちおうしがない誘拐犯のくせしてま、こいつら呪文ある程度は使えるからねぇ。
  ちなみにざっとした知識はこの二人もってるし。
  さらに簡単に説明するならば魔道士をめざして。
  魔道具などを買いあさり。
  破産した、というおまけつきだけど。
  こんな寂れた裏通りに街灯などあるはずもなく。
  あわてて明かり(ライティング)の術を唱えて部屋を明るくしている兄貴分。
  天井に向かって解き放たれた明かりはあかあかと部屋全体を明るく照らす。
  みれば部屋の中央付近にぽっかりと開いた穴があり。
  そしてそれは一階にむかってあいていたりする。
  そしてみしみしときしんでいる部屋全体。
  「刺客か!?」
  いいつつばっと服を手に取る誘拐犯その一。
  どうでもいいけど、クマさんがらのパジャマ…ついでに耳つき。
  何着てねてるのかしらねぇ。
  と。
  あわてて服を着替えようとする彼らの耳に。
  「おーほっほっほっほっ!逃がさないわよぉ!今日の晩御飯!フリーズ・ブリット!」
  チュン。
  そんな彼らの真横を氷の塊が通り過ぎ。
  後ろの壁を凍りつかせてゆく。
  「「うどわ!?」」
  いきなり飛んでくる氷の矢もどき。
  ふとみれば。
  「…なあ、兄貴…」
  「………」
  しばし術を放った当人を探し、そしてそれに気づいて無言になっているこの二人。
  ま、ナーガだしねv
  みれば椅子にくくりつけられたまま、すやすやと寝息をたて。
  ついでに。
  「おーほっほっほっ!観念なさい!わたしのお肉!」
  などと眠ったまま叫んでいるナーガ。
  ふふ、ナーガ夢をみつつ本当に呪文唱えてたりするのよね♪
  「だぁぁあ!こいつ眠ったのま呪文となえてるぅぅ!」
  誘拐犯その二、いわゆる弟分が何やら叫んでいたりするけど。
  「にがさないわよぉぉぉ!おーほっほっほっほっ!ディル・ブランド〜!」

  ドッガァァン!!

  グラ。

  ガラガラガラ。

  ズドドドドドッ!


  「うわぁぁぁぁあ!?」
  こちらはこちらでいきなり炎で焼かれて目を覚ましているクレイ。
  そして、その直後に。
  いきなり部屋全体がぐらりと揺れる。
  ナーガが放った術により、すでに老朽化していたこの建物。
  簡単に耐久性失ってたりするのよね。
  そのまま。

  ガラガラガララッ!!



  面白いまでに音を立てて。
  アパート全体が崩れてゆくし。
  

  もくもくとあがる煙と。
  そして、何ごとか、とおもいつつ近寄ってくる野次馬たち。
  夜も更けているというのにもかかわらずに人間の好奇心はとどまることを知らないから

  そのまま崩れたアバートのマワリにはあっという間に人だかり。
  ざわざわざわ。
  ガララ。
  いまだにクマさんバジャマとそしてなぜか犬さんバジャマを着ている誘拐犯のこの二人

  そのまま瓦礫に埋もれつつそれでもとっさに風の防壁を張ってダメージを少なくしてい
るのは、
  まあまあ少しはやるようだけど。
  「けほげほげほっ!」
  などとむせこむ誘拐犯その一に。
  「あ、あにきぃぃ〜…」
  どうにか瓦礫の中から這い出して、彼らが目にしたものは。
  すでに瓦礫の山と貸したアパートを取り囲む人だかり。
  そして。
  「う゛わ゛わ゛ぁぁぁん!」
  などと泣き叫んでいる声がひとつ。
  みれば。
  ナーガの放ったディル・ブランドの直撃をうけ。
  その衝撃派で吹き飛ばされ。
  隣の建物の屋根の上にと椅子の足一本でぶら下がっているクレイの姿が。
  ちなみにあたしはそのちょうど屋根の上にいたりするけど。
  「あら、運がよかったわねぇ。崩壊に巻き込まれないで。」
  にっこりと見下ろしいまだにぐらぐらしているクレイをみつつ。
  話しかけるあたしに。
  「おねーちゃん、たすげてぇぇぇ!」
  根性のないことに泣き喚いているクレイだし。
  「あら、伝説に残るような魔道士になりたいんだったら。
    自力でそれどうにかするくらいできないとv」
  にっこりと微笑みかけるあたしに。
  「う゛わ゛わ゛ぁぁん!もうなれなくてもいいからぁぁ!たずげでぇぇ!!」
  夜空に根性のないクレイの泣き声が響き渡ってゆく。


  とりあえず面白いので少しばかり時間を置いて。
  椅子の足が限界を迎えてぽきん。
  と折れ、大地に向かって一直線。
  というときにそのままふわりと彼を地面にと降ろしておく。
 
  「あれ!?この子、婿養子ジェイガンさんとこのクレイ君じゃないか!?」
  「何でこんな椅子に縛り付けられて。」
  などとざわついている人々の姿。
  一方では。
  「すーすーすーすー。」
  「…おーい。ここにもう一人椅子に括り付けられままで寝てるやつがいるぞー。」
  ほかにも崩壊に巻き込まれた人がいないか善意で調べていた男性の声が響く。
  みれば。
  すーすーすー。
  完全にアパートは崩壊したというのにイスにくくりつけられたまま、完全に寝息を立てて
いるナーガの姿が。
  ナーガのその格好に少しひきつつ。
  だけどもおそらくはあの二人に何かされてこんな格好を。
  などと何ともまあご都合主義にと解釈し。
  「あんたらか!?こんな女性をこんな格好でくくりつけたのは!?」
  「まだこんなに幼い子供をイスにくくりつけるなんて!?
    何を考えてるの!?」
  などといった町の人々の怒鳴り声が当たりにひびきゆき。
  いまだに寝巻きのままの二人をぐるりと数十名以上が取り囲んでいたりするし。
  そして。
  イスの束縛から逃れたクレイが一言。
  「そのお兄ちゃんたちに僕誘拐されてたの。」
  ざわっ。
  その一言に人々の殺気が膨れ上がり。
  
  「ま、まっ!」
  「ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
  その場に集まった人々による。
  制裁が二人に加えられてゆく。


  「ナーガ、ナーガってば。」
  すでに夜明け。
  夜明け近くまでたこ殴りにされ。
  すでに原型をとどめていない誘拐犯二人。
  ちなみに気の毒に、と思った完全に勘違いしている人物が。
  ナーガの束縛を解いてナーガの上にジャケットを羽織っていたりする。
  もともとナーガはこの格好なんだけど。
  どうならあいつらにこんな格好にさせられた、と完全無欠に人々は勘違いしてるのよね

  面白いからあたしもその間違い訂正していない。
  数人がクレイの家にと報告にいき。
  あわてて彼の母親がクレイを迎えに来て連れて戻ったのは数時間前。
  いまだにナーガはすやすやと眠っていたりするけども。
  夜明けとともに人々に引き立てられて役所に突き出されている誘拐犯の二人はともか
くとして。
  とりあえず回りの建物も老朽化が目立つというのと、瓦礫と化したアパートのあたりは
危険だ。
  というので立ち入り禁止となっていたりする。
  それと同時に。
  この場所にと隠されていた人骨までもが数個発見され。
  町は面白いことにただいまおお騒動のまっさい中。
  町の人たちに運ばれた宿屋の一室で。
  いまだにすやすやと寝息を立てていたりするナーガ。
  「あ、金貨みっけv」
  がばっ!
  あたしのその言葉に。
  「金貨!?どこどこ!?」
  あれだけの騒ぎがあってもまったく起きなかったナーガだけど。
  その一言で飛び起きてあたりをきょろきょろと見渡し。
  「ちょっと!リナ!?金貨はどこ!?
    …って、あら?何で私ベットなんかで寝てるの?」
  きょとんとした声で自分とそしてベットをみて首をかしげているナーガだし。
  「もうあれは終わったわよ。あの二人は町の人たちが役所に突き出したし。
    ついでにいえばただいまこの町、あのアバートにジェイガンが隠してた人骨発見さ
れて。
     今ちょっと面白いまでに騒ぎになっているけどね。」
  あの場所にあった人骨は。
  以前ジェイガンの手のものが手にかけた人物たちの骨。
  中には自殺した女性の骨とかもあるけど、ま、自殺の理由はジェイガンにあることを無
理やりされたから。
  という理由があったりするけど、それを隠すために彼あそこに隠してたのよね。
  あそこにはめったというか誰も近づかなかったから。
  「はっ!私の宿代は!?」
  叫ぶナーガに。
  「あら、そんなものあるはずもないじゃないv」
  にこやかにいうあたしのその言葉に。
  「そんなぁぁぁあ!」
  ナーガの涙交じりの叫び声が部屋にと響き渡る。


  まあ、何はともあれ。
  そんなこんなで。
  クレイの父親であるジェイガンは後日。
  領主の命をうけた衛兵たちにと引き立てられ。
  クレイの両親は離婚し、クレイは母親が引き取る。
  ということでこのたびの一件は決着をみていたりするけど。
  ちなみにクレイは母親の指導のもと、本人は嫌がっているのにスパルタ式に。
  魔道士となるべく特訓を受けていたりする。
  ま、クレイの母親、かなり有名な魔剣士だからね。
  それでいきなりレッサーデーモン相手に数分以内で退治するように。
  などといった何ともほほえましい特訓が日夜繰り返されているのが今の現状。
  ま、しっかりと鍛えて少しは根性ある人間に育ってほしいわよね。
  

  さってと。
  まだまだ旅は始まったばかり。
  次はどこにいきましょうかねv
  そんなことをおもいつつ。
  いまだにざわめくその町をあたしとナーガは後にしてゆく。
  今回はあまり遊べなかったわね。ま、いっかv



