◆−虚像 6−羅琴みつき (2002/3/26 23:46:12) No.20412
 ┣虚像 7−羅琴みつき (2002/3/30 22:52:09) No.20449
 ┣お久しぶりですι−紗希 (2002/4/1 17:59:20) No.20470
 ┃┗レスした瞬間に沈みました(↓)−羅琴みつき (2002/4/1 22:28:08) No.20484
 ┗虚像 8−羅琴みつき (2002/4/2 22:33:36) No.20511


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20412虚像 6羅琴みつき E-mail 2002/3/26 23:46:12



虚像 6




一晩明けた翌朝。リギの作った朝食を食べた後、あたし達はリビングに集まって話し合いを始めた。
昨日の予定では、そろそろ発つハズだったが、いつもの癖。ここまで突っ込んでしまったのだ。終わりは見届けなければ!

「―昨日の話からすると、お前さん、いろいろ知ってるみたいだったが、相手の場所とかの心当たりはないのか?」
やはり。人と野獣の心の入れ替え、という内容だけあって、ゼルは積極的だった。
リギに聞くと、彼は至極あっさり応えた。
「いや、心当たりも何も、場所なら正確に」
なにー。
「え……………………で、何処?」
とりあえず聞くあたし。
「結構遠いんで、口ではちょっと…。言ったでしょう?妹が消えた時には、かなり捜したって。でもその時には何も見つかりませんでしたし。
 だてに3年もここには居ませんからね」
あっさり言うけど……。
乗り込んだり国に言うなりしないくせに、何故そこまで知ってる……。
「じゃあ、早速行きましょ。リギくん、案内してね」
静かな口調でアメリアは言う。少し。怒っているようだった。誰に対してかは、言うまでもない。だから彼女は進むのだ。
「良いですよ。もとからついて行くつもりでしたから」
さりげなく闘士燃やしてるんですか?
「あ、そうだ」
手をパチンとならし―こういう仕草は、まだまだ子供っぽい―、思い出したようにリギは言う。
「アレはどうしますか?」
「アレって何だ?」
いや、ガウリイ………〃アレ〃は〃アレ〃。
まさか昨日の今日で〃彼女〃のことを忘れたとは言わないよね?言わせないから。
「…………妹のことですが」
「あー…ごめん。こいつはほっといて良いから。
 で、アレさんがどうしたの?」
あたしは苦笑まじりに、ぱたぱた手を振りながら言っておいた。
「いえ、連れて行った方が良いのかな、と思いまして。
 一応戦力にはなりますよ。魔法は使えませんけど、かなり凶暴ですし」
「じゃあ連れてく?」
リギは続けた。
「ただ。ちゃんと言っておかないとリナさん達にも襲いかかると思いますよ?特に爪の攻撃は痛そうですね。あと喉を噛み切られた方もいましたねー」
と。
いや、そんな穏やかに亡くなった人の話をするな!!
「ちょ………やっぱ来ない方が良いかも………」
あたし達は引きつった笑みで応えた。
「それに、大丈夫よ。リギくん」
アメリアは険しい顔をゆるめて言った。
「悪には私たちの力だけで充分よ。私たちには、正義とリナがある」
……いや、そこであたしがあるとか言われても………。
「ま…まあいいわ。それより、その場所って遠いんでしょ?
 ならそろそろ出発した方が良いんじゃない?」
「同感だな。俺もそいつらに聞きたいことがある」
あたしの言葉の後に続いたのはゼルだった。
体を元に戻す方法……そういった点では、相手はちょっと的はずれだが、きっと今は、どんな情報でも良いから希望が欲しいんだろうな。うん。
「じゃ、行きますか」



あたしたちはぞろぞろと家を出て、大きな庭を通った。
空は晴れ、庭の花は昨日にも増して綺麗に見えた。
「ね、このすごい量の花、全部あんたが手入れしてんの?」
あたしは先を歩くリギに聞いた。
「ええ。昔からここは花がいっぱいでした」
「でもこんなに広い庭じゃあ、水まくだけでも時間かかりそうだぜ?」
花に来ていて、自分に寄ってきた蜂を手で払いながら、ガウリイが言った。
「ここには時間しかありませんから。世話は好きですし。
 亡くなるまでは、庭師さんがやってくれていたんですけどね」
「ああ。そういえば………」
屋敷にいた人は彼以外、みんな〃獣〃に喰われたんだっけ。
なんとなく、だけれど。あたしは屋敷の方を振り向いた。

