◆−希少価値の希少価値たる所以・4−白河綜(8/19-21:09)No.16640
 ┣わーい♪まってました♪−かお(8/19-21:27)No.16641
 ┃┗わーい♪ ご感想ありがとうございます♪−白河綜(8/20-14:44)No.16663
 ┣希少価値の希少価値たる所以・5−白河綜(8/22-22:27)No.16707
 ┃┣きやー♪エル様だー♪♪−かお(8/23-00:25)No.16712
 ┃┃┗Re:きやー♪エル様だー♪♪−白河綜(8/23-00:51)No.16713
 ┃┗おおおおおおおおおおっ!−ねじばな(8/25-10:46)No.16767
 ┃ ┗ぎゅおおおおおおおおおおっ!(←伝染しました)−白河綜(8/25-23:27)No.16779
 ┣希少価値の希少価値たる所以・6−白河綜(8/25-23:10)No.16778
 ┃┗わーい♪続きだー♪−かお(8/26-01:04)No.16780
 ┃ ┗ざっくばらんがイイカンジ♪−白河綜(8/28-23:19)No.16815
 ┗希少価値の希少価値たる所以・終−白河綜(8/28-23:09)No.16814
  ┗終わっちゃたよー。くすん。−かお(8/28-23:59)No.16816
   ┗はい。終わりです。−白河綜(8/30-17:58)NEWNo.16863


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16640希少価値の希少価値たる所以・4白河綜 E-mail 8/19-21:09


こんにちは。覚えていらっしゃるというお方おられるでしょうか、白河綜です。今までは家族ぐるみでパソコンを使っていたのと、悲しき受験生、夏季講習なるものとに阻まれて、ぜんっぜん投稿できませんでした(泣)。
 ああ、何にしても、続きです。

*************************************


『いっただっきまーすっ!!』
 ナーシャの爆弾発言から数時間後。
 金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)がどんな存在か知らない、大変幸せなマナリート以外がフリーズしてしまっている間に日も暮れてしまい、結局リナ達はナーシャの家に泊めてもらうことになった。
 今は、丁度お夕飯である。
 香草を使った鶏肉のソテー。栄養価が高い、新鮮な生野菜のサラダ。塩ベースなはずなのに、野菜のエキスがしみ出ていて甘く感じるスープ。狐色に焼き上がったふわふわのパン。
 それらが、どーんと食卓に並べられている。
「……よい食いっぷりだのう……」
 氷をたっぷり入れたアイスティーをそれぞれの前に置きながら、半ば呆れ顔でナーシャは呟いた。自らも椅子に座るが、小さく笑顔を浮かべ、
「これだけでは足りぬやものう。
 追加を作ってこようか」
 生野菜を突っつきながらゼルガディスが答えた。
「世話になってるっていうのに、そこまでしてもらうのは気が引ける……と、言いたいところだが……」
 ちらり、と横目でいつものごとく争奪戦を繰り広げるリナとガウリイを見た。
 彼らは同時に最後の鶏肉に、がっ! とフォークをぶっさた!
「んっふっふ。
 ガ・ウ・リ・イっ、何なのかしらねぇこの手わっ!
 あたしの愛しの鶏肉さんを持っていこうなんざ、1万とんで58年早いわ!!」
「なーに言ってんだリナ!!
 この鶏肉さんは、俺の―――……」
  がっ!
  しゅっ!!
  がちんがちんっ!!
 フォークのぶつかり合う音が、食卓に延々と響いている。
「……と、いうわけなんで、悪いが……」
「かまわぬ。私もあまり食べられてないし、あのお二人がほとんど召し上がっているから、貴殿もあまり満たされておらぬのだろう? ゼルガディス殿」
「…………」
 図星を突かれつつも、普段と変わらない冷静な面持ちで明後日の方を向くゼル。
 ナーシャはクスクス笑いながら、結局ほとんど食事に手をつけずに立ち上がった。そのまま、台所へ向かう。
「ああ、ナーシャさん。わたしもお手伝いします」
 一段落終えたフィリアが立ち上がる。
「ああ、かまわぬよ、フィリア殿。保存食を出すだけなのでな」
「いいえ、わたしとヴァルはもう一週間もお世話になっているんですもの。手伝わせてください」
 と言って、フィリアも台所に入っていった。


「あの、ナーシャさん……」
「何だ」
 保存食を戸棚から出しながら、ナーシャはフィリアを見ずに答えた。出したものをフィリアに手渡す。それは大きな干し肉の塊たった。
 おずおずと、言いづらそうに口を開け、
「……わたしは、火竜王様のご意志に従い、こうしてあなたを尋ねてきました。尊き赤の竜神(スィーフィード)様のお力を持ち、さらには魔王の五人の腹心である覇王(ダイナスト)の血脈であるあなたを、神の側につくよう説得するために。
 でも……」
 フィリアは、伏せていた顔を上げた。
 曇りのない蒼い瞳で、真っ直ぐナーシャを見つめる。
「わたしは、あなたがその強大すぎる力を厭って使っていないのかと思いましたが、それは……」
「それもあるよ。
 この力を使えば、貴女やゼロス殿のような両方からのスカウトが、もっと早くに来ておっただろうしな。
 それに、今の暮らしに満足しているのに、どうしてそれ以上を望むことが出来ようか。私は……今のままで充分なのだ、本当に。
 …………これが答えになったかのう」
 干し肉を適当な大きさに切って皿によそったものを、フィリアに手渡す。背の高いフィリアを見上げて、ナーシャは微笑んだ。
 フィリアも微笑む。
「……急ぎましょうか、リナさん達が待ってますし」
「そうだのう…… おっ」
「? どうかしましたか?」
「いや、なに。
 もう一品忘れておった。すまないがフィリア殿、手伝ってくれ」
 にぃ、といたずらっ子みたいに幼い顔をして、ナーシャは笑った。


