◆−■ 眠る神殿 @ ■−toto(6/1-15:50)No.15722
 ┗■ 眠る神殿 A ■−toto(6/1-17:59)No.15726
  ┗■ 眠る神殿 B ■−toto(6/1-21:24)No.15735
   ┗■ 眠る神殿 C ■−toto(6/2-11:04)No.15753
    ┗■ 眠る神殿 D ■−toto(6/2-11:06)No.15754
     ┗■ 眠る神殿 E ■ おわり−toto(6/2-11:09)No.15755
      ┣んみゃあああああっ!?−ねじばな(6/2-16:45)No.15757
      ┃┗とうも〜こんばんわ−toto(6/2-20:29)No.15766
      ┗ひょわ〜…−みてい(6/2-18:54)No.15762
       ┗どうも〜お久しぶりでございます−toto(6/2-20:40)No.15767
        ┗さらにお久し振りです。−みてい(6/2-23:05)No.15769
         ┗さらに、さらに、−toto(6/3-13:37)No.15787


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15722■ 眠る神殿 @ ■toto E-mail URL6/1-15:50



久しぶりに投稿させていただくtotoと申します。どうぞ、宜しくお願いします。
初のカップリング無しで連載の試みです。

設定…
リナは、TRYでフィリアに貸しにしておいた依頼料を、火竜王神殿の財宝?で払ってもらおうと、保護者ガウリィとともに、火竜王第18神殿に向かう。同神殿の調査をセイルーンから委託されたゼルガディス、その使節団にお忍びで紛れたアメリアと合流。

登場人物…
リナ、ガウリィ、アメリア、ゼルガディス、ゼロス、フィリア
(TRY設定にあわせて、辛うじてガウリナ、微かにゼルアメは含んでいます。)



■ 眠る神殿 @ ■



光に飛び込む羽虫の様に。
全ての所為に理由はない。

互いを食い合う2匹の蛇の様に。
全ての所為に意味はない。

手の中で重ねられた鏡の様に。
全ての所為は無限に増殖する。

理とは、問うてはならぬこと
しかし、理とは創るもの

故に、我らは真の反逆を夢見る
我が名において−



「遺跡の結界を私に解けというのですか?」
「そう、シュクト公国にある火竜王第18神殿。中にお宝があるらしいのよ♪」
リナは、お茶をずーとすすり、出されたパンケーキやスコーンを口にパクパク突っ込む。
「何故、私がそんな墓泥棒みたいな真似をしなくてはならないのです?」
フィリアは、同様に食べまくるガウリィのカップにお茶を入れつつ。
「フィ〜リ〜ア〜、あの時の依頼料は?」
「リナさん、いらないって言ったじゃないですか?」
「んなこと言うわけないでしょ!!私は貸しにしとくって言ったのよ!」
「ひど…」
「で、依頼料は?」
リナはフィリアににじり寄る。
「だって、払いたくとも…火竜王の神殿は崩壊してしまったんですよ。」
「契約不履行は大罪よ」
リナはさらに近づく。
「そんなこと言われても、お金なんてありませ--ん。」
「だ・か・ら・火竜王神殿の財宝で手をうとうと言っているの。」
「あれは文化財です!!」
「どのみち、結界をとかなきゃ誰も利用できないんだから、文化財もくそもなーい!!」



− シュクト公国 旧都アシェルベイカ −

国境にある小広場は市でにぎわいを見せていた。
「この街の魔導師の力が異常に上がったって噂を聞いたのよね。」
リナは、さっそく、市の屋台で袋いっぱいのブルーベリーの実を買い、ほおばる。
「ブル−ベリーの産地なんだなあっ、うめぇー♪」
ガウリィが奪うようにして、口にほおりこむ。
「何、爽やかに言っているんですか?どうして、私がこんな遠くまでお二人を運ばなくちゃならないのですか!!」
フィリアはふらふらしながら、怒鳴る。
「依頼料〜」
リナが耳元で囁く。
「ゆすりです!」

「力が増幅する、か…」
と、いつのまにか、ゼルが立っていた。
「ゼル!こんなにタイミング良く会えるとは思わなかったわ。アメリアからアシェルベイカの情報をもらったんでしょ?私達は遺跡でお宝探し、もとい依頼料回収にやってきたの。」
「俺は、この街の異常現象の調査という名目でセイルーンから正式な依頼を受けた。ここで、向こうの調査団と落ち合うことになっているんだが…」
「知ってる。大体はアメリアの手紙に書いてあった。でも、ゼルの本当のお目当ては火竜王第18神殿でしょ?もしかしたら、ゼルの捜し物も見つかるかも?」
「そういうことだ。竜族の文明の高さは未知数だからな。」
ゼルは頷く。

そこで、タイミング良く(?)
「泥棒ー!!」という声。
入り組んだ下町の商店街を黒服の男が素早く走ってくる。追っ手の軍隊らしい小部隊が追いつめると、ふいに、男はファイヤーボール。が、その威力たるもの、手前の石碑を木っ端微塵に…
「何−?」
リナは言うが早いが、もしかして…
「人助けよ!!爆炎矢(ヴァ・ル・フレア)」
ズズズーン
泥棒のいた階段が崩れる、隣の家が傾き、地下に沈んでいく。、
「おい、リナ、加減しろよ!」
とガウリィ。
「この威力…なんて、なんて…」
リナは俯いたまま震える。
「おい、大丈夫か?」
とガウリィは覗き込む。
が、リナは、ふいに高笑い。
「おーほほほほっ、なんて気持ちよいの---!!噂は本当よ!!」
「喜んでいる場合か、逃げるぞ。」
とゼル。

気が付けば、家は全壊し、泥棒はひくひく痙攣して倒れている。追っ手の軍隊も瓦礫の下敷きに…

「リナさー…」
丁度、階段を下りて、広場に向かってきたアメリアが手を振りかけ、固まる。リナ達が全速力で向かってくる。アメリアも、背中を向けて走り出す。

「着いて早々何なんですかー!私はセイルーン使節団の名目で、ゼルガディスさんと調査を遂行するはずだったのに、これじゃあ、犯罪者です〜」
一行は細い路地に逃げ込む。フィリアはまだ体力を回復していないらしく、ガウリィにおぶわれている。
「どうでもいいが、フィリア相変わらず重いぞ〜」
フィリアは思いっきりガウリィを殴りつける。
「それだけ力あるなら、自分で走ってくれよ〜」


何とか振り切ると、五人は近くのレストランのテラス席で、軽く…いや、重く昼食をとっていた。
「ここの支払い、私にしろって言うんですか?!」
「とにかく、私達は依頼料を苦労して手に入れなくてはならないのよ!それに、今回はアメリアはお忍びで調査団に紛れているから、ろくにお金持っていないの!!
フィリア以外に誰が払うっていうの!」
「ひどい…お店だってろくに流行っていないんですよ。なのに、なのに、グラボスさんは大食いだし、ジラスさんは火薬ばかり買ってくるし、私なんて巫女をやめたのに、未だに巫女服しかもっていないし。お茶だって特売品しか飲めなくて、生活が苦しくて、苦しくて。」
フィリアはさめざめと泣き出す。
「変わってないね。フィリア…」
リナはげんなりして。
「すっかり、貧乏ですからね。袖なんてすり切れちゃって。」
「そうなんです。よくご存じですね?私だって、若い娘さんみたいに綺麗なドレス着たいんです。やっと、堅苦しい神殿を抜け出したと思ったら、今度は着るモノにも困るほど貧乏で…。」
「いいじゃないですか、もともと竜なんだし、普段は素っ裸じゃないですか?」
ぴきっ…フィリアが固まる。
「ゼロスさん?」
とアメリアが上目遣いで。
「あんた、いつのまに?」
リナは目を細める。

いきなり、嫌な予感…

「ええ、まあ、ちょっと、僕もこの街に用事がありまして…」
「その上、このゴキブリ魔族が四六時中、卵を付け狙っていて…こんなところまで憑いてきて、もう、私、どうにかなりそうです。」
うわっとフィリアは泣き出す。
「別に、貴女に着いてきた訳じゃありませんが!」
「汚らわしい!!近づかないで、ケダモノ!」
「ケダモノ…って、ケダモノは貴女でしょ。あれから、少しは丸くなったかと思えば!!」
「来ないで!」
「誰が行きますか!」
相変わらずの反応にゼロスは何とか耐えながら、リナの隣に腰をおろす。
「で、皆さんはどちらへ?」
「知ってて、聞いているんじゃないの?」
「まあ、この街でめぼしいものと言えば…」
「めぼしいものと言えば…」
ガウリィが珍しく、真剣な表情で繰り返す。
「巨大ドーナッツ♪」
ゼロスは、バックからガイドブックを取り出す。
「何ー?」
リナとガウリィがガイドブックのくらいつく。
「半径50センチ、とれたてのミルクと、最高級のバターを、隣島名産のオリーブオイルでカラッと揚げ、中に三十種類の木の実、トッピングは王室御用達のチョコレートをふんだんに使う。パティスリー・オルボワ、タイユ通り…おやつは決まりね♪」
リナは目を輝かせた。
「おーっ!!」
とガウリィが横で。