――――――――――――――――あ。

目が合った。
二階の部屋の窓に爪をたてている、獣になった少女と。
「…………………」
獣になった少女はガラス戸を引っ掻きながら、あたしを、あたし達を睨んでいた。

「あの子、元妹さん。何て名前なの?」
「ブルーム。『花が咲く』の意です」


獣になった少女が、花が咲くその名で呼ばれることは、二度とない。








あとがきみこ
ども、こんばんは。
すっかりお久しぶりになってしまった虚像をお送りしました。作者の創作意欲(ンな大層なもんではない)が冷めてきているので危ういです。頑張れリギさん!!こんないい加減なあたしだけど、君の幸せは誰よりも願っているんだーーー(説得力ねえ)!!!
何やらこのお話、最初は短く終わる予定だったんですけど、もう少し書きたいことが増えたので(←冷めたとか言いながら)、長くなりそうです。
血継もこの勢いで頑張りたいなー……。

今回名前が出てきました。獣さん。実は候補があと2つありました。
一つはブラッサム。意味は『木の花が咲く』。意味が好きだったんですけど、何かごつい(きぱ)ので却下。
もう一つはリリー。意味は『ゆり(花の)』。これも意味が気に入って、リギさんの名前にも『リ』があるしいいかな、と思ったんですが、盲点が!!
作者は『リ』の繰り返しがいえんのです。『リリー』とか『イイー』にしか聞こえません(爆)。あたしは話を考える時は、頭に音を浮かべるんですね。それがやりにくい………。
そんなわけで獣さんはブルームちゃんであります。何か変な名前であります。

おお。珍しくえらい長くなりました。そろそろ終わりませう。
ではでは。



先生ーーーーーー!!!何で国語の先生が英語でドイツ行っちゃうんですかー!!?

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20449虚像 7羅琴みつき E-mail 2002/3/30 22:52:09
記事番号20412へのコメント



虚像 7




………………つ………………………疲れた…………。


気付けばもう夕方近く。
既に何時間歩いたの問題ではない。
ここまで遠いとは思ってなかった…………。――――――で。

「何?この穴」
延々歩き続けた森を抜け、山を越え、山あいに隠れた、ちょっとした平地に出たと思ったら。山の斜面にぽっかり開いた、小さな穴が。
穴の奥は黒く、長く続いているようだった。
「トンネルみたいなものです。入り口は小さいですが、中は結構広いです。
 ここを抜ければ、山の向こう側。そこに魔道士さん達がいる施設があります」
疲れたせいもあって、なげやりな口調のあたしに、リギは丁寧に応えた。
全然疲れてないみたいだけど、この子。
「しかし奴らも良い場所を選んだもんだな。
 これだけ森の奥深くに来る人なんか居ないのに、その上入り口を隠すんじゃあ、領主にもばれない、というわけか」
そしてリギにはばれている。皮肉を含んでゼルは言った。
「領主の目を欺き、悪を行う!!それも人体実験だなんて………!!
 許せないわ!天と地が許しても……なんて言葉があるけれど!天と地だって許すわけないわよ!」
俄然アメリアは怒りと正義に燃えている。


「でもホントに出来るもんなのか?その………入れ替え?ってやつ」
暗い穴の中を、剣先にライティングの明かりを灯して進む中、ガウリイは珍しくまともなことを聞いてきた。
「んー……さあね。あたしも郷里で似たような話なら何度か聞いたことあるんだけど…。でも自我もないみたいだし、できるんじゃないの?合成人間ってのも存在するわけだし。………あ、ゼルごめん。引き合いに出しちゃって」
「いや、別にいい」
思わず口にしてしまい、ゼルの方を見たが、そう気にしている様子はなかった。
根に持たれたらどうしようかと思った……。
「そんなことは、向こうに行けばこの目で確かめられます!
 それよりも!今は先を急ぎましょう!!」
「アメリア……今回あんたはものすごくはりきってるねー……」
まあ、わからんでもないが……。
「ところで。リギ」
足の重みを感じつつ、あたしは言った。
「なんですか?」
「あんたは戦えるの?」
言いつつあたしは彼の腰を見た。格好は昨日と変わらないけど腰のベルトには長剣と短剣が。
とても強そうには見えないけど、ちゃんと動けるんだろうか?彼は。
「心配いりません」
リギはまた穏やかに微笑んだ。暗くてよくは見えなかったんだけど。
「大丈夫、足手まといにはならないと思います。
 それに―――、少なくともボクは、あなた達よりも行動にうつすことができます」
何を?と、あたしは聞いた。リギは「……そのうち…、わかりますよ。きっと」と言ってはぐらかした。こうなった彼にはもう何を言っても無駄、そう思い、あたしはそれ以上追求しないことにした。
そして、〃きっとそのうちわかるその意味〃は、本当に、そのうちわかることになった。
果たして。それは良い趣向だったのか。
それとも―――。



