◆−I long for your love(後編の19)−あごん(1/9-22:06)No.13114
 ┣Re:22話で完結ですか?−みい(1/10-19:25)No.13127
 ┃┗無事に完結致しました!−あごん(1/12-23:55)No.13143
 ┣この〜木なんの木♪(気になる気になる)−砂緒(1/12-20:47)No.13141
 ┃┗みんなが集まる木ですから〜♪(但し食人樹ですが)−あごん(1/13-00:05)No.13144
 ┗I long for your love(後編の20・最終回)−あごん(1/12-23:43)No.13142
  ┣さいこぉぉぉぉですぅぅぅぅぅぅぅ(号泣)−ゆえ(1/13-00:23)No.13145
  ┃┗ありがとうございますぅぅぅぇぇぁぁぁっ!−あごん(1/13-02:27)No.13146
  ┣Re:お疲れさまですぅっ!!!−みい(1/13-12:22)No.13148
  ┃┗ありがとうっっ!!−あごん(1/15-05:48)No.13163
  ┣おめでとうございますっ!!−砂緒(1/13-20:12)No.13149
  ┃┗染の助・染太郎でございます!(違うっ!)−あごん(1/15-20:31)No.13166
  ┗ザッ 根性なし!!!−桜華 葉月(1/14-01:35)No.13153
   ┗イッツ 根性なし王!−あごん(1/15-21:16)No.13167


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13114I long for your love(後編の19)あごん E-mail 1/9-22:06


   例えばそこに扉があるとしよう。
   見たこともない扉だと仮定する。
   勿論だが扉の向こうは謎である。
   さて、貴方なら扉を開ける?
   あたしなら一一一。

「見えたっ!」
 ガウリイが鋭くそう言ったのは術で空に舞ってすぐだった。
「何が見えるの!?」
 ごうごうと耳の横で唸る風音に負けないように、あたしは声を張り上げた。
 さすがに三人で移動するとなると翔封界の速度も遅い。
 こーゆー時に魔力増幅器があればなぁ、と痛感してしまう。
 因みにジョイスは、空を飛ぶという経験が初めてなのか、ひたすら目を見開いて下界を眺めてたりする。
「村人だ!えーと・・・4人いるぞっ!」
「相変わらずの視力ね・・・」
 ガウリイの言葉にあたしはそう返した。
 はっきし言ってなにも見えないのだが。
 目に入るのは初春の淡い緑に萌える木々ばかり。
「すごい。ホントに目がいいんだ・・・」
 右横にいるジョイスが感嘆の声を漏らす。
「ガウリイ、誘導お願い!」
 肩越しにガウリイを見つつ、乙女のお願いをした。
「おうっ!」
 ガウリイはひとつ大きくうなずいたのだった。

   あたしなら一一一。
   扉を開けるだろう。
   新たな世界を見る。
   その為に扉を開ける。
   そう。
   扉を開けるんだったら一一一。

 ガウリイの言う通りに術を操作して進む。
 ただただ淡緑の世界を飛び続けたあたしの耳もとで、ガウリイが囁くように口を開く。
「リナ、あれだ。わかるか?」
 ガウリイが指さす方向へと目を凝らす。
 ん〜みゅみゅ?
 指の向いている方向はわかった。だからといって、指が指し示しているものがわかるわけではない。
「ん〜。駄目。やっぱ・・・」
 わかんない。
 そう言葉をつなごうとしたその時、木々の間になにか動くものが見えた。
「・・・今、動いたやつ?」
「ああ。今一人が動いたな」
「オッケー!んじゃトばすわよっ!」
 どうやら目的地は目と鼻の先のようだ。
 そんなわけであたしは宣言通りに加速した。
 どーやって加速させたのかは聞くなかれ。
 こちらは上空にいて、目的地は地上にある。
 世界は引力とゆーもので満たされている。
 つまり、そーゆーことである。
 
「きゃああああああああああっっ!」
 余りの速度にジョイスの上げる悲鳴が、空へと木霊する。
 まー、ぶっちゃけた話、落下しているだけなのだが。
 一応術はまだ解除していない。
 目的地までの操作も必要だし、ただ落下するよりは術でもって落下を速めた方が断然早いからだ。
 ガウリイはというと、黙って地の一点を見つめているだけだ。
 その表情は暗い、と言うよりも張り詰めたものだった。
 ・・・何か、見えているのかも知れない。
 つ、と視線を前方へ戻す。近付けば、なるほど確かに四人の人影が目に映る。
 木がそろそろ眼前へと迫ってきている。
 ここは翔封界の術を解除して、すぐに浮遊の術に切り替えるべきだろう。
「浮遊!」
 ふわりっと身体が引力に反して今一度浮き上がる・・・予定だった。
「のわぁぁぁあぁぁあっ!?」
 確かに術は発動したとゆーのにっ!
 身体は地面へ向かい真っ逆さまに落下を続けるっ!
「おそるべしっ!慣性の法則っ!!」
 あたしの叫びに重なるように。
 
 どかばきばきぶわきっっ!!

 あたし達が折る木々の叫びが山に響いたのだった。

「あいたたたたた・・・」
「いってぇぇ〜・・・・」
「・・・・っぐすっ・・」
 三者三様の声が同時に口から滑り出る。
 発動した浮遊の術は、地面と激突する直前に効果を現したのだった。
「さってと。泣いてないで行くわよ、ジョイス!」
「・・・ひっく・・・はい・・・ぐすっ」
 傷は全員無いも同然だった。
 枝や葉で切り傷が少々出来たくらいだから、そんなに泣く事も無いだろうに。
「・・・どっか痛いとことかあるの?」
「・・・いえ・・・うっ・ぐすっ・・・」
「痛いとかそーゆー問題で泣いてるわけじゃあないと思うが」
 ガウリイがジト目でこちらを見ながら言う。
「じゃあ、どーゆー問題だってのよ」
「ついてくるんじゃなかった、とかじゃねぇの?」
 いやにしみじみと頷くガウリイ。
「どやかましぃっ!ついてくるって頷いたのはジョイスよっ!」
 あたしがそう怒鳴った時、横の茂みががさがさと動いた。
 はたと我に返り、あたしは茂みを振り返る。 
「あんたらか。こんな時に騒がしいなんて、誰かと思えば・・」
 そこには、村人が二人たたずんでいたのだった。

「さっきの発煙筒はあなた達が?」
 あたしの言葉にやや青ざめた顔でうなずく二人。
「・・・何か見つかったの?」
「見つかったなんてもんじゃあねぇ!!」
「どういう事なんだかわけがわからんっ!」
 慌てるかのように二人はそう声を荒らした。
 いや、慌てるというのは適切ではない。
 これは混乱しているのだろう。
 何か余程のものが見つかったに違いない。
 最悪の場合それは・・・。
 あたしはきりっと爪を噛んだままで、二人を見た。
「一見にしかず、ね。案内して」
 言いながらあたしはすでに歩き出していた。
 二人の村人は、ああ、と低く答えてから足早に先を歩いたのだった。

    扉の持つ意味すなわちそれは。
    別世界。
    今在る世界と次に在る世界を繋ぐ。
    次世界とでも言うべきか。
    扉を開ける、すなわちそれは。
    
 事態は最悪の結果を持ってあたしの前に姿を現した。
「テリー・・・」
 その場にいたのは、四人の村人とあたし達三人だった。
 膝をつきうなだれ泣くジョイスの姿が視界の隅に見える。
 一人の村人は天を仰ぎ、三人の村人はただただ言葉もなく地面を見据える。
 ガウリイもまた無言でたたずむ。
 あたしは、足音を立てながらそれへと近付いた。
 それ一一一。
 そう。テリュース・ハワードだったモノへと足を進めた。
 ガウリイもあたしの後についてくる。
 悲しむより先にやるべきことがある。
 あたしとガウリイはテリーの死体の傍らにしゃがみこみ、じっくりと死体を見た。
 死因は右側頭部における打撃と思われる。
 ぱっくりと裂けたその傷口は、いまだに血も流している。
 つまり、さっきまで生きていたのだ。テリーは。
 凶器は刃物というよりも鈍器めいた物らしい。
 いや、鈍器ではないだろう。おそらく木の棒かなんかではないだろうか。
 幸いと言うのも不謹慎だが、ここは山中である。
 凶器など腐るほどある。
 ガウリイが、あたしのマントをついと引っ張る。
「・・・・なに?」
 振り返るあたしに、ガウリイが囁くように言う。
「リナ。テリーの腕を見てみろ」
「・・・腕?」
 言われるままにテリーの腕へと視線を落とす。が、なにもこれといって奇妙なものは見あたらないが。
「手首だ、リナ」
 ・・・手首?
 見ればなるほど、確かにテリーの手首には奇妙な痕跡が残っていた。
 手首の回りに見えるのは赤い数本の筋。
 うっ血した血の跡としか思えない。
 テリーの口にはさるぐつわが噛まされている。
 つまりこれは、テリーの両腕を拘束していた縄かなにかの跡ではないだろうか。
「・・・おかしいわね」
 テリーを拘束するのはわかる。
 そのために、さるぐつわと縄とで縛りつけたのもわかる。
 だが、なぜ、テリーの手首を戒めていた縄をほどいた?
 さるぐつわはそのままだと云うのに。
 なにか、深い意味があるのだろうか?
 まったくの無意味とも思われないが・・・。
 あたしはそっとテリーの死体に触れた。
 まだ暖かみを残したままで、テリーは目を見開きあたしの方を凝視していた。
 ゆっくりと、その瞳を閉じさせる。
 その時、ざわざわと人の気配がこちらへと近付いてきたのだった。
 発煙筒を見た他の村人達が、ようやくたどり着いたのだ。

    あたしは扉を開ける。
    恐くはない。
    新しい世界を受け止める。
    そう。
    扉を開ける時に、例え一一一。


こんばんは!あごんです!
ようやく最後の事件です!
とゆーか最初の事件と言っても過言ではないのですが。
次回は本当に最終回となります!
ずいぶんと長引いた作品となってしまいましたが、すべては次回に収束されます。
ではでは、なんでしたら、今からでも続きを書こうかしら、なあごんでした!

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13127Re:22話で完結ですか?みい E-mail 1/10-19:25
記事番号13114へのコメント