 フィリアとナーシャが立ち去った後も、けたたましい金属音は止むことはなかった。
「秘技っ、リナ=インバース・ロイヤル・ディストラクションっ!!」
「なんのこれしき!!」
 飽きることなく応酬を繰り返すリナとガウリイの隣では、アメリアとマナリートが、年の離れた姉妹よろしく、
「マナリートさん、この野菜もおいしいですよ」
「本当? こっちの果物も美味しいよ」
「じゃあ、食べさせっこしましょうかっ」
「うんっ」
『はい、あ〜んっ』
  ぱくっ。
  もぐもぐ……
「あ、ほんと。おいしいですっ」
「このお野菜も美味しいよ。ドレッシングも甘くておいし〜!!」
 無邪気に笑う二人の姿を横目に、ゼルガディスは不機嫌全快だった。
 ぐっ、とイッキにアイスティーを飲み干す。
 そこに、
「ちょっとゼルちゃ〜ん。何マナリートにやきもちやいてるのよ〜」
 と、ひととおりの食事を終えたリナが絡んできた。
 うりうりとゼルガディスを小突きながら、片手にはしっかり果物を持っている。
 ゼルガディスはぶっきらぼうに、
「うるさい、絡むな!」
「あれ〜、まーたそんなこと言う〜。
 やつあたりだ〜!!」
「ほっとけ!!」
 と。
 和やかな雰囲気のリナ達とは対照的に、ゼロスは撃沈していた。
(……あの方が気に入っている方にちょっかいだせなんて……
 大体どうして覇王(ダイナスト)様のやったことの後始末を僕がやらなきゃならないんですか。『味方にならないなら殺してこい』って言われても、こんな土地じゃフィリアさんにすら勝てないっていうのに……)
 そこまで考えて、彼ははっとした。
 目を見開いて、台所のドアを見つめる。
「ま、まさか……
 ナーシャさんと二人きりになったところで、神側につくように説得してるんじゃぁ……
 させませんっ!!」
 そう叫んでから、慌てて席を立つ。
 が。

  ずべっ。

 ごくごく自然に出されたヴァルの足に引っかかり、モノの見事にすっこける。
「おお! 綺麗にすっころんだな!」
「うーん、今時こんなのに引っかかる奴がいるなんて……」
「きっと、魔族の中でも時代遅れの部類に入るんですよ、ゼロスさんは」
「ふん……」
 ガウリイを筆頭に、リナ、アメリア、ゼルガディスの順に感心する。
 がばぁ、と身を起こし、強打した鼻を押さえながら、ゼロスは叫んだ。
「変なところで感心しないで下さいよっ!
 何のつもりですか、ヴァルさんっ!!」
 猛然と抗議に出た彼に、ヴァルは平然と食事を楽しみながら、
「フィリアに近づくな。
 ゴキブリ、生ゴミ」
「……ヴァルさん、お食事中にその表現はどうかと……」
 アイスティーを啜りながらのアメリアの指摘に、ぽんっ、と手を打って、
「じゃあ……
 ウツボカズラ、ハエトリソウ……」
「……僕は食中植物なんですかぁ……?」
 あまりといえばあまりな扱いに、思わず半泣きになったゼロスに、ぶんぶんと首を振って、
「……に食われる虫」
「虫っ!?」

 そのままゼロスは半時ほどフリーズする。


 ゼロスが固まってしばらくしてから、台所に行っていた二人が戻ってきた。それぞれフィリアが干し肉のサラダを、ナーシャが飲み物を持っている。
「……なんですかナーシャさん。その、あやしげな紫色の飲み物は」
「あやしげっ…… まぁいいが……
 これが私の作る薬だ。薬草のジュース」
「ええっ!?
 じゃあこれ飲むのはマナなのっ!!?」
「左様。
 ……言っておくが、不味くはないぞ」
 ナーシャの後押しもあって、怖がりながらもマナリートはイッキにソレを飲み干す。


「……おいしい……」


 その言葉に、ナーシャは優しく微笑んだ。

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16641わーい♪まってました♪かお E-mail 8/19-21:27
記事番号16640へのコメント