―穴を抜けた時、あたりはもう薄暗くなっていた。
それでも。
「ふぅん。なるほど。あれなわけね?」
「はい、あれですね」
古城か何かを研究施設として使っている、そんな所だろうか。
穴を出てすぐの所に、暗くてもわかるほどの距離の所に、大きな建物はあった。
「へー。見張りとかはいないんだな」
ガウリイはあたりをきょろきょろと見回して、誰ともなしにひとりごちた。
彼はずば抜けて目が良いが、気配とかも含めて言ってるんだろうな。あたしも感じないし。
「ああ、位置的な問題もあって安心しているんでしょう。ボクはもう何度もここには来ていますが、見張りの存在を確かめたことはありません」
「ほー」
ガウリイの呟きにもまた、リギは丁寧に応え、情報をくれる。
「見張りがいないのなら、好都合!!正面から踏み込みましょう!!」
「すぐに行くのか?」
「ゼルガディスさん!しぶってる場合じゃありませんよ!すぐ行きましょう!すぐ!即!」
やけに熱いぞ正義のオヒメサマ。
「あ……あの、アメリアさん、」
おずおずと、申し訳なさそうにリギは声をあげる。
「何?」
「あの……今はちょっと都合の悪い時間帯ですし、少し休んでから行かれた方が良いんじゃないですか?それに、アメリアさんには正義とリナさんがあるんでしたよね?だったら疲れている主人公をすぐに戦わせるのは、よくないと思います」
「う゛っ………そ、そうね…悪は逃げない……とも限らないけど…。しましょう、休憩」
うあ何かあたしが恥ずかしいぞ。
「おいリギ、都合の悪い時間帯ってのは何だ」
ゼルが問う。
リギが応う。
「きっとまだ実験の最中でしょうから、実験室の近くにいる〃獣たち〃を使われる恐れがあるんです。どうせなら、もっと遅い時間にした方が良いと思いまして」
「……………フン」
ゼルはつまらなさそうに言った。
アメリアまでもが真剣な表情でリギを見ている。
本当に、彼はどこまで知っているのか。
彼が敵である可能性も出てきた。
嫌な感じだが、ある程度の警戒心をもたなければ。


嫌な予感がした。








あとがきよみ(ネ…ネタがない……(やめろ))
何だかこのお話……リナさんとアメさんとリギさんだけでも問題ないのでは……(爆)?ゼルとガウは出番なさ過ぎですよー。
あ、断っておきましょう。このお話の主人公は―――、リギさんであります(断言)!!!
作者の偏愛による結果です!ちなみに次点(とか言うな)はリナさんで。

さあ、みんなで一緒にリギさんを称えよう!←布教

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20470お久しぶりですι紗希 E-mail 2002/4/1 17:59:20
記事番号20412へのコメント

こんにちは〜。
下のに続き、連続レスです〜。
遅くなってすいませ〜ん(;_;)

>一晩明けた翌朝。リギの作った朝食を食べた後、あたし達はリビングに集まって話し合いを始めた。
>昨日の予定では、そろそろ発つハズだったが、いつもの癖。ここまで突っ込んでしまったのだ。終わりは見届けなければ!
リナって、いつもこうやって事件に巻き込まれて行きますね〜。
あ、いつもじゃないか。

>「―昨日の話からすると、お前さん、いろいろ知ってるみたいだったが、相手の場所とかの心当たりはないのか?」
>やはり。人と野獣の心の入れ替え、という内容だけあって、ゼルは積極的だった。
自分とそっくりの立場である以上、何かしたいんでしょうねぇ。
本人、口が裂けても言わないんでしょうけど。

>「アレはどうしますか?」
>「アレって何だ?」
>いや、ガウリイ………〃アレ〃は〃アレ〃。
>まさか昨日の今日で〃彼女〃のことを忘れたとは言わないよね?言わせないから。
>「…………妹のことですが」
>「あー…ごめん。こいつはほっといて良いから。
> で、アレさんがどうしたの?」
>あたしは苦笑まじりに、ぱたぱた手を振りながら言っておいた。
やっぱり忘れたか、ガウリイ(笑)
昨日の事だし、まぁいいか。

