◆−Cheers!9【化かしあい 切り札ジョーカー 隠し玉(前編)】−みてい (2001/11/5 22:09:52) No.17957
 ┣馬鹿試合←一発変換で出てきました(笑)−あんでぃ (2001/11/11 15:43:18) No.18059
 ┃┗宝石屋なのに『○に道楽』とは此れ如何に?(笑)−みてい (2001/11/11 23:30:25) No.18070
 ┗Cheers!10【化かしあい 切り札ジョーカー 隠し玉(後編)】−みてい (2001/11/13 08:43:06) No.18084
  ┗『こんな事もあろうかと用意していた』←それは真田さん(爆)−ゆえ (2001/11/13 19:22:53) No.18087
   ┗『だったら最初から出さんかいっ!』←お約束だが思っても言ってはいけないツッコミ(爆)−みてい (2001/11/14 00:58:12) No.18096


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17957Cheers!9【化かしあい 切り札ジョーカー 隠し玉(前編)】みてい 2001/11/5 22:09:52


こんばんは。みていでございます。
急激な温度変化に身体がおっつかず突然風邪ひいてしまいました。
現在ゾンビ声です。

ンな話は置いておきまして。
第9話です。
……再び、キツイおねーさんは好きですか?(爆)

では、おつきあいくださいませ。
*********************************************************************

 ――― ねー、母ちゃん。
      このきいろい石ってナニ?
 ――― それはね、フローライトって言うのよ。
      別名『蛍石』って言ってね。
 ――― ほたるっ?
      じゃあ光るのねっ☆
 ――― でもねリナ。
      フローライトは……―――

*********************

 あっちもそっちもいよいよ本格的に動き始めたけど。
 こっちだってただ相手の動きを待ってるワケじゃないのよね。
 ただ気になるのがイズの残してったあの言葉。



【化かしあい 切り札ジョーカー 隠し玉(前編)】



「また急な出発よね。
 それだけヤバイって判断するわよ」
「構いません。
 事実でしょうから」
「…シャルレさぁん、身もフタも無さすぎですぅ…」
「詳しく聞いてられますの?」
「いえ。
 聞いたのは伝えたとおり」
「『カーニャに気をつけろ』なわけね…」

 シャルレさんがうなずく。
 今朝早く挨拶もなくいきなりセイルーンを発った吟遊詩人。
 唯一言葉を交わしていったシャルレさんに残していったのは『カーニャ』という謎の言葉。

「アメリア、ゼルも気にしてたけど、そこってそんなにうさんくさいとこなの?」
「うさんくさいと言えば、うさんくさいんですけど…」

 ――― アメリアの説明によれば。
『カーニャ』というのはエクトライゼの別称で。
 特にエクトライゼとは流れを同じくしていたエルトライゼ側が自分たちと区別するために使うことが多い。
「その…聞き違えるとまずいですからカーニャと言いますけど。
 カーニャはストライジェと手を切りたがっているみたいなんです。
 大きな別の後ろ盾を得たのか、何か『強み』を握ったのかまではわかりませんが…」
「それ、アメリアとカーニャの誰かが結婚してそれで『強み』になるとかいうことじゃないわよね」
「絶対ありえませんv」
「愚問でしたわね、リナさん♪」
「あ〜はいはい」
 言いながらありえないだろうとは思ったけど…。
 カーニャが仮に『候補』を出したとしても、ここまで大っぴらにアメリアは意思表示してるんだし。
 今の状態じゃ他の候補者に勝てないだろう。
 …だとすると、…どゆこと?
 それ以外で強い発言力を得られる方法は何?
 ストライジェと手を切ってどっかの勢力につくとして。
 エルトライゼは鼻にもひっかけなさそうよね。そもそも仲悪いんだから。
「クラヴロートルと組む気なの?」
「かもしれませんねっ」
 悪く言えば『成り上がり』、言い換えれば新興勢力のクラヴロートル。
 むかしむかしの伝統やら功績やらは無いけど、現在の実績で力を伸ばしている。
「でもアメリアさん。
 クラヴロートルもこの時期に派閥変えをしようと思うほど強い勢力ではないとわたくし思っていたんですが」
 しゅっと布のすれる音が会話にまじる。
「そう言われれば、そうなんですけど…」
 間違ってはない気がするんですっ☆とアメリアは言い切った。
「シャルレさん、どう思われますか?」
「…クラヴロートルでなければまずい理由があるのかもしれませんね」
「どういうことですか?」
「ストライジェに無くてクラヴロートルにあるものを必要としたとしたらどうでしょう」
「うーん…」
 そーゆう考えもアリよね。

「いかがですか」
「どうですかっ♪」
「……いーんじゃないの」
「お似合いですわ」

 アメリアがその場でそうっと一回転する。
 すでにあるシンプルなドレスを基盤にまだ何の加工もしていない布を用いて装飾が施されていた。
 ……どーしてあの帯状の布が見事なフレアスカートの裾になるんだろう…。
 なんかもう、『器用』の域を越えてるよーな…。
「どこか直しますか?」
 大きな姿見の前で裾を持ち上げたり背中のラインを見たり髪を手で上げてみたりとアメリアは楽しそうに動く。
「ダイジョーブですっ。
 ………ゼルガディスさん、喜んでくれるでしょうかっ?」
「保証します」
 仮縫い状態のウェディングドレスをまとい、何かを想像したらしいアメリア、顔を真っ赤にして身悶えている。
「はい、では脱いでください」
「うふふふふふふふふv…って、はぁい」
 長い裾を踏まないようにシャルレさんが手助けし、いそいそと、でも名残惜しそうにアメリアは仮縫いのドレスを脱ぐ。
 これからその仮縫いのドレスはデザイン画とともに王家御用達のお針子さん(服を仕立てる人たち)のところへ持ってって、見本として扱われる。
 …デザイン画だけじゃわからない微妙な雰囲気とかを伝えるのに適してるらしいわ。
 お針子さんたちは、それを見ながら王族だけが付けられる紋章の織り込まれた布地で極上のウェディングドレスを作る。
 で。できあがったものに袖を通し、細かい手直しなどをするのは見本を手がけた人 ――― つまり今回はシャルレさんが担当する。
 だいたいは花嫁の母親が担当するんだけど、それを知ってか是非にとアメリアに言われて断りきれなかったみたいね。