白河綜さんは No.16640「希少価値の希少価値たる所以・4」で書きました。
>
> こんにちは。覚えていらっしゃるというお方おられるでしょうか、白河綜です。今までは家族ぐるみでパソコンを使っていたのと、悲しき受験生、夏季講習なるものとに阻まれて、ぜんっぜん投稿できませんでした(泣)。
> ああ、何にしても、続きです。
>
>*************************************
>
>
>『いっただっきまーすっ!!』
> ナーシャの爆弾発言から数時間後。
> 金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)がどんな存在か知らない、大変幸せなマナリート以外がフリーズしてしまっている間に日も暮れてしまい、結局リナ達はナーシャの家に泊めてもらうことになった。
たしかに・・・知らないほうが幸せですね・・・。
> 今は、丁度お夕飯である。
> 香草を使った鶏肉のソテー。栄養価が高い、新鮮な生野菜のサラダ。塩ベースなはずなのに、野菜のエキスがしみ出ていて甘く感じるスープ。狐色に焼き上がったふわふわのパン。
> それらが、どーんと食卓に並べられている。
>「……よい食いっぷりだのう……」
> 氷をたっぷり入れたアイスティーをそれぞれの前に置きながら、半ば呆れ顔でナーシャは呟いた。自らも椅子に座るが、小さく笑顔を浮かべ、
>「これだけでは足りぬやものう。
> 追加を作ってこようか」
> 生野菜を突っつきながらゼルガディスが答えた。
>「世話になってるっていうのに、そこまでしてもらうのは気が引ける……と、言いたいところだが……」
> ちらり、と横目でいつものごとく争奪戦を繰り広げるリナとガウリイを見た。
> 彼らは同時に最後の鶏肉に、がっ! とフォークをぶっさた!
>「んっふっふ。
> ガ・ウ・リ・イっ、何なのかしらねぇこの手わっ!
> あたしの愛しの鶏肉さんを持っていこうなんざ、1万とんで58年早いわ!!」
>「なーに言ってんだリナ!!
> この鶏肉さんは、俺の―――……」
>  がっ!
>  しゅっ!!
>  がちんがちんっ!!
> フォークのぶつかり合う音が、食卓に延々と響いている。
・・・・リナちゃーん・・人の家で・・・。
>「……と、いうわけなんで、悪いが……」
>「かまわぬ。私もあまり食べられてないし、あのお二人がほとんど召し上がっているから、貴殿もあまり満たされておらぬのだろう? ゼルガディス殿」
>「…………」
> 図星を突かれつつも、普段と変わらない冷静な面持ちで明後日の方を向くゼル。
> ナーシャはクスクス笑いながら、結局ほとんど食事に手をつけずに立ち上がった。そのまま、台所へ向かう。
>「ああ、ナーシャさん。わたしもお手伝いします」
> 一段落終えたフィリアが立ち上がる。
>「ああ、かまわぬよ、フィリア殿。保存食を出すだけなのでな」
>「いいえ、わたしとヴァルはもう一週間もお世話になっているんですもの。手伝わせてください」
> と言って、フィリアも台所に入っていった。
>
>
>「あの、ナーシャさん……」
>「何だ」
> 保存食を戸棚から出しながら、ナーシャはフィリアを見ずに答えた。出したものをフィリアに手渡す。それは大きな干し肉の塊たった。
> おずおずと、言いづらそうに口を開け、
>「……わたしは、火竜王様のご意志に従い、こうしてあなたを尋ねてきました。尊き赤の竜神(スィーフィード)様のお力を持ち、さらには魔王の五人の腹心である覇王(ダイナスト)の血脈であるあなたを、神の側につくよう説得するために。
> でも……」
> フィリアは、伏せていた顔を上げた。
> 曇りのない蒼い瞳で、真っ直ぐナーシャを見つめる。
>「わたしは、あなたがその強大すぎる力を厭って使っていないのかと思いましたが、それは……」
>「それもあるよ。
> この力を使えば、貴女やゼロス殿のような両方からのスカウトが、もっと早くに来ておっただろうしな。
> それに、今の暮らしに満足しているのに、どうしてそれ以上を望むことが出来ようか。私は……今のままで充分なのだ、本当に。
> …………これが答えになったかのう」
> 干し肉を適当な大きさに切って皿によそったものを、フィリアに手渡す。背の高いフィリアを見上げて、ナーシャは微笑んだ。
> フィリアも微笑む。
>「……急ぎましょうか、リナさん達が待ってますし」
>「そうだのう…… おっ」
>「? どうかしましたか?」
>「いや、なに。
> もう一品忘れておった。すまないがフィリア殿、手伝ってくれ」
> にぃ、といたずらっ子みたいに幼い顔をして、ナーシャは笑った。
>
>
> フィリアとナーシャが立ち去った後も、けたたましい金属音は止むことはなかった。
>「秘技っ、リナ=インバース・ロイヤル・ディストラクションっ!!」
>「なんのこれしき!!」
> 飽きることなく応酬を繰り返すリナとガウリイの隣では、アメリアとマナリートが、年の離れた姉妹よろしく、
>「マナリートさん、この野菜もおいしいですよ」
>「本当? こっちの果物も美味しいよ」
>「じゃあ、食べさせっこしましょうかっ」
>「うんっ」
>『はい、あ〜んっ』
>  ぱくっ。
>  もぐもぐ……
>「あ、ほんと。おいしいですっ」
>「このお野菜も美味しいよ。ドレッシングも甘くておいし〜!!」
> 無邪気に笑う二人の姿を横目に、ゼルガディスは不機嫌全快だった。
> ぐっ、とイッキにアイスティーを飲み干す。
> そこに、
>「ちょっとゼルちゃ〜ん。何マナリートにやきもちやいてるのよ〜」
> と、ひととおりの食事を終えたリナが絡んできた。
> うりうりとゼルガディスを小突きながら、片手にはしっかり果物を持っている。
> ゼルガディスはぶっきらぼうに、
>「うるさい、絡むな!」
>「あれ〜、まーたそんなこと言う〜。
> やつあたりだ〜!!」
>「ほっとけ!!」
> と。
> 和やかな雰囲気のリナ達とは対照的に、ゼロスは撃沈していた。
>(……あの方が気に入っている方にちょっかいだせなんて……
> 大体どうして覇王(ダイナスト)様のやったことの後始末を僕がやらなきゃならないんですか。『味方にならないなら殺してこい』って言われても、こんな土地じゃフィリアさんにすら勝てないっていうのに……)
ゼロス君♪あきらめましょう♪それがあなたの宿命です♪(笑)
> そこまで考えて、彼ははっとした。
> 目を見開いて、台所のドアを見つめる。
>「ま、まさか……
> ナーシャさんと二人きりになったところで、神側につくように説得してるんじゃぁ……
> させませんっ!!」
> そう叫んでから、慌てて席を立つ。
> が。
>
>  ずべっ。
>
> ごくごく自然に出されたヴァルの足に引っかかり、モノの見事にすっこける。
>「おお! 綺麗にすっころんだな!」
>「うーん、今時こんなのに引っかかる奴がいるなんて……」
>「きっと、魔族の中でも時代遅れの部類に入るんですよ、ゼロスさんは」
もしくは、変わり者・・・。とも言う。
>「ふん……」
> ガウリイを筆頭に、リナ、アメリア、ゼルガディスの順に感心する。
> がばぁ、と身を起こし、強打した鼻を押さえながら、ゼロスは叫んだ。
>「変なところで感心しないで下さいよっ!
> 何のつもりですか、ヴァルさんっ!!」
> 猛然と抗議に出た彼に、ヴァルは平然と食事を楽しみながら、
>「フィリアに近づくな。
> ゴキブリ、生ゴミ」
>「……ヴァルさん、お食事中にその表現はどうかと……」
> アイスティーを啜りながらのアメリアの指摘に、ぽんっ、と手を打って、
>「じゃあ……
> ウツボカズラ、ハエトリソウ……」
>「……僕は食中植物なんですかぁ……?」
> あまりといえばあまりな扱いに、思わず半泣きになったゼロスに、ぶんぶんと首を振って、
>「……に食われる虫」
>「虫っ!?」
>
> そのままゼロスは半時ほどフリーズする。
いーじゃないの、虫でも。(笑)
>
>
> ゼロスが固まってしばらくしてから、台所に行っていた二人が戻ってきた。それぞれフィリアが干し肉のサラダを、ナーシャが飲み物を持っている。
>「……なんですかナーシャさん。その、あやしげな紫色の飲み物は」
>「あやしげっ…… まぁいいが……
> これが私の作る薬だ。薬草のジュース」
>「ええっ!?
> じゃあこれ飲むのはマナなのっ!!?」
>「左様。
> ……言っておくが、不味くはないぞ」
> ナーシャの後押しもあって、怖がりながらもマナリートはイッキにソレを飲み干す。
>
>
>「……おいしい……」
>
>
> その言葉に、ナーシャは優しく微笑んだ。
えー、いつも楽しく読ませてもらっています♪
続き・・・たのしみにしてますので、がんばってくださいね♪
・・・・私も、がんばらねば・・・。投稿・・・。
では、感想にもなっていない、かんそうでした。(汗)
>