                              −ザ・チャイルド編終了―

#####################################


   あとがきもどき:
    薫:…十分に遊んでいるような気がするのは私の気のせい?
    姫:ちなみに、クレイの母親。見た目はものすごくのんびりしてるけど。
      人間の中ではかなりの腕の持ち主よv
    薫:…そーいや、どこぞのカーシャさんと親戚でしたっけ(汗)
      ま、まあ何はともあれ。
      あまりエル様が活躍しておられない。

   ―どごっ!
   (何かがぶつかり…そのまま地面の奥深く、マントルの内部にまで沈んでゆく薫の姿
…)

    L:そうよ!このあたしがこれ、活躍してないじゃない!
      どういうことよ!
    姫:あら、エル、文句いうまえにつぶしたら返事できないわよv
    L:あら、今のたったの重力百倍の五トンハンマーの直撃くらいで。
      つぶれたの?こいつ?
    姫:みたいよ?根性ないわね。
    L:そーね。
      ま、いいわ。それより次回は今度こそ!
      この金髪美少女エルが主人公。
      並み居る使えない部下たちにお仕置きしつつ旅する壮大なストーリー!
    姫:…エル、絶対にこの薫さん、やらないわよ…
      何しろエルの幼少編やこの私の誕生編、いまだに手がけてない人だし…
    L:そうなのよね。
      ユニット!これは徹底的に薫の根性たたきなおすわよ!
    姫:賛成!
    L:ま、というわけで。
     それでは、皆様、またおあいしましょうv
    姫:それではv
  L&姫:まったねv

   (二人、マントルの中で完全に溶けた薫を再生し…そのまま彼女たちいわくの、
    根性入れ替えの儀式が行われてゆく…)
  
  

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27768あれ?これって・・・。海藤雄馬 E-mail URL2003/10/28 14:29:16
記事番号27763へのコメント

どうも、こんにちは、かおさん。
『書き殴り』さんではお久しぶりです&昨日はメッセでどうもですv
せっかく、ネスケダウンロードしたので、本日は、ネスケの方からレスですv
微妙に、IEと違ってやりにくいような・・・という感じです(笑)

漫遊記番外編♪
そういえば、この話、サイトの方ではもう公開されてました?
なんか、読んだことあるような気がするんで・・・(汗)

相変わらずのエル様で嬉しいですvv
原作ではナーガに振り回されるリナさんだけど、漫遊記ですと、リナさん(エル様)に振り回されるナーガですよね〜。
番外編もいいですけど、本編もお願いしますねv
あと、フォーエバーとかもvv

ふふvv(怪しい)
短いですが、これにて。

ではでは、その他諸々、続き楽しみしてますねv
しかし、あまり無理はなさらぬように・・・。


海藤雄馬

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27787はい、してます・・かお E-mail URL2003/10/28 20:54:28
記事番号27768へのコメント


>どうも、こんにちは、かおさん。
こんにちわ。雄馬さん。
>『書き殴り』さんではお久しぶりです&昨日はメッセでどうもですv
いえいえ、とりあえず例の小説はまってくださいなのです(まて)
>せっかく、ネスケダウンロードしたので、本日は、ネスケの方からレスですv
>微妙に、IEと違ってやりにくいような・・・という感じです(笑)
私はやったら意味不明になるのが目に見えてるのでやりません!(まて)
>漫遊記番外編♪
>そういえば、この話、サイトの方ではもう公開されてました?
>なんか、読んだことあるような気がするんで・・・(汗)
あはは・・・・・。
してます。とゆーかあの日・・・ほかを打ち込みする時間がなかったもので・・・。
いつもはこっちに投稿してからあっちにもリンクはるんですけどねぇ。
ちなみに今から次の話の打ち込みです・・・・・。
よーやく前半部分がおわりましたよ・・・・・あはははは・・・・。
今日ももしかしたら自分のところはリトルだけの更新になるんじゃあ(汗)
とりあえず時間あったらホムペには小話を載せる予定。
でもも、九時だしなぁ・・・まにあうかなぁ(弱気)
>相変わらずのエル様で嬉しいですvv
>原作ではナーガに振り回されるリナさんだけど、漫遊記ですと、リナさん(エル様)に振り回されるナーガですよね〜。
それ以外にはどうしようもないでしょう。
ちなみに本編版ではふりまわされるのは魔とかですけどねぇ(笑)
>番外編もいいですけど、本編もお願いしますねv
・・・・・・うぐっ!
あ・・・・あはは・・・・。
数ヶ月・・・・たってますねぇ・・・あっちの打ち込み・・・・あはははは(撲殺)
>あと、フォーエバーとかもvv
あれは一応景色とかもきちんと描写しよーとしたら。
・・・・なぜか漫遊記に近くなってしまう今日この頃(当たり前・・・)
>ふふvv(怪しい)
>短いですが、これにて。
わざわざありがとうございます。
やっぱりつっこみきましたねぇ(わかってて投稿してる人)
>ではでは、その他諸々、続き楽しみしてますねv
>しかし、あまり無理はなさらぬように・・・。
それでは、またまたメッセでお会いしましょうv
>海藤雄馬
追伸:本気で例の手紙には本気で手紙しかはいっておりません。
   あしからず・・・。
   あと切手が変になってるのは父が悪さしかたらです・・・・(もろ個人的レス)
それでは、わざわざつっこみありがとうございますv
それではv
by薫

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27793エル様漫遊記・番外編・第45話かお E-mail URL2003/10/28 23:20:23
記事番号27762へのコメント


こんにちわ。
 今回の話はスペシャル2巻。リトルプリンセス2ですv
 これについになる話は26話を参考にしてくださいv(かなり他力本願)
 今回は61KBあります・・・(まてぃ!)
 

 
  とりあえず前回までのあらすじ:
    ある日あるとき、ある街中で。
    助けを求めてきたとある少女。
    それはマリウスという商人の娘のエミリア。
    とある公女の影武者になっているところを。
    リナとナーガに助けられ。
    すべては丸くその事件は解決した(そーか?)


##########################################


    エル様漫遊記・番外編  〜リトル・プリンセス2編〜



  
   「どなたか!どなたかお助けを!」
   面白いほどにお約束な切羽つまった叫び声が聞こえてきたのは。
   あたしとナーガが街道を森にと差し掛かったときのこと。
   「無駄だ!じいさん、誰もきやしねぇょ!」
   こちらもまたお約束以外の何ものでもない声を張り上げている男性の声が。
   まあこういった日常的な騒動はどこの世界にでも転がっているものの。
   なかなかこういったことに面白いのに首をつっこむ存在ははっきりいって少ない。
   「おーほっほっほっほっ!おーほっほっほっほっ!」
   その声を聞きつけて。
   その声に向かって高笑いしつつかけだしているナーガ。
   おそらくは旅人か誰かが夜盗か何かに狙われてるんでしょうね。
   これは助けたら謝礼金がもらえるわ!
   などと心でおもいつつ高笑いしつつかけだしているナーガだし。
   あたしたちの進む道の先に。
   その当の先ほどの声の人間たちはいたりする。
   まあさすがにほんの少ししか離れてなかったがために。
   この距離ではナーガ迷子にはならなかったようだけど。
   というか一本道だしね。ここまで。
   とりあえず高笑いしつつ走ってゆくナーガの後ろからのんびりとあたしもそちらの方にと向かって歩いてゆく。
   見れば視線の先には。
   地面にとへたり込んでいる白い髪の老人と。
   そして抜き身の剣を片手にぶらさげ老人の方に歩み寄っているどーみても。
   似合ってないのに気づいてないらしく髪を伸ばしている盗賊その一。
   そしてその先の木の根元ではもう一人の盗賊その二ともみ合っている金色の髪の少女の姿が。
   そして。
   「「・・・・・・」」
   「おーほっほっほっほっ!悪人ども、それまでよ!おーほっほっほっほっ!」
   などといいつつ高笑いをして走ってきたナーガを目にとめて。
   しばしその場にいる四人は無言になっていたりするけども。
   そんなナーガを面妖なものをみる面持ちでみつつ。
   「な、なあ、あの姉ちゃん、人間…だよなぁ?」
   「いや、狸とか狐がばけてるのかもしれないぞ?
     あんな格好でうろうろする女がいるものか。」
    などとぽそぽそと話し込んでいたりするこの夜盗たち。
   そして。
   「おーほっほっほっ!悪人ども、観念するのね!
    この白蛇のナーガ様が来たからには、あなたたちの好きには!」
   そういいかけ。
   ―すぅ…
   「―はうっ!」
   そのままその場に失神していたりするナーガ。
   ふと見ればちょっとぱかり老人の顔から血が流れているのが見て取れる。
   そーいえばさっきこの老人転んだときに顔を少しばかり傷つけてたわねぇ。
   そのまま血をみていつものことながら失神しているナーガをみつつ。
   「…な、なあ、兄貴ぃ。この女いったい何なんだ?」
   「気にするな。それよりオレたちの獲物はこっちだ。」
   とりあえずナーガのことは見なかったことにして。
   くるりと気を取り直して追い詰めていた女性と老人にと向きなおしている夜盗達。
   「はいはい。あんたたち、そこまでね。」
   パンパンバン。
   かるく手をたたきつつそんな彼らの方にと近づいてゆき。
   そのまま軽く手をたたく。
   と。
   カキィン!
   彼らが持っていた武器のすべてが。
   情けないことにそのまま空気の抵抗に負けて彼らの手から飛んでゆく。
   なぜか巻き起こった風の衝撃派によって。
   ことごとくあっさりと剣をその手から離している男たち。
   「な゛!?」
   なぜかいきなりのことで言葉を失っている男たちの耳に。
   「おーほっほっほっ!よくもやってくれたわね!
     炸弾陣(ディル・ブランド)!」
   いつものように突如として復活したナーガの声が。
   言葉を失っている男たちの耳にと届くと同時に。
   どぐわぁぁぁぁん!
   そのまま。
   彼らがあいてをしていた旅人もろとも。
   そんな彼らを吹き飛ばしてゆく。



