◆−冥王の騎士:虚像編(冥王の騎士本編を読まなくても何ともないのでお気軽に)−D・S・ハイドラント (2002/11/19 21:20:00) No.23368
 ┗冥王の騎士:虚像編:1章:ああ恐ろしきこの世の魔界(前編)−D・S・ハイドラント (2002/11/19 21:21:40) No.23370
  ┗冥王の騎士:虚像編:1章:ああ恐ろしきこの世の魔界(後編)−D・S・ハイドラント (2002/11/20 15:46:44) No.23380
   ┣ジョセフィーヌさん……怖いよぉ……(泣)−陽月 (2002/11/20 16:06:25) No.23381
   ┃┗Re:ジョセフィーヌさん……怖いよぉ……(泣)−D・S・ハイドラント (2002/11/20 17:35:46) No.23382
   ┣Re:冥王の騎士:虚像編:1章:ああ恐ろしきこの世の魔界(後編)−エモーション (2002/11/20 20:19:16) No.23384
   ┃┗Re:冥王の騎士:虚像編:1章:ああ恐ろしきこの世の魔界(後編)−D・S・ハイドラント (2002/11/20 21:06:32) No.23387
   ┗冥王の騎士:虚像編:1章(終):情けなき騎士−D・S・ハイドラント (2002/11/22 18:21:44) No.23415
    ┣Re:冥王の騎士:虚像編:1章(終):情けなき騎士−陽月 (2002/11/22 18:30:28) No.23416
    ┃┗Re:冥王の騎士:虚像編:1章(終):情けなき騎士−D・S・ハイドラント (2002/11/22 18:35:38) No.23417
    ┗Re:冥王の騎士:虚像編:1章(終):情けなき騎士−エモーション (2002/11/22 21:01:47) No.23422
     ┗Re:冥王の騎士:虚像編:1章(終):情けなき騎士−D・S・ハイドラント (2002/11/22 21:48:41) No.23423


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23368冥王の騎士:虚像編(冥王の騎士本編を読まなくても何ともないのでお気軽に)D・S・ハイドラント 2002/11/19 21:20:00


これは冥王の騎士の番外編です。
過去編という感じです。
まだカタート城が襲われてなくて平和な頃(多分2年前ほど)のお話となっております。

ただ注意点として、フィブリゾ達はただの人間(いや一国の王子だし違う意味でただの人間ではないんだけど)です。

フィブリゾはカタート王国という国の王子様です。
シェーラは騎士です。

それでは本編開始です。

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23370冥王の騎士:虚像編:1章:ああ恐ろしきこの世の魔界(前編)D・S・ハイドラント 2002/11/19 21:21:40
記事番号23368へのコメント

 風はけして旅を終えることなく、永遠に、自由に・・・。
 雲は白く、広大だ。
 天の大陸とも思える。
 空を眺めるのが好きだった。いや今もだ。
 風が雲が・・・そして鳥達も・・・。
 だがそれは幸のそこそこあるものは、その時が好きなように、不変な日常的という好きだ。
 特に異常な執着などない。
 ただ雨は嫌いだった。
 それに濡れることなどけしてないだろうに・・・。

 高くから見降ろす地上もまた美しい、優しい風が吹く丘、不気味にも神秘的にも思える大森林、そして活気を遠い天にも伝える城下――そこに住む人達も大好きだ。
 だが合うことなど滅多にない。いや再び出会うことなどもう数年、いや数十年待たねば来ないかも知れない。
 不満だったが仕方のないことだ。
 そう彼の立場のことを考えれば・・・。

 フィブリゾ=ダーク=ヘルマスター=ネオ=クリスタラー=カタート、つまりカタート王国、第一王子フィブリゾは今日も空を見上げていた。
 だがふと物音に気付く・・・。
 ノックの音と気付くのには瞬きほどの時間しか要さなかった。
 振り向けば、瞬間的に鮮やかなウェーブの艶やかな漆黒の髪が揺れ、その次の瞬間にはその美しい容貌に美麗な2つの碧宝石(ジュエルズ・エメラルド)が規則的にある。
 まだ歳が繰り上がって2年になるの幼いとも言える少年のため、美しさは完璧なものではなく、不完全ながらもそれを愛らしく、そして究極的なものにしている。
 「フィブリゾ様〜シェーラです。」
 声は若々しい女性の声、知った声である。
 「あっシェーラ、どーしたの?」
 「どーしたの?じゃありません、国王様よりフィブリゾ様に歴史の補習授業をさせよ、とのことです。」
 即座に厳しい口調になる少女。
 このときの彼女はフィブリゾにとってはあまり好きではなかった。
 だがそれでも他の貴族や騎士、召使いなどよりずっと好きだった。
 「ええ〜。」
 扉越しに、愛らしい声を上げる。
 (歴史だけは嫌だよ。)
 「とにかく、開けてください。」
 「分かったよぉ。」
 しぶしぶ魔法の鍵を外す。

