◆−微笑みの傷跡 9−ブラッド (2001/11/19 01:03:28) No.18232
 ┣Re:はじめまして。(あり?)−かお (2001/11/19 10:20:39) No.18235
 ┃┗Re:あ゛あ゛!?そーいえば、リニューアル版だったぁ!!−かお (2001/11/19 10:32:12) No.18236
 ┃ ┗初めましてv−ブラッド (2001/11/22 02:43:11) No.18319
 ┃  ┗(こそこそ)初めましてv←おい−あんでぃ (2001/11/24 01:33:23) NEW No.18394
 ┣気になる気になる気になる…−みてい (2001/11/19 21:42:21) No.18263
 ┃┗私も気になります(待て)−ブラッド (2001/11/22 02:57:29) No.18320
 ┗微笑みの傷跡 10−ブラッド (2001/11/24 00:49:40) NEW No.18388


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18232微笑みの傷跡 9ブラッド 2001/11/19 01:03:28


どうも。お久しぶりです。はたして、皆様私の事なんて覚えていらっしゃるのか……(汗)
えっと……ブラッドと申します。

それでは、やっと投稿です。第9話。
かなり短いと思いますが、よろしければお読みくださいませv
**************************************  











        
               朝日も、夕陽も、月もそこからの美しい景色を、私はきっと忘れることはないでしょう。










             +++++++微笑みの傷跡 第9話++++++++













「本当に、いったい何に祈ってたんでしょう」
 アメリアは、ゆっくりと口を開いた。
「自分。神様。愛する人。親」
 指を折りながら、呟く。
「でも、そのどれもが違うような気もするんです」
「一応、あんた巫女でしょうが」
 笑いながら言うリナに、アメリアも声をあげて笑う。
 濃い藍色の空には細い糸のような月が浮かんでいた。後半刻もすれば辺りは闇に包まれ何も見えなくなる。そして、今日が終わる。
「ちょっと今日はもう中断しませんか? 続きは明日ということで」
 そうつげると、カチャリとドアノブに手をかけ、そのままアメリアは部屋を出ていった。


 窓の向こうには、あの白い丘がみえていた。
(此処……なんですよね)
 この場所にこられた思わぬ偶然に感謝はするが、少し感情が乱れてしまう。  
 まるで、あの頃に戻った気分になってしまい、まるで糸が難解に絡まってしまったような気分。
「そういえば……」
 ゆっくりと呟く。
「ジュエルの家ってどこでしたっけ」
 記憶の糸をたぐり寄せるように、探っていくのだがなかなかその答えはみつからない。
 先ほど、仲間と呼べる彼らに話したことで、記憶はどんどん鮮明になってきていて 正直、もう一度一人で整理をつけておかないと、自分自身混乱してしまいそうだった。
 あの頃の記憶は、決して楽しいものばかりでは無いのだ。
 ふ、と唇だけで笑む。
「後悔しても、仕方ないですよ。アメリア」  
 今更、あの時にできなかった事を後悔したって、戻ることはできない。
 ちらと、窓を見てみると、外には彼がいた。彼の姿を見ただけなのに、何故か顔が緩んでしまう。急いで外にでて、声をかけた。
「ゼルガディスさんっっ!!」
 振り向いた彼は、相変わらずに無表情。
 そんな彼に、にっこりと微笑んで再確認する。
(私がいるのは、『今』です) 
 