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16663わーい♪ ご感想ありがとうございます♪白河綜 E-mail 8/20-14:44
記事番号16641へのコメント

 レスありがとうございます! うれしいっす!!
 この話は本当に本当に動きが無くて……(泣)。私自身、こんなに動きがないのにダラダラと続けていていいのかと思っているのですが……
 とにかく、ゼロス君をいぢめよう! と思って書き出した作品なので、存分にいぢめたいと思っています!(ひどっ)

 さて次回は少しラブくしたいなぁと思っているのですが、どうなることやら。ちゃんとラブくなるのか心配なんですが、よろしかったら眼を通してやって下さい♪


 それでは!
 白河綜でした!(全速力で明後日の方へ駆けていく…… でも遅い)

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16707希少価値の希少価値たる所以・5白河綜 E-mail 8/22-22:27
記事番号16640へのコメント


「なんか修学旅行みたいねぇ」
 ふっかふかの枕に顔を埋めながら、リナは言った。
 お夕食の後に通された部屋。宿屋ではないので個室などは当然なく、結局男と女に別れて、それぞれの部屋で寝ることにしたのだ。かなりの広さがある部屋の床に、直接ふとんを敷いている。
 うつぶせ状態で器用にイヤリングをはずすリナに、歯磨きから戻ってきたアメリアが不思議そうに、
「何です、その『修学旅行』って」
「へ? なーに言ってんのアメリア! ……って、そっか。
 魔導士教会に通ってたのは、あたしだけなんだっけ」
 上体を起こしてバンダナをはずし、イヤリングと一緒に枕元に置く。ふとんの上で胡座をかき、ぴ、と右の人差し指を立て、リナは続けた。
「修学旅行ってのは、魔導士教会でやってる行事事なんだけど、一人前の魔導士になるための卒業訓練みたいなもんで、そーね……あたしのときは、女ばっかり5人のグループだったかな。
 魔族が多く出没する地域に、二泊三日で泊まりに行くの。
 で、そこでその間に規定以上の魔族を倒して帰ってくるっていう―――」
「…………殺伐としてますね…………」
「……セイルーンの魔導士教会でもやってるんでしょうか……」
 そんなこと聞いたこともない、とアメリア。
 リナは頭をかき、
「それは知らないけど…… もしかしたら、ゼフィーリアだけかもしれないし」
「……だからゼフィーリア出身の魔導士には、優秀な人材が多いのかしら……?」
 と、腕を組んで思案するアメリア。でも、まだ半人前の魔導士にそんなことをさせるのは正義なのかしら、と首を傾げる。
 うんうん唸るアメリアの隣では、小さな身体を大の字にして寝そべっているマナリートが、リナの寝間着の裾をひっぱった。
「ん? 何、マナリート」
 すぐさまそれに気づいたリナが、彼女の頭を軽く叩いた。
 興味津々といった様子で、
「その『修学旅行』っていうのは、こうやってみんなで寝るの?」
「そーよ。
 一応協会でやってることだから、宿とかも協会で用意してくれるんだけど、その宿の安いこと! 見た目ボロいし、飯は不味いし、部屋も……そうねぇ、この部屋の半分くらいの広さだったかしら。そこに、今みたいな感じで、床に直接ふとんを敷いて寝るの」
「…………なんか、面白そうだねぇ…………」
「ま、それなりにね。
 夜中には暴露大会とかやったし」
「暴露大会……ですか」
 自分の長い金髪を梳きながら、フィリアは眉を寄せた。
 ポリポリと頬をかき、しまった、このことには触れない方がよかったという顔で、
「まぁ……簡単に言うと、自分の好きな人を暴露する…………っていう…………」
 もごもご。
 最後まで言葉にならず、そのまま明後日の方を向くリナ。そういえば彼女、この手の話は苦手であった。
 そんなリナに、アメリアはにっこり笑って、
「リナさん、かわいいv」
 途端に、リナの顔はゆでだこ状態になった。頭のてっぺんから、白い湯気が立ち上る。
 アメリアとフィリアが一緒に微笑みながら、
「ホント、リナさんはウブでかわいいわ」
「あ、やっぱりフィリアさんもそう思います? わたし、リナさんとガウリイさんが誰の目から見ても相思相愛なのに、いつまで経っても進展しないのは、リナさんがウブだからだと思うんですけど」
「同感です。ガウリイさんはリナさんを大切に思ってるから、きっとリナさんから何か行動を起こさない限り、保護者をしてるんだと思うんですけど」
「あ〜もう!! 何勝手に話を進めてんのよ!!」
 きゃあきゃあと実に楽しそうに話を進める2人に、真っ赤な顔をしてリナが食いかかった。
 と、その時。ギィ……という音と共に、ホットミルクを持ったナーシャが部屋に入ってきた。よく眠れるようにと、入れてきてくれたのだ。
 が……
「ふっ……そっの……様子では……当分、お休みにはなられない……か……」
 笑いを堪えながら、ホットミルクをテーブルの上に置いた。飲みたいと手を伸ばすマナリートに、その一つを持たせる。
 そのまま自身のふとんの上に腰をおろす彼女に、やはり真っ赤な顔のまま、リナは、
「ちょっとナーシャ!
 笑ってないであんたも何か言い返してよ!!
 アメリアだってゼルとは完全に相思相愛だし、フィリアだってヴァルと……」
「あーリナさん! 何いきなり話題転換してるんですか!!」
「アメリアさん、真っ赤」
「!! そういうフィリアさんだって真っ赤じゃないですか!!」
「う゛!?
 …………そうそう、マナリートさんは誰がお好きですか?」
「はいそこー。話を逸らさないー」
「…………んっとねぇ………… パパが好きv」
 にっこりと満面の笑みで、マナリートはゆでだこ状態になっている3人とナーシャを見つめた。
 思わず、フィリアはマナリートを抱きしめる。
「ああ、なんて良い子なんでしょう……」
「本当にのぅ。きっとフーリック殿がお聞きになったら、泣いて喜ぶだろうのう」
「……? でも、マナみんな好きだよ。リナちゃんもアメリアちゃんもフィリアちゃんも薬師様も……」
 と、一つずつ指を折りながら続ける。
 ふと、気づいたようにリナがナーシャの方を向いた。
「何だ、リナ殿」
「……さっきからあたし達ばっかり暴露してるけど……ナーシャにはいないの? そういう人。あんたなら引く手数多でしょう?」
「そーいえばそうですよねぇ」
 ホットミルクに手を伸ばしながら、アメリア。
 同じようにホットミルクを冷ましながら、何でもないことのようにナーシャは言った。
「私は結婚しておるぞ」
 
