◆−選択の時 第2部 第3話−龍崎星海(6/17-15:32)No.15984


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15984選択の時 第2部 第3話龍崎星海 6/17-15:32


どうも、龍崎です。風邪を引いた、と掲示板に書きましたが、
寝まくったおかげか、だいぶ良くなりましたので、
選択の時 第2部 第3話、お届けしますね。
それでは、早速どうぞ!

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選択の時 第2部 第3話 修業はつらいよ!?

あたしは、アメリアに教えてもらった人の所で、修業を始めた。
とは言っても、いきなりリザレクションを教えてもらえる訳ではない。
それは、一般人にいきなりアインシュタインの相対性理論を教える
ようなものである。
ものには、順序と言うものがあるのだ。
リザレクションは、白魔法の最高峰だ。
だから、それを学ぶためには、白魔法を極める必要があった。

そんな訳で、あたしは白魔法を基礎から学んでいた。
とは言え・・・これが考えていたより、はるかに大変だった。
黒魔法は・・・攻撃魔法は、ある意味、とてっも単純な魔法だ。
集めたエネルギーを目的に合わせて解放してやればよい。
その為の制御は必要になるが、細かい調節は不要だ。
一方、白魔法の方は、そんなに大きなエネルギーは必要としない。
だが、そのエネルギーを、細かい微調整を行って、1点に集中して
解放してやらなければならない。
そのため、より高度な魔術の知識と、高い集中力を必要とする。
高位の白魔術者に巫女や神官が多いのも、そのためだ。
彼らは「瞑想」という、集中力を高めるための方法を身に付けているからだ。

う、う〜む・・・・こうして見ると、白魔術って、あたしに向いてない・・・
自慢じゃないが、あたしは1カ所にじっとしているのが苦手だ。
昔、学校に通っていたころ、授業中に「そこ!うるさい!」と言って、
先生に何度チョークをぶつけられた事か!
もちろん、10倍にして返してやったけど。
おかげで、どの先生も2学期になったら、誰もあたしの事を注意しなくなったっけ。
それでも学校をおんだされなかったのは、成績がバツグンによかったからよ!
ふ、じっま〜ん!!・・・って、アホな事言ってる場合じゃなかった。

うう・・だってだって、毎日毎日、瞑想だ、とか言って、ずっと座らされて・・・
それが終わったら、今度はチマチマチマチマ魔力の微細なコントロールなんか
やってんのよ?
おかげでストレスが溜まってストレスが溜まって・・
そりゃ、覚えた治癒呪文を早速使ってみて、治すどころか、
いきなり悪化させたりしたけどさ・・・

あんのクソババア・・・
あ、これは今あたしに白魔術を教えてくれてる人の事よ。
ファニール、なんて可愛い名前のおばあさんなんだ。
まあ、確かに昔はその名前の通り、可愛かったのかもしんないけど・・
今となっては、ただのクソババアよっ!!
もうちょっとでリザレクションが覚えられるってのにっ!!
「今のあなたでは、リザレクションを覚えても、人を助けるどころか人を殺してしまう
のがオチです。今はそれよりも先に、魔術のコントロール法と、集中力を高める
方法とを覚えましょうね」とかぬかしやがってっ!!
もうちょっとなのに、もうちょっとなのにいぃっ!!

はあっ・・・・んな訳で、あたしは毎日、疲れ果てて帰宅していた。
とはいっても、肉体的に、ではない。
精神的に疲れているのだ。
もう精も根も尽き果てた、と言っていい。

だから・・宿屋に戻るなり、入り口でぶっ倒れる事もしばしばだった。
いや、宿屋まで戻れればまだいい方で、道の途中で立ったまま、
眠ってた事もあったくらいだ。
それでガウリイにおんぶされて宿まで戻った、って後で聞いた時には
死ぬ程恥ずかしかったけど・・・

今日は・・なんとかかんとか、部屋までたどり着けた・・・
部屋に入るなり、あたしはベッドに倒れ込んだ。
そのまま、気持ちのいい睡魔に身をまかせる。

・・・・どれほどねむっただろう。
「リナ・・・リナッ!!」
誰かがあたしを起こそうとしている・・・
「んー・・・・・・・」
「リナ!起きろよ!メシだぞ!」
「・・・・・ごはん・・・いらない・・・」
「いらない、じゃないだろう!食べなきゃ、ダメだ!リナ!!」
そいつは、しつこいくらいにあたしを起こそうとする。
んー・・・誰よ。眠いのに・・・・
「いらないって言ってんでしょ!ほっといてよ!」
そう言って、あたしを揺り起こそうとする手を払いのけると、
あたしはもう1度睡魔に身を任せた。
あたしは夢の中で、はぁーっ・・・という深いため息と、
部屋を出ていく足音を聞いていた。



