◆−はじめまして。ルクミリ狂いです−リナ&キャナ (2002/5/4 16:53:56) No.20746
 ┗こんばんは。私もルクミリ狂いです。−れい (2002/5/6 21:14:07) No.20753
  ┗Re:こんばんは。私もルクミリ狂いです。−リナ&キャナ (2002/5/11 11:49:45) No.20782


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20746はじめまして。ルクミリ狂いですリナ&キャナ E-mail 2002/5/4 16:53:56


はじめまして。ルクミリ狂いのリナ&キャナと申します。
友達に見せたところ、妙にウケがよかった話です・・・













             聖女と死神のバースデー   
 




「じゃあ、行って来るからな」
「うん。
 行ってらっしゃい、ガウリイ」

 あたしとガウリイが旅を止めて、この地に落ち着いたのは、今から7年前。
 理由は・・・あたしに赤ちゃんが出来たから。それも、双子だった。
 子供を連れて旅をするわけには行かないしね。
 今は、ガウリイは近くの剣術学校で講師の仕事をやっているけど、たまに傭兵仕事を請け負うこともある。
 ・・・今回のは、それとは無関係だけど・・・毎年、あたしとガウリイで交代で行ってる所。
 ちなみに、あたしだって暇じゃない。 
 午前中は、こまごました火事やらなんやらであっさりと過ぎていく。
 それからご飯の用意をして、午後からは魔導師教会に顔を出したり、研究したり(あたしはまだ現役よ!)。
 何だかんだで過ぎていく日々は、ガウリイがいてもいなくても、大して変わらない。
 ガウリイは、たぶん半月は帰ってこない。結構『目的地』はここから遠いし。
 本当は、子供たちの誕生日パーティーをいっしょにしたいところだけど・・・
 それは、出来ない話だから。


 で。
「母ちゃん。
 明日のお誕生日、僕ね、こーんなにおっきいケーキ食べたい!!」
 双子の片割れは、両手をぐるぐる回しながら主張する。
「そんなにいっぱい、食べれるわけないじゃない」
「食べれるもん!」
 この子達は、いろんな意味であたしとガウリイの血を濃く引いているらしく、とにかくよく食べる。
 だから、ガウリイのお給料だけじゃ足りないから、あたしが近くの盗賊さんたちを・・・
 って、まあ、それはともかく。
「ねえねえ。
 お父さんは、本当に『あれ』買ってきてくれるかなあ?」
 今度は、もう片割れの女の子。
 『あれ』というのは、子供用の金色の(おそらくメッキ)サークレット。お誕生日に買ってあげるといったのを、まだ覚えていたらしい。
「うーん。ガウリイだからねえ・・・」
「父ちゃんが買ってくれなくても、僕が大きくなったら買って上げる!」
「いつまで待つの?
 もらったお小遣、すぐに使っちゃうくせに」
「う・・・」
 口の達者さは、いつもこちらの勝ち。
 何しろ、この子達は・・・
「母ちゃん。
 お鍋から、変なにおいがするよ?」
「え!?」
 振り向くとそこには、既に黒くこげた豚の角煮。
 ああ・・・いとしの豚肉さんたち・・・