「どうしたんだ? アメリア」
「ゼルガディスさんこそ、どうしたんです?」
 続くのは沈黙。
 どちらも相手が答えを出すのを待っているので、それは仕方が無いことなのかもしれない。
 でも、その長い沈黙にも彼女は慣れていた。そして、その沈黙は決して嫌な事ではなかったし、むしろ、この沈黙があっても成立しているこの空間が、嬉しい。
 それでも、普段明るい彼女のこと。本音を言えば、やはりお喋りなどをしたいわけであって、普段何度も自分から話しかけたりしていた。
 しかし、今はそのような事が何故かできなかった。そんな気分じゃなかった、とでもいうのだろうか。
 呆れと苦笑を交えて、軽く息を吐く。
 体中には、妙な疲労感と、絡まってしまった糸をもう一度真っ直ぐに戻すような、苛立たしさも生まれ、頭の奥がギリっと縮まる。
「なぁ、アメリア」
 ぴくり、と身体が硬直した気がした。
「……なんです?」
 できるだけ、普通に答えた。
 思考は、同時にきりっと切り替わっていた。
 普段、どちらかというと無口な彼が、自分から喋り出す事などはっきりいって珍しい事だ。正直、それにも少し驚きながら、アメリアは横にいるゼルガディスを見ると、彼は前を向いたままで、ゆっくりと口を開いた。
「無理……しなくてもいいんだぞ」
 形の良い、綺麗な弓形の眉がピクリと動いた。
「どういうことです?」
 その言葉には、様々な感情が込められていたのであろう。
 そんなアメリアへ目線すらやらぬまま、ゼルガディスは大きくもなく、小さくもなく、だがはっきりと答える。
「喋りづらいのなら、喋らなくてもいい」
「なんのこと……」
 きっと、彼女はそれがなんのことなのかは理解していた。
「無理をせずに、無理矢理辛い過去を思い出そうとしなくてもいい」
「別に無理なんてしてませんっ!!」
 妙に落ち着いて言うゼルガディスに声と反対に、アメリアの声には酷く感情的だった。
 自分の事は、自分が一番よく知っていた。
「じゃぁ、何故泣きそうな顔してるんだ」
 それは、図星。
「別に、ずっと笑顔でいなくてもいいんだ。泣きたいときは泣け。泣いてる姿を見られたくないんだったら、俺は見ないから」
「ゼッ……ルガディス……さん」
 油断、していたのだろうか。それとも、それは彼の前だったからであろうか。
 そう言った途端、アメリアの大きな瞳には涙がこみ上げてきた。
 今まで溜まっていたモノが、全て吐きでたかのように涙がどんどんと流れ出してくる。
 声をあげて、彼の服を掴んで、彼にしがみついて―――――――アメリアは泣きじゃくった。ただ―――ただ、泣きじゃくった。
「私はっ…………私は……彼にあんな表情をさせたかったわけじゃない。彼を怒らせたかったわけじゃない。彼をあんな目にあわせたかったんじゃないっ―――――私はただ……私は―――――彼に笑って欲しかっただけなんですっ」
 泣きながら喋るアメリアを抱きしめながら、何も言わずに、只彼女の背中をポンポンを一定のリズムで軽く叩くゼルガディスは、それはもう子供をあやすようだった。
「もー。子供扱いしないで下さいっ!」
 相変わらず、泣いているのだが、顔はいつもの笑顔に戻ってきたことを確認して、ゼルガディスはいつも通りに淡々と言い放った。
「お前の好きなように解釈していい。それが答えだ」
「うーーーーー」





「ねぇ。あの二人さ、恥ずかしくないのかしら?」
 栗毛の少女が、窓から身を乗り出すようにしてクスクスと笑い声をあげた。
「ん?」
 そのすぐ後ろでは、金髪の青年の姿もみえる。
「ほら。ゼルとアメリアよ。窓から丸見えなのにね」
 部屋の窓から、二人を見守るようにして笑うリナの横で、ガウリィも穏やかに笑う。
「ま、いーんじゃないか?」
「それもそうね……ってなんであんたがあたしの部屋にいんのよっ!!」
「どうしてだろう?」
「知るかっ!!」
その後、スパーーーンとスリッパの軽快な音が部屋に響いたのは、言うまでもない事実である。
 



「えっと、ありがとうございました」
 すっかり落ち着いたのか、今はもうゼルガディスの腕から離れ、アメリアは元気良く言って見せた。
「おかげさまで、すっきりしましたっ!」
 もう、元気満々ですとでも言わんばかりに、ピースサインで無駄な位笑顔を振る舞うアメリアに、ゼルガディスは満足げに笑顔を零した。


「あっ!!」
 突如、大声で叫び出すアメリア。
「どうかしたのか?」
「ゼルガディスさん。笑ってますっ!!」
「なんだ、そんな事か」
「そんな事とはなんですかっ! 私は、いつもみんなが笑顔でいたらいいなって思ってるんですから」
 真剣な表情と、明るい笑顔を交差させていうアメリアに思う。
(ころころと表情(かお)が変わるんだな)
 そんな思いと一緒に、ふと先ほどアメリアが泣きながらいったあの言葉を思いだす。
『私はっ!!…………私は……彼にあんな表情をさせたかったわけじゃない。彼を怒らせたかったわけじゃない。彼をあんな目にあわせたかったんじゃないっ―――――私はただ……私は―――――彼に笑って欲しかっただけなんですっ』
 それは、きっとジュエルとやらの事なのだろう。
(笑って欲しかった……か)
 それにしても、あんな目とはなんなのだろう。
なんだか、昨日といい今日といい、疑問ばかり見つけだす自分に苦笑する。
 横目でアメリアを見ると、彼女の表情はまた変わっていた。目を丸くして、そう。まるで、驚きを隠せないような。