「では、僕はこの辺で」
ゼロスは、またすっと消える…?と思いきや。
「あら…?」
ゼロスはその場に佇む。
思わず、一同、目を疑う。

「あんた、どうしちゃったの?」
「…急に魔力が発動しなくなっちゃいましたね。」
「移動すら、出来ないっていうの?」
「はあ、行きは問題なかったんですが…どうもこの街に入った瞬間に魔力が使えなくなっていた様ですね。」
「でも、私たちは元気いっぱいよ。それどころか、いつもの数倍増幅している感じ。」
「ほー…で、あの方は?」
未だいじけて、隅っこであやとりをしているフィリアをゼロスは指さした。
「フィリア、ここに来てから何か変化あった?」
リナが尋ねるが、心ここにあらず、袖のほつれをくしゅくしゅと指で整えている。
「フィ・リ・ア!!」
リナが叫ぶが…
ふいに、ゼロスが、スカートを引っ張った。
フィリアは振り返り
「キャーーーーー!!!触らないで!変態魔族--!」
途端に、胸に手をあて、竜に変身!!
「わー!フィリアやめて!」
リナが抑える。
「また、犯罪者はいやです〜」
アメリアも、必死に押さえる。
が、いっこうに変化はない。
フィリアは眼を丸くする。
「私どうしたんでしょ?あれ?」




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15726■ 眠る神殿 A ■toto E-mail URL6/1-17:59
記事番号15722へのコメント

■ 眠る神殿 A ■


「つまり、神族と魔族が力を発動しないわけか?」
とゼル。
「まあ、そうなりますね。」
そこに、再びガシャーンというけたたましい音。
フィリアが床に転んでいる。
「あ、大丈夫ですか?フィリアさん?」
アメリアが慌てて近寄った。
「まだ、気分は悪かったんですか?」
「違うんです。足くじいたみたいで…」
「イスから立っただけでですか?」
ゼロスが呆れ顔で。
「違います。あの、ガウリィさん、ちょっと。」
「ああ?」
ガウリィは訝しげにフィリアに寄ると、耳打ちされる。

二人はこそこそ、背を向ける。
「目つぶっていて下さいね。」
「ああ。」
「きゃーっ、そこ違います!!」
フィリアが、ゲシゲシとガウリィの頭をたたく。
「だって、目をつぶれって言うから。」
「これを抜くんです!」

リナとゼロスが訝しげに近寄る。、
ガウリィがフィリアのスカートの中に手を突っ込んでもぞもぞやっている。
一気に、リナの鉄拳がガウリィの顔にめり込む。
「違うだろ!!リナ。俺はフィリアに頼まれて、下着…」
もう一発、アメリアの蹴りが頭に入る。
「ガウリィさん見損ないました!」
「下着にはさまった、モーニングスターをだな、はずして欲しいって…」
ガウリィは床に倒れる。
「だって、リナさん達じゃ、重くて持てないじゃないですか…。」
とフィリアが赤くなって。
「俺は…?」
微かに聞こえる声。無論、誰も聞いていない。

「これですか?」
ゼロスが、ひょいっとフィリアのスカートをめくると、モーニングスターを取る。
「いゃー!!」
フィリアはゼロスの顔を思いっきりはたくが…よけられ、イスに手をぶつけ、あろうことかフィリアは自分の手の方を押さえる。
「…もしかして、力がでないんですか?これ、持てないんですか?」
ゼロスは、フィリアをまじまじと見た。

「街に飛んできて、すぐ。フィリアはガウリィにおぶわれて来たからな。気づくのが遅れたが、普段の怪力が出ないってことか?」
とゼル。
「怪力って、竜だから当たり前です。」
フィリアは不服そうに。
「もしかして、やばいんじゃない?ゼロス?」
リナはくるりと傍らを見る。
ゼロスは冷や汗なんかを垂らしたりする。
「どういうことですか?」
とアメリア。
「だから、魔術だけでなく、フィリアは従来の力も使えない。存在そのものが封じられているわけ。」
と、リナ。
「でも、アストラルサイドにあるゼロスさんの本体なら、物質界の位置には関係ないじゃないですか?ここで魔力が発動できなくても、別に大した問題じゃ…」
と、アメリア。
「考えようによっては、この地域は、魔族の存在そのものを封じている可能性がある。」
とゼル。
「え?」
アメリアはゼルを見る。
「例えば、この街に入ってから、アストラルサイドの本体の力を物質界へ働かせられない。所謂、封印の原理だ。」
とゼルは紅茶を飲み干した。
「えっ…?でも、ゼロスさんの本体は、もともとアストラルサイドの方にあるんでしょう?物質界での位置とは関係ないんじゃ?」
とアメリア。
「通常はな…ただ、今回、こうしてゼロスがここにうろうろしているってことは、何かがおかしいってことだろう。」
ゼルはゼロスに目をはしらせる。
「例えば、ここに入ってすぐ、本来アストラルサイドにあるはずの本体が、仮想アストラルサイドに隔離され、物質界への干渉を妨害されたとか。仮想アストラルサイドが物質界に故意の創られたものだとしたら、まさに、対魔族向けの封印にひっかかったってことね。」
と、リナもゼロスを見る。
ゼロスの顔が微妙にひきつる。
「ってことは、今、ゼロスさんは、物質界で攻撃する術がないってことですか?」
とアメリア。
「最悪、そうなるでしょうね。やっとこ、人間の形を具現化するくらいのことは出来るとみえるけど。」
と、リナ。
ゼロスのこめかみにつーと汗が落ちる。
「ってことは、ゼロスさんは…」
とアメリア。
「封印されている仮想アストラル・サイドを物質界から直に襲えば、ゼロスは防御もままならない。完全丸腰ってやつね。」
とリナは、ゼロスに頬笑みかける。
「嫌だな、皆さん。そんな乱暴な…」
「私、何度もあんたに命を売られたのよね−…」
「リナさん〜」
「今日からの支払い宜しくね♪」



− 岩に囲まれた古びた神殿 −


長い回廊の両側に、おびただしい量のケルビム像が配置されている。人気はなく、殆ど廃墟である。一番奥にある大礼拝堂には、一切の偶像はなく、中央に、異様に巨大な生け贄を置く石壇がそびえ立っていた。
その下に、一人の男が跪いている。
「お呼びでしょうか…獣王様」
色は地味だが高価な布と一目で分かる。
「…ゼロスの保護を命ずる…」
りんとした、女の声がどこからともなく響く。
「私が、ゼロス様の保護…?」
男は、訝しげに顔を上げた。
「ゼロスを危険と感じたら、これで、私のところまで転送する。」
男の目の前に、ふっと、小さな短剣が現れる。それは、大粒の紫色の石を束にあしらい、ごくシンプルな銀色の刃のナイフ。


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15735■ 眠る神殿 B ■toto E-mail URL6/1-21:24
記事番号15726へのコメント

■ 眠る神殿 B ■



次の朝早く、リナ達は宿屋を出発する。
が、後ろでフィリアがきゃんきゃん吠える。
「どうして、私とゼロスが留守番なんですか?」
「そうですよ。どうして、僕がフィリアさんなんかと、こんなところに置いていかれなくちゃならないんですか?」
「がー!!うるさーい!!あんた達、今、思いっきり足手まといなんだからね。解ってる?」
「リナさんはお二人を心配しているんです。ゼロスさんもフィリアさんも、まるっきり丸腰なんですから。調査が終わったら、いくらでも遺跡に連れていって差し上げます。」
と、アメリア。
「とろいフィリアさんはともかく、僕はそれなりに役に立ちます!!」
「説得力無いのよ。飛べない魔族の癖に。」
「リナさん〜」
「それに、どっちか一人置いていったら、心配ですし。」
とアメリア。
「こんな、魔力も発動できない性悪魔族といっしょにいても、全然、安心できません。」
フィリアが怒鳴る。
「それはこっちの台詞です!!」
「とにかく、二人は、ただの人間に成り下がった今、協力して、助け合って…」
「リナさんの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿----!!!
こんなところまで連れてきた上、こんな、こんな変態魔族と置いていくなんて〜ひどすぎます。」
フィリアはその場に崩れ、泣き出す。
「…始末におえんな。俺は先に行くぞ」
ゼルは、あっさり、歩き出す。
「とにかく、夕飯までには帰ってくるから、それまで、大人しく待ってなさい!えーいっ、くっつくなゼロス。」
リナは、足に捕まるゼロスを蹴り落とした。



「本当に、あの二人、大丈夫かな?」
とガウリィ。
「しょうがないでしょうが、今の状況じゃあ。」
とリナ。
「っていうか、私も心配になってきました。」
と、アメリアが青くなる。
「まあ、マングースとハブを同じ檻に入れてきたようなものだな。」
とゼル。
「素手で喧嘩して、帰ったら、共倒れしていたり……」
リナは、苦笑いする。
一同、沈黙。

「しかし、ゼロスとフィリアって、今、どの程度の力をもっているんだ?」
ゼルは首を傾げる。
「…確かに、魔力を封印されたゼロスさんって想像しにくいですね。」
と、アメリア。
「というより、人間型していられるのも妙な話だな、人間型をとること自体高等技術だろ?次元移動一つできない状態で…何故?」
ゼルは顎に手を当てる。
「それは、フィリアさんも同じですね。本来怪力まで失われているのに、人間型だけ、しっかり残っています。」
アメリアは、きょろきょろ街の様子を伺い、反物屋で水玉の布を購入する。
「大体、この手の封印だったら、明らかに【媒介】があるはずなのよねぇ。」
とリナは、総菜の屋台で、サンドイッチを袋いっぱいに買い込み、ガウリィに押しつける。
「媒介?」
アメリアは、尋ねながら、バスケットを買い、隣でのお店で中にカップケーキと、デニッシュ、塩クッキーを入れて貰う。。
「一般的な物質界での封印は、聖杯とか、聖剣とか、せめて護符とか、何か魔術を施して創った仮想アストラルサイドに閉じこめる。だから、必ず、なんだかのブツがあるはずだ。」
ゼルは鋭い目で説明する。
「そうなのよ。だから、あんな風に街に入った瞬間、封印状態っていうのは、ちょっと考えられないわ。」
「じゃあ、お二人は街から出ても封印されっぱなしなんですか?」
「それは解らないわよ。歩いて、国境でも渡って確かめてもらわないと。でも、そもそも、ゼロスほどの魔族を封印すること自体が変な話…」
「ああ、奴を封印できるとしたら、獣王クラスかそれ以上。」
ゼルは低く言う。
が、ふいに、ガウリィの脳天気な声。
「リナ、ブルーベリージュースも買うか?」
「ブルーベリージュース?うわー美味しそう、4本買っとこう!あと、お昼寝用のタオルも…」
「そうですね。私、敷物しか買っていません。」
「巨大ドーナッツは?リナぁ?」
「お前ら…さっきから、ピクニックに行くんじゃないんだぞ!!」
既に、両手に荷物(食料)を抱えた3人にゼルに、怒鳴る。
「ゼルガディスさんは、ポット持って下さいね。自分だけ何も持たないなんて駄目ですよ。」



