◆−使えない呪文〜Mistletoe 3 7話(上)−エモーション (2003/2/5 23:48:39) No.24646
 ┣使えない呪文〜Mistletoe 3 7話(下)−エモーション (2003/2/6 00:00:59) No.24647
 ┃┣(上)(下)同時に読ませて頂けるのですね。−猫楽者 (2003/2/6 01:40:26) No.24649
 ┃┃┗怖いと思っていただけたら成功でした。−エモーション (2003/2/6 23:53:44) No.24661
 ┃┣Re:使えない呪文〜Mistletoe 3 7話(下)−けーこ (2003/2/6 17:23:30) No.24653
 ┃┃┗ありがとうございます−エモーション (2003/2/7 00:48:13) No.24662
 ┃┗Re:使えない呪文〜Mistletoe 3 7話(下)−D・S・ハイドラント (2003/2/6 20:17:29) No.24654
 ┃ ┗今後の記録更新はあるかなあ(笑)−エモーション (2003/2/7 01:05:56) No.24663
 ┣黒幕さん!?−猫楽者 (2003/2/6 00:44:15) No.24648
 ┗使えない呪文〜Mistletoe 3 8話(上)−エモーション (2003/2/9 00:44:42) No.24697
  ┣ゼロスさん♪そういう訳でしたか。−猫楽者 (2003/2/9 03:27:27) No.24698
  ┃┗Re:ゼロスさん♪そういう訳でしたか。−エモーション (2003/2/10 00:07:52) No.24712
  ┣Re:使えない呪文〜Mistletoe 3 8話(上)−D・S・ハイドラント (2003/2/9 09:31:55) No.24701
  ┃┗Re:使えない呪文〜Mistletoe 3 8話(上)−エモーション (2003/2/10 00:26:30) No.24713
  ┣使えない呪文〜Mistletoe 3 8話(下)・完−エモーション (2003/2/9 22:35:45) No.24710
  ┃┗Re:使えない呪文〜Mistletoe 3 8話(下)・完−D・S・ハイドラント (2003/2/10 21:52:47) No.24724
  ┃ ┗ありがとうございます−エモーション (2003/2/11 00:15:26) No.24731
  ┗使えない呪文・後書き雑談−エモーション (2003/2/9 22:37:54) No.24711
   ┣お疲れ様でした。ポーラさん、どうかお幸せに。−猫楽者 (2003/2/10 00:37:03) No.24714
   ┃┗ありがとうございます−エモーション (2003/2/10 23:53:42) No.24729
   ┗お話完結、お疲れ様でした!−けーこ (2003/2/12 23:53:26) No.24750
    ┗Re:お話完結、お疲れ様でした!−エモーション (2003/2/13 22:17:41) No.24758


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24646使えない呪文〜Mistletoe 3 7話(上)エモーション E-mail 2003/2/5 23:48:39


改めまして、こんばんは。m(__)m
前のツリーに同じ7話の(上)をつなげたら、速攻でツリーが落ちそう
だったので、新たにツリーを作ってこちらも7話(上)を再投稿します。
バラバラだと据わりが悪いので。(ワガママですみません)
7話は一気に投稿すると長すぎなので上下に分けました。
おそらく8話(最長記録達成……)も上下になります。
では、読んでいただけましたら、幸いです。
**************************************

 『それは冷笑と呼ぶには凄惨すぎて、咲きほこる毒花にも似る。軽蔑と挑戦の綯いあわさった含笑。親愛の表現とは見誤りようもない破顔──敵たちはこれを〃アーヴの微笑〃と呼んで忌みきらっていた。』
             ──引用文:森岡浩之.作 「星界の紋章」より──

 「使えない呪文〜Mistletoe 3」 7話(上)

7.
 そっと、コルプトとポーラから離れて、フィリシアはゼロスの側に行く。
そうして、口の中で呟いていた呪文を「子ども」にかけた。
「……Ryumuc(リューム)……」
 一瞬、白い光が「子ども」を包み、焼け焦げてぼろぼろだった身体が、
──さすがに既に失われていた手は戻らなかったが──傷ひとつないものに
変わる。
「……修復の呪文? どうして、また」
「せめて、きれいにして埋葬したいの。例えそれが植え付けられたものだとしても、
この子はポーラさんの『子ども』だったのだから」
「……埋葬、ねぇ……」
「葬儀とか弔いはね、本当は生きている人の……残された人のためにする
ものなの。区切りをつけるためにね。……あのままじゃ、あんまりでしょう?」
 理解できないという面持ちのゼロスに軽く笑んでそう言うと、フィリシアは
何となく「ティル」の前髪を梳いた。少し癖のある、でも柔らかい髪。こうして
見ていると、本当に人間の子どもにしかみえない。面差しもどこかポーラに
似ているから、もしかしたら、いや、間違いなく亡くなったティルに、そっくりの
姿になったのだろう。
 「育てた『親』の影響を強く受ける」と、先程ゼロスは言っていたが、
失った子どもを想うポーラの強い愛情が、魔獣にこんな形の影響を与えたの
かもしれない。だから余計にポーラは子どもが、ティルが戻ってきたと信じたの
だろう。かけられた暗示よりも、強い思いで。
 と、額に不思議な痣、いや、印があることに気づいた。
「契約済み……ということですか」
 フィリシアの行動を興味なさ気に見ていたものの、同じように印に気づいた
ゼロスが、覗き込む。
「契約済み……?」
「飼い主が別にいる、ということです。この印はその証拠。ポーラさんは
『親』でしたが、飼い主ではありません。単純に変な偶然で『托卵』された
だけだと思っていましたが、違ったんですね。
 確かによく考えれば、いくら召還の形だとしても、魔道士などでもない
ポーラさんに、フィリシアさんの呪文が効いている状態の中から魔獣を呼び戻す、
なんて芸当ができるわけないですし」
「そう言えば……ポーラさん、『あの方から卵を貰った』って……。それに、
私があの呪文を使えることも、その人から教えてもらったって言っていたわ。
ゼロスにはあの呪文を使えないとも言っていたみたい……何者かしら?」
 ポーラの言葉を思い出しながら、フィリシアがそう呟いていると、ゼロスが
まじまじとこちらを見ている。
「……ゼロス? どうかしたの?」
 きょとん、としてそう訊ねるフィリシアに、ゼロスはくすりと笑う。
「いえ、何でもありません。……どこに埋葬しましょうか?」

 結局「ティル」は、コルプトの意見で、社の後に葬った。ポーラは悄然とした
様子だったが、それでも状況を受け入れていた。さすがに、一言も口を
きかなかったが。
「……黒幕には上手く逃げられたと思っていたけれど……そうでもなかったわね」
「……気づきましたか? さっきからこちらを窺っていますよ」
 2人を先に帰したあと、冥福の言葉を終え、静かな口調で呟いたフィリシアに、
ゼロスは小声でそう言葉を返す。気づかないなら言わないつもりだったが、
気がついていたらしい。
「出ていらしたらどうです? もう、分かっていますから、こそこそ隠れていても無駄です」
 振り向いて、フィリシアがそう言い放つと、少し離れた木の陰から姿を
現したのは、見た目は二十歳前後、長く、鮮やかな紅い髪にゆったりとした
白い服を着た、絶世の、でもただ冷たいだけの印象しか受けない美女。
「ただの巫女の勘かもしれないけれど、よく気がついたと誉めてあげるわ、
巫女のお嬢さん」
 現れた美女に、にっこりと笑んでフィリシアは言葉を返した。
「誉めていただかなくて結構ですわ。第一、勘に頼らなくても、あれだけ
気配がしていればすぐに気がつきます。本当に、今日はどうなさったのかしら。
普段はきちんと気配を消して、上手に隠れておられたのでしょう?
 ……この間の私とゼロスの会話を、気づかれずに聞いていたくらいですもの」
 余裕のたっぷりの態度で冷笑して、紅い髪の美女が言う。
「……言ってくれるわね。でも、むやみに人に言いがかりをつけない方が
いいんじゃない?」
「言いがかりとは言えませんでしょう? そうでもなければ、私にあの呪文が
使えるなんて、ポーラさんに吹き込めませんもの。それに何の目的があったのかは、
分かりませんけれど。
 そうでしょう? 魔獣の飼い主の魔族さん」
 紅い髪の美女──魔族を鋭く見据えて、フィリシアは小さく笑む。魔族なら、
あの会話でゼロスが言った「使えない」にかかるニュアンスが、ゼロスと
フィリシアでは全く違う意味を持っていることなど、すぐに理解できる。尚かつ、
フィリシアがアルフに使った呪文のレベルを見れば、「フィリシアにはあの
呪文が使える」と予測するのは容易だ。
 魔族だと気づかれたのが意外だったのか、紅い髪の魔族は笑いを収めて目
を細める。
「ほう……てっきり多少呪文が使えて魔力許容量が大きいだけの、情に流されやすい
お人好しな小娘だと思っていたけれど……。
 正体を見抜いたご褒美に教えてあげる。あなたが本当にあの呪文を使えるか
どうかなんて、どうでもよかったわ、私にはね。ただ、魔獣の怪我でパニック
状態だったあのポーラって女に呪文のことを教えてあげただけよ。
 嘘はついていないでしょう? 呪文を使えばあの女の子どもが甦るのも、
あなたが呪文のことを『具体的に知っている』のも事実だもの。私が言ったのは
『使えるけれど使わないだけだろう』っていう予測で、『確実に使える』とは
一言も言っていないんだから。
 あの女が勝手に好きなように思いこんだだけなのに、私が責められる筋合いは
ないわね」
「……でも、私があなたを嫌いだと思う理由が、ひとつ増えましたわ」
 それは確かに事実なのだろう。だが、魔獣を自分の子どもだと信じきっていた
ポーラには、予測も事実も関係なく、話を聞けば、それが藁に縋るようなものだと
しても、なりふり構わず飛びつくと、この魔族には分かっていたはずだ。
どこまでも母親としてのポーラの気持ちを、この魔族は弄んでいる……。
「口を挟んで申し訳ないんですが……何故、ポーラさんに魔獣の卵を渡したんです? 
単純に、個人的な疑問なんですけど」
 不意に、ゼロスが妙に緊張感も何もない口調で紅い髪の魔族──名前は
知っている──マゼンダに訊ねる。ゼロスからそう言われると思っていなかった
のか、マゼンダは少々面食らいながら、答える。
「実験、よ。ただの。少しは自分で考えて動ける、使い勝手のいい魔獣が
ほしくてね。だから人間を『育ての親』にしてみようと思ったの。そうしたら、
運良く簡単に卵を受け入れそうな女がいた、ってわけ。
 さすがに人間を『親』にするのは例がないから、どうなるかと思ったけど
……せっかくの魔獣をあんな出来損ないにしてくれて、とんだ期待はずれ
だったわ。だから、もしあいつの餌にならなくても、他の魔獣の餌にして
やろうと思ってた。けど、最後に最高の素材を上手く誘きだしてくれたから、
生命だけは見逃してあげることにしたわ」
「……最高の素材……?」
 意味が分からず、思わずそう呟いたフィリシアに、ゼロスがため息をついて言う。
「貴女のことですよ、フィリシアさん。こちらはね、貴女をさっきの魔獣の
餌か、ポーラさんの次に『実験』に使おうと思っていたんですよ。
 どうしてわざわざあの呪文の話をポーラさんにしたのか、理由が分かった
でしょう?」
「……私を誘きだすために、ポーラさんの気持ちを利用したのね」
 フィリシアの中で、またひとつ、この魔族を嫌う理由が増える。心が、怒りで
埋め尽くされていく……。
「でも、フィリシアさんを次の『実験』に使うのは、お薦めしませんよ」
 フィリシアの様子を余所に、ゼロスはさらりと事もなげに言う。
「今回の結果をきちんと御覧になったらどうです? 人間は、どうやらあの手の
魔獣の『親』には向かないとしか思えませんよ。ポーラさんぐらいの影響で、
あんな人とも魔獣ともつかない、中途半端なものに成り下がっているじゃ
ないですか。あの様子では、あなたの言うことを聞かないこともあったのでしょう? 
 フィリシアさんでは、さらに手に負えなくなるだけです。確信を持って
言えますよ」
 ゼロスの言葉に、マゼンダは不愉快そうな顔で考え込む。図星をついて
いるのか、反論もしない。と、
「……赦さない……」
 ぽつり、とフィリシアがそう呟く。同時に一気に感じる、強い、「怒り」の
感情……。
「……赦さない? 何を? あの女に魔獣の卵を渡したことかしら? それとも、
あなたを次に使おうとしたことかしらね?」
 フィリシアの言葉と様子に、マゼンダは冷笑する。マゼンダからすれば、
ポーラに対するフィリシアの感情など、お笑いぐさでしかない。どうやら
ゼロスが敵に回ることはないようなので、それなら、憂さ晴らしにこの娘で
遊んでやる。そう思った。
「それとも……あの女の子どもに対する感情を煽ったことかしらね。ふん、
ばかばかしい。私が何かしなくても、あの女は子どもに対する未練でいっぱい
だったわよ。笑えるくらいにね。だから、あれを本気で自分の子どもだと
信じこんでいる姿なんて、見ていて本当に滑稽だったわ。自分が『子ども』だと
思えれば、魔獣だろうが何だろうが気にしないなんてね。
 そういえば、さっきの負の感情……あの絶望や憎しみはなかなかのもの
だったわ。自分でも感情を持て余して、無駄に苦しんでいるのもね。いっそのこと、
気が狂ってしまえば、楽だったでしょうに」
 心底楽しそうにそう言って笑うマゼンダを、フィリシアはじっと見据えながら、
くすりと笑んで、言う。
「……言いたいことは、それだけですか? 
 私が赦さないのは、ポーラさんの思いを嘲笑うあなたが、この世界に存在
していることです」
 フィリシアの笑みが、変わる。普段の彼女からは想像もできない、一切妥協を
許さない冷たい厳しさと、得体の知れない凄みを赤紫色の瞳に浮かべた、
とてつもない畏怖を与える、凄惨で強烈な、だが、どこまでも見る者を
惹きつけてやまない、極上の笑みに……。
「……私は、あなたをけして赦しません……」
 最も敵意に満ちた瞳と、恐ろしく危険で魅力的な微笑をした娘は、静かに
そう告げた。

**************************************
(下)に続きます。

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24647使えない呪文〜Mistletoe 3 7話(下)エモーション E-mail 2003/2/6 00:00:59
記事番号24646へのコメント

続きです。
**************************************
 「使えない呪文〜Mistletoe 3」 7話(下)

 ゼロスはこの半年ほどの間に、フィリシアが怒ったのを何度か見てきたし、
怒らせたこともある。だが、ヒヤリとした気分を感じたことはあっても、本気で
怒らせるとその後の扱いが厄介だと思うくらいで、正直、どうとも感じて
いなかった。人間相手なのだから、魔族としてはそれが当然だろう。しかし
──今回の「本気」は桁違いだ。
 所謂「逆鱗に触れた」という類のものだということは、分かる。そして
マゼンダは、当たり前だがわざと怒りを煽った。フィリシアから負の感情を
得るために。それも、分かる。
 だが、この強烈な畏怖、威圧感は何なのか。とても負の感情を得るどころ
ではない。
 ……まあ、わざわざ僕が監視しているだけのことはある、というものですね。
 人間ごときに畏怖や威圧を感じて驚く反面、ゼロスは内心、納得する。上司たる
獣王ゼラス=メタリオムの勘は当たりだった。例え人間でも、このような者の
相手は、並の魔族では役者不足でしかない。現に、マゼンダは既に余裕など
消し飛んでしまっている。

 マゼンダが動くより先に、フィリシアの呪文の方が早かった。
「…………幻炎六花(レニーヴ・ニス)」
 マゼンダを中心にした上空で膨らんだ金白色の光が、一瞬のうちに下方へ
向けて花の花弁が開くように六方向に走る。地に着いた光は花弁の先と先を
つないで円を作り、一気に炎のような金白色の光を円の中に立ち上らせ、
マゼンダを包み込む。同時にその円の中で、フィリシアに向けて投げられた
マゼンダの数本の髪の毛は、目的を果たすことなく消滅した。
 神の力を借りた、対魔族用の攻撃呪文。滅びこそしないものの、高位魔族
でもそれなりのダメージを受ける呪文なので、中級魔族のマゼンダにはかなり
キツイはずだ。
「……どうやら、甘く見すぎていたようだね……だが……覚悟しな!」
 怒りのこもった口調で吐き捨てるように言うと、マゼンダは本来の魔族の姿に
変わると、空間を移動しながら、次々と光弾を繰り出すが、フィリシアは
無駄のない動きでかわしつつ、防御呪文で防ぎ、弾き返す。
 そんな中、空間を移動しているマゼンダがフィリシアの背後に現れ、鋭い爪を
持つ手を振り下ろす。
「……輝光剣(セーリア・ラーシュ)!」

  ガキンッ!

 鈍く硬い音がして、ギリギリのところで金色の光でできた細身の刃が、振り
下ろされた爪を押しとどめる。さすがに今のはフィリシアにとっても咄嗟の
ことだったらしく、肩で息をしている。
「……よく止めたねえ……。魔力で作った剣か……。でも、そんな細くて頼りない
形態じゃ、たかがしれているね。すぐに打ち破ってやる!」
 押しとどめられた手に、マゼンダは力を込める。純粋に魔力許容量で比べれば、
仮にも純魔族の自分が人間の小娘ごときに負けるはずがない。おそらくは、
かなり魔力を使う呪文なのだろう。レイピアのような細身の刃を出すのが
やっとの状態なら、力押しすれば充分に勝てる。
「……この剣は……」
 魔力のレイピアが放つ光で、フィリシアの赤紫色の瞳がよりいっそう赤味が
強く見える。同時に、爪を押しとどめるために刀身を支えていた左手を離した瞬間、
押しあげる形で爪ごとマゼンダの腕を切り落とし、すぐに後へ飛び退く。
「ギャアアアアアアアアアッ!」
 絶叫を響かせながら、マゼンダは何故だ、と思う。見た目は確かにレイピアなのに、
受けるダメージは頼りない細身の刃のものとはまるで違う。
 フィリシアは光のレイピアを構えたまま、息をついて言う。
「呪文を唱えたのが私だから、『レイピア』の形をしているにすぎません」
 そう、単にフィリシアに使いやすい形をとっただけで、見た目で威力が
変わる呪文ではない。しかし、フィリシアの剣技は完全に護身用の、最低限
身を守る程度のものだ。とても強力な呪文だが、自分の腕ではこれで相手を
倒すのは難しい。

 斬られた部分を押さえ、憎悪のこもった目で自分を見るマゼンダを、フィリシアは
真正面から見返していた。静かでピンと張りつめた空気を纏い、荘厳で、冷たいが
冴え冴えとした美しさを感じさせながら……。
 それだけなのに、下手に動けない。いや、動きたくても、そうできなくなる。

 「触らぬ神に祟りなし」……そんな人間の諺がゼロスの頭をよぎる。今の
フィリシアは、まさにその諺を体現していた。

 ……これで、終わらせる……。
 マゼンダを視線だけで牽制しながら、フィリシアはレイピアを消し、呪文
の詠唱を始めた。

「……Carsarh Asa nochec,Fere' lessoth solzme dozme.
 Dar danaic lo chicar Far gaimh uchkaroth chicar lanauaroth……」

 何の呪文か気づき、マゼンダはアストラル・サイドへ逃げようとしたが、間に合わない。

「……封魔崩滅(カオティック・ディスティングレイト)!!」
 激しい勢いで、青白い炎の柱がマゼンダを包み、絶叫が響く。同時に、フィリシアの身体がピクンと何かを感じて小さく揺れた。

「……フィリシアさん」
 終わった、と言うのに押し黙ったまま、俯いて立ち続けるフィリシアに、
ゼロスはそっと声をかけたが、返事がない。二、三度繰り返して、やっと
フィリシアは顔を上げる。赤紫色の瞳は、先程までマゼンダを見ていたのと同じ、
冷たく厳しい色をゼロスに向けた。
 ……気づかれた……?
 内心、冷や汗をかきながら、ゼロスは視線をまともに受け止める。
──フィリシア次第では、今ここで戦うことになるかもしれない。
 そんなことを考えていると、すぐにフィリシアが視線をそらす。素っ気なく
顔をそむけて、その場に力が抜けたように座り込んでしまった。
「……逃げられたわ……」
 ついた手で雪を掻くように握り、絞り出すような声で言う。どうやら感情が
収まっていなかっただけらしい。必死で感情を抑えているのが分かって、
ゼロスはホッとする。……正直に言えば、「今は」戦いたくない。
「でも、フィリシアさんの勝ちですよ。あちらは相当ダメージを受けている
でしょうし、第一、人間の貴女にあれだけやり込められたんです。あちらにも
プライドがありますから、もう出てこないでしょうね」
 少なくとも、フィリシアやポーラが生きている間は出てこないはずだ。
「そんなの意味がない……。私は……滅ぼしてしまいたかったんだからっ!!」
 感情を抑えきれず、フィリシアは下を向いたまま反射的にそう叫ぶ。同時に
ぽたぽたと涙が落ちて、自分でも驚く反面、その理由に気がついて、それが、
腹立たしくて悲しかった。