「まさか……」
 呆然とその場で立ちつくし、目を擦って確かめる。でも、それはもう無かった。冷や汗が、背中を伝うのがわかる。
 ちらりと見えた人影。
「どうしたんだ?」
「いえ…………なんでもありません」
(……まさか……でも、あんな珍しい髪の色)
 そう、あれは美しい、まるで極上のミルクティーのような色。
「アメリア?」
 少し大きくなった声に、身体をびくっと震わせる。
「え? あ、はい。すいません。……見かけた気がして……」
「何故そんなに驚くんだ」
「…………きっと、もういないんです。……ジュエルは……」
 後悔しているとすれば、それが真実かどうか聞き忘れた事只一つ。
「さてと、そろそろ戻りましょうか」
(私は、今も何処かで信じてるのかもしれません)
「夜更かしは肌に悪いって、何処ぞの誰かさんもいってましたしね」
 その証拠に、確認なんて怖くてできないのだから。
   
 苦笑混じりに、アメリアは虚空を見つめた。
「勇気なんてないんですよ」
 それでも、後には戻れないし、戻るつもりもない。
 そして、いつもと変わらず朝は訪れた。




 いつもと変わらない朝に、いつもと変わらない風景がアメリアを迎え入れる。
 昨日は寝るのが遅かったせいか、少しいつもより寝坊してしまい、普段は自分が起こすリナに起こされてしまった。昨日すっきりと泣いたせいなのか、目覚めの気分は随分とすっきりしていた。
「おはよう、アメリア」
「おはようございます」
 いつもの変わらない挨拶。 
(ねぇ、私普通に笑えてますか? 私、いつものように話せてますか?)
 不安はまだ消えずとも、きっと大丈夫だと思う。
 妙な自信にさらに自信をつけて、まっさきに彼の元へ行く。
「ゼルガディスさんっ!! 昨日はご迷惑かけてすみませんでした。でもっ、もう大丈夫ですから」




 とても懐かしい、とても寂しいノンフィクションのお話は、まだまだこれからです。




 

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18235Re:はじめまして。(あり?)かお E-mail 2001/11/19 10:20:39
記事番号18232へのコメント

こちんにわ。はじめまして。
ブラッドさん。←だよな?レス・・したことなかったよな?(あったっけ?)
続きがでてる♪というので、読んだんですけど・・・。?
あり?これって・・・前に、投稿、してた回じゃあ、なかったですか?
いや・・・読んでる記憶がひしひし・・・と。
気のせいかな?
でも、ガウリイがリナにはたかれたりするのや、アメリアのあの台詞・・?
んーみゅ?
そして、確か、ジュエルさんのそっくりさん(?)も出てきてたよーな、
記憶が・・・・。
もし、違ってたら、すみませんのです。
あ、でも、楽しいです♪
続き、まってますので♪
ではでは♪
では、ここからは、全然、レスしてなかったので、感想まで(笑)
> 泣きながら喋るアメリアを抱きしめながら、何も言わずに、只彼女の背中をポンポンを一定のリズムで軽く叩くゼルガディスは、それはもう子供をあやすようだった。
子供をあやすというか、大切な人をなぐさめるというか(笑)
アメリア、気づきましょう(笑)
>「それもそうね……ってなんであんたがあたしの部屋にいんのよっ!!」
>「どうしてだろう?」
>「知るかっ!!」
> その後、スパーーーンとスリッパの軽快な音が部屋に響いたのは、言うまでもない事実である。
ガウリイ(笑)乙女の部屋に勝手にいて、まあ、その程度で済んでよかったですね(笑)
多分、本気のリナだったら、ドラスレくらいは、ぶちかましてるはず(笑)
>「…………きっと、もういないんです。……ジュエルは……」
> 後悔しているとすれば、それが真実かどうか聞き忘れた事只一つ。
ってことは、多分、生きているでしょう。・・・多分。(お゛い゛・・)
> とても懐かしい、とても寂しいノンフィクションのお話は、まだまだこれからです。
はーい♪ふふふふ♪
いつまでも待ってますのです♪
ふふふふ♪
ではでは、感想になってない、感想まで。
(あ、上の方の台詞(?)は、気にしないでやってください・・汗)
ではでは、
byかお


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18236Re:あ゛あ゛!?そーいえば、リニューアル版だったぁ!!かお E-mail 2001/11/19 10:32:12
記事番号18235へのコメント