 その夜。
 あたしは、どうにも寝付けないでいた。
 とりあえずベットから出て、隣の部屋で寝ている子供たちを見に行く。
 2人とも、何が楽しいのやら、ニコニコと笑っていた。
 うーん。一回起きたら、余計眠れなくなってしまった。
 昔は、眠れない夜があった。そんなときは、決まって何か起こったものだ。
 あるときは暗殺者に狙われ。またあるときは、なぜかその暗殺者に村おこしの依頼をされ。
 それから・・・
「いつからそこにいたの?」
「おや、気づいてらっしゃったんですか?
 いやぁ、お二人の結婚式依頼ですねえ」
 ・・・魔族がやって来たり。
 あたしは振り返り、予想通りの相手がいることを確認した。
 中肉中背の神官服。どこのご家庭にも1人や2人はいそうな姿だが、その正体は獣神官。パシリ魔族、ないしラーメン神官ことゼロスである。
「・・・その、大量についた修飾語句は何ですか?」
「いーじゃない。
 別に、口に出したわけじゃないし」
「口にしなければ言いという問題でもないと思うんですが・・・」
「気にしない気にしない。
 って・・・そんなことを言いに来たんじゃないんでしょう?」
「ええ、もちろん」
 たとえゴ○ブリ魔族であっても、こいつの能力は計り知れないものがある。そんなやつが、何の目的もなしに現れるはずがない。
「でも・・・
 リナさんも、お気づきじゃないんですか?」
「さあね。
 でも言っとくけど、この子達には指1本触れさせないわよ」
 あたしは、ゼロスを真っ向から睨みつけた。
「正確には、『この子には』、でしょう。
 ・・・紅い髪をした男の子には」
「・・・っ!!」
 やはり・・・
 うすうす予感してはいたのだ。いつかこういうことが起こるとは。
「もちろん、100%とは言いませんけど、可能性は高いですからね。
 ・・・赤眼の魔王様の欠けらである可能性は」
「違うわ!!
 この子は、そんなのじゃない!!だから帰って!!」
 あたしは叫ぶが、子供たちは起きる気配がない。
「おやおや。寝てる横で大声を出されると、眠れませんよねえ。
 ・・・ルークさんとミリーナさんとおっしゃいましたか」
「やめて!!!!!!」


 生まれた子供たちは、紅髪の男の子と、銀髪の女の子だった。
 それを見たあたし達は、とっさに『彼等』の事を思い出し・・・
 名前は、すぐに決まった。

 2人はすくすくと大きくなった。
 ガウリイの剣技にも、あたしの魔道書にも興味を示し(もちろん読めるわけがない)、いつも2人で一緒だった。
 しかも、兄ちゃんの方は見事なシスコンぶり(爆笑)を発揮し、ますます『彼等』の面影を増してきた。
 だがさすがに、大きくなったら2人で旅をしたい、と言い出したあたりで、あたし達の不安は大きくなってきた。
 どこぞの双子のトレジャーハンターの話をして、ろくなことにならないといったのだが・・・
 かえって逆効果だったらしく、2人してトレジャーハンターになりたいと言うようになったのだ。
 だから、ひょっとするとその可能性もある・・・と2人で話していた矢先の出来事だった。


「明日はこの子達の6歳の誕生日なのよ!!
 なのに、何でそんなことをするの!!?」
「のんびりしすぎていたくらいですよ。
 赤ん坊だったら、まだ制御が出来ないうちに感情を爆発させてくれたかもしれないですけど。
 ですが・・・
 僕らは魔族、ですから。
 ある程度は成長してくださっていた方が、リナさんたちや妹さんが『絶望』してくださいますし」
 そう・・・か・・・
 あたし達は、魔族というものを、甘く見すぎていたのだろうか・・・
「だからって・・・
 だからって、こんなことってないわよ!!」
 あたしは、とっさに呪文を唱え始める。
「無駄ですよ。
 それとも、呪符無しで『あのお方』の術でもお使いになりますか?」
「それは・・・」
 あたしは、思わず詠唱を止めた。
 ・・・昔のあたしなら、それでも迷わず呪文を唱えていたかもしれない。
「僕はもう行きますよ。
 これでも、色々と忙しい身なんですから」
 ゼロスはそう言うと空間を渡り、あたしの後ろにある、子供たちのベットの横に立つ。
「では、この子は頂いていきますから」
「やめて!!!!!!!!!」
 同時だった。
 あたしが悲鳴をあげるのと、ゼロスが『ルーク』に手をのばすのと・・・
「烈閃砲!」
『っな!!?』
 確かに寝ていたはずの『ミリーナ』が、そう叫ぶのとは。
 光の柱が、ゼロスの身体にまともに突き刺さる!
「ぐはっ!!」
 一瞬苦悩の表情を見せるも、すぐに平静を取り戻す。
 だが、さらに。
「海王槍破撃!!」
 達人の操る槍のごとき衝撃波が生まれ、今度もゼロスに直撃する!
「ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
 ゼロスが、吠える。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
 荒い息をつく。
「え・・・
 今のは一体・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・
 まるで・・・ご本人のようですね・・・」
 ひょっとすると・・・
 2人を護るために、『彼等』が降りてきたのかもしれない・・・
「これでは・・・ちょっと大変ですね・・・
 では・・・僕は一旦・・・引かせてもらいましょうか・・・」
「あっ!!」
 声を上げるまもなく。
 漆黒の神官は、虚空へと消えていった。