   「ふっ。おーほっほっほっ!人間細かいことは気にしたらだめよ!
    おーほっほっほっ!」
   などとぐびぐびとビールの大ジョッキを片手に。
   高笑いしているナーガ。
   「どこがこまかいんですのじゃ!?」
   などと少しばかりちょっぴりその白いひげが香ばしくこげている老人が。
   そんなナーガに抗議の声を上げていたりする。
   青の街道沿いにあるとある一応名前は面白い名前がついている、そんな小さな村。
   ちなみにこの村の名前は、フルート。
   …何でも思いつかなかったから当時の村人たちがふと目にとまった楽器から。
   この名前をつけているのが真実。
   「まあまあ、爺。助けてもらったのになんてことを。」
   などといいつつもこちらもちょっぴしこげている女性。
   「おーほっほっほっ!人間細かいことまで気にしてたらだめよ!
    おーほっほっほっほっ!」
   ぐびぐびぐび。
   そういいつつすでに十杯目のお代わりを頼んで飲み干しているナーガの姿。
   ひひくく。
   そんなナーガの言葉に額に青筋を立てながら。
   「おぬしが呪文で吹き飛ばしたのは。仮にも公王より領土を預かるテゥラーディア公の
    ご令嬢であらせられるのだぞ!しかも顔などを!
     この青あざが消えなんだらレイミア様は!
      レイミア様はっ…こんな愉快な顔で一生を過ごされることになるのじゃぞ!」
   そういいつつびしっとそこにいる女性−レイミアを指差していたりする。
   ちなみにレイミアの顔には先ほどナーガが放った術によって巻き上げられた大地の破片にて。
   くっきりと目の周りに青あざができていたりする。
   ちなみに口の周りにも。
   ついでにいえば吹き飛ばされた衝撃でちょっとした全身打撲のおまけつきv
   「…わるかったわね。『ユカイな顔』で…」
   そういいつつじと目でそんなことをつぶやいているレイミア。
   まあ確かにとある場所に生息しているバンダみたいな顔になってるしね。
   これが青あざでなくて黒かったらそのままバンダv
   で通用するかもv
   つぶやきつつもその手はせかせかい動かしつつ。
   ちゃっかりと机の下においたとある材料セットを取り出しては。
   右手でバラの造花を作っていたりするこのレイミアだけど。
   そんなレイミアの言葉にあわてて頭をさげつつ。
   「は。ははぁ!申しわけございません!
     このクランベつい口が滑ってしまいました!平にお許しを!」
    そういいつつ頭を下げる老人−クランベの言葉に。
   「かまいません。それよりもその人、勘弁してさしあげなさい。
     それにあまり大きな声で公女、公女と呼ばないで。
     一応しのびの旅なんですから。」
   「はぁっ。御衣に。」
   などといった会話をしているこの主従。
   ちなみに。
   この人どこかで見たことがあるような気がするんですけど。
   思い出せませんわ?
   などとナーガをみてそんなことを思っていたりするレイミア。
   まあ一応、皇女のときの姿のナーガとはレイミア、知り合いだからねぇ。
   かなりナーガの影響うけてるのもまた事実だけど。
   「ふっ。おーほっほっほっ!レイミア、あなたもまだまだね!
     おーほっほっほっ!そんなことを気にしているようでは大物になれなくてよ!
      私前に教えたわよね!人間図太く、自分に自身をもって行動するようにって。
       おーほっほっほっほっ!」
    などといいつつ。
    かちゃり。
    「あ、おばさーん。こちらにAディナーセットのお代わりおねがいするわ!」
    などといって面白いことにビールジョッキに注がれたブランデーを飲み干しつつも。
    かちゃかちゃと手を動かしていた手を止めて。
    すでに空になったお皿の追加注文をしているナーガ。
    「…え?」
    そのことを教わったのは…
    などと思いつつそのままじっとナーガを見つめているレイミア。
    だんだんとその脳裏にとある可能性が浮かんできていたりするんだけど。
    「あ、レイミア、あなたが思ってるとーりよv
     でもそれいわないほうがいいわよv」
    とりあえずにっこりといいかけようとしているレイミアの口をやんわりとふさいでおく。
    ま…まさか、…いや、でも…まさかあのお人がこんなところに…。
    などとおもいつつ面白いことに冷や汗ながしているレイミア。
    「ま、ナーガの方向音痴は今に始まったことじゃないから。
      まあそれより、どうしてあんなごろつきに教われてたの?あんたたち?」
    にっこりと。
    やっぱりこういうのはノリというのが大切だし。
    レイミアたちにと一応わかっているけど問いかける。
    そんなあたしの言葉にはっとなり。
    はっ。
    そうでしたわ。
    とりあえず今は。
    そうはたと正気に戻り。
    じっとあたしとそしてナーガをみつめつつ。
    「と、ところで、お見受けしたところ、あなた方魔道士のようだけど…」
    まあいきなり名前を呼ばれたり、自己紹介をする前から。
    なぜか名前が知られていたのは気にはなりますが。
    などとおもいつつ、卑屈な態度であたしたちにと問いかけてくるレイミア。
    まあこげて転がっている彼女たちをとりあえず起こして。
    この村まで運んできたのはあたしたちだしね。
    ちなみに浮かばせてから。
    「おーほっほっほっ!そうよ、この私こそがリナの最大最高のライバルの、
      白蛇のナーガ様とは私のことよ!おーほっほっほっ!」
    などと口に手をあてて高笑いをしているナーガ。
    ちなみに。
    あたしたち以外にいた客は。
    ナーガのいく度目かの高笑いに耐えられなくなり。
    すでにこの店から外にでていたりする。
    「そ。そうですか。それはまあおいといて。
     やはりそうだとおもいましたわ。」
    さらりとナーガの言葉をかわしつつしみじみうなづいているレイミアのその言葉に。
    「まあそちらの得体の知れない物体はひとまずおいとくとしましてもじゃ。
     そちらの女性が魔道士であるというのは見れば猫でもわかりますな。」
    そういいつつちらりとナーガをみてそれから後にとあたしにと視線を移しているクランベ。
    「…爺…」
    そんなクランベの言葉にじと目でにらみつけているレイミア。
    「おおお!これはまた失言を!」
    まったく。この爺は。
    いつも一言多いんですから。
    などとおもいつつ。
    小さく咳払いをし。
    そしてあたしたちの方にと改まって向き直り。
    「先ほどの夜盗達を倒した手並み、かなりのものとみました。
     そこであなた方におりいってお願いしたことがあるのですが…」
    いいつつすでに葉っぱとそして茎のテープを巻きつけ終わった造花の薔薇を。
    テーブルの下にある箱にと投げ入れているレイミア。
    「おーほっほっ!当然よ!このナーガ様の手にかかればあんな雑魚くらい!」
    そういいかけたか笑いをするナーガの言葉をさえぎりつつ。
    「まあ、それはたのもしいですわ。実はあたしたちの護衛を勤めていただきたいのです。」
    そういいつつさらに次の造花を手にとり作業をしつついっているレイミアの言葉に。
    少し首を傾げつつも。
    「あら、レイミアだったら別にそれくらいのことは護衛、いくらでもつけれるでしょうに。
     それか前にこの私がいった真の民を預かるものは一人で旅をするのが基本!
     という言葉を守ってる、にしてもどうしていまさらそんなものが必要なのかしら?」
    などといいつつすでにボトル五本目をあけているナーガ。
    ちなみにここの会計は。
    さきほどの夜盗から奪ったお金で事足りているのはまあそれはそれ。
    「や…やはり、あなたは…」
    そういいかけるレイミアの額に一筋の汗。
    まあそうやって彼女に真の後継者たるものは一人で旅ができて一人前。
    そう教えたのは他ならないナーガとそしてフィルだしねぇ。
    まあどうでもいいことだけど。
    とりあえずその先の言葉をいうのはとりあえずいまはやめておくことにし。
    少しばかり頬を染めつつ。
    「ふっ。私もできればこのたびのように必要なときには、
     正規の兵士たちでも連れてくればいいのでは。などとも思うのですが。
      はずかしらかならわが領地の経済事情は大変逼迫しておりまして…」
    そういいつつもじもじしつつも器用に手にした増加に茎の変わりになる緑のテーブを巻きつけているレイミア。
    そういいかけるレイミアの言葉にあわてつつも。
    「ひ、姫!そのようなことをぺらぺらと!」
    あわててその言葉をとめようとしているクランベ。
    「おだまりなさい。引き受けていただくためには知っておいていただかないことには。」
    ぴしゃりとそんなクランベの言葉を止め。
    そしてすでにできた造花を再びテーブルの下にと投げ入れて次なる花を手に取り。
    おもむろに。
    「実はうわさでお聞き及びとは思いますが。
     しばらく前、私たちの領土で野心家の大臣が不心得を起こしまして…」
    正確にはちょっと記憶操作したのが事実なんだけどそれは面白いから言わないけど。
    「そして彼の放ったおかしなゴーレムのせいで町は甚大な被害をうけ、
      その再建のために財力が尽きてしまったのです…」
    そういうレイミアの言葉に。
    「おーほっほっほっ!ゴーレムごときで財力が尽きるなんてなさけないわね!
      私なんかよく昔っから町とか宮殿の一部こわしまくってたわよ!おーほっほっほっ!」
    などといいつつ高笑いしているナーガ。
    まあナーガは昔から。
    よくセイルーンの町並み、壊しまくっていたからねぇ。
    そのおかげというか実はセイルーンの宮殿はちょっとした魔力耐性が強く作り直されていたりするし。
    「いや、あの宮殿って?」
    思わずその場所に突っ込みをいれているクランベの言葉に。
    ただただ。
    続けざまに高笑いを続けているナーガの姿が。
    「や、やっぱり…。何はともあれ、なぜか大臣は覚えてないけど。多分自分がやったと思う。
     などと不確定なことを最後までいっておりましたけど。
      とにかくそんなわけで兵士たちに払う賃金すらもなくなって、
      城に残ったのは長年仕えてくれているこの爺一人。
      公女のはずのわたくしが造花づくりのアルバイトなどをする始末。
      ううっ。しくしくしく…」
    いいつつも次になるその薔薇の造花に緑の葉っぱをくっつけているレイミア。
    そんなレイミアの肩に手をおき。
   「姫、泣いてはいけませぬ。泣いたところでビンボはビンボ。」
    そういっているクランベ。
   「…私に喧嘩うってるの?」
    そういうレイミアの言葉に。
   「そ…そのような滅相もない!もあしわけありませぬ!つい口が滑りました!」
   などと平謝りに謝っているクランベだし。
   そんなクランベをじと目でみつつも。
   「まあそんなわけで一族総出でアルバイトとかしている現状なのですが。
     いまだにやりくりがつかない状態でして…」
   まあ彼らのアルバイト、といっても。
   あまり確かに収入がいいやつをやっているわけではないし。
   どうせだったらそのあたりに不法投棄されている物質を。
   ちょっとばかりいじくって新品同様にして売り払いデモしたほうが、
   かなりの金額には彼らにとってはなるほどに。
   はっきりいって面白いほどに
   見入りの少ないアルバイトばかりをしていたりするのが現状だったりするし。
   「しかたなく親戚筋にあたるフィガロ・シティのマクガレル公の元へ、
    借金の申し込みに行くところでなのです。
     …しくしくしくしく……」
   そういいつつできた造花の薔薇をテーブルの下の箱にと収めているレイミア。
   「おーほっほっほっ!臨時予算くらい組んでおくのが基本よ!
    おーほっほっほっ!」
   などと一応はこれでも王女、だけのことはありまともなことをいっているナーガ。
   「その臨時予算でもおいつなかなかったんです…しくしくしく…
    とにかく、ですからどうかお願いします!
     今は払えるだけのものはありませんけど、お金の工面ができたら必ず!
     ご不満ならば肩もみます!お茶もいれます!犬と呼んでください!」
   そういいつつテーブルに頭をこすりつけているレイミアに。
   「姫、何もそうヒクツになられなくても…」
   そういいかけるその言葉に。
   「爺!泣いてないであんたも頭さげなさい!」
   「しくしくしく…」
   「しくしくしく…」
   そんなこんなで。
   二人してあたしたちにと頭を下げてきているレイミアとそしてそのおつきのクランベ老人。
   
