◆−網膜に貴方が映るその前に−あごん(12/4-20:47)No.12534
 ┣あ・・・・・れ・・・・・?−せりあ(12/4-22:06)No.12535
 ┃┗・・・・てへっ☆−あごん(12/5-23:04)No.12545
 ┣撃沈−ゆえ(12/5-03:12)No.12538
 ┃┗撃墜(笑)−あごん(12/5-23:20)No.12547
 ┣お見事です・・・(笑)−れーな(12/5-15:13)No.12540
 ┃┗お誉めに預かり光栄の至りです!−あごん(12/5-23:29)No.12548
 ┗うにょーーーーー!!!!−亜由菜(12/6-23:20)No.12564
  ┗うひぃぃゃぁぁぁっ☆−あごん(12/7-18:25)No.12572


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12534網膜に貴方が映るその前にあごん E-mail 12/4-20:47


   気まぐれだけど。
   そっけないけれど。
   言う事を聞かない君。
   だけれど・・・・・・。


 例えば。
 あたしの幸せについて考察してみる。
 それは。
 光を感じ、網膜にあなたが映るその前から。
 あなたを網膜ではなく、魂に感じている事。
 他には。
 波を感じ、鼓膜にあなたが震える前から。
 鼓膜ではなく、心の琴線にあなたの声を聞く。
 つまり。
 目覚めるその前から、夢の中でガウリイと出会えること。
 これって、けっこー幸せだと思うのよね、あたしは。

 ふ、と目覚める。
 頭の下に感じる熱。
 枕にしては高すぎる気もするけど、心地はとてもいい。
 視線を一点に合わせる。
 視界が急に色を持ち始める。
 目が在った。
 目が合った。
 優しい蒼いその瞳が、柔らかく笑う。
 一一一ガウリイ。
 あたしは今、ガウリイの腕枕で寝ている。
「おはよう」
 そう言ったつもりだけれど、不思議と声には成らなかった。
 伝わったかな?
「おはよう」
 ガウリイが欠伸を噛み殺しながら、あたしに挨拶をしてきた。
 伝わったみたい。
 ふ、と。
 ガウリイの瞳が陰る。
 優しいその蒼が、悲しい蒼に変化した。
 そっか。暢気なあんたでもわかっちゃうのね。
 あたしの命が短い事実を。
 知ってんのね、あたしがもう、ダメな事。
 あたしは、ガウリイに気付かれないように小さく嘆息した。

 そう。あたしはもう死ぬ。
 病魔は確実にあたしを蝕んでいる。
 
 ガウリイと出会ってから、どれ位が過ぎたのかな。
 無体な輩に追われているあたしを、ガウリイが助けたのが始まりだった。
 ・・・まあ、あれ位の連中ならあたし一人でもどーにでもなったけど。
 そう。あれが始まりだった。
 あれから、長いのか、短いのかわからないけど。
 少なくとも、深く愛しい時間をあたし達は共有した。
 こうして、同じベッドで朝を迎えるのは何度目かな。
 
 あたしは、もうこの世から姿を消すけれど、ガウリイ。
 どうか、悲しまないでね。
 あたしはひっそりと目を閉じた。
 網膜にガウリイを映すのは余りにも無意味だから。
 だって、あの世に行くのに、この体は持って行けない。
 だから、この魂にこそ、ガウリイの顔を、声を刻みつけておく。
 その為にも、あたしは目を閉じ、息を潜める。
「先に行ってるね、ガウリイ」
 掠れてはいたけれど、なんとか声には出た。
 ばいばい、あたしの大好きな、ガウリイ・ガブリエフ。
 愛しいあたしの守護者(ガーディアン)。
 薄くなりつつある意識の中で、あたしはガウリイを見た。
 その蒼い瞳から、透明な水がぽろりと落ちていた。


 この腕の中で、小さな体が一回り小さく感じられる。
 ガウリイはそっとため息を落とした。
 死んでいく。
 もう、ガウリイにはどうすることも出来ない。
 否。
 人間にはどうすることも出来ない事だった。
 静かに、細い息をするその栗色の頭を一撫でする。
 死んでいく。
 なんと、果敢無く、刹那く、虚無しいのか。
 生命というものの無常に、ガウリイは目を閉じた。
 単まる風邪だと思っていた。
 まさか、こんな死に至る病だとは夢にも思わなかった。
 幾つもの死を見送ってきた。
 けれど、それに慣れることは決してなかった。
 一滴の涙が、ガウリイの頬を伝い落ちた。