「宿に、戻りましょう」
 フィリシアがある程度落ち着いてから、ゼロスがそう言って指しだした手は、
取られなかった。
「……ありがとう。でも、1人で立てます」
 下を向いたまま、ゼロスの方をまったく見ずにそう言って、フィリシアは
立ち上がって雪を払うと、そのままさっさと歩き出す。一瞬だけ見えた表情は、
泣きたいのか怒りたいのか分からない、そんな顔だった。
 ……機嫌、思いっきり悪くなっちゃいましたねぇ……。
 頬の辺りを掻きながらそう思い、あとの扱いを考えて、ゼロスはため息を
ついた。

**************************************

X.とうとう上下に分かれましたねえ……。
F.本当に……。8話も確実にそうなります。
X.ということで、フィリシアがマジギレした7話でした。だから「本気で」
  怒らせるの嫌なんですよね。
  作中の笑みは冒頭引用に使いました「星界の紋章」のバール・エヴォス(Bar ёbhoth)
  ……〃アーヴの微笑〃をイメージしていただくと分かりやすいと思います。
  一番ぴったりな表現ですから。
F.もともと「心底怒るとにこにこして言葉遣いが丁寧になる」という設定ですし、
  今回の話はゼロスが私を「本気で」怒らせるのを嫌がる理由を書くつもりでも
  あったそうですから。
X.〃アーヴの微笑〃までされた日にはもう……(滝汗)
  神聖語にアーヴ語使いまくっていて、さらにここまでするかという感じですね。
  筆者E、完璧に遊んでます。オリジナルの呪文は全部アーヴ語ですしね。
F.封魔崩滅の呪文もですね。「スレイヤーズTRY」でフィリアさんが唱えている
  のは多分ドラゴン語なので、別に詠唱部分を作ってみたそうです。
  最初の方は「赤い竜の眷属達よ……」と言ってます、一応……。
X.日本語→アーヴ語変換翻訳ですね。相変わらず上手な変換できないし、語彙変化も
  まだまだですが。……でもドラゴン語の方が呪文詠唱が短くすみますよね(笑)
F.筆者Eは、ドラゴン語は人間が発音するのは難しすぎる、という設定にして
  いますから。その辺りはご了承下さいませ。
X.あとは……何故かここでいきなり原作キャラが出てきました……(苦笑)
  本当はオリジナルの魔族にするつもりだったそうですが、逃がす必要があった
  のでそうなったんです。
F.オリジナルならさっくり倒したんですけれどね……問答無用で……(不満)
X.原作キャラで魔獣というと、筆者Eの頭の中ではカンヅェルさんのイメージ
  だそうですが……マゼンダさんになったのは、ポーラさんが初対面でそれほど
  警戒をしない相手、という視点で考えたからだそうです。何故かこの2人、原作
  ではバラバラに登場したのにワンセットのイメージがあるのでこうなりました。
F.「スレイヤーズNEXT」では一緒に出てきましたから、余計に……ですね。
X.では、長くなりますので今回はこの辺で失礼いたします。推敲が終わればすぐ
  UPですので、8話は早いと思いますよ。
  では、長文最長記録に決定した8話でお会いしましょう♪ 
F.……あなたとあなたの上司の会話をカットすれば、短くて済むんですけれど……。
  それでは、失礼いたします。読んでくださいまして、ありがとうございました。

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24649(上)(下)同時に読ませて頂けるのですね。猫楽者 E-mail 2003/2/6 01:40:26
記事番号24647へのコメント

>続きです。

こんばんは、エモーションさん。
お元気ですか、猫楽者です。

続きですね♪(上)と(下)、いっぺんに読ませて頂けるのですね♪

>──今回の「本気」は桁違いだ。
> 所謂「逆鱗に触れた」という類のものだということは、分かる。そして
>マゼンダは、当たり前だがわざと怒りを煽った。フィリシアから負の感情を
>得るために。それも、分かる。
> だが、この強烈な畏怖、威圧感は何なのか。とても負の感情を得るどころ
>ではない。
> ……まあ、わざわざ僕が監視しているだけのことはある、というものですね。
> 人間ごときに畏怖や威圧を感じて驚く反面、ゼロスは内心、納得する。上司たる
>獣王ゼラス=メタリオムの勘は当たりだった。例え人間でも、このような者の
>相手は、並の魔族では役者不足でしかない。現に、マゼンダは既に余裕など
>消し飛んでしまっている。

ゼロスさんが、たじろぐ程のすざましい怒りなのですね。
獣王様は、フィリシアさんの御持ちのお力のことをご存知だったのですか。

逆鱗に触れてしまったマゼンダさん、貴方が悪いのですよ。

> マゼンダが動くより先に、フィリシアの呪文の方が早かった。
>「…………幻炎六花(レニーヴ・ニス)」
> マゼンダを中心にした上空で膨らんだ金白色の光が、一瞬のうちに下方へ
>向けて花の花弁が開くように六方向に走る。地に着いた光は花弁の先と先を
>つないで円を作り、一気に炎のような金白色の光を円の中に立ち上らせ、
>マゼンダを包み込む。同時にその円の中で、フィリシアに向けて投げられた
>マゼンダの数本の髪の毛は、目的を果たすことなく消滅した。
> 神の力を借りた、対魔族用の攻撃呪文。滅びこそしないものの、高位魔族
>でもそれなりのダメージを受ける呪文なので、中級魔族のマゼンダにはかなり
>キツイはずだ。

凄い呪文です。
とても綺麗な、魔族に滅びを運ぶ呪文ですね。
フィリシアさんの怒りが爆発しましたね。

マゼンダさんは、フィリシアさんの魔法を使えなくしようとしたのですね。

>「……どうやら、甘く見すぎていたようだね……だが……覚悟しな!」
> 怒りのこもった口調で吐き捨てるように言うと、マゼンダは本来の魔族の姿に
>変わると、空間を移動しながら、次々と光弾を繰り出すが、フィリシアは
>無駄のない動きでかわしつつ、防御呪文で防ぎ、弾き返す。
> そんな中、空間を移動しているマゼンダがフィリシアの背後に現れ、鋭い爪を
>持つ手を振り下ろす。
>「……輝光剣(セーリア・ラーシュ)!」
>
>  ガキンッ!
>
> 鈍く硬い音がして、ギリギリのところで金色の光でできた細身の刃が、振り
>下ろされた爪を押しとどめる。さすがに今のはフィリシアにとっても咄嗟の
>ことだったらしく、肩で息をしている。

魔族の得意技、空間を渡っての攻撃と、それを魔力で剣を作る呪文で防ぐフィリシアさん。
息詰まる攻防ですね。

>「……この剣は……」
> 魔力のレイピアが放つ光で、フィリシアの赤紫色の瞳がよりいっそう赤味が
>強く見える。同時に、爪を押しとどめるために刀身を支えていた左手を離した瞬間、
>押しあげる形で爪ごとマゼンダの腕を切り落とし、すぐに後へ飛び退く。
>「ギャアアアアアアアアアッ!」
> 絶叫を響かせながら、マゼンダは何故だ、と思う。見た目は確かにレイピアなのに、
>受けるダメージは頼りない細身の刃のものとはまるで違う。
> フィリシアは光のレイピアを構えたまま、息をついて言う。
>「呪文を唱えたのが私だから、『レイピア』の形をしているにすぎません」
> そう、単にフィリシアに使いやすい形をとっただけで、見た目で威力が
>変わる呪文ではない。しかし、フィリシアの剣技は完全に護身用の、最低限
>身を守る程度のものだ。とても強力な呪文だが、自分の腕ではこれで相手を
>倒すのは難しい。

マゼンダさん、人間をフィリシアさんを甘く見ていたのですね。
剣の力も見た目で判断してしまって、手痛いダメージを負ってしまいましたね。

> 斬られた部分を押さえ、憎悪のこもった目で自分を見るマゼンダを、フィリシアは
>真正面から見返していた。静かでピンと張りつめた空気を纏い、荘厳で、冷たいが
>冴え冴えとした美しさを感じさせながら……。
> それだけなのに、下手に動けない。いや、動きたくても、そうできなくなる。

マゼンダさんがフィリシアさんに圧倒されてしまっていますね。
本気のフィリシアさん。
フィリシアさんを怒らせないほうが良いようですね。

> 「触らぬ神に祟りなし」……そんな人間の諺がゼロスの頭をよぎる。今の
>フィリシアは、まさにその諺を体現していた。

ゼロスさんの仰るとおりですね。
しかし、ゼロスさんギャラリーに徹していますね。

> ……これで、終わらせる……。
> マゼンダを視線だけで牽制しながら、フィリシアはレイピアを消し、呪文
>の詠唱を始めた。
>
>「……Carsarh Asa nochec,Fere' lessoth solzme dozme.
> Dar danaic lo chicar Far gaimh uchkaroth chicar lanauaroth……」
>
> 何の呪文か気づき、マゼンダはアストラル・サイドへ逃げようとしたが、間に合わない。
>
>「……封魔崩滅(カオティック・ディスティングレイト)!!」
> 激しい勢いで、青白い炎の柱がマゼンダを包み、絶叫が響く。同時に、フィリシアの身体がピクンと何かを感じて小さく揺れた。

止めのの一撃ですね。
終わり、マゼンダさんを倒したのでしょうか。

> ……気づかれた……?
> 内心、冷や汗をかきながら、ゼロスは視線をまともに受け止める。
>──フィリシア次第では、今ここで戦うことになるかもしれない。

ゼロスさんは、今自分が魔族だと気付かれたくないのですね。

> そんなことを考えていると、すぐにフィリシアが視線をそらす。素っ気なく
>顔をそむけて、その場に力が抜けたように座り込んでしまった。
>「……逃げられたわ……」
> ついた手で雪を掻くように握り、絞り出すような声で言う。どうやら感情が
>収まっていなかっただけらしい。必死で感情を抑えているのが分かって、
>ゼロスはホッとする。……正直に言えば、「今は」戦いたくない。

あれだけ激しい怒りを爆発させて戦っていたのですから、そう簡単に感情の切り替えは出来ないですよね。

マゼンダさん、恥じも外聞もかなぐりふてて全力で逃げたのでしょうか。

あの、ゼロスさん、戦うの『今』で無ければ良いのですか。

>「でも、フィリシアさんの勝ちですよ。あちらは相当ダメージを受けている
>でしょうし、第一、人間の貴女にあれだけやり込められたんです。あちらにも
>プライドがありますから、もう出てこないでしょうね」
> 少なくとも、フィリシアやポーラが生きている間は出てこないはずだ。

マゼンダさん、人間にここまでボロボロにされてしまって、プライドズタズタでしょうね。
ダメージの回復に、かなりの時間が掛かるのでしょうね。

>「そんなの意味がない……。私は……滅ぼしてしまいたかったんだからっ!!」
> 感情を抑えきれず、フィリシアは下を向いたまま反射的にそう叫ぶ。同時に
>ぽたぽたと涙が落ちて、自分でも驚く反面、その理由に気がついて、それが、
>腹立たしくて悲しかった。

あんなことをした魔族は許せない、けど。
魔族相手とはいえ、本気で滅ぼそうとした、自分の心と行動。
そして怒りのままに戦ってしまった。御自分の行動が腹立たしかったのですか?

>「宿に、戻りましょう」
> フィリシアがある程度落ち着いてから、ゼロスがそう言って指しだした手は、
>取られなかった。
>「……ありがとう。でも、1人で立てます」
> 下を向いたまま、ゼロスの方をまったく見ずにそう言って、フィリシアは
>立ち上がって雪を払うと、そのままさっさと歩き出す。一瞬だけ見えた表情は、
>泣きたいのか怒りたいのか分からない、そんな顔だった。
> ……機嫌、思いっきり悪くなっちゃいましたねぇ……。
> 頬の辺りを掻きながらそう思い、あとの扱いを考えて、ゼロスはため息を
>ついた。

ゼロスさんの正体を感づいているフィリシアさんは、今はゼロスさんの手を取ることは、したくないのですね。
ゼロスさん、少しの間で良いですから、フィリシアさんをそっとしておいてあげてくれませんか。

>X.ということで、フィリシアがマジギレした7話でした。だから「本気で」
>  怒らせるの嫌なんですよね。
>  作中の笑みは冒頭引用に使いました「星界の紋章」のバール・エヴォス(Bar ёbhoth)
>  ……〃アーヴの微笑〃をイメージしていただくと分かりやすいと思います。
>  一番ぴったりな表現ですから。

残念ながらまだ「星界の紋章」を読んだことは無いのですが、今度読んでみます。
そして、『アーヴの微笑』なんか怖いですね。

>F.もともと「心底怒るとにこにこして言葉遣いが丁寧になる」という設定ですし、
>  今回の話はゼロスが私を「本気で」怒らせるのを嫌がる理由を書くつもりでも
>  あったそうですから。

Fさん・・・・・・怖かったです(汗)
でも、怒って当然のような気もします。

>X.あとは……何故かここでいきなり原作キャラが出てきました……(苦笑)
>  本当はオリジナルの魔族にするつもりだったそうですが、逃がす必要があった
>  のでそうなったんです。
>F.オリジナルならさっくり倒したんですけれどね……問答無用で……(不満)

Fさん、お気持ちはよ〜〜くわかります。
ここは何の罪も無い(?)ですけど
同族だったということで、ゼロスさんに諦めて頂いて、トオトイ犠牲になって頂いては(笑)

>X.原作キャラで魔獣というと、筆者Eの頭の中ではカンヅェルさんのイメージ
>  だそうですが……マゼンダさんになったのは、ポーラさんが初対面でそれほど
>  警戒をしない相手、という視点で考えたからだそうです。何故かこの2人、原作
>  ではバラバラに登場したのにワンセットのイメージがあるのでこうなりました。
>F.「スレイヤーズNEXT」では一緒に出てきましたから、余計に……ですね。

わかります〜。
自分も同じです。マゼンタさんとカンヅェルさんはセットというイメージがします。
ガーヴ様の配下の方だったからでしょうか。

>X.では、長くなりますので今回はこの辺で失礼いたします。推敲が終わればすぐ
>  UPですので、8話は早いと思いますよ。
>  では、長文最長記録に決定した8話でお会いしましょう♪ 
>F.……あなたとあなたの上司の会話をカットすれば、短くて済むんですけれど……。
>  それでは、失礼いたします。読んでくださいまして、ありがとうございました。

面白かったです。
フィリシアさんとマゼンダさんの戦い、堪能させて頂きました。

続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにしております。

本気でインフルエンザが流行っているようですね。
お体にお気を付けて、お元気で。
では、失礼します。

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24661怖いと思っていただけたら成功でした。エモーション E-mail 2003/2/6 23:53:44
記事番号24649へのコメント

こんばんは。
本当に、丁寧なコメントありがとうございます。m(__)m
また、初めの(すでに削除していただいたのですが)投稿記事で
混乱させてしまいましたようで、すみませんでした。

>続きですね♪、お待ちしておりました♪
ありがとうございます。やっと8話で無事終了できました〜。

> 『それは冷笑と呼ぶには凄惨すぎて、咲きほこる毒花にも似る。軽蔑と挑戦の
>綯いあわさった含笑。親愛の表現とは見誤りようもない破顔──敵たちはこれを
>〃アーヴの微笑〃と呼んで忌みきらっていた。』
>        ──引用文:森岡浩之.作 「星界の紋章」より──
敵が、微笑みながら攻撃してきたら
そして、その攻撃で味方が次々と倒されてしまったりしたら、たまりませんね。
アーヴも普通に感情表現するんですけれどね……。殺したいほど憎い相手で
あっても笑んでみせる時の笑みのようです。どっちにしても怖い(笑)
アーヴは美形しかいないので尚更(汗)

>死んでしまったことを、自分自身に言い聞かせて
>別れを、いつか自分が眠りにつくまでの、しばしの別れをする為に必要なの>かもしれませんね。
友人と祖母の葬儀の時に思ったことがこの台詞に入ってます。
それまで埋葬はともかく、葬式って必要ないと思ってたのですが。
ひとつひとつ段階踏んでいく度に思ったんです。「この人はもういない」と
納得するために必要なのかもしれないと。
覚悟する猶予のあった祖父たちはともかく、友人と祖母は本当にいきなり
だったので、余計にそう思ったのかもしれません。

>ゼロスさんは、フィリシアさんが気付かなかったら、お一人で黒幕をどうにかするつもりだったのでしょうか。
>黒幕は、事の次第をずっと見ていたのですね。
すいません、実は放っておくつもりでした……(滝汗)まだちょっかい
出してくるのなら別ですが、これ以上こちらに関わらなければ見逃すよと。
ただ、フィリシアが怒ってますから、気づかれているのなら、フィリシアの
気の済むようにさせる、と思ってました。

>魔族。魔族が原因だったのですか。
>ゼロスさんがいらっしゃるのに、無茶なことをしますね。
>下手したらゼロスさんに、滅ぼされてしまうのではないでしょうか。
ゼロスが一緒だったから目を付けたようなものかも……(苦笑)
どうみても降魔戦争のための作戦の一環じゃないのは間違いないので、
たまたま一緒にいる人間にちょっかい出してもあまり問題ないだろうと。
それでも正面からちょっかいかける気はなかったようですが。

>実験。そうですか、マゼンダさんにとっては、ただの実験でしたか。
>どうやらマゼンダさんと人間とでは、心とか感情と呼ばれているものの、あり方が違うようですね。
>滅びを望む者と、在り続けようとする者。
>お互いの存在を理解するのは、難しそうですね。
ゼロスもそうなのですが、基本は「分かっていても、理解できない」なのだ
と思います。こればかりは、どうがんばっても越えられない壁みたいなもの
かもしれません。あとは個人差でしょう。どれくらい「人」に近い事ができるか、
露骨に理解する気のない態度を取るか、取らないか、の。

>ポーラさんは、魔獣を心から大切にして本当の子供として接していたのですね。
>人間と魔獣。種族の違いを超えて、情を通わせていたのでしょうか。
そうです。もう本当に「親子」になっていました。ある意味、人間だから
できたことかもしれません。

>ゼロスさん・・・・・貴方も魔族なのですね。
>実験の結果を冷静に分析していますが、ゼロスさんはフィリシアさんに危害を加えようとした
>マゼンダさんを、どうにかする気は無いのですね。
この辺りはもう、ゼロスも魔族ですよ、としか言えません。

>ついに・・・・フィリシアさん・・・・・・切れてしまったのですね(汗)
>微笑みながら、とても丁寧な口調で・・・・・・それだけに・・・・静かに燃えている・・・・。
>怒りが・・・・怒鳴りつけたり、逆上しているよりも・・・・・遥かに怖いですね(汗汗)
静かに来る方が、怖いんですよね、実際……(汗)
とにかく、フィリシアをう〜〜んと怖くしようと思ってました。
できれば魔族モード全開のゼロスより怖くなるように。

>ゼロスさんが、たじろぐ程のすざましい怒りなのですね。
>獣王様は、フィリシアさんの御持ちのお力のことをご存知だったのですか。
8話で少し触れてますが、ある理由からフィリシアは特に自分の「持つ力」を
念入りに隠しています。ですから気づいてはいませんが「尋常じゃない力
を持っている人間だ」とは認識しています。ただ、あくまで「人間」として
の範囲です。
ゼロスに監視させているのは今のところは「念のため」です。

>凄い呪文です。
>とても綺麗な、魔族に滅びを運ぶ呪文ですね。
ありがとうございます。とにかくリナ達の時代でも使えれば、アメリアや
シルフィールが、好んで使いそうな「見た目が綺麗で威力のある」ものに
したかったので。

>マゼンダさんは、フィリシアさんの魔法を使えなくしようとしたのですね。
お得意のあれです。成功していても、フィリシアに通用するかどうかは疑問ですが。
ただ、その場合ゼロスに不審がられますね(笑)確実に。

>魔族の得意技、空間を渡っての攻撃と、それを魔力で剣を作る呪文で防ぐフィリシアさん。
>息詰まる攻防ですね。
魔族はやっぱり空間移動です(笑)

>マゼンダさん、人間をフィリシアさんを甘く見ていたのですね。
>剣の力も見た目で判断してしまって、手痛いダメージを負ってしまいましたね。
無理もないのですが、それが敗因になりますよね。何より、本来レイピアは
「突く」のが主体な剣で、護身用に使われるのが多い剣ですし。(あとは
フェンシング等の競技用)

>ゼロスさんの仰るとおりですね。
>しかし、ゼロスさんギャラリーに徹していますね。
一応……これも8話で理由が出てきます。ゼロスらしいと思っていただければ
良いのですが。

>ゼロスさんは、今自分が魔族だと気付かれたくないのですね。
それもありますが、もうひとつ理由が……ああ、怒られそうです。

>あれだけ激しい怒りを爆発させて戦っていたのですから、そう簡単に感情の切り替えは出来ないですよね。
さらにもうひとつ理由が……(汗)

>マゼンダさん、恥じも外聞もかなぐりふてて全力で逃げたのでしょうか。
ただ自力で、ではないです。

>あの、ゼロスさん、戦うの『今』で無ければ良いのですか。
獣王様から命令されれば、そうも言っていられないのでしょうが、
とりあえず、この時点では嫌だと思います(汗)

>マゼンダさん、人間にここまでボロボロにされてしまって、プライドズタズタでしょうね。
>ダメージの回復に、かなりの時間が掛かるのでしょうね。
かかりますね〜。ただ、降魔戦争終わった後、フィリシアの正体知ってからは
多少早いかも。「悔しいけど、相手が悪かった」という感じで(笑)