   結局のところ。
   あたしは面白そうだ。という理由と。
   ナーガはナーガで別に用事もないから。
   という理由でこの一件を引き受けることに。



   「まあ、こんな手っ取り早い資金集めの方法があったのですわね!」
   などと目をきらきらと輝かせているレイミア。
   「おーほっほっほっほっ!レイミア、悪人には人権はないのよ!」
   「そ、そうですわね!お姉様!」
   すでにナーガがいったい誰なのか理解し、いつものように、
   以前の呼びかたで接しているレイミア。
   「いやはや、姫様がかわっていかれる…」
   などといいつつもこちらもまたせっせと宝物蔵より品物をもてきれないほどに。
   背中に担いでいるクランベ。
   あたしたちの旅はまずまずは順調そのもの。
   レイミアが食い逃げで捕まりそうになってきたときにはそのあたりにいたごろつきが、
   ちょうどいい具合に絡んでくるのでそいつらの懐からすべてを払い。
   そしてまた、十数回ばかりごろつきたちと遊びつつ。
   まあ当然といえば当然だけどあたしたちのようなか弱い女性ブラス、力のない老人。
   そんな旅人は盗賊たちにとっては格好の餌食としか映らない。
   そのためにまあただちょっと人里やそして表通りをはずれただけで、
   お金のほうからあたしたちにとちょっかいをかけてくるこの現状。
   そんなこんなで。
   今日もまたいつものように。
   あたしとナーガの呪文とそしてそれにプラス。
   レイミアの呪文が夜の森にとこだまする。

   別にさしたるトラブルもなくやってきたフィガロ・シティ。
   すでにこれまでにためたお金は教会を通じて。
   すでにレイミアは一部を国にと転送していたりするけども。
   まあ一応、魔道士協会はほとんどの主だった町や国には、必ずある施設だからねぇ。
   何かあったら一応責任は魔道士協会がとることになってるし。
   ちなみに協会は副業でそういった遠方への届け物。
   といったサービスというか事業も行いそしてその収入を経営資金の一部に当てていたりする。
   「もしかしたら盗賊退治を一年ばかしやってたら。
    兵士の一部に払える金額くらいにはなるんじゃないかしら?」
   などとレイミアはつぶやいていたりするけど。
   まあそれは盗賊がもっている実入りの数にもよるけどね。
   中には、壊滅させたはいいものの。
   彼らにとってはお宝…であるらしい、昔のぼろ布や、そして土器。
   そういったもの専門に集めていたりする盗賊もいたりするし。
   そういった品物は専門の場所でないと高く人間世界では売りさばけない。
   という何とも面倒なしがらみがあったりするし。
   あたしとしてはちょっとオリハルコンを数トン単位以上創り出せば。
   それはそれですべてにおいて解決だと思うんだけど。
   なぜかいまだに自力でそれを創り出すことができない人間たち。
   というかいまだにそれ、成功している存在、いないのよねぇ。
   情けないというか、何というか…
   とりあえずそんなレイミアのつぶやきをそのままにしつつ。
   あたしたちはそのままその中心にあるここの城にと向かってゆく。
   町並みはタイレル・シティよりやや大きい程度。
   下町の雰囲気ははっきりいってよどみを含んでいたりする。
   ま、領主が領主だからねぇ。
   ここのやつは。
   上の状況で民の様子もきまるし。
   それなのにどうしてあたしの部下たちはあたしがこんなにいい上司であり母親なのに。
   ああも全員なかなかお仕事を率先させないのかしら。
   …今晩にでもどこかの部下を数名ほど視察にでもいきますかv
   そんなことをおもいつつ。
   やがてあたしたちは城の前にとたどり着く。
 