あごんさんは No.13114「I long for your love(後編の19)」で書きました。
こんちゃ〜!みいでっす!どうやら1番のやうです!
>   例えばそこに扉があるとしよう。
>   見たこともない扉だと仮定する。
>   勿論だが扉の向こうは謎である。
>   さて、貴方なら扉を開ける?
>   あたしなら一一一。
間違いなく開けますね。
>「見えたっ!」
ふにっ!?
> ガウリイが鋭くそう言ったのは術で空に舞ってすぐだった。
>「何が見えるの!?」
> ごうごうと耳の横で唸る風音に負けないように、あたしは声を張り上げた。
> さすがに三人で移動するとなると翔封界の速度も遅い。
でしょうね〜。。。2人でさえ遅くなるんですから。
> こーゆー時に魔力増幅器があればなぁ、と痛感してしまう。
デモン・ブラッド−タリスマンは、ゼロス君から買って下さいな。
> 因みにジョイスは、空を飛ぶという経験が初めてなのか、ひたすら目を見開いて下界を眺めてたりする。
飛びたいですー。。。
>「村人だ!えーと・・・4人いるぞっ!」
>「相変わらずの視力ね・・・」
> ガウリイの言葉にあたしはそう返した。
> はっきし言ってなにも見えないのだが。
> 目に入るのは初春の淡い緑に萌える木々ばかり。
>「すごい。ホントに目がいいんだ・・・」
> 右横にいるジョイスが感嘆の声を漏らす。
良い悪いってもんじゃありません!彼は人間じゃありませんから!(←言い切ったよ。)
>「ガウリイ、誘導お願い!」
> 肩越しにガウリイを見つつ、乙女のお願いをした。
乙女のお願い?
>「おうっ!」
> ガウリイはひとつ大きくうなずいたのだった。
>
>   あたしなら一一一。
>   扉を開けるだろう。
>   新たな世界を見る。
>   その為に扉を開ける。
>   そう。
>   扉を開けるんだったら一一一。
だったら・・・何ですか?
> ガウリイの言う通りに術を操作して進む。
> ただただ淡緑の世界を飛び続けたあたしの耳もとで、ガウリイが囁くように口を開く。
>「リナ、あれだ。わかるか?」
> ガウリイが指さす方向へと目を凝らす。
> ん〜みゅみゅ?
うみ?
> 指の向いている方向はわかった。だからといって、指が指し示しているものがわかるわけではない。
>「ん〜。駄目。やっぱ・・・」
> わかんない。
> そう言葉をつなごうとしたその時、木々の間になにか動くものが見えた。
>「・・・今、動いたやつ?」
>「ああ。今一人が動いたな」
1人って・・・目よすぎです。ガウリイ・・・。
>「オッケー!んじゃトばすわよっ!」
> どうやら目的地は目と鼻の先のようだ。
> そんなわけであたしは宣言通りに加速した。
> どーやって加速させたのかは聞くなかれ。
> こちらは上空にいて、目的地は地上にある。
> 世界は引力とゆーもので満たされている。
ま・まさか・・・
> つまり、そーゆーことである。
え”っ 
>「きゃああああああああああっっ!」
> 余りの速度にジョイスの上げる悲鳴が、空へと木霊する。
私も絶叫すると思いますけど。
> まー、ぶっちゃけた話、落下しているだけなのだが。
> 一応術はまだ解除していない。
> 目的地までの操作も必要だし、ただ落下するよりは術でもって落下を速めた方が断然早いからだ。
> ガウリイはというと、黙って地の一点を見つめているだけだ。
> その表情は暗い、と言うよりも張り詰めたものだった。
・・・(((^^;)
> ・・・何か、見えているのかも知れない。
> つ、と視線を前方へ戻す。近付けば、なるほど確かに四人の人影が目に映る。
> 木がそろそろ眼前へと迫ってきている。
> ここは翔封界の術を解除して、すぐに浮遊の術に切り替えるべきだろう。
>「浮遊!」
> ふわりっと身体が引力に反して今一度浮き上がる・・・予定だった。
>「のわぁぁぁあぁぁあっ!?」
> 確かに術は発動したとゆーのにっ!
> 身体は地面へ向かい真っ逆さまに落下を続けるっ!
>「おそるべしっ!慣性の法則っ!!」
・・・小学校の辞書に載ってませんでした。(←調べた)
慣性の法則ってなんですかぁ〜(;;)兄に聞いても「慣性の法則は慣性の法則。」
って言われるんです〜!!!
> あたしの叫びに重なるように。
・・・ 
> どかばきばきぶわきっっ!!
うあ。。。 ^)/∪ち〜ん i~~~(ー人ー)合掌
> あたし達が折る木々の叫びが山に響いたのだった。
かわいそうに・・・木が。(←をひ)
>「あいたたたたた・・・」
>「いってぇぇ〜・・・・」
>「・・・・っぐすっ・・」
> 三者三様の声が同時に口から滑り出る。
> 発動した浮遊の術は、地面と激突する直前に効果を現したのだった。
>「さってと。泣いてないで行くわよ、ジョイス!」
いや、それはちょっち酷いかも。。。
>「・・・ひっく・・・はい・・・ぐすっ」
> 傷は全員無いも同然だった。
> 枝や葉で切り傷が少々出来たくらいだから、そんなに泣く事も無いだろうに。
>「・・・どっか痛いとことかあるの?」
>「・・・いえ・・・うっ・ぐすっ・・・」
>「痛いとかそーゆー問題で泣いてるわけじゃあないと思うが」
> ガウリイがジト目でこちらを見ながら言う。
私もそう思います。
>「じゃあ、どーゆー問題だってのよ」
>「ついてくるんじゃなかった、とかじゃねぇの?」
> いやにしみじみと頷くガウリイ。
ちょっと違うかも。。。
>「どやかましぃっ!ついてくるって頷いたのはジョイスよっ!」
> あたしがそう怒鳴った時、横の茂みががさがさと動いた。
> はたと我に返り、あたしは茂みを振り返る。 
>「あんたらか。こんな時に騒がしいなんて、誰かと思えば・・」
> そこには、村人が二人たたずんでいたのだった。
・・・そう言えば、何かみつかったかもって・・・テリーじゃないですよね?
さらに事切れてた、なんてコトは・・・(;;)
>「さっきの発煙筒はあなた達が?」
> あたしの言葉にやや青ざめた顔でうなずく二人。
>「・・・何か見つかったの?」
>「見つかったなんてもんじゃあねぇ!!」
>「どういう事なんだかわけがわからんっ!」
> 慌てるかのように二人はそう声を荒らした。
> いや、慌てるというのは適切ではない。
> これは混乱しているのだろう。
> 何か余程のものが見つかったに違いない。
> 最悪の場合それは・・・。
まさか、やっぱり・・・。
> あたしはきりっと爪を噛んだままで、二人を見た。
>「一見にしかず、ね。案内して」
> 言いながらあたしはすでに歩き出していた。
> 二人の村人は、ああ、と低く答えてから足早に先を歩いたのだった。
>
>    扉の持つ意味すなわちそれは。
>    別世界。
>    今在る世界と次に在る世界を繋ぐ。
>    次世界とでも言うべきか。
>    扉を開ける、すなわちそれは。
別世界・・・行きたいですね。    
> 事態は最悪の結果を持ってあたしの前に姿を現した。
>「テリー・・・」
> その場にいたのは、四人の村人とあたし達三人だった。
> 膝をつきうなだれ泣くジョイスの姿が視界の隅に見える。
ってコトは、ジョイスはこうなる事を望んでなかった、と。
> 一人の村人は天を仰ぎ、三人の村人はただただ言葉もなく地面を見据える。
> ガウリイもまた無言でたたずむ。
> あたしは、足音を立てながらそれへと近付いた。
> それ一一一。
> そう。テリュース・ハワードだったモノへと足を進めた。
> ガウリイもあたしの後についてくる。
> 悲しむより先にやるべきことがある。
そんな・・・。
> あたしとガウリイはテリーの死体の傍らにしゃがみこみ、じっくりと死体を見た。
> 死因は右側頭部における打撃と思われる。
> ぱっくりと裂けたその傷口は、いまだに血も流している。
うあ。
> つまり、さっきまで生きていたのだ。テリーは。
> 凶器は刃物というよりも鈍器めいた物らしい。
> いや、鈍器ではないだろう。おそらく木の棒かなんかではないだろうか。
> 幸いと言うのも不謹慎だが、ここは山中である。
> 凶器など腐るほどある。
・・・(;;)やっぱりですか。
> ガウリイが、あたしのマントをついと引っ張る。
>「・・・・なに?」
> 振り返るあたしに、ガウリイが囁くように言う。
>「リナ。テリーの腕を見てみろ」
>「・・・腕?」
> 言われるままにテリーの腕へと視線を落とす。が、なにもこれといって奇妙なものは見あたらないが。
>「手首だ、リナ」
> ・・・手首?
> 見ればなるほど、確かにテリーの手首には奇妙な痕跡が残っていた。
> 手首の回りに見えるのは赤い数本の筋。
> うっ血した血の跡としか思えない。
> テリーの口にはさるぐつわが噛まされている。
> つまりこれは、テリーの両腕を拘束していた縄かなにかの跡ではないだろうか。
なるほどぉ。。。・・・?”跡”???”縄”ではなくて”その跡”何ですか?
>「・・・おかしいわね」
> テリーを拘束するのはわかる。
> そのために、さるぐつわと縄とで縛りつけたのもわかる。
> だが、なぜ、テリーの手首を戒めていた縄をほどいた?
> さるぐつわはそのままだと云うのに。
猿轡はそのまま・・・もしかして、出歩かせた?
でも、殺すのなら・・・!!!!!!
また私なりに推理したんですけど、テリーは今まである所に監禁されていましたよね。
その”ある所”は、ディーン達のたまり場、って言うのも変ですが、そこには証拠がたくさんあったのでは?
ですから、そこで殺すのは好ましくない。だったらその場所より手前に、目立つモノを置けば良い。
つまり、テリーを。そこまでテリーを移動させるのには、担ぐよりも歩かせた方が良い。
おそらく、その時は猿轡もとって「もう解放する」的なコトを言ったのではないでしょうか?
テリーはディーンのコトを信じていなかったとしても、すきをついて逃げるためについていく。
そして、いきなり猿轡をします。テリーが悲鳴をあげないように。
そしてその辺の木の棒等で・・・
> なにか、深い意味があるのだろうか?
> まったくの無意味とも思われないが・・・。
> あたしはそっとテリーの死体に触れた。
> まだ暖かみを残したままで、テリーは目を見開きあたしの方を凝視していた。
うあぁ。。。
> ゆっくりと、その瞳を閉じさせる。
> その時、ざわざわと人の気配がこちらへと近付いてきたのだった。
> 発煙筒を見た他の村人達が、ようやくたどり着いたのだ。
・・・村人さん達は、ダイジョブでしょうか?
>    あたしは扉を開ける。
>    恐くはない。
>    新しい世界を受け止める。
>    そう。
>    扉を開ける時に、例え一一一。
>
>
>こんばんは!あごんです!
こんちゃ!みいです!
>ようやく最後の事件です!
>とゆーか最初の事件と言っても過言ではないのですが。
ホンっトに当りましたねー。。。今回の推理は当ってますか?
>次回は本当に最終回となります!
>ずいぶんと長引いた作品となってしまいましたが、すべては次回に収束されます。
ゼロス君vの言葉もわかるんですねっ!?
>ではでは、なんでしたら、今からでも続きを書こうかしら、なあごんでした!
であであ、みいでしたっ!!!

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13143無事に完結致しました!あごん E-mail 1/12-23:55
記事番号13127へのコメント

こんばんは!みい様!
ほんとーにいつもいつもレスありがとう!
あごんの小説はレスしにくいでしょうに(苦笑)。
 
よーやく終わりました!
しかも長いです(爆)!
みい様の推理は・・・どうでしょう?
本文をご覧になってくださいませ♪
そうですね、ただ言えるのは、私が論理的な推理物が好きですので。
探偵が想像を働かせてあーだこーだ言うものは書けません。
そこに見える証拠を挙げる。
それがいわゆるプロセス(途中経過)を大事にした推理物です。

長らく、こんな駄文に付き合っていただき大変感謝しております。
本当にありがとうございました!
お礼のゼロリナでも・・・とは思うのですが(笑)。
書けそうもありません(笑)。

あと、慣性の法則ですが。
あらまぁ。お兄様ったらオチャメですねぇ(笑)。
え〜と。
物体がその状態であり続けようとする法則ですかね、確か(おい)。
落下する物を受け止めた時、重さがありますよね?
それは落下する物体が落下し続けようとしているからなんですね。
・・・多分(オイコラ)。

ではでは、頭も良くなるあごんの小説、いかがでしたか(笑)?
ではまた近い内に会えることを祈りつつ。
あごんでした!


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13141この〜木なんの木♪(気になる気になる)砂緒 E-mail 1/12-20:47
記事番号13114へのコメント

こんにちわ。砂緒です!!
なんなんでしょうね、このタイトルは・・・(ごめんなさい)


>「・・・ひっく・・・はい・・・ぐすっ」
> 傷は全員無いも同然だった。
> 枝や葉で切り傷が少々出来たくらいだから、そんなに泣く事も無いだろうに。
「泣くよ普通はこんな目にあえば・・・」
と思ったのはわたしだけではないはずです。(きっぱり)


> あたしは、足音を立てながらそれへと近付いた。
> それ一一一。
> そう。テリュース・ハワードだったモノへと足を進めた。
テリ―が死んでしまうとは・・・結構意外でした。
無事なんじゃないかな、と勝手に決めつけていたので・・・。
第一印象から彼に決めていました(←何を?)


>「・・・おかしいわね」
> テリーを拘束するのはわかる。
> そのために、さるぐつわと縄とで縛りつけたのもわかる。
> だが、なぜ、テリーの手首を戒めていた縄をほどいた?
> さるぐつわはそのままだと云うのに。
> なにか、深い意味があるのだろうか?
> まったくの無意味とも思われないが・・・。
「ふふふ・・・それは犯人にとって予定外の行動だったんだ!!」
「なんですって!?」
「犯人は、そうせざるをえなかったんだ!!」
という言葉しか頭に浮かんでこない、想像力の欠如している砂緒です。


>    あたしは扉を開ける。
>    恐くはない。
>    新しい世界を受け止める。
>    そう。
>    扉を開ける時に、例え一一一。
ふと思い浮かんだんですけど。
口口口口・・・って「自分勝手」とかですか?
たぶん違いますね、はい。


>こんばんは!あごんです!
>ようやく最後の事件です!
>とゆーか最初の事件と言っても過言ではないのですが。
最初で最後の事件。
あ・・・ちょっとかっこいいかも(言葉的に)


>次回は本当に最終回となります!
最終回!?さびしいです〜(涙)


>ずいぶんと長引いた作品となってしまいましたが、すべては次回に収束されます。
気になりますね・・・。
とうとうすべての謎が解き明かされるっ!!


>ではでは、なんでしたら、今からでも続きを書こうかしら、なあごんでした!
書いてくださいすぐにでもっ!!
楽しみに待ってますね♪

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13144みんなが集まる木ですから〜♪(但し食人樹ですが)あごん E-mail 1/13-00:05
記事番号13141へのコメント

こんばんは!砂緒様!
レスありがとうございます!
 
いや〜、変換一発目に実に純真な気持ちになれることで有名な砂緒様からのレス嬉しいです!
あ、因みに私は「すなお様」とお呼びしてますが。

お陰様でなんとか完結の日の目を見る事ができました!
ありがとうございます!

よく、小説や漫画で「キャラが勝手に動く」ってありますよね。
あれ、嘘だと思ってたんですが、本当でした(笑)。
砂緒様のご小説も大変楽しみにしております〜〜!
初めてのご小説なんでしたよね?クリ・クロ(かってに略すな!)。
キャラが勝手に動くのでご注意を〜(笑)。

ではでは、推理小説でつきものの
「読者への挑戦状」付き最終回!
よろしければご一読下さいませ!
すんごいヘボイ推理物ですが(苦笑)。

ではでは、長らくお付き合い頂き大変感謝しております!
またいつか会える事を祈りつつ。
あごんでした!