「ではリナさん。始めましょうか」

 ――― うぅっ、来るべきときが来たって感じっ。
 あたしは母ちゃんが作ってくれたドレスを着て移動する。
「まぁ、裾の模様が花びらのようですわっ」
 シルフィールが指摘する。
 故郷でこのドレスを着て歩いたときに跳ねたブドウの汁。
 あのブドウだけは特別で、できた染みは茶色くならず淡い紫となって残っていた。

「それでさ話戻るけど。
 ゼルってそのこと知ってんの?」

 首を動かさないように気をつけながらアメリアに訊いてみると。
 視界の横で何かもぞもぞやりながら答えが返ってきた。

「知っていると思いますよっ。
 ただ、今は自分のことにかかりきりにならざるを得ない事態になってるみたいで…」
 
 例の『話』が効を相し、ゼルに対する見かたが変わってきた。
 あとは、ある条件さえ満たせば『血筋』に対し揶揄する者はいなくなる。
(証明する物が無いぃっ!?)
 本人の話によれば、レゾに合成獣にされた直後はかーなりヤケになり、八つ当たり気味に自分とレゾを繋ぐもの ――― たとえば家系図や日記などを片っ端から燃やしちゃったとか。
(おいおい、それってやばいんじゃないのか?)
 そう。
 第三者に証明することのできる物が無ければ、事実はどうだろうとゼルは『大ホラ吹き』の称号を頂戴してしまう。
 アメリアとの結婚も夢物語になってしまうのだ。
(方々手を尽くして探した結果、エルメキアとセイルーンの境にレゾの隠れ家があることがわかってな)
(取りに行かれたんですね)
(ああ。
 そこでどうにか証拠を手に入れることができた…)
(じゃあ、問題無いじゃない)
(そうなんだが、な)
 どうやらその『証拠』を使うことを渋っているゼル。
 それしか無いならそれでどーにかするしかないってのがわからない彼じゃないのに…。

「近いうちに一席、設けることになるんじゃないかと思います」

 つまり、公の前で表明するのだ。
 その方がどれだけ沸いてくるかわからないのを個々に対応していくよりも早いってったら早い。
 …沸くと言えばゼロス。
 あれから出てこないけど、よーっぽどあの小噺が効いたとみえる。ぷぷぷぷぷ♪
 様子窺ってんのかも知れないけど、出てきたらまたやってやろ。
 おし決定っ☆

************************

「なーんかさ」
「仕方無いですわ。わたくしたちは直接は関係無い立場ですし…」
「それにしても、こぉ…」

 言ってもしょーもないと思いつつも、どうどう巡りな会話がぽつぽつと続く。
 アメリアの言っていた『一席』が始まってもうそろそろ一時間くらいになるはずだ。
 公の、とは言っても人数はごくごく少なく、候補者とその身元保証人、それにアメリアとフィルさんが席に名を連ねている。
 花嫁と花嫁の父の前で、自分はこうこうこーいうところがスバラシイと宣伝するも、奴はあーだからヨロシクナイとか言うのはすべて本人まかせ。
 たぶん、姫様お気にの候補者 ――― ゼルを先に潰し、それから元の争奪レースに戻る腹積もりだろう。
 かと言って真っ向から非難すればアメリアの不況を買うことは目に見えてる。
 ………周りくどぉい責め方なんだろーなぁ。
 ゼルの前にアメリアがキレたりして。

「いー加減にしてくださいっ!!」

 ばきぃっと机の割れる音。
 開けていた窓から聞こえてきた怒号。
 階上で行われていた会議の部屋から。
「なーんだか」
「やっちゃいましたわね」
「ゼルのやつ、ちゃんとやれてるんだろうなぁ」
 全員、ため息。
 思ったそばから現実になったらしい、ぞ。
 ややあって、窓からドレスをはためかせて窓から飛んでいくアメリアと、それを追いかけるゼルの姿が見えた。
 その横を白い小鳥がすり抜けていく。
 あたしたちは急いで部屋を出て階段を駆け上る。
 ぞろぞろと身なりのいい男たちが出て行くのを横目で睨み、壁に背をつけてそっと様子を窺った。

 ――― なかなかですわね。

 女性の声が響く。
 シャルレさんだ。
 かろうじてくぐもった声が聞こえる。
 …フィルさんだ。
 声が高い分、シャルレさんのほうが聞き取りやすい。

 ――― それだけの方ってことですわね。
 ――― うぬ…。

 うーみゅ。
 何があったか想像しやすいぞ、ゼル。
 気配を消して室内を覗くと、アメリアが殴ったらしいテーブルに入ったヒビを触れているフィルさんが見えた。
 フィルさんも立場とか何とかあって大変なんだろーな…。
 花嫁の父なのに言いたくても言えないことってありそう。
 あたしはそんな家とか親族がどーのとか無いからそのへんのイザコザみたいなもんは無いけど。
 ガウリイだって…んまぁあったけど収まったし収めたし。
 だけどアメリアたちは『これから』もあるし、今なあなあにするワケにもいかないし。
「大変よね…」
 一人じゃキツイから。
 二人じゃしのげないかもしれないから。
 だからあたしたちを呼び出した。
 だったら、期待に応えてあげよーじゃないのっ!