 扉の向こうにいたのは、まだ10代半ばの黒の髪はフィブリゾのものに並ぶほど艶が良く、それを後で三つ編みにしている。
 大きな瞳は幼さを残しており、しっかりとした騎士の正装をしているが騎士の風格は微塵ほどにしか感じられない。
 とはいえ、14と言う異例の若さで騎士となり、たった2年で王子の剣術指南役となった奇跡の天才騎士である。
 伝説勇者の末裔ヒムドでさえ、彼女ほどの急出世はしていない。
 だがそれを妬むものも多いとか・・・。
 だが反面人気もあるようだ。フィブリゾにも一番好感の持てる騎士である。
 まあ優しい騎士は他にも多いが、彼女は別格である。
 大陸有数の剣技とそれ以上に魅力を持つ騎士、それが彼女シェーラである。

 「シェーラ、見逃してよ。」
 「ダメです。」
 絶対的な口調で言葉を放つと、フィブリゾが震え表情が強張る。
 それを見たシェーラは・・・。
 「・・・仕方ありませんね。」
 フィブリゾの呪縛が解け、笑顔が戻る。
 「私が国王様とジョセフィーヌ殿には風邪だと言っておきます。」
 そう言うとシェーラの表情が少し曇ったような気がした。
 「じゃあがんばってねシェーラ。」
 邪気に満ちた無邪気な笑みを浮かべ、扉を閉める。
 
    ◇◆◇◆

 「はあ・・・あの人には会いたくない。」
 シェーラは溜息を吐きながら運命に抗うのを諦め、覚悟の表情で歩き出した。
 この世の魔界へと向かう彼女はさながら勇ましくも思えたが、心の中は恐怖と後悔が積るのみ。
 
 そして魔界の入り口。
 そこには『歴史教室、担当ジョセフィーヌ』とおぞましくもそう書かれていた。
 シェーラの恐怖は限界点に達しようとしていた。

 続く。
 

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23380冥王の騎士:虚像編:1章:ああ恐ろしきこの世の魔界(後編)D・S・ハイドラント 2002/11/20 15:46:44
記事番号23370へのコメント

 禍々しき混沌が渦巻く。
 いかなる勇者もその瘴気には心を壊され、闇に捕らわれる。
 だから見てはいけないのだ。
 黄昏よりも昏きもの、暁よりも眩きもの、偉大なる闇と光統べる王でさえも畏怖するそれは、すべてを糧とし、今この時も生き続ける。
 カタート王国の悪魔。
 その忌み嫌われし滅びの魔物の名を密かに冠する魔女。
 カタート宮廷歴史教師ジョセフィーヌ。
 その魔物の名を記したプレートが暗き闇を撒き散らしている。

    ◇◆◇◆
 
 太古の昔、世界には神々が住んでいた。
 神々は強い力を持っていたが、それは今現在、世界各地で信仰の的となっている神とは違い完璧な力など持っているわけではない。
 個人としての強力な力があるだけだ。
 魔道士のように・・・。
 
 神々の社会は平和だった。
 平和は普遍であり不変であった。
 だが完璧な力を持たないものに不変など存在しない。
 神々もそれを理解していた。
 自らの終焉の危機を、世界の破滅を・・・。
 そういつしか世界には魔物が現れた。
 
 混沌鬼(カオティック)、蒼狼(ナイト・ファング)、死獣(キーニング)、焔魔獣(ドレイク)、・・・数々の魔物が神々を襲い、その屍肉を喰らった。
 だが神々もその魔物達をそれ以上に滅ぼした。
 神々は優勢だった。
 だが天から降りた邪悪なるもの、その災厄の魔物が現れてから、神々と魔物の優劣が逆転した。 
 悪魔である。
 