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13142I long for your love(後編の20・最終回)あごん E-mail 1/12-23:43
記事番号13114へのコメント

 さほどの時を置かずして、村人達はほぼ集まった。
 皆が皆、最初にテリーの遺体をその目にしてから、大きな動揺を瞳に走らせ絶望の呼気を吐き出した。
 一人一人と村人の数が増えるごとに、場には悲哀と憎悪の念が比例して、いや、相乗して支配した。
「・・・・・・・・」
 あたしは無言で周囲を見渡す。
 現在、何人の村人が集まって、何人の村人が到着していないのかはわからない、が。
 少なくとも、ここにディーン・ローラントの姿は未だに見えないことはわかった。
 一一一苛々する。
 
   『人間というものは□□□□な存在ですねぇ』

 あたしは、なにかを見逃している。
 決定的な何かを。
 それが、一体何なのかが、わからない。
 一一一苛々する。

 あたしが取り留めの無い事をつらつらと考えていたその時だった。
 がさりっ。
 今日何度目なるか数えるのも馬鹿らしいが、茂みが音を立てた。
 どうやら次の村人達の到着らしい、と思い、つっと視線をそちらへと向ける。
 足音からして、3人・・・いや、4人といったところか。
 しかし予想に反して現れた姿は5つであった。
「・・・ディーン・・・?」
 ジョイスの掠れた声が、わずかに震えながら風に乗る。
 そう。現れた五人の内、一人はディーン・ローラントであった。
 両脇を男達に支えられながらの登場であった。

「ディーン・・・!?」
 ジョイスが慌てて恋人の元へと駆け寄る。
 ディーンは短い苦笑でそれに応えた。
「ちょいとドジっちまった」
 右足を引きずりながら、彼はそう言った。
「・・・魔道士さんっ!」
 ディーンの左肩を支えている30絡みの男があたしを呼んだ。
 言われるまでもなく、あたしの足はディーンの方へと歩み出している。
「ディーンが骨折してるっ!治せないか!?」
「・・・状況にもよるわ」
 そう言いながらあたしは、ディーンの右足元で膝を付いた。
 しっかりと副木が添えてあり、どうやら状況は良いようである。
 説明しておこう。
 魔道で骨折はたしかに治る、が、全ての骨折が治るというわけでもない。
 複雑骨折ならば治らないし、単純骨折でも状態によるのだ。
 折れた部分が綺麗に繋がってなければ、治癒の術を行使してみたところで妙に曲がったままで繋がる事も多い。
 しかし、ディーンの右足は折れた部分がしっかりと繋がっている。
 しかもちゃんと副木が当てられているではないか。
「・・・自分で戻したの?」
 あたしはディーンの瞳を真っ直ぐに見てそう聞いた。
「ああ・・・」
「へぇ。どーやら根性は人並以上かしらね」
 目を逸らしぶっきらぼうに答えるディーンを、あたしはちょいと見直しつつ感嘆した。
 そう。この折れた骨を元の状態に戻すとゆー行為は生半可なこんじょーでは出来ないのだ。
 想像してみてほしい。 
 折れ曲がり、ずれた骨を引っ張り更に患部へと戻すっ!
 うあ想像しただけでイタイし。
 とにもかくにも、あたしは治癒の術を詠唱し始めたのだった。

 はらりっとディーンの右足に当てられていた副木がその紐と同時に外された。
「・・・痛くねぇ・・・」
 ぼそりとディーンが左手で右足をさすりながら無愛想に呟く。
 いや、無愛想とゆーのは偏見か。
 正確には魔術の効果にびっくりした時の素直な反応だろう。
「そりゃ重畳な事で」
 あたしは自分でも驚くほど冷徹な声でそれだけ言った。
 その時ガイリイが、あたしの傍らにやってきて耳元に口を近付けてきた。
 そして、ぼそりと低い声で呟いた。
 あたしはその内容に目を見開いた。
 ・・・見逃していたモノが全てわかったのもこの時だった。

読者への挑戦状(笑)!!
 さて、リナは決定的な証拠と証言を手にしました。
 犯人は勿論、ディーンです。
 一度言いたかったこの言葉をわたしは言います。
 「読者へ挑戦します。
  リナのつかんだ決定的な証拠とは?
  決定的な証言(かな?)とはなんでしょう?」


 ひとしきりの慟哭と激情の時は今や過ぎた。
 あたしはただ黙って全てを見ていた。
 泣く村人達、怒る村人達、そして悲しむ村人達。
 次の台詞はもうわかっていた。
「さぁ、泣いてばかりでもいられないだろう。テリーをこんな目に遭わせた犯人は許せないが、いつまでもテリーをこのままでこんな場所に置いてもおけない。とにかく、村長への報告もあるし一旦村へと帰ろう」
 この中で一番年配の男がそう声をかける。
 あたしはここでマントをばさりっと翻した。
 その場にいる全員の目があたしに集中する。
 一瞬だけ満ちる沈黙。いや、静寂か。
 その隙間を縫うようにしてあたしは口を開いた。
「そーね。泣いてばかりもいらんないわね。犯人がこの中にいるってのにね」
 ざわざわざわざわっ!!
 当たり前だが、ざわめきが辺りの空気を震わせる。
「静かに。これからあたしが喋ることに口を挟ませないわ」
 ぐるりと周囲に目を流す。
「異論・反論は後でまとめて聞くわ。いいわね?」
 戸惑いと不安と。
 二つの感情とまでも呼べない漠然としたモノがあたしを包み込む。
 村民達は誰一人とて口を開かない。
「・・・いいでしょ。それはあたしの意見を呑んだとみなすわ」
 そして、あたしはまずディーンを支えていた二人の村人へと視線を向けた。 
「さて、ますはあなた達に質問よ」
 ごくりっと彼らの喉が唾下する。
 おやおや、随分と緊張しているようである。
「ディーンとはどこで会ったの?」
「・・・少し奥に行った沢の所で、ディーンが転がり出てきたんだ」
「なるほど」
 あたしが意味深にうなずくのを見て、別の男が声を荒げる。
「どーゆー意味だ!?まさかディーンが犯人だと!?」
「口を挟まない。そー言ったはずよ」
 ぎろりと軽く睨め付ける。
「・・・っ!そうは言うがっ!」
「やかましいっ!こーゆーのは最後に『あなたが犯人ですぅ』って言うのがセオリーなのよっ!」
 何か言葉を続けようとした男をあたしはそう怒鳴り付けた。
 ガウリイが困った顔で、
「お前なぁ。日に日に自分様になっていってるぞ。自覚あるか?」
「うっさいわね!しょーがないでしょ!『ドクシャヘノチョウセンジョウ』付けちゃったんだから!」
「ドクシャヘノ・・・?なんだよそれ」
「ぅやかましいぃぃっ!とにかく!最後まで黙って聞いててもらうわ!異論・反論は後でって言ったはずよ!」
 あたしの妙な迫力に押されたのか、村人達はこくこくとうなずいた。
 うみゅうみゅ。よろしい。
「さて、もうひとつ。ディーンはその時すでに副木を添えていた?」
 振り返り尋ねるあたしに、男は重々しくうなずいた。
 やっぱし、ね。
 ちらり、とガウリイへと視線を送る。
 ガウリイは心得たとばかりにちょっとだけ顎を引く。
 そしてガウリイの右足が、予備動作もなく動いた。
 ひゅんっ! 
 小さな風切り音をともないながら、今ガウリイの右足が蹴りあげた小石がディーンへと向かう。
「!?」
 声をあげるいとまもあればこそ。
 ディーンは驚き、目を見張ったままでその左腕で小石から身をかばった。
「・・・どーやら左利きのようね?ディーン・ローラント」
「・・・それが?」
 怒りさえ感じさせるその声が、あたしにぶつかる。
 あたしはそれを相手にせずに、もう一度村人達に視線を投げかけた。
「さて、何が言いたいかわかった人はいる?」
「・・・・・・・・」
 返答はやはり無言であった。
「テリュース・ハワードの致命傷は右側頭部への殴打、だわ」
 そこでガウリイへともう一度視線を送る。
 ガウリイが腰に差してある斬妖剣をすらりっと抜き、あたしへと振りかぶる。
「なっ!?」
 幾重にも重なった悲鳴が村民達の口から飛び出る。
 あたしは直立不動のままでその剣が目前に迫るのを見ていた。
 ひゅおぉんっ!!
 鋭い風切り音と共に、ガウリイの剣が振り降ろされる。
 しかし、当然だがその切っ先はあたしと一寸ほどの間を開けてぴたりと止まる。
 いや、正確に言おう。
 あたしの左側頭部と一寸ほどの間を開けて、と。
「言いたいことがわかったかしら?」
 あたしは顔だけを動かして彼らを見回したのだった。
  
「つまり、普通は右利きの人間がエモノを振り降ろす場合、目標の左側にぶち当たるわ」
 あたしのその言葉に、何人かが実際に振り降ろす真似をする。
「・・・ホントだ」
「ああ。確かにそうだが・・・」 
 ところどころで上がる声。それ構わずあたしは続けた。
「テリーは右側頭部に殴打を受けていたわ・・・」
 そう。先ほどガウリイがあたしに耳打ちしたのはこのことだったのだ。
 犯人はおそらく左利きだ、と。
 その時、あたしは唐突に思い出したのだ。
 初めてディーンと会った日、確かディーンは左手をドアノブにかけていたことを。
 ガウリイは右足を左手でさするディーンに目を留めたようだが。
「俺だけが左利きってわけじゃあないだろうっ!?」
 ディーンの声が妙に虚しく響き渡る。
 あたしはそれを冷めた目で聞き流す。
「さて、次の問題よ。テリーを戒めていたであろう縄、の問題」
「・・・・くっ!おいっ!聞いてんのか!?」
 がつっ、とディーンの左手があたし肩にかけられた。
「異論・反論は後よ」
 そーあたしが言う前に、
「リナが言ってたろ?話は最後まで聞けってな」
 ガウリイがディーンのその手をねじあげる。
「・・・ぐっ・・!」
「そーゆー事」
 苦痛の声を上げるディーンにあたしは涼しく言い放つ。
「ディーン。あなた、副木を支えていたこの紐」
 言いながらあたしは、地面に落ちていた紐を拾い上げる。
「どこで手に入れたの?」
 この言葉に辺りに緊張が走る。
 再びざわめく人々。
「・・・持ってたんだよ。それだけだ」
「テリーの手首にあるうっ血の跡と合わせてみてもいーのかしら?」
「・・・似たような太さの紐ならごまんとあるだろうさっ!」
「なぜ、偶然にも紐を持っていたの?」
「・・・事があった時の為だ・・・」
「ふぅん・・・。じゃあ、熊に襲われた時の為に刃物位持ってたらよかったのに。蛇に噛まれた時の為に毒消し草くらい持ってればいいのに。それから、折角の発煙筒を骨折した時に使えばいーのにね」
 あたしの相次ぐ言葉にディーンはその場で膝を付いた。
「使えないわよね。発煙筒。ずっとこの近くに潜んでいたんだから」
 がっくりと。
 ディーンの両肩が見てわかるほどに落ち込んだのだった。

「そんな・・・ディーンが?」
「まさか。信じられない。テリーとはあんなに仲が・・」
 三度ざわめく人々に混じって、蒼白にした顔をこちらに向けたジョイスと目が合う。
「ジョイス。さっき確かこう言ったわね」
 あたしの声に再び静寂が戻り、視線があたしとジョイスへと交互に向けられた。
「『すごい。本当に目がいいんだ』ってね」
「・・・は、はい」
 一一一愚か者。
「どーして知ってたの?ガウリイの視力がいいってことを」
 ジョイスはますます顔を蒼白にしながら、震える声でこう言った。
「父さん・・・父が、会合であなた達がケアヌのトリックを見破ったって・・」
「言ったわ。確かに。但し一目で、とは言ってないし、ハワードさんはあたし達の綿密な調査と言ったけどね」
 衝撃が彼女の顔にヒビを入れたかのような錯覚を覚えた。
「ガウリイの目の良さを知っているのは、あたしと、テリーだけよ」
 一一一苛々する。
 頭の端であたしはそう思った。

「がふぅっ!!」
 奇妙にくぐもった呻き声が耳に届いた。
 あたしは、ひどく。
 ひどく冷静にその声の生まれた方を見た。
 ディーンが口から、鼻から多量の出血をしながらのたうちまわっていた。
「・・・覚悟の自殺ってわけ?」
 ぽつりと呟くその声は誰にも聞こえなかっただろう。
 おそらくは毒物だろう。だがしかし。 
「がはっ・・!」
 続いて響く少し高めの呻き声。
 もうそちらを見る気もおきなかった。
「おいっ!リナ!毒消しの魔法あるだろう!?」
 ガウリイの焦る声があたしにかけられる。
 そしてあたしはようやく思い出した。
 あの時のゼロスの言葉を。
 そして、なぜあの夢を見たのかも。
 なぜ、こんなにも苛付くのかも。
 そう。あの時ゼロスは一一一。
「けはっがはぁっ!!」
「げふっ!げほげほっ!」
 目を閉じてもわかる、呻き声の種類が変わった事に。
「ほっといても大丈夫よ。だって・・・」

   『人間というものは』

「もう毒は吐いてるわ」

   『中途半端な存在ですねぇ』

「こんな中途半端な気持ちで犯罪を犯した奴らよ?」

   旅の連れで、友人で。

「そんな半端な人間が」
  
   戦友でもあり、兄妹のようで。

「覚悟の自殺なんて出来るわけないわ」

   仲間でもあるし、保護者と被保護者で。
   こんな関係を表す言葉があったはずだ。

 だから、あたしはあの夢を見たし、だからあたしはその言葉を思い出せなかったのだ。


 村人達に運ばれて、ディーンとジョイスは村へと帰った。
 一応、症状を見てくれと頼まれたので二人の容態を診てみた。
 何日間かは安静が必要だが、命に関わるほどではない。
 
 ガウリイの大きな手があたしの頭に、いつものように優しく置かれた。
「・・・リナ?大丈夫か?」
 心配気なその優しい声。
 だが。
 ぱしぃんっ! 
 乾いた音が、二人の残された山に響いた。
 あたしが、その優しい大きな手を叩き落としたのだ。
「・・・リナ?」
 ぱしんっ!
 再びあたしの髪を触ろうとするその手を、あたしは叩いた。
    
