◆−ノクターン story5 〜第五楽章〜−春祭あられ (2002/1/27 00:54:50) No.19799
 ┣ノクターン story6 〜第六楽章〜−春祭あられ (2002/1/28 00:41:24) No.19809
 ┣ノクターン story7 〜第七楽章〜−春祭あられ (2002/1/29 00:50:00) No.19822
 ┗ノクターン story8 〜第八楽章〜−春祭あられ (2002/2/1 00:19:26) No.19873


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19799ノクターン story5 〜第五楽章〜春祭あられ E-mail 2002/1/27 00:54:50


妖精が森に住まうのは、自分達から溢れ出す力を気に吸わせているため。
そして樹は力を養分として大きくなる。
月の出る夜は力が溢れてしまうから 姿が見えてしまうから
人を怖がる妖精たちは森にふたをしてしまう。
だから入れない。だから出れない。
神秘は月の出る夜にこそ起こるもの。


30分。
30分もの間、アメリアは森を出たり入ったりしていた。
森に入る。がさがさと茂みを掻き分けて広い場所に出たと思ったらそこは入り口。
まるでトトロの世界。ファンタジー。
しかしアメリアはあきらめなかった。
失敗したらまた違う方向へ。違う場所へ。
何度も何度もチャレンジする。
(お願いします・・・・・・ゼルガディスさんのところへ、森の中へ行かせて下さい!!)
心の中でアメリアは叫び続けていた。
何度目になるだろうか、アメリアが再び森に入ったとき、目の前に光の球がすうっと現れた。
ゆっくりと、大きくそれは旋回すると、まるで誘うかのように森の奥へと入っていく。

こっちよ、おいで
こっちよ、おいで

心なしかそんな声が聞こえてくる気がする。
さあ、おいで。
その誘いに、迷うことなくアメリアは乗った。
見失う寸前の光球の後を追いかけて全速力で走った。
夜の森。
真暗闇の中では足元は見えない。
当然何度も木の根に足を引っ掛けては転ぶ。
それでも、すぐに立ち上がって走った。
分かっていたから。
確実に森の奥に入っていることに。
もう入り口には戻らない――――――確信
ふと気付けば、光球は真上に舞い上がり、目の前は広場になっていた。
空に映える少し欠けた月。
前にもここに来たことがある。あの時は満月だった。
見覚えのあるそこは、昨日ゼルガディスと会った所。
あの時聞こえた歌声は、今日は聞こえない。
「貴女はラシュアの血族ね」
アメリアの頭上から声がかかった。
だが、上には光球しかない。
「ラシュアは、私の祖母です」
アメリアは迷わず光球に向かって声をあげた。
間違いではない。――――――根拠のない確信。自信。
光球はやがて人の形をとると、それはとても美しい妖精だった。
白銀の髪が柔らく風になびいている。白い肌。背中に生える、半透明の大きな羽。
その全てが月光を反射して、この世のものとは思えないほど美しかった。
「本来なら人間を森へは入れさせない・・・・・・心清き者ね、貴女は。ラシュアの血族ならそれも肯ける。――――――私の名はオリエンタ。この森に住まう精の長。貴女の名前は?」
手を差し出されて、こわごわとそれを握る。
冷たいと思っていたその手は、思ったより暖かく、人肌と同じくらいだった。
「私はアメリア。あの・・・・・・祖母を知っているんですか?」
オリエンタはにっこりと笑うと、優しくアメリアを包み込んだ。
「・・・・・・ラシュアは貴女同じ、心清き者。私は彼女を愛していた」
「おばあ様は・・・・・・この森に何度も入っていたんですか?」
「ええ。・・・・・・さあ、来なさいアメリア。ゼルガディスはこっちよ」
「え・・・・・・あ・・・」
オリエンタの手がアメリアの手を掴み、優しく引っ張った。
本当に優しく引っ張られていただけなのに、アメリアの身体は自然と動いていく。
広場からまた茂みに入る。
そのとき、微かに歌声が聞こえた。

  La Dagen Fa
  Sin Hvile Na
  Og Natten Vil Vake For Den
  Nocturne

(これは・・・)
この歌には聞き覚えがあった。
昨日ここに来た時に聞こえた歌。
昔。   祖母ラシュアが歌っていた歌。
優しかった祖母。
もう亡き人を思い浮かべて、アメリアは一粒涙をこぼした。


「カーリー様」
部屋は暗く、月明かりだけが彼を照らしていた。
その様子は、さながら天使のよう。――――――否。悪魔のよう。
人外れた整った顔立ちは、欠けたといってもまだ満月に近い月に良く映えた。
「どうした?」
振り返ったその顔は、薄く笑っていて。
凍りつく笑いを見ないように、扉近くに立っていた男は顔を下げた。
「召喚の儀の用意が整いました」
「・・・・・・そうか」
カーリーは、それだけ言うと、手だけで男に部屋を出るように指示した。
――――――――まったく、如何なるものか。
笑いが、笑いが止まらない。
そう、最初からこうしていればよかったのだ。
こんなに時を待たなくとも、最初からこうしていれば!
「くくくっ・・・あは、ははははははっ」
向こうにはゼルガディスがいる。
邪魔なのは、厄介なのはそれだけ。
ならば、取り除いてしまえばいい。
友情?
そんなものは知らない。
向こうが魔獣なら、こっちは本物の魔を・・・・・・悪魔を用意すればいい。
彼女を手に入れるためならば、魂を売ったってかまわない。
それほど、愛しているんだ。
ゼルガディスに渡してなるものか。
「醜い、嫉妬だって事は分かっている」
分かっているけど、止められない。
ゼルガディスを親友だと認識している。
こんな自分の心が憎い。
二つの面がある自分の心。
「ごめんな、ゼル。俺はもう、病んでいるんだ」
心を、身体でなく精神を。
愛に飢えて。友情を投げ出してしまうほど。
彼女を愛してる。
だから彼女の愛を受けてるゼルガディスを亡くしたい。
親友だと・・・・・・いけないと分かっていても・・・