>あんなことをした魔族は許せない、けど。
>魔族相手とはいえ、本気で滅ぼそうとした、自分の心と行動。
>そして怒りのままに戦ってしまった。御自分の行動が腹立たしかったのですか?
何度も出てきたフレーズ。それと、もうひとつ理由が……(笑)
またフィリシア自身、自分でも収拾つかないくらい感情が混乱しています。

>ゼロスさんの正体を感づいているフィリシアさんは、今はゼロスさんの手を取ることは、したくないのですね。
>ゼロスさん、少しの間で良いですから、フィリシアさんをそっとしておいてあげてくれませんか。
それ以前に顔も見たくない状態ですね。返事している分、かなり抑えてますが。
理由は8話に……。

>残念ながらまだ「星界の紋章」を読んだことは無いのですが、今度読んでみます。
>そして、『アーヴの微笑』なんか怖いですね。
あれは、実際にやられたら怖いでしょうね。

>Fさん・・・・・・怖かったです(汗)
>でも、怒って当然のような気もします。
ありがとうございます。怒ったフィリシアを「怖い」と思っていただけたら
成功だと思ってました。

>面白かったです。
>フィリシアさんとマゼンダさんの戦い、堪能させて頂きました。
そう言っていただいて嬉しいです。7話は5〜6話の鬱状態の反動も
あってああなったと思います。現に7話で手間取ったのはアーヴ語翻訳だけでした。

>続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにしております。

>本気でインフルエンザが流行っているようですね。
>お体にお気を付けて、お元気で。
>では、失礼します。
本当に、ありがとうございました。
8話は本当に後日、のノリです。ただ、場面転換が無意味に激しいです。
猫楽者さんもお体にお気をつけてくださいませ。m(__)m

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24653Re:使えない呪文〜Mistletoe 3 7話(下)けーこ 2003/2/6 17:23:30
記事番号24647へのコメント

待ってましたよ、第7話!(上下まとめての感想とさせていただきます)

フィリシアさんが遺体を綺麗にしてくれるシーン、なんか目頭が緩んじゃいました。死化粧っていうのは実際ありますものね・・。魔獣であるとわかりながらも、母子の情を通わしていたんですから、フィリシアさんの優しさが染み入ります。
黒幕、というか仕掛け人がマゼンダさん(さん付けはいらないか・・)だったとは!やはり、というか性懲りもなく、いや、これは違いますな。原作の方が時代がずっと後だし(^^;)
母親が子供を慈しむ心を弄ぶたぁいい度胸だ、マゼンダ(私も怒ってます。)
たったそれだけの理由で、ポーラさんの悲しみ・怒り・絶望を倍増させちゃったわけですし。フィリシアさんの逆鱗に触れて当たり前です。とっとと滅んでしまいなさいっ!
しかしながら、さすがというか・・・フィリシアさんの力。か弱くは見えても・・ねぇ。ゼロスも手ぇ出せなくて当たり前でしょう。出せば自分の身が危ういのは目に見えてるわけですし(苦笑)しかしながら彼女の度量を見抜いたゼラス様はさすが!あの方は未来が見通せるのでしょうか(^^;)
フィリシアさんが、戦い終わった後に流した涙・・わかります・・でも、それでこそ人間だとも思うんです。

ゼロス・・フェリシアさんの感情(怒りや悲しみ)をご飯に出来る余裕とかあったんでしょうかねぇ・・畏れすぎて出来なかったかな?と要らぬ心配(笑)
マゼンダとゼロスの追っかけっこ、原作でありますけど、この時から、彼女はゼロスと関係する人間にかなり恐怖心持っていたりして(だからとっととリナの魔力を封じちゃったわけね、と妙に納得。をい・・)

いよいよ最終話になるのでしょうか?8話プラスエピローグかな?ゼロスと、彼の上司のお話も入るんですね?楽しみです♪(^^)
アーヴ語とか全くわからない為に呪文の組み合わせとか理解出来ないのが悲しい・・(わかれば、うっふっふ♪とほくそえむ事も出来たんでしょうねぇT_T)
星界の紋章は・・アニメでしか見てましぇン(^^;)原作本にも手ぇ出してみます。しかしながら・・マゼンダとフィリシアさんのバトル、迫力ありました!あぁ、映像で見たいぞっ!

短い拙い感想ですみません。8話を楽しみにしつつ・・ではでは。

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24662ありがとうございますエモーション E-mail 2003/2/7 00:48:13
記事番号24653へのコメント

こんばんは。

コメント、本当にありがとうございます。

>待ってましたよ、第7話!(上下まとめての感想とさせていただきます)
ありがたいお言葉を……(ほろほろ)

>フィリシアさんが遺体を綺麗にしてくれるシーン、なんか目頭が緩んじゃいました。死化粧っていうのは実際ありますものね・・。魔獣であるとわかりながらも、母子の情を通わしていたんですから、フィリシアさんの優しさが染み入ります。
これはもう、話が膨らんで、こういう展開になった時点で、絶対しなきゃ
いけないと思ってました。もうポーラにはこれ以上キツイ思いはさせられないです。

>黒幕、というか仕掛け人がマゼンダさん(さん付けはいらないか・・)だったとは!やはり、というか性懲りもなく、いや、これは違いますな。原作の方が時代がずっと後だし(^^;)
これ、どーしようかとずっと迷ってました。オリジナルの魔族にしようかと。
逃がさなきゃいけないので、結局マゼンダさんになりましたが。

>母親が子供を慈しむ心を弄ぶたぁいい度胸だ、マゼンダ(私も怒ってます。)
>たったそれだけの理由で、ポーラさんの悲しみ・怒り・絶望を倍増させちゃったわけですし。フィリシアさんの逆鱗に触れて当たり前です。とっとと滅んでしまいなさいっ!
本当に、この辺りは感情面切り離さないと書けないです。……あとで自己嫌悪に
浸りますが。ああ、こんな酷い話書いてる私って……(滝汗)
ついでにマゼンダとゼロスの「実験」についての台詞は、実験のためなら
本気で手段を選ばない、思考が理論の方にのみ傾いているマッドサイエンティスト
と言う感じで……。

>しかしながら、さすがというか・・・フィリシアさんの力。か弱くは見えても・・ねぇ。ゼロスも手ぇ出せなくて当たり前でしょう。出せば自分の身が危ういのは目に見えてるわけですし(苦笑)しかしながら彼女の度量を見抜いたゼラス様はさすが!あの方は未来が見通せるのでしょうか(^^;)
7話でゼロスがほとんど動かなかった理由は8話で分かります。
ゼラス様は今のところ「尋常じゃない」のは見抜いてますが、「正体」は
分かっていません。出身地のせいもあるかも……。

>フィリシアさんが、戦い終わった後に流した涙・・わかります・・でも、それでこそ人間だとも思うんです。
あれは……結構いろいろ混じってます。フィリシアもかなり感情が混乱して
いますので。

>ゼロス・・フェリシアさんの感情(怒りや悲しみ)をご飯に出来る余裕とかあったんでしょうかねぇ・・畏れすぎて出来なかったかな?と要らぬ心配(笑)
戦っている間のは無理です。理由は8話に。泣いてしまった後は食べてたかも(苦笑い)

>マゼンダとゼロスの追っかけっこ、原作でありますけど、この時から、彼女はゼロスと関係する人間にかなり恐怖心持っていたりして(だからとっととリナの魔力を封じちゃったわけね、と妙に納得。をい・・)
降魔戦争が終わってから、「正体」知って「相手が悪かった」と思っているかも(笑)
でも、ゼロスが関わる相手が、精神的にしろ能力的にしろ、並の人間なわけ
ないですよね(笑)

>いよいよ最終話になるのでしょうか?8話プラスエピローグかな?ゼロスと、彼の上司のお話も入るんですね?楽しみです♪(^^)
8話で終わりです。8話全体がエピローグみたいなノリですが。
ゼラス様とゼロスの会話は「主も悪よのう……」という感じですが(爆)
ただ、一時本気でこの場面は全部番外にしようかと思ってました。

>アーヴ語とか全くわからない為に呪文の組み合わせとか理解出来ないのが悲しい・・(わかれば、うっふっふ♪とほくそえむ事も出来たんでしょうねぇT_T)
本気で研究している方がみたら、怒りそうな翻訳ですよ、あれ(滝汗)
変化形がやっぱりイマイチよく分からない……。

>星界の紋章は・・アニメでしか見てましぇン(^^;)原作本にも手ぇ出してみます。しかしながら・・マゼンダとフィリシアさんのバトル、迫力ありました!あぁ、映像で見たいぞっ!
アニメは良くできてましたよ。ただ、放送回数のためにかなり詰め込み&
切り捨てになっている部分があるのがもったいないです。
また、「星界の戦旗」の方で性転換したキャラが(笑)原作で男性だったのが
アニメでは女性になってしまって。中性的なキャラですけどね。
バトルは5〜6話の反動だと思います。7話はアーヴ語以外手間取ってません(笑)

>短い拙い感想ですみません。8話を楽しみにしつつ・・ではでは。
ありがとうございました。
お体の方、とても大変な状態のようで……本当に無理をしないで
ご自愛くださいね。

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24654Re:使えない呪文〜Mistletoe 3 7話(下)D・S・ハイドラント 2003/2/6 20:17:29
記事番号24647へのコメント

こんばんは

黒幕は魔族さんでしたか・・・しかも原作であのゼロスにさっくりやられた方。
彼女を使ったのはザナッファーよりの連想でしょうか。
そーいやカンヅェルもゴキちゃんみたいな魔獣使ってましたっけ・・・。
まあ彼、外見少々怪しいしさすがに出しにくいでしょうけど(あの容貌でよくセイルーンに潜れたと思いながら読んでた4巻。)
でも魔族って安易に魔族以外に頼って良いのでしょうか・・・でも原作でもリナの力とか利用しようとしていましたし、TRYではよそものに滅ぼされるのが嫌とかゼロス言ってたようですし・・・。
って話ずれまくってますね。


フィリシアさんブチ切れモード!
中級魔族をあっさりと・・・やっぱり一方的なのがすっきりして良いですね。
この問題については完結でしょうか。

8話はどんな感じになるのでしょう。
終了も近いようですが4もあるのでしょうか?

後、長文最高記録・・・おめでとうございます。

ではこの辺りで・・・

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24663今後の記録更新はあるかなあ(笑)エモーション E-mail 2003/2/7 01:05:56
記事番号24654へのコメント

こんばんは。

コメントありがとうございます。

>黒幕は魔族さんでしたか・・・しかも原作であのゼロスにさっくりやられた方。
>彼女を使ったのはザナッファーよりの連想でしょうか。
単純にカンヅェルとのワンセットイメージからです。あと、ポーラさんが
カンヅェルに比べれば、警戒しなさそうだったので。
魔族が黒幕、というのは最初から決めてました。

>そーいやカンヅェルもゴキちゃんみたいな魔獣使ってましたっけ・・・。
>まあ彼、外見少々怪しいしさすがに出しにくいでしょうけど(あの容貌でよくセイルーンに潜れたと思いながら読んでた4巻。)
あれでカンヅェル=魔獣を使っている、というイメージが頭に……。

>でも魔族って安易に魔族以外に頼って良いのでしょうか・・・でも原作でもリナの力とか利用しようとしていましたし、TRYではよそものに滅ぼされるのが嫌とかゼロス言ってたようですし・・・。
>って話ずれまくってますね。
利用するのと頼るのは違うんでしょうね、多分。魔獣などは多分道具を使う
ようなノリなのでは?

>フィリシアさんブチ切れモード!
>中級魔族をあっさりと・・・やっぱり一方的なのがすっきりして良いですね。
>この問題については完結でしょうか。
フィリシアがキレるのは当初からの予定でした(笑)また、何だかんだ
言っても「強い」んですよね、「神の力」は伊達じゃないです。
ただ、本来の方向性とは違いますので、スィーフィード・ナイトの方が
彼女より強いです。キレなくても。
この問題については一応終わりです。

>8話はどんな感じになるのでしょう。
8話全体がエピローグみたいなノリです。ちょっと場面転換が煩いかも。

>終了も近いようですが4もあるのでしょうか?
さすがに時期はずれなので……。4は多分ないと思います。
下手すると甘々のお話に……(汗)

>後、長文最高記録・・・おめでとうございます。
喜んでいいのか……とりあえず、ありがとうございます(笑)

>ではこの辺りで・・・
ありがとうございました m(__)m
確か、今HP作っていらっしゃるんですよね。がんばってくださいね。

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24648黒幕さん!?猫楽者 E-mail 2003/2/6 00:44:15
記事番号24646へのコメント

>こんばんは。

こんばんは、エモーションさん。
お元気ですか、猫楽者です。

>では、読んでいただければ、幸いです。

続きですね♪、お待ちしておりました♪

> 『それは冷笑と呼ぶには凄惨すぎて、咲きほこる毒花にも似る。軽蔑と挑戦の
>綯いあわさった含笑。親愛の表現とは見誤りようもない破顔──敵たちはこれを
>〃アーヴの微笑〃と呼んで忌みきらっていた。』
>        ──引用文:森岡浩之.作 「星界の紋章」より──

敵が、微笑みながら攻撃してきたら
そして、その攻撃で味方が次々と倒されてしまったりしたら、たまりませんね。

> そっと、コルプトとポーラから離れて、フィリシアはゼロスの側に行く。
>そうして、口の中で呟いていた呪文を「子ども」にかけた。
>「……Ryumuc(リューム)……」
> 一瞬、白い光が「子ども」を包み、焼け焦げてぼろぼろだった身体が、
>──さすがに既に失われていた手は戻らなかったが──傷ひとつないものに
>変わる。
>「……修復の呪文? どうして、また」
>「せめて、きれいにして埋葬したいの。例えそれが植え付けられたものだとしても、
>この子はポーラさんの『子ども』だったのだから」

そうですね。せめて、きれいな姿で眠らせてあげたいですね。
ポーラさんは、本当にティルちゃんが帰ってきてくれた、と思っていたのですから。

>「……埋葬、ねぇ……」
>「葬儀とか弔いはね、本当は生きている人の……残された人のためにするものなの。
>区切りをつけるためにね。……あのままじゃ、あんまりでしょう?」

死んでしまったことを、自分自身に言い聞かせて
別れを、いつか自分が眠りにつくまでの、しばしの別れをする為に必要なのかもしれませんね。

> 「育てた『親』の影響を強く受ける」と、先程ゼロスは言っていたが、
>失った子どもを想うポーラの強い愛情が、魔獣にこんな形の影響を与えたのかも
>しれない。だから余計にポーラは子どもが、ティルが戻ってきたと信じたのだろう。
>かけられた暗示よりも、強い思いで。

もう二度と会えないと思っていた我子が、戻ってきてくれた。
ポーラさんは、どんなにか喜んで、愛情をそそいだことでしょう。

> 結局「ティル」は、コルプトの意見で、社の後に葬った。ポーラは悄然とした
>様子だったが、それでも状況を受け入れていた。さすがに、一言も口を
>きかなかったが。

ポーラさんは、二度も最愛の子供を亡くしてしまったのですね。
どうか、ポーラさんが、いつかまた笑える日が来てくれると良いですね。

>「……黒幕には上手く逃げられたと思っていたけれど……そうでもなかったわね」
>「……気づきましたか? さっきからこちらを窺っていますよ」
> 2人を先に帰したあと、冥福の言葉を終え、静かな口調で呟いたフィリシアに、
>ゼロスは小声でそう言葉を返す。気づかないなら言わないつもりだったが、
>気がついていたらしい。

ゼロスさんは、フィリシアさんが気付かなかったら、お一人で黒幕をどうにかするつもりだったのでしょうか。
黒幕は、事の次第をずっと見ていたのですね。

>「出ていらしたらどうです? もう、分かっていますから、こそこそ隠れていても
>無駄です」
> 振り向いて、フィリシアがそう言い放つと、少し離れた木の陰から姿を
>現したのは、見た目は二十歳前後、長く、鮮やかな紅い髪にゆったりとした
>白い服を着た、絶世の、でもただ冷たいだけの印象しか受けない美女。

ついに、一連の出来事を引き起こした黒幕の登場ですね。
女の方だったのですね。

>「ただの巫女の勘かもしれないけれど、よく気がついたと誉めてあげるわ、
>巫女のお嬢さん」
> 現れた美女に、にっこりと笑んでフィリシアは言葉を返した。
>「誉めていただかなくて結構ですわ。第一、勘に頼らなくても、あれだけ気配が
>していればすぐに気がつきます。本当に、今日はどうなさったのかしら。普段は
>きちんと気配を消して、上手に隠れておられたのでしょう?
> ……この間の私とゼロスの会話を、気づかれずに聞いていたくらいですもの」

フィリシアさん、すごく怒ってますね。
お言葉は、とても丁寧ですが・・・・怒りのオーラを漂わせて、容赦の無い台詞ですね。
穏やかな方が・・・・・一度怒ってしまうと怖いですね。

> 余裕のたっぷりの態度で冷笑して、紅い髪の美女が言う。
>「……言ってくれるわね。でも、むやみに人に言いがかりをつけない方が
>いいんじゃない?」
>「言いがかりとは言えませんでしょう? そうでもなければ、私にあの呪文
>が使えるなんて、ポーラさんに吹き込めませんもの。それに何の目的があった
>のかは、分かりませんけれど。
> そうでしょう? 魔獣の飼い主の魔族さん」

魔族。魔族が原因だったのですか。
ゼロスさんがいらっしゃるのに、無茶なことをしますね。
下手したらゼロスさんに、滅ぼされてしまうのではないでしょうか。

> 魔族だと気づかれたのが意外だったのか、紅い髪の魔族は笑いを収めて目
>を細める。
>「ほう……てっきり多少呪文が使えて魔力許容量が大きいだけの、情に流され
>やすいお人好しな小娘だと思っていたけれど……。
> 正体を見抜いたご褒美に教えてあげる。あなたが本当にあの呪文を使えるか
>どうかなんて、どうでもよかったわ、私にはね。ただ、魔獣の怪我でパニック状態
>だったあのポーラって女に呪文のことを教えてあげただけよ。
> 嘘はついていないでしょう? 呪文を使えばあの女の子どもが甦るのも、
>あなたが呪文のことを『具体的に知っている』のも事実だもの。私が言ったのは
>『使えるけれど使わないだけだろう』っていう予測で、『確実に使える』とは
>一言も言っていないんだから。
> あの女が勝手に好きなように思いこんだだけなのに、私が責められる筋合いは
>ないわね」

魔族さん。あなたは魔族なんか辞めて詐欺師にでもなったら如何ですか。
そういうことをする人をね、人間はね、ひとでなし、と言うのですよ。
あ、そうか。失礼しました。
あなたは元々、人ではなかったですね。

>「……でも、私があなたを嫌いだと思う理由が、ひとつ増えましたわ」
> それは確かに事実なのだろう。だが、魔獣を自分の子どもだと信じきっていた
>ポーラには、予測も事実も関係なく、話を聞けば、それが藁に縋るようなものだと
>しても、なりふり構わず飛びつくと、この魔族には分かっていたはずだ。
>どこまでも母親としてのポーラの気持ちを、この魔族は弄んでいる……。

ポーラさんが、悩んで苦しむ姿。
そして、村の方々が魔獣の襲撃に怯える姿を、見て楽しんでいたのでしょうね。
魔族には、この黒幕には、ポーラさんとフィリシアさんのお気持ちは理解出来ないのでしょうか。

>「実験、よ。ただの。少しは自分で考えて動ける、使い勝手のいい魔獣が
>ほしくてね。だから人間を『育ての親』にしてみようと思ったの。そうしたら、
>運良く簡単に卵を受け入れそうな女がいた、ってわけ。
> さすがに人間を『親』にするのは例がないから、どうなるかと思ったけど
>……せっかくの魔獣をあんな出来損ないにしてくれて、とんだ期待はずれ
>だったわ。だから、もしあいつの餌にならなくても、他の魔獣の餌にして
>やろうと思ってた。けど、最後に最高の素材を上手く誘きだしてくれたから、
>生命だけは見逃してあげることにしたわ」

実験。そうですか、マゼンダさんにとっては、ただの実験でしたか。
どうやらマゼンダさんと人間とでは、心とか感情と呼ばれているものの、あり方が違うようですね。
滅びを望む者と、在り続けようとする者。
お互いの存在を理解するのは、難しそうですね。

>「……最高の素材……?」
> 意味が分からず、思わずそう呟いたフィリシアに、ゼロスがため息をついて言う。
>「貴女のことですよ、フィリシアさん。こちらはね、貴女をさっきの魔獣の
>餌か、ポーラさんの次に『実験』に使おうと思っていたんですよ。
> どうしてわざわざあの呪文の話をポーラさんにしたのか、理由が分かった
>でしょう?」
>「……私を誘きだすために、ポーラさんの気持ちを利用したのね」
> フィリシアの中で、またひとつ、この魔族を嫌う理由が増える。心が、怒りで
>埋め尽くされていく……。

魔獣がフィリシアさんを襲おうとしたのは、マゼンダさんの命令だったのですか。
マゼンダさんは、フィリシアさんの魔力の大きさと知識に目をつけたのでしょうか。
このままではフィリシアさんが、本気でプッンと、切れてしまいそうですね。