 悪魔は未知の力で世界を神々を蹂躙した。
 魔界から億のデーモンを呼び出しそれは神々に多大な被害を与えた。
 その力は完璧にも等しい絶対的な力であった。
 悪魔は喰らった。
 他のどの魔物も及ばぬ量の神の屍を――。
 
 神王ターメリックは祈った。
 そうこの時の神々はけして完全でも完璧でもない。
 不全なものは何かにすがる。
 神々の場合、それは精霊であった。

 神々は祈った。
 この暗黒世界を統べる王。
 精霊王ドラゴンに・・・。
 どれだけの時も惜しまずに祈った。
 悪魔やデーモン達に多数の神々は喰らわれ、ついに神王ターメリックも墜ちた。
 
 数少なく生き残った神々は絶望した。
 だがそれでも精霊王に祈るものもいた。
 ウニ、カラスミ、コノワタ、この3つの神はけして諦めることなく精霊王に祈り続けた。
 そして届いたのだ。
 ドラゴンは3つの神に力を与えた。

 その力は悪魔とを滅ぼし、デーモンを消し去った。
そしてウニは太陽を創造し、世界は光に満たされ、神以外の生物が誕生した。
 カラスミは天空にてその生物達を導くことにした。
 コノワタは報われぬ生物達を救おうと死の救済を与えることにした。
 そして、この時、世界は精霊王のものでなくこの三神のものとなった。
 精霊王ドラゴンは天空の果てにある混沌の海へと還ったと言われている。
 
 くだらない話だとジョセフィーヌは思った。
 だが今日はこれを教えなければいけない。
 親愛なる、崇高なカタート王子フィブリゾにこれを勉強させようとしている。
 大筋はすでに王子も知っているだろう。
 わざわざ、こんなくだらない神話をなぜ詳しく教えなければいけないのだ。
 自分は歴史教師だ、架空のことを教えるためにいるわけではない。
 だがそれもどうでもいいのだ。
 結局はそんなことはどうでもいいのだ。
 (コンコン。)
 物音・・・ノックの音だ。
 「鍵なら開いておりますのよ王子。」
 だが様子が違った。
 「そこのあなた、どなたですの。」
 王子ではないと瞬時に悟る。
 そして声が返る。
 「すみません、私シェーラと言いますが・・・。」
 かなり若い声だった、そしてこの声の主は・・・。
 「お入りなさい!」
 厳しい口調で言い放つ。

    ◇◆◇◆

 シェーラはその強い口調に気圧されながらも渦巻く混沌に耐えそっと部屋に入る。
 「失礼します。」
 緊張した空気に魂を蝕まれる感覚を覚えつつも、恐る恐る口を開きそうとだけ言った。
 「あなた、王子に言われてここに来たのでしょう。」
 恐ろしい声だ。
 「目を見なさい。」
 鋭い声に反射し、震えながら顔を上げ、言われた通りに教師用の椅子に座る歴史教師の方を見た。
 40前後で小太りの体に鬼のような形相、そしてやたらと悪趣味な煌びやか過ぎる服装。
 だがどんなに着飾っても、シェーラの自然な美しさに及ぶものではない。
 そしてその時ジョセフィーヌの表情が変化する。
 シェーラは覚悟を決めた。
 「オホホホホホホ、まあそんなことは良いんですのよ。それよりもあなた知ってますわね。」
 高周波がシェーラの精神をいとも容易く崩していく。
 「はあ。」
 曖昧な口調でしか言葉を発せられなくなり、蝕まれた精神にひどいダメージがくる。
 「実はうちのジェフェリーちゃんがついに、ここの騎士団の入団試験を受けるんですのよ。」
 シェーラは出来る限り興味深そうな表情をしようと努めた。
 だがおぞましき真なる混沌に身も心も侵略されていく中で思考もついに希薄となっていく。
 「それで騎士団でも優秀なあなたにうちのジェフェリーちゃんをより強く鍛えて欲しいんですのよ。いいですわね。」
 そして返答を待ち見つめる。
 シェーラは拒否を必死で訴えたが、それは届かない。
 そして思考が消え去り、意識も彷徨いかける中彼女は頷いてしまった。
 「んまぁああ、引き受けてくださるのね。それではよろしく頼みましたよ。それでは、オホホホホホホホホホホ。」
高周波とともにシェーラは部屋を追い返された。