            ◇◆◇◆◇◆◇


春祭「どーも、お久しぶりです。春祭復活いたしました。ご迷惑をかけて申し訳ございませんでした」
フレリオ「で、“もうしません”って言葉は?」
春祭「・・・・・・。ごめんなさい、言えません」
フレリオ「どーしてどーして。悪いことなんだよ?」
春祭「だってだって、私まだ学生なんだもん。中間テストとか、期末テストとかの前後は絶対無理なんだもん。特に、今学期は進級かかってるし」
フレリオ「そこを根性で何とかするのが筋ってもんでしょう」
春祭「不可能です。(きっぱり)」
フレリオ「またはっきりというねぇ」
春祭「読んでくれてた方には本当に悪いと思っています。これからも、何とか頑張るんで、そこらへんで許してください。宜しくお願いします」
フレリオ「だったらおいらの小説も早く何とかしてよ。第1話もアップしてないし、続きだって去年の夏から書いてないんでしょ?はーやくはやく」
春祭「正確には、去年の春からだにょ」
フレリオ「なお悪い」
春祭「うみゅ。分かってはいるのだが・・・・・・まあ、それはおいといて」
フレリオ「おいとくな!!」
春祭「今日から三日間、一話ずつ連日で更新する予定です。今まで休んでいた分それくらいいたします。と、言うわけで許してね。てへv 」
フレリオ「・・・・・・なにその最後の“てへv ”って」
春祭「つーわけで、今回のあとがきはこんくらいで終わり!」
フレリオ「わざとおいらのこと無視してるわけか、こらっ!」
春祭「では、また明日。それでは・・・・・・」
フレリオ「怒るぞ、おいら無視されるのが一番嫌いなんだ!をうっ、あ、なんだ?幕が・・・・・・ぎゃーっ幕が閉じていくぅっ?!ちょっと待った!ねぇ!おーいっ!!」




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19809ノクターン story6 〜第六楽章〜春祭あられ E-mail 2002/1/28 00:41:24
記事番号19799へのコメント

コンコン
ドアを叩く音に、本を読んでいたゼルがディスはいぶかしげに顔を上げた。
もう夜だ。
この時間に人は森に入れない。ならあとは森の精達だけだが・・・
わざわざノックをしてくる精など見たことがない。
コンコン
反応がなかったためか、ノックは再び繰り返された。
ゼルガディスがドアを開くと、そこに立っていたのはアメリアだった。
「アメリア?!」
「こんばんは、ゼルガディスさん」
にっこりと笑うアメリアに、ゼルガディスは驚愕を隠し切れない。
「おまえ、どうやってここに・・・・・・」
ふわっと風が吹いて、アメリアの後ろにオリエンタの姿が見えた気がした。
良く見るが、そこにはもう彼女はいない。
「オリエンタ・・・・・・?」
笑っていた。
人を近づけさせない彼女が。
「オリエンタさんに、案内してもらったんです。とても綺麗な人ですね、あの人・・・」
案内・・・?
どうして?
人を恐れ、近づこうとは決してしない森の精が。
とりあえず、外に立ちっぱなしでは夜の風は冷たすぎる。
ゼルガディスはアメリアを中に入れ、外を一回見回してから扉を閉めた。
やはり、オリエンタの姿はなかった。
「なにしに、きたんだ」
暖炉の前の椅子に座るように指示してから、暖かいお茶をいれに行く。
もちろん、ミルクも忘れずに。
「理由は、なかったんです。ただ、漠然と会いたいなって」
「それで、この森に入ったのか?」
「はい」
ゼルガディスは、あまりのことにため息をはいた。
「迷ったって、また運良く俺が助けに来るとはかぎらんだろうに」
「最初は・・・・・・入れなかったんです。森に。何度やっても・・・」
「だろうな。――――――おい、どうやって入ってきたんだ?!」
入れなかったということは、夜にこの森に訪れたということ。
夜は結界が張ってあっては入れない。出られない。
アメリアがこの場所にこれるのは、ほぼ不可能なこと。
「オリエンタさんが出てきて、こっちに来なさいっていってくれて。私の、おばあ様の知り合いだったらしいんです」
「おばあ様?」
「はい。昔、今私が住んでいる所はおばあ様の住んでいた所で・・・・・・びっくりでした。まさかおばあ様の知り合いに妖精さんがいたなんて」
ゼルガディスは、それを聞いて息を呑んだ。
森の精と知り合いの普通の人間。
自分が知っている限りじゃそれは一人しかいなかった。
自分を育ててくれた老婦人。
ラシュア
ラシュアの家には、毎年夏に小さな子供が訪れてきた。
自分の2歳ほど年下の少女。
ラシュアは、彼女が自分の孫なのだと教えてくれた。
ゼルガディスは、決してその少女に近づこうとしなかったが。
隠れて、彼女が帰るまで部屋に閉じこもって。
「そういえば、ここに来る途中、歌が聞こえてきたんです。知ってる歌だったから、懐かしいなぁって。人間の歌と同じのを歌うんですね。変わらないんですね、種族って」
「歌?どんな?」
自分のところに聞こえてこないと思ったら、妖精たちは皆アメリアを歓迎しに違うところで歌っていたようだ。
「ノクターンって言う曲です。昨日ゼルガディスさん見つけたときにも聞こえたんですけど・・・」
そう言って、アメリアはその歌を歌いだし始めた。