ゼルは岩の上に足をかけ、遙か彼方を見つめる。
小高い丘、川を挟んだ向こうに、純白のドーム型の巨大神殿が悠然とそびえている。
「ここが、火竜王第18神殿か。この中に…」
「何、恰好つけてんのよ、ゼル!!」
とリナの怒鳴り声。四人の周囲には、見渡す限りのピクニック客…しかも、神殿への長い石橋には、露店が立ち並び嫌というほどにぎわっている。
「この神殿、すっかり、観光スポットですね。」
とアメリア。
「中に入るのに切符いるらしいぞ。」
とガウリィ。
「こんな、にぎやかな遺跡に何の調査がいるんだ?アメリア!!」
ゼルががなる。
「だって、文献では未調査、未発掘地帯に〜」
「火竜王の神殿…」
リナは、ふいにまじめな顔になる。
「今は統率者を失って、アシェルベイカ市の管理下になっているってことよね。」
「そうだな。黄金竜の組織が完全に絶えた今、その遺産は地域に返る。」
ゼルは静かに言った。
「アメリアの見た資料って去年のものじゃない?」
「はい、去年のが最新版です…」
「あの一件で、いきなり、観光地になったってことね。」
リナは息をついた。
「火竜王大福って、旨そうだな。」
ガウリィが露店をふらふらと覗いている。
「人が真面目に話しているときに…あんたは、もう…何食べているのよ?えっ、試食できるのー!きゃあ、私も♪」



その頃、国境近くに宿では、
「ほーほほっ、それはジョーカーですわ。魔族って、ほんと勘が悪い。それでも、神官ですか?」
「もう一度、17勝16敗、まだまだ勝負はわかりませんよ。それに、より頭を使うチェスは僕が圧勝しましたから。」
みしっ、ドガッシャーン---フィリアが机をひっくり返す。
「3勝5敗でしょ、あと2回やれば、私が勝ちましたぁ。」
「おや、負け惜しみですか?」
「何ですって--!!」
フィリアが、ゼロスにクッションを投げつける。
「あぁぁっ、暴力ふるいましたね。この野蛮トカゲ!!」
「何ですって!」
「お客さん、トランプするのはいいけど、机をひっくり返さないで下さいよ、クッションも投げあわないで下さい!!」
宿屋の主人が、とりあえず、小ぶりのフィリアを羽交い締めにして抑える。
「だって、この馬鹿神官が、私のこと馬鹿にするんです!」
「馬鹿は貴女でしょ!!」
「もう、あなたがた、大人でしょう?お金もかけないでどうしてそんなに熱くなれるんですか?しかも、仮にも、どこぞやの神官と巫女の服装じゃないですか?」
「だからこそ、これは、私の誇りの問題です!!」
「そうですよ!」
「子供の喧嘩でももう少しましです!!いいから、散歩でもして少し頭冷やしてきて下さい!」
二人は宿の食堂から、ぽーんとほおりだされていた。



− 火竜王第18神殿 −

「中も、とっても、解りやすいですね。」
アメリアは苦笑しつつ、ゼルをちら見する。
「ほんとだな、順路に矢印ついているな…もうじき、土産屋があるらしいぞ。火竜王人形、火竜王Tシャツ、火竜王生肖像画、火竜王変身グッズ??…」
ガウリィは、『良い子の順路マップ』を片手に…
「何が火竜王バッジよ、全く、これじゃあ、お宝ももう取られちゃった後よ。ん?ここの穴は何かしら?」
リナが柱に触れると、ぴーっという笛の音。
「勝手にロープの中のものに触れないで下さい!!」
監視員が飛んでくる。

「もう、帰りましょうか?こんなところで調査しても…」
アメリアは小さく溜息。
「いや、そうでもない、この地図、神殿の全見取り図のつもりらしいが、全然、地形と違っている。恐らく、公開されているのは入り口付近だけだ。」
「って?」
リナはゼルを覗き込む。
が、旗をもった観光客団体に押され、全員もみくちゃにされる。

ゼルは気を取り直して、紙に簡単な図を記す。
「つまり、神殿の内部にくい込んでいない。玄関をぐるぐるまわっているようなものだ。」
そこへ、聞き覚えのない声。
「その通りです!」
一同が振り返ると、背の高い男が静かに神殿の天井を見上げていた。
オールバックの見事な黒髪、浅黒い肌に、燃えるような朱眼、初老ではあるが恐ろしく美しい顔だちをしている。服装は中層の貴族といった風。黒と銀を基調とした仕立てのよい上着に、白い手袋、大きなルビーのついた黒いステッキーを持っていた。
「ここは火竜王縁の神殿建築では、ゲートと呼ばれるいわば玄関、内部の調査は全くなされていない状態です。嘆かわしいことです。」
「貴方は…」
「私はミレーヌ公国大使、ペルネウス・シャーリス。道楽で遺跡の調査発掘を行っています…しかし、アシェルベイカ当局は観光にばかり力を入れて全く発掘を進めません。この様な遺産を、文化の浪漫を、けしからんことです。」
男は品の良い笑みを浮かべた。
「個人的に、この遺跡の調査を進めようと思って入るんですが、なかなかいい人材に恵まれず…どうです?そこの方。」
「いきなり、そんなこと言われてもねぇ…」
リナは男を見つめる。
「いえ、貴女のような華奢なお嬢さんではなく、そこの背の高いブロンドの…」
ペルネウスはガウリィを眩しそうに見つめる。
「こんな、脳味噌筋肉男の、どこが良い人材なのよ!!」
「リナさんひど…」
アメリアが冷汗。
「発掘は体力と根性!知力なんて二の次です。たとえ、くらげ並の脳味噌でも問題はありません。」
「一目でガウリィの本性を見抜くとは、ただ者ではないわね!?」
リナは低く呟く。
「リナさん〜ってば…」
アメリアがぼやく。
「それに、このしなやかな筋肉、甘いマスク、彼の全てが私の美意識を満足させる。」
ペルネウスはガウリィに握手を求める。

「だーっ、待ったー!そんなことで、うちのガウリィを譲ってたまりますか!」
「うちのガウリィ…リナさん、やっぱり、ガウリィさんを大切に思っていたんですね。」
じーんとして、アメリア。
「ば、馬鹿、違うわよ、うちの体力担当を早々手放してはたまらないって言ってんの!」
「おや、謝礼は弾みますよ。お嬢さん。」
「え?私に払ってくれるの。」
「はい、レンタル料金で、日当これくらい。」
「どうしようかな…」
「リナさーん!!」
アメリアがリナをペルネウスから引き剥がす。
「商談の邪魔しないでよ、アメリア!2,3日貸すだけじゃない!」
「聞いて下さい、リナさん!」

ゼルが、リナに耳打ちする。
「奴は、薬指にルビーの指輪をしている。」
「だから、何よ!きっと、金持ちなのよ。」
「ガウリィが、男のものになってもいいんだな!」
「え?」
「薬指のルビーは、男色家の目印だ。」
「ほぇぇ---?」
「奴の、ガウリィへの熱い眼差しを見ろ!」
「舌なめずりしてますよ〜」
「なっ!!誰が、うちのガウリィをそんな汚らわしい奴に!!」
リナはガウリィを引っ張って後ろに庇う。
「…別に、減るモノじゃなし!増えるモノでもなし!一晩くらい貸してくても!」
「増えるモノでもって…やっぱそっちか、変態おやじ!」
リナは剣の束で、ペルネウスの頭を叩く。
「ガウリィさんでしたよね?それでは、夕食だけでも、わが屋敷で。」
ペルネウスは、リナを無視し、ガウリィの腕を恭しく掴む。
「悪いなあ。いいのか?」
「ガウリィ!!」
リナが反対の腕を引っ張る。
「いてーよ!おい??」
ガウリィは、自分の両腕を引っ張り合う二人を見比べる。

「おぞましい図だ…」
ゼルはぼやく。
が、ふいに、ペルネウスの懐から石版が転がる。
ゼルは、手のひらサイズの石版を拾い上げ、目の色を変える。
「この文字、竜族の文字か…?しかも、石じゃない?この金属は一体。おい、これはなんだ?」
「ああ…?それですか、殿方。」
ふいに、ペルネウスは、ゼルに近づく。
「この遺跡で見つけたものです。非常に美しい詩が刻まれているんですよ。」