>「悪には私たちの力だけで充分よ。私たちには、正義とリナがある」
>……いや、そこであたしがあるとか言われても………。
「私は凶暴な動物かぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!?」
と、いつもだったらいいそうですね。
リナさんだし。

>「ええ。昔からここは花がいっぱいでした」
>「でもこんなに広い庭じゃあ、水まくだけでも時間かかりそうだぜ?」
>花に来ていて、自分に寄ってきた蜂を手で払いながら、ガウリイが言った。
こらガウリイ。
もし間違って蜂を叩いて怒らしてもしたら、襲われるぞ?

>目が合った。
>二階の部屋の窓に爪をたてている、獣になった少女と。
>「…………………」
>獣になった少女はガラス戸を引っ掻きながら、あたしを、あたし達を睨んでいた。
そりゃあ、ね。
気の合うもんが取られるからね。

>「あの子、元妹さん。何て名前なの?」
>「ブルーム。『花が咲く』の意です」
>
>
>獣になった少女が、花が咲くその名で呼ばれることは、二度とない。
呼んだら…
もう…








>すっかりお久しぶりになってしまった虚像をお送りしました。作者の創作意欲(ンな大層なもんではない)が冷めてきているので危ういです。頑張れリギさん!!こんないい加減なあたしだけど、君の幸せは誰よりも願っているんだーーー(説得力ねえ)!!!
良いではないですか。
すっかり落ちまくっている私とは、えらい違いですよ。
そうですね。
リギには…

>何やらこのお話、最初は短く終わる予定だったんですけど、もう少し書きたいことが増えたので(←冷めたとか言いながら)、長くなりそうです。
>血継もこの勢いで頑張りたいなー……。
…鳥山あきらみたいな感じですか?
書き足して行く内に永遠に終わらなくなってはいけませんよ…?(そんな事はない)

>今回名前が出てきました。獣さん。実は候補があと2つありました。
へぇ〜…。どんな?

>一つはブラッサム。意味は『木の花が咲く』。意味が好きだったんですけど、何かごつい(きぱ)ので却下。
確か似たような名前が、何かの番組でありましたね。

>もう一つはリリー。意味は『ゆり(花の)』。これも意味が気に入って、リギさんの名前にも『リ』があるしいいかな、と思ったんですが、盲点が!!
>作者は『リ』の繰り返しがいえんのです。『リリー』とか『イイー』にしか聞こえません(爆)。あたしは話を考える時は、頭に音を浮かべるんですね。それがやりにくい………。
欠点があったのですねι
難しいですね〜…。

>そんなわけで獣さんはブルームちゃんであります。何か変な名前であります。
そういえば、『ブルーム・オブ・ユース』っていう、バンド名がありましたね。
とっさにそれを思い出してしまいました。

>おお。珍しくえらい長くなりました。そろそろ終わりませう。
>ではでは。
このように長いと、私は書くこと沢山で嬉しいんですけどね。
では、私も失礼します。

>
>先生ーーーーーー!!!何で国語の先生が英語でドイツ行っちゃうんですかー!!?
同じ科だからじゃないですか?


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20484レスした瞬間に沈みました(↓)羅琴みつき E-mail 2002/4/1 22:28:08
記事番号20470へのコメント

紗希さんは No.20470「お久しぶりですι」で書きました。
>
>こんにちは〜。
>下のに続き、連続レスです〜。
>遅くなってすいませ〜ん(;_;)
いえ!大丈夫です!!間に合いましたし!

>>一晩明けた翌朝。リギの作った朝食を食べた後、あたし達はリビングに集まって話し合いを始めた。
>>昨日の予定では、そろそろ発つハズだったが、いつもの癖。ここまで突っ込んでしまったのだ。終わりは見届けなければ!
>リナって、いつもこうやって事件に巻き込まれて行きますね〜。
>あ、いつもじゃないか。
何とかに巻かれろ風(違)。

>>「―昨日の話からすると、お前さん、いろいろ知ってるみたいだったが、相手の場所とかの心当たりはないのか?」
>>やはり。人と野獣の心の入れ替え、という内容だけあって、ゼルは積極的だった。
>自分とそっくりの立場である以上、何かしたいんでしょうねぇ。
>本人、口が裂けても言わないんでしょうけど。
うにゅ。んが!!この鬼作者め!って感じで何かできないように、希望は絶たれます。今後(死)。てかこの場合、ブルちゃんに何が出来るかじゃなくて、リギさんに何が出来るかですよね……。