 (全く本当に魔界だったわ。)
 だがその魔界での行動がシェーラをさらなる魔界へと誘うこととなった。
 どうするシェーラ。

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23381ジョセフィーヌさん……怖いよぉ……(泣)陽月 2002/11/20 16:06:25
記事番号23380へのコメント

こんにちは〜。


> その忌み嫌われし滅びの魔物の名を密かに冠する魔女。
> カタート宮廷歴史教師ジョセフィーヌ。
ということは……ジョセフィーヌさんは……力を誰かに継承するまで死ねないんですね(違……というより待て)


> その魔物の名を記したプレートが暗き闇を撒き散らしている。
ジョセフィーヌさん(の名前のプレート)だったらそれも可能……(汗)


> くだらない話だとジョセフィーヌは思った。
ジョセフィーヌさん……じゃないみたい……(待てコラ)


> 「お入りなさい!」
> 厳しい口調で言い放つ。
> 「あなた、王子に言われてここに来たのでしょう。」
> 恐ろしい声だ。
> 「目を見なさい。」
> 鋭い声に反射し、震えながら顔を上げ、言われた通りに教師用の椅子に座る歴史教師の方を見た。

> 「オホホホホホホ、まあそんなことは良いんですのよ。それよりもあなた知ってますわね。」
すごい変わりようですね…………


> 40前後で小太りの体に鬼のような形相、そしてやたらと悪趣味な煌びやか過ぎる服装。
想像したくないっす…………。


> 高周波がシェーラの精神をいとも容易く崩していく。
ここらへん…………ジョセフィーヌさんって最強キャラですよね……(滝汗)


> 「実はうちのジェフェリーちゃんがついに、ここの騎士団の入団試験を受けるんですのよ。」
『ぜってぇ受かんねぇ』っと思ってしまいました。


> 「それで騎士団でも優秀なあなたにうちのジェフェリーちゃんをより強く鍛えて欲しいんですのよ。いいですわね。」
> そして返答を待ち見つめる。
> シェーラは拒否を必死で訴えたが、それは届かない。
> そして思考が消え去り、意識も彷徨いかける中彼女は頷いてしまった。
あ〜あ……シェーラかわいそう……


> (全く本当に魔界だったわ。)
> だがその魔界での行動がシェーラをさらなる魔界へと誘うこととなった。
> どうするシェーラ。
>
シェーラ……がんばって生きてくれ…………。

では短いっすがこれの辺で失礼します

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23382Re:ジョセフィーヌさん……怖いよぉ……(泣)D・S・ハイドラント 2002/11/20 17:35:46
記事番号23381へのコメント


>こんにちは〜。
こんにちは〜。
またはこんばんは〜。
>
>
>> その忌み嫌われし滅びの魔物の名を密かに冠する魔女。
>> カタート宮廷歴史教師ジョセフィーヌ。
>ということは……ジョセフィーヌさんは……力を誰かに継承するまで死ねないんですね(違……というより待て)
です(待て)
>
>
>> その魔物の名を記したプレートが暗き闇を撒き散らしている。
>ジョセフィーヌさん(の名前のプレート)だったらそれも可能……(汗)
ですね。
>
>
>> くだらない話だとジョセフィーヌは思った。
>ジョセフィーヌさん……じゃないみたい……(待てコラ)
私も思いました。
>
>
>> 「お入りなさい!」
>> 厳しい口調で言い放つ。
>> 「あなた、王子に言われてここに来たのでしょう。」
>> 恐ろしい声だ。
>> 「目を見なさい。」
>> 鋭い声に反射し、震えながら顔を上げ、言われた通りに教師用の椅子に座る歴史教師の方を見た。
>↓
>> 「オホホホホホホ、まあそんなことは良いんですのよ。それよりもあなた知ってますわね。」
>すごい変わりようですね…………
はい。
まあジョセフィーヌさんですか(待て)
>
>
>> 40前後で小太りの体に鬼のような形相、そしてやたらと悪趣味な煌びやか過ぎる服装。
>想像したくないっす…………。
じゃあなるべくしないように(おい)
>
>
>> 高周波がシェーラの精神をいとも容易く崩していく。
>ここらへん…………ジョセフィーヌさんって最強キャラですよね……(滝汗)
ですね。
あっさり死んだとは思えません。
>
>
>> 「実はうちのジェフェリーちゃんがついに、ここの騎士団の入団試験を受けるんですのよ。」
>『ぜってぇ受かんねぇ』っと思ってしまいました。
それは言ってはいけません
>
>> 「それで騎士団でも優秀なあなたにうちのジェフェリーちゃんをより強く鍛えて欲しいんですのよ。いいですわね。」
>> そして返答を待ち見つめる。
>> シェーラは拒否を必死で訴えたが、それは届かない。
>> そして思考が消え去り、意識も彷徨いかける中彼女は頷いてしまった。
>あ〜あ……シェーラかわいそう……
ですねえ。
>
>
>> (全く本当に魔界だったわ。)
>> だがその魔界での行動がシェーラをさらなる魔界へと誘うこととなった。
>> どうするシェーラ。
>>
>シェーラ……がんばって生きてくれ…………。
次回はジェフェリーの訓練編です。
>
>では短いっすがこれの辺で失礼します
いえそんなことないと思いますが・・・。