   「止まれぇ!」
   「何者だ!?」
   城の入り口であたしたちの前に立ちふさがる門番二人。
   「おーほっほっほっ!私は白蛇のナーガ!」
   ぺち。
   あ、たたかれたv
   そのまま持っている槍でそのままたたかれて、そのまま少しばかりそれで、
   血が流れそのまま失神しているナーガはひとまず無視するとして。
   そんなナーガを。
   ふみっ。
   とりあえず前に出ないと話ができない。
   というので踏みつけにしつつ、一歩前にと進み出るレイミア。
   「わたしはタイレル領主。ラディウス=フォン=トゥーラーディアの娘。
     レイミア=ウル=トゥラーディアです!」
   そういうレイミアの言葉に。
   すかさず。
   「「うそつけ!」」
   同時に兵士二人の声が重なる。
   「………」
   即答のその返答に思わず言葉を失い無言になっているレイミアに。
    「失礼な!何を根拠に決め付ける!」
   そう大声を上げているクランベ。
   「黙れ!そんな怪しい公女一行がどこにいるというのだ!」
   そういいつつレイミアがいまだに踏みつけているナーガを指差していたりするし。
   「この面妖な生き物は関係ないとしても!
    レイミア様をそりゃ、確かに性格は悪いかもしれませんが、
    これでもれっきとした公女ですぞ!」
   そういってつめよっていたりするクランベ。
   「あらあら、クランベ。面妖っていったら、こいつの父親が聞いたら。
     間違いなくま、笑い飛ばす程度で済むか。
     それとも少しばかり親ばか発揮して正義の説得に入るわよv」
   そんなクランベの言葉にとりあえず訂正をいれておくあたし。
   その言葉に。
   「…わたくし、あのフィリオネル殿下のあの説得はちょっとご遠慮いたしますわ…」
   などとどこかあさってをみつつそんなことをつぶやいているレイミア。
   まあ彼女がセイルーンに留学していたときに。
   フィルがゴーストやデーモンなどを。
   素手で捕まえて説得している様子を幾度か彼女、見たことあるからねぇ。
   ちなみに。
   彼女もまた面白いことにフィルを見たときに気絶した一人だったりするけど。
   人間面白いものでどうしても、『王子』などとという肩書きの単語で
   その人物を過大評価してしまう節があり。
   それによりまあ面白い事柄も多々とおきているのもまた事実だけど。
   「?何をわけのわからないことをいっておる!
    それに第一!そんな面妖な格好をしているものを共にしている公女など!
     聞いたことはないわ!それにこちらにくる、という話すら聞いたことはないわ!」
   などと言い捨てる兵士に。
   「そんなお金があったらこんなところにまできたりはいたしませんわ!」
   などと叫んでいたりするレイミア。
   どうでもいいけどいまだにナーガの上にのっかったままなんのですけどv
   レイミアはv
   そんな会話をしていることしばし。
   「どうした?何を騒いでおる!」
   そういいつつ奥から一人の兵士が表の騒ぎというか会話をききつけて。
   出てきたりしていたりする。
   一応見掛け倒しにがっしりとした体格に四角いあごをもっているこの男性。
   一応はここの領主の第二部隊の隊長でもあるこの人物。
   「バ…バーレル隊長…」
   そんな男性−バーレルの姿をみとめ、戸惑いの視線をそちらに向けていたりする。
   「あらあら、バーレル、あなたのところの部下たち、躾がなってないわよv」
   くすくす笑うあたしに。
   「??何だ?こいつらは?」
   どごっがっ!
   シィィィィン・・・・。
   とりあえず突如として空から降ってきた岩の塊を目にして。
   なぜか静まり返っている兵士たち。
   「え、ええと、このお方たちはタイレルの公女一行だといわれております。」
   なぜかいきなり敬語になっている門番していた兵士その一。
   「そしてついでにあなたたちがたたいたナーガはねv」
   くすくすくす。
   いまだに伸びているナーガの腰から。
   その短剣を少し拝借して。
   彼らの前にと突きつけてみせるあたし。
   ―びしり。
   あら、面白い。
   そのまま音を立てて固まる兵士たちとバーレルの姿がそこにあったりするけど。
   ちなみにそのナーガの短剣の柄には。
   しごく当然のことながらセイルーンの王家の紋章が刻まれていたりする。
   まあフィルがもっているような短剣と同じだけど
   それに組み込まれている、魔力を含んだ宝石が異なるだけだからねぇ。
   「ちなみにどうみても見えないと思うけどv
    このナーガ。グレイシア=ウル=ナーガ=セイルーン。
     一応これでもれっきとしたセイルーンの王女よ?
      それで?もしそれでもまだ偽者とかいうつもりだったらv
       セイルーンまでも敵にまわしてみる?」
   くすくすくすくす。
   「い、いやまさか。」
   「はったりにきまってる。」
   などとぼそぼそいっている兵士たちではあるが。
   「…あ、あのぉ?レイミア様?もしかして真実なんですか?」
   恐る恐るようやくナーガの上から退いているレイミアにと問いかけるクランベに。
   「ええ。そうですわ。わたくしもこの格好でしたからすぐには気づきませんでしたけど。
    間違いなくこのお方はグレイシア王女ですわ。」
   きっぱりはっきりいいきっているレイミア。
   ちなみにいまだにナーガは気絶したまま。
   「それより、レイミア、あんた父親から書状、預かってきてるんでしょ?
    それみせたら?」
   くす。
   少し微笑むあたしに。
   「あら?わたしいいましたっけ?リナさんに?
    はっ!そうでしたわ!確かにわたくし、父より手紙をあづかっておりましたわ!」
   そういいつつ背中に背負った造花の籠の中の箱をごそごそやりつつ。
   「えっと、これじゃないし。これでもない。
    あれ?確かにここに?旅費の足しに古道具やにでもうったかしら?」
   などといいつつごそごそしはじめるレイミア。
   「ノリ台にしてなかった?」
   あたしの指摘に。
   「あ!そうでしたわ!ありましたわ、これですわ、これ!」
   などといいつつノリでぱりばりになった書状をバーレル隊長にと渡すレイミア。
   そしてふと。
   あら?どうしてリナさん、わたしがこれをノリの台にしていたのをご存知なのかしら?
   などと思いつつ少しばかり首を傾げていたりもするが。
   手紙をわたしつつ。
   「これをマクガレル公に渡していただければすべてはっきりするはずです。
    ―わたくしが本物の公女である、ということが。」
   そういってにっこり微笑むレイミア。
   「ほ、本物なのか?一応確認させてもらうぞ?」
   いまだに状況が飲み込めず半信半疑のままその手紙に手をかけようとするバーレルに。
   「あら、覚悟はできているみたいね。」
   くすりと笑っていうあたしのその言葉に。
   「ど、どういう意味だ?」
   理解してないバーレル。
   「あら、決まってるでしょう?一応仮にも領主が領主に送った手紙を単なる、
    第二部隊の隊長が独断で開封し中をあけて見る。
     厳罰程度ですむレベルじゃないわよねぇ。
     あたしだったら間違いなくしっかりとお仕置きしておいてから、
      さらに幾度か殺しておいてから再生させてさらにはあることをさせるわね。」
   「いや、あの、リナ殿?再生させる、とは?」
   突っ込みをいれてくるクランベの言葉はかるく流しておくことにして。
   「うっ。」
   あたしのその言葉に手紙とそしてあたしたち、そしてレイミアをみつつ。
   とりあえずこの面妖な女性がどうしてセイルーンの王家の紋章入りの短剣をもっていたのかは。
   ひとまずおいておくとして。
   まずはこの問題が先決だ。
   そう自己完結し。
   「と、とにかくあなた方はここでまっていてください!」
   こちらもまた丁寧な口調になりつつそのまま城の奥にと引っ込んでゆくバーレル。
   「う、うーん。」
   やがて。
   そこにはじめの門番だけが取り残されたときに。
   ようやくナーガの目がさめて。
   「はっ。おーほっほっほっ!よくもいきなりやってくれたわね!
     それはこの私の才能をねたんでのことかしら?おーほっほっほっ!」
   などと一人高笑いをし続けているナーガだし。

   
   「いやぁ、うちのものの不行き届き、どうかお許し願いたい。」
   そういいついってくるマクガレル公。
   城の奥のとある一室。
   テーブルにと並んだちょっとした料理の数々に。
   そしてそのテーブルについているのはマクガレル公の子供五人と、
   そしてあたしたち四人。
   つまりは十人がこのテーブルにと腰掛けていたりする。
   ちなみに全員といっても過言でないけどナーガの格好に唖然としている事実があるけど。
   それはそれ。
   ちなみに歳は42。
   ひょろりとやせ細りそして貫禄をだすためだけに伸ばしているちょびひげが。
   余計に哀愁を漂わせていたりする。
   城の内装やそして彼らの服装からみても。
   あたしたち一行があまり歓迎されていないのは出されている食事からも丸わかり。
   そんな貧相な食事だというのにもかかわらずに。
   「みてみて、爺。サラダにドレッシングがかかってる!ぜえたくね!」
   「おおお!手の平より大きい魚を口にするなど、くくぅ!
    久方ぶりですじゃい!」
   「あれってひょっとしてとり肉。ああ…箱つめにしてみんなに持って帰ってあげたいわ。」
   などといった会話をしているレイミアとクランベ。
   どーでもいいけど。
   ま、まあ主食が木の根っこ、にまでなってるしねぇ。
   このレイミアの家って、今は…。
   別にあたしは食べなくても平気だけど。
   そんな会話を耳に挟み。
   冷や汗ながしつつ。
   「と…ともあれ、料理の冷めないうちにお召し上がりください。」
   そういわれるや否や。
   そのまま奪取のごとくに料理に手をつけているレイミアたち。
   ちなみにいつも身だしなみにもっているタッパーに。
   料理を詰め込んでいるのを忘れたりはしていない。
   いやあの。
   もしかしてそこまでトゥーラディアは切迫しているのか?(汗)
   そんな必死にタッパーに食事をつめているレイミアをみて。
   面白いことに冷や汗流しているマクガレル公。
   「おーほっほっほっ!このドレッシング、ちょっと塩が濃いわよ!
    こういったサラダには塩はサラダを五とするならば…」
   などとといいつつ向上をのべているナーガ。
   一応ナーガがセイルーンの関係者であるかもしれない。
   という報告を受けているのでその格好を疑問におもいつつもとりあえずは、
   突っ込みをいれてこないこの城の者たち。
   まあ関係者、といえば確かに関係者だけど。
   一応これでも時期セイルーンの女王だし。ナーガは。
   
   脱兎のごとくに食事をしつつもタッパーに食事をつめこむレイミアと。
   そしてにこやかに会話をしつつ食事をしているあたしと。
   無意味やたらと高笑いしつつ食事をしているナーガ。
   そんな光景がしばらくその場にと見受けられてゆく。



   「しかし一人娘のあなたをわざわざ使いによこすとは。
     …お父上もかなりお困りのようですな。」
   とりあえず食事がおわり。
   残ったものがあればぜひにこれにつめてください。
   といって背中に背負っていた籠からタッバーをいくつも取り出して。
   女官にと手渡しているレイミアをとりあえず気にしないことにしつつ。
   ほとんどない薄いチョピヒゲを指でもてあそびつつも。
   レイミアにと問いかけてくるマクガレル公。
   「ええ、お恥ずかしいながら。父も今では近くの町で。
    交通整理のアルバイトをしている次第ですので。」
   などといいつつタッパーをすべて使い切り。
   いまだにのこっているトリ肉をポケットというぽけっとに詰め込みつつ頬を赤らめ答えるレイミア。
   いやあの。
   領主そのものがアルバイトって…。
   思わずそこに突っ込みを入れそうになりそうになるがそれをどうにか押しとどめ。
   「わかりました。お父上の手紙にあった金額。何とかご用立てしましょう。」
   そういいつつレイミアにと視線を向けるマクガレル。
   ちなみにせっせといまだにナーガは食事に手をつけていたりするけど。
   「本当ですか!?」
   喜びの声をあげるレイミアに。
   「ええ。差し上げます。お貸しするのではなく、ね。」
   その言葉に。
   「いや、それはなりませぬ!」
   抗議の声をあげているのは皿についたソースをパンでヌグっているクランベ。
   その言葉を冴えぎるように。
   「おーほっほっほっ!ちょっとまつのね!レイミア。
    こういう場合の口約束はそれだけではだめよ!
     まあ確かにただで何かもらう、というのは公務ではありえないことではあるから。
     たとえばそれに見合った何かをこちらがする。とか。
     または善意でどうしても、という場合には口約束だけではなくてきちんとした書類。
     あ、でも簡単に偽造できるものはだめよ。
     きちんと特殊な公式用の紙でその旨を記して。
     そしてさらにはできたらその対談の様子も映像として保存。
     そうしないと万が一、というときに、
     あれは盗まれたとか脅されたとかいちゃもんつけて、
     戦争しかけてくる馬鹿がいるからね!これは外交の常識よ!おーほっほっほっ!」
   さりげに外交のノウハウを唱えているナーガ。
   「いや、それ以前に。お心はまことにありがたいのですが。
     ですがいくら血のつながりがあろうとも、
      あれほどの大金をただ何もなしにいただく、というのはわが君主の面子も立ちませぬ。」
   とりあえずナーガの言葉にびくりとしつつも。
   まあこいつも似たようなことを考えているからねぇ。
   「なるほど。…それは確かにそうかもしれぬな。」
   そういってしばし考え込むマクガレル。
   といっても。
   しかしまさかそこまで切羽詰っている領土を手に入れても。
   …借金が増えるだけではないのか?
   などとふとそんなことも思っていたりするけど。
   「とはいえわしとていったん、『さしあげる』と口にした以上、やはり貸すことにする、
     などとは以遠。…うむ、どうしたものかのぅ。」
   まあ相手が断ってくるのも計算づくであったのだから。
   そのまま考える振りをすればいいだけのこと。
   そんなことを内心おもいつつも。
   「ふむ、ならばこういうことでいかがかな?
    いずれにしろあれだけの金を用立てるにはしばしの時がかかる。
     そこでその間あなた方にはあることをやっていただきたい。」
   そのように会話をふっているマクガレル。
  