  そう今、そっと一日は終わろうとしている
  そして闇がそっと見守っている
  ノクターン

  真っ暗な闇は今となりに横たわっている
  でも新しい明日のために
  そっと道を明けてくれるでしょう

「・・・・・・その歌詞は初めて聞いた」
歌が終わって、最初の一言目はそれだった。
「そうですか?」
「いつも聞いていたのは・・・・・・知らない言葉だったから」
きっとそれは妖精に伝わる言葉で。自分達とは違う言語で。神秘的な響きで。
「私も、さっき聞いたのは違ったような気もしますけど・・・・・・」
ゼルガディスは、小さく、だがはっきりとした綺麗な歌声で、アメリアと同じ歌を歌いだした。

  La Dagen Fa
  Sin hvile na
  Og Natten Vil Vake For Den
  Nocturne

それは間違いなく妖精が歌ったのと同じ歌詞で。
「歌、上手ですね。なんか子守唄みたい」
「実際そうなんだろ。小さいとき、俺を育ててくれたばあさんが寝るときに歌ってくれてたからな」
「私も、この歌おばあ様が良く歌ってくれました。それ聞くといつも眠っちゃって」
アメリアが照れたように笑うと、ゼルガディスも、満面とまでは言えないが、笑った。
まるで氷が溶けたようなその笑顔に、アメリアの胸には嬉しさがつのった。
無愛想な顔で、まだ笑顔を見たことがなかったから。
「そう、おばあ様といえば、今日、私おばあ様の作った絵本を見つけたんです。魔物と人間の恋物語なんですけど」
にっこりと楽しそうに話すアメリアのその言葉に、ゼルガディスは明らかに顔を強張らせた。
アメリアはそのことに気がつかない。
「マリッシュって言う女性とガノンって言う魔物さんがある日出会って幸せに暮らすってお話なんですけど・・・・・・今考えると子供にはちょっと大人びた内容だったんですよねぇ・・・・・・」
うつむいてるゼルガディスの眉間が、ぴくぴくと動いている。
まだアメリアは気がつかない。
「アメリア・・・・・・その話を、一体何処まで知ってるんだ?」
「へ?」
ここで、ようやくゼルガディスの異変に気付く。
「・・・・・・どうかしたんですか?」
「だから、何処まで知ってるんだ、その話」
「何処までって・・・・・・確か最後は一緒に暮らして幸せになりました・・・だったと思うんですけど」
わけがわからず、素直に答えるがハテナマークを右肩に飛ばす。
「・・・・だよな。明らかに子供にはきつい内容だからな、あれは・・・」
ため息をついて、暗い目でゼルガディスは呟いた。
「知ってるんですか?このお話・・・」
どうしてだろう。祖母の、ただ一つの絵本なのに。
「それには、続きがあるんだ。残酷な続きが」
「え・・・・・・?」
「マリッシュはガノンの子を生み、確かに幸せに暮らしていた。だがある日、村の連中に袋叩きも同然のように殺されたんだ。魔物は、人間にとって恐ろしい存在だから・・・・・・嫌だったんだ、自分達の村で、傍で一緒に暮らしていることが。だから殺して・・・・・・残ったのは、その二人の間に生まれた子供だけ」
ゼルガディスはうつむいたまま答えた。
アメリアがその内容に息をのむ。
「な、生々しいですね・・・・・・実話みたい」
「実話だったんだ」
「はへっ・・・?」
「その子供の名前はゼルガディス、俺だ。――――――俺は森になんとか逃れて、しばらくは妖精とともにこの森にいたんだ。彼女らは魔獣の俺を受け入れてくれたから。数日して、出会ったのがラシュア。俺を拾って、育ててくれた。2年前まで・・・病死するまで」
「ラシュア?!私のおばあ様?!」
「そうだ。ラシュアの作った絵本は、俺が彼女に話した内容が脚色されて書かれてあるものだ。なんで本なんかにしたのか知らないが・・・・・・それを、おまえが読んだんだ」
アメリアは、何もいえなかった。
何を言っても、それはただの慰めにしかならないことが分かりきっていたから。
同情にとられることが、予想できていたから。
本当は、慰めでも、同情でもないのだけれども・・・・・・
アメリアは、何故自分が絵本を読んでここに来たのか、漠然と分かったようなきがした。
言いたかったのだ。
種族に、魔物と人間に隔てなどないことを。
だから、人を怖がらずとも、ちゃんと生きていけるということを。
その想いは今は言葉にできない。
言っても――――――――――――彼には戯言にしか聞こえないであろうから。