光に飛び込む羽虫の様に。
全ての所為に理由はない。

互いを食い合う2匹の蛇の様に。
全ての所為に意味はない。

手の中で重ねられた鏡の様に。
全ての所為は無限に増殖する。

理とは、問うてはならぬこと
しかし、理とは創るもの

故に、我らは真の反逆を夢見る
我が名において−



「きっと、哀しい恋の物語、愛しても愛しても神に祝福されることはない、子供に恵まれることもない、不毛の男同士の愛を歌っているに違いありません。ああ…美しい青年と、ロマンスグレーの中年の究極の愛の語らいが目に浮かびます…」
ペルネウスは、ゼルの手を触れつつ…
「あっ!何ですかその手は!!」
アメリアが慌てて引き離す。
「発掘の方はそれなりに進んでいるのか?」
「ええ、まあ、細かな文字資料を集め、まず時代や建立のきっかけを掴もうと思っております。道楽と言っても、それなりのことはしますよ。浪漫のためなら。」
ペルネウスは、いつのまにやら出した一輪のバラの香りをかぎ、知的な笑みを浮かべる。
「よくいる退廃貴族ですね…男色、考古マニア、見てくれの良さと三拍子条件がそろっています〜。」
とアメリア。
「発掘調査に雇ってもらえないか?」
とゼル。
「ゼルガディスさん、貞操の危機だというのに、何を言い出すんですか?」
アメリアが、ショックを受けて後ずさりする。
「いいですとも。喜んで、貴方のような低く甘い声、好みだったのですよ。」
と、ずんずんペルネウスは近寄る。
が、アメリアが立ちはだかった。
「私も、やとって下さい!!」
「でも、お嬢さんのように、小さな…」
「丈夫だし、声は大きいし、高いところにものぼれます!!」
「ちょっと、アメリア?」
リナが目を丸くする。
「じゃあ、リナ、俺達も雇ってもらうか?」
ガウリィはのほほーん発言。
「ガウリィ---!!」
リナはガウリィの腕をぎゅっ--と掴む。
「どうしたんだよ、リナ、そんなにムキになって??」
リナはこめかみを掻きつつぶつぶつ。
「まあ、ガウリィを力ずくってのは無理よね…うん、大丈夫。きっと、平気…解ったわ、全員雇用条件で、どう?」
「大歓迎です。美しい殿方さえいらっしゃれば。ふふふふふふふふ…」
ペルネウスは、リナの逆から、ガウリィの腕を組む。
「ひぇー!!変態!」
リナがキンキン声で叫ぶ。
「リナさん、ファイトォ!」
アメリアが小声で。
「では、行くとしますか?北翼の堀から入ります。」
「おじさん、昼飯食べてからで良いか?」
と、いたって平静としたガウリィ。
「おじさんなんて水くさい、ペルって読んで下さい。私はガウと読んでもいいでしょうか?」
「一時間後に、じゃあね、ペルネウス!」
リナがずるずると引っ張っていく。



その頃、フィリアは一人、街の見物をしていた。無論、宿を追い出された瞬間ゼロスとは、別れたつもりだったが。そんなに大きくない街で、しかもお互い移動手段は徒歩のみなため、あちらこちらで会ってしまう。
「ついてこないで下さい!」
例の如く、レストランの前でばったりでくわし、フィリアは怒鳴る。
「貴女こそ、僕の前をうろうろしないで下さいませんか!」
「私はここで昼食をとるんです!」
「いいえ、僕がここで昼食をとるんです!」
「貴方は、食事する必要なんて無いじゃないですか!」
「フィリアさんこそ、お金あるんですか?恵んで差し上げましょうか?」
「何ですって?」
フィリアが手を振り上げると、ちょうど、通りすがりの大男にぶつかる。
「いてーな、ねーちゃん!」
「す、すみません。」
フィリアは男を見上げて。」
「腕が折れちゃったよ。治療代払ってもらわないと。」
横にいた、子分らしき細い男がフィリアに顔を近づける。
「え、私、お金なんて持ってないです。」
「ねーちゃん、えらいべっぴんさんじゃないか?じゃあ、身体で払ってもらおう。」
「お約束の様に続く展開ですね。」
ゼロスが小声で。
「そっちの坊主、知り合いか?」
大男は、じろりとゼロスをみやる。
「いいーえ、全然。全くの他人です。」
「貴方って人は〜。」
「では。」
ゼロスは無情にも、人混みに消える。振り返ることもしない。
ゼロス〜〜末代まで呪ってやる!!!フィリアは心の中で叫ぶが、現実は変わらない。
大男と、柄の悪いちんぴらの取り巻き…

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15753■ 眠る神殿 C ■toto E-mail URL6/2-11:04
記事番号15735へのコメント

■ 眠る神殿 C ■



フィリア貞操の危機に、とりあえず、男の貞操の危機を回避した4人は、ピクニック気分で昼食をとっていた。
「のどかですね〜」
食べ尽くすと、アメリアは買っておいたタオルにくるまり、寝ころぶ。
「本当だな。」
ガウリィも大きな体にタオルをかけ、アメリアの横で転げている。
「ここから、入るのか?なるほど、あのホモおやじ、かなり目利きだな。」
ゼルは、一人、周囲を見回っている。
「そうなの?ゼル?」
リナもガウリィの横に寝ころんだ。何となく、隣の相棒の肘に顔を寄せる。どこか一カ所触れてると安心感がある…
「ゼルガディスさんもお昼寝しませんか?気持ちよいですよー。」
「食ってすぐ寝ると、そのうち、牛になるぞ。」
「ゼルガディスさん、レディーに言って良いことと悪いことがあるんですよ!!ねーっ、リナさん!」
と言いかけ、アメリアは口をつぐむ。隣の二人は仲良さそうに、向かい合い、すやすや眠っている。リナの赤い髪とガウリィの金髪が草の上で柔らかく交じり合っていた。日頃は、そういう感じじゃないけど、やはり、お似合いですよね♪
「ゼルガディスさん、私も手伝います--!」
アメリアは、タオルを畳むと、堀の方に近づいた。



ペルネウスは、時間通りに現れた…

「あんた一人なの?」
「ええ、文化財ですので個人調査は認められないのです。結局、違法ですから、大人数で大々的にというわけにはいきません。それに、正直申しますと、あなた方の様な旅の方を一時的に雇って、今まで細々調査を進めてきたんです。地元のものを雇えば、足がつきますから。」
ペルネウスは微かに頬笑んだ。それなりに、発掘には情熱があるらしい。背を向けると、堀のブロックにオールを入れ、水中のくぼみからボートを出す。
「さあ、これで、堀を渡って…」
「れぴてーしょん!」
ゼルが、ペルネウスを抱きかかえようとすると、アメリアが素早く割ってはいり、ペルネウスを持ち上げる。
「これは便利ですね♪」
ペルネウスはさして、驚きもせず、空中で、壁の側面に手をあて、ブロックをステッキでく叩く。すると、人が入れるくらいの壁が回転して内部へ導く。予想に反して中は明るかった。絶壁とも言える高い壁にところどころ設置された明かり窓は、計算し尽くされているようだ。

「やっぱり、竜の神殿はでけーな…」
ガウリィは上を見上げながら。
ペルネウスは、ガウリィの腰に手をさりげなくあて。
「そうですね、ここに、太古、美しい竜が列をなしていたと思うと…」
リナが、げしっとペルネウスをたたく。
「お触りはお金もらうわよ!」
「おや?」
ペルネウスはリナに金貨を握らす。
「誘惑…やっぱ、駄目、待ちなさい!この変態が!早く調査をやらんか!」
「リナさん、欲望と愛の中で揺れているんですね?可哀相〜。」
アメリアは涙ぐむ。
「アメリア、全然、意味がちがうぞ。」
とゼル。


ペルネウスは、気を取り直して、見取り図をゼルに渡す。結構、切り替えは早い。
「内部はかなり入り組んだ迷路になっております。」
「シュ・ピルの間に行きましょう。ここまでが、私が調査した部分です。」
「シュ・ピルの間?」
リナはペルネウスを見上げる。
「『渦の目の間』と翻訳できますね。そこに行き着くまでも、かなりトラップがあって面倒でしたよ♪」
「って、早く言いなさいよ!!」
落ちてきた槍の群に四人は、壁にへばりつく。
「あと、床も気を付けて下さいね。」
「ああっ、ガウリィ!!」
リナは叫んだ。
床が急にぱっくり開き、深い穴を、見せる。
「とーっ!」
ペルネウスがロープを投げる。
ガウリィはロープをしっかり掴み、超人的な腕の力ではい上ってくる。
「ガウリィ!あぶないじゃ…」
「ガウ、怪我は無いですか?」
リナを押しのけ、ペルネウスがガウリィの身体を気遣う、という名目でべたべた触りまくる。
「何なのよ、ガウって言うのは!この痴漢じじぃ!」
リナがすかさず、スリッパでその手をはたく。
「見にくい争いだ…」
ゼルはさっさと先に進む。



一方、月並みに窮地に立たされているフィリアは…

「ねえちゃん、昼飯終わったら、遊んでやるからな。」
大男たちはフィリアを奥まった部屋にロープでしばりつけ、出ていってしまった。
リナさん〜、リナさーん、ガウリィさん〜、アメリアさん〜、ゼルガディスさん〜、ジラスさん〜、〜グラボスさん〜、
フィリアの目がじわっと潤む。
「だから、置いていかないでって言ったのに…リナさんの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!うわーん!!
って泣いていても解決になりませんね…こういうとき、どうしたらいいんでしょう?今は人間の女の子と同じだから。シチュエーションとしては、誰かが助けてくれるか、どっかに売られてしまうか?そんな両極端の他力本願はいやー!誰か〜!!!」