レスありがとうございました〜
では〜

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23384Re:冥王の騎士:虚像編:1章:ああ恐ろしきこの世の魔界(後編)エモーション E-mail 2002/11/20 20:19:16
記事番号23380へのコメント

わ〜い、番外だ〜と思って読んで……こ、怖いよ……(TT)

まさに最強の人物ご登場……。
本編に出てきた強いキャラが、みんな小物に見える……何故だ……。
シェーラ、精神的には本編よりも追いつめられているような気がする……。
それにしても「歴史」の勉強で神話を教えるのも変ですね。
まあ、「十八史略」の最初の部分が、ほとんど神話だったり、第二次大戦前までの
日本で、歴史の中に古事記が混じっているようなものかもしれないですが。

> 「それで騎士団でも優秀なあなたにうちのジェフェリーちゃんをより強く鍛えて欲しいんですのよ。いいですわね。」
無理だ……それは無理だ……(滝汗)

> シェーラは拒否を必死で訴えたが、それは届かない。
> そして思考が消え去り、意識も彷徨いかける中彼女は頷いてしまった。
> 「んまぁああ、引き受けてくださるのね。それではよろしく頼みましたよ。それでは、オホホホホホホホホホホ。」
>高周波とともにシェーラは部屋を追い返された。
新たな犠牲者がここに誕生しました(合掌)

> (全く本当に魔界だったわ。)
> だがその魔界での行動がシェーラをさらなる魔界へと誘うこととなった。
> どうするシェーラ。
強く生きてください、シェーラちゃん。

続く……んですよね? 続きが怖いような楽しみなような……。
では、これで失礼します。

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23387Re:冥王の騎士:虚像編:1章:ああ恐ろしきこの世の魔界(後編)D・S・ハイドラント 2002/11/20 21:06:32
記事番号23384へのコメント


>わ〜い、番外だ〜と思って読んで……こ、怖いよ……(TT)
まあサブタイトルにも恐ろしきと書きましたし
>
>まさに最強の人物ご登場……。
ですね。
>本編に出てきた強いキャラが、みんな小物に見える……何故だ……。
でもガーヴ襲撃であっさりと・・・本当に死んだか疑問
>シェーラ、精神的には本編よりも追いつめられているような気がする……。
ですねえ。
>それにしても「歴史」の勉強で神話を教えるのも変ですね。
まあ宗教の始まりとかそんな感じでです。
>まあ、「十八史略」の最初の部分が、ほとんど神話だったり、第二次大戦前までの
>日本で、歴史の中に古事記が混じっているようなものかもしれないですが。
そんな感じかもしれませんね
>
>> 「それで騎士団でも優秀なあなたにうちのジェフェリーちゃんをより強く鍛えて欲しいんですのよ。いいですわね。」
>無理だ……それは無理だ……(滝汗)
はい無理です(断言)
>
>> シェーラは拒否を必死で訴えたが、それは届かない。
>> そして思考が消え去り、意識も彷徨いかける中彼女は頷いてしまった。
>> 「んまぁああ、引き受けてくださるのね。それではよろしく頼みましたよ。それでは、オホホホホホホホホホホ。」
>>高周波とともにシェーラは部屋を追い返された。
>新たな犠牲者がここに誕生しました(合掌)
ですね。
恐ろしき高周波攻撃
>
>> (全く本当に魔界だったわ。)
>> だがその魔界での行動がシェーラをさらなる魔界へと誘うこととなった。
>> どうするシェーラ。
>強く生きてください、シェーラちゃん。
大丈夫でしょうか
>
>続く……んですよね? 続きが怖いような楽しみなような……。
続きますよ〜。
>では、これで失礼します。
では〜
レスありがとうございました