こちんにわ。
前回、レスして、で、リニューアルの話を今更、思い出したかおです(笑)
というわけで、
>続きがでてる♪というので、読んだんですけど・・・。?
>あり?これって・・・前に、投稿、してた回じゃあ、なかったですか?
>いや・・・読んでる記憶がひしひし・・・と。
>気のせいかな?
>でも、ガウリイがリナにはたかれたりするのや、アメリアのあの台詞・・?
>んーみゅ?
>そして、確か、ジュエルさんのそっくりさん(?)も出てきてたよーな、
>記憶が・・・・。
>もし、違ってたら、すみませんのです。
ここまでは、完全に無視してください(笑)
お゛い゛・・・。←確認して、きちんとコメントはしましょう(笑)
ではでは、思い出したので、再度、お詫びまで(汗)
では、続き、待ってますので♪
(・・・私も、今年中には、長編・・投稿しとかないとなぁ・・・はあ・・)
では。(二回もコメントしてるかお・笑)

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18319初めましてvブラッド 2001/11/22 02:43:11
記事番号18236へのコメント

こんにちは。初めましてvこのたびは、レスありがとうございます。
ブラッドです。
続き…………読んだことがあるような……とのことですが(滝汗)
すいません。
この回の話は、実は一度投稿したのですが、どうしても自分で納得できなくて一坪さんにご迷惑承知で、削除願いをだしたんですよ。
多分、かおさんはその時に読んで下さってたのだと。

でもまぁ、その時に投稿したときよりは結構内容濃くしたつもりですので(汗)
あはははは(笑ってごまかすなよ)

でもまぁ、リニューアル版というのは確かですのでv
というか、リニューアルする前の微笑は完結すらしてませんがね(笑)
もう、話がほとんど違いますから(をい)

>子供をあやすというか、大切な人をなぐさめるというか(笑)
>アメリア、気づきましょう(笑)
姫は鈍感です(きっぱり)
いえ、私の中の姫は、妙なとこはするどいんですが、また妙なとこで鈍感だったりするんです。
はいっ。きっとそうなんです(こじつけ、とも言う)

>ってことは、多分、生きているでしょう。・・・多分。(お゛い゛・・)
……………ファイナルアンサー?(爆)


…………(ためる)


…………………(さらにためる)




ライフラインは使いますか(待て)


……………………………………………………(さらにためる)






……………………………………………………………(しつこいっ!!)





……………………………………………………………………正解!!(素晴らしい笑みで)




ほほほほほ。ちょっと、ブラッドの諸事情によりこの件に関してのネタバレはオーケイにしたんです(苦笑)
理由ですか?

実は、この後の話をとある方にプレゼント致しまして。

その方とは、何を隠そう同じく書き殴りで素晴らしい話を投稿なさってる、あんでぃさんです。
よろしければ、そちらの方もお読みくださいませvって宣伝してみたり(をい)
さぁっ、あんでぃさんの素敵HPへれっつごーv
(あんでぃさんっ。勝手にごめんなさいっ!!)

続き、楽しみにしてくださって、ありがとうございますっ!!
この話は、もうオリキャラおんすてぇじな話ですので、自分としては、内申凄く不安な話でもあるんですよ(苦笑)
ですから、もう皆様の声が、私の励みです!!
まじで嬉しいですっ!!感動ですっ!!感激ですっ!!
本当に、レスありがとうございました。

かおさんの話も、続きめちゃくちゃ楽しみにしてますんでv

それでは、これからもよろしくお願いいたします。
ブラッドでした。


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18394(こそこそ)初めましてv←おいあんでぃ E-mail URL2001/11/24 01:33:23
記事番号18319へのコメント

かおさん、はじめましてですっ はじめましてが突然の横レスで失礼致しますです(汗)
何となく呼ばれた気がして喜んで来てしまいました(笑)
噂の強奪者(←待て)である、ブラッドさんからジュエル君を強奪した(←こら)あんでぃですっ


元は私がジュエル君に出演依頼をしまして、そして完成したお話を読んでくださった上に、ブラッドさんがジュエル君バージョンを書いてくださったんですよvv

つまり私のせいでネタバレしてしまったんですね(滝汗) すみませんブラッドさん(汗)そしてジュエル君とオークリをありがとうブラッドさんvv



短いですが、ネタバレの原因が自首してきましたので、カツ丼お願いします〜 (←刑事ドラマ見なさすぎです。最近の刑事ドラマではカツ丼は出ません)


これからもブラッドさんの微笑楽しみにしていますv
それでは、かおさん、ブラッドさん、お邪魔しましたっ!!あんでぃでした!!

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18263気になる気になる気になる…みてい 2001/11/19 21:42:21
記事番号18232へのコメント

こんばんは、みていです。
お待ちしておりましたの『微笑みの傷跡』!