意外にも、あっさり到着した『シュ・ピルの間』…

リナとペルネウスは何故か息を切らしていた。
「ライバルがあんなおじさんなんて、リナさんかわいそすぎます〜」
アメリアは再び、涙ぐむ。
ゼルは、広間の中央の祭壇に突き刺さった大ぶりの剣に目を見はった。
「これは…?」
「シュ・ピルの剣。つまり、渦の目の剣。この広間の通称の由来です。」
ペルネウスは静かに、天井の明かり窓から聖剣に注ぐ光に目を細めた。
「しかし、この先には進めません。俗にいう結界が張り巡らされております。何人か腕のいい魔導師を雇ったのですが、全く駄目でしたね。」
「ずいぶん、使い勝手の良さそうな剣だなあ。」
ふいに、ガウリィが祭壇に突き刺さった、剣をぬいていた。
ペルネウスは、祭壇に掘られた文字をおもむろに指で辿る。
「この文字は?」
リナが傍らに寄る。
「火竜王の神殿で用いられている竜族の文字です。やはり、如何なることがあっても、剣を抜くべからずって書いてありますね。」
ペルネウスは、苦笑いしつつ、リナを見る。
「ってことは、何かを封じているとか?え?」
リナは辺りを見回す。
「抜くと、恐ろしい災いがって書いてあるんですが…」
ペルネウスは、また、文字を指さす。
「ええ、何が起こるんですか、神殿が崩れるんですか、前みたいに大蛇が出て来るんですか?」
アメリアもあわてふためく。
全員右往左往するが…
いっこうに変化はない。



同刻、依然として、苦境にたつフィリアはその頃…

「デザートの時間だぜ。ねーちゃん♪」
大男、と取り巻き数人が狭い部屋に押し寄せてくる。
フィリアは、床にへたり込んだまま後ずさるが、すぐに壁に追いつめられる。
「触らないでー!!さ、触ったりしたら…死にます。」
「そんなこと言うなよ。生きていれば、楽しいこといーっぱいあるんだぜ。」
大男はフィリアの横に座り、諭すように。
「でもでもでもでも…」
「だから、一回くらいのことで、死んでは駄目だ。」
男はいきなり、フィリアに覆い被さる。
が、その瞬間、男の身体が、ふっ飛び、天井を突き破る。
フィリアはやみくもに振り上げた、自分の拳を見つめ。
「…あら、これって、火事場の馬鹿力ってやつですか…人間ってすごいんですね。」
大男がお空の星になったのを確認し、子分達は呆然としていた。
「神は私を見捨てなかったのですね。では、悪は成敗しなければ…」
フィリアはちょっとアメリア乗り移り状態で男達ににじり寄る。
が、ふいに、世界で一番耳障りな声。
「そんなところで、油打ってないで、さっさとリナさん達の所行きますよ。」
案の上、空中にゼロスが現れ、同時に、モーニングスターがずーんと落ちてくる。
「なっ…貴方、魔力使えるんですか?」
「ごらんの通り。」
「私を騙していたのですね!その上、私を見捨てて!」
「違いますよ。今、使えるようになったところですってば!それに、こうして助けに来てあげたじゃないですか?」
「嘘言わないで下さい!!どうせ、覗いていただけでしょ!!」
フィリアは、モーニングスターを握るとゼロスに襲いかかる。
が、容易にかわされ、抱き込められるとそのまま虚空に消えた。

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15754■ 眠る神殿 D ■toto E-mail URL6/2-11:06
記事番号15753へのコメント

■ 眠る神殿 D ■



火竜王第18神殿 −

「何も起こらなかったわね。」
リナはおそるおそる、ガウリィに近寄る。
束は黒い竜の装飾で覆われている。かなり大ぶりだが、ガウリィには丁度いいらしい。。
「良い剣だ。もらっていいか?」
ペルネウスは、目を潤ませる。
「ああ、剣をもつとよけいに美しい…ガウが欲しいなら、どうぞどうぞ…」

そこに、僅かな視界のぶれが生じる。いつのまにか、空中にゼロスが現れる。
フィリアも小脇に抱えられ、もがいている。

「あ、あんた、魔力はもどったの?」
「はあ、おかげさまで、痛っ!!」
フィリアのしっぽがゼロスの頭をゲシゲシはたく。
「落っことしますよ!!」
「望むところです!!」
「って、フィリアさんも、もとに戻ったんですね!」
アメリアは叫ぶ。
「って、ことは、もしや、この剣。」
リナはゼルを見る。
ゼルは頷いた。
「どうやら、そいつが原因だったんだな。」
「…でも、一体どういう仕組み?」
リナは頭をかく。ゼルも首を振る。

「シュ・ピル(渦の目)の剣…中和の聖剣…」

気が付くと、フィリアが祭壇の前に跪き、文字を辿っていた。、
「…我は、魔をしりぞけ、神をしりぞけ、狭間の光を招きいれんとする…」
フィリアはしばらく間を置き、顔を上げた。
「簡単にいうと、魔の波動と神の波動をアストラルサイドから物質界へ干渉するのを妨害し、人間の波動をもつアストラルサイドの物質界への干渉を促進するという意味ではないかと…。」
「なるほど、それで、この剣の影響が及ぶ地帯で人間が魔術つかえば、格段と強くなるわけね。」
リナはぽんと手を打つ。ガウリィは剣をもったまま、きょろきょろ。
「フィリアとゼロスが人間型が保てたということも、これで、解った…」
ゼルは深く頷く。
「え、どいうことですか?」
アメリアはゼルを見上げる。
「魔族も神族も、人間の形をとる時、同じ様な方法をとっているんだろう。すなわち、アストラルサイドの自分たちの波動に対し、人間を模倣した波動をアストラルサイドに一時的に創り出す、それが表裏一体である物質界に、影のように人間の姿を落とす。要するに、魔族や神族がアストラルサイドに真似ねた波動を、この聖剣は、人間のもの誤認したため、物質界への干渉を容認した。」
「なるほどねえ。だから、ゼロスが、アストラルサイドからこの地帯の物質界への干渉を遮断されていたにもかかわらず、人間の形だけは保てたのね。逆に、フィリアは、神族の波動のアストラルサイドを排除されたから、物質界での竜の姿までとれなくなって、人間型のみがのこされたわけね。竜族は物質界に本体があるといっても、アストラルサイドの部分に結構左右されるんだ。新事実だわ〜。」
リナは、こくこく頷く。ガウリィは横でにこくりこくり、ねている。

「でも、これって、竜族の剣なの?フィリア。」
「解りません。これは竜族の文字ですが…」
「おかしいですね。こんな、人間にしか武器にならないものを、竜族が野ざらしにしておきますかねぇ?」
ゼロスはすっと、フィリアの傍らに降り立つ。
「確かに…それは。」
フィリアは黙りこくる。
「結界…?」
ゼルは、祭壇の反対にある小さな竜の像を見つめる。その像を中心に、なにもないところに、大きな影が出来ている。

「これは、黄金竜の結界ですね。」
ゼロスは顎に手をあてて。
「フィリア!出番よ!」
と、リナ。
「ま、待って下さい。『何人も、入るべからず』って書いてあります。」
フィリアは、像の下の小さな文字を指さす。
「フィーリーアー!!依頼料!」
「でも、でも、でも…せっかく封印してあるんですよ!」
「いいから!」
「でも、あんな魔族のいる前で、もし、すごい武器とかが出て来ちゃったら…」
「それもそうね…解ったわ。ゼロスかえんなさい!」
「解りましたか?ゼロスさんお帰りになって下さい!」
リナとアメリアが振り返る。
「嫌ですよ。ここまでおつき合いしたのに。僕も中が見たいです。」
「って、あんたが、そんな悠長な理由でこんなところにいるわけないでしょーが!何を企んでいるの!」
リナはゼロスの首を絞める。

「あっ!」
急に、フィリアが駆け出す。結界の前にぴったりくっついた。
「どうしたんだ?フィリア?」
ゼルが訝しげに走り寄る。

途端、フィリアは結界を解きはじめる
「待ちなさい!フィリア、ゼロスの前でむやみに結界を解いちゃまずいって言ったのあんたでしょーが!」
「中に古代竜の子供がいます!」
「えっ!まさか」
リナとアメリアが近寄る。
確かに、薄暗い奥の間には、いつかの、ヴァルガーヴの映像の様に、小さな竜が縮こまって泣いている。

フィリアは、ものすごい勢いで、結界を解くと、中へ走る。が、何かにはじかれて、石畳に崩れる。
「もう、一枚結界があるようですね。」
ゼロスは見えない壁をたたく。
フィリアは必死に、その結界を解こうとするが…
「これは…」
その瞳がふいに潤む。
「どうしたの?フィリア!」
リナが駆け寄った。
「古代竜の結界です。あの時と同じ、ここは古代竜の神殿です。」
「何ですって!」

「なるほど、一枚目は、魔族と神族の力を退けるシュ・ピルの剣、二枚目が黄金竜特有の結界、三枚目が古代竜の結界。念には念を入れたものですねぇ。」
ゼロスは上昇し、中の様子を見る。
「リナさん、結界を解いて下さい!中には、古代竜の子供がいるんです!」
リナはフィリアの取り乱した様子を見て、とまる。
フィリアは、今度はゼロスを見上げる。
「ゼロス、力を貸して下さい!」
「そうですね。リナさんの、神滅斬(ラグナ・ブレード)でなくとも、神魔融合で、この結界がとける可能性は高いです。」
「ちょっと、待ちなさいよ、フィリア!また、ダークスターの武器みたいなもんがここにあるかもしれないわ!」
「でも、中に、子供がいるんです。」
リナは、何となく躊躇する…何かが変?
「中に興味がありますから、僕はかまいませんよ。さあ、フィリアさん、いつでも神聖魔術を。」
フィリアは、ゼロスを見つめると、一気に呪文を唱える。あっという間に、完成した。

あの時の再現…?