   「ねえ?リナ?いったいあれだけ、とかいってるけど、どれくらいの額なわけ?」
   そういいつつあたしをつついて聞いてくるナーガのその質問に。
   「ああ、たかだか金貨一千万枚だから。」
   あたしのその言葉に。
   「あら、その程度なの。」
   ある程度の金額からはナーガにとってはすでにそれはお金ではなくなる。
   という事実がまたここにあったりもするんだけど。
   だからそれはそれでまた面白いというのもあるんだけどね。
   『いや、たかがって(汗)』
   そんなあたしたちに会話をききつつなぜか突っ込みをいれてきている五人の子供たち。
   子供といってもすでに成人している長男から下はまだ七歳まで。
   といって年齢は様々ではあるけども。
   
   「あること−ともうされますと?」
   そう問いかけるレイミアの言葉に。
   ちなみにすでに服ですら、
   その上に羽織っていたマントにも食べ物を風呂敷代わりに包んでいたりするレイミアをみつつ。
   冷や汗ながしつつも。
   「それは、まだ考えておりませんが。
     つまり、あなた方に何かの仕事をやっていただきたいのです。
     でその報酬としてこちらがあなた方に礼金を払う、これならば双方の面子もたちましょう。」
   「なるほど。」
   その言葉に。
   のこったお皿に残っているソースをお皿ごと持ち上げて舌でねぷっていたクランベが。
   なめてきれいになったお皿をテーブルにおきつつ。
   「それならば。」
   そういいつつ大きくうなづきそしてレイミアをみつめる。
   そして視線があわさりそのままレイミアもうなづきつつ。
   「わかりました。ならばそのお話ありがたくお受けさせていただきます。」
   そういいつつも。
   「あ、すいません、それたべないんでしたらいただいてもよろしいですか?」
   すすすすすっ。
   手付かずになっていたチキンダックのお皿を。
   そのまま引き寄せているレイミアの姿が。



   
   「おーほっほっほっ!こんな依頼ちょろいわね!おーほっほっほっ!」
   などと高笑いしつつ道を歩いているナーガ。
   「いえしかし、いいのでしょうか?こんな?」
   などといいつつもせっせと道をあるきつつも造花を作っているレイミア。
   「というかあの湖のほとりになんてだぁれもすんでないのにねv」
   ―ぴたり。
   あたしの言葉になぜか全員足をとめる。
   「リナ?それってどういう?はっ!わかったわ!
     まさかあなた私の力をやっかんでそんなことをいっているのね!
      だまされないわよー!おーほっほっほっほっ!」
   などといいつつ高笑い。
   「あら、事実よvそれにかつての側近はすでにもう死んでるし。
     まあ湖までのルートに出ていた盗賊は。
     今では別のところに移動して今はいないけどね。」
   そういうあたしのその言葉に。
   「そんな!それじゃあお金が手に入らないじゃないですか!」
   などと困ったように叫んでいるエミリア。
   ちなみにこのエミリアも。
   盗賊退治の面白さを実感して。
   少しばかり趣味の領域に突入しかけている今日この頃。
   「…姫様、とりあえずそちらのナーガ殿のように。
     無意味やたらに呪文を唱えるのはやめてくだされな。」
   などといいつつエミリアの横にて造花作りの補佐をしつついっているクランベ。
   「おーほっほっほっ!そんな言葉にだまされると思って!?
     リナ=インバース!おーほっほっほっ!」
   高笑いしつつ呪文を唱え始め。
   そのまま。
   「ヴァ・ル・フレア!」
   ナーガの呪文が完成し。
   あたしにと向かってくるちょっと大きめのフレア・アローのような炎の物体。
   ひょい。
   そのままあたしの横をすり抜け。
   後ろの茂みにと直撃する。
   「あらあら、ナーガ、コントロールが甘いわよv」
   にっこりと微笑むあたしの言葉と同時に。
   「…リナさん…燃えてます…」
   そういいつつぽつりと後ろを指差しつぶやくレイミア。
   ごぉぉぉお!
   後ろではナーガの放った術により面白いまでに火が燃え広がっていたりする。
   『うどわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』
   叫び声をあげたのはレイミアでもクランベでも、そしてナーガでも当然あたしでもない。
   面白いまでに火に巻かれあたふたしている男たちが数十名ばかり。
   ちなみに全員がそろいのプレート・メールとロング・ソード。
   そして目の周り以外をすっぽりと多いフルフェイスのかぶとで完全武装をしていたりする。
   いきなりナーガにより術を先制攻撃され。
   慌てふためく様が結構みていて面白い。
   それにプラス。
   全員が鎧で体を覆っている、ということもあり。
   炎の中でうろたえている彼らは全員いわば蒸し風呂状態。
   というか人間の蒸し焼きができるくらいまでにちょぅどいい温度で周りは燃えている。
   「まあ!さすがはお姉様ですわ!敵がいるのを知っていて術を唱えたのですわね!」
   「…え?…―おーほっほっほっ!このナーガ様を甘くみてもらってはこまるわね!
    そうよ!こいつらの殺気に気づいて呪文をとなえたのよ!おーほっほっほっ!」
   そういいつつ額に一筋汗を流しつつ高笑いしているナーガだけど。
   事実はまったく異なるんだけどねぇ。
   「と、とにかく火をけせぃ!」
   わあわあわあ。
   面白いまでにうろたえている刺客たち。
   
   ぜいぜいぜい。
   面白いまでに全員が息を切らして。
   消化を終えたのは。
   それから一時後のこと。
   「ああああ!あいつらはどこに!?」
   彼らが気づいたときにはすでに。
   そこには当然あたしたちの姿はなかったりする。


   ざわり。
   道をゆくその先に湧き上がる殺気。
   そのままあたしたちの行く手をさえぎる先ほどの刺客たち。
   「ふっ。何のつもりかは知らないけどあなたたちにあげるお金なんてないわ!」
   などといいつつせっせといまだに造花づくりに余念がないレイミア。
   今彼女の懐にはマクガレルからもらった少しばかりのすずめの涙ほどの路銀が入っていたりするけども。
   そして。
   ひとつ造花を作り終え。
   そのままいそいそとクランベが持っているかごにとそれをしまい。
   「あなたたちにお金を渡すくらいなら謝るわ!」
   などといって両手を腰にあててきっぱりと言い切るレイミア。
   「…いや、あやまってもらってもどうしようもないのだが…」
   その反応は予想してなかったがために呆然としつつ、
   ぽりぽりと顔を覆った兜をかきつついってくる刺客のリーダー。
   「それに第一われわれの目的は金ではない。それかわり―。
    手紙をこちらに渡してもらおう。
     おとなしく渡せば命だけは助けてやる。
     いやむしろこっちが金をはらってやってもかまわんぞ。」
   言いかけるその男―バーレルの言葉をさえぎり。
   「おーほっほっほっ!あなたたちに渡す命なんてこれっぽっちもないわよ!
     ボム・ディ・ウィン!」
   どごぉ!
   いきなりナーガの呪文が炸裂し。
   そのまま。
   チュドォン!
   面白いまでにナーガの放った強風ともいえない風が。
   あたしたちの道をさえぎる男たちを一斉にと吹き飛ばす。
   ちなみにナーガはバーレルの言葉ははじめの一言しか聞いてなかったりする。
   「ああ!お姉様!お金をくれる、というのですから。
     この手紙を差し上げればお金になりましたのに!」
   そういいつつ吹き飛ばされてゆく男たちをみつつつぶやいているレイミアに。
   「…姫様、それではマクガレル公からお金がもらえなくなりますぞい。
     ―しかしどうしてやつら手紙のことを?」
   とりあえずレイミアの言葉を押しとどめ。
   首をかしげているクランベに。
   「あら、簡単よ。だからいったでしょ?
     その手紙受け取り手がいないってvそれより、レイミア、クランベ。
      避難したほうがいいわよv」
   にっこり微笑み彼女たちに忠告を促すあたしの言葉に首をかしげているこの二人。
   それと同時に。
   がさり。
   クランベの横の茂みががさりと揺れる。
   「おーほっほっほっ!まだいたのね!」
   どぐわぁぁん!
   その音を聞くと同時に。
   そちらにむかってまたまたナーガの呪文が炸裂する。
   「ああ!籠が!」
   ひしっ。
   吹き飛ばされる籠だけを保護し。
   そのままそこにうづくまるレイミアに。
   その後から。
   ひょこりと顔をのぞけているウサギが一匹。
   「あらあら、ナーガ、今のはウサギが茂みを揺らしたのよv」
   くすくすくす。
   笑うあたしに。
   「ふっ。おーほっほっほっほっ!」
   とりあえず笑ってごまかそうとしているナーガ。
   「ほっ。よかった爺はともかく籠は無事ですわ。」
   いいつつも籠の中身の造花が無事なのを確認し。
   安堵のため息をついているレイミア。
   「おーほっほっほっ。あら?あのクランベとかいう老人はどうしたのかしら?」
   ふと見ればそこにクランベの姿がみえないことに気づいて。
   首をかしげているナーガに。
   「あらv今のナーガの術で吹き飛ばされてv
     ついでにあいつらに捕まってるわよvクランベはv」
   にっこり微笑み説明するあたしに。
   しばらく沈黙。
   「ふっ。まあいいわ!あんな人ほうっておいてとっとと先に進みましょう!」
   そういいつつ歩き始めるナーガに。
   「そうですわね。それに籠は無事でしたし。」
   などとナーガの言葉に同意しているレイミア。
   「あらvレイミアvでも手紙、クランベに預けてたんじゃあないの?」
   くすりと微笑むあたしのその言葉に。
   またまた再び沈黙。
   「はっ!爺の命はともかくとしても!手紙がなければお金にはなりませんわ!」
   さらりと面白いことをいって叫んでいるレイミアだし。
  