>>「アレはどうしますか?」
>>「アレって何だ?」
>>いや、ガウリイ………〃アレ〃は〃アレ〃。
>>まさか昨日の今日で〃彼女〃のことを忘れたとは言わないよね?言わせないから。
>>「…………妹のことですが」
>>「あー…ごめん。こいつはほっといて良いから。
>> で、アレさんがどうしたの?」
>>あたしは苦笑まじりに、ぱたぱた手を振りながら言っておいた。
>やっぱり忘れたか、ガウリイ(笑)
>昨日の事だし、まぁいいか。
24時間たったら………ってか1秒たったら過去だから。

>>「悪には私たちの力だけで充分よ。私たちには、正義とリナがある」
>>……いや、そこであたしがあるとか言われても………。
>「私は凶暴な動物かぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!?」
>と、いつもだったらいいそうですね。
>リナさんだし。
リナ〃さん〃だし(←強調)。

>>「ええ。昔からここは花がいっぱいでした」
>>「でもこんなに広い庭じゃあ、水まくだけでも時間かかりそうだぜ?」
>>花に来ていて、自分に寄ってきた蜂を手で払いながら、ガウリイが言った。
>こらガウリイ。
>もし間違って蜂を叩いて怒らしてもしたら、襲われるぞ?
大群になって来られた日にゃあ、あんた(何)。

>>目が合った。
>>二階の部屋の窓に爪をたてている、獣になった少女と。
>>「…………………」
>>獣になった少女はガラス戸を引っ掻きながら、あたしを、あたし達を睨んでいた。
>そりゃあ、ね。
>気の合うもんが取られるからね。
………今気付いたんですが………。リギさんが家を離れたら、誰がブルちゃんに負の感情をあげるんでしょう……?
ま、まぁ、少しぐらいなら何もなくても平気でしょう。はい、解決♪

>>「あの子、元妹さん。何て名前なの?」
>>「ブルーム。『花が咲く』の意です」
>>
>>
>>獣になった少女が、花が咲くその名で呼ばれることは、二度とない。
>呼んだら…
>もう…
リギさんは〃アレ〃としか呼んでくれないですからね……。



>>すっかりお久しぶりになってしまった虚像をお送りしました。作者の創作意欲(ンな大層なもんではない)が冷めてきているので危ういです。頑張れリギさん!!こんないい加減なあたしだけど、君の幸せは誰よりも願っているんだーーー(説得力ねえ)!!!
>良いではないですか。
>すっかり落ちまくっている私とは、えらい違いですよ。
Σえっ!良いですか!?調子に乗っちゃいますよ!!?

>そうですね。
>リギには…
ううっ………鬼作者のもとでは無理か………!?←ンなら改めろ

>>何やらこのお話、最初は短く終わる予定だったんですけど、もう少し書きたいことが増えたので(←冷めたとか言いながら)、長くなりそうです。
>>血継もこの勢いで頑張りたいなー……。
>…鳥山あきらみたいな感じですか?
>書き足して行く内に永遠に終わらなくなってはいけませんよ…?(そんな事はない)
最初は5、6話で終わる予定でしたからね……;

>>今回名前が出てきました。獣さん。実は候補があと2つありました。
>へぇ〜…。どんな?
こんな↓

>>一つはブラッサム。意味は『木の花が咲く』。意味が好きだったんですけど、何かごつい(きぱ)ので却下。
>確か似たような名前が、何かの番組でありましたね。
バター入れ(爆)と、あともうひとりは何でしたっけ?

>>もう一つはリリー。意味は『ゆり(花の)』。これも意味が気に入って、リギさんの名前にも『リ』があるしいいかな、と思ったんですが、盲点が!!
>>作者は『リ』の繰り返しがいえんのです。『リリー』とか『イイー』にしか聞こえません(爆)。あたしは話を考える時は、頭に音を浮かべるんですね。それがやりにくい………。
>欠点があったのですねι
>難しいですね〜…。
です……。あたしは繰り返しで舌が回らないから、よく馬鹿にされるのです;

>>そんなわけで獣さんはブルームちゃんであります。何か変な名前であります。
>そういえば、『ブルーム・オブ・ユース』っていう、バンド名がありましたね。
>とっさにそれを思い出してしまいました。
ああ〜……、聞いたことがあるような気がなきにしもあらず………