「フィリア、待て!」
ゼルが怒鳴ったが、遅い。

ゼロスがその力を杖にのせると、結界めがけてたたき込む。
同時に、高い周波音をたてながら、結界が崩壊する。

「罠だぞ!」
ゼルは、シュピルの間の礼拝席に、施された、鉄線を引き裂く。
すると、目の前の古代竜の子供の映像が途切れた。
「くだらん、見せ物小屋のしかけだ!」

「そんなっ…」
フィリアは、砕かれた結界の向こうを見つめた。
そびえ立つ竜の像の、手の部分には、『黒い輪』が握られていた。
が、そこには、すでにゼロスが浮かんでいる。
「ゼロス…何を?」
フィリアは駆け込み、像の下の文字を辿る。
「…これは、古代文字……この言葉、『転移…の輪』?」
「そうですよ、フィリアさん、『転移の輪』」
気が付くとゼロスが耳元で囁く。そして、急にフィリアに向かって、光の球を打つ。
「ゼロス!」
リナは呪文を唱えるが、到底間に合わない。ガウリィが手に入れたばかりの剣で斬り付ける。
ゼロスは、右手に持った『輪』でそれを受けながす。
が、一瞬2つが重なり合うと、途端の光の竜巻が生じる。

ダークスターの武器の共鳴現象とうり二つ…

「再現する気か?」
ゼルが、ラ・テルトを放つが、ゼロスは上昇してよける。

「どういう展開?」
リナは、ゼロスを見上げながら怒鳴る。
「さあて、見てのお楽しみです。」
ゼロスは、右手の杖を、振る。
すると、フィリアの身体が、透明の玉の包まれ、上昇していく。
「今回は、フィリアさんがなくてなならないスパイスなもので。」
ゼロスはフィリアを傍らまで上昇させると、杖を投げ捨てる。代わりに、黒い輪をかかげた。

「最終目的は、神魔融合によって創り出したエネルギーを、この竜の祭壇の創った次元軌道で、混沌にぶち込むことです。混沌は同種のエネルギーの衝撃から神と魔の波動を創り出します。これが、俗にいう全ての創生の原理。もし、これを、人工的に行ったらどうなると思いますか?そして、『転移の輪』を用いて、神のエネルギーを他次元へ、魔のエネルギーだけをこちらの世界に転移させ、シャブラニグドゥ 様の残りの分離体投入する。これが、ここから始まるショーのシナリオです。」



光に飛び込む羽虫の様に。
全ての所為に理由はない。

互いを食い合う2匹の蛇の様に。
全ての所為に意味はない。

手の中で重ねられた鏡の様に。
全ての所為は無限に増殖する。

理とは、問うてはならぬこと
しかし、理とは創るもの

故に、我らは真の反逆を夢見る
我が名において−



「石版の詩か?」
ゼルはゼロスを見上げながら叫ぶ。

「古代竜が残した詩の意味が少しは分かりましたか?まあ、混沌にエネルギーをぶつけるということは、真の母に反逆になるかもしれませんね…彼らは、そのまま、全ての神と魔の力を異世界に転送し、自分たちだけの新しい混沌を創りあげようとしましたが、僕たち魔族は、もっとシンプルに、魔の力を転送します。」

ゼロスはそういうと、右手に輪、左手に黒い闇を創り出す。同時に、透明の玉に包まれたフィリアの身体が弓なりになる。絹をさくような悲鳴が響き渡り、フィリアから光が絞り取られていく。光は玉を伝わって弧を描き、ゼロスの手の中に混じり合う。
ゼロスは、凄まじい神魔融合のエネルギーを、竜の頭の向ける先に打つ。
すると、同時に、落雷の様なエネルギーが返ってくる。
ゼロスが落雷を輪で受けると、輪は落ちてきたエネルギーを吸収し、地につたえる。


「フィリアの身体から無理矢理吸収した力を魔力と融合して、あの竜の像の先にある次元の亀裂にぶち込んでいる。」
ゼルは、光と闇の押収に目を細めた。
「あの先には、おそらく、混沌の力が…?」
リナは、険しい顔で。
「さらに、神魔融合エネルギーの刺激で戻ってきた力を、輪で受けて、恐らく、魔の波動の力だけを、地下に転送している。」
ゼルは低く。
「ちょっと、ゼロス、あんた、今回、展開早過ぎよ!!やめなさい!!」
リナは怒鳴るが。
もう既に、声すら届かない、激しいエネルギーの渦。

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15755■ 眠る神殿 E ■ おわりtoto E-mail URL6/2-11:09
記事番号15754へのコメント

■ 眠る神殿 E ■



「お前か、あのくだらん仕掛けを取り付けたのは?」
ゼルは鋭く目を動かす。
気が付くと、ペルネウスがいた。
「ペルネウス?すっかり忘れていた!」
リナは振り返った。
「お役所仕事です。」
ペルネウスは、呑気にタバコをくわえた。
「って、ことは、あんた、魔族?」
リナが目を丸くする。
「はあ、そうですよ。ココは魔力が全く使えず、骨が折れました。」
「ひどい、だましたんですね!」
アメリアが怒鳴るが、ゼルが止める。
「ゼロスはどれくらい、あれを続けるつもりだ?」
「続けられる限り、あの神族のお嬢さんか、ご自分か消滅するまで続けるおつもりでしょう。」
ペルネウスはタバコの灰を払いつつ。
「それが、獣王様の命令だとおっしゃっていましたから。」
「先にフィリアが駄目になるに決まっている!」
ゼルが怒鳴る。
「ならば、そういうことでしょう。神魔融合魔術が続きうる限り。」
「ゼル…解らないわよ。どっちが先か…ゼロスの方が格段にキャパは大きいけど、ゼロスは変換と召還、混沌からの攻撃も抑えている。それに引き替え、フィリアは器を利用されているだけ。」
リナは、冷静に空を見上げた。
「或いは、そうかもしれませんね。」
ペルネウスは、にっこり笑う。

「…とにかく、このまま、見ているわけにはいかないわ。世界のバランスなんてどうでもいいけど、あの子は助けてやんないと、まだ依頼料払ってもらってないんだから!」
リナは立ち上がる。
「でも、どうするんだ?」
ゼルは眩しそうに上を見る。
「重破斬(ギガ・スレイブ)なら、対抗できる。」
「でも、何を狙えばいいんですか、ゼロスさんをねらったら、フィリアさんも…」
「あの輪。あれが無ければ、魔族の力だけをこっちの世界に送り込むことは不可能になる。そうすれば、ゼロスもなす術なく、任務終了。」
リナは短く言った。
「あのわっかをやれば、両方助けられってわけだな。」
ガウリィはにっこり笑う。
「そういうこと。」
リナは頬笑んだ。

「私もお手伝いしましょう。」
ペルネウスはタバコを石に押しつけて消す。
「ペルネウス!?」
リナは思わず振り返る。
「ゼロス様の受けた命と私の受けた命は少し違っていまして。私は、より高位の方に従うまでです。つまり、思い過ごしかもしれませんが、ゼロス様が滅びることを、我らの王が願ってはいないと私は考えます。それに、彼が滅びると、私の優雅な生活も崩れますからね。まだ、まだ、彼には働いてもらわないと。」
「変わった魔族ね…」
と、リナは眉を潜める。
「いいわ、すこしでも戦力になれば。ペルネウスは、フィリアにかかった魔術をやぶれたりする?」
「そうですね、何とかなるでしょう。ゼロス様の癖は解ってますから。」
「ペルネウスが神魔融合を妨害したら、ガウリィ、『渦の目の剣』で混沌から反射するエネルギーを封じて、ゼルとアメリアは二人の援護、全てのエネルギーの動きが止まった隙に、ギガスレイブで輪を狙う。」


まず、ペルネウス上昇し、ステッキーを軽くふる。
思わず、全員息をのむ。ペルネウスの正体!?
黒いステッキーからは、ひょこっと鳩が出てくる。
リナがずべっとこける。
「何なのよ!!」
「いや、あんまり、注目されたモノで…つい。」
「真面目にやんなさいよ!!」
「やりますよ。ほら♪」
鳩がへろへろと飛んでいき、エネルギーの渦に近ずく。が、エネルギーの波におされ、よろよろ…
「おや?」
ペルネウスは、再びステッキを振ると、いきなり、大気がさける。
「ふっ!l」
くいっと、ステッキのムキを返ると、黒い闇が光のエネルギーを蹴散らし、道を創る。
「すげーなー」
ガウリィが思わず手をたたく。
「そうですか?ガウ?」
ペルネウスは振り返る。
「前向いて、真剣にやらんか、変態!」
リナが怒鳴る。
鳩が、大気の裂け目をヨロヨロすすみ、フィリアを覆う玉をコツコツとつつく。
「ペルネウス!!あんた、もう少し、バランスのとれた攻め形はないの!?」
「そういわれましてもねえ。ほーら、ジュリアン、頑張れ〜」
ペルネウスは上をみながら、タバコに火をつける。
「鳩、ジュリアンって言うみたいですね?」
アメリアはリナを見る。
「真面目にやらんか!」
リナが、切れて、ペルネウスめがけて、スリッパを投げる。
「ひどいですね…ほら。大丈夫。」
ペルネウスが言うと、小鳩のくちばしの先から、玉に亀裂が入ったかと思うと、粉々に玉が砕ける。