 ………………………………

 沈黙。

『えぇええええぇぇぇぇぇぇぇぇええええぇぇぇぇぇぇぇぇえええええぇえ!?』
 マナリート以外の3人の声が、見事に唱和した。
「けっ、けっ、結婚って……」
「なんだ、しらなんだか。
 こう見えても、結婚4年目なのだがな」
「そっ、そっ、そりゃあ、ナーシャさんは売れ残りそうもない美人さんですけど……
 そもそも、ナーシャさんはお幾つなんですか?」
 まだ驚きの拭えないアメリアが、この年齢がいまいち解らない美女に問う。
 ナーシャは少し眉を寄せ、
「見た目でだいたい解らぬか?」
『わからない』
 4人の声がハモった。
 多少それに気圧されながら、ナーシャは答える。
「……25だ」
「……あたしやアメリアより、年上?」
 フィリアも見た目と実際の年齢が激しく違うので、ワザとはずしてリナは確認した。
 とても25には見えない。このナーシャという人物は、見た目はリナ達とはれるほどに若い。だが、纏う雰囲気はもっとずっと年上の人間のものだ。どちらにしろ、25とは思えない。
 いち早く平素に戻ったフィリアが、野次馬根性丸出しで、
「旦那様は何をなさっているのですか?」
「王族の方々のボディーガードをやっておるよ。今は、セイルーンのクリストファ殿下に仕えておる」
「えー!! クリストファ叔父様にー!?」
 と、はずみでホットミルクをこぼしそうになる。慌ててカップを持ち直し、再び大声を上げる。
「えー、えー! なんてお名前ですか?」
「ファレスだ」
「うわー! 王宮に帰ったら、早速お会いしにいってみます!!」
「…………止めてくれ、頼むから」


「……にしても、王族のボディーガードじゃ、あんまり家に帰ってこれないんじゃない? ……寂しくない?」
 頭まですっぽりと布団をかぶって、リナはうつぶせ状態で声を出した。
 灯りを消した部屋の光源は、窓から差し込んでくる月明かりだけで、青白いその光は室内を静かに照らしていた。
 しばらくしてから、ようやく返事が返る。
「……寂しくないと言えば嘘になるが、丁度よい話し相手もおるしのう」
「? 誰よそれ」
 がばり、と上体を起こして、リナはナーシャを見つめた。
 こんな辺鄙な場所に、そうそう話し相手になりそうな人間がいるものではない。
 と。
『あたしだよーん』
「へ?」
 やけに軽い調子の声がしたかと思った途端、部屋に金色の光が満ちた。
 リナが青ざめる。
「ちょっとちょっと!!
 まさかとは思うけど……」
『ピンポーン♪』
 
 そこに現れたのは、紛れもなく金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)だった。

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16712きやー♪エル様だー♪♪かお E-mail 8/23-00:25
記事番号16707へのコメント

キャー♪キャー♪
・・おちつけ。私。
でも・・きゃー♪まってましたー♪エルさまー(ラブ)
ふふふふ、リナちゃん、本人(?)とは、初対面ですよねー♪
エル様と♪さー、どうなるのかなーわくわく♪
わくわく♪ってことで。つづきをまってまーす♪
・・ふふっ♪今夜はいい夢みられそう♪
だって、エル様がでてきたんだし♪
それでは♪

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16713Re:きやー♪エル様だー♪♪白河綜 E-mail 8/23-00:51
記事番号16712へのコメント

かおさんは No.16712「きやー♪エル様だー♪♪」で書きました。
>
>キャー♪キャー♪
>・・おちつけ。私。

 こぉいう時には深呼吸!! そぉれ1.2……(止めろ、おまいは。)

>でも・・きゃー♪まってましたー♪エルさまー(ラブ)

 私も書きたかったv いいですよね、L様vv

>ふふふふ、リナちゃん、本人(?)とは、初対面ですよねー♪
>エル様と♪さー、どうなるのかなーわくわく♪
>わくわく♪ってことで。つづきをまってまーす♪

 ありがとうございます。がんばって続きをーぉーぉーぅ?

>・・ふふっ♪今夜はいい夢みられそう♪
>だって、エル様がでてきたんだし♪
>それでは♪

 お休みなさい。良い夢をv ああ、私も寝ないとヤバイ……

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16767おおおおおおおおおおっ!ねじばな E-mail 8/25-10:46
記事番号16707へのコメント

こんにちは!

L様だっ!L様だあっ!

くくぅっ!このごろL様が活気付いてきて、うれしいねっ!

しかし・・・ゼフィーリア魔道士協会・・・・いーのかそれで。
魔族倒す・・・って・・・そんなに簡単じゃないはず・・・
でも、ゼフィーリアで育ってみたい気もする・・・

・・・ゼロスは、L様の波動をしっかりとキャッチしたのだろうか。
次回がものすごく楽しみです♪

それでは、頑張って下さい!