「おなかすいたーっ!おっちゃん、メニューにあるの、
上から順番に全部、持ってきてねー!!」
たっぷりと睡眠を取り、復活したあたしは、食堂へと下りて、少し遅い
夕食を取っていた。
「なあ、リナ、話があるんだが」
そこへガウリイが話しかけて来たが、ンなのあとあと!
あたしは食べる事に専念していた。
「んがんぐがつがつ・・・・むぐむがんがんぐ・・・」
猛烈な勢いで食べるあたしを見て、ハアーッとガウリイはため息をついた。
どうやら、食べ終わるまで、話すのは無理、と判断したようだ。
とーぜんよ!このあたしの食事を中断させようなんて、
百万年早いってーの!

やがて・・・
「プハーッ・・・くった、くった!」
あたしは全ての料理を食べ終わり、香茶を飲み始めた。
「ンで、話って何よ、ガウリイ」
そう聞くと・・・ガウリイは少しちゅうちょしながら、話しだした。
「なあ・・・リナ。もう、止めないか。そんなに無理して、リザレクション、
覚えなくたっていいじゃないか」
な・・・この男は!何を言い出すかと思ったら!
「ンな事、出来るわけないでしょ!大体、今やめたら、今までの苦労が
水の泡じゃないの!あたしは、絶対やめないかんね!」
「何言ってんだ!このままじゃ、体を壊しちまうぞ!
そうなったら、それこそ元も子もないだろ?お前に寝込まれでもしたら、
オレはどーすればいいんだよ!な?リナ、やめよう。
オレがお前を守るから。お前も・・お前が大事に思う人も、
守ってみせるから、だから・・・」
それを聞いて、あたしは思わずかっとなって、怒鳴り返した。
「何言ってんのよ!それじゃダメだからあたしが苦労してんじゃないの!
いいから、あんたは黙っててよっ!!」
言ってしまってから、あたしはハッと気がついた。
しまった・・・・言いすぎた・・・・
案の定、ガウリイは怖い顔をしてあたしを睨んでいる。
・・・・・・・・・・・・・・・・

あたし達の間を、気まずい沈黙が流れた。やがて。
「・・・・・・・・分かった。・・・もう、何も言わない。それでいいんだな・・・」
そう言うと、ガウリイはテーブルから立つと、歩き出した。
「ガウ・・・!」
あたしは、それを止めようと声を掛けかけて・・・やめた。
ガウリイに事情を説明する事なんて、出来そうもなかったから。
あたしは、階段を昇っていく、ガウリイの背中をただ黙って見送った。

『すれ違う、あたしとガウリイ。・・・そうじゃないのよ。あたしが言いたかった
のは、そんな事じゃないのよ!次回、「凍れる記憶」
読んでくんないと、ま〜た暴れちゃうゾ!』

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はい、ご苦労さまでした。今回の話は、いかがでしたか?
ところで・・・今回、勝手に作った設定が2つ。
白魔法の方が難しい、うんぬんは私が勝手に作りました・・・
だから、つっこまないでね。つっこまれても、私も答えられないので・・・

後、学校での話も私の作り話です。
まあ、あのリナが大人しく授業を聞いてるとも思えませんが。
ちなみに、学校というのは、魔術の学校です。
本当にそんなのがあったのかどうか、は・・知りません。
でも、ちょっと大きな町にはあったんじゃないかなぁ。

実は、この話を書き始めるまでは・・と言うか、あの場面を書き始めるまでは
白魔法うんぬん、と言う設定も、学校の話も、全くなかった、と言う・・
設定作りながら話を書くなよ・・・

そうそう、魔法と魔術。私は使い分けてません(笑)。
よって、混在するかと思いますので、よろしく。
って、今ごろ何言ってんだか。
ラストが見えて来たってのに・・・
そう。ラストが見えてきました。どうやら、無事に終われそうな雰囲気です。
とは言っても、最終回のENDを書くまでは気を抜けませんが。

久しぶりに、第1部の最終話をよんだら・・・「うがあ〜っ!!」になりました。
なんちゅう、はずいセリフだ・・・しまった、この第2部、あれ以上を目指してた。
え〜っと・・が、頑張ってみます。
とりあえず、最終話は甘甘にするつもりではいます。
それでは、また第4話でお会いしましょう。

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