   次の世界へと続く扉。
   未知の世界に繋がる扉。
   扉を開けるんだったら。
   音の一つや二つ。
   しないなんて嘘だ。

「びびってんじゃあないわよ?ガウリイ・ガブリエフ」
 皮肉気な笑みが顔に拡がっているのがわかる。
 あたしのその言葉に、表情に一瞬ガウリイの顔が強ばる。
 しかし、それも一瞬の事だった。
「びびってんじゃあないぜ?リナ・インバース」
 珍しく。本当にガウリイには珍しくその顔に皮肉めいた笑いが生まれた。
 あたしは、その言葉に身体を貫かれるような衝撃を感じた。
 そうだ。この居心地の良い、中途半端な関係を。
 一番望んでいたのはあたしかも知れない。
「びびってなんかいないわよ。あたしは・・・!」
 言う。
 言わなきゃならない。
 こんな中途半端な、ぬるま湯に浸かったような関係はもう厭だ!
 ふわりっ。
 身体が優しく、暖かく包み込まれた。
 ガウリイに抱き締められていると、そう気付くのに時間を要した。
「・・・ガウ・・リ・・・」
「すまん。俺から言う。俺が言う。俺に言わせてくれ」
 先ほどの皮肉な物言いが嘘のようなガウリイの声だった。
「イヤよ。あたしが言うの。譲らないわよ」
「俺も譲らん。俺が言う」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
 抱き締められたそのままで。
 あたし達はすこしだけ、笑い合った。

「じゃあ、せーのーでで言おう」
「ん〜〜〜。いーわ。それでいきましょ」
「せーのー・・・」
「待って!」
 言いかけたガウリイの言葉をあたしは遮った。
「なんだよ?」
 訝かし気にガウリイが聞く。
 あたしは少々照れながら、こう言った。
「このまんまじゃ嫌よ。ガウリイの顔、ちゃんと見ながら言いたい」
「あ。そっか。俺もリナの顔、見れないもんなぁ」
 そう。実はまだあたしはガウリイの胸の中にいたりする。
 優しく、なぜかためらいがちにガウリイがあたしを解放した。
 そして、あたし達は見つめ合い。
 こう言った。

「あなたの愛が欲しくてどうしようもない」
  〜I long for your love〜  



終わりました!
あっ!ご挨拶が遅れました!
あごんですっ!
よーやく終わりました!あいろんぐふぉーゆあらぶ!!
いやいや、一時はどーなるかと思いましたが(笑)。
なんとか終わりまでこぎつけました!
要するに、私が言いたいのは、「ガウリイ!てめー!もっとちゃんとしろっ!」
とゆー事なのです(笑)。
最初は、最後の告白はガウリイだけのセリフでしたが、書き終えるとアラ不思議。
リナまで言ってるし(笑)。
中途半端な二人ですから、何か事件が起きないと気付かないかな、と思い、だったら中途半端な事件を作ろう!となり出来上がった本作です。
ああ〜、長かったですね(号泣)。
レスを下さった皆様、読んで下さった皆様、メールを下さった皆様、本当にありがとうございました!
一応、次の長編も案だけはあります(ダメじゃん)。
題して!
ガウリイ・ガブリエフに捧げる犯罪(仮題)!
まー当分は書きませんが(笑)。

ではでは、近いうちにまた会える事を祈りつつ。
本当にありがとうございました!

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13145さいこぉぉぉぉですぅぅぅぅぅぅぅ(号泣)ゆえ 1/13-00:23
記事番号13142へのコメント

こんにちは、ゆえですっ。

>よーやく終わりました!あいろんぐふぉーゆあらぶ!!

お疲れさまでした〜!祝完結。
レスを付けるのが最終話になってしまいましたが、毎回楽しみにしていたので、また一つ生きていく楽しみが・・・・


>要するに、私が言いたいのは、「ガウリイ!てめー!もっとちゃんとしろっ!」
>とゆー事なのです(笑)。

最後はちゃーんと、決めたと思いますぞ、ガウリイ殿。


凄い、内容の濃い話で、最後はほんと全てが集約されて、ただただ素晴らしいですっと、申し上げるしかできませーん。

おばかな私には『どくしゃへのちょーせなじょう』解けませでした(しくしくしく)
それでも、ぐいぐいっと一気に読んでしまいました。

二人の告白も、リナとガウリイらしいですよね。

次回作も、もうご用意されてるとか♪とーぶんとは言わずに、またお願いいたします。楽しみにお待ちしてますので。



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13146ありがとうございますぅぅぅぇぇぁぁぁっ!あごん E-mail 1/13-02:27
記事番号13145へのコメント

ゆえさんは No.13145「さいこぉぉぉぉですぅぅぅぅぅぅぅ(号泣)」で書きました。
  こんばんは!あごんです!
  きゃあっ!レスありがとうございます!

>お疲れさまでした〜!祝完結。
>レスを付けるのが最終話になってしまいましたが、毎回楽しみにしていたので、また一つ生きていく楽しみが・・・・
  そんな!マジであごんには勿体ないお言葉です! 
  しかし。なんとか終われてほっとしてます。
>
>最後はちゃーんと、決めたと思いますぞ、ガウリイ殿。
  そーでしょーか?
  だったらいーんですけど(笑)。
  もうちっと男らしくしても良かったかなーと思っておりましたので。
  嬉しいお言葉です♪
>
>凄い、内容の濃い話で、最後はほんと全てが集約されて、ただただ素晴らしいですっと、申し上げるしかできませーん。
  ひゃあっ!
  光栄の至りですっ!

>おばかな私には『どくしゃへのちょーせなじょう』解けませでした(しくしくしく)
>それでも、ぐいぐいっと一気に読んでしまいました。
  いやぁ、読者への挑戦状はただのオアソビですので。
  推理ファンの夢ですから(笑)。

>二人の告白も、リナとガウリイらしいですよね。
  白状しますと、最後のあの場面が書きたくて書いた小説だったのです。
  とゆーか、あの場面以外は結構いきあたりばったりだったんです(笑)。
  ですから、どーも最後だけちょいと浮いてる気もしますが。

>次回作も、もうご用意されてるとか♪とーぶんとは言わずに、またお願いいたします。楽しみにお待ちしてますので。
  とんでもない(笑)。
  用意なんてしてませんよ。決まってるのはタイトルとコンセプトだけです(駄目じゃんソレ)。
  とにかく、ガウリイファンの、ガウリイファンによる、ガウリイファンの為の自己満足小説になるのは決定してますが(笑)。
  まー。線路(ガウリナ)は続くよ、どこまでも♪な内容ですけど!
  ではでは、こんな長いだけの味も素気もない駄作にお付き合いいただき感謝です!
  ゆえ様の「天空歌集2」を楽しみに生きるあごんでした!
  ぴー・えす。
   またリクエストとかしてもいーですか(調子に乗り過ぎ?)? 
>
>

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13148Re:お疲れさまですぅっ!!!みい E-mail 1/13-12:22
記事番号13142へのコメント

あごんさんは No.13142「I long for your love(後編の20・最終回)」で書きました。
こんちゃ〜!みいでっす!22話で完結ですねっ!これで、これでやっとゼロス君vの言葉がわかります〜っ!!!

> さほどの時を置かずして、村人達はほぼ集まった。
> 皆が皆、最初にテリーの遺体をその目にしてから、大きな動揺を瞳に走らせ絶望の呼気を吐き出した。
> 一人一人と村人の数が増えるごとに、場には悲哀と憎悪の念が比例して、いや、相乗して支配した。
ゼロス君がいたらムチャクチャ喜びそうな・・・負の感情溢れまくってますねぇ。。。
>「・・・・・・・・」
> あたしは無言で周囲を見渡す。
> 現在、何人の村人が集まって、何人の村人が到着していないのかはわからない、が。
> 少なくとも、ここにディーン・ローラントの姿は未だに見えないことはわかった。
> 一一一苛々する。
みょ? 
>   『人間というものは□□□□な存在ですねぇ』
あうあうあうっ!!!気になります〜っ!!!
> あたしは、なにかを見逃している。
> 決定的な何かを。
> それが、一体何なのかが、わからない。
> 一一一苛々する。
なんなんでしょうか?
> あたしが取り留めの無い事をつらつらと考えていたその時だった。
> がさりっ。
> 今日何度目なるか数えるのも馬鹿らしいが、茂みが音を立てた。
> どうやら次の村人達の到着らしい、と思い、つっと視線をそちらへと向ける。
> 足音からして、3人・・・いや、4人といったところか。
> しかし予想に反して現れた姿は5つであった。
>「・・・ディーン・・・?」
> ジョイスの掠れた声が、わずかに震えながら風に乗る。
> そう。現れた五人の内、一人はディーン・ローラントであった。
> 両脇を男達に支えられながらの登場であった。
なるほど。だから足音は3、4人なんですね?
>「ディーン・・・!?」
> ジョイスが慌てて恋人の元へと駆け寄る。
> ディーンは短い苦笑でそれに応えた。
>「ちょいとドジっちまった」
> 右足を引きずりながら、彼はそう言った。
うにゅ?
>「・・・魔道士さんっ!」
> ディーンの左肩を支えている30絡みの男があたしを呼んだ。
> 言われるまでもなく、あたしの足はディーンの方へと歩み出している。
>「ディーンが骨折してるっ!治せないか!?」
>「・・・状況にもよるわ」
> そう言いながらあたしは、ディーンの右足元で膝を付いた。
> しっかりと副木が添えてあり、どうやら状況は良いようである。
> 説明しておこう。
> 魔道で骨折はたしかに治る、が、全ての骨折が治るというわけでもない。
> 複雑骨折ならば治らないし、単純骨折でも状態によるのだ。
> 折れた部分が綺麗に繋がってなければ、治癒の術を行使してみたところで妙に曲がったままで繋がる事も多い。
> しかし、ディーンの右足は折れた部分がしっかりと繋がっている。
> しかもちゃんと副木が当てられているではないか。
>「・・・自分で戻したの?」
> あたしはディーンの瞳を真っ直ぐに見てそう聞いた。
>「ああ・・・」
ほ、ほぇえええええええっ!!!!!!ま、まさか・・・!(;;)
自分で骨を元の位置に戻して添え木を当てたんですかっ!?
>「へぇ。どーやら根性は人並以上かしらね」
> 目を逸らしぶっきらぼうに答えるディーンを、あたしはちょいと見直しつつ感嘆した。
> そう。この折れた骨を元の状態に戻すとゆー行為は生半可なこんじょーでは出来ないのだ。
> 想像してみてほしい。 
> 折れ曲がり、ずれた骨を引っ張り更に患部へと戻すっ!
> うあ想像しただけでイタイし。
あうあうあうっ!!!(;;)
> とにもかくにも、あたしは治癒の術を詠唱し始めたのだった。
・・・(;;)←未だ立ち直っていない
> はらりっとディーンの右足に当てられていた副木がその紐と同時に外された。
・・・?何か引っ掛かってるんですけど・・・何でしょう???
>「・・・痛くねぇ・・・」
> ぼそりとディーンが左手で右足をさすりながら無愛想に呟く。
> いや、無愛想とゆーのは偏見か。
> 正確には魔術の効果にびっくりした時の素直な反応だろう。
>「そりゃ重畳な事で」
> あたしは自分でも驚くほど冷徹な声でそれだけ言った。
いくら殺人者だってそんなに冷たくしなくても・・・。。。
> その時ガイリイが、あたしの傍らにやってきて耳元に口を近付けてきた。
> そして、ぼそりと低い声で呟いた。
> あたしはその内容に目を見開いた。
> ・・・見逃していたモノが全てわかったのもこの時だった。
なんでしょう???
>読者への挑戦状(笑)!!
ほえっ?
> さて、リナは決定的な証拠と証言を手にしました。
> 犯人は勿論、ディーンです。
> 一度言いたかったこの言葉をわたしは言います。
> 「読者へ挑戦します。
>  リナのつかんだ決定的な証拠とは?
>  決定的な証言(かな?)とはなんでしょう?」
えええええ〜っ?何ですか〜???