あああああああ、謎だらけっ!
静かに流れる時間の中で、気になる謎がたくさんあります。
アメリアの科白が今回の一番の謎ポイントでしょうか。
何があったんでしょう、何かあったのは間違いないですよね。
そんなことを思い出しているアメリアに対してのゼルの優しさがいいですね。
不器用そうなのもまたよしです(笑)
さりげなくはさまれてるどつき漫才(?)もちょっとほっとします(待テ)

それにしても、最初と最後の一文がものすごい強烈というか印象強いです。
> とても懐かしい、とても寂しいノンフィクションのお話は、まだまだこれからです。
この文がとてもせつないですっ。

ではでは、短いですが「気になる」をタイトルから連発しつつ去ります。
…あれ、『謎』のが多いか(笑)
ともあれ、続き楽しみにしています。
みていでございましたv

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18320私も気になります(待て)ブラッド 2001/11/22 02:57:29
記事番号18263へのコメント

こんばんわ、ブラッドです。
いつもレス、本当にありがとうございます。

>こんばんは、みていです。
>お待ちしておりましたの『微笑みの傷跡』!
ををををっ。お待たせ致しましたっ!!
もう、ブラッドはお待たせするのが得意です(をい)
待たせた割には、ろくなもんじゃなかったりもしますが(汗)

>あああああああ、謎だらけっ!
謎だらけですか(笑)
きっと、そろそろ謎がとけていってくれると思いますんで。
えぇ、きっと…………(汗)
というか、その謎解きをきっちりしないと、話終わらないですね(汗)

>静かに流れる時間の中で、気になる謎がたくさんあります。
>アメリアの科白が今回の一番の謎ポイントでしょうか。
……今回は、只姫とゼルが書きたかったんですよね(笑)
だって、一応微笑はゼルアメですし。
決して、ジュエル→姫はありませんよ(断言)
……最近、その兆しがあって滝汗ですが(をい)
でもまぁ、その中でもやっぱりこの話はジュエルの事ですので、(あぁ、オリキャラおんすてぇじだわ(汗))
その中で、どうだして行こうと悩んだ結果、こうなりました。

>何があったんでしょう、何かあったのは間違いないですよね。
なーっにかな♪ なーっにかなっ♪ 
きっと、そーれはわからない♪ きっと誰にもわっからない♪
作者はどうした、ちゃんとやれっ♪


…………こういう状況です(待て)

いや、まじで(汗)
何かあったんですよね………何があったんでしょう?(をい)

>そんなことを思い出しているアメリアに対してのゼルの優しさがいいですね。
>不器用そうなのもまたよしです(笑)
不器用でも、ゼルの優しさは姫にはつたわったでしょうしね。
もう、(一応)ゼルアメですから(強調)

>さりげなくはさまれてるどつき漫才(?)もちょっとほっとします(待テ)
ゼルアメであり、ガウリナですからv
シリアス続きでは、しんどいですから、ここらへんでホットなさってくださってよかったですv

……ふっ、計算どおりね(嘘)←調子のんな


>それにしても、最初と最後の一文がものすごい強烈というか印象強いです。
>> とても懐かしい、とても寂しいノンフィクションのお話は、まだまだこれからです。
>この文がとてもせつないですっ。
最初と最後の分は、一応気を使ってます。
というか……………まだまだって事はまだ完結しないって事ですよね?(なぜ聞く)
…………あぁ、まだ完結しないのか(溜息なんぞ)
予定では、もう5話あたりで終わってるとおもってたのになぁ(汗)


>ではでは、短いですが「気になる」をタイトルから連発しつつ去ります。
気になるんですか?

…………では、気にしないで下さい(待て)

>…あれ、『謎』のが多いか(笑)
さぁっ。謎って言う時を数えてみましょう♪
ひーふーみーっとv

>ともあれ、続き楽しみにしています。
はいっ。ありがとうございますっ!!
そのお言葉は、もうかなりの励みになりますっv
>みていでございましたv
はい、レスありがとうございましたv
では、ブラッドでした。

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18388微笑みの傷跡 10ブラッド 2001/11/24 00:49:40
記事番号18232へのコメント