「行くわよガウリイっ!」
「へっ!?
 おいリナっどこに行くってんだ?」
「………………………………いーから黙ってついてくるっ!!」

 駆けた後ろで、小さくシルフィールの声がしていた。

***********************

 ふっ☆
「おい〜、リナ〜」
 とっても不服そうなガウリイの視線が飛んでくる。
「あんたはただでさえ目立つんだからそれくらいでちょうどいいの。
 それとも何?
 女装したいって?」
「いや、それは絶対ヤだ…」
 口の周りが気になるのかしゃべりにくそうだ。
「ほら剥がれるからヒゲいじっちゃだめだって言ったでしょっ」
「…お前さんって髪しばると印象変わるのな…」
 ぼっ。
「しみじみ言うなぁっ」
 ぱかんっ☆
 ほめたのに、といぢけるガウリイの頭には特売で買ったつばの大きい帽子。
 長い金髪はその中にまとめて隠してある。
 顔には付けヒゲ。
「ただ場所探しに行くだけだろぉ。
 なんでこんな仮装しなきゃなんないんだよ〜」
「仮装じゃないわ、変装よっ★」
 あたしはバンダナを外して髪を束ねるリボン代わりにし、目立つ黒いマントは麻袋の中にしまった。
「甘いわねガウリイ。
 あんたはその長ったらしい髪で目立つんだから、それで聞き込みしたら一辺であたしたちだってバレちゃうでしょ。
 こーいうのはいかに相手に気取られぬようにするかがポイントなんだから」
「…………これだって目立つと思うぞ(ぼそっ)」
 う゛っ。
 スルドいとこ突いてきたわね、ガウリイ。
 …ここは一発、『聞き分けいい振りして口先三寸攻撃☆』。
「たしかにガウリイの言うとおりよ。
 でもね、そのカッコで目立つってったらそのヒゲと帽子でしょ。
 普段のあたしたちを知ってる人なら逆にわからないわ。
 それにホラ、あたしだってこーやってあんたにつきあって変装したんだからおあいこよ」
 ――― 彼の場合、一度に多くの情報を与えるととたんにクラゲ脳が思考を放棄する。
 今だってたいして難しいことは言ってないのだが、彼の頭上をハテナマークが自転している。
「んー、まー、リナがそう言うなら…」
 おし成功っ!
「じゃあ行きましょ。
 あまり時間を無駄にできないわっ」
「へいへい…」
 ………ホントーは、ガウリイに視線をくれる(女の)人たちがヤだったんだけど。
 内緒。

「すいまっせーん、ちょっとお訊きしたいんですけどぉ」

 イズが出発してもう一週間。
 あたしとガウリイは昼間時間を見つけては街で聞き込みをしている。
 ゼルも気にしている『カーニャ』について。
 だけどいきなりそっちを訊き回ると怪しまれることを考え、クラヴロートル側から攻めることにした。
 …いかにもおのぼりさんって風体のあたしたちがクラヴロートルについて訊き出すのは簡単。
「『宝石の護符(ジュエルズ・アミュレット)』で有名なのってどこですかぁ?」
「えっとねぇ、あそこの店なんぞいいんじゃねぇかな。
 カニのマークの。
 あれ、最近知られるようになったけどけっこうイイ品扱ってるって話だぜ」
 っとまぁ、こんな具合である。
 話した感じで詳しいこと知ってそうだなって人にはもちょっと深く掘り下げてみる。
「あっ、クラヴロートルチェーンねっ。
 …でもあれだけの品揃えならもっといいのありそうよね。
 『ぶい・あい・ぴぃ』御用達みたいな♪」
「さぁ、あるかどーかは知らねぇがよ。直接問屋尋ねたが早いんじゃねぇのか」
「問屋さん、どこだか知ってますかぁ?」
「嬢ちゃんくらいだとどっちのがいいんだろなぁ。オーイ」
 ちょっとムカついたが、この人はかなり脈アリのようだ。
 奥さんらしいおばちゃんに説明してくれている。
「問屋に行くよりも社長さんから直接流してもらったほうが早いんじゃないかねぇ。
 …それなりにはかかるだろうけどね」
 行くのかいと言いながらおばちゃんは指で丸を作ってあたしに、というか後ろで舟こぎ始めているガウリイに見せた。
 ををっ!
 予想以上の急展開っ!最初からこの辺聞き回ってればよかったっ!!
「行きますっ!
 どうやって行くんですかっ!?
 地図書いてくださればあたしたち自分で行きますのでっ」
 案内してくれそうな好意はありがたいが、諜報活動する今回に限ってはものすっごく邪魔である。
 あたしはおばちゃんから地図をもらい、ガウリイひきつれててくてく歩き出した。

「なぁ、リナ。
 あの『宝石の護符(ジュエルズ・アミュレット)』ってそんなにもうかるのか?」
「少なくともあのお家の人は儲かってるみたいね」

 地図を頼りに歩くことしばし。
 郊外にばべーんとでっかいお屋敷があった。
 …それにしても儲かるんだ。
 あたしも以前ちょっと懐のさみしいときに作って売り飛ばしたけど、これからも盗賊さんたちがいないときは実行することにしよう。うん。
「一見、ふつーのでかい家だよな」
「そーね。
 ま、あからさまに『悪事働いてますっ』なんてやってたらアメリアが見逃すワケないもの」
「どーする?
 だんだん日が落ちてきたぞ。 
 いくらこの時期は日が長いったってメシ逃すのヤだぞオレ」
「あたしだってイヤよ。お城のお料理おいしいんだからv
 …う〜みゅ。
 家の周りぐるっと回って今日のところは帰りましょ」
 てくてく。
 てくてく。
 ぴょん。
 てくてく。
 ぴょんぴょんっ。