>「でも、フィリシアさんを次の『実験』に使うのは、お薦めしませんよ」
> フィリシアの様子を余所に、ゼロスはさらりと事もなげに言う。
>「今回の結果をきちんと御覧になったらどうです? 人間は、どうやらあの手の
>魔獣の『親』には向かないとしか思えませんよ。ポーラさんぐらいの影響で、
>あんな人とも魔獣ともつかない、中途半端なものに成り下がっているじゃ
>ないですか。あの様子では、あなたの言うことを聞かないこともあったのでしょう? 
> フィリシアさんでは、さらに手に負えなくなるだけです。確信を持って
>言えますよ」
> ゼロスの言葉に、マゼンダは不愉快そうな顔で考え込む。図星をついて
>いるのか、反論もしない。と、

ポーラさんは、魔獣を心から大切にして本当の子供として接していたのですね。
人間と魔獣。種族の違いを超えて、情を通わせていたのでしょうか。

ゼロスさん・・・・・貴方も魔族なのですね。
実験の結果を冷静に分析していますが、ゼロスさんはフィリシアさんに危害を加えようとした
マゼンダさんを、どうにかする気は無いのですね。

>「……赦さない……」
> ぽつり、とフィリシアがそう呟く。同時に一気に感じる、強い、「怒り」の感情……。
>「……赦さない? 何を? あの女に魔獣の卵を渡したことかしら? それとも、
>あなたを次に使おうとしたことかしらね?」
> フィリシアの言葉と様子に、マゼンダは冷笑する。マゼンダからすれば、
>ポーラに対するフィリシアの感情など、お笑いぐさでしかない。どうやら
>ゼロスが敵に回ることはないようなので、それなら、憂さ晴らしにこの娘で
>遊んでやる。そう思った。

ポーラさんの親としての気持ちを踏みにじったことにさえも、マゼンダさんは気付いていないのでしょうか。
そけとも、フィリシアさんの怒りを煽る為に、挑発しているのでしょうか。

何故、ゼロスさんは動かないのでしょうか。

>「それとも……あの女の子どもに対する感情を煽ったことかしらね。ふん、
>ばかばかしい。私が何かしなくても、あの女は子どもに対する未練でいっぱい
>だったわよ。笑えるくらいにね。だから、あれを本気で自分の子どもだと
>信じこんでいる姿なんて、見ていて本当に滑稽だったわ。自分が『子ども』だと
>思えれば、魔獣だろうが何だろうが気にしないなんてね。
> そういえば、さっきの負の感情……あの絶望や憎しみはなかなかのものだったわ。
>自分でも感情を持て余して、無駄に苦しんでいるのもね。いっそのこと、気が
>狂ってしまえば、楽だったでしょうに」

あなた方、魔族には、親が子供をどんなにか大切に思っているか、なんてことは
解らないのでしょうね。
人の心を傷つけ、嘲笑う。マゼンダさん、貴方という方は・・・・・・。

> 心底楽しそうにそう言って笑うマゼンダを、フィリシアはじっと見据えながら、
>くすりと笑んで、言う。
>「……言いたいことは、それだけですか? 
> 私が赦さないのは、ポーラさんの思いを嘲笑うあなたが、この世界に存在
>していることです」
> フィリシアの笑みが、変わる。普段の彼女からは想像もできない、一切妥協を
>許さない冷たい厳しさと、得体の知れない凄みを赤紫色の瞳に浮かべた、
>とてつもない畏怖を与える、凄惨で強烈な、だが、どこまでも見る者を
>惹きつけてやまない、極上の笑みに……。
>「……私は、あなたをけして赦しません……」
> 最も敵意に満ちた瞳と、恐ろしく危険で魅力的な微笑をした娘は、静かに
>そう告げた。

ついに・・・・フィリシアさん・・・・・・切れてしまったのですね(汗)
微笑みながら、とても丁寧な口調で・・・・・・それだけに・・・・静かに燃えている・・・・。
怒りが・・・・怒鳴りつけたり、逆上しているよりも・・・・・遥かに怖いですね(汗汗)

>では、(下)に続きます……。ツリー大丈夫かな……。

人間をなめまくってるマゼンダさんと、深〜く静かに怒りの炎を燃やしているフィリシアさんの戦い。
どうなってしまうのでしょうか。
ゼロスさんも、フィリシアさんと共にマゼンダさんを攻撃してくれると良いのですが。

このままマゼンダさんに、フィリシアさんが傷付けられてしまっては
ゼロスさんの『お仕事』にも支障が出るのではないでしょうか。

続きが、続きが、とても気になります。
続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしております。
ここまで書かせて頂いて、上に新しいツリーを発見致しました。
今から続きを読ませて頂きます。

寒さが厳しくなってまいりました。
悪質な風邪も流行っているようですので、お体にお気を付けて、お元気で。
では、失礼します。

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24697使えない呪文〜Mistletoe 3 8話(上)エモーション E-mail 2003/2/9 00:44:42
記事番号24646へのコメント

こんばんは。
やっと推敲終了しました。8話(上)です。
8話は全体がエピローグのノリになっています。エピローグにしなかったのは
文章量が多すぎだから……(笑)これでもいくつかカットしてます(爆)
また、8話は場面がちまちまと転換していきます。
一応補足としてはゼラス様&ゼロスの会話が7話の翌日の夜、それ以外の場面は
3日ほど経っています。
では、読んでいただければ幸いです。

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

 「使えない呪文〜Mistletoe 3」 8話(上)

  『中佐とのご関係は?』
  『……………………のっぴきならない関係です』
           ──引用文:遠藤淑子.作 「ヘヴン」より──

8. 
 闇の中、どことなく武人のような印象のある金髪の女性の前に、闇色の神官は
静かに現れてひざまずいた。心から、恭しく。
「来たか。昨日、定時の報告を受けたばかりなのにすまないな」
「いえ。しかし、急なお呼び出し。何か問題でも……?」
 いささか、緊張したように訊ねる部下に、彼女、獣王ゼラス=メタリオムは
軽く笑んで言う。
「実を言うと、たいしたことではない。ただ、ガーヴの方から妙なクレームが
来てな。最初は何かと思ったのだが、どうやら昨日の報告から戻った後のこと
らしい。お前が調べてたコルフィルとかいう魔獣のことも言っていたから、
それで……と言うことだ」
「ああ……そういえば、マゼンダさんは魔竜王様の配下でしたね。あのことで
クレームをつけられるのは、私としては心外ですが……あちらはどこか、
体育会系のノリがありますからねぇ……。
 それはともかく、獣王様にはご迷惑をおかけいたしましたようで、申し訳
ありません」
 言葉の後半をとくに念入りに主張して、ゼロスは静かに頭を下げる。理由は
どうあれ、自分のことで、心底尊敬し仕える主の手を煩わせたのだ。いくら
頭を下げても足りない。
「気にする必要はない。詳しいことが分からないからと、適当にあしらって
おいた。どうやらお前の仕事と変にかち合ったようだし、ガーヴもそれほど
大事にする気はなさそうだからな。
 だが、それでも説明ぐらいは要るからな。詳細を早めに聞いておきたいと
思った。それだけのことだ」
「はい、昨日のご報告のあと……」

 ゼロスの報告を聞いて、ゼラスはふっと笑んで言った。
「……なるほど。要するに、お前はどちらかが危なくなったら手助けをする
とだけ決めて、基本的に不介入の立場を取った、ということだな」
「ええ。でも、あちらはそれがご不満だったようですね」
 くすり、と人の悪い笑みを浮かべてゼロスは答える。あの状況では、どちらの
味方もするわけにいかないので、立場を壊さずにすむ方法を取った。それだけ
のこと。第一、マゼンダを逃がすために、さすがに全く無傷というわけには
いかず、封魔崩滅(カオティック・ディスティングレイト)で結構なダメージを
受けたのだから、文句を言われるのは、本当に心外だ。
「さて、あちらに説明する建前はそこまででよい。本音を聞かせてもらおうか。
 お前、わざとギリギリまで黙って見ていたな。マゼンダとかいう奴が負けるのを
承知で」
 何もかもお見通し、と言った様子で訊ねる上司に、ゼロスは苦笑するしかない。
「獣王様には、本当にかないません。ええ、仰るとおりです。フィリシアさんは
とても怒っていましたから。矛先が向くのは、怒らせた当人だけで充分です。
それに、マゼンダさんは私が報告に行っている間を狙って、フィリシアさんに
ちょっかいをかけたんです。そんな姑息なマネをする方に、手を貸す気は
ありませんよ」
 しれっとした調子でそう言うと、ゼロスは不意に目を開けて、くすりと笑う。
「……さらに言えば、見てみたかった、というのもあります」
「ほう……何をだ?」
「フィリシアさんは……とても綺麗な方なんですよ、本当に」
 興味深そうに訊ねたゼラスに、ゼロスはまるで関係のなさそうなことを
言い出す。
「人間の古い伝承童謡にあるみたいに、世の中の綺麗なものを集めてできて
いるような……本当にそんな感じの人なんです。近くで見ていると、どうしたら
こんな人間になるのかって、そう思いますよ。育った環境のせいだけではない
みたいですしね。
 だから……見てみたかったんです。そんなフィリシアさんが、これ以上ないほど、
怒りや憎しみといった負の感情に囚われたら、どうなってしまうのか……」

    ◆◇◆◇◆◇◆

 雪が降らないだけで、雲がかかった天気が続いていたが、今日は久々に青空が
見える。乗せてもらった町へ行く馬車の荷台から見える景色は、太陽の光が
反射して、積もった雪の白さが痛いほど眩しい。
 正直、村人たちが素直にフィリシアを村から出してくれるかどうか疑問だったが、
フィリシア曰く、「きちんとお話しして、納得していただいた」らしい。何を
どう説得したのかゼロスには不思議だが、こういった事には、それなりに
慣れているらしい。
 あのあと、フィリシアは食事もとらず、丸一日、部屋から出てこなかった。
翌日からは普通に振る舞っているが、「心ここにあらず」といった調子で、
何か考え込んでいることが多い。特に2人でいるときはそれが顕著だ。何度か
呼ばないと返事が返ってこないし、こちらの話も聞いていない。──今も、そう。
「……ごめんなさい、聞いてなかったわ。……何?」
 笑って見せているが……初めの頃はともかく、今はもう分かる。
「……無理に笑わなくてもいいですよ。僕は貴女に何かを相談しに来た人達じゃ
ありませんから。どうしたのかって、聞いたんです。あれからずっと、落ち
込んでいるでしょう?」
 その言葉に、フィリシアは少し複雑な気持ちでゼロスを見る。この神官は
原因の三分の一ほどが、自分にあるとは思ってもいないだろうし、そうと知った
ところで気にもしないだろう。ただ、いつものように、にっこりと笑うだけだ。
分かっているから、それは言わない。……その必要もないから。
 視線を前の風景に移して、言う。
「ええ……。結局、私はポーラさんに、何もできなかったって、そう思うもの。
魔獣を倒したのも、ポーラさんを助けたのも、あなただわ。私は……ただ、
悲しい思いをさせただけ……。
 それに……怖くなるから……あの時のことを思い出すと……」
「……怖い? 何が、怖かったんですか?」
 ゼロスはそう訊ねつつも、それは無理もないと思っていた。あの時、ポーラが
フィリシアに向けた感情は、どれも強烈なものだ。見るからに神殿育ちの
純粋培養種だと分かるフィリシアには、ほとんど無縁のものだろうし、当然、
他人から悪意を向けられたこともないだろう。怖いと感じてもおかしくはない。
が、返ってきたのは意外な言葉だった。
「……自分が……」
 さすがに呆気に取られているゼロスを、フィリシアは静かな面持ちで見つめて、
続ける。
「……あの時、絶対にあの魔族を倒す……滅ぼすって思っていたわ。絶対に
赦せなかったし、それは……今でもそう。私はあの魔族は嫌いだし、絶対に
赦さない。……逃げられたことは……凄く、悔しい……。でも……」
 話していて、少し伏し目がちになる。どうしても気分が沈んでしまう。
「自分が何を考えて、何をしていたのかはちゃんと分かっているの。でも、
あの時の自分は凄く嫌……。『この魔族を滅ぼす』って、それだけしか頭になくて
……自分でも自分が抑えられなくて……自分が自分じゃなくなっていたみたいで……
それが……凄く、怖い……」
 自分の中に、あれほど激しい感情があるなんて、知らなかった。
 さらに自分の意思すら無視したような、激しく容赦のない拒絶と否定の意思に、
フィリシアは自分でもゾッとしたのだ。
 今まで、フィリシアは誰かを「あまり好きではない、好きにはなれない」と思ったり、
「こういう行動をするのが嫌だ」と思うことはあっても、明確に「嫌いだ」
と思ったことがない。そう思うことはできなかったし、逆に神殿や街の子たちが、
気軽に誰かを「嫌いだ」と思ったり言えたりする感覚の方が、全く理解できない
ものだった。
 何故、気軽に「嫌いだ」と思えるのか、フィリシアはいつも不思議で仕方
がなかったのだ。
 そんなフィリシアは、周囲から大抵「いい子ぶっている」と言われたし、
彼女の持つ事情を知られれば「やっぱり『特別』だから違うのだ」と言われた。
真っ向から精神異常扱いされたこともある。自分でも、どこかおかしいのかも
しれないと思っていたが、ゾッとすると同時に、その理由がやっと分かった
気がした。
 ……「嫌いだ」と思ったら、私はその相手に何をするか、自分でも分からない。
 自分でも、うすうす知っていたのだ、きっと。フィリシアにとって「嫌い」
というのは「存在の全面否定」と同義語なのだと。だから、誰かを「嫌う」ことに
必ずストップがかかった。多分、そういうこと。
 だから、怖い。自分の中の、激しく容赦のない部分。抑えきれない自分が──。

    ◆◇◆◇◆◇◆

「……で、その結果、どうなったのだ?」
 そう訊ねるゼラスに、ゼロスは静かな面持ちで答える。
「怖い──ですね。本当に、そう思いました」
「お前にそう思わせたのか?! それは……とんでもない娘だな」
 軽い気持ちとは違う言葉の響きに、さすがにゼラスは目を丸くする。
ダルフィンなどには「親ばか」呼ばわりされるが、客観的に見てもゼロスは
かなり出来の良い方だと思う。……出来が良すぎて、仕事の上手な手抜きの
仕方まで身につけているくらいだが。そのゼロスに冗談抜きで「怖い」と
言わせたのだから、相当なものだろう。
「ええ、本当に。まさか、精神面が純化してしまうとは思いませんでしたから。
 昨日のフィリシアさんの精神状態は、恐ろしいほど純化していました。
マゼンダさんに対して見せていたのは『けして赦さない』と言う純化した『怒り』からの、
『完全な存在の否定と拒絶』、ただそれだけです。通常なら付随するはずの
『憎しみ』などの感情は、欠けらもありませんでした」
「……確かに、それは『怖い』な」
 軽く息をついて、ゼラスはそう呟く。例え、自分に向けられたものでなくても、
「完全な存在の否定と拒絶」を、純化した意思で見せられたら、怖いと感じるのは
無理もない。当然のことだ。
 純化したものが異質と判断したものに対して行うのは、強く激しい完全な
否定と拒絶のみ。
 それはプラスとマイナス、どちらの側も同じだ。これ以上ないほど純化したものは、
異質と判断したものをけして受け入れない。「許す」ことも「認める」ことも
けしてなく、本来、そうできるようになっていないのだ。
 そう言った意味では、どこかで折り合いを付け、妥協しようと思えばできる
自分たち魔族と神族は、この世界のどの種族よりも、より「純粋」に近いだけ
でしかない。

    ◆◇◆◇◆◇◆

「……自覚しているのでしたら、大丈夫でしょう」
 静かな口調でゼロスはそう言った。
「前から思っていましたけど、フィリシアさんは今まで、ほとんど誰かを
嫌ったりしたことがなかったのでしょう? それなのに、今回は慣れていない
そういう感情の段階を、一気に突き抜けてしまった。だから自分でも驚いて、
怖くなったんですよ」
 泣き出す一歩手前、そんな面持ちのフィリシアに、ゼロスはくすりと笑む。
「でも、自覚しているのであれば、次にまた同じような事があったとしても、
今回よりはマシだと思いますよ。絶対、とは言いませんけどね」
 ……あの時、私はこの人も滅ぼそうと思った……。
 言葉に出さず、フィリシアは胸の内でそう呟く。封魔崩滅を使ったとき、
ゼロスがマゼンダを助けたことに気がついていた。それが許せなくてゼロスを
滅ぼそうとする自分を、その事にショックを受けて、でもそれを望まない
自分が止めた。
 ──フィリシア=ハート! それがとてつもなく馬鹿なことだって、分かってる?!
 フィリシアの中でそう叫ぶ、誰かの言葉を、無理やりねじ伏せて……。
 止められて良かったと思うのは、確かに甘いを通り越して馬鹿なのかもしれない。
フィリシアと違って、ゼロスは命令されれば、フィリシアを殺すくらい全く
躊躇わずに実行する。「正体」を知られれば、きっとそうなるだろう。今、
一緒にいても特に危害を受けずにいるのは、気づかれていないのと、単に
ゼロスがそういった種類の命令を受けていないからでしかない。
 それを分かっていて、でも、そう思ってしまうのだから、確かに馬鹿なこと──。
 隣にいる神官が、本来は相容れない存在なのだと分かっている。基本的に
信頼できるような相手ではないことも。それは、改めて思い知らされたばかり。
仕方のないことだと思っているのに、少なからずショックを受けたのは、自分が
甘かったからでしかない。
 それなのに、気がつくとこんな風に心の内をあっさりと話してしまう自分がいる。
神殿にいた時のフィリシアにはなかったことだ。それが自分でも不思議だった。
信頼という点では目の前にいる相手よりも、ガーティやダグラスやキャロル
たちの方を、ずっと信頼しているのに。
 もっとも、単に枕やぬいぐるみに話しかけているようなものかもしれない。
ただ、枕やぬいぐるみと違うのは、ちゃんと答が返ってくることだ。それは
時々、優しいから残酷だ。

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

X.場面が無意味に転換する8話(上)でした。このノリで後半に続きます。
F.申し訳ありませんが、時間がありませんので8話(下)は、明日……
  というより日付変わってますから今日ですね。9日の夜にUPいたします。
X.では、今日はこれで失礼します。

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24698ゼロスさん♪そういう訳でしたか。猫楽者 E-mail 2003/2/9 03:27:27
記事番号24697へのコメント

>こんばんは。

こんばんは、エモーションさん。
お元気ですか、猫楽者です。

続きですね♪、お待ちしておりました♪

>  『中佐とのご関係は?』
>  『……………………のっぴきならない関係です』
>           ──引用文:遠藤淑子.作 「ヘヴン」より──

なんだか物凄く気になる台詞ですね。
思わず、ネット検索しちゃいました(笑)
とても面白そうなお話ですね、本を買って読んでみますね。
花と●のコミックは、パタリ●以来買っていませんでしたから久しぶりに買います。

>「実を言うと、たいしたことではない。ただ、ガーヴの方から妙なクレームが
>来てな。最初は何かと思ったのだが、どうやら昨日の報告から戻った後のこと
>らしい。お前が調べてたコルフィルとかいう魔獣のことも言っていたから、
>それで……と言うことだ」
>「ああ……そういえば、マゼンダさんは魔竜王様の配下でしたね。あのことで
>クレームをつけられるのは、私としては心外ですが……あちらはどこか、
>体育会系のノリがありますからねぇ……。
> それはともかく、獣王様にはご迷惑をおかけいたしましたようで、申し訳
>ありません」

ガーヴ様、ゼラス様の所に怒鳴り込んできたのでしょうか(汗)
ガーヴ様は、なかなか気性の激しい方のようですから、大事にならなければ良いですね。

体育会系のノリ・・・魔竜王軍・・・って、先輩のシゴキとか、教育という名のいじめがあったりするのでしょうか(笑)

>「気にする必要はない。詳しいことが分からないからと、適当にあしらって
>おいた。どうやらお前の仕事と変にかち合ったようだし、ガーヴもそれほど
>大事にする気はなさそうだからな。
> だが、それでも説明ぐらいは要るからな。詳細を早めに聞いておきたいと
>思った。それだけのことだ」

流石は、ガーヴ様と付き合いの長いゼラス様。
ガーヴ様の扱い方も、手馴れたものなのですね。
ガーヴ様も、一応文句を言ってみただけなのでしょうか。

> ゼロスの報告を聞いて、ゼラスはふっと笑んで言った。
>「……なるほど。要するに、お前はどちらかが危なくなったら手助けをする
>とだけ決めて、基本的に不介入の立場を取った、ということだな」
>「ええ。でも、あちらはそれがご不満だったようですね」
> くすり、と人の悪い笑みを浮かべてゼロスは答える。あの状況では、どちらの
>味方もするわけにいかないので、立場を壊さずにすむ方法を取った。それだけ
>のこと。第一、マゼンダを逃がすために、さすがに全く無傷というわけには
>いかず、封魔崩滅(カオティック・ディスティングレイト)で結構なダメージを
>受けたのだから、文句を言われるのは、本当に心外だ。

ここでフィリシアさんが倒れてしまっては、『監視』するというゼロスさんのお仕事に支障が出ますし
マゼンダさんが滅ぼされてしまったら、傍観していたゼロスさんのことを
ガーヴ様に知られてしまったら、ゼラス様に御迷惑がかかってしまう。
なるほど、ゼロスさんの立場としては最善の行動を取ったのですね。