        
                          私は、恐かったんです。









             +++++++微笑みの傷跡 第10話++++++++











 あれから数日たった。
 ジュエルの家に行ってから、アメリアは一度もジュエルやラズライトにあう事は無かった。あの丘に行くことさえも。
 父親の手伝いがあった、という理由も確かにあるのだが、時間は十分にあった。それでも、彼女は会いに行こうとは、しなかった。
 まだ、普通にふるまえる自信は無かった。
 勇気が、無かったのだ。
 しかし、部屋の中でじっとしていることが、アメリアに耐えられる筈がないというのも変えられない事実。
(どうしよう)
 床に直接座り込み、これからどうするかを考える。
 この長い暇な時間を、部屋の中で何もせずに持て余していることは退屈で仕方がない。本は自分が読める本は読み切ってしまったし、あとの本は難しすぎて眠くなるだけ。遊び相手もいない。話し相手もいない。かといって勉強とかだなんてとんでもない。
 プスプスと頭の中をパンクさせそうになりながらも、名案はないのかと考えてみる。
 だが、考えてみても浮かぶは没ばかり。
 いい加減、諦めかけてたとき、ふっと一つの単純な考えが思いついた。
「そうですっ! つまり、近づかなければいいんですよっ」
 この街も案外広い。こんな広い街中で、たった二人の人間と偶然鉢合わせることの方が珍しいのだ。
 つまり、彼らのいそうなとこを避けて出掛ければ会う可能性は低いはず。
(とゆーわけで)
 部屋を盛大にあけ、言伝を頼む。
「出掛けてきますねっ!」
 相手の返答の言葉を聞く間もなく、アメリアは外へと飛び出していった。




 
 出向いた先は、いわゆる繁華街。
 美味しそうな匂いが漂ってくる店に、綺麗な小物がセンス良く並べてある雑貨屋さんに、お洒落な服が売ってる洋服屋に、実用的な品が置いてある店に―――――それは様々だった。
 右も左も前も後ろも人がいっぱいで、とにかく賑やかな場所。
 それが、彼女からみたこの場所の第一印象。
 あの丘や、ジュエルの家付近はとても静かだった。だから、この辺りの街は静かな場だと思ったのだが、父親の仕事で出歩いた場所などは、随分と都会的であったのを覚えている。
 きっと、あの丘付近は郊外なのであろう。彼の家は、あの丘からそう、遠くは無かった。
 ほっと、一息つき、安心する。
(これなら、あう心配はほとんどないですね)
 安心すると同時に、思考をぱたりと切り替えて、アメリアは目をキラキラさせて、様々な品を物色しつつ、とりあえず思うがままに歩いた。
 
 しかし、やはり人が多いせいか、はたまたアメリアがよそ見していたせいなのか、人とぶつかったりもしてしまうのである。


トスンッ


「すいません」
 ぺこり、と頭を下げる。
「いえ、こちらこそ」
 そのようなやりとりが、もう何度あったことか。


 トスンッ 


 また目の前の人物と正面衝突してしまい、頭を下げる。
「すいません」
「おや?」
 聞き覚えのある声にはっとし、その人物に目線がいった。
「ウソ?」
 思わず、驚きの余りその時の自分の感情を、そのまま声に出してしまっていた。
 この世は広いようで、狭いとは本当である。



「やあっ、お久しぶりだねっ! 元気だったかなっ? アメリアちゃん」
「あ、は、はい元気ですよ。ラズライトさんは?」
「ボクはいつだって元気だともっ」
 長い銀色の髪は、今日は一つに編まれていた。
「ラズライトさんは、どうして此処に?」
「はっはっは。よくぞ聞いてくれた。実は数刻前、ボクはいつものように優雅に、かつ可憐に、そして時に大胆にっ! 雅な時間を楽しんでいたのだよっ。が、しかしっっ!!」
 無意味に大きな動作でラズライトは続ける。
「そんなとき、ボクは気付いてしまったんだ」
 ふっと遠くに視線を向けて、堅く握った拳を胸元にもっていき堂々と答えた。
「ボクは、まだ昼食を食べていなかったことにねっ」
(つまり、お腹がすいた。ということなんですね)
 自分にわかりやすいように訳してから、アメリアはつげた。
「そうなんですか。では、これで」
 丁寧にお辞儀をしてそのまま早々に立ち去ろうとした。とにかく、これ以上彼と一緒にいることは避けたかったのだ
 そのまま、彼と正反対の道へ歩こうと思ったのだが、
「ところで、アメリアちゃんはもう昼食をとったのかい?」
「いえ、まだですけど」
「そうだ、アメリアちゃん。折角だから一緒に昼食を食べないかい? うん、きっとそれがいい。そうしようっ」
「って、え?」
「案ずることはないっ。ボクのオゴリさっ。それとも何かい? ボクのオゴリじゃ食せないとでもいうのかいっ?」
「いえっ。そんな事は」
「無いんだね。じゃぁ決定。さぁ行こうっ!」
   