窓から月を見ながら、ステラはため息をついた。
その様子を、後ろにいる人物が心配そうに見上げる。
「どうした?」
彼は椅子に座り、しゅっしゅっと不気味な音を立てながら包丁を研いでいる。
鋭利な刃は銀色に、怪しく光る。
「アメリアちゃん・・・・・・夜のゼルを見たんだって」
まだ物足りないのか、彼は黙々と包丁を丹念に研ぎ続ける。
しゅっ しゅっ
「その姿を見て、怖がらないで、とても綺麗だって・・・・・・」
ステラは、カーテンに顔を突きつけて力強く握り締めた。
「私たち、ゼルの親友よね?」
しゅっ しゅっ・・・
とぎ音が止まる。
「あたりまえだろ。俺にとっては、可愛い弟だよ」
「私は、ゼルが好きよっ」
叫ぶその言葉に、彼は顔を微妙にしかめた。
「でも、その言葉を聞いて、自信をなくしちゃった・・・・・・ゼルのこと、好きなのに、愛してるのに、私は夜のゼルを見て一番最初に怖いと思ったの・・・・・・綺麗だなんて、思わなかった!殺されるんじゃないかって思った!」
「ステラ・・・・・・」
「私に、ゼルを好きでいる資格なんてあるの?ないように思えて・・・・・・」
彼は包丁を研ぎ石の上において、ステラに近づくと、か細く震えるその身体を力いっぱい抱きしめた。
頭を撫でながら、落ち着かせる。
「今は、違うんだろ?ちゃんと、想ってるんだろ?なら、良いじゃないか。その想い、貫き通せよ。俺だって、おまえが好きなんだ。失恋だって分かってても、貫いてる。想いは、強いもの勝ちなんだよ」
「カシス・・・・・・」
ステラは、彼の胸に今度は顔をうずめると、大粒の涙で泣いた。


              ◇◆◇◆◇◆◇

春祭「どうも、春祭でーす。六楽章、お届けに参りましたー!」
フレリオ「ちゃんと予告どおりに今日も出せてよかったね」
春祭「いや、まったく。心なしか、当初の私より一話分の書いてる長さが長くなってる気がする・・・・・・」
フレリオ「そだね。約二倍ぐらいに増えてるよ」
春祭「よきことかな、よきことかな」
フレリオ「じゃあ、よきところでおいらの出てる小説もちゃっちゃと書いちゃいましょう!!」
春祭「・・・・・・・・・」
フレリオ「そこで何故黙る」
春祭「悪い。それだけは勘弁」
フレリオ「まあ、いいけど。おいらはこっちに出させてもらってるし。それなりに活躍はしてないけど話はしてるし。べーつーにーいいんだけどー」
春祭「あーもー、うるさい。わーったから。今度ちゃんと書くから。ところで、今私のマイブームはだいぶ遅れたスーファミ」
フレリオ「スーファミってスーパーファミコン?」
春祭「そうそう。今やってるのがクロノトリガーってゲームなんだけど、あれ、プレステでも出てんだよね。でもやっぱスーファミでやってる」
フレリオ「変なこだわりってやつ?」
春祭「うん。まぁ。あと、うちにソフトがないからできないんだけど、ドラクエ5もやりたい。1〜7全部あるのに、5だけがない。やーりーたーいー!!」
フレリオ「いや、駄々こねられてもねぇ・・・・・・」
春祭「私の周り誰も持ってなくてさ。借りることもできないわけ。うえーん」
フレリオ「そりは残念。あきらめるか、買うかどっちかにすれば?」
春祭「お金出すのはいや。金欠だから」
フレリオ「じゃ、あきらめろ」
春祭「絶対嫌だ」
フレリオ「そんなこと言ったってしょーがないだろ。とりあえず、長々意味のない話ししたってばかばかしいんだから、もうこのあとがき終わらせたら?あとがきにすらなってないけど」
春祭「うん。そうしましょ。それでは皆さん、また会えることを祈って」
See you again!
 春祭あられ


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19822ノクターン story7 〜第七楽章〜春祭あられ E-mail 2002/1/29 00:50:00
記事番号19799へのコメント

麻の衣は肌触りが悪かった。
妙にごわごわしていて、素肌に直で着ることを躊躇うくらいに。
「他にないのか?着ていて不愉快だ」
カーリーが呟くと、周りにいた人間達はいっせいに「申し訳ございません」と頭を下げた。
それを見るものにとっては、非常に滑稽な姿。
一人だけ、笑っているものがいた。
術士、ランポー。
齢120を越えたというが、その見た目は多く見積もっても60代。
彼もまた、カーリーと同じような麻のローブを身に纏っている。
カーリーが一瞥しても、ランポーは笑いを止めない。
「慣れんもんには着心地が悪い、か。無理もない。おぬしは向かんよ、“これ”には」
「うるさい。つべこべ言わず、儀式を始めろ」
睨みつけると、おやおやと呟いてランポーは再び笑った。
ただし、今度は口元だけではあるが。
「ではお主の血をもらおうか。これで腕を切っておくれ」
懐から取り出すのは何故か黒く光るナイフ。
持ち手には加工が施してなく、布が巻いてあるだけ。
その布は所々赤いもので汚れていた。
幾度となく人間の血を吸ってきた結果であろう。
そう思うと、嫌な気もしたが、カーリーは一思いに左腕を切った。
思ったより深いのか、血がとどまることなく溢れ出てくる。
痛みは感じない。
病んでしまった精神は、痛覚をも犠牲にしたから。
その血を、白い麻の布にたっぷり染み込ませると、それをランポーがにたにた笑いながら受け取った。
「見事なきりっぷりじゃな」
カーリーはそれに答えず、血を滴らせながら部屋の中央へ―――陣の中央へと歩いていく。
塩でかかれた儀式用の陣。
中央の塩は、カーリーの血で紅く、花が咲くかのように染まっていく。
綺麗だ、と思った。
何故か、醜いとはちっとも思わなかった。
「本当に、呼んでも良いのじゃな?―――――――――悪魔を」
それが仕事であるにもかかわらず、ランポーは訊ねた。
「かまわない」
顔を上げて、ランポーを見る。
眼は狂気に染まって。
「そのためにおまえを呼んだんだ」
もう、後戻りはできない。