「大丈夫!?
 2人とも!!」
 慌ててベットに近づくと、まるで今の騒ぎなどなかったかのように眠る2人。
「はあ・・・
 よかった・・・」
 思わずその場にへたり込む。
 もっとも、仮にも高位魔族なのだから、あのダメージで死んだとも思えない。
 だが・・・当分現れはしないだろう。ただの勘でしかないが、あながち間違ってもないと思う。
 面白がり屋なのだ。多分、『彼等』と同じように成長するかどうかを、ゆっくりと観察でもするつもりなのだろう。
 ・・・腹は立つ。
 腹は立つが・・・
 今のあたしは、安心して涙を流すことで精一杯だった。


「母ちゃん母ちゃん」
 朝になって。
 朝食の準備をしていたあたしの服を、『ルーク』が引っ張った。
「こら。
 おはようございます、は!?」
「ん・・・
 おはようございます・・・」
 いちいちうるさいのかもしれないが、きちんとマナーは守らせないと・・・
 あたしが郷里の姉ちゃんにしかられる。
「で?
 いったい、なにがあったの?」
「それがさそれがさ!!
 夢の中で、知らない男の人が出てきて、僕に言ったんだよ!!
 『どんなときも、ミリーナを守れるくらい、強い男になるんだぞ』って!!
 すごいでしょう!!?」
 いや、なにがどうすごいのか・・・
 って・・・!?
「どうしたの?母ちゃん?」
 不思議そうに聞く『ルーク』。
「ううん。なんでもないのよ」
「でもさあ。
 変なことも言ってたんだ。
 『俺のようにはなるなよ』って」
 なるほど・・・
 どうやら、本当に『降りて』来ていた様である。
 これは・・・ガウリイにも教えてあげないとな・・・
 ・・・セレンティアシティから帰ってきたら。
「ところでさあ、母ちゃん」
「ん?」
「焦げ臭いよ」
「え!!?」
 みると、フライパンの中のオムレツは、見事に真っ黒になっていた。





あははははははは・・・
ばかですね。ばか話ですね。
一応、続きはあります。ただし、この話の3倍を超える大長編で・・・
笑ってる場合じゃないですが。

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20753こんばんは。私もルクミリ狂いです。れい URL2002/5/6 21:14:07
記事番号20746へのコメント


 こんばんは、初めまして。
 気まぐれに出没したりするれいとか申すものです。

 「聖女と死神のバースデー」読ませて頂きました♪
 続きがかなり楽しみです。もう速攻で読みますね★

 「どこぞの双子のトレジャーハンター」とあったので「ええ!?ルークとミリーナは双子だったのか!?」なんぞとぬかしてたりしましたが、すぺしゃるの方だったのですね。
 うーん、いつでも双子は女の方が強いのだろうか(笑)

 では、短いですがこれにて。
 かしこ。

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20782Re:こんばんは。私もルクミリ狂いです。リナ&キャナ E-mail 2002/5/11 11:49:45
記事番号20753へのコメント


> こんばんは、初めまして。
> 気まぐれに出没したりするれいとか申すものです。

はじめまして。DMに出没してまでルークを広めているあほたれなリナ&キャナと申します。

> 「聖女と死神のバースデー」読ませて頂きました♪
> 続きがかなり楽しみです。もう速攻で読みますね★

ありがとうございます。つたない代物ですが・・・

> 「どこぞの双子のトレジャーハンター」とあったので「ええ!?ルークとミリーナは双子だったのか!?」なんぞとぬかしてたりしましたが、すぺしゃるの方だったのですね。
> うーん、いつでも双子は女の方が強いのだろうか(笑)

一応、『どこぞの双子のトレジャーハンター』ってのは、『宝珠を我が手に』のエイシスとルーシーの事です・・・
紛らわしいです・・・(汗)

> では、短いですがこれにて。
> かしこ。

いえいえ。わざわざありがとうございます

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