   「ついでにこんなものが城の一室においてあったりするのよねv」
   ふい。
   そういいつつすでに彼らが用意してあった手紙を。
   湖のそばの古城よりと取り寄せるあたし。
   そこには。
   ―爺は預かった。五日後必ず手紙をもって四人でここにこい。
    こなかった場合、もしくは戻ってマクガレル公に報告した場合爺の命はないと思え。―
   そのような内容が書かれている一枚の紙切れが。
   「あら、リナ、またいきなり空間から手紙を取り出して。
     でもこれっておかしくない?私たち今三人しかいないわよ?」
   首をかしげているナーガに。
   「いやあの?お姉様?今リナさん…いったいどこから手紙…取り出しました?」
   なぜか冷や汗かいているレイミア。
   「あら、レイミア、人間別のところから一瞬にして品物を取り寄せるくらい、
    誰でもできるわよv」
   にっこり微笑むあたしのその言葉に。
   「…できません。」
   などと即答してくるレイミアだし。
   「ま、それはおいとくとして。簡単よ。
    まさかあいつらはナーガの術によってクランベを手に入れることができるとは。
     思ってなかったから、その前に計画を立てておいて。
      あたしたちが古城にたどり着いたらこの手紙をみるようにと、
       すでに罠を張っていただけのことよv」
   にっこりと微笑みつつ説明するあたし。
  「ま、まあ深くはつっこまないけど。
     だけどリナ、どうするの?まさかここに書かれているとおりに五日もまつわけ?」
   そんなことを聞いてくるナーガ。
   「その前にそろそろ日も暮れるから、そこの村ででも休みましょv」
   あたしのその言葉に。
   そのまま今日は湖のほとりにあるとある村にて泊まることに。


 
   太陽はすがすがしく照り返し。
   湖にその光が反射してきらきらと輝いている。
   昨日の夜レイミアが湖のそばにたたずむ古城のことを聞いてみたところ。
   当然のごとくにそこは十年前から誰も住んでいない。
   との返事を村人よりもらっていたりする。
   『あんたたち、あの湖の城にいくのかい?
    悪いことはいわないよ。やめておいたほうがいいよ。
      あそこは呼ぶ。といわれてるからねぇ。』
   そういいつつあたしたちにと食事を運んできていた宿屋の女将。
   この湖にある古城はちょっとしたことで有名ではある場所。
   ちなみにこの湖では毎月三人以上は死亡している。
   といっても別にあたしのところに還ってくる、というわけではなく、
   この湖に以前封印されているとある生き物が復活のために魂を集めている。
   などとどこにでもあるようなありきたりのことをしているやつがこの湖にはいるのだが。
   すでに視界には目的の場所の古城は目に見えている。
   「…でもかわった城ですわね。」
   などとぼつりとつぶやくレイミア。
   湖にせり出したその城は。
   今にもちょっと風がふくと湖にと落ちそうなたたずまい。
   「おーほっほっほっ!このナーガ様を甘くみたのが運のつきよ!
    おーほっほっほっほっ!」
   などといいつつ。
   高笑いをしているナーガ。
   それと同時に。
   ぽこっ。
   ぽこぽこぽここっ!
   その声と同時に湖にとある物体が浮かび上がる。
   そして。
   その浮かび上がった物体に向かって。
   「おーほっほっほっ!あんたたち、あの城にいる者たちを。
    全員しびれさせてしまいなさい!」
   などといいつつ高笑いをして命令していたりするナーガ。
   「まあ。さすがお姉様ですわ。すばらしいです。」
   ぱちぱちぱち。
   こちらはこちらでそんなナーガの行動に手をたたいているレイミア。
   「まあこの湖にはしびれくらげが多数生息してるからねぇ。」
   あたしたちの目の前に。
   うぞうぞと浮かび上がってくるクラゲたち。
   ちなみに。
   このくらげ、水陸両用。
   ついでにいえばこのくらげ少しばかり空を飛べたりするおまけつき。
   ナーガの言葉に従って。
   ずざざざざざ!
   湖全体を覆いつくすほどのくらげ陣は。
   そのまま城の内部にと突進してゆく。

   「…ま、まさかこのような手でくるとわな。」
   などといいつつ苦笑い。
   あたしたちが城にとたどり着くと。
   面白いことにそのあたりにいるすべての生き物などは。
   くらげに巻きつかれそのまま体をしびれさせたまま。
   気絶していたりする。
   中にはそのまま死亡していたりするものちょっぴしいたりするけども。
   とりあえず累々と横たわる痺れて動けなくなっている生き物を足踏みにしつつ。
   あたしたちはそのまま城の最上階にと向かっている。
   そしてその最上階にいるのは一人の人間。
   といいつつも。
   その彼らがおとりとして使おうとしていた人形には目もくれず。
   本物の人間が入っている動く鎧にしっかりと数十匹のクラゲが巻きつき。
   隙間から中に入ろうとしている様子が見て取れる。
   ちなみにこのクラゲ。
   触ればその防衛本能で致死量の毒を出す、という性質をもっていたりする。
   どうでもいいけど。
   クラゲをその鎧全身に張り付かせていっている様は何ともこっけいで面白い。
   「まあ、猫人間さんですわ!」
   などといいつつ、見世物にしたらどれだけ稼げるかしら?
   と思っていまだにクラゲたちをなぎ倒している黒い人影をみて。
   そんなことをつぶやいているレイミア。
   「豹だ!豹!黒豹!」
   その言葉にすかさず突っ込みをいれてくるのは。
   クラゲたちを剣でなぎ払っている一人の獣人。
   「―ゼクター。そんなところで遊んでないで。どうにかしてくれ。」
   などとこちらはこちらで情けない声をだしている鎧の中に入っている魔道士の男性。

   一方では。
   「おーほっほっほっ!さあ、あんたたち、思う存分暴れなさいな!
     おーほっほっほっほっ!」
   ナーガの言葉に従って。
   この城の周りに生えていた無数の蔓もまたクラゲたちにと混じって。
   城の中をうねり歩く。
   かなり面白い光景ではある。
   高笑いしているナーガの周りで次々に蔓に絡めとられ、
   そしてクラゲに指されて気絶したりしてそのまま動かなくなっている人間たちの姿というのも。
   

   「それで?わざわざそんな豹とそして下級魔族と合成して、
     いったい何がしたいわけvフラオンv」
   ・・・・・・・・・・・・・・・・
   ・・・・・・・・・・・
   ・・・・・・
   『・・・・・・・・・・・・・・』
   あたしのその言葉になぜか一瞬その場は静まりかえる。
   「あ、あの?リナさん?フラオンって…」
   「フラオン様といわれましたら。レイミアさま以外で時期領主の資格を持つ唯一の方ですな。
    じゃが先の大臣の暴走により影口にいたたまれなくなり、
     継承権を放棄してそのまま城を出られた。」
   そういいつつ。
   せかせかと。
   一時クラゲによりしびれてはいたものの自力でその痺れをほどき。
   逆に食べられるクラゲをよそって。
   氷付けにしていたりするクランベ。
   ちょっとした術は彼使えるからねぇ。
   そういいつつちらりとレイミアをみて。
   「そういえば姫様はフラオン様をすいておられましたなぁ。
    じゃが何しろ姫様はまだ乳臭い小娘。フラオン様があいてになさるはずも…」
   などとさらっといっているクランベに。
   「爺ぃぃぃい!助けにきてあげたというのにその態度は何ですかぁぁ!」
   こちらはこちらで。
   周りの状況をまったく無視して。
   じゃれあいはじめているクランベとレイミア。
   ちなみに。
   つかまっていたはずのクランベは。
   先ほどまですやすやと眠っており
   クラゲの襲撃で目を覚ましたという何ともほほえましい現実があったりする。
   「ふっ。あんた人違いをしてるぞ。私は…」
   そういいかけるゼクターと呼ばれたその獣人の言葉に。
   「あらvそうかしらv」
   くす。
   軽く笑ってパチンv
   ひとつ指を鳴らす。
   それと同時に。
   ゆら。
   「な゛!?」
   自分の意思でもないのに突如として獣人の姿、というか豹の姿から。
   元の人間の姿に変わり行くのに気づき驚愕の声を上げてるし。
   やがて。
   彼の体が元の人の体に戻るその刹那。



   「おーほっほっほっほっほっ!このナーガ様に逆らおうなんて百万年早いのよ!」
   そういいつつ。
   「グ・ル・ドゥーガ!」
   こちらはこちらで。
   とにかくナーガをとめようとやってくる刺客たちの姿をみとめ。
   いきなり呪文を唱えているナーガ。
   それと同時に。
   ナーガの呼びかけに応じてそこに闇が形となってゆく。
   「やっておしまいなさい!この場をすべて無にするのよ!おーほっほっほっ!」
   ちなみに。
   狭い城の廊下に呼び出された魔王竜(ディモス・ドラゴン)はといえば。
   ナーガのその言葉に従い。
   そのまま。
   ヴォイドブレスをあたりにと撒き散らす。
   「おーほっほっほっ!見たかしら、私の実力って…んきゃぁぁぁぁあ!?」
   ガラガラガラ・・・・・

   当然といえば当然のこと。
   ナーガのいうとおりにところかまわずにいきなりヴォイドブレスを吐き出す魔王竜の攻撃により。
   そのままあっさりと城は崩れだす。


   ガラガラガラ。
   突如として天井から落ちてくる瓦礫と。
   ずしんと響くゆれ。
   そして。
   そのまま。
   ぐらりとたっていた床が揺れ。
   一瞬のうちに足元は崩れてゆく。


   「んきゃぁぁぁぁぁぁ!?」
   「うどわぁぁあ!?」
   「「なにぃぃぃぃぃぃい!?」」


   ザザザバァァァン!!!!