> ひとしきりの慟哭と激情の時は今や過ぎた。
> あたしはただ黙って全てを見ていた。
> 泣く村人達、怒る村人達、そして悲しむ村人達。
はう。。。傷ついた魔族がこない事をお祈りしてます。(笑/復活しちゃうじゃないですか?)
> 次の台詞はもうわかっていた。
>「さぁ、泣いてばかりでもいられないだろう。テリーをこんな目に遭わせた犯人は許せないが、いつまでもテリーをこのままでこんな場所に置いてもおけない。とにかく、村長への報告もあるし一旦村へと帰ろう」
> この中で一番年配の男がそう声をかける。
> あたしはここでマントをばさりっと翻した。
> その場にいる全員の目があたしに集中する。
> 一瞬だけ満ちる沈黙。いや、静寂か。
> その隙間を縫うようにしてあたしは口を開いた。
>「そーね。泣いてばかりもいらんないわね。犯人がこの中にいるってのにね」
えぇっ!?言っちゃうのっ!???
> ざわざわざわざわっ!!
> 当たり前だが、ざわめきが辺りの空気を震わせる。
>「静かに。これからあたしが喋ることに口を挟ませないわ」
> ぐるりと周囲に目を流す。
>「異論・反論は後でまとめて聞くわ。いいわね?」
> 戸惑いと不安と。
> 二つの感情とまでも呼べない漠然としたモノがあたしを包み込む。
> 村民達は誰一人とて口を開かない。
>「・・・いいでしょ。それはあたしの意見を呑んだとみなすわ」
って言っても、絶対口挟むと思うんですけど・・・。
> そして、あたしはまずディーンを支えていた二人の村人へと視線を向けた。 
>「さて、ますはあなた達に質問よ」
> ごくりっと彼らの喉が唾下する。
> おやおや、随分と緊張しているようである。
>「ディーンとはどこで会ったの?」
>「・・・少し奥に行った沢の所で、ディーンが転がり出てきたんだ」
>「なるほど」
> あたしが意味深にうなずくのを見て、別の男が声を荒げる。
>「どーゆー意味だ!?まさかディーンが犯人だと!?」
>「口を挟まない。そー言ったはずよ」
ほら。
> ぎろりと軽く睨め付ける。
>「・・・っ!そうは言うがっ!」
>「やかましいっ!こーゆーのは最後に『あなたが犯人ですぅ』って言うのがセオリーなのよっ!」
> 何か言葉を続けようとした男をあたしはそう怒鳴り付けた。
・・・せおりーって・・・。。。
> ガウリイが困った顔で、
>「お前なぁ。日に日に自分様になっていってるぞ。自覚あるか?」
>「うっさいわね!しょーがないでしょ!『ドクシャヘノチョウセンジョウ』付けちゃったんだから!」
>「ドクシャヘノ・・・?なんだよそれ」
リナちゃんも知ってるのね?<読者への挑戦状>。
>「ぅやかましいぃぃっ!とにかく!最後まで黙って聞いててもらうわ!異論・反論は後でって言ったはずよ!」
> あたしの妙な迫力に押されたのか、村人達はこくこくとうなずいた。
> うみゅうみゅ。よろしい。
をーい。。。
>「さて、もうひとつ。ディーンはその時すでに副木を添えていた?」
> 振り返り尋ねるあたしに、男は重々しくうなずいた。
> やっぱし、ね。
> ちらり、とガウリイへと視線を送る。
> ガウリイは心得たとばかりにちょっとだけ顎を引く。
> そしてガウリイの右足が、予備動作もなく動いた。
> ひゅんっ! 
> 小さな風切り音をともないながら、今ガウリイの右足が蹴りあげた小石がディーンへと向かう。
>「!?」
> 声をあげるいとまもあればこそ。
> ディーンは驚き、目を見張ったままでその左腕で小石から身をかばった。
>「・・・どーやら左利きのようね?ディーン・ローラント」
>「・・・それが?」
> 怒りさえ感じさせるその声が、あたしにぶつかる。
> あたしはそれを相手にせずに、もう一度村人達に視線を投げかけた。
>「さて、何が言いたいかわかった人はいる?」
>「・・・・・・・・」
> 返答はやはり無言であった。
>「テリュース・ハワードの致命傷は右側頭部への殴打、だわ」
あっ!(思わず声出しちゃいました)なるほどっ!
> そこでガウリイへともう一度視線を送る。
> ガウリイが腰に差してある斬妖剣をすらりっと抜き、あたしへと振りかぶる。
>「なっ!?」
> 幾重にも重なった悲鳴が村民達の口から飛び出る。
> あたしは直立不動のままでその剣が目前に迫るのを見ていた。
> ひゅおぉんっ!!
> 鋭い風切り音と共に、ガウリイの剣が振り降ろされる。
> しかし、当然だがその切っ先はあたしと一寸ほどの間を開けてぴたりと止まる。
> いや、正確に言おう。
> あたしの左側頭部と一寸ほどの間を開けて、と。
>「言いたいことがわかったかしら?」
> あたしは顔だけを動かして彼らを見回したのだった。
>  
>「つまり、普通は右利きの人間がエモノを振り降ろす場合、目標の左側にぶち当たるわ」
そして・・・左利きの人は右側へ・・・ですよね?
> あたしのその言葉に、何人かが実際に振り降ろす真似をする。
>「・・・ホントだ」
>「ああ。確かにそうだが・・・」 
> ところどころで上がる声。それ構わずあたしは続けた。
>「テリーは右側頭部に殴打を受けていたわ・・・」
> そう。先ほどガウリイがあたしに耳打ちしたのはこのことだったのだ。
> 犯人はおそらく左利きだ、と。
> その時、あたしは唐突に思い出したのだ。
> 初めてディーンと会った日、確かディーンは左手をドアノブにかけていたことを。
なるほどー。。。イライラしてたのはコレだったんですね?
> ガウリイは右足を左手でさするディーンに目を留めたようだが。
>「俺だけが左利きってわけじゃあないだろうっ!?」
> ディーンの声が妙に虚しく響き渡る。
> あたしはそれを冷めた目で聞き流す。
>「さて、次の問題よ。テリーを戒めていたであろう縄、の問題」
>「・・・・くっ!おいっ!聞いてんのか!?」
> がつっ、とディーンの左手があたし肩にかけられた。
>「異論・反論は後よ」
> そーあたしが言う前に、
>「リナが言ってたろ?話は最後まで聞けってな」
> ガウリイがディーンのその手をねじあげる。
ん?・・・縄…縄…縄………紐っ!?そうかっ!!!テリーを縛っていた縄は、
ディーンの添え木の紐へと変わったわけですねっ!?はう。。。私の推理は外れちゃいましたねぇ。。。
>「・・・ぐっ・・!」
>「そーゆー事」
> 苦痛の声を上げるディーンにあたしは涼しく言い放つ。
>「ディーン。あなた、副木を支えていたこの紐」
> 言いながらあたしは、地面に落ちていた紐を拾い上げる。
>「どこで手に入れたの?」
やっぱり・・・。。。
> この言葉に辺りに緊張が走る。
> 再びざわめく人々。
>「・・・持ってたんだよ。それだけだ」
>「テリーの手首にあるうっ血の跡と合わせてみてもいーのかしら?」
>「・・・似たような太さの紐ならごまんとあるだろうさっ!」
>「なぜ、偶然にも紐を持っていたの?」
>「・・・事があった時の為だ・・・」
>「ふぅん・・・。じゃあ、熊に襲われた時の為に刃物位持ってたらよかったのに。蛇に噛まれた時の為に毒消し草くらい持ってればいいのに。それから、折角の発煙筒を骨折した時に使えばいーのにね」
> あたしの相次ぐ言葉にディーンはその場で膝を付いた。
>「使えないわよね。発煙筒。ずっとこの近くに潜んでいたんだから」
> がっくりと。
> ディーンの両肩が見てわかるほどに落ち込んだのだった。
うあ。リナちゃん非道です。。。まあ、確かにリナちゃんのモットーは『悪人に人権はないっ!』ですけどぉ。。。
>「そんな・・・ディーンが?」
>「まさか。信じられない。テリーとはあんなに仲が・・」
> 三度ざわめく人々に混じって、蒼白にした顔をこちらに向けたジョイスと目が合う。
>「ジョイス。さっき確かこう言ったわね」
> あたしの声に再び静寂が戻り、視線があたしとジョイスへと交互に向けられた。
>「『すごい。本当に目がいいんだ』ってね」
>「・・・は、はい」
> 一一一愚か者。
・・・?
>「どーして知ってたの?ガウリイの視力がいいってことを」
> ジョイスはますます顔を蒼白にしながら、震える声でこう言った。
>「父さん・・・父が、会合であなた達がケアヌのトリックを見破ったって・・」
>「言ったわ。確かに。但し一目で、とは言ってないし、ハワードさんはあたし達の綿密な調査と言ったけどね」
あ。なるほどっ!!!
> 衝撃が彼女の顔にヒビを入れたかのような錯覚を覚えた。
>「ガウリイの目の良さを知っているのは、あたしと、テリーだけよ」
> 一一一苛々する。
> 頭の端であたしはそう思った。
なぜ?
>「がふぅっ!!」
> 奇妙にくぐもった呻き声が耳に届いた。
にょっ!?
> あたしは、ひどく。
> ひどく冷静にその声の生まれた方を見た。
> ディーンが口から、鼻から多量の出血をしながらのたうちまわっていた。
うあ。。。
>「・・・覚悟の自殺ってわけ?」
> ぽつりと呟くその声は誰にも聞こえなかっただろう。
> おそらくは毒物だろう。だがしかし。 
>「がはっ・・!」
> 続いて響く少し高めの呻き声。
> もうそちらを見る気もおきなかった。
>「おいっ!リナ!毒消しの魔法あるだろう!?」
> ガウリイの焦る声があたしにかけられる。
> そしてあたしはようやく思い出した。
> あの時のゼロスの言葉を。
> そして、なぜあの夢を見たのかも。
> なぜ、こんなにも苛付くのかも。
> そう。あの時ゼロスは一一一。
>「けはっがはぁっ!!」
なんて言ったんですかぁっ!!!!
>「げふっ!げほげほっ!」
> 目を閉じてもわかる、呻き声の種類が変わった事に。
>「ほっといても大丈夫よ。だって・・・」
>
>   『人間というものは』
>
>「もう毒は吐いてるわ」
>
>   『中途半端な存在ですねぇ』
なるほどっ!!!!!だからゼルが、「それは俺への宛付けか?」って言ったわけですねっ!!!
>「こんな中途半端な気持ちで犯罪を犯した奴らよ?」
>
>   旅の連れで、友人で。
>
>「そんな半端な人間が」
>  
>   戦友でもあり、兄妹のようで。
あれ?ゼロス君vのコトではなさそうですねぇ・・・。。。
>「覚悟の自殺なんて出来るわけないわ」
>
>   仲間でもあるし、保護者と被保護者で。
>   こんな関係を表す言葉があったはずだ。
・・・ガウリイ?
> だから、あたしはあの夢を見たし、だからあたしはその言葉を思い出せなかったのだ。
>
>
> 村人達に運ばれて、ディーンとジョイスは村へと帰った。
> 一応、症状を見てくれと頼まれたので二人の容態を診てみた。
> 何日間かは安静が必要だが、命に関わるほどではない。
はう。。。 
> ガウリイの大きな手があたしの頭に、いつものように優しく置かれた。
>「・・・リナ?大丈夫か?」
> 心配気なその優しい声。
> だが。
> ぱしぃんっ!
へっ!? 
> 乾いた音が、二人の残された山に響いた。
> あたしが、その優しい大きな手を叩き落としたのだ。
>「・・・リナ?」
> ぱしんっ!
> 再びあたしの髪を触ろうとするその手を、あたしは叩いた。
えええええっ!!??    
>   次の世界へと続く扉。
>   未知の世界に繋がる扉。
>   扉を開けるんだったら。
>   音の一つや二つ。
>   しないなんて嘘だ。
???
>「びびってんじゃあないわよ?ガウリイ・ガブリエフ」
> 皮肉気な笑みが顔に拡がっているのがわかる。
> あたしのその言葉に、表情に一瞬ガウリイの顔が強ばる。
ほええええっ!!!どうしたの?リナちゃん???
> しかし、それも一瞬の事だった。
>「びびってんじゃあないぜ?リナ・インバース」
> 珍しく。本当にガウリイには珍しくその顔に皮肉めいた笑いが生まれた。
なに?なんなんですかぁあああああっ!!!!!
ぜはぁ、ぜはぁ、ぜはぁ…‥・
> あたしは、その言葉に身体を貫かれるような衝撃を感じた。
> そうだ。この居心地の良い、中途半端な関係を。
> 一番望んでいたのはあたしかも知れない。
>「びびってなんかいないわよ。あたしは・・・!」
> 言う。
> 言わなきゃならない。
> こんな中途半端な、ぬるま湯に浸かったような関係はもう厭だ!
> ふわりっ。
> 身体が優しく、暖かく包み込まれた。
> ガウリイに抱き締められていると、そう気付くのに時間を要した。
あああああっ!!!やっと、やあっと分かりました!!!
>「・・・ガウ・・リ・・・」
>「すまん。俺から言う。俺が言う。俺に言わせてくれ」
> 先ほどの皮肉な物言いが嘘のようなガウリイの声だった。
>「イヤよ。あたしが言うの。譲らないわよ」
>「俺も譲らん。俺が言う」
>「・・・・・・・・・・」
>「・・・・・・・・・・」
> 抱き締められたそのままで。
> あたし達はすこしだけ、笑い合った。
ほのぼのですねぇ〜。
>「じゃあ、せーのーでで言おう」
>「ん〜〜〜。いーわ。それでいきましょ」
>「せーのー・・・」
>「待って!」
> 言いかけたガウリイの言葉をあたしは遮った。
>「なんだよ?」
> 訝かし気にガウリイが聞く。
> あたしは少々照れながら、こう言った。
>「このまんまじゃ嫌よ。ガウリイの顔、ちゃんと見ながら言いたい」
>「あ。そっか。俺もリナの顔、見れないもんなぁ」
> そう。実はまだあたしはガウリイの胸の中にいたりする。
> 優しく、なぜかためらいがちにガウリイがあたしを解放した。
> そして、あたし達は見つめ合い。
> こう言った。
>
>「あなたの愛が欲しくてどうしようもない」
>  〜I long for your love〜  
題の英語はこういう意味だったんですねぇ。。。


>終わりました!
ご苦労様でしたぁっ!!!
>あっ!ご挨拶が遅れました!
>あごんですっ!
みいですっ!
>よーやく終わりました!あいろんぐふぉーゆあらぶ!!
お疲れさまでしたぁっ!!!
>いやいや、一時はどーなるかと思いましたが(笑)。
>なんとか終わりまでこぎつけました!
>要するに、私が言いたいのは、「ガウリイ!てめー!もっとちゃんとしろっ!」
>とゆー事なのです(笑)。
なるほどぉ。。。
>最初は、最後の告白はガウリイだけのセリフでしたが、書き終えるとアラ不思議。
>リナまで言ってるし(笑)。
あは☆(笑ってごまかしましょうっ!!!)
>中途半端な二人ですから、何か事件が起きないと気付かないかな、と思い、だったら中途半端な事件を作ろう!となり出来上がった本作です。
>ああ〜、長かったですね(号泣)。
>レスを下さった皆様、読んで下さった皆様、メールを下さった皆様、本当にありがとうございました!
いいえっ!!!
>一応、次の長編も案だけはあります(ダメじゃん)。
>題して!
>ガウリイ・ガブリエフに捧げる犯罪(仮題)!
え”っ!また・・・ガウリイの為の犯罪ですかぁ???
そんなに法を犯しちゃダメですよぅっ!ってはぁっ!!!
そう言えば・・・あごんさんて・・・あ、あさっしん・・・じゃありませんでしたっけ・・・?
>まー当分は書きませんが(笑)。
>
>ではでは、近いうちにまた会える事を祈りつつ。
>本当にありがとうございました!
ほんっとーにお疲れ様ですっ!!!
前編、中編合わせて全22話で完結ですねぇっ!!!
そして、次のお話も待ってますよっ!!!
それでは!みいでしたっ!!!