>「さて、あちらに説明する建前はそこまででよい。本音を聞かせてもらおうか。
> お前、わざとギリギリまで黙って見ていたな。マゼンダとかいう奴が負けるのを
>承知で」
> 何もかもお見通し、と言った様子で訊ねる上司に、ゼロスは苦笑するしかない。
>「獣王様には、本当にかないません。ええ、仰るとおりです。フィリシアさんは
>とても怒っていましたから。矛先が向くのは、怒らせた当人だけで充分です。
>それに、マゼンダさんは私が報告に行っている間を狙って、フィリシアさんに
>ちょっかいをかけたんです。そんな姑息なマネをする方に、手を貸す気は
>ありませんよ」

自分が『仕事』で係わっていたフィリシアさんに手出しされるだけでも面白くないのに
ゼロスさんの留守を狙って、というのが気に入らなかったのですね。
マゼンダさんではフィリシアさんに敵わないことを、ゼロスさんは分かっていたのですね。
そして、下手に手を出せばゼロスさんにも怒りの矛先が向けられる、ということも。

> しれっとした調子でそう言うと、ゼロスは不意に目を開けて、くすりと笑う。
>「……さらに言えば、見てみたかった、というのもあります」
>「ほう……何をだ?」
>「フィリシアさんは……とても綺麗な方なんですよ、本当に」
> 興味深そうに訊ねたゼラスに、ゼロスはまるで関係のなさそうなことを
>言い出す。
>「人間の古い伝承童謡にあるみたいに、世の中の綺麗なものを集めてできて
>いるような……本当にそんな感じの人なんです。近くで見ていると、どうしたら
>こんな人間になるのかって、そう思いますよ。育った環境のせいだけではない
>みたいですしね。
> だから……見てみたかったんです。そんなフィリシアさんが、これ以上ないほど、
>怒りや憎しみといった負の感情に囚われたら、どうなってしまうのか……」

綺麗な人。
純粋培養とか、穢れを知らない、ということでしょうか。
世の中の良いことを集めた。
善意のかたまりで、悪意、害意、ましてや誰かを傷付けたり殺したりというマイナスの感情が感じられない、ということでしょうか。
永い年月を過ごしてこられたゼロスさんが、見てみたいと思うほどの方だったのですね。

>「……ごめんなさい、聞いてなかったわ。……何?」
> 笑って見せているが……初めの頃はともかく、今はもう分かる。
>「……無理に笑わなくてもいいですよ。僕は貴女に何かを相談しに来た人達じゃ
>ありませんから。どうしたのかって、聞いたんです。あれからずっと、落ち
>込んでいるでしょう?」
> その言葉に、フィリシアは少し複雑な気持ちでゼロスを見る。この神官は
>原因の三分の一ほどが、自分にあるとは思ってもいないだろうし、そうと知った
>ところで気にもしないだろう。ただ、いつものように、にっこりと笑うだけだ。
>分かっているから、それは言わない。……その必要もないから。

ゼロスさんは、『お仕事』でフィリシアさんのそばにいますから
何があっても、フィリシアさんが攻撃して来ない限り、ずっと一緒にいるのではないでしょうか。
まだ御自分が、『魔族』だと気付かれたとは思っていないようですし。

> 視線を前の風景に移して、言う。
>「ええ……。結局、私はポーラさんに、何もできなかったって、そう思うもの。
>魔獣を倒したのも、ポーラさんを助けたのも、あなただわ。私は……ただ、
>悲しい思いをさせただけ……。
> それに……怖くなるから……あの時のことを思い出すと……」
>「……怖い? 何が、怖かったんですか?」
> ゼロスはそう訊ねつつも、それは無理もないと思っていた。あの時、ポーラが
>フィリシアに向けた感情は、どれも強烈なものだ。見るからに神殿育ちの
>純粋培養種だと分かるフィリシアには、ほとんど無縁のものだろうし、当然、
>他人から悪意を向けられたこともないだろう。怖いと感じてもおかしくはない。

フィリシアさん、それは違うと思います。
魔獣を倒し、泣き叫ぶポーラさんを一括したのは、確かにゼロスさんです。
でも、それでもポーラさんの悲しみ、怒りを叩きつける相手、フィリシアさんが居てくれたからこそ
ポーラさんは、ギリギリの所で踏み止まれたのだと思います。
ゼロスさんは、ポーラさんがフィリシアさんに向けた感情を、どう感じたのでしょうね。
怖いと思ったのでしょうか、それとも理解は出来ないけど興味深いですね、と思ったのでしょうか。

>が、返ってきたのは意外な言葉だった。
>「……自分が……」
> さすがに呆気に取られているゼロスを、フィリシアは静かな面持ちで見つめて、
>続ける。
>「……あの時、絶対にあの魔族を倒す……滅ぼすって思っていたわ。絶対に
>赦せなかったし、それは……今でもそう。私はあの魔族は嫌いだし、絶対に
>赦さない。……逃げられたことは……凄く、悔しい……。でも……」
> 話していて、少し伏し目がちになる。どうしても気分が沈んでしまう。
>「自分が何を考えて、何をしていたのかはちゃんと分かっているの。でも、
>あの時の自分は凄く嫌……。『この魔族を滅ぼす』って、それだけしか頭になくて
>……自分でも自分が抑えられなくて……自分が自分じゃなくなっていたみたいで……
>それが……凄く、怖い……」
> 自分の中に、あれほど激しい感情があるなんて、知らなかった。
> さらに自分の意思すら無視したような、激しく容赦のない拒絶と否定の意思に、
>フィリシアは自分でもゾッとしたのだ。

フィリシアさんは優しいのですね。
自分の大切な家族や友人に害を成す者には、人は幾らでも残酷で冷酷になれてしまうのだと思います。
怒りに我を忘れて、行動してしまう。
フィリシアさんには、そんな経験は今までは無かったのですね。

> 今まで、フィリシアは誰かを「あまり好きではない、好きにはなれない」と思ったり、
>「こういう行動をするのが嫌だ」と思うことはあっても、明確に「嫌いだ」
>と思ったことがない。そう思うことはできなかったし、逆に神殿や街の子たちが、
>気軽に誰かを「嫌いだ」と思ったり言えたりする感覚の方が、全く理解できない
>ものだった。
> 何故、気軽に「嫌いだ」と思えるのか、フィリシアはいつも不思議で仕方
>がなかったのだ。
> そんなフィリシアは、周囲から大抵「いい子ぶっている」と言われたし、
>彼女の持つ事情を知られれば「やっぱり『特別』だから違うのだ」と言われた。
>真っ向から精神異常扱いされたこともある。自分でも、どこかおかしいのかも
>しれないと思っていたが、ゾッとすると同時に、その理由がやっと分かった
>気がした。
> ……「嫌いだ」と思ったら、私はその相手に何をするか、自分でも分からない。
> 自分でも、うすうす知っていたのだ、きっと。フィリシアにとって「嫌い」
>というのは「存在の全面否定」と同義語なのだと。だから、誰かを「嫌う」ことに
>必ずストップがかかった。多分、そういうこと。
> だから、怖い。自分の中の、激しく容赦のない部分。抑えきれない自分が──。

フィリシアさんの中では、『嫌い』=『存在していてはいけない』と、なってしまっているのでしょうか。
人は誰かを殺したいほど憎んでも、実際に行動に移すには、相当の勇気というか・・・・・。
プッンと何か吹っ切れないと、とても出来ないと思うのですが
心の中で憎んで、なるべく憎い相手とは係わらない様にする、そうしているうちに
自分の感情も、ある程度コントロール出来るようになるのではないでしょうか。
フィリシアさんの今までの暮らしの中では、そういう行動をする機会がなかったのですね。

>「……で、その結果、どうなったのだ?」
> そう訊ねるゼラスに、ゼロスは静かな面持ちで答える。
>「怖い──ですね。本当に、そう思いました」
>「お前にそう思わせたのか?! それは……とんでもない娘だな」
> 軽い気持ちとは違う言葉の響きに、さすがにゼラスは目を丸くする。
>ダルフィンなどには「親ばか」呼ばわりされるが、客観的に見てもゼロスは
>かなり出来の良い方だと思う。……出来が良すぎて、仕事の上手な手抜きの
>仕方まで身につけているくらいだが。そのゼロスに冗談抜きで「怖い」と
>言わせたのだから、相当なものだろう。

魔王様と腹心の方々を除けは、並ぶもの無き力の持ち主である獣神官が『怖い』・・・(汗)
この世界の魔族で7番目に強いゼロスさんに、あっさりとこう言わせるとは
フィリシアさん・・・・・本当に怒らせない方が・・・・良いようですね(冷汗)

>「ええ、本当に。まさか、精神面が純化してしまうとは思いませんでしたから。
> 昨日のフィリシアさんの精神状態は、恐ろしいほど純化していました。
>マゼンダさんに対して見せていたのは『けして赦さない』と言う純化した『怒り』からの、
>『完全な存在の否定と拒絶』、ただそれだけです。通常なら付随するはずの
>『憎しみ』などの感情は、欠けらもありませんでした」
>「……確かに、それは『怖い』な」
> 軽く息をついて、ゼラスはそう呟く。例え、自分に向けられたものでなくても、
>「完全な存在の否定と拒絶」を、純化した意思で見せられたら、怖いと感じるのは
>無理もない。当然のことだ。
> 純化したものが異質と判断したものに対して行うのは、強く激しい完全な
>否定と拒絶のみ。
> それはプラスとマイナス、どちらの側も同じだ。これ以上ないほど純化したものは、
>異質と判断したものをけして受け入れない。「許す」ことも「認める」ことも
>けしてなく、本来、そうできるようになっていないのだ。
> そう言った意味では、どこかで折り合いを付け、妥協しようと思えばできる
>自分たち魔族と神族は、この世界のどの種族よりも、より「純粋」に近いだけ
>でしかない。

相手の存在の全否定・・・・怒りのみで・・・・・・憎しみの無い・・・(怖)
あのときのフィリシアさんは、マゼンダさんの存在を認めず、滅ぼす。
それだけに捕らわれてしまっていたのですね。

>「……自覚しているのでしたら、大丈夫でしょう」
> 静かな口調でゼロスはそう言った。
>「前から思っていましたけど、フィリシアさんは今まで、ほとんど誰かを
>嫌ったりしたことがなかったのでしょう? それなのに、今回は慣れていない
>そういう感情の段階を、一気に突き抜けてしまった。だから自分でも驚いて、
>怖くなったんですよ」
> 泣き出す一歩手前、そんな面持ちのフィリシアに、ゼロスはくすりと笑む。
>「でも、自覚しているのであれば、次にまた同じような事があったとしても、
>今回よりはマシだと思いますよ。絶対、とは言いませんけどね」

ゼロスさん。貴方は不思議な方ですね。
魔族の方ですのに、ご自分はあのときのフィリシアさんの行動を分析なさって
フィリシアさんが、次に同じような行動をなさるときの予想をしているだけにのかも知れませんが
普通の人間が、相手のことを心配して慰めているのと、ほとんど同じ行動をしているようですね。

> ……あの時、私はこの人も滅ぼそうと思った……。
> 言葉に出さず、フィリシアは胸の内でそう呟く。封魔崩滅を使ったとき、
>ゼロスがマゼンダを助けたことに気がついていた。それが許せなくてゼロスを
>滅ぼそうとする自分を、その事にショックを受けて、でもそれを望まない
>自分が止めた。
> ──フィリシア=ハート! それがとてつもなく馬鹿なことだって、分かってる?!
> フィリシアの中でそう叫ぶ、誰かの言葉を、無理やりねじ伏せて……。
> 止められて良かったと思うのは、確かに甘いを通り越して馬鹿なのかもしれない。

え・・・・・・・・っ(驚)
フ・・・・フィリシアさんは、ゼロスさんがマゼンダさんを逃がしたこと・・・・気付いていたのですか(汗)
さらに・・・・・ゼロスさんを滅ぼすつもりだった(滝汗)のですか。

>フィリシアと違って、ゼロスは命令されれば、フィリシアを殺すくらい全く
>躊躇わずに実行する。「正体」を知られれば、きっとそうなるだろう。今、
>一緒にいても特に危害を受けずにいるのは、気づかれていないのと、単に
>ゼロスがそういった種類の命令を受けていないからでしかない。
> それを分かっていて、でも、そう思ってしまうのだから、確かに馬鹿なこと──。
> 隣にいる神官が、本来は相容れない存在なのだと分かっている。基本的に
>信頼できるような相手ではないことも。それは、改めて思い知らされたばかり。
>仕方のないことだと思っているのに、少なからずショックを受けたのは、自分が
>甘かったからでしかない。

フィリシアさんは、ゼロスさんが魔獣を倒し、混乱しているポーラさんを諭したことで
信頼に近い想いを抱いていたのでしょうか。
それが、マゼンダさんをゼロスさんが逃がすとは思ってもいなかったのでショックを受けてしまったのでしょうか。

> それなのに、気がつくとこんな風に心の内をあっさりと話してしまう自分がいる。
>神殿にいた時のフィリシアにはなかったことだ。それが自分でも不思議だった。
>信頼という点では目の前にいる相手よりも、ガーティやダグラスやキャロル
>たちの方を、ずっと信頼しているのに。
> もっとも、単に枕やぬいぐるみに話しかけているようなものかもしれない。
>ただ、枕やぬいぐるみと違うのは、ちゃんと答が返ってくることだ。それは
>時々、優しいから残酷だ。

フィリシアさん。きっと人間は一人では生きて行けないのではないでしょうか。
もっと御自分の感情を素直に出しても、良いのではないですか。
自分の話を考えを聞いてくれて、どう思うか答えを返してくれる、とても嬉しいことではないですか。
優しさ、というのも、時には残酷ですけど・・・・・。

>X.場面が無意味に転換する8話(上)でした。このノリで後半に続きます。
>F.申し訳ありませんが、時間がありませんので8話(下)は、明日……
>  というより日付変わってますから今日ですね。9日の夜にUPいたします。
>X.では、今日はこれで失礼します。

フィリシアさんは、御自分の心が怖かったのでしょうか。
これから少しずつ時間をかけて、御自分の心と向き合って行かれるのでしょうか。

ゼロスさんとフィリシアさん。
とても良いコンビだと思います。
お互いに、いろいろな意味でとても興味深いお相手なのではないでしょうか。

いつも続きを投稿なさるのが早くて、毎回とても面白いので、凄いなあと思っております。
続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしております。

寒いですね、家の周りは今雨が降っております。
風邪など、お体にお気を付けて、お元気で。
では、失礼します。

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24712Re:ゼロスさん♪そういう訳でしたか。エモーション E-mail 2003/2/10 00:07:52
記事番号24698へのコメント

こんばんは。

いつもコメントをありがとうございます。
できれば8話も一度にUPしたかったです。

>>  『中佐とのご関係は?』
>>  『……………………のっぴきならない関係です』
>>           ──引用文:遠藤淑子.作 「ヘヴン」より──
>
>なんだか物凄く気になる台詞ですね。
>思わず、ネット検索しちゃいました(笑)
>とても面白そうなお話ですね、本を買って読んでみますね。
>花と●のコミックは、パタリ●以来買っていませんでしたから久しぶりに買います。
遠藤淑子さんのマンガはとても好きなんですよ。この方とわかつきめぐみさんと
田中芳樹先生は、考え方などで私が影響受けた方々です。


>ガーヴ様、ゼラス様の所に怒鳴り込んできたのでしょうか(汗)
>ガーヴ様は、なかなか気性の激しい方のようですから、大事にならなければ良いですね。
怒鳴り込んではきてないですね。一応文句言いに来た感じです。

>体育会系のノリ・・・魔竜王軍・・・って、先輩のシゴキとか、教育という名のいじめがあったりするのでしょうか(笑)
何故かそういうイメージが(笑)いじめはともかくシゴキはありそうですね。

>流石は、ガーヴ様と付き合いの長いゼラス様。
>ガーヴ様の扱い方も、手馴れたものなのですね。
>ガーヴ様も、一応文句を言ってみただけなのでしょうか。
多分、慣れてますね(笑)
原作のゼラス様は武人風なので、ガーヴ様とは案外話が通じやすいのかも
しれません。

>ここでフィリシアさんが倒れてしまっては、『監視』するというゼロスさんのお仕事に支障が出ますし
>マゼンダさんが滅ぼされてしまったら、傍観していたゼロスさんのことを
>ガーヴ様に知られてしまったら、ゼラス様に御迷惑がかかってしまう。
>なるほど、ゼロスさんの立場としては最善の行動を取ったのですね。
そうです。確かにこれしか取りようがないでしょうね。

>自分が『仕事』で係わっていたフィリシアさんに手出しされるだけでも面白くないのに
>ゼロスさんの留守を狙って、というのが気に入らなかったのですね。
>マゼンダさんではフィリシアさんに敵わないことを、ゼロスさんは分かっていたのですね。
>そして、下手に手を出せばゼロスさんにも怒りの矛先が向けられる、ということも。
自分で書いていて、この辺りは本当にゼロスだなあと思いました(苦笑)

>綺麗な人。
>純粋培養とか、穢れを知らない、ということでしょうか。
>世の中の良いことを集めた。
>善意のかたまりで、悪意、害意、ましてや誰かを傷付けたり殺したりというマイナスの感情が感じられない、ということでしょうか。
>永い年月を過ごしてこられたゼロスさんが、見てみたいと思うほどの方だったのですね。
基本は後者の方です。本質的にマイナスの感情からほど遠い位置にいる性格
ですから。それに育った環境が加わって強化されてます(笑)
世の中の汚い面を知らないわけじゃないのに、それに染まらないんですね。
普通なら多少染まる部分があるのに、それがない。
ゼロスからみれば、かなり不思議だったと思います。

>フィリシアさん、それは違うと思います。
>魔獣を倒し、泣き叫ぶポーラさんを一括したのは、確かにゼロスさんです。
>でも、それでもポーラさんの悲しみ、怒りを叩きつける相手、フィリシアさんが居てくれたからこそ
>ポーラさんは、ギリギリの所で踏み止まれたのだと思います。
>ゼロスさんは、ポーラさんがフィリシアさんに向けた感情を、どう感じたのでしょうね。
>怖いと思ったのでしょうか、それとも理解は出来ないけど興味深いですね、と思ったのでしょうか。
ゼロスとしては興味深かったのではないでしょうか。ストレートな恐怖や悲しみは
見慣れているのでしょうし。

>フィリシアさんは優しいのですね。
>自分の大切な家族や友人に害を成す者には、人は幾らでも残酷で冷酷になれてしまうのだと思います。
>怒りに我を忘れて、行動してしまう。
>フィリシアさんには、そんな経験は今までは無かったのですね。
「特殊な立場」の為に人間性を極力排除されているような育てられ方を
されている面はあるものの、周囲からワンクッション置いたものでも、
愛されていたし、守られていたんですよね。何だかんだ言っても。

>フィリシアさんの中では、『嫌い』=『存在していてはいけない』と、なってしまっているのでしょうか。
>人は誰かを殺したいほど憎んでも、実際に行動に移すには、相当の勇気というか・・・・・。
>プッンと何か吹っ切れないと、とても出来ないと思うのですが
>心の中で憎んで、なるべく憎い相手とは係わらない様にする、そうしているうちに
>自分の感情も、ある程度コントロール出来るようになるのではないでしょうか。
>フィリシアさんの今までの暮らしの中では、そういう行動をする機会がなかったのですね。
「嫌い」=「認めない」が、どんどん突っ走った最終形態(笑)が「存在の
全面否定」になるのだと思います。
また「人を嫌いだと思ってはいけません」なんて無茶なこと言われて育って
ますから、極力「嫌い」と思わないように思わないようにしていたので、
その反動もあります。慣れてなくてこういう感情はコントロール出来ないんです。

>相手の存在の全否定・・・・怒りのみで・・・・・・憎しみの無い・・・(怖)
>あのときのフィリシアさんは、マゼンダさんの存在を認めず、滅ぼす。
>それだけに捕らわれてしまっていたのですね。
そうです。こういうのは端で見てても怖いです。

>ゼロスさん。貴方は不思議な方ですね。
>魔族の方ですのに、ご自分はあのときのフィリシアさんの行動を分析なさって
>フィリシアさんが、次に同じような行動をなさるときの予想をしているだけにのかも知れませんが
>普通の人間が、相手のことを心配して慰めているのと、ほとんど同じ行動をしているようですね。
ある意味、得な性格とも言えます。もしかしたら、言うべきタイミングが
分かっているのかも。

>え・・・・・・・・っ(驚)
>フ・・・・フィリシアさんは、ゼロスさんがマゼンダさんを逃がしたこと・・・・気付いていたのですか(汗)
>さらに・・・・・ゼロスさんを滅ぼすつもりだった(滝汗)のですか。
半分暴走してましたから。あの時のフィリシアにとっては、ゼロスも「異質
なもの」でしかなかったんです。

>フィリシアさんは、ゼロスさんが魔獣を倒し、混乱しているポーラさんを諭したことで
>信頼に近い想いを抱いていたのでしょうか。
>それが、マゼンダさんをゼロスさんが逃がすとは思ってもいなかったのでショックを受けてしまったのでしょうか。
はい、そうです。大当たりです!
後書きに方にも書いたのですが、3話以降少しずつ、完全にではないけれど
信頼していた部分があったんです。「ここまでなら平気みたい」という感じで。
こういう点では人間の方が割り切りにくいのかもしれませんね。どうしても。