   後には悲鳴のみを残して。
   ものの見事に湖の中にと落ちてゆく城の残骸と。
   そしてその城の中にいた人々の姿が。


   
   「まあ、これだけ売ればかなりの金額になりますわ。」
   などといいつつ湖から引き上げた刺客たち全員の身包みをはぎつつ。
   ほくほくしていっているレイミア。
   ちなみに。
   ナーガの人徳によりナーガはクラゲに助けられ。
   湖の上を浮かんで進んでいたところ。
   さらに湖にと浮かんでいるレイミアたちを発見して。
   そのままリクに運んできたのであるが。
   「しかし、どうしてマクガレル公の兵士が…」
   どうせならやるからには身元を隠せばいいものを。
   ご丁寧にマクガレルの家紋をつけた鎧に身を包んでいたりする男たち。
   とりあえず全員を捕まえ。
   殺人未遂、という名目で。
   近くの役場に届け出る前に。
   身包みはぎとりうっぱらいましょう。
   というレイミアの意見により、あたしたちは彼らを身包みはがし、
   そして今。
   下着一枚にした男たちを役所にと届け出て。
   残りの彼らが身につけているものはすべて売り払い。
   その手に入った金貨をみつつほくほく笑いながらいっているレイミア。
   「ま、とりあえず。手紙を渡す相手は必要でしょうからv
     十年前に死んだ彼、ここに呼び出すわねv」
   とりあえずは城はなくなったものの。
   依頼内容はその城に住んでいる人に手紙を渡すこと。
   すでになくなった城跡をみているレイミアたちにとにっこりと微笑み。
   そう言い放ち。
   そして。
   そのまま。
   ふわっ。
   あたしの言葉に従って。
   その場に一人の人間が突如として出現する。
   



   「…ね、ねえ?リナ、今何やったの?」
   リナってときどき私にすら理解できないことをするのよね。
   などと思いつつあたしに聞いてくるナーガ。
   あたしたちの目の前には。
   少しばかり姿が半透明な一人の人物がそこにたたずんでいたりする。
   「あ、紹介しておくわねv彼女がここに住んでいた人。
     ちなみに今のマクガレル公の乳母してた人よv」
   あたしの言葉に目の前にいる人物がゆっくりと目を見開き。
   そして。
   『え、えっ?ええぇぇ!?私死んでいたはずじゃぁ!?』
   なぜか目を見開いてバニックになっていたりするし。
   「あ、シリア。とりあえずしばらく魂だけで存在させておくから。
    マクガレルの悪事、あんたの思うように彼に制裁加えてもいいわよv」
   にっこりと微笑むあたしに。
   「…え?えっと…ま、まさか…」
   どうやらあたしが誰か気づいたみたいねぇ。
   でも、
   「わかってるわよねぇ?シリアv余計なことはいわないのv」
   「は、はいぃい!」
   ちなみにこのシリア。
   マクガレルの乳母であり、そして彼が恐れていた唯一の人間でもある。
   ちなみに出身はゼフィーリア。
   「「…いや、だから死人をよみがえらせられるリナ(さん)(殿)って…」」
   なぜか。
   レイミア、ナーガ、そしてクランベの声が。
   同時につぶやかれてゆく。


   「うわぁぁぁぁぁぁ!?シリアおばさん!?」
   どごげっ!
   城に戻り再び謁見を申し出た私たちの姿をみて。
   そしてもう一人の姿をみとめ。
   思わず叫びつつずざざっと後ろにと退いているマクガレル公。
   そしてそんなマクガレルをそのまま。
   脱兎のごとくに走りより、足蹴りしているのは。
   あたしがちょっと呼び出した、かつてのマクガレルの乳母をしていたシリア。
   ちなみに赤い髪と赤い瞳が印象深い。
   「うふふふふ。まさかまた坊ちゃまをこうして教育できるとは。
    それで?坊ちゃま?すでに私がもうこの世にいない。
     というのにこのお方たちに私宛の手紙を言付けたのですって?
      うふふふふ。」
   そういいつつにこやかに。
   なぜかその手に剣を握り締めているシリア。
   「な゛!?馬鹿な!?シリアオバ…もといお姉さんは十年前に死んだはずだぁあ!」
   面白いまでに。
   マクガレルの悲鳴が。
   城の中にとこだましてゆく。


   
   「まあ、やっぱりフラオンでしたの。何て素敵な姿になって。」
   こちらはこちらで。
   湖でおぼれていたフラオンをみつけて。
   救助しているエミリア。
   そして自分たちを襲おうとしていた猫、もとい豹が、
   実は自分の従弟にあたるフラオンだと気づいて。
   そのまま。
   「―悪事を働いていたのを知られたくなければ。
     資金集めに協力してくださいな。」
   にこやかにすみやかに平和的な交渉を持ちかけ。
   結果として。
   協力してくれなかったら肉食蜂の卵を植えつけてみちゃいたくなりますわ。
   などという平和的なエミリアの交渉に。
   こちらはこちらで丸く収まっているこの二人。

   「おーほっほっほっほっ!
     ナーガ様の手にかかればこんなものよ!おーほっほっほっほっ!」
   ほくほくと。
   マクガレル公より貰い受けた依頼料、もとい口止め料。
   シリアの教育によりマクガレルがやろうとしていたことが明るみにでて。
   そのまま黙っている代わりに依頼した金額の倍を払ってくださいますか。
   という何とも現実的なエミリアの言葉に従い。
   その金額を手に入れて。
   トゥラーディア領地にもどってゆくレイミアとクランベと。
   そして、獣人になっている、というので見世物として資金を稼ぐことになっているフラオン。
   この三人はすでに先ほど領地に向けて出発し。
   依頼料として金貨二万枚を受け取っているナーガの高笑いが響き渡る。
   「ナーガはほとんど何もしてないけどね。」
   ちなみにあたしもまた金貨を受け取っていたりするけど。
   「おーほっほっほっ!リナ、これもすべては私の人徳のたまものよ!
     おーほっほっほっ!」
   などと笑いつつ。
   がばがばとジョッキを片手に度数の高いブランデーを飲み干しているナーガの姿が。

   依頼を終えたフィガロ・シティの酒場にて見受けられる。



   
   「リナちゃぁぁん…」
   「あら、これはあたしのよv」
   「そんなことをいわないで、ね?」
   などといいつついつものように。
   今日も今日とて旅の空。
   ちなみにナーガは一晩で金貨二万枚をすべて食事とお酒代につぎ込んだことは。
   いうまでもない。
   そんなナーガのおねだりをうけつつも。
   あたしは次なる旅先にとむかてゆく。
  
   後日。
   シリアにつれられて子供に位を譲ったマクガレルが。
   精神を鍛えなおす修行、と称され。
   とある国にと連れて行かれていたりする、というほほえましい現実と。
   そしてまた。
   フラオンは見世物小屋で有名になっていたりする、という何とも面白い現実があったりするけど。
   それはそれ。


   うーん。
   もう少しあたし遊んでもよかったかもしれないわねv


                   −リトルブリンセス2編終わりー


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  あとがきもどき:

     薫:うーん。エルさまが遊んでいるシーン。省いたの・・っは!

    (突如として何かが薫にとかぶさり、そのまま意識は昏倒してゆく。)


    L:はい。というわけでどこかにいった薫の代理のLですv
      まったく、こいつは。
      仮にも!このあたしが主人公!だというのに!
      今回もまたあたしがまったく活躍してないじゃないのよ!
      まったく。
      しかもあたしがマクガレルのところでちょっと遊んだシーンとか省いてるし。
      別にあの場を突如として重力変えたり、それとか空気をうすくしたりとか、
      あとは大雨降らせて部屋全体を水浸しにしたりとか。
      なぜかそれで数名息できなくなって仮死状態にまでおちいっていたけど。
      そんなところまでこいつ省いてるのよね・・・・。
    薫:(ぷはぁ!)エ・・エル様ぁぁぁ!
       いきなり人に袋をかぶせてしかも錘つけて、
       湖に沈めないでくださいぃぃい!(涙)
    L:あら、何のことかしらv
    薫:しくしくしく・・・・。
    L:それはそうとして。
      どうしてこのあたしが活躍してないのかしらねぇ?
    薫:ぎ、ぎくぅぅ!
      あ、あの?その手になされているスコップブラス、
      その桶いっぱいにもっている肉食蜂の幼虫は…いったひ(汗)
    L:あら、きまってるでしょv
      ここに穴ほって入れるのよv
    薫:ま゛ま゛ま゛ま゛っ!
      ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


   ドグベシャ!


   ドクドクドク・・・・・。


   L:ふう。
     人間の体って結構すんなりと穴ほれるわよねぇ。
     さて、ここにこの幼虫をいれてっとv
     何はともあれ。
     なぜか言葉もいえなくなった薫はおいておいて。
     ここまでお付き合いくださいましてありがとうございますv
     それではまたどこかで近いうちにお会いしましょうv
     それではねvv



 (後には肉食蜂の幼虫に体を食い尽くされてゆく薫の姿がそこにあるのみ…)


   

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