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13163ありがとうっっ!!あごん E-mail 1/15-05:48
記事番号13148へのコメント

みいさんは No.13148「Re:お疲れさまですぅっ!!!」で書きました。
>
>あごんさんは No.13142「I long for your love(後編の20・最終回)」で書きました。
>こんちゃ〜!みいでっす!22話で完結ですねっ!これで、これでやっとゼロス君vの言葉がわかります〜っ!!!
  こんばんニャ!あごんです!
  はいぃっ!とーとー完結ですっ!!
  ゼロやんの例の言葉も、わかるですっ!

>> さほどの時を置かずして、村人達はほぼ集まった。
>> 皆が皆、最初にテリーの遺体をその目にしてから、大きな動揺を瞳に走らせ絶望の呼気を吐き出した。
>> 一人一人と村人の数が増えるごとに、場には悲哀と憎悪の念が比例して、いや、相乗して支配した。
>ゼロス君がいたらムチャクチャ喜びそうな・・・負の感情溢れまくってますねぇ。。。
  喜びますかね、やっぱし。
  次の長編ではゼロスに食事をさせたいですけど(笑)。

>> 一一一苛々する。
>みょ? 
  みゅ。

>>   『人間というものは□□□□な存在ですねぇ』
>あうあうあうっ!!!気になります〜っ!!!
  たいした事じゃないですが(笑)。

>>「・・・自分で戻したの?」
>> あたしはディーンの瞳を真っ直ぐに見てそう聞いた。
>>「ああ・・・」
>ほ、ほぇえええええええっ!!!!!!ま、まさか・・・!(;;)
>自分で骨を元の位置に戻して添え木を当てたんですかっ!?
   そのまさか、ですわ!
 
>> 折れ曲がり、ずれた骨を引っ張り更に患部へと戻すっ!
>> うあ想像しただけでイタイし。
>あうあうあうっ!!!(;;)
>> とにもかくにも、あたしは治癒の術を詠唱し始めたのだった。
>・・・(;;)←未だ立ち直っていない
   立ち直って(笑)!!がむばれぇっ!

>> はらりっとディーンの右足に当てられていた副木がその紐と同時に外された。
>・・・?何か引っ掛かってるんですけど・・・何でしょう???
   お!するどい!

>>読者への挑戦状(笑)!!
>ほえっ?
   論理的推理小説ではよくあるモノですね。
   読者と探偵が、同じ条件で推理するとゆーことです。

>> さて、リナは決定的な証拠と証言を手にしました。
>> 犯人は勿論、ディーンです。
>> 一度言いたかったこの言葉をわたしは言います。
>> 「読者へ挑戦します。
>>  リナのつかんだ決定的な証拠とは?
>>  決定的な証言(かな?)とはなんでしょう?」
>えええええ〜っ?何ですか〜???
   ナンデスカマンって、知らないよねぇ(笑)

>>「そーね。泣いてばかりもいらんないわね。犯人がこの中にいるってのにね」
>えぇっ!?言っちゃうのっ!???
   言わない方が良かった(笑)?
   話も終わらないケド(爆)。

>>「静かに。これからあたしが喋ることに口を挟ませないわ」
>> ぐるりと周囲に目を流す。
>>「異論・反論は後でまとめて聞くわ。いいわね?」
>って言っても、絶対口挟むと思うんですけど・・・。
   それもまたセオリーですなぁ(遠い目)。

>>「やかましいっ!こーゆーのは最後に『あなたが犯人ですぅ』って言うのがセオリーなのよっ!」
>> 何か言葉を続けようとした男をあたしはそう怒鳴り付けた。
>・・・せおりーって・・・。。。
   柔道の技のひとつですね(違う)。
   そりゃ背負い(投げ)やっ!

>> ガウリイが困った顔で、
>>「お前なぁ。日に日に自分様になっていってるぞ。自覚あるか?」
>>「うっさいわね!しょーがないでしょ!『ドクシャヘノチョウセンジョウ』付けちゃったんだから!」
>>「ドクシャヘノ・・・?なんだよそれ」
>リナちゃんも知ってるのね?<読者への挑戦状>。
   おいしい食べもんか何かと勘違いしてなきゃいーけど。

>> ディーンは驚き、目を見張ったままでその左腕で小石から身をかばった。
>>「・・・どーやら左利きのようね?ディーン・ローラント」
>>「・・・それが?」
>> 怒りさえ感じさせるその声が、あたしにぶつかる。
>> あたしはそれを相手にせずに、もう一度村人達に視線を投げかけた。
>>「さて、何が言いたいかわかった人はいる?」
>>「・・・・・・・・」
>> 返答はやはり無言であった。
>>「テリュース・ハワードの致命傷は右側頭部への殴打、だわ」
>あっ!(思わず声出しちゃいました)なるほどっ!
   ザ・ワールド(思わず声出しちゃった・笑)!!
  
>>「つまり、普通は右利きの人間がエモノを振り降ろす場合、目標の左側にぶち当たるわ」
>そして・・・左利きの人は右側へ・・・ですよね?
   そーです!

>ん?・・・縄…縄…縄………紐っ!?そうかっ!!!テリーを縛っていた縄は、
>ディーンの添え木の紐へと変わったわけですねっ!?はう。。。私の推理は外れちゃいましたねぇ。。。
   はい。勘ぐりすぎても駄目。
   スマートさも時には大事、らしいです(苦笑)。
   と、某作家先生が言ってました。

>>「・・・持ってたんだよ。それだけだ」
>>「テリーの手首にあるうっ血の跡と合わせてみてもいーのかしら?」
>>「・・・似たような太さの紐ならごまんとあるだろうさっ!」
>>「なぜ、偶然にも紐を持っていたの?」
>>「・・・事があった時の為だ・・・」
>>「ふぅん・・・。じゃあ、熊に襲われた時の為に刃物位持ってたらよかったのに。蛇に噛まれた時の為に毒消し草くらい持ってればいいのに。それから、折角の発煙筒を骨折した時に使えばいーのにね」
>> あたしの相次ぐ言葉にディーンはその場で膝を付いた。
>>「使えないわよね。発煙筒。ずっとこの近くに潜んでいたんだから」
>> がっくりと。
>> ディーンの両肩が見てわかるほどに落ち込んだのだった。
>うあ。リナちゃん非道です。。。まあ、確かにリナちゃんのモットーは『悪人に人権はないっ!』ですけどぉ。。。
   うちのリナは冷たいのです。
   コールド・ブラッド・リナ(笑)。
   元ネタわかります?

>>「言ったわ。確かに。但し一目で、とは言ってないし、ハワードさんはあたし達の綿密な調査と言ったけどね」
>あ。なるほどっ!!!
   読者には当然過ぎて疑問にも思わない事を、何か使ってみたくて。

>> あの時のゼロスの言葉を。
>> そして、なぜあの夢を見たのかも。
>> なぜ、こんなにも苛付くのかも。
>> そう。あの時ゼロスは一一一。
>>「けはっがはぁっ!!」
>なんて言ったんですかぁっ!!!!
   「明日の天気は晴れ、ですねぇ」
   とか言ってましたよ、いま(笑)。

>なるほどっ!!!!!だからゼルが、「それは俺への宛付けか?」って言ったわけですねっ!!!
   そーゆー事です!
   どーやら皆様、ゼルの言葉が気になっていたようで。

>>「・・・リナ?大丈夫か?」
>> 心配気なその優しい声。
>> だが。
>> ぱしぃんっ!
>へっ!? 
>> 乾いた音が、二人の残された山に響いた。
>> あたしが、その優しい大きな手を叩き落としたのだ。
>>「・・・リナ?」
>> ぱしんっ!
>> 再びあたしの髪を触ろうとするその手を、あたしは叩いた。
>えええええっ!!??    
>>   次の世界へと続く扉。
>>   未知の世界に繋がる扉。
>>   扉を開けるんだったら。
>>   音の一つや二つ。
>>   しないなんて嘘だ。
>???
>>「びびってんじゃあないわよ?ガウリイ・ガブリエフ」
>> 皮肉気な笑みが顔に拡がっているのがわかる。
>> あたしのその言葉に、表情に一瞬ガウリイの顔が強ばる。
>ほええええっ!!!どうしたの?リナちゃん???
   恋愛ってのは、戦争ですから(笑)。

>> しかし、それも一瞬の事だった。
>>「びびってんじゃあないぜ?リナ・インバース」
>> 珍しく。本当にガウリイには珍しくその顔に皮肉めいた笑いが生まれた。
>なに?なんなんですかぁあああああっ!!!!!
>ぜはぁ、ぜはぁ、ぜはぁ…‥・
   ああっ!落ち着いて!どーどー!

>> あたしは、その言葉に身体を貫かれるような衝撃を感じた。
>> そうだ。この居心地の良い、中途半端な関係を。
>> 一番望んでいたのはあたしかも知れない。
>>「びびってなんかいないわよ。あたしは・・・!」
>> 言う。
>> 言わなきゃならない。
>> こんな中途半端な、ぬるま湯に浸かったような関係はもう厭だ!
>> ふわりっ。
>> 身体が優しく、暖かく包み込まれた。
>> ガウリイに抱き締められていると、そう気付くのに時間を要した。
>あああああっ!!!やっと、やあっと分かりました!!!
   ご理解感謝いたします!

>>「・・・ガウ・・リ・・・」
>>「すまん。俺から言う。俺が言う。俺に言わせてくれ」
>> 先ほどの皮肉な物言いが嘘のようなガウリイの声だった。
>>「イヤよ。あたしが言うの。譲らないわよ」
>>「俺も譲らん。俺が言う」
>>「・・・・・・・・・・」
>>「・・・・・・・・・・」
>> 抱き締められたそのままで。
>> あたし達はすこしだけ、笑い合った。
>ほのぼのですねぇ〜。
  初めて言われた(笑)。
  私でもほのぼの書けるもんですかねぇ。

>> そして、あたし達は見つめ合い。
>> こう言った。
>>
>>「あなたの愛が欲しくてどうしようもない」
>>  〜I long for your love〜  
>題の英語はこういう意味だったんですねぇ。。。
   英語、苦手だったくせに(笑)。
   カッコつけて使うんだからなー、私。

>>一応、次の長編も案だけはあります(ダメじゃん)。
>>題して!
>>ガウリイ・ガブリエフに捧げる犯罪(仮題)!
>え”っ!また・・・ガウリイの為の犯罪ですかぁ???
>そんなに法を犯しちゃダメですよぅっ!ってはぁっ!!!
>そう言えば・・・あごんさんて・・・あ、あさっしん・・・じゃありませんでしたっけ・・・?
   はい、いちおー暗殺家業ですけど(さらり)。
   それが何か?(悪ノリ)

改めまして、こんばんは。みい様!
いつもいつも暖かいレスをありがとうございました!
なんとか、やっと、終わる事ができました!
とにかく、私的に中途半端な関係にピリオドを打たせてやりたかったのです。
その為だけに作った事件でございました。
どーかしてんな私も(笑)。
また近いうちに駄作をひっさげて登場となると思いますが、その時もよろしくです!
ではでは、この辺で。
みい様の小説も楽しみにしております!

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13149おめでとうございますっ!!砂緒 E-mail 1/13-20:12
記事番号13142へのコメント

砂緒です♪
完結、おめでとうございますっ!!
いやー、わたしの推理、全部はずれてたみたいですね(笑)


>読者への挑戦状(笑)!!
わたしも挑戦状送りつけると思います(笑)
できそこないの挑戦状だけど。(←未熟者め)

>   旅の連れで、友人で。  
>   戦友でもあり、兄妹のようで。
>   仲間でもあるし、保護者と被保護者で。
>   こんな関係を表す言葉があったはずだ。
こ・・・ここらへん、すごくわたしが書いてる小説とかぶってるっ!!?
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・・・(涙)

>「びびってんじゃあないわよ?ガウリイ・ガブリエフ」
> 皮肉気な笑みが顔に拡がっているのがわかる。
> あたしのその言葉に、表情に一瞬ガウリイの顔が強ばる。
> しかし、それも一瞬の事だった。
>「びびってんじゃあないぜ?リナ・インバース」
ここ、すっごく好きです!!
リナらしいし、ガウリイらしい。(←日本語へんです)

>よーやく終わりました!あいろんぐふぉーゆあらぶ!!
>要するに、私が言いたいのは、「ガウリイ!てめー!もっとちゃんとしろっ!」
>とゆー事なのです(笑)。
そーだそーだっ!!ガウリイもっとちゃんとしろっ!!(笑)

>一応、次の長編も案だけはあります(ダメじゃん)。
>題して!
>ガウリイ・ガブリエフに捧げる犯罪(仮題)!
>まー当分は書きませんが(笑)。
えええ〜。はやく書いてくださいよぅっ!!
(すいませんわがままで・・・)


また、あごんさまのお話に会う日を楽しみにしてますっ!!