 小さな墓の前でガウリイは黙祷をしていた。
 先ほど、彼の大事な存在が消えてしまった。
「先に行くね、ガウリイ」
 そう言ったリナの顔を思い出す。
 しかし、その試みは失敗に終わった。
 うまく思い出せなかったのだ。
 ふっとガウリイの口に皮肉な笑みが拡がる。
 もし、ここにリナがいたら、なんて言うかな。
 女々しいなんて一喝されるだろうか。
 いつまでも、墓の前から動こうとしない自分を見て。
 そう、怒鳴るだろうか。


「女々しいわよっ!ガウリイ!!」
 すぱぁぁぁんっ!!
 後頭部に打撃を覚え、くるりっとガウリイが振り返る。
 そこには右手にスリッパを持ったリナが、仁王立ちでたたずんでいた。
「リナッ!いてーな!何するんだイキナリ!!」
 後頭部をさすりながらガウリイが抗議の声を上げる。
「先に行ってんじゃあなかったのかよ」
「あれからどれ位経過したと思ってんの!?」
 言いながら、リナの視線が小さな墓に止まる。
「いつまでも悲しんでたら、あの子も浮かばれないわよ?」
「・・・・・・・」
「しょうがないわよ。拾った時には随分と弱ってたんだから」
「・・・野犬に襲われて、ケガもしてたしな・・・」
 ガウリイが思い出すように、目を伏せる。
 10日前に、野犬に追われた子猫。
 その子猫を助け、ガウリイは拾ったのだった。
 栗色の美しい毛並みを持った弱った猫だった。
「最後に鳴いたよ、あの子。なにが言いたかったんだろうな」
「・・・・・・・」
 ぽつりと呟くガウリイに、リナは何も言わなかった。
 そんな事を想像してもしょうがないことだったからだ。
 
 一陣の風が吹き抜けた。
 この風に、子猫の魂は乗って行ったのかもしれない。
 二人は同じ事を考えながら、今一度、黙祷を捧げた。



終わりです。
何が言いたいんでしょーね、このアマは(爆)。
オチはどこらへんでわかりましたでしょーか?
伏線はありましたよ(笑)。
気まぐれだけど、そっけないけれど、言うこと聞かない君だけど。
猫大好き○リスキー♪
とゆーわけでした!
ではでは。またお会いしましょう!!
あごんでした!
 

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12535あ・・・・・れ・・・・・?せりあ E-mail URL12/4-22:06
記事番号12534へのコメント

あごん様こんばんは!
前からファンなんです!!

最初読んでて『シリアス・・・・ってリナ死んじゃうの?!(涙』
と思っていたら。
みごとにひっかかり(?)ました。ええ。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ね・・・こ・・・?』
いや、猫さんが死んじゃうのも悲しいんですけどっ!
でもやっぱり叫ばずに居られないもので、
『そういえばそんなCMがああぁ!!』
叫びながら母上の「うるさいオーラ」をひしひしと感じつつです(笑

いろんな話が読めるの楽しみにしています。
それでは。

・せりあ・


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12545・・・・てへっ☆あごん E-mail 12/5-23:04
記事番号12535へのコメント

せりあさんは No.12535「あ・・・・・れ・・・・・?」で書きました。
>
>あごん様こんばんは!
  >初めまして、こんばんは!

>前からファンなんです!!
  >うは〜〜っ!そんな滅相もない〜!
   勿体ないお言葉を(ペコペコ)。

>最初読んでて『シリアス・・・・ってリナ死んじゃうの?!(涙』
>と思っていたら。
>みごとにひっかかり(?)ました。ええ。
  >ありがとうございます。
   ひっかけるのが目的でしたから(性格悪っ!)
   そう言っていただくと嬉しいです(笑)。

>『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ね・・・こ・・・?』
>いや、猫さんが死んじゃうのも悲しいんですけどっ!
  >心優しいコメントですねぇ。
   猫も浮かばれます。

>でもやっぱり叫ばずに居られないもので、
>『そういえばそんなCMがああぁ!!』
>叫びながら母上の「うるさいオーラ」をひしひしと感じつつです(笑
  >まぁ。叫んで頂いたなんてっ!
   物書き冥利に尽きます(うふふ)。

>いろんな話が読めるの楽しみにしています。
  >はいぃっ!がんばります!