>フィリシアさん。きっと人間は一人では生きて行けないのではないでしょうか。
>もっと御自分の感情を素直に出しても、良いのではないですか。
>自分の話を考えを聞いてくれて、どう思うか答えを返してくれる、とても嬉しいことではないですか。
>優しさ、というのも、時には残酷ですけど・・・・・。
神秘性を要求される立場ですから、自然に周囲に内面を相談したりできなく
なっていたんです。
また、ガーティ達にはとにかく心配させたくなかった、というのもあります。
良くも悪くも神殿の教育の成果ですね(汗)

>フィリシアさんは、御自分の心が怖かったのでしょうか。
>これから少しずつ時間をかけて、御自分の心と向き合って行かれるのでしょうか。
今回の話ではフィリシアは自分の心が一番怖かったと思います。
旅に出たことで彼女は変わっていきます。「千年越し〜」の方ではかなり
タフになってますし(笑)

>ゼロスさんとフィリシアさん。
>とても良いコンビだと思います。
>お互いに、いろいろな意味でとても興味深いお相手なのではないでしょうか。
ありがとうございます。頭で考えていた期間が長いキャラなので、
どうなるかと思ったのですが。

>いつも続きを投稿なさるのが早くて、毎回とても面白いので、凄いなあと思っております。
>続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしております。
ああ、勿体ないお言葉を〜!
投稿は……始める前に少し書きためているんです。「千年越し〜」は全部
書き上げてからでしたし。

>寒いですね、家の周りは今雨が降っております。
>風邪など、お体にお気を付けて、お元気で。
>では、失礼します。
ありがとうございます。猫楽者さまも、お体にお気をつけ下さいませ。

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24701Re:使えない呪文〜Mistletoe 3 8話(上)D・S・ハイドラント 2003/2/9 09:31:55
記事番号24697へのコメント

こんばんは・・・。

>「実を言うと、たいしたことではない。ただ、ガーヴの方から妙なクレームが
>来てな。最初は何かと思ったのだが、どうやら昨日の報告から戻った後のこと
>らしい。お前が調べてたコルフィルとかいう魔獣のことも言っていたから、
>それで……と言うことだ」
>「ああ……そういえば、マゼンダさんは魔竜王様の配下でしたね。あのことで
>クレームをつけられるのは、私としては心外ですが……あちらはどこか、
>体育会系のノリがありますからねぇ……。
> それはともかく、獣王様にはご迷惑をおかけいたしましたようで、申し訳
>ありません」
そういえばまだガーヴがいるころなんですね

>味方もするわけにいかないので、立場を壊さずにすむ方法を取った。それだけ
>のこと。第一、マゼンダを逃がすために、さすがに全く無傷というわけには
>いかず、封魔崩滅(カオティック・ディスティングレイト)で結構なダメージを
>受けたのだから、文句を言われるのは、本当に心外だ。
ゼロスほどの魔族にそれだけのダメージ与えられるってことは竜破斬なんか全く比にならないほどの強烈なものなんですかね。

>「人間の古い伝承童謡にあるみたいに、世の中の綺麗なものを集めてできて
>いるような……本当にそんな感じの人なんです。近くで見ていると、どうしたら
>こんな人間になるのかって、そう思いますよ。育った環境のせいだけではない
>みたいですしね。
> だから……見てみたかったんです。そんなフィリシアさんが、これ以上ないほど、
>怒りや憎しみといった負の感情に囚われたら、どうなってしまうのか……」
魔族ですねえ。特に任務一筋なわけでもないけど原作でもちゃんとこなしているっぽいし、結構凄い魔族?

>ダルフィンなどには「親ばか」呼ばわりされるが、客観的に見てもゼロスは
私のダルフィン超絶の親ばか・・・部下も出て来ないし・・・。いや関係ないですねこれ

>「自分が何を考えて、何をしていたのかはちゃんと分かっているの。でも、
>あの時の自分は凄く嫌……。『この魔族を滅ぼす』って、それだけしか頭になくて
>……自分でも自分が抑えられなくて……自分が自分じゃなくなっていたみたいで……
>それが……凄く、怖い……」
確かにそれは怖いような・・・。
それと違っても自分が自分っぽくない感じるのはあんまり良いと思えませんし・・・。(関係あるのか?)

> それはプラスとマイナス、どちらの側も同じだ。これ以上ないほど純化したものは、
>異質と判断したものをけして受け入れない。「許す」ことも「認める」ことも
>けしてなく、本来、そうできるようになっていないのだ。
宗教とかもそうでしょうか・・・

そういえばゼロスとフィリシア・・・別れがやはり来るのですよね。
どのように別れるのでしょうか・・・。
不意に思いました。

引用文の長さで短さごまかしておきました(待て)すみません。
それでは失礼致します。

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24713Re:使えない呪文〜Mistletoe 3 8話(上)エモーション E-mail 2003/2/10 00:26:30
記事番号24701へのコメント

こんばんは。

>>「実を言うと、たいしたことではない。ただ、ガーヴの方から妙なクレームが
>>来てな。最初は何かと思ったのだが、どうやら昨日の報告から戻った後のこと
>>らしい。お前が調べてたコルフィルとかいう魔獣のことも言っていたから、
>>それで……と言うことだ」
>>「ああ……そういえば、マゼンダさんは魔竜王様の配下でしたね。あのことで
>>クレームをつけられるのは、私としては心外ですが……あちらはどこか、
>>体育会系のノリがありますからねぇ……。
>> それはともかく、獣王様にはご迷惑をおかけいたしましたようで、申し訳
>>ありません」
>そういえばまだガーヴがいるころなんですね
まだ普通に魔族だった頃です。このくらいの交流はあるでしょう。

>>味方もするわけにいかないので、立場を壊さずにすむ方法を取った。それだけ
>>のこと。第一、マゼンダを逃がすために、さすがに全く無傷というわけには
>>いかず、封魔崩滅(カオティック・ディスティングレイト)で結構なダメージを
>>受けたのだから、文句を言われるのは、本当に心外だ。
>ゼロスほどの魔族にそれだけのダメージ与えられるってことは竜破斬なんか全く比にならないほどの強烈なものなんですかね。
神の力なので、余計に魔族にはキツイのでは? 威力としてはどのくらい
なのでしょうね。大抵のものは一撃で滅ぼせるみたいですが。

>>「人間の古い伝承童謡にあるみたいに、世の中の綺麗なものを集めてできて
>>いるような……本当にそんな感じの人なんです。近くで見ていると、どうしたら
>>こんな人間になるのかって、そう思いますよ。育った環境のせいだけではない
>>みたいですしね。
>> だから……見てみたかったんです。そんなフィリシアさんが、これ以上ないほど、
>>怒りや憎しみといった負の感情に囚われたら、どうなってしまうのか……」
>魔族ですねえ。特に任務一筋なわけでもないけど原作でもちゃんとこなしているっぽいし、結構凄い魔族?
魔族なゼロスを出したかったので。有能なんでしょうね、やっぱり。

>>「自分が何を考えて、何をしていたのかはちゃんと分かっているの。でも、
>>あの時の自分は凄く嫌……。『この魔族を滅ぼす』って、それだけしか頭になくて
>>……自分でも自分が抑えられなくて……自分が自分じゃなくなっていたみたいで……
>>それが……凄く、怖い……」
>確かにそれは怖いような・・・。
>それと違っても自分が自分っぽくない感じるのはあんまり良いと思えませんし・・・。(関係あるのか?)
凄く嫌でしょう。自覚があって半分暴走状態だったので、余計に怖かったと
思います。

>> それはプラスとマイナス、どちらの側も同じだ。これ以上ないほど純化したものは、
>>異質と判断したものをけして受け入れない。「許す」ことも「認める」ことも
>>けしてなく、本来、そうできるようになっていないのだ。
>宗教とかもそうでしょうか・・・
実はこれ、宗教……神についての話から引っ張ってきました。
今の宗教にありがちな汚れきったものじゃなくて、信仰の純度の高い部分、
本質的な、本当に崇高な部分が集まったものって……本当にこんな感じです。
怖いんですよ。「それ」と「異質」なものにとっては。足を踏み入れちゃいけない
領域なんですね。
神が動物などを「お使い」としてよこすのも、それだけ人間とはかけ離れた
存在だからだそうです。
「許し」たり「受け入れ」てくれるのは、妥協できる部分の役割なのかもしれません。

>そういえばゼロスとフィリシア・・・別れがやはり来るのですよね。
>どのように別れるのでしょうか・・・。
>不意に思いました。
漠然と考えてます。表面的には結構あっさりしているのでは。
「次に会うときは敵ですよ」という感じで。

>引用文の長さで短さごまかしておきました(待て)すみません。
>それでは失礼致します。
いえ、本当に、いつもコメントをありがとうございます。m(__)m

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24710使えない呪文〜Mistletoe 3 8話(下)・完エモーション E-mail 2003/2/9 22:35:45
記事番号24697へのコメント

こんばんは。
ラスト……です。(上)と一緒にUPできなくてすみません。
では、読んでいただければ、幸いです。

∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵

    ◆◇◆◇◆◇◆

「甘くてきれいなだけではない。辛くてきついスパイスの部分もある……
ということか」
「……スパイス……ですか?」
 聞き返してくるゼロスに、ゼラスは小さく笑んで言う。
「さっき、お前が言った伝承童謡にきちんとあるじゃないか。

 What are little girls made of?  What are little girls made of?     
 (おんなのこって なんでできている? おんなのこって なんでできている?)
 Sugar and spice And all that's nice,
 (おさとうと スパイスと すてきななにもかも) 
 That's what little girls are made of.
 (そんなもんでできてるよ)

 ……本当に、そのままだったわけだ。それを失念していたな」
「……確かに。肝に銘じておきましょう」
 ゼロスは静かに微笑して、主に頭を下げた。
「だが、もしその娘が単純に怒りや憎しみの感情だけに囚われていたら……
お前は、興ざめしたのではないのか?」
 どこか楽しそうな面持ちで、ゼラスは部下を見やって問う。
「本当に、獣王様にはお見通しですね」
 問われた方は、少し困ったような面持ちで笑って答える。確かに、見てみたいと
思う反面、実際にそうなったら、面白くないとも思っていた。自分の事ながら、
矛盾している。
「まあ、いい。それにしても……クナスレージュの人間は、本当にとんでもない
人間が多いな。とりあえず、話は分かった。もう戻っていいぞ」
 くっくっと、楽しそうに笑ってそう言うゼラスに、ゼロスは静かな面持ちで、
しかし少し硬い口調で訊ね返す。
「……引き続き監視、で、よろしいのですね?」
「気にならないと言えば嘘になるが、しばらくはそのままで良いだろう。特に
こちらの邪魔になる動きはしていないからな。むしろ、下手に刺激してしまう方が
まずいかもしれん。監視と報告をちゃんとしていれば、半分休暇だと思ってていい。
 ……もう何年かすれば、休んでなどいられないほど、忙しくなるのだから」
「分かりました。では、失礼いたします」
 心なしか、緊張の解けたような口調でそう言うと、ゼロスは主にゆっくりと
頭を下げて、現れたときと同じように静かに姿を消す。

 残されたゼラスは、ふと頭に浮かんだ事を、振り払うように呟いた。
「……まさか、な」

 今のところ、赤竜の騎士(スィーフィード・ナイト)は他国へ出ていないし、
もう十数年前になるだろうか。赤竜の騎士とは別に生まれた神の欠片を持つ者は、
村ごとレッサー・デーモン達に襲わせたとフィブリゾから聞いている。いくら
神の力を持っていても、生後数ヶ月の赤子が、そんな状況で生きのびている
とは思えない。実際、村に生き残りはいないと言う報告を、後日確認に行った
冥神官がしている。
 どういう理由かは分からないが、クナスレージュ──今はそう呼ばれている土地
──の人間は、妙な能力を持つ者が多い。ただ、それだけのことなのだろう。

    ◆◇◆◇◆◇◆

「……以前から思ってたのだけれど、あなたはどうして私と一緒にいるの?」
 しばらくの沈黙の後、フィリシアは不意に訊ねる。まともな答なんて期待
していないし、もしかしたら、相当意地の悪い質問かもしれない。でも、訊いて
みたくて口にしてしまった。
「……それなりの理由はありますけど、面白そうだから、ですね」
「……面白そうって……」
 少し考え込むようにそう答えたゼロスに、フィリシアは半ば苦笑しながら
聞き返す。何がどう面白いのか分からないが、何となくゼロスらしいと思う。
「でも、フィリシアさんがちゃんとした人だから、っていうのもありますよ」
 後のその言葉に、目をきょとん、とさせているフィリシアを見て、ゼロスは
くすりと笑って言葉を続けた。
「フィリシアさんが僕を警戒しているのは分かっています。それが普通でしょうね。
僕の初対面の印象はいいとは言えないでしょうし、1人旅の女性が元々の知り合い
でもない男性に対して無警戒すぎたら、そっちの方が変だと思いますから。
 でもね、フィリシアさんは例え警戒している相手だとしても、ちゃんと
『ありがとう』と『ごめんなさい』が言える人ですから。僕に限らず、どんな相手に
対しても、それを言うべきだって思ったら、ちゃんと言っているでしょう?」
「それは……当たり前のことでしょう?」
「当たり前、なんですけどね。結構いるんですよ、ろくにお礼も謝罪も出来
ない方って。気に入らないと思った相手に対しては尚更です。余計なことを
するな、と言う方もいますよ。
 僕はフィリシアさんを見ていて、きちんとそういったことが身に付いている、
育ちの良い人だと思いました。ああ、『育ち』と言っても、別に身分だの家柄
とかの事じゃないですよ。身分が高くて良い家柄に生まれていても、育ちの
悪い方は悪いですから」
 そうでなければ、影で見ている程度に、本当に見ているだけに留めたとゼロスは
思う。いくら仕事でも、特に必要もないのに、あまり関わる気になれない相手と
一緒に行動しようとは思わない。
「……ありがとう。お世辞でもそう言ってくれて」
「お世辞でこんな事言いませんよ、僕」
 どこか苦笑しつつ、ゼロスはそう言うと、
「そういえば、これを預かっていました」
 雰囲気を変えるように、フィリシアに小さな紙袋を渡した。
「ポーラさんからです」
「……ポーラさんに会えたの……?」
「いいえ。これは、正確にはコルプトさんを経由して預かったんですよ。
……昨日、てっきりお会いしてきたのだと思っていましたが、違ったんですか?」
「会っていないわ。ドア越しにお話ししただけ。と言っても、 私が一方的に
話していただけだから……」
 ポーラはずっと部屋に籠もったきりだった。多分今日は挨拶もできないと
思ったので、昨日の昼頃、ポーラに挨拶のために部屋を訪ねたが、会って
もらえなかったのだ。無理もないことだし、きっと許してはもらえないと
思っているが、それでもやはり悲しかった。
「見てみたらどうです? とにかく」
 促されて、開けた紙袋に入っていたのは、綺麗な桜色のミトン。
「……これ……」
「……昨日、急いで編んだんでしょうね、きっと。貴女の手は、誰が見ても
寒そうですから」
 確かに、フィリシアは長手袋をつけているが、覆われているのは二の腕から手首、せいぜい手の甲までしかカバーされていない。掌や指の部分はむき出しだ。指まで覆われていると、細かい作業ができないことと、またクナスレージュ
ではあまりそう感じなかったので、単純に好みで選んだものだが、この国の
この時期には向かないタイプだろう。
「……綺麗な色……それに、とても暖かい……」
 手に取ったミトンを胸に抱きしめて、フィリシアはそう呟いた。掌から伝わる
毛糸の柔らかさと暖かさが、言葉にならないポーラの気持ちを伝えてくれる。
とても嬉しくて、言葉がでない。
「フィリシアさん……あの、泣いて……いるんですか?」
「ええ、嬉しいから……。だから……」
 急にぽろぽろと涙をこぼしだしたフィリシアに、ゼロスは少々困惑している。
その様子が少し可笑しくて、フィリシアは涙を拭きながらそう言って、笑った。
屈託のない笑顔で。

    ◆◇◆◇◆◇◆

 ポーラは社の後にある「ティル」の墓に来ていた。墓と言っても墓標はなく、
目印の代わりにまだ若木の樫の木の近くに埋めたのだが、そこにバラに似た、
小さな白い花が置かれていた。ヘレボラスというこの時期に咲く花だ。誰が、
と思い、すぐに理解する。おそらく、いや間違いなくフィリシアだろう。他に
花を供えてくれそうな者などいないのだから。
 結局、顔を合わせないまま、別れてしまった。顔を合わせたら、また酷いことを
言ってしまいそうだったから。でも、きちんと謝れなかったことが悔やまれて
ならない。昨日、今日の朝早くに出ると聞いて、急いで編んだミトンを父に
頼んで渡してもらったが、受け取ってもらえただろうか。喜んでもらえたら、
使ってもらえたら、いいのだけれど。
 墓の前に座り、そっとポーラは花に触れた。思い出すと、やはり悲しくなる。
あの子は確かに魔獣だったけれど、でも、子どもだったのだから。それは
ポーラにとって、疑いようのない事実だ。割り切ることはとてもできない。
忘れることも……。

 ──忘れなくても、いいんです……。
 昨日のフィリシアの言葉が脳裏に響く。彼女はそう言っていた。忘れることなど
できるはずがないからと。
 ──でも、ポーラさんは、ティル君を幸せな思い出と悲しむだけの思い出、
どちらになさるのですか? 
 私がこんな風に言うのはご不快だと思いますが、どうか悲しむだけの思い出には
なさらないでください。辛いだけの思い出になってしまうのでは、ティル君が
可哀相です……。

 自分のことで母親が悲しんでばかりいると知ったら、きっとたくさん心配
させてしまう。そう、〃ティル〃はそういう子たちだったから。どちらの
ティルも、自分が悲しい顔をしていると心配して、何とか笑わせようとする
ような、とても優しい子だったのだから……。
 その事を忘れてしまうところだったと、そう思った。

「短い間だったけれど、あなたに会えて私はとても幸せだったわ。ありがとう、
もう1人の『ティル』……」
 そう呟いたとき、嬉しそうに、そして安心したように笑うティルの声を確かに
聞いた気がして、ポーラは微笑む。久しぶりの陽の光に、瞳に小さく浮かんだものを
光らせながら。

      ──使えない呪文〜Mistletoe 3 ・終 ──
       作中引用:谷川俊太郎.訳「マザーグースのうた」より

∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵

以上で、「使えない呪文」終了です。
とてもきっつい話になってしまいましたのに、最後まで読んでいただきまして、
本当に、ありがとうございました。m(__)m

ラストはポーラと決めていました。正直、ポーラが本当に立ち直るのは
もう少し時間が掛かると思いますが、とりあえず、という形です。

フィリシアの長手袋……変ですよね(汗)イメージとしては「エリーのアトリエ」
の主人公、エリーの服の袖をイメージしていただければ……。あの中指の指輪
みたいなので止めてるやつです。でも、長手袋なんですよ(笑)
……ほとんど飾りに近いものかもしれないです。
今回、ゼラス様登場で思ったこと。……上司の前なのでゼロスがおとなしい(爆)
でも、さりげなく出演時間を延ばすゼラス様……。似たもの主従です……(滝汗)
作中ゼラス様がマザーグースを歌い出したときはどうしようと……。
また、書いていて口調が「十二国記」の陽子に似てしまったせいか、
いつのまにやら脳内で、久川綾さんの声にイメージ変換されてました(爆)

ここでも書いてしまいましたが、一応また後書き雑談がございますので、
興味がございましたら、そちらもご覧下さいませ。

読んでくださいまして、本当にありがとうございました。

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24724Re:使えない呪文〜Mistletoe 3 8話(下)・完D・S・ハイドラント 2003/2/10 21:52:47
記事番号24710へのコメント

>ラスト……です。(上)と一緒にUPできなくてすみません。
区切りの滅茶苦茶細かい私に比べれば・・・

>「だが、もしその娘が単純に怒りや憎しみの感情だけに囚われていたら……
>お前は、興ざめしたのではないのか?」
> どこか楽しそうな面持ちで、ゼラスは部下を見やって問う。
>「本当に、獣王様にはお見通しですね」
> 問われた方は、少し困ったような面持ちで笑って答える。確かに、見てみたいと
>思う反面、実際にそうなったら、面白くないとも思っていた。自分の事ながら、
>矛盾している。
魔族って矛盾は大丈夫なんですかね?
まあ些細なことでしょうけど

> > 残されたゼラスは、ふと頭に浮かんだ事を、振り払うように呟いた。
>「……まさか、な」
・・・どうしたのでしょう。

僕はフィリシアさんを見ていて、きちんとそういったことが身に付いている、
>育ちの良い人だと思いました。ああ、『育ち』と言っても、別に身分だの家柄
>とかの事じゃないですよ。身分が高くて良い家柄に生まれていても、育ちの
>悪い方は悪いですから」
まあそれは確かにですね。