>>おお。珍しくえらい長くなりました。そろそろ終わりませう。
>>ではでは。
>このように長いと、私は書くこと沢山で嬉しいんですけどね。
そうですか?じゃあ調子に乗って長めにしませう。

>では、私も失礼します。
ではではー。

>>先生ーーーーーー!!!何で国語の先生が英語でドイツ行っちゃうんですかー!!?
>同じ科だからじゃないですか?
いや、冷静にツッコまれると困るんですが…………(爆)。
離任式で先生が行っちゃったんですよう。悲しい………。

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20511虚像 8羅琴みつき E-mail 2002/4/2 22:33:36
記事番号20412へのコメント



虚像 8




夜闇は世界を包み、風は器用に包まれた世界を吹き抜けて。
黒いはずの天井を仰げば、細かな灯りが揺れている。
静かに耳に響いた音は、誰の声だったんだろう。



アメリアは立ち上がり、視線をリギへと向けて、無言の承諾を得る。まだ深夜というにはだいぶ早いが、結構な時はたった。
そして、一同を見回し、流石に大きな声は出せないが、決意に溢れた声をあげる。


「行きましょう」


「おーけい」
「おお」
「了解」
あたしたちはそれぞれ、同意の返事をした。
そして、リギを先頭に、歩み出し―――
「あ、ちょっと待ってください」
唐突にリギは歩みを止めて、あたしたちの方に振り向く。
「何?いきなり」
建物の入り口付近だけあって、小声でうながす。
「目的をはっきりさせて下さい。それによって、向かう場所が違って来ますから」
ああ、そういえば。何だか今更で、間の抜けた話だが、一理ある。

あたしたちは、一体何がしたいんだろう?

あたしとしては、『復讐の手伝い』みたいな気だけど、流石に殺しはどうかと思うし、そういう実験をもうしないように成敗?
何か他にも実験に使われた人達が居るようなこと言ってたわよねー。となるとアメリアは絶対そっちの救出を希望するだろうし……。何よりあたしだってほっとくのは気が引ける。
「ん〜………どうする?」
考えがまとまらず、意見を求める。
特にアメリア。今回彼女はすごいやる気だし。そもそも1人はろくにこと言わないから。
「そうね、私は…………。悪を倒したい!こんなこと止めさせたい!
 それから、まだ中に被害者がいるのなら、助けたい!」
どうやらアメリアも同じような意見だけど、問題はどっちを先にするか。
そんな折り、リギは声をあげた。
「え…助けるつもりですか?」
本当に、意外そうな。
「助けるつもりも何も……当たり前のことじゃないの?」
アメリアは少し、ほんの少し悲しそうな顔をして、リギを見た。
「そうですか………なら、やっぱりあなた達がこの先へ進むことは、賛成できません」
「リギくん………?何言って…ちょ、リナ?」
「………いいから」
何か言いかけたアメリアを、思わず手で止めた。
あたしは気付いていた。
そう言ったリギの手が、微かに震えているのに、気付いていた。
だから、何も返せなかった。
理由はわからない。でも。
非難するのが、とても可哀想だと思った。
「あたし、あんたの言いたいことわからないわ。でも先に進みたい。
 こんな遠くまで歩いてきたのに、ここで帰れっていうの?」
理由はわからないから、正直な所を言っておく。
リギは失望した顔を向け、淡々と言った。
「わかりました。好きにして下さい」
その年に似合わない言動、物腰、それらに圧倒されてしまったのだろうか?
あたしたちの中で、その言葉に応えられる人はいなかった。
そしてリギは続け、
「でも、責任はとりません。行きますよ」
言うとあたし達の立ち止まった理由、〃意見〃も聞かずに、歩き出した。
「ふぅ……行くぞ」
ゼルは何だかあきれたように呟くと、後に続いた。

謎は増える一方で。





その意志の存在は、まるで虚像。
その意志の存在が、実像となる日は来るのか。













あとがきみよ(そろそろ限界……(やめろ))
何かリギさん、嫌な人化してませんか!!?
ああ………。作者が悪いんです。そう。作者が。
まあ、もう少ししたら、ちゃんと謎も解いて(そんな大層な謎はない)、リギさんを楽にしてやりたいです!!
でもまだ鬼作者のストックはあります故(死)。くくっ………←鬼畜
そろそろ佳境かな?

続きは早めに出したいと思います。
では、みつきでした。

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