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23415冥王の騎士:虚像編:1章(終):情けなき騎士D・S・ハイドラント 2002/11/22 18:21:44
記事番号23380へのコメント

 光が差し、その濡れた美貌を映し出した。
 黒の艶のある髪、美麗な輪郭の線、宝石のような碧眼。
 それが一層引き立って見える。
 「ふう、疲れたね。」
 そして、声、息が荒く、それがまたいい。
 「フィブリゾ様、また上達たしましたね。」
 その少年の姿から石の床へと意味なく視線を動かし、また戻す。
 「でもシェーラには敵わないや。」
 汗を流して爽やかな少年。
 彼がカタート王国の王子だというのはずっと知っている。
 だが王子らしくない感じもどこかあるのは気のせいだろうか・・・。
 (ガーヴ候よりはよっぽど気品はあるけどね。)
 胸中でそう呟きながらも、比べる相手が違いすぎたと、反省する。
 そして・・・。
 「じゃあ私、用事があるのでこの辺で・・・。」
 そして剣技教室を後にする。

 (全く、ジョセフィーヌ殿だけでなく王まで・・・。)
 歴史教師ジョセフィーヌのことを王シャブラニグドゥに話したが、王もそれに納得して早速明日とまで言ったのだ。
 考えれないことだ。
 ジョセフィーヌ・・・裏でかなりの力を持っているのかも知れない。

 剣技教室や歴史教室などの城内の教室はすべて王家のものの専用教室である。
 そのため、いくら城内である程度の力を持つジョセフィーヌでもその息子を教室に入れることは出来ない。
 そのため、城の裏庭を使うこととなった。
 すれ違っていく警備兵や教師、神官、騎士・・・、敬礼するものもいるが無視していくものもいる。
 彼女は騎士でも上位の魔道騎士であり、さらに教師を兼ねているため、城内でもかなり高位の地位にある。
 それでいてまだ16歳と、まさに若き天才なのだが、王子フィブリゾと一緒にいる時間がある、それだけが彼女がこの地位で良かったことだ。
 特に膨大な富や名誉などにはさして興味などなかった。
 豪華な食事も魔道具替わりに使うための餌と考えるとそれほどいいものとも感じられない。

 裏庭に出ると温かな風が吹いてくる。
 三つ編みが揺れた。
 雲は白く壮大で、淡い空よりも存在感を示している。
 遥か崖の下には巨大な森が広がっているらしいが、ここからでは見えない。
 あまり興味もなかったため、見に行こうとも思ったときもあったが、わざわざ行くこともなかった。
 しかも崖付近は危険だそうだ。
 「お待ちしておりました。」
 唐突に声がした。
 そしてその方を見ればそこにいたのは、1人の青年。
 20前後の男性にしては少々背が低い。
 淡く麗美な黄金の頭髪に線の細い美しいと言える容貌だ。
 しかし全体的に細いイメージが貧弱さや不健康さをそれ以上に漂わせている。
 白金と純金で作られた煌びやかなプレートメイルに上下はシルク製の服装である。
 騎士正装のシェーラのよりも豪華な服装である
 高級そうな剣を携えているが、歩き方から剣を使ったことが本当にあるのか疑問に思えてくる。
 「僕が宮廷歴史教師ジョセフィーヌ=メイルスターの息子のジェフェリー=メイルスターです。よろしくお願いします。」
 その滑らかで上品な口調からけして身分の低い育ちでないことは分かる。
 まあ宮廷歴史教師を母に持つというところでけして低いはずはないのだが・・・。
 「私は宮廷剣技教師のシェーラです。こちらこそよろしくお願いします。」
 シェーラも返す。
 「さあ、早速始めましょうシェーラ先生。」
 少々、呼称に抵抗を覚えたが、
 「そうですね始めましょう。」
 同時に悪寒を感じたがそれは気には留めなかった。
 シェーラは携えている剣を手に取る。
 訓練用のため刃は入ってないものである。
 金属の重みが手に、体中に伝わる。
 そして下に行っていた視線をジェフェリーの方に戻す。
 (えっ・・・。)
 そこには剣の重みに耐えながら、必死でバランスを保っている青年の姿があった。
 「あのう・・・。」
 シェーラはそっと話掛けてみる。
 「あっ大丈夫ですよ。」
 ふらつく青年の声だけは勇ましかった。
 「本当に大丈夫ですね。」
 シェーラは剣を持って右往左往するジェフェリーにの方に溜息を吐く。
 そして合図もなく始まった。