>「……綺麗な色……それに、とても暖かい……」
> 手に取ったミトンを胸に抱きしめて、フィリシアはそう呟いた。掌から伝わる
>毛糸の柔らかさと暖かさが、言葉にならないポーラの気持ちを伝えてくれる。
>とても嬉しくて、言葉がでない。
>「フィリシアさん……あの、泣いて……いるんですか?」
>「ええ、嬉しいから……。だから……」
> 急にぽろぽろと涙をこぼしだしたフィリシアに、ゼロスは少々困惑している。
>その様子が少し可笑しくて、フィリシアは涙を拭きながらそう言って、笑った。
>屈託のない笑顔で。
やはり直接会うのは辛いのでしょうか・・・。

> ──忘れなくても、いいんです……。
> 昨日のフィリシアの言葉が脳裏に響く。彼女はそう言っていた。忘れることなど
>できるはずがないからと。
そうですね。それに忘れるのもどうかと思いますし・・・。
やはり受け止めないと・・・(?)
> ──でも、ポーラさんは、ティル君を幸せな思い出と悲しむだけの思い出、
>どちらになさるのですか? 
> 私がこんな風に言うのはご不快だと思いますが、どうか悲しむだけの思い出には
>なさらないでください。辛いだけの思い出になってしまうのでは、ティル君が
>可哀相です……。
幸せな思い出はこれまた堪えるかも知れませんけど・・・。
やはり悲しむだけでは・・・。
って何言っているんでしょう私

それではこの辺りで失礼致します。
ご完結おめでとうございます&お疲れ様でした。

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24731ありがとうございますエモーション E-mail 2003/2/11 00:15:26
記事番号24724へのコメント

こんばんは。

>>「だが、もしその娘が単純に怒りや憎しみの感情だけに囚われていたら……
>>お前は、興ざめしたのではないのか?」
>> どこか楽しそうな面持ちで、ゼラスは部下を見やって問う。
>>「本当に、獣王様にはお見通しですね」
>> 問われた方は、少し困ったような面持ちで笑って答える。確かに、見てみたいと
>>思う反面、実際にそうなったら、面白くないとも思っていた。自分の事ながら、
>>矛盾している。
>魔族って矛盾は大丈夫なんですかね?
>まあ些細なことでしょうけど
多少なら平気なのだと思いますが。魔族もある意味「妥協できる存在」なのだと
思いますから。

>> > 残されたゼラスは、ふと頭に浮かんだ事を、振り払うように呟いた。
>>「……まさか、な」
>・・・どうしたのでしょう。
答はモノローグ部分(^.^)
「神の欠片」を持っているのかも、と思ったんです。
一応否定して、でも一抹の不安はある、と。

>>僕はフィリシアさんを見ていて、きちんとそういったことが身に付いている、
>>育ちの良い人だと思いました。ああ、『育ち』と言っても、別に身分だの家柄
>>とかの事じゃないですよ。身分が高くて良い家柄に生まれていても、育ちの
>>悪い方は悪いですから」
>まあそれは確かにですね。
ついでにいうと、そういう人の方が厄介でどうしようもないんですよね。

>>「……綺麗な色……それに、とても暖かい……」
>> 手に取ったミトンを胸に抱きしめて、フィリシアはそう呟いた。掌から伝わる
>>毛糸の柔らかさと暖かさが、言葉にならないポーラの気持ちを伝えてくれる。
>>とても嬉しくて、言葉がでない。
>>「フィリシアさん……あの、泣いて……いるんですか?」
>>「ええ、嬉しいから……。だから……」
>> 急にぽろぽろと涙をこぼしだしたフィリシアに、ゼロスは少々困惑している。
>>その様子が少し可笑しくて、フィリシアは涙を拭きながらそう言って、笑った。
>>屈託のない笑顔で。
>やはり直接会うのは辛いのでしょうか・・・。
ポーラとしてはさすがに辛いでしょう。コルプトさんはまだ平気ですが。
コルプトさんが直接フィリシアに渡さなかったのは、単純にタイミングの問題です。

>> ──忘れなくても、いいんです……。
>> 昨日のフィリシアの言葉が脳裏に響く。彼女はそう言っていた。忘れることなど
>>できるはずがないからと。
>そうですね。それに忘れるのもどうかと思いますし・・・。
>やはり受け止めないと・・・(?)
忘れる方が辛いこともありますしね。記憶の方は蓋をできても、
心は覚えているんですから、余計にキツイみたいですよ。

>> ──でも、ポーラさんは、ティル君を幸せな思い出と悲しむだけの思い出、
>>どちらになさるのですか? 
>> 私がこんな風に言うのはご不快だと思いますが、どうか悲しむだけの思い出には
>>なさらないでください。辛いだけの思い出になってしまうのでは、ティル君が
>>可哀相です……。
>幸せな思い出はこれまた堪えるかも知れませんけど・・・。
>やはり悲しむだけでは・・・。
>って何言っているんでしょう私
思い出したときにどんな気分になるか、が問題でしょうから。

>それではこの辺りで失礼致します。
>ご完結おめでとうございます&お疲れ様でした。
何とか無事終了しました。
本当にコメントありがとうございました。

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24711使えない呪文・後書き雑談エモーション E-mail 2003/2/9 22:37:54
記事番号24697へのコメント

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 「使えない呪文」後書きがわり、ついでに暴露と雑談

E.はい、旧年中では終わらず、年を越して完璧に時期はずれネタになってしまった
  「使えない呪文」やっと終わりました。
  ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございます。m(__)m
X.本当に……もともと、冬至&クリスマスネタ(爆)ですからね〜。しかも、どこが
  「Mistletoe」だったのか不思議です。あんまり関係ないですしね。ヤドリギ……。
F.ちょっと小道具に出した程度ですもの。ラストのヘレボラスの花も実は「クリスマス
  ローズ」のことなんですよ。もっとも、こちらは例え旧年中に書き上がっても、
  そのままでは使えませんから正式名称の方になったと思いますけど。
E.とどめをどうもありがとう、あんた達……。ヤドリギはラストでも使おうと思って
  結局だせなかったんです。ヘレボラスと一緒に墓に供えておこうかと思ったけれど、
  かなり変なのでやめました。
X.……ヤドリギを供えられてもねぇ……(汗)
F.ヤドリギは北欧系の神話では、「神の化身」や「生命」の象徴、「魔よけ」の
  意味もあったと思います。樫の木は「生命を司る木」、「神」の象徴……「神木」
  なんです。
E.はじめは漠然とその流れでフィリシアとヤドリギを絡めるつもりでいたけれど、
  「2」の本文書いている間に別に浮かんだ話の方を優先したらこういう話に……。
  これはこれでいいんですが。
X.恐るべし、「WASTED THIRTEEN」(笑)というところですね。そちらの方なら
  「1」や「2」と同様に、短編で終わったはずですからね。
F.そちらは確か「特別の意味」と同じくらいの時間設定だったはずですが、
  今書くのは思いっきり時期はずれでは……?
X.クリスマスと絡めなきゃいいんです。ヤドリギそのものは年中ありますから。
E.勝手に話を進めないように。だいたい、大雑把にメモした程度で内容固まって
  ないし、プロットすらないんだから……(ジト目)
X.それはともかく、今回は書こうかなと思っていた小ネタをカットしてますね。
  一番多いのは8話ですけど。7話も「名前」絡みのところをカットして、さらりと
  流す方に変わりましたからねえ。
E.話が違う方へ行ってしまいそうだったので、カットしました。さて、カット
  しまくったので思いっきり分かりづらかったと思いますが、フィリシアは7話で
  呼んでいたゼロスの名前を、8話でまた呼ばなくなってます。
X.また呼ばなくなったなあとは思ってますね、8話の僕は。
F.私の方は、8話では意識的に呼ばないようにしてます。それまでは何となくです。
X.何となく……それはそれで、結構酷いような……(汗)
E.最初の方は、とにかく警戒しかしてませんからね。意識しなくても自然にそう
  なっていたんです。8話では3話以降上がっていた交友値(笑)が、7話の
  後半でまた滅茶苦茶下がりましたから。フィリシアからみれば当然ですが。
X.僕の立場ではあれは仕方ないんですけど……。
E.まあ、半分は拗ねているようなものですから。あの程度は我慢しましょう。
  当たり前ですが「千年越し〜」よりは精神的に脆いし、子どもの部分がありますから。
  できるだけそうなるように書いてたし。
X.「千年越し〜」の方はそれなりにタフですからね。本質は変わらないんですけど。
E.奇しくもキャラの名前をそのまんまいただきました、成田美名子さんの「FELICIA」
  にある台詞、「外の世界へ出ていきなさい。きっとなにかみつかるから」は、
  こちらのフィリシアにも言えるなあと思いました。ここから名前を頂いた時は、
  全然そんな感じにする気なかったんですが。
X.ここでも引用シリーズですか? ちなみに「エイリアン通り」の劇中映画です。
F.特別編として本編とは別に読み切りとしても描かれてます。筆者Eがかなり
  気に入っているお話です。今ですと白泉社文庫ですね。4巻に収録されてます。
E.引用……冒頭引用シリーズ、最初は何となく「ネプチューン」の台詞が
  イメージで浮かびまして、つい書いたのですけど。それが続きました(苦笑)
F.引用で言いましたら、「アーヴ語」に並ぶものはないのでは……? 
X.使いまくってますからね。かなりいい加減な翻訳と変換ですが。
E.まず該当する単語があるかどうかを調べて、なければ自分で変換したので確かに
  いい加減。流れとしては日本語→倭言葉→アーヴ語。アーヴ語は固有名詞以外は
  基本は倭言葉ですから。だから、私が自分で変換した単語は本気で研究している
  方々も、元の単語が何かわからないと思います(汗)
  知っている人が一番「おや? これ変」と思うのは多分「幻炎六花」の「六花」。
  普通に訳せば「六」は「bus」、「花」は「gnac」で「busgnac」になると思う
  のですが……。(sはいらないかな? bunaには絶対ならないし)
F.「ranibh niss」……「六花」の部分は「niss」になってますね。「nissa」に
  しようかとも思ったそうですけど。無理やり母音欠落を行ったんですね。
E.本当は「nissa」で残した方が良かったのかも。単なる発音の好みですね。変換が
  違う形になったのは、この「六花」の由来が雪の結晶の名前だからです。最初は
  雪の結晶のイメージだったので。「ろっか」または「りっか」と読むので、好みで
  「りっか」で変換しました。
X.あとは今回の中で分かることといえば、「クナスレージュ」のことですね。
  獣王様のモノローグ部分で気が付いた方もおられるでしょうけど、リナさん達の
  時代で言えば「ゼフィーリア」がある場所に当時「クナスレージュ」があった、
  と筆者Eは設定してます。
E.正確には現在の「ゼフィーリア」と「エルメキア」と「セイルーン」の中間辺り
  です。漠然とですがそうイメージしてます。現在ある国は全部降魔戦争後に出来た
  という設定です。ひとつの国や王朝が千年以上続くってそうそうないですし、
  降魔戦争の影響で、まず当時あった国は状態を維持するの、難しいでしょう。
F.ゼフィーリアとセイルーンが、この中では降魔戦争後、比較的早く興った国と
  設定されています。
  ……国の元になる都市が比較的ちゃんと残ったのでしょうね。当時の領主様は
  有能でしっかりした方でしたので。
X.それにしても、今回は筆者Eの性格と根性の悪さが良く分かる話でしたねー。
F.……よくこんな酷い話書けますわよね……。
E.しくしくしくしく……(号泣)
X.とりあえず、ポーラさんは「助演女優賞」ですね。
F.「主演女優賞」でも良いと思います。ある意味で今回の主役はポーラさんですから。
X.という辺りで、いじけている筆者Eは放っておくとして、お開きにしたいと
  思います。
F.ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
  またお会いできれば、幸いです。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

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24714お疲れ様でした。ポーラさん、どうかお幸せに。猫楽者 E-mail 2003/2/10 00:37:03
記事番号24711へのコメント

>こんばんは。

こんばんは、エモーションさん。
お元気ですか、猫楽者です。

『使えない呪文〜Mistletoe 3』の完結、おめでとうございます。
ポーラさん。コルプトさん。魔獣。そして全てを見ていた(と思ってしまったのです)ティルちゃん。
フィリシアさん、ゼロスさん、獣王様、マゼンタさんの複雑に絡み合った行動。
感情と理性、人間と魔族。
本当にいろいろと考えながら、読ませて頂きました。
ポーラさん。コルプトさんには、悲しい結果となってしまいましたが、面白かったです。
毎回、本当に面白くて、読ませて頂けるのを、とても楽しみにしておりました。

>「甘くてきれいなだけではない。辛くてきついスパイスの部分もある……
>ということか」
>「……スパイス……ですか?」
> 聞き返してくるゼロスに、ゼラスは小さく笑んで言う。
>「さっき、お前が言った伝承童謡にきちんとあるじゃないか。
>
> What are little girls made of?  What are little girls made of?     
> (おんなのこって なんでできている? おんなのこって なんでできている?)
> Sugar and spice And all that's nice,
> (おさとうと スパイスと すてきななにもかも) 
> That's what little girls are made of.
> (そんなもんでできてるよ)
>
> ……本当に、そのままだったわけだ。それを失念していたな」
>「……確かに。肝に銘じておきましょう」
> ゼロスは静かに微笑して、主に頭を下げた。

女の方は、とても不思議ですね。
物凄く脆くて今にも折れてしまいそうに思えるときもあれば、予想もしていなかった程の強さを見せてくれるときもありますね。
なるべく、女の方を怒らせない方が良いようですね(汗)

>「だが、もしその娘が単純に怒りや憎しみの感情だけに囚われていたら……
>お前は、興ざめしたのではないのか?」
> どこか楽しそうな面持ちで、ゼラスは部下を見やって問う。
>「本当に、獣王様にはお見通しですね」
> 問われた方は、少し困ったような面持ちで笑って答える。確かに、見てみたいと
>思う反面、実際にそうなったら、面白くないとも思っていた。自分の事ながら、
>矛盾している。

ゼロスさんらしい考え方ですね。
ゼロスさん程の魔族の方でも、フィリシアさんは、とても興味深く、まだまだ底の見えない方なのでしょうか。
そして、そのゼロスさんのことを、的確に捉えている獣王様。
流石はゼロスさんの上司の方ですね。

> 残されたゼラスは、ふと頭に浮かんだ事を、振り払うように呟いた。
>「……まさか、な」
>
> 今のところ、赤竜の騎士(スィーフィード・ナイト)は他国へ出ていないし、
>もう十数年前になるだろうか。赤竜の騎士とは別に生まれた神の欠片を持つ者は、
>村ごとレッサー・デーモン達に襲わせたとフィブリゾから聞いている。いくら
>神の力を持っていても、生後数ヶ月の赤子が、そんな状況で生きのびている
>とは思えない。実際、村に生き残りはいないと言う報告を、後日確認に行った
>冥神官がしている。
> どういう理由かは分からないが、クナスレージュ──今はそう呼ばれている土地
>──の人間は、妙な能力を持つ者が多い。ただ、それだけのことなのだろう。

獣王様は、フィリシアさんが、神の欠片を持つ者かもしれないと思ったのでしょうか。

冥王様。神族相手の『戦争』に手段を選ぶつもりは無いのですね。

>「……以前から思ってたのだけれど、あなたはどうして私と一緒にいるの?」
> しばらくの沈黙の後、フィリシアは不意に訊ねる。まともな答なんて期待
>していないし、もしかしたら、相当意地の悪い質問かもしれない。でも、訊いて
>みたくて口にしてしまった。
>「……それなりの理由はありますけど、面白そうだから、ですね」
>「……面白そうって……」
> 少し考え込むようにそう答えたゼロスに、フィリシアは半ば苦笑しながら
>聞き返す。何がどう面白いのか分からないが、何となくゼロスらしいと思う。

ゼロスさんの行動の基準は、『面白いかどうか』というのが、とても大きな決定の理由になっていそうですね。
御自分の『お仕事』の部分を、“それなりの理由はあります”と
嘘ではないけれど真実の全てでもない、お言葉で、さらっと流す。ゼロスさんらしい答え方ですね。

>「でも、フィリシアさんがちゃんとした人だから、っていうのもありますよ」
> 後のその言葉に、目をきょとん、とさせているフィリシアを見て、ゼロスは
>くすりと笑って言葉を続けた。
>「フィリシアさんが僕を警戒しているのは分かっています。それが普通でしょうね。
>僕の初対面の印象はいいとは言えないでしょうし、1人旅の女性が元々の知り合い
>でもない男性に対して無警戒すぎたら、そっちの方が変だと思いますから。
> でもね、フィリシアさんは例え警戒している相手だとしても、ちゃんと
>『ありがとう』と『ごめんなさい』が言える人ですから。僕に限らず、どんな相手に
>対しても、それを言うべきだって思ったら、ちゃんと言っているでしょう?」
>「それは……当たり前のことでしょう?」
>「当たり前、なんですけどね。結構いるんですよ、ろくにお礼も謝罪も出来
>ない方って。気に入らないと思った相手に対しては尚更です。余計なことを
>するな、と言う方もいますよ。
> 僕はフィリシアさんを見ていて、きちんとそういったことが身に付いている、
>育ちの良い人だと思いました。ああ、『育ち』と言っても、別に身分だの家柄
>とかの事じゃないですよ。身分が高くて良い家柄に生まれていても、育ちの
>悪い方は悪いですから」

魔族社会でも、そういうことが、きちんと出来る方と出来ない方がいるのでしょうか。
ゼロスさんは、中間管理職としていろいろと御苦労なっているのでしょうね(笑)
なんだか、とても実感がこもっている御言葉のように感じました。

> そうでなければ、影で見ている程度に、本当に見ているだけに留めたとゼロスは
>思う。いくら仕事でも、特に必要もないのに、あまり関わる気になれない相手と
>一緒に行動しようとは思わない。
>「……ありがとう。お世辞でもそう言ってくれて」

やはりフィリシアさんは、凄い方ですね。
ゼロスさんが魔族であることも、マゼンダさんを逃がしたことも御存知で
それでも『ありがとう』、と言えるのですから。

>「……綺麗な色……それに、とても暖かい……」
> 手に取ったミトンを胸に抱きしめて、フィリシアはそう呟いた。掌から伝わる
>毛糸の柔らかさと暖かさが、言葉にならないポーラの気持ちを伝えてくれる。
>とても嬉しくて、言葉がでない。
>「フィリシアさん……あの、泣いて……いるんですか?」
>「ええ、嬉しいから……。だから……」
> 急にぽろぽろと涙をこぼしだしたフィリシアに、ゼロスは少々困惑している。
>その様子が少し可笑しくて、フィリシアは涙を拭きながらそう言って、笑った。
>屈託のない笑顔で。

ポーラさんが想いを込めて、編んでくださったミトン。
何よりも、ポーラさんの気持ちを伝えてくださったのですね。
フィリシアさんの優しさが気持ちが、ポーラさんへ届いていたのですね。
良かったですね、フィリシアさん。
いつかまた、ポーラさんとお会い出来ると良いですね。

> 結局、顔を合わせないまま、別れてしまった。顔を合わせたら、また酷いことを
>言ってしまいそうだったから。でも、きちんと謝れなかったことが悔やまれて
>ならない。昨日、今日の朝早くに出ると聞いて、急いで編んだミトンを父に
>頼んで渡してもらったが、受け取ってもらえただろうか。喜んでもらえたら、
>使ってもらえたら、いいのだけれど。

ポーラさんのお気持ちは、フィリシアさんに届いています。
ポーラさん、どうかご安心ください。

> 墓の前に座り、そっとポーラは花に触れた。思い出すと、やはり悲しくなる。
>あの子は確かに魔獣だったけれど、でも、子どもだったのだから。それは
>ポーラにとって、疑いようのない事実だ。割り切ることはとてもできない。
>忘れることも……。
>
> ──忘れなくても、いいんです……。
> 昨日のフィリシアの言葉が脳裏に響く。彼女はそう言っていた。忘れることなど
>できるはずがないからと。
> ──でも、ポーラさんは、ティル君を幸せな思い出と悲しむだけの思い出、
>どちらになさるのですか? 
> 私がこんな風に言うのはご不快だと思いますが、どうか悲しむだけの思い出には
>なさらないでください。辛いだけの思い出になってしまうのでは、ティル君が
>可哀相です……。

自分が死んでしまって、もう一緒には居られなくなってしまって
大切な人を悲しませてしまう。
先に逝ってしまう方の方が、残された方のことを心配してしまうのかも知れませんね。

悲しいから、忘れたいと思うこともあると思います。でも、その方と過ごした
大切な、とても大切な日々とその方のことを忘れる、自分には出来ませんでした。

> 自分のことで母親が悲しんでばかりいると知ったら、きっとたくさん心配
>させてしまう。そう、〃ティル〃はそういう子たちだったから。どちらの
>ティルも、自分が悲しい顔をしていると心配して、何とか笑わせようとする
>ような、とても優しい子だったのだから……。
> その事を忘れてしまうところだったと、そう思った。

魔獣も幸せだったのですね。
ポーラさんの優しさと温もりに包まれて、本当に幸せたったのですね。
親が子供に教えて与えられるものよりも、遥かに多くのことを子供から教えてもらって
本当に大切なものを与えてもらっているのではないでしょうか。

>「短い間だったけれど、あなたに会えて私はとても幸せだったわ。ありがとう、
>もう1人の『ティル』……」
> そう呟いたとき、嬉しそうに、そして安心したように笑うティルの声を確かに
>聞いた気がして、ポーラは微笑む。久しぶりの陽の光に、瞳に小さく浮かんだものを
>光らせながら。