気持ち良いほどの晴天。洗濯物が良く乾きそうな天気の中、ステラは麦藁帽子をかぶって街中を歩いていた。
目指すはアメリアの屋敷。
昔ゼルガディスと老婦人ラシュアの住んでいたところは、町の外れに合った為に、ステラの家からは多少歩かなければならない。
ステラの家は町の中心地。
ちなみに、隣はパン屋で、幼馴染のカシスが住んでいる。
そのカシスが、アメリアを呼んで朝ご飯を皆で一緒に食べようと言い出した。
今に始まったことではないこのパーティー好きの癖だが、ゼルガディスが一人で森に住むようになってから三人以上で食べることはめったになかった。
久しぶりの会食に、ステラはわくわくしていた。
やっぱり食事は多い方が美味しいという定説は正しいのだ。
アメリアの屋敷につくと、チャイムを気分よく押す。

ぴぽぴぽぴぽーん

気分が良いから早押しで3連続。
「・・・・・・」
笑顔で待っていても、反応がない。
「・・・・・・あれ?」
ためしにもう一回押してみる。

ぴんぽーん

今度は普通に。
それでも反応はなかった。
「どうしたんだろう?」
実は、このときアメリアはゼルガディスと共にいた。


「悪かったな、朝飯がなくて」
森の中を歩きながら、ぼそりとゼルガディスが呟いた。
「別に良いですよ。気にしてません。無理やり押しかけたのは私だし」
アメリアは、「私こそすみませんでした」といって頭を下げた。
結局、昨晩はゼルガディスの家に泊まり、夜を過ごしたアメリアだが、なんと彼の家には食料がもう一人分しかなかった。
一人分を二人で分ければ当然量は少なくなるし、栄養面でも不都合が出てくる。
なんと言っても、朝は一日の元気の元。
仕方がなく、ゼルガディスは乗り気ではなかったがアメリアの屋敷に向かうことにしたのだ。
アメリアもそれを強く希望した。
「昔、ゼルガディスさんはあの屋敷に住んでたんですよね」
「ああ」
歯切れ悪くゼルガディスが肯く。
「毎年あそこに私行ってたんですけど、会った記憶ないんですよねぇ」
「避けていたからな。・・・・・・人見知りが激しかったんだ」
「そういう問題ですか?」
「極度の人見知りだとかたをくくれば全ての物事が万事上手くいく」
「・・・・・・いや、だから違うと思うんだけど」
「・・・・・・むう。とにかく、こっちも誰かが来ているのは分かってたけれどおまえの姿を見たわけでもないし・・・・・・いいだろ、昔のことなんて」
「そーですね。とりあえず今が一番ですよね!」
満面の笑顔で肯くアメリアに、ゼルガディスはほのかに顔を赤くして眼をそむけた。


「カシス・・・・・・アメリアちゃんがまたいない」
戻って来たステラに、食事の用意をしていたカシスが、眉をひそめた。
「また?ゼルの所にでも行ったかな?」
「そーなのかなぁ?」
「もう一度いってみろよ。今度はゼルの所行くつもりで」
全ての準備が終わったのか、エプロンをはずしながら言う。
目はステラではなく窓の外に向かっていた。
「今の時間ならもう森に入れるだろ?」
どうやら、太陽の位置を確認して時間を見ていたようだ。
この部屋には、時計がない。
「やーよ。疲れた。今度カシスが行ってきてよ」
「・・・・・・適度に運動しとかないと太っちゃう・・・ふがっ?!」
急に投げつけられたフランスパンが顔面に直撃。
それでも下に落とさず両手で掴み取るところがさすが料理人。
「食べ物を粗末にしたら閻魔様にへそ食べられちゃうよ?」
「・・・・・・何処からそんな発想が生まれてくるの」
ため息をつきながらステラ。その手には第二のフランスパンが握られている。
「大体なんで投げてくるかなぁ・・・」
「年頃の可愛い娘に太るなんて禁句を言おうとしてたからに決まってるじゃない!この間ゼルにも言われたわ。失礼しちゃう!」
「はっはっは。どーんまいv 」
「うっわ、むかつく」
「・・・・・・とりあえず今度は俺が行ってくるから・・・・・・くれぐれも家を壊さない程度に待っててね?」
第二のフランスパンが振り上げられたのを見て、慌ててカシスが言う。
「ふみゅ。それでよし」
「いや、こっちは良くないんだけど」
カシスの嘆きは、ステラにまったく聞き入られなかった。