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16779ぎゅおおおおおおおおおおっ!(←伝染しました)白河綜 E-mail 8/25-23:27
記事番号16767へのコメント

ねじばなさんは No.16767「おおおおおおおおおおっ!」で書きました。
>
> こんにちは!

 こんにちはです! 感想ありがとうございま〜すv
  
> L様だっ!L様だあっ!

 はい! L様です! やっぱりこの方だ出て来なきゃダメでしょう!!

> くくぅっ!このごろL様が活気付いてきて、うれしいねっ!

 そうですね、書いていらっしゃる方多いですよね。私もL様ファンなので、嬉しい限りです!!

> しかし・・・ゼフィーリア魔道士協会・・・・いーのかそれで。
> 魔族倒す・・・って・・・そんなに簡単じゃないはず・・・

 あはは(汗) 一応、死にそうになったら助けが入るって事で……

> でも、ゼフィーリアで育ってみたい気もする・・・

 私は是非ルナさんと同じレストランでバイトしたいですv

> ・・・ゼロスは、L様の波動をしっかりとキャッチしたのだろうか。
> 次回がものすごく楽しみです♪

 このレスと同時にアップしました。L様大放出です(多分……)

> それでは、頑張って下さい!

 ありがとうございます。最近忙しくてねじばなさんのお話にレスが付けられないのですが、毎回楽しく読んでます。私もL様布教に一役買わせてください!! お願いします!!

 では、白河綜でした!! 再見!

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16778希少価値の希少価値たる所以・6白河綜 E-mail 8/25-23:10
記事番号16640へのコメント


  ぴしいぃぃぃっ!
 突然、彼の背筋を悪寒が駆け抜けた。
 何なのだろう、本能的な恐怖とでも言うのだろうか。主である獣王ゼラス=メタリオムと顔を合わせるとき並み……いや、こういう言い方をするとまた怒られるかもしれないが、その時とは比べものにならないほどの、圧倒的な圧迫を感じる。
「ま、まさか……」
 彼は真っ青な顔で、しかし表情は努めて平素を装い、首を横に振った。
 ―――そうだ、『あのお方』が再び降臨なさるなど、そんなことが軽々しくなされるはずがないではないか。考えすぎだ。そう、きっとそうに違いない―――
 だが、その願望を含んだ甘い考えはあっさり否定される。
『ちょっとゼロスー、居るんでしょ? あんた達もこっちに来なさいよー』
 砕けた感じの女性の声が、隣室―――女性陣の寝所から聞こえてくる。
 聞いたことのない女性の声音に、ゼルガディスは眉をひそめ、ガウリイはのほほんっと、
「ゼロス、呼んでるみたいだぞ。知り合いか?」
「いや……、あの……うぅ……」
 もう、最後は半泣き状態だった。
 ああ、もう、なんで自分ばっかりこんな目に遭うんだ。
 ……が……
(……うう……覇王(ダイナスト)様の馬鹿!!)
 彼には、胸中で上司を罵ることしかできなかった。


『ああ、遅かったわねぇゼロス。このあたしを待たせるとは良い度胸じゃない?』
「あああああああああっ、すいませんっ!!」
 ゼロスは慌てて頭を垂れた。
 このお方の機嫌を損ねるということは、即、己の滅びを意味する。
 金色をまとった彼のお方は、布団が敷かれていない板の間に胡座をかいて座り、出された飲み物に口を付けていた。そのまま、来い来いと手招きする。ゼロスを初め、何となくこの方が誰か気付いたゼルガディスとヴァルは、まさに顔面蒼白な状態で、そして、やはり何にも考えていないだろうガウリイは、いつも通りのほほんっ、とした表情で、それぞれ板の間に座り込んだ。それぞれの前に、ナーシャが飲み物を置く。
 よく見ると、彼女とガウリイ、それとマナリート以外は、とても平素の状態とは言えなかった。
 もっとも、マナリートは眠気に勝てず寝てしまったようだが……
『……何々? みんなそんな顔しちゃって』
「いきなり貴女が現れては、誰しもがこの様な反応をするのが当然であろう。だいたい、今日は客人が訪れる故、往訪はご遠慮願いたいと、私は事前に申し上げたはずだが?」
『そーんな固いこと言わないでよ。
 それに……』
 ちろり、と艶めかしく視線をゼロスとその隣のフィリアに移す。
 敏感にそれを感じとり、二人は肩を震わせた。
 満足そうにそれを見た彼女は、
『あんた達二人…… あたしの数少ないオトモダチにちょっかいだそうとしたんだって……?』
  ぎくっ。
『あたしとしては、貴重な茶飲み友達もってかれたくないのよねぇ……』
「お止めになられよ。お二人は上に従ったにすぎぬ。攻めるのはお門違いであろう」
『なーによ。じゃあナーシャはこの二人のうちどっちかについていく意志が有るとでもゆーの?』
「いや、まったく無い。だから、どうせお二人は私を連れ帰らなかったとの理由で、それぞれ上司にこってり絞られるのであろうから、貴女にまで攻められては哀れであろう」
『……そっか。それもそうよね』
 と、ナーシャの言葉に納得する。
 …………ナーシャの言ってることも、あんまりフォローにはなっていないが…………
「……なぁ、リナ」
 ちょいちょいと、ガウリイがリナの寝間着の裾を引っぱった。仕方ない、といった表情で、リナが顔を上げる。
「何?」
「あの金色の女……誰だ?」
 そう言った瞬間。
  スパアァァァァァァァァンッ!!
「こぉんのクラゲェ! なんてタイミングでなんて事を言い出すのよ!!
 あれ……いや、違った。あの方は! 金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)よっ!!」
「………………………………誰?」
「マジっ!?」
 リナは、片手にハリセンを持ったまま頭を抱えた。なんか、頭痛がしてきそうだ。
 アメリアが気をきかせて、リナの代わりに説明する。
「ホラ、冥王(ヘルマスター)の一件の最後に、リナさんの身体乗っ取って、混沌に帰ろうとしちゃったヒトですよ」
『そこ、乗っ取ったとか言わないでくれる?』
「ああああ! ごめんなさいぃぃ!!」
 慌てて謝るアメリア。
『たいたい、あの時はリナがあたしを呼び寄せたんだから。
 ね? リナv』
「……おっしゃるとーりだございます……」
 極上の笑みを向けられて、思わず涙を零すリナだ。
 ふと、思案顔だったガウリイがぽんっ、と手を打って、
「ああ、あのとことんの!」
『混沌だっつーに。……ま、いいわ。あたしのことはLとでも呼んでくれる? フルネームじゃ長いし。
 それよりさぁ、なんで神と魔族が一斉にナーシャの存在に気付いたわけ? ここは一応あたしが手を加えてある土地だから、そんな簡単にバレないはずなんだけど……』
「…………と、言われましても……」
「何でも、覇王(ダイナスト)様がおっしゃるには、本当にいきなり、しかも一日だけナーシャさんの波動が掴めたらしいのですけど……」
 フィリアとゼロスは困った顔で話した。
 ナーシャの波動、それはすなわち覇王(ダイナスト)グラウシェラーの波動だ。恐らく神々も同じように感知したのだろうが……
 彼らの答えに、Lは隣に座るナーシャをジト目で見た。
『……ナーシャ、あんた外に出たでしょう』
 それは、もはや問いかけではなく確認だった。
「ああ。出たよ」
 ナーシャはあっさり答えた。
 ちなみに、Lのいった『外』とは、Lがいじくった土地の外という意味だ。
 ナーシャは軽く肩を竦めた。
「仕方なかろう。ファレスに薬草を取りにきてもらっていたのだから。あやつは仕事の関係で速く戻らねばならんかったからのう」
『いいじゃない、ここまで戻ってこさせれば』
「無茶を言わないでくれ。あやつはクリストファ殿下がサミットに参加される際に、それについてこの辺りまで戻ってきていたのだからのう。
 仕事中に抜け出すわけにもいかぬだろう。だから私が出向いた」
『……いいわよ、もう』
 Lはあきらめたようにため息混じりにそう言った。その動作を見て、
(……なんかLさん、リナさんに似てる……)
 漠然とアメリアは思った。