 だが2人にだけそれが分かる。
 5感が研ぎ澄まされ、世界がただ1つを残して消える。
 そして始まった。
 だが同時に終焉も・・・そう刹那、それが終わる。
 ジェフェリーの転倒により、
 そして同時に呆然となるシェーラに襲い掛かる衝撃。
 シェーラの意識が霧散していく。
 5感も意味を失い凍結していく。
 光が薄れていく中それを見た。
 覆面・・・?
 それは・・・。
 (ジョセフィーヌさん・・・。)
 シェーラの意識が失われた。

     ◇◆◇◆

 「シェーラ!」
 叫ぶ少年。
 「大丈夫?シェーラ。」
 それが繰り返される中シェーラはそっと目を開いた。
 「フィブリゾ様・・・。」
 「シェーラどうしたの・・・?」
 「何でもないんです。本当に・・・。」
 シェーラ脳裏にはあの頃の記憶があった。
 だがそれも不毛にも続く緑の迷宮で薄れていくことだろう。
 (終)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いやあ終りです。
まあまだ虚像編が完全に終わったわけではないんですけどね。
ジェフェリー・・・あれジェフリーだったかも・・・。
まあ良いけど・・・。
後、

>(ガーヴ候よりはよっぽど気品はあるけどね。)
>胸中でそう呟きながらも、比べる相手が違いすぎたと、反省する。
別にガーヴを悪く言ってるつもりじゃないですからガーヴファンの方怒らないでくださいね。
 
それでは〜。
 

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23416Re:冥王の騎士:虚像編:1章(終):情けなき騎士陽月 2002/11/22 18:30:28
記事番号23415へのコメント

こんばんは〜♪


> (全く、ジョセフィーヌ殿だけでなく王まで・・・。)
> 歴史教師ジョセフィーヌのことを王シャブラニグドゥに話したが、王もそれに納得して早速明日とまで言ったのだ。
> 考えれないことだ。
> ジョセフィーヌ・・・裏でかなりの力を持っているのかも知れない。
というか、単に棍棒とかモーニングスターとかメイスとかでぶん殴られて泣く泣く承諾、とか…………。


> 剣技教室や歴史教室などの城内の教室はすべて王家のものの専用教室である。
> そのため、いくら城内である程度の力を持つジョセフィーヌでもその息子を教室に入れることは出来ない。
王をぶん殴って……いや何でもないです……(をい)。

> 同時に悪寒を感じたがそれは気には留めなかった。
ジョセフィーヌさん……?


> そして下に行っていた視線をジェフェリーの方に戻す。
> (えっ・・・。)
> そこには剣の重みに耐えながら、必死でバランスを保っている青年の姿があった。
さすがジェフリー……。


> 「あっ大丈夫ですよ。」
嘘だ……絶対嘘だ……


> ジェフェリーの転倒により、
お約束ってヤツですね。

> そして同時に呆然となるシェーラに襲い掛かる衝撃。
これもお約束……ですよね……



>ジェフェリー・・・あれジェフリーだったかも・・・。
ジェフリーだったかと。


>それでは〜。
ジョセフィーヌさん……面妖な人ですよね……(遠い目)
それでは失礼します。

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23417Re:冥王の騎士:虚像編:1章(終):情けなき騎士D・S・ハイドラント 2002/11/22 18:35:38
記事番号23416へのコメント