「ささっ、遠慮なく食したまえっ」
 有無を言わさずに連れてこられた店で、アメリアとラズライトは二人仲良く向かい合わせで椅子に座り、メニューを見ていた。
「おや? 何を呆然としているんだい。その顔から察するに―――――――うむ。ずばり、『あぁ、もうっ! 言いたいことがあるんだけど、言えないわっ!』と言う我慢をしてるって感じだねっ」
「いえ、別に…………」
「ささっ、何かあるのならば遠慮なくいってみたまえ」
「だから、別にないんですけど……」
「そうかい。そうかい。でもねっ、我慢は身体によくないよっ。ズバズバっとチャチャッとパパっといってしまおう。さぁっ!! ボクに向かってなんなりと言ってみたまえっ! さぁっ!!」
「あの……じゃぁ言いますね」
 そこで、いったん深く深呼吸をし、また深く息を吸い込み、アメリアは一気に口を開いた。
「いったいなんなんですかっ!! こっちが言う間もなくぱぱっと連れてきて、はっきりいって驚くじゃないですかっ!! それにですねっ、なんでそんなに強引なんですか。少しはこっちの事情ってもんも考えて下さいっ!! そもそも、私は御飯を食べに来たんじゃないんですからっ!! つまり…………」
 一気に全部いいのけたあと、息が続かなくなったのかいきなりそこでぴたりと止まり、呼吸を一度整えなおすと、また深く息を吸い込んで、今度は手を腰にあて、きょとんとするラズライトにきっぱりと言う。
「悪ですっ!!」
 沈黙。
「うん。それで」
 なんとなく、そこに一陣の風がふきつけた気がした。
「さぁっ! こんな事よりさっさと注文を頼もうじゃないかっ!! ボクはお腹が空きすぎてしまったよ。ボクはAセットを頼むとして、アメリアちゃんは?」
「え? あ、はい。じゃぁCセットで」
「んじゃ、Aセット一つと、Cセット一つね」
 慌ててきめたアメリアのすぐ近くで、ラズライトはさっさと注文を店員へとつげた。
(って、あぁぁぁぁあぁ流されてますぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ)
 それは、もう今更悔やんでも遅かったりする。
 とりあえず、一度注文してしまったのだがら、このまま帰るわけにも行かず、アメリアはただ無言で、Cセットがくるのを待った。



 奇妙に無言な食事空間は、正直言って居心地がものすごい悪かった。



「お待たせ致しました」
 ウェイトレスの落ち着いた声と共に、カタリと響いた音をたてテーブルにそれぞれの頼んだ品が置かれた。
「ありがとうございます」
 ぺこりと、ウェイトレスに礼をいうと、アメリアは一瞬ためらったものの、食事にてをつけ始めた。
 ラズライトもまた、同じく食事にてをつけだしていた。
 
 


 其処は、ただ、乾いた空虚。
 熱くもなく、冷めても無い奇妙。
 何を話したらいいかもわからず、少しだけ喋ろうとする言葉をが浮かんできてもそれは声にはでず。





「ときに、アメリアちゃん」

 



 パタンと箸の置く音がし、その奇妙な空間をラズライトがすぱっと切り裂いた。
 切り裂いてできた空間は、そこもまた奇妙で、まるで洞窟の中で話をしているような妙な響きを感じた。
「なんでしょう?」
 問うアメリアに、力無くラズライトは目を閉じた。
「こんな事……頼んじゃいけないっていうのはわかってるんだけどね」