ティルちゃん達がポーラさんの傍らに居てくださったのでしょうか。
ポーラさん、どうかお幸せに。

>      ──使えない呪文〜Mistletoe 3 ・終 ──
>       作中引用:谷川俊太郎.訳「マザーグースのうた」より
>
>∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
>
>以上で、「使えない呪文」終了です。
>とてもきっつい話になってしまいましたのに、最後まで読んでいただきまして、
>本当に、ありがとうございました。m(__)m
>
>ラストはポーラと決めていました。正直、ポーラが本当に立ち直るのは
>もう少し時間が掛かると思いますが、とりあえず、という形です。
>
お疲れ様でした。
ポーラさんが、立ち直ってくださって、また笑える日が1日でも早く来てくださると良いですね。

>∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
> 「使えない呪文」後書きがわり、ついでに暴露と雑談

>F.ヤドリギは北欧系の神話では、「神の化身」や「生命」の象徴、「魔よけ」の
>  意味もあったと思います。樫の木は「生命を司る木」、「神」の象徴……「神木」
>  なんです。

北欧神話、お詳しいですね。
今度、北欧神話の本を読んでみようと思います。

>X.それはともかく、今回は書こうかなと思っていた小ネタをカットしてますね。
>  一番多いのは8話ですけど。7話も「名前」絡みのところをカットして、さらりと
>  流す方に変わりましたからねえ。
>E.話が違う方へ行ってしまいそうだったので、カットしました。さて、カット
>  しまくったので思いっきり分かりづらかったと思いますが、フィリシアは7話で
>  呼んでいたゼロスの名前を、8話でまた呼ばなくなってます。
>X.また呼ばなくなったなあとは思ってますね、8話の僕は。
>F.私の方は、8話では意識的に呼ばないようにしてます。それまでは何となくです。
>X.何となく……それはそれで、結構酷いような……(汗)
>E.最初の方は、とにかく警戒しかしてませんからね。意識しなくても自然にそう
>  なっていたんです。8話では3話以降上がっていた交友値(笑)が、7話の
>  後半でまた滅茶苦茶下がりましたから。フィリシアからみれば当然ですが。
>X.僕の立場ではあれは仕方ないんですけど……。

なるほど、フィリシアさんがゼロスさんの御名前を呼ぼうとしていなかったのは
そういう訳だったのですね。
ここから、『千年越しの賭』のお話までの間にフィリシアさんとゼロスさんには
いろいろことが起こるのでしょうね。

また、フィリシアさんとゼロスさんのお話を、読ませて頂けたらと思っております。
フィリシアさん、大好きですので、またご活躍なさるお姿を読ませて頂ければ、とても嬉しいです。

>E.まあ、半分は拗ねているようなものですから。あの程度は我慢しましょう。
>  当たり前ですが「千年越し〜」よりは精神的に脆いし、子どもの部分がありますから。
>  できるだけそうなるように書いてたし。
>X.「千年越し〜」の方はそれなりにタフですからね。本質は変わらないんですけど。
>E.奇しくもキャラの名前をそのまんまいただきました、成田美名子さんの「FELICIA」
>  にある台詞、「外の世界へ出ていきなさい。きっとなにかみつかるから」は、
>  こちらのフィリシアにも言えるなあと思いました。ここから名前を頂いた時は、
>  全然そんな感じにする気なかったんですが。
>X.ここでも引用シリーズですか? ちなみに「エイリアン通り」の劇中映画です。
>F.特別編として本編とは別に読み切りとしても描かれてます。筆者Eがかなり
>  気に入っているお話です。今ですと白泉社文庫ですね。4巻に収録されてます。

ルナさんの『世界を見てこい』(でしたっけ)と同じような想いの込められた御言葉ですね。
またも気になるお話ですね。
しくしく・・・・・『ヘヴン』・・・・地元と隣の駅の本屋さんに無かったです。
今度、もっと大きな本屋さんへ買いに行きます。
そのとき、「エイリアン通り」の4巻も買ってみようかな。

>E.引用……冒頭引用シリーズ、最初は何となく「ネプチューン」の台詞が
>  イメージで浮かびまして、つい書いたのですけど。それが続きました(苦笑)
>F.引用で言いましたら、「アーヴ語」に並ぶものはないのでは……? 
>X.使いまくってますからね。かなりいい加減な翻訳と変換ですが。

残念ながら、アーヴ語は分からないのですが
面白そうですね。

>X.あとは今回の中で分かることといえば、「クナスレージュ」のことですね。
>  獣王様のモノローグ部分で気が付いた方もおられるでしょうけど、リナさん達の
>  時代で言えば「ゼフィーリア」がある場所に当時「クナスレージュ」があった、
>  と筆者Eは設定してます。
>E.正確には現在の「ゼフィーリア」と「エルメキア」と「セイルーン」の中間辺り
>  です。漠然とですがそうイメージしてます。現在ある国は全部降魔戦争後に出来た
>  という設定です。ひとつの国や王朝が千年以上続くってそうそうないですし、
>  降魔戦争の影響で、まず当時あった国は状態を維持するの、難しいでしょう。
>F.ゼフィーリアとセイルーンが、この中では降魔戦争後、比較的早く興った国と
>  設定されています。
>  ……国の元になる都市が比較的ちゃんと残ったのでしょうね。当時の領主様は
>  有能でしっかりした方でしたので。

「クナスレージュ」の地名、何処のことだろうと気になっておりました。
「ゼフィーリア」のことだったのですね。
流石は、『手加減一発岩をも砕く』の御国。
魔族の方々も、あそこには何かあると思っているのでしょうか。

>X.それにしても、今回は筆者Eの性格と根性の悪さが良く分かる話でしたねー。
>F.……よくこんな酷い話書けますわよね……。
>E.しくしくしくしく……(号泣)

ゼロスさん。フィリシアさん。酷いことを言わないでください。
物凄く切なくて、読ませて頂いて泣きそうになったくらい素晴らしいお話でした。

>X.とりあえず、ポーラさんは「助演女優賞」ですね。
>F.「主演女優賞」でも良いと思います。ある意味で今回の主役はポーラさんですから。
>X.という辺りで、いじけている筆者Eは放っておくとして、お開きにしたいと
>  思います。
>F.ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
>  またお会いできれば、幸いです。

お疲れ様でした。
本当に、素敵なお話でした。母の想い、親と子の絆。
いろいろと考えながら、読ませて頂きました。

次のお話を読ませて頂けるのを、とても楽しみにしております。
いろいろと意味不明の感想ですが、またぜひ書かせて頂ければと思っております。

毎日寒いですね。
風邪も猛威を振るっているようですので
お体にお気を付けて、お元気で。
では、失礼します。

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24729ありがとうございますエモーション E-mail 2003/2/10 23:53:42
記事番号24714へのコメント

こんばんは。

丁寧なコメント、本当にありがとうございます。

>『使えない呪文〜Mistletoe 3』の完結、おめでとうございます。
>ポーラさん。コルプトさん。魔獣。そして全てを見ていた(と思ってしまったのです)ティルちゃん。
>フィリシアさん、ゼロスさん、獣王様、マゼンタさんの複雑に絡み合った行動。
>感情と理性、人間と魔族。
>本当にいろいろと考えながら、読ませて頂きました。
>ポーラさん。コルプトさんには、悲しい結果となってしまいましたが、面白かったです。
>毎回、本当に面白くて、読ませて頂けるのを、とても楽しみにしておりました。
そう言っていただいて、本当に嬉しいです。
ティルは多分見ていたんだろうなと書いていて思っていました。コルプトさんは、
もう少しちゃんと書きたかったなと思っています。あまり動けなかったので。

>> What are little girls made of?  What are little girls made of?     
>> (おんなのこって なんでできている? おんなのこって なんでできている?)
>> Sugar and spice And all that's nice,
>> (おさとうと スパイスと すてきななにもかも) 
>> That's what little girls are made of.
>> (そんなもんでできてるよ)
>
>女の方は、とても不思議ですね。
>物凄く脆くて今にも折れてしまいそうに思えるときもあれば、予想もしていなかった程の強さを見せてくれるときもありますね。
>なるべく、女の方を怒らせない方が良いようですね(汗)
マザーグースのこの歌って、さりげなく、でも的確に女性の本質を突いて
いますよね。
……でも男の子は「カエルとカタツムリと子犬のしっぽ」……こっちは何だか
よく分からないです(苦笑い)
マザーグースは言葉遊びのような面もあるので、女の子の方を作ってから
男の子の歌を作ったのかなと邪推してしまいます。
1話の冒頭引用だった新井素子さんの「ネプチューン」では、
「女性は体の中に全ての始まりを持っている」と書いていました。
……L様が女性体なのって、そのせいでしょうか(笑)

>ゼロスさんらしい考え方ですね。
>ゼロスさん程の魔族の方でも、フィリシアさんは、とても興味深く、まだまだ底の見えない方なのでしょうか。
>そして、そのゼロスさんのことを、的確に捉えている獣王様。
>流石はゼロスさんの上司の方ですね。
見えたと思っても、実はとんでもなく深すぎて、見えているとおりとは
一概に判断できない、という感じは持っているのかもしれません。
獣王様はもう、さすがです、と(笑)

>獣王様は、フィリシアさんが、神の欠片を持つ者かもしれないと思ったのでしょうか。
そうです。報告を聞いていて、「尋常じゃない」のは分かっていますし、
今回の事で少し「あれ?」と思ったんですね。一抹の不安みたいなのは
持っていると思います。

>冥王様。神族相手の『戦争』に手段を選ぶつもりは無いのですね。
ないでしょうね。スィーフィード・ナイトだけでも厄介なのでしょうから。
降魔戦争の下準備も始めていたと思いますので、「育つ前に芽を摘んで
おきましょう」という感じです。

>ゼロスさんの行動の基準は、『面白いかどうか』というのが、とても大きな決定の理由になっていそうですね。
>御自分の『お仕事』の部分を、“それなりの理由はあります”と
>嘘ではないけれど真実の全てでもない、お言葉で、さらっと流す。ゼロスさんらしい答え方ですね。
初めは「秘密です」にしようかと思いましたが、少し変なのでこうなりました。ゼロスの行動、となると自然に「面白いかどうか」が念頭に来るようです。

>魔族社会でも、そういうことが、きちんと出来る方と出来ない方がいるのでしょうか。
>ゼロスさんは、中間管理職としていろいろと御苦労なっているのでしょうね(笑)
>なんだか、とても実感がこもっている御言葉のように感じました。
おそらくいるのでしょうね(笑)敵わないと分かっていても態度で示す方は
いるのでしょうし、魔族でも気の合う合わないはあるみたいですし。
中間管理職は辛いですね(笑)
さらに人間が相手だと、もっとそう言うのがあるのでしょうから。

>やはりフィリシアさんは、凄い方ですね。
>ゼロスさんが魔族であることも、マゼンダさんを逃がしたことも御存知で
>それでも『ありがとう』、と言えるのですから。
ありがとうございます。これはフィリシアの設定で、絶対に入れると決めて
いたものでもあります。あとはもう嫌味にならないようにと、それだけ心配
だったんです。

>自分が死んでしまって、もう一緒には居られなくなってしまって
>大切な人を悲しませてしまう。
>先に逝ってしまう方の方が、残された方のことを心配してしまうのかも知れませんね。
>
>悲しいから、忘れたいと思うこともあると思います。でも、その方と過ごした
>大切な、とても大切な日々とその方のことを忘れる、自分には出来ませんでした。
忘れる、というのはやはり出来ませんから。頻繁に思い出さなくても、時々ふっと
思い出すんですよね。
悲しくて忘れてしまって、でも心は覚えていたから、自分ではそれが原因と
気づかずに、ずっと苦しんでいた方の話(実話)を読んだことがあります。
忘れてしまう方が辛いことも、あるのかもしれませんね。

>魔獣も幸せだったのですね。
>ポーラさんの優しさと温もりに包まれて、本当に幸せたったのですね。
>親が子供に教えて与えられるものよりも、遥かに多くのことを子供から教えてもらって
>本当に大切なものを与えてもらっているのではないでしょうか。
お互いに教え合う、与え合うのでしょうね。

>ティルちゃん達がポーラさんの傍らに居てくださったのでしょうか。
>ポーラさん、どうかお幸せに。
ティルたちが側にいる、という風に書きました。この子達はポーラの幸せを
願う人達の象徴ですので。

>お疲れ様でした。
>ポーラさんが、立ち直ってくださって、また笑える日が1日でも早く来てくださると良いですね。
ありがとうございます。もう、ポーラは幸せにならなきゃだめだと思ってます。
いっぱい辛い思いさせましたから……。

>北欧神話、お詳しいですね。
>今度、北欧神話の本を読んでみようと思います。
そうでもないんです。ほんとにさわり程度で、興味のあった部分だけ拾い読み
してましたので。

>なるほど、フィリシアさんがゼロスさんの御名前を呼ぼうとしていなかったのは
>そういう訳だったのですね。
>ここから、『千年越しの賭』のお話までの間にフィリシアさんとゼロスさんには
>いろいろことが起こるのでしょうね。
大事にばかりあたる、というのはないですが、いろんな経験していきますし、
どうしても多少の緊張感はあるけれど、少しずつ間柄も変わってきますから。

>また、フィリシアさんとゼロスさんのお話を、読ませて頂けたらと思っております。
>フィリシアさん、大好きですので、またご活躍なさるお姿を読ませて頂ければ、とても嬉しいです。
本当に、ありがとうございます。フィリシアとゼロスの話は、だいたいの
タイムテーブルと、基点になる出来事の設定だけがしっかりあって、
基点の間の部分の話はない、という状態なので、時間設定は結構飛ぶかも
しれませんが、読んでいただけたら本当に嬉しいです。(ほろほろ)

>ルナさんの『世界を見てこい』(でしたっけ)と同じような想いの込められた御言葉ですね。
>またも気になるお話ですね。
>しくしく・・・・・『ヘヴン』・・・・地元と隣の駅の本屋さんに無かったです。
>今度、もっと大きな本屋さんへ買いに行きます。
>そのとき、「エイリアン通り」の4巻も買ってみようかな。
「ヘヴン」は確かに大きめの本屋さんの方が見つかりやすいのかも。
「FELICIA」はほんわりとしたお話なんです。「FELICIA」での主人公、
ランディは今見ると、何となくゼルとイメージが近いですね。彼がフィリシアという少女を拾ったことから始まるお話です。

>「クナスレージュ」の地名、何処のことだろうと気になっておりました。
>「ゼフィーリア」のことだったのですね。
>流石は、『手加減一発岩をも砕く』の御国。
>魔族の方々も、あそこには何かあると思っているのでしょうか。
昔から伝説級の魔道士、賢者、勇者が出てくる土地のようですから……、
本当になにかあるんでしょうね。
これだけ続けば、魔族も「何だかなあ」と思うのかもしれないです。

>ゼロスさん。フィリシアさん。酷いことを言わないでください。
>物凄く切なくて、読ませて頂いて泣きそうになったくらい素晴らしいお話でした。
しくしく、ありがとうございます。今回は半分以上はポーラのおかげだと
思ってます。5〜6話の修正・書き直しはそれがなかったらかなり中途半端に
なっていたと、本当に思いますので。

>お疲れ様でした。
>本当に、素敵なお話でした。母の想い、親と子の絆。
>いろいろと考えながら、読ませて頂きました。
>
>次のお話を読ませて頂けるのを、とても楽しみにしております。
>いろいろと意味不明の感想ですが、またぜひ書かせて頂ければと思っております。
いつも丁寧なコメント頂いて、励みになっていました。
また、読んでいただけたら嬉しいです。

>毎日寒いですね。
>風邪も猛威を振るっているようですので
>お体にお気を付けて、お元気で。
>では、失礼します。
個人的風邪ひき要注意時期をどうにか突破しましたが、
油断はしないようにします。
猫楽者さんも、気を付けてくださいませ。
ありがとうございました。

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24750お話完結、お疲れ様でした!けーこ 2003/2/12 23:53:26
記事番号24711へのコメント

どーも、感想が遅くなり、申し訳ありません(汗)

いろいろ書きたい事とかあったんですけど、他の方の感想読んじゃったもので
余計にまとまらなくなってしまいました(爆)
断片的な事になっちゃいますけどよろしいでしょうか(^^;)

ゼラス様が歌うマザーグースの歌・・ステキです。お声を久川綾さんで変換すればよろしいのですね?(笑)薄く笑いながら、ゼロスの報告を聞く、武人たる王・・思わずゼラス様は赤髪で翠の瞳だとイメージしてしまう私がいる(^^;)
しかしながら、洞察力の鋭さはさすがですね。恐いお人(?)です・・。

フィリシアさんのゼロスの交友値のアップダウンの激しさが正直笑えました。
7話のところで、マゼンタさんを追い詰めた時、ぴくと、体が震えた、ってな下りがありましたけど、それは、ゼロスが逃がすのに加担している、とわかったからだったわけですね。そこまでちゃんと読めてなかったです・・(T_T)

ポーラさんの編んだ手袋を受け取るフィリシアさん、そしてフィリシアさんが供えたであろう花をみるポーラさん、それぞれの思いが伝わったシーンと思ってよろしいんですよね?読んでいて胸が熱くなりました(涙)
ポーラさん、二人のティル君の冥福を祈りつつ、楽しい思い出と共に強く生きて欲しいです。辛いだろうけど・・・・。

フィリシアさんの成長物語でもあったわけですね。で、電波男に言い寄られても屈しない強い彼女が出来上がった、と(苦笑)
あぁ、まだ、頭がボケボケな為にまともな感想書けませんでした(T_T)
すみません。
また、新作期待して待ってます。ではでは。

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24758Re:お話完結、お疲れ様でした!エモーション E-mail 2003/2/13 22:17:41
記事番号24750へのコメント

こんばんは。

>どーも、感想が遅くなり、申し訳ありません(汗)
いいえ、コメントをどうもありがとうございますm(__)m

>いろいろ書きたい事とかあったんですけど、他の方の感想読んじゃったもので
>余計にまとまらなくなってしまいました(爆)
>断片的な事になっちゃいますけどよろしいでしょうか(^^;)
はい、かまいません。8話は場面転換無意味に多いですし(←やる前は効果的だと
思っていたらしい)ちょっと小ネタが多い感じありますし。

>ゼラス様が歌うマザーグースの歌・・ステキです。お声を久川綾さんで変換すればよろしいのですね?(笑)薄く笑いながら、ゼロスの報告を聞く、武人たる王・・思わずゼラス様は赤髪で翠の瞳だとイメージしてしまう私がいる(^^;)
>しかしながら、洞察力の鋭さはさすがですね。恐いお人(?)です・・。
アニメ版ですと色っぽいお姉さまですが、好みで武人風な原作Vrにしました。
私も紅い髪で翠の瞳にしたかったです、ゼラス様(笑)……魔族は外見を
好きなように変えられますので、お断り入れて変えればよかった(爆)
でも部下は充分優秀です(笑)
……あ、景麒(子安武人さん)は、この世界ではある意味上司……(爆)
マザーグースは好きなんですが、あの歌はかなり印象強い歌です。
What are little boys made of?(おとこのこってなんでできている?)との
対比の落差が凄かったせいもありますが(笑)
……カエルにカタツムリに子犬のしっぽ……何で男の子はこんなので……(笑)
面白すぎるよ、マザーグース……。

>フィリシアさんのゼロスの交友値のアップダウンの激しさが正直笑えました。
楽しんでいただけて嬉しいです。本当に素直ですよね(笑)

>7話のところで、マゼンタさんを追い詰めた時、ぴくと、体が震えた、ってな下りがありましたけど、それは、ゼロスが逃がすのに加担している、とわかったからだったわけですね。そこまでちゃんと読めてなかったです・・(T_T)
あの部分は、わざと8話を読まないと分からないだろう、という書き方を
しましたので。7話ではあまり情報与えてませんから、無理ないです。

>ポーラさんの編んだ手袋を受け取るフィリシアさん、そしてフィリシアさんが供えたであろう花をみるポーラさん、それぞれの思いが伝わったシーンと思ってよろしいんですよね?読んでいて胸が熱くなりました(涙)
>ポーラさん、二人のティル君の冥福を祈りつつ、楽しい思い出と共に強く生きて欲しいです。辛いだろうけど・・・・。
ポーラはほんとに強く生きてほしいです。
実はこれを書き上げたあと、文庫になっていることに気づかなかった加納朋子さんの
「沙羅は和子の名を呼ぶ」(集英社・短編集)を見つけて購入し、読んだの
ですが……もし先に読んでいたらこの話、書けなかったかも……と思いました。
やっぱりプロは凄いです。「フリージング・サマー」の主人公へのあのキャラの
思いは、そのまんまティルの心情に置き換えられます。

>フィリシアさんの成長物語でもあったわけですね。で、電波男に言い寄られても屈しない強い彼女が出来上がった、と(苦笑)
そうです。とにかくじたばたしているフィリシアのお話でした。
電波はねぇ(笑)フィリシアに、彼女の母くらいのバイタリティがあったら、
(フィリシアは父親似の性格です)あっさりと「厨撃退」していたのかも(笑)

>あぁ、まだ、頭がボケボケな為にまともな感想書けませんでした(T_T)
>すみません。
>また、新作期待して待ってます。ではでは。
ありがたいお言葉を……(ほろほろほろほろ)
体調がおもわしくない中、コメントを本当にありがとうございました。

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