 ――― あやしい。

 ……………………いや、あたしのことではない。
 このぐるーっと取り囲んでる垣根のことだ。
 中の様子がぜんっぜん見えない。
 中の建物の屋根のてっぺんがかろうじて見えるくらいだ。
 しかも隣り合う二辺だけ。
 何かを隠そうとしているとしか思えない。
 あたしは声をひそめてガウリイに尋ねる。
「ガウリイ、中の気配どう?」
「どう、って、どう答えればいーんだ?」
「だあっ!
 中に人がいるとか、建物の構造がわかるとか、何か無いのっ!?」
「…………………さすがに建物の構造までは…」
 ぽりぽりと頬を掻かれる。
 そりゃそうよね。
 いくらガウリイがケモノ並みでも、気配の無い建物はわからんわね…。

「っちょっと待って。
 てことは何?
 中に誰かいるってことね」

 こくんと頷くガウリイ。
 聞けば、ある一角でその場をほとんど動かない人間が三人いると言う。
 おおよその図を描かせてみると、二人は見張りであると推測できた。
「誰なのかな」
 あたしがもらした呟きにガウリイはさらに探ろうと壁に背を貼り付ける。

 ――― と、ガウリイの表情が変わった。

「リナ帰るぞ」
「っガウリイ?」
 声をかけるいとまもあらばこそ。
 彼は身体を起こすとさっさと街へと歩き出した。

「ちょ、こらどうしたのよっ!?」

 ガウリイが何かを感づいたことはわかっても、何に反応したかがわからない。
 追いかけながら、彼の表情を覗き見ると戸惑いの色が見えた。
 こんな表情、前にも見たことある。

「答えてガウリイ。
 あの壁の向こうには誰がいたの?」

 止めないまでもいささかゆっくり歩くようになったガウリイに追いつき、問いかける。
 彼は自分の勘違いじゃなけりゃ、と前置きしてその名を口にした。

 その名は、あたしが知っている相手だった。


                                  /続/
***********************************************************************
どこまで伏線張る気だオラって声が聞こえてきそうな気がしますが(汗)
あらためまして。
今回はぶっちぎり尻切れトンボなシーンが多いですね。
特に飛び出してったアメリア、追いかけていったゼルガディス、どうなったんでしょうねぇ、のっほっほ(悪)

○今回の小ネタ
 その1:『ついでにとん○んかん』←古すぎだろ
 その2:ものすごい三段論法

…しっかし、だんだん長くなっていくなぁ。同じシリーズでも最初のほうの2倍だわ(笑)

ではでは、みていでございました。多謝♪

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18059馬鹿試合←一発変換で出てきました(笑)あんでぃ E-mail URL2001/11/11 15:43:18
記事番号17957へのコメント


こんにちは♪お久しぶりなレスのあんでぃです(> <)
お体大丈夫ですか?あまり無理なさらないでくださいね(汗)でも続きは楽しみに待っております♪(←矛盾)


私から一言、いいですか?
カニのマークっ、カニのマークってっ!!(笑)
これを見た瞬間にみていさんのセンスに感動しました(笑)


それともうひとつ気になるのが、『カーニャ』です。『カーニャ』に気をつけろだなんてなんて気になるセリフを残してくれたのでしょう兄さんっ!!←おい、兄さん呼ばわりかい。
カーニャの強みって一体なんなんでしょうね・・・・・・ってそこで浮かんできたある人間の存在(笑)でもあの人だったら強みになりゃしませんね(笑)←非道(こら)


アメりんは純白のドレスで、リナちゃんは足元に紫の模様のドレスvvってすっごくすごいです(文になってない)初々しい二人が目に浮かびますねvv


> …沸くと言えばゼロス。
> あれから出てこないけど、よーっぽどあの小噺が効いたとみえる。ぷぷぷぷぷ♪
> 様子窺ってんのかも知れないけど、出てきたらまたやってやろ。
> おし決定っ☆

ゼロス・・・・・・・仮にも高位魔族なのに、小噺で滅んだら・・・・・(笑)もう復活できないね(笑)


>特に飛び出してったアメリア、追いかけていったゼルガディス、どうなったんでしょうねぇ、のっほっほ(悪)

気になります気になります気になります気になります!!
の゛あ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ ←生殺し(笑)
くくぅっ、我慢だワシっ!!きっとみていさんのことだからそのときの事もあとから赤裸々に書いてくださるわっ!!(待とうね)



それでは、実は個人的にシャルレさんの必殺技を見たい気もするんですが(笑)その意見は混沌ヘ葬るとして(笑)次回楽しみにしていますvv
短くて申し訳ありませんm(_ _)m
あんでぃでした!!


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18070宝石屋なのに『○に道楽』とは此れ如何に?(笑)みてい 2001/11/11 23:30:25
記事番号18059へのコメント

>こんにちは♪お久しぶりなレスのあんでぃです(> <)
>お体大丈夫ですか?あまり無理なさらないでくださいね(汗)でも続きは楽しみに待っております♪(←矛盾)
こんばんは、みていでございます。
心配いただきましてありがとうございました。体調はもうほぼ元通りですv
久々にレスいただきましたが、やっぱり嬉しいものですね(感涙)


>カニのマークっ、カニのマークってっ!!(笑)
>これを見た瞬間にみていさんのセンスに感動しました(笑)
提示しない小ネタ、『か○道楽』(笑)
まさかあの店の前に動く巨大カニさんがあったら…それはそれで笑えるかも。

>それともうひとつ気になるのが、『カーニャ』です。『カーニャ』に気をつけろだなんてなんて気になるセリフを残してくれたのでしょう兄さんっ!!←おい、兄さん呼ばわりかい。
その『兄さん』はいずれまた登場願います。
>カーニャの強みって一体なんなんでしょうね・・・・・・ってそこで浮かんできたある人間の存在(笑)でもあの人だったら強みになりゃしませんね(笑)←非道(こら)
『強み』…まぁ強みですね。
ちょっと事情が入り組んでるんですが、そこらへん次回か次々回かけて解いていけたらと思ってます。
誰がキィパーソンになってるか。
ふふふ。
………………いや、意表なんか突いてませんて(爆)