アメリアの屋敷につくと、ゼルガディスが屋敷を見上げて感嘆していた。
「2年前と変わってないんだな」
育ててもらった思い出の家。
てっきり多少なりとは変わっているとは思っていたもののまったく変わってないというのは予想外だった。
昔自分が作った屋根のはげた部分も、きっちり残っているところが微笑ましかった。
「懐かしいですか?」
「ああ。・・・・・・森に移ってからはまったく来ていなかったからな。見ようともしなかったし」
アメリアはにっこりと微笑むと、鍵を取り出して玄関を開けようとした。
と、そのとき、後ろから声がかかった。
「あ、いたいた。おはよ、お二人さん」
アメリアを迎えにきたカシスである。
「あれ?おはようございます。カシスさん。どうかしました?」
町外れにあるこの家に、カシスが偶然でここにいたという確率は低い。
「なーんだ、やっぱりゼルもいたんだ」
にへらっと笑うカシスに、ゼルガディスは半眼を向けた。
「いちゃわるいか?」
「とんでもない。ところで二人とも朝ご飯はまだ?良ければ一緒に食べない?」
「え、いいんですか?」
アメリアの顔が輝き、ゼルガディスの顔も、わずかに輝く。
二人ともカシスの料理上手を知っているのだ。
特にゼルガディスは。時々森に来ては。昼飯を作って行ってくれているのだから。
「けっこーいっぱい作ったから全然かまわないよ。来る?来るだろ?」
実に楽しそうにカシス。
実は、彼も久しぶりの会食に心を躍らせていたのだ。
なるべく控えていたこのパーティー好きの癖。
もう爆発してもおかしくはない。
「アメリア、行くか?」
「はい!!もちろん!!」
カシスは、たいそう喜んで二人を引っ張っていった。


カシスが、迎えに家を出てから空が急に暗くなった。
それが、彼女の周りだけであるのを、ステラは知らない。
「雨、降るのかなぁ・・・」
雲が泣きだしそうな雰囲気に、ポツリと呟く。
カシスは傘を持っていっていなかったから、きっと濡れて来てしまうかもしれない。
それとも、アメリアから傘を借りてきて帰ってくるのだろうか。
たぶん傘は一つしかないから一つの傘に二人が入って・・・・・・いわゆる相合傘?
そんな光景を想像して、少しむっと来る。
(・・・・・・?むっ?むって何よ)
それが一つの嫉妬であることにも気付かない。
「あーあ、早く帰ってこないかなぁ・・・」
一人でいても、することがなければひたすらつまらなくて淋しいこと極まりない。
ステラが呟いてため息をはくと、後ろから声がかかった。
「彼らは帰ってはこないよ」
聞き覚えのある声。
「え・・・・・・?」
振り返ると、部屋の入り口に黒髪の青年が立っていた。
彼の名はカーリー。
ステラの親友の一人。
「カーリー?やだ、久しぶりね。しばらく姿が見えないから心配してたのよ?」
立ち上がって、近づこうとする。
――――――――――なのに、身体が動かない。
「あ、あれ?」
口や眼は動くのに、身体の大部分がまるっきり動かない。
まるで、影を縫いつけられたかのように。
カーリーの方がそんなステラに近づくと、耳元で薄笑いながら囁いた。
「おいで。僕のところへ・・・・・・アイシテル」
目を見開いた。
何を言っているの?
わからない。
怖い。
こんなの、自分の知っているカーリーじゃない。
その思考を最後に、ステラの身体は後ろから迫った闇に飲まれた。


ステラが家から消え、窓から見えた暗い雲が消えていく。
そのとたん、カシス達は帰ってきた。
まるで図ったかのように。
図ったのはカシス達ではなく、カーリーのほう。
暗闇の結界は、帰ってくる一瞬前に解かれたのだ。
「たっだいまー」
カシスが、ステラのいた部屋をあけても、もうそこには誰もいない。
いや、いた。
部屋の隅に、カーリーが。
「カーリー?」
ゼルガディスとカシスが、親友の名を紡ぐ。
カーリーは、相変わらず薄ら笑っていた。不気味なほどに。
「どうかしたんですか?」
後ろから、アメリアがひょっこりと顔を出した。
部屋の扉の前に立ち止まった二人が不思議でたまらなかったのだ。
ふと、カーリーに気付き、目が合う。
アメリアにとっては、初めて会う人物だった。
「あ、はじめまして」
ぺこりと頭を下げる。
カーリーも、軽く頭を下げて、ぼそぼそと呟いた。
「はじめまして」
「・・・・・・っ?!」
悲鳴をあげる暇もないほどの速さで、彼女自身の影が急に動き出し、主を飲み込んだ。
闇に包まれていくように消えていく。
「アメリア?!」
ゼルガディスが驚いてわずかに残った手の先を掴んだが、するりと隙間から抜けていく。
水のように。砂のように。
さらりとした感触を残して、彼女の身体は気配すらなくなった。
「なっ・・・・・・?!何がどうなって?!」
「・・・・・・彼女はちょっとした興味本意」
カシスがはっきりと呟く。
「は?」
「ゼルの興味のある人物がどういう人なのか知りたかったからな。ステラは・・・・・・違う」
「カーリー!一体何をしたんだ?!」
「彼女は、僕の・・・・・・俺のものになるんだ」
言うと同時に、カーリーの姿も影に飲み込まれていく。
「待て、カーリー!ちゃんと説明しろ!!」
ゼルガディスも、カシスも、カーリーを捕まえようと手を伸ばす。
だけれど届かない。
二人の手は虚空を掴んで。
カーリーの身体も、気配ごとその場から消えてしまった。
温めてあったスープだけが、この雰囲気の中ただ一つの温かさ。
冷えた空気は、何処までも冷たい。