 瞼を閉じたその裏に映るモノはいったい何なのだろう。


「え?」
「あ、食べたままでいいよ」
 まだ、食事が終わってない自分に気を使ってくれたのだろう。にこりと微笑んだその姿は、此処につれてこられたときの強引さは欠片も感じられない。
 やっぱり、奇妙だ。 
 ラズライトは、ゆっくりと瞼を開け、アメリアの視線は、美しい透明な青をした彼の瞳を探る。
 そこに映ったものをみて思う、少しだけの確信。
 溜め息と混ざった笑いが漏れる。
「ジュエル……の事ですか?」
「やっぱり、わかるかい?」
「なんとなくですが」
 お互い、只苦笑する。
 それは、いったい何故だろう?
 苦笑する事でしか、その空間を埋められなかった。
 そういう事……なんだろうか。
「いつかの時間(とき)からずっとその形で固められたままの、時間(とき)の止まった硝子細工」
「へ?」
「硝子の心とはよく言ったモノだよ」
 その返事は、いったい何に対しての返事だったのだろうか。
「ジュエルを例えるとしたら、まさしくそれが近いんじゃないかな」
 彼が指さしたのは、店のテーブルの隅に飾られた硝子細工。それは、綺麗で、美しく、素晴らしい細工を施してあったものだが、少し、冷たく感じた。いつまでも美しい形をそのままに留まらせて、虚しい雰囲気すらも漂わせる。
 冷たい透明な硝子細工をのぞき込んでみても、映ったものは自分の疑惑のみ。
 カタンと机に音を立てて戻されたそれは、すぐにラズライトの手に映り――――――――――壊れた。
 パリンと音を立てて、壊れた―――――否、ラズライトによって割られたそれは、ゆっくりと赤く染まっていく。それは、まさしく血の色。
 当然だ。
 その赤い着色料は、正真正銘の血なのだから。
「硝子は、割れる」
 壊れた硝子で滲んだ指先を見ながら、ラズライトは言う。
 その言葉には、少しの違和感を抱いた。
 ポタリ
 血は、ラズライトの腕をつたり、床にも落ちる。
 その光景に暫く呆然としていたが、はっと我にかえって、癒しの呪文をアメリアは唱えた。
 自然と、周りに人が集まってきているのに気付いたのは呪文が唱え終え、ラズライトの傷がふさがってから。 
「何をしてるんですかっっ!?」
 店員の大きな声がする。
 店でこんな騒ぎを起こしたのだ。それは、当然な事であろう。
 すると、先ほどから只割れた硝子を見つめ、何も発しなかったラズライトがやっと口を開いた。
「おや? それは失礼。しかし……起こったモノは仕方がないと諦めてくれたまえ」
 静かで、どこか投げ遣りな印象もある言い方だったが、多分ラズライトの様子から見ると、彼にとっては至って普通だったのだろう。
 怪訝な表情をしたまま、散らばった破片を掃除して、その店員はさっさと離れていった。
「硝子細工は、割れてしまっても、壊れてしまっても、諦められる。でも―――――諦められたらいいのにね」
 ふっと、自分に問われる。
「よくわかりません」
 それは、正直な思い。
 だって、本当にわからないのだから。
 くすっと再びラズライトは笑う。
「あぁ、そうだね。説明……しなきゃ」
 先ほどの野次馬達は、いつのまにか何処かに行っていた。
 周りには、自分たち以外誰もいなかった。店員さえも。
 今更、思う。
(私、何しに外へでたんでしたっけ)     





 カラン
「いらっしゃいませ〜」
 店員の声が響く。
 あれから、何分間経過したのだろうか。長くも感じなかったが、そう短くも感じなかった。 
「ジュエルの事。どう思う?」
「嫌味なナルシスト」
「うん。まぁ否定はしないけどね」
 言葉は止まる。
 机の上は、とっくに食べ終えた皿は下げられ、氷がとけたあとの水が残っただけのグラスが二つ。
 その水を飲み干して、ラズライトは言葉を続ける。
「ジュエルが、笑うことを以上に拒否するのは知ってるかな?」
「知ってます」
 あの時の光景が鮮明に蘇る。
『僕は、笑ってはいけないんだ』
 掠れた、呟く声は、頭の中で何十にも繰り返される。
「母様って言ってました……」
 あの、小さな、まるで叫びのような、まるで助けを求めるような、まるで、嘆きのような声。
「あの時。ジュエルが名前の事を話してくれたときに、彼の親について少しありました。でも」
喉の奥に、言葉がひっかかっているように感じた。
 言おうと、その言葉は頭の中ではかかれているのに、実際に音となって発声されない。
 目線は、しっかりとラズライトの瞳をとらえる。
 どんなに言いにくくても。
 どんなに言いづらくても。
 どんなにためらっても。
 それでも。
(今、言わなくちゃ行けないような気がします)
姿勢を正し、目線はラズライトに。
 ひっかかった言葉を音にする。
「彼は、まだ私に全てを話してはいないです」
 音にならなかった言葉は、今、音になった。






 パチパチパチ
「さすがっ!! ご名答だねっ!!」
 シリアスぶち壊し。
 その表現が一番あっているだろう、というような満面の笑みで拍手するラズライトに、アメリアは文字通り肩をガクッと落とした。
「というわけで、ボクから全て話そうと思う」
「いいんですか?」
 余りにもサラリと答えられてしまってので、少し気が抜けて、自分までシリアス思考が飛んでいってしまった。
「だって、アメリアちゃんに話そうと思ってきたんだしね」
「え!?」
「言ったじゃないか。頼みがあるってね」


 
 
 さっきから、この人は真剣なのか真剣でないのか正直いってよくわからない。
 それが、ラズライトに対するアメリアの思いだった。
 不意に、真剣な表情をしたかと思うと、またすぐにそれをぶち壊す。
 まったくもって、よくわからない。
 でも、いいじゃないか。
 真剣かどうかなんて、シリアスかどうかなんてこの際どうでもよい。
 只、今から話されるその内容が重要なのだ。
 そう。
 スタイルはそれぞれにあるのだから。






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