『さぁ! なにはともあれ今日は無礼講よっ! みんなで盛り上がりましょう!!』

 そして、ゆっくりと夜は更けていく……



########################################

 はい、6でした。次は最終回になります。
 八月中に終わりそうで、ほっとしてます。(←もう少し計画的に書け)

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16780わーい♪続きだー♪かお E-mail 8/26-01:04
記事番号16778へのコメント

ふふふふ、でましたね♪でも、次でおしまい?
さみしーよー。くすん。
エル様、このまま、いてくれないかなー。
・・むちゃをいう私。やっぱ、エル樣って、リナになんとなく、
似てると思うのは、私だけじゃなかったんですねー♪
では、次回、楽しみにしてますです♪はい♪

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16815ざっくばらんがイイカンジ♪白河綜 E-mail 8/28-23:19
記事番号16780へのコメント

かおさんは No.16780「わーい♪続きだー♪」で書きました。
>
>ふふふふ、でましたね♪でも、次でおしまい?

 はい、一応。(アップしといたんで、見てくださるとうれしいです♪)

>さみしーよー。くすん。

 ああ、泣かないで!(;‐;)

>エル様、このまま、いてくれないかなー。

 居ます。L様、当分ナーシャの所で、ゼロスを虐めるみたいですから。

>・・むちゃをいう私。やっぱ、エル樣って、リナになんとなく、
>似てると思うのは、私だけじゃなかったんですねー♪

 かおさんの作品では、同一人物(?)っていう設定でしたよね。やっぱり、リナちゃんとL様は似てますよ!!

>では、次回、楽しみにしてますです♪はい♪

 ありがとうございましたv
 では、喜びまくっている白河綜でした。

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16814希少価値の希少価値たる所以・終白河綜 E-mail 8/28-23:09
記事番号16640へのコメント


 翌朝。
『ちょーっとリナ。なんて顔してるのよ』
「ほげぇ?」
 朝ご飯のトーストをかじりながら、リナは振り向いた。
 重そうなまぶた。大きな隈。普段から美容には気をつかっているリナにしては珍しい。明らかに、睡眠不足だ。
「だ、大丈夫ですか? リナさん」
 アメリアが心配そうに……否、何か新しいイキモノに接するかのように話しかける。彼女の視線は、リナの前に並べられた料理に行っていた。すでにカラになった皿は、ざっと6皿。いつもと比べると、少しペースが遅い。
「……徹夜は……苦手なのよねぇ……」
 がじがじと緩慢な仕草でトーストを口に押し込んだ。
 結局、Lいわく『無礼講』は朝まで続いた。みんな眠そうにしていたが、偉大なる彼のお方に逆らえる者などいるわけもなく、一晩中話し込んだ挙げ句、そのまま朝食の時間になってしまったのである。
 ――――まぁ、ガウリイは途中で寝込んでしまったのだが。
 アメリアやゼルガディスも流石に辛そうな顔をしているし、ゼロスとフィリア、そしてヴァルは精神的なダメージが大きかったとみえる。マナリートはLが現れる前にすでに寝てたし、徹夜組で唯一平気な顔をしているのはナーシャぐらいか……
「ねぇ、何でナーシャは平気なわけ?」
 少々恨めしそうに問うリナに、ナーシャはカラになった皿にサラダを取り分けてやりながら、
「毎週のこと故、すでに慣れた。もう、かれこれ十年以上こんな生活をしておるからのう」
「……じゅうねん……」
 口にタコさんウインナーをくわえつつ、リナは同情の視線をナーシャに向けた。
「…………何だ?」
「ううん…… あんたも大変よねぇ、って思って……」
『ちょっとお待ち』
「大変よねぇ。十年間もLが来たら徹夜! ……って生活を続けてるわけでしょう? 迷惑な話よねぇ」
「ああ、それならもう慣れた」
『をいっ』
「それに、相手がLじゃ、下手なこと言えないもんねー」
『……………………リナ=インバース…………』
  びっくぅ。
 睡眠不足のためか、本人を前にえらいことを口にしてしまったリナに、Lは怒気たっっぷりの優しい声を発した。
 ぴっとしなやかな指でゼロスをさし、
『いい加減にしないと、アレと融合させるわよ?』
  ひききききききぃっ!
 マジだ。
 目がマジ!!
 あまりといえばあまりなLの言葉に、リナは小さく首を左右に振って許しを請うた。ふとゼロスをみれば、思わぬとばっちりを受けて、彼も恐怖の形相のまま固まっている。
「……朝っぱらなにやってんだか……」
「いいんじゃないですか。おおむね平和ですし」
 ゼルガディスとアメリアは、それぞれコーヒーと紅茶のカップを持ちながら、ふぅ、と息をこぼした。食後の果物をほおばる二人に、ポットを持ったナーシャが近寄る。
「お二人とも、飲み物のお変わりはいかがか?」
「あ、いただきますー」
「もらう」
「やっぱり、寝不足の時はカフェインを多く含んでいるものがほしいですよね」
「ああ…… だが、紅茶には含まれているのか?」
「何言ってるんですかゼルガディスさん。紅茶は他のどれよりもカフェインを多く含んでるんですよ。コーヒーよりも多いんですから!」
 胸を張って説明するアメリアに、へぇ、それは知らなかった、とゼルガディスだ。