              ◇◆◇◆◇◆◇


春祭「うんにゃ!3話連続掲載成功おめでとう自分!でもだんだん話が暗くなっていっているのは何故?」
フレリオ「さあ?ちょっとは明るくしたほうがいいかもね。ギャグもいれなきゃ」
春祭「ふにょ。考えてはいるにょがさ。思いつかんだけだがね」
フレリオ「なんか言葉使いがおかしくなってないか?」
春祭「いんや。これが地の自分なんだもーん。今までは仮面をかぶった私だっただけなのさ。っふ」
フレリオ「仮面だったんだ。汚い薄っぺらな皮膚じゃなかったんだ。脱皮だと思ったのになぁ・・・・・・・・・ふにょごっ」
春祭「するか?!脱皮!人を某NHK番組のス○ンズと一緒にしないで欲しいにゃ!」
フレリオ「な、なにそれ?」
春祭「知らない人は脱皮する人間の形した宇宙人って考えてくれれば良いにょ。ちなみに敵」
フレリオ「敵なんだ」
春祭「仲間になってくれた人もいたけど、敵。気持ち悪くない?皮がぼろぼろ向けてる人間。垂れてんだよ?ああいやだ、鳥肌立ってきた」
フレリオ「まあ、おいとくとして、これからのご予定は?」
春祭「寝る。(今深夜)」
フレリオ「ゆっくりといたぶりながら焼き殺されるのと、痛みは感じる程度に焼き殺されるのどっいがいい?」
春祭「・・・・・・(汗)えっと、一応ノクターンの続きがまだ出来上がってないんで、それを書いて仕上げて、シリーズが終わり次第“眠れる森”にはいろうかと」
フレリオ「ああ、チャットでやってたやつ・・・・・・」
春祭「そ。後押ししてくれた方、もう少しお待ちください。必ずやりますんで」
フレリオ「あ、そーだ。このノクターンにも出てきたオリキャラが混ざったメルマガ始めようとしてたんだよね・・・・・・あれは?」
春祭「出しますよ、別口で。でも、問答無用で押し付ける何人かの人以外は希望制なんで、もしよければ、メールやレスで配信希望してください」
フレリオ「初めて作るんだよね?出来はどうなの?」
春祭「出来がどうって聞かれても、まだ途中までしか書いてないからなあ・・・・・・出来上がりは2月の中旬になりそうだけど」
フレリオ「もっと早くできるようにがんばりなさい。何事も修業なのだよ」
春祭「ふぁーい。って、何かっこつけてんのよ、フレリオの癖して」
フレリオ「おいらの癖ってのは関係ないだろぉ?!」
春祭「あんたに何か言われるとまじでむかつくわ。というわけで、こうしちゃるこうしちゃる、こうしちゃるっふぬっふぬっ」
フレリオ「おうあっ、はうっ、ぐおっ」

 しばしお待ちください

春祭「ふみゅ。すーっきりしたぁv 最近肩がこっちゃっていけなかったのよねぇ。ん、まあそーいうわけで、こんな最後まで読んでくれた方、有難うございました。それではまた次回お会いできることを祈って」
 春祭あられ



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19873ノクターン story8 〜第八楽章〜春祭あられ E-mail 2002/2/1 00:19:26
記事番号19799へのコメント

―――何か悪い夢でも見ているようだ。
ゼルガディスも、カシスも、ほぼ同時に思った。
影を主体とする悪魔。
それを操るカーリー。
連れ去られたアメリアとステラ。
夢なら、早くさめてくれ。
「夢なら・・・・・・」
しかし、夢ではない。
変えようのない事実。
カーリーは悪魔を使った。
すなわち、悪魔に魂を売ったということ。
親しい人が消えていく。助けるにはどうすればいい?
放心状態のカシスを置いて、ふらふらとゼルガディスは家を出て行った。
助けるには・・・・・・


ステラが目を覚ますと、そこは薄暗い部屋だった。
隣にはアメリアも倒れている。
自分達を囲っている柵。
いや、柵ではない。上へ行くほど鉄の棒が中心へと集まり、閉じているもの・・・・・・かご。
大きな大きな鳥かご。
外に出ることができない、とらわれた自分という鳥。
檻とはどうしても認識したくはなかった。
一点の光が、かごの外に見える。
ゆらゆらとしたろうそくの光。
映し出しているのは本を読んでいる人間だった。