>こんばんは〜♪
こんばんは〜☆
>
>
>> (全く、ジョセフィーヌ殿だけでなく王まで・・・。)
>> 歴史教師ジョセフィーヌのことを王シャブラニグドゥに話したが、王もそれに納得して早速明日とまで言ったのだ。
>> 考えれないことだ。
>> ジョセフィーヌ・・・裏でかなりの力を持っているのかも知れない。
>というか、単に棍棒とかモーニングスターとかメイスとかでぶん殴られて泣く泣く承諾、とか…………。
まあお気の弱いS様ですから
>
>
>> 剣技教室や歴史教室などの城内の教室はすべて王家のものの専用教室である。
>> そのため、いくら城内である程度の力を持つジョセフィーヌでもその息子を教室に入れることは出来ない。
>王をぶん殴って……いや何でもないです……(をい)。
恐怖の存在ですね。
>
>> 同時に悪寒を感じたがそれは気には留めなかった。
>ジョセフィーヌさん……?
でしょう
>
>
>> そして下に行っていた視線をジェフェリーの方に戻す。
>> (えっ・・・。)
>> そこには剣の重みに耐えながら、必死でバランスを保っている青年の姿があった。
>さすがジェフリー……。
まあこんな感じでしょう
>
>
>> 「あっ大丈夫ですよ。」
>嘘だ……絶対嘘だ……
ですね♪
>
>
>> ジェフェリーの転倒により、
>お約束ってヤツですね。
はい。
>
>> そして同時に呆然となるシェーラに襲い掛かる衝撃。
>これもお約束……ですよね……
です。
>
>
>
>>ジェフェリー・・・あれジェフリーだったかも・・・。
>ジェフリーだったかと。
まあ今さら名前変えるのもどうかと思うし
>
>
>>それでは〜。
>ジョセフィーヌさん……面妖な人ですよね……(遠い目)
あの人に教師が務まるか疑問。
>それでは失礼します。
それではありがとうござました〜。

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23422Re:冥王の騎士:虚像編:1章(終):情けなき騎士エモーション E-mail 2002/11/22 21:01:47
記事番号23415へのコメント

ああ、お約束と思いつつも……。だってあの親子だし。

王すら恐れる……というより、あの高周波で訳が分からなくなって、
頷いたに違いない。きっと事前に根回ししてたのかも。

ジョセフィーヌさん……ほんとにこの人、あの戦いで命を落として
いるんでしょうか?
ジェフリーと共に(実質1人で)「王の仇を取って、ジェフリーちゃまの
力を見せるザマス!」とか、言ってそう……。

> 「シェーラ!」
> 叫ぶ少年。
> 「大丈夫?シェーラ。」
> それが繰り返される中シェーラはそっと目を開いた。
> 「フィブリゾ様・・・。」
> 「シェーラどうしたの・・・?」
> 「何でもないんです。本当に・・・。」
> シェーラ脳裏にはあの頃の記憶があった。
嫌な記憶を……。封印したいのに思い出したってことでしょうか。

ジョセフィーヌさんの恐ろしさを堪能いたしました。

>まあまだ虚像編が完全に終わったわけではないんですけどね。
あの親子はともかく、続きが出ましたら読みますね。
では、これで失礼します。

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23423Re:冥王の騎士:虚像編:1章(終):情けなき騎士D・S・ハイドラント 2002/11/22 21:48:41
記事番号23422へのコメント


>ああ、お約束と思いつつも……。だってあの親子だし。
あの親子ですからねえ
>
>王すら恐れる……というより、あの高周波で訳が分からなくなって、
>頷いたに違いない。きっと事前に根回ししてたのかも。
ですね。
>
>ジョセフィーヌさん……ほんとにこの人、あの戦いで命を落として
>いるんでしょうか?
そんな気がしないのは私だけでしょうか
>ジェフリーと共に(実質1人で)「王の仇を取って、ジェフリーちゃまの
>力を見せるザマス!」とか、言ってそう……。
ですねえ。
>
>> 「シェーラ!」
>> 叫ぶ少年。
>> 「大丈夫?シェーラ。」
>> それが繰り返される中シェーラはそっと目を開いた。
>> 「フィブリゾ様・・・。」
>> 「シェーラどうしたの・・・?」
>> 「何でもないんです。本当に・・・。」
>> シェーラ脳裏にはあの頃の記憶があった。
>嫌な記憶を……。封印したいのに思い出したってことでしょうか。
そうです。
嫌な思い出です。
>
>ジョセフィーヌさんの恐ろしさを堪能いたしました。
あの方は最強ですね。
>
>>まあまだ虚像編が完全に終わったわけではないんですけどね。
>あの親子はともかく、続きが出ましたら読みますね。
>では、これで失礼します。
はい
本当にありがとうござました〜

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