>それでは。
  >ありがとうございました!
   こんなバカげた話につき合って頂いただけでも感無量ですのに。
   感想までもらえるとはっ(むせび泣き)!
   本当にありがとうございました。

>・せりあ・
>
>

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12538撃沈ゆえ 12/5-03:12
記事番号12534へのコメント

こんにちは、ゆえともうします。

読んでいって・・・・切ない、哀しい話だなと、胸詰まる思いで読んでいくと・・・・・

いや、感服したいました(笑)

そーいや、そんなCMありましたねぇ・・・・・

泣きそうになっていたので、最後の展開は思わずバソの前で「猫かいっっっっ」と突っ込みまして。(笑)

でも、あれが猫じゃなかったら・・・・いや猫でも切ない文章でした。


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12547撃墜(笑)あごん E-mail 12/5-23:20
記事番号12538へのコメント

ゆえさんは No.12538「撃沈」で書きました。
>
>こんにちは、ゆえともうします。
  >こんばんは、あごんと申します。
   ああっ!大ファンのゆえ様からレス頂ける日が来るとはっ!
   長生きはするもんですねぇ(しみじみ)。

>読んでいって・・・・切ない、哀しい話だなと、胸詰まる思いで読んでいくと・・・・・
  >なんだか急に罪悪感が・・・(笑)。
   涌きませんが(をいコラ)。

>いや、感服したいました(笑)
  >ああっ!勿体のうございますっ!姫っ!
   かようなお言葉、このあごんには過ぎてございます(誰やお前)。
   いやいやしかし。
   推理物好きな私にとっては、読まれる方をうまく騙せたと云う事実は嬉しい限りです。

>そーいや、そんなCMありましたねぇ・・・・・
  >好きなんですよ、あのCM。
   気まぐれでそっけなくて、言うこと聞かないって・・。
   リナっぽいじゃあないですか?(そーでもないですかね)

>泣きそうになっていたので、最後の展開は思わずバソの前で「猫かいっっっっ」と突っ込みまして。(笑)
  >好つっこみありがとうございます(笑)。

>でも、あれが猫じゃなかったら・・・・いや猫でも切ない文章でした。
  >ありがとうございます。
   人情欠落症(笑)の私としては、この上ないお言葉です。
   ゆえ様の足元には及びませんが、せめて腰・・いや、膝元くらいにはなりたいです(トホホ)。
   ではでは、本当にありがとうございました!
   これから、天空歌集17を読みに行きます(うふふ)。

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12540お見事です・・・(笑)れーな E-mail 12/5-15:13
記事番号12534へのコメント


どもはじめましてかと思いますー。テスト前ぎりぎりれーなです♪

リナちゃんが死ぬのかと思ってましたよ・・・いやまぢで。
もー・・・なんと言っていーやらとにかく見事に騙されましたねー・・・
真相を知ってからよくよく読み返してみると実はリナちゃんとネコの台詞が違うんですねー・・・いや気付かなかった。最後まで。
まったく感服致しました^^;

次の作品も楽しみですー♪
 では短いですがこのへんでv

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12548お誉めに預かり光栄の至りです!あごん E-mail 12/5-23:29
記事番号12540へのコメント

れーなさんは No.12540「お見事です・・・(笑)」で書きました。
>
>
>どもはじめましてかと思いますー。テスト前ぎりぎりれーなです♪
  >はじめまして!毎日職場に着くのがぎりぎりのあごんです(駄目じゃんソレ)。

>リナちゃんが死ぬのかと思ってましたよ・・・いやまぢで。
  >ありがとうございます!
   そう思われて貰って嬉しいです(根性悪っ!)

>もー・・・なんと言っていーやらとにかく見事に騙されましたねー・・・
  >それは最上級の誉め言葉ですっ!
   騙されて頂きありがとうございます(笑)。

>真相を知ってからよくよく読み返してみると実はリナちゃんとネコの台詞が違うんですねー・・・いや気付かなかった。最後まで。
>まったく感服致しました^^;
  >まぁ。そこまで気付いて頂くなんて。
   重ね重ね感謝です!