>アメりんは純白のドレスで、リナちゃんは足元に紫の模様のドレスvvってすっごくすごいです(文になってない)初々しい二人が目に浮かびますねvv
初々しい花婿も考えなきゃ…(汗)←今の今まで忘れてた

>ゼロス・・・・・・・仮にも高位魔族なのに、小噺で滅んだら・・・・・(笑)もう復活できないね(笑)
竜族のバイブルになりそうですよね。
…怖っ(笑)


>くくぅっ、我慢だワシっ!!きっとみていさんのことだからそのときの事もあとから赤裸々に書いてくださるわっ!!(待とうね)
飛び出してったアメリア、追いかけてったゼル。
赤裸々かぁ。さらっと流そうとしてたのに(かなり待テ)
いや、設定としてはしっかりあるんですけどね( ̄ー ̄)


>それでは、実は個人的にシャルレさんの必殺技を見たい気もするんですが(笑)その意見は混沌ヘ葬るとして(笑)次回楽しみにしていますvv
シャルレの必殺技!
びすびすっ★とどこかで…飛ぶでしょうか(笑)

>短くて申し訳ありませんm(_ _)m
>あんでぃでした!!
ありがとうございました。
ではでは、みていでございました。多謝v



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18084Cheers!10【化かしあい 切り札ジョーカー 隠し玉(後編)】みてい 2001/11/13 08:43:06
記事番号17957へのコメント

おはようございます、みていです。
やっとツリーの残っている間に投稿できました。

第10話です。
ある意味謎解き編ですね。
暗躍していた人が登場します。
…………………………殴られること必至(汗)
LegendMasterやWaterViewを読まれているとちょっとわかりやすいかと思います。

ではでは、おつきあいくださいませ。

**********************************************************************

 ――― フローライトは別名『蛍石』
 ――― その名のとおり光を放つ
 ――― だけどその光は他から受けたものを吸収し、さらに輝きを増して光を燈す
 ――― 光を誘い、己とともに光ろうと誘う石
 ――― まるであの子のように

*****************************

 待つだけってのは性分に合わない。
 手始めにクラヴロートルに当たりをつけて探索してたあたしとガウリイ。
 そこで思わぬ収穫を得た。
 ……得たんだけど。



【化かしあい 切り札ジョーカー 隠し玉(後編)】



「あらガウリイ様リナさん。城へ戻られるのですか?」
「うーん、ちょっとね」
「メシ食いに帰ろうと思ってさ」

 帰る途中。
 彼女がお世話になっているグレイさんの魔法医院の後片付けをしているシルフィールと出会った。
 くさくさしていたこともあってその間中で待たせてもらうことにする。

「おっ?
 シルフィール、こんなの作れるんだ。すごいなぁ〜」
「ああっ!
 ガウリイ様触っちゃダメですっ!!」

 ぺしん。
「あ。」
 ……きっと今日は子どもの患者さんが多かったんだろう。
 うん、よーゆーことにしとこう。
「すみません、つい…」
 まだ固まってるガウリイを見ながらシルフィールは彼が触ろうとしたものをそっと取り上げた。
「リナさんも触っちゃダメですよv
 当日になればもっとたくさんになってお渡ししますからvv」
 ――― あ。
 そこまで言われて思い出す。
 あたしの郷里の風習。
 親しい友人、家族などから花嫁に贈られる手作りの花一輪。
 リボンで作るのもアリ、紙粘土で作るのもアリ、魔法で枯れないように加工するのもアリ。
 それらを集めて花束とし、当日のブーケとなる。
 誰が知ってたんだろう。
誰に訊いたんだろう。
「う〜ん…」
 あたしが言えたのは何ともカッコのつかない一言。
 …だって他になんて言えって言うのよ。
 ……て、テレるし。
「ありがとうな、シルフィール」
 えっ☆
「幸せになっていただかないと、恨みますわ★」
 ………昔。
 彼と彼女の仲を知らず知らずに勘ぐったことがあったけど。
 コレばっかりは、ね。
「お?」

  コンコン

「はーいっ。
 すみませんリナさん。開けてあげてくださいますか?」
「いいわよ」

  かちゃっ
  パタン(即)

「間に合ってまーす」
「そんなぁ、入れてくださいよぉ」
「回収は火曜日じゃなかったか?」
「最近やけに冷たいじゃないですかぁ。
 入れてもらえないとお仕事できないんですから入れてくださーい」

 意表を突いてドアからふつーに入ってくるつもりだったんだろうけど。
 けんもほろろにされていぢけ虫がぶんぶか飛び回っているゼロスの遠吠え。
「うっさいわねぇ。
 どーせ『暇だからアンタもう一度行ってきてちょうだい』とか言われたんじゃないの?」
「…………。」
 ふっ。図星★
 まさか小噺でダメージ受けてる魔族なんて見てる分にはユカイなものだしっ。
 …『見てる』限定よ。
 くらいたいとは思わないわ。

「はっはっはっ。
 外まで嫌な感じの妖気が漂ってるんでさすがの僕も辛かったですよ」

 入れてやれば入れてやったで煩いヤツ。
「妖気って何よ。
 今なら生で観れるわよvv」
「う゛っ。
 リナさん新手の責め方覚えましたねっ」
「想像するだけでも楽しいんじゃないかしらぁ?
 ほーら。
 ほーーら」
「想像の限界を超えますよぉっ」
「ま、冗談はこれくらいにしておいて」
「冗談だったんですか?」
「……観てみたいの?」
「いや、それも…」
 だりだりと汗をかくゼロス。
 面白いが、あまりこのままでいるのも話が進まない。
「で、『お仕事』ってそれだけじゃないんでしょ。
 何なワケ。
 とっとと言わないと…」
 ぐいっとガウリイの腕を引っ張る。
 ガウリイはすんなりついてきた。
「この前の返事を聞きに来たんですっ!」
 …『らぶらぶ攻撃(仮)』がそんなに恐ろしいのか叫ぶようにゼロスは答える。
 そんなにオソロシイものなのかな。
 それともそんなに『らぶらぶ』なのかあたしたちは。
 ……………………………………………………いかん、あらためて認識するとテレてくる。
「顔赤いぞ?リナ」
「てい。」
 ぱかーんと愛嬌にスリッパ一つ。
「この前の返事?」
 ――― ああ、あたしとガウリイが、てことね。