「ガウリィ!今よ!」
「任せろ!」
ガウリィが、渦の目の剣を空に向けて振る。青い光が混沌からのエネルギーの雷をせき止める。
が、細かい、エネルギーが下に降り注ぐ。
「ラ・ティルト」
アメリアとゼルガ共に発動させる。
…我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを
「制御版!」
リナが、ギガ・スレイブ


一瞬の静けさの後、
神殿の側壁が吹っ飛ぶ。
余波なのか、何なのか、もはや、爆発の連続でわけがわからない。


ガウリィが何とか顔を上げ、
「輪がくだけてる!!」
遙か上に、青い光に包まれて黒い輪が拡散していく。
が、天から凄まじい光が、ゼロスとフィリアに向かう。

「あれは!今までの反作用?混沌の力の来襲?!」
リナは叫んだ。
どうしよう、もう、間に合わない。
が、寸前でゼロスがフィリアを引き寄せた。


凄まじい光の爆発。


続いて、リナ達の前に、どさっという音。
背中が殆ど黒くそぎ落ちたゼロスが現れる、身体の下にはフィリア。
「ゼロス!!」
ゼロスは何とか身を起こし、フィリアを見せる。
「無傷か…!?」
ゼルが目を丸くする。
「とにかく、アメリア、リカバリィ!!」
リナは、即座に位置を変え、フィリアにリカバリィをかける。
「…ゼロス、あんた、何でフィリアを守ったの?」
リナは背を向けたまま。
「獣王様の命令は、力の限り、神魔融合で魔のエネルギーをこっちに転送することですから。フィリアさんがいないと成り立ちません♪今のフィリアさんは僕と一心同体でいて頂かないと…」
ゼロスはいたって軽口を叩いているが、そのダメージは目も当てられなかった。
「ゼロス様、失礼。」
ふいに、ペルネウスが、ゼロスの前に、剣を突き立てる。剣は黒い煙とともに、ゼロスを取り込むと、ふっと消える。
「ペルネウス!?何をした?」
ゼルが目を疑う。
「任務完了です。ゼロス様が危険と感じたら、獣王様まで転送する。これが私の受けた命です。では、なんか、エネルギー荒れ狂ってますが、あとは宜しくお願いします♪」
ペルネウスは、ふっと消えた。


「な、なんたる無責任さ…」
アメリアが、うろたえる。
「ゼロスの家系か?」
ゼルが低く。
「ゼロスとペルネウスは親戚だったのか?」
ガウリィは、ゼルに尋ねる。
リナは、あいている足でつっこみをいれつつ。
「そんなことより、あの、怒り狂った混沌の力を沈めろっていうの?ええ?やりたい放題やって、無責任ゼロス!!もとい、無責任獣王!!!」
リナは力一杯怒鳴った。
「あ、リナさん、フィリアさんが気が付きました。」
「っていうか、そんなことより、真面目にどうしろって言うのよ。用は、金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)のエネルギーがあれているんでしょ?」
リナは、頭を抱えた。
「来るぞ!」
ゼルが怒鳴る。
絶対、駄目---!
リナは目を閉じる。
リナの上に、ガウリィが覆い被さる。



「うぉりゃー」
           え?
                えっ---?

リナは、おそるおそる顔を上げ目を疑う。
「嘘でしょ…ガウリィ。」
渦の目の剣が、光の塊を押し返した。そのまま、ガウリィは、光を跳ね返す。

「礫波動破!(ヴィーガスガイア)」
同時にゼルが叫ぶと、
目の前の竜の像が崩れる。

「そうか…この像!」
…黄昏よりも昏(くら)きもの 血の流れよ… 我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを
「竜破斬(ドラグ・スレイブ)!」
像が木っ端微塵に砕ける。

同時に、黒い亀裂が次元に入る。

「この像が混沌への次元経路。これが壊れれば、とりあえずの、エネルギーもこっちにはやってこないはずだ。」
ゼルの言葉と同時に、いきなり、辺りが静寂に包まれた。

「消えた…」

ガウリィが、ぐったり、石畳にへたる。
「でも、『渦の目の剣』が、金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)のエネルギーを押し返したってのは?」
リナは、ガウリィから剣をひったくり、叫んだ。





光に飛び込む羽虫の様に。
全ての所為に理由はない。

互いを食い合う2匹の蛇の様に。
全ての所為に意味はない。

手の中で重ねられた鏡の様に。
全ての所為は無限に増殖する。

理とは、問うてはならぬこと
しかし、理とは創るもの

故に、我らは真の反逆を夢見る
我が名において−

我ら流浪の民となり果てようと、飽くなき夢をこの剣にかける。


フィリアは、剣の束の文字を繰り返し、お茶をすする。疲れ果ててソファーで寝ていたゼルが顔を上げた。向かいのソファーでは、アメリアが寝息をたてている。少し離れたテーブルでは、疲れ果てているにもかかわらず、夕食をめいいっぱいとるリナとガウリィ。

「我ら流浪の民となり果てようと、飽くなき夢をこの剣にかける?」
リナがふいに。
「その箇所は、石版では書かれていなかったな…?」
ゼルも身を起こす。

「そもそも、古代竜の手に、異世界の武器はあるんだ…?」
ゼルは天井を見つめた。
「異世界との交信のすべを心得ていたからか?」
フィリアは首をふる。
「わかりません…」


…この存在はあってはならぬもの、この世界の変則、古代竜、ここに存在するはずのない生命体…


「第二の黄金竜の結界の石版にあった言葉です。」
フィリアは、俯く。
黄金竜と古代竜の血塗られた歴史の裏…
まさに、古代竜の殺戮の立て前。黄金竜は、世界の平穏を大義名分に、古代竜の強大な力を恐れるあまり殺戮を行った。

フィリアはふいに声を上げる。石版が二枚に割れる。
「内側に…!」



神でもなく、魔でもなく、光と闇の狭間の存在。

人間と等しい理をもち、内なる強大な力をあやつれし者−古代竜

太古、神も魔も浄化し、栄華を極めた。

混沌を司る力さえ持ち得、偉大なる母に挑む。

それは、世界の摂理を逸脱した真の反逆。

母なる神との果てしない闘いの中で、いつしか流浪の民となりはてる。

次元から次元を渡り歩く流浪の民、真の咎人

−我が神、火竜王の名において、滅すことを誓う −



「…それが古代竜だっていうの?」
リナは食べる手を止めた。
「何処かの世界で流浪の民となった古代竜の一群が、この地に幾つかの武器を持ってたまたま辿り着いた…ってことか?」
ゼルも、目を丸くした。
「この剣は、魔族や神族の力を無効にするだけじゃなくて、母に挑む力、つまり、金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)に対抗するためのもの!!」
リナが唖然とする。
「すごい、拾いものをしたようだな…」
ゼルはガウリィを見る。

「いいのか、俺がもらって?これ、フィリアんだろ?」
「いいえ、たとえ、古代竜が「母なる神への反逆」を企てた種族としても、私達が殺戮を行ったことに変わりはありません。その剣はガウリィさんが持っていて下さい。依頼料のかわりにとでも思って下さい。」
「…ちょっと、待った---!なんで、ガウリィにあげるの?私は!」
「だって、リナさんだったら、何か悪いことを考えるかもしれないじゃないですか?その点、ガウリィさんなら心配もないし。」
「フィリア、私よガウリィを信じるって言うの?」
「だって、ガウリィさんは、お腹がいっぱいで、リナさんが元気なら、それで良いみたいな生物じゃないですか。」
「はあ?何言ってるのよ!」
リナは、おもわず、赤くなる。
「こんな無欲な方なら、剣を悪用することはありません。」
フィリアは構わず、続ける。
「ガウリィは、無欲なんじゃなくて、無知で、無意識で、脳味噌が空洞なの!」
「同じことです!」
「フィリア!」
「それより、リナさん、私をゼロスと置いてけぼりにしましたよねぇ?すごく酷い目にあったんですよ!」
「それは…」
「そういえば、ゼロスさん大丈夫でしょうか?」
アメリアは、目をこすりつつ、身体を起こす。
「知らないわよ!でも、今回はかなり…」

ふいに、部屋のど真ん中に、白いハト!
と、瞬間。
「いやはや、お世話になりました。」
ペルネウスが、現れる。
「また、何の用よ!」
リナは、思わず後ずさる。
「ガウに、きちんとお別れが言えていませんでしたから。」
「寄るな---!」
リナが立ちはだかる。
「ああ、私達は、男同士な上、魔族と人間…誰からも祝福されない…なんたる悲劇!」
「それ以前の問題です!ペルネウスさん、あまりに獣王様たちは無責任です。」
アメリアが立ち上がる。
「よく言われます。」
ペルネウスは、あっさり。

「あと、ゼロス様は大丈夫ですよ。当分休暇ですけど。全く、迷惑な話です。」
「迷惑はどっちだ、あんたも、ゼロスも、獣王も!どうして、どうして、そうやって、人を利用するのよ!」
リナが叫ぶ。
「と言われましても、私も上の命令に従ったまでです。」
「ゼロスと同じ精神…」
ゼルがぼやく。
「そうそう、フィリアさんでしたっけ、今回特にお世話になりました。ゼロス様もくれぐれもよろしく申し伝える様に仰せつかって着ました。」
「何が、よろしくですって!」
フィリアのオーラがごおーっと燃える。
「お怒りもごもっともで。ですから、ゼロス様から、お詫びの品を預かって参りました。」
ペルネウスは、大きなキリの箱を差し出す。
フィリアが訝しげに開けると、お茶のセットと手紙。
「…汚い竜文字!」
フィリアは目をひそめる。