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13166染の助・染太郎でございます!(違うっ!)あごん E-mail 1/15-20:31
記事番号13149へのコメント

砂緒さんは No.13149「おめでとうございますっ!!」で書きました。
>
>砂緒です♪
>完結、おめでとうございますっ!!
  こんばんは!あごんです!
  よーやく完結いたしました(本当に、ようやくだなオイ)。
  レスありがとうございますぅっ!

>いやー、わたしの推理、全部はずれてたみたいですね(笑)
  いえいえ、めっそうもないです。
  こんなメタ推理、当てる方がおかしいのですよ(笑)。 
  とても推理小説とは呼べないですもの(開き直り)。
>
>>読者への挑戦状(笑)!!
>わたしも挑戦状送りつけると思います(笑)
>できそこないの挑戦状だけど。(←未熟者め)
  わーい!ちょーせんじょーだぁ!
  じっちゃんの名に賭けて、解き明かしますぞえっ!
  
>>   旅の連れで、友人で。  
>>   戦友でもあり、兄妹のようで。
>>   仲間でもあるし、保護者と被保護者で。
>>   こんな関係を表す言葉があったはずだ。
>こ・・・ここらへん、すごくわたしが書いてる小説とかぶってるっ!!?
>ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・・・(涙)
  えっ!かぶってるんですか!?
  どーしよどーしよどーしようぅぅ(オロオロ)。
  先に使ってごめんなさいぃぃ〜〜!
  ってゆーか、これだけの人間がこれだけ投稿してるのですからかぶっても不思議はないですよ(笑)。

>>「びびってんじゃあないわよ?ガウリイ・ガブリエフ」
>> 皮肉気な笑みが顔に拡がっているのがわかる。
>> あたしのその言葉に、表情に一瞬ガウリイの顔が強ばる。
>> しかし、それも一瞬の事だった。
>>「びびってんじゃあないぜ?リナ・インバース」
>ここ、すっごく好きです!!
>リナらしいし、ガウリイらしい。(←日本語へんです)
  ああっ!ありがとうございます!
  うれしいお言葉ですわっ!
  もー、リナにこのセリフを言わせたい一心で書き上げた駄文でしたので、この箇所を言及して下さるレスが一番嬉しかったりします!

>>一応、次の長編も案だけはあります(ダメじゃん)。
>>題して!
>>ガウリイ・ガブリエフに捧げる犯罪(仮題)!
>>まー当分は書きませんが(笑)。
>えええ〜。はやく書いてくださいよぅっ!!
>(すいませんわがままで・・・)
  とゆーか、また犯罪物か。と呆れられたりしないかが不安です。
  普通のラブラブっなものとかも書きたいですけど。
  残念ながら生来の人情欠乏症でございまして(笑)。
  かなり殺伐とした話になりそうです(またかい)。
>
>また、あごんさまのお話に会う日を楽しみにしてますっ!!
  重ね重ねありがとうございます!
  こんな無駄に長い駄作にお付き合い頂けただけでも感謝ですのに、わざわざレスまで!
  本当にありがとうございました!
  砂緒様のご小説、クリ・クロ(略すな)も大変楽しみにしております!
  ではでは、愛想無しで申し訳ございませんが、この辺で。
  ありがとうございました!

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13153ザッ 根性なし!!!桜華 葉月 1/14-01:35
記事番号13142へのコメント

あごんさんは No.13142「I long for your love(後編の20・最終回)」で書きました。
おつかれさまでした〜!!!花束贈呈♪♪♪
ところで動機は何だったんでしょう?
> さほどの時を置かずして、村人達はほぼ集まった。
> 皆が皆、最初にテリーの遺体をその目にしてから、大きな動揺を瞳に走らせ絶望の呼気を吐き出した。
> 一人一人と村人の数が増えるごとに、場には悲哀と憎悪の念が比例して、いや、相乗して支配した。
きっとこんな時は近くにゼロス君がお食事してるはず。(ゼロス出没予報士(笑))
>「・・・・・・・・」
> あたしは無言で周囲を見渡す。
> 現在、何人の村人が集まって、何人の村人が到着していないのかはわからない、が。
> 少なくとも、ここにディーン・ローラントの姿は未だに見えないことはわかった。
何でそこにディーンが出てくるのかな?
> 一一一苛々する。
> 
>   『人間というものは□□□□な存在ですねぇ』
???
相変わらずゼロスは物事をわかりやすく伝えてはくれませんねぇ。
うにゅう(考え中)
> あたしは、なにかを見逃している。
> 決定的な何かを。
> それが、一体何なのかが、わからない。
> 一一一苛々する。
なんだろ?(わくわく) 名(迷)探偵リナちゃん♪答えはCMの後で♪♪♪
> あたしが取り留めの無い事をつらつらと考えていたその時だった。
> がさりっ。


>読者への挑戦状(笑)!!
> さて、リナは決定的な証拠と証言を手にしました。
> 犯人は勿論、ディーンです。
> 一度言いたかったこの言葉をわたしは言います。
> 「読者へ挑戦します。
>  リナのつかんだ決定的な証拠とは?
>  決定的な証言(かな?)とはなんでしょう?」
???わかりませ〜ん。(←根性なし)
さて解答編スタート!!!
> ひとしきりの慟哭と激情の時は今や過ぎた。
> あたしはただ黙って全てを見ていた。
> 泣く村人達、怒る村人達、そして悲しむ村人達。
> 次の台詞はもうわかっていた。
>「さぁ、泣いてばかりでもいられないだろう。テリーをこんな目に遭わせた犯人は許せないが、いつまでもテリーをこのままでこんな場所に置いてもおけない。とにかく、村長への報告もあるし一旦村へと帰ろう」
> この中で一番年配の男がそう声をかける。
> あたしはここでマントをばさりっと翻した。
> その場にいる全員の目があたしに集中する。
> 一瞬だけ満ちる沈黙。いや、静寂か。
> その隙間を縫うようにしてあたしは口を開いた。
>「そーね。泣いてばかりもいらんないわね。犯人がこの中にいるってのにね」
> ざわざわざわざわっ!!
> 当たり前だが、ざわめきが辺りの空気を震わせる。
>「静かに。これからあたしが喋ることに口を挟ませないわ」
> ぐるりと周囲に目を流す。
>「異論・反論は後でまとめて聞くわ。いいわね?」
> 戸惑いと不安と。
> 二つの感情とまでも呼べない漠然としたモノがあたしを包み込む。
> 村民達は誰一人とて口を開かない。
>「・・・いいでしょ。それはあたしの意見を呑んだとみなすわ」
> そして、あたしはまずディーンを支えていた二人の村人へと視線を向けた。 
>「さて、ますはあなた達に質問よ」
> ごくりっと彼らの喉が唾下する。
> おやおや、随分と緊張しているようである。
>「ディーンとはどこで会ったの?」
>「・・・少し奥に行った沢の所で、ディーンが転がり出てきたんだ」
>「なるほど」
> あたしが意味深にうなずくのを見て、別の男が声を荒げる。
>「どーゆー意味だ!?まさかディーンが犯人だと!?」
>「口を挟まない。そー言ったはずよ」
> ぎろりと軽く睨め付ける。
>「・・・っ!そうは言うがっ!」
>「やかましいっ!こーゆーのは最後に『あなたが犯人ですぅ』って言うのがセオリーなのよっ!」
> 何か言葉を続けようとした男をあたしはそう怒鳴り付けた。
> ガウリイが困った顔で、
>「お前なぁ。日に日に自分様になっていってるぞ。自覚あるか?」
>「うっさいわね!しょーがないでしょ!『ドクシャヘノチョウセンジョウ』付けちゃったんだから!」
>「ドクシャヘノ・・・?なんだよそれ」
>「ぅやかましいぃぃっ!とにかく!最後まで黙って聞いててもらうわ!異論・反論は後でって言ったはずよ!」
> あたしの妙な迫力に押されたのか、村人達はこくこくとうなずいた。
> うみゅうみゅ。よろしい。
>「さて、もうひとつ。ディーンはその時すでに副木を添えていた?」
> 振り返り尋ねるあたしに、男は重々しくうなずいた。
> やっぱし、ね。
> ちらり、とガウリイへと視線を送る。
> ガウリイは心得たとばかりにちょっとだけ顎を引く。
> そしてガウリイの右足が、予備動作もなく動いた。
> ひゅんっ! 
> 小さな風切り音をともないながら、今ガウリイの右足が蹴りあげた小石がディーンへと向かう。
>「!?」
> 声をあげるいとまもあればこそ。
> ディーンは驚き、目を見張ったままでその左腕で小石から身をかばった。
>「・・・どーやら左利きのようね?ディーン・ローラント」
>「・・・それが?」
> 怒りさえ感じさせるその声が、あたしにぶつかる。
> あたしはそれを相手にせずに、もう一度村人達に視線を投げかけた。
>「さて、何が言いたいかわかった人はいる?」
>「・・・・・・・・」
> 返答はやはり無言であった。
>「テリュース・ハワードの致命傷は右側頭部への殴打、だわ」
> そこでガウリイへともう一度視線を送る。
> ガウリイが腰に差してある斬妖剣をすらりっと抜き、あたしへと振りかぶる。
>「なっ!?」
> 幾重にも重なった悲鳴が村民達の口から飛び出る。
> あたしは直立不動のままでその剣が目前に迫るのを見ていた。
> ひゅおぉんっ!!
> 鋭い風切り音と共に、ガウリイの剣が振り降ろされる。
> しかし、当然だがその切っ先はあたしと一寸ほどの間を開けてぴたりと止まる。
> いや、正確に言おう。
> あたしの左側頭部と一寸ほどの間を開けて、と。
>「言いたいことがわかったかしら?」
> あたしは顔だけを動かして彼らを見回したのだった。
>  
>「つまり、普通は右利きの人間がエモノを振り降ろす場合、目標の左側にぶち当たるわ」
> あたしのその言葉に、何人かが実際に振り降ろす真似をする。
>「・・・ホントだ」
>「ああ。確かにそうだが・・・」 
> ところどころで上がる声。それ構わずあたしは続けた。
>「テリーは右側頭部に殴打を受けていたわ・・・」
> そう。先ほどガウリイがあたしに耳打ちしたのはこのことだったのだ。
> 犯人はおそらく左利きだ、と。
> その時、あたしは唐突に思い出したのだ。
> 初めてディーンと会った日、確かディーンは左手をドアノブにかけていたことを。
> ガウリイは右足を左手でさするディーンに目を留めたようだが。
>「俺だけが左利きってわけじゃあないだろうっ!?」
> ディーンの声が妙に虚しく響き渡る。
> あたしはそれを冷めた目で聞き流す。
>「さて、次の問題よ。テリーを戒めていたであろう縄、の問題」
>「・・・・くっ!おいっ!聞いてんのか!?」
> がつっ、とディーンの左手があたし肩にかけられた。
>「異論・反論は後よ」
> そーあたしが言う前に、
>「リナが言ってたろ?話は最後まで聞けってな」
> ガウリイがディーンのその手をねじあげる。
>「・・・ぐっ・・!」
>「そーゆー事」
> 苦痛の声を上げるディーンにあたしは涼しく言い放つ。
>「ディーン。あなた、副木を支えていたこの紐」
> 言いながらあたしは、地面に落ちていた紐を拾い上げる。
>「どこで手に入れたの?」
> この言葉に辺りに緊張が走る。
> 再びざわめく人々。
>「・・・持ってたんだよ。それだけだ」
>「テリーの手首にあるうっ血の跡と合わせてみてもいーのかしら?」
>「・・・似たような太さの紐ならごまんとあるだろうさっ!」
>「なぜ、偶然にも紐を持っていたの?」
>「・・・事があった時の為だ・・・」
>「ふぅん・・・。じゃあ、熊に襲われた時の為に刃物位持ってたらよかったのに。蛇に噛まれた時の為に毒消し草くらい持ってればいいのに。それから、折角の発煙筒を骨折した時に使えばいーのにね」
> あたしの相次ぐ言葉にディーンはその場で膝を付いた。
>「使えないわよね。発煙筒。ずっとこの近くに潜んでいたんだから」
> がっくりと。
> ディーンの両肩が見てわかるほどに落ち込んだのだった。
>
>「そんな・・・ディーンが?」
>「まさか。信じられない。テリーとはあんなに仲が・・」
> 三度ざわめく人々に混じって、蒼白にした顔をこちらに向けたジョイスと目が合う。
>「ジョイス。さっき確かこう言ったわね」
> あたしの声に再び静寂が戻り、視線があたしとジョイスへと交互に向けられた。
>「『すごい。本当に目がいいんだ』ってね」
>「・・・は、はい」
> 一一一愚か者。
>「どーして知ってたの?ガウリイの視力がいいってことを」
> ジョイスはますます顔を蒼白にしながら、震える声でこう言った。
>「父さん・・・父が、会合であなた達がケアヌのトリックを見破ったって・・」
>「言ったわ。確かに。但し一目で、とは言ってないし、ハワードさんはあたし達の綿密な調査と言ったけどね」
> 衝撃が彼女の顔にヒビを入れたかのような錯覚を覚えた。
>「ガウリイの目の良さを知っているのは、あたしと、テリーだけよ」
> 一一一苛々する。
> 頭の端であたしはそう思った。
>
>「がふぅっ!!」
> 奇妙にくぐもった呻き声が耳に届いた。
> あたしは、ひどく。
> ひどく冷静にその声の生まれた方を見た。
> ディーンが口から、鼻から多量の出血をしながらのたうちまわっていた。
>「・・・覚悟の自殺ってわけ?」
> ぽつりと呟くその声は誰にも聞こえなかっただろう。
> おそらくは毒物だろう。だがしかし。 
>「がはっ・・!」
> 続いて響く少し高めの呻き声。
> もうそちらを見る気もおきなかった。
>「おいっ!リナ!毒消しの魔法あるだろう!?」
> ガウリイの焦る声があたしにかけられる。
> そしてあたしはようやく思い出した。
> あの時のゼロスの言葉を。
> そして、なぜあの夢を見たのかも。
> なぜ、こんなにも苛付くのかも。
> そう。あの時ゼロスは一一一。
>「けはっがはぁっ!!」
>「げふっ!げほげほっ!」
> 目を閉じてもわかる、呻き声の種類が変わった事に。
>「ほっといても大丈夫よ。だって・・・」
>
>   『人間というものは』
>
>「もう毒は吐いてるわ」
>
>   『中途半端な存在ですねぇ』
>
>「こんな中途半端な気持ちで犯罪を犯した奴らよ?」
>
>   旅の連れで、友人で。
>
>「そんな半端な人間が」
>  
>   戦友でもあり、兄妹のようで。
>
>「覚悟の自殺なんて出来るわけないわ」
>
>   仲間でもあるし、保護者と被保護者で。
>   こんな関係を表す言葉があったはずだ。
>
> だから、あたしはあの夢を見たし、だからあたしはその言葉を思い出せなかったのだ。
すご〜い!!!あごんさんは何でそんなこと考えつくんですか?(尊敬)
>
> 村人達に運ばれて、ディーンとジョイスは村へと帰った。
> 一応、症状を見てくれと頼まれたので二人の容態を診てみた。
> 何日間かは安静が必要だが、命に関わるほどではない。
> 
> ガウリイの大きな手があたしの頭に、いつものように優しく置かれた。
>「・・・リナ?大丈夫か?」
> 心配気なその優しい声。
> だが。
> ぱしぃんっ! 
> 乾いた音が、二人の残された山に響いた。
> あたしが、その優しい大きな手を叩き落としたのだ。
え〜、どうして?
>「・・・リナ?」
> ぱしんっ!
> 再びあたしの髪を触ろうとするその手を、あたしは叩いた。
???    
>   次の世界へと続く扉。
>   未知の世界に繋がる扉。
>   扉を開けるんだったら。
>   音の一つや二つ。
>   しないなんて嘘だ。
>
>「びびってんじゃあないわよ?ガウリイ・ガブリエフ」
> 皮肉気な笑みが顔に拡がっているのがわかる。
> あたしのその言葉に、表情に一瞬ガウリイの顔が強ばる。
> しかし、それも一瞬の事だった。
>「びびってんじゃあないぜ?リナ・インバース」
> 珍しく。本当にガウリイには珍しくその顔に皮肉めいた笑いが生まれた。
> あたしは、その言葉に身体を貫かれるような衝撃を感じた。
> そうだ。この居心地の良い、中途半端な関係を。
> 一番望んでいたのはあたしかも知れない。
>「びびってなんかいないわよ。あたしは・・・!」
> 言う。
> 言わなきゃならない。
> こんな中途半端な、ぬるま湯に浸かったような関係はもう厭だ!
> ふわりっ。
> 身体が優しく、暖かく包み込まれた。
> ガウリイに抱き締められていると、そう気付くのに時間を要した。
>「・・・ガウ・・リ・・・」
>「すまん。俺から言う。俺が言う。俺に言わせてくれ」
> 先ほどの皮肉な物言いが嘘のようなガウリイの声だった。
>「イヤよ。あたしが言うの。譲らないわよ」
>「俺も譲らん。俺が言う」
>「・・・・・・・・・・」
>「・・・・・・・・・・」
> 抱き締められたそのままで。
> あたし達はすこしだけ、笑い合った。
>
>「じゃあ、せーのーでで言おう」
>「ん〜〜〜。いーわ。それでいきましょ」
>「せーのー・・・」
>「待って!」
> 言いかけたガウリイの言葉をあたしは遮った。
>「なんだよ?」
> 訝かし気にガウリイが聞く。
> あたしは少々照れながら、こう言った。
>「このまんまじゃ嫌よ。ガウリイの顔、ちゃんと見ながら言いたい」
>「あ。そっか。俺もリナの顔、見れないもんなぁ」
> そう。実はまだあたしはガウリイの胸の中にいたりする。
> 優しく、なぜかためらいがちにガウリイがあたしを解放した。
> そして、あたし達は見つめ合い。
> こう言った。
>
>「あなたの愛が欲しくてどうしようもない」
>  〜I long for your love〜  
わきゃ〜!!!ラヴラヴ。
つうかやっと・・・。(悪笑)
でもなんか二人らしいですわん。良いねぇ。
おう、何か二人の世界が見える・・・。(滝汗)
ゼロス君はそろそろ退散した確率は70パーセント。のぞき見している確率は30パーセント。ちなみに後者の場合は後でリナさんから負の感情を頂くネタにするはず。(断言)
>
>
>終わりました!
ごくろうさまで〜す。全部読みました!!!
>あっ!ご挨拶が遅れました!
>あごんですっ!
どうも久しぶりの桜華です。
電話代がいたくってなかなかネットが出来ませ〜ん。(泣き)
>よーやく終わりました!あいろんぐふぉーゆあらぶ!!
>いやいや、一時はどーなるかと思いましたが(笑)。
>なんとか終わりまでこぎつけました!
楽しかったです。ほんとにご苦労さまでした。そして推理のネタがすごい。ほんとに感心しました。
>要するに、私が言いたいのは、「ガウリイ!てめー!もっとちゃんとしろっ!」
>とゆー事なのです(笑)。
うんうん。だって、二部最後で実家に行こうと言ってるけど、クラゲ〜な感じで終わってたし。
>最初は、最後の告白はガウリイだけのセリフでしたが、書き終えるとアラ不思議。
>リナまで言ってるし(笑)。
>中途半端な二人ですから、何か事件が起きないと気付かないかな、と思い、だったら中途半端な事件を作ろう!となり出来上がった本作です。
>ああ〜、長かったですね(号泣)。
ほんとにご苦労様でした。
>レスを下さった皆様、読んで下さった皆様、メールを下さった皆様、本当にありがとうございました!
いえいえ。