「するわよ。
 でもいい?
 結果的にアンタの提案に乗ったみたいになるけどこれはあたしが選んだんだからね」
 譲れないこと。
 ごまかしたくないこと。
 だからあたしは言い切った。

「これはこれは。
 ではまた、しばらく楽しませていただけそうですね」
 すぅっといつものニコ目とは違う笑みを浮かべて。
「それではまた、お会いしましょうv」と言い残し、ゼロスはかき消えた。

「最後の一言は聞かなかったことにするわ♪」
 くるっと身体ごと向きを変えるあたし。
 するとそこにはぽかーんとアホみたいに口を開けているガウリイとシルフィール。
「ちょっと二人とも、何固まってるのよ」
「…リナさんの口からそんな大胆な発言が出るなんて……」
 ほう、とため息をつくシルフィール。
 ………あっ、思い返すとすごいこと言ったかもあたし。
 う〜みゅ。
「おーい、ガウリイ〜?」
 あたしが名指しで呼ぶとようやく我に返り。
 頭をぽりぽり掻いて嬉しそうに笑った。
「嬉しすぎ。リナv」
 ぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼっ

  ぽんっ☆

 軽い音。
 突然現れた気配。
 どうしてか。
 どーしてかわかんないけど。
 もしかしたらテレ隠しの説明つかない行動だったのかも知れないけど。

 ぱっか〜〜〜〜〜〜〜んっ★
「ひえっ!?」
「きゃあっ!!?」
「…………ああああああっ!?」
 ――― あたしは、後ろの気配に対しスリッパを振り抜いていた。

「リナさん、今度はどなたとお間違えですか…?」

 聞いたことのある声。
 その言い方、雰囲気。
 おそるおそる顔を上げると、左ほほを片手で押さえる男の人の姿があった。
 ああああああっ、やっぱしっ!!
「…セイルーンのようですね」
 どうしていきなり現れるの?
 今度は本物なの?
 でしかもあたしはスリッパで思いきし叩いちゃったしっ!?
 ひえええええええっ。
 ど、
 ど、ど、
 ど〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しよぉぉおおっ!?

「ランディ」

 ふわり。
 うろたえまくるあたしの両肩に手を乗せ、ガウリイが『彼』に声をかける。
 あ、なんか落ち着いてくる。
「ランディ、飛べたのか?」
「飛べる、という表現は的確でないのかもしれぬな。
 村にイズが来て急を告げたところ、屋敷に来ていた友人がここまで送ってくれたのだ」
「友人?」
「金の髪と赤い眼をした女の子ですよ」
 …友人?
 人間ひとりを空間転移させるなんて相当の魔力容量(キャパシティ)と理解力が無きゃ無理。
 あたしはできないし、人間では不可能じゃないかなと思ってる。
 ……エルフか竜族かな。精霊かも。
 この人ならそんな友人がいても不思議じゃない気もするけど。
 具合を確かめるように数回ほほに触れ直してから手を下ろすランディさん。
 そこには、赤い痕がついてしまっていた。
「あのー、ほっぺすいませんでした」
「私を『ランディ』と認めてよいのですか?
 もしかしてまたドッペルゲンガーかもしれませんよ」
 頭を下げたあたしに笑いを含んだ優しい声が降ってくる。
 えっ!?
「ガウリイが言い切った時点であたしが疑う余地は無いわ。
 それよりもランディさん。
 誰かから話を聞いているんですか?」
 彼に化けたゼロスが出たことはあたしたち含め数人しか知らないこと。
 イズには伝えてないから、その他のメッセンジャーがいたことになる。

「だいたいは把握していると。種明かしはこれですよ」

 言いながらランディさんが懐から取り出したのは小さく折りたたまれた痕のある紙が数枚。
 一枚を見せてもらうと、あたしたちしか知らないようなことが要領よく書かれていた。

「白魔道都市セイルーンに平和の象徴である白い鳩が一羽二羽増えたところで誰も気にしませんからね」
「あ〜、そっかぁ…」
 ――― わかってみれば簡単すぎることだった。
 もう一人のメッセンジャーはシャルレさん。
 定時か何か動いたときかどうかはわからないけど、離れているランディさんに伝書鳩で伝えていた。
 あたしが以前感じた小さい生き物の気配もおそらくこれだったのである。
 …ぬかりない人だなぁ。
「他に質問はありませんか?」
「無いわ」

「じゃあランディ、城に行こうぜ」
「そうですわ。
 きっとシャルレさんも首を長くして待ってますわ」
「…いや。
 ガウリイ、リナさんとともに先に城へ行け」
「どうしてだ?
 口には出さないけどけっこう心配してるぞ、シャルレ」

 あたしたちが異議をとなえるとランディさんは「早とちりですよ」と返してきた。
「少々、片付けておかねばならぬことがある。
 それにこの顔では何を言われるやら」
 ――― う゛っ。
「シルフィールさん。
 イズから何か託(ことづけ)や預かった物はありませんか?」
「今、取ってきます!」
 ぱたぱたと足音を立てて駆けて行くシルフィール。
「数刻で城へ上がります。
 そうアメリア様に伝えてください」
 今度はあたしに言う。
「シャルレには何て言うんだ?」
「……私が自分で伝える。
 ここまで来ていることだけ、伝えて欲しい」
「わかった」
「持って来ました」
「ありがとうございます」
 シルフィールがランディさんに手渡したのは大判の封筒。
 中に入っていた一枚にざっと目を通したあと、気になりながらも出て行こうとするあたしたちにランディさんは言った。