カーリー

本を読んでいる無愛想な姿はいつもの彼と変わらない。
しかし、さっきの彼は―――
“おいで、僕のところへ”
不意に耳の奥でカーリーの言葉がよみがえる。
残酷な、人を見下す響き。
“アイシテル”
耳をふさいでも聞こえてくる。脳裏に刻み込まれた恐怖の概念。
違う。共に過ごした記憶の中にあるカーリーとは違う。
別人の響き、同じ器。
「起きたか・・・・・・」
カーリーの声がした。
今度は本物の、耳を塞げば聞こえない音。
近づいてくるその足音は、恐怖への秒読みに聞こえる。
「いやっ・・・・・・こないでっ」
怖くて。怖くて。
知り合いの、人間の姿をした死神。悪魔。
ステラは、力の出ない身体を必死に動かして後ずさった。
その様子を、カーリーはかごの外から見下ろす。
「・・・・・・・俺が、怖いか?」
カーリー特有のぼそぼそとした話し方。
ステラは、耳を塞いだまま、カタカタと震えていた。
「怖がらせてすまなかった。傷つけるつもりはない。怖がらないでくれ」
カーリーが、かごの中へ手を差し出す。
しかし――――――

ぱしぃっっっ

意外と強い力で、払われてしまった。
当たった部分が赤く染まっていく。
「こんなことをして・・・・・・怖がらないで?ふざけんじゃないわよ」
震えた声で、言葉が紡ぎ出されていく。
「ステラ・・・・・・」
「怖くないわけないでしょっ!・・・・・・・あんた誰よ・・・・・・カーリーじゃない」
「俺だ・・・・・・」
「違う!!」
「・・・・・・どうすれば・・・分かってもらえる?」
「カーリーを何処にやったのよ!あんたが本物のカーリーなら、きっとカーリーの身体をのっとった悪魔に違いないわ!あの子はこんなことしない!私の、大事な、大事な親友よ?!」
「そうだ・・・・・・俺は・・・悪魔だ」
暗い瞳をたずさえながら、呟く。
―――“カーリー”という名の、悪魔に魂を売った悪魔―――


ゼルガディスは、森の広場に来ていた。
アメリアと始めて出会った場所。ラシュアと、始めて出会った場所。
中央の切り株に、ゼルガディスは腰をおろした。
「オリエンタ・・・・・・聞こえているのならば、出てきてくれ」
森は囁く。彼の声に答えて。
―――どうしたの?とても浮かない顔をしているわ。
「力を、貸して欲しい・・・・・・アメリアと、ステラがさらわれた」
―――・・・・・・人間同士の物事に、我々は力を貸すことは出来ない。それが例え、ラシュアの娘であっても、貴方の親友であっても。
「相手は、人間じゃない。悪魔だ」
ざわっ
森が騒ぎ出す。動揺した音が森全体に響き渡る。
―――悪魔・・・?どうしてそのようなものがここに?我々の魂をまた食いに来たのか?
「俺の親友が、俺や、森に対抗するために悪魔を呼んでしまった。助けてやりたい・・・・・・大切な、幼馴染だから。・・・・・そして」

「俺のことを、初めて怖がらずに見てくれた・・・・・・少女だから」

初めて、綺麗だといってくれた・・・・・・少女だから



無言で、カシスは木刀を手に取った。
それを棚に戻し、部屋を出て行く。向かう先は地下。
巨大な物置の奥深くに眠る――――――真剣。
東洋で使われているという武器。“刀”眉月。
鞘から抜くと、入り口のわずかな光を反射して怪しく光る。
「悪魔を手に入れるには、魂の契約が必要だ」
しゃぁぁぁぁぁん。
勢いよく刀身をしまうと、清々しい鞘なりの音。
「大事なものは全て・・・・・・俺自身の手で守って見せる」
その決意は瞳の色に現れる。輝きを伴い、鋭い・・・・・・狩人の目つき。


歯車は・・・・・・吉へと廻るか、凶へと廻るか・・・・・・



             ◇◆◇◆◇◆◇



春祭「こんばんわです。春祭です。相変わらずまた暗い話にしてしまってごめんなさい。ギャグが・・・・・・いれられそうにありません。どうしよう・・・?」
フレリオ「もう、思いついたまんまに書いたら?変に考えてないでさ。お話が曲がるよ?」
春祭「だって、いれたいじゃんギャグ。シリアス人間はなんとなく疲れるだけだし嫌だからさぁ」
フレリオ「そのうち、自然にかけるようになるさ。それまで待ってることだね」
春祭「にょにょにょ・・・・・・そうだね。はぁ。最近やけに忙しいわ」
フレリオ「うにょ?何ゆえ?」
春祭「映画研究会に頼まれていた、映画用の脚本と小説は何とか終わったんだけど、今度は文化祭用の小説を書かなくちゃ・・・・・・人生をもてあそべvol.2と、自分のオリジナル長編を一本。それから・・・・・・漫画を書いてるので、それも仕上げなくては」
フレリオ「やけに抱え込みすぎなんじゃない?」
春祭「私も実はそう思ってたりする。だって、この間長々と連載をストップさせてたくせに、実は何一つ終わってなくて中途半端なままなんだもん。困った困った」
フレリオ「ま、身体を壊さない程度に頑張れ」
春祭「無論、そのつもりだ」
フレリオ「じゃあ、今回はこの辺にして、おいらと春祭の妙な掛け合いはよしときますか」
春祭「うん。そうしてくれるとありがたい。最近夜遅くまで作業してて、授業中とにかく眠い」
フレリオ「寝てても良いけど、テストで点取れなくなるぞ?」
春祭「それだけはいやだぁぁぁぁぁぁぁ!!っつーわけで、皆さんさようなら、また今度」
フレリオ「またねーv 」



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