☆ここは某会場。そして大画面にはこの話のあとがきが映っていた。
>一応、次の長編も案だけはあります(ダメじゃん)。
お〜!!!(期待に満ちた観客○千人と司会者手縫いのタキシードが売りの部下S)
>題して!
題して???(わくわく×○千人)
>ガウリイ・ガブリエフに捧げる犯罪(仮題)!
お〜!!!(歓喜の涙を流す観客)
>まー当分は書きませんが(笑)。
・・・。×○千人
なぜか物陰に連れ込まれる部下Sと、薄笑いを浮かべて連れていく観客。(滝汗)
・・・。
風に乗って異様なオーラが物陰から感じられる。
果たして、部下Sのタキシードは無事なのか?ついでに部下Sは無事なのか?
                            次週へ続く。
次回 部下Sの涙。あの日のバットは赤かった をお送りします。(予定)
>ではでは、近いうちにまた会える事を祈りつつ。
>本当にありがとうございました!
ではでは、短いながらもお付き合いありがとうございました。次回も楽しみにしています。

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13167イッツ 根性なし王!あごん E-mail 1/15-21:16
記事番号13153へのコメント

桜華 葉月さんは No.13153「ザッ 根性なし!!!」で書きました。
>
>あごんさんは No.13142「I long for your love(後編の20・最終回)」で書きました。
>おつかれさまでした〜!!!花束贈呈♪♪♪
  まっ!花束だなんてっ!
  嬉しいですわん!

>ところで動機は何だったんでしょう?
  動機、ですか?
  ・・・さあ?←おいっ!
  動機なんて関係ないのですよ、結局。
  わたしが書きたいのは、推理の論理であって人間感情ではないのです(冷血人間?)。

>> さほどの時を置かずして、村人達はほぼ集まった。
>> 皆が皆、最初にテリーの遺体をその目にしてから、大きな動揺を瞳に走らせ絶望の呼気を吐き出した。
>> 一人一人と村人の数が増えるごとに、場には悲哀と憎悪の念が比例して、いや、相乗して支配した。
>きっとこんな時は近くにゼロス君がお食事してるはず。(ゼロス出没予報士(笑))
  フル・コースですわねっ!
  悲・哀・怒の三拍子♪

>>「・・・・・・・・」
>> あたしは無言で周囲を見渡す。
>> 現在、何人の村人が集まって、何人の村人が到着していないのかはわからない、が。
>> 少なくとも、ここにディーン・ローラントの姿は未だに見えないことはわかった。
>何でそこにディーンが出てくるのかな?
  うっ。一応、その辺りのことは後編の12とかで書いてますので。
>> 
>>   『人間というものは□□□□な存在ですねぇ』
>???
>相変わらずゼロスは物事をわかりやすく伝えてはくれませんねぇ。
  ゼロスがとゆーか、あごんがとゆーか(笑)。
>
>>読者への挑戦状(笑)!!
>> さて、リナは決定的な証拠と証言を手にしました。
>> 犯人は勿論、ディーンです。
>> 一度言いたかったこの言葉をわたしは言います。
>> 「読者へ挑戦します。
>>  リナのつかんだ決定的な証拠とは?
>>  決定的な証言(かな?)とはなんでしょう?」
>???わかりませ〜ん。(←根性なし)
   もー、メタ推理ですから(トホホ)。
  
>すご〜い!!!あごんさんは何でそんなこと考えつくんですか?(尊敬)
   とんでもないですよっ!
   コレ、推理ファンの方が見たら怒りますよ(苦笑)。
   こんなのは推理じゃねぇってね(号泣)。
   ですから尊敬なんてとんでもないですっ!

>> ぱしぃんっ! 
>> 乾いた音が、二人の残された山に響いた。
>> あたしが、その優しい大きな手を叩き落としたのだ。
>え〜、どうして?
   季節外れの蚊がいたから、とか(笑)。

>>「あなたの愛が欲しくてどうしようもない」
>>  〜I long for your love〜  
>わきゃ〜!!!ラヴラヴ。
>つうかやっと・・・。(悪笑)
   ええ。やっとですわ(苦笑)。

>でもなんか二人らしいですわん。良いねぇ。
   ありがとうございます!

>おう、何か二人の世界が見える・・・。(滝汗)
>ゼロス君はそろそろ退散した確率は70パーセント。のぞき見している確率は30パーセント。ちなみに後者の場合は後でリナさんから負の感情を頂くネタにするはず。(断言)
   ん〜、負の感情が出ればいーですけど(笑)。
   恥ずかしいとかも負なんでしょうかねぇ?
>>
>>終わりました!
>ごくろうさまで〜す。全部読みました!!!
   ありがとございます!
   こんなに長い退屈なモノを(感涙)!
   もー感謝ですぅっ!

>どうも久しぶりの桜華です。
>電話代がいたくってなかなかネットが出来ませ〜ん。(泣き)
   こんばんは、レスありがつござます!
   電話代、ですか(笑)。私も電話代の為に本業の他に副業始めたクチなんです。
   テレホとかは入ってないのですか?

>>なんとか終わりまでこぎつけました!
>楽しかったです。ほんとにご苦労さまでした。そして推理のネタがすごい。ほんとに感心しました。
   あうあうあうあう(照)!
   何度も言いますが、私には勿体ないお言葉ですよぅ!
   でも嬉しいですっ!ありがとうございます!

>>要するに、私が言いたいのは、「ガウリイ!てめー!もっとちゃんとしろっ!」
>>とゆー事なのです(笑)。
>うんうん。だって、二部最後で実家に行こうと言ってるけど、クラゲ〜な感じで終わってたし。
   そうなんです!
   私もあそこで腹立って!
   女が赤面してまで聞いてきたことを茶化すなんてっ!
   ガウリイっ!許さんってなカンジでしたわ〜。

>>レスを下さった皆様、読んで下さった皆様、メールを下さった皆様、本当にありがとうございました!
>いえいえ。
   さらに、いえいえ。本当に感謝ですの!

>☆ここは某会場。そして大画面にはこの話のあとがきが映っていた。
   大画面!?なっ!何事がっ!?

>>一応、次の長編も案だけはあります(ダメじゃん)。
>お〜!!!(期待に満ちた観客○千人と司会者手縫いのタキシードが売りの部下S)
   手縫いっ!?まさか・・・(汗)。

>>題して!
>題して???(わくわく×○千人)
>>ガウリイ・ガブリエフに捧げる犯罪(仮題)!
>お〜!!!(歓喜の涙を流す観客)
   歓喜ですか?やっぱし「犯罪」とかゆー言葉にそそられますか。

>>まー当分は書きませんが(笑)。
>・・・。×○千人
>なぜか物陰に連れ込まれる部下Sと、薄笑いを浮かべて連れていく観客。(滝汗)
>・・・。
>風に乗って異様なオーラが物陰から感じられる。
>果たして、部下Sのタキシードは無事なのか?ついでに部下Sは無事なのか?
>                            次週へ続く。
>次回 部下Sの涙。あの日のバットは赤かった をお送りします。(予定)
   わくわく♪次回が楽しみだなぁ。
   部下Sどーなるのかしらっ!
   ・・・まぁ想像はつきますけど(笑)。

>>ではでは、近いうちにまた会える事を祈りつつ。
>>本当にありがとうございました!
>ではでは、短いながらもお付き合いありがとうございました。次回も楽しみにしています。
   ありがとうございました!
   自己満足なだけの駄文につき合って頂き、まことに感謝いたします!
   次回は・・・もう少し時間がかかりそうですが。
   またお会いできる事を心から祈りつつ。
   あごんでした!

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