「すみませんがもう一つ。ゼルガディス殿に伝言を」

**********************

「本当にそう言ったのか、ランディ氏が?」
「そうよ。
 意味まではわかんないけどね」

 聞き返すゼルにあたしは答える。
 どういう意味か推測はできるけど、どうもこの表情から言ってゼルにはそれ以上の意味があるらしい。

『護り刀たらんとするならば無様な姿を晒すのは賢明か』

「そうだったんですねえ…」
 なんだか感慨深げにアメリアも呟く。
「何かワケありか?」
「ああ」
 答えてゼルはアメリアに近付き、ぽんぽんと二回彼女の頭を叩いた。
 アメリアは叩かれた分だけ髪を撫でつける。
「……訊かれたくないなら、別に気にしないぞ?」
「いや、お前らならいい」
 ――― その後ゼルの口から語られた話。
 ――― 己の身体に刻まれた一番最初の傷のこと。
 あたしとガウリイは適当な言葉が見つからず、黙るだけだった。


 …気になる。
「う゛ー゛ん゛…」
 隣でガウリイもうなってる。
「オレ、やっぱ気になる」
 目の前に並ぶお料理を運ぶペースが遅い。
「あたしもよ」
 小声で話し、気づかれないように平然を装うけれど。
「そっか」
 ガウリイの表情が苦いものになる。
 うっかりピーマンを口に入れてしまったらしい。
 …でも一度口に入れたものは絶対出さないのが彼らしい。

「行きましょ」
「行こう」

 声は同時だった。


「はぁいv
 新月の夜のお散歩と洒落こみませんかvv」
「…来るような気はしていましたが」

 ため息雑じりの声が聞こえてくる。
 街灯として燈された『明かり(ライティング)』の下、見知ったシルエットが近付いてきた。

「バレバレだぞ。ランディ」
「だから隠さなかっただろう?」

 人通りの無い夜道に三人。

「お前らもだ」
「ゼル!?」

 しばらく歩いたところで今度はゼルガディスと遭遇。

「何をしにここまで来られたのですか?」
「…口出しはせん。
 事の次第を見届けるだけだ」
「結構」

 人通りの無い夜道に四人。
 目指すはクラヴロートルの屋敷。

**************

「不躾な訪問に応じていただいて嬉しく思います」
「アンタが相手じゃそうむげに追い返せないからな」

 ……ムカつくぞこのガキ。
 裏から忍び込むかと思いきやランディさんは玄関から敷地に入り、名乗った。
 出てきたのはこのくそ生意気なガキんちょ。
 どーやらこの家の『ご子息様』らしい。
 ――― つまり、アメリアの『お婿候補』。
 年齢は相応らしいがンなのガキんちょで十分だっ!

「で、用は何?
 その人が勝ち目が無いからって泣きついたわけ?」
「いいえ。
 今日はこの屋敷の奥にいる彼に用があって参りました」
「イヤだよ。
 あれはボクの手駒なんだから。
 それにあれがいるとそっち、困るんでしょ」

 ……くそムッカつくぞこのジャリっ!!
 事前にクギを刺されてなきゃゼルもガウリイも一言二言言ってそうだ。

「本当は、もっといいのが欲しかっ」
「たのだけど。
 …使い物にならなかった。
 そうではないですか、『片腕の男』は」

 ジャリの目が見開かれる。
 言葉尻をさらい、付け加えて投げ返したランディさんに。

「入知恵はエクトライゼですね。
 風評を聞きつけてあなたに報告し、あなたがこの家の人脈を介して『彼』を見つけ出した」
「ど…してそこまで」
「ちょうど家は更なる繁栄のために手段を講じようとしていた。
 あなたがあの玉座に座ればクラヴロートルの繁栄は保証されたも同然。
 あの明るく一直線なアメリア様なら簡単に丸め込める。
 ……もっと聞きたいですか?」

 ――― そうか、シルフィールが渡したイズからの資料!
 アレはこのことに関する綿密な報告書。
 ゼルもそこまでは掴んでなかったらしく驚きを表情にしている。
 ジャリに至っては心を見透かされたとでも感じたのかわずかに汗ばみ始めている。

「策士を気取るには少々詰めが甘いのではないかな。
 指摘し始めればきりが無いが、アメリア様に対する認識をまずは改めて下さい」
「ボクに意見するのかっ!」
「それから。
 …この案、あなたのお父上には相談されたのですか?」
「……………………!」

 あ、黙った。
 もしかして成就してから報告してほめてもらうつもりだったのか?

「そのくらいにしておいてもらえないかね」

 かちゃと奥の戸が開き。
 出てきたのは恰幅のいいおっちゃん。

「話はすべて聞かせてもらった。
 わしには寝耳に水の話だ。
 すべて愚息の勇み足ということで…」

 へらっと笑みを浮かべるおっちゃん。
 シラ切るってんの。

「構いません。
 ではそのまま知らぬ存ぜぬで通してください。
 エクトライゼ家に対しても、です」
「そんなっ!?」
「このバカ者がっ!
 存在をアピールした後頃合を見計らって退くつもりでいたのに、勝手に動くとは!」

 父親に叱られ、ふくれっ面になったガキんちょは、
「……ちぇっ、好きにすればいいだろう。何だいっ」
 捨て台詞一発、逃げていった。

「何だい」って、アンタが何だいって感じだけどあたし…。

****************

「何ですかな、こんな夜更けに…!?」

 離れの建物。
 中から戸を開けたヤツは、あたしたちの顔を見るなり力づくで閉めようとした。
 が。
 ガウリイとゼル。二人の力に叶うべくも無く。

  ばぁんっっ!!
  ガタガタッ

 負けたヤツは部屋の中に弾かれ、戸は勢いあまって壁に激突し窓を揺らした。
「いずれ会うつもりだったんでしょ。そんなに驚かなくてもいいじゃない★」
 あたしの声が届いていたかどうか。
 ヤツは尻餅をついたまま、一点を見ていた。