>次の作品も楽しみですー♪
> では短いですがこのへんでv
  >はいっ!がんばります!
   本当にありがとうございました!!
   また、短編で騙しをやろうかしら(笑)。

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12564うにょーーーーー!!!!亜由菜 E-mail 12/6-23:20
記事番号12534へのコメント

あごんさんは No.12534「網膜に貴方が映るその前に」で書きました。
>
やっほーあごん!!
今回も楽しかったよー
そして1つ言わせて......
「途中まで目うるうるさせながら読んでた私はなんだたのー」
うう!見事にだまされました
言い話なんだけどね
うん、本当に言い話だよ
亜由菜も猫好きだし
猫死んじゃうのすっごく悲しいし
亜由菜猫飼ってるし.......
だからもう一つ言わせてーーーーー
「リナが死ななくて良かったー」
もうリナが死んじゃったらどうしようかと思ったーーーーーー
とにかく今回だまされて悔しいのと猫が死んじゃって悲しいのと
ガウリイがやさしくてキャー(ハートハート)なのと
リナが死ななくて良かったーていううれしさが微妙に入り交じってるよ
とにかくすごい亜由菜は見事にだまされたよ本当。
でも、亜由菜は感心です
だって最初のシリアスと最後の笑いが絶妙よん!!
>
>
>
>終わりです。
>何が言いたいんでしょーね、このアマは(爆)。
>オチはどこらへんでわかりましたでしょーか?
>伏線はありましたよ(笑)。
>気まぐれだけど、そっけないけれど、言うこと聞かない君だけど。
>猫大好き○リスキー♪
>とゆーわけでした!
>ではでは。またお会いしましょう!!
>あごんでした!
> 
猫大好き○リスキー!!
うんうんあるある
ちなみに家の猫かカル○ン愛食よん!!
最高のオチありがとう
では、次回作楽しみにしてるわ!!
亜由菜の小説は明日にでもUPしとくので
よければ読んでにょ!!
(upかなり遅れてる.....)

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12572うひぃぃゃぁぁぁっ☆あごん E-mail 12/7-18:25
記事番号12564へのコメント

亜由菜さんは No.12564「うにょーーーーー!!!!」で書きました。
>
>あごんさんは No.12534「網膜に貴方が映るその前に」で書きました。
>>
>やっほーあごん!!
  >やっほー亜由菜!!

>今回も楽しかったよー
  >えへへ。ありがとう(ラヴ)。

>そして1つ言わせて......
  >ん?なになになぁに?

>「途中まで目うるうるさせながら読んでた私はなんだたのー」
  >(笑)。
   なんだったんでしょうね(微笑)。

>うう!見事にだまされました
  >くくくっ。
   見事に騙してちゃいましたっ!
   ありがとー。騙されてくれて(駄目人間)。

>言い話なんだけどね
>うん、本当に言い話だよ
  >まぁ。勿体ないお言葉を。
   ありがとうございます。

>亜由菜も猫好きだし
>猫死んじゃうのすっごく悲しいし
>亜由菜猫飼ってるし.......
  >あごんも狩ってます。
   いや、飼ってますよ(笑)。
   作中の猫はうちの猫がモデルでしゅ。
   栗色ってところだけなんだけど(笑)。

>だからもう一つ言わせてーーーーー
  >はいはい。なんでしょー?

>「リナが死ななくて良かったー」
>もうリナが死んじゃったらどうしようかと思ったーーーーーー
  >だいじょぶです。
   リナは殺しても死なないから(笑)。

>とにかく今回だまされて悔しいのと猫が死んじゃって悲しいのと
>ガウリイがやさしくてキャー(ハートハート)なのと
>リナが死ななくて良かったーていううれしさが微妙に入り交じってるよ
  >なんて素直かつ愛らしい方なんでしょう、亜由菜様は。
   とても純粋な方なのですねぇ(惚)。

>とにかくすごい亜由菜は見事にだまされたよ本当。
>でも、亜由菜は感心です
>だって最初のシリアスと最後の笑いが絶妙よん!!
  >重ね重ね騙されてくれてありがとう(をい)。
   騙すのが目的だったので、とっても嬉しいお言葉です。

>>

 
>猫大好き○リスキー!!
>うんうんあるある
>ちなみに家の猫かカル○ン愛食よん!!
  >うちはフ○スキーですが(笑)。

>最高のオチありがとう
>では、次回作楽しみにしてるわ!!
>亜由菜の小説は明日にでもUPしとくので
>よければ読んでにょ!!
>(upかなり遅れてる.....)
  >ありがとうございました!
   亜由菜様の御小説、とっても大好きですので、楽しみに待っております。
   ではでは。あごんでした!
   

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