「じゃあ、ここでお別れね、マナリート」
 そう言ってリナはマナリートの頭を撫でた。
 寂しそうに眉根を寄せたマナリートが、リナのマントの裾をつかむ。真っ直ぐにリナを見上げて、
「……もう、バイバイなの?」
「…………あたし達はこれからフーリックさんの所に戻って、マナリートが治療のためにしばらく此処で暮らすって、報告しなきゃなのよ」
「病気が治ったら、また遊びに行くよ」
 ガウリイが優しく声をかけた。それにつられるように、マナリートも涙を拭って微笑む。
「うん。マナ、がんばって病気を治すよ! そしたら、パパのとこに戻って、パパのお仕事の手伝いをするの!!」
「がんばってくださいね」
「うん!」
『リナ、あんた達もがんばって旅をして、あたしを楽しませてちょうだいね』
 笑顔全開で言ってくるLに、リナは気合いの入らない笑みを向けるのが精一杯だった。
 と、ナーシャの家の戸が開き、家主が出てくる。
「リナ殿、ガウリイ殿、アメリア殿、ゼルガディス殿。道中、お気をつけて」
「うん、ありがと……って、ゼロスは?」
「Lがしばらく手元に置いて遊ぶと言っておった」
「あちゃー……」
 哀れな奴、と胸中で合掌する。
「フィリアさんとヴァルさんは、もうお帰りになったんですか?」
「いや、しばらくここで、薬草を育てるのを手伝ってくれるそうだ」
「……城に戻ったら、真っ先にファレスさんに会いにいきますからねv」
「………………………………止めろ」
 真っ赤な顔で制止の声を上げる。当然、アメリアがきくわけ無いのだが。
『まぁ、あたしに会いたくなったら此処に来れば会ってあげるv そのかわり、お土産持ってくるのよ〜〜〜〜〜〜vv』
 Lの言葉を最後に、リナ一行は彼女達に背を向けた。




「いやぁぁああぁあぁあぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁあぁあぁ!!」
 帰り道。行きと同じようにナメクジの団体さんに遭遇したリナが、やはり同じように悲鳴を上げていたのであった…………







「…………ところで、L」
『何?』
「この話の題名は、一体どういった……?」
『ああ、これ? これはね、この面子がそろったのに、ゴタゴタに巻き込まれずに
すんだことを言ってるの』
「ほう。即興で考えたにしてはまともな返答だな」
『うう…… ほ、本当はっ』
「本当は?」
『……初めと終わりがナメクジだったこと……』
「…………すまぬ。聞かねばよかった…………」


############################################

 ふぅ、終わりです。私があんまり戦闘シーンが書けないので、こんなまったりした話になってしまいました。何にしても、L様書けたので満足ですvv

 さて、八月だけ……なんて言ってましたが、ルークとミリーナの話を思いついたんで、それもやっぱり投稿させていただきたいと思っています。すみません、またスペースをお借りします。本当にごめんなさい。

 それでは、とりあえずアップ出来て良かったと胸を撫で下ろし中の白河綜でした。

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16816終わっちゃたよー。くすん。かお E-mail 8/28-23:59
記事番号16814へのコメント

終わっちゃいましたね。
エル樣・・十年も・・・。よっぽど、たいくつされてるんでしょーねー。
毎週ってことわ・・・。
私が勝手に予想してたのは、いらん命令をだした覇王が、エル樣にお仕置き
される!!
っと、ゆーよーなことを考えてたんですけどねー(笑)
つぎは、ルクミリですか♪頑張ってください♪
できたら、また、エル樣・・出てきたらうれしーなー♪(無理言うなって)
ではでは、短いですが、感想でした♪

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16863はい。終わりです。白河綜 E-mail 8/30-17:58
記事番号16816へのコメント

かおさんは No.16816「終わっちゃたよー。くすん。」で書きました。
>
>終わっちゃいましたね。

 終わっちゃいました、ハイ。

>エル樣・・十年も・・・。よっぽど、たいくつされてるんでしょーねー。
>毎週ってことわ・・・。

 なんと言っても、L様の存在自体、知らない人のほうが多いですからねぇ。

>私が勝手に予想してたのは、いらん命令をだした覇王が、エル樣にお仕置き
>される!!
>っと、ゆーよーなことを考えてたんですけどねー(笑)

 ををっ! そりは面白そう!!
 ……でも、L様にお仕置きされたら、S様でさえ弱体化の原因(オイッ)になってるんだから、覇王様滅んじゃうかなぁ?

>つぎは、ルクミリですか♪頑張ってください♪

 はーい、新しいツリーでアップしました。今回は読み切りです。もう時間的にそんなにパソコン出来ないし(泣)

>できたら、また、エル樣・・出てきたらうれしーなー♪(無理言うなって)

 でてますよぉ!! 今回の話とはちょっっっぴり(ほんとか?)性格違いますが。やっぱりこの方は必須です!! かおさんの「エキセントリック〜」の方でも出てきてますよねv

>ではでは、短いですが、感想でした♪

 毎回有り難うございますv
 感無量の白河綜でした♪

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