「お久しぶりですね。クァール殿」


                                    /続/
**********************************************************************
ランディが登場すると話がさくさく進みます。
…だったらもっとマシな登場シーン作ってやれって。
……すいません、あんまりにもあんまりだとどっか崩したくなるんですっ!!(待て)

○リナの花束
 シルフィールが作っていた花は、他の人のも合わせて花嫁のブーケになります。
 ので、リナはブーケトスがありません。
○「今度はどなたと〜」
 …はい。今回の問題シーンです。
 この言葉の意味はLMを探すと見つかります。あのときはぎりぎりセーフだったのに…(汗)
○ランディ登場
 リナが言うように、魔族や高位の竜族がやるような瞬間移動みたいなのはかなりの高位術だと考えています。
 それが何故ランディに可能だったかと言いますと、『金の髪に赤い眼の女の子』の助けがあったからです。
 このあたりはとあるHPに献上品として受け取っていただきました。感謝v
○伝書鳩
 超の付く小ネタです。
 実は、LMの番外にこそっと登場しているのです。気づかれた方、あなたはすごいです。
 鳩さん、Cheers!のほぼ全話に登場してます。
○ゼルの話
 謎解き編としつつも、これはあえてぼかしました。
○『オトナの交渉』
 …いや、もちょっといいタイトルが無かったもんかい、みてい。
 わかりにくいと思いますが、ランディは相手に対し「『彼』を含めた全部を他言無用。さもなければ」とし、相手は「息子の独断専行であり、自分に責は無いとしてくれるなら」と何だか暗黙の了解つきの会話をしています。
 ……これも処世術ですかね。
○探してみよう小ネタ
 その1:おいたはいけません。
 その2:獣王の暇つぶしアイテム←とうとう小ネタ
 その3:山さんの名台詞

ではでは、みていでございました。
変わらぬおつきあいをきたいしつつ、みていでございました。多謝☆

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18087『こんな事もあろうかと用意していた』←それは真田さん(爆)ゆえ E-mail URL2001/11/13 19:22:53
記事番号18084へのコメント

こんにちはっ!発熱熱風狙い撃ち♪(待て)ゆえでございますっ♪


あああああああああああああああああああああああっ、ランディさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんvvvvv

ご登場っ、お待ち申し上げておりましたわっ♪
無事に「ぽんっ☆」と到着されたようで、どっかの友人の金髪赤目のお嬢さんもほっとしていることでしょう(笑)
よかったよかった♪(今のところ唯一の成功例というから、じつに怖いが)


リナのラブラブ攻撃。ゼロスに多大なダメージをあたえるようですが、その後自分も照れてダメージ受けてるような(笑)

ランディさん登場で、一気に話が展開してきましたね。
謎も証されつつ、しかしまだ謎な部分も多くて、あああっ、気になるっ!
ますますこの先楽しみです。
それと、出てきた悪玉1号!!(名前をよべよ・・・・)
以後の処置を期待しつつ(それなのか) 



ランディさんに会えて良かったとしみじみ思う、お嬢と共に楽しみにしておりますvv


P.S 山さんの名セリフが発見できなかった発熱野郎は、再び音読いたします(汗)いや、印字しよう。

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18096『だったら最初から出さんかいっ!』←お約束だが思っても言ってはいけないツッコミ(爆)みてい 2001/11/14 00:58:12
記事番号18087へのコメント

>こんにちはっ!発熱熱風狙い撃ち♪(待て)ゆえでございますっ♪
どもです、みていでございます。
…って発熱ですかっ!?寝てください。読むより先に寝てください。


>あああああああああああああああああああああああっ、ランディさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんvvvvv
叫んでるっ(笑)
>ご登場っ、お待ち申し上げておりましたわっ♪
>無事に「ぽんっ☆」と到着されたようで、どっかの友人の金髪赤目のお嬢さんもほっとしていることでしょう(笑)
>よかったよかった♪(今のところ唯一の成功例というから、じつに怖いが)
ゆえさん、術を行使したご本人が「ぽんっ☆」と現れるのを心待ちにしてますわv
そしてどのへんに出現させるかコントロールできるようになってね★←責任転嫁(爆)

>リナのラブラブ攻撃。ゼロスに多大なダメージをあたえるようですが、その後自分も照れてダメージ受けてるような(笑)
このシリーズになってからかなりリナはストレートに自分の気持ちを表すようになったんですが、結局照れちゃうのもリナかなぁとv

>ランディさん登場で、一気に話が展開してきましたね。
今までの進まなっぷりが嘘のよう(笑)
彼が出張ると話がさくさく進みまくるので、これまで出し惜しみしてました(待テ)
>謎も証されつつ、しかしまだ謎な部分も多くて、あああっ、気になるっ!
>ますますこの先楽しみです。
>それと、出てきた悪玉1号!!(名前をよべよ・・・・)
>以後の処置を期待しつつ(それなのか)
ふふふ。『悪玉1号』のときとはまた違った処理します( ̄ー ̄)

>ランディさんに会えて良かったとしみじみ思う、お嬢と共に楽しみにしておりますvv
しみじみ…(笑)
ありがとうございました。
ここまで来れば怒涛の展開、つぅかどのエピソード切るかで悩んでるみていでございました。多謝v


>P.S 山さんの名セリフが発見できなかった発熱野郎は、再び音読いたします(汗)いや、印字しよう。
熱下がってから探してくださいってば〜(願)
えっとですね、かなり最後のほうの科白ですよ。

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