貧乏なフィリアさんへ 
ほどこし♪


ごーっ!
さらに、下に、鉄製のケース。
フィリアは怪力でケースをこじあけ…固まる。


貧しい、フィリアさんへ
衣料救援物資♪


「何で、何で…私が。」
「あ、これは!」
箱を覗いたアメリアが固まる。
「何で、私が、こんなゴキブリの神官衣装をを着なくちゃいけないんですか!」
「神魔融合の時に、なくてはならない方ですので、獣王様も雇ってもいいとおっしゃっております。お迎えするにあたって、ゼロス様とお揃いの巫女服を、オーダーメイドで用意してみました♪なかなか仕立てがいいでしょう?」
と、ペルネウス。
「…冗談じゃありません!!人をおちょっくているんですか----!!!!」

「…ずっと、引っかかっていたんだが。」
ゼルが、ふいに、低い声で。
一同、振り返る。
「黄金竜が古代竜を全滅させたこと。」
ゼルはフィリアを見た。フィリアの瞳が急に影をさす。
「一匹で黄金竜の数千頭に匹敵する力、魔族に対抗する実力をもつ古代竜を、いくら大群でかかったとはいえ、そう簡単に勝てるか?」
「確かに、ゼロス一人に壊滅状態だった黄金竜の軍勢が、古代竜を滅ぼすというのは変な話よね。」
リナが呟く。
「古代竜が異世界から次元を渡ってきた生命体であったにしろ…あの隠蔽された歴史には、まだ何かがまだ隠されている。」
ゼルはフィリアを見つめる。
「まだ、何かが…」
フィリアは、青い目を潤ませつつ、繰り返した。



− 旧都アシェルベイカ、国境近くの広場 −

「ゼルガディスさん、古代竜の神殿を中心に調査すんですか?」
「ああ、これほど、高水準の文明をもつ竜族も少ないだろう…未知数だしな。」
「また、しばらくお別れですね…」
アメリアは、うつむき加減で。
「…」
ゼルは返す言葉が見つからない。
「今度は、私も連れていって下さい!」
「お前はセイルーンで公務が待っているだろ?」
「だって…」
「…また、会える。それまでに、もう少し、大人になっとけ。」
ゼルは、優しく頭を撫でる。
「え?もう一回いって下さい!」
「…言えるか!!!」


少し離れた、テラスで残りの面々はまだお茶をしていた。
「フィリアは、どうするの?」
「古代竜のことは、気にならないといえば、嘘になります…でも、今は、ヴァルを育てることに専念します。」
「そう?」
リナは頬笑んだ。
「まあ、何かあったら、連絡しなさいよ。『渦の目の剣』はあんたのもんだしね…」
「え?」
「っていうか、ヴァルガーヴのか?」
とガウリィ。
「とりあえず、ガウリィが預かっておくけど。…ガウリィなら、安心なんでしょ?」
「はい。リナさん付のガウリィさんなら。」
フィリアは、にっこりと頬笑んだ。
「な、『ガウリィ付の私』でしょ。おまけはガウリィに決まっているんじゃない!」
「どっちでも、いいじゃないですか?リナさん付のガウリィさんでも、ガウリィさん付のリナさんでも。」
「全然違う---!」




                 …おわり…

※お読み下さった方、いらっしゃいましたら、本当にありがとうございました。


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15757んみゃあああああっ!?ねじばな 6/2-16:45
記事番号15755へのコメント

こんにちはっ!

うにゃああああああああっ!ゼロス様がぁ〜・・・って・・・いっつも想うんだけど・・・ゼロスって、リナと一日以上一緒にいて無事だった事件ってないんじゃ・・・?きっと極端に相性がいいか、悪いかのどっちかね。

いやいや。ちょっと錯乱しちゃいましたが。楽しく読ませていただきました。
魔族にもいるんですね・・・男色って。
まるで法と礼の鏡みたいな獣王一派にあんなのいたなんて・・・驚き!

あううううううううううう。
フィリアちゃんってばなんで断っちゃったのよ!そーゆーときは無茶な条件だして、からかいつつ断るのよっ!
・・・わたしみたいに。(スレイヤーズラジオ7の感想参照)

それでは、またいつかお会いしましょう!

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15766とうも〜こんばんわtoto E-mail URL6/2-20:29
記事番号15757へのコメント

こんばんわ、初めまして。でも、お話の方は毎回楽しんで読ませていただいています。文章のリズムが良くて…

>いっつも想うんだけど・・・ゼロスって、リナと一日以上一緒にいて無事だった事>件ってないんじゃ・・・?きっと極端に相性がいいか、悪いかのどっちかね。
確かに…ですね。利用しているのか、されているのか…相性がいいのか悪いのか、極端ですねぇ。

> いやいや。ちょっと錯乱しちゃいましたが。楽しく読ませていただきました。
ありがとうございます。(ぺこり)
実は、連載といいながら、一気に終えてしまいました。
> 魔族にもいるんですね・・・男色って。
どうでしょう?実際には魔族には恋愛感情ないんでしょうから、いないんだろうな…本編のペルネウスは「男色人間ごっこ」を楽しんでいるだけの、ハタ迷惑な魔族ということで(逃亡)
> まるで法と礼の鏡みたいな獣王一派にあんなのいたなんて・・・驚き!
法と礼の鏡が獣王一派…(笑)
> あううううううううううう。 フィリアちゃんってばなんで断っちゃったのよ!>そーゆーときは無茶な条件だして、からかいつつ断るのよっ!> ・・・わたしみた>いに。(スレイヤーズラジオ7の感想参照)
読みに行ってきました。そうですね。そのくらいの強さがないと駄目ですねぇ。

> それでは、またいつかお会いしましょう!
はい、こちらこそ♪
おはなし、楽しみにしております。

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15762ひょわ〜…みてい 6/2-18:54
記事番号15755へのコメント

お久しぶりです。みていでございます。

ひょおおおおおおおっ!?
最初はギャグかと思ったのに突然急転直下、とんでもねー事態だぁと思っていたらなんか、鳩いますし。
それからまたどどどどどどーっと怒涛の展開で、一気に読んでしまいました。
ほ〜

キャラ一人一人がすごく「らしい」ですよね。
今回のお勧めは何と言っても鳩使いのお役所魔族でしょう。ゼロス以上に掴み所無さ過ぎ(笑)

それでは、また新しい話が登場するのを待っています。
短いですがこれにて。
みていでございました。

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15767どうも〜お久しぶりでございますtoto E-mail URL6/2-20:40
記事番号15762へのコメント

>お久しぶりです。みていでございます。
お久しぶりで御座います。
しかし、いつも楽しく作品を読ませていただいております。

>最初はギャグかと思ったのに突然急転直下、とんでもねー事態だぁと思っていたら
>なんか、鳩いますし。
どうも、私は、話を急転気味にしてしまう傾向が…その、暴走を止めるためにハト出しました(嘘?)
>それからまたどどどどどどーっと怒涛の展開で、一気に読んでしまいました。
ありがとうございます。連載にしようと思っていたのですが、いきなし、最後まで書いて終えてしまいました。(非常識だったかも…すみません。)
ものすごく気になっていたんですが、先にお話を完成させて出されていますか?書きながら投稿されていますか?文章綺麗だし、誤字ないし、展開とっても解りやすいし…ちなみに、私は、連載は駄目でした。(大涙)

>キャラ一人一人がすごく「らしい」ですよね。
イメージを破壊していなくて良かったです〜(安堵)
ガウリナ、ゼルアメを主軸にするの初めてで…(難しかった)

>今回のお勧めは何と言っても鳩使いのお役所魔族でしょう。ゼロス以上に掴み所無さ過ぎ(笑)
彼は書いてて、楽しかったですが、この時代タバコじゃなくて葉巻?という疑問を残しております。

>それでは、また新しい話が登場するのを待っています。
この様な、へろへろ文に最後までお付き合いくださり、ありがとうございます♪
では、梅雨に突入しますが…お元気で〜

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15769さらにお久し振りです。みてい 6/2-23:05
記事番号15767へのコメント

>お久しぶりで御座います。
>しかし、いつも楽しく作品を読ませていただいております。
さらにレスのみていでございます。

>ものすごく気になっていたんですが、先にお話を完成させて出されていますか?書きながら投稿されていますか?文章綺麗だし、誤字ないし、展開とっても解りやすいし…ちなみに、私は、連載は駄目でした。(大涙)
みていの場合は、Wardで1話分出来てからあらためて貼り付けています。
一話あげて、それからまた一話。
…誤字は、貼り付けの際にチェックするようにしてますが、やっぱしあったし(泣)気付かれないうちにこそっと一坪様のお手を煩わせています(爆)
………展開わかりやすいというのは、予想どおりのパターンってことなのかしら…(汗)


ではでは、みていでございました。

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15787さらに、さらに、toto E-mail URL6/3-13:37
記事番号15769へのコメント

さらに、さらに、こんにちわ。質問に答えて下さり、ありがとうございました。


>みていの場合は、Wardで1話分出来てからあらためて貼り付けています。
>一話あげて、それからまた一話。
おう、やはり、連載、リアルタイムだったのですね。すごい…
>………展開わかりやすいというのは、予想どおりのパターンってことなのかしら…(汗)
誤解です〜♪
言葉の選び方が下手で申し訳ないです。(ぺこり)
ストーリーの展開がきちんと一貫していて、納得できるという意味です。例えば、私の様なへろへろな人が一話ずつ書いたら、途中で展開がめちゃくちゃになり、前半を修正しないと…みたいな恐ろしい状態になりかねないかも…
きっと、ヴィジョンとか、キャラの把握がしっかりなさっているのでしょうね(?)いいなあ…


では、麗らかな日曜の、やっと目が覚め、出